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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】無人飛行体
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/178 20060101AFI20231120BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20231120BHJP
   B64C 27/08 20230101ALI20231120BHJP
   B64D 33/00 20060101ALI20231120BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20231120BHJP
   B64C 1/40 20060101ALN20231120BHJP
【FI】
G10K11/178
B64C39/02
B64C27/08
B64D33/00 B
B64D27/24
B64C1/40
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018103850
(22)【出願日】2018-05-30
(65)【公開番号】P2019070785
(43)【公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】62/569,168
(32)【優先日】2017-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】小西 一暢
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ステファン ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】浅井 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】水野 耕
【審査官】冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/048897(WO,A1)
【文献】特開2017-009965(JP,A)
【文献】再公表特許第2016/170565(JP,A1)
【文献】国際公開第2017/048464(WO,A1)
【文献】入部 正継,DCモータ特性理解のための静特性測定機,第34回日本ロボット学会学術講演会予稿集DVD-ROM 2016年 ,日本,一般社団法人日本ロボット学会,2016年09月07日,pp.1650-1653
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 11/178
B64B 1/00-1/70
B64C 1/00-99/00
B64D 1/00-47/08
B64D 1/00-5/60
B64G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人飛行体であって、
無人飛行体を飛行させる力を発生させ発生器と、
前記発生器から発生する騒音と相関がある前記発生器動作情報を取得し、前記動作情報にそれぞれ対応する信号の逆位相である逆位相信号を生成するプロセッサと、
前記逆位相信号を用いて音を出力する複数のスピーカと、を備え、
前記発生器は回転翼と、前記回転翼を回転させることで前記無人飛行体を飛行させる力を発生させるモータとを有し、
前記発生器から発生する騒音は、前記回転翼の回転により発生する風切り音および前記回転翼を回転させるモータの回転により発生するモータ音を含み、
前記無人飛行体は、さらに、前記発生器ついて、前記モータに入力される電流値、および、前記モータの負荷トルク又は前記モータに実際に流れている電流値を取得する取得器を備え、
前記プロセッサは、前記発生器対応する前記電流値、および、前記負荷トルク又は前記実際に流れている電流値を前記動作情報として前記取得器から取得し、
前記プロセッサは、さらに前記動作情報に基づいて前記回転翼の回転数を算出し、算出した前記回転数での前記回転翼の回転により発生する風切り音に対応する信号の逆位相信号を前記回転翼の外周に位置する前記複数のスピーカで前記音を出力するために用いる前記逆位相信号として生成
前記生成において前記プロセッサは、前記回転翼を複数の回転数のそれぞれで回転させたときに発生する前記風切り音を予め測定しておくことにより、前記回転翼の前記複数の回転数と前記回転翼の前記複数の回転数のそれぞれに対する前記風切り音に対応する信号とを関連付けた第1のモデルを用いて、算出した前記回転翼の前記回転数に対する前記風切り音に対応する信号を取得し、
前記モータを複数の回転数のそれぞれで回転させたときに発生する前記モータ音を予め測定しておくことにより、前記モータの前記複数の回転数と前記モータの前記複数の回転数のそれぞれに対する前記モータ音に対応する信号とを関連付けた第2のモデルを用いて、算出した前記モータの前記回転数に対する前記モータ音に対応する信号を取得し、
