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特許7387215物件管理システム、物件管理プログラム及び物件管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】物件管理システム、物件管理プログラム及び物件管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20231120BHJP
   G06Q 30/0241 20230101ALI20231120BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06Q30/0241 446
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023092474
(22)【出願日】2023-06-05
【審査請求日】2023-06-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年10月4日、令和4年10月13日、令和4年10月15日、令和4年10月17日に実施されたパートナーエージェント向けの説明会における発表
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519181087
【氏名又は名称】株式会社TERASS
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】江口 亮介
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-197880(JP,A)
【文献】特開2002-083027(JP,A)
【文献】特開2015-156118(JP,A)
【文献】特開2007-072651(JP,A)
【文献】特開2015-197791(JP,A)
【文献】特開2002-015048(JP,A)
【文献】特開2014-127114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
売却物件の管理を可能にする物件管理システムであって、
前記物件管理システムは、商談管理手段、広告管理手段、広告情報収集手段、及び表示処理手段を備え、
前記商談管理手段は、売主に代わって物件売却の取引を行う媒介事業者、前記売主、及び前記売却物件が紐づいた売却商談情報を格納し、
前記広告管理手段は、前記売却商談情報、及び前記売却物件についての広告掲載先を含む広告掲載情報を紐づけて格納し、
前記広告情報収集手段は、前記売却商談情報に紐づけて前記広告掲載先の前記売却物件についての広告の閲覧情報を収集し、
前記表示処理手段は、前記閲覧情報を表示処理し、表示処理結果を前記売主の売主端末装置に送信する、物件管理システム。
【請求項2】
前記広告情報収集手段は、複数の前記広告掲載先の前記閲覧情報を収集し、
前記表示処理手段は、前記広告掲載先毎に区別可能に前記閲覧情報を並べて表示処理する、請求項1に記載の物件管理システム。
【請求項3】
前記物件管理システムは、前記売却物件に類似する他の売却物件の情報である類似物件情報を抽出するか、又は
前記広告情報収集手段が、前記広告掲載先に掲載され、かつ前記売却物件に類似する掲載物件の情報である類似物件情報を抽出し、
前記表示処理手段は、前記類似物件情報を表示処理し、表示処理結果を前記売主端末装置に送信する、請求項1に記載の物件管理システム。
【請求項4】
前記売却物件の情報は、物件そのものの価値を示す内的価値情報、及び/又は物件の環境の価値を示す外的価値情報を含み、
前記類似物件情報の抽出は、
前記内的価値情報及び/又は前記外的価値情報に基づいて、類似物件情報を抽出する、請求項3に記載の物件管理システム。
【請求項5】
前記商談管理手段は、前記売却物件の購入を希望する買主、及び前記買主と前記媒介事業者の購入商談の状態を示す購入商談状態情報を、前記売却商談情報に紐づけて格納し、
前記表示処理手段は、前記売却物件に紐づく前記購入商談状態情報を表示処理し、表示処理結果を前記売主端末装置に送信する、請求項1に記載の物件管理システム。
【請求項6】
売却物件の管理を可能にする物件管理プログラムであって、
前記物件管理プログラムは、コンピュータを、商談管理手段、広告管理手段、広告情報収集手段、及び表示処理手段として機能させ、
前記商談管理手段は、売主に代わって物件売却の取引を行う媒介事業者、前記売主、及び前記売却物件が紐づいた売却商談情報を格納し、
前記広告管理手段は、前記売却商談情報、及び前記売却物件についての広告掲載先を含む広告掲載情報を紐づけて格納し、
前記広告情報収集手段は、前記売却商談情報に紐づけて前記広告掲載先の前記売却物件についての広告の閲覧情報を収集し、
