(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】磁気粘性流体装置
(51)【国際特許分類】
F16D 37/02 20060101AFI20231120BHJP
【FI】
F16D37/02 Z
F16D37/02 P
(21)【出願番号】P 2020053623
(22)【出願日】2020-03-25
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】赤岩 修一
【審査官】倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-281098(JP,A)
【文献】特開2012-241563(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 37/02、63/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトを含む第1部と、
前記第1部に対して相対回転可能に設けられた第2部と、
前記第1部および前記第2部を有する装置本体内に封入され、前記第1部と前記第2部との間に介在する磁気粘性流体と、
前記磁気粘性流体に磁場を付与するための磁場発生部と、
前記磁気粘性流体が前記装置本体外へ漏出しないように、前記第1部に属する部材と前記第2部に属する部材との隙間をシールするシール部材と、
前記シャフトと同じ軸線上に設けられ、前記磁気粘性流体の体積の膨張収縮に追従して、前記磁気粘性流体が封入された空間の容積を拡大縮小するように動作する体積追従動作部と、
を備える磁気粘性流体装置において、
前記体積追従動作部は、前記第2部に属する部材に形成された軸穴に対して前記軸線方向に移動可能に嵌入され、前記シャフトを回転自在に支持する軸支部が形成された可動軸受である、ことを特徴とする磁気粘性流体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の磁気粘性流体装置において、
前記可動軸受と前記軸穴との隙間が環状シール材によってシールされている、ことを特徴とする磁気粘性流体装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の磁気粘性流体装置において、
前記磁気粘性流体が封入された空間の容積を縮小する方向に前記可動軸受を付勢する付勢手段を備えることを特徴とする磁気粘性流体装置。
【請求項4】
請求項2に記載の磁気粘性流体装置において、
前記可動軸受は、その外周部に、前記軸穴に対して摺動する大径部と、該大径部より小径に形成された小径部とが形成されており、
前記環状シール材として、前記可動軸受の前記小径部に外嵌された環状弾性材が用いられ、
前記環状シール材は、前記大径部と前記小径部の境界に形成される段差壁と、前記軸穴において軸線側に突出したつば部との間に設けられている、ことを特徴とする磁気粘性流体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相対回転可能に設けられた部材間に磁気粘性流体を介在させ、当該磁気粘性流体に付与する磁場の強さを変えることにより、上記部材間で伝達されるトルクを可変とする磁気粘性流体装置に関する。特に、装置内に封入された磁気粘性流体が温度変化によって体積膨張した場合に、内圧の上昇を抑制する手段を備えた磁気粘性流体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の磁気粘性流体装置は、例えば特許文献1に開示されている。同文献に開示されている磁気粘性流体装置は、「体積追従動作部」(ダイヤフラム)を備える。「体積追従動作部」は、装置本体内に封入された磁気粘性流体の体積の膨張収縮に追従して、磁気粘性流体が封入された空間の容積を拡大縮小するものである。「体積追従動作部」を備えることで、シャフトの周囲のシールの締め代(つぶし代)を増すことなく、当該シールから磁気粘性流体が漏出することを防止することができる。シャフトの周囲のシールの締め代を増す必要がないことから、基底トルク(磁気粘性流体に磁場を印加していないときのシャフトの回転抵抗)を増加させることなく、磁気粘性流体の漏出を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の磁気粘性流体装置のように、シャフトと同じ軸線上に「体積追従動作部」を設けた場合、シャフトを両持ち支持構造にしながら、装置を小型化することが難しくなる。
【0005】
