(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】アンモニア燃料燃焼装置
(51)【国際特許分類】
F23J 7/00 20060101AFI20231120BHJP
F23L 7/00 20060101ALI20231120BHJP
C01B 3/04 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
F23C99/00 317
F23C99/00 302
C01B3/04 B
(21)【出願番号】P 2021146919
(22)【出願日】2021-09-09
【審査請求日】2022-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000211123
【氏名又は名称】中外炉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087572
【氏名又は名称】松川 克明
(72)【発明者】
【氏名】河本 祐作
(72)【発明者】
【氏名】田口 脩平
(72)【発明者】
【氏名】仲井 和成
(72)【発明者】
【氏名】大倉 莉奈
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-096616(JP,A)
【文献】特開平07-331265(JP,A)
【文献】特開2012-005926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23C 99/00
F23J 7/00
F23L 7/00
C01B 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンモニア燃料を燃焼用空気と混合させてバーナーにより炉内で燃焼させるアンモニア燃料燃焼装置において、
アンモニア供給管を通してアンモニア燃料を改質器に導いてアンモニア燃料の一部を水素ガスと窒素ガスとに分解させ、分解された水素ガスと窒素ガスとを含む改質アンモニア燃料をバーナーに供給する第1供給路と、
前記のアンモニア供給管を通してアンモニア燃料をそのままバーナーに供給する第2供給路とを設けると共に、前記の炉内における環境状態を検知する炉内環境検知センサーを設け、前記の炉内環境検知センサーに検知された結果に基づいて、制御装置によりアンモニア燃料を前記のバーナーに供給する前記の第1供給路と第2供給路とを制御することを特徴とするアンモニア燃料燃焼装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアンモニア燃料燃焼装置において、前記の改質器として、アンモニア燃料を水素ガスと窒素ガスとに分解させる触媒を収容させた触媒改質部と、アンモニア燃料を加熱させて水素ガスと窒素ガスとに分解させる加熱改質部との少なくとも一方を設けたことを特徴とするアンモニア燃料燃焼装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のアンモニア燃料燃焼装置において、前記の炉内環境検知センサーとして、炉内の温度を検知する炉内温度検知センサーと、炉内におけるNOx濃度を検知するNOx濃度検知センサーとの少なくとも一方を設けたことを特徴とするアンモニア燃料燃焼装置。
【請求項4】
請求項3に記載のアンモニア燃料燃焼装置において、前記の炉内温度検知センサーによって検知された炉内の温度が上昇するか、前記のNOx濃度検知センサーによって検知されたNOx濃度が上昇するかの少なくとも一方に従って、前記の制御装置により、前記の第1供給路を通してバーナーに供給する改質アンモニア燃料の量を減少させる一方、前記の第2供給路を通してバーナーに供給するアンモニア燃料の量を増加させることを特徴とするアンモニア燃料燃焼装置。
【請求項5】