前記表示処理手段は、前記閲覧情報を表示処理し、表示処理結果を前記売主の売主端末装置に送信する、物件管理プログラム。
【請求項7】
売却物件の管理を可能にするコンピュータを用いた物件管理方法であって、
前記コンピュータが、
売主に代わって物件売却の取引を行う媒介事業者、前記売主、及び前記売却物件が紐づいた売却商談情報を格納するステップと、
前記売却商談情報、及び前記売却物件についての広告掲載先を含む広告掲載情報を紐づけて格納するステップと、
前記売却商談情報に紐づけて前記広告掲載先の前記売却物件についての広告の閲覧情報を収集するステップと、
前記閲覧情報を表示処理し、表示処理結果を前記売主の売主端末装置に送信するステップと、を実行する、物件管理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物件管理システム、物件管理プログラム及び物件管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不動産の売却を行う売主は、不動産の購入を希望する買主が不動談を閲覧できるように、自身が売却する不動産をインターネット広告等に公開している。また近年では、自身の売却する不動産がどの程度ユーザに閲覧されているか等の情報を収集し、収集した情報をマーケティング戦略に活用することが主流になってきている。そして、このような売主のマーケティングを支援するシステムの一例が、例えば、特許文献1に提案されている。
【0003】
特許文献1には、集計サーバ120は、随時、広告主が出稿したインターネット広告が、どの情報端末により閲覧されたかの閲覧データを、cookie、ウェブビーコン等の技術を用いて記録することで、情報端末130が、モデルルーム来場というコンバージョンに至るまで、どのような広告媒体に接触してきたかというコンバージョンパスデータを抽出することができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-157414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、売主は、自身が公開したインターネット広告の閲覧情報を確認することができるが、媒介事業者が公開したインターネット広告の閲覧情報を確認することができないという問題があった。
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、媒介事業者を介して公開された広告の閲覧情報を売主が確認することができる新規な技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、売却物件の管理を可能にする物件管理システムであって、前記物件管理システムは、商談管理手段、広告管理手段、広告情報収集手段、及び表示処理手段を備え、前記商談管理手段は、売主に代わって物件売却の取引を行う媒介事業者、前記売主、及び前記売却物件が紐づいた売却商談情報を格納し、前記広告管理手段は、前記売却商談情報、及び前記売却物件についての広告掲載先を含む広告掲載情報を紐づけて格納し、前記広告情報収集手段は、前記売却商談情報に紐づけて前記広告掲載先の前記売却物件についての広告の閲覧情報を収集し、前記表示処理手段は、前記閲覧情報を表示処理し、表示処理結果を前記売主の売主端末装置に送信する。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、売却物件の管理を可能にする物件管理プログラムであって、売却物件の管理を可能にする物件管理プログラムであって、前記物件管理プログラムは、コンピュータを、商談管理手段、広告管理手段、広告情報収集手段、及び表示処理手段として機能させ、前記商談管理手段は、売主に代わって物件売却の取引を行う媒介事業者、前記売主、及び前記売却物件が紐づいた売却商談情報を格納し、前記広告管理手段は、前記売却商談情報、及び前記売却物件についての広告掲載先を含む広告掲載情報を紐づけて格納し、前記広告情報収集手段は、前記売却商談情報に紐づけて前記広告掲載先の前記売却物件についての閲覧情報を収集し、前記表示処理手段は、前記閲覧情報を表示処理し、表示処理結果を前記売主の売主端末装置に送信する。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、売却物件の管理を可能にするコンピュータを用いた物件管理方法であって、前記コンピュータが、売主に代わって物件売却の取引を行う媒介事業者、前記売主、及び前記売却物件が紐づいた売却商談情報を格納するステップと、前記売却商談情報、及び前記売却物件についての広告掲載先を含む広告掲載情報を紐づけて格納するステップと、前記売却商談情報に紐づけて前記広告掲載先の前記売却物件についての広告の閲覧情報を収集するステップと、前記閲覧情報を表示処理し、表示処理結果を前記売主の売主端末装置に送信するステップと、を実行する。
