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特許7387306熱放散支持プレートデバイスを備えた電気機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】熱放散支持プレートデバイスを備えた電気機器
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20231120BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20231120BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H05K7/20 F
H01L23/36 D
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019117986
(22)【出願日】2019-06-26
(65)【公開番号】P2020074659
(43)【公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-06-21
(31)【優先権主張番号】1855873
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】518100258
【氏名又は名称】ヴァレオ シーメンス イーオートモーティブ フランス エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギョーム トラメ
(72)【発明者】
【氏名】アルノー マ
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ ボードゥー
【審査官】栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-266527(JP,A)
【文献】特開2002-204580(JP,A)
【文献】特開2017-112144(JP,A)
【文献】特開2012-094792(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0212953(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H05K 7/20
H01L 23/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-ハウジングと、当該ハウジングに収容される電子部品と、を含む電子パワーモジュール(200)と、
-特に、前記電子パワーモジュール(200)の前記電子部品を制御するよう構成された電子カードと、
-熱放散支持プレート(30)と、を備える電気機器(1)であって、前記熱放散支持プレート(30)は、
-受け面と呼ばれる一の面であって、当該面に接触した状態で前記電子カード(20)が、前記電子パワーモジュール(200)に対向するメザニンカードとして配置されるように支えられる、一の面と、
-前記受け面の反対側に設けられた、少なくとも1つの支持突起(31)であって、前記電子パワーモジュールの前記ハウジングに属する放熱プレート(2)に対する前記熱放散支持プレート(30)の固定を可能とするよう構成され、前記電子パワーモジュール(200)の前記放熱プレート(2)を介した熱の放散を可能とするように、前記電子カード(20)に由来する熱を放出するよう構成された前記少なくとも1つの支持突起(31)と、を含む、電気機器(1)。
【請求項2】
前記電子パワーモジュール(200)の前記放熱プレート(2)の第1の面は、前記電子パワーモジュール(200)の放熱外面を成し、前記電子部品は、前記第1の面とは反対側の、前記電子パワーモジュール(200)の前記放熱プレート(2)の第2の面に実装される、請求項1に記載の電気機器(1)。
【請求項3】
前記電子パワーモジュール(200)の前記放熱プレート(2)の前記第2の面は、前記電子パワーモジュール(200)の外面を成す少なくとも1つの部分を含み、前記支持突起(31)の一端が、前記部分で支持される、請求項2に記載の電気機器(1)。
【請求項4】
前記ハウジングは、特に絶縁材料で作られた、前記放熱プレート(2)の前記第2の面から延出する壁部を含み、前記壁部は、前記電子パワーモジュール(200)の前記電子部品を収容するハウジングを画定するように閉じられる、請求項3に記載の電気機器(1)。
【請求項5】
前記放熱プレートの前記第2の面の外側の前記部分は、前記放熱プレート(2)の縁及び前記放熱プレート(2)の外面により区切られる表面である、請求項4に記載の電気機器(1)。
【請求項6】
フレームを備え、
前記フレームは、
-前記熱放散支持プレート(30)を前記フレームで固定するよう構成された第1の保持部材と、
-前記電子パワーモジュール(200)を前記フレームで固定するよう構成された第2の保持部材と、を含み、
他のいずれの固定手段にも依存することなく、前記フレームを介して、前記熱放散支持プレート(30)と前記電子パワーモジュール(200)とが互いに一体となっている、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電気機器(1)。
