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特許7387279運送計画支援装置、運送計画支援システム及び運送計画支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】運送計画支援装置、運送計画支援システム及び運送計画支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20231120BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20231120BHJP
   G06Q 10/0834 20230101ALI20231120BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
G06Q50/30
B65G61/00 546
G06Q10/0834
G08G1/00 D
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019074086
(22)【出願日】2019-04-09
(65)【公開番号】P2020173533
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2022-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】592048475
【氏名又は名称】鈴与株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】野村 博
(72)【発明者】
【氏名】山崎 浩
(72)【発明者】
【氏名】小久保 輝夫
(72)【発明者】
【氏名】林 裕司
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-256511(JP,A)
【文献】特開2004-213257(JP,A)
【文献】特開2003-034438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 61/00
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物の運送計画を支援する運送計画支援装置であって、
自社が引き受けた一以上の運送対象貨物それぞれに関する貨物情報と、一以上の運送会社それぞれを特定するための運送会社情報とを取得する情報取得部と、
前記貨物情報に基づいて、前記一以上の運送対象貨物を一覧可能にする貨物一覧画面を前記自社の情報端末に表示させる表示制御部と、
を有し、
前記表示制御部は、前記一以上の運送会社の一部である第1グループと、前記一以上の運送会社の一部又は全部である前記第1グループよりも大きい第2グループと、のそれぞれに関連付けて、前記運送対象貨物の運送を依頼する条件である依頼条件を受け付け、
前記表示制御部は、前記貨物一覧画面に表示された前記一以上の運送対象貨物から少なくとも1つの運送対象貨物が依頼貨物として選択されると、前記第1グループに関連付けられた前記依頼条件に対応する依頼情報を、前記第1グループに属する依頼先運送会社の情報端末に表示可能に
前記表示制御部は、前記第1グループに属する依頼先運送会社の情報端末に前記依頼情報を表示可能にしてから所定時間が経過した後に、前記第2グループに関連付けられた前記依頼条件に対応する依頼情報を、前記第2グループに属する依頼先運送会社の情報端末に表示可能にする、
運送計画支援装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記依頼貨物の運送期限、前記依頼貨物の運送元の位置及び前記依頼貨物の運送先の位置を含む前記依頼情報を、前記第1グループ又は前記第2グループに属する依頼先運送会社の情報端末に表示可能にする、請求項1に記載の運送計画支援装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記依頼情報を前記第1グループ又は前記第2グループに属する依頼先運送会社の情報端末に表示可能にした場合に、前記貨物一覧画面において、前記第1グループ又は前記第2グループに属する依頼貨物に関連付けて、前記第1グループ又は前記第2グループに属する依頼先運送会社に貨物の運送を依頼していることを示す情報を表示させる、請求項1又は2に記載の運送計画支援装置。
【請求項4】
前記自社が前記一以上の運送会社に貨物の運送を依頼する機能、及び前記自社が前記一以上の運送会社から貨物の運送の依頼を引き受ける機能を含む求貨求車機能を実行する求貨求車部をさらに有し、
前記情報取得部は、前記求貨求車機能を用いて他社から引き受けた他社貨物と、前記求貨求車機能を用いることなく引き受けた自社貨物とを含む前記運送対象貨物に関する前記貨物情報を取得する、請求項1からのいずれか一項に記載の運送計画支援装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記貨物一覧画面において前記依頼貨物を選択するための操作を受け付けると、前記求貨求車機能を利用可能な前記第1グループ又は前記第2グループに属する依頼先運送会社の情報端末に加えて、前記求貨求車機能を利用不可能な運送会社の情報端末に、前記求貨求車機能を利用可能な前記第1グループ又は前記第2グループに属する依頼先運送会社の情報端末とは異なる方法で前記依頼情報を表示可能にする、請求項に記載の運送計画支援装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記自社が管理する複数の車両それぞれが前記運送対象貨物から選択された選択貨物を運送する運送計画を示す配車板画面を、前記貨物一覧画面と同時に前記自社の情報端末に表示させ、
前記表示制御部は、前記配車板画面において、前記自社が管理する複数の車両のうち1つの車両に割り当てられた前記一以上の運送対象貨物を前記依頼貨物として選択する操作を受け付けると、前記操作が示す前記依頼貨物の運送を依頼する前記依頼情報を前記第1グループ又は前記第2グループに属する依頼先運送会社の情報端末に表示可能にする、
請求項1からのいずれか一項に記載の運送計画支援装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記第1グループ又は前記第2グループに属する依頼先運送会社の情報端末に、前記第1グループ又は前記第2グループに属する依頼先運送会社が管理する複数の車両それぞれが前記運送対象貨物から選択された選択貨物を運送する運送計画を示す配車板画面を表示させ、
前記表示制御部は、前記第1グループ又は前記第2グループに属する依頼先運送会社の情報端末の前記配車板画面に、前記自社による前記依頼情報が表示可能になったことを示す通知を表示させる、請求項1からのいずれか一項に記載の運送計画支援装置。
【請求項8】
貨物の運送計画を支援する運送計画支援装置と、情報端末とを含む運送計画支援システムであって、
前記運送計画支援装置は、
自社が引き受けた一以上の運送対象貨物それぞれに関する貨物情報と、一以上の運送会社それぞれを特定するための運送会社情報とを取得する情報取得部と、
前記貨物情報に基づいて、前記一以上の運送対象貨物を一覧可能にする貨物一覧画面を表示するための表示情報を前記自社の情報端末へ送信する表示制御部と、
を有し、