このような構成とすることで、媒介事業者によって売却物件が投稿された広告サイトの閲覧情報を自動的に収集し、売主端末に表示させることができる。これにより、売主は自身の売却物件がどれくらい反響しているのかを把握することができる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記広告情報収集手段は、複数の前記広告掲載先の前記閲覧情報を収集し、前記表示処理手段は、前記広告掲載先毎に区別可能に前記閲覧情報を並べて表示処理する。
このような構成とすることで、複数の広告サイト毎の閲覧情報を比較しながら確認することができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記物件管理システムは、前記売却物件に類似する他の売却物件の情報である類似物件情報を抽出するか、又は前記広告情報収集手段が、前記広告掲載先に掲載され、かつ前記売却物件に類似する掲載物件の情報である類似物件情報を抽出し、前記表示処理手段は、前記類似物件情報を表示処理し、表示処理結果を前記売主端末装置に送信する。
このような構成とすることで、類似する売却物件を表示することができる。これにより、売主は、自身の売却物件と類似する売却物件を確認することができ、マーケティングに利用することができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記売却物件の情報は、物件そのものの価値を示す内的価値情報、及び/又は物件の環境の価値を示す外的価値情報を含み、前記類似物件情報の抽出は、前記内的価値情報及び前記外的価値情報に基づいて、類似物件情報を抽出する。
このような構成とすることで、売却物件に係る様々な要因を考慮して、売却物件同士の近さを知ることができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記商談管理手段は、前記売却物件の購入を希望する買主、及び前記買主と前記媒介事業者の購入商談の状態を示す購入商談状態情報を、前記売却商談情報に紐づけて格納し、前記表示処理手段は、前記売却物件に紐づく前記購入商談状態情報を表示処理し、表示処理結果を前記売主端末装置に送信する。
このような構成とすることで、売却物件の購入を希望する買主と媒介事業者の商談状態を確認することができる。これにより、売主は、自身の売却物件の購入商談がどの程度進んでいるのかを把握することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、媒介事業者を介して公開された広告の閲覧情報を売主が確認することができる新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る発明のシステム構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係るハードウェア構成図である。
図3】本発明の実施形態に係る機能ブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係るデータベースの一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る売却商談に関する処理フローチャートの一例である。
図6】本発明の実施形態に係る売主端末装置において表示される画面の一例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る売主端末装置において表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に関する物件管理システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0017】
例えば、本実施形態では物件管理システムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータプログラム等も、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態においてプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよい。本実施形態では、サーバコンピュータに物件管理プログラムを起動させることで物件管理システムを実現する場合について説明する。
【0018】
本発明は、売却物件に関する情報の管理をするシステムに関する。本発明において物件売却の取引は、不動産取引を売主に代わって行う媒介事業者によって行われる。本実施形態において、媒介事業者とは、顧客(売主又は買主)と不動産契約の商談を取り付け、不動産契約を代理する担当者と、担当者の代理業を管理する管理者を含む。なお、本実施形態において媒介事業者は、不動産会社等の企業に属する担当者及び管理者である。一方、不動産契約の資格を有する個人事業主が媒介事業者である場合は、個人事業主が担当者及び管理者であってもよく、担当者のみであってもよい。またなお、本実施形態において不動産は物件であるが、土地であってもよい。