もちろん、「体積追従動作部」をシャフトと同じ軸線上から外れた位置に設ければ、シャフトを両持ち支持構造にしながら、装置を小型化することができる場合もある。しかし、磁気粘性流体の封入空間やヨークの軸対称性が崩れ、様々な弊害が生じるおそれがある。例えは、磁気粘性流体の封入空間の軸対称性が崩れた場合、封入空間の場所によって磁気粘性流体の組成(例えば磁性粒子の割合など)に偏りが生じるおそれがある。また、ヨークの軸対称性が崩れた場合、効率の良い磁気回路が形成され難くなるおそれがある。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みて創案されたものであり、磁気粘性流体が封入された空間の容積を拡大縮小する体積追従動作部を備える磁気粘性流体装置において、シャフトを両持ち支持構造にしながら、装置を小型化することができるものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る磁気粘性流体装置は、シャフトを含む第1部と、前記第1部に対して相対回転可能に設けられた第2部と、前記第1部および前記第2部を有する装置本体内に封入され、前記第1部と前記第2部との間に介在する磁気粘性流体と、前記磁気粘性流体に磁場を付与するための磁場発生部と、前記磁気粘性流体が前記装置本体外へ漏出しないように、前記第1部に属する部材と前記第2部に属する部材との隙間をシールするシール部材と、前記シャフトと同じ軸線上に設けられ、前記磁気粘性流体の体積の膨張収縮に追従して、前記磁気粘性流体が封入された空間の容積を拡大縮小するように動作する体積追従動作部と、を備える。前記体積追従動作部は、前記第2部に属する部材に形成された軸穴に対して前記軸線方向に移動可能に嵌入され、前記シャフトを回転自在に支持する軸支部が形成された可動軸受である。
【0008】
本発明の第2態様に係る磁気粘性流体装置は、第1態様に係る磁気粘性流体装置において、前記可動軸受と前記軸穴との隙間が環状シール材によってシールされているものあってもよい。
【0009】
本発明の第3態様に係る磁気粘性流体装置は、第1態様又は第2態様に係る磁気粘性流体装置において、前記磁気粘性流体が封入された空間の容積を縮小する方向に前記可動軸受を付勢する付勢手段を備えるものであってもよい。
【0010】
本発明の第4態様に係る磁気粘性流体装置は、第2態様に係る磁気粘性流体装置において、前記可動軸受は、その外周部に、前記軸穴に対して摺動する大径部と、該大径部より小径に形成された小径部とが形成されており、前記環状シール材として、前記可動軸受の前記小径部に外嵌された環状弾性材が用いられ、前記環状シール材は、前記大径部と前記小径部の境界に形成される段差壁と、前記軸穴において軸線側に突出したつば部との間に設けられているものであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、磁気粘性流体が封入された空間の容積を拡大縮小する体積追従動作部を備える磁気粘性流体装置において、シャフトを両持ち支持構造にしながら、装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る磁気粘性流体装置の断面図である。
【
図2】(a)は
図1のX部拡大図である。(b)は、
図1のX部拡大図において可動軸受が移動した状態を示す図である。
【
図3】本発明の他の実施形態に係る磁気粘性流体装置の断面図であって、
図2に対応する部分を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係る磁気粘性流体装置について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る磁気粘性流体装置100は、軸線N回りに相対回転可能に設けられた第1部Aおよび第2部Bと、これらの間に介在する磁気粘性流体6、シール部材71、ベアリング72等を備えている。
【0014】
第1部Aは、シャフト1、ディスク2等で構成されている。第2部Bは、第1ヨーク3A、第2ヨーク3B、コイル4、ケーシング5等で構成されている。
【0015】
シャフト1は、その端部がディスク2の中心部に垂直に接続されている。シャフト1には、基端側に形成された一般部11と比較して大径とされた第1大径部13A、第2大径部13Bおよび第3大径部13Cが形成されている。各大径部13A~13Cは互いに軸線N方向に間隔をおいて形成されている。各大径部13A~13Cの間には、一般部11より小径とされた第1小径部14Aおよび第2小径部14Bが形成されている。また、第3大径部13Cより先端側には、一般部11より小径とされた第3小径部14Cが形成され、更に、その先端側に、第3小径部14Cより小径とされた第4小径部14Dが形成されている。なお、シャフト1の材料は、ステンレス鋼などの非磁性体であることが望ましい。
【0016】
第1小径部14Aおよび第2小径部14Bには、それぞれ環状のシール部材71が嵌め込まれている。このシール部材71は、シャフト1と軸穴31との隙間をシールする。シャフト1はベアリング72を介して第2ヨーク3Bの軸穴31に回転自在に支持されている。このベアリング72は、シャフト1の一般部11に外嵌されており、その一側が第1大径部13Aの側面に係合され、その他側が軸穴31内に形成されたつば32に係合されている。また、シャフト1は、後述する可動軸受15の軸支部15aに回転自在に支持されている。このように、シャフト1は、両持ち支持構造によって支持されている。