請求項3に記載のアンモニア燃料燃焼装置において、前記の炉内温度検知センサーによって検知された炉内の温度が所定温度まで上昇するか、前記のNOx濃度検知センサーによって検知されたNOx濃度が所定値に達するかの少なくとも一方の場合に、前記の制御装置により、前記の第1供給路を通して改質アンモニア燃料をバーナーに供給するのを停止させて、前記の第2供給路を通してバーナーにアンモニア燃料だけを供給させることを特徴とするアンモニア燃料燃焼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニア燃料を燃焼用空気と混合させてバーナーにより炉内で燃焼させるアンモニア燃料燃焼装置に関するものである。特に、アンモニア燃料(例えば、アンモニアガス)を燃焼用空気と混合させてバーナーにより炉内で燃焼させるにあたり、アンモニア燃料を改質させて燃焼性を高めた改質アンモニア燃料を燃焼用空気と混合させて、低温でも安定した燃焼が行えるようにすると共に、改質アンモニア燃料による燃焼を制御して、燃焼時におけるNOxの発生を抑制できるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料を燃焼用空気と混合させて燃焼させる燃焼装置においては、一般に、燃料として炭化水素系燃料を用いたものが使用されている。
【0003】
しかし、このように燃焼装置において炭化水素系燃料を燃焼用空気と混合させて燃焼させた場合、二酸化炭素などの温室効果ガスが多く発生するという問題があった。
【0004】
そして、近年においては、二酸化炭素などの温室効果ガスを削減することが要望され、燃料に炭化水素系燃料以外のものを用いることが検討されている。
【0005】
また、従来から、燃焼装置における燃料として、アンモニア燃料を用いることが知られているが、アンモニア燃料は炭化水素系燃料に比べて燃焼性が悪く、完全燃焼させることが困難であり、また低温での燃焼時に失火しやすい一方、強く燃焼させるようにすると、火炎温度が高くなって、NOxが発生する量が増加するという問題あった。
【0006】
そして、燃焼性が悪いアンモニア燃料を燃焼させるにあたって、特許文献1においては、アンモニア燃料の一部を水素ガスと窒素ガスとに加熱分解させ、この水素ガスと窒素ガスとを残りのアンモニア燃料と混合させた改質アンモニア燃料を、燃焼用空気と混合させて燃焼させるようにしたものが示されている。
【0007】
また、特許文献2においては、アンモニア燃料を水素ガスと窒素ガスとに分解させるアンモニア分解触媒が示されている。
【0008】
ここで、前記の特許文献2に示されるように、アンモニア燃料をアンモニア分解触媒を使って分解させた水素ガスと窒素ガスを、燃焼用空気と混合させて、バーナーにより炉内で燃焼させた場合において、炉内の温度が高温(約800℃以上)になると、燃焼排ガス中に含まれるNOxの量が急激に増加して、環境を害するという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開平7-331265号公報
【文献】特開2012-5926号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、アンモニア燃料を燃焼用空気と混合させてバーナーにより炉内で燃焼させるアンモニア燃料燃焼装置における前記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0011】
すなわち、本発明は、前記のようにアンモニア燃料を燃焼用空気と混合させてバーナーにより炉内で燃焼させるにあたり、アンモニア燃料を改質させて燃焼性を高め、改質させた改質アンモニア燃料を燃焼用空気と混合させて、低温でも安定した燃焼が行えるようにすると共に、改質アンモニア燃料による燃焼を制御して、燃焼時におけるNOxの発生を抑制することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るアンモニア燃料燃焼装置においては、前記のような課題を解決するため、アンモニア燃料を燃焼用空気と混合させてバーナーにより炉内で燃焼させるアンモニア燃料燃焼装置において、アンモニア燃料を改質器に導いてアンモニア燃料の一部を水素ガスと窒素ガスとに分解させ、分解された水素ガスと窒素ガスとを含む改質アンモニア燃料をバーナーに供給する第1供給路と、アンモニア燃料をそのままバーナーに供給する第2供給路とを設けると共に、前記の炉内における環境状態を検知する炉内環境検知センサーを設け、前記の炉内環境検知センサーに検知された結果に基づいて、制御装置によりアンモニア燃料を前記のバーナーに供給する前記の第1供給路と第2供給路とを制御するようにした。
【0013】
ここで、本発明に係るアンモニア燃料燃焼装置においては、前記の改質器として、アンモニア燃料を水素ガスと窒素ガスとに分解させる触媒を収容させた触媒改質部と、アンモニア燃料を加熱させて水素ガスと窒素ガスとに分解させる加熱改質部との少なくとも一方を設けることができる。
