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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】基板処理システムおよび基板搬送方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20231120BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/30 562
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019133794
(22)【出願日】2019-07-19
(65)【公開番号】P2021019086
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼原 丈二
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-045613(JP,A)
【文献】特開2009-283980(JP,A)
【文献】特開2008-263004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、
第1処理装置と、
第2処理装置と、を備え、
前記第1処理装置、前記インデクサブロックおよび前記第2処理装置は、この順番で水平方向に直線状に連結されており、
前記インデクサブロックは、前記第1処理装置と前記第2処理装置の中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、
前記基板バッファは、上下方向に配置された複数の基板載置部を有し、
前記複数の基板載置部は各々、前記基板を載置することができるように構成されており、
前記第1処理装置は、第1基板搬送機構を備え、
前記第2処理装置は、第2基板搬送機構を備え、
前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出し、取り出した基板を前記基板バッファの前記複数の基板載置部に搬送し、
前記第1処理装置は、前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部から基板を受け取り、受け取った基板に対して所定の処理を行い、前記第1処理装置で処理が行われた基板を前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、
前記第2処理装置は、前記第2基板搬送機構により前記第1処理装置が前記複数の基板載置部に搬送した基板を前記複数の基板載置部から受け取り、受け取った基板に対して所定の処理を行い、前記第2処理装置で処理が行われた基板を前記第2基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、
前記インデクサブロックは、前記第2処理装置で処理が行われた基板を前記複数の基板載置部から前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻すことを特徴とする基板処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理システムにおいて、
前記第1処理装置は、基板に対して第1処理を行う第1処理ブロックを備え、
前記第2処理装置は、基板に対して第2処理を行う第2処理ブロックを備え、
前記第1処理ブロック、前記インデクサブロックおよび前記第2処理ブロックは、この順番で水平方向に直線状に連結されており、
前記第1処理ブロックは、前記第1基板搬送機構を備え、
前記第2処理ブロックは、前記第2基板搬送機構を備え、
前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出し、取り出した基板を前記基板バッファの前記複数の基板載置部に搬送し、
前記第1処理ブロックは、前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部から基板を受け取り、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、
前記第2処理ブロックは、前記第2基板搬送機構により前記第1処理ブロックが前記複数の基板載置部に搬送した基板を前記複数の基板載置部から受け取り、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記第2基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、
前記インデクサブロックは、前記第2処理が行われた基板を前記複数の基板載置部から前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻すことを特徴とする基板処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理システムにおいて、
前記インデクサブロックは、更に、インデクサ用基板搬送機構を内部に備え、
前記インデクサ用基板搬送機構は、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出し、取り出した基板を前記基板バッファの前記複数の基板載置部に搬送し、
前記インデクサ用基板搬送機構は、前記複数の基板載置部から前記第2処理が行われた基板を受け取り、受け取った基板を前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻すことを特徴とする基板処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の基板処理システムにおいて、
前記第2処理装置は、前記インデクサブロックに連結され、基板に対して第2処理を行う第2処理ブロックと、前記第2処理ブロックに連結され、外部装置に対して基板の搬出および搬入を行うインターフェースブロックとを備え、
前記第2処理ブロックは、前記第2基板搬送機構を備え、
前記第2処理ブロックは、前記第2基板搬送機構により前記第1処理装置が前記複数の基板載置部に搬送した基板を前記複数の基板載置部から受け取り、受け取った基板を前記第2基板搬送機構により前記インターフェースブロックに搬送し、
前記インターフェースブロックは、前記第2処理ブロックにより搬送された基板を前記外部装置に搬出し、また、前記外部装置で処理された基板を搬入し、
前記第2処理ブロックは、前記第2基板搬送機構により前記インターフェースブロックから前記外部装置で処理された基板を受け取り、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記第2基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送することを特徴とする基板処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の基板処理システムにおいて、
前記第1処理装置は、前記インデクサブロックに連結され、基板に対して第1処理を行う第1処理ブロックと、前記第1処理ブロックに連結され、外部装置に対して基板の搬出および搬入を行うインターフェースブロックとを備え、
前記第1処理ブロックは、前記第1基板搬送機構を備え、
前記第1処理ブロックは、前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部から基板を受け取り、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記第1基板搬送機構により前記インターフェースブロックに搬送し、
前記インターフェースブロックは、前記第1処理ブロックにより搬送された基板を前記外部装置に搬出し、また、前記外部装置で処理された基板を搬入し、
前記第1処理ブロックは、前記第1基板搬送機構により前記インターフェースブロックから前記外部装置で処理された基板を受け取り、受け取った基板を前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送することを特徴とする基板処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の基板処理システムにおいて、
前記第1処理装置は、基板に対して第1処理を行う第1処理層と、前記第1処理層とは異なる階層で第3処理を行う第3処理層とを備え、
前記第1処理層は、前記第1基板搬送機構を備え、
前記第3処理層は、第3基板搬送機構を備え、
前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出し、取り出した基板を前記基板バッファの前記複数の基板載置部に搬送して前記第3処理層が基板を受け取ることができる状態にし、
前記第3処理層は、前記第3基板搬送機構により前記複数の基板載置部から基板を受け取り、受け取った基板に対して第3処理を行い、前記第3処理が行われた基板を前記第3基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、
前記インデクサブロックは、前記複数の基板載置部において前記第3処理が行われた基板を前記第3処理層の階層から前記第1処理層の階層に移動させることで、前記第1処理層が基板を受け取ることができる状態にし、
前記第1処理層は、前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部から前記第3処理が行われた基板を受け取り、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、
前記第2処理装置は、前記第2基板搬送機構により前記第1処理層が前記複数の基板載置部に搬送した基板を前記複数の基板載置部から受け取り、受け取った基板に対して所定の処理を行い、前記第2処理装置で処理が行われた基板を前記第2基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送することを特徴とする基板処理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の基板処理システムにおいて、
前記第2処理装置は、基板に対して第2処理を行う第2処理層と、前記第2処理層とは異なる階層で第3処理を行う第3処理層とを備え、
前記第2処理層は、前記第2基板搬送機構を備え、
前記第3処理層は、第3基板搬送機構を備え、
前記第2処理層は、前記第2基板搬送機構により前記第1処理装置が前記複数の基板載置部に搬送した基板を前記複数の基板載置部から受け取り、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記第2基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、
前記インデクサブロックは、前記複数の基板載置部において前記第2処理が行われた基板を前記第2処理層の階層から前記第3処理層の階層に移動させることで、前記第3処理層が基板を受け取ることができる状態にし、
前記第3処理層は、前記第3基板搬送機構により前記複数の基板載置部から前記第2処理が行われた基板を受け取り、受け取った基板に対して第3処理を行い、前記第3処理が行われた基板を前記第3基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、
前記インデクサブロックは、前記第3処理層で処理が行われた基板を前記複数の基板載置部から前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻すことを特徴とする基板処理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の基板処理システムにおいて、
前記第1処理装置は、前記インデクサブロックに連結される第1処理ブロックと、前記第1処理ブロックに連結され、外部装置に対して基板の搬出および搬入を行うインターフェースブロックとを備え、
前記第1処理ブロックは、基板に対して第1処理を行う第1処理層と、前記第1処理層とは異なる階層で第3処理を行う第3処理層とを備え、
前記第1処理層は、前記第1基板搬送機構を備え、
前記第3処理層は、第3基板搬送機構を備え、
前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出し、取り出した基板を前記基板バッファの前記複数の基板載置部に搬送して前記第3処理層が基板を受け取ることができる状態にし、
前記第3処理層は、前記第3基板搬送機構により前記複数の基板載置部から基板を受け取り、受け取った基板に対して第3処理を行い、前記第3処理が行われた基板を前記第3基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、
前記インデクサブロックは、前記複数の基板載置部において前記第3処理が行われた基板を前記第3処理層の階層から前記第1処理層の階層に移動させることで、前記第1処理層が基板を受け取ることができる状態にし、
前記第1処理層は、前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部から前記第3処理が行われた基板を受け取り、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記第1基板搬送機構により前記インターフェースブロックに搬送し、
前記インターフェースブロックは、前記第1処理層により搬送された基板を前記外部装置に搬出し、また、前記外部装置で処理された基板を搬入し、
前記第1処理層は、前記第1基板搬送機構により前記インターフェースブロックから前記外部装置で処理された基板を受け取り、受け取った基板を前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、
前記第2処理装置は、前記第2基板搬送機構により前記第1処理層が前記複数の基板載置部に搬送した基板を前記複数の基板載置部から受け取り、受け取った基板に対して所定の処理を行い、前記第2処理装置で処理が行われた基板を前記第2基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送することを特徴とする基板処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の基板処理システムにおいて、
前記第2処理装置は、前記インデクサブロックに連結される第2処理ブロックと、前記第2処理ブロックに連結され、外部装置に対して基板の搬出および搬入を行うインターフェースブロックとを備え、
前記第2処理ブロックは、基板に対して第2処理を行う第2処理層と、前記第2処理層とは異なる階層で第3処理を行う第3処理層とを備え、
前記第2処理層は、前記第2基板搬送機構を備え、
前記第3処理層は、第3基板搬送機構を備え、
前記第2処理層は、前記第2基板搬送機構により前記第1処理装置が前記複数の基板載置部に搬送した基板を前記複数の基板載置部から受け取り、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記第2基板搬送機構により前記インターフェースブロックに搬送し、
前記インターフェースブロックは、前記第2処理層により搬送された基板を前記外部装置に搬出し、また、前記外部装置で処理された基板を搬入し、
前記第2処理層は、前記第2基板搬送機構により前記インターフェースブロックから前記外部装置で処理された基板を受け取り、受け取った基板を前記第2基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、
前記インデクサブロックは、前記複数の基板載置部において前記第2処理が行われた基板を前記第2処理層の階層から前記第3処理層の階層に移動させることで、前記第3処理層が基板を受け取ることができる状態にし、
前記第3処理層は、前記第3基板搬送機構により前記複数の基板載置部から前記第2処理が行われた基板を受け取り、受け取った基板に対して第3処理を行い、前記第3処理が行われた基板を前記第3基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、
前記インデクサブロックは、前記第3処理層で処理が行われた基板を前記複数の基板載置部から前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻すことを特徴とする基板処理システム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の基板処理システムにおいて、
前記インデクサブロック、前記第1処理装置および前記第2処理装置の少なくともいずれかの上に搭載され、前記キャリアを保管するためのキャリア保管棚と、
前記インデクサブロック、前記第1処理装置および前記第2処理装置の少なくともいずれかの上に搭載され、前記キャリア載置台と前記キャリア保管棚との間で前記キャリアを搬送するキャリア搬送機構と、
