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特許7387336プロセスグラフィックスにウェブフレームを埋め込むためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】プロセスグラフィックスにウェブフレームを埋め込むためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20231120BHJP
【FI】
G05B23/02 Z
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019156751
(22)【出願日】2019-08-29
(65)【公開番号】P2020038648
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】16/121,091
(32)【優先日】2018-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512132022
【氏名又は名称】フィッシャー-ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・アール・ストリンデン
(72)【発明者】
【氏名】カミロ・ファダル
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン・エイ・サンチェス
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ディー・タジメイジャー
(72)【発明者】
【氏名】スネハラタ・ホウジ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ビー・ハブコスト
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ウエストブロック
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-537513(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0176203(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0054603(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00 -23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスプラントのグラフィカル表示ビューにウェブブラウザを埋め込む方法であって、
プロセスプラントの構成環境においてグラフィカル構成アプリケーションを実行するコンピューティング装置のユーザインターフェースを介して、前記グラフィカル表示ビューの一部内でソースアドレスからのウェブコンテンツを埋め込みウェブブラウザに提示するためにウェブブラウザオブジェクトを構成することと、
ユーザインターフェース装置におけるランタイム実行中に、前記グラフィカル表示ビューが、
(i)前記グラフィカル表示ビューの第1の部分内に、前記ソースアドレスからの前記ウェブコンテンツを有する前記埋め込みウェブブラウザ、および
(ii)前記グラフィカル表示ビューの第2の部分内に、前記プロセスプラントの制御モジュール、機能ブロック、プロセスプラントエンティティ、またはプロセスセクションの少なくとも1つを含む1つ以上のプロセス制御要素の表示を提示するように、
前記プロセスプラントの動作環境において実行するために、前記グラフィカル構成アプリケーションを介して、前記構成されたウェブブラウザオブジェクトを前記構成環境から前記ユーザインターフェース装置にダウンロードすることと
を備える方法。
【請求項2】
前記ウェブブラウザオブジェクトを構成することが、前記ユーザインターフェース装置においてランタイム実行中に提示される前記ウェブコンテンツに対する1つ以上の制限を構成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の制限を構成することが、前記グラフィカル構成アプリケーションによって提示される1つ以上のユーザコントロールを介して、
前記埋め込みウェブブラウザ内のポップアップの制限、
前記埋め込みウェブブラウザ内でのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)の実行に関する制限、
前記埋め込みウェブブラウザ内でのスクリプトの実行に関する制限、
前記埋め込みウェブブラウザ内でのフォームの送信に関する制限、
前記埋め込みウェブブラウザ内のサーバコンテンツへのアクセスの制限、または
トップレベルのブラウジングコンテキストへのナビゲーションに関する制限
のうちの少なくとも1つを構成することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ウェブブラウザオブジェクトを構成することが、前記ウェブコンテンツの前記ソースアドレスとして設定されることが可能にされるウェブアドレスまたは前記埋め込みウェブブラウザにおいてデータが検索および提示されることができるウェブアドレスを指定するソースホワイトリストを構成することを含む、請求項1から請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
ソースホワイトリストを構成することが、前記プロセスプラントを表す複数のグラフィカル表示ビューのそれぞれに含まれる複数のウェブブラウザオブジェクトのそれぞれに適用されるシステムソースホワイトリストを構成することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ソースホワイトリストを構成することが、前記ウェブブラウザオブジェクトに適用されるローカルソースホワイトリストを構成することを含む、請求項4または請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ウェブブラウザオブジェクトを構成することが、前記グラフィカル構成アプリケーションによって提示されるユーザコントロールを介して、前記埋め込みウェブブラウザ内で前記ウェブコンテンツをナビゲートするツールバーを含むかどうかを選択することを含む、請求項1から請求項6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記ウェブブラウザオブジェクトを構成することが、前記グラフィカル表示ビュー内で前記ウェブブラウザオブジェクトのサイズおよび位置を構成することを含む、請求項1から請求項7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
プロセスプラントのグラフィカル表示ビューにおいて埋め込みウェブブラウザを提示する方法であって、
プロセスプラントの動作環境に含まれるユーザインターフェース装置において、グラフィカル表示ビューの一部内でウェブコンテンツを埋め込みウェブブラウザに提示するためにウェブブラウザオブジェクトのインスタンスを受信することであって、
前記ウェブブラウザオブジェクトの前記インスタンスが、前記ウェブコンテンツを提示するソースアドレスを含み、且つ
前記ウェブブラウザオブジェクトの前記インスタンスは、1つ以上の提示パラメータを有するものであり
前記プロセスプラントのランタイム中に前記ユーザインターフェース装置において、
(i)前記グラフィカル表示ビューの第1の部分内に提示され、前記1つ以上の提示パラメータにしたがって提示される前記ソースアドレスからの前記ウェブコンテンツを有する前記埋め込みウェブブラウザ、および
(ii)前記グラフィカル表示ビューの第2の部分内に提示され、前記プロセスプラントの制御モジュール、機能ブロック、プロセスプラントエンティティ、またはプロセスセクションのうちの少なくとも1つを含む1つ以上のプロセス制御要素の表示を含む前記グラフィカル表示ビューを提示することと
を備える方法。
【請求項10】
前記ウェブブラウザオブジェクトのインスタンスを受信することが、前記ウェブコンテンツの前記ソースアドレスとして設定されることが可能にされるウェブアドレスまたは前記埋め込みウェブブラウザにおいてデータが検索および提示されることができるウェブアドレスを指定するソースホワイトリストを示す1つ以上の提示パラメータのうちの提示パラメータを有する前記ウェブブラウザオブジェクトの前記インスタンスを受信することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ソースホワイトリストが、前記ウェブブラウザオブジェクトの構成中に構成されるローカルソースホワイトリストと、前記プロセスプラントを表す複数のグラフィカル表示ビューのそれぞれに含まれる複数のウェブブラウザオブジェクトのそれぞれに対して構成されるシステムソースホワイトリストとを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記埋め込みウェブブラウザ内のユーザコントロールを介して前記ユーザインターフェース装置において、前記ソースアドレス以外の他のウェブアドレスにナビゲーションする要求を受信することと、
前記他のウェブアドレスを、前記システムソースホワイトリストに含まれる1つ以上のウェブアドレスと比較することと、
前記他のウェブアドレスが前記システムソースホワイトリストに含まれていると判定したのに応答して、前記他のウェブアドレスからのウェブコンテンツを前記埋め込みウェブブラウザに提示することと
をさらに備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記他のウェブアドレスが前記システムソースホワイトリストに含まれていないと判定したのに応答して、前記他のウェブアドレスからのウェブコンテンツを前記埋め込みウェブブラウザに提示しないこと
をさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ウェブブラウザオブジェクトのインスタンスを受信することが、ランタイム実行中に提示される前記ウェブコンテンツに対する1つ以上の制限を示す1つ以上の提示パラメータのうちの提示パラメータを有する前記ウェブブラウザオブジェクトの前記インスタンスを受信することを含み、
前記1つ以上の提示パラメータにしたがって前記ソースアドレスからの前記ウェブコンテンツを有する前記埋め込みウェブブラウザを含む前記グラフィカル表示ビューを提示することが、前記ウェブコンテンツに対する1つ以上の制限を有する前記埋め込みウェブブラウザを含む前記グラフィカル表示ビューを提示することを含む、請求項9から請求項13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記ウェブコンテンツに対する前記1つ以上の制限が、
前記埋め込みウェブブラウザ内のポップアップの制限、
前記埋め込みウェブブラウザ内でのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)の実行に関する制限、
前記埋め込みウェブブラウザ内でのスクリプトの実行に関する制限、
前記埋め込みウェブブラウザ内でのフォームの送信に関する制限、
前記埋め込みウェブブラウザ内のサーバコンテンツへのアクセスの制限、または
トップレベルのブラウジングコンテキストへのナビゲーションに関する制限
のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
オペレータアプリケーションを介してプロセスプラントのグラフィカル表示ビューに埋め込みウェブブラウザを提示するためにプロセスプラントの動作環境に含まれるユーザインターフェース装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたディスプレイと、
前記プロセッサに結合されたメモリであって、
(i)前記グラフィカル表示ビューの一部で、ソースアドレスからのウェブコンテンツを埋め込みウェブブラウザに提示するように構成されたウェブブラウザオブジェクトのインスタンスであって、前記ウェブブラウザオブジェクトの前記インスタンスが1つ以上の提示パラメータを有するインスタンスと、
(ii)ランタイム中に前記プロセッサによって実行されると、オペレータアプリケーションに、
[i]前記プロセスプラントの制御モジュール、機能ブロック、プロセスプラントエンティティ、またはプロセスセクションの少なくとも1つを含む1つ以上のプロセス制御要素が、前記グラフィカル表示ビューの第1の部分内に、提示される表示、および[ii]前記1つ以上の提示パラメータにしたがって提示された前記ソースアドレスからの前記ウェブコンテンツを有する前記埋め込みウェブブラウザが、前記グラフィカル表示ビューの第2の部分内に、提示される表示、を含む前記グラフィカル表示ビューを提示させる
コンピュータ実行可能命令と、
を記憶するメモリと
を備える、ユーザインターフェース装置。
【請求項17】
前記1つ以上の提示パラメータが、前記ウェブコンテンツの前記ソースアドレスとして設定されることが可能にされるウェブアドレスまたはデータが前記埋め込みウェブブラウザにおいて検索および提示されることができるウェブアドレスを指定するソースホワイトリストを示す提示パラメータを含む、請求項16に記載のユーザインターフェース装置。
【請求項18】
前記命令が、さらに、前記オペレータアプリケーションに、
前記埋め込みウェブブラウザ内のユーザコントロールを介して、前記ソースアドレス以外の他のウェブアドレスにナビゲーションする要求を受信させ、
前記他のウェブアドレスを前記ソースホワイトリストに含まれる1つ以上のウェブアドレスと比較させ、
前記他のウェブアドレスが前記ソースホワイトリストに含まれていると判定したのに応答して、前記埋め込みウェブブラウザに前記他のウェブアドレスからのウェブコンテンツを提示させる、
請求項17に記載のユーザインターフェース装置。
【請求項19】
前記1つ以上の提示パラメータが、ランタイム実行中に提示される前記ウェブコンテンツに対する1つ以上の制限を示す提示パラメータを含む、請求項16から請求項18のいずれかに記載のユーザインターフェース装置。
【請求項20】
前記ウェブコンテンツに対する前記1つ以上の制限が、
前記埋め込みウェブブラウザ内のポップアップの制限、
前記埋め込みウェブブラウザ内でのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)の実行に関する制限、
前記埋め込みウェブブラウザ内でのスクリプトの実行に関する制限、
前記埋め込みウェブブラウザ内でのフォームの送信に関する制限、
前記埋め込みウェブブラウザ内のサーバコンテンツへのアクセスの制限、または
トップレベルのブラウジングコンテキストへのナビゲーションに関する制限
のうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載のユーザインターフェース装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、プロセス制御システムに関し、より具体的には、オンラインの産業プロセスプラント内のリアルタイム条件およびその動作を表示して応答するためにオペレータによって利用されるグラフィックスを構成するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
分散プロセス制御システムは、化学、医薬品、石油、オイルおよびガス、金属および鉱業、パルプおよび紙、または他の種類の産業プロセスプラントにおいて使用され、1つ以上の産業プロセスを制御することによって原料および/または他の種類の原料物質から1つ以上の物理的製品を生成または生産する。そのため、分散プロセス制御システムは、通常、1つ以上のプロセスコントローラと、アナログ、デジタルもしくは組み合わせアナログ/デジタルバスを介して、または無線通信リンクもしくはネットワークを介して、少なくとも1つのホストまたはオペレータインターフェース装置および1つ以上のフィールド装置に通信可能に接続された入出力(I/O)装置とを含む。例えば、バルブ、バルブポジショナ、スイッチ、およびトランスミッタ(例えば、温度、圧力、レベルおよび流量センサ)とすることができるフィールド装置は、プロセス環境内に配置され、一般に、プロセスプラントまたはシステム内で実行される1つ以上の産業プロセスを制御するために、バルブの開閉、またはプロセスパラメータの測定などの物理的またはプロセス制御機能を実行する。周知のフィールドバスプロトコルに準拠したフィールド装置などのスマートフィールド装置はまた、制御計算、アラーム機能、およびコントローラ内で一般に実装される他の制御機能も実行することができる。通常はプラント環境内にも配置されるプロセスコントローラは、センサまたはフィールド装置によって行われるプロセス測定を示す信号および/またはフィールド装置に関連する他の情報を受信し、例えば、プロセス制御決定を行い、受信した情報に基づいて制御信号を生成し、HART(登録商標)、WirelessHART(登録商標)、およびFOUNDATION(登録商標)フィールドバスフィールド装置などのフィールド装置において実行される制御モジュールまたはブロックと調整する異なる制御モジュールを実行するコントローラアプリケーションを実行する。コントローラ内の制御モジュールは、通信線またはリンクを介してフィールド装置に制御信号を送信し、それによってプロセスプラントまたはシステムの少なくとも一部の動作を制御する。
【0003】
フィールド装置およびコントローラからの情報は、通常、常にではないが、通常は過酷なプラント環境から離れた制御室または他の場所に配置されるオペレータインターフェース、パーソナルコンピュータ、またはコンピューティング装置、データヒストリアン、レポートジェネレータ、集中データベース、または他の集中管理コンピューティング装置などのデータハイウェイを介して1つ以上の他のハードウェア装置に対して利用可能とされる。これらの各ハードウェア装置は、常にではないが、通常はプロセスプラント全体またはプロセスプラントの一部にわたって集中化される。これらのハードウェア装置は、例えば、オペレータがプラント内で実行されるプロセスの現在の状態および動作を表示したり、プロセス制御ルーチンの設定の変更、コントローラまたはフィールド装置内の制御モジュールの動作の変更、フィールド装置およびコントローラによって生成されたアラームの表示、担当者のトレーニングまたはプロセス制御ソフトウェアのテストを目的としたプロセスの動作のシミュレーション、構成データベースの保持および更新などのプロセスの制御および/またはプロセスプラントの動作に関する機能を実行したりすることを可能にするアプリケーションを実行する。ハードウェア装置、コントローラ、およびフィールド装置によって利用されるデータハイウェイは、有線通信パス、無線通信パス、または有線通信パスおよび無線通信パスの組み合わせを含むことができる。
【0004】
一例として、Emersonによって販売されるDeltaV(商標)制御システムは、プロセスプラント内の様々な場所、場合によってはプロセスプラントから離れた場所にある異なるユーザインターフェース装置内に記憶および実行される複数のアプリケーションを含む。これらの各アプリケーションは、ユーザ(例えば、構成エンジニア、オペレータ、保守技術者など)がプロセスプラントの動作および構成の態様を表示および/または変更することを可能にするユーザインターフェース(UI)を提供する。この明細書全体で、「ユーザインターフェース」または「UI」という語句は、ユーザがプロセスプラントの構成、動作、またはステータスを表示または変更することを可能にするアプリケーションまたは画面を指すために使用される。同様に、「ユーザインターフェース装置」または「UI装置」という語句は、その装置が固定型であるか(例えば、ワークステーション、壁掛けディスプレイ、プロセス制御装置ディスプレイなど)または携帯型であるか(例えば、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォンなど)にかかわらず、ユーザインターフェースが動作している装置を指すために本明細書において使用される。
【0005】
プロセスプラントの構成環境に含まれる1つ以上のユーザワークステーションまたはコンピューティング装置に存在する構成アプリケーションは、プロセスプラントの動作環境(本明細書ではプロセスプラントの「動作環境」とも互換可能に呼ばれる)において動作し、ランタイムまたはリアルタイム動作中に1つ以上のプロセスを制御する専用分散コントローラへのデータハイウェイを介して、構成エンジニアおよび/または他の種類のユーザがプロセス制御モジュールを作成または変更し、且つこれらのプロセス制御モジュールをダウンロードすることを可能にする。通常、これらの制御モジュールは、入力に基づいて制御スキーム内の機能を実行し且つ制御スキーム内の他の機能ブロックに出力を提供する通信可能に相互接続された機能ブロックから構成される。各専用コントローラと、場合によっては1つ以上のフィールド装置は、割り当てられてダウンロードされた制御モジュールを実行して実際のプロセス制御機能を実装する各コントローラアプリケーションを記憶および実行する。
【0006】