【請求項7】
前記熱放散支持プレート(30)は、前記熱放散支持プレート(30)を前記フレームで留めるための相補的な第1の保持部材を含み、
前記電子パワーモジュール(200)は、前記電子パワーモジュール(200)を前記フレームで留めるための相補的な第2の保持部材を含む、請求項6に記載の電気機器(1)。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の一の電気機器(1)と、
前記一の電気機器(1)がそれに接触して付加される放熱体と、
を備える電気アセンブリ(1)であって、
前記放熱プレート、特に前記放熱プレートの外面は、前記放熱体の一面と対向しており、前記電気アセンブリは、前記放熱プレート及び前記放熱体での前記支持突起(31)の支持を介して、前記放熱体に固定される、電気アセンブリ(1)。
【請求項9】
請求項8に記載の電気アセンブリを備えるインバータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メザニンカードとしての電子カードを支えるよう構成された熱放散支持プレートを備えた一の電気機器に関する。
【0002】
本発明は例えば、電気自動車及びハイブリット自動車のために構成された、特に高電圧の、電気機器の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
インバータ等の一の電気機器では、公知のように、ハウジングが1つ又は幾つかの電子カードを収容している。例えば、一の電気機器は、電子カード、例えば、支持プレートにメザニンカードとして実装可能な、電子パワーモジュールに対向する電子制御カードを含みうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような電子カードは熱を生じさせることが知られている。特に、電子制御カードは自身の稼働中に熱を生じさせ、約5wの加熱能の放散が必要となる。
【0005】
これに比べて、電子パワーモジュールは、約2kWの加熱能を放散させる必要がある。この趣旨において、電子パワーモジュールは、冷却液を受容する放熱体と接触させることが可能である。
【0006】
電子カードにより発せられた熱の放散においては、特に、支持プレートにメザニンカードとして実装された電子カードに熱が存在するという状況に問題がある。実際において、冷却液へと熱を放散するための経路を探す必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、特に電気自動車又はハイブリッド自動車内の、特に、一の電気機器、特にインバータでの実施のために記載されるが、インバータに限定されると解釈する必要がないことに注意されたい。
【0008】
そのハウジング内に、電気自動車又はハイブリッド自動車は、高電圧の車載電気ネットワークを介して、高電圧供給バッテリにより給電される電気的な動力化システムと、低電圧の車載電気ネットワークを介して、低電圧供給バッテリにより給電される複数の補助的な電気機器と、を備える。
【0009】
高電圧供給バッテリは、車両の推進を可能とする電気的な動力化システムのエネルギーを供給する機能を提供する。車両の車輪を駆動する電動機を制御するためには、高電圧供給バッテリにより供給された直流を1つ又は幾つかの制御交流へと変換することを可能とするインバータを使用することが知られている。
【0010】
インバータは、電子部品を含んでおり、当該電子部品を通じて、電気的な動力化システムに供給されるエネルギーが流れる。従来では、電子部品は電子パワーモジュールの形態により配置されている。即ち、インバータは、制御ユニットを備えており、この制御ユニットは、インバータの電子部品を制御することを可能とする電子部品を含んでいる。
【0011】
電子パワーモジュールは、電子部品を収容するハウジングを備える。従って、電子パワーモジュールは、電動機に供給されるエネルギーが通過する電子パワー部品を含む。この電子パワー部品は、例えば半導体トランジスタ等の、電子スイッチを含むことが可能であり、供給バッテリと電動機との間での電気エネルギーの制御された流れを可能とするために電気回路に配置されている。特に、電子パワー部品は、剥き出しの半導体チップであり、ハウジングがそのためにカプセル化を行う。換言すれば、一のハウジングが、電子パワーモジュールの全ての剥き出しのセミコンダクタチップの調整を行う。
【0012】
電子パワーモジュールのハウジングは、電子パワーモジュールの電子部品に給電することを可能とする導電体を含みうる。さらに、電子パワーモジュールは、電子制御ユニット、換言すると「ドライバ(driver)」カードと関連付けられうる。この電子制御ユニットによって、当該制御ユニットにより伝達された信号を用いて、電子パワーモジュールの電子部品の制御に適合された電圧レベルをもたらすことが可能である。
【0013】
一般に、本発明は、電子パワーモジュールと、支持プレートにメザニンカードとして配置された電子カードと、を含む一の電気機器であって、メザニンカードとして配置された電子カードにより発せられた熱を放散させる必要がある、上記一の電気機器に適用される。