を更に備えていることを特徴とする基板処理システム
【請求項11】
基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、
第1基板搬送機構を有する第1処理装置と、
第2基板搬送機構を有する第2処理装置と、を備えた基板処理装置の基板搬送方法において、
前記第1処理装置、前記インデクサブロックおよび前記第2処理装置は、この順番で水平方向に直線状に連結されており、
前記インデクサブロックは、前記第1処理装置と前記第2処理装置の中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、
前記基板バッファは、上下方向に配置された複数の基板載置部を有し、
前記複数の基板載置部は各々、前記基板を載置することができるように構成されており、
前記インデクサブロックによって、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出し、取り出した基板を前記基板バッファの前記複数の基板載置部に搬送する工程と、
前記第1処理装置によって、前記第1基板搬送機構を用いて前記複数の基板載置部から基板を受け取り、受け取った基板に対して所定の処理を行い、前記第1処理装置で処理が行われた基板を、前記第1基板搬送機構を用いて前記複数の基板載置部に搬送する工程と、
前記第2処理装置によって、前記第2基板搬送機構を用いて前記第1処理装置が前記複数の基板載置部に搬送した基板を前記複数の基板載置部から受け取り、受け取った基板に対して所定の処理を行い、前記第2処理装置で処理が行われた基板を、前記第2基板搬送機構を用いて前記複数の基板載置部に搬送する工程と、
前記インデクサブロックによって、前記第2処理装置で処理が行われた基板を前記複数の基板載置部から前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻す工程と、
を備えていることを特徴とする基板処理システムの基板搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を処理する基板処理システムおよび、この基板処理システムの基板搬送方法に関する。基板は、例えば、半導体基板、FPD(Flat Panel Display)用の基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが挙げられる。FPDは、例えば、液晶表示装置、有機EL(electroluminescence)表示装置などが挙げられる。
【背景技術】
【0002】
従来の基板処理装置は、インデクサブロック(以下適宜、「IDブロック」と呼ぶ)と、処理ブロックとを備えている(例えば、特許文献1参照)。処理ブロックは、IDブロックに対して水平方向に連結されている。IDブロックには、キャリアを載置するキャリア載置台が設けられている。キャリア載置台は、IDブロックを挟んで処理ブロックの反対側に設けられている。
【0003】
また、基板処理装置は、ストッカ装置(キャリアバッファ装置)を備えている(例えば、特許文献2参照)。ストッカ装置は、IDブロックを挟んで処理ブロックの反対側に配置される。ストッカ装置は、キャリアを保管するためのキャリア保管棚と、キャリアを搬送するキャリア搬送機構とを備えている。
【0004】
なお、特許文献3には、IDブロックと処理ブロックとの間に配置された受渡ブロックを備えた基板処理システムが開示されている。受渡ブロックは、上下方向に配置された複数のバッファ部と、複数のバッファ部を挟んで配置された2つの移し換え装置とを備えている。2つの移し換え装置は、IDブロックと処理ブロックとが配置される方向(X方向)と直交する水平方向(Y方向)に配置されている。
【0005】
また、特許文献4には、塗布処理ブロック、カセットステーション(IDブロックに相当する)および現像処理ブロックがこの順番で水平方向に直線状に連結されている基板処理装置が開示されている。カセットステーションは、未処理の基板および処理済の基板のいずれかを収容する4個のカセットが配置できるように構成されている。また、塗布処理ブロックとカセットステーションとの境界部分には、基板の位置合わせ用の第1載置台が設けられると共に、カセットステーションと現像処理ブロックとの境界部分には、基板の位置合わせ用の第2載置台が設けられる。カセットステーションの1つの搬送機構は、それらの載置台を介して、塗布処理ブロックおよび現像処理ブロックに基板を搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-022570号公報
【文献】特開2011-187796号公報
【文献】特開2016-201526号公報
【文献】特開平09-045613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、基板処理装置201において、図27に示すように、IDブロック202が一端に配置され、IDブロック202、第1処理ブロック203、第2処理ブロック205がこの順番で水平方向に配置されているとする。基板は、IDブロック202から第1処理ブロック203、第2処理ブロック205の順番で搬送される。この際、第1処理ブロックでは、基板に第1処理が行われ、また、第2処理ブロックでは、基板に第2処理が行われる。その後、基板は、第1処理ブロックを通過してIDブロック202に戻される。このような第1処理ブロックを通過させる基板搬送は、第1処理ブロックのスループットを低下させている可能性がある。また、基板処理装置201全体としてもスループットを低下させている可能性がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、スループットの低下を抑制することができる基板処理システムおよび基板搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわち、本発明に係る基板処理システムは、基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、第1処理装置と、第2処理装置と、を備え、前記第1処理装置、前記インデクサブロックおよび前記第2処理装置は、この順番で水平方向に直線状に連結されており、前記インデクサブロックは、前記第1処理装置と前記第2処理装置の中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、前記基板バッファは、上下方向に配置された複数の基板載置部を有し、前記複数の基板載置部は各々、前記基板を載置することができるように構成されており、前記第1処理装置は、第1基板搬送機構を備え、前記第2処理装置は、第2基板搬送機構を備え、前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出し、取り出した基板を前記基板バッファの前記複数の基板載置部に搬送し、前記第1処理装置は、前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部から基板を受け取り、受け取った基板に対して所定の処理を行い、前記第1処理装置で処理が行われた基板を前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、前記第2処理装置は、前記第2基板搬送機構により前記第1処理装置が前記複数の基板載置部に搬送した基板を前記複数の基板載置部から受け取り、受け取った基板に対して所定の処理を行い、前記第2処理装置で処理が行われた基板を前記第2基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、前記インデクサブロックは、前記第2処理装置で処理が行われた基板を前記複数の基板載置部から前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻すことを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る基板処理システムによれば、スループットの低下を抑制できる。例えば、図27のように、インデクサブロック、第1処理装置および第2処理装置がこの順番で配置されているとする。この場合、第2処理装置で処理された基板をインデクサブロックに搬送するために、第1処理装置による処理なしで、第1処理装置を通過させなければならない。しかしながら、本発明に係る基板処理システムによれば、第1処理装置も第2処理装置もインデクサブロックに連結されている。そのため、第1処理装置を介在させずに第2処理装置からインデクサブロックに基板を直接搬送できる。そのため、スループットの低下を抑制できる。また、基板バッファは2つの処理装置の中間に配置されている。そのため、基板バッファの複数の基板載置部を介して、第1処理装置から第2処理装置に基板を搬送することでできる。この搬送は、インデクサブロックによる基板搬送を用いずに行われるため、インデクサブロックによる基板搬送の負担を軽減することができる。そのため、スループットの向上が図れる。
【0011】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記第1処理装置は、基板に対して第1処理を行う第1処理ブロックを備え、前記第2処理装置は、基板に対して第2処理を行う第2処理ブロックを備え、前記第1処理ブロック、前記インデクサブロックおよび前記第2処理ブロックは、この順番で水平方向に直線状に連結されており、前記第1処理ブロックは、前記第1基板搬送機構を備え、前記第2処理ブロックは、前記第2基板搬送機構を備え、前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出し、取り出した基板を前記基板バッファの前記複数の基板載置部に搬送し、前記第1処理ブロックは、前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部から基板を受け取り、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、前記第2処理ブロックは、前記第2基板搬送機構により前記第1処理ブロックが前記複数の基板載置部に搬送した基板を前記複数の基板載置部から受け取り、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記第2基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、前記インデクサブロックは、前記第2処理が行われた基板を前記複数の基板載置部から前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻すことが好ましい。
【0012】
例えばインデクサブロック、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックがこの順番で配置されているとする。この場合、第2処理ブロックで処理された基板をインデクサブロックに搬送するために、第1処理ブロックによる処理なしで、第1処理ブロックを通過させなければならない。しかしながら、第1処理ブロックも第2処理ブロックもインデクサブロックに連結されている。そのため、第1処理ブロックを介在させずに第2処理ブロックからインデクサブロックに基板を直接搬送できる。そのため、スループットの低下を抑制できる。また、基板バッファは2つの処理ブロックの中間に配置されている。そのため、基板バッファの複数の基板載置部を介して、第1処理ブロックから第2処理ブロックに基板を搬送することでできる。この搬送は、インデクサブロックによる基板搬送を用いずに行われるため、インデクサブロックによる基板搬送の負担を軽減することができる。そのため、スループットの向上が図れる。
【0013】
また、上述の基板処理システムにおいて前記インデクサブロックは、更に、インデクサ用基板搬送機構を内部に備え、前記インデクサ用基板搬送機構は、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出し、取り出した基板を前記基板バッファの前記複数の基板載置部に搬送し、前記インデクサ用基板搬送機構は、前記複数の基板載置部から前記第2処理が行われた基板を受け取り、受け取った基板を前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻すことが好ましい。
【0014】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記第2処理装置は、前記インデクサブロックに連結され、基板に対して第2処理を行う第2処理ブロックと、前記第2処理ブロックに連結され、外部装置に対して基板の搬出および搬入を行うインターフェースブロックとを備え、前記第2処理ブロックは、前記第2基板搬送機構を備え、前記第2処理ブロックは、前記第2基板搬送機構により前記第1処理装置が前記複数の基板載置部に搬送した基板を前記複数の基板載置部から受け取り、受け取った基板を前記第2基板搬送機構により前記インターフェースブロックに搬送し、前記インターフェースブロックは、前記第2処理ブロックにより搬送された基板を前記外部装置に搬出し、また、前記外部装置で処理された基板を搬入し、前記第2処理ブロックは、前記第2基板搬送機構により前記インターフェースブロックから前記外部装置で処理された基板を受け取り、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記第2基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送することが好ましい。
【0015】
これにより、第2処理ブロックにインターフェースブロックが連結された構成において、スループットの低下を抑制することができる。また、基板バッファは第1処理装置と第2処理ブロックの中間に配置されている。そのため、基板バッファの複数の基板載置部を介して、第1処理装置から第2処理ブロックに基板を搬送することでできる。この搬送は、インデクサブロックによる基板搬送を用いずに行われるため、インデクサブロックによる基板搬送の負担を軽減することができる。そのため、スループットの向上が図れる。
【0016】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記第1処理装置は、前記インデクサブロックに連結され、基板に対して第1処理を行う第1処理ブロックと、前記第1処理ブロックに連結され、外部装置に対して基板の搬出および搬入を行うインターフェースブロックとを備え、前記第1処理ブロックは、前記第1基板搬送機構を備え、前記第1処理ブロックは、前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部から基板を受け取り、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記第1基板搬送機構により前記インターフェースブロックに搬送し、前記インターフェースブロックは、前記第1処理ブロックにより搬送された基板を前記外部装置に搬出し、また、前記外部装置で処理された基板を搬入し、前記第1処理ブロックは、前記第1基板搬送機構により前記インターフェースブロックから前記外部装置で処理された基板を受け取り、受け取った基板を前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送することが好ましい。
【0017】
これにより、第1処理ブロックにインターフェースブロックが連結された構成において、スループットの低下を抑制することができる。また、基板バッファは第1処理ブロックと第2処理装置の中間に配置されている。そのため、基板バッファの複数の基板載置部を介して、第1処理ブロックから第2処理装置に基板を搬送することでできる。この搬送は、インデクサブロックによる基板搬送を用いずに行われるため、インデクサブロックによる基板搬送の負担を軽減することができる。そのため、スループットの向上が図れる。
【0018】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記第1処理装置は、基板に対して第1処理を行う第1処理層と、前記第1処理層とは異なる階層で第3処理を行う第3処理層とを備え、前記第1処理層は、前記第1基板搬送機構を備え、前記第3処理層は、第3基板搬送機構を備え、前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出し、取り出した基板を前記基板バッファの前記複数の基板載置部に搬送して前記第3処理層が基板を受け取ることができる状態にし、前記第3処理層は、前記第3基板搬送機構により前記複数の基板載置部から基板を受け取り、受け取った基板に対して第3処理を行い、前記第3処理が行われた基板を前記第3基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、前記インデクサブロックは、前記複数の基板載置部において前記第3処理が行われた基板を前記第3処理層の階層から前記第1処理層の階層に移動させることで、前記第1処理層が基板を受け取ることができる状態にし、前記第1処理層は、前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部から前記第3処理が行われた基板を受け取り、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、前記第2処理装置は、前記第2基板搬送機構により前記第1処理層が前記複数の基板載置部に搬送した基板を前記複数の基板載置部から受け取り、受け取った基板に対して所定の処理を行い、前記第2処理装置で処理が行われた基板を前記第2基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送することが好ましい。