(i)前記第1のモデルを用いて算出した前記風切り音および(ii)前記第2のモデルを用いて算出した前記回転数で前記回転翼を回転させる前記モータの回転により発生するモータ音を含む前記騒音に対応する信号の逆位相信号を前記回転翼の外周に位置する前記複数のスピーカで前記音を出力するために用いる前記逆位相信号として生成する、
無人飛行体。
【請求項2】
前記無人飛行体は、さらに、前記無人飛行体への制御指令を取得する制御指令取得器を備え、
前記プロセッサは、
前記制御指令に基づいて前記無人飛行体の飛行を制御し、
前記制御指令に基づいて前記回転数を計算し、
当該回転数に基づいて前記逆位相信号を生成する、
請求項に記載の無人飛行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人飛行体に関する。
【背景技術】
【0002】
無人飛行体に関して、特許文献1には、装置本体の飛行性能を維持しつつ、騒音を低減することが可能な無線航空機が提案されている。具体的には、特許文献1に記載の無線航空機は、モータで回転する回転翼(プロペラ)により空中を飛行する。そして、特許文献1に記載の無線航空機は、モータの回転音を集音し、集音した回転音の逆位相となる音波を生成し、周辺の音を集音し、集音した音に対して、集音した回転音の逆位相となる音波を合成することで、いわゆるアクティブノイズキャンセリング(ANC)を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-9965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、回転翼の近くにマイク(マイクロフォン)が配置された場合、回転翼によって発生する気流がマイクに当たることで風雑音がマイクに入る可能性がある。したがって、回転翼によって発生する騒音(参照信号)を適切に収音することは容易ではなく、無人飛行体に対して回転翼からの風の影響を受けずにANCを適用することが難しくなっている。
【0005】
そこで、本開示は、回転翼からの風の影響を受けずにANCを適用することができる無人飛行体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る無人飛行体は、無人飛行体であって、前記無人飛行体を飛行させる力を発生させる1つ以上の発生器から発生する騒音と相関がある前記1つ以上の発生器それぞれの動作情報を取得し、前記動作情報にそれぞれ対応する信号の逆位相である逆位相信号を生成するプロセッサと、前記逆位相信号に基づいて音を出力する1つ以上のスピーカと、を備える。
【0007】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、又は、コンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、及び、記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る無人飛行体によれば、回転翼からの風の影響を受けずにANCを適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態における無人飛行体の構成を概略的に示す図である。
図2】実施の形態における無人飛行体の動作の一例を示すフローチャートである。
図3】その他の実施の形態における無人飛行体の構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見)
近年、ドローン、無人航空機又はUAV(Unmanned Aerial Vehicle)とも表現される無人飛行体が、情報収集等に利用され始めている。例えば、人が行くことが困難な場所へ、センサが搭載された無人飛行体を移動させることにより、センサからその場所の様々な情報を取得することが可能になる。例えば、無人飛行体の周辺の音を収音するために、このような無人飛行体が利用される。
【0011】
一方で、基本的に、無人飛行体によって発生する騒音(主には回転翼の回転により発生する騒音)は大きく、無人飛行体によって発生する騒音を抑制して無人飛行体の周辺の音を収音することが望まれる。そこで、例えば、無人飛行体によって発生する騒音(参照信号)を収音し、騒音を抑制するための技術(アクティブノイズキャンセリング:ANC)を適用することが考えられる。
【0012】
ANCは、騒音等のノイズを能動的に逆位相音で制御する技術である。また、音から騒音に関連する音だけを除去したりする技術も存在する。例えば、騒音(参照信号)が収音され、騒音の逆位相音をスピーカから出力することによって、騒音が抑制される。騒音(参照信号)の逆位相音とは、騒音の位相に対して逆位相を有する音であり、騒音の波形が反転された波形を有する音である。これにより、騒音として収音された音が抑制される。
【0013】
