(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】粉粒体供給装置
(51)【国際特許分類】
B65G 65/40 20060101AFI20231120BHJP
B65G 65/46 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
B65G65/40 B
B65G65/46 B
(21)【出願番号】P 2022557490
(86)(22)【出願日】2021-10-15
(86)【国際出願番号】 JP2021038293
(87)【国際公開番号】W WO2022085597
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】P 2020175451
(32)【優先日】2020-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507001162
【氏名又は名称】株式会社ツカサ
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】関 知憲
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-127335(JP,A)
【文献】国際公開第2020/184632(WO,A1)
【文献】特開2014-213497(JP,A)
【文献】中国実用新案第210135986(CN,U)
【文献】特開2002-86438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 65/30-65/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
粉粒体を内部に貯留する、前記本体と接続可能な複数のストッカと、
複数の漏出防止部と、を備え、
前記ストッカが、
該ストッカの内部に前記粉粒体を投入可能な投入口と、
供給口を有し、前記ストッカの内部に貯留された前記粉粒体を前記供給口から供給する供給部と、を有し、
前記漏出防止部が、
前記供給口からこぼれた前記粉粒体を受け止めることができる受け部材と、
前記受け部材を移動させる駆動部と、を有し、
前記供給口が、前記粉粒体の計量用の容器の上部開口の上方に配置され、
前記受け部材が、前記駆動部により、前記供給口からこぼれる前記粉粒体を受け止めることが可能な第1の位置と、前記供給口からの前記粉粒体の供給が可能な第2の位置と、に移動可能であ
り、前記上部開口の上方に移動可能である、
ことを特徴とする粉粒体供給装置。
【請求項2】
前記ストッカが、前記本体を中心として、放射状に複数個、配置され、前記供給口が前記本体の中心に向かうように配置され、前記本体に着脱可能に接続される構造である請求項1に記載の粉粒体供給装置。
【請求項3】
前記供給部が前記粉粒体を供給する際に、前記受け部材に溜まった前記粉粒体を供給する請求項1または2に記載の粉粒体供給装置。
【請求項4】
前記本体が、本体部と、該本体部を支持する架台とを備え、該架台に前記ストッカが着脱可能な構造であり、前記本体部に、前記供給部による粉粒体の供給と、前記駆動部の駆動と、を制御する制御部を備える請求項1~3のいずれか1項に記載の粉粒体供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体供給装置に関し、より詳細には漏出防止部を有する粉粒体供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粉粒体を供給する粉粒体供給装置において、供給を開始し、その後に供給を停止した場合には、供給口付近に粉粒体が残留するため、振動等により供給口付近に残留した粉粒体が崩れ、供給口から粉粒体がこぼれるおそれがある。
【0003】
また、供給を停止する際には、粉粒体供給装置の駆動を停止した直後に粉粒体の供給も停止することが理想的であるが、粉粒体の性質上、粉粒体供給装置の駆動を停止した後も、すぐには粉粒体の供給が停止せず、供給口付近に残留した粉粒体が意図せずに供給され続けるものも存在する。
【0004】
