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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】アダプタ及びハウジングユニット
(51)【国際特許分類】
   H01R 31/06 20060101AFI20231120BHJP
   H01R 13/523 20060101ALI20231120BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20231120BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20231120BHJP
   G03B 17/08 20210101ALI20231120BHJP
【FI】
H01R31/06 Z
H01R13/523
G03B17/56 H
H04N23/50
G03B17/08
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023084713
(22)【出願日】2023-05-23
【審査請求日】2023-06-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501255550
【氏名又は名称】電通ハイテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(72)【発明者】
【氏名】武井 久仁夫
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-116469(JP,U)
【文献】英国特許出願公開第02537346(GB,A)
【文献】米国特許第04553807(US,A)
【文献】実開昭52-026190(JP,U)
【文献】米国特許第02655638(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 31/06
H01R 13/523
H01R 13/73-13/74
G03B 17/08
G03B 17/56
H04N 23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延び、且つ、前記一方向における一端が、内部にケーブルが通される管材の一端に対して取り付けられるとともに、前記一方向における他端が、ハウジングの内部空間に連通するハウジング貫通穴に対して取り付けられるアダプタ本体と、
前記アダプタ本体と前記管材との取り付け部分を封止して連結する第1封止連結部と、
前記アダプタ本体と前記ハウジングとの取り付け部分を封止して連結する第2封止連結部と、
前記アダプタ本体を前記一方向に貫通するアダプタ貫通穴と、
前記アダプタ貫通穴の前記一方向における一端部に位置し、且つ、前記ケーブルのケーブルコネクタに電気的に接続可能な第1コネクタと、
一端が前記第1コネクタに対して電気的に接続され、前記アダプタ貫通穴を通り、他端が少なくとも前記アダプタ貫通穴の前記一方向における他端部の外方まで延びているアダプタケーブルと、
前記アダプタケーブルの他端に対して電気的に接続される第2コネクタと、
前記アダプタ貫通穴を通る前記アダプタケーブルの少なくとも一部のまわりで前記アダプタ貫通穴の前記一方向の少なくとも一部を封止する充填材を含む封止部と、
を有する、
アダプタ。
【請求項2】
請求項に記載のアダプタにおいて、
前記充填材は、前記アダプタ貫通穴の前記一端部から前記他端部まで充填されている
アダプタ。
【請求項3】
請求項に記載のアダプタにおいて、
前記管材の前記一方向における他端部の外面には、雄ネジが形成されており、
前記ハウジング貫通穴の内面には、雌ネジが形成されており、
前記第1封止連結部は、
前記アダプタ本体の前記一端に位置し、雄ネジが形成された第1雄ネジ部と、
前記管材の前記雄ネジ及び前記第1雄ネジ部に対してねじ止め可能な雌ネジが形成された環状の連結具と、
を有し、
前記第2封止連結部は、前記アダプタ本体の前記他端に位置し、前記ハウジング貫通穴の前記雌ネジに対してねじ止め可能な第2雄ネジ部を有する、
アダプタ。
【請求項4】
請求項に記載のアダプタにおいて、