構成アプリケーションはまた、構成エンジニアおよび/または他のユーザが、オペレータのヒューマン-マシンインターフェース(HMI)または(例えば、プロセスプラントのランタイム動作作中にデータがリアルタイムで生成されるとき)データをオペレータに表示するためにアプリケーションを表示するオペレータによって使用される表示ビューを作成または変更したり、ランタイム動作中にプロセス制御ルーチン内でオペレータが設定点などの様々な設定を変更することができることを可能にする。オペレータHMIまたは表示ビューを提供するオペレータ表示アプリケーションは、プロセスプラントの動作環境に含まれる1つ以上のユーザインターフェース装置(例えば、オペレータワークステーション、オペレータタブレット、オペレータモバイル装置など)で(またはオペレータワークステーションおよびデータハイウェイと通信接続している1つ以上のリモートコンピューティング装置で)実行される。オペレータHMIまたは表示ビューは、データハイウェイを介してコントローラアプリケーションからデータを受信し、このデータをユーザインターフェース装置のUIを使用してオペレータまたは他のユーザに表示する。同様に、オペレータHMIまたは表示ビューはまた、コントローラ、プロセスコントローラ、フィールド装置、I/Oカードまたは装置、他の種類のハードウェア装置、ユニット、エリアなど、制御モジュール以外のプロセスプラントの動作環境に含まれる他の制御コンポーネントまたは要素からデータ(例えば、リアルタイムデータなど)を受信することもできる。データヒストリアンアプリケーションは、通常、データハイウェイにわたって提供されるデータの一部または全てを収集して記憶するデータヒストリアン装置に記憶されて実行されるが、構成データベースアプリケーションは、データハイウェイに接続されたさらに他のコンピュータで実行して現在のプロセス制御ルーチン構成、現在のオペレータディスプレイ構成、およびそれに関連するデータを記憶することができる。あるいは、構成データベースは、構成アプリケーションと同じワークステーションに配置されることもできる。
【0007】
上述したように、オペレータ表示アプリケーションは、通常、1つ以上のオペレータユーザインターフェース装置で実行され、例えば、1つ以上の産業プロセスを制御するためにプラントがリアルタイムまたはランタイムで動作している間、制御システム、制御コンポーネント、および/またはプラント内の装置の動作状態に関するオペレータHMIまたは表示ビューをオペレータまたは保守担当者に提供する。一般に、オペレータHMIまたは表示ビューは、プロセスプラントで実行されているプロセスの日常動作(例えば、24/7動作とすることができる)においてオペレータによって使用され、プロセスおよび/またはプロセスプラント内のリアルタイムの状態を表示して応答する。これらのオペレータHMIまたは表示ビューの少なくとも一部は、例えば、プロセスプラント内のコントローラまたは装置によって生成されたアラームを受信するアラームディスプレイ、プロセスプラント内のコントローラおよび他の装置の動作状態を示すコントロールディスプレイ、プロセスプラント内の装置の動作状態を示すメンテナンスディスプレイなどの形態をとることができる。表示ビューは、通常、プロセスプラントのランタイムまたはリアルタイムの動作環境で実行され、一般に、既知の方法で、プロセス制御モジュール、装置、および/またはプロセスプラントのランタイムまたはリアルタイム動作環境内でも動作している他の制御オブジェクトから受信した情報またはデータを表示するように構成される。いくつかの既知のシステムでは、表示ビューは、動作環境に含まれる物理的または論理的要素に関連付けられ且つ物理的または論理的要素に通信可能に結びつけられて物理的または論理的要素に関するデータを受信し、例えばプロセスプラントのランタイム動作中などに時間の経過とともに更新されるグラフィカル要素(例えば、グラフィカル表現またはグラフィック)を有する。グラフィカル要素は、受信したデータに基づいて表示画面上の外観を動的に変更し、例えばタンクが半分満たされていることを示したり、流量センサによって測定された流量を示したりするなどのように構成または定義されることができる。そのため、プロセスプラントの動作環境内の物理的または論理的要素によって提供されるデータが時間の経過とともに変化する(例えば、時間の経過とともに繰り返しまたは継続的に更新される)ため、それに応じて、対応するグラフィカル要素の外観は、表示画面上で変化する。
【0008】
産業用プロセス制御システムの現在知られている一部のオペレータディスプレイ構成アーキテクチャでは、各オペレータワークステーションは、独自にアラームを管理し、プロセス制御モジュール、装置、および/または他の制御オブジェクトによって生成されるリアルタイム制御データにアクセスする。そのため、特定のオペレータワークステーションのオペレータHMIまたは表示ビューをカスタマイズするには、ランタイム表示ビューに表示される様々な表示ビュー要素(例えば、グラフィカルおよび他の種類の要素)のカスタムグラフィカルプロパティ、値、および/または構成が定義され、グラフィカル構成環境内の表示ビューに関連付けられ、表示ビューの定義または構成は、実行のために構成環境から動作環境の特定のオペレータワークステーションにダウンロードされる。多くの場合、カスタムスクリプトは、様々な表示ビュー要素および/または表示ビュー自体の所望の挙動および/または外観が特定のオペレータワークステーションで実行されるように、表示ビューの構成にプログラムされる。さらに、特定のオペレータワークステーションの表示ビューの外観または挙動が変更または変化することが望まれる場合、通常、グラフィカル構成環境で表示ビューの構成に変更を適用する必要があり、その後、変更した構成を特定のオペレータワークステーションで実行するための構成環境からダウンロードする必要がある。ほとんどの場合、これは、変更された表示ビュー構成を特定のオペレータワークステーションにおいて受信して実行するために、特定のオペレータワークステーションが現在の表示ビューの実行を停止することを必要とする。
【0009】
他の現在知られている産業用プロセス制御システムのオペレータディスプレイ構成アーキテクチャでは、表示ビューの共通構成がグラフィカル構成環境から複数のオペレータワークステーションにダウンロードされる。ただし、特定のオペレータワークステーションで表示ビューの特定のカスタマイズされた外観および/または挙動を実現するには、ランタイム中に、表示ビューが実行されている特定のオペレータワークステーションが、特定のオペレータワークステーションでの表示ビューの所望のカスタマイズされた外観および/または挙動を実現または実装するように、必要な情報(様々なグラフィックスの特定の構成、ランタイム値、および/または他の情報など)を取得するためにグラフィカル構成環境に照会するか、その他の方法で通信する必要がある。現代のプロセスプラントは、何百ものオペレータワークステーションを含む場合があるため、オペレータワークステーションとバックエンドディスプレイ構成サーバ間で送受信されるメッセージは、プロセスプラント通信ネットワークに大きな負荷を加える。
【0010】
最近、研究、コラボレーション、ヒューマンファクタエンジニアリングを通じて産業プロセス制御の動作環境における人間の能力と制限に対処する研究コンソーシアムであるオペレータ性能センター(COP)、および国際自動化協会(ISA)は、例えば、ヒューマン集中化デザイン(HCD)の改善およびガイドラインを提案することにより、産業プロセス制御システムヒューマンマシンインターフェース(HMI)およびそれらの使いやすさを向上させるのを支援するために取り組んでいる。例えば、2015年7月9日に承認された「プロセスオートメーションシステム用のヒューマンマシンインターフェース」というタイトルの米国国家規格ANSI/ISA-101.01.-2015は、「HMIライフサイクル全体にわたる複数の作業プロセスを含むプロセス自動化システム用のヒューマンマシンインターフェース(HMI)の哲学、設計、実装、運用、および保守・・・規格は、開発する用語およびモデル、ライフサイクル全体にわたってHMIを効果的に維持するために推奨される作業プロセスにおけるHMIを定義する」旨に対処する(ANSI/ISA-101.01-2015、9ページ)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように、一般に、オペレータのヒューマン-マシンインターフェース(HMI)または表示ビューは、プロセスのランタイム動作中にオペレータによって使用され、プロセスおよび/またはプロセスプラント内の状態を表示および応答する。プロセスを安全且つ効果的に運用し、様々なプロセスおよびプロセスプラントの状態を検出して応答するプロセスプラントオペレータの有効性は、多くの場合、オペレータHMIまたは表示ビューがどのように設計されているかに依存する(例えば、構成エンジニアまたは他のオペレータHMI設計者による)。しかしながら、産業プロセスプラントの動作方法における最近の変更は、オペレータHMIの設計に大きな影響を与える。例えば、プロセス制御産業における継続的な競争圧力は、単一のオペレータが担当するプロセスの一部のスパンの大幅な拡張をもたらした。この拡張により、単一のオペレータがプロセスを安全且つ効率的に実行するために監視および利用しなければならないプロセスグラフィックスの数が数倍に増加した。実際、現在のプロセスプラントでは、オペレータは、一般に数百のプロセスグラフィックスをナビゲートすることが期待されている。さらに、プラント機器のインテリジェンスの増加やプロセス制御産業における自動化された高度な制御ロジックなどの傾向は、単一のオペレータが担当するプロセスの部分の複雑さのレベルの大幅な増加をもたらした。
【0012】
さらに、単一のオペレータによって利用される作業スペースは、様々なサイズの1つから多数のコンソールまたはモニタを含むことがある。多くの場合、モニタおよび/またはコンソールの数およびサイズは、オペレータによって監視されるプロセスの部分のサイズおよび複雑さによって決まる。さらに、オペレータの作業スペースが複数のモニタを含む場合、各モニタは、通常、各モニタのそれぞれのモニタサイズ、場所、および監視対象プロセスの一部に対して定義されたカスタムレイアウトを有する。例えば、カスタムレイアウトは、どのディスプレイがどのモニタで開くべきか、異なるモニタのディスプレイが相互にどのように相互作用するかなどを定義する。
【0013】
さらに、2つのプロセスプラントやプラント内の動作セクションは同じではないため、実際には、各プロセスプラントは、多くの場合、効果的な動作のために独自のカスタム動作哲学、グラフィック、および/またはグラフィカル標準を開発および設計する。したがって、オペレータのHMIグラフィックス、戦略、設計、レイアウト、ナビゲーション、および/またはオペレータのアクションは、かなりの程度まで、異なる動作セクションおよび/または異なるプロセスプラント向けにカスタム構築することができる。
【0014】
これらの要因や他の要因は、構成エンジニアのHMIを動作する設計の作業をさらに困難にした。多くの場合、構成エンジニアは、特定の動作セクションおよび/またはプラントの様々な機能をカスタマイズまたはみがきをかけるために、オペレータHMIの複雑なプログラム拡張を作成する必要がある。通常、構成エンジニアは、Visual BasicまたはCなどのプログラミング言語、および/または他のカスタムプログラムを利用して、所望のオペレータHMIを作成する必要がある。これは、開発、拡張、トラブルシューティング、および保守を困難にして時間がかかる複雑なオペレータHMIスイートをもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本明細書に開示された新規のグラフィカルディスプレイ構成ならびに使用システムおよび方法の少なくともいくつかの態様は、これらのおよび他の現在のHMIの課題に対処するとともに、柔軟で使いやすく、保守しやすいだけでなく、エンジニアがプロセスプラントの動作環境HMIを現在のプロセス自動化HMI規格および最良の実施に照らして設計および実装するのにも役立つ、産業プロセス制御HMIの設計および使用のためのプラットフォームを提供する。
【0016】
一実施形態では、産業プロセスプラントのグラフィカルディスプレイ構成および使用システム(本明細書では「グラフィカル構成システム」または「グラフィカル構成および使用システム」とも互換可能に呼ばれる)は、プロセスプラントの構成環境で実行されるグラフィカルディスプレイ構成アプリケーションを含む。グラフィカルディスプレイ構成アプリケーションは、様々なオペレータHMIまたは表示ビューが、例えば構成エンジニアによって作成、定義、設計、および/または公開されることができるユーザインターフェースを含む。構成または定義された表示ビューは、プロセスプラントの動作または動作環境においてダウンロードされて実行されると、プロセスに関連付けられる様々なコンポーネントおよび動作のリアルタイム(例えば、継続的または繰り返し更新される)の動作状態およびステータスをオペレータまたは他のユーザに提供する。そのため、表示ビューは、通常、プロセスプラントの動作環境に通信可能に接続されているユーザインターフェース装置(例えば、オペレータワークステーション、リモートコンピューティング装置、モバイル装置など)において表示ビューの公開された構成をダウンロードおよび実行すると、プロセスプラントの動作環境で実行中に1つ以上の制御モジュール、装置、または制御オブジェクトによって提供または生成される1つ以上の値または他のデータのそれぞれの表示が表示され、例えばリンクされた表示ビュー要素を介して実行中の表示ビューにおいて繰り返し更新されるように、表示ビューに表示される1つ以上の表示ビュー要素と、プロセスプラントの動作環境内でプロセスを制御するために実行されている1つ以上の制御モジュール、装置、または制御オブジェクトとの間のそれぞれのリンクを含む。
【0017】
グラフィカルディスプレイ構成システムはまた、表示ビューの公開された構成または定義、および様々な表示ビューに含まれるかまたはその他の方法で関連付けられるように利用可能とされる表示ビュー要素の公開された構成または定義を記憶する集中構成データベースまたはライブラリも含む。いくつかの実施形態では、集中構成データベースまたはライブラリはまた、表示ビューおよび/または表示ビュー要素のドラフト構成または定義も記憶する。表示ビュー要素の例は、グラフィックス、プロパティ、制御モジュール、装置、オブジェクトへのリンク、および/または動作環境に配置される他の制御コンポーネントまたは要素、グローバル変数、パラメータ、表示ビューの領域またはサブセクション、および/または他の要素および/または表示ビューの一部を含む。一例では、特定の表示ビューについて、集中構成データベースまたはライブラリは、特定の表示ビューの公開された構成と、必要に応じて特定の表示ビューの1つ以上の作業またはドラフト構成とを記憶する。特定の表示ビューの公開された構成は、実行中の表示ビューに表示される様々な表示ビュー要素の1つ以上の公開された構成を含むことがあり、公開された表示ビュー構成は、プロセスプラントの動作環境においてダウンロードおよび実行するために利用可能である。一方、特定の表示ビューの1つ以上の作業構成またはドラフト構成は、プロセスプラントの動作環境でのダウンロードおよび実行から除外される。すなわち、表示ビューおよび表示ビュー要素の作業またはドラフト構成は、プロセスの動作環境でダウンロードおよび実行されることを防止され、代わりに、例えば編集、修正、テストなどのために構成環境内で維持される。
【0018】
特定の表示ビューの公開された構成または定義は、プロセスプラントの動作環境に含まれるユーザインターフェース装置のオペレータまたはユーザがランタイム動作中にオンラインでそれぞれのユーザインターフェース装置において実行中の表示ビューの外観を変更できる1つ以上のユーザコントロールを含む。例えば、オペレータは、それぞれのユーザインターフェース装置の1つ以上のユーザコントロールを介して、グラフィックの外観、グラフィックのプロパティ、表示ビューの領域、プロパティ、および/または表示ビューの領域のコンテンツ、表示ビュー上のグラフィックの位置、制御モジュール、装置、または表示される制御オブジェクトから供給される特定のデータ、および/または実行中の表示ビューの要素、領域、または部分の他の外観を変更することができる。重要なことに、グラフィックス構成システムは、オペレータワークステーションで実行されている表示ビューの公開された構成または定義の内容にのみ基づいて、オペレータワークステーションにおいて実装されるべき動作環境において実行中の表示ビューの外観をオペレータワークステーションで変更することを可能にする。すなわち、ダウンロードされて公開された表示ビューの構成は、オペレータが表示ビューの実行を停止することなく、表示ビューの異なる構成をダウンロードする必要がなく、且つ表示ビューおよび/またはオペレータワークステーションが構成環境からデータを取得して所望の変更を実装する必要がなく、表示ビューが動作環境においてオンラインで実行されているときに、オペレータのワークステーションで表示ビューの外観をカスタマイズまたは変更することを可能にする。
【0019】
したがって、特定の表示ビューの公開された構成または定義が、プロセスプラントの動作環境に含まれる複数のユーザインターフェース装置またはオペレータワークステーションにダウンロードされると、各オペレータまたはユーザは、ワークステーションがグラフィカルディスプレイ構成アプリケーションおよび構成ライブラリと通信することなく、ワークステーションにおいて他のオペレータやユーザとは独立して実行されている表示ビューのインスタンスのローカル外観をカスタマイズまたは変更することができる。オペレータが開始した変更またはカスタマイズの一部は、特定のワークステーションで相互に排他的な方法で実装されることができ、例えば、グラフィックの充填プロパティは、グレーおよびブルーの双方ではなくグレーまたはブルーのいずれかであるようにオペレータによって選択される。オペレータが表示ビューに含まれるアクティブモニタまたはウォッチウィンドウをアクティブに(且つ簡単に)監視したい特定の制御要素を示すグラフィックスをドラッグアンドドロップした場合など、一部の変更は、特定のワークステーションで相互に排他的でないことがある(例えば、変更は、累積的にまたは独立して適用されることがある)。
【0020】
一実施形態では、プロセスプラントのランタイムまたはリアルタイムオペレーション用のグラフィカルディスプレイを構成する方法は、プロセスプラントの構成環境で実行されるグラフィカルディスプレイ構成アプリケーションのユーザインターフェースを介して、表示ビューの定義を受信することを含む。表示ビューは、通常、例えば、コントローラ、プロセスコントローラ、フィールド装置、I/Oカードまたは装置、他の種類のハードウェア装置、ユニット、エリアなど、プロセスの少なくとも一部を制御するために、プロセスプラントの動作環境で実行または動作するそれぞれの制御モジュール、装置、および/または他の制御コンポーネント(本明細書では制御要素または制御オブジェクトとも互換可能に呼ばれる)を表す様々なグラフィカル要素を含む。したがって、表示ビューの定義は、プロセスプラントの動作環境において表示ビューをダウンロードおよび実行すると、プロセスを制御するためにプロセスプラントの動作環境で実行中に制御コンポーネントまたは制御オブジェクトによって生成される1つ以上の値または他のデータが、リンクされたグラフィック要素を介して実行中の表示ビューで繰り返し表示および更新されるように、表示ビューに表示されるグラフィック要素と制御コンポーネントまたはオブジェクトとの間のリンクを定義する。グラフィカル要素は、例えば、特定の制御モジュール、装置、または他の制御コンポーネントもしくはオブジェクトを示すまたは表すグラフィックとすることができる。
【0021】
さらに、通常、表示ビューの定義は、いくつか例を挙げると、グラフィックス、テキスト、グラフィックスおよび/またはテキストのプロパティ(例えば、色、コントラスト、アニメーションなど)、グローバル変数、パラメータ、表示ビューの異なる領域、表示ビューの異なる領域のそれぞれのプロパティおよび/またはコンテンツ、様々なグラフィックスの異なる場所、テキスト、および/または表示ビュー上の領域、および/または制御モジュール、装置、および/または他の制御オブジェクトによって供給される特定の動作データ、および表示ビュー上のそれぞれのグラフィックスまたは他の要素へのそれらのリンクなど、表示ビューに含まれるおよび/または表示ビューにその他の方法で関連付けられている様々な他のグラフィカル部分、要素、またはコンポーネント(および/またはそれらの組み合わせ)のそれぞれの定義を含む。表示ビューに含まれるおよび/またはその他の方法で表示ビューに関連付けられることができる他のそのようなグラフィカル部分、要素、および/またはコンポーネントは、例えば、表示ビュー階層、表示ビューレイアウト、タイマ、埋め込みリンク、アニメーション変換機能、データ参照、プロジェクトまたはプラント規格、表示テーマ、コンテンツ言語および/またはその表示、アプリケーション言語および/またはその表示、表示ビューのタブ領域、ツールチップおよび/または他のコンテキスト表示、トレンドおよび他の履歴パラメータの表示、監視またはアクティブ監視領域、および/または他の機能、態様、および/または本明細書で説明する本グラフィカル構成および使用システムおよび方法によって提供される機能を含むことができる。表示ビューに含まれるおよび/またはその他の方法で関連付けられることができるさらに他のグラフィカル部分、要素、および/またはコンポーネントは、カスタムおよび/またはデフォルトのグラフィック要素モジュール(GEM)構成(例えば、2017年8月31日に出願された「オーバーライド付きの派生およびリンクされた定義」というタイトルの共有された米国特許出願第15/692,450号に記載されているような)を含むことができ、および/またはオペレータ表示スイッチングプレビュー構成および/またはそれに関連付けられたオブジェクト(例えば、2016年8月22日に出願された「オペレータ表示スイッチングプレビュー」というタイトルの共有された米国特許出願第15,243,176号に記載されているような)を含むことができる。
