(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】農作業支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20231120BHJP
B64C 27/08 20230101ALI20231120BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20231120BHJP
B64D 27/24 20060101ALI20231120BHJP
B64D 1/16 20060101ALI20231120BHJP
A01M 7/00 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
G06Q50/02
B64C27/08
B64C39/02
B64D27/24
B64D1/16
A01M7/00 H
(21)【出願番号】P 2019167705
(22)【出願日】2019-09-13
【審査請求日】2021-12-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】望月 良真
(72)【発明者】
【氏名】執行 宗司
(72)【発明者】
【氏名】藤原 寛昌
(72)【発明者】
【氏名】松代 悠暉
(72)【発明者】
【氏名】犬飼 遼太
(72)【発明者】
【氏名】橋本 和也
【審査官】山崎 雄司
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-104406(JP,A)
【文献】特開2008-068710(JP,A)
【文献】国際公開第2018/003078(WO,A1)
【文献】スターターガイド Ver.1.00,[online],2018年03月27日,[2023年7月19日検索],インターネット,<URL:https://info.midori-cloud.net/production/pr/pdf/20180327_0.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B64C 27/08
B64C 39/02
B64D 27/24
B64D 1/16
A01M 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の圃場の上空を跨って飛行し、前記複数の圃場のうち少なくとも1つの圃場の上空には複数回進入するように飛行した飛行体の農作業の実績である飛行作業実績を取得する飛行取得部と、
前記飛行体が前記複数の圃場の上空を跨って飛行し、前記複数の圃場のうち少なくとも1つの圃場の上空には複数回進入するように飛行した時に前記飛行取得部が取得した前記飛行作業実績を、前記圃場毎に分割することで、前記圃場毎の農作業実績を作成する実績作成部と、
を備え、
前記実績作成部は、前記複数の圃場の各々の前記農作業実績において、当該圃場の作業エリアの上空に最初に達した時に取得された前記飛行作業実績を当該圃場における作業開始実績とし、当該圃場の作業エリアの上空に最後に位置していた時に取得された前記飛行作業実績を当該圃場における作業終了実績とし、当該圃場の作業エリアにおいて前記作業開始実績の取得時と前記作業終了実績の取得時との間で取得された前記飛行作業実績を当該圃場における中間作業実績と
し、
前記飛行体は、蓄電池と前記蓄電池の動力で回転するロータと、前記ロータの駆動によって回転するブレードと、散布物を収容する容器と、前記容器に収容した散布物を圃場に散布する散布ノズルとを含み、
前記実績作成部は、前記飛行体が前記複数の圃場のうちいずれかの上空において、前記蓄電池の蓄電容量が所定の容量に低下したとき、又は、散布物の容量が低下したときの作業中断位置の前記飛行作業実績を、作業中断実績とする農作業支援システム。
【請求項2】
前記複数の圃場が第1圃場及び第2圃場を含む場合において、
前記実績作成部は、
前記飛行体が離陸位置から最初に前記第1圃場の上空に入って、前記第1圃場の作業エリアに達したときの前記飛行作業実績を、前記第1圃場における前記作業開始実績とし、
前記飛行体が前記第1圃場の上空から次に前記第2圃場の上空に入って、前記第2圃場の作業エリアに最初に達したときの前記飛行作業実績を、前記第2圃場における前記作業開始実績とし、
前記第1圃場における前記作業開始実績としての前記飛行作業実績が取得された後に、前記飛行体が再び前記第1圃場の上空に入って、前記第1圃場の作業エリアに達した時の前記飛行作業実績を、前記第1圃場における前記作業開始実績としない請求項1に記載の農作業支援システム。
【請求項3】
前記実績作成部は、
前記第2圃場における前記作業開始実績としての前記飛行作業実績が取得された後に、前記飛行体が再び前記第2圃場の上空に入って、前記第2圃場の作業エリアに達したときの前記飛行作業実績を、前記第2圃場における前記作業開始実績としない請求項2に記載の農作業支援システム。
【請求項4】
前記実績作成部は、前記飛行体が前記第2圃場の作業エリアの上空に位置していたときの最後の前記飛行作業実績を、前記第2圃場における前記作業終了実績とする請求項2に記載の農作業支援システム。
【請求項5】
前記実績作成部は、前記第1圃場における前記作業開始実績としての前記飛行作業実績が取得された後に、前記飛行体が前記第1圃場の上空から去って再び前記第1圃場の上空に入った後、前記飛行体が前記第1圃場の作業エリアの上空に位置していたときの最後の前記飛行作業実績を、前記第1圃場における前記作業終了実績とする請求項2に記載の農作業支援システム。
【請求項6】
前記実績作成部は、前記第2圃場における前記作業開始実績としての前記飛行作業実績が取得された後に、前記飛行体が前記第2圃場の上空から去って再び前記第2圃場の上空に進入した後、前記飛行体が前記第2圃場の作業エリアの上空に位置していたときの最後の前記飛行作業実績を、前記第2圃場における前記作業終了実績とする請求項3に記載の農作業支援システム。
【請求項7】
前記実績作成部は、前記飛行体が前記蓄電池又は散布物を補充後、前記作業中断位置へ戻ってから、当該圃場の作業エリアの上空に位置していたときの最後の前記飛行作業実績を、当該圃場における前記作業終了実績とする請求項
1~6のいずれかに記載の農作業支援システム。
【請求項8】
前記実績作成部は、前記飛行取得部が取得した測位情報、飛行時刻、散布量、飛行時の高度、散布のON/OFF情報のいずれか、またはその組み合わせの情報に基づいて、作業開始時間、作業終了時間、前記飛行体で散布した散布物の散布量、前記飛行体の散布軌跡、前記散布物の散布幅、前記飛行体で散布したときの高さのいずれか、またはその組み合わせを前記圃場毎の前記農作業実績として作成する請求項1~
7のいずれかに記載の農作業支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、農作業支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圃場の上空を飛行して散布等を行う飛行体として特許文献1が知られている。特許文献1の農業用マルチコプターは、本体と、本体に取り付けられた複数本のアームと、アームに取り付けられ且つ揚力を発生させる回転翼と、本体を地面上に支持可能なスキッドと、本体の下方に設けられた装着部と、装着部に装着される作業装置とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の農業用マルチコプタによって、圃場に対して肥料や農薬などの散布を素早く行うことができる。しかしながら、肥料や農薬を散布した農作業の実績を圃場毎に管理するシステムが存在しておらず、農業用マルチコプタなどを用いて農作業を行った場合の管理が求められているのが実情である。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、飛行体によって農作業を行った場合の実績を簡単に圃場毎に管理することができる農作業支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
農作業支援システムは、複数の圃場の上空を跨って飛行し、前記複数の圃場のうち少なくとも1つの圃場の上空には複数回進入するように飛行した飛行体の農作業の実績である飛行作業実績を取得する飛行取得部と、前記飛行体が前記複数の圃場の上空を跨って飛行し、前記複数の圃場のうち少なくとも1つの圃場の上空には複数回進入するように飛行した時に前記飛行取得部が取得した前記飛行作業実績を、前記圃場毎に分割することで、前記圃場毎の農作業実績を作成する実績作成部と、を備えている。前記実績作成部は、前記複数の圃場の各々の前記農作業実績において、当該圃場の作業エリアの上空に最初に達した時に取得された前記飛行作業実績を当該圃場における作業開始実績とし、当該圃場の作業エリアの上空に最後に位置していた時に取得された前記飛行作業実績を当該圃場における作業終了実績とし、当該圃場の作業エリアにおいて前記作業開始実績の取得時と前記作業終了実績の取得時との間で取得された前記飛行作業実績を当該圃場における中間作業実績とする。前記飛行体は、蓄電池と前記蓄電池の動力で回転するロータと、前記ロータの駆動によって回転するブレードと、散布物を収容する容器と、前記容器に収容した散布物を圃場に散布する散布ノズルとを含み、前記実績作成部は、前記飛行体が前記複数の圃場のうちいずれかの上空において、前記蓄電池の蓄電容量が所定の容量に低下したとき、又は、散布物の容量が低下したときの作業中断位置の前記飛行作業実績を、作業中断実績とする。
【0006】