前記表示制御部は、前記一以上の運送会社の一部である第1グループと、前記一以上の運送会社の一部又は全部である前記第1グループよりも大きい第2グループと、のそれぞれに関連付けて、前記運送対象貨物の運送を依頼する条件である依頼条件を受け付け、
前記表示制御部は、前記貨物一覧画面に表示された前記一以上の運送対象貨物から少なくとも1つの運送対象貨物が依頼貨物として選択されると、前記第1グループに関連付けられた前記依頼条件に対応する依頼情報を表示するための前記表示情報を、前記第1グループに属する依頼先運送会社の情報端末に送信し、
前記表示制御部は、前記第1グループに属する依頼先運送会社の情報端末に前記依頼情報を表示可能にしてから所定時間が経過した後に、前記第2グループに関連付けられた前記依頼条件に対応する依頼情報を表示するための前記表示情報を、前記第2グループに属する依頼先運送会社の情報端末に送信し、
前記情報端末は、
前記運送計画支援装置が送信した前記表示情報を受信する受信部と、
前記表示情報に基づいて、前記貨物一覧画面及び前記依頼情報を表示する表示部と、
を有する、運送計画支援システム。
【請求項9】
貨物の運送計画を支援する運送計画支援装置が実行する、
自社が引き受けた一以上の運送対象貨物それぞれに関する貨物情報と、一以上の運送会社それぞれを特定するための運送会社情報とを取得するステップと、
前記貨物情報に基づいて、前記一以上の運送対象貨物を一覧可能にする貨物一覧画面を前記自社の情報端末に表示させるステップと、
前記一以上の運送会社の一部である第1グループと、前記一以上の運送会社の一部又は全部である前記第1グループよりも大きい第2グループと、のそれぞれに関連付けて、前記運送対象貨物の運送を依頼する条件である依頼条件を受け付けるステップと、
前記貨物一覧画面に表示された前記一以上の運送対象貨物から少なくとも1つの運送対象貨物が依頼貨物として選択されると、前記第1グループに関連付けられた前記依頼条件に対応する依頼情報を、前記第1グループに属する依頼先運送会社の情報端末に表示可能にするステップと、
前記第1グループに属する依頼先運送会社の情報端末に前記依頼情報を表示可能にしてから所定時間が経過した後に、前記第2グループに関連付けられた前記依頼条件に対応する依頼情報を、前記第2グループに属する依頼先運送会社の情報端末に表示可能にするステップと、
を有する、運送計画支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運送会社における貨物の運送計画の策定を支援する運送計画支援装置、運送計画支援システム及び運送計画支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物流業務において、荷主は、貨物の運送を運送会社に依頼する。運送会社は、運送期限、運送元及び運送先の位置等の貨物情報に基づいて、自社が管理する車両に貨物の運送を割り当てることによって、運送計画を策定する。特許文献1には、コンピュータの表示部に表示された画面上で貨物情報を入力することによって、貨物の運送を自動的に又は手動で車両に割り当てるシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-141675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、運送会社は、荷主から依頼された貨物を自社が管理する車両だけでは運送しきれない場合等に、他の運送会社に貨物の運送を依頼する(すなわち求車をする)場合がある。また、運送会社は、自社が管理する車両に空き時間がある場合に、他社から貨物の運送を引き受ける(すなわち求貨をする)場合がある。このように異なる運送会社間で貨物の運送を依頼し合うことを、求貨求車という。
【0005】
従来、運送会社は、他社へ貨物の運送を依頼する場合に、電話やファクシミリで他社と交渉をして成約する。そのため運送会社は、貨物の運送を引き受ける可能性のある複数の他社それぞれと交渉をする必要があるため、大きな手間が掛かっていた。
【0006】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、運送会社が他の運送会社に貨物の運送を依頼するための手間を削減する運送計画支援装置、運送計画支援システム及び運送計画支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様の運送計画支援装置は、貨物の運送計画を支援する運送計画支援装置であって、自社が引き受けた一以上の運送対象貨物それぞれに関する貨物情報と、一以上の運送会社それぞれを特定するための運送会社情報とを取得する情報取得部と、前記貨物情報に基づいて、前記一以上の運送対象貨物を一覧可能にする貨物一覧画面を前記自社の情報端末に表示させる表示制御部と、を有し、前記表示制御部は、前記貨物一覧画面に表示された前記一以上の運送対象貨物から少なくとも1つの運送対象貨物が依頼貨物として選択されると、前記依頼貨物の運送を依頼する依頼情報を、前記運送会社情報が示す前記一以上の運送会社のうち少なくとも1つの依頼先運送会社の情報端末に表示可能にする。
【0008】
前記表示制御部は、前記依頼貨物の運送期限、前記依頼貨物の運送元の位置及び前記依頼貨物の運送先の位置を含む前記依頼情報を、前記依頼先運送会社の情報端末に表示可能にしてもよい。
【0009】
前記表示制御部は、前記依頼情報を前記依頼先運送会社の情報端末に表示可能にした場合に、前記貨物一覧画面において、前記依頼貨物に関連付けて、前記依頼先運送会社に貨物の運送を依頼していることを示す情報を表示させてもよい。
【0010】
前記表示制御部は、前記貨物一覧画面において前記依頼貨物を選択するための操作を受け付けると、前記一以上の運送会社のうち第1グループに属する前記依頼先運送会社の情報端末に前記依頼情報を表示可能にしてもよい。
【0011】
前記表示制御部は、前記第1グループに属する前記依頼先運送会社の情報端末に前記依頼情報を表示可能にしてから所定時間が経過した後に、前記一以上の運送会社のうち前記第1グループよりも大きい第2グループに属する前記依頼先運送会社の情報端末に前記依頼情報を表示可能にしてもよい。
【0012】
前記運送計画支援装置は、前記自社が前記一以上の運送会社に貨物の運送を依頼する機能、及び前記自社が前記一以上の運送会社から貨物の運送の依頼を引き受ける機能を含む求貨求車機能を実行する求貨求車部をさらに有し、前記情報取得部は、前記求貨求車機能を用いて他社から引き受けた他社貨物と、前記求貨求車機能を用いることなく引き受けた自社貨物とを含む前記運送対象貨物に関する前記貨物情報を取得してもよい。
【0013】
前記表示制御部は、前記貨物一覧画面において前記依頼貨物を選択するための操作を受け付けると、前記求貨求車機能を利用可能な前記依頼先運送会社の情報端末に加えて、前記求貨求車機能を利用不可能な運送会社の情報端末に、前記求貨求車機能を利用可能な前記依頼先運送会社の情報端末とは異なる方法で前記依頼情報を表示可能にしてもよい。
【0014】
前記表示制御部は、前記自社が管理する複数の車両それぞれが前記運送対象貨物から選択された選択貨物を運送する運送計画を示す配車板画面を、前記貨物一覧画面と同時に前記自社の情報端末に表示させ、前記表示制御部は、前記配車板画面において、前記自社が管理する複数の車両のうち1つの車両に割り当てられた前記一以上の運送対象貨物を前記依頼貨物として選択する操作を受け付けると、前記操作が示す前記依頼貨物の運送を依頼する前記依頼情報を前記依頼先運送会社の情報端末に表示可能にしてもよい。