【0022】
いずれにせよ、本明細書を読みやすくするために、表示ビューに含まれるまたは表示ビューにその他の方法で関連付けられるそのようなグラフィカル部分、要素、またはコンポーネント(およびそれらの組み合わせ)は、本明細書では一般に「グラフィカル表示ビュー要素」、「グラフィカル要素」、「グラフィカルコンポーネント」、「表示ビュー要素」、「表示要素」、または「表示ビューコンポーネント」と互換可能に呼ばれる。通常、各表示ビュー要素は、独自の個別のオブジェクトを使用して定義または構成されることができ、オブジェクトは、本明細書で説明するグラフィカル構成および使用システムおよび方法によって作成、変更、記憶、および公開されることができる。
【0023】
表示ビュー要素の定義のいくつかは、相互に排他的なオプションを定義することができ、例えば、表示ビュー全体のカラーテーマは、定義された様々なカラーテーマ間でオペレータによって選択的に変更されることができ、または表示ビューで使用される言語は、オペレータによってアラビア語とフランス語との間で切り替えられる。表示ビュー要素の定義の一部は、オペレータが表示ビューに含まれるアクティブモニタまたはウォッチウィンドウをアクティブに(且つ簡単に)監視したい特定のコントロール要素を示すグラフィックをドラッグアンドドロップした場合など、相互に排他的ではないことがある。
【0024】
実行中の表示ビューの特定の部分に適用するために相互に排他的な方法で動作環境において選択可能な複数のプロパティを定義する表示ビューの構成または定義に特に関して、本方法は、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーションのユーザインターフェースを介して、プロセスプラントの動作環境に含まれ且つ表示ビュー定義の各インスタンスが実行のためにダウンロードされることになる複数のユーザインターフェース装置(例えば、オペレータワークステーション)のサブセットの選択の表示を受信することを含む。ユーザインターフェース装置の選択されたサブセットには、必要に応じて複数のユーザインターフェース装置を含むことができる。本方法は、さらに、プロセスプラントの動作環境において実行するためにユーザインターフェース装置の選択されたサブセットに含まれる各ユーザインターフェース装置に表示ビューの定義(公開された定義とすることができる)をダウンロードし、それにより、実行表示ビューの特定の部分が各ユーザインターフェース装置で独立して複数のプロパティ間で相互に排他的な方法で選択的に変更されることができることを含む。したがって、各ユーザインターフェース装置は、プロセスプラントの構成環境に含まれる任意の他の装置と通信して変更を実行または実装することなく、ユーザインターフェース装置で実行される表示ビューのダウンロードされた定義の内容のみに基づいて、それぞれの変更を実装する。したがって、第1のオペレータは、自己のワークステーションの表示ビューに含まれる特定のグラフィックの特定のプロパティに対して「点滅」を選択し、他のオペレータは、自己のワークステーションの表示ビューに含まれる特定のグラフィックの特定のプロパティに対して「点滅なし」を選択することができる。両方の選択は、ワークステーションで表示ビューの実行を停止することなく、ワークステーションに表示ビューの異なる構成をダウンロードする必要なく、および表示ビューおよび/またはオペレータワークステーションが構成環境からデータまたは他の情報を取得して所望の変更を実装することなく、ワークステーションで実行される表示ビューのダウンロードされたそれぞれの定義によって完全にサポートおよび実装されるのみである。
【0025】
本明細書の開示は、グラフィカル表示ビューおよびグラフィカル表示ビュー要素に言及しているが、これは、説明および議論を容易にする目的のみのためであり、限定することを意図していないことに留意されたい。実際、グラフィカル表示ビューに関して本明細書で説明する態様のいずれか1つ以上は、例えば、グラフィカル要素モジュール(GEM)クラスに容易に適用することができる。同様に、グラフィカル表示ビュー要素に関して本明細書で説明する態様のいずれか1つ以上は、例えば、GEMに容易に適用することができる。よく知られているように、GEMは、再利用可能であり且つ他の形状および/または挙動と組み合わせることができるグラフィカルに構成可能な形状にリンクされる。通常、GEMは、構成可能な形状の1つ以上の視覚的表現またはビューを提供し、GEMの定義または構成は、特定の表示ビューおよび他のオブジェクトにおいてそのGEMの使用法/インスタンスの定義または構成とは別に記憶される(例えば、GEMの定義/構成を共有することができるように)。したがって、本明細書で説明されるグラフィカル構成システムおよび方法、ならびにその任意の1つ以上の態様は、GEMおよびGEMクラスに容易に適用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A図1Aは、本開示のグラフィックス構成および使用システムおよび方法を含むプロセスプラント内に配置された分散プロセス制御ネットワークのブロック図である。
図1B図1Bは、図1Aに概略的に示される例示的なユーザインターフェース装置のブロック図である。
図2A図2Aは、図1Aのプロセスプラントなどのプロセスプラントの構成環境および動作環境におけるグラフィカルディスプレイ構成および使用システムの例示的な実装のブロック図である。
図2B図2Bは、図2Aのシステムのグラフィカル構成および使用に含まれるグラフィカル構成ライブラリの例示的な実装のブロック図である。
図2C図2Cは、図2Aのグラフィカル構成および使用システムを使用した表示ビューの進行中の構成の時間における例示的なスナップショットのブロック図を示している。
図3A図3Aは、グラフィックスを定義するためのグラフィカルディスプレイ構成アプリケーションの例示的な図およびグラフィカルディスプレイ構成アプリケーションからの定義にしたがってグラフィックスを提示するためのオペレータアプリケーションの例示的な図である。
図3B図3Bは、グラフィックスを定義するためのグラフィカルディスプレイ構成アプリケーションの例示的な詳細図である。
図4図4は、表示ビュー内でウェブブラウザを定義するためのグラフィカルディスプレイ構成アプリケーションの例示的なビューである。
図5図5は、プロセスプラントの表示ビュー内でウェブブラウザを構成するための例示的な方法のフロー図である。
図6図6は、プロセスプラントの表示ビュー内に埋め込まれたウェブブラウザを提示するための例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1Aは、本明細書で説明する新規のグラフィカルディスプレイ構成および使用システムの実施形態を利用することができる且つ/またはプロセス制御システムまたはプロセスプラント10で動作する例示的なプロセス制御ネットワークまたはシステム2のブロック図である。プロセス制御ネットワークまたはシステム2は、様々な他の装置間で直接的にまたは間接的に接続性を提供するネットワークバックボーン5を含むことができる。ネットワークバックボーン5に結合された装置は、様々な実施形態において、1つ以上のアクセスポイント7a、他のプロセスプラントへの1つ以上のゲートウェイ7b(例えば、イントラネットまたは企業ワイドエリアネットワーク経由)、外部システム(インターネットなど)への1つ以上のゲートウェイ7c、固定型(例えば、従来のオペレータワークステーション)またはモバイルコンピューティング装置(例えば、モバイル装置スマートフォン)とすることができる1つ以上のユーザインターフェース(UI)装置8、(例えば、サーバのバンク、クラウドコンピューティングシステム、または他の適切な構成として実装することができる)1つ以上のサーバ12、コントローラ11、入出力(I/O)カード26および28、有線フィールド装置15-22、無線ゲートウェイ35、および無線通信ネットワーク70の組み合わせを含む。通信ネットワーク70は、無線フィールド装置40-46、無線アダプタ52aおよび52b、アクセスポイント55aおよび55b、およびルータ58を含む無線装置40-58を含むことができる。無線アダプタ52aおよび52bは、それぞれ、非無線フィールド装置48および50に接続されてもよい。コントローラ11は、プロセッサ30、メモリ32、および1つ以上の制御ルーチン38を含むことができる。図1Aは、ネットワークバックボーン5に直接的におよび/または通信可能に接続されている装置の一部を1つのみ示しているが、各装置は、ネットワークバックボーン5上に複数のインスタンスを有することができ、実際には、プロセスプラント10が複数のネットワークバックボーン5を含むことができることを理解されたい。
【0028】
UI装置8は、ネットワークバックボーン5を介してコントローラ11および無線ゲートウェイ35に通信可能に接続されてもよい。コントローラ11は、入出力(I/O)カード26および28を介して有線フィールド装置15-22に通信可能に接続されてもよく、ネットワークバックボーン5および無線ゲートウェイ35を介して無線フィールド装置40-46に通信可能に接続されてもよい。コントローラ11は、フィールド装置15-22および40-50の少なくともいくつかを使用してバッチプロセスまたは連続プロセスを実行するように動作することができる。例として、Emersonによって販売されているDeltaVTMコントローラとすることができるコントローラ11は、プロセス制御ネットワークバックボーン5に通信可能に接続される。コントローラ11はまた、例えば、標準の4-20mA装置、I/Oカード26、28、および/またはFOUNDATION(登録商標)フィールドバスプロトコル、HART(登録商標)プロトコル、WirelessHART(登録商標)プロトコルなどの任意のスマート通信プロトコルに関連する任意の所望のハードウェアおよびソフトウェアを使用してフィールド装置15-22および40-50に通信可能に接続されてもよい。図1Aに示す実施形態では、コントローラ11、フィールド装置15-22、48、50およびI/Oカード26、28は、有線装置であり、フィールド装置40-46は、無線フィールド装置である。
【0029】
UI装置8の動作において、UI装置8は、いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース(「UI」)を実行することができ、UI装置8が入力インターフェースを介して入力を受け入れ且つディスプレイに出力を提供することを可能にする。UI装置8は、サーバ12からデータ(例えば、プロセスパラメータ、ログデータ、センサデータ、および/またはキャプチャおよび記憶されることができる任意の他のデータなどのプロセス関連データ)を受信してもよい。他の実施形態では、UIは、サーバ12において全体的または部分的に実行されてもよく、サーバ12は、表示データをUI装置8に送信してもよい。UI装置8は、コントローラ11、無線ゲートウェイ35、および/またはサーバ12などのプロセス制御ネットワークまたはシステム2内の他のノードからバックボーン5を介してUIデータ(表示データおよびプロセスパラメータデータを含むことができる)を受信することができる。UI装置8で受信されたUIデータに基づいて、UI装置8は、プロセス制御ネットワークまたはシステム2に関連付けられたプロセスの態様を表す出力(すなわち、視覚的表現またはグラフィックス、その一部がランタイム中に更新されることができる)を提供し、ユーザがプロセスを監視することを可能にする。ユーザはまた、UI装置8において入力を提供することにより、プロセスの制御に影響を与えることもできる。説明のために、UI装置8は、例えば、タンク充填プロセスを表すグラフィックスを提供することができる。そのようなシナリオでは、ユーザは、タンクレベルの測定値を読み取り、タンクを充填する必要があると判断することができる。ユーザは、UI装置8に表示される入口弁グラフィックと相互作用し、入口弁を開くコマンドを入力することができる。
【0030】
特定の実施形態では、UI装置8は、シンクライアント、ウェブクライアント、またはシッククライアントなどの任意の種類のクライアントを実装してもよい。例えば、UI装置がメモリ、電池電源など(例えば、ウェアラブル装置内)に制限されている場合のように、UI装置8は、UI装置8の動作に必要な処理の大部分を他のノード、コンピュータ、UI装置、またはサーバに依存することができる。そのような例では、UI装置8は、サーバ12または他のUI装置と通信することができ、サーバ12または他のUI装置は、プロセス制御ネットワークまたはシステム2上の1つ以上の他のノード(例えば、サーバ)と通信することができ、表示データおよび/またはプロセスデータを判定してUI装置8に送信することができる。さらにまた、UI装置8は、サーバ12がユーザ入力に関連するデータを処理し、それに応じて動作することができるように、受信したユーザ入力に関連する任意のデータをサーバ12に渡すことができる。換言すれば、UI装置8は、グラフィックスをレンダリングする以上のことはせず、データを記憶してUI装置8の動作に必要なルーチンを実行する1つ以上のノードまたはサーバへのポータルとして機能することができる。シンクライアントUI装置は、UI装置8の最小ハードウェア要件という利点を提供する。
【0031】
他の実施形態では、UI装置8は、ウェブクライアントであってもよい。そのような実施形態では、UI装置8のユーザは、UI装置8においてブラウザを介してプロセス制御システムと相互作用することができる。ブラウザは、ユーザがバックボーン5を介して他のノードまたはサーバ12(サーバ12など)におけるデータおよびリソースにアクセスすることを可能にする。例えば、ブラウザは、サーバ12から表示データまたはプロセスパラメータデータなどのUIデータを受信することができ、ブラウザがプロセスの一部または全部を制御および/または監視するためのグラフィックスを描写することを可能にする。ブラウザはまた、ユーザ入力(グラフィック上のマウスクリックなど)も受信することができる。ユーザ入力は、ブラウザにサーバ12に記憶されている情報リソースを検索またはアクセスさせることができる。例えば、マウスクリックは、ブラウザにクリックされたグラフィックに関する情報を(サーバ12から)検索させて表示させることができる。
【0032】
さらに他の実施形態では、UI装置8の処理の大部分は、UI装置8で行われてもよい。例えば、UI装置8は、前述したUIを実行してもよい。UI装置8はまた、データをローカルに記憶、アクセス、および分析することもできる。
【0033】
動作中、ユーザは、フィールド装置15-22または装置40-50のいずれかなど、プロセス制御ネットワークまたはシステム2内の1つ以上の装置を監視または制御するためにUI装置8と相互作用することができる。ユーザは、例えば、コントローラ11に記憶された制御ルーチンに関連するパラメータを修正または変更するために、UI装置8と相互作用してもよい。コントローラ11のプロセッサ30は、制御ループを含むことができる1つ以上のプロセス制御ルーチン(メモリ32に記憶されている)を実行または監督する。プロセッサ30は、フィールド装置15-22および40-50、およびバックボーン5に通信可能に接続されている他のノードと通信することができる。本明細書で説明する任意の制御ルーチンまたはモジュール(品質予測および障害検出モジュールまたは機能ブロックを含む)の一部は、必要に応じて、異なるコントローラまたは他の装置によって実装または実行できることに留意すべきである。同様に、プロセス制御システム内で実装される本明細書で説明する制御ルーチンまたはモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアなどを含む任意の形態をとってもよい。制御ルーチンは、オブジェクト指向プログラミング、ラダーロジック、シーケンシャルファンクションチャート、機能ブロック図の使用、または他のソフトウェアプログラミング言語もしくは設計パラダイムの使用など、任意の所望のソフトウェアフォーマットで実装することができる。特に、制御ルーチンは、UI装置8を介してユーザによって定義および実装されることができる。制御ルーチンは、コントローラ11のランダムアクセスメモリ(RAM)または読み取り専用メモリ(ROM)などの任意の所望の種類のメモリに記憶されてもよい。同様に、制御ルーチンは、例えば、1つ以上のEPROM、EEPROM、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはコントローラ11のその他のハードウェアもしくはファームウェア要素にハードコードされてもよい。したがって、コントローラ11は、(特定の実施形態ではUI装置8を使用するユーザによって)任意の所望の方法で制御戦略または制御ルーチンを実装(例えば、受信、記憶、および/または実行)するように構成されることができる。
【0034】
UI装置8のいくつかの実施形態では、ユーザは、UI装置8と相互作用して、一般に機能ブロックと呼ばれるものを使用してコントローラ11において制御戦略を定義および実装することができ、ここで、各機能ブロックは、全体的な制御ルーチンのオブジェクトまたは他の部分(例えば、サブルーチン)であり、プロセス制御システム内でプロセス制御ループを実装するために他の機能ブロックと連動して(リンクと呼ばれる通信を介して)動作する。制御ベースの機能ブロックは、通常、送信機、センサ、または他のプロセスパラメータ測定装置に関連付けられたものなどの入力機能、PID、ファジーロジックなどの制御を実行する制御ルーチンに関連付けられているものなどの制御機能、またはバルブなどのいくつかの装置の動作を制御してプロセス制御システム内でいくつかの物理的機能を実行する出力機能のいずれかを実行する。もちろん、ハイブリッドおよび他の種類の機能ブロックが存在する。機能ブロックは、UI装置8において提供されるグラフィカル表現を有することができ、ユーザが機能ブロックの種類、機能ブロック間の接続、およびプロセス制御システムで実装される各機能ブロックに関連付けられた入力/出力を容易に変更することを可能にする。機能ブロックは、通常、これらの機能ブロックが標準の4-20mA装置およびHART装置などのスマートフィールド装置のいくつかの種類に使用される場合または関連付けられる場合、コントローラ11にダウンロードされ、コントローラに記憶され、コントローラによって実行されることができ、または、フィールドバス装置とすることができる場合、フィールド装置自体に記憶されて実装されることができる。コントローラ11は、1つ以上の制御ループを実装することができる1つ以上の制御ルーチン38を含むことができる。各制御ループは、通常、制御モジュールと呼ばれ、1つ以上の機能ブロックを実行することによって実行されることができる。
【0035】
さらに図1Aを参照すると、無線フィールド装置40-46は、WirelessHARTプロトコルなどの無線プロトコルを使用して無線ネットワーク70において通信する。特定の実施形態では、UI装置8は、無線ネットワーク70を使用して無線フィールド装置40-46と通信することができてもよい。そのような無線フィールド装置40-46は、(例えば、無線プロトコルを使用して)無線で通信するようにも構成されるプロセス制御ネットワークまたはシステム2の1つ以上の他のノードと直接通信してもよい。無線で通信するように構成されていない1つ以上の他のノードと通信するために、無線フィールド装置40-46は、バックボーン5に接続された無線ゲートウェイ35を利用してもよい。もちろん、フィールド装置15-22および40-46は、将来開発される任意の標準またはプロトコルを含む任意の有線または無線プロトコルなど、任意の他の所望の標準またはプロトコルに適合することができる。
【0036】
無線ゲートウェイ35は、無線通信ネットワーク70の様々な無線装置またはノード40-46、52-58へのアクセスを提供することができる。特に、無線ゲートウェイ35は、無線装置40-46、52-58とプロセス制御ネットワークまたはシステム2(図1Aのコントローラ11を含む)の他のノードとの間の通信結合を提供する。無線ゲートウェイ35は、場合によっては、実装例では有線および無線プロトコルスタックの1つ以上の共有層のトンネリング中に有線および無線プロトコルスタックの下位層へのルーティング、バッファリング、およびタイミングサービス(例えば、アドレス変換、ルーティング、パケットセグメンテーション、優先順位付けなど)による通信結合を提供する。他の場合では、無線ゲートウェイ35は、プロトコル層を共有しない有線プロトコルと無線プロトコルとの間でコマンドを変換してもよい。
【0037】
有線フィールド装置15-22と同様に、無線ネットワーク70の無線フィールド装置40-46は、プロセスプラント10内で物理的な制御機能、例えば、バルブの開閉またはプロセスパラメータの測定を行うことができる。しかしながら、無線フィールド装置40-46は、ネットワーク70の無線プロトコルを使用して通信するように構成される。したがって、無線フィールド装置40-46、無線ゲートウェイ35、および無線ネットワーク70の他の無線ノード52-58は、無線通信パケットの生成者および消費者である。
【0038】