上記の問題を解決するために、特許文献1では、粉粒体を供給する粉粒体供給装置であって、粉粒体を収容する内部空間を有するケーシングと、上流側が前記ケーシングに接続され、下流端部が開口した搬送路と、粉粒体を、前記搬送路の上流から下流へ搬送する搬送機構と、前記搬送路の前記下流端部に設けられ、前記搬送路内部が負圧となることで発生する吸引力で、前記開口に密着する蓋部と、前記蓋部が前記開口に密着した状態で、前記搬送管の下流端部にある粉粒体を上流側へ押し戻す気流を流す、通気部と、を備える、粉粒体供給装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の粉粒体供給装置は、前記蓋部を開閉する際に搬送路内の圧力を変化させるため、吸引ブロワ等の機器が必要となる。したがって、必要な機器が増え、装置構造が複雑となる。
【0007】
そこで、本発明では、簡素な構造で、粉粒体の供給停止時には供給口からこぼれる粉粒体を受け止め、かつ、粉粒体の供給時には粉粒体供給装置からの粉粒体の供給を妨げない漏出防止部を有する粉粒体供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、本体と、粉粒体を内部に貯留する、前記本体と接続可能な複数のストッカと、複数の漏出防止部と、を備え、前記ストッカが、該ストッカの内部に前記粉粒体を投入可能な投入口と、供給口を有し、前記ストッカの内部に貯留された前記粉粒体を前記供給口から供給する供給部と、を有し、前記漏出防止部が、前記供給口からこぼれた前記粉粒体を受け止めることができる受け部材と、前記受け部材を移動させる駆動部と、を有し、前記供給口が、前記粉粒体の計量用の容器の上部開口の上方に配置され、前記受け部材が、前記駆動部により、前記供給口からこぼれる前記粉粒体を受け止めることが可能な第1の位置と、前記供給口からの前記粉粒体の供給が可能な第2の位置と、に移動可能であり、前記上部開口の上方に移動可能である、ことを特徴とする粉粒体供給装置である。
【0009】
この構成によれば、前記ストッカは、内部に貯留した前記粉粒体を、前記供給部の前記供給口から供給可能であり、また、前記受け部材は、粉粒体を受け止めることが可能なものである。さらに、前記駆動部により、前記受け部材の位置を移動させることが可能である。この構成によれば、粉粒体の計量の精度が高くなる。
【0010】
前記供給装置が前記粉粒体を供給しない際には、前記漏出防止部の前記受け部材は、前記漏出防止部の前記駆動部により該供給部の前記供給口からこぼれる前記粉粒体を受け止め可能な第1の位置に位置することが可能であり、前記受け部材は、前記供給口からの前記粉粒体の漏出を防止することできる。前記供給部が前記粉粒体を供給する際には、前記漏出防止部の前記受け部材は、前記漏出防止部の前記駆動部により該供給部の前記供給口からの粉粒体の供給が可能な第2の位置に位置することが可能であり、前記供給部は、前記受け部材によって供給を妨げられずに前記粉粒体の供給をすることができる。
【0011】
本明細書において、字句の解釈は次の通りである。「粉粒体」とは、粉体、粒体、又は粉体と粒体の混合体のいずれも含む。食品、薬品、建築・土木、半導体等、粉粒体の用途は限定されない。
【0012】
「粉粒体を供給口から供給」とは、供給口からストッカの外部に粉粒体を排出することを意味する。例えば、排出された粉粒体が、容器に落下して貯留され、計量器で容器内の粉粒体の重量を計量する目的で供給される。
【0013】
「漏出」とは、ストッカが供給口から粉粒体を供給しない際に、振動等により、供給口から粉粒体がこぼれ、意図せずに粉粒体が供給されることを意味する。こぼれる量は粉粒体の安息角が影響する。
【0014】
「供給部」には、スクリューコンベア、スクリューフィーダが例示されるが、粉粒体の移送機能を有するものであれば、他の粉粒体供給部、例えば、振動フィーダ、ベルトコンベア等でも採択できる。
【0015】
「受け部材」とは、上方に開口を有する箱状体、皿状体等が例示され、粉粒体を受け止めて内部に保持できる構造を有するものである。
【0016】
「駆動部」としては特に限定されず、既存のものを使用可能であり、例えば、油圧シリンダ、空気圧シリンダ、モータ等が挙げられる。
【0017】
「粉粒体を受け止める」とは、供給口からこぼれた粉粒体を受け部材に保持することを意味する。
【0018】
「供給口からの粉粒体の供給が可能」とは、供給口から排出される粉粒体が受け部材に妨げられずに供給できることを意味する。
【0019】
本発明は、前記ストッカが、前記本体を中心として、放射状に複数個、配置され、前記供給口が前記本体の中心に向かうように配置され、前記本体に着脱可能に接続される構造であることが好ましい。この構成によれば、前記粉粒体供給装置に備えられた前記ストッカと、別のストッカと、を交換することが可能であり、前記粉粒体供給装置から供給される粉粒体を別の粉粒体に切り替える作業が簡略化される。また、前記ストッカが前記本体に着脱可能に接続される構造であることにより、前記粉粒体供給装置の整備性も向上する。