前記一方向において、前記アダプタ本体の長さから、前記第1雄ネジ部の形成しろの長さと前記第2雄ネジ部の形成しろの長さとを引いた長さは、前記第1雄ネジ部の形成しろの長さと前記第2雄ネジ部の形成しろの長さとの少なくとも一方よりも長い、
アダプタ。
【請求項5】
請求項1からのいずれか一つに記載のアダプタと、
前記アダプタに取り付けられる前記ハウジングと、
を有する、
ハウジングユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングに取り付け可能なアダプタ及び前記アダプタ及び前記ハウジングを有するハウジングユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラを収容したハウジングと、前記ハウジングに連結される棒状部材とを有する水中カメラが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ドーム型カメラまたは全方位カメラが、透明部を有するハウジングの内部に収容されている水中カメラ装置が開示されている。このような構成によって、水中においてドーム型カメラまたは全方位カメラを使用可能にしている。また、前記特許文献1では、前記ハウジングに取り付けられている前記棒状部材によって前記水中カメラ装置を水上から吊り下げて撮影を行うことが提案されている。また、前記特許文献1には、前記棒状部材を中空部材とし、かつ、前記棒状部材の中穴を前記ハウジングの内部と連通させるとともに、前記ハウジングの内部に収容されるカメラから画像データを送信するためのケーブルを、前記棒状部材の中穴に通すことも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-159097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1では、ハウジングと棒状部材とは別部材であるので、水中カメラ装置を水中に設置する際、前記ハウジングと前記棒状部材とを組み立てる必要がある。このため、組み立ての際、前記棒状部材の中穴に通されるケーブルを、前記ハウジングの内部に取り込んで、前記ハウジングの内部に収容されるカメラに接続する必要がある。また、メンテナンス時等において、前記水中カメラ装置を水中から回収する際には、前記ハウジングと前記棒状部材とを分解する必要がある。このため、分解の際、前記ハウジングの内部に取り込まれているケーブルを引き抜く必要がある。
【0006】
このように、特許文献1に記載の水中カメラ装置では、組み立てまたは分解の際の手順が煩雑であった。
【0007】
そこで、ハウジングに取り付ける管材と前記ハウジングとの取り付けおよび取り外しを容易とすることが望まれている。
【0008】
以上より、本発明の目的は、ハウジングに取り付ける管材と前記ハウジングとの取り付けおよび取り外しが容易となるアダプタ及びハウジングユニットを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
態様1に係るアダプタは、一方向に延び、且つ、前記一方向における一端が、内部にケーブルが通される管材の一端に対して取り付けられるとともに、前記一方向における他端が、ハウジングの内部空間に連通するハウジング貫通穴に対して取り付けられるアダプタ本体と、前記アダプタ本体と前記管材との取り付け部分を封止して連結する第1封止連結部と、前記アダプタ本体と前記ハウジングとの取り付け部分を封止して連結する第2封止連結部と、前記アダプタ本体を前記一方向に貫通するアダプタ貫通穴と、前記アダプタ貫通穴の前記一方向における一端部に位置し、且つ、前記ケーブルのケーブルコネクタに電気的に接続可能な第1コネクタと、一端が前記第1コネクタに対して電気的に接続され、他端が少なくとも前記アダプタ貫通穴の前記一方向における他端部まで延びているアダプタケーブルと、前記アダプタケーブルの他端に対して電気的に接続される第2コネクタと、を有する。
【0010】
上述の態様では、アダプタと管材とが封止状態で連結されるとともに、前記アダプタとハウジングとが封止状態で連結される。
【0011】