【0019】
これにより、第1処理装置(第1処理層、第3処理層)も第2処理装置もインデクサブロックに連結されるので、スループットの低下を抑制することができる。また、基板バッファは第1処理層と第2処理装置の中間に配置されている。そのため、基板バッファの複数の基板載置部を介して、第1処理層から第2処理装置に基板を搬送することでできる。この搬送は、インデクサブロックによる基板搬送を用いずに行われるため、インデクサブロックによる基板搬送の負担を軽減することができる。そのため、スループットの向上が図れる。
【0020】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記第2処理装置は、基板に対して第2処理を行う第2処理層と、前記第2処理層とは異なる階層で第3処理を行う第3処理層とを備え、前記第2処理層は、前記第2基板搬送機構を備え、前記第3処理層は、第3基板搬送機構を備え、前記第2処理層は、前記第2基板搬送機構により前記第1処理装置が前記複数の基板載置部に搬送した基板を前記複数の基板載置部から受け取り、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記第2基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、前記インデクサブロックは、前記複数の基板載置部において前記第2処理が行われた基板を前記第2処理層の階層から前記第3処理層の階層に移動させることで、前記第3処理層が基板を受け取ることができる状態にし、前記第3処理層は、前記第3基板搬送機構により前記複数の基板載置部から前記第2処理が行われた基板を受け取り、受け取った基板に対して第3処理を行い、前記第3処理が行われた基板を前記第3基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、前記インデクサブロックは、前記第3処理層で処理が行われた基板を前記複数の基板載置部から前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻すことが好ましい。
【0021】
これにより、第1処理装置も第2処理装置(第2処理層、第3処理層)もインデクサブロックに連結されるので、スループットの低下を抑制することができる。また、基板バッファは第1処理装置と第2処理層の中間に配置されている。そのため、基板バッファの複数の基板載置部を介して、第1処理装置から第2処理層に基板を搬送することでできる。この搬送は、インデクサブロックによる基板搬送を用いずに行われるため、インデクサブロックによる基板搬送の負担を軽減することができる。そのため、スループットの向上が図れる。
【0022】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記第1処理装置は、前記インデクサブロックに連結される第1処理ブロックと、前記第1処理ブロックに連結され、外部装置に対して基板の搬出および搬入を行うインターフェースブロックとを備え、前記第1処理ブロックは、基板に対して第1処理を行う第1処理層と、前記第1処理層とは異なる階層で第3処理を行う第3処理層とを備え、前記第1処理層は、前記第1基板搬送機構を備え、前記第3処理層は、第3基板搬送機構を備え、前記インデクサブロックは、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出し、取り出した基板を前記基板バッファの前記複数の基板載置部に搬送して前記第3処理層が基板を受け取ることができる状態にし、前記第3処理層は、前記第3基板搬送機構により前記複数の基板載置部から基板を受け取り、受け取った基板に対して第3処理を行い、前記第3処理が行われた基板を前記第3基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、前記インデクサブロックは、前記複数の基板載置部において前記第3処理が行われた基板を前記第3処理層の階層から前記第1処理層の階層に移動させることで、前記第1処理層が基板を受け取ることができる状態にし、前記第1処理層は、前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部から前記第3処理が行われた基板を受け取り、受け取った基板に対して第1処理を行い、前記第1処理が行われた基板を前記第1基板搬送機構により前記インターフェースブロックに搬送し、前記インターフェースブロックは、前記第1処理層により搬送された基板を前記外部装置に搬出し、また、前記外部装置で処理された基板を搬入し、前記第1処理層は、前記第1基板搬送機構により前記インターフェースブロックから前記外部装置で処理された基板を受け取り、受け取った基板を前記第1基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、前記第2処理装置は、前記第2基板搬送機構により前記第1処理層が前記複数の基板載置部に搬送した基板を前記複数の基板載置部から受け取り、受け取った基板に対して所定の処理を行い、前記第2処理装置で処理が行われた基板を前記第2基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送することが好ましい。
【0023】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記第2処理装置は、前記インデクサブロックに連結される第2処理ブロックと、前記第2処理ブロックに連結され、外部装置に対して基板の搬出および搬入を行うインターフェースブロックとを備え、前記第2処理ブロックは、基板に対して第2処理を行う第2処理層と、前記第2処理層とは異なる階層で第3処理を行う第3処理層とを備え、前記第2処理層は、前記第2基板搬送機構を備え、前記第3処理層は、第3基板搬送機構を備え、前記第2処理層は、前記第2基板搬送機構により前記第1処理装置が前記複数の基板載置部に搬送した基板を前記複数の基板載置部から受け取り、受け取った基板に対して第2処理を行い、前記第2処理が行われた基板を前記第2基板搬送機構により前記インターフェースブロックに搬送し、前記インターフェースブロックは、前記第2処理層により搬送された基板を前記外部装置に搬出し、また、前記外部装置で処理された基板を搬入し、前記第2処理層は、前記第2基板搬送機構により前記インターフェースブロックから前記外部装置で処理された基板を受け取り、受け取った基板を前記第2基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、前記インデクサブロックは、前記複数の基板載置部において前記第2処理が行われた基板を前記第2処理層の階層から前記第3処理層の階層に移動させることで、前記第3処理層が基板を受け取ることができる状態にし、前記第3処理層は、前記第3基板搬送機構により前記複数の基板載置部から前記第2処理が行われた基板を受け取り、受け取った基板に対して第3処理を行い、前記第3処理が行われた基板を前記第3基板搬送機構により前記複数の基板載置部に搬送し、前記インデクサブロックは、前記第3処理層で処理が行われた基板を前記複数の基板載置部から前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻すことが好ましい。
【0024】
また、上述の基板処理システムにおいて、前記インデクサブロック、前記第1処理装置および前記第2処理装置の少なくともいずれかの上に搭載され、前記キャリアを保管するためのキャリア保管棚と、前記インデクサブロック、前記第1処理装置および前記第2処理装置の少なくともいずれかの上に搭載され、前記キャリア載置台と前記キャリア保管棚との間で前記キャリアを搬送するキャリア搬送機構と、を更に備えていることが好ましい。例えば、インデクサブロックの側面にキャリア載置台が配置していると、キャリア載置台が配置された分で、基板処理装置のフットプリントが大きくなる。この点、本発明によれば、キャリア載置台が、インデクサブロック、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックの少なくともいずれかと、平面視で重なる。そのため、基板処理装置のフットプリントの増加を抑えることができる。
【0025】
また、本発明に係る基板処理システムの基板搬送方法は、基板を収納することが可能なキャリアを載置するためのキャリア載置台が設けられたインデクサブロックと、第1基板搬送機構を有する第1処理装置と、第2基板搬送機構を有する第2処理装置と、を備えた基板処理装置の基板搬送方法において、前記第1処理装置、前記インデクサブロックおよび前記第2処理装置は、この順番で水平方向に直線状に連結されており、前記インデクサブロックは、前記第1処理装置と前記第2処理装置の中間に配置され、複数の基板を載置する基板バッファを内部に備え、前記基板バッファは、上下方向に配置された複数の基板載置部を有し、前記複数の基板載置部は各々、前記基板を載置することができるように構成されており、前記インデクサブロックによって、前記キャリア載置台に載置されたキャリアから基板を取り出し、取り出した基板を前記基板バッファの前記複数の基板載置部に搬送する工程と、前記第1処理装置によって、前記第1基板搬送機構を用いて前記複数の基板載置部から基板を受け取り、受け取った基板に対して所定の処理を行い、前記第1処理装置で処理が行われた基板を、前記第1基板搬送機構を用いて前記複数の基板載置部に搬送する工程と、前記第2処理装置によって、前記第2基板搬送機構を用いて前記第1処理装置が前記複数の基板載置部に搬送した基板を前記複数の基板載置部から受け取り、受け取った基板に対して所定の処理を行い、前記第2処理装置で処理が行われた基板を、前記第2基板搬送機構を用いて前記複数の基板載置部に搬送する工程と、前記インデクサブロックによって、前記第2処理装置で処理が行われた基板を前記複数の基板載置部から前記キャリア載置台に載置された前記キャリアに戻す工程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0026】
本発明に係る基板処理システムの基板搬送方法によれば、スループットの低下を抑制できる。例えばインデクサブロック、第1処理装置および第2処理装置がこの順番で配置されているとする。この場合、第2処理装置で処理された基板をインデクサブロックに搬送するために、第1処理装置による処理なしで、第1処理装置を通過させなければならない。しかしながら、本発明に係る基板処理システムの基板搬送方法によれば、第1処理装置も第2処理装置もインデクサブロックに連結されている。そのため、第1処理装置を介在させずに第2処理装置からインデクサブロックに基板を直接搬送できる。そのためスループットの低下を抑制できる。また、基板バッファは2つの処理装置の中間に配置されている。そのため、基板バッファの複数の基板載置部を介して、第1処理装置から第2処理装置に基板を搬送することでできる。この搬送は、インデクサブロックによる基板搬送を用いずに行われるため、インデクサブロックによる基板搬送の負担を軽減することができる。そのため、スループットの向上が図れる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る基板処理システムおよび基板搬送方法によれば、スループットの低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施例1に係る基板処理装置の縦断面図である。
図2】実施例1に係る基板処理装置の横断面図である。
図3】実施例1に係る基板処理装置の平面図である。
図4】インデクサブロックの基板搬送機構を示す図である。
図5】2つのハンドおよび進退駆動部の平面図である。
図6】バッファ部を示す図である。
図7】基板載置部を示す図である。
図8】基板載置部に4方向から進入が可能であることを説明するための図である。
図9】実施例1に係る基板処理装置の右側面図である。
図10】実施例1に係る基板処理装置の左側面図である。
図11】キャリア搬送機構を示す図である。
図12】実施例1に係る基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図13】実施例1の効果を説明するための図である。
図14】実施例2に係る基板処理装置を示す右側面図である。
図15】実施例2に係る基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図16】実施例3に係る基板処理装置を示す右側面図である。
図17】実施例3に係る基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図18】実施例4に係る基板処理装置を示す右側面図である。
図19】実施例4に係る基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図20】実施例5に係る基板処理装置を示す右側面図である。
図21】実施例5に係る基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図22】実施例6に係る基板処理装置を示す右側面図である。
図23】実施例6に係る基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図24】実施例7に係る基板処理装置を示す右側面図である。
図25】実施例7に係る基板処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図26】変形例に係る基板バッファを示す図である。
図27】課題を説明するための図である。
【実施例1】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。図1は、実施例1に係る基板処理装置の縦断面図である。図2は、実施例1に係る基板処理装置の横断面図である。図3は、実施例1に係る基板処理装置の平面図である。
【0030】
<基板処理装置(基板処理システム)1の構成>
図1図2を参照する。基板処理装置1は、IDブロック(インデクサブロック)2、第1処理ブロック3、第2処理ブロック5、IFブロック(インターフェースブロック)6およびキャリアバッファ装置8を備えている。第1処理ブロック3、IDブロック2、第2処理ブロック5およびIFブロック6は、この順番で水平方向に直線状に連結されている。具体的には、第1処理ブロック3は、IDブロック2に対して水平方向(X方向)に連結されている。第2処理ブロック5は、IDブロック2を挟み込むように第1処理ブロック3の反対側に配置され、IDブロック2に連結されている。IFブロック6は、第2処理ブロック5を挟んでIDブロック2の反対側に配置され、第2処理ブロック5に連結されている。なお、図1図2において、符号PPは、例えば、処理液を送るための配管および電気配線などを収容するための収容部である。また、本実施例において、第1処理ブロック3は、本発明の第1処理装置に相当する。第2処理ブロック5およびIFブロック6は、本発明の第2処理装置に相当する。
【0031】
また、基板処理装置1は、図2に示すように、制御部9と、操作部10とを備えている。制御部9は、例えば中央演算処理装置(CPU)を備えている。制御部9は、基板処理装置1の各構成を制御する。操作部10は、表示部(例えば液晶モニタ)、記憶部および入力部を備えている。記憶部は、例えば、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)、およびハードディスクの少なくとも1つを備えている。入力部は、キーボード、マウス、タッチパネルおよび各種ボタンの少なくとも1つを備えている。記憶部には、基板処理の各種条件および基板処理装置1の制御に必要な動作プログラム等が記憶されている。
【0032】
(1-1)IDブロック2の構成
IDブロック2は、図2図3に示すように、4つのオープナ(キャリア載置部)11~14と、2つの基板搬送機構(ロボット)MHU1,MHU2と、単一の基板バッファBFとを備えている。2つの基板搬送機構MHU1,MHU2と基板バッファBFは、IDブロック2の内部に配置される。なお、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2は各々、本発明のインデクサ用基板搬送機構に相当する。