【0020】
本発明は、前記供給部が前記粉粒体を供給する際に、前記受け部材に溜まった前記粉粒体を供給することが好ましい。この構成によれば、前記受け部材に溜まった粉粒体も供給することが可能であり、歩留まりを向上させることができる。また、前記受け部材に溜まった前記粉粒体を取り除く作業が不要になる。さらに、前記受け部材が空の状態で、第2の位置から第1の位置へと移動させることができるため、前記受け部材から粉粒体がこぼれることも防止することもできる。
【0021】
本発明は、前記本体が、本体部と、該本体部を支持する架台とを備え、該架台に前記ストッカが着脱可能な構造であり、前記本体部に、前記供給部による粉粒体の供給と、前記駆動部の駆動と、を制御する制御部を備えることが好ましい。この構成によれば、前記架台の領域で粉粒体の供給ができ、粉粒体の供給と駆動部の制御効率が高くなる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、簡素な構造で、粉粒体の供給停止時には粉粒体供給装置の供給口からこぼれる粉粒体を受け止め、かつ、粉粒体の供給時には漏出防止部によって妨げられずに粉粒体を供給することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】第1の実施形態における粉粒体供給装置を示す正面図である。
【
図2】第1の実施形態における粉粒体供給装置を示す平面図である。
【
図3】第1の実施形態において、供給部から粉粒体を供給しない場合の漏出防止部を示す概略図である。
【
図4】第1の実施形態において、供給部から粉粒体を供給する場合の漏出防止部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施形態)
粉粒体供給装置1(以下、供給装置1という)を、
図1~4を参照して説明する。供給装置1は、本体2と、粉粒体を内部に貯留し、該貯留した粉粒体を供給可能であり、本体2と接続可能な複数のストッカ3と、複数の漏出防止部4と、を備える構成である。供給装置1は、さらに計量器6、容器7も備えている。以下、図面を参照して説明する。
【0026】
本体2は、本体部21と、この本体部21を支持する架台5を備え、架台5にストッカ3が着脱可能な構造である。この本体部21は制御部211を備えている。制御部211は、本体2がストッカ3と接続されることにより、後述する供給部32による粉粒体の供給と、後述する駆動部42の駆動と、を制御する。その制御は、手動的にまたは設定により自動的に実行可能である。
【0027】
架台5は、載置部51と、複数の脚部52と、を有する。脚部52は、ガイド受け部53を有し、ガイド受け部53と、後述するストッカ3のガイド部35とを嵌合することにより、ストッカ3を本体2に接続する。本実施形態の架台5は、4個のストッカ3を接続可能である。本体部21は、内部が中空である架台5の載置部51の上部に載置される。
【0028】
ストッカ3は、ストッカ3の内部に粉粒体を投入可能な投入口31と、ストッカ3の内部に貯留された粉粒体を供給口321から供給する供給部32と、を有する。供給口321から容器7へ粉粒体を供給する位置が予め設定されている。本実施形態の供給部32は筒状のスクリューフィーダである。ストッカ3は、さらに、底部に回転ストッパ付きのものを含む複数のキャスタ33と、弾性部材34と、本体2に挿入するガイド部35と、を有している。ストッカ3は、キャスタ33により移動可能である。
【0029】
ストッカ3が、本体2を中心として、放射状に複数個(ここでは4個)、供給口321が本体2の中心に向かうように配置される。供給部32の他の部分は、ストッカ3の内部空間に位置しており、供給部32の開口から、ストッカ3に貯留された粉粒体が供給部32の内部に供給される。
【0030】
ストッカ3は、本体2に着脱可能に接続される構造である。例えば、機械的な差し込み構造が例示できる。ストッカ3を本体2に対して押し込み、ガイド部35を本体2に挿入して、ストッカ3を本体2に装着する。ストッカ3を本体2から引き抜き、ガイド部35を本体2から引き離して、本体2からストッカ3を離脱させる。このとき、ストッカ3が本体2に装着されている状態では、ガイド部35は、本体2に挿入されており、ガイド受け部53と嵌合している。これにより、ストッカ3と、本体2と、が固定され、供給口321の向きがずれることを防止できる。弾性部材34は、弾性を有し、衝撃を緩衝する部材であり、ガイド部35の外側に位置し、ストッカ3が本体2に装着されている状態では、本体2と接触している。弾性部材34により、ストッカ3が外部からの予期しない衝撃を受けた際のストッカ3自体が本体2と接触して破損することを防止できる。