また、前記アダプタが有するアダプタ貫通穴内にはアダプタケーブルが通されている。これにより、前記アダプタケーブルによって、前記管材の内部に通されるケーブルと、前記ハウジングの内部空間に収容される電気機器との電気的接続を実現できる。このため、前記アダプタの前記アダプタケーブルを、前記電気機器に予め接続しておけば、前記ハウジングに前記管材を取り付ける際において、前記管材の内部に通されるケーブルを、前記ハウジングの内部空間に取り込んで、前記ハウジングの内部空間に収容される電気機器に接続しなくても済む。
【0012】
さらには、前記ハウジングから前記管材を取り外す際においても、例えば、前記アダプタから前記管材を取り外すだけで済む。
【0013】
よって、上述の態様によれば、前記管材と前記ハウジングとの取り付けおよび取り外しが容易となる。
【0014】
態様2に係るアダプタは、態様1において、前記アダプタ貫通穴の前記一方向の少なくとも一部を封止する封止部を、さらに有する。
【0015】
上述の態様では、アダプタに取り付けられる管材の内部とハウジングの内部空間との間を、アダプタによって、防水性の観点において隔離することができる。このため、例えば、もし、不測の事態により、前記アダプタ本体と前記管材との取り付け部分の第1封止連結部における封止性が損なわることにより、前記第1封止連結部において浸水が発生したとしても、ハウジングの内部空間まで前記浸水の影響が及ぶことを防ぐことができる。
【0016】
態様3に係るアダプタは、態様2において、前記封止部は、前記アダプタ貫通穴の前記一端部から前記他端部まで充填された充填材を含む。
【0017】
上述の態様により、アダプタに取り付けられる管材の内部とハウジングの内部空間との間の封止性がさらに向上する。
【0018】
態様4に係るアダプタは、態様3において、前記管材の前記一方向における他端部の外面には、雄ネジが形成されており、前記ハウジング貫通穴の内面には、雌ネジが形成されており、前記第1封止連結部は、前記アダプタ本体の前記一端に位置し、雄ネジが形成された第1雄ネジ部と、前記管材の前記雄ネジ及び前記第1雄ネジ部に対してねじ止め可能な雌ネジが形成された環状の連結具と、を有し、前記第2封止連結部は、前記アダプタ本体の前記他端に位置し、前記ハウジング貫通穴の前記雌ネジに対してねじ止め可能な第2雄ネジ部を有する。
【0019】
上述の態様により、環状の連結具によって、管材とアダプタとをねじ止めすることができる。これにより、ハウジングまたは前記管材を回転させなくても、前記連結具を回転させるだけで、前記管材からアダプタを取り外すことができる。また、ハウジングとアダプタとは、ねじ止めにより容易に連結することができる。
【0020】
態様5に係るアダプタは、態様4において、前記一方向において、前記アダプタ本体の長さから、前記第1雄ネジ部の形成しろの長さと前記第2雄ネジ部の形成しろの長さとを引いた長さは、前記第1雄ネジ部の形成しろの長さと前記第2雄ネジ部の形成しろの長さとの少なくとも一方よりも長い。
【0021】
上述の態様により、前記アダプタ貫通穴の前記一端部から前記他端部までの長さをより長くできる。これにより、一方向において、アダプタ貫通穴内に充填される充填材の長さをより長くできる。よって、防水性がさらに向上する。
【0022】
態様6に係るハウジングユニットは、態様1から5のいずれか一つに記載のアダプタと、前記アダプタに取り付けられる前記ハウジングと、を有する。
【0023】
上述の態様によって、取り外しがより容易なハウジングユニットを得ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様に係るアダプタは、一方向に延び、且つ、前記一方向における一端が、内部にケーブルが通される管材の一端に対して取り付けられるとともに、前記一方向における他端が、ハウジングの内部空間に連通するハウジング貫通穴に対して取り付けられるアダプタ本体と、前記アダプタ本体と前記管材との取り付け部分を封止して連結する第1封止連結部と、前記アダプタ本体と前記ハウジングとの取り付け部分を封止して連結する第2封止連結部と、前記アダプタ本体を前記一方向に貫通するアダプタ貫通穴と、前記アダプタ貫通穴の前記一方向における一端部に位置し、且つ、前記ケーブルのケーブルコネクタに電気的に接続可能な第1コネクタと、一端が前記第1コネクタに対して電気的に接続され、他端が少なくとも前記アダプタ貫通穴の前記一方向における他端部まで延びているアダプタケーブルと、前記アダプタケーブルの他端に対して電気的に接続される第2コネクタと、を有する。