【0019】
本実施形態において商談とは、媒介事業者と顧客の関係からなる案件のことであり、媒介事業者は顧客情報(売主情報又は買主情報)を商談毎に管理する。また媒介事業者は、商談中において、売主の売却物件を広告サイト(広告掲載先)に投稿することができる。そして本実施形態では、該広告掲載先の閲覧情報が収集され、該広告掲載先に売却物件の広告を投稿する売主に対して該閲覧情報が提供される。
【0020】
<システム構成>
図1は、一実施形態のシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、物件管理システム0は、物件管理装置1、媒介事業者端末装置2、売主端末装置4、買主端末装置5、及び広告掲載管理装置7を備え、媒介事業者端末装置2は、担当者端末装置3及び管理者端末装置6を備える。
【0021】
本実施形態において、物件管理装置1、売主端末装置4、買主端末装置5、管理者端末装置6、及び広告掲載管理装置7は、通信ネットワークNWを介して通信可能に構成されている。通信ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0022】
物件管理装置1は、担当者と顧客の商談情報(売却商談情報及び購入商談情報)を格納する。また、物件管理装置1は、広告掲載管理装置7のデータベース(不図示)に登録された広告掲載先の閲覧情報を収集し、担当者端末装置3又は売主端末装置4に表示する。広告掲載管理装置7は、広告掲載先を表示処理し、該広告掲載先の売却物件について広告の閲覧情報を取得し登録する。なお、本実施形態では、物件管理装置1及び広告掲載管理装置7は、ひとつのコンピュータを用いて構成されるが、複数のコンピュータを用いて構成することも可能である。
【0023】
担当者端末装置3は、物件取引に関する種々画面を表示する。また売主端末装置4は、広告掲載先の売却物件についての広告の閲覧情報を表示する。また買主端末装置5は、担当者端末装置3と購入商談に係る取引を行う為の種々画面を表示する。また管理者端末装置6は、買主と担当者の購入商談、売主と担当者の売却商談の進捗を管理する。担当者端末装置3、売主端末装置4、買主端末装置5、及び管理者端末装置6としては、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等の一般的なコンピュータを利用することができる。
【0024】
なお本実施形態では、物件管理装置1が本発明における物件管理プログラムをインストールすることによって、物件管理装置1が以下の処理を実行するが、担当者端末装置3、売主端末装置4、買主端末装置5、及び/又は管理者端末装置6が物件管理プログラムをインストールすることによって、物件管理装置1の行う処理の一部を担当者端末装置3、売主端末装置4、買主端末装置5、及び/又は管理者端末装置6が実行してもよい。
【0025】
またなお、本実施形態において広告掲載管理装置7は、物件管理プログラムとは別のプログラムを起動することによって、広告掲載先の表示、並びに閲覧情報の取得及び登録の処理を実行するが、物件管理プログラムを起動することで、該処理を実行してもよい。
【0026】
<1.ハードウェア構成>
図2は、本実施形態におけるハードウェア構成である。図2(a)は、サーバ100(物件管理装置1)のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ100は、ハードウェア構成として、処理部101と、記憶部102と、通信部103と、を備える。
【0027】
処理部101は、CPU(Cental Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含み、本発明に係る物件管理プログラム、OSやブラウザソフト、その他のアプリケーションを実行することで、サーバ100の動作処理全体を制御する。
【0028】
記憶部102は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等であって、物件管理装置1の場合には、本発明に係る物件管理プログラムを処理部101がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。処理部101が、記憶部102に記憶されている物件管理プログラム等に基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0029】