【0014】
また、本発明に係るアンモニア燃料燃焼装置においては、前記の炉内環境検知センサーとして、炉内の温度を検知する炉内温度検知センサーと、炉内におけるNOx濃度を検知するNOx濃度検知センサーとの少なくとも一方を設けることができる。
【0015】
また、本発明に係るアンモニア燃料燃焼装置においては、前記の炉内温度検知センサーによって検知された炉内の温度が上昇するか、前記のNOx濃度検知センサーによって検知されたNOx濃度が上昇するかの少なくとも一方に従って、前記の制御装置により、前記の第1供給路を通してバーナーに供給する改質アンモニア燃料の量を減少させる一方、前記の第2供給路を通してバーナーに供給するアンモニア燃料の量を増加させるようにすることができる。
【0016】
ここで、前記のように炉内温度検知センサーによって検知された炉内の温度が上昇するか、NOx濃度検知センサーによって検知されたNOx濃度が上昇するかの少なくとも一方に従って、制御装置により、第1供給路を通してバーナーに供給する改質アンモニア燃料の量を減少させて、第2供給路を通してバーナーに供給するアンモニア燃料の量を増加させると、改質アンモニア燃料による燃焼が少なくなって、炉内の温度が高温になっても、燃焼時におけるNOxの発生が抑制される。
【0017】
そして、本発明に係るアンモニア燃料燃焼装置において、前記の炉内温度検知センサーによって検知された炉内の温度が所定温度まで上昇するか、前記のNOx濃度検知センサーによって検知されたNOx濃度が所定値に達するかの少なくとも一方の場合には、前記の制御装置により、前記の第1供給路を通して改質アンモニア燃料をバーナーに供給するのを停止させて、前記の第2供給路を通してバーナーにアンモニア燃料だけ供給させることが好ましい。このようにすると、炉内の温度が上昇しているので、バーナーに供給されたアンモニア燃料が炉内において適切に燃焼されるようになると共に、前記の改質アンモニア燃料が燃焼されなくなって、炉内の温度が高温になっても、燃焼時にNOxが発生するのが抑制される。
【発明の効果】
【0018】
本発明におけるアンモニア燃料燃焼装置においては、前記のようにアンモニア供給管を通してアンモニア燃料を改質器に導いてアンモニア燃料の一部を水素ガスと窒素ガスとに分解させ、分解された水素ガスと窒素ガスとを含む改質アンモニア燃料をバーナーに供給する第1供給路と、前記のアンモニア供給管を通してアンモニア燃料をそのままバーナーに供給する第2供給路とを設け、炉内環境検知センサーによって検知された炉内の環境状態に基づいて、制御装置によりアンモニア燃料をバーナーに供給する第1供給路と第2供給路とを制御するようにしたため、第1供給路を通して改質器により分解された水素ガスと窒素ガスとを含む改質アンモニア燃料を、バーナーに供給して燃焼させることにより、炉内の温度が低温でも安定した燃焼が行えるようになる一方、炉内の温度が上昇した場合には、前記の第2供給路を通してアンモニア燃料をバーナーに供給して燃焼させることにより、炉内の温度が高温になっても、燃焼時におけるNOxの発生が抑制される。
【0019】
この結果、本発明におけるアンモニア燃料燃焼装置においては、アンモニア燃料を燃焼用空気と混合させてバーナーにより炉内で燃焼させるにあたり、アンモニア燃料の一部が分解された水素ガスと窒素ガスとを含む改質アンモニア燃料を燃焼用空気と混合させて、低温でも安定した燃焼が行えるようになると共に、炉内の温度が上昇した場合には、改質アンモニア燃料による燃焼を制御して、燃焼時におけるNOxの発生を抑制できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係るアンモニア燃料燃焼装置の概略説明図である。
【
図2】前記の実施形態に係るアンモニア燃料燃焼装置の使用状態を示し、(A)は炉内の温度が低い場合に、第1供給路を通して、改質器により分解された水素ガスと窒素ガスとを含む改質アンモニア燃料だけをバーナーに供給して燃焼させる状態を示した概略説明図、(B)は炉内の温度が上昇した場合に、第1供給路を通してバーナーに供給する改質アンモニア燃料の量を少なくする一方、第2供給路を通してバーナーにアンモニア燃料を供給して燃焼させる状態を示した概略説明図、(C)は炉内のNOx濃度が上昇した場合に、第1供給路を通して改質アンモニア燃料をバーナーに供給するのを停止させて、バーナーに第2供給路を通してアンモニア燃料だけを供給して燃焼させる状態を示した概略説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係るアンモニア燃料燃焼装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係るアンモニア燃料燃焼装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施できるものである。