【0015】
前記表示制御部は、前記依頼先運送会社の情報端末に、前記依頼先運送会社が管理する複数の車両それぞれが前記運送対象貨物から選択された選択貨物を運送する運送計画を示す配車板画面を表示させ、前記表示制御部は、前記依頼先運送会社の情報端末の前記配車板画面に、前記自社による前記依頼情報が表示可能になったことを示す通知を表示させてもよい。
【0016】
本発明の第2の態様の運送計画支援システムは、貨物の運送計画を支援する運送計画支援装置と、情報端末とを含む運送計画支援システムであって、前記運送計画支援装置は、自社が引き受けた一以上の運送対象貨物それぞれに関する貨物情報と、一以上の運送会社それぞれを特定するための運送会社情報とを取得する情報取得部と、前記貨物情報に基づいて、前記一以上の運送対象貨物を一覧可能にする貨物一覧画面を表示するための表示情報を前記自社の情報端末へ送信する表示制御部と、を有し、前記表示制御部は、前記貨物一覧画面に表示された前記一以上の運送対象貨物から少なくとも1つの運送対象貨物が依頼貨物として選択されると、前記依頼貨物の運送を依頼する依頼情報を表示するための前記表示情報を、前記運送会社情報が示す前記一以上の運送会社のうち少なくとも1つの依頼先運送会社の情報端末に送信し、前記情報端末は、前記運送計画支援装置が送信した前記表示情報を受信する受信部と、前記表示情報に基づいて、前記貨物一覧画面及び前記依頼情報を表示する表示部と、を有する。
【0017】
本発明の第3の態様の運送計画支援方法は、貨物の運送計画を支援する運送計画支援装置が実行する、自社が引き受けた一以上の運送対象貨物それぞれに関する貨物情報と、一以上の運送会社それぞれを特定するための運送会社情報とを取得するステップと、前記貨物情報に基づいて、前記一以上の運送対象貨物を一覧可能にする貨物一覧画面を前記自社の情報端末に表示させるステップと、前記貨物一覧画面に表示された前記一以上の運送対象貨物から少なくとも1つの運送対象貨物が依頼貨物として選択されると、前記依頼貨物の運送を依頼する依頼情報を、前記運送会社情報が示す前記一以上の運送会社のうち少なくとも1つの依頼先運送会社の情報端末に表示可能にするステップと、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、運送会社が他の運送会社に貨物の運送を依頼するための手間を削減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係る運送計画支援システムの模式図である。
図2】実施形態に係る運送計画支援システムのブロック図である。
図3】貨物一覧画面及び配車板画面を表示している情報端末の表示部の正面図である。
図4】運送計画支援システムが貨物一覧画面及び配車板画面においてユーザによる運送計画の設定を受け付ける方法を説明するための模式図である。
図5】設定画面を表示している情報端末の表示部の正面図である。
図6】運送会社のグループを説明するための模式図である。
図7】依頼情報を表示している情報端末の表示部の正面図である。
図8】依頼情報を表示している情報端末の表示部の正面図である。
図9】運送計画支援システムが行う運送計画支援方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[運送計画支援システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る運送計画支援システムSの模式図である。運送計画支援システムSは、運送計画支援装置1と、複数の情報端末2とを含む。運送計画支援システムSが含む情報端末2の数は限定されない。運送計画支援システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0021】
情報端末2は、運送会社が管理するコンピュータである。運送会社は、貨物の運送業務を行う組織である。運送会社は、1人又は複数の構成員からなり、貨物を運送するための1つ又は複数の車両を管理する。1つの運送会社に着目したとき、該運送会社を自社といい、それ以外の運送会社を他社という。情報端末2は、例えばパーソナルコンピュータや、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末である。情報端末2は、インターネット、ローカルエリアネットワーク等のネットワークNを介して、運送計画支援装置1との間で通信を行う。
【0022】
運送計画支援装置1は、運送会社における貨物の運送計画の策定を支援するコンピュータである。運送計画支援装置1は、例えばネットワークNに接続されたサーバである。運送計画支援装置1は、貨物及び車両に関する情報を表示するための情報を複数の情報端末2へ送信し、また複数の情報端末2から運送計画を設定するための情報を受信して記憶する。
【0023】
運送計画支援装置1は、運送計画を設定する機能と、求貨求社を行う機能とを、各運送会社へ提供する。求貨求車とは、異なる運送会社間で貨物の運送を依頼し合うことをいう。運送計画支援装置1は、自社が引き受けた運送対象貨物に関する貨物情報と、運送会社を特定するための運送会社情報とを取得し、運送対象貨物を一覧可能にする貨物一覧画面を情報端末2に表示させる。
【0024】
そして運送計画支援装置1は、運送会社のユーザによって、貨物一覧画面に表示された少なくとも1つの運送対象貨物が依頼貨物として選択されると、依頼貨物の運送を依頼する依頼情報を、他社の情報端末2に表示可能にする。
【0025】
このような構成により、運送計画支援システムSは、運送会社の情報端末2上で選択された依頼貨物の運送を依頼する依頼情報を、他社の情報端末2に表示させる。運送会社のユーザは、他社と電話やファクシミリで交渉することなく、運送計画支援システムS上で依頼情報を他社に提供し、依頼貨物の運送を引き受けるか否かを他社に判断してもらうことができる。そのため運送計画支援装置1は、運送会社のユーザが他社に運送対象貨物の運送を依頼するための手間を削減できる。
【0026】
[運送計画支援システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る運送計画支援システムSのブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示していないデータの流れがあってよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0027】
運送計画支援装置1は、制御部11と、記憶部12とを有する。制御部11は、情報取得部111と、表示制御部112と、運送計画設定部113と、求貨求車部114とを有する。記憶部12は、運送計画記憶部121と、運送会社情報記憶部122と、求貨求車情報記憶部123とを有する。
【0028】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部11が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、運送計画支援装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部11との間でデータの授受を行ってもよい。
【0029】