【0025】
よって、上述の態様によれば、前記管材と前記ハウジングとの取り付けおよび取り外しが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、実施形態1に係る水中カメラ装置の概略構成を示す図である。
図2図2は、図1に示す水中カメラ装置の分解図である。
図3図3は、図2のIII-III線断面図である。
図4図4は、図1のIV-IV線断面図である。
図5図5は、図2のV-V線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下で、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図において、同一部分には同一の符号を付して、その同一部分の説明は繰り返さない。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0028】
また、以下の説明において、“固定”、“接続”及び“取り付ける”等(以下、固定等)の表現は、部材同士が直接、固定等されている場合だけでなく、他の部材を介して固定等されている場合も含む。すなわち、以下の説明において、固定等の表現には、部材同士の直接的及び間接的な固定等の意味が含まれる。
【0029】
[実施形態]
(全体構成)
図1及び図2を参照して、水中カメラ装置1の概略構成について説明する。
【0030】
図1は、実施形態1に係る水中カメラ装置の概略構成を示す図である。図2は、図1に示す水中カメラ装置の分解図である。
【0031】
水中カメラ装置1は、ハウジングユニット5と、管材30と、ケーブル40と、カメラユニット50とを有する。
【0032】
ハウジングユニット5は、管材30に取り付けられるアダプタ20と、アダプタ20に取り付けられるハウジング10と、を有する。
【0033】
図3を参照して、ハウジング10の構成について説明する。図3は、図2のIII-III線断面図である。
【0034】
ハウジング10は、カメラユニット50を収容する内部空間Sを有する。ハウジング10は、第1ハウジング部材11と、第2ハウジング部材12とを有する。
【0035】
第1ハウジング部材11は、収容部111と、ブラケット115と、バルブ116と、補助穴119と、を有する。
【0036】
収容部111は、ステンレススチール等の金属または合成樹脂等によって構成される。収容部111は、前記一方向の他方に位置し、前記一方向に見て円形状の開放部112と、収容部111の前記一方向の他端から外方に延びるフランジ部113と、前記一方向の一方に位置するソケット114とを有する。ソケット114は、ハウジング貫通穴117を有している。ハウジング貫通穴117の内面には、雌ネジ118が形成されている。詳細は後述するが、ソケット114には、アダプタ20が取り付けられる。
【0037】
ブラケット115は、収容部111の内方に位置する。ブラケット115には、カメラユニット50を固定するためのカメラ固定板1151を取り付けることができる。ブラケット115と、カメラ固定板1151とは、例えば、ボルト等によって締結される。カメラ固定板1151には、カメラユニット50の基部が固定される。カメラ固定板1151と、カメラユニット50とは、例えば、ボルト等によって締結される。
【0038】
バルブ116は、収容部111の外方から内方に、加圧した空気を注入可能な弁構造を有する。
【0039】
補助穴119は、ハウジング10内に、アダプタ20以外の配線を引き込むために使用する貫通穴である。補助穴119は、使用しない場合は封止しておくことができる。
【0040】
第2ハウジング部材12は、アクリル等の透明材料によって構成される。第2ハウジング部材12は、前記一方向の一方に開放部122を有する半球状の形状を有する。第2ハウジング部材12は、前記一方向の一端から外方に延びるフランジ部123を有する。第2ハウジング部材12は、第1ハウジング部材11に対して、第1ハウジング部材11の開放部112を塞ぐように連結されている。第1ハウジング部材11のフランジ部113と第2ハウジング部材12のフランジ部123とを互いに対向している。フランジ部123の前記一方向の他方にはリング状部材13を重ねられている。