前記複数の圃場が第1圃場及び第2圃場を含む場合において、前記実績作成部は、前記飛行体が離陸位置から最初に前記第1圃場の上空に入って、前記第1圃場の作業エリアに達したときの前記飛行作業実績を、前記第1圃場における前記作業開始実績とし、前記飛行体が前記第1圃場の上空から次に前記第2圃場の上空に入って、前記第2圃場の作業エリアに最初に達したときの前記飛行作業実績を、前記第2圃場における前記作業開始実績とし、前記第1圃場における前記作業開始実績としての前記飛行作業実績が取得された後に、前記飛行体が再び前記第1圃場の上空に入って、前記第1圃場の作業エリアに達した時の前記飛行作業実績を、前記第1圃場における前記作業開始実績としない。
前記実績作成部は、前記第2圃場における前記作業開始実績としての前記飛行作業実績が取得された後に、前記飛行体が再び前記第2圃場の上空に入って、前記第2圃場の作業エリアに達したときの前記飛行作業実績を、前記第2圃場における前記作業開始実績としない。
【0007】
前記実績作成部は、前記飛行体が前記第2圃場の作業エリアの上空に位置していたときの最後の前記飛行作業実績を、前記第2圃場における前記作業終了実績とする。
前記実績作成部は、前記第1圃場における前記作業開始実績としての前記飛行作業実績が取得された後に、前記飛行体が前記第1圃場の上空から去って再び前記第1圃場の上空に入った後、前記飛行体が前記第1圃場の作業エリアの上空に位置していたときの最後の前記飛行作業実績を、前記第1圃場における前記作業終了実績とする。
前記実績作成部は、前記第2圃場における前記作業開始実績としての前記飛行作業実績が取得された後に、前記飛行体が前記第2圃場の上空から去って再び前記第2圃場の上空に進入した後、前記飛行体が前記第2圃場の作業エリアの上空に位置していたときの最後
の前記飛行作業実績を、前記第2圃場における前記作業終了実績とする。
【0009】
前記実績作成部は、前記飛行体が前記蓄電池又は散布物を補充後、前記作業中断位置へ戻ってから、当該圃場の作業エリアの上空に位置していたときの最後の前記飛行作業実績を、当該圃場における前記作業終了実績とする。
【0010】
前記実績作成部は、前記飛行取得部が取得した測位情報、飛行時刻、散布量、飛行時の高度、散布のON/OFF情報のいずれか、またはその組み合わせの情報に基づいて、作業開始時間、作業終了時間、前記飛行体で散布した散布物の散布量、前記飛行体の散布軌跡、前記散布物の散布幅、前記飛行体で散布したときの高さのいずれか、またはその組み合わせを前記圃場毎の前記農作業実績として作成する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、飛行体によって農作業を行った場合の実績を簡単に圃場毎に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】農
作業支援システムのネットワークの接続図である。
【
図3A】圃場Hnに登録した場合の圃場登録画面M1の一例を示す図である。
【
図3B】複数の圃場Hnを作業区域K1として登録した場合の圃場登録画面M1の一例を示す図である。
【
図4A】圃場Hnを登録した場合のデータの一例を示す図である。
【
図4B】作業区域K1を登録した場合のデータの一例を示す図である。
【
図5B】飛行体の作業に特化した作成画面M2aの一例を示す図である。
【
図6C】第1作業計画を第1農作業実績に変換した一例を示す図である。
【
図7】外部端末(携帯端末)に作業計画を表示した一例を示す図である。
【
図9C】第1農作業実績と第2農作業実績とを同一の圃場の実績とした場合の一例を示す図である。
【
図10A】散布状況画面M4の一例を示す図である。
【
図10B】散布状況画面M4の他例を示す図である。
【
図11】第1シンボルマークMK1と第2シンボルマークMK2との重なりを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
農作業支援システムは、農業機械における農作業を支援するシステムである。農業機械は、インプルメント等の作業装置2が装着されたトラクタ、田植機、コンバイン、農作業を行う飛行体等である。
まず、農業機械について説明する。
【0014】
<トラクタ>
図1及び2に示すように、トラクタ1は、走行装置7を有する走行車両(走行車体)3と、原動機4と、変速装置5とを備えている。走行装置7は、タイヤ型の走行装置又はクローラ型の走行装置である。原動機4は、ディーゼルエンジン、電動モータ等である。変速装置5は、変速によって走行装置7の推進力を切換可能であると共に、走行装置7の前進、後進の切換が可能である。走行車両3にはキャビン9が設けられ、当該キャビン9内には運転席10が設けられている。
【0015】
また、走行車両3の後部には、3点リンク機構等で構成された連結部8が設けられている。連結部8には、作業装置2が着脱可能である。作業装置2を連結部8に連結することによって、走行車両3によって作業装置2を牽引することができる。作業装置2は、耕耘する耕耘装置、肥料を散布する肥料散布装置、農薬を散布する農薬散布装置、収穫を行う収穫装置、牧草等の刈取を行う刈取装置、牧草等の拡散を行う拡散装置、牧草等の集草を行う集草装置、牧草等の成形を行う成形装置等である。
【0016】
トラクタ1は、検出装置11と、制御装置12とを備えている。検出装置11は、トラクタ1の状態を検出する装置であって、アクセルペダルセンサ、シフトレバー検出センサ、クランク位置センサ、燃料センサ、水温センサ、エンジン回転センサ、操舵角センサ、油温センサ、車軸回転センサ、操作量検出センサ等のセンサ、イグニッションスイッチ、駐車ブレーキスイッチ、PTOスイッチ、操作スイッチ等のスイッチ等である。
【0017】
制御装置12は、トラクタを制御する装置であって、CPU等である。制御装置12は、検出装置11で検出された検出値等に基づいて、トラクタ1の走行系や作業系の制御を行う。例えば、制御装置12は、操作量検出センサによって連結部8を昇降する操作具の操作量を検出し、当該操作量に基づいて連結部8を昇降する制御を行ったり、アクセルペダルセンサで検出した操作量に基づいてディーゼルエンジンの回転数を制御する。なお、制御装置12は、トラクタ1の作業系や走行系を制御するものであればよく、制御方式は限定されない。
【0018】
トラクタ1は、通信装置60Aを備えている。通信装置60Aは、農業支援装置90に直接通信及び間接通信のいずれかを行う通信モジュールであって、例えば、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、BLE(Bluetooth(登録商標)Low Energy)、LPWA(Low Power, Wide Area)、LPWAN(Low-Power Wide-Area Network)等により無線通信を行うことができる。また、通信装置60Aは、例えば、携帯電話通信網又はデータ通信網などにより無線通信を行うことができる。
【0019】
トラクタ1は、位置検出装置70Aを備えている。位置検出装置70Aは、走行車両3のキャビン9の天板に装着されている。なお、位置検出装置70Aは、キャビン9の天板に装着されているが、走行車両3における装着場所は限定されず、別の場所であってもよい。また、位置検出装置70Aは、作業装置2に装着されていてもよい。
位置検出装置70Aは、衛星測位システムによって自己の位置(緯度、経度を含む測位情報)を検出する装置である。即ち、位置検出装置70Aは、測位衛星から送信された信号(測位衛星の位置、送信時刻、補正情報等)を受信し、受信した信号に基づいて位置(緯度、経度)を検出する。なお、位置検出装置70Aは、測位衛星からの信号を受信可能な基地局(基準局)からの補正等の信号に基づいて補正した位置を、自己の位置(緯度、経度)として検出してもよい。また、位置検出装置70Aがジャイロセンサや加速度センサ等の慣性計測装置を有し、慣性計測装置によって補正した位置を、自己の位置として検出してもよい。
【0020】
<コンバイン>
図1、
図2に示すように、コンバイン30は、車体31と、原動機32と、グレンタンク33と、刈取装置34と、脱穀装置(図示省略)と、測定装置36とを備えている。原動機32、グレンタンク33及び脱穀装置は車体31に設けられている。刈取装置34は、車体31の前部に設けられている。刈取装置34は、穀物を刈り取る装置である。脱穀装置は、刈り取った穀物を脱穀する装置である。グレンタンク33は、脱穀された穀物を貯留するタンクである。
測定装置36は、収穫した作物の水分量、タンパク量を測定する分光分析装置である。したがって、測定装置36は、作物の収穫量、作物の水分量(水分含有率)、タンパク量(タンパク含有率)を検出することができる。また、車体31には、位置検出装置70Bが設けられている。位置検出装置70Bは、位置(緯度、経度)を検出する装置であり、位置検出装置70Aと同様の構成であるため説明を省略する。
【0021】
<田植機>
田植機40は、車体41と、原動機42と、変速装置43と、苗植付装置44とを備えている。原動機42及び変速装置43は車体41に設けられている。苗植付装置44は車体41の後部に設けられている。苗植付装置44は、車体41の後部に設けられた苗載せ台45に搭載された苗を当該苗載せ台45から取り出して、圃場等に植え付ける。
また、車体41の後部側には、可変施肥等を行う施肥機等の作業装置2が取付可能である。また、車体41には、位置検出装置70Cが設けられている。位置検出装置70Cは、位置(緯度、経度)を検出する装置であり、位置検出装置70Aと同様の構成であるため説明を省略する。
【0022】
<飛行体>
飛行体50は、トラクタ1、コンバイン30、田植機40とは異なり、地上(圃場)から離れて、圃場の上空等を飛行しながら農作業を行う機械である。飛行体50は、例えば、マルチコプターである。