運送計画記憶部121は、運送会社ごとに運送計画を記憶する。運送会社情報記憶部122は、運送会社ごとに車両及び貨物に関する情報を記憶する。求貨求車情報記憶部123は、異なる運送会社間で貨物の運送を依頼するための情報を記憶する。運送計画記憶部121、運送会社情報記憶部122及び求貨求車情報記憶部123は、それぞれ記憶部12上の記憶領域であってもよく、あるいは記憶部12上で構成されたデータベースであってもよい。
【0030】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、情報取得部111、表示制御部112、運送計画設定部113及び求貨求車部114として機能する。制御部11の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部11の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0031】
情報端末2は、制御部21と、記憶部22と、操作部23と、表示部24とを有する。制御部21は、送信部211と、受信部212とを有する。
【0032】
表示部24は、液晶ディスプレイ等、情報を表示可能な表示装置を含む。操作部23は、キーボード、マウス等、ユーザの操作によって情報を入力可能な操作装置を含む。表示部24としてユーザによる接触の位置を検出可能なタッチスクリーンを用いることによって、表示部24と操作部23とを一体に構成してもよい。
【0033】
記憶部22は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部22は、制御部21が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部22は、情報端末2の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部21との間でデータの授受を行ってもよい。
【0034】
制御部21は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、送信部211及び受信部212として機能する。制御部21の機能の少なくとも一部は、電気回路によって実行されてもよい。また、制御部21の機能の少なくとも一部は、ネットワーク経由で実行されるプログラムによって実行されてもよい。
【0035】
本実施形態に係る運送計画支援装置1及び情報端末2は、図2に示す具体的な構成に限定されない。運送計画支援装置1及び情報端末2は、それぞれ1つの装置に限られず、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。
【0036】
[運送計画支援方法の説明]
いずれかの運送会社のユーザ(オペレータ)は、情報端末2を用いて画面を表示するための操作を行う。画面を表示するための操作が行われると、情報端末2の送信部211は、情報端末2を管理する運送会社を識別可能な識別情報(例えば運送会社ID)を、運送計画支援装置1へ送信する。運送計画支援装置1において、情報取得部111は、情報端末2が送信した運送会社IDに基づいて、画面を表示するための情報を取得する。
【0037】
具体的には、情報取得部111は、情報端末2が送信した運送会社IDを受信して取得する。以下では、情報取得部111が取得した運送会社IDに対応する運送会社を自社といい、それ以外の運送会社を他社という。
【0038】
情報取得部111は、運送計画記憶部121において自社の運送会社IDに関連付けられた運送計画(すなわち、自社が管理する自社車両の運送計画)を取得する。運送計画は、例えば車両を識別可能な識別情報(例えば車両ID)と、車両が運送する予定の貨物を識別可能な識別情報(例えば貨物ID)とを関連付けて示す。
【0039】
また、情報取得部111は、運送会社情報記憶部122において自社の運送会社IDに関連付けられた、自社が管理する自社車両に関する車両情報と、自社が運送計画支援システムSの求貨求車機能を用いることなく引き受けた自社貨物(第1の貨物)に関する貨物情報とを取得する。自社車両は、自社が保有する車両であってもよく、あるいは自社が管理を行う他社の車両であってもよい。
【0040】
車両情報は、例えば車両の車両登録番号、車種(最大積載量、寸法、荷台形状等)、運送可能な貨物の種類、混載可否及び運賃、並びに車両の運転手の氏名、勤務予定時間、残業時間及び連続運転時間を、車両IDに関連付けて示す。貨物情報は、例えば貨物の種類、運賃、運送期限(荷積み時刻及び荷卸し時刻)、運送元(積地)の位置、運送先(卸地)の位置、荷主の名称、混載可否及び貨物を運送可能な車種を、貨物IDに関連付けて示す。
【0041】
また、情報取得部111は、求貨求車情報記憶部123において自社の運送会社IDに関連付けられた求貨求車情報を取得する。求貨求車情報は、他社が運送を依頼した他社貨物に関する貨物情報(すなわち、求車情報)と、他社が貨物の運送を引き受ける依頼をした他社車両の車両情報(すなわち、求貨情報)と、運送会社が運送を依頼した貨物の運送を他の運送会社が引き受けたことを示す情報(すなわち、引き受け情報)を含む。
【0042】
求車情報は、自社が運送計画支援システムSの求貨求車機能を用いて他社から引き受けた引受済他社貨物(第2の貨物)の貨物情報と、自社が運送計画支援システムSの求貨求車機能を用いて他社から引き受けることが可能な未引受他社貨物(第3の貨物)の貨物情報とを含む。引受済他社貨物及び未引受他社貨物の貨物情報の内容は、自社貨物の貨物情報と同様である。
【0043】
求貨情報は、運送対象貨物を運送可能な他社車両の車両情報を含む。求貨情報は、自社車両の車両情報と同様の内容に加えて、他社車両が貨物を運送可能な時間を、車両IDに関連付けて示す。
【0044】
表示制御部112は、情報取得部111が取得した車両情報、貨物情報及び求貨求車情報に基づいて、貨物一覧画面及び配車板画面を同時に情報端末2に表示させるための表示情報を生成し、情報端末2へ送信する。
【0045】
情報端末2において、受信部212は、運送計画支援装置1が送信した表示情報を受信し、受信した表示情報に基づいて貨物一覧画面及び配車板画面を同時に表示部24に表示させる。
【0046】
図3は、貨物一覧画面B及び配車板画面Aを表示している情報端末2の表示部24の正面図である。表示部24は、自社貨物と引受済他社貨物とを一覧可能にする貨物一覧画面Bと、複数の車両それぞれが自社貨物及び引受済他社貨物から選択された選択貨物を運送する運送計画を示す配車板画面Aとを同時に表示している。
【0047】
配車板画面Aは、車両情報A1と、運送計画A2と、貨物依頼欄A3とを含む。図3に例示した車両情報A1は、車両の車種、運転手の氏名及び運転手の労務情報(残業時間、連続運転時間等)を表している。車両情報A1は、車両の車両登録番号等、その他の情報を表してもよい。
【0048】
運送計画A2は、自社貨物及び引受済他社貨物から選択された、車両が運送する予定の選択貨物に関する貨物情報を、時刻に関連付けて表す。図3の例では、運送計画A2は、時刻を表す横軸に沿って、貨物ごとに荷積み時刻から荷卸し時刻まで延在する帯によって、貨物情報を表している。運送計画A2は、貨物の運送期限、運送元の位置、運送先の位置、及び貨物を運送可能な車種を表している。運送計画A2は、貨物の種類、混載可否、荷主の名称等、その他の情報を表してもよい。
【0049】
貨物依頼欄A3は、他社が運送を依頼している依頼貨物を示す依頼情報を表示する。貨物依頼欄A3の具体的な内容については、図7を用いて後述する。