【0022】
本発明の実施形態に係るアンモニア燃料燃焼装置においては、
図1に示すように、アンモニア燃料NH
3を供給するアンモニア供給管10を分岐させ、アンモニア燃料NH
3を改質器20に導いてアンモニア燃料NH
3の一部を水素ガスH
2と窒素ガスN
2とに分解させ、分解された水素ガスH
2と窒素ガスN
2とを含む改質アンモニア燃料(NH
3+H
2+N
2)をバーナー30に供給する第1供給路11と、アンモニア燃料NH
3をそのままバーナー30に供給する第2供給路12とを設けると共に、前記の第1供給路11に第1制御弁11aを設け、第1供給路11を通して改質器20に導くアンモニア燃料NH
3の量を制御すると共に、前記の第2供給路12に第2制御弁12aを設け、第2供給路12を通してバーナー30に導くアンモニア燃料NH
3の量を制御するようにしている。
【0023】
ここで、前記の改質器20においては、その内部に、アンモニア燃料NH3を水素ガスH2と窒素ガスN2とに分解させる触媒を収容させた触媒改質部21を設けると共に、この触媒改質部21内に導かれたアンモニア燃料NH3を加熱させてアンモニア燃料NH3の分解作用を活性化させる加熱改質部22を設けたものを用いている。なお、この実施形態においては、改質器20として、前記のように触媒改質部21と加熱改質部22との両方を有するものを用いたが、触媒は加熱して活性化させなくても分解作用はあり、またアンモニア燃料NH3は加熱しただけでも分解するので、触媒改質部21と加熱改質部22とのいずれかを単独で用いるようにすることも可能である。
【0024】
そして、前記のバーナー30に対して、空気供給管40を通して燃焼用空気Airを供給し、この燃焼用空気Airを、前記の第1供給路11を通してバーナー30に導かれた改質アンモニア燃料(NH3+H2+N2)や、前記の第2供給路12を通してバーナー30に導かれたアンモニア燃料NH3と混合させて、バーナー30により炉1内で燃焼させるようにしている。
【0025】
また、この実施形態におけるアンモニア燃料燃焼装置においては、前記の炉1内における環境状態を検知する炉内環境検知センサー50として、炉1内の温度を検知する炉内温度検知センサー51と、炉1内におけるNOx濃度を検知するNOx濃度検知センサー52とを設け、炉内温度検知センサー51とNOx濃度検知センサー52とによって検知された炉1内の温度や炉1内におけるNOx濃度を制御装置60に出力し、この制御装置60により、前記の第1供給路11に設けられた第1制御弁11aと前記の第2供給路12に設けられた第2制御弁12aとを制御するようにしている。なお、前記の各制御弁11a,12aについては、開けた状態を白抜きで、閉じた状態を黒塗りで図示した。
【0026】
ここで、この実施形態におけるアンモニア燃料燃焼装置においては、アンモニア燃料NH
3の燃焼を開始させる初期の段階等のように、前記の炉内温度検知センサー51によって検知される炉1内の温度が低い場合には、アンモニア燃料NH
3をそのまま燃焼させることが困難であるため、
図2(A)に示すように、前記の制御装置60により、前記の第2供給路12に設けた第2制御弁12aを閉じて、第2供給路12からバーナー30にアンモニア燃料NH
3を供給させないようにする一方、第1供給路11に設けた第1制御弁11aを開けて、アンモニア供給管10を通して供給されるアンモニア燃料NH
3を前記の第1供給路11に設けた前記の触媒改質部21と加熱改質部22とを有する改質器20に導くようにしている。
【0027】
そして、この改質器20において、前記のアンモニア燃料NH3の一部を水素ガスH2と窒素ガスN2とに分解させ、第1供給路11を通して水素ガスH2と窒素ガスN2とを含む改質アンモニア燃料(NH3+H2+N2)をバーナー30に供給し、前記の空気供給管40を通してバーナー30に供給された燃焼用空気Airと混合させて、炉1内において燃焼させるようにしている。
【0028】