フランジ部113とフランジ部123とリング状部材13とはボルト14によって締結されている。これにより、第1ハウジング部材11と第2ハウジング部材12との間は、封止されている。なお、第1ハウジング部材11と第2ハウジング部材12との間にOリングを配置してもよい。Oリングの配置方法に特に制限はないが、例えば以下の通りに配置することができる。前記一方向に見て、第1ハウジング部材11のフランジ部113においてボルト14の締結位置よりも内方の位置に、第1ハウジング部材11の開放部112を囲み且つ前記一方向の他方側に開口する円形状の溝を設ける。この溝にOリングを配置した状態で、第1ハウジング部材11を第2ハウジング部材12に取り付けてもよい。これにより封止性が向上する。内部空間Sは、第1ハウジング部材11及び第2ハウジング部材12によって構成される。
【0041】
再び図1及び図2を参照して、アダプタ20は、ハウジング10と管材30とを接続するとともに、管材30の内部に通されるケーブル40と、カメラユニット50とを電気的に接続する。アダプタ20の詳細については後述する。
【0042】
管材30は、ステンレススチール等の金属部材または合成樹脂部材により構成される。管材30の内部には、ケーブル40が通される。管材30は、水上までケーブル40を案内する。管材30の前記一方向における他端部の外面には、雄ネジ31が形成されている。
【0043】
ケーブル40は、電力供給可能な通信ケーブルである。ケーブル40としては、例えば、PoE(Power over Ethernet)に準拠したLANケーブルによって実現できる。ケーブル40には、防水加工が施されていることがより好ましい。ケーブル40の一端は、PoEハブ(不図示)を介して、ネットワークレコーダ(不図示)に接続される。ケーブル40の他端に位置するケーブルコネクタ41は、前記一方向に見て円形状の8ピンプラグである。
【0044】
カメラユニット50は、全方位カメラまたはPTZ(Pan Tilt Zoom)機能搭載カメラによって実現される。カメラユニット50は、アダプタ20によってケーブル40に電気的に接続される。これによって、カメラユニット50は、PoEハブ(不図示)から電力供給を受けることができるとともに、ネットワークレコーダ(不図示)に対して、画像データを送信できる。
【0045】
(アダプタの詳細及び接続構造)
図4及び図5を参照して、アダプタ20の詳細及び接続構造について説明する。図4は、図1のIV-IV線断面図である。図5は、図2のV-V線断面図である。
【0046】
アダプタ20は、アダプタ本体211と、第1封止連結部212と、第2封止連結部213と、アダプタ貫通穴214と、第1コネクタ251と、アダプタケーブル252と、第2コネクタ253と、封止部26と、ケーブルグランド27とを有する。
【0047】
アダプタ本体211は、前記一方向に延び、且つ、前記一方向における一端が、管材30の一端部に対して取り付けられるとともに、前記一方向における他端が、ハウジング10の内部空間Sに連通するハウジング貫通穴117に対して取り付けられる。アダプタ本体211は、前記一方向に見て、六角形の形状を有する。このため、アダプタ211は、スパナまたはレンチ等の工具により回転させやすい。
【0048】
第1封止連結部212は、アダプタ本体211と管材30との取り付け部分を封止して連結する。第1封止連結部212は、第1雄ネジ部2121と、環状の連結具22と、シールテープ材71とを有する。第1雄ネジ部2121は、アダプタ本体211の前記一端に位置する。第1雄ネジ部2121には、雄ネジが形成されている。連結具22の内面には、管材30の雄ネジ31及び第1雄ネジ部2121に対してねじ止め可能な雌ネジ221が形成されている。シールテープ材71は、アダプタ本体211と連結具22との間を封止している。なお、連結具22と、管材30との間は、溶接部73によって接合されている。すなわち、連結具22と、管材30との間は、溶接部73によって封止されている。
【0049】
第2封止連結部213は、アダプタ本体211とハウジング10との取り付け部分を封止して連結する。第2封止連結部213は、アダプタ本体211の前記他端に位置し、ハウジング貫通穴117の雌ネジ118に対してねじ止め可能な第2雄ネジ部2131と、アダプタ本体211とハウジング10のソケット114との間を封止するシールテープ材72とを有する。このような第1封止連結部212及び第2封止連結部213の構造によって、防水性を向上させることができる。