通信部103は、通信ネットワークNWとの通信制御を実行して、サーバ100を動作させる為に必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0030】
図2(b)は、端末装置9(担当者端末装置3、売主端末装置4、買主端末装置5、及び管理者端末装置6の端末)のハードウェア構成の一例を示す図である。端末装置9も同様に、ハードウェア構成として、処理部91と、記憶部92と、通信部93と、入力部94と、出力部95と、を備える。
【0031】
端末装置9の処理部91は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、端末装置9の動作処理全体を制御する。端末装置9の記憶部92は、HDD、ROM、RAM等であって、物件管理装置1を操作する為のアプリケーション等を記憶する。端末装置9の通信部93は、通信ネットワークNWとの通信を制御する。端末装置9の入力部94は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、ユーザによる操作要求を処理部91に入力する。端末装置9の出力部95は、ディスプレイ等であって、処理部91の処理の結果等を表示する。なお、以下不明にならない範囲で、これら端末装置9のハードウェア構成は省略する。
【0032】
<2.システム機能構成>
図3は、本実施形態の物件管理装置1の機能構成を示す図である。本実施形態の物件管理装置1は、有線又は通信ネットワーク等の無線を介して通信可能に、装置内部又は外部においてデータベース10を備える。また物件管理装置1は、商談管理手段11、広告管理手段12、広告情報収集手段13、更新手段14、表示処理手段15、及び通知手段16を更に備える。
【0033】
<2.1.データベース10>
本実施形態においてデータベース10は、売却物件に関する種々情報を格納する。なお、これらの全部は、記憶部102等に記憶されてもよいし、これらの一部又は全部が、別の記憶部に記憶されてもよい。
【0034】
図4は、データベース10に格納される情報の一例を示す図である。図4(a)は、売却商談に関する売却商談情報の一例を示す図である。売却商談情報は、売却商談情報を一意に特定する売却商談ID、担当者ID、売主ID、商談の進捗状況を示す商談状態情報、及び物件IDを含む。
【0035】
図4(b)は、売却商談に紐づく購入商談に関する購入商談情報の一例を示す図である。購入商談情報は、購入商談情報を一意に特定する購入商談ID、担当者ID、買主ID、商談状態情報、及び物件IDを含む。
【0036】
図4(c)は、売却物件に関する売却物件情報の一例を示す図である。売却物件情報は、売却物件情報を一意に特定する物件ID、物件名、物件そのものの価値を示す内的価値情報、物件の環境の価値を示す外的価値情報、及び成約状況を含む。内的価値情報は、家賃、階数、間取り、平米単価、築年数、敷金/礼金、部屋の向き、建物種別、部屋設備、駐車場の有無、入居条件等を含む。外的価値情報は、住所、最寄り駅、交通機関との距離、気候、地勢、周辺環境・施設等を含む。
【0037】
図4(d)は、担当者を介して売却物件が投稿された広告掲載先の広告の閲覧情報の一例を示す図である。閲覧情報は、閲覧情報を一意に特定する閲覧情報ID、物件ID、閲覧数、広告掲載先ID、閲覧日を含む。なお本実施形態において閲覧数は、広告掲載先の売却物件の広告詳細ページを閲覧した回数(いわゆるクリック数)であるが、広告掲載先の一覧ページにおいて売却物件の広告が表示された回数(いわゆるインプレッション数)、広告掲載先から売却物件の問合せに至った回数(いわゆるンバージョン数)等であってもよい。また、広告掲載先IDとは、広告掲載先を一意に特定する情報であって、例えばウェブページのドメイン等である。
【0038】
図4(e)は、担当者を介して投稿された売却物件についての広告に関する広告掲載情報の一例を示す図である。本実施形態において、広告掲載情報は、広告掲載情報を一意に特定する広告掲載ID、売却商談ID、広告掲載先ID、広告掲載期間を含む。
【0039】
またデータベース10は、本発明を利用する担当者、売主、買主に関する利用者情報を格納する(不図示)。利用者情報は、利用者を一意に特定する利用者ID、利用者の種別(担当者、売主、又は買主)を示す利用者種別、利用者氏名、ログインアカウント、パスワード、連絡先、及び住所等を含む。なお以下では、担当者の利用者情報を担当者情報、売主の利用者情報を売主情報、買主の利用者情報を買主情報と呼ぶ。
【0040】
<2.2.商談管理手段11>
商談管理手段11は、物件取引の商談に関する商談情報をデータベース10に格納する。本実施形態において、商談管理手段11は、担当者、売主、及び売却物件が紐づいた売却商談情報を格納する。また、本実施形態において商談管理手段11は、売却商談情報に紐づけて、売却物件の購入を希望する買主、及び該買主と担当者との購入商談の購入商談状態情報を格納する。