【0033】
(1-1-1)オープナ11~14等の構成
4つのオープナ11~14は、IDブロック2の外壁に設けられている。2つのオープナ11,12は、第1基板搬送機構MHU1がキャリアCに基板Wを出し入れできるように、第1基板搬送機構MHU1の周囲に配置されている。図2において、2つのオープナ11,12は、基板搬送機構MHU1を挟み込むよう前後方向(X方向)に配置されている。2つのオープナ11,12と同様に、2つのオープナ13,14は、第2基板搬送機構MHU2がキャリアCに基板Wを出し入れできるように、第2基板搬送機構MHU2の周囲に配置されている。2つのオープナ13,14は、第2基板搬送機構MHU2を挟み込むように前後方向に配置されている。
【0034】
4つのオープナ11~14は各々、図1に示すように、載置台16、開口部18、シャッタ部材(図示しない)、およびシャッタ部材駆動機構(図示しない)を備えている。載置台16は、キャリアCを載置するために用いられる。
【0035】
キャリアCは、水平姿勢の複数(例えば25枚)の基板Wを収納することができる。キャリアC内において、複数の基板Wは、上下方向(Z方向)に配置され、隣接する2枚の基板Wの間には、隙間が設けられる。キャリアCは、例えばフープ(FOUP:Front Open Unified Pod)が用いられるが、フープ以外の容器である、例えばSMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドであってもよい。キャリアCは、例えば、基板Wを出し入れするための開口部が設けられ、基板Wが収納されるキャリア本体と、開口部を塞ぐための蓋部とを備えている。なお、載置台16は、本発明のキャリア載置台に相当する。
【0036】
開口部18は、基板Wを通すために用いられる。シャッタ部材は、開口部18の開閉を行うと共に、キャリアCのキャリア本体に対して蓋部の着脱を行う。シャッタ部材駆動部は、電動モータを備えており、シャッタ部材を駆動する。シャッタ部材は、キャリア本体から蓋部を外した後、例えば開口部18に沿って水平方向(Y方向)、あるいは下方向(Z方向)に移動される。
【0037】
載置台16は、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5の上方に配置されている。具体的には、2つのオープナ11,13の各載置台16は、第1処理ブロック3よりも上に配置されている。また、2つのオープナ12,14の各載置台16は、第2処理ブロック5よりも上に配置されている。なお、2つのオープナ11,13の各載置台16は、第1処理ブロック3の上面または屋上に設けられていてもよい。また、2つのオープナ12,14の各載置台16は、第2処理ブロック5の上面または屋上に設けられていてもよい。
【0038】
(1-1-2)基板搬送機構MHU1,MHU2の構成
図2に示すように、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2は、第1処理ブロック3と第2処理ブロック5とが配置される前後方向(X方向)と直交する方向(Y方向)で、基板バッファBFを挟み込むように配置されている。2つの基板搬送機構MHU1,MHU2は各々、基板バッファBFに対して基板Wを出し入れする。また、第1基板搬送機構MHU1は、2つのオープナ11,12の各載置台16に載置されたキャリアCと、基板バッファBFとの間で基板Wを搬送する。第2基板搬送機構MHU2は、2つのオープナ13,14の各載置台16に載置されたキャリアCと、基板バッファBFとの間で基板Wを搬送する。
【0039】
図4図5を参照する。2つの基板搬送機構MHU1,MHU2は各々、2つのハンド21、進退駆動部23、および昇降回転駆動部25を備えている。2つのハンド21は各々、基板Wを保持する。2つのハンド21は個々に水平方向に進退可能である。そのため、キャリアCから1枚の基板Wを取り出したり、2枚の基板Wを同時に取り出したりすることができる。
【0040】
ハンド21は、図5に示すように、1つの基礎部分21Aと、その基礎部分21Aから分かれた2つの先端部分21B,21Cとを有し、Y字状、U字状または二叉フォーク状のように構成されている。基礎部分21Aおよび、2つの先端部分21B,21Cには、基板Wを吸着することで基板Wを保持するための吸着部27A,27B,27Cが設けられている。3つの吸着部27A~27Cは、例えば、配管を介して接続されるポンプによって吸着力が与えられるように構成されている。なお、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2は各々、2つのハンド21を備えているが、3つ以上のハンド21を備えていてもよい。
【0041】
進退駆動部23は、各ハンド21を移動可能に支持すると共に、各ハンド21を進退移動させる。進退駆動部23は、1つのハンド21を駆動するために、例えば、電動モータと、直線状のねじ軸と、ねじ軸と噛み合う孔部を有する可動部材と、可動部材をガイドするガイド部とを備えている。
【0042】
昇降回転駆動部25は、進退駆動部23を昇降および回転させることで、2つのハンド21を昇降および回転させる。昇降回転駆動部25は、図4に示すように、支柱部25Aと回転部25Bを備えている。支柱部25Aは、上下方向に延びるように設けられている。支柱部25Aは、IDブロック2の床部に固定されている。そのため、支柱部25A、すなわち昇降回転駆動部25の水平方向(XY方向)の位置は、移動されずに固定されている。回転部25Bは、進退駆動部23を鉛直軸AX1周りに回転させる。昇降回転駆動部25による昇降および回転は、電動モータによって駆動される。
【0043】
(1-1-3)基板バッファBFの構成
基板バッファBFは、複数の基板Wを載置する。基板バッファBFは、図2に示すように、第1処理ブロック3と第2処理ブロック5の中間(中央)に配置されている。これにより、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5は共に、基板バッファBFに対して基板Wを出し入れすることができる。基板バッファBFは、図1に示すように、3つのバッファ部BU1~BU3を備えている。3つのバッファ部BU1~BU3は、上下方向に1列で配置されている。
【0044】
第1バッファ部BU1は、2つの処理層A1,B1に対応して設けられている。すなわち、第1バッファ部BU1は、第1処理ブロック3の第1処理層A1および第2処理ブロック5の第1処理層B1と同じ階層(すなわち1階)に設けられている。また、第2バッファ部BU2は、2つの処理層A2,B2に対応して、処理層A2,B2と同じ階層(すなわち2階)に設けられている。また、第3バッファ部BU3は、2つの処理層A3,B3に対応して、処理層A3,B3と同じ階層(すなわち3階)に設けられている。
【0045】
次に、図6を参照しつつ、3つのバッファ部BU1~BU3について説明する。3つのバッファ部BU1~BU3は各々、複数(例えば15個)の基板載置部31を備えている。複数の基板載置部31は、隙間を設けながら上下方向に1列で配置されている。複数の基板載置部31は、3つのバッファ部BU1~BU3ごとに、上下方向の4本のフレーム33で四隅を支持されている。
【0046】
各基板載置部31は、図6に示すように、横から見ると、薄板状に形成されている。各基板載置部31は、図7に示すように、上から見るとX字状に形成されている。そのX字状の交差部分に対応する各基板載置部31の中央部分には、1枚の基板Wを支えるための3つの支持ピン35が設けられている。3つの支持ピン35は、鉛直軸AX2周りに等間隔(120°の間隔)で配置されている。このような構造により、図8に示すように、ハンド21(41)が水平の4方向から基板載置部31の上方に(すなわち隣接する2つの基板載置部31の隙間に)進入することができる。これにより、ハンド21(41)は、水平の4方向の各々で、3つの支持ピン35上に基板Wを置いたり、3つの支持ピン35上から基板Wを取ったりできる。
【0047】
第1基板搬送機構MHU1の各ハンド21は、各基板載置部31に対して図8の紙面下側から接近する。同様に、第2基板搬送機構MHU2の各ハンド21は、各基板載置部31に対して図8の紙面上側から接近する。第1処理ブロック3の各ハンド41は、各基板載置部31に対して図8の紙面左側から接近する。第2処理ブロック5の各ハンド41は、各基板載置部31に対して図8の紙面右側から接近する。なお、ハンド21,41同士の干渉を防止するために、所定の方向からのハンド21(41)が特定の基板載置部31の上方に進入している場合、その他の3方向のハンド21(41)は、その特定の基板載置部31の上方に進入しないように構成されている。
【0048】
また、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2および、2つの処理ブロック3,5の2つの基板搬送機構MHU3,MHU4(後述)は各々、3つのバッファ部BU1~BU3の全ての基板載置部31に対して基板Wを置いたり、基板Wを取ったりすることができる。それにより、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2および2つの基板搬送機構MHU3,MHU4は、基板バッファBF(または所定の基板載置部31)に載置された基板Wを取り合うことができるように構成されている。
【0049】
なお、バッファ部BU1は、15個の基板載置部31を備えている。図6に示すように、バッファ部BU1は、送り部SN1、渡し部PS1および戻り部RT1を備えている。送り部SN1、渡し部PS1および戻り部RT1は各々、例えば5つの基板載置部31で構成されている。バッファ部BU2,BU3は、バッファ部BU1と同様に構成されている。バッファ部BU2は、送り部SN2、渡し部PS2および戻り部RT2を備えている。バッファ部BU3は、送り部SN3、渡し部PS3および戻り部RT3を備えている。
【0050】
(1-2)処理ブロック3,5の構成
図1図2を参照する。第1処理ブロック3は、3つの処理層A1~A3を備えている。3つの処理層A1~A3は、積み重ねるように上下方向に配置されている。第2処理ブロック5は、3つの処理層B1~B3を備えている。3つの処理層B1~B3は、積み重ねるように上下方向に配置されている。第1処理ブロック3(各処理層A1~A3)は、第1処理として、例えば塗布処理を行う。第2処理ブロック5(各処理層B1~B3)は、第2処理として、例えば現像処理を行う。すなわち、第2処理ブロック5は、第1処理ブロック3で行われる処理と異なる内容の処理を行う。
【0051】
各処理層A1~A3は、第3基板搬送機構MHU3、複数の塗布ユニットSC、複数の熱処理部37、および搬送スペース39を備えている。各処理層B1~B3は、第4基板搬送機構MHU4、複数の現像ユニットDEV、複数の熱処理部37、および搬送スペース39を備えている。搬送スペース39は、X方向に直線状に延びるように構成されている。すなわち、搬送スペース39は、X方向に長手の空間である。各基板搬送機構MHU3,MHU4は、搬送スペース39内に設けられている。塗布ユニットSC(または現像ユニットDEV)と熱処理部37は、搬送スペース39を挟み込むように配置されていると共に、搬送スペース39の長手方向に沿って配置されている。
【0052】
(1-2-1)基板搬送機構MHU3,MHU4の構成
各基板搬送機構MHU3,MHU4は、2つのハンド41、進退駆動部43、回転駆動部45、第1移動機構47および第2移動機構48を備えている。2つのハンド41、進退駆動部43および回転駆動部45はそれぞれ、例えば第1基板搬送機構MHU1の2つのハンド21、進退駆動部23、回転部25Bと同じように構成されている。すなわち、2つのハンド41は各々、基板Wを保持する。2つのハンド41は各々、1つの基礎部分と、その基礎部分から分かれた2つの先端部分とを有している。基礎部分および、2つの先端部分には、それぞれ基板Wを吸着することで基板Wを保持するための吸着部が設けられている。
【0053】
2つのハンド41は各々、進退駆動部43に移動可能に取り付けられている。進退駆動部43は、2つのハンド41を個々に進退させる。回転駆動部45は、進退駆動部43を鉛直軸AX3周りに回転させる。これにより、2つのハンド41の向きを変えることができる。第1移動機構47は、回転駆動部45を図1の前後方向(X方向)に移動させることができる。第2移動機構48は、第1移動機構47を図1の上下方向(Z方向)に移動させることができる。2つの移動機構47,48により、2つのハンド41および進退駆動部43をXZ方向に移動させることができる。
【0054】
進退駆動部43、回転駆動部45、第1移動機構47および第2移動機構48は各々、電動モータを備えている。
【0055】
(1-2-2)塗布ユニットSCおよび現像ユニットDEVの構成
図9は、基板処理装置1の右側面図である。処理層A1~A3はそれぞれ、8つの塗布ユニットSCを備えている。8つの塗布ユニットSCは、上下方向に2段×水平方向に4列で配置されている。また、図9において、塗布ユニットSCは、フォトレジストを塗布する塗布ユニットPRである。また、処理層B1~B3はそれぞれ、8つの現像ユニットDEVを備えている。8つの現像ユニットDEVは、2段×4列で配置されている。塗布ユニットSCおよび現像ユニットDEVの個数は適宜変更される。
【0056】
塗布ユニットSCは、図2に示すように、保持回転部51、ノズル52およびノズル移動機構53を備えている。保持回転部51は、例えば真空吸着によって基板Wの下面を保持して、保持した基板Wを鉛直軸(Z方向)周りに回転させる。ノズル52は、塗布液(例えばフォトレジスト液)を基板Wに対して吐出する。ノズル52は、配管を介して塗布液供給源に接続されており、配管には、ポンプおよび開閉弁が設けられている。ノズル移動機構53は、ノズル52を任意の位置に移動させる。保持回転部51およびノズル移動機構53は各々、例えば電動モータを備えている。
【0057】
また現像ユニットDEVは、図2に示すように、保持回転部54、ノズル55およびノズル移動機構56を備えている。保持回転部54は、例えば真空吸着によって基板Wの下面を保持して、保持した基板Wを鉛直軸(Z方向)周りに回転させる。ノズル55は、現像液を基板Wに対して吐出する。ノズル55は、配管を介して現像液供給源に接続されており、配管には、ポンプおよび開閉弁が設けられている。ノズル移動機構56は、ノズル55を任意の位置に移動させる。保持回転部54およびノズル移動機構56は各々、例えば電動モータを備えている。
【0058】
(1-2-3)熱処理部37の構成
図10は、基板処理装置1の左側面図である。3つの処理層A1~A3は各々、24個の熱処理部37を備えることが可能である。この場合、24個の熱処理部37は、4段×6列で配置することが可能である。同様に、3つの処理層B1~B3は各々、24個の熱処理部37を備えることが可能である。この場合、24個の熱処理部37は、4段×6列で配置することが可能である。
【0059】
なお、熱処理部37は、基板Wに対して熱処理を行うために、基板Wを載置するプレート57(図2参照)を備えている。プレート57を加熱する場合、熱処理部37は例えばヒータを備え、プレート57を冷却する場合、熱処理部37は例えば水冷式の循環機構を備えている。
【0060】
図10において、各処理層A1~A3は、6つの密着強化処理部AHP、4つの冷却部CP、2つのエッジ露光部EEW、および8つの加熱処理部PABを備えている。また、各処理層B1~B3は、4つの冷却部CP、9個の加熱処理部POSTBake(図10では「PB」と示す)、2つの検査部LSCM1,LSCM2、および9個の露光後ベーク処理部PEBを備えている。密着強化処理部AHPは、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等の密着強化剤を基板Wに塗布して加熱する。冷却部CPは基板Wを冷却する。エッジ露光部EEWは、基板Wの周辺部の露光処理を行う。加熱処理部PABは、塗布後の基板Wに対してベーク処理を行う。加熱処理部POSTBakeは、現像処理後の基板Wに対してベーク処理を行う。露光後ベーク処理部PEBは、露光後の基板Wに対してベーク処理を行う。検査部LSCM1は、CCDカメラまたはイメージセンサを用いて塗布膜を検査する。検査部LSCM2は、CCDカメラまたはイメージセンサを用いて現像後の基板Wを検査する。なお、密着強化処理部AHP、加熱処理部PAB、露光後ベーク処理部PEBおよび加熱処理部POSTBakeは、冷却機能を有するローカル基板搬送機構を備えている。熱処理部37の個数および種類は適宜変更される。
【0061】
(1-3)IFブロック6の構成
IFブロック6は、第2処理ブロック5に連結される。IFブロック6は、外部装置である露光装置EXPに基板Wの搬出および搬入を行う。図1図2図9図10に示すように、IFブロック6は、3つの基板搬送機構HU5~HU7、露光前洗浄ユニット161、露光後洗浄ユニットSOAK、露光後ベーク処理部PEB、バッファ部PSBU4~PSBU6、載置兼冷却部P-CPおよび基板載置部PS9を備えている。