いくつかのシナリオでは、無線ネットワーク70は、有線装置とすることができる非無線装置48、50を含むことができる。例えば、図1Aのフィールド装置48は、レガシーの4-20mA装置とすることができ、フィールド装置50は、従来の有線HART装置とすることができる。ネットワーク70内で通信するために、フィールド装置48および50は、それぞれの無線アダプタ(WA)52a、52bを介して無線通信ネットワーク70に接続されてもよい。さらに、無線アダプタ52a、52bは、Foundation(登録商標)フィールドバス、PROFIBUS、DeviceNetなどの他の通信プロトコルをサポートしてもよい。さらにまた、無線ネットワーク70は、無線ゲートウェイ35と有線通信する別個の物理的装置とすることができるかまたは統合装置として無線ゲートウェイ35を備えることができる1つ以上のネットワークアクセスポイント55a、55bを含むことができる。無線ネットワーク70はまた、無線通信ネットワーク70内で1つの無線装置から他の無線装置にパケットを転送するための1つ以上のルータ58を含むことができる。無線装置40-46および52-58は、無線通信ネットワーク70の無線リンク60を介して互いにおよび無線ゲートウェイ35と通信することができる。
【0039】
特定の実施形態では、プロセス制御ネットワークまたはシステム2は、他の無線プロトコルを使用して通信するネットワークバックボーン5に接続された他のノードを含むことができる。例えば、プロセス制御ネットワークまたはシステム2は、WiFiまたは他のIEEE 802.11準拠無線ローカルエリアネットワークプロトコル、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)または他のITU-R(国際電気通信連合無線通信セクタ)互換プロトコルなどのモバイル通信プロトコル、近距離無線通信(NFC)およびブルートゥース(登録商標)などの短波長無線通信、および/または他の無線通信プロトコルなど、他の無線プロトコルを利用する1つ以上の無線アクセスポイント7aを含むことができる。通常、そのような無線アクセスポイント7aは、ハンドヘルドまたは他のポータブルコンピューティング装置が無線ネットワーク70とは異なり且つ無線ネットワーク70とは異なる無線プロトコルをサポートするそれぞれの無線ネットワークを介して通信することを可能にする。いくつかの実施形態では、UI装置8は、無線アクセスポイント7aを使用してプロセス制御ネットワークまたはシステム2を介して通信する。いくつかのシナリオでは、ポータブルコンピューティング装置に加えて、1つ以上のプロセス制御装置(例えば、コントローラ11、フィールド装置15-22、または無線装置35、40-46、52-58)もまた、アクセスポイント7aによってサポートされている無線ネットワークを使用して通信することができる。
【0040】
追加的にまたは代替的に、プロセス制御ネットワークまたはシステム2は、即時プロセス制御システムの外部にあるシステムへの1つ以上のゲートウェイ7b、7cを含むことができる。そのような実施形態では、UI装置8は、前記外部システムを制御、監視、またはその他の方法で通信するために使用することができる。通常、そのようなシステムは、プロセス制御システムによって生成または動作される情報の顧客および/またはサプライヤである。例えば、プラントゲートウェイノード7bは、即時プロセスプラント10(独自の各プロセス制御データネットワークバックボーン5を有する)を、独自の各ネットワークバックボーンを有する他のプロセスプラントと通信可能に接続することができる。実施形態では、単一のネットワークバックボーン5は、複数のプロセスプラントまたはプロセス制御環境にサービスを提供することができる。
【0041】
他の例では、プラントゲートウェイノード7bは、即時プロセスプラントを、プロセス制御ネットワークまたはシステム2またはバックボーン5を含まないレガシーまたは先行技術のプロセスプラントに通信可能に接続することができる。この例では、プラントゲートウェイノード7bは、プラント10のプロセス制御ビッグデータバックボーン5によって利用されるプロトコルとレガシーシステムによって利用される異なるプロトコル(例えば、イーサネット(登録商標)、Profibus、フィールドバス、DeviceNetなど)との間でメッセージを転換または変換することができる。そのような例では、UI装置8は、前記レガシーまたは先行技術のプロセスプラントのシステムまたはネットワークを制御、監視、またはその他の方法で通信するために使用することができる。
【0042】
プロセス制御ネットワークまたはシステム2は、プロセス制御ネットワークまたはシステム2を、実験室システム(例えば、実験室情報管理システムまたはLIMS)、人事ラウンドデータベース、マテリアルハンドリングシステム、保守管理システム、製品在庫管理システム、生産スケジューリングシステム、気象データシステム、出荷および取り扱いシステム、包装システム、インターネット、他のプロバイダのプロセス制御システム、および/または他の外部システムなどの外部公共または私設システムのネットワークと通信可能に接続するために1つ以上の外部システムゲートウェイノード7cを含むことができる。外部システムゲートウェイノード7cは、例えば、プロセス制御システムとプロセスプラントの外部の人員(例えば、自宅の人員)との間の通信を容易にすることができる。
【0043】
図1Aは、通信可能に接続された有限数のフィールド装置15-22、40-46、および48-50を備えた単一のコントローラ11を示しているが、これは、例示的且つ非限定的な実施形態である。任意の数のコントローラ11をプロセス制御ネットワークまたはシステム2に含めることができ、任意のコントローラ11は、任意の数の有線または無線フィールド装置15-22、40-50と通信してプラント10のプロセスを制御することができる。さらにまた、プロセスプラント10はまた、任意の数の無線ゲートウェイ35、ルータ58、アクセスポイント55、無線プロセス制御通信ネットワーク70、アクセスポイント7a、および/またはゲートウェイ7b、7cを含むこともできる。
【0044】
図1Bは、本明細書で説明する新規のグラフィカルディスプレイ構成および使用システムの実施形態と併せて利用することができる例示的なUI装置8のブロック図を示している。UI装置8は、従来のオペレータワークステーション、制御室ディスプレイなどのデスクトップコンピュータ、またはラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、モバイル装置スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、ウェアラブルコンピューティング装置などのモバイルコンピューティング装置、または他の適切なクライアントコンピューティング装置とすることができる。UI装置8は、様々な表示ビュー定義または構成を作成、生成、および/または編集するとともに、様々な表示ビュー要素定義または構成を作成、生成、および/または編集するために、構成環境の構成エンジニアによって利用されるグラフィカルディスプレイ構成アプリケーションを実行することができる。UI装置8はまた、動作環境内のプロセスの様々な状態および状況を監視、観察、および反応するために、オペレータによって利用されるオペレータアプリケーションを実行することもできる。UI装置8は、ディスプレイ72を含むことができる。さらに、UI装置8は、1つ以上のプロセッサまたはCPU75、メモリ78、ランダムアクセスメモリ(RAM)80、入出力(I/O)回路82、およびローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、および/または有線および/または無線とすることができる他の適切なネットワークを介してデータを送受信するための通信ユニット85を含む。UI装置8は、コントローラ11、サーバ12、および/または任意の他の適切なコンピューティング装置と通信することができる。
【0045】
メモリ78は、オペレーティングシステム88、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーションおよびオペレータアプリケーションなどのオペレーティングシステム88上で実行されるアプリケーション、およびディスプレイ72を制御してコントローラ11と通信してプロセスプラントのオンライン動作を制御する制御ユニット90を含むことができる。いくつかの実施形態では、サーバ12は、プロセスプラントの一部のグラフィカル表現をUI装置8に送信することができ、次いで、制御ユニット90は、プロセスプラントの一部のグラフィカル表現をディスプレイ72に提示させることができる。さらに、制御ユニット90は、オペレータまたは構成エンジニア(本明細書ではユーザとも呼ばれる)からのユーザ入力など、I/O回路82からユーザ入力を取得し、ユーザ入力を、特定の言語のグラフィカル表示ビューを提示する要求、表示ビューに含まれるアクティブモニタまたはウォッチウィンドウに特定の制御要素を示すグラフィックスを含める要求、プロセスセクションの1つに含まれるプロセスパラメータの調整を表示する要求などに変換することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、制御ユニット90は、要求されたUIを生成して表示のためにUI装置8に送信することができるサーバ12に変換されたユーザ入力を通信することができる。他の実施形態では、制御ユニット90は、変換されたユーザ入力に基づいて新たなUIを生成し、UI装置8のディスプレイ72上に新たなUIを提示することができる。変換されたユーザ入力がプロセスセクションの1つに含まれるプロセスパラメータの調整を表示する要求である場合、制御ユニット90は、オペレータからのユーザ入力にしたがってディスプレイ72上のプロセスパラメータ値を調整し、プロセスプラントのプロセスパラメータを調整するためにコントローラ11に指示を提供することができる。他の実施形態では、制御ユニット90は、調整されたプロセスパラメータ値を生成して表示するためにUI装置8に送信し、コントローラ11に指示を与えてプロセスプラントのプロセスパラメータを調整することができるサーバ12に変換されたユーザ入力を通信することができる。
【0047】
図2Aは、例えば図1Aのプロセスプラント10のプロセスプラントまたはプロセス制御システムの構成環境102およびオペレーティングまたは動作環境105内で、本明細書で説明されるグラフィカルディスプレイ構成および使用システム100の実施形態および/または態様を実装する1つの可能な方法を示す高レベルブロック図を示している。プロセス制御システムの構成環境102は、本明細書ではプロセス制御システムの「オフライン」環境102または「バックエンド」環境102と互換可能に呼ばれ、プロセス制御システムの動作環境105は、本明細書では、プロセス制御システムの「動作」、「オンライン」、「フロントエンド」、または「フィールド」環境105と互換可能に呼ばれる。
【0048】
図2Aに示すように、構成環境102は、構成エンジニアまたはユーザが様々な表示ビュー定義または構成112を作成、生成および/または編集するとともに、様々な表示ビュー要素定義または構成115を作成、生成および/または編集することができるユーザインターフェースを含むグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110を含む。例えば、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、図1Aおよび/または図1Bのユーザ装置8のインスタンス上で実行することができる。各表示ビュー構成112および各表示ビュー要素構成115は、例えば、それぞれのオブジェクトとして実装されることができる。一般に、表示ビュー定義112は、(他のコンポーネントの中でも)1つ以上の表示要素定義115を含むように構成されることができる。通常、表示ビュー定義112は、動作環境105において、特定の制御モジュール、装置、または制御オブジェクトに関連付けられたランタイムデータが実行中の表示ビュー上のリンクされた表示要素を介して例えば継続的にまたは繰り返し更新される方法で表されることができるように、特定の制御モジュール、装置、または他の種類の制御オブジェクトにリンクされる少なくとも1つの表示要素(例えば、グラフィカル要素)を含むように構成される。特定の制御モジュール、装置、または制御オブジェクトは、通常、制御構成データベース118(例えば、その構成は、制御構成データベース118に記憶される)で定義され、例えば、指定された制御タグまたは他の適切なインジケータによって表示ビュー定義112内に表されることができる。図2Aに示されるように、表示ビュー関連定義または構成112、115は、グラフィカル表示関連構成112、115が動作環境105におけるダウンロードおよび実行に利用可能であることによってオペレータまたはユーザが動作環境105内のプロセスの様々な状態および状況を監視、観察、および反応することを可能にするように、集中グラフィカル構成データベースまたはライブラリ120に記憶される。グラフィカル構成データベース120および制御構成データベース118は、プロセス制御システム10の構成環境102内の別個のデータベースとして図2Aに示されているが、いくつかの実装では、構成データベース120、118の少なくとも一部または全体が単一のデータベースまたはライブラリとして一体的に実装されてもよいことに留意されたい。
【0049】
とにかく、図2Aでは、表示ビュー構成112は、表示ビュー112に含まれるそれぞれの表示ビュー要素115に関連付けられているかまたは結びつけられている1つ以上の制御オブジェクト118を指定するために定義されることができ、表示ビュー要素115およびそれにそれぞれ結びつけられた制御オブジェクト118の定義は、インスタンス化され、プロセスプラント10の動作環境105に含まれる1つ以上の異なるオペレータワークステーションまたはユーザインターフェース装置122に提供される(例えば、ダウンロードされる)。一例では、ユーザインターフェース装置またはワークステーション122は、図1Bのユーザインターフェース装置8の形態をとることができる。ユーザインターフェース装置122において実行されるインスタンス化された表示ビュー112は、例えば、表示ビュー112の結びつけられた制御オブジェクト118によって定義される制御モジュールランタイム環境125からデータまたは他の情報にアクセスまたはその他の方法で取得するために、プロセスに関連するコントローラおよびフィールド装置で実行されることができる制御モジュールランタイム環境125と通信する。ユーザインターフェース装置122は、図1Aのデータハイウェイ5および/または無線通信ネットワーク70などの任意の所望のまたは事前構成された通信ネットワークを使用して、制御モジュールランタイム環境125と通信することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース装置122は、ダウンロードスクリプトパーサ128を使用して、その実行中にダウンロード表示ビュー構成112の少なくとも一部を解析する(例えば、ジャストインタイムオブジェクトコード変換を実行するために)が、ユーザインターフェース装置122によるダウンロードスクリプトパーサ128の使用は、例えば、ダウンロードされた表示ビュー構成112が任意のスクリプトを含まない場合には必要とされないまたは要求されない。
【0051】
いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース装置122は、ルールベースの実行エンジン130を使用して、表示ビュー要素オブジェクト115のうちの1つ以上がスマートプロセスオブジェクトである場合など、表示ビュー要素オブジェクト115および/または表示ビューオブジェクト112によって示されるかまたはそれらに結びつけられるプロセスフローアルゴリズムまたは他のルールベースの手順(例えば、プロセスフローランタイム環境132によって提供される)を実行する。一般に、スマートプロセスオブジェクトは、例えばプラントまたは装置の状態を検出するために、プロセスプラント10内の他のエンティティに関し且つそれから受信したデータを記憶するためのデータストレージ、ならびに記憶および受信されたデータについて実行可能な他のスマートプロセスオブジェクトおよびメソッドと通信するための入力および出力を含むように定義または構成される。いくつかの構成では、スマートプロセスオブジェクトは、互いに通信可能に接続され、エリア、装置、要素、モジュールなどのプラントエンティティの表示ビューを提供し、一連のルールを実装するプロセスフローモジュールを作成し、プロセスフローモジュールは、例えば実行エンジン130を使用することにより、プロセスフローランタイム環境132によりランタイムで実行される。例えば、ダウンロードされた表示ビュー構成112がスマートプロセスオブジェクトを含まない場合、ユーザインターフェース装置122による実行エンジン130の使用は、必要とされないまたは要求されないことに留意されたい。さらに、本明細書で説明した方法以外に、表示ビューおよび表示ビュー要素を動作環境105内のランタイム制御オブジェクトと統合する他の方法が追加的にまたは代替的に可能であり、グラフィカルディスプレイ構成および使用システム100によって利用されることができることに留意されたい。議論を容易にするために、動作環境105のユーザインターフェース装置122上で実行または提供されるインスタンス化された表示ビューは、本明細書では一般にオペレータまたはオペレーションアプリケーション135と呼ばれる。
【0052】
図2Bは、図2Aのグラフィカルディスプレイ構成および使用システム100に含まれるグラフィカル構成ライブラリ120の実施形態の詳細なブロック図を示している。図2Bに示すように、グラフィカル構成ライブラリ120は、表示ビュー定義または構成112と表示ビュー要素定義または構成115との両方を記憶する。各定義または構成112、115は、ライブラリ120に記憶されている公開バージョンおよび必要に応じて1つ以上のドラフトバージョン(本明細書では「進行中」または「作業中」バージョンとも互換可能に呼ばれる)に関連付けられている場合がある。図2Bに示されるように、ビュー1は、グラフィカル構成データベース120に記憶された2つの対応するドラフト構成と1つの対応する公開された構成とを有する。さらに、グラフィカル構成データベース120は、ビュー2の1つのドラフト構成および2つの公開構成、ビュー3の1つの公開構成およびドラフト構成なし、ビューNのm個のドラフト構成および1つの公開構成を記憶するものとして示されている。一般に、公開された構成または定義のみが、グラフィカル構成ライブラリ120または構成環境102内の他の場所から動作環境105へのダウンロードが可能とされるまたは許可される。ドラフト構成または定義は、一部の実施形態では、構成環境102内でのみ維持、記憶、および編集されることができる。ドラフト構成または定義が構成環境102内に記憶されている場合、ドラフトは、動作環境105にダウンロードされるのが防止される。構成エンジニアがドラフト表示関連構成または定義112、115に満足した場合、エンジニアは、ランタイムプロセスプラント10におけるダウンロードおよび実行のために利用可能とされるように、表示関連構成または定義112、115を明示的に公開(例えば、その状態を「公開」に変更する)することができる。いくつかの実施形態では、単一のユーザコントロールは、公開とその後の公開のダウンロードの両方を実装してもよい。他の実施形態では、公開ユーザコントロールまたはコマンドおよびダウンロードユーザコントロールまたはコマンドは、構成アプリケーション110によって提供される異なる別個のユーザコントロールである。
【0053】
そのため、複数の構成エンジニアは、例えば、ビューNのm個のドラフト構成およびビューNの公開された構成によって示されるように、対象の構成のランタイム動作に影響を与えることなく、グラフィカル構成および定義を作成、変更、およびテストすることができる(状況によっては同時に)。さらに、例えばビュー2の2つの公開によって示されるように、例えばプラントの異なる領域にダウンロードされるオペレータカスタマイズの異なる組み合わせを有するように同じ表示ビューが構成されている場合、同じ表示ビューの異なるバージョンが公開されてランタイム動作に利用可能になることができる。(もちろん、グラフィカルディスプレイ構成システム100は、構成エンジニアが、必要に応じて、同じビューの異なる公開の代わりに、ビュー2の異なる公開を別個のビューとしてリネームすることを可能にする。)いくつかの実施形態では、公開された表示ビューおよび公開された表示ビュー要素の少なくともいくつかは、すぐに利用可能である。すなわち、少なくともいくつかの公開された表示ビューおよび公開された表示ビュー要素は、ライブラリ120のデフォルトとして提供される。そのようなデフォルトのビューおよび要素は、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110を使用して構成エンジニアによって編集または変更されることができ、変更されたビューまたは要素は、デフォルトオブジェクト112、115の追加的なまたは代替的な公開バージョンとして公開されることができる。
【0054】
特定の表示ビュー構成は、例えば、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110を介して構成エンジニアまたはユーザによって定義され、他のコンポーネントの中で1つ以上の表示ビュー要素構成を含むことができる(例えば、言及する、指摘する、または参照する)。同様に、場合によっては、特定の表示ビュー要素構成は、1つ以上の他の表示ビュー要素を含む(言及する、指摘する、または参照する)ように定義されることができる。重要なことに、様々な表示関連構成または定義(表示ビューおよび/または表示ビュー要素にかかわらず)は、修正された構成を作成および/またはダウンロードする必要なく、また、表示ビュー、表示ビュー要素、または表示ビューが実行されているユーザインターフェース装置が他のコンピューティング装置から(例えば、構成環境102に含まれるコンピューティング装置またはデータベースから、または構成データまたはそのコピーをローカルに記憶する動作環境102に含まれるコンピューティング装置またはデータベースから)の変更を示す追加の構成データを取得する必要なく、オペレータが所望するときに、ランタイム中に対応する表示ビューまたは表示ビュー要素の外観を変更するためにオペレータにとって利用可能とされるオペレータ選択可能なカスタマイズのセットをそれぞれ定義することができる。さらに、いくつかの実施形態では、特定の表示ビュー構成はまた、その中で参照される他の表示ビュー要素に加えて、1つ以上のグローバル変数またはスクリプトも含むことができる。