このようなANCを適用するため、例えば、騒音を収音するためのマイクを、騒音の発生源の近く、具体的には、主な騒音の発生源である無人飛行体に搭載された回転翼の近くに配置することが考えられる。
【0014】
しかしながら、回転翼によって発生する風がマイクに当たることで、風雑音がマイクに入る可能性がある。すなわち、ノイズキャンセリングのための騒音とは異なるノイズがマイクに入る可能性があり、回転翼によって発生する騒音が適切に収音されない可能性がある。騒音が正しく収音できないことで、無人飛行体の周辺の音から騒音が適切に抑制されない可能性がある。このように、回転翼によって発生する騒音を適切に収音することは容易ではなく、無人飛行体に対して回転翼からの風の影響を受けずにANCを適用することが難しくなっている。
【0015】
そこで、本開示の一態様に係る無人飛行体は、無人飛行体であって、前記無人飛行体を飛行させる力を発生させる1つ以上の発生器から発生する騒音と相関がある前記1つ以上の発生器それぞれの動作情報を取得し、前記動作情報にそれぞれ対応する信号の逆位相である逆位相信号を生成するプロセッサと、前記逆位相信号に基づいて音を出力する1つ以上のスピーカと、を備える。
【0016】
これによれば、ノイズキャンセリングのために用いる参照信号として、実際に発生した騒音が用いられず、当該騒音と相関がある発生器(例えば、回転翼及び回転翼を回転させるためのモータ等)の動作情報(例えば、回転数、モータに入力される電流値、モータの負荷トルク又はモータに実際に流れている電流値、制御指令等)が用いられる。つまり、ANCの際に、実際に発生した騒音を収音するマイクが用いられないため、回転翼によって発生する風がマイクに当たることによる風雑音の影響を受けない。したがって、回転翼からの風の影響を受けずにANCを適用することができる。
【0017】
また、前記1つ以上の発生器は、それぞれ回転翼を有し、前記1つ以上の発生器から発生する騒音は、前記回転翼の回転により発生する騒音を含み、前記動作情報は、前記回転翼の回転数と相関があってもよい。
【0018】
これによれば、1つ以上の発生器から発生する騒音と相関がある動作情報は回転翼の回転数と相関があるため、回転翼の回転数と、当該騒音のノイズパターンとを予めモデル化しておくことができる。したがって、当該モデルから、回転翼の回転数に対応する参照信号(ノイズパターン)の逆位相信号を生成でき、回転翼の回転数を参照信号として用いたANCにより、回転翼の回転により発生する騒音を抑制することができる。また、無人飛行体で発生する主要な騒音を風の影響を受けずに効果的に抑制することができる。
【0019】
また、前記無人飛行体は、さらに、前記回転翼の回転数を取得する取得器を備え、前記動作情報は、前記回転翼の回転数を含んでいてもよい。
【0020】
これによれば、取得器(例えばレーザ計測器等)を用いて回転翼の回転数を取得することで、実際の回転数に応じたANCを実行できる。それにより、より効果的な騒音の抑制が可能となる。また、当該回転数を含む動作情報に対応する信号(ノイズパターン)の逆位相信号を容易に生成できる。
【0021】
また、前記無人飛行体は、さらに、前記回転翼を回転させるモータに入力される電流値、及び前記モータの回転情報を取得する取得器を備え、前記動作情報は、前記電流値及び前記回転情報を含んでいてもよい。
【0022】
例えば、回転翼の回転数は、回転翼を回転させるモータに入力される電流値及びモータの回転情報(例えば、モータの負荷トルク又はモータに実際に流れている電流値等)を用いて算出できる。このため、取得器(例えば電流計又は負荷トルク計測器等)を用いてモータに入力される電流値及びモータの回転情報を取得することで、回転翼の回転数を算出できる。したがって、モータに入力される電流値及びモータの回転情報を含む動作情報(つまりは、算出された回転翼の回転数を含む動作情報)に対応する信号(ノイズパターン)の逆位相信号を、レーザ計測器等を用いずに電流計等の簡易な構成で容易に生成できる。
【0023】
また、前記1つ以上の発生器は、それぞれ回転翼を有し、前記1つ以上の発生器から発生する騒音は、前記回転翼を回転させるモータの回転により発生する騒音を含み、前記前記無人飛行体は、さらに、前記モータの回転数を取得する取得器を備え、前記動作情報は、前記モータの回転数と相関がある情報を含んでいてもよい。
【0024】
これによれば、1つ以上の発生器から発生する騒音と相関がある情報を含む動作情報はモータの回転数と相関があるため、モータの回転数と、当該騒音のノイズパターンとを予めモデル化しておくことができる。したがって、当該モデルから、モータの回転数に対応する参照信号(ノイズパターン)の逆位相信号を生成でき、モータの回転数を参照信号として用いたANCにより、モータの回転により発生する騒音を抑制することができる。例えば、取得器(例えばモータ回転数計測器等)を用いてモータの回転数を取得することで、当該回転数に対応する信号(ノイズパターン)の逆位相信号を容易に生成できる。
【0025】