【0062】
なお、洗浄ユニット161,SOAKは、基板Wを保持する保持回転部と、例えば洗浄液を基板Wに吐出するノズルとを備えている。また、処理前洗浄ユニット161は、ブラシ等を用いて基板Wの裏面、および端部(ベベル部)のポリッシング処理を行ってもよい。なお、基板Wの裏面は、例えば回路パターンが形成された面の反対側の面を言う。バッファ部PSBU4~PSBU6は各々、複数の基板Wを載置可能である。
【0063】
図2に示すように、2つの基板搬送機構HU5,HU6は、X方向と直交するY方向に並んで配置されている。また、2つの基板搬送機構HU5,HU6は、複数の基板Wを載置可能なバッファ部PSBU4を挟んで配置されている。第7基板搬送機構HU7は、2つの基板搬送機構HU5,HU6を挟んで(横切って)第2処理ブロック5の反対側に配置されている。すなわち、第7基板搬送機構HU7と第2処理ブロック5の間には、2つの基板搬送機構HU5,HU6が配置されている。3つの基板搬送機構HU5~HU7の間には、複数の載置兼冷却部P-CPおよび基板載置部PS9が配置されている。複数の載置兼冷却部P-CPおよび基板載置部PS9は上下方向に配置されている。基板載置部PS9は、複数の基板Wを載置できるように構成されている。
【0064】
第5基板搬送機構HU5は、露光前洗浄ユニット161(図2の矢印RS側、図9参照)、露光後洗浄ユニットSOAK(矢印RS側)、露光後ベーク処理部PEB(矢印RS側)、バッファ部PSBU4~PSBU6、載置兼冷却部P-CPおよび基板載置部PS9の間で基板Wを搬送する。第6基板搬送機構HU6は、露光前洗浄ユニット161(図2の矢印LS側、図10参照)、露光後洗浄ユニットSOAK(矢印LS側)、露光後ベーク処理部PEB(矢印LS側)、バッファ部PSBU4~PSBU6、載置兼冷却部P-CPおよび基板載置部PS9の間で基板Wを搬送する。第7基板搬送機構HU7は、露光装置EXP、載置兼冷却部P-CPおよび基板載置部PS9の間で基板Wを搬送する。
【0065】
3つの基板搬送機構HU5~HU7は各々、ハンド21、進退駆動部23および昇降回駆動部58を備えている。ハンド21および進退駆動部23は、例えば基板搬送機構MHU1のハンド21および進退駆動部23と同様に構成されている。昇降回転駆動部58は電動モータを備えており、ハンド21および進退駆動部23を昇降させ、またハンド21および進退駆動部23を鉛直軸周りに回転させる。
【0066】
(1-3)キャリアバッファ装置8の構成
キャリアバッファ装置8は、図1図3のように、キャリア搬送機構61とキャリア保管棚63とを備えている。キャリア搬送機構61およびキャリア保管棚63(すなわちキャリアバッファ装置8)は、IDブロック2および2つの処理ブロック3,5の上に搭載されている。キャリア搬送機構61は、4つのオープナ11~14の各々の載置台16とキャリア保管棚63との間でキャリアCを搬送する。キャリア保管棚63は、キャリアCを保管する。なお、キャリア搬送機構61およびキャリア保管棚63は各々、IDブロック2および2つの処理ブロック3,5の少なくとも1つの上に搭載されていてもよい。また、キャリア搬送機構61およびキャリア保管棚63は各々、IFブロック6の上に搭載されていてもよい。
【0067】
図11を参照する。キャリア搬送機構61は、2つの多関節アーム65,66を備えている。第1多関節アーム65の一端には把持部67が設けられ、第2多関節アーム66の一端には把持部68が設けられている。第1多関節アーム65の他端は、支柱状の昇降駆動部69に上下方向に移動可能に支持され、第2多関節アーム66の他端は、昇降駆動部69に上下方向に移動可能に支持されている。
【0068】
2つの把持部67,68は各々、例えば、キャリアCの上面に設けられた突起部を把持するように構成されている。第1多関節アーム65は、把持部67を鉛直軸AX4周りに360度回転できるように構成されている。第1多関節アーム65は、例えば、3つのアーム部材65A~65Cを備えている。アーム部材65Aは、後述する昇降駆動部69に昇降可能に支持されている。2つのアーム部材65A,65Bは、鉛直軸AX5周りに回転可能に接続されている。また、2つのアーム部材65B,65Cは、鉛直軸AX6周りに回転可能に接続されている。なお、第2多関節アーム66は、第1多関節アーム65と同様に構成されている。第1多関節アーム65は、例えば、図3の紙面上側のキャリアCの搬送を担当し、第2多関節アーム66は、図3の紙面下側のキャリアCの搬送を担当してもよい。
【0069】
昇降駆動部69は、2つの多関節アーム65,66を個別に昇降できるように構成されている。そのため、第1多関節アーム65が第2多関節アーム66よりも高い位置に移動されてもよいし、第1多関節アーム65が第2多関節アーム66よりも低い位置に移動されてもよい。なお、昇降駆動部69は、2つの多関節アーム65,66を一体的に昇降させるように構成されていてもよい。2つの把持部67,68、2つの多関節アーム65,66および昇降駆動部69は各々、電動モータを備えている。
【0070】
前後駆動部70は、昇降駆動部69を支持する支持部70Aと、前後方向(X方向)に長手に延びる長手部70Bと、電動モータとを備えている。例えば、長手部70Bがレール(ガイドレール)であり、支持部70Aが台車であってもよい。この場合、電動モータによって台車(支持部70A)がレール(長手部70B)に沿って移動するように構成されていてもよい。
【0071】
また、例えば電動モータ、複数のプーリ、ベルトおよびガイドレールが、長手部70Bに内蔵され、支持部70Aがベルトに固定されていてもよい。この場合、電動モータによってプーリが回転し、複数のプーリに掛けられたベルトが移動することによって、ガイドレールに沿って支持部70Aを移動させるようにしてもよい。また、例えば電動モータ、ねじ軸およびガイドレールが、長手部70Bに内蔵され、ねじ軸と噛み合うナット部が支持部70Aに設けられていてもよい。この場合、電動モータによってねじ軸が回転されることにより、ガイドレールに沿って支持部70Aを移動させるようにしてもよい。
【0072】
図3を参照する。キャリア保管棚63は、入力ポート71、出力ポート72、未処理基板キャリア棚73、空キャリア棚74および処理済基板キャリア棚75を備えている。入力ポート71は、未処理の基板Wが収納されたキャリアCを外部搬送機構OHT(Overhead Hoist Transport)から受け取るための棚である。外部搬送機構OHTは、工場内でキャリアCを搬送するものである。未処理とは、本実施例において基板処理装置1による処理が行われていないことを言う。2つの入力ポート71および2つの出力ポート72は、図3に示すように、基板処理装置1の屋上の長手方向(X方向)の一端に設けられている。2つの入力ポート71および2つの出力ポート72は、長手方向に直交する短手方向(Y方向)に並んでいる。2つの入力ポート71および2つの出力ポート72の上方には、外部搬送機構OHTのレール77が設けられている。外部搬送機構OHTは、2つの入力ポート71のいずれかにキャリアCを搬送する。
【0073】
未処理基板キャリア棚73は、入力ポート71に載置されたキャリアCであって、2つのオープナ11,12の各載置台16のいずれにも搬送できなかった未処理の基板Wが収納されたキャリアCを載置する。空キャリア棚74は、例えばオープナ11の載置台16で基板Wが全て取り出されたキャリアCを載置する。処理済基板キャリア棚75は、処理済の基板Wが収納されたキャリアCであって、2つの出力ポート72のいずれにも搬送できなかったキャリアCを載置する。処理済とは、基板処理装置1による処理が行われていることを言う。出力ポート72は、処理済の基板Wが収納されたキャリアCを外部搬送機構OHTに引き渡すための棚である。キャリア搬送機構61は、載置台16および各棚71~75の間でキャリアCを自在に移動することができる。
【0074】
なお、キャリア搬送機構61は、2つの多関節アーム65,66および2つの把持部67,68を備えているが、1つまたは3つ以上の多関節アームおよび、1つまたは3つ以上(多関節アームの個数と同数)の把持部を備えていてもよい。また、昇降駆動部69は、支持部70Aに対して鉛直軸(Z方向の軸)周りに回転駆動されるように構成されていてもよい。また、レール77は、任意の位置の上方を通過するように構成されていてもよい。この場合、レール77の下方に、入力ポート71および出力ポート72が設けられる。キャリア保管棚63の個数および種類は適宜変更される。
【0075】
(2)基板処理装置1の動作
次に、基板処理装置1の動作について説明する。この説明では、2つの処理層A1,B1の組合せで基板Wは処理される。2つの処理層A2,B2の組合せ、および2つの処理層A3,B3の組合せは、2つの処理層A1,B1の組合せと同様に動作される。
【0076】
なお、図3において、2つのオープナ11,12は、キャリアCから基板Wを取り出すために用いられ、残りの2つのオープナ13,14は、キャリアCに基板Wを収納するために用いられる。また、図12は、実施例1に係る基板処理装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0077】
図1図3を参照する。外部搬送機構OHTは、2つの入力ポート71の一方にキャリアCを搬送する。キャリア搬送機構61は、外部搬送機構OHTによって搬送されたキャリアCを、入力ポート71から2つのオープナ11,12の一方(例えばオープナ11)の載置台16に搬送する。オープナ11のシャッタ部は、キャリアC(キャリア本体)から蓋部を外して保持しながら、その蓋部を移動する。これにより、開口部18が解放される。
【0078】
〔ステップS01〕IDブロック2による基板Wの取り出し
IDブロック2は、オープナ11の載置台16に載置されたキャリアCから基板Wを取り出す。そして、IDブロック2は、第1処理ブロック3の処理層A1が基板Wを受け取ることができる状態にする。
【0079】
具体的に説明する。オープナ11,12に対する基板Wの搬送は、第1基板搬送機構MHU1が行う。基板搬送機構MHU1は、オープナ11の載置台16に載置されたキャリアCにハンド21を進入させて、キャリアCから基板Wを取り出す。基板搬送機構MHU1は、取り出した基板Wを第1バッファ部BU1の送り部SN1(図9参照)に搬送する。これにより、第1処理ブロック3の処理層A1が基板Wを受け取ることができる状態にする。
【0080】
なお、処理層A2が基板Wを処理する場合、基板搬送機構MHU1は、取り出した基板Wを第2バッファ部BU2の送り部SN2に搬送する。また、処理層A3が基板Wを処理する場合、基板搬送機構MHU1は、取り出した基板Wを第3バッファ部BU3の送り部SN3に搬送する。
【0081】
キャリアCから全ての基板Wが取り出されると、オープナ11のシャッタ部は、キャリアCに蓋部を取り付けるために移動しながら、開口部18を遮蔽する。その後、キャリア搬送機構61は、空になったキャリアCを、2つのオープナ13,14のいずれかに搬送する。また、空になったキャリアCを2つのオープナ13,14のいずれにも搬送できない場合は、キャリア搬送機構61は、空のキャリアCを空キャリア棚74に搬送する。また、キャリア搬送機構61は、入力ポート71あるいは未処理基板キャリア棚73から未処理の基板Wが収納されたキャリアCを、空になったキャリアCの代わりに、オープナ11に搬送する。
【0082】
基板搬送機構MHU1は、オープナ11のキャリアCから全ての基板Wを取り出した後、オープナ12のキャリアCから基板Wを取り出す。そして、基板搬送機構MHU1は、オープナ12のキャリアCから全ての基板Wを取り出した後、再びオープナ11のキャリアCから基板Wを取り出す。すなわち、基板搬送機構MHU1は、原則、キャリアC単位で、2つのオープナ11,12の各キャリアCから交互に基板Wを取り出す。
【0083】
基板搬送機構MHU1は、キャリア単位で基板Wを振り分けるように構成されている。例えば、オープナ11の第1キャリアCから取り出した基板Wは、処理層A1が処理する。次に、オープナ12の第2キャリアCから取り出した基板Wは、処理層A2が処理する。また、その次に、オープナ11の第3キャリアCから取り出した基板Wは、処理層A3が処理する。すなわち、処理層A1、処理層A2、処理層A3の順番を繰り返しながら、キャリア単位で基板Wが振り分けられる。
【0084】
〔ステップS02〕第1処理ブロック3による塗布処理
第1処理ブロック3の処理層A1は、IDブロック2から基板Wを受け取り、受け取った基板Wに対して塗布処理(第1処理)を行い、塗布処理が行われた基板WをIDブロック2に搬送する。
【0085】
具体的に説明する。処理層A1の第3基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU1の送り部SN1に搬送された基板Wを受け取る。そして、基板搬送機構MHU3は、受け取った基板Wを、密着強化処理部AHP、冷却部CP、塗布ユニットPRの順番で搬送する。塗布ユニットPRは、基板W上にフォトレジスト膜を形成する。その後、基板搬送機構MHU3は、塗布ユニットPRでフォトレジスト膜が形成された基板Wを、加熱処理部PAB、冷却部CP、エッジ露光部EEW、渡し部PS1(バッファ部BU1)の順番で搬送する。なお、基板搬送機構MHU3は、渡し部PS1の所定位置(例えば図6の下から6段目の基板載置部31A)に基板Wを搬送する。
【0086】
〔ステップS03〕第2処理ブロック5による基板搬送
第2処理ブロック5の処理層B1は、第1処理ブロック3の処理層A1がIDブロック2に搬送した基板WをIDブロック2から受け取り、受け取った基板WをIFブロック6に搬送する。
【0087】
具体的に説明する。ステップS02において、第1処理ブロック3の処理層A1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU1の渡し部PS1の所定位置(基板載置部31A)に基板Wを搬送した。第2処理ブロック5の処理層B1の基板搬送機構MHU4は、基板搬送機構MHU3が渡し部PS1の所定位置(基板載置部31A)に搬送した基板Wを受け取る。ここで、処理層A1から処理層B1への基板搬送は、IDブロック2の2つの基板搬送機構MHU1,MHU2を用いずに行われる。つまり、2つの基板搬送機構MHU3,MHU4の両方のアーム21,41が届く位置にバッファ部BU1(基板バッファBF)が配置されている。言い換えると、2つの基板搬送機構MHU3,MHU4がバッファ部BU1に載置された基板Wを取り合えるように構成されている。そのため、IDブロック2を通過して第1処理ブロック3から第2処理ブロック5に基板Wが搬送される場合であっても、2つの基板搬送機構MHU1,MHU2に負担がかからないようにすることができる。
【0088】
処理層B1の基板搬送機構MHU4は、渡し部PS1から受け取った基板Wを、検査部LSCM1、バッファ部PSBU4の順番で搬送する。検査部LSCM1は、フォトレジスト膜(塗布膜)を検査および測定する。なお、このステップS03では、処理層B1は、現像処理(第2処理)を行わない。
【0089】
〔ステップS04〕IFブロック6による基板搬送
IFブロック6は、第2処理ブロック5の処理層B1により搬送された基板Wを露光装置EXPに搬出する。また、IFブロック6は、露光装置EXPで処理された基板Wを搬入する。
【0090】
2つの基板搬送機構HU5,HU6は各々、バッファ部PSBU4から基板Wを受け取る。2つの基板搬送機構HU5,HU6は各々、受け取った基板Wを、露光前洗浄ユニット161、載置兼冷却部P-CPの順番で搬送する。基板搬送機構HU7は、載置兼冷却部P-CPから基板Wを受け取り、受け取った基板Wを露光装置EXPに搬出する。搬出された基板Wに対して、露光装置EXPは、露光処理を行う。IFブロック6の基板搬送機構HU7は、露光装置EXPで処理された基板WをIFブロック6に搬入し、搬入した基板Wを基板載置部PS9に搬送する。その後、2つの基板搬送機構HU5,HU6は各々、基板載置部PS9から基板Wを受け取る。2つの基板搬送機構HU5,HU6は各々、受け取った基板Wを、露光後洗浄ユニットSOAK、露光後ベーク処理部PEB、バッファ部PSBU4の順番で搬送する。
【0091】
〔ステップS05〕第2処理ブロック5による現像処理
第2処理ブロック5の処理層B1は、IFブロック6から露光装置EXPで処理された基板Wを受け取り、受け取った基板Wに対して現像処理(第2処理)を行い、現像処理が行われた基板WをIDブロック2に搬送する。
【0092】
具体的に説明する。処理層B1の基板搬送機構MHU4は、バッファ部PSBU4から基板Wを受け取る。基板搬送機構MHU4は、受け取った基板Wを、冷却部CP、現像ユニットDEV、加熱処理部POSTBake(図10では「PB」と示す)、検査部LSCM2、戻り部RT1(バッファ部BU1)の順番で搬送する。現像ユニットDEVは、露光装置EXPで露光処理された基板Wに対して現像処理を行う。検査部LSCM2は、現像後の基板Wを検査する。