飛行体50は、機体50aと、機体50aに設けられたアーム50bと、アーム50bに設けられた回転翼50cと、機体50aに設けられたスキッド50dと、蓄電池50eと、を有している。回転翼50cは、飛行するための揚力を発生させる装置で、蓄電池50eに蓄電された電力によって駆動する。回転翼50cは、回転力を付与するロータ50c1と、ロータ50c1の駆動によって回転するブレード(プロペラ)50c2とを含んでいる。また、飛行体50は、位置検出装置(測位装置)70Dを有している。位置検出装置70Dは、位置(緯度、経度)を検出する装置であり、位置検出装置70Aと同様の構成であるため説明を省略する。
【0023】
また、飛行体50は、農作業用アタッチメント50fを備えている。農作業用アタッチメント50fは、例えば、散布物を収容する容器81と、容器81に収容した散布物を圃場に散布する散布ノズル82とを有している。容器81と散布ノズル82とは図示省略の管材により接続されており、機体50aに内蔵されたポンプによって、管材及び散布ノズル82に散布物を吐出して散布する。
【0024】
また、飛行体50は、不揮発性のメモリ等から構成された記憶部20Dを有していて、飛行を行ったときの情報(飛行情報)を記憶する。例えば、記憶部20Dは、飛行情報として、飛行したときの位置検出装置70Aで検出した測位情報(緯度、経度など)と、測位情報に対応した時刻(飛行時刻)と、散布量、飛行時の高度、散布のON(散布中)、散布のOFF(散布停止)等を記憶することができる。なお、飛行時刻は、測位衛星から得られた時刻であってもよいし、時刻を計時する時計を内蔵しておき、内臓された時計の時刻であってもよい。高度は、測位情報から演算した高度であってもよいし、高度計を内蔵しておき、内臓された高度計で検出した高度であってもよい。
【0025】
<記憶部>
トラクタ1、コンバイン30、田植機40、飛行体50には、それぞれ記憶部20A、記憶部20B、記憶部20C、記憶部20Dを備えている。記憶部20A、記憶部20B、記憶部20C及び記憶部20Dは、不揮発性のメモリ等から構成されていて、様々な情報(データ)を記憶する。例えば、記憶部20A、記憶部20B、記憶部20C及び記憶部20Dは、それぞれ農作業を行ったときの駆動情報、農作業の作業計画、作業実績等を記憶する。
【0026】
<通信装置>
トラクタ1、コンバイン30、田植機40、飛行体50には、それぞれ通信装置60A、60B、60C、60Dが設けられている。通信装置60A、60B、60C、60Dは、外部機器15A、15Bに直接通信及び間接通信のいずれかを行うことが可能な通信モジュールであって、例えば、通信規格であるIEEE802.11シリーズのWi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、LPWA(Low Power, Wide Area)、LPWAN(Low-Power Wide-Area Network)等により無線通信を行うことができる。また、通信装置60A、60B、60C、60Dは、例えば、携帯電話通信網又はデータ通信網などにより無線通信を行うことができる。外部機器15Aは、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ等の固定型の外部機器(外部装置)である。外部機器15Bは、スマートフォン、タブレットコンピュータ、PDA等の携帯端末である。
【0027】
農作業支援システムは、外部機器15A、15Bのうち、少なくとも1つの外部機器15A、15Bで構成された農業支援装置を備えている。この実施形態では、農業支援装置は、サーバ90で構成されている。以下、農業支援装置を、他の外部機器15A、15Bと区別するため、農業支援装置90として表して説明を進める。農業支援装置90に接続可能な外部機器15A、15Bは、それぞれ表示装置(表示部)16A、16Bを備えていて、表示装置(表示部)16A、16Bは、液晶等から構成されていて、様々な情報、例えば、農業支援装置90に送信する情報、農業支援装置90から受信した情報などを画面等に表示することが可能である。なお、表示装置(表示部)16A、16Bは、情報が表示される装置であれば何でもよく構造は限定されない。
【0028】
農業支援装置90は、作業場登録部91と、マップデータ記憶部92、登録記憶部93とを備えている。作業場登録部91は、農業支援装置90に設けられた電気電子回路、CPU、当該農業支援装置90に格納されたプログラム等から構成されている。マップデータ記憶部92及び登録記憶部93は、不揮発性のメモリ等から構成されている。マップデータ記憶部92は、圃場を含むマップデータ(圃場マップ)を記憶している。圃場マップには、山、谷、河川、湖沼、森林、建築物(住宅、ビル等の建物、道路、公園、鉄塔、電柱、農道、水路)等が含まれている。圃場は、例えば、農道、道路、畦、水路等によって所定の区画に区切られることにより構成されている。
【0029】
作業場登録部91は、複数の圃場を個別に登録、又は、複数の圃場をグループ化して当該グループ化した複数の圃場を作業区域K1として登録する。外部機器15A、15Bを農業支援装置90に接続して所定の操作を行うと、
図3Aに示すように、作業場登録部91は、外部機器15A、15Bの表示装置16A、16Bに圃場登録画面M1を表示する。
【0030】
圃場登録画面M1は、圃場マップQ1を表示するマップ表示部101と、登録が行われた圃場等を一覧で示す登録表示部102とを含んでいる。マップ表示部101には、複数の圃場Hn(n=1,2,3・・・・)が表示されている。作業場登録部91は、マップ表示部101にポインタ103を表示する。作業場登録部91は、ポインタ103によって、マップ表示部101に表示された複数の圃場Hnのうち、1つの圃場の境界の数点を選択すると、選択した位置を結ぶ輪郭Haを生成する。作業場登録部91は、登録の操作(登録ボタン等を選択する)が行われると、輪郭Haに対応する1つの圃場を決定する。作業場登録部91は、例えば、圃場H1において畦のコーナ部H1a、H1b、H1c、H1dの4点を選択すると、コーナ部H1a、H1b、H1c、H1dを直線で結ぶ四角の輪郭Haを生成する。
【0031】
輪郭Haに対応する1つの圃場が決定されると、作業場登録部91は、圃場H1などの仮名称の識別情報を自動的に割り当て、登録表示部102に表示する。登録表示部102に表示された識別情報は、管理者(登録者)の操作によって変更することができる。
図4Aに示すように、作業場登録部91は、1つの圃場の決定後、輪郭Haに対応する位置情報(緯度、経度)等を識別情報と共に登録記憶部93に記憶する。
【0032】
以上のように、圃場登録画面M1において、複数の圃場Hnを表示し、複数の圃場Hnの中から1つの圃場の境界等をポインタ103で選択することによって、圃場の1つ1つを農業支援装置90に登録することができる。管理者等は、登録した圃場に対して後述するように農業の作業計画を立てることができる。
図3Bに示すように、作業場登録部91は、ポインタ103によって、マップ表示部101に表示された複数の圃場Hnのうち、複数の圃場Hnに跨って、所定の圃場の境界等の数点を選択すると、選択した位置を結ぶ輪郭Hbを生成する。作業場登録部91は、例えば、圃場H1において畦のコーナ部H1a、H1bと、圃場H3においてコーナ部H3a、H3bの4点を選択すると、コーナ部H1a、H1b、H3a、H3bを直線で結ぶ四角の輪郭Hbを生成する。輪郭Hbは、実際の圃場H1、H2、H3を囲んでいる。
【0033】
作業場登録部91は、登録の操作(登録ボタン等を選択する)が行われると、輪郭Hbに対応する複数H1、H2、H3の圃場をグループ化し、グループ化した複数H1、H2、H3を1つの作業区域K1として設定し、作業区域K1などの仮名称の識別情報を自動的に割り当て、登録表示部102に表示する。
図4Bに示すように、作業場登録部91は、作業区域K1の決定後、輪郭Hbに対応する位置情報を識別情報と共に登録記憶部93に記憶する。
【0034】
以上のように、圃場登録画面M1において、複数の圃場Hnを表示し、複数の圃場Hnの中から複数の圃場Hnの境界等をポインタ103で選択することによって、複数の圃場Hnを1つの作業区域K1として農業支援装置90に登録することができる。管理者等は、登録した作業区域K1に対して後述するように農業の作業計画を立てることができる。
つまり、圃場H1に着目した場合、圃場H1を1つの圃場として登録したり、圃場H1を含む作業区域K1の一部として、農業支援装置90に登録することができる。以下、説明の便宜上、作業場登録部91によって登録した1つの圃場(圃場の一単位)のことを作業場、複数の圃場Hnをグループ化した1つの作業区域K1のことを作業場ということがある。
【0035】
<作業計画>
図1に示すように、農業支援装置90は、農作業計画部110、計画記憶部111と、を備えている。農作業計画部110は、農業支援装置90に設けられた電気電子回路、CPU、当該農業支援装置90に格納されたプログラム等から構成されている。
外部機器15A、15Bを農業支援装置90に接続して所定の操作を行うと、
図5Aに示すように、農作業計画部110は、外部機器15A、15Bの表示装置(表示部)16A、16Bに作成画面M2を表示する。作業計画とは、圃場或いは作業区域K1と、農作業と、作業日とを関連付けられた内容を示す情報である。農作業は、例えば、床土作り、畦塗り、耕耘、播種、散布(肥料散布、薬剤散布)、田植え、移植、代掻き、畝立て、溝切り、除草(草刈り、薬剤散布)、追肥(肥料散布)、収穫等である。
【0036】
作成画面M2は、作業場入力部120と、農作業を入力する作業入力部121と、機械を入力する機械入力部122と、時間を入力する時間入力部123とを含んでいる。
作業場入力部120は、作業場を入力(選択)する部分である。作業場入力部120は、一覧選択部120aと、マップ選択部120bとを含んでいる。一覧選択部120aが操作によって選択されると、