また、前記無人飛行体は、さらに、前記無人飛行体への制御指令を取得する制御指令取得器を備え、前記プロセッサは、前記制御指令に基づいて前記無人飛行体の飛行を制御し、前記制御指令に基づいて前記回転数を計算し、当該回転数に基づいて前記逆位相信号を生成してもよい。
【0026】
例えば、無人飛行体は、プロポ(プロポーショナルシステム)等のリモートコントローラからの制御指令によって制御(操縦)される。制御指令には、無人飛行体に対して上昇下降、前後左右移動及び旋回等させるための回転翼及びモータの回転を伴う指令が含まれている。また、制御指令には、今後の移動経路又は速度情報が含まれている。このため、制御指令から今後回転翼又はモータの回転数がどのように変動するかを予測することができる。したがって、例えば、制御指令取得器(例えば無線通信インタフェース)を用いて制御指令を取得することで、回転翼又はモータの回転数を計算し、当該回転数に対応する信号(ノイズパターン)の逆位相信号を容易に生成できる。これにより、騒音が発生する前に、当該騒音を抑制するための逆位相信号を予め生成しておくことができ、処理遅延を考慮することなく当該騒音を抑制することが可能となる。
【0027】
また、前記1つ以上の発生器は、2つ以上の発生器を含み、前記1つ以上のスピーカは、1つのスピーカであり、前記プロセッサは、前記2つ以上の発生器の動作情報にそれぞれ対応する信号の逆位相である1つの逆位相信号を生成し、前記1つのスピーカは、前記1つの逆位相信号に基づいて音を出力してもよい。
【0028】
これによれば、無人飛行体が2つ以上の発生器を備える場合であっても、2つ以上の発生器の動作情報から1つの逆位相信号が生成されるため、1つのスピーカによって2つ以上の発生器から発生する騒音を軽減できる。
【0029】
さらに、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、又は、コンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、及び、記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0030】
以下、実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0031】
また、以下の説明に用いられる各図は、模式図であり、必ずしも厳密に構成要素の配置及び大きさ等を図示していない。
【0032】
(実施の形態)
以下、図1及び図2を用いて実施の形態について説明する。
【0033】
図1は、実施の形態における無人飛行体1の構成を概略的に示す図である。図2は、実施の形態における無人飛行体1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0034】
無人飛行体1は、プロセッサ10、1つ以上の発生器20、取得器30、制御指令取得器40及び1つ以上のスピーカ50を備える。図1では、1つ以上の発生器20として1つの発生器20を示し、1つ以上のスピーカ50として2つのスピーカ50を示している。
【0035】
発生器20は、無人飛行体1を飛行させる力を発生させる。例えば、発生器20は、動力源、動力源から伝達される動力を利用して飛行力を発生させるアクチュエータ及びその他の構造物等で構成される機械であって、例えば、回転翼21及び回転翼21を回転させるモータ22を備える。無人飛行体1を飛行させる力は、例えば、無人飛行体1を垂直方向に移動すなわち上昇させる揚力又は無人飛行体1を水平方向に移動すなわち前後左右に移動させる推力である。発生器20は、無人飛行体1を飛行させる力を発生させるために回転翼21を回転させる際に、騒音を発生するため、騒音の発生源となる。例えば、発生器20から発生する騒音は、回転翼21の回転により発生する騒音(風切り音)およびモータ22の回転により発生する騒音(モータ音)を含む。
【0036】
プロセッサ10は、無人飛行体1の制御のための情報処理を行う電気回路であり、例えば、マイクロプロセッサ等であってもよい。無人飛行体1は、ROM、RAM等のメモリ(図示せず)を備え、当該メモリには、プロセッサ10により実行される制御プログラム等が記憶されている。プロセッサ10は、機能構成要素として、参照信号取得部11、逆位相生成部12、機体制御部13及びモータ制御部14を備える。プロセッサ10が備えるこれらの機能構成要素は、上記制御プログラムが実行されることにより実現される。
【0037】
プロセッサ10(参照信号取得部11)は、1つ以上の発生器20から発生する騒音と相関がある1つ以上の発生器20それぞれの動作情報を取得する(ステップS11)。一般的なANCでは、実際に発生した騒音がマイクにより収音されて、収音された騒音がANCにおける参照信号となるが、ここでは、実際に発生した騒音ではなく、当該騒音と相関のある動作情報がANCにおける参照信号に対応することになる。
【0038】