【0031】
本体2へのストッカ3の装着は、ストッカ3を、粉粒体を供給する位置に移動させ、ストッカ3のガイド部35と、供給口321を含む供給部32の先端付近を本体2の架台5の内部に押し込み、キャスタ33の回転防止ストッパを作動させて位置を固定し、本体2と、ストッカ3と、をケーブル(図示略)で接続することにより完了する。一方、本体2からのストッカ3の離脱は、本体2とストッカ3とを接続するケーブルを取外し、キャスタ33の回転防止ストッパを解除し、ストッカ3を本体2から引き抜き、ストッカ3を、粉粒体を供給する位置から移動させることにより完了する。したがって、本体2とストッカ3とは容易に着脱可能であり、装着されているストッカ3と、他のストッカ3と、を容易に交換可能である。
【0032】
ストッカ3と、他のストッカ3と、の交換が可能であることにより、供給する粉粒体の切り替えが容易となる。本体2からストッカ3を離脱可能なことにより、ストッカ3を本体2から離脱した状態で整備が可能であり、供給装置1の整備性が向上する。例えば、供給部32や漏出防止部4が故障した場合には、修理交換が容易である。
【0033】
漏出防止部4は、供給口321からこぼれる粉粒体を受け止めることができる受け部材41と、受け部材41を移動させる駆動部42と、を有する。受け部材41は、上方が開口した開口部411を有する箱状部材である。漏出防止部4は、横方向に延出する部材である。本実施形態の漏出防止部4は、供給部32の下方に配置されて、一端部が架台5の脚部52に固定されているが、設置位置は特に限定されず、受け部材41が後述する第1の位置Aと第2の位置Bとに位置することができる位置であれば採用可能である。
【0034】
受け部材41は、開口部411が上方に向いた状態で駆動部42に接続されている。これにより、上方から落下する粉粒体を受け止めることが可能である。
【0035】
受け部材41は、開口部411が上方に向かって広がる形状のものが好ましい。これにより、供給部32の供給口321からの粉粒体の漏出を防止する効果を向上させることができる。
【0036】
受け部材41の形状としては開口部411を有し、供給口321から排出される粉粒体を受け止められる形状であれば特に限定されない。例えば、開口部411が上方に向いた直方体、円形体、楕円体、多角形体等が挙げられる。
【0037】
受け部材41の大きさとしては、供給口321からこぼれる粉粒体を受け止めるのに十分な大きさであれば特に限定されないが、他の受け部材41等、他の部材への干渉防止の観点からも、その大きさが定められる。
【0038】
受け部材41の材質としては特に限定されず、粉粒体の特性に応じて既存の材料を適宜使用可能である。例えば、既存の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ステンレス鋼等の金属材料が使用可能である。
【0039】
駆動部42は、接続したものを移動させることが可能である。本実施形態の駆動部42は動力シリンダであり、動力シリンダ内から延伸するピストンロッド421の先端部にL字型部材を介して受け部材41が接続されている。また、動力シリンダを用いることにより、油圧または空圧によって受け部材41を移動させることができる。駆動部42としては、動力シリンダの他にモータが例示されるが、特に限定されない。
【0040】
駆動部42により、供給部32の軸方向Xに沿って、受け部材41を、第1の位置A(供給口321からのこぼれる粉粒体を受け止めることが可能な位置、
図3参照)と、第2の位置B(供給口321からの粉粒体の供給が可能な位置、
図4参照)と、に移動させることが可能である。供給口321は、第1の位置Aにおいて、受け部材41の上方に位置し、第2の位置Bにおいて、受け部材41の前方の壁の前方斜め上方に位置している。
【0041】
駆動部42と供給部32とは、それぞれ動力シリンダと筒状のスクリューフィーダとであり、動力シリンダのピストンロッド421はスクリューフィーダのスクリュー(図示略)の軸方向Xと同一方向に伸縮可能である。駆動部42である動力シリンダのピストンロッド421の先端部に接続される受け部材41は、スクリューフィーダのスクリューの軸方向Xと同一方向に移動することが可能であり、これにより、受け部材41は、第1の位置Aと、第2の位置Bと、に移動可能である。