図5Aに示すように、農業支援装置90は、登録記憶部93を参照し、登録記憶部93に記憶された作業場(圃場の一単位、作業区域K1)の一覧表が表示され、一覧表の中から1つの作業場を選択することで、選択された作業場が作業計画の作業場として入力することができる。
【0037】
マップ選択部120bには、圃場マップQ1が表示され、ポインタ103によって、圃場マップQ1の中から作業を行う作業場(圃場の一単位、作業区域K1)が選択されると、選択された作業場が、作業計画の作業場として入力することができる。なお、作業場入力部120は、一覧選択部120a及びマップ選択部120bのいずれかを含んでいてもよく、作成画面M2には、一覧選択部120a及びマップ選択部120bのいずれか一方を表示してもよい。
【0038】
作業入力部121には、複数の農作業の中から1つの農作業を入力(選択)することができる。例えば、作業入力部121が操作によって選択されると、当該作業入力部121には、複数の農作業の一覧表が表示され、一覧表に表示された複数の農作業の中から、1つの農作業を選択することができ、選択された1つの農作業が作業計画の農作業として入力される。なお、作業入力部121において、直接、農作業の名称を入力してもよく、農作業の入力方法は限定されない。
【0039】
機械入力部122には、インプルメント、トラクタ、田植機、コンバイン、マルチコプターなどの飛行体50等の機械の型番、型式、名称等を入力(選択)することができる。例えば、機械入力部122が操作によって選択されると、当該機械入力部122には、予め農業支援装置90又は、外部機器15A、15Bに登録されている機械の型番、型式、名称の一覧表が表示され、一覧表に表示された複数の機械の型番、型式、名称の中から、所定の機械の型番、型式、名称を選択することができ、選択された所定の機械の型番、型式、名称が作業計画の機械として入力することができる。なお、機械入力部122において、直接、所定の機械の型番、型式、名称を入力してもよく、機械の入力方法は限定されない。
【0040】
時間入力部123には、農作業を行う作業日、作業時刻等を入力する。例えば、時間入力部123が操作によって選択されると、当該時間入力部123には、月、日などの作業日を入力する部分と、作業を開始する作業開始時間(作業開始時刻)と、作業を終了する作業終了時間(作業終了時刻)とを入力する部分が表示され、それぞれに月、日、作業開始時間及び作業終了時刻を入力することで、月、日、作業開始時間及び作業終了時刻が作業計画の時間(時間情報)として設定することができる。なお、時間入力部123において、カレンダーを表示して、カレンダーの月、日を選択することで、作業日を入力できるようにしてもよい。
【0041】
図5Aに示すように、作成画面M2は、肥料散布部124と、薬剤散布部125とを含んでいる。肥料散布部124には、肥料に関する情報(肥料散布情報)が入力することができ、肥料散布情報として、肥料の散布量、肥料の名称、品番などの肥料識別情報を入力することが可能である。例えば、肥料散布部124が操作によって選択されると、当該肥料散布部124には、予め農業支援装置90又は、外部機器15A、15Bに登録されている肥料の名称、品番の一覧表が表示され、一覧表に表示された肥料の名称、品番の中から、所定の肥料の名称、品番を選択することができ、且つ、所定単位当たりの散布量(例えば、10a当たりの散布量(kg)
)を入力することができ、所定の肥料の名称、品番及び散布量が作業計画として入力することができる。なお、肥料散布部124において、直接、所定の肥料の名称、品番等を入力してもよく、入力方法は限定されない。
【0042】
薬剤散布部125も、肥料散布部124と同様に薬剤に関する情報(薬剤散布情報)が入力することができ、薬剤の散布量、薬剤の名称、品番などの薬剤識別情報を入力することが可能である。例えば、薬剤散布部125が操作によって選択されると、当該薬剤散布部125には、予め農業支援装置90又は、外部機器15A、15Bに登録されている薬剤の名称、品番の一覧表が表示され、一覧表に表示された薬剤の名称、品番の中から、所定の薬剤の名称、品番を選択することができ、且つ、所定単位当たりの散布量(例えば、10a当たりの散布量(kg))を入力することができ、所定の薬剤の名称、品番及び散布量が作業計画として入力することができる。なお、薬剤散布部125において、直接、所定の薬剤の名称、品番等を入力してもよく、入力方法は限定されない。
【0043】
図5Aに示すように、作成画面M2において、例えば、作成ボタン(登録ボタン)126が選択されると、作業場入力部120に入力された作業場、作業入力部121に入力された農作業、時間入力部123に入力された時間情報、肥料散布部124に入力された肥料散布情報、薬剤散布部125に入力された薬剤散布情報を決定することができる。
【0044】
<第1作業計画、第2作業計画>
さて、農作業計画部110は、第1作業計画部110Aと、第2作業計画部110Bとを有している。
第1作業計画部110Aは、圃場Hn毎に、圃場Hn毎で行う農作業の作業計画である第1作業計画を作成する。即ち、第1作業計画部110Aは、作業場登録部91において、登録された1つの圃場Hnの単位の第1作業計画を作成する。第2作業計画部110Bは、グループ化された作業区域K1で行う農作業の作業計画である第2作業計画を作成する。
【0045】
第1作業計画部110Aは、例えば、作業場入力部120に入力された作業場が1つの圃場Hnである場合、作成画面M2に入力された入力情報(農作業、時間情報、肥料散布情報、薬剤散布部)を、第1作業計画として設定する。また、第1作業計画部110Aは、機械入力部122に入力された機械が、圃場を走行しながら作業を行う走行作業機、即ち、トラクタ1、コンバイン30、田植機40である場合、作成画面M2に入力された入力情報(農作業、時間情報、肥料散布情報、薬剤散布部)を、第1作業計画として設定する。
図6Aに示すように、第1作業計画は、計画記憶部111に記憶される。つまり、第1作業計画部110Aは、作業場が1つの圃場Hnであり且つ、機械が走行作業機である場合に、第1作業計画を作成する。
【0046】
第2作業計画部110Bは、例えば、作業場入力部120に入力された作業場が複数の圃場Hnでグループ化された作業区域K1である場合、作成画面M2に入力された入力情報(農作業、時間情報、肥料散布情報、薬剤散布部)を、第2作業計画として設定する。第2作業計画部110Bは、は、機械入力部122に入力された機械が、上空を飛行する飛行体50、即ち、マルチコプターである場合、作成画面M2に入力された入力情報(農作業、時間情報、肥料散布情報、薬剤散布部)を、第2作業計画として設定する。
図6Bに示すように、第2作業計画は、計画記憶部111に記憶される。つまり、第2作業計画部110Bは、作業場が作業区域K1であり且つ、機械が飛行体50である場合に、第2作業計画を作成する。
【0047】
以上のように、農作業計画部110(第1作業計画部110A、第2作業計画部110B)によって、1つ1つの圃場に対応する第1作業計画と、複数の圃場をグループ化した第2作業計画とを区別して作成でき、しかも、圃場を走行して作業を行う走行作業機の作業計画を第1作業計画とし、圃場の上空を飛行する飛行体50の作業計画を第2作業計画として作成することができる。
【0048】
なお、上述した実施形態では、農作業計画部110は、作成画面M2に入力された入力情報に基づいて、第1作業計画と、第2作業計画とに分けていたが、第1作業計画を作成する作成画面M2と、第2作業計画を作成する作成画面M2とを別々に、外部機器15A、15Bの表示装置(表示部)16A、16Bに表示してもよい。
図5Bは、第1作業計画を作成する作成画面M2と、第2作業計画を作成する作成画面M2とを別々に表示する場合のうち、第2作業計画を設定する作成画面M2aを示している。なお、第1作業計画を作成する作成画面M2と、第2作業計画を作成する作成画面M2とを別々に表示において、第1作業計画は、
図5Aに示した画面と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0049】
図5Bに示す作成画面M2aは、第2作業計画を作成する画面において、ドローン等の飛行体50を対象にした作成画面M2aを示している。作成画面M2aにおいて、
図5Aと同様の部分については、説明を省略する。
図5Bに示すように、外部機器15A、15Bを農業支援装置90に接続して所定の操作を行うと、作成画面M2aを外部機器15A、15Bの表示装置(表示部)16A、16Bに表示する。
【0050】
作成画面M2aにおいて、一覧選択部120aでは、作業場登録部91によって登録された作業区域K1の一覧が表示され、複数の作業区域K1から所定のから選択することができる。マップ選択部120bでは、圃場マップQ1上に作業場登録部91によって登録された作業区域K1が表示され選択することができる・
作業入力部121には、飛行体50が行うことができる農作業、例えば、散布(薬剤散布、肥料散布)を入力(選択)することができる。機械入力部122には、マルチコプター等の飛行体50の型番、型式、名称等を入力(選択)することができる。
【0051】
時間入力部123には、散布(薬剤散布、肥料散布)を行う作業日、作業時間(散布開始時間、散布終了時間)等を入力することができる。
肥料散布部124には、肥料の散布量、肥料の名称、品番などの肥料識別情報に加えて、肥料の散布幅、飛行高さを肥料散布情報として入力することができる。
薬剤散布部125には、薬剤の散布量、薬剤の名称、品番などの薬剤識別情報に加えて、薬剤の散布幅、飛行高さを薬剤散布情報として入力することができる。
【0052】