動作情報は、例えば、回転翼21若しくはモータ22の回転数、モータ22に入力される電流値、モータ22の負荷トルク若しくはモータ22に実際に流れている電流値、又は、制御指令等を含む。
【0039】
例えば、発生器20から発生する騒音は、回転翼21の回転により発生する騒音を含み、動作情報は回転翼21の回転数と相関がある。つまり、当該騒音は、回転翼21の回転により発生する騒音を含むので、回転翼21の回転数と相関がある動作情報と相関する。例えば、回転翼21の回転数が多くなるほど、回転翼21により発生する騒音(風切り音)の音圧レベル(音の周波数の振幅)は大きくなり、また、その周波数は高くなる。このため、例えば回転翼21の回転数ごとの回転翼21から発生する騒音のノイズパターンを予め測定しておくことで、回転翼21の回転数と、回転翼21から発生する騒音のノイズパターンとを、予めモデル化しておくことができる。つまり、プロセッサ10が、回転翼21の回転数を含む動作情報を取得することで、実際に発生した騒音を収音したときと同じように参照信号(ノイズパターン)を取得できる。
【0040】
また、例えば、モータ22に入力される電流値と回転翼21の回転数とは、空気抵抗等の負荷トルクが一定であれば、一対一に対応している。しかし、空気抵抗等の負荷トルクは、風速、風向等の変化により一定とはならないため、モータ22に入力される電流値と回転翼21の回転数とは、一対一に対応しない。これに対して、モータ22に入力される電流値と負荷トルクとから公知な方法で回転翼21の回転数を予測できる。もしくは、モータ22に入力される電流値とモータ22に実際に流れている電流値とから公知な方法で回転翼21の回転数を導出できる。したがって、プロセッサ10が、モータ22に入力される電流値、および、モータ22の負荷トルク又はモータ22に実際に流れている電流値を含む動作情報を取得することで、実際に発生した騒音を収音したときと同じように参照信号(ノイズパターン)を取得できる。
【0041】
また、例えば、発生器20から発生する騒音は、回転翼21を回転させるモータ22の回転により発生する騒音を含み、動作情報は、モータ22の回転数と相関がある。つまり、当該騒音は、モータ22の回転により発生する騒音を含むので、モータ22の回転数と相関がある動作情報と相関する。例えば、モータ22の回転数が多くなるほど、モータ22から発生する騒音(モータ音)の音圧レベル(音の周波数の振幅)は大きくなり、また、その周波数は高くなる。このため、例えばモータ22の回転数ごとのモータ22から発生する騒音のノイズパターンを予め測定しておくことで、モータ22の回転数と、モータ22から発生する騒音のノイズパターンとを、予めモデル化しておくことができる。つまり、プロセッサ10が、モータ22の回転数を含む動作情報を取得することで、実際に発生した騒音を収音したときと同じように参照信号(ノイズパターン)を取得できる。
【0042】
また、例えば、無人飛行体1は、プロポ(プロポーショナルシステム)等のリモートコントローラからの制御指令によって制御(操縦)される。制御指令には、無人飛行体1に対して上昇下降、前後左右移動及び旋回等させるための回転翼21及びモータ22の回転を伴う指令が含まれている。また、制御指令には、今後の移動経路又は速度情報が含まれている。このため、制御指令から今後回転翼21又はモータ22の回転数がどのように変動するかを予測することができる。上述したように、回転翼21若しくはモータ22の回転数と、発生器20から発生する騒音のノイズパターンとを、予めモデル化しておくことができるため、プロセッサ10が、制御指令を含む動作情報を取得することで、実際に発生した騒音を収音したときと同じように参照信号(ノイズパターン)を取得できる。
【0043】
プロセッサ10(逆位相生成部12)は、1つ以上の発生器20それぞれの動作情報にそれぞれ対応する信号の逆位相である逆位相信号を生成する(ステップS12)。一般的なANCでは、収音された騒音を示す参照信号(ノイズパターン)の逆位相である逆位相信号が当該騒音を抑制ために生成されるが、ここでは、当該騒音と相関のある動作情報に対応する信号(ノイズパターン)の逆位相である逆位相信号が生成される。動作情報に対応する信号(ノイズパターン)は、1つ以上の発生器20から発生する騒音と相関しているため、当該騒音が実際に収音された場合におけるノイズパターンとして扱うことができる。例えば、動作情報に対応する信号(ノイズパターン)は、回転翼21の回転により発生する騒音(風切り音)及びモータ22の回転により発生する騒音(モータ音)の少なくとも一方に対応したノイズパターンである。このため、逆位相生成部12が生成する逆位相信号は、実際の騒音を示すノイズパターンが反転されたものとみなすことができる。なお、風切り音とモータ音とは、それぞれ中心となる周波数帯域が互いに異なるため、騒音に風切り音及びモータ音の両方が含まれていても、これらの周波数帯域の両方に対して逆位相信号を生成できる。逆位相生成部12は、生成した逆位相信号を1つ以上のスピーカ50へ出力する。
【0044】