【0017】
ディスク2は、既述したようにシャフト1の端部に接続され、シャフト1と一体に軸線N回りに回転する。本実施形態では、ディスク2は、一定の厚さの円板形状とされている。なお、ディスク2の材料は、鉄等の磁性体であることが望ましい。
【0018】
第1ヨーク3Aは、磁性体からなり、ディスク2の一側面2aに対して微小隙間61を介して設けられている。第1ヨーク3Aは、ディスク2の一側面2aに対して平行に対向する平坦な対向面33を有する。本実施形態では、微小隙間61の隙間寸法は、ディスク2の一側面2aと第1ヨーク3Aの対向面33との間に介在し、第4小径部14Dに嵌め付けられた環状の第1薄板材81の厚さによって規定されている。この第1薄板材81は、ステンレス鋼などの非磁性体で構成されている。
【0019】
第1ヨーク3Aは、円筒状のケーシング5の内側に嵌め込まれ、そのケーシング5に複数の取付ボルト57により締結された円環状の押さえ板55によって軸線N方向の移動が規制されている。また、第1ヨーク3Aには、シャフト1の先端側に、軸線Nを中心として形成され外部と連通した軸穴35が設けられている。この軸穴35には、軸線N方向に移動可能に可動軸受15が嵌入されている。この可動軸受15は、磁気粘性流体6の封入空間60を形成する部材の一部を成している。本実施形態では、軸穴35の直径は、第1薄板材81の直径よりも小さく、第1薄板材81やシャフト1の先端部が、
図1に示す位置よりも可動軸受15側に移動しないようになっている。したがって、第1薄板材81やシャフト1の先端部が可動軸受15を軸線N方向押圧することは無い。なお、可動軸受15の材料は特に限定されないが、例えば銅合金製のものを使用することができる。
【0020】
可動軸受15には、
図2に示すように、軸支部15a、大径部15bおよび2つの小径部15cが形成されている。
【0021】
軸支部15aは、シャフト1を回転自在に支持している。本実施形態では、軸支部15aは、可動軸受15の一方に形成された有底穴からなり、その有底穴によってシャフト1の先端部(第4小径部14D)が回転自在に支持されている。
【0022】
大径部15bは、軸穴35の内周面に対して軸線N方向に摺動可能に嵌め込まれている。すなわち、大径部15bは、その外径が第1ヨーク3Aに形成された軸穴35の内径より僅かに小さく形成されている。
【0023】
小径部15cは、可動軸受15の外周部において環状の溝を形成するように、大径部15bより小径になっている。本実施形態では、小径部15cとして、第1小径部15caと第2小径部15cbとが設けられている。第1小径部15caは、第2小径部15cbよりも、磁気粘性流体6の封入空間60側に設けられている。
図1に例示する第2小径部15cbは、軸線N方向外側(封入空間60と反対側)に向かって縮径しているが、第2小径部15cbの形状が縮径したものに限定される訳ではない。
【0024】
第1小径部15caおよび第2小径部15cbには、それぞれ環状シール材16a,16bが嵌着されている。これらの環状シール材16a,16bによって、可動軸受15と第1ヨーク3Aに形成された軸穴35との隙間がシールされ、磁気粘性流体6が軸穴35から外に漏出しないようになっている。なお、本実施形態では環状シール材16a,16bとして、Oリングを使用している。
【0025】
第2小径部15cbに嵌着(外嵌)された環状シール材16bは、可動軸受15の大径部15bと小径部15cの境界に形成される段差壁15dと、軸穴35において軸線N側に突出したつば部35aとの間に設けられている。
【0026】
第2ヨーク3Bは、磁性体からなり、
図1に示すように、ディスク2の他側面2bに対して微小隙間62を介して設けられている。第2ヨーク3Bは、ディスク2の他側面2bに対して平行に対向する対向面37A,37Bを有する。微小隙間62の隙間寸法は、ディスク2の他側面2bと第2ヨーク3Bの対向面37Aとの間に介在する環状の第2薄板材82の厚さによって規定されている。この第2薄板材82は、ステンレス鋼などの非磁性体で構成されている。
【0027】
第2ヨーク3Bは、シャフト1を通すための軸穴31を中心部に有し、コイル4を配設するための環状の溝34も有する。この溝34によって、前記対向面は、内径側の対向面37Aと、外径側の対向面37Bとに分かれている。すなわち、第2ヨーク3Bは、コイル4の内周側、外周側および反ディスク2側を包囲した断面形状を有し、コイル4の内側と外側にそれぞれディスク2の他側面2bに対向する対向面37A,37Bを有する。なお、第2ヨーク3Bは、円筒状のケーシング5の内側に嵌め込まれ、そのケーシング5に複数の取付ボルト57により締結された円環状の押さえ板56によって軸線N方向の移動が規制されている。本実施形態では、押さえ板56は、複数の取付ボルト58にて第2ヨーク3Bにも締結されている。
【0028】