以上のように、第2作業計画部120Bは、第2作業計画として、飛行体50の容器81に収容した散布物(肥料、薬剤)を散布ノズル82で作業区域K1に散布する計画を作成することができる。また、第2作業計画部120Bは、
図5Bに示したように、散布物(肥料、薬剤)、飛行高さ、散布開始時間、散布終了時間のいずれかを含む第2作業計画を作成することができる。作成画面M2aにおいて作成された第2作業計画も計画記憶部111に記憶される。
【0053】
さて、農業支援装置90によって作成された作業計画(第1作業計画、第2作業計画)は、農作業者が所持又は農作業者に割り当てられた外部端末(携帯端末)15Bに通知される。即ち、農作業者が外部端末(携帯端末)15Bに対して所定の操作をすると、計画記憶部111に記憶された作業計画(第1作業計画、第2作業計画)が送信される。
図7に示すように、外部端末(携帯端末)15Bに送信された作業計画(第1作業計画、第2作業計画)は、表示装置(表示部)16Bに表示される。表示装置(表示部)16Bには、作業確認部材128が表示される。作業確認部材128は、表示装置(表示部)16Bに第1作業計画が表示されている状態において、第1作業計画に基づいて農作業を行ったことを指令(作業完了指令)するソフトウェアスイッチである。作業者が作業確認部材128を選択すると、作業完了指令が農業支援装置90に通知される。なお、作業確認部材128は、表示装置(表示部)16Bに表示されたソフトウェアスイッチであったが、外部端末(携帯端末)15Bに設けたハードウェアスイッチであってもよい。
【0054】
図1に示すように、農業支援装置90は、実績変換部130と、実績記憶部131とを備えている。実績変換部130は、農業支援装置90に設けられた電気電子回路、CPU、当該農業支援装置90に格納されたプログラム等から構成されている。実績記憶部131は、不揮発性のメモリ等から構成されている。実績変換部130は、作業確認部材128によって作業完了指令が行われた場合に、第1作業計画を、第1作業計画で示された圃場Hnにおける第1農作業実績に変換する。
図6Cに示すように、第1作業計画として、圃場H1において、ロータリ耕運機で耕耘を9:00~10:00で行うように農業支援装置90から外部端末(携帯端末)15Bに送信された状況下において、作業完了指令を農業支援装置90が受信すると、実績変換部130は、第1農作業実績として、圃場H1において、ロータリ耕運機で耕耘を9:00~10:00で行われたと第1農作業実績に変換し、変換された第1農作業実績は、実績記憶部131に記憶する。
【0055】
つまり、走行作業機に対応する第1作業計画は、作業確認部材128によって作業完了指令が農業支援装置90に通知されると、実績変換部130によって第1農作業実績に変換される。
なお、上述した実施形態では、第1作業計画を第1農作業実績に変換することについて説明したが、農業支援装置90は、トラクタ1の通信装置60A、コンバイン30の通信装置60B、田植機40の通信装置60Cとそれぞれと直接通信或いは外部機器15Bを介した間接通信を行って、トラクタ1、コンバイン30及び田植機40が作業を行ったときの稼動情報、位置検出装置(測位装置)70A、70B、70Cとを、機械の農作業実績(機械用の農作業実績)として実績記憶部131などに記憶することが可能である。また、実績記憶部131は、機械用の農作業実績を第1農作業実績に含めて記憶してもよい。そして、外部端末(携帯端末)15Bによって、第1作業計画を変換することにより構成した第1農作業実績と、機械用の農作業実績との両方を確認できるようにしてもよい。
【0056】
一方、外部端末(携帯端末)15Bに、マルチコプター等の飛行体50に対応する第2作業計画は表示されるものの、走行作業機に対応する第1作業計画とは異なる方法で、第2農作業実績に変換される。
以下、マルチコプターの飛行体50で農作業を行った場合の第2農作業実績について詳しく説明する。
【0057】
図1に示すように、農業支援装置90は、飛行取得部140、実績作成部141と、を備えている。飛行取得部140及び実績作成部141は、農業支援装置90に設けられた電気電子回路、CPU、当該農業支援装置90に格納されたプログラム等から構成されている。
飛行取得部140は、作業区域K1を飛行したときの飛行体50の飛行作業実績を取得する。即ち、飛行取得部140は、複数の圃場Hnの上空を跨って飛行した飛行体50の飛行作業実績を取得する。
【0058】
図8Aは、圃場H1、H2、H3によって構成した作業区域K1の上空を飛行体50によって、飛行して散布(薬剤散布、肥料散布)を行ったときの飛行ルートL1の一例を示している。飛行ルートL1は、飛行体50が作業区域K1等の上空を飛行したときの複数の位置を時系列で結んだラインである。
図8Aに示すように、位置STは飛行体50の離陸位置、位置ENは飛行体50の着陸位置を示している。離陸位置STと着陸位置ENとは異なる位置でも同じ位置でもよい。飛行体50によって作業区域K1に対して散布を行う場合、例えば、作業区域K1の輪郭Hbの長辺に沿って飛行させながら散布を行い、作業区域K1の端でターンをして戻りながら、圃場H1、H2、H3のそれぞれを跨りながら飛行を行う。
【0059】
なお、
図8Aの圃場H1、H2、H3のそれぞれにおいて、作業エリア(散布エリア)W1が設定されている。作業エリアW1は、圃場の輪郭(畔)Haから所定距離(例えば、1m)にシフトした輪郭Haで囲まれるエリアが作業エリアW1に設定される。所定距離は飛行体50が飛行して薬剤等を散布する散布幅などを考慮して設定される。
飛行体50の記憶部20Dは、少なくとも離陸位置STから着陸位置P2までの飛行ルートL1を飛行したときの飛行情報を記憶する。記憶部20Dに記憶された飛行情報は、電子記憶媒体等を介して外部機器15A、15Bに転送される。なお、記憶部20Dに記憶された飛行情報は、飛行体50の通信装置60Dによって、外部機器15A、15B又は農業支援装置90に直接送信してもよい。
【0060】
図9Aに示すように、飛行取得部140は、記憶部20Dが記憶した飛行情報を飛行作業実績として外部機器15A、15Bを介して通信によって取得する。或いは、飛行取得部140は、飛行体50の通信装置60Dと通信によって記憶部20Dが記憶した飛行情報を、飛行作業実績として取得する。
実績作成部141は、飛行取得部140が取得した飛行体50の飛行作業実績(少なくとも離陸位置STから着陸位置P2までの飛行ルートL1を飛行したときの飛行情報)を、作業区域K1に含まれる圃場毎に分割することで、各圃場における第2農作業実績を作成する。
【0061】
具体的には、実績作成部141は、飛行体50が離陸位置STから最初に上空に入った第1圃場において、飛行体50が第1圃場の作業エリアW1に達したときの飛行作業実績を、第1圃場における作業開始実績とする。例えば、
図8Aに示すように、飛行体50が離陸位置STから最初に上空に入った第1圃場が圃場H1である場合、圃場H1の作業エリアW1に達したときの位置P2における飛行作業実績を作業開始実績とする。
図9Aに示すように、位置P2における飛行作業実績を作業開始実績、例えば、位置P2における時間を圃場H1における作業開始時間とする。
【0062】
実績作成部141は、第1圃場の上空から次に入った第2圃場において、飛行体50が第2圃場の作業エリアW1に達したときの飛行作業実績を、第2圃場における作業開始実績とする。
図8Aに示すように、第1圃場の上空から次に入った第2圃場が圃場H2である場合、
実績作成部141は、圃場H2の作業エリアW1に達したときの位置P4における飛行作業実績を圃場H2における作業開始実績、即ち、位置P4における時間を圃場H2における作業開始時間(作業開始時刻)とする。
【0063】
また、実績作成部141は、位置P5において圃場H3の作業エリアW1に初めて入った場合、即ち、位置P5における飛行作業実績、位置P5における時間を圃場H3における作業開始時間(作業開始時刻)とする。
ここで、飛行体50が圃場H3の端に達してターンをして、圃場H2及び圃場H1に戻っていき、位置P6にて再び圃場H1の作業エリアW1に入り、圃場H1の作業エリアW1で圃場H1の上空を直進とターン(旋回)とを繰り返しながらP10に達して、P10において、圃場H1の全体の散布が完了したとする。このような場合、実績作成部141は、少なくとも飛行体50が第2圃場(圃場H2)から第1圃場(圃場H1)に戻った後、飛行体50が第1圃場(H1)の作業エリアW1の上空の位置P10に位置していたときの最後の飛行作業実績を、第1圃場(H1)における作業終了実績、即ち、位置P10における時間を、圃場H1における作業終了時間(作業終了時刻)とする。
【0064】
次に、飛行体50が位置P10から向きを変えて圃場H2に進んでP11にて当該圃場H2の作業エリアW1に進入し、圃場H2の作業エリアW1で圃場H2の上空を直進とターン(旋回)とを繰り返しながらP12に達して、P12において、圃場H2の全体の散布が完了したとする。このような場合、実績作成部141は、少なくとも飛行体50が第2圃場(H2)の作業エリアW1の上空の位置P12に位置していたときの最後の飛行作業実績を、第2圃場(H2)における作業終了実績、即ち、位置P12における時間を、圃場H2における作業終了時間(作業終了時刻)とする。
【0065】
また、飛行体50が位置P12から向きを変えて圃場H3に進んでP13にて当該圃場H3の作業エリアW1に進入し、圃場H3の作業エリアW1で圃場H3の上空を直進とターン(旋回)とを繰り返しながらP14に達して、P14において、圃場H3の全体の散布が完了したとする。このような場合、実績作成部141は、少なくとも飛行体50が圃場H3の作業エリアW1の上空の位置P14に位置していたときの最後の飛行作業実績を