【0093】
〔ステップS06〕IDブロック2による基板Wの収納
IDブロック2は、現像処理が行われた基板Wを基板バッファBFから例えばオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに戻す。基板Wを戻すキャリアCは、処理前に(すなわち取り出す前に)基板Wが収納されていたキャリアCである。
【0094】
具体的に説明する。オープナ13(またはオープナ14)には、キャリア搬送機構61によって、2つのオープナ11,12の載置台16または空キャリア棚74から、空になったキャリアCが搬送されている。オープナ13,14に対する基板Wの搬送は、第2基板搬送機構MHU2によって行われる。
【0095】
基板搬送機構MHU2は、第2処理ブロック5の処理層B1で現像処理された基板Wを、バッファ部BU1の戻り部RT1からオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに搬送する。なお、処理層B2で基板Wが処理された場合は、基板搬送機構MHU2は、バッファ部BU2の戻り部RT2から2つのオープナ13,14の一方のキャリアCに基板Wを搬送する。また、処理層B3で基板Wが処理された場合は、基板搬送機構MHU2は、バッファ部BU3の戻り部RT3から2つのオープナ13,14の一方のキャリアCに基板Wを搬送する。
【0096】
基板搬送機構MHU2は、オープナ13のキャリアCに全ての基板Wを収納した後、オープナ14のキャリアCに基板Wを収納する。そして、基板搬送機構MHU2は、オープナ14のキャリアCに全ての基板Wを収納した後、再び、オープナ13のキャリアCに基板Wを収納する。すなわち、基板搬送機構MHU2は、原則、キャリアC単位で、オープナ13,14の各キャリアCに交互に基板Wを収納する。
【0097】
キャリア搬送機構61は、処理済の基板Wが収納されたキャリアCを出力ポート72または処理済基板キャリア棚75に搬送する。また、キャリア搬送機構61は、搬送したキャリアCに代えて、2つのオープナ11,12の載置台16または空キャリア棚74から2つのオープナ13,14の一方の載置台16に、空のキャリアCを搬送する。外部搬送機構OHTは、処理済の基板Wが収納されたキャリアCを、2つの出力ポート72の一方から例えば他の装置に搬送する。
【0098】
本実施例によれば、スループットの低下を抑制できる。例えばIDブロック、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックがこの順番で配置されているとする。この場合、第2処理ブロックで処理された基板WをIDブロックに搬送するために、第1処理ブロックによる処理なしで、第1処理ブロックを通過させなければならない。しかしながら、本実施例によれば、第1処理ブロック3も第2処理ブロック5もIDブロック2に連結されている。そのため、第1処理ブロック3を介在させずに第2処理ブロック5からIDブロック2に基板Wを直接搬送できる。そのためスループットの低下を抑制できる。
【0099】
また、基板バッファBFは2つの処理ブロック3,5の中間に配置されている。そのため、基板バッファBFを介して、第1処理ブロック3から第2処理ブロック5に基板Wを搬送することができる。この搬送は、IDブロック2による基板搬送を用いずに行われるため、IDブロック2による基板搬送の負担を軽減することができる。そのため、スループットの向上が図れる。
【0100】
また、第2処理ブロック5にIFブロック6が連結された構成において、スループットの低下を抑制することができる。具体的に説明する。図13において、従来の基板処理装置は、IDブロック202とIFブロック206との間で基板を搬送する。IDブロック202からIFブロック206に基板を搬送する場合、塗布ブロック203は基板に塗布処理を行うが、現像ブロック205は基板に現像処理を行わない。また、IFブロック206からIDブロック202に基板を搬送する場合、現像ブロック205は基板に現像処理を行うが、塗布ブロック203は基板に塗布処理を行わない。このように、塗布処理または現像処理を行わずに基板は処理ブロック内を搬送される。このことは、基板処理装置のスループットを低下させる原因になっている可能性がある。本実施例の発明は、具体的に、復路の塗布ブロック203内の基板搬送(図13の符号TR)を省くことができる。
【0101】
また、基板処理装置1は、IDブロック2、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5の少なくともいずれかの上に搭載され、キャリアCを保管するためのキャリア保管棚63と、IDブロック2、第1処理ブロック3および第2処理ブロック5の少なくともいずれかの上に搭載され、載置台16とキャリア保管棚63との間でキャリアCを搬送するキャリア搬送機構61とを備えている。
【0102】
キャリア保管棚63およびキャリア搬送機構61が、IDブロック2および2つの処理ブロック3,5に対して水平方向に設けられると、その分で、基板処理装置1のフットプリントが大きくなる。この点、キャリア保管棚63およびキャリア搬送機構61が、IDブロック2および2つの処理ブロック3,5の少なくともいずれかと平面視で重なるように配置される。そのため、基板処理装置1のフットプリントの増加を抑えることができる。
【0103】
本実施例では、基板搬送機構MHU1は、処理層A1~A3にキャリア単位で基板Wを振り分けたが、基板Wの振り分け方は、上記の方法に限定されない。例えば、第1キャリアCから取り出した基板Wは、2つの処理層A1,A2が処理し、第2キャリアCから取り出した基板Wは、処理層A3が処理してもよい。また、第1キャリアCから取り出した基板Wは、3つの処理層A1~A3が処理してもよい。この場合、IDブロック2は、3つの処理層A1~A3が基板Wを受け取ることができる状態にする。
【0104】
本実施例では、基板搬送機構MHU1は、基板Wを1枚毎に搬送している。この点、複数(例えば3枚)の基板Wを同時に搬送してもよい。例えば、キャリアCの下から1,2,3枚目の基板Wを同時に取り出すとする。処理層A1~A3が各々キャリア単位で基板処理を行う場合、例えば処理層A1で1,2,3枚目の基板Wを処理するため、バッファ部BU1の送り部SN1(図9参照)に、取り出した3枚の基板Wを同時に載置してもよい。これにより、第1基板搬送機構MHU1の負担を低減できる。また、例えば、処理層A1~A3が分担して1つのキャリアC内の基板を処理する場合、3つの処理層A1で1枚目、処理層A2で2枚目、処理層A3で3枚目の基板Wを各々処理するように、バッファ部BU1~BU3の送り部SN1~SN3に3枚の基板Wを1枚ずつ載置してもよい。これにより、第1基板搬送機構MHU1の負担、および各処理層A1~A3の第3基板搬送機構MHU3の負担を低減できる。
【0105】
また、基板搬送機構MHU1による基板搬送は、次のように行ってもよい。1回目の基板搬送において、キャリアCの下から1,4,7枚目の基板Wを同時に取り出し、取り出した3枚の基板Wを処理層A1が受け取れる状態にする。2回目の基板搬送において、キャリアCの下から2,5,8枚目の基板Wを同時に取り出し、取り出した3枚の基板Wを処理層A2が受け取れる状態にする。そして、3回目の基板搬送において、キャリアCの下から3,6,9枚目の基板Wを同時に取り出し、取り出した3枚の基板Wを処理層A3が受け取れる状態にする。これにより、第1基板搬送機構MHU1の負担、各処理層A1~A3の第3基板搬送機構MHU3の負担を低減できる。また、処理後の基板Wを露光装置EXPへ搬送する効率を向上させることができる。この理由を説明する。露光装置EXPは、キャリアC内の基板Wの収納位置により露光する順番がプログラムされている。そのため、基板処理装置1は、基板Wの収納位置の順番通りに露光装置EXPに基板Wを搬送する必要がある。基板処理装置1は、その内部で基板Wの収納位置の順番通りに効率良く処理及び搬送をする。これにより、露光装置EXPにも基板Wの収納位置の順番通りに効率良く基板Wを搬送できるので、スループットを向上させることができる。
【実施例2】
【0106】
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。なお、実施例1と重複する説明は省略する。
【0107】
実施例1では、IFブロック6は、現像処理を行う第2処理ブロック5に連結されていた。この点、本実施例では、図14に示すように、IFブロック6は、塗布処理を行う第1処理ブロック3に連結させている。なお、IFブロック6、第1処理ブロック3、IDブロック2、第2処理ブロック5は、この順番で水平方向に直線状に連結されている。本実施例において、IFブロック6および第1処理ブロック3は、第1処理装置に相当する。第2処理ブロック5は、第2処理装置に相当する。
【0108】
<基板処理装置1の動作>
図14を参照して、本実施例の基板処理装置1の動作について説明する。図15は、実施例2に係る基板処理装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0109】
〔ステップS21〕IDブロック2による基板Wの取り出し
IDブロック2は、オープナ11の載置台16に載置されたキャリアCから基板Wを取り出す。取り出した基板Wは、基板搬送機構MHU1によって、例えばバッファ部BU1の送り部SN1に搬送される。
【0110】
〔ステップS22〕第1処理ブロック3による塗布処理
第1処理ブロック3の処理層A1は、IDブロック2から基板Wを受け取り、受け取った基板Wに対して塗布処理(第1処理)を行う。すなわち、処理層A1の基板搬送機構MHU3は、送り部SN1から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを例えば塗布ユニットPRおよび所定の熱処理部37(冷却部CPも含む)に搬送する。その後、処理層A1の基板搬送機構MHU3は、塗布処理が行われた基板WをIFブロック6のバッファ部PSBU4に搬送する。
【0111】
〔ステップS23〕IFブロック6による基板搬送
IFブロック6は、処理層A1により搬送された基板Wを露光装置EXPに搬出する。また、IFブロック6は、露光装置EXPで露光処理された基板WをIFブロック6に搬入する。露光処理が行われた基板Wは、第1処理ブロック3に搬送するためにバッファ部PSBU4に搬送される。
【0112】
〔ステップS24〕第1処理ブロック3による基板搬送
第1処理ブロック3の処理層A1は、IFブロック6から露光装置EXPで処理された基板Wを受け取り、受け取った基板WをIDブロック2に搬送する。具体的に説明する。処理層A1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部PSBU4から露光処理が行われた基板Wを受け取る。その後、基板搬送機構MHU3は、受け取った基板Wに対して塗布処理を行わずに、受け取った基板WをIDブロック2のバッファ部BU1の渡し部PS1の所定位置(例えば基板載置部31A)に搬送する。
【0113】
〔ステップS25〕第2処理ブロック5による現像処理
第2処理ブロック5の処理層B1は、第1処理ブロック3の処理層A1がIDブロック2に搬送した基板WをIDブロック2から受け取り、受け取った基板Wに対して現像処理(第2処理)を行う。すなわち、処理層B1の基板搬送機構MHU4は、IDブロック2の2つの基板搬送機構MHU1,MHU2を用いずに搬送された基板Wを、バッファ部BU1の渡し部PS1の所定位置(例えば基板載置部31A)から受け取る。その後、基板搬送機構MHU4は、受け取った基板Wを現像ユニットDEVおよび所定の熱処理部37に搬送する。その後、基板搬送機構MHU4は、現像ユニットDEVなどで現像処理が行われた基板WをIDブロック2のバッファ部BU1の戻り部RT1に搬送する。
【0114】
〔ステップS26〕IDブロック2による基板Wの収納
IDブロック2は、現像処理が行われた基板Wを基板バッファBFから例えばオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに戻す。すなわち、基板搬送機構MHU2は、バッファ部BU1の戻り部RT1から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを例えばオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに搬送する。
【0115】
本実施例によれば、第1処理ブロック3にIFブロック6が連結された構成において、スループットの低下を抑制することができる。
【実施例3】
【0116】
次に、図面を参照して本発明の実施例3を説明する。なお、実施例1,2と重複する説明は省略する。
【0117】
実施例1では、基板処理装置1はIFブロック6を備えていた。この点、実施例3では、図16に示すように、基板処理装置1は、IFブロック6を備えていない(露光処理を行わない)。なお、本実施例において、第1処理ブロック3が本発明の第1処理装置に相当する。第2処理ブロック5は、本発明の第2処理装置に相当する。
【0118】
<基板処理装置1の動作>
図16を参照して、本実施例の基板処理装置1の動作について説明する。第1処理ブロック3の3つの処理層A1~A3は、図9に示す塗布ユニットPRに代えて、例えば、塗布ユニットBARCを備えている。塗布ユニットBARCは、基板Wに反射防止膜を形成するものである。すなわち、各処理層A1~A3は、基板Wに反射防止膜を形成する。また、各処理層B1~B3は、基板Wの反射防止膜上にフォトレジスト膜を形成する。なお、図17は、実施例3に係る基板処理装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0119】
〔ステップS31〕IDブロック2による基板Wの取り出し
IDブロック2の基板搬送機構MHU1は、例えばオープナ11の載置台16に載置されたキャリアCから基板Wを取り出す。基板搬送機構MHU1は、取り出した基板Wを例えばバッファ部BU1の送り部SN1に搬送する。これにより、処理層A1が基板Wを受け取ることが可能な状態にする。
【0120】
〔ステップS32〕第1処理ブロック3による第1塗布処理
第1処理ブロック3の処理層A1は、IDブロック2がキャリアCから取り出した基板Wを受け取る。すなわち、処理層A1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU1の送り部SN1から基板Wを受け取る。基板搬送機構MHU3は、受け取った基板Wを塗布ユニットBARCおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU3は、塗布ユニットBARCによって反射防止膜が形成された基板Wを、IDブロック2のバッファ部BU1の渡し部PS1の所定位置(例えば基板載置部31A)に搬送する。
【0121】
〔ステップS33〕第2処理ブロック5による第2塗布処理
第2処理ブロック5の処理層B1は、第1処理ブロック3の処理層A1がIDブロック2に搬送した基板WをIDブロック2から受け取る。すなわち、処理層B1の基板搬送機構MHU4は、IDブロック2の2つの基板搬送機構MHU1,MHU2を用いずに搬送された基板Wを、バッファ部BU1の渡し部PS1の所定位置(例えば基板載置部31A)から受け取る。基板搬送機構MHU4は、受け取った基板Wを塗布ユニットPRおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU4は、塗布ユニットPRによってフォトレジスト膜が形成された基板Wを、IDブロック2のバッファ部BU1の戻し部RT1に搬送する。
【0122】
〔ステップS34〕IDブロック2による基板Wの収納
IDブロック2は、第2処理ブロック5でレジスト塗布処理(第2処理)が行われた基板Wを基板バッファBFから例えばオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに戻す。すなわち、IDブロック2の基板搬送機構MHU2は、バッファ部BU1の戻し部RT1からオープナ13のキャリアCに基板Wを搬送する。
【0123】
本実施例によれば、スループットの低下を抑制できる。例えばIDブロック、第1処理ブロックおよび第2処理ブロックがこの順番で配置されているとする。この場合、第2処理ブロックで処理された基板WをIDブロックに搬送するために、第1処理ブロックによる処理なしで、第1処理ブロックを通過させなければならない。しかしながら、本実施例によれば、第1処理ブロック3も第2処理ブロック5もIDブロック2に連結されている。そのため、第1処理ブロック3を介在させずに第2処理ブロック5からIDブロック2に基板Wを直接搬送できる。そのためスループットの低下を抑制できる。
【0124】