【0050】
アダプタ貫通穴214は、アダプタ本体211を前記一方向に貫通する。
【0051】
第1コネクタ251は、アダプタ貫通穴214の前記一方向における一端部に位置し、且つ、ケーブル40のケーブルコネクタ41に電気的に接続可能である。第1コネクタ251は、前記一方向に見て、円形状である。第1コネクタ251は、8ピンのレセプタクルである。このようにアダプタ貫通穴214の前記一方向における一端部に、円形状の第1コネクタ251を採用することで、コネクタの大きさを抑えることができる。
【0052】
アダプタケーブル252は、一端が第1コネクタ251に対して電気的に接続され、他端がアダプタ貫通穴214の前記一方向における他端部の外方に延びる。アダプタケーブル252は、電力供給可能な通信ケーブルである。アダプタケーブル252としては、例えば、PoE(Power over Ethernet)に準拠したLANケーブルによって実現できる。
【0053】
第2コネクタ253は、アダプタケーブル252の他端に対して電気的に接続される。第2コネクタ253は、RJ45型のプラグである。
【0054】
封止部26は、アダプタ貫通穴214を封止する。封止部26は、アダプタ貫通穴214の前記一端部から前記他端部まで充填された防水性の充填材を含む。上述の構成では、アダプタ20に取り付けられる管材30の内部とハウジング10の内部空間Sとの間を、アダプタ20によって、防水性の観点において隔離することができる。このため、例えば、もし、不測の事態により、アダプタ本体211と管材30との取り付け部分の第1封止連結部212における封止性が損なわることにより、第1封止連結部212において浸水が発生したとしても、ハウジング10の内部空間Sまで前記浸水の影響が及ぶことを防ぐことができる。これにより、アダプタ20に取り付けられる管材30の内部とハウジング10の内部空間Sとの間の封止性が向上する。
【0055】
また、前記一方向において、アダプタ本体211の長さL10から、第1雄ネジ部2121の形成しろの長さL11と第2雄ネジ部2131の形成しろの長さL12とを引いた長さL13は、第1雄ネジ部2121の形成しろの長さL1と第2雄ネジ部2131の形成しろの長さL12との少なくとも一方よりも長い。
【0056】
上述の構成により、アダプタ貫通穴214の前記一端部から前記他端部までの長さをより長くできる。これにより、前記一方向において、アダプタ貫通穴214内に充填される充填材の長さをより長くできる。よって、防水性がさらに向上する。
【0057】
ケーブルグランド27は、アダプタ貫通穴214の前記一方向における他端部の外方に位置する。ケーブルグランド27は、アダプタケーブル252の周囲を覆っている。ケーブルグランド27は、アダプタ貫通穴214の前記他端部を塞ぐとともに、アダプタ貫通穴214の他端部の外方においてアダプタケーブル252を保護している。
【0058】
以上に説明したように、アダプタ20は、一方向に延び、且つ、前記一方向における一端が、内部にケーブルが通される管材30の一端に対して取り付けられるとともに、前記一方向における他端が、ハウジング10の内部空間Sに連通するハウジング貫通穴117に対して取り付けられるアダプタ本体211と、アダプタ本体211と管材30との取り付け部分を封止して連結する第1封止連結部212と、アダプタ本体211とハウジング10との取り付け部分を封止して連結する第2封止連結部213と、アダプタ本体211を前記一方向に貫通するアダプタ貫通穴214と、アダプタ貫通穴214の前記一方向における一端部に位置し、且つ、ケーブル40のケーブルコネクタ41に電気的に接続可能な第1コネクタ251と、一端が第1コネクタ251に対して電気的に接続され、他端が少なくともアダプタ貫通穴214の前記一方向における他端部まで延びているアダプタケーブル252と、アダプタケーブル252の他端に対して電気的に接続される第2コネクタ253と、を有する。
【0059】
上述の構成では、アダプタ20と管材30とが封止状態で連結されるとともに、アダプタ20とハウジング10とが封止状態で連結される。
【0060】