【0050】
貨物一覧画面Bは、貨物情報B1を含む。図3の例では、貨物一覧画面Bは、車両に割り当てられていない自社貨物及び引受済他社貨物の貨物情報B1のみを含んでいるが、それに加えて車両に割り当てられた自社貨物及び引受済他社貨物の貨物情報B1を含んでもよい。また、貨物一覧画面Bは、自社貨物及び引受済他社貨物に加えて、未引受他社貨物の貨物情報B1を含んでもよい。
【0051】
図3に例示した貨物情報B1は、自社貨物及び引受済他社貨物それぞれについて、貨物の種類、運賃、運送期限、運送元の位置、運送先の位置、荷主の名称、混載可否及び貨物を運送可能な車種を表している。さらに後述の求貨求車機能によって依頼情報を登録している貨物に対応する貨物情報B1は、他社に運送を依頼していることを示すラベルB11を含む。ラベルB11は、例えば他社に運送を依頼している旨の文字列と、依頼先の他社の数とを表す。これにより自社のユーザは、他社に運送を依頼している貨物を速やかに認識できる。貨物情報B1は、その他の情報を表してもよい。
【0052】
図3に示した貨物一覧画面B及び配車板画面Aは一例であり、情報の内容、外観及び配置は変更されてもよい。
【0053】
このように運送計画支援システムSは、自社貨物及び引受済他社貨物を一覧可能にする貨物一覧画面Bを、運送計画を設定するための配車板画面Aと同時に表示する。これにより、運送会社のユーザは、自社貨物及び引受済他社貨物を包括的に把握し、それらに基づいて運送計画を策定することができる。
【0054】
次に、運送計画支援システムSが提供する運送計画設定機能を説明する。運送計画支援システムSは、情報端末2に表示されている貨物一覧画面B及び配車板画面Aにおける操作に基づいて、運送会社のユーザによる運送計画の設定を受け付ける。図4は、運送計画支援システムSが貨物一覧画面B及び配車板画面Aにおいてユーザによる運送計画の設定を受け付ける方法を説明するための模式図である。
【0055】
ユーザは、情報端末2の操作部23を用いて、車両に割り当てたい自社貨物又は引受済他社貨物に対応する貨物情報B1の領域を、該車両に対応する運送計画A2に移動させる操作を行う。情報端末2の送信部211は、操作部23の操作に応じて、車両に割り当てたい自社貨物又は引受済他社貨物の貨物IDと、該車両の車両IDとを、運送計画支援装置1へ送信する。
【0056】
運送計画支援装置1において、運送計画設定部113は、情報端末2が送信した貨物ID及び車両IDを受信する。そして運送計画設定部113は、受信した貨物ID及び車両IDを関連付けた運送計画を、運送会社IDに関連付けて運送計画記憶部121に記憶させることによって設定する。
【0057】
さらに表示制御部112は、変更された運送計画を、配車板画面Aの運送計画A2として、情報端末2の表示部24に表示させる。このとき、表示制御部112は、配車板画面Aにおいて運送計画が変更されたことに応じて、変更された運送計画に対応する自社貨物又は引受済他社貨物の貨物情報B1の表示態様を貨物一覧画面Bにおいて変化させる。図4の例では、変更された運送計画に対応する自社貨物又は引受済他社貨物の貨物情報B1を貨物一覧画面Bから削除しているが、変更された運送計画に対応する自社貨物又は引受済他社貨物の貨物情報B1の領域中に所定のラベル又は所定の背景を表示してもよい。
【0058】
さらに表示制御部112は、変更された運送計画に基づいて車両の運転手の労務情報(残業時間、連続運転時間等)を更新し、更新された労務情報を、情報端末2の表示部24に表示させてもよい。
【0059】
このように運送計画支援システムSは、貨物一覧画面Bから配車板画面Aへ自社貨物又は引受済他社貨物を移動させる操作を行うことによって、運送計画を設定する。これにより、運送会社のユーザは、自社貨物及び引受済他社貨物を、同じ操作で容易に車両に割り当てることができる。
【0060】
次に、運送計画支援システムSが提供する求貨求車機能について説明する。自社が管理する車両が他社の貨物を運送可能なことを示す求貨情報を登録したい場合に、自社のユーザは、情報端末2の操作部23を用いて、自社が管理する車両が貨物を運送可能な時間を指定する操作を行う。貨物を運送可能な空き時間は、貨物一覧画面B又は配車板画面A上で指定されてもよく、情報端末2が表示するその他の画面上で指定されてもよい。情報端末2の送信部211は、自社が管理する車両の車両IDと、該車両が貨物を運送可能な空き時間とを、運送計画支援装置1へ送信する。運送計画支援装置1において、求貨求車部114は、情報端末2が送信した車両IDに対応する車両に関する車両情報と、情報端末2が送信した空き時間とを、求貨情報として求貨求車情報記憶部123に記憶させる。
【0061】
未引受他社貨物の運送を引き受ける場合に、自社のユーザは、情報端末2の操作部23を用いて、運送を引き受ける未引受他社貨物を指定する操作を行う。運送を引き受ける未引受他社貨物は、貨物一覧画面B又は配車板画面A上で指定されてもよく、情報端末2が表示するその他の画面上で指定されてもよい。情報端末2の送信部211は、運送を引き受ける未引受他社貨物の貨物IDを、運送計画支援装置1へ送信する。運送計画支援装置1において、求貨求車部114は、情報端末2が送信した貨物IDに対応する未引受他社貨物に関する貨物情報を自社の運送会社IDに関連付けることによって生成した引き受け情報を、求貨求車情報記憶部123に記憶させる。
【0062】
自社貨物又は引受済他社貨物の運送を他社に依頼する求車情報(依頼情報)を登録したい場合に、自社のユーザは、情報端末2の操作部23を用いて、貨物一覧画面Bに表示されている一以上の自社貨物又は引受済他社貨物(すなわち運送対象貨物)のうち、少なくとも1つの運送対象貨物を、依頼貨物として選択する操作を行う。また、自社のユーザは、情報端末2の操作部23を用いて、貨物一覧画面Bと同時に表示された配車板画面Aにおいて既に車両に割り当てられている一以上の運送対象貨物のうち、少なくとも1つの運送対象貨物を、依頼貨物として選択する操作を行ってもよい。
【0063】
情報端末2の送信部211は、依頼貨物の貨物IDを、運送計画支援装置1へ送信する。運送計画支援装置1において、表示制御部112は、情報端末2が送信した依頼貨物の貨物IDを受信する。そして表示制御部112は、該依頼貨物の運送を他社に依頼する条件である求車条件(依頼条件)を設定する設定画面を表示するための表示情報を生成し、自社の情報端末2へ送信する。情報端末2において、受信部212は、運送計画支援装置1が送信した表示情報を受信し、受信した表示情報に基づいて設定画面を表示部24に表示させる。
【0064】
図5は、設定画面Cを表示している情報端末2の表示部24の正面図である。設定画面Cは、単独の画面として表示部24に表示されてもよく、あるいは貨物一覧画面B及び配車板画面A上に重畳されて表示部24に表示されてもよい。
【0065】
設定画面Cは、第1条件欄C1と、第2条件欄C2と、運送会社欄C3とを含む。第1条件欄C1は、第1グループに属する他社に対する依頼条件の入力を受け付ける。第2条件欄C2は、第1グループよりも大きい第2グループに属する他社に対する依頼条件の入力を受け付ける。運送会社欄C3は、第1グループに属する他社の中から、さらに依頼の対象とする他社を絞り込む選択を受け付ける。
【0066】