また、基板バッファBFは2つの処理ブロック3,5の中間に配置されている。そのため、基板バッファBFを介して、第1処理ブロック3から第2処理ブロック5に基板Wを搬送することでできる。この搬送は、IDブロック2による基板搬送を用いずに行われるため、IDブロック2による基板搬送の負担を軽減することができる。そのため、スループットの向上が図れる。
【実施例4】
【0125】
次に、図面を参照して本発明の実施例4を説明する。なお、実施例1~3と重複する説明は省略する。
【0126】
実施例1では、第1処理ブロック3の3つの処理層A1~A3は塗布処理を行い、第2処理ブロック5の3つの処理層B1~B3は現像処理を行っていた。すなわち、2つの処理ブロック3,5によって2種類の処理(第1処理および第2処理)を行っていた。この点、実施例4では、2つの処理ブロック3,5によって3種類の処理(第1処理~第3処理)を行っている。
【0127】
図18を参照する。第1処理ブロック3は、上下方向に積み重ねるように配置された3つの処理層A1,A2,C1を備えている。第2処理ブロック5は、上下方向に積み重ねるように配置された3つの処理層B1,B2,C2を備えている。処理層A1は、処理層B1およびバッファ部BU1と同じ階層に配置されている。処理層A2は、処理層B2およびバッファ部BU2と同じ階層に配置されている。処理層C1は、処理層C2およびバッファ部BU3と同じ階層に配置されている。本実施例において、バッファ部BU3は4つの送り部SN4~SN7を有する。各送り部SN4~SN7は、複数枚の基板Wを載置することが可能である。
【0128】
2つの処理層C1,C2は、例えば、基板Wに反射防止膜を形成する。2つの処理層A1,A2は、例えば、基板Wの反射防止膜上にフォトレジスト膜を形成する。そして、2つの処理層B1,B2は、例えば、基板Wに対して現像処理を行う。図18において、第1処理ブロック3は、基板Wに対してフォトレジスト膜を形成する処理層A1と、処理層A1(1階)とは異なる階層(3階)で、基板Wに反射防止膜を形成する処理層C1と、を備えている。なお、IFブロック6、第1処理ブロック3、IDブロック2、第2処理ブロック5は、この順番で水平方向に直線状に連結されている。本実施例において、IFブロック6および第1処理ブロック3は、第1処理装置に相当する。第2処理ブロック5は、第2処理装置に相当する。
【0129】
<基板処理装置1の動作>
図18を参照して、本実施例の基板処理装置1の動作について説明する。なお、図19は、実施例4に係る基板処理装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0130】
〔ステップS41〕IDブロック2による基板Wの取り出し
IDブロック2の基板搬送機構MHU1は、例えばオープナ11の載置台16に載置されたキャリアCから基板Wを取り出す。基板搬送機構MHU1は、取り出した基板Wを例えばバッファ部BU3の送り部SN4に搬送する。これにより、処理層C1が基板Wを受け取ることが可能な状態になる。なお、基板搬送機構MHU1が基板Wをバッファ部BU3の送り部SN5に搬送することで、処理層C2が基板Wを受け取ることが可能な状態になる。
【0131】
〔ステップS42〕処理層C1(C2)による第1塗布処理
処理層C1は、IDブロック2から基板Wを受け取り、受け取った基板Wに対して反射防止膜を形成する処理(第3処理)を行う。すなわち、処理層C1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU3の送り部SN4から基板Wを受け取る。基板搬送機構MHU3は、受け取った基板Wを塗布ユニットBARCおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU3は、塗布ユニットBARCによって反射防止膜が形成された基板Wを、IDブロック2のバッファ部BU3の送り部SN6に搬送する。送り部SN6は、階層間の基板搬送に用いられる。なお、処理層C2は、バッファ部BU3の送り部SN5から基板Wを受け取る。処理層C2は、受け取った基板Wを塗布ユニットBARCおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、処理層C2は、反射防止膜が形成された基板Wを、IDブロック2のバッファ部BU3の送り部SN7に搬送する。
【0132】
〔ステップS43〕IDブロック2による2つのバッファ部間の基板搬送
IDブロック2は、反射防止膜が形成された基板Wを処理層A1の階層(1階)に移動させる。すなわち、IDブロック2の基板搬送機構MHU1,MHU2の一方は、バッファ部BU3の送り部SN6からバッファ部BU1の送り部SN1に基板Wを搬送する。これにより、処理層A1が基板Wを受け取ることができる状態になる。なお、基板Wを処理層C2で処理した場合は、基板Wは、バッファ部BU3の送り部SN7からバッファ部BU2の送り部SN2に搬送される。これにより、処理層A2が基板を受け取ることができる状態になる。
【0133】
〔ステップS44〕処理層A1(A2)による第2塗布処理
処理層A1は、IDブロック2から反射防止膜が形成された基板Wを受け取る。すなわち、処理層A1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU1の送り部SN1から基板Wを受け取る。基板搬送機構MHU3は、受け取った基板Wを塗布ユニットPRおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU3は、塗布ユニットPRによってフォトレジスト膜が形成された基板WをIFブロック6のバッファ部PSBU4に搬送する。なお、処理層A2は、バッファ部BU2の送り部SN2から基板Wを受け取る。処理層A2は、受け取った基板Wを塗布ユニットPRおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、処理層A2は、フォトレジスト膜が形成された基板WをIFブロック6のバッファ部PSBU5に搬送する。
【0134】
〔ステップS45〕IFブロック6による基板搬送
IFブロック6は、処理層A1(A2)により搬送された基板Wを露光装置EXPに搬出する。また、IFブロック6は、露光装置EXPで露光処理された基板WをIFブロック6に搬入する。露光処理が行われた基板Wは、処理層A1に搬送するためにバッファ部PSBU4に搬送される。また、露光処理が行われた基板Wは、処理層A2に搬送するためにバッファ部PSBU5に搬送される。なお、処理層A1から搬送された基板Wは、処理層A1に戻される。処理層A2から搬送された基板Wは、処理層A2に戻される。
【0135】
〔ステップS46〕処理層A1(A2)による基板搬送
処理層A1は、IFブロック6から露光装置EXPで処理された基板Wを受け取り、受け取った基板WをIDブロック2に搬送する。すなわち、処理層A1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部PSBU4から露光処理が行われた基板Wを受け取る。その後、基板搬送機構MHU3は、受け取った基板Wに対して塗布処理を行わずに、受け取った基板Wを最終的にバッファ部BU1の渡し部PS1の所定位置(例えば基板載置部31A)に搬送する。なお、処理層A2は、バッファ部PSBU5から露光処理が行われた基板Wを受け取り、受け取った基板Wを最終的にバッファ部BU2の渡し部PS2の所定位置に搬送する。
【0136】
〔ステップS47〕処理層B1(B2)による現像処理
処理層B1は、処理層A1がIDブロック2に搬送した基板WをIDブロック2から受け取る。すなわち、処理層B1の基板搬送機構MHU4は、バッファ部BU1の渡し部PS1の所定位置(例えば基板載置部31A)から受け取る。なお、処理層A1から処理層B1への基板搬送は、IDブロック2の2つの基板搬送機構MHU1,MHU2を用いずに行われる。基板搬送機構MHU4は、受け取った基板Wを現像ユニットDEVおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU4は、現像ユニットDEVで現像処理が行われた基板WをIDブロック2のバッファ部BU1の戻り部RT1に搬送する。なお、処理層B2は、バッファ部BU2の渡し部PS2の所定位置から受け取る。処理層B2は、受け取った基板Wを現像ユニットDEVおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、処理層B2は、現像処理が行われた基板WをIDブロック2のバッファ部BU2の戻り部RT2に搬送する。
【0137】
〔ステップS48〕IDブロック2による基板Wの収納
IDブロック2は、現像処理が行われた基板Wを基板バッファBFから例えばオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに戻す。すなわち、基板搬送機構MHU2は、バッファ部BU1(BU2)の戻り部RT1(RT2)から基板Wを受け取り、受け取った基板Wをオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに搬送する。
【0138】
この動作説明では、処理層C1に基板Wを搬送した場合、処理層C1、処理層A1、処理層B1の順番で処理が行われる。また、処理層C2に基板Wを搬送した場合、処理層C2,処理層A2、処理層B2の順番に処理が行われる。なお、処理層C1、処理層A2、処理層B2の順番に処理してもよい。また、処理層C2、処理層A1、処理層B1の順番に処理してもよい。
【0139】
本実施例によれば、第1処理ブロック3(処理層A1、処理層C1)も第2処理ブロック5(処理層B1)もIDブロック2に連結されるので、スループットの低下を抑制することができる。また、基板バッファBFは例えば処理層A1と処理層B1の中間に配置されている。そのため、基板バッファBFを介して、処理層A1から処理層B1に基板Wを搬送することでできる。この搬送は、IDブロック2による基板搬送を用いずに行われるため、IDブロック2による基板搬送の負担を軽減することができる。そのため、スループットの向上が図れる。
【実施例5】
【0140】
次に、図面を参照して本発明の実施例5を説明する。なお、実施例1~4と重複する説明は省略する。
【0141】
実施例4では、基板処理装置1は、IFブロック6を備えていた。この点、実施例5では、図20に示すように、基板処理装置1は、IFブロック6を備えていない。
【0142】
<基板処理装置1の動作>
図20を参照して、本実施例の基板処理装置1の動作について説明する。本実施例の基板処理装置1は、例えば3層の膜を形成する。2つの処理層C1,C2は、下層膜(例えばSOC(Spin On Carbon)膜)を形成する。2つの処理層A1,A2は、中間膜(例えばSOG(Spin On Glass)膜)を形成する。そして、2つの処理層B1,B2は、フォトレジスト膜を形成する。なお、図21は、実施例5に係る基板処理装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0143】
〔ステップS51〕IDブロック2による基板Wの取り出し
ステップ51は、ステップS41と同様に動作される。このステップを簡単に説明する。基板搬送機構MHU1は、例えばオープナ11のキャリアCから基板Wを取り出す。その後、基板搬送機構MHU1は、取り出した基板Wを例えばバッファ部BU3の送り部SN4に搬送する。
【0144】
〔ステップS52〕処理層C1(C2)による第1塗布処理
処理層C1は、IDブロック3から基板Wを受け取り、受け取った基板Wに対して下層膜を形成する処理(第3処理)を行う。すなわち、処理層C1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU3の送り部SN4から基板Wを受け取る。基板搬送機構MHU3は、受け取った基板Wを塗布ユニットSCおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU3は、塗布ユニットSCによって下層膜が形成された基板Wを、IDブロック2のバッファ部BU3の送り部SN6に搬送する。
【0145】
〔ステップS53〕IDブロック2による2つのバッファ部間の基板搬送
ステップ53は、ステップS43と同様に動作される。このステップを簡単に説明する。基板搬送機構MHU1,MHU2の一方は、バッファ部BU3の送り部SN6からバッファ部BU1の送り部SN1に基板Wを搬送する。
【0146】
〔ステップS54〕処理層A1(A2)による第2塗布処理
処理層A1は、IDブロック2から下層膜が形成された基板Wを受け取る。すなわち、処理層A1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU1の送り部SN1から基板Wを受け取る。基板搬送機構MHU3は、受け取った基板Wを塗布ユニットSCおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU3は、塗布ユニットSCによって中間膜が形成された基板WをIDブロック2のバッファ部BU1の渡し部PS1の所定位置(例えば基板載置部31A)に搬送する。
【0147】
〔ステップS55〕処理層B1(B2)による第3塗布処理
処理層B1は、処理層A1がIDブロック2に搬送した基板WをIDブロック2から受け取る。すなわち、処理層B1の基板搬送機構MHU4は、バッファ部BU1の渡し部PS1の所定位置(例えば基板載置部31A)から受け取る。なお、処理層A1から処理層B1への基板搬送は、IDブロック2の2つの基板搬送機構MHU1,MHU2を用いずに行われる。基板搬送機構MHU4は、受け取った基板Wを塗布ユニットSCおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU4は、塗布ユニットSCでフォトレジスト膜が形成された基板WをIDブロック2のバッファ部BU1の戻り部RT1に搬送する。
【0148】
〔ステップS56〕IDブロック2による基板Wの収納
ステップS56は、ステップS48と同様に動作される。このステップを簡単に説明する。基板搬送機構MHU2は、バッファ部BU1の戻り部RT1から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを例えばオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに搬送する。
【0149】
この動作説明においても、処理層C1に基板Wを搬送した場合、処理層C1、処理層A1、処理層B1の順番で処理が行われる。また、処理層C2に基板Wを搬送した場合、処理層C2,処理層A2、処理層B2の順番に処理が行われる。なお、処理層C1、処理層A2、処理層B2の順番に処理してもよい。また、処理層C2、処理層A1、処理層B1の順番に処理してもよい。
【0150】
本実施例によれば、第1処理ブロック3(処理層A1、処理層C1)も第2処理ブロック5(処理層B1)もIDブロック2に連結されるので、スループットの低下を抑制することができる。また、基板バッファBFは例えば処理層A1と処理層B1の中間に配置されている。そのため、基板バッファBFを介して、処理層A1から処理層B1に基板Wを搬送することでできる。この搬送は、IDブロック2による基板搬送を用いずに行われるため、IDブロック2による基板搬送の負担を軽減することができる。そのため、スループットの向上が図れる。
【実施例6】
【0151】
次に、図面を参照して本発明の実施例6を説明する。なお、実施例1~5と重複する説明は省略する。
【0152】
実施例4では、2つの処理ブロック3,5によって3種類の処理(第1処理~第3処理)を行っている。この際、例えば処理層C1は、処理層A1,B1よりも前に処理を行っていた。この点、実施例6では、処理層C1は、処理層A1,B1よりも後に処理を行っている。
【0153】
図22を参照する。第1処理ブロック3は、上下方向に積み重ねるように配置された3つの処理層C1,A1,A2を備えている。第2処理ブロック5は、上下方向に積み重ねるように配置された3つの処理層C2,B1,B2を備えている。処理層C1は、処理層C2およびバッファ部BU1と同じ階層に配置されている。処理層A1は、処理層B1およびバッファ部BU2と同じ階層に配置されている。処理層A2は、処理層B2およびバッファ部BU3と同じ階層に配置されている。本実施例において、バッファ部BU1は、2つの送り部SN9,SN10および2つの戻り部RT4,RT5を備えている。バッファ部BU2は、2つの送り部SN2,SN11および渡し部PS2を備えている。バッファ部BU3は、2つの送り部SN3,SN12および渡し部PS3を備えている。各送り部SN9~SN12および戻り部RT4,RT5等は、複数枚の基板Wを載置することが可能である。
【0154】