プロセッサ10(機体制御部13)は、制御指令に基づいて無人飛行体1の飛行を制御する。例えば、機体制御部13は、無人飛行体1が制御指令通りに飛行するようにモータ制御部14を制御する。制御指令には、今後の移動経路又は速度情報が含まれているため、機体制御部13は、例えば、制御指令に基づいて、次の指示内容、ひいては、今後の回転翼21又はモータ22の回転数を予測することができる。
【0045】
モータ制御部14は、無人飛行体1を飛行させる力を発生させる1つ以上の発生器20を制御する。具体的には、モータ制御部14は、機体制御部13からの指示に基づいて、モータ22の回転数が当該指示に対応する回転数となる電流値をモータ22に入力する。
【0046】
取得器30は、例えば、回転翼21の回転数を取得する。取得器30は、例えばレーザ計測器である。レーザ計測器によって、回転する回転翼にレーザを照射してその反射光を測定することで、回転翼21の回転数を取得できる。
【0047】
なお、レーザ計測器を用いなくても、回転翼21の回転数を取得することができる。上述したように、モータ22に入力される電流値、および、モータ22の負荷トルク又はモータ22に実際に流れている電流値から回転翼21の回転数を予測できるためである。この場合、取得器30は、例えば、回転翼21を回転させるモータ22に入力される電流値及びモータ22の回転情報を取得する。回転情報は、例えば、モータ22の回転のしにくさ(つまり、負荷トルク)又はモータ22に実際に流れている電流値である。この場合、取得器30は、例えば、電流計の機能及び負荷トルクを計測する機能を有する計測器である。また、回転翼21の回転数とモータ22の回転数とは対応する関係にあるため、モータ22に入力される電流値、および、モータ22の負荷トルク又はモータ22に実際に流れている電流値から、回転翼21の回転数と同じようにモータ22の回転数を予測できる。
【0048】
制御指令取得器40は、無人飛行体1への制御指令をリモートコントローラから取得する無線通信インタフェースである。制御指令取得器40は、例えば、アンテナおよび無線信号の送受信回路等を含む。
【0049】
1つ以上のスピーカ50は、生成された逆位相信号に基づいて音を出力する(ステップS13)。1つ以上のスピーカ50は、騒音の発生源である発生器20の周辺に配置される。これにより、無人飛行体1は、逆位相信号に基づいて1つ以上のスピーカ50から出力される音によって、発生器20から発生する騒音を抑制ことができる。
【0050】
なお、1つ以上のスピーカ50は、1つのスピーカ50であってもよい。このとき、プロセッサ10は、2つ以上の発生器20の動作情報にそれぞれ対応する信号の逆位相である1つの逆位相信号を生成し、1つのスピーカ50は、1つの逆位相信号に基づいて音を出力してもよい。つまり、2つ以上の発生器20それぞれの動作情報をまとめて1つの参照信号とすることで、1つのスピーカ50によりノイズキャンセリングが行われてもよい。これにより、1つのスピーカ50によって2つ以上の発生器20から発生する騒音を軽減できる。
【0051】
以上説明したように、無人飛行体1は、無人飛行体1を飛行させる力を発生させる1つ以上の発生器20から発生する騒音と相関がある1つ以上の発生器20それぞれの動作情報を取得し、動作情報にそれぞれ対応する信号の逆位相である逆位相信号を生成するプロセッサ10と、逆位相信号に基づいて音を出力する1つ以上のスピーカ50と、を備える。
【0052】
これによれば、ノイズキャンセリングのために用いる参照信号として、実際に発生した騒音が用いられず、当該騒音と相関がある発生器20(例えば、回転翼21及び回転翼21を回転させるためのモータ22等)の動作情報(例えば、回転数、モータ22に入力される電流値、モータ22の負荷トルク又はモータ22に実際に流れている電流値、制御指令等)が用いられる。つまり、ANCの際に、実際に発生した騒音を収音するマイクが用いられないため、回転翼21によって発生する風がマイクに当たることによる風雑音の影響を受けない。したがって、回転翼21からの風の影響を受けずにANCを適用することができる。
【0053】
また、1つ以上の発生器20は、それぞれ回転翼21を有し、1つ以上の発生器20から発生する騒音は、回転翼21の回転により発生する騒音を含み、動作情報は、回転翼21の回転数と相関があってもよい。
【0054】
これによれば、1つ以上の発生器20から発生する騒音と相関がある動作情報は回転翼21の回転数と相関があるため、回転翼21の回転数と、当該騒音のノイズパターンとを予めモデル化しておくことができる。したがって、当該モデルから、回転翼21の回転数に対応する参照信号(ノイズパターン)の逆位相信号を生成でき、回転翼21の回転数を参照信号として用いたANCにより、回転翼21の回転により発生する騒音を抑制することができる。また、無人飛行体1で発生する主要な騒音を風の影響を受けずに効果的に抑制することができる。
【0055】
また、無人飛行体1は、さらに、回転翼21の回転数を取得する取得器30を備え、動作情報は、回転翼21の回転数を含んでいてもよい。