図6は、運送会社のグループを説明するための模式図である。運送計画支援システムSの求貨求車機能は、運送計画支援システムSが提供するサービスに加入している運送会社に提供される。運送計画支援システムSが提供するサービスに加入している運送会社を加入者といい、運送計画支援システムSが提供するサービスに加入していない運送会社を非加入者という。すなわち、加入者は運送計画支援システムSの求貨求車機能を利用可能であり、非加入者は運送計画支援システムSの求貨求車機能を利用不可能である。
【0067】
第1グループG1は、加入者である一以上の他社のうち、自社が予め登録している他社が属するグループである。自社は、他社をフォローしたり、他社をお気に入りとして設定したりすることによって、他社を登録する。運送計画支援装置1の運送会社情報記憶部122は、自社が登録している他社の運送会社IDを、自社の運送会社IDと関連付けて予め記憶している。第1グループG1に属する他社は、さらに地域、分野等のサブグループに分けられてもよい。
【0068】
別の方法として、運送計画支援装置1は、所定の規則に従って、自動的に第1グループG1に属する他社を決定してもよい。この場合に、運送計画支援装置1は、例えば運送会社ごとの評価を運送会社IDに関連付けて予め記憶する。評価は、例えば運送の良さを示す点数であり、運送会社が過去に取り引きを行った相手によって設定される。評価は、運送会社自体に対して行われてもよく、あるいは運送会社によって運送された貨物の種類に対して行われてもよい。
【0069】
そして運送計画支援装置1は、評価が所定の条件を満たす他社(例えば、評価が所定値以上である他社、又は評価が高い順に所定数の他社)を、第1グループG1に属する他社として決定する。
【0070】
第2グループG2は、加入者である一以上の他社が属するグループである。そのため、第2グループG2は、第1グループG1よりも大きい。第3グループG3は、非加入者である一以上の他社が属するグループである。運送計画支援システムSは、第3グループG3に属する他社に、求貨求車機能を提供しないが、図8を用いて後述するように依頼情報を表示可能にする。
【0071】
図5に戻り、第1条件欄C1は、第1グループに属する他社(すなわち加入者全体の少なくとも一部)を対象とする第1依頼(フォロー依頼)を行うか否かを選択するための選択欄C11と、第1依頼をする場合の金額を入力するための金額欄C12とを含む。金額欄C12は、例えば運賃、諸掛及び高速代それぞれを入力する欄を含む。
【0072】
第2条件欄C2は、第2グループに属する他社(すなわち加入者全体)を対象とする第2依頼(求貨求車)を開始する時間を指定するための時間欄C21と、第2依頼をする場合の金額を入力するための金額欄C22とを含む。金額欄C22は、例えば運賃、諸掛及び高速代それぞれを入力する欄を含む。
【0073】
選択欄C11において第1グループに属する他社を対象とする第1依頼を行うと選択された場合に、第1グループに属する他社への第1依頼が開始してから時間欄C21で指定された時間が経過したことを条件として、第2グループに属する他社への第2依頼が開始される。一方、選択欄C11において第1グループに属する他社を対象とする第1依頼を行わないと選択された場合に、金額欄C12、時間欄C21及び運送会社欄C3は無視され、すぐに第2グループに属する他社を対象とする第2依頼が開始される。
【0074】
運送会社欄C3は、第1グループを構成するサブグループを選択するためのサブグループ選択欄C31と、第1グループに属する他社を選択するための運送会社選択欄C32とを含む。サブグループ選択欄C31には、第1グループを構成するサブグループの一覧が選択可能な状態で表示される。運送会社選択欄C32には、第1グループに属する他社の一覧が選択可能な状態で表示される。サブグループ選択欄C31においていずれかのサブグループが選択された場合には、選択されたサブグループに属する他社が運送会社選択欄C32において選択される。運送会社欄C3の選択は行われなくてもよい。
【0075】
情報端末2の送信部211は、操作部23の操作に応じて、設定画面Cで設定された第1条件欄C1、第2条件欄C2及び運送会社欄C3の内容を、依頼条件として運送計画支援装置1へ送信する。運送計画支援装置1において、表示制御部112は、情報端末2が送信した依頼条件を受信する。
【0076】
選択欄C11において第1グループに属する他社を対象とする第1依頼を行うと選択された場合に、表示制御部112は、一以上の他社のうち、第1グループに属する他社を第1依頼の依頼先運送会社として特定する。このとき表示制御部112は、運送会社欄C3で他社の選択が行われている場合には、第1グループに属する他社のうち運送会社欄C3で選択された他社を依頼先運送会社として特定する。
【0077】
表示制御部112は、依頼貨物の貨物情報及び情報端末2が送信した依頼条件に基づいて、第1グループに対する依頼情報を生成する。依頼情報は、例えば依頼貨物の貨物情報が示す貨物の種類、運送期限、運送元の位置、運送先の位置、荷主の名称、混載可否及び貨物を運送可能な車種、並びに情報端末2が送信した依頼条件が示す金額を含む。表示制御部112は、生成した依頼情報を表示するための表示情報を、第1グループに属する依頼先運送会社の運送会社IDと関連付けて求貨求車情報記憶部123に記憶させる。これにより、第1依頼の依頼情報は、第1グループに属する依頼先運送会社の情報端末2に表示可能になる。
【0078】
次に表示制御部112は、第1グループに属する依頼先運送会社の情報端末2に依頼情報を表示可能にしてから、時間欄C21で指定された時間が経過した後に、一以上の他社のうち、第2グループに属する他社を第2依頼の依頼先運送会社として特定する。表示制御部112は、依頼貨物の貨物情報及び情報端末2が送信した依頼条件に基づいて、第2グループに対する依頼情報を生成する。表示制御部112は、生成した依頼情報を表示するための表示情報を、第2グループに属する依頼先運送会社の運送会社IDと関連付けて求貨求車情報記憶部123に記憶させる。これにより、第2依頼の依頼情報は、第2グループに属する依頼先運送会社の情報端末2に表示可能になる。
【0079】
一方、選択欄C11において第1グループに属する他社を対象とする第1依頼を行わないと選択された場合に、表示制御部112は、第1依頼を行わずに、一以上の他社のうち、第2グループに属する他社を第2依頼の依頼先運送会社として特定する。表示制御部112は、依頼貨物の貨物情報及び情報端末2が送信した依頼条件に基づいて、第2グループに対する依頼情報を生成する。表示制御部112は、生成した依頼情報を、第2グループに属する依頼先運送会社の運送会社IDと関連付けて求貨求車情報記憶部123に記憶させる。これにより、第2依頼の依頼情報は、第2グループに属する依頼先運送会社の情報端末2に表示可能になる。
【0080】
表示制御部112は、依頼貨物の種類(品目)に基づいて、依頼情報を表示可能にする依頼先運送会社を絞り込んでもよい。例えば運送計画支援装置1は、運送会社が取り扱い可能な貨物の種類を、運送会社IDに関連付けて予め記憶する。そして表示制御部112は、生成した依頼情報を、依頼貨物の種類が取り扱い可能な貨物の種類に含まれている依頼先運送会社の運送会社IDと関連付けて求貨求車情報記憶部123に記憶させる。これにより運送計画支援装置1は、依頼貨物を取り扱うことができない運送会社に対して依頼情報を無駄に表示させることを防ぐことができる。
【0081】