2つの処理層A1,A2は、例えば、基板Wに反射防止膜を形成する。2つの処理層B1,B2は、例えば、基板Wの反射防止膜上にフォトレジスト膜を形成する。そして、2つの処理層C1,C2は、例えば、基板Wに対して現像処理を行う。図22において、第2処理ブロック5は、基板Wに対してフォトレジスト膜を形成する処理層B2と、処理層B2(3階)とは異なる階層(1階)で、基板Wに対して現像処理を行う処理層C2と、を備えている。なお、第1処理ブロック3、IDブロック2、第2処理ブロック5、IFブロック6は、この順番で水平方向に直線状に連結されている。本実施例において、第1処理ブロック3は、第1処理装置に相当する。第2処理ブロック5およびIFブロック6は、第2処理装置に相当する。
【0155】
<基板処理装置1の動作>
図22を参照して、本実施例の基板処理装置1の動作について説明する。なお、図23は、実施例6に係る基板処理装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0156】
〔ステップS61〕IDブロック2による基板Wの取り出し
IDブロック2の基板搬送機構MHU1は、例えばオープナ11の載置台16に載置されたキャリアCから基板Wを取り出す。基板搬送機構MHU1は、取り出した基板Wを例えばバッファ部BU2の送り部SN2に搬送する。これにより、処理層A1が基板Wを受け取ることが可能な状態になる。なお、基板搬送機構MHU1が基板Wをバッファ部BU3の送り部SN3に搬送することで、処理層A2が基板Wを受け取ることが可能な状態になる。
【0157】
〔ステップS62〕処理層A1(A2)による第1塗布処理
処理層A1は、IDブロック2から基板Wを受け取り、受け取った基板Wに対して反射防止膜を形成する処理(第1処理)を行う。すなわち、処理層A1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU2の送り部SN2から基板Wを受け取る。基板搬送機構MHU3は、受け取った基板Wを塗布ユニットBARCおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU3は、塗布ユニットBARCによって反射防止膜が形成された基板Wを、IDブロック2のバッファ部BU2の渡し部PS2の所定位置に搬送する。なお、処理層A2は、バッファ部BU3の送り部SN3から基板Wを受け取る。処理層A2は、受け取った基板Wを塗布ユニットBARCおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、処理層A2は、反射防止膜が形成された基板Wを、IDブロック2のバッファ部BU3の渡し部PS3の所定位置に搬送する。
【0158】
〔ステップS63〕処理層B1(B2)による第2塗布処理
処理層B1は、処理層A1がIDブロック2に搬送した基板WをIDブロック2から受け取る。すなわち、処理層B1の基板搬送機構MHU4は、バッファ部BU2の渡し部PS2の所定位置から受け取る。なお、処理層A1から処理層B1への基板搬送は、IDブロック2の2つの基板搬送機構MHU1,MHU2を用いずに行われる。基板搬送機構MHU4は、受け取った基板Wを塗布ユニットPRおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU4は、塗布ユニットPRでフォトレジスト膜が形成された基板WをIFブロック6のバッファ部PSBU5に搬送する。なお、処理層B2は、バッファ部BU3の渡し部PS3の所定位置から受け取る。処理層B2は、受け取った基板Wを塗布ユニットPRおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、処理層B2は、フォトレジスト膜が形成された基板WをIFブロック6のバッファ部PSBU6に搬送する。
【0159】
〔ステップS64〕IFブロック6による基板搬送
IFブロック6は、処理層B1(B2)により搬送された基板Wを露光装置EXPに搬出する。また、IFブロック6は、露光装置EXPで露光処理された基板WをIFブロック6に搬入する。露光処理が行われた基板Wは、処理層B1に搬送するためにバッファ部PSBU5に搬送される。また、露光処理が行われた基板Wは、処理層B2に搬送するためにバッファ部PSBU6に搬送される。なお、処理層B1から搬送された基板Wは、処理層B1に戻される。処理層B2から搬送された基板Wは、処理層B2に戻される。
【0160】
〔ステップS65〕処理層B1(B2)による基板搬送
処理層B1は、IFブロック6から露光装置EXPで処理された基板Wを受け取り、受け取った基板WをIDブロック2に搬送する。すなわち、処理層B1の基板搬送機構MHU4は、バッファ部PSBU5から露光処理が行われた基板Wを受け取る。その後、基板搬送機構MHU4は、受け取った基板Wに対して塗布処理を行わずに、受け取った基板Wを最終的にバッファ部BU2の送り部SN11に搬送する。送り部SN11(SN12)は、階層間の基板搬送に用いられる。なお、処理層B2は、バッファ部PSBU6から露光処理が行われた基板Wを受け取り、受け取った基板Wを最終的にバッファ部BU3の送り部SN12に搬送する。
【0161】
〔ステップS66〕IDブロック2による2つのバッファ部間の基板搬送
IDブロック2は、露光処理された基板Wを処理層C1の階層(1階)に移動させる。すなわち、IDブロック2の基板搬送機構MHU1,MHU2の一方は、バッファ部BU2の送り部SN11からバッファ部BU1の送り部SN9に基板Wを搬送する。これにより、処理層C1が基板Wを受け取ることができる状態になる。なお、基板Wを処理層A2,B2で処理した場合は、基板Wは、バッファ部BU3の送り部SN12からバッファ部BU1の送り部SN10に搬送される。これにより、処理層C2が基板を受け取ることができる状態になる。
【0162】
〔ステップS67〕処理層C1(C2)による現像処理
処理層C1は、IDブロック2から露光処理された基板Wを受け取る。すなわち、処理層C1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU1の送り部SN9から基板Wを受け取る。基板搬送機構MHU3は、受け取った基板Wを現像ユニットDEVおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU3は、現像ユニットDEVによって現像処理された基板WをIDブロック2のバッファ部BU1の戻り部RT4に搬送する。なお、処理層C2は、バッファ部BU1の送り部SN10から基板Wを受け取る。処理層C2は、受け取った基板Wを現像ユニットDEVおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、処理層C2は、現像ユニットDEVによって現像処理された基板WをIDブロック2のバッファ部BU1の戻り部RT5に搬送する。
【0163】
〔ステップS68〕IDブロック2による基板Wの収納
IDブロック2は、現像処理が行われた基板Wを基板バッファBFから例えばオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに戻す。すなわち、基板搬送機構MHU2は、バッファ部BU1の戻り部RT4(RT5)から基板Wを受け取り、受け取った基板Wをオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに搬送する。
【0164】
この動作説明では、処理層A1、処理層B1、処理層C1の順番で処理が行われる。また、処理層A2、処理層B2、処理層C2の順番で処理が行われる。なお、処理層A1、処理層B1、処理層C2の順番で処理が行われてもよい。また、処理層A2、処理層B2、処理層C1の順番で処理が行われてもよい。
【0165】
本実施例によれば、第1処理ブロック3(処理層A2)も第2処理ブロック5(処理層B2、処理層C2)もIDブロック2に連結されるので、スループットの低下を抑制することができる。また、基板バッファBFは例えば処理層A2と処理層B2の中間に配置されている。そのため、基板バッファBFを介して、処理層A2から処理層B2に基板Wを搬送することでできる。この搬送は、IDブロック2による基板搬送を用いずに行われるため、IDブロック2による基板搬送の負担を軽減することができる。そのため、スループットの向上が図れる。
【実施例7】
【0166】
次に、図面を参照して本発明の実施例7を説明する。なお、実施例1~6と重複する説明は省略する。
【0167】
実施例6では、基板処理装置1は、IFブロック6を備えていた。この点、実施例7では、図24に示すように、基板処理装置1は、IFブロック6を備えていない。
【0168】
<基板処理装置1の動作>
図24を参照して、本実施例の基板処理装置1の動作について説明する。本実施例の基板処理装置1は、例えば3層の膜を形成する。2つの処理層A1,A2は、下層膜を形成する。2つの処理層B1,B2は、中間膜を形成する。そして、2つの処理層C1,C2は、フォトレジスト膜を形成する。図25は、実施例7に係る基板処理装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0169】
〔ステップS71〕IDブロック2による基板Wの取り出し
ステップS71は、ステップS61と同様である。このステップを簡単に説明する。基板搬送機構MHU1は、例えばオープナ11の載置台16に載置されたキャリアCから基板Wを取り出す。基板搬送機構MHU1は、取り出した基板Wを例えばバッファ部BU2の送り部SN2に搬送する。
【0170】
〔ステップS72〕処理層A1(A2)による第1塗布処理
処理層A1は、IDブロック2から基板Wを受け取り、受け取った基板Wに対して下層膜を形成する処理(第1処理)を行う。すなわち、処理層A1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU2の送り部SN2から基板Wを受け取る。基板搬送機構MHU3は、受け取った基板Wを塗布ユニットSCおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU3は、塗布ユニットSCによって下層膜が形成された基板Wを、IDブロック2のバッファ部BU2の渡し部PS2の所定位置に搬送する。なお、処理層A2は、下層膜が形成された基板Wをバッファ部BU3の所定位置に搬送する。
【0171】
〔ステップS73〕処理層B1(B2)による第2塗布処理
処理層B1は、処理層A1がIDブロック2に搬送した基板WをIDブロック2から受け取る。すなわち、処理層B1の基板搬送機構MHU4は、バッファ部BU2の渡し部PS2の所定位置から受け取る。なお、処理層A1から処理層B1への基板搬送は、IDブロック2の2つの基板搬送機構MHU1,MHU2を用いずに行われる。基板搬送機構MHU4は、受け取った基板Wを塗布ユニットSCおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU4は、塗布ユニットSCで中間膜が形成された基板WをIDブロック2のバッファ部BU2の送り部SN11に搬送する。なお、処理層B2は、バッファ部BU3の渡し部PS3の所定位置から受け取る。その後、処理層B2は、中間膜が形成された基板Wをバッファ部BU3の送り部SN12に搬送する。
【0172】
〔ステップS74〕IDブロック2による2つのバッファ部間の基板搬送
ステップS74は、ステップS66と同様である。このステップを簡単に説明する。IDブロック2の基板搬送機構MHU1,MHU2の一方は、バッファ部BU2の送り部SN11からバッファ部BU1の送り部SN9に基板Wを搬送する。
【0173】
〔ステップS75〕処理層C1(C2)による第3塗布処理
処理層C1は、IDブロック2から中間膜が形成された基板Wを受け取る。すなわち、処理層C1の基板搬送機構MHU3は、バッファ部BU1の送り部SN9から基板Wを受け取る。基板搬送機構MHU3は、受け取った基板Wを塗布ユニットPRおよび所定の熱処理部37に順番に搬送する。その後、基板搬送機構MHU3は、フォトレジスト膜が形成された基板WをIDブロック2のバッファ部BU1の戻り部RT4に搬送する。なお、処理層C2は、送り部SN10から基板Wを受け取る。その後、処理層C2は、フォトレジスト膜が形成された基板Wをバッファ部BU1の戻り部RT5に搬送する。
【0174】
〔ステップS76〕IDブロック2による基板Wの収納
IDブロック2は、フォトレジスト膜が形成された基板Wを基板バッファBFから例えばオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに戻す。すなわち、基板搬送機構MHU2は、バッファ部BU1の戻り部RT4(RT5)から基板Wを受け取り、受け取った基板Wをオープナ13の載置台16に載置されたキャリアCに搬送する。
【0175】
この動作説明では、処理層A1、処理層B1、処理層C1の順番で処理が行われる。また、処理層A2、処理層B2、処理層C2の順番で処理が行われる。なお、処理層A1、処理層B1、処理層C2の順番で処理が行われてもよい。また、処理層A2、処理層B2、処理層C1の順番で処理が行われてもよい。
【0176】
本実施例によれば、第1処理ブロック3(処理層A2)も第2処理ブロック5(処理層B2、処理層C2)もIDブロック2に連結されるので、スループットの低下を抑制することができる。また、基板バッファBFは例えば処理層A2と処理層B2の中間に配置されている。そのため、基板バッファBFを介して、処理層A2から処理層B2に基板Wを搬送することでできる。この搬送は、IDブロック2による基板搬送を用いずに行われるため、IDブロック2による基板搬送の負担を軽減することができる。そのため、スループットの向上が図れる。
【0177】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0178】
(1)上述した各実施例では、各処理ブロック3,5は、上下方向に配置された3つの処理層(例えば符号A1~A3)を有していた。この点、各処理ブロック3,5は、単一の処理層を有していてもよい。また、各処理ブロック3,5は、上下方向に配置される2つの処理層を有していてもよい。また、各処理ブロック3,5は、上下方向に配置される4つ以上の処理層を有していてもよい。
【0179】
(2)上述した実施例4,5では、図18図20に示す2つの処理層C1,C2は3階に配置された。この点、2つの処理層C1,C2は1階または2階に配置されてもよい。また、上述した実施例6,7では、図22図24に示す2つの処理層C1,C2は1階に配置された。この点、2つの処理層C1,C2は2階または3階に配置されてもよい。
【0180】
(3)上述した各実施例および各変形例では、図2のように、2つの処理ブロック3,5の中間に1つの基板バッファBFが配置されていた。すなわち、基板バッファBFは、2つの処理ブロック3,5の中間の1箇所に配置されていた。この点、図26に示すように、第1処理ブロックとIDブロック2との間には第1基板バッファBF1が設けられていてもよい。また、IDブロック2と第2処理ブロック5との間には第2基板バッファBF2が設けられていてもよい。
【0181】
(4)上述した各実施例および各変形例において、IDブロック2内に、冷却部CPおよび検査部LSCM2(少なくとも検査部LSCM)が設けられていてもよい。冷却部CP、検査部LSCM2は、図3の矢印ARR1,ARR2で示される少なくとも一方の位置に配置される。また、冷却部CP、検査部LSCM2は、例えば図1の3つの処理層A1~A3の階層ごとに設けられる。検査部LSCMは、CCDカメラまたはイメージセンサを用いて塗布膜(例えばフォトレジスト膜)を検査する。例えば、第2処理ブロック5において、現像処理および、現像処理後のベーク処理が行われた基板Wを、IDブロック2内の冷却部CP、検査部LSCM2に搬送し、検査後にキャリアCに戻すようにしてもよい。
【0182】
(5)上述した各実施例および各変形例では、IDブロック2には、4つのオープナ11~14が設けられていたが、オープナは4つに限定されない。例えば、IDブロック2には、2つのオープナ11,13のみが設けられていてもよい。この場合、オープナ11は基板Wを取り出すために用いられ、オープナ13は基板Wを収納するために用いられる。
【符号の説明】
【0183】
1 … 基板処理装置
2 … インデクサブロック(IDブロック)
3 … 第1処理ブロック
5 … 第2処理ブロック
8 … キャリアバッファ装置
9 … 制御部
16 … 載置台
C … キャリア
W … 基板
21 … ハンド
BF … 基板バッファ
BU1,BU2,BU3 … バッファ部
MHU1~MHU4 … 基板搬送機構
41 … ハンド
61 … キャリア搬送機構
63 … キャリア保管棚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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図11
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図15
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図22
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