また、アダプタ20が有するアダプタ貫通穴214内にはアダプタケーブル252が通されている。これにより、アダプタケーブル252によって、管材30の内部に通されるケーブル40と、ハウジング10の内部空間Sに収容される電気機器としてのカメラユニット50との電気的接続を実現できる。このため、アダプタ20のアダプタケーブル252を、カメラユニット50に予め接続しておけば、ハウジング10に管材30を取り付ける際において、管材30の内部に通されるケーブル40を、ハウジング10の内部空間Sに取り込んで、ハウジング10の内部空間Sに収容されるカメラユニット50に接続しなくても済む。
【0061】
さらには、ハウジング10から管材30を取り外す際においても、例えば、アダプタ20から管材30を取り外すだけで済む。
【0062】
よって、上述の構成によれば、管材30とハウジング10との取り付けおよび取り外しが容易となる。
【0063】
また、上述の構成によって、取り外しがより容易なハウジングユニットを得ることができる。
【0064】
また、アダプタ20は、環状の連結具22を備える。この構成では、環状の連結具22によって、管材30とアダプタ20とをねじ止めすることができる。これにより、ハウジング10または管材30を回転させなくても、連結具22を回転させるだけで、管材30からアダプタ20を取り外すことができる。さらに言えば、ケーブル40が、アダプタ20に対して脱着可能となっているため、アダプタ20をハウジング10から取り外す際には、予めケーブル40のケーブルコネクタ41を、アダプタ20の第1コネクタ251から取り外しておくことができる。これにより、アダプタ20をケーブル40とは独立して回転させることができる。もし、アダプタ20とケーブル40とが一体である場合は、アダプタ20を回転させる際には、ケーブル40の根本に負担がかからないようにケーブル40も一緒に回転させる必要がある。ケーブル40の長さは、数十メートルから100m程度にまで及ぶ場合があるため、アダプタ20とケーブル40とを一緒に回転させようとすると、作業的に手間がかかる。上述の構成では、このような作業場の手間を軽減させることができる。また、ハウジング10とアダプタ20とは、ねじ止めにより容易に連結することができる。
【0065】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0066】
前記実施形態では、封止部26は、アダプタ貫通穴214の前記一端部から前記他端部まで充填された防水性の充填材を含む。しかしながら、封止部は、アダプタ貫通穴の前記一方向の少なくとも一部を封止していてもよい。また、封止部は、省略することもできる。
【0067】
前記実施形態では、ハウジングユニット5が、シールテープ材71,72及び溶接部73を有する。しかしながら、シールテープ材71,72及び溶接部73は、省略してもよい。また、溶接部は、シールテープ材に変更してもよい。また、アダプタ本体と管材との間に封止材を塗布してもよい。アダプタ本体と連結具との間に封止材を塗布してもよい。連結具と管材との間に封止材を塗布してもよい。
【0068】
前記実施形態では、ハウジング10は、第1ハウジング部材11と、第2ハウジング部材12とを有する。しかしながら、ハウジングは、このような2つの部材ではなく、単一の部材によって構成されていてもよい。また、ハウジングは、3つ以上の部材によって構成されていてもよい。また、第1ハウジング部材11と、第2ハウジング部材12とは、それぞれ、外フランジを有する。しかしながら、第1ハウジング部材と、第2ハウジング部材とは、少なくとも一方が、内フランジを有する構成であってもよい。また、第1ハウジング部材は、透明部材であってもよいし、第2ハウジング部材は、透明部材でなくてもよい。また、ハウジング10は、カメラユニット50を固定するブラケット115を有する。しかしながら、ハウジングへのカメラユニットの固定方法は、これに限られない。また、ハウジングには、カメラユニット以外の電気機器を収容してもよい。また、ハウジング10は、バルブ116及び補助穴119を有する。しかしながら、バルブ116及び補助穴119は、省略してもよい。
【0069】
前記実施形態では、アダプタ本体211は、前記一方向に見て、六角形の形状を有する。しかしながら、アダプタ本体の前記一方向視における形状は、六角形でなくてもよい。アダプタ本体の前記一方向視における形状は、例えば、円形、四角形または八角形でもよい。