【0014】
この目的により、本発明は、電子パワーモジュールに対してメザニンカードとして配置された電子カードを支えるように構成された熱放散支持プレートに関する。熱放散支持プレートは、少なくとも1つの突起を含んでおり、この少なくとも1つの突起は、電子カードに組み込まれた部品により発せられた熱を放出するよう構成され、特に支持プレートでの拡散によって及び上記突起と電子パワーモジュールの放熱プレートとを接触させることを介して、上記熱の放散を可能とする。
【0015】
この趣旨において、より厳密には、本発明はまず、目的のために一の電気機器を有し、この電気機器は、
-ハウジングと、当該ハウジングに収容される電子部品と、を含む電子パワーモジュールと、
-特に電子パワーモジュールの電子部品を制御するよう構成された電子カードと、
-熱放散支持プレートデバイスと、を備え、前記熱放散支持プレートは、
-受け面と呼ばれる一の面であって、当該面に接触した状態で電子カードが、電子パワーモジュールに対向するメザニンカードとして配置されるように支えられる、一の面と、
-前記受け面の反対側に設けられた、少なくとも1つの支持突起であって、前記電子モジュールのハウジングに属する放熱プレートに対する前記熱放散支持プレートの固定を可能とするよう構成され、電子パワーモジュールの放熱プレートを介した熱の放出を可能とするように、電子カードに由来する熱を放出するよう構成された、前記少なくとも1つの支持突起と、を含む。
【0016】
有利には、前記少なくとも1つの突起に加えて、熱放散支持プレートは、前記受け領域を形成する材料のうち、電子カードにより発せられた熱を放散させる少なくとも1つの他の手段と、電子カードと熱放散支持プレートの前記受け領域とが表面接触した機構と、を含む。
【0017】
有利には、前記少なくとも1つの突起は、締め付けネジの通過を可能とするために通しシャフトを含む。
【0018】
上記シャフトの直径は、放熱を改善するよう設定されうる。一実施形態によれば、前記熱放散支持プレートによって、電子パワーモジュールと電子カードとの間の電磁シールドの機能が提供される。一実施形態によれば、電子パワーモジュールの放熱プレートの第1の面は、電子パワーモジュールの放熱外面を成し、電子部品は、第1の面とは反対側の、電子パワーモジュールの放熱プレートの第2の面に実装される。
【0019】
一実施形態によれば、電子パワーモジュールの放熱プレートの第2の面は、電子パワーモジュールの外面を成す少なくとも1つの部分を含み、前記少なくとも1つの突起の一端が、前記部分で支持される。
【0020】
一実施形態によれば、前記ハウジングは、特に絶縁材料で作られた、放熱プレートの第2の面から延出する壁部を含み、前記壁部は、電子パワーモジュールの電子部品を収容するハウジングを画定するように閉じられる。
【0021】
特に、壁部は、放熱プレートの縁に沿って付加される。
【0022】
特に、壁部は、放熱プレートにオーバーモールドされる。
【0023】
本発明は、一の電気機器であって、放熱プレートの第2の面の前記外側の部分は、放熱プレートの縁及び前記壁部の外面により区切られる表面である、一の電気機器にも関する。
【0024】
一実施形態によれば、上記一の電気機器はフレームを含み、
フレームは、
-前記熱放散支持プレートを前記フレームで固定するよう構成された第1の保持部材と、
-前記電子パワーモジュールを前記フレームで固定するよう構成された第2の保持部材と、を含み
他のいずれの固定手段にも依存することなく、前記フレームを介して、熱放散支持プレートと電子パワーモジュールとが互いに一体となっている。
【0025】
一実施形態によれば、前記熱放散支持プレートは、前記熱放散支持プレートを前記フレームで留めるための相補的な第1の保持部材を含み、前記電子パワーモジュールは、前記電子パワーモジュールを前記フレームで留めるための相補的な第2の保持部材を含む。
【0026】
有利には、第1の保持部材は突起であり、相補的な保持部材は、前記熱放散支持プレートに配置された凹所である。
【0027】
本発明は、先に簡潔に記載した一の電気機器と、当該一の電気機器がそれに接触して付加される放熱体と、を含む電気アセンブリであって、放熱プレート、特に放熱プレートの外面は放熱体の一面と対向しており、電気アセンブリは、放熱プレート及び放熱体での突起の支持を介して、放熱体に固定される、上記電気アセンブリも対象とする。
【0028】
電子パワーモジュールの放熱プレート及び放熱体は、特に棒状体を介して、特に、突起に収容された締め付けネジを介している。特に、少なくとも1つの突起は、締め付けネジの通過を可能とするために通しシャフトを含む。
【0029】
本発明は、先に簡潔に記載した電気アセンブリを備えるインバータに関する。
単に一例として与えられる本明細書の以下の記載を、非限定的な例として与えられた添付の図面を参照しながら読むと、本発明がより良好に理解されるであろう。同一の参照符号が、同様の対象に付されている。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】部分的に示された一の電気機器における本発明に係る熱放散支持プレートを示す。