【0042】
供給部32が粉粒体を供給しない際には、
図3に示す通り、受け部材41が、駆動部42により供給口321からこぼれた粉粒体を受け止めることが可能な第1の位置Aに位置する。したがって、漏出防止部4の受け部材41により、
図2、
図3に示す通り、供給口321からこぼれる粉粒体を受け止めることが可能である。
【0043】
供給部32が粉粒体を供給する際には、
図4に示す通り、受け部材41が、駆動部42により供給口321からの粉粒体の供給が可能な第2の位置Bに位置する。したがって、漏出防止部4の受け部材41によって受け止められることなく、供給口321から粉粒体を供給することが可能である。
【0044】
計量器6と、粉粒体の貯留が可能であり、計量器6上方に載置された計量用の容器7と、は架台5の内部に配置される。このとき、ストッカ3は、供給口321を含む供給部32の先端付近が、架台5の内部に差し込まれた状態で本体2に装着されており、供給口321は、容器7の上方であって、容器7の内部に粉粒体を供給することが可能な場所である、容器7の上部開口71の上方に位置にする。受け部材41が、上部開口71の上方、かつ供給口321の下方に移動可能である。
【0045】
計量器6により、供給装置1から供給され、容器7に貯留された粉粒体の重量を計測可能である。本体2と、計量器6と、をケーブル(図示略)で接続することにより、計量器6により計測された容器7に貯留された粉粒体の重量に応じて、本体2により、ストッカ3から供給される粉粒体の供給流量を制御することも可能である。計量器6は、その上部に容器7を搬送可能なコンベアを有するものも採用可能である。このような計量器6を採用することにより、容器7の搬送と設置が容易となる。コンベアとしては、ローラコンベア、ベルトコンベア等が例示される。供給装置1は、上述の本体2によりストッカ3から供給される粉粒体の供給流量を制御可能であること、および漏出防止部4の受け部材41が、供給口321からこぼれる粉粒体を受け止め可能であることにより、ストッカ3から、所定の重量の粉粒体を精度よく容器7に供給可能である。
【0046】
供給装置1の動作手順を説明する。本体2にストッカ3を装着する。本体2に装着するストッカ3の数は任意であり、供給する粉粒体の種類、量等を考慮して装着するストッカ3の数を決定することができる。ストッカ3の内部に貯留する粉粒体をストッカ3に投入するタイミングは粉粒体を供給する前であればいつでもよいが、操作性の観点から、粉粒体をストッカ3に投入した後に、ストッカ3を本体2に装着すること好ましい。
【0047】
ストッカ3が本体2に装着されていない状態では、漏出防止部4の受け部材41は、第1の位置Aに位置している。ストッカ3が本体2に装着された状態であっても、ストッカ3から粉粒体の供給が開始されていない状態であれば、同様に、漏出防止部4の受け部材41は、第1の位置Aに位置している。これにより、ストッカ3の本体2への装着の際に供給口321から粉粒体がこぼれた場合であっても、該粉粒体は、第1の位置Aに位置する受け部材41によって受け止められるため、粉粒体の漏出を防止することが可能である。
【0048】
本体2の制御部211を操作し、本体2に装着されたストッカ3から粉粒体を供給する。このとき、粉粒体を供給するストッカ3の下方に位置する受け部材41は、駆動部42により、粉粒体が供給口321から供給される前に第1の位置Aから第2の位置Bへと移動する。これにより、受け部材41によって妨げられずにストッカ3から粉粒体を供給することが可能となる。
【0049】
ストッカ3からの粉粒体の供給を手動的にまたは自動的に停止する。このとき、粉粒体の供給を停止するストッカ3の下方に位置する受け部材41は、駆動部42により、供給口321からの粉粒体の供給が停止した後に第2の位置Bから第1の位置Aへと移動する。これにより、上記のストッカ3から粉粒体の供給が開始されていない状態のときと同様に、粉粒体が供給口321からこぼれた場合であっても、該粉粒体は、第1の位置Aに位置する受け部材41によって受け止められるため、粉粒体の漏出を防止することが可能である。上記の粉粒体の供給を停止するストッカ3とは異なり、粉粒体の供給が停止されたままの状態の他のストッカ3においては、該他のストッカ3の下方に位置する受け部材41は、第1の位置Aに位置したままである。これにより、該他のストッカ3の供給口321からこぼれる粉粒体は受け部材41によって受け止められ、粉粒体の漏出を防止できる。