【0041】
<2.3.広告管理手段12>
広告管理手段12は、売却商談情報、及び売却物件についての広告掲載先を含む広告掲載情報を紐づけてデータベース10に格納する。本実施形態において広告管理手段12は、売却商談情報、並びに広告掲載先及び広告掲載期間を含む広告掲載情報を紐づけて格納する。
【0042】
<2.4.広告情報収集手段13>
広告情報収集手段13は、売却商談情報に紐づけて広告掲載先の売却物件についての広告の閲覧情報を収集する。本実施形態において広告情報収集手段13は、広告掲載管理装置7のデータベースに格納された閲覧情報を収集して、データベース10に登録する。
【0043】
また、広告情報収集手段13は、広告掲載先に掲載され、且つ売却物件に類似する掲載物件の情報である類似物件情報を抽出する。本実施形態において広告情報収集手段13は、広告掲載管理装置7のデータベースに格納された掲載物件の類似物件情報を抽出する。
【0044】
<2.5.更新手段14>
更新手段14は、商談の商談状態情報を次の商談状態情報に更新する。本実施形態において更新手段14は、担当者端末装置3又は管理者端末装置6から、商談状態情報の更新に係る入力を受け付けて、商談状態情報を次の商談状態情報に更新する。
【0045】
<2.6.表示処理手段15>
表示処理手段15は、閲覧情報を表示処理し、担当者端末装置3及び/又は売主端末装置4に送信する。本実施形態において表示処理手段15は、広告情報収集手段13によって登録された閲覧情報を、閲覧数、閲覧日時、及び広告掲載先IDに基づいて集計し、集計結果を表示処理する。
【0046】
なお、本実施形態において表示処理手段15は、データベース10に格納された種々の情報を表示処理し、表示処理結果を担当者端末装置3、売主端末装置4、及び買主端末装置5、及び管理者端末装置6の出力部95に送信する。そして、種々の画面がそれぞれの端末装置において表示される。なお本実施形態において表示処理は、データベース10に格納された種々の情報、及び種々画面を表示する指示を出力部95に対して送信することで、種々画面を表示する処理であってもよい。
【0047】
<2.7.通知手段16>
通知手段16は、担当者端末装置3及び/又は売主端末装置4に対して通知を行う。本実施形態において通知手段16は、売主端末装置4及び担当者端末装置3に対して定期的に通知を送信する。
【0048】
<3.処理フローチャート>
次いで、図5図7を参照して、物件の管理を行う物件管理方法について説明する。図5は、担当者が本発明に係るアプリにアクセスすることで、担当者と売主の売却商談が作成され、該売却商談に紐づく売却物件についての広告の閲覧情報が売主端末装置4に表示されるまでの処理フローチャートの一例を示す図である。
【0049】
<3.1.商談作成処理>
まずステップS1(以下、「ステップSXX」を「SXX」と省略する)において、担当者端末装置3は、ログインアカウントとパスワードを表示処理手段15に送信する。そして表示処理手段15は、ログインアカウントとパスワードがデータベース10に格納されている場合には、商談を作成する為の画面(不図示)を表示処理し、表示処理結果を担当者端末装置3に表示させる(S2)。
【0050】
次いで、S3において、商談管理手段11は、担当者端末装置3から、売却商談の作成指示として、物件の売却を希望する売主に関する売主情報及び売却物件情報の入力を受け付ける。そして、商談管理手段11は、該売主情報、担当者情報、及び該売主の売却物件情報が紐づく売却商談情報を作成し、データベース10に格納する(S4)。
【0051】
<3.2.広告投稿処理>
S5において、担当者端末装置3は、物件管理装置1を介して、S4で登録された売却物件を広告掲載先に表示する表示指示を広告掲載管理装置7に送信する。具体的には、担当者端末装置3は、売却物件の広告掲載を希望する売主の売主情報、広告掲載先及び広告掲載期間を広告管理手段12に送信する。そして、広告管理手段12は、広告掲載情報として、該売主情報が紐づく売却商談情報、広告掲載先及び広告掲載期間を紐づけて格納する(S6)。そして、表示処理手段15は、該広告掲載先を表示処理する広告掲載管理装置7に、該売却商談情報に紐づく売却物件情報を送信するとともに、売却物件についての広告を広告掲載先に表示する表示指示を送信する(S7)。
【0052】
なお、本実施形態においては、表示処理手段15は、担当者端末装置3から、売主情報とともに、広告掲載先及び広告掲載期間を受け付けることで、該広告掲載先及び広告掲載期間に基づいて、広告掲載管理装置7に売却物件情報を送信する。一方、売主毎に、広告掲載先が事前にデータベース10に格納されており、表示処理手段15は、担当者端末装置3から売主情報及び広告掲載期間を受け付けることで、該売主情報、及び事前にデータベース10に格納された広告掲載先に基づいて、広告掲載管理装置7に売却物件情報を送信してもよい。