図2】本発明に係る熱放散支持プレートの断面図を示す。
図3】本発明に係る熱放散支持プレートによる熱の放出を示す。
図4】本発明に係る熱放散支持プレートにより提供される電磁シールド機能を示す。
図5】本発明に係る支持放散プレートの突起の内部に配置されたシャフトを通る締め付けネジを示す。
図6】熱放散支持プレートを保持する手段を示した、電気機器のハウジングの部分図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図は、本発明の実施のために本発明を詳細に開示しており、図は、当然のことながら、適切な場合には本発明をより良好に定義するために使用されうることに注意されたい。
【0032】
以下の明細書の記載では、本発明は主に、電気自動車又はハイブリッド自動車のための一の電気機器への適用において記載されるが、これにより、本発明の範囲が限定されることはない。
【0033】
さらに、先に説明したように、本発明は主に、インバータでの実施のために記載されるが、特に支持プレートにメザニンカードとして配置された電子カードを備えており、メザニンカードとして配置された電子カードにより発せられた熱を放散させる必要があるいずれの電子機器にも適用されうる。
【0034】
一の電気機器のハウジング内で、メザニンカードである電子カード、特に上記他の電子カードの実装を可能とする支持プレートは、一般に「ブラケット」という用語により称される。
【0035】
図1から図5に示すように、支持プレート30は、電子パワーモジュール200の放熱プレート2に固定されるために設けられる。支持プレート30は、まず、メザニンカードとして配置された電子カード20を機械的に保持するためのインタフェース機能を保証する。換言すれば、支持プレート30、又は「ブラケット」によって、電子パワーモジュールに対向する電子カード20の載置が可能となる。
【0036】
本発明によれば、このような支持プレート30は、自身が支える電子カード20に由来する熱量を放出し、適切である場合には、電磁シールド機能を保証し(即ち電磁波のためのEMWシールドとして設計され)、及び/又は、相補的なやり方で、質量を受け持つ機能を保証するよう構成され、これにより、メザニンカードである上記電子カード20に有益である。
【0037】
特に、電子パワーモジュール200を含む一の電子機器に熱放散支持プレート30を実装することが構想される。電子パワーモジュール200は、壁部210と、放熱プレート2と、を収容するハウジング208を含んでいる。
【0038】
特に、ハウジング208の壁部210は、第1の保持手段を含み、熱放散支持プレート30は、熱放散支持プレート30をその外装で留めるための相補的な保持手段を含んでいる。
【0039】
例えば、第1の保持手段は突起であり、相補的な保持手段は、上記熱放散支持プレート30に配置された凹所である。図6は、電気機器のハウジングの内部の斜視図を示している。本実施形態によれば、突起9が、熱放散支持プレート30を、当該熱放散支持プレートの周縁に係合することにより保持している。
【0040】
図1から図5を参照すると、第1の電子カード10が、電子パワーモジュール200に直に配置されている。熱放散支持プレート30は、図5に示すように、対応する突起31の内部に配置されたシャフト32に係合したネジ3を介して、放熱プレート2に固定されている。熱放散支持プレート30には、電子パワーモジュール200に対向するメザニンカードとして配置された第2の電子カード20が載置されている。特に図3を参照すると、熱放散支持プレート30は、当該熱放散支持プレート30の内部の、第2の電子カード20により発せられた熱の一部を、放熱プレート2へと放散させる機能を有し、この熱は、特に、例えば、当該放熱プレート2に接触して配置され又は当該放散プレート2の近傍に配置された冷却回路(図示せず)を用いて放散させられる。
【0041】
図2及び図3を参照すると、本発明は、このようにして、電子カード20を支える熱放散支持プレート30の内部の熱を放散させることで、及び、突起31を用いて放熱プレート2へと上記熱を放出することで、電子パワーモジュール200に対向するメザニンカードとして配置された電子カード20の冷却を促進することを目指す。さらに、突起31によって、放熱プレート2への熱放散支持プレート30の固定が可能となる。この場合、放熱プレートは、冷却回路(図示せず)と接触しうる。図3では、矢印4によって、電子カード20から放熱プレート2へと放出される熱の流れが示されている。
【0042】
本発明の一実施形態において、このような状況は、車両、特に自動車で存在する。この車両は、特に、電動機、インバータ、及び、高電圧供給バッテリを含む。
【0043】
この場合、インバータは、一の電気機器1を備え、当該一の電気機器1は、2つの電子カード10、20を含んでいる。第1の電子カードは、電子パワーモジュール200のハウジングに直接的に載置されており、制御ユニット、換言すれば「ドライバ」カードである。第2の電子カードは、本発明に係る熱放散支持プレート30にメザニンカードとして配置された制御ユニットである。
【0044】