【0055】
説明のために、図2Cは、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110によって提供されるキャンバス上でユーザによって構成されている例示的な表示ビュー150のスナップショットを示している。構成中のこの時点で、表示ビュー150は、いくつかの表示ビュー要素152a-168aを含むものとして定義されている。特に、表示ビュー150は、4つのタブ152a-1、152a-2、152a-3、および152a-4を含むタブ付き表示要素152aを含み、タブ152a-1は、入力フロー接続158aおよび出力フロー接続160aを含むタンク155aのグラフィックを含む。さらに、タンクグラフィック155aは、これを介してタンク内の液体レベルが表される充填アニメーション162aを含む。表示ビュー150の提示は、例えば、ワークステーションまたはユーザインターフェース8においてカスタマイズするためにオペレータによって操作されることができる言語ユーザコントロール165aおよびテーマユーザコントロール168aなどのそこに含まれる1つ以上のユーザコントロールによって少なくとも部分的に影響を受ける場合がある。追加的にまたは代替的に、1つ以上の同様のユーザコントロール165a、168aが、ワークステーション8において表示ビュー150を実行するオペレータアプリケーション135を介してワークステーションまたはユーザインターフェース8に提供されてもよい(図2Cに示されない)。
【0056】
例示的な表示ビュー150の構成は、図2Cではドラフト、作業中、または進行中の構成オブジェクト172a(または公開されていない)である対応する表示ビューオブジェクト172aにおいてキャプチャまたは定義される。同様に、各表示ビュー要素152a-168aの構成は、1つ以上のそれぞれの表示ビュー要素オブジェクト152b-170bにおいてキャプチャまたは定義される(これらは、それぞれ、図2Cによって示される時点で、個別に、または表示ビュー150によって全体としてそれぞれ公開されてもされなくてもよい)。例えば、タブ152a-1、152a-2、152a-3、および152a-4は、それ自体がタブオブジェクト152bのインスタンスによって定義されるグラフィカルタブ表示要素152aによって定義され、各タブオブジェクトインスタンスは、例えば、それぞれのタブ152a-1、152a-2、152a-3、152a-4に異なるテキスト文字列を表示し、他の表示特性およびプロパティを含むように構成される(図示せず)。いくつかの実施形態では、各タブ152a-1、152a-2、152a-3、および152a-4は、ライブデータに応じてその外観(例えば、インジケータ、背景色、テキスト色、アニメーションなど)をそれぞれ変更するように構成されることができ、それにより、プロセスプラント10の動作環境105内の1つ以上の制御要素にリンクされることができる。タンクグラフィック155aは、タンクオブジェクト155bのインスタンスによって定義され、タンクオブジェクトインスタンスは、特定の制御タグLT123に関連付けられるように特に構成されている。さらに、充填アニメーション162aは、充填アニメーションが下から上への充填であることを指定する充填アニメーションオブジェクト162bのインスタンスによって定義されている。さらに、充填アニメーション162aの色は、充填カラーオブジェクト170bのインスタンスによって、青、赤、白、および緑の色の間でオペレータが選択可能であるように定義される。例えば、充填色は、個別に選択可能であってもよく、オペレータが充填色を定義する特定のテーマを選択することにより選択可能であってもよい。
【0057】
さらに、図2Cに示されるように、グラフィカルオブジェクトインスタンスの構成は、他のグラフィカルオブジェクトおよび/またはオブジェクトインスタンスを使用して定義されることができる。例えば、タブ152a-1を定義するタブオブジェクト152bのインスタンスは、その上にタンクグラフィック155aを定義するタンクグラフィックオブジェクト155bのインスタンスを含む(とりわけ、制御タグLT123のその中の仕様を含む)ように定義される。同様に、タンクグラフィック155aを定義するタンクグラフィックオブジェクト155bのインスタンスは、充填アニメーション162aの充填アニメーションオブジェクト162bのインスタンスを含むようにそれ自体定義され、充填アニメーションオブジェクト162bのインスタンスは、下から上への充填アニメーションの本例において特に構成されている。さらに、充填アニメーション162aを定義する充填アニメーションオブジェクト162bのインスタンスは、オペレータ選択可能な充填色(例えば、青、赤、白、および緑)をその中に定義し、相互排他的な選択とその適用をさらに定義する充填カラーオブジェクト170bのインスタンスを含むようにそれ自体定義される。
【0058】
一般に、第1のグラフィック要素オブジェクトは、第2のグラフィック要素オブジェクトを参照する(例えば、指摘する、参照するなど)ように定義または構成され、第2のグラフィック要素オブジェクトの構成は、第1のグラフィック要素オブジェクトの外観および/または挙動を定義する。いくつかの実施形態では、第1のグラフィカル要素オブジェクトの構成または定義は、必要に応じて、1つ以上のオブジェクトプロパティ値および/またはスクリプトをさらに含むことができる。第1のグラフィカル要素オブジェクトおよび第2のグラフィカル要素オブジェクトは、独立した別個のオブジェクトである。すなわち、第1のグラフィック要素オブジェクトおよび第2のグラフィック要素オブジェクトは、同じオブジェクトクラスに含まれず、相互に派生せず、親/子オブジェクトの関係などによって関連付けられない。実際、第2のグラフィック要素オブジェクトは、他のグラフィック要素オブジェクトによって参照され、それにより他のグラフィック要素オブジェクトの外観および/または挙動を定義するように適切に構成されることができる。
【0059】
いくつかのシナリオでは、第2のグラフィカル要素オブジェクト自体は、第3のグラフィカル要素オブジェクトを参照することができ、第3のグラフィカル要素オブジェクトの構成は、第2のグラフィカル要素オブジェクトの外観および/または挙動を定義する。必要に応じて、第2のグラフィカル要素オブジェクトの構成は、1つ以上のオブジェクトプロパティ値および/またはスクリプトをさらに含むことができる。
【0060】
いずれにしても、図2Cに戻ると、ビュー150を定義する表示ビューオブジェクト172aのインスタンスは、1つ以上のユーザコントロール165a、168aを表示するように構成されることができる。(上述したように、いくつかの実施形態では、ユーザコントロール165a、168aの1つ以上は、図2Cには図示されていない、動作環境105内のユーザインターフェース装置8において構成された表示ビューオブジェクト172aを実行するオペレータアプリケーション135によって提供されてもよい。)いずれにしても、表示ビューオブジェクト172aおよび/またはオペレータアプリケーション135によって提供されるかどうかにかかわらず、ユーザコントロール165a、168aのそれぞれは、少なくとも部分的に、それぞれのオブジェクト165b、168bによって定義されることができる。特に、図2Cに示すように、言語ユーザコントロール165aは、この例では、テキストを英語、アラビア語、またはフランス語で表現できるように構成された多言語オブジェクト165bのインスタンスによって定義される。そのため、ランタイム中に、オペレータは、言語ユーザコントロール165aを操作して、表示ビュー150に表示される言語を英語、アラビア語、またはフランス語に選択的に変更することができる。同様に、テーマユーザコントロール168aは、テーマオブジェクト168bのインスタンスによって定義され、この例では、テーマ168bのインスタンスは、ランタイム中にオペレータが表示ビュー150のテーマをテーマ1、テーマ2、およびテーマ3の中から選択的に変更することを可能にするように定義されている。したがって、ランタイム中に、オペレータは、オペレータアプリケーション135上のテーマユーザコントロール168aを操作して、表示ビュー150に表示されるテーマをテーマ1、テーマ2、およびテーマ3の中から変更することができる。言語およびテーマのそれぞれは、例えば、本開示の他の場所で説明される方法で、グラフィカル構成データベース120の他の場所で定義されてもよい。
【0061】
さらに、表示ビュー150は、他の様々な表示ビュー要素115に含めることができてもよい。例えば、特定のレイアウト1(例えば、レイアウトオブジェクトの特定のインスタンスとして構成されることができる)は、例えばレイアウト1の第1の領域を定義するグラフィカルオブジェクトに表示ビュー150の構成172aをリンクすることにより、第1の領域に表示ビュー150を提示するように定義されることができる。他の特定のレイアウト2(例えば、レイアウトオブジェクトの他の特定のインスタンスとして構成されることができる)は、例えば表示ビュー構成170をレイアウト2の第2の領域を定義するグラフィカルオブジェクトにリンクすることにより、表示ビュー150を第2の領域に提示するように定義されることができる。追加的なまたは代替的な実装形態では、表示ビューオブジェクト172aのインスタンスは、表示ビュー150を含む1つまたはいくつかのレイアウト(例えば、レイアウトオブジェクトの特定のインスタンスとして構成されることができる)を参照することができる。表示ビュー150を含む各レイアウトは、ランタイム環境で実行中に表示ビュー150を提示する際に、オペレータに提示されるように、または提示されないように特に構成されてもよい。換言すれば、ランタイム環境で実行中に、オペレータアプリケーション135は、表示ビューオブジェクト172aの構成に基づくレイアウトの1つにしたがって表示ビュー150を提示することができる。グラフィカルディスプレイ構成システム100によって提供されることができるレイアウトのさらなる議論は、本開示の他の場所で提供される。同様に、表示ビュー150は、様々な表示階層にリンクまたはその他の方法で関連付けられてもよく、グラフィカルディスプレイ構成システム100によって提供されるディスプレイ階層の追加の議論も本開示の他の場所で提供される。
【0062】
図2Cに戻ると、構成エンジニアが、ランタイム環境105内の表示ビュー150のコンテンツ、外観、および挙動を定義する表示ビューオブジェクト172aに満足すると、構成エンジニアは、参照符号172bによって図2Cに表されるように表示ビューオブジェクトを公開することができる。
【0063】
表示ビュー要素オブジェクトを個別に公開できる実施形態では、表示ビューオブジェクト172bの公開時に、まだ公開状態にない表示ビュー要素オブジェクト152b-170bは、自動的に公開されることができ、および/またはユーザは、ドラフトまたは進行中の状態にある表示ビュー要素オブジェクトを手動で公開するように求められることができる。すなわち、そのような実施形態では、表示ビューオブジェクト172aが公開されるために、そこに含まれるまたはそれにリンクされる表示要素オブジェクトもまた、公開状態でなければならない。
【0064】
表示ビュー要素オブジェクトが個別に公開されない他の実施形態では、表示ビューオブジェクト172bの公開時に、表示ビュー150の公開構成172bは、グラフィカル構成データベース120に記憶され、それにより、図2Cに示されるように、公開構成172bをプロセスプラント10の動作環境105にダウンロードするために利用可能にする。いくつかの実施形態では、表示ビューオブジェクト172の公開時に、公開構成172bは、動作環境105に自動的にダウンロードされる。
【0065】
表示ビューオブジェクト172bの公開構成は、ユーザインターフェース装置UI-1、UI-2、UI-3によって図2Cに表されるように、実行のために動作環境105に含まれる1つ以上のユーザインターフェース装置にダウンロードされることができる。ユーザインターフェース装置UI-1、UI-2、UI-3のそれぞれは、例えば、ユーザインターフェース装置8またはユーザインターフェース装置122の形態をとることができ、公開された表示ビュー構成172bがダウンロードされる(および実行される)ことになるユーザインターフェース装置の特定のセットは、例えば、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110または構成環境120の他のユーザインターフェースを介して、ユーザによって指定されることができる。したがって、公開された表示ビュー構成172bのダウンロードされた各インスタンスは、そのそれぞれのホストユーザインターフェース装置UI-1、UI-2、UI-3でランタイム環境105において独立して実行することができる。
【0066】
重要なことに、公開された表示ビュー構成172bは、ホスト装置UI-1、UI-2、UI-3で実行される場合、オペレータまたはユーザがランタイム環境105内で必要に応じて、他のユーザのランタイムのカスタマイズとは無関係に、それぞれの実行中の表示ビュー150の外観および挙動をカスタマイズすることを可能にする。図2Cに示されるように、UI-1において、UI-1のユーザは、表示ビュー150上のタンクグラフィック155の充填アニメーション162aの色を青に変更し、表示ビュー150に表示されるテキストがフランス語で提示されることを選択し、テーマ3を使用して表示ビュー150が提示されることを選択している。UI-2では、ユーザは、充填アニメーション162aの色を白に変更し、テキストがアラビア語で提示されることを選択し、テーマ1を選択している。UI-3では、ユーザは、充填アニメーション162aの色を赤に変更し、テキストが英語で提示されることを選択し、テーマ2を選択している。ユーザインターフェース装置UI-1、UI-2、およびUI-3で実装されるユーザの選択およびカスタマイズは、ホスト装置UI-1、UI-2、およびUI-3においてそれぞれ実行されるそれぞれの公開された表示ビュー構成172bのみを使用して行われる。すなわち、オペレータが望む変更を実装するために、UI-1、UI-2、またはUI-3のいずれも、構成環境または任意の他のコンピューティング装置から追加の構成データを取得する必要はない。さらに、オペレータが望む変更を実装するために、表示ビュー150の更新された構成がダウンロードされて実行される必要はない。むしろ、各オペレータは、例えば、表示ビュー150を停止および再開する必要なく、例えばユーザインターフェース装置UI-1、UI-2、UI-3における表示ビュー150のランタイム実行に沿って単に望む変更を実装する。例えば、UI-1のユーザが表示されたテーマをその後にテーマ3からテーマ2に変更したい場合、ユーザは、UI-1で実行されるテーマユーザコントロール168aを介して選択するだけでそうすることができ(上述したように、オペレータアプリケーション135または表示ビュー150によって提供されることができる)、それに応じて、実行中の表示ビュー150は、例えば、構成環境102に含まれる任意の他のコンピューティング装置および/または構成データ120またはそのコピーにアクセスできる任意の他のコンピューティング装置と通信する必要なく、変更を実行する。
【0067】
もちろん、図2Cに示される例示的なシナリオは、例示的であることを意図しているが、限定的ではなく、グラフィカルディスプレイ構成および使用システム100の多くの可能な使用シナリオのうちの1つにすぎない。実際、本開示内で実証されるように、グラフィカルディスプレイ構成および使用システム100は、柔軟で直感的で維持しやすい構成環境102を提供するとともに、表示ビューおよび/またはそれに含まれる表示要素の独立したオンラインオペレータカスタマイズをサポートする動作体験を同時に提供する。これらのおよび他の利点を提供するグラフィカルディスプレイ構成および使用システム100の様々な特徴および態様(単独または組み合わせのいずれか)を以下により詳細に説明する。
【0068】
ナビゲーション階層の表示
【0069】
ここで図3Aを参照すると、本明細書で説明するグラフィカルディスプレイ構成および使用システムおよび方法によって提供される表示ビュー要素の種類の例は、階層表示ビュー要素およびレイアウト表示ビュー要素である。上述したように、プロセス制御システムでグラフィックを生成するために、構成環境102のグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、階層およびレイアウトを定義するためのグラフィカルユーザコントロールを含み、それにより、構成エンジニアが階層およびレイアウトをグラフィカルに定義することを可能にする。各表示ビューは、表示ビューを定義する表示ビュー要素から構成されることができる。例えば、「メインタンク」表示ビューは、それぞれが異なるタンクを表すいくつかの表示ビュー要素を含むことができる。1つの表示ビュー内の表示ビュー要素はまた、それ自体の表示ビュー要素を有するより高い詳細レベルの他の表示ビューの主題とすることができる。このようにして、プラントオペレータは、プロセスプラントの一般的な概要を最低レベルの詳細で示す表示ビューから、プロセスプラント内の単一のアラームまたは装置を最高レベルの詳細の1つで示す表示ビューにナビゲートすることができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、表示ビューは、プロセスプラントのセクションを示し、表示ビュー要素は、タンク、ミキサー、バルブ、ポンプ、および/またはプロセスプラント内のその他の適切な機器などのプロセスプラントエンティティのグラフィック表現を含む。表示ビュー要素はまた、パイプ、電線、コンベアベルトなど、機器の1つの部品を他に接続するプロセスプラント接続エンティティのグラフィカル表現も含むことができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、構成エンジニアは、特定の詳細レベルで表示ビュー内のアラーム、トレンド、および/またはプロセスパラメータ値を定義してもよい。他の実施形態では、構成エンジニアは、特定の詳細レベルで表示ビュー内のアラーム、トレンド、および/またはプロセスパラメータ値の数を定義してもよい。そして、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110、またはオペレータユーザインターフェース装置122上で実行されるオペレータまたはオペレーションアプリケーション135は、各アラーム、トレンド、および/またはプロセスパラメータ値の優先度レベルに基づいて、どのアラーム、トレンド、および/またはプロセスパラメータ値を表示ビューに含めるかを自動的に判定することができる。例えば、構成エンジニアは、表示ビュー内の特定の場所で5つのプロセスパラメータ値が表示されることを示すことができる。表示ビューに対応するプロセスパラメータ値のそれぞれは、優先度レベルにしたがってランク付けされてもよく、上位5つのランク付けプロセスパラメータ値が表示ビューに提示されてもよい。優先度レベルは、構成エンジニア、オペレータによって判定されることができるか、または特定のプロセスパラメータ値がアラームをトリガーするかどうかなどの一連のルールに基づいて自動的に判定されることができる。
【0072】
プロセスプラントの一般的な概要を示す表示ビューからプロセスプラントのセクションをより詳細に示す表示ビューまでナビゲートするための表示ビューの階層を作成するために、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、関係を定義するためのグラフィカルユーザコントロールまたは表示ビュー間のリンクを含む。グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、階層を作成するためのユーザインターフェースまたはその一部を提示してもよい。階層UIは、構成環境で定義された各表示ビューの表示を含むことができる。そして、構成エンジニアは、表示ビュー間の関係またはリンクを定義するために、表示ビューを階層ペインにドラッグアンドドロップすることができる(またはその他の適切なグラフィカルユーザコントロールを使用することができる)。例えば、「タンク1」表示ビューの表示(例えば、名称「タンク1」、アイコンなど)を「メインタンク」表示ビューの表示上にドラッグアンドドロップすることにより、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、タンク1が「メインタンク」表示ビューよりも高い詳細レベルのサブビューであると判定することができる。他の例では、階層ペイン内の「メインタンク」表示ビューの表示の上または下に「タンクフィード」表示ビューの表示をドラッグアンドドロップすることにより、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、「タンクフィード」および「メインタンク」表示ビューが階層内の同じ詳細レベルであると判定することができる。
【0073】