このようにすると、前記の改質アンモニア燃料(NH3+H2+N2)には、アンモニア燃料NH3の他に燃焼性の高い水素ガスH2が含まれているため、アンモニア燃料NH3だけを燃焼用空気Airと混合させて燃焼させる場合に比べて燃焼性が向上し、安定した燃焼が行えるようになる。
【0029】
次いで、前記のように改質アンモニア燃料(NH
3+H
2+N
2)を燃焼用空気Airと混合させて、バーナー30により炉1内において燃焼させた結果、前記の炉内温度検知センサー51によって検知された炉1内の温度が所定温度(NOxが発生しだすような温度)まで上昇すると、
図2(B)に示すように、前記の制御装置60により、前記の第2供給路12に設けた第2制御弁12aを制御して、前記のアンモニア供給管10から第2供給路12に供給されるアンモニア燃料NH
3量を調整し、この第2供給路12を通して適当量のアンモニア燃料NH
3をバーナー30に供給させると共に、第1供給路11に設けた第1制御弁11aを制御して、アンモニア供給管10を通して第1供給路11に供給されるアンモニア燃料NH
3量を調整し、この第1供給路11を通して適当量のアンモニア燃料NH
3を前記の改質器20に導いて、アンモニア燃料NH
3の一部を水素ガスH
2と窒素ガスN
2とに分解させ、第1供給路11を通して水素ガスH
2と窒素ガスN
2とを含む改質アンモニア燃料(NH
3+H
2+N
2)をバーナー30に供給する。
【0030】
そして、前記のように第2供給路12を通してバーナー30に供給されたアンモニア燃料NH3と、第1供給路11を通してバーナー30に供給された改質アンモニア燃料(NH3+H2+N2)とを、前記の空気供給管40を通してバーナー30に供給された燃焼用空気Airと混合させて、炉1内において燃焼させるようにする。
【0031】
このようにすると、所定温度まで上昇した炉1内において、アンモニア燃料NH3が、改質アンモニア燃料(NH3+H2+N2)と一緒になって安定して燃焼されるようになると共に、前記の第1供給路11を通して改質器20に導くアンモニア燃料NH3の量を少なくでき、改質器20によってアンモニア燃料NH3を改質アンモニア燃料(NH3+H2+N2)に改質させるための電気代等のコストを低減できたり、触媒の寿命を延ばしたりできるようになる。
【0032】
また、前記のようにアンモニア燃料NH
3と改質アンモニア燃料(NH
3+H
2+N
2)とを燃焼用空気Airと混合させて、バーナー30により炉1内において燃焼させた場合において、前記の炉内温度検知センサー51によって検知された炉1内の温度がNOxの発生するような高温になったり、前記のNOx濃度検知センサーによって検知されたNOx濃度が所定値に達したりすると、
図2(C)に示すように、前記の制御装置60により、前記の第1供給路11に設けた第1制御弁11aを閉じ、アンモニア供給管10からアンモニア燃料NH
3が第1供給路11に設けた改質器20に供給されないようにする一方、前記の第2供給路12に設けた第2制御弁12aを開けて、前記のアンモニア供給管10から第2供給路12を通してアンモニア燃料NH
3をバーナー30に供給し、前記の空気供給管40を通してバーナー30に供給された燃焼用空気Airと混合させて、炉1内において燃焼させるようにする。
【0033】
このようにすると、第2供給路12を通してバーナー30に供給されたアンモニア燃料NH3が燃焼用空気Airと混合されて、温度が高くなった炉1内において適切に燃焼されるようになると共に、改質アンモニア燃料(NH3+H2+N2)を燃焼させる場合に比べて、燃焼時における燃焼温度が高温になっても、NOxの発生が抑制されるようになり、NOxによって環境が害されるのを防止できるようになると共に、改質器20によってアンモニア燃料NH3を改質アンモニア燃料(NH3+H2+N2)に改質させるコストをなくすことができる。
【符号の説明】
【0034】
1 :炉
10 :アンモニア供給管
11 :第1供給路
11a :第1制御弁
12 :第2供給路
12a :第2制御弁
20 :改質器
21 :触媒改質部
22 :加熱改質部
30 :バーナー
40 :空気供給管
50 :炉内環境検知センサー
51 :炉内温度検知センサー
52 :NOx濃度検知センサー
60 :制御装置
Air :燃焼用空気
H2 :水素ガス
N2 :窒素ガス
NH3 :アンモニア燃料(アンモニアガス)
NH3+H2+N2 :改質アンモニア燃料