コイル4は、第2ヨーク3Bに形成された溝34に沿って配設されている。このコイル4には、図示しない電流供給装置により任意の電流が供給可能となっている。コイル4は、電流が供給されると、第1ヨーク3A、第2ヨーク3Bとともに、磁気粘性流体6に磁場を付与する磁場発生部として機能する。
【0029】
ケーシング5は、既述したように円筒状部材からなり、非磁性体で構成されている。
【0030】
磁気粘性流体6は、第1部Aおよび第2部Bからなる装置本体内における磁気粘性流体の封入空間60(
図1において灰色に塗り潰した部分)に封入されている。この磁気粘性流体6は、磁性粒子を分散媒に分散させてなる液体であり、特にその磁性粒子がナノサイズの金属粒子(金属ナノ粒子)からなるものが使用できる。磁性粒子は磁化可能な金属材料からなり、金属材料に特に制限はないが軟磁性材料が好ましい。軟磁性材料としては、例えば鉄、コバルト、ニッケル及びパーマロイ等の合金が挙げられる。分散媒は、特に限定されるものではないが、一例として疎水性のシリコーンオイルを挙げることができる。磁気粘性流体における磁性粒子の配合量は、例えば3~40vol%とすればよい。磁気粘性流体にはまた、所望の各種特性を得るために、各種の添加剤を添加することも可能である。
【0031】
磁気粘性流体装置100において、電流供給装置により、コイル4に電流を印加すると、矢印Pに示す方向に沿ってディスク2、第1ヨーク3A、第2ヨーク3B内に磁路が形成される。この磁路は、ディスク2の一側面2aと第1ヨーク3Aの対向面33との微小隙間61や、ディスク2の他側面2bと第2ヨーク3Bの対向面37A,37Bとの微小隙間62に充填されている磁気粘性流体6を貫通する。これにより、磁気粘性流体6に、磁場の強さに応じた粘度(ずり応力)が発現し、ディスク2と2つのヨーク3A,3Bとの間での伝達トルクが磁場の強さに応じて大きくなる。
【0032】
上記構成を備える磁気粘性流体装置100において、封入空間60に封入された磁気粘性流体6が温度変化により、体積を膨張収縮する場合、可動軸受15が、磁気粘性流体6の体積膨張に追従して、封入空間60の容積を拡大縮小するように動作する体積追従動作部として機能する。
【0033】
例えば、磁気粘性流体6が温度上昇により体積膨張すると、
図2(a)に示す位置にある可動軸受15は、軸線N方向外側へ移動する。これにより、磁気粘性流体6の封入空間60の容積が拡大し、同空間60内の内圧上昇が防止される。また、このとき、
図2(b)に示すように、環状弾性材である環状シール材16bが、可動軸受15の段差壁15dと、軸穴35において軸線N側に突出したつば部35aとの間に挟まれ弾性変形する。圧縮変形した環状シール材16bは、可動軸受15を、封入空間60の容積が縮小する方向に付勢する付勢手段として働く。
【0034】
その後、磁気粘性流体6の温度が低下して元の温度に戻る際は、
図2(b)に示す位置にある可動軸受15は、磁気粘性流体6の体積収縮に追従して、軸線N方向内側へ移動し、
図2(a)に示す元の位置に復帰する。可動軸受15が軸線N方向内側へ移動する際は、上記付勢手段の付勢力が可動軸受15の上記移動をアシストする。
【0035】
以上に説明した磁気粘性流体装置100によれば、磁気粘性流体6が封入された封入空間60の容積を拡大縮小する体積追従動作部(可動軸受15)がシャフト1を回転自在に支持する支持部の役割も果たすため、シャフト1を両持ち支持構造にしながら、装置100を小型化することが容易になされる。
【0036】
<他の実施形態1>
既述した実施形態において、一方の環状シール材16bのみで十分なシール効果がある場合は、もう一方の環状シール材16aおよび第1小径部15caを省略してもよい。
【0037】
<他の実施形態2>
既述した実施形態では、封入空間60の容積を縮小する方向に可動軸受15を付勢する付勢手段としての環状シール材16bが使用されていたが、この環状シール材16bを他の付勢手段に置き換えることも可能である。例えば、環状シール材16bの代わりに、
図3に示すように、コイルばね等のばね材17を使用するが可能である。
図3(a)の状態は
図2(a)の状態に対応し、
図3(b)の状態は
図2(b)の状態に対応している。なお、磁気粘性流体6の体積の膨張収縮と、可動軸受15との位置関係は、既述した実施形態(
図2の場合)と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、例えば、装置本体内に封入した磁気粘性流体が熱膨張した場合に、内圧の上昇を抑制する手段を備えた磁気粘性流体装置に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0039】
A 第1部
B 第2部
N 軸線
1 シャフト
3A 第1ヨーク(磁場発生部)
3B 第2ヨーク(磁場発生部)
4 コイル (磁場発生部)
6 磁気粘性流体
15 可動軸受(体積追従動作部)
15a 軸支部
15b 大径部
15c 小径部
16a 環状シール材
16b 環状シール材(付勢手段)
17 ばね材(付勢手段)
35 軸穴
35a つば部
71 シール部材
100 磁気粘性流体装置