【0050】
上記のストッカ3からの粉粒体の供給の開始と停止は、供給作業の状況に応じて任意の回数を繰り返して行われてもよい。その際には、ストッカ3からの粉粒体の供給の開始および停止の毎に、ストッカ3の下方に位置する受け部材41の移動が行われるため、同様に粉粒体の漏出の防止が可能である。
【0051】
複数のストッカ3から粉粒体の供給を行う場合には、各ストッカ3は、1つずつ順番に粉粒体の供給を行う。その際には、粉粒体を供給するストッカ3の下方に位置する受け部材41が第2の位置Bに位置し、粉粒体を供給しないストッカ3の下方に位置する受け部材41は第1の位置Aに位置する。これにより、各ストッカ3から容器7に供給された粉粒体の重量を計測することできる。
【0052】
計量器6により、容器7に貯留された粉粒体の重量が設定重量になったと判断されると、粉粒体供給処理は終了し、容器7を搬出し、新たな容器7を設置し、次の粉粒体供給処理を行う。
【0053】
全ての粉粒体供給処理の完了後、ストッカ3を本体2から離脱させる。このとき、ストッカ3からの粉粒体の供給が停止している状態であるため、ストッカ3の下方に位置する受け部材41は、第1の位置Aに位置する。これにより、本体2からのストッカ3の離脱の際に供給口321から粉粒体がこぼれた場合であっても、該粉粒体は、第1の位置Aに位置する受け部材41に受け止められるため、粉粒体の漏出を防止することが可能である。
【0054】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態においては、ストッカ3が粉粒体を供給する際に、ストッカ3の下方に位置する受け部材41はさらに、回転等することにより、受け部材41に溜まった粉粒体を容器7に供給することが可能である。
【0055】
受け部材41に溜まった粉粒体を供給することにより、歩留まりを向上することができる。また、ストッカ3からの粉粒体の供給を停止する際に、空の状態の受け部材41を第1の位置Aから第2の位置Bへと移動することが可能であるため、受け部材41から粉粒体がこぼれることを防止することもできる。
【0056】
受け部材41に溜まった粉粒体を供給する方法は特に限定されない。例えば、受け部材41の底面が扉になっており、該扉を開扉する方法、受け部材41に溜まった粉粒体が開口部411から落下供給されるように受け部材41を回転させる方法等が挙げられる。
【0057】
第2の実施形態の粉粒体供給装置1の他の構成は、第1の実施形態の供給装置1と同様であるため、同一の符号を付し、その説明を援用する。
【0058】
本実施形態における供給装置1の動作手順を説明する。本体2に装着されたストッカ3から粉粒体を供給する際の動作以外の動作は、第1の実施形態の場合と同様であるため、その説明を援用する。
【0059】
本体2に装着されたストッカ3から粉粒体を供給する際には、まず、粉粒体を供給するストッカ3の下方に位置する受け部材41が回転することにより、該受け部材41に溜まった粉粒体を供給する。その後、漏出防止部4が、元の位置に戻ることにより、受け部材41が粉粒体を受け止めることが可能な状態へと戻る。続いて、駆動部42により、粉粒体が供給口321から供給される前に第1の位置Aから第2の位置Bへと移動する。これにより、粉粒体を、受け部材41によって妨げられずにストッカ3から供給することが可能となる。
【0060】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、改変等を加えることができるものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれることとなる。例えば、本体2へ装着するストッカ3の数は、上記実施形態では4個であったが、1、2、3、5・・・等、適宜の数を採択できる。上記実施形態では、容器7へ供給された粉粒体の重量を計量するために漏出防止部4が用いられているが、他の用途の粉粒体処理機器への適用も可能である。
【符号の説明】
【0061】
1・・・粉粒体供給装置
2・・・本体
21・・・本体部
211・・・制御部
3・・・ストッカ
31・・・投入口
32・・・供給部
321・・・供給口
33・・・キャスタ
34・・・弾性部材
35・・・ガイド部
4・・・漏出防止部
41・・・受け部材
411・・・開口部
42・・・駆動部
421・・・ピストンロッド
5・・・架台
51・・・載置部
52・・・脚部
53・・・ガイド受け部
6・・・計量器
7・・・容器
71・・・上部開口
A・・・第1の位置
B・・・第2の位置