履歴プロセスパラメータ値を表すトレンド表示ビュー用に、表示ビュー階層もまた作成されることもできる。例えば、バルブを通る流量などのプロセスパラメータは、バルブの入口圧力やバルブの出口圧力など、1つ以上の入力または出力プロセスパラメータに依存することができる。レベル1トレンド表示ビューは、時間の経過とともにバルブを通過する流量を示すことができるとともに、レベル1トレンド表示ビューのレベル2トレンド表示サブビューは、時間の経過とともにバルブの入口および出口圧力を示すことができる。構成エンジニアは、構成環境102でトレンド表示ビュー階層を作成することができ、オペレータは、詳細レベルを増減して動作環境105内で結果のトレンド表示ビューとサブビューとの間を(例えば、ナビゲーションボタンを介して)操作することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、表示ビュー階層は、最も低い詳細レベル(例えば、レベル1)の表示ビューがツリー構造のルートノードであるツリー構造に似ていてもよい。2番目に低い詳細レベル(例えば、レベル2)の表示ビューは、ルートノードに対する子ノードとすることができ、それぞれ、ルートノードに対する孫ノードとすることができる3番目に低い詳細レベル(例えば、レベル3)に独自の子ノードを有することができる。構成エンジニアは、プロセスプラントまたは異なるプロセスプラント内の異なる領域にそれぞれ対応する複数の表示ビュー階層を作成することができる。このようにして、各オペレータは、担当する領域を表す表示ビュー階層を表示することができる。
【0075】
表示ビュー階層を定義することに加えて、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、レイアウトを定義するためのグラフィカルユーザコントロールを含む。本明細書で使用される場合、「レイアウト」は、オペレータワークステーションの表示画面領域を分割して、オペレータワークステーション用の表示画面または複数の表示画面上にいくつかの表示ビューを提示する方法を示すことができる。例えば、オペレータワークステーションは、複数のモニタまたは表示画面を含むことができ、レイアウトは、オペレータが一度に複数の表示ビューを見ることができるように、各表示画面に異なる表示ビューをオペレータワークステーションに提示させることができる。他の例では、オペレータワークステーションは、単一のモニタまたは表示画面を含むことができ、レイアウトは、オペレータワークステーションに表示画面をいくつかの領域(例えば、フレーム、サブエリア、または部分)に分割させ、表示画面の各領域に異なる表示ビューを提示させることができる。グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、レイアウト用の各表示画面内の表示画面および表示領域の数を選択するためのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。例えば、構成エンジニアは、2つの表示画面を有する第1のレイアウトを生成することができ、各表示画面は、2つの表示領域に分割される。次いで、構成エンジニアは、ウォッチエリア、アラームリスト、履歴パラメータ、フェースプレート、階層レベル(例えば、レベル1、レベル2、レベル3)など、分割された各表示領域の表示ビュー種類を定義することができる。
【0076】
さらにまた、レイアウトは、レイアウト内の表示領域間の関係またはリンクを含むことができる。例えば、レイアウト内の第1の表示領域は、階層レベル1の種類の表示ビューを提示することができ、レイアウト内の第2の表示領域は、階層レベル2の種類の表示ビューを提示することができる。第2の表示領域は、オペレータが第1の表示領域の階層レベル1からナビゲートしたときに、階層レベル2の表示ビューを表示するように構成されることができる。第2の表示領域の表示ビューは、第1の表示領域に対するオペレータのアクティビティに依存し、第1の表示領域は、階層レベル1の種類の表示ビューを表示し続ける。他の例では、アラームリストまたは履歴パラメータ表示ビューを示すレイアウト内の表示領域は、アラームリストまたは履歴パラメータ表示ビューが制御モジュール内に表示されているアラームまたはパラメータを含むように、制御モジュールを示すレイアウト内の表示領域に依存することができる。
【0077】
図3Aは、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーションUI302で定義されたランタイム中の表示ビュー要素を示すグラフィカルディスプレイ構成アプリケーションUI302(例えば、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110のインスタンスとすることができる)およびオペレータアプリケーションUI304(例えば、オペレータアプリケーション135のインスタンスとすることができる)の例示的な並置ビュー300を示している。より具体的には、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーションUI302は、表示ビューのセットの階層を示す階層ペイン310を含む。例えば、「タンクオーバービュー」表示ビューは、表示ビュー階層のレベル1とすることができ、「タンクフィード」および「メインタンク」表示ビューは、レベル2とすることができる。「FeedHt X」および「FeedMixr」表示ビューは、「タンクフィード」表示ビューのサブビューとすることができ、「タンク1」、「タンク2」、および「サージ」表示ビューは、レベル3の「メインタンク」表示ビューのサブビューとすることができる。さらに、「T2SOP」表示ビューは、レベル4の「タンク2」表示ビューのサブビューとすることができる。上述したように、構成エンジニアは、表示ビューの指示をグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110によって提示される階層ペイン310にドラッグアンドドロップするかまたはその他の適切なグラフィカルユーザコントロールを使用することによって表示ビュー階層を定義することができる。対応する表示ビューが作成される前に、新たな表示ビューの表示がまた、表示ビュー階層で定義されることもできる。構成エンジニアは、新たな表示ビューが表示ビュー階層内に配置される場所を定義してから、新たな表示ビューを作成することができる。
【0078】
階層ペイン310の描写に加えて、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーションUI302は、ディスプレイを4つの表示画面および4つの表示領域314a-d(本明細書では「表示サブ領域」または「表示部分」とも互換可能に呼ばれる)に分割するレイアウト312を示し、各表示領域314a-dは、対応する表示ビュー種類を有する。例えば、左上隅の表示領域314aは、階層レベル1表示ビューを提示するように定義される。左下隅および右下隅の表示領域314b-cは、階層レベル2およびレベル3の表示ビューを提示するように定義され、右上隅の表示領域314dは、アラームリスト表示ビューを提示するように定義される。レイアウト312はまた、表示領域間の関係またはリンクも定義する。例えば、左下隅の表示領域314bは、オペレータが左上隅の表示領域314aの階層レベル1表示ビューから階層レベル2表示ビューにナビゲートすることに応じて、階層レベル2表示ビューを自動的に提示する。他の例では、右上隅の表示領域314dは、他の表示領域314a-cの表示ビューの1つ以上に含まれるアラームのアラームリストを自動的に表示してもよい。
【0079】
オペレータアプリケーションUI304は、オペレータワークステーションのディスプレイを4つの表示画面と4つの表示領域318a-dに分割するグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110によって定義されるレイアウト312を含む。左上隅の表示領域318aは、階層レベル1表示ビューを提示する。左下隅および右下隅の表示領域318b-cは、階層レベル2およびレベル3の表示ビューを提示し、右上隅の表示領域318dは、アラームリスト表示ビューを提示する。オペレータアプリケーションUI304は、階層、レイアウト、および/またはグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110によって定義される他の表示ビュー要素にしたがって表示ビューを提示することができる。
【0080】
グラフィカルディスプレイ構成アプリケーションUI302はまた、特定のオペレータワークステーションまたはオペレータワークステーションのセットに階層、レイアウト、および/またはテーマを割り当てるための管理セクション316(例えば、動作アプリケーション/環境304の管理に関連することができる)を含む。このようにして、プロセスプラントの1つのセクションを監視するオペレータのオペレータワークステーションは、そのセクションに関連する階層を提示し、プロセスプラントの他のセクションに関連する階層へのアクセスを制限することができる。いくつかの実施形態では、構成エンジニアは、管理セクション316を介して全ての階層およびレイアウトを各オペレータワークステーションに割り当て、オペレータは、それぞれのオペレータワークステーションに提示するレイアウトおよび階層を選択することができる。
【0081】
図3Bは、オペレータワークステーションで実行される表示ビューを生成するためのグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110のホームタブ350を示している。ホームタブ350は、表示ビューを作成するための新たな表示ボタン352、レイアウトを作成するための新たなレイアウトボタン354、および表示ビューの階層を作成するための新たな表示階層ボタン356を含む。ホームタブ350はまた、表示ビュー内の表示ビュー要素を構成するための構成キャンバス366も含む。表示ビュー要素は、構成ボタン(図示せず)を選択すると構成モードで、および/またはプレビューボタン364を選択するとプレビューモードで表示されることができる。代替実施形態では、表示ビュー要素のドラフトまたは作業構成は、構成アプリケーション110によって提供されるキャンバス上に提示されることができ(例えば、デフォルトで、または継続的に提示される)、プレビューボタン364のみが表示されることができ(例えば、図3Bに示されているように)、その起動により、表示ビューのプレビューが、構成アプリケーション110によって提供されるユーザインターフェースの他の領域またはウィンドウに表示される。プレビューモードまたはプレビューの別個の表示は、構成エンジニアが表示ビューおよび表示ビュー要素がオペレータにどのように見えるかを確認することができるように、ランタイム中に表示される表示ビューのプレビューを提示する。例えば、表示ビュー要素は、構成モードで選択されたテーマ、色などが提示されることができる。構成エンジニアは、プレビューモードで表示ビューのナビゲーションバー、タブバーなどのグラフィカルユーザコントロールを操作して、ユーザの相互作用に応答して表示ビューがどのように変化するかを確認することができる。
【0082】
表示ビューを作成するために、ホームタブ350は、長方形、正方形、円などの形状、矢印、コネクタ、テキストボックス、チャート、またはその他の適切な基本表示要素などの基本表示要素ボタン360などの表示ビュー要素を選択するためのグラフィカルユーザコントロールを含む。表示ビュー要素選択ペインまたはパレット370もまた、フェースプレート要素、タブ要素、棒グラフ要素、データ要素、データリンク要素、書き込み要素、ボタン、スライダ、アラーム要素、アラーム詳細要素、機能ブロック要素、ナビゲーションバー要素、GEM要素(例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年8月31日に出願された「オーバーライドによる導出およびリンクされた定義」というタイトルの共有された米国特許出願第15/692,450号に記載されているものなど)、または任意の他の適切な表示ビュー要素などの表示ビュー要素を選択するために含めることができる。構成エンジニアは、表示ビュー要素を構成キャンバス366にドラッグアンドドロップするかまたはその他の適切なグラフィカルユーザコントロールを使用することによって表示ビュー要素を選択することができる。例えば、図3Bでは、構成エンジニアは、新たな表示ボタン352を選択して表示1(参照符号368)の表示ビューを作成し、基本表示要素ボタン360から構成キャンバス366に長方形374をドラッグアンドドロップすることができる。
【0083】
長方形374が選択されると、長方形374のプロパティが編集ペイン380に提示される。編集ペイン380は、長方形の名称(長方形1)、充填色(白)、充填割合(100%)、線色(黒)、線の太さ(1ポイント)、線のスタイル(実線)など、長方形のいくつかのプロパティを示すことができる。各プロパティは、ドロップダウンメニューまたは自由形式のテキストフィールドなどのグラフィカルユーザコントロールを介して、編集ペイン380において調整されることができる。例えば、線の太さプロパティは、0.5pt、1pt、1.5ptなど、いくつかの線の太さの値の1つを選択するためのドロップダウンメニューを含むことができる。充填色のプロパティは、複数の色の1つを選択するためのカラーパレット、またはRGB色の値を入力するための自由形式のテキストフィールドを含むことができる。いくつかの実施形態では、プロパティはまた、長方形374の右クリックまたはダブルクリックに応答するポップアップメニューなど、長方形374のグラフィカルユーザコントロールを介して調整されることもできる。編集ペイン380に含まれるプロパティは、長方形374のほんの数例のプロパティにすぎない。追加的なまたは代替的な調整可能なプロパティもまた提示されることができる。
【0084】
さらにまた、表示ビュー要素間の関係またはリンクは、例えば、線または他のコネクタを介して表示ビュー要素を接続することによって確立されることができる。関係またはリンクはまた、表示ビュー要素のプロパティで他の表示ビュー要素を参照することによって確立されることもできる。例えば、第1の表示ビュー要素は、プロセスプラントのタンクを表すことができる。第2の表示ビュー要素は、充填割合などのタンクのプロセスパラメータ値を表すことができる。いくつかのシナリオでは、構成エンジニアは、第1および第2の表示ビュー要素が1つ以上の表示ビューに関連付けられて含められるように、第2の表示ビュー要素のプロパティにおいて第1の表示ビュー要素を参照することができる。いくつかの実施形態では、プロセスプラントエンティティまたはプロセス制御要素に関連付けられたリンクされた表示ビュー要素のそれぞれは、制御モジュール、ノード、装置(例えば、フィールド装置)、および/または受信した信号および/またはプロセスプラントエンティティに対応する装置、制御モジュール、またはノードによって送信された信号を参照する制御タグを参照してもよい。
【0085】
いずれにしても、ホームタブ350はまた、グラフィック(表示ビュー、レイアウト、または表示ビュー階層)をグラフィカル構成データベース120に公開する公開ボタン358も含む。そして、公開されたグラフィックスは、一連のオペレータワークステーションに提供され、ランタイム中に対応するオペレータに提示されることができる。
【0086】
プロセスプラントのグラフィカル表示ビューに埋め込まれたウェブブラウザ
【0087】
通常、プロセスプラントネットワークは、インターネットに直接接続されていないが、ウェブテクノロジーは、ウェブ配信データ用の内部クライアントとして機能する内部制御サーバおよびウェブブラウザを使用して、重要なプラント関連情報をプラントオペレータに配信するという広く使用される手段になっている。しかしながら、現在知られているプロセス制御システムでは、ウェブブラウザは、動作HMIまたは表示ビューとは別個のアプリケーションプロセスとして実行され、性能、堅牢性、およびセキュリティ上の懸念により、異なるコンピューティング装置またはオペレータワークステーションから実行されることもある。したがって、ウェブブラウザは、プラントオペレータにとって面倒なユーザ体験を提供するものと考えることができる。
【0088】
より具体的には、ウェブブラウザプリケーションプロセスは、大量のコンピュータメモリまたはプロセッサリソースを消費する可能性があるため、別個のウェブブラウザプリケーションは、動作HMIまたは表示ビューの性能を低下させる可能性がある。さらにまた、ウェブブラウザプリケーションプロセスで発生する障害は、オペレータワークステーションの可用性に悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、ウェブブラウザプリケーションプロセスは、プロセスプラントのシステムセキュリティに対する外部および内部の脅威ベクトルを提示することがある。
【0089】
したがって、本明細書で説明するグラフィカルディスプレイ構成および使用システムおよび方法、より具体的には、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、表示ビューの一部に含まれることがあるウェブブラウザ表示ビュー要素を構成するためのウェブブラウザオブジェクトを含む。ウェブブラウザオブジェクトは、外部ウェブソースによって実行される機能、および外部ウェブソースおよびデータへのオペレータのアクセスを制限および限定するために定義されることができるいくつかのプロパティを含み。これにより、システムセキュリティに対する外部および内部の脅威ベクトルのリスクを低減する。さらにまた、ウェブブラウザオブジェクトは、システムおよびローカルソースホワイトリストを含むように定義されることができ、さらにウェブソースおよびデータへのアクセスをホワイトリストで明示的に定義されたものに制限することができる。これらの制限により、ウェブブラウザが使用するコンピュータのメモリまたはプロセッサリソースの量が削減され、ウェブブラウザとともに制御要素のグラフィカルな表現を表示する表示ビューの性能が向上することができる。これにより、動作HMIまたは表示ビューの性能、可用性、またはセキュリティを損なうことなく、プロセスプラントの制御要素のグラフィカル表現とともにウェブコンテンツを表示できるため、プラントオペレータのユーザ体験を向上させる。
【0090】
例えば、表示ビューは、プロセスプラントのセクション、プロセスプラントエンティティ、制御モジュール、機能ブロック、アラームリスト、履歴パラメータなどのグラフィック表示を含むことができる。構成エンジニアは、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110を介してウェブブラウザオブジェクトを選択し、プロセスプラントのセクション、プロセスプラントエンティティ、制御モジュール、機能ブロック、アラームリスト、履歴パラメータなどのグラフィカル表現とともに表示ビューにウェブブラウザ表示ビュー要素を含めることができる。
【0091】
構成中、ウェブブラウザオブジェクトが選択されると、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、ウェブブラウザ表示ビュー要素を含む表示ビューがユーザインターフェース装置8のオペレーティング環境105でのランタイム実行中に提示されるときに提示されるウェブブラウザ表示ビュー要素の表示パラメータを定義するためのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。より具体的には、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、ウェブブラウザにウェブコンテンツを提示するソースアドレスを定義するためのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。ソースアドレスは、静的なソースアドレス(例えば、「https://www.processplant.com」)として定義されることができるか、または動的に定義されることができ、いくつかのソースアドレスの1つは、特定の条件または一連の条件に基づいてランタイム中にウェブブラウザにウェブコンテンツを提示するためのソースアドレスとして選択される。グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110はまた、表示ビュー内のウェブブラウザのサイズ、位置、および他の視覚的属性を定義するためのグラフィカルユーザコントロールも含むことができる。さらに、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、ウェブブラウザ内で実行される機能の制限を示すサンドボックスまたはサンドボックス属性を定義するためのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。さらに、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、ウェブブラウザにおいてウェブコンテンツを提示するためのソースアドレスとして設定されることが可能にされるウェブアドレスまたはデータが検索および提示されることができるウェブアドレスを指定するソースホワイトリストを定義するためのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。
【0092】
次いで、ウェブブラウザ表示ビュー要素の提示パラメータは、動作環境でオペレータアプリケーション135を実行するユーザインターフェース装置8にダウンロードされる。そして、ランタイム中に、オペレータアプリケーション135は、ウェブブラウザとともにプロセスプラント内の制御要素のグラフィカル表現を含む表示ビューを提示することができる。