【0053】
次いで、S8において、広告掲載管理装置7は、S7において受け付けた売却物件情報に基づいて、売却物件の広告を表示処理する。そして、広告掲載管理装置7は、表示した売却物件についての広告の閲覧情報として物件ID、閲覧数、閲覧日時、お気に入り登録数を取得し、広告掲載管理装置7のデータベースに紐づけて登録する(S9)。ここで、閲覧情報の取得方法としては、Cookie等の公知技術を用いればよい。
【0054】
<3.3.閲覧情報の表示処理>
S10において、広告情報収集手段13は、広告掲載管理装置7のデータベースに格納された閲覧情報を収集する。本実施形態において広告情報収集手段13は、S4において登録された売却商談情報に紐づけてウェブページのドメイン、閲覧情報として物件ID、閲覧数及び閲覧日を収集する(いわゆるクローリング)。そして広告情報収集手段13は、収集した該閲覧情報を登録する(S12)。
【0055】
なお、本実施形態において広告情報収集手段13は、S4において登録された売却商談情報の物件IDに基づいて、ドメイン、物件ID、閲覧数及び閲覧日を収集する。一方、広告情報収集手段13は、広告掲載管理装置7のデータベースに格納された全ての閲覧情報を収集することで、ドメイン、物件ID、閲覧数及び閲覧日を収集してもよい。
【0056】
次いで、S13において、売主端末装置4は、ログインアカウントとパスワードを表示処理手段15に送信する。そして表示処理手段15は、ログインアカウントとパスワードがデータベース10に格納されている場合には、種々情報を表示する画面を表示処理し、表示処理結果を売主端末装置4に表示させる(S14)。
【0057】
図6は、売主がアプリにログインした際に売主端末装置4に表示される物件一覧画面の一例を示す図である。物件一覧画面W1は、売却物件が選択入力可能に構成され、売却商談情報に紐づく1又は複数の売却物件が表示される。そして、表示された売却物件のうち、1の売却物件の選択入力を受け付けると、該売却物件に関する物件詳細画面が表示される。
【0058】
図7は、物件一覧画面W1において選択入力された売却物件の詳細を表示する物件詳細画面の一例を示す図である。物件詳細画面W2は、売却物件表示部RE、閲覧情報表示部PV、広告掲載先表示部AD、チャット部CH、類似物件表示部SRE、及び商談状態表示部NSTを含む。
【0059】
売却物件表示部REは、売却物件を表示する。本実施形態において売却物件表示部REは、物件一覧画面W1において選択入力された売却物件を表示する。なお売却物件表示部REは、選択入力を受け付け可能に構成されてもよい。その場合、売主から売却物件表示部REの選択入力を受け付けることで、物件一覧画面W1が表示される。
【0060】
閲覧情報表示部PVは、データベース10に格納された閲覧情報を表示する。本実施形態において閲覧情報表示部PVは、売却物件表示部REに表示される売却物件(以下、表示物件と呼ぶ)についての広告の閲覧数を表示する。具体的に表示処理手段15は、閲覧日及び広告掲載先IDに基づいて閲覧数を集計し、閲覧数として、広告掲載先及び週毎の閲覧総数を区別可能に並べて表示処理する。また更に表示処理手段15は、閲覧数として、全広告掲載先の閲覧数の合計、お気に入り登録総数等を表示する。なお、表示処理手段15は、広告掲載管理装置7のデータベースに格納された閲覧情報を表示してもよい。
【0061】
広告掲載先表示部ADは、広告掲載先を表示する為の選択入力を受け付ける。本実施形態において広告掲載先表示部ADは、広告掲載先毎に選択入力を受け付け可能に構成される。表示処理手段15は、売主から広告掲載先の選択入力を受け付けると、表示物件の売却物件情報を表示する該広告掲載先を表示する表示指示を、広告掲載管理装置7に送信することで、売主端末装置4に該広告掲載先を表示させる。
【0062】
チャット部CHは、売主と担当者とのチャット画面を表示する為の選択入力を受け付ける。本実施形態においては、売主からチャット部CHの選択入力を受け付けると、該売主と売却商談情報を介して紐づく担当者のチャット画面が表示される。
【0063】
類似物件表示部SREは、選択入力を受け付け可能に構成され、売却物件と類似する売却物件(類似売却物件)を表示する。本実施形態における類似物件表示部SREでは、表示物件と、その他登録されている売却物件の類似度に基づいて、類似売却物件が表示される。また、売主から類似物件表示部SREの選択入力を受け付けることで、選択入力された類似売却物件の売却物件情報(類似物件情報)が表示される。
【0064】