【0070】
前記実施形態では、連結具22によって、アダプタ本体211と管材30とがねじ止めされる。しかしながら、アダプタ本体と管材とは、ねじ止め以外の固定手段、例えば嵌合構造により連結されてもよい。また、アダプタ本体211とハウジング10とは、ねじ止めによって固定される。しかしながら、アダプタ本体とハウジングとは、ねじ止め以外の固定手段、例えば嵌合構造により連結されてもよい。
【0071】
前記実施形態では、アダプタ20は、連結具22を有する。しかしながら、アダプタと管材とは、連結具なしで連結する構成であってもよい。
【0072】
前記実施形態では、封止部26は、アダプタ貫通穴214の前記一端部から前記他端部まで充填された防水性の充填材を含む。しかしながら、封止部は、アダプタ貫通穴の前記一方向の少なくとも一部を封止していてもよい。
【0073】
前記実施形態では、ケーブル40及びアダプタケーブル252は、例えば、PoEに準拠したLANケーブルである。しかしながら、ケーブル及びアダプタケーブルは、LANケーブル以外のケーブルであってもよい。例えば、ケーブル及びアダプタケーブルは、電源ケーブルであってもよい。また、ケーブル及びアダプタケーブル以外の配線によって、ハウジングの内部空間に収容される電気機器に電力を供給してもよい。
【0074】
前記実施形態では、アダプタケーブル252に接続される第1コネクタ251は、円形状のレセプタクルである。また、第2コネクタ253は、RJ45型のプラグである。しかしながら、第1コネクタ及び第2コネクタとしては、ケーブルのコネクタ及び電気機器のコネクタに応じた任意のコネクタを採用できる。例えば、第1コネクタのピン配列は、図5に示した配列とは、異なる配列であってもよい。第1コネクタは、RJ45型のレセプタクルであってもよい。
【0075】
前記実施形態では、アダプタ本体211において、長さL13は、長さL11及び長さL12の少なくとも一方よりも長い。しかしながら、アダプタ本体の寸法関係はこれに限られない。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、ハウジングに取り付け可能なアダプタ及び前記アダプタ及び前記ハウジングを有するハウジングユニットに利用可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 水中カメラ装置
10 ハウジング
11 第1ハウジング部材
111 収容部
112 開放部
113 フランジ部
114 ソケット
115 ブラケット
116 バルブ
117 ハウジング貫通穴
118 雌ネジ
119 補助穴
12 第2ハウジング部材
122 開放部
123 フランジ部
13 リング状部材
14 ボルト
20 アダプタ
211 アダプタ本体
212 第1封止連結部
2121 第1雄ネジ部
213 第2封止連結部
2131 第2雄ネジ部
214 アダプタ貫通穴
22 連結具
221 雌ネジ
251 第1コネクタ
252 アダプタケーブル
253 第2コネクタ
26 封止部
30 管材
31 雄ネジ
40 ケーブル
41 ケーブルコネクタ
5 ハウジングユニット
50 カメラユニット
71、72 シールテープ材
73 溶接部
【要約】
【課題】ハウジングに取り付ける管材と前記ハウジングとの取り付けおよび取り外しが容易となるアダプタ及びハウジングユニットを実現すること。
【解決手段】アダプタ20は、アダプタ本体211と、アダプタ本体211と管材30との取り付け部分を封止して連結する第1封止連結部212と、アダプタ本体211とハウジング10との取り付け部分を封止して連結する第2封止連結部213と、アダプタ本体211を前記一方向に貫通するアダプタ貫通穴214と、アダプタ貫通穴214の前記一方向における一端部に位置し、且つ、ケーブル40のケーブルコネクタ41に電気的に接続される第1コネクタ251と、一端が第1コネクタ251に対して電気的に接続され、アダプタ貫通穴214内において延びるアダプタケーブル252と、アダプタケーブル252の他端に対して電気的に接続される第2コネクタ253と、を有する。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5