【0093】
さらにまた、オペレータアプリケーション135は、提示パラメータにしたがってウェブブラウザを提示してもよい。例えば、オペレータアプリケーション135は、構成環境102で定義された位置、サイズ(例えば、高さおよび幅)、および他の視覚的属性にしたがって表示ビューにウェブブラウザを提示する。他の視覚的属性は、ウェブブラウザの境界を定義する線の太さ、線の色、ウェブブラウザの塗りつぶしの色、ウェブコンテンツがウェブブラウザの境界内に収まらない場合のウェブブラウザのスクロールバー、ウェブブラウザ内の様々なウェブアドレスにナビゲートするためのツールバーなどを含むことができる。オペレータアプリケーション135はまた、構成環境102で定義されたソースアドレスからのウェブコンテンツをウェブブラウザに提示し、構成環境102で定義されたサンドボックスまたはサンドボックス属性にしたがってウェブブラウザ内の機能を制限する。さらにまた、オペレータがウェブブラウザのユーザコントロールを介して新たなウェブアドレスにナビゲートすると、オペレータアプリケーション135は、新たなウェブアドレスを構成環境102で定義されたシステムソースホワイトリストに含まれるウェブアドレスのリストと比較する。新たなウェブアドレスがシステムソースホワイトリストに含まれている場合、オペレータアプリケーション135は、新たなウェブアドレスからのウェブコンテンツをウェブブラウザに提示する。そうでない場合、オペレータアプリケーション135は、ウェブブラウザ内の新たなウェブアドレスへのアクセスを制限し、ウェブブラウザ内の新たなウェブアドレスからのウェブコンテンツを提示しない。代わりに、オペレータアプリケーション135は、ウェブブラウザの現在のウェブアドレスからのウェブコンテンツを提示し続けてもよい。
【0094】
図4は、構成キャンバス414上の表示ビュー410内でウェブブラウザ表示ビュー要素402を構成するためのグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110の例示的なビュー400を示している。表示ビュー410は、ウェブブラウザ表示ビュー要素402と、プロセスプラント404のセクションのグラフィック表現とを含む。この例では、プロセスプラントセクション404は、プロセスプラントの動作環境105内のタンクおよびポンプをそれぞれ表すタンク406およびポンプ408の表示ビュー要素を含む。グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110はまた、ウェブブラウザ表示ビュー要素402の様々な提示パラメータを定義するためのいくつかのグラフィカルユーザコントロールも含む。より具体的には、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、例えばウェブブラウザ表示ビュー要素402の隅部412の1つをクリックしてドラッグすることにより、ウェブブラウザ表示ビュー要素402のサイズを決定するためのグラフィカルユーザコントロールを含む。グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110はまた、例えば、ウェブブラウザ表示ビュー要素402をクリックし、ウェブブラウザ表示ビュー要素402を表示ビュー410内の所望の位置にドラッグすることにより、表示ビュー内にウェブブラウザ表示ビュー要素402を配置するためのグラフィカルユーザコントロールも含む。
【0095】
さらにまた、ウェブブラウザ表示ビュー要素402の位置および/またはサイズは、ウェブブラウザ表示ビュー要素402の編集ペイン420内のグラフィカルユーザコントロールを介して定義されてもよい。編集ペイン420は、表示ビュー410内のウェブブラウザ表示ビュー要素402の左上隅の画素位置など、表示ビュー410内のウェブブラウザ表示ビュー要素402の位置を定義するための自由形式のテキストフィールドまたはドロップダウンメニューなどのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。編集ペイン420はまた、ウェブブラウザ表示ビュー要素402の画素高さおよび画素幅を定義するためのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。さらに、編集ペイン420は、ウェブブラウザ表示ビュー要素402の他の視覚的属性を定義するためのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。これらのグラフィカルユーザコントロールは、ウェブブラウザ表示ビュー要素402の周りの境界またはフレームの線の色を選択するドロップダウンメニュー422、境界またはフレームの線の太さを選択するドロップダウンメニュー424、およびウェブコンテンツを表示するための背景の塗りつぶし色を選択するためのドロップダウンメニューを含むことができる。ウェブブラウザ表示ビュー要素402の視覚的属性を定義するためのグラフィカルユーザコントロールはまた、ウェブコンテンツがウェブブラウザ表示ビュー要素402の境界内に収まらない場合にウェブブラウザ表示ビュー要素402にスクロールバーを含めるかどうかを選択するためのチェックボックス426、およびウェブブラウザ内の様々なウェブアドレスにナビゲートするためのナビゲーションツールバー413を含めるかどうかを選択するためのチェックボックス428も含むことができる。ナビゲーションツールバー413は、リフレッシュボタン、戻るボタン、および進むボタンなど、ランタイム中にウェブブラウザ内でオペレータアプリケーション135においてナビゲートするためのいくつかのユーザコントロールを含むことができる。
【0096】
さらに、編集ペイン420は、ウェブコンテンツを提示するソースアドレスを定義するための自由形式のテキストフィールドまたはドロップダウンメニューなどのグラフィカルユーザコントロール430を含むことができる。編集ペイン420はまた、ランタイム中にオペレータアプリケーション135におけるウェブブラウザ内で実行される機能の制限を示すサンドボックス432またはサンドボックス属性434-444を定義するためのグラフィカルユーザコントロールも含むことができる。
【0097】
より具体的には、スクリプトおよび自動再生を制限するサンドボックス属性を定義するためのグラフィカルユーザコントロール434が選択されると、ウェブブラウザは、スクリプトおよび自動的にトリガーする他の機能を無効にする。したがって、ランタイム中、ウェブブラウザは、ソースアドレスまたは他のウェブアドレスから提供されるウェブコンテンツに含まれるスクリプトまたはビデオの自動再生などの他の機能を実行しないように構成される。ポップアップを制限するサンドボックス属性を定義するためのグラフィカルユーザコントロール436が選択されると、ウェブブラウザは、ポップアップを無効にする。したがって、ランタイム中に、ウェブブラウザは、新たなウィンドウまたはダイアログを作成しないように構成される。フォーム送信を制限するサンドボックス属性を定義するためのグラフィカルユーザコントロール438が選択されると、ウェブブラウザは、フォームが送信されるのを防止する。したがって、ランタイム中に、ウェブブラウザは、フォームを送信しないように構成される。ポインタロックを制限するサンドボックス属性を定義するためのグラフィカルユーザコントロール440が選択されると、ウェブブラウザは、ウェブブラウザの境界を通過する生のマウス移動データへのアクセスを提供するポインタロックAPIなどのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を無効にする。したがって、ランタイム中に、ウェブブラウザは、ソースアドレスまたは他のウェブアドレスから提供されるウェブコンテンツに含まれるAPIを呼び出したり実行したりしないように構成される。固有オリジンを使用したロードのサンドボックス属性を定義するためのグラフィカルユーザコントロール442が選択されると、ウェブブラウザは、サーバコンテンツへのアクセスを防止し、ウェブコンテンツを固有オリジンからのものとして扱う。したがって、ランタイム中に、記憶機能を制限したウェブブラウザは、クッキーまたは他の記憶機構に記憶されているデータにアクセスしないように構成される。自身内をナビゲートするだけのサンドボックス属性を定義するためのグラフィカルユーザコントロール444が選択されると、ウェブブラウザは、最上位の親ブラウジングコンテキストにナビゲートすることができず、ウェブブラウザのフレーム外の新たなウィンドウにウェブコンテンツを表示することができない。換言すると、ランタイム中、オペレータは、ウェブブラウザのフレームから抜け出し、新たなウィンドウにウェブコンテンツを表示するためにナビゲートすることができない。
【0098】
サンドボックス432を定義するためのグラフィカルユーザコントロールが選択されると、ウェブブラウザは、サンドボックス属性434-444に含まれる全ての制限を含めるように構成される。したがって、構成エンジニアが全ての制限を含むようにウェブブラウザ表示ビュー要素402を構成したい場合、構成エンジニアは、サンドボックスグラフィカルユーザコントロール432を選択することができる。一方、構成エンジニアが特定の制限セットを含むようにウェブブラウザ表示ビュー要素402を構成したい場合、構成エンジニアは、サンドボックス属性グラフィカルユーザコントロール434-444の1つまたはいくつかを選択して、ウェブブラウザ表示ビュー要素402の適切な制限を識別することができる。
【0099】
さらに、編集ペイン420は、自由形式のテキストフィールド、ドロップダウンメニュー、またはソースホワイトリストを定義するための拡張可能なウィンドウを備えたボタンなどのグラフィカルユーザコントロール446を含むことができる。ソースホワイトリストは、ウェブコンテンツの特定のソースアドレスとして設定されることが可能にされるウェブアドレスまたはデータを検索してウェブブラウザで表示することができるウェブアドレスを指定する。ランタイム中、オペレータアプリケーション135は、ソースホワイトリストに含まれるウェブアドレスをソースアドレスと比較し、ソースアドレスがソースホワイトリストに含まれる場合、ウェブブラウザでソースアドレスからのウェブコンテンツのみを提示する。そして、オペレータが他のウェブアドレスにナビゲートすると(例えば、ウェブコンテンツの一部として表示されるリンクをクリックするかまたはナビゲーションツールバー413でユーザコントロールを選択することにより)、他のウェブアドレスがソースホワイトリストと比較される。オペレータアプリケーション135は、他のウェブアドレスがソースホワイトリストに含まれている場合にのみ、他のウェブアドレスからのウェブコンテンツをウェブブラウザに提示する。ソースまたは他の選択したウェブアドレスをソースホワイトリストと比較することに加えて、ウェブコンテンツがソースアドレスとは異なるウェブアドレスからのデータをプルする場合、異なるウェブアドレスがソースホワイトリストと比較される。オペレータアプリケーション135は、異なるウェブアドレスがソースホワイトリストに含まれている場合にのみ、異なるウェブアドレスからプルされたデータを提示する。
【0100】
また、いくつかの実施形態では、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、ローカルソースホワイトリストおよびシステムソースホワイトリストを定義するためのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。ローカルソースホワイトリストは、それが構成されるウェブブラウザオブジェクトの特定のインスタンスに適用されることができる。例えば、例示的なビュー400では、ウェブブラウザ表示ビュー要素402は、ウェブブラウザ1とラベル付けされている。ウェブブラウザ1の編集ペイン420で構成されたローカルソースホワイトリストは、ウェブブラウザ1に適用することができ、これは、ランタイム中、オペレータアプリケーション135がウェブブラウザ1のコンテンツを表示するソースアドレスをウェブブラウザ1のローカルソースホワイトリストに含まれるウェブアドレスと比較することを意味する。
【0101】
さらに、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、システムソースホワイトリストを定義するためのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。システムソースホワイトリストは、ランタイム中にプロセスプラント内で実行されるウェブブラウザオブジェクトの各インスタンスに適用することができる。例えば、プロセスプラントの様々なセクション、制御モジュール、機能ブロックなどを表す複数の表示ビューが作成され、プロセスプラントのグラフィカルな構成を表す。一部の表示ビューは、ウェブブラウザ表示ビュー要素を含むことができる。ユーザインターフェース装置8上で実行されるオペレータアプリケーション135は、ウェブブラウザ表示ビュー要素のそれぞれでコンテンツを提示するためのソースアドレスをシステムソースホワイトリストに含まれるウェブアドレスと比較する。いくつかの実施形態では、ウェブブラウザのローカルソースホワイトリストおよびシステムソースホワイトリストの両方にウェブアドレスが含まれる場合、オペレータアプリケーション135は、ウェブブラウザのソースアドレスからのウェブコンテンツのみを提示する。
【0102】
さらにまた、ソースアドレス以外の他のウェブアドレスにナビゲートする要求の受信に応答して、オペレータアプリケーション135は、他のウェブアドレスをシステムソースホワイトリストに含まれるウェブアドレスのリストと比較してもよい。他のウェブアドレスがシステムソースホワイトリストに含まれていると判定したのに応じて、オペレータアプリケーション135は、他のウェブアドレスからのウェブコンテンツをウェブブラウザに提示する。そうでない場合、オペレータアプリケーション135は、ウェブブラウザ内の他のウェブアドレスへのアクセスを制限し、ウェブブラウザ内の他のウェブアドレスからのウェブコンテンツを提示しない。代わりに、オペレータアプリケーション135は、ウェブブラウザのソースアドレスからのウェブコンテンツを提示し続けてもよい。
【0103】
また、いくつかの実施形態では、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、グラフィカル構成データベース120からシステムソースホワイトリストを取得してもよい。構成エンジニアがグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110を介してシステムソースホワイトリストにウェブアドレスを追加しまたは削除すると、ウェブアドレスがグラフィカル構成データベース120に提供され、ウェブブラウザオブジェクトの更新されたシステムソースホワイトリストに含められる。更新されたシステムソースホワイトリストはまた、オペレータアプリケーション135がそれぞれのウェブブラウザのソースアドレスを更新されたシステムソースホワイトリストと比較することができるように、オペレータアプリケーション135にダウンロードされてもよい。
【0104】
図5は、プロセスプラントの表示ビュー内でウェブブラウザを構成するための例示的な方法500のフロー図を示している。方法500は、1つ以上のUI装置8上で動作するグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110、オペレータアプリケーション135、またはこれらの任意の適切な組み合わせによって実行することができる。
【0105】
ブロック502において、表示ビュー内のウェブブラウザ表示ビュー要素の位置が定義されることができる。例えば、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、ウェブブラウザオブジェクトを選択し、表示ビュー内のウェブブラウザ表示ビュー要素の位置を定義するためのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。ウェブブラウザ表示ビュー要素の位置を定義することに加えて、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、その高さおよび幅などのウェブブラウザ表示ビュー要素のサイズを定義するためのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。次に、ブロック504において、ウェブブラウザ表示ビュー要素のソースアドレスの選択が受信される。例えば、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、ウェブコンテンツを提示するソースアドレスを定義するための自由形式のテキストフィールドまたはドロップダウンメニューなどのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。ソースアドレスは、静的なソースアドレス(例えば、「https://www.processplant.com」)として定義されることができるか、または動的に定義されることができ、いくつかのソースアドレスの1つは、特定の条件または一連の条件に基づいてウェブブラウザにウェブコンテンツを提示するためのソースアドレスとして選択される。例えば、選択したソースアドレスが「https://www.processplant.com」の場合、ウェブブラウザの表示ビュー要素は、ランタイム中に「https://www.processplant.com」のホームページを表示するように構成されることができる。
【0106】
ブロック506において、ウェブコンテンツの特定のソースアドレスとして設定されることが可能にされるウェブアドレスまたはウェブブラウザでデータを検索および提示することができるウェブアドレスを指定するウェブブラウザ表示ビュー要素のソースホワイトリストが構成される。ランタイム中、オペレータアプリケーション135は、ソースホワイトリストに含まれるウェブアドレスをソースアドレスと比較し、ソースアドレスがソースホワイトリストに含まれる場合、ウェブブラウザでソースアドレスからのウェブコンテンツのみを提示する。ソースまたは他の選択したウェブアドレスをソースホワイトリストと比較することに加えて、ウェブコンテンツがソースアドレスとは異なるウェブアドレスからのデータをプルする場合、異なるウェブアドレスもまたソースホワイトリストと比較される。
【0107】
ブロック508において、ウェブブラウザ表示ビュー要素に対する制限の選択が受信される。例えば、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、サンドボックスまたはサンドボックス属性を定義するためのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。サンドボックス属性は、スクリプトと自動再生の制限、ポップアップの制限、フォーム送信の制限、ポインタロックの制限、固有オリジンによるロード、およびその内部でのナビゲーションのみを含むことができる。サンドボックスを定義するためのグラフィカルユーザコントロールが選択されると、ウェブブラウザは、サンドボックス属性に含まれる全ての制限を含めるように構成される。
【0108】
ブロック510において、ウェブブラウザ表示ビュー要素の視覚的属性の選択が受信される。例えば、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、ウェブコンテンツがウェブブラウザ表示ビュー要素の境界内に収まらない場合にウェブブラウザ表示ビュー要素にスクロールバーを含めるかどうかを選択し、ウェブブラウザ内の様々なウェブアドレスにナビゲートするためのナビゲーションツールバーを含めるかどうかを選択するためのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。ナビゲーションツールバー413は、リフレッシュボタン、戻るボタン、および進むボタンなど、ランタイム中にウェブブラウザ内でオペレータアプリケーション135においてナビゲートするためのいくつかのユーザコントロールを含むことができる。グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110はまた、ウェブブラウザ表示ビュー要素の周りの境界またはフレームの線の色を選択し、境界またはフレームの線の太さを選択し、ウェブコンテンツを提示するための背景の塗りつぶし色を選択するためのグラフィカルユーザコントロールも含むことができる。
【0109】
グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110を介して、ウェブブラウザ表示ビュー要素が表示ビュー内で構成される場合、構成されたウェブブラウザ表示ビュー要素を有する結果の表示ビューは、例えば、プロセスプラントの動作環境105におけるオペレータアプリケーション135のインスタンスとして、実行のためにユーザインターフェース装置にダウンロードされる(ブロック512)。結果の表示ビューは、ウェブブラウザとともに、制御要素(プロセスプラントのセクション、プロセスプラントエンティティ、制御モジュール、機能ブロック、アラームリスト、履歴パラメータなど)のグラフィカル表現を含む。このようにして、オペレータは、例えば、プロセス機器のライブカメラフィードとともに、ランタイム環境からのプロセスパラメータ値を有するプロセス機器の概略図を見ることができる。したがって、オペレータは、例えば表示ビューに描かれたプロセス機器の部品のグラフィカル表現を介して設定点を調整することにより、そのプロセス機器の部品を動作させながら実際のプロセス機器を見ることができる。