、圃場H3における作業終了実績、即ち、位置P14における時間を、圃場H3における作業終了時間(作業終了時刻)とする。
【0066】
図9Bは、作業区域K1に含まれる圃場H1,H2、H3毎に分割して作成した第2農作業実績、即ち、作業開始時間と作業終了時間をまとめた図である。
図9Bに示すように、圃場H1は、11:01~11:11の間に散布(散布
作業)を行い、圃場H2は、11:02~11:16に散布(散布作業)を行い、圃場H3は、11:03~11:21に散布(散布作業)を行ったとして、圃場毎に第2農作業実績を作成することができる。第2農作業実績は、実績記憶部131に記憶する。
【0067】
実績記憶部131は、実績変換部130で作成した第1農作業実績に対応する圃場と、実績作成部141で作成した第2農作業実績に対応する圃場とが同じ場合に、第1農作業実績と第2農作業実績とを同一の圃場の実績として記憶する。例えば、
図9Cに示すように、実績記憶部131は、圃場H1において、耕耘、代かき、田植等の農作業の第1農作業実績と、散布の農作業の第2農作業実績とを、圃場H1の実績として関連付けて記憶することができる。このように関連付けられた農作業実績(第1農作業実績、第2農作業実績)は、外部機器15A、15Bは、それぞれ表示装置(表示部)16A、16Bで表示することができる。
【0068】
なお、飛行体50で圃場Hnに散布を行うときの飛行ルートL1は様々である。例えば
図8B及び
図8Cに示すように、作業区域K1或いは圃場Hnの近くに木などの障害物145がある場合には、飛行ルートL1が異なる。
図8B及び
図8C示すように、飛行体50を飛行させる場合、少なくとも離着陸を2回以上行って圃場Hnの上空から散布を行う。
図8Bでは、まず、飛行ルートL1(L1a)に示すように、飛行体50は、圃場H1の近くの離陸位置STで離陸した後、圃場H1、H2、H3から順番に直進とターン(旋回)とを繰り返しながら散布を行い、圃場H3の端で一旦着陸をする。その後、飛行ルートL1(L1b)に示すように、障害物145の近くの離陸位置STで飛行体50を離陸させた後、障害物145に沿って、圃場H1、H2、H3を跨りながら直進とターン(旋回)とを繰り返しながら散布を行い、着陸位置ENで着陸する。
【0069】
図8Bの飛行ルートL1a、L1bの場合、実績作成部141は、飛行ルートL1a、L1bの両方の飛行作業実績を用いて、圃場H1、H2、H3のそれぞれの第2農作業実績(作業開始実績及び作業終了実績)を求める。
具体的には、実績作成部141は、飛行ルートL1aに示すように、飛行体50が離陸位置STから最初に入った第1圃場(圃場H1)において、作業エリアW1に達した位置P30の飛行作業実績を、圃場H1における作業開始実績とする。また、実績作成部141は、飛行ルートL1aに示すように、飛行体50が第1圃場(圃場H1)から第2圃場(圃場H2)に進入して、当該圃場H2の作業エリアW1に達した位置P31の飛行作業実績を、圃場H2における作業開始実績とし、圃場H3において、最初に作業エリアW1に達したときの位置P32の飛行作業実績を、圃場H3における作業開始実績とする。
【0070】
また、実績作成部141は、飛行ルートL1bに示すように、再び離陸位置STから第1圃場(圃場H1)に入った場合は、第1圃場(圃場H1)において既に作業開始実績を設定しているので位置P33では、作業開始実績に設定せず、圃場H1の作業エリアW1の上空に最後に位置P34に位置していたときの飛行作業実績を、圃場H1における作業終了実績とする。同様に、実績作成部141は、圃場H2の作業エリアW1の上空に最後に位置P35に位置していたときの飛行作業実績を、圃場H2における作業終了実績とし、圃場H3の作業エリアW1の上空に最後に位置P36に位置していたときの飛行作業実績を、圃場H3における作業終了実績とする。
【0071】
したがって、
図8Bのような飛行ルートL1(L1a、L1b)で散布を行った場合、圃場H1の位置P30に対応する時間が作業開始時間、位置P34に対応する時間が作業終了時間となる。また、圃場H2の位置P31に対応する時間が作業開始時間、位置P35に対応する時間が作業終了時間となり、圃場H3の位置P32に対応する時間が作業開始時間、位置P36に対応する時間が作業終了時間となる。
【0072】
図8Cの飛行ルートL1a、L1bの場合も、実績作成部141は、飛行ルートL1a、L1bの両方の飛行作業実績を用いて、圃場H1、H2のそれぞれの作業開始実績及び作業終了実績を求める。
具体的には、実績作成部141は、飛行ルートL1aに示すように、飛行体50が離陸位置STから最初に入った第1圃場(圃場H1)において、作業エリアW1に達した位置P40の飛行作業実績を、圃場H1における作業開始実績する。また、実績作成部141は、飛行ルートL1aに示すように、飛行体50が第1圃場(圃場H1)から第2圃場(圃場H2)に進入して、当該圃場H2の作業エリアW1に達した位置P41の飛行作業実績を、圃場H2における作業開始実績とする。
【0073】
図8Cに示すように、離陸着陸を2回行っているものの、実績作成部141は、飛行ルートL1aにおいて、離陸位置STから着陸位置ENに達するまでに、圃場H1の散布が完了することから、圃場H1の作業エリアW1の上空に最後に位置P42に位置していたときの飛行作業実績を、圃場H1における作業終了実績とする。
図8Cの飛行ルートL1bに示すように、再び離陸位置STから第2圃場(圃場H2)に入った場合は、作業開始実績を設定しているので位置P43では、作業開始実績とはせず、圃場H
2の作業エリアW1の上空に最後に位置P44に位置していたときの飛行作業実績を、圃場H2における作業終了実績とする。
【0074】
したがって、
図8Cのような飛行ルートL1(L1a、L1b)で散布を行った場合、圃場H1の位置P40に対応する時間が作業開始時間、位置P42に対応する時間が作業終了時間となる。また、圃場H2の位置P41に対応する時間が作業開始時間、位置P44に対応する時間が作業終了時間になる。
さて、飛行体50で散布を行っている状況において、蓄電池50eの蓄電容量が所定の容量に低下したり、或いは、容器81に収容した散布物(肥料、薬剤)の容量が低下し、一時的に作業を中断しなければならない場合がある。
【0075】
図8Dに示すように、位置P16で蓄電池50eの蓄電容量が所定の容量低下又は容器81に収容した散布物(肥料、薬剤)の容量が低下した場合、飛行体50は、蓄電池50eの交換又は散布物の補充を行うために一旦散布を中止して、中止した位置(作業中断位置)P16から位置(交換補給位置)P17に移動する。飛行体50は、交換補給位置P17において、蓄電池50eの交換又は散布物の補充が完了し、再び作業中断位置P16に戻ってきて散布を再開し、作業中断位置P16から位置P12に向けて飛行することになる。このような場合、実績作成部141は、作業中断位置P16における農業作業実績を、作業中断実績にする。そして、実績作成部141は、飛行体50が作業中断位置P16へ戻ってから、当該圃場H2の作業エリアW1の上空に位置していたときの最後の飛行作業実績を、当該圃場における作業終了実績とする。例えば、作業中断位置P16において、作業を中断したときの時間が11:14、再び蓄電池50eの交換又は散布物の補充が完了し、再び作業中断位置P16に戻ってきた時間を11:45とすると、実績作成部141は、作業中断実績として、11:45を作業中断時間とする。そして、実績作成部141は、位置P12に到達した時間が11:48である場合、位置P12の時間を作業終了時間にする。
【0076】
なお、作業を中断している時間や、圃場の作業開始時間からの経過時間が所定時間以上(例えば、30分以上)経過している場合は、その圃場の作業開始時間や作業終了時間を変更するようにしてもよい。例えば、飛行体50が圃場H3の位置P13に到達した時間が、1つ前の圃場H2おける蓄電池50eの交換又は散布物の補充のために、圃場H3の位置P5における作業開始時間から所定時間以上(例えば、30分以上)経過している場合は、飛行体50が圃場H3の位置P13のときの時間を作業開始時間に再設定して、圃場H3の位置P14の時間を作業終了時間にしてもよい。この場合、圃場H3において、最初に設定した位置P5における作業開始時間は、データとして残し、途中で蓄電池50eの交換又は散布物の補充があったために、圃場H3の作業開始時間を再設定したことをデータとして残し、表示する際は、作業者に分かるように作業が中断された、あるいは電池の交換や散布物の補充が途中であった旨を表示してもよい。
【0077】
上述した実施形態として、第2農作業実績は、作業開始時間、作業終了時間であったが、第2農作業実績は、飛行体50で散布した散布物の散布量、飛行体50の散布軌跡、散布物の散布幅、飛行体50で散布したときの高さ、散布のON(散布中)、散布のOFF(散布停止)のいずれかであってもよく、それらの組み合わせであってもよい。この場合、飛行取得部140は、測位情報(緯度、経度)と、時刻(飛行時刻)と、散布量、飛行時の高度、散布のON(散布中)、散布のOFF(散布停止)等を飛行作業実績として取得し、実績作成部141は、作業開始時間、作業終了時間と同様に、作業開始実績、作業終了実績を求める。
つまり、上述した作業開始時刻、作業終了時刻のそれぞれを、散布量、飛行時の高度、散布のON(散布中)、散布のOFF(散布停止)に読み代えることで、圃場Hn毎の第2農作業実績を作成することができる。また、実績作成部141は、作業開始実績から作業終了実績までの飛行作業実績を中間作業実績としてもよい。
【0078】
また、第2農作業実績は、上述の飛行作業実績の組み合わせ であってもよい。上述の実施形態では、飛行体50が圃場の作業エリアW1に達したときの時刻を作業開始実績(作業開始時間)としたが、例えば、飛行体50が第1圃場の作業エリアW1に達しており、且つ散布がONの状態の時刻を作業開始実績(作業開始時間)としてもよい。この場合、飛行体50が実際に作業(散布)を開始した時点からを農作業実績とすることができる。