【0056】
これによれば、取得器30(例えばレーザ計測器等)を用いて回転翼21の回転数を取得することで、実際の回転数に応じたANCを実行できる。それにより、より効果的な騒音の抑制が可能となる。また、当該回転数を含む動作情報に対応する信号(ノイズパターン)の逆位相信号を容易に生成できる。
【0057】
また、無人飛行体1は、さらに、回転翼21を回転させるモータ22に入力される電流値、及びモータ22の回転情報を取得する取得器30を備え、動作情報は、当該電流値及び当該回転情報を含んでいてもよい。
【0058】
例えば、回転翼21の回転数は、回転翼21を回転させるモータ22に入力される電流値及びモータの回転情報(例えば、モータ22の負荷トルク又はモータ22に実際に流れている電流値等)を用いて算出できる。このため、取得器30(例えば電流計又は負荷トルク計測器等)を用いてモータ22に入力される電流値及びモータ22の回転情報を取得することで、回転翼21の回転数を算出できる。したがって、モータ22に入力される電流値及びモータ22の回転情報を含む動作情報(つまりは、回転翼21の回転数を含む動作情報)に対応する信号(ノイズパターン)の逆位相信号を、レーザ計測器等用いずに電流計等の簡易な構成で容易に生成できる。
【0059】
また、1つ以上の発生器20は、それぞれ回転翼21を有し、1つ以上の発生器20から発生する騒音は、回転翼21を回転させるモータ22の回転により発生する騒音を含み、無人飛行体1は、さらに、モータ22の回転数を取得する取得器30を備え、動作情報は、モータ22の回転数と相関がある情報を含んでいてもよい。
【0060】
これによれば、1つ以上の発生器20から発生する騒音と相関がある情報を含む動作情報はモータ22の回転数にと相関があるため、モータ22の回転数と、当該騒音のノイズパターンとを予めモデル化しておくことができる。したがって、当該モデルから、モータ22の回転数に対応する参照信号(ノイズパターン)の逆位相信号を生成でき、モータ22の回転数を参照信号として用いたANCにより、モータ22の回転数に応じて発生する騒音を抑制することができる。例えば、取得器30(例えば電流計又は負荷トルク計測器等からなるモータ回転数計測器等)を用いてモータの回転数を取得することで、当該回転数に対応する信号(ノイズパターン)の逆位相信号を容易に生成できる。
【0061】
また、無人飛行体1は、さらに、無人飛行体1への制御指令を取得する制御指令取得器40を備え、プロセッサ10は、制御指令に基づいて無人飛行体1の飛行を制御し、制御指令に基づいて回転数を計算し、当該回転数に基づいて逆位相信号を生成してもよい。
【0062】
例えば、無人飛行体1は、プロポ(プロポーショナルシステム)等のリモートコントローラからの制御指令によって制御(操縦)される。制御指令には、無人飛行体1に対して上昇下降、前後左右移動及び旋回等させるための回転翼21及びモータ22の回転を伴う指令が含まれている。また、制御指令には、今後の移動経路又は速度情報が含まれている。このため、制御指令から今後回転翼21又はモータ22の回転数がどのように変動するかを予測することができる。したがって、例えば、制御指令取得器40(例えば無線通信インタフェース)を用いて制御指令を取得することで、回転翼21又はモータ22の回転数を計算し、当該回転数に対応する信号(ノイズパターン)の逆位相信号を容易に生成できる。これにより、騒音が発生する前に、当該騒音を抑制するための逆位相信号を予め生成しておくことができ、処理遅延を考慮することなく当該騒音を抑制することが可能となる。
【0063】
また、1つ以上の発生器20は、2つ以上の発生器20を含み、1つ以上のスピーカ50は、1つのスピーカ50であり、プロセッサ10は、2つ以上の発生器20の動作情報にそれぞれ対応する信号の逆位相である1つの逆位相信号を生成し、1つのスピーカ50は、1つの逆位相信号に基づいて音を出力してもよい。
【0064】
これによれば、無人飛行体1が2つ以上の発生器20を備える場合であっても、2つ以上の発生器20の動作情報から1つの逆位相信号が生成されるため、1つのスピーカ50によって2つ以上の発生器20から発生する騒音を軽減できる。
【0065】
(その他の実施の形態)
以上、本開示の無人飛行体1について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、および、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
【0066】
例えば、上記実施の形態では、プロセッサ10は、無人飛行体1と一体に設けられたが、プロセッサ10の機能構成要素が無人飛行体1と別体に設けられてもよい。例えば、プロセッサ10が無人飛行体1とは別体のサーバ装置(コンピュータ)等に設けられていてもよい。さらに、プロセッサ10を構成する機能構成要素は、複数のサーバ装置に分散して配置されていてもよい。
【0067】