このように運送計画支援システムSは、貨物一覧画面B又は配車板画面A上で依頼貨物の選択を自社の情報端末2から受け付け、依頼貨物の運送を依頼する依頼情報を他社の情報端末2に提供する。そのため、運送計画支援システムSは、運送会社のユーザが他社に貨物の運送を依頼するための手間を削減できる。
【0082】
さらに運送計画支援システムSは、ユーザが登録した第1グループに属する他社に依頼情報を提供した後、指定された時間が経過した後に第2グループに属する他社に依頼情報を提供する。そのため、運送会社は例えば過去に取引のあった他社等に対して優先的に依頼情報を送信し、引き受け先が見付からなかった場合に、より多くの他社に対して依頼情報を送信することができる。
【0083】
依頼先運送会社のユーザは、情報端末2を用いて画面を表示するための操作を行う。画面を表示するための操作が行われると、情報端末2の送信部211は、依頼先運送会社の運送会社IDを、運送計画支援装置1へ送信する。運送計画支援装置1において、表示制御部112は、求貨求車情報記憶部123において、情報端末2が送信した運送会社IDに関連付けられた依頼情報を取得する。表示制御部112は、依頼情報を表示するための表示情報を、依頼先運送会社の情報端末2へ送信する。
【0084】
情報端末2において、受信部212は、運送計画支援装置1が送信した表示情報を受信し、受信した表示情報に基づいて依頼情報を表示部24に表示させる。
【0085】
図7は、依頼情報を表示している情報端末2の表示部24の正面図である。図7は、第1グループ又は第2グループに属する(すなわち、加入者である)依頼先運送会社の情報端末2が依頼情報を表示する画面を表している。図7の例において、依頼情報は、配車板画面において貨物依頼欄A3として表示されているが、その他の画面において表示されてもよい。
【0086】
貨物依頼欄A3は、依頼情報が表示可能になったことを示す通知A31と、運送計画支援装置1が送信した表示情報が示す依頼情報A32とを含む。通知A31は、依頼先運送会社が表示可能な少なくとも1つの依頼情報が存在することを示しており、例えば所定の記号によって表される。これにより依頼先運送会社は、依頼情報があることを速やかに認識できる。
【0087】
依頼先運送会社のユーザによって貨物依頼欄A3を押下する操作が行われた場合に、情報端末2は、依頼情報A32を表示する。依頼情報A32は、例えば依頼元の運送会社の名称、貨物の種類、運送期限、運送元の位置、運送先の位置、混載可否及び貨物を運送可能な車種、並びに情報端末2が送信した依頼条件が示す金額を表す。依頼情報A32は、その他の情報を表してもよい。
【0088】
求貨求車情報記憶部123に複数の依頼情報が記憶されている場合に、依頼情報A32として複数の依頼情報のうち一部の依頼情報が表示されてもよい。その場合に、情報端末2の表示部24は、貨物依頼欄A3で所定の操作(例えば図7の「すべて見る」のラベルの押下)が行われたことを条件として、複数の依頼情報を一覧可能にする画面を表示する。
【0089】
依頼先運送会社のユーザは、いずれかの依頼情報A32が示す依頼貨物の運送を引き受ける場合に、情報端末2の操作部23を用いて、該依頼情報A32を押下する操作を行う。情報端末2の送信部211は、押下された依頼情報A32を特定する貨物IDを、情報端末2を管理する依頼先運送会社の運送会社IDとともに運送計画支援装置1へ送信する。
【0090】
運送計画支援装置1において、求貨求車部114は、情報端末2が送信した貨物IDを受信する。そして求貨求車部114は、受信した貨物IDに対応する依頼貨物の貨物情報を、情報端末2が送信した運送会社IDに関連付けることによって生成した引き受け情報を、求貨求車情報記憶部123に記憶させる。これにより、運送計画支援装置1は、自社が登録した依頼情報が示す依頼貨物の運送を依頼先運送会社が引き受けることを示す引き受け情報を登録できる。
【0091】
運送計画支援装置1は、引き受け情報を登録する前に、押下された依頼情報A32に対応する依頼貨物の詳細な貨物情報を表す画面を、依頼先運送会社の情報端末2の表示部24に表示させてもよい。この場合に、依頼貨物の詳細な貨物情報を表す画面において所定の操作が行われた場合に、運送計画支援装置1において、求貨求車部114は引き受け情報を求貨求車情報記憶部123に記憶させる。
【0092】
表示制御部112は、いずれかの依頼先運送会社によって運送が引き受けられた依頼貨物の依頼情報を、求貨求車情報記憶部123において他の依頼先運送会社に表示不可能に設定する。これにより運送計画支援装置1は、既に引き受けられた依頼貨物に係る依頼情報の表示を中止できる。
【0093】
このように、第1グループ及び第2グループに属する依頼先運送会社は、表示された依頼情報を押下することによって、電話やファクシミリによる交渉を必要とせずに依頼貨物の運送を容易に引き受けることができる。
【0094】
さらに表示制御部112は、第2グループに属する(すなわち、加入者である)依頼先運送会社の情報端末2に依頼情報を表示可能にする際に、第3グループに属する(すなわち、非加入者である)依頼先運送会社の情報端末2にも依頼情報を表示可能にする。第3グループに属する依頼先運送会社の情報端末2は、運送計画支援システムSの求貨求車機能を利用不可能であるため、図3に示す貨物一覧画面B及び配車板画面Aを表示できない。そのため、表示制御部112は、第2グループに属する依頼先運送会社の情報端末2とは異なる方法で、第3グループに属する依頼先運送会社の情報端末2に依頼情報を表示可能にする。
【0095】
表示制御部112は、一以上の他社のうち、第3グループに属する他社を依頼先運送会社として特定する。表示制御部112は、第2グループを対象とする第2依頼の依頼情報を生成した際に、第2依頼の依頼情報を第3グループに属する依頼先運送会社の運送会社IDと関連付けて求貨求車情報記憶部123に記憶させる。これにより、第2依頼の依頼情報は、第3グループに属する依頼先運送会社の情報端末2にも表示可能になる。
【0096】
第3グループに属する依頼先運送会社の情報端末2は、予め記憶部22に記憶された運送計画支援装置1との間で情報を送受信するためのアプリケーション(ソフトウェア)を実行している。情報端末2の送信部211は、第3グループに属する依頼先運送会社の運送会社IDを、運送計画支援装置1へ送信する。
【0097】
運送計画支援装置1において、表示制御部112は、求貨求車情報記憶部123で情報端末2が送信した運送会社IDに関連付けられた依頼情報を取得する。表示制御部112は、依頼情報を表示するための表示情報を、依頼先運送会社の情報端末2へ送信する。情報端末2において、受信部212は、運送計画支援装置1が送信した表示情報を受信し、受信した表示情報に基づいて、依頼情報を表示部24に表示させる。
【0098】
図8は、依頼情報を表示している情報端末2の表示部24の正面図である。図8は、第3グループに属する(すなわち、非加入者である)依頼先運送会社の情報端末2が依頼情報を表示する画面を表している。
【0099】
情報端末2は、貨物一覧画面B及び配車板画面Aとは異なる画面D(例えば情報端末2のオペレーティングシステムが提供するデスクトップ画面)内に、運送計画支援装置1が送信した表示情報が示す依頼情報D1を表示する。依頼情報D1は、例えば依頼元の運送会社の名称、連絡先、貨物の種類、運送期限、運送元の位置、運送先の位置、混載可否及び貨物を運送可能な車種、並びに情報端末2が送信した依頼条件が示す金額を表す。依頼情報D1は、その他の情報を表してもよい。これにより、運送計画支援システムSは、非加入者である依頼先運送会社に対しても依頼情報を提供できる。