【0079】
農業支援装置90に接続可能な外部機器15A、15Bは、飛行体50の散布支援装置として動作させることが可能である。
外部機器15A、15Bは、圃場マップ取得部160と、散布取得部161と、表示制御部162と、散布記憶部163とを備えている。圃場マップ取得部160、散布取得部161及び表示制御部162は、それぞれ、外部機器15A、15Bに設けられた電気電子回路、CPU、当該外部機器15A、15Bに格納されたプログラム等から構成されている。散布記憶部163は、不揮発性のメモリ等で構成されている。
【0080】
圃場マップ取得部160は、飛行体50によって散布物の散布の対象である圃場マップQ1を取得する。例えば、外部機器15A、15Bの圃場マップ取得部160は、農業支援装置90に接続し、当該農業支援装置90に対して、圃場マップQ1の要求を行う。農業支援装置90は、作業場登録部91によって登録した圃場Hnを含む圃場マップQ1、即ち、登録記憶部93に記憶された圃場Hnを含む圃場マップQ1を、外部機器15A、15Bに送信する。外部機器15A、15Bの圃場マップ取得部160は、農業支援装置90から送信された圃場マップQ1を取得する。
【0081】
散布取得部161は、散布ノズル82によって散布物の散布を実行したときの測位装置70Dで検出した位置である測位位置Jn(n=1,2,3・・・・)と、測位位置Jnにおける散布の有無を取得する。
例えば、外部機器15A、15Bの散布取得部161は、農業支援装置90に接続し、当該農業支援装置90に対して、飛行実績のうち、少なくとも、測位位置Jn[測位情報(緯度、経度)]と、時刻(飛行時刻)と、散布のON(散布中)、散布のOFF(散布停止)の散布データ(散布実績)の要求を行う。散布位置G1は、測位情報(緯度、経度)で表される測位位置Jn(n=1,2,3・・・・)のうち、散布のON(散布中)であるときの測位情報(緯度、経度)で示される位置であり、非散布位置G2は、測位位置Jn(n=1,2,3・・・・)のうち、散布のOFF(散布停止)であるときの測位情報(緯度、経度)で示される位置である。散布記憶部163は、散布位置G1及び非散布位置G2は、飛行時刻(時刻)と対応づけて記憶される。
【0082】
表示制御部162は、表示部16A、16Bを制御する。表示制御部162は、圃場マップ取得部160が取得した圃場マップQ1を表示部16A、16Bに表示させ、且つ、散布取得部161で取得した散布位置G1及び非散布位置G2を圃場マップQ1上に表示させる。
具体的には、外部機器15A、15Bに対して所定の操作を行うと、表示制御部162は、
図10Aに示すように、散布状況画面M4を表示部16A、16Bに表示させる。
【0083】
表示制御部162は、散布状況画面M4において、圃場マップQ1上に、散布位置G1と、非散布位置G2とを表示する。具体的には、表示制御部162は、散布位置G1を示す第1シンボルマークMK1と、第2シンボルマークMK2とを、圃場マップQ1上に描写する。第1シンボルマークMK1と第2シンボルマークMK2とは円形であって、例えば、互いに色が異なっていて、散布位置G1であるか非散布位置G2であるかを視認することができる。ここで、表示制御部162は、第1シンボルマークMK1と、第2シンボルマークMK2とが重なった場合には、第2シンボルマークMK2よりも第1シンボルマークMK1を上側に表示する。
【0084】
詳しくは、
図11に示すように、第1シンボルマークMK1が第2シンボルマークMK2に上側に位置させる場合、表示制御部162は、第1シンボルマークMK1の外形を示す輪郭線151に囲まれる内部エリア152の全体が、第2シンボルマークMK2の外形を示す輪郭線153に囲まれる内部エリア154よりも上側に位置し、第1シンボルマークMK1の全体が視認できるようにする。
【0085】
さて、
図10Aに示すように、散布状況画面M4には、時刻表示部170と、移動部171と、時刻変化部172とを含んでいる。時刻表示部170は、時刻を表示する部分であって、例えば、散布状況画面M4の左側(一方)から右側(他方)に延びる帯状の目盛を含んでいて、数字によって時刻を表示している。移動部(指標部)171は、散布状況画面M4を移動可能な部分であって、帯状の時刻表示部170に沿って移動可能である。
【0086】
時刻変化部172は、移動部(指標部)171の移動に対応して時刻が変化する部分であって、時刻表示部170に対応する位置に応じて時刻が変化する。即ち、時刻変化部172は、移動部(指標部)171が時刻表示部170に対して指し示した時刻を表示する。また、時刻変化部172は、散布の作業を開始した時刻(作業開始時刻)を表示する。
表示制御部162は、少なくとも散布を行ってから、即ち、散布状況画面M4に表示された圃場マップQ1の圃場Hnにおいて、散布の作業開始時刻から時刻変化部172で示された時刻までの時間帯に対応する散布位置G1(第1シンボルマークMK1)と、非散布位置G2(第2シンボルマークMK2)とを表示する。例えば、
図10Aでは、散布の作業開始時刻が13時であった場合、13時から14時までの散布位置G1及び非散布位置G2を表示する。ここで、移動部(指標部)171を、13時から14時までの時間帯の間で動かした場合、表示制御部162は、当該移動部(指標部)171が指し示す時刻から14時までの散布位置G1及び非散布位置G2を表示する。つまり、移動部(指標部)171を動かすことによって、散布位置G1及び非散布位置G2の推移を確認することができる。
【0087】
なお、
図10Aでは、時刻表示部170において最初の時刻が6時であり、最後の時刻が19時なっているか、時刻表示部170の最初の時刻と最後の時刻との変更できるようにしてもよい。時刻表示部170を操作によって選択した場合、表示制御部162は、最初の時刻と最後の時刻を入力する目盛変更部176を表示する。ここで、目盛変更部176において、例えば、最初の時刻を13時として入力し、最後の時刻を14時に入力することによって、時刻表示部170の目盛、即ち、移動部(指標部)171の所定移動当たりの時刻の増加を細かく(小さく)することができる。
【0088】
図10Bは、
図10Aの変形例を示している。
図10Bに示すように、散布状況画面M4には、複数の移動部171(171a、171b)と、時刻変化部172とを含んでいる。時刻変化部172は、移動部171aが指し示した時刻と、移動部171bが指し示した時刻とを表示する。表示制御部162は、時刻変化部172で示された複数の時刻の間の時間帯に対応する散布位置G1及び非散布位置G2を圃場マップQ1上に表示させる。例えば、
図10Bでは、移動部171aが13時30分を指し示し、移動部171bが14時を指し示しているため、時刻変化部172の時間帯は、13時30分~14時00分になることから、表示制御部162は、当該時間帯(13時30分~14時00分)の散布位置G1及び非散布位置G2を圃場マップQ1に表示する。
【0089】
図10Bに示すように、移動部171a、171bとで時間帯を設定した場合において、散布状況画面M4に表示された切り取りボタン175を選択すると、外部機器15A、15Bは、散布データ(散布実績)の中から、時間帯に対応する散布実績を抽出して、散布データ(散布実績)とは別に、散布記憶部163に記憶する。つまり、移動部171a、171bによって時間帯(切り取り時間帯)を指定することによって、散布データ(散布実績)を切り取って散布記憶部163に保存することができる。切り取られたデータ(切取散布データ)は、外部機器15A、15Bの表示部16A、16Bに表示することが可能である。
【0090】
農作業支援システムは、複数の圃場を個別に登録、又は、複数の圃場をグループ化して当該グループ化した複数の圃場を作業区域として登録する作業場登録部91と、圃場Hn毎に圃場Hn毎で行う農作業の第1作業計画を作成する第1作業計画部110Aと、グループ化された作業区域K1で行う農作業の第2作業計画を作成する第2作業計画部110Bと、第1作業計画部110Aで作成された第1作業計画と、第2作業計画部110Bで作成された第2作業計画とを表示する表示装置16A,16Bと、を備えている。これによれば、圃場Hn毎の第1作業計画を作成するだけでなく、複数の圃場Hnをグループ化してグループ化された作業区域K1の第2作業計画を作成することができ、圃場Hn毎及び作業区域K1の作業計画(第1作業計画、第2作業計画)を確認することができる。即ち、圃場に対する農作業が様々な形態で行われる場合であっても簡単に農作業の管理を行うことができる。
【0091】
第1作業計画部110Aは、第1作業計画として圃場Hnを走行する走行作業機が行う農作業の計画を作成し、第2作業計画部110Bは、第2作業計画として作業区域K1の上空を飛行する飛行体が行う農作業の計画を作成する。これによれば、圃場Hnを走行しながら作業を行う走行作業機に対応する第1作業計画と、走行作業機とは異なり圃場Hnの上空を飛行しながら農作業を行う飛行体に対する第2作業計画との両方を作成することができ、農作業を地上からと上空からとの両方で管理することができる。
【0092】
農作業支援システムは、第1作業計画に基づいて農作業を行ったことを指令する作業確認部材128と、作業確認部材128によって指令が行われた場合に、第1作業計画を、当該第1作業計画で示された圃場Hnにおける第1農作業実績に変換する実績変換部130と、を備えている。これによれば、第1作業計画を用いて簡単に圃場Hnの第1農作業実績を作成することができる。
【0093】