ここで類似物件情報として、データベース10に格納され、かつ表示物件に類似する他の売却物件の情報が、表示処理手段15によって抽出されるか、又は広告掲載先に掲載され、かつ表示物件に類似する掲載物件の情報が、広告情報収集手段13によって抽出される。本実施形態においては、表示処理手段15及び広告情報収集手段13は、売却物件又は掲載物件同士の内的価値情報及び外的価値情報に基づいて、類似物件情報を抽出する。
【0065】
具体的に類似物件の抽出は、売却物件又は掲載物件同士の内的価値情報及び外的価値情報が所定の条件を満たすか否かによって行われる。条件としては、例えば、売却物件又は掲載物件同士の情報のうち一致する情報の数が所定値以上であること、情報が数値情報である場合には売却物件又は掲載物件同士の情報の数値の差が所定範囲内であること、等である。
【0066】
商談状態表示部NSTは、選択入力を受け付け可能に構成され、買主と担当者の購入商談の商談状態を表示する。本実施形態において商談状態表示部NSTは、購入商談を介して表示物件と紐づく買主と担当者の購入商談の商談状態を、広告掲載先及び買主毎に表示する。
これにより売主は、表示物件の購入商談の状態を広告掲載先及び買主毎に確認することができる。
【0067】
また、より好ましい形態では、通知手段16は、閲覧情報の閲覧数に基づいて、売主端末装置4と、担当者端末装置3及び/又は管理者端末装置6とに対して通知を送信する。本実施形態において通知手段16は、閲覧数が所定値以下の場合に、売主端末装置4及び担当者端末装置3に通知を送信する。具体的に通知手段16は、広告掲載期間の特定期間において、表示物件の週毎の閲覧総数が所定値以下である週が所定回数以上ある場合に、売主端末装置4と、担当者端末装置3及び/又は管理者端末装置6とに対して、表示物件の売却物件情報の編集を促す旨の編集通知を送信する。なお、通知手段16は、表示物件の週毎の閲覧総数が所定値以下である週が所定回数連続する場合に、該編集通知を送信してもよい。またなお、閲覧数は、全広告掲載先の閲覧数の合計であってもよい。
【0068】
また他の形態において通知手段16は、表示物件及び類似売却物件の閲覧数及び閲覧日時に基づいて、売主端末装置4と、担当者端末装置3及び/又は管理者端末装置6とに対して通知を送信する。本実施形態において通知手段16は、表示物件の閲覧数が、類似売却物件の閲覧数よりも少ない場合に、該編集通知を送信する。具体的に通知手段16は、広告掲載期間の特定期間において、表示物件の週毎の閲覧総数が類似売却物件の該閲覧総数よりも少ない週が所定回数以上ある場合に、該編集通知を送信する。なお、通知手段16は、表示物件の週毎の閲覧総数が類似売却物件の該閲覧総数よりも少ない週が所定回数連続する場合に、該編集通知を送信してもよい。なお、本実施形態において閲覧数は、全広告掲載先の閲覧数の合計であってもよい。
【0069】
以上、S1~S14の処理によって、売主は、媒介事業者を介して広告サイトに投稿された自身の売却物件についての広告の閲覧情報を確認することができる。また売主は、閲覧情報を確認し、自身の売却物件や類似する売却物件の反響を把握することで、媒介事業者と連携して自身の売却物件の販売促進をすることができる。
【符号の説明】
【0070】
1 :物件管理装置
2 :媒介事業者端末装置
3 :担当者端末装置
4 :売主端末装置
5 :買主端末装置
6 :管理者端末装置
7 :広告掲載管理装置
NW :通信ネットワーク
100 :サーバ
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
9 :端末装置
91 :処理部
92 :記憶部
93 :通信部
94 :入力部
95 :出力部
10 :データベース
11 :商談管理手段
12 :広告管理手段
13 :広告情報収集手段
14 :更新手段
15 :表示処理手段
16 :通知手段
W1 :物件一覧画面
W2 :物件詳細画面
RE :売却物件表示部
PV :閲覧情報表示部
AD :広告掲載先表示部
CH :チャット部
SRE :類似物件表示部
NST :商談状態表示部
【要約】
【課題】
媒介事業者を介して公開された広告の閲覧情報を売主が確認することができる新規な技術を提供すること。
【解決手段】
売却物件の管理を可能にする物件管理システムであって、前記物件管理システムは、商談管理手段、広告管理手段、広告情報収集手段、及び表示処理手段を備え、前記商談管理手段は、売主に代わって物件売却の取引を行う媒介事業者、前記売主、及び前記売却物件が紐づいた売却商談情報を格納し、前記広告管理手段は、前記売却商談情報、及び前記売却物件についての広告掲載先を含む広告掲載情報を紐づけて格納し、前記広告情報収集手段は、前記売却商談情報に紐づけて前記広告掲載先の前記売却物件についての広告の閲覧情報を収集し、前記表示処理手段は、前記閲覧情報を表示処理し、表示処理結果を前記売主の売主端末装置に送信する。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7