【0110】
図6は、プロセスプラントの表示ビュー内に埋め込まれたウェブブラウザを提示するための例示的な方法600のフロー図を示している。方法600は、1つ以上のUI装置8上で動作するグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110、オペレータアプリケーション135、またはこれらの任意の適切な組み合わせによって実行することができる。
【0111】
ブロック602において、ウェブブラウザ内にウェブコンテンツを提示するためのウェブブラウザオブジェクトのインスタンスが受信される。例えば、オペレータアプリケーション135は、表示ビュー内のウェブブラウザオブジェクトのインスタンスを取得することができ、ウェブブラウザオブジェクトのインスタンスは、ウェブコンテンツを提示するためのソースアドレスを含む。表示ビューの第1の部分では、プロセスプラントのセクション、プロセスプラントエンティティ、制御モジュール、機能ブロック、アラームリスト、履歴パラメータなどの表示など、制御要素のグラフィカル表現が提示される(ブロック604)。ウェブブラウザオブジェクトのインスタンスによって定義されたウェブブラウザ表示ビュー要素もまた、ソースアドレスからのウェブコンテンツとともに表示ビューの第2の部分に提示される(ブロック606)。例えば、オペレータアプリケーション135は、プロセス機器のライブカメラフィードを提示するウェブブラウザの隣にプロセス機器の概略図を提示することができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、ウェブブラウザ表示ビュー要素は、表示ビュー内のウェブブラウザのサイズおよび位置、ウェブブラウザの境界を定義する線の太さ、線の色、およびウェブブラウザの塗りつぶし色などの1つまたはいくつかの提示パラメータを含む。提示パラメータはまた、ウェブコンテンツがウェブブラウザの境界内に収まらない場合にウェブブラウザにスクロールバーを含めるかどうか、およびウェブブラウザ内で様々なウェブアドレスにナビゲートするためのツールバーを含めるかどうかも含むことができる。さらにまた、提示パラメータは、サンドボックスまたはサンドボックス属性など、ウェブブラウザ内で実行される機能の制限を含むことができる。提示パラメータはまた、ウェブコンテンツを表示するためのソースアドレスとして設定されることが可能にされるウェブアドレスまたはデータを検索してウェブブラウザで表示することができるウェブアドレスを指定するソースホワイトリストを含むこともできる。
【0113】
オペレータアプリケーション135は、各提示パラメータにしたがってウェブブラウザを提示する。例えば、オペレータアプリケーション135は、提示パラメータで定義された位置、サイズ(例えば、高さおよび幅)、および他の視覚的属性にしたがって表示ビューにウェブブラウザを提示する。オペレータアプリケーション135はまた、ソースアドレスからのウェブコンテンツをウェブブラウザに提示し、提示パラメータで定義されたサンドボックスまたはサンドボックス属性にしたがってウェブブラウザ内の機能を制限する。
【0114】
いずれにしても、ウェブブラウザ内で他のウェブアドレスにナビゲートする要求の受信に応答して(例えば、ツールバー内のナビゲーションボタンの選択を受信する、ウェブコンテンツに表示されるリンクの選択を受信するなど)(ブロック608)、オペレータアプリケーション135は、新たなウェブアドレスをウェブブラウザのソースホワイトリストに含まれるウェブアドレスのリストと比較する(ブロック610)。新たなウェブアドレスがソースホワイトリストに含まれている場合、オペレータアプリケーション135は、新たなウェブアドレスからのウェブコンテンツをウェブブラウザに提示する(ブロック614)。そうでない場合、オペレータアプリケーション135は、ウェブブラウザ内の新たなウェブアドレスへのアクセスを制限し、ウェブブラウザ内の現在のウェブアドレスからのウェブコンテンツを提示し続ける(ブロック606)。
【0115】
本開示で説明される技術の実施形態は、単独または組み合わせのいずれかで、以下の任意の数の態様を含んでもよい:
【0116】
1.プロセスプラントのグラフィカル表示ビューにウェブブラウザを埋め込む方法であって、プロセスプラントの構成環境においてグラフィカル構成アプリケーションを実行するコンピューティング装置のユーザインターフェースを介して、グラフィカル表示ビュー内のソースアドレスからのウェブコンテンツをウェブブラウザに提示するためにウェブブラウザオブジェクトを構成することと、ユーザインターフェース装置におけるランタイム実行中に、グラフィカル表示ビューが、(i)ソースアドレスからのウェブコンテンツを有するウェブブラウザ、および(ii)プロセスプラントの制御モジュール、機能ブロック、プロセスプラントエンティティ、またはプロセスセクションの少なくとも1つを含む1つ以上のプロセス制御要素の表示を提示するように、プロセスプラントの動作環境において実行するために、グラフィカル構成アプリケーションを介して、構成されたウェブブラウザオブジェクトを構成環境からユーザインターフェース装置にダウンロードすることとを備える方法。
【0117】
2.ウェブブラウザオブジェクトを構成することが、ユーザインターフェース装置においてランタイム実行中に提示されるウェブコンテンツに対する1つ以上の制限を構成することを含む、態様1に記載の方法。
【0118】
3.1つ以上の制限を構成することが、グラフィカル構成アプリケーションによって提示される1つ以上のユーザコントロールを介して、ウェブブラウザ内のポップアップの制限、ウェブブラウザ内でのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)の実行に関する制限、ウェブブラウザ内でのスクリプトの実行に関する制限、ウェブブラウザ内でのフォームの送信に関する制限、ウェブブラウザ内のサーバコンテンツへのアクセスの制限、またはトップレベルのブラウジングコンテキストへのナビゲーションに関する制限のうちの少なくとも1つを構成することを含む、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
【0119】
4.ウェブブラウザオブジェクトを構成することが、ウェブコンテンツのソースアドレスとして設定されることが可能にされるウェブアドレスまたはウェブブラウザにおいてデータが検索および提示されることができるウェブアドレスを指定するソースホワイトリストを構成することを含む、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
【0120】
5.ソースホワイトリストを構成することが、プロセスプラントを表す複数のグラフィカル表示ビューのそれぞれに含まれる複数のウェブブラウザオブジェクトのそれぞれに適用されるシステムソースホワイトリストを構成することを含む、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
【0121】
6.ソースホワイトリストを構成することが、ウェブブラウザオブジェクトに適用されるローカルソースホワイトリストを構成することを含む、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
【0122】
7.ウェブブラウザオブジェクトを構成することが、グラフィカル構成アプリケーションによって提示されるユーザコントロールを介して、ウェブブラウザ内でウェブコンテンツをナビゲートするツールバーを含むかどうかを選択することを含む、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
【0123】
8.ウェブブラウザオブジェクトを構成することが、グラフィカル表示ビュー内でウェブブラウザオブジェクトのサイズおよび位置を構成することを含む、先行する態様のいずれか1つに記載の方法。
【0124】
9.プロセスプラントのグラフィカル表示ビューにおいて埋め込みウェブブラウザを提示する方法であって、プロセスプラントの動作環境に含まれるユーザインターフェース装置において、グラフィカル表示ビュー内のウェブコンテンツをウェブブラウザに提示するためにウェブブラウザオブジェクトのインスタンスを受信することであって、ウェブブラウザオブジェクトのインスタンスが、ウェブコンテンツを提示し且つ1つ以上の提示パラメータを有するソースアドレスを含む、受信することと、プロセスプラントのランタイム中にユーザインターフェース装置において、(i)1つ以上の提示パラメータにしたがって提示されるソースアドレスからのウェブコンテンツを有するウェブブラウザ、および(ii)プロセスプラントの制御モジュール、機能ブロック、プロセスプラントエンティティ、またはプロセスセクションのうちの少なくとも1つを含む1つ以上のプロセス制御要素の表示を含むグラフィカル表示ビューを提示することとを備える方法。
【0125】
10.ウェブブラウザオブジェクトのインスタンスを受信することが、ウェブコンテンツのソースアドレスとして設定されることが可能にされるウェブアドレスまたはウェブブラウザにおいてデータが検索および提示されることができるウェブアドレスを指定するソースホワイトリストを示す1つ以上の提示パラメータのうちの提示パラメータを有するウェブブラウザオブジェクトのインスタンスを受信することを含む、態様9に記載の方法。
【0126】
11.ソースホワイトリストが、ウェブブラウザオブジェクトの構成中に構成されるローカルソースホワイトリストと、プロセスプラントを表す複数のグラフィカル表示ビューのそれぞれに含まれる複数のウェブブラウザオブジェクトのそれぞれに対して構成されるシステムソースホワイトリストとを含む、態様9または態様10のいずれか1つに記載の方法。
【0127】
12.ウェブブラウザ内のユーザコントロールを介してユーザインターフェース装置において、ソースアドレス以外の他のウェブアドレスにナビゲーションする要求を受信することと、他のウェブアドレスを、システムソースホワイトリストに含まれる1つ以上のウェブアドレスと比較することと、他のウェブアドレスがシステムソースホワイトリストに含まれていると判定したのに応答して、他のウェブアドレスからのウェブコンテンツをウェブブラウザに提示することとをさらに備える、態様9-11のいずれか1つに記載の方法。
【0128】
13.他のウェブアドレスがシステムソースホワイトリストに含まれていないと判定したのに応答して、他のウェブアドレスからのウェブコンテンツをウェブブラウザに提示しないことをさらに備える、態様9-12のいずれか1つに記載の方法。
【0129】
14.ウェブブラウザオブジェクトのインスタンスを受信することが、ランタイム実行中に提示されるウェブコンテンツに対する1つ以上の制限を示す1つ以上の提示パラメータのうちの提示パラメータを有するウェブブラウザオブジェクトのインスタンスを受信することを含み、1つ以上の提示パラメータにしたがってソースアドレスからのウェブコンテンツを有するウェブブラウザを含むグラフィカル表示ビューを提示することが、ウェブコンテンツに対する1つ以上の制限を有するウェブブラウザを含むグラフィカル表示ビューを提示することを含む、態様9-13のいずれか1つに記載の方法。
【0130】
15.ウェブコンテンツに対する1つ以上の制限が、ウェブブラウザ内のポップアップの制限、ウェブブラウザ内でのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)の実行に関する制限、ウェブブラウザ内でのスクリプトの実行に関する制限、ウェブブラウザ内でのフォームの送信に関する制限、ウェブブラウザ内のサーバコンテンツへのアクセスの制限、またはトップレベルのブラウジングコンテキストへのナビゲーションに関する制限のうちの少なくとも1つを含む、態様9-14のいずれか1つに記載の方法。
【0131】
16.オペレータアプリケーションを介してプロセスプラントのグラフィカル表示ビューに埋め込みウェブブラウザを提示するためにプロセスプラントの動作環境に含まれるユーザインターフェース装置であって、プロセッサと、プロセッサに結合されたディスプレイと、プロセッサに結合されたメモリであって、(i)グラフィカル表示ビュー内のソースアドレスからのウェブコンテンツをウェブブラウザに提示するように構成されたウェブブラウザオブジェクトのインスタンスであって、ウェブブラウザオブジェクトのインスタンスが1つ以上の提示パラメータを有するインスタンスと、(ii)ランタイム中にプロセッサによって実行されると、オペレータアプリケーションに、(i)プロセスプラントの制御モジュール、機能ブロック、プロセスプラントエンティティ、またはプロセスセクションの少なくとも1つを含む1つ以上のプロセス制御要素の表示、および(ii)1つ以上の提示パラメータにしたがって提示されたソースアドレスからのウェブコンテンツを有するウェブブラウザを含むグラフィカル表示ビューを提示させるコンピュータ実行可能命令と、を記憶するメモリとを備える、ユーザインターフェース装置。
【0132】
17.1つ以上の提示パラメータが、ウェブコンテンツのソースアドレスとして設定されることが可能にされるウェブアドレスまたはデータがウェブブラウザにおいて検索および提示されることができるウェブアドレスを指定するソースホワイトリストを示す提示パラメータを含む、態様16に記載のユーザインターフェース装置。
【0133】
18.命令が、さらに、オペレータアプリケーションに、ウェブブラウザ内のユーザコントロールを介して、ソースアドレス以外の他のウェブアドレスにナビゲーションする要求を受信させ、他のウェブアドレスをソースホワイトリストに含まれる1つ以上のウェブアドレスと比較させ、他のウェブアドレスがソースホワイトリストに含まれていると判定したのに応答して、ウェブブラウザに他のウェブアドレスからのウェブコンテンツを提示させる、態様16または17に記載のユーザインターフェース装置。
【0134】
19.1つ以上の提示パラメータが、ランタイム実行中に提示されるウェブコンテンツに対する1つ以上の制限を示す提示パラメータを含む、態様16-18のいずれか1つに記載のユーザインターフェース装置。
【0135】
20.ウェブコンテンツに対する1つ以上の制限が、ウェブブラウザ内のポップアップの制限、ウェブブラウザ内でのアプリケーションプログラミングインターフェース(API)の実行に関する制限、ウェブブラウザ内でのスクリプトの実行に関する制限、ウェブブラウザ内でのフォームの送信に関する制限、ウェブブラウザ内のサーバコンテンツへのアクセスの制限、またはトップレベルのブラウジングコンテキストへのナビゲーションに関する制限のうちの少なくとも1つを含む、態様16-19のいずれか1つに記載のユーザインターフェース装置。
【0136】
さらに、本開示の先の態様は、例示にすぎず、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。
【0137】
上記の説明には、以下の追加の考慮事項が適用される。この明細書全体を通して、装置またはルーチンによって実行されると説明されるアクションは、一般に、機械可読命令にしたがってデータを操作または変換するプロセッサのアクションまたはプロセスを指す。機械可読命令は、プロセッサに通信可能に結合されたメモリ装置に記憶され、そこから検索されることができる。すなわち、本明細書で説明される方法は、図1Bに示されるように、コンピュータ可読媒体(すなわち、メモリ装置)に記憶された機械実行可能命令のセットによって具現化されることができる。命令は、対応する装置(サーバ、ユーザインターフェース装置など)の1つ以上のプロセッサによって実行されると、プロセッサに方法を実行させる。命令、ルーチン、モジュール、プロセス、サービス、プログラム、および/またはアプリケーションが本明細書でコンピュータ可読メモリまたはコンピュータ可読媒体に記憶または保存される場合、「記憶」および「保存」という語句は、一時的な信号を除外することを意図している。
【0138】
さらに、「オペレータ」、「従業員」、「人」、「ユーザ」、「技術者」などの用語は、本明細書に記載のシステム、装置、および方法を使用または相互作用することができるプロセスプラント環境の人を記載するために使用されるが、これらの用語は、限定することを意図していない。説明において特定の用語が使用される場合、その用語は、部分的には、プラントの従業員が従事する従来の活動のために使用されるが、その特定の活動に従事することができる従業員を限定することを意図していない。
【0139】
さらに、この明細書全体で、複数のインスタンスは、単一のインスタンスとして記載されたコンポーネント、動作、または構造を実装することができる。1つ以上の方法の個々の動作は、別個の動作として図示および説明されているが、個々の動作の1つ以上を同時に実行することができ、図示の順序で動作を実行する必要はない。例示的な構成において別個のコンポーネントとして提示される構造および機能は、結合された構造またはコンポーネントとして実装されることができる。同様に、単一のコンポーネントとして提示される構造および機能は、別個のコンポーネントとして実装されることができる。これらのおよび他の変形例、変更例、追加例、および改善例は、本明細書の主題の範囲内に含まれる。
【0140】
特に断りのない限り、「処理する(processing)」、「計算する(computing)」、「計算する(calculating)」、「判定する(determining)」、「識別する(identifying)」、「提示する(presenting)」、「提示させる(causing to be presented)」、「表示させる(causing to be displayed)」などの語句を使用した本明細書における説明は、1つ以上のメモリ(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはそれらの組み合わせ)、レジスタ、または情報を受信、記憶、送信、または表示する他の機械的コンポーネント内の物理(例えば、電子、磁気、生物学、または光学)量として表されるデータを操作または変換する機械(例えば、コンピュータ)のアクションまたはプロセスを指すことができる。
【0141】
ソフトウェアで実装される場合、本明細書で説明するアプリケーション、サービス、およびエンジンのいずれかは、磁気ディスク、レーザーディスク(登録商標)、固体メモリ装置、分子メモリ記憶装置、またはコンピュータまたはプロセッサのRAMまたはROM内の他の記憶媒体など、有形の非一時的なコンピュータ可読メモリに記憶されることができる。本明細書に開示される例示的なシステムは、他のコンポーネントの中でも、ハードウェア上で実行されるソフトウェアおよび/またはファームウェアを含むものとして開示されているが、そのようなシステムは、単なる例示であり、限定するものと見なされるべきではないことに留意すべきである。例えば、これらのハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアコンポーネントのいずれかまたは全ては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはハードウェアとソフトウェアの任意の組み合わせで具体化されることができると考えられる。したがって、当業者は、提供される例がそのようなシステムを実装する唯一の方法ではないことを容易に理解するであろう。
【0142】
したがって、本発明は、特定の例を参照して説明されたが、これは、例示のみを目的としており、本発明を限定するものではなく、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に対して変更、追加、削除がなされ得ることは、当業者にとって明らかであろう。
【0143】
「本明細書で使用する場合、用語「__」は、・・・を意味するように本明細書によって定義される」という文または同様の文を使用して本特許において用語が明示的に定義されない限り、その明白なまたは通常の意味を超えて明示的または暗示的にその用語の意味を限定する意図はなく、そのような用語は、本特許の任意のセクション(特許請求の範囲の文言を除く)においてなされた任意の言及に基づいて範囲を限定するように解釈されるべきではないこともまた理解されるべきである。本特許の末尾の特許請求の範囲に記載されたいずれかの用語が単一の意味と一致する方法で本特許において言及される限りにおいて、それは、読者を混乱させないように明確さのためにのみ行われ、そのような特許請求の範囲の用語が、暗黙的にまたは他の意味でその単一の意味に限定されることを意図するものではない。最後に、任意の構造の記載なく特許請求の範囲の要素が「手段」という語句および機能を記載することによって定義されていない限り、米国特許法第112条(f)および/または米国特許法(pre-AIA)第112条第6パラグラフの適用に基づいて任意の特許請求の範囲の要素の範囲が解釈されることを意図するものではない。
【0144】
さらに、前述のテキストは、多くの異なる実施形態の詳細な説明を記載しているが、本特許の範囲は、本特許の末尾に記載されている特許請求の範囲の語句によって定義されることが理解されるべきである。詳細な説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、全ての可能な実施形態を説明することは不可能ではないにしても非現実的であるため、全ての可能な実施形態を説明するものではない。現在の技術または本特許の出願日以降に開発された技術のいずれかを使用して、多数の代替実施形態が実装されることができ、これらは、なおも特許請求の範囲内に含まれる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5
図6