【0100】
第3グループに属する依頼先運送会社のユーザは、依頼情報D1が示す依頼貨物の運送を引き受ける場合に、運送計画支援システムSの求貨求車機能を利用できないため、依頼情報D1に記載された依頼元の運送会社の連絡先に連絡することによって、依頼貨物の運送を引き受ける。
【0101】
さらに情報端末2は、依頼情報D1とともに、運送計画支援システムSの求貨求車機能を利用可能にするサービスへの加入を促す情報D2を表示部24に表示させる。このように運送計画支援システムSは、非加入者である依頼先運送会社に対して、依頼情報を提供するとともに、サービスへの加入を促進することができる。
【0102】
さらに表示制御部112は、第2グループに属する依頼先運送会社の情報端末2に依頼情報を表示可能にする際に、運送計画支援システムSとは異なる求貨求車機能を提供するシステムに、依頼情報を送信してもよい。これにより、運送会社は、運送計画支援システムSを利用する運送会社だけでなく、他のシステムを利用している運送会社にも依頼情報を提示できる。
【0103】
[運送計画支援方法のフロー]
図9は、運送計画支援システムSが行う運送計画支援方法のフローチャートを示す図である。運送会社のユーザは、情報端末2を用いて画面を表示するための操作を行う。画面を表示するための操作が行われると、情報端末2の送信部211は、情報端末2を管理する運送会社の運送会社IDを、運送計画支援装置1へ送信する。
【0104】
運送計画支援装置1において、情報取得部111は、情報端末2が送信した運送会社IDを受信して取得する(S11)。また、情報取得部111は、運送会社情報記憶部122において運送会社IDに関連付けられた、自社が管理する車両に関する車両情報と、自社貨物に関する貨物情報とを取得する。また、情報取得部111は、求貨求車情報記憶部123において運送会社IDに関連付けられた求貨求車情報を取得する。
【0105】
表示制御部112は、情報取得部111が取得した車両情報、自社貨物に関する貨物情報及び引受済他社貨物に関する貨物情報に基づいて、貨物一覧画面及び配車板画面を同時に情報端末2に表示させるための表示情報を生成し、情報端末2へ送信する(S12)。情報端末2において、受信部212は、運送計画支援装置1が送信した表示情報を受信し、受信した表示情報に基づいて貨物一覧画面及び配車板画面を同時に表示部24に表示させる。
【0106】
自社貨物又は引受済他社貨物の運送を他社に依頼する求車情報(依頼情報)を登録したい場合に、自社のユーザは、情報端末2の操作部23を用いて、貨物一覧画面B又は配車板画面Aに表示されている一以上の自社貨物又は引受済他社貨物(すなわち運送対象貨物)のうち、少なくとも1つの運送対象貨物を、依頼貨物として選択する操作を行う。
【0107】
情報端末2の送信部211は、依頼貨物の貨物IDを、運送計画支援装置1へ送信する。運送計画支援装置1において、表示制御部112は、情報端末2が送信した依頼貨物の貨物IDを受信する(S13)。そして表示制御部112は、該依頼貨物の運送を他社に依頼する条件である求車条件(依頼条件)を設定する設定画面を表示するための表示情報を生成し、自社の情報端末2へ送信する(S14)。
【0108】
情報端末2において、受信部212は、運送計画支援装置1が送信した表示情報を受信し、受信した表示情報に基づいて設定画面を表示部24に表示させる。情報端末2の送信部211は、操作部23の操作に応じて、設定画面で設定された依頼条件を、運送計画支援装置1へ送信する。運送計画支援装置1において、表示制御部112は、情報端末2が送信した依頼条件を受信する。
【0109】
表示制御部112は、依頼貨物の貨物情報及び情報端末2が送信した依頼条件に基づいて、依頼情報を生成する(S15)。表示制御部112は、生成した依頼情報を表示するための表示情報を、依頼先運送会社の運送会社IDと関連付けて求貨求車情報記憶部123に記憶させる。これにより、依頼情報は、依頼先運送会社の情報端末2に表示可能になる。
【0110】
依頼先運送会社のユーザは、情報端末2を用いて画面を表示するための操作を行う。画面を表示するための操作が行われると、情報端末2の送信部211は、依頼先運送会社の運送会社IDを、運送計画支援装置1へ送信する。運送計画支援装置1において、表示制御部112は、求貨求車情報記憶部123において、情報端末2が送信した運送会社IDに関連付けられた依頼情報を取得する。表示制御部112は、依頼情報を表示するための表示情報を、依頼先運送会社の情報端末2へ送信する(S16)。
【0111】
情報端末2において、受信部212は、運送計画支援装置1が送信した表示情報を受信し、受信した表示情報に基づいて依頼情報を表示部24に表示させる。依頼先運送会社のユーザは、いずれかの依頼情報が示す依頼貨物の運送を引き受ける場合に、情報端末2の操作部23を用いて、該依頼情報を押下する操作を行う。情報端末2の送信部211は、押下された依頼情報が示す依頼貨物の貨物IDを、情報端末2を管理する依頼先運送会社の運送会社IDとともに運送計画支援装置1へ送信する。
【0112】
運送計画支援装置1において、求貨求車部114は、情報端末2が送信した貨物IDを受信する(S17)。そして求貨求車部114は、受信した貨物IDに対応する依頼貨物に関する貨物情報を、情報端末2が送信した運送会社IDに関連付けることによって生成した引き受け情報を、求貨求車情報記憶部123に記憶させる(S18)。これにより、運送計画支援装置1は、自社が登録した依頼情報が示す依頼貨物の運送を依頼先運送会社が引き受けることを示す引き受け情報を登録できる。
【0113】
[本実施形態の効果]
本実施形態に係る運送計画支援システムSは、自社のユーザから貨物一覧画面B又は配車板画面A上で依頼貨物の選択を受け付け、依頼貨物の運送を依頼する依頼情報を他社の情報端末2に表示可能にする。他社のユーザは、情報端末2に表示された依頼情報を参照して依頼貨物の運送を引き受けるか否かを判断し、情報端末2上で依頼貨物の運送を引き受けるための手続きを行うことができる。そのため、運送計画支援システムSは、自社のユーザが他社に貨物の運送を依頼するための手間を削減できる。
【0114】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0115】
運送計画支援装置1及び情報端末2のプロセッサは、図9に示す運送計画支援方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、運送計画支援装置1及び情報端末2のプロセッサは、図9に示す運送計画支援方法を実行するためのプログラムを記憶部から読み出し、該プログラムを実行して運送計画支援装置1及び情報端末2の各部を制御することによって、図9に示す運送計画支援方法を実行する。図9に示す運送計画支援方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0116】
S 運送計画支援システム
1 運送計画支援装置
11 制御部
111 情報取得部
112 表示制御部
114 求貨求車部
2 情報端末
21 制御部
212 受信部
24 表示部

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