農作業支援システムは、作業区域K1を飛行したときの飛行体の農作業の実績を取得する飛行取得部140と、飛行取得部140が取得した飛行体の農作業の実績を、作業区域K1に含まれる圃場Hn毎に分割することで、圃場Hnにおける第2農作業実績を作成する実績作成部141と、を備えている。これによれば、複数の圃場Hnから構成される作業区域K1に対して行われた農作業の実績を、圃場Hnごとでも管理することができる。
【0094】
飛行体50は、散布物を散布する散布ノズル82と、散布物を収容する容器81とを有し、第2作業計画部110Bは、第2作業計画として、容器81に収容した散布物を散布ノズル82で作業区域K1に散布する計画を作成する。これによれば、飛行体50によって、複数の圃場Hnを跨って散布を行う場合の計画を簡単に作成することができ、散布作業の効率を上げることができる。
【0095】
第2作業計画部110Bは、散布物の散布幅、飛行高さ、散布開始時間、散布終了時間のいずれかを含む第2作業計画を作成する。これによれば、作業区域K1において飛行体50にて散布を行う場合に計画に必要な情報が含まれているため、散布作業の効率をより上げることができる。
農作業支援システムは、複数の圃場Hnの上空を跨って飛行した飛行体50の農作業の実績である飛行作業実績を取得する飛行取得部140と、飛行取得部140が取得した飛行作業実績に基づいて、圃場Hn毎の農作業実績を作成する実績作成部141と、を備えている。これによれば、飛行体50によって複数の圃場Hnを跨って農作業を行った場合でも簡単に、農作業の実績(農作業実績)を圃場Hn毎に農作業を管理することができる。
【0096】
実績作成部141は、飛行体50が離陸位置STから最初に上空に入った第1圃場において、飛行体50が第1圃場の作業エリアW1に達したときの飛行作業実績を、第1圃場における作業開始実績とする。これによれば、飛行体50によって、複数の圃場Hnに跨って農作業を行うに際して、最初に上空に入った第1圃場の作業開始実績を簡単に作成することができる。
【0097】
実績作成部141は、第1圃場の上空から次に入った第2圃場において、飛行体50が第2圃場の作業エリアW1に達したときの飛行作業実績を、第2圃場における作業開始実績とする。これによれば、飛行体50によって、複数の圃場Hnに跨って農作業を行うに際して、第2圃場の作業開始実績を簡単に作成することができる。
実績作成部141は、飛行体50が第2圃場の作業エリアW1の上空に位置していたときの最後の飛行作業実績を、第2圃場における作業終了実績とする。これによれば、複数の圃場Hnに跨って農作業を行うに際して、第2圃場の作業終了実績を簡単に作成することができる。
【0098】
実績作成部141は、少なくとも飛行体50が第2圃場から第1圃場に戻った後、飛行体50が第1圃場の作業エリアW1の上空に位置していたときの最後の飛行作業実績を、第1圃場における作業終了実績とする。これによれば、複数の圃場Hnに跨って農作業を行うに際して、第1圃場の作業終了実績を簡単に作成することができる。
【0099】
実績作成部141は、飛行体50が第1圃場から第2圃場に進入した後、飛行体50が第2圃場の作業エリアW1の上空に位置していたときの最後の飛行作業実績を、第2圃場における作業終了実績とする。これによれば、複数の圃場Hnに跨って農作業を行うに際して、飛行体50が途中で第2圃場に進入して農作業を行った場合でも、第2圃場の作業終了実績を簡単に作成することができる。
【0100】
実績作成部141は、飛行体50は、蓄電池50eと蓄電池50eの動力で回転するロータ50c1と、ロータ50c1の駆動によって回転するブレード50c2とを含み、飛行体50が離陸位置STから最初に上空に入った第1圃場と、第1圃場の上空から次に入った第2圃場とのいずれかの上空において、実績作成部141は、蓄電池50eの蓄電容量が所定の容量に低下したとき、又は、散布物の容量が低下したときの作業中断位置の農業作業実績を、作業中断実績とする。これによれば、蓄電池50eの交換、散布物の補充等があった場合の状況を作業中断実績により簡単に把握することができる。
【0101】
実績作成部141は、飛行体50が蓄電池50e又は散布物を補充後、作業中断位置へ戻ってから、当該圃場の作業エリアW1の上空に位置していたときの最後の飛行作業実績を、当該圃場における作業終了実績とする。これによれば、蓄電池50eの交換、散布物の補充後に圃場に戻って農作業を行った場合でも、作業終了実績を作成することができる。
【0102】
実績作成部141は、飛行体50が離陸位置STから最初に上空に入った第1圃場において、飛行体50が第1圃場の作業エリアW1に達したときの飛行作業実績を、第1圃場における作業開始実績とし、飛行体50が第1圃場の作業エリアW1の上空に位置していたときの最後の飛行作業実績を、第1圃場における作業終了実績とし、飛行体50が第1圃場の上空を飛行したときの飛行作業実績のうち、作業開始実績及び作業終了実績を除く飛行作業実績を、第1圃場における中間作業実績とする。これによれば、飛行体50において、農作業の開始及び終了の実績だけでなく、途中の中間の作業実績を把握することができる。
【0103】
実績作成部141は、飛行取得部140が取得した測位情報、飛行時刻、散布量、飛行時の高度、散布のON/OFF情報のいずれか、またはその組み合わせの情報に基づいて、作業開始時間、作業終了時間、前記飛行体で散布した散布物の散布量、前記飛行体の散布軌跡、前記散布物の散布幅、前記飛行体で散布したときの高さのいずれか、またはその組み合わせを前記圃場毎の前記農作業実績として作成する。
【0104】
飛行体50の散布支援装置は、散布物を収容する容器81と、容器81に収容した散布物を圃場に散布する散布ノズル82と、蓄電池50eと、蓄電池50eの動力で回転するロータ50c1と、ロータ50c1の駆動によって回転するブレード50c2と、位置を測位する測位装置70Dとを含む飛行体50の散布支援装置であって、画面を有する表示部16A,16Bと、飛行体50によって散布物の散布の対象である圃場マップQ1を取得する圃場マップQ1取得部と、散布ノズル82によって散布物の散布を実行したときの測位装置70Dで検出した位置である散布位置G1と、散布ノズル82の散布を停止しているときの測位装置70Dで検出した位置である非散布位置G2とを取得する散布取得部161と、圃場マップQ1取得部が取得した圃場マップQ1を画面に表示させ、且つ、散布取得部161で取得した散布位置G1及び非散布位置G2を圃場マップQ1上に表示させる表示制御部162と、を備えている。これによれば、飛行体50の散布ノズル82によって散布(散布作業)を行った場合において、散布をした散布位置G1と散布をしていない非散布位置G2とを明確に把握することができる。
【0105】
表示制御部162は、散布位置G1を示す第1シンボルマークMK1と、非散布位置G2を示す第2シンボルマークMK2とを、画面に表示させる。これによれば、散布位置G1と非散布位置G2との把握(視認)を簡単にすることができる。
表示制御部162は、第1シンボルマークMK1と第2シンボルマークMK2とが画面上に重なった場合には、第1シンボルマークMK1を上側に表示する。これによれば、圃場Hnにおいて多くの散布位置G1と非散布位置G2とがある場合に、特に、散布位置G1を見やすくすることができる。
【0106】
飛行体50の散布支援装置は、散布位置G1及び非散布位置G2を、時刻と対応させて記憶する散布記憶部163を備え、表示制御部162は、画面の予め定められた位置を移動可能な移動部171と、移動部171の位置によって時刻が変化する時刻変化部172とを画面に表示させ、少なくとも散布を行ってから時刻変化部172で示された時刻までの時間帯に対応する散布位置G1及び非散布位置G2を圃場マップQ1上に表示させる。これによれば、移動部171を移動させることによって、散布位置G1及び非散布位置G2の推移を把握することができ、特に、どのように飛行体50を飛行させながら散布を行ったなどを簡単に把握することができる。
【0107】
飛行体50の散布支援装置は、散布位置G1及び非散布位置G2を、時刻と対応させて記憶する散布記憶部163を備え、表示制御部162は、画面の予め定められた位置を移動可能な複数の移動部171a、171bと、移動部171a、171bの位置に対応して複数の時刻が変化する時刻変化部172とを画面に表示させ、時刻変化部172で示された複数の時刻の間の時間帯に対応する散布位置G1及び非散布位置G2を圃場マップQ1上に表示させる。これによれば、所定の時間帯の移動部171a、171bによって指定(設定)することができ、指定した時間帯の散布位置G1及び非散布位置G2のみを確認することができる。
【0108】
散布記憶部163は、時間帯に対応する散布位置G1及び非散布位置G2を、散布実績として記憶する。これによれば、圃場に対して全体の散布状況だけでなく、特定の時間帯の散布状況(散布していたか否か)を簡単に把握することができる。
なお、上述した実施形態では、飛行体50の農作業実績について説明をしたが、農業支援装置90は、トラクタ1の通信装置60A、コンバイン30の通信装置60B、田植機40の通信装置60Cとそれぞれと通信を行って、トラクタ1、コンバイン30及び田植機40が作業を行ったときの稼動情報、位置検出装置(測位装置)70A、70B、70Cとを、機械の農作業実績(機械用の農作業実績)として実績記憶部131などに記憶することが可能である。
【0109】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0110】
50 :飛行体
50c1 :ロータ
50c2 :ブレード
50e :蓄電池
82 :散布ノズル
140 :飛行取得部
141 :実績作成部
H1 :圃場(第1圃場)
H2 :圃場(第2圃場)
H3 :圃場
Hn :圃場
ST :離陸位置
W1 :作業エリア