特に、本実施形態によれば、電子パワーモジュール200は、電子パワー部品を含み、この電子パワー部品を通じて、導電体6を介して電動機に供給されるエネルギーが流れる。上記電子部品は、特に、供給バッテリにより伝達された直流を交流へと変換し、又は、逆もまた同様に変換するよう構成されている。これらの電子パワー部品は、供給バッテリと電動機との間の電気エネルギーの制御された流れを可能とするために電気回路に配置された、例えば半導体トランジスタ等の、電子スイッチを含みうる。特に、電子部品7は、剥き出しの半導体チップを含み、この半導体チップのために、電子パワーモジュール200のハウジング208はカプセル化を行う。換言すれば、一のハウジング208が、電子パワーモジュールの全ての剥き出しの半導体チップの調整を行う。
【0045】
電子機器1は、例えば、電子パワーモジュール200のハウジング208の放熱プレート2に接続された冷却回路(図示せず)によって冷却される。
【0046】
図1から図5の実施形態に示されるように、第2の電子カード、例えば制御ユニット20は、熱放散支持プレート30の受け領域にメザニンカードとして配置されている。第2の電子カードに含まれる電子部品7が発した熱は、熱放散支持プレート30によって放出されて放散される。
【0047】
この目的のために、熱放散支持プレート30は、突起31を含んでいる。
【0048】
この仕組み31は、熱放散支持プレート30と、特に、メザニンカードとして配置された電子カードの受け領域とを、電子パワーモジュール200のハウジングの壁部に対して機械的及び熱的に接続する。特に、突起31によって、熱放散支持プレート30の受け領域が、電子パワーモジュール200のハウジングの放熱プレート2へと接続される。特に、突起31は、放熱支持プレート30の締め付けネジ3をハウジング208の放熱プレート2へ通すことを可能にするよう構成されたシャフト32を含んでいる。
【0049】
突起31は、メザニンカードとして配置された電子カード20からの熱を放出するよう構成されている。特に、突起31の直径、及び、突起に含まれる全てのシャフト32の直径は、メザニンカードとして配置された電子カード20の受け領域からの熱の放出を最大化するよう構成されている。
【0050】
メザニンカードとして配置された電子カード20が発した熱、特に電子部品が発した熱は、このようにして、熱放散支持プレート30により捕らえられ、突起31によって放出され、従って、電子パワーモジュール200の放熱プレート2へと、そして、電子パワーモジュールの放熱プレート2が実装されている放熱体へと、運ばれる。
【0051】
さらに、熱放散支持プレート30に対向するメザニンカードとして配置された電子カード20が発した熱を放散させるという本目的において、一実施形態によれば、熱放散支持プレート30は、熱伝導材料で形成され、接触、特に表面接触が、メザニンカードとして配置された電子カード20と、当該電子カード20の受け領域を含む、熱放散支持プレート30の上面と、の間で構成され、従って、熱放散支持プレート30の質量による熱の放散が促進される。
【0052】
一実施形態によれば、さらに、放熱プレート2に開口部を配置することが構想され、上記開口部は、熱放散支持プレート30の貫通路、特にシャフト31に面している。ネジは、上記貫通路及び開口部を通るように構成され、従って、電子パワーモジュール200と、メザニンカードとして配置された電子カード20を支持する熱放散支持プレート30と、を含むアセンブリが、支持部に固定される。このような支持部は、特に放熱体を含み、この放熱体で放熱プレート2は支持されている。
【0053】
熱放散支持プレート30の受け領域は、正にハウジング208のように、各電子カード10、20をそれぞれ支持するパイルの機能を提供する突起又は第2の突起を含みうる。特に、ハウジング208、及び/又は、熱放散支持プレート30の受け領域は、それぞれが支持する電子カード10、20を挟持する挟持手段を含むことが可能であり、従って、上記電子カードの振動が防止され、さらに、電子カード20はメザニンカードとして配置されており、発せられた熱が適切に放出される。
【0054】
この場合、放熱体50は、例えば、電気アセンブリ、例えばインバータに組み込まれており、電子パワーモジュール200、及び、熱放散支持プレート30に実装されるよう構成される。
【0055】
さらに、熱放散支持プレート30は、さらに好適に、電磁シールド機能を提供する。特に、この目的のために、熱放散支持プレート30は金属で形成される。
【0056】
図4は、メザニンカードとして配置された電子カード20又は電子パワーモジュール2のハウジング208により直接的に支えられた第1の電子カード10に由来する電磁的な流れ5を示すことで、上記の電磁シールド機能を示しており、本実施形態によれば、特に、上記熱放散支持プレート30は金属で形成され、一方の電子カード10、20により放出された電磁的な流れが、他方の電子カード20、10に干渉することを防止する。
【0057】
一実施形態によれば、熱放散支持プレート30は、いかなる事後的な機械加工も必要としない成形によって得られることが言及される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6