また、例えば、上記実施の形態では、無人飛行体1は、制御指令取得器40を備えていたが、備えていなくてもよい。
【0068】
また、例えば、本開示は、騒音を抑制するための1つ以上のスピーカ50を備える無人飛行体1に適用されたが、これに限らない。例えば、本開示は、1つ以上のスピーカ50を備えない無人飛行体1aに適用されてもよい。これについて、図3を用いて説明する。
【0069】
図3は、その他の実施の形態における無人飛行体1aの構成を概略的に示す図である。無人飛行体1aは、1つ以上のスピーカ50を備えず、1つ以上のマイクロフォン60及びメモリ70を備える点が、上記実施の形態における無人飛行体1と異なる。その他の点は、無人飛行体1におけるものと同じであるため、説明を省略する。
【0070】
マイクロフォン60は、無人飛行体1aの周辺の音を情報収集等のために収音するためのものであり、ANCを適用するために発生器20の近くに配置されるものではない。本開示では、ANCを適用するために実際の騒音を示す参照信号ではなく発生器20の動作情報を用いるので、実際の騒音を収音するためのマイクロフォンが不要となっているためである。マイクロフォン60が収音した音はメモリ70に記憶(録音)される。メモリ70に録音された音には、無人飛行体1aの周辺の音だけでなく、無人飛行体1a(発生器20)により発生する騒音も含まれているため、当該騒音を抑制する必要がある。
【0071】
そこで、プロセッサ10(例えば逆位相生成部12)は、取得器30が取得した動作情報を用いて、発生器20により発生する騒音に対応するノイズ情報を生成する。そして、プロセッサ10は、当該ノイズ情報を用いてメモリ70に録音された音から発生器20により発生する騒音を抑制する処理を行う。これにより、無人飛行体1aの周辺の音として収音された音から、騒音として収音された音が抑制され、収音したい機体周辺の音をクリアに録音することができる。
【0072】
また、本開示は、無人飛行体1として実現できるだけでなく、無人飛行体1を構成する各構成要素が行うステップ(処理)を含む情報処理方法として実現できる。
【0073】
また、例えば、それらのステップは、コンピュータ(コンピュータシステム)によって実行されてもよい。そして、本開示は、それらの方法に含まれるステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本開示は、そのプログラムを記録したCD-ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
【0074】
例えば、本開示が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリおよび入出力回路等のハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリまたは入出力回路等から取得して演算したり、演算結果をメモリまたは入出力回路等に出力したりすることによって、各ステップが実行される。
【0075】
また、上記実施の形態の無人飛行体1に含まれる複数の構成要素は、それぞれ、専用または汎用の回路として実現されてもよい。これらの構成要素は、1つの回路として実現されてもよいし、複数の回路として実現されてもよい。
【0076】
また、上記実施の形態の無人飛行体1に含まれる複数の構成要素は、集積回路(IC:Integrated Circuit)であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらの構成要素は、個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。LSIは、集積度の違いにより、システムLSI、スーパーLSIまたはウルトラLSIと呼称される場合がある。
【0077】
また、集積回路はLSIに限られず、専用回路または汎用プロセッサで実現されてもよい。プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部の回路セルの接続および設定が再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサが、利用されてもよい。
【0078】
さらに、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、無人飛行体1に含まれる各構成要素の集積回路化が行われてもよい。
【0079】
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本開示の一態様は、例えば、ANCが適用される無人飛行体等に利用できる。
【符号の説明】
【0081】
1、1a 無人飛行体
10 プロセッサ
11 参照信号取得部
12 逆位相生成部
13 機体制御部
14 モータ制御部
20 発生器
21 回転翼
22 モータ
30 取得器
40 制御指令取得器
50 スピーカ
60 マイクロフォン
70 メモリ
図1
図2
図3