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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】搬送用什器
(51)【国際特許分類】
   A47B 31/00 20060101AFI20231120BHJP
   A47B 97/00 20060101ALI20231120BHJP
   A47B 91/06 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
A47B31/00 Z
A47B97/00 B
A47B91/06
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019192999
(22)【出願日】2019-10-23
(65)【公開番号】P2021065431
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 延忠
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宏巳
(72)【発明者】
【氏名】赤木 琢磨
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特表平11-504089(JP,A)
【文献】実開昭51-131197(JP,U)
【文献】特開平05-116712(JP,A)
【文献】特開平08-150056(JP,A)
【文献】実開昭56-063334(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00-41/06
A47B 91/00-97/08
A47B 43/00-45/00
A47B 47/00-47/06
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容可能で外周に上下方向に延びる外周角部を有しオプション部材を着脱可能な什器本体と、
前記什器本体の下側に設けられ床面を走行可能な走行部と、を有し、
前記什器本体は、
記外周角部に設けられたコーナー部材に形成され、それぞれ異なる方向を向く3つ以上のオプション部材取付部と、
前記3つ以上のオプション部材取付部のいずれか1つに取り付けられて、前記3つ以上のオプション部材取付部を覆うカバー部材と、を有し、
前記3つ以上のオプション部材取付部のうち、前記カバー部材が取り付けられた前記オプション部材取付部以外の複数の前記オプション部材取付部には、それぞれ前記オプション部材が異なる向きで取付可能であることを特徴とする搬送用什器。
【請求項2】
前記カバー部材の端部は、前記コーナー部材と接触していることを特徴とする請求項1に記載の搬送用什器。
【請求項3】
前記カバー部材は、前記什器本体の側面よりも外側に突出している請求項1または2に記載の搬送用什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送用什器に関する。
【背景技術】
【0002】
キャスタが取り付けられて作業者が押したり引いたりすることで収容した物品を搬送可能な搬送用什器として、必要に応じてブラケットなどを介してオプション部材を着脱可能な搬送用什器が知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、医療施設などで物品を搬送するために使用されるカートなどの搬送用什器に特定の物品を載置するためのオプション部材を取り付けることにより、医療行為や看護行為を効率よく行うことができる。
特許文献1に開示された搬送用什器では、側部に設けられた支持支柱にオプション部材を取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6541265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、側部に設けられた支持支柱にオプション部材を取り付ける場合、オプション部材が側方を向く向きで支持支柱に取り付けられる。このため、オプション部材の取付向きが限定されてしまい、使い勝手が悪いという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、オプション部材の取付向きを選択でき、使い勝手がよい搬送用什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、物品を収容可能で外周に上下方向に延びる外周角部を有しオプション部材を着脱可能な什器本体と、前記什器本体の下側に設けられ床面を走行可能な走行部と、を有し、前記什器本体は、前記外周角部に設けられたコーナー部材に形成され、それぞれ異なる方向を向く3つ以上のオプション部材取付部と、前記3つ以上のオプション部材取付部のいずれか1つに取り付けられて、前記3つ以上のオプション部材取付部を覆うカバー部材と、を有し、前記3つ以上のオプション部材取付部のうち、前記カバー部材が取り付けられた前記オプション部材取付部以外の複数の前記オプション部材取付部には、それぞれ前記オプション部材が異なる向きで取付可能である
【0007】
本発明では、什器本体に複数のオプション部材取付部が設けられ、複数のオプション部材取付部には、それぞれ異なる向きにオプション部材を取り付け可能に構成されている。これにより、オプション部材を取り付けるオプション部材取付部を選択することで、オプション部材の取付向きを選択することができる。その結果、搬送用什器の使い勝手を良好にすることができる。
複数のオプション部材取付部それぞれにオプション部材を取り付けることにより、什器本体に多数のオプション部材を取り付けることできる。
【0008】
また、本発明に係る搬送用什器では、前記カバー部材の端部は、前記コーナー部材と接触していてもよい。
【0009】
また、本発明に係る搬送用什器では、前記カバー部材は、前記什器本体の側面よりも外側に突出していてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、オプション部材の取付向きを選択することができ、搬送用什器の使い勝手を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態による搬送用什器の一例を示す斜視図である。
図2】搬送用什器を左側から見た側面図である。
図3】搬送用什器を後側から見た正面図である。
図4】搬送用什器を上側から見た上面図である。
図5図2のA-A線断面図でオプション収納部を省略した図である。
図6図5の第1コーナー部材の断面図である。
図7図5の第2コーナー部材の断面図である。
図8】第1溝部に挿入された固定金具を説明する図である。
図9】第1溝部に挿入され第1溝部に固定された固定金具を説明する図である。
図10】コーナー部材の断面図である。
図11】本発明の実施形態の変形例による搬送用什器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態による搬送用什器について、図1図10に基づいて説明する。
図1に示す本実施形態による搬送用什器1は、什器本体2に収容した物品を搬送するための所謂カートなどの搬送用什器である。搬送用什器1は、対向した作業者に押したり引いたりされることで移動するように構成されている。
図1図4に示すように、本実施形態による搬送用什器1は、オプション部材9を着脱可能な什器本体2と、什器本体2の下側に設けられ床面11を走行可能な走行部3と、什器本体2の外周に取り付けられるカバー部材4と、搬送用什器1を操作する作業者が把持するハンドル5と、を有している。
走行部3は、什器本体2の底板25の四隅の下側にそれぞれ取り付けられた4つのキャスタ31を有している。本実施形態では、キャスタ31は、走行方向が自在となる自在キャスタとなっている。
オプション部材9は、什器本体2の外周に取り付けられて、所定の物品を収納可能なオプション収納部92を有している。
カバー部材4は、オプション部材9を取り付けるための什器本体2の第1溝部76,86および第2溝部77,87(オプション部材取付溝部)を覆うために設けられている。本実施形態では、カバー部材4は、搬送用什器1が部屋の壁部や壁部から突出する手すり、他の什器と接触した際の衝撃を低減させるバンパーの役割も果たしている。
【0015】
本実施形態による搬送用什器1は、上下方向から見た平面視形状が長尺の長方形となるように形成されている。以下の説明では、上記の長尺の長方形の長手方向を前後方向(図1図8の矢印Yの方向)とし、短手方向を左右方向(図1図8の矢印Xの方向)とする。前後方向の一方側を前側とし、他方側を後)とする。後側から前側を向いた状態における左側および右側をこのまま左右方向の左側、右側とする。平面視において前後方向および左右方向と略45°で交差する方向で、左側かつ前側と右側かつ後側とを結ぶ方向を第1斜め方向(図5図8矢印D1の方向)とし、右側かつ前側と左側かつ後側とを結ぶ方向を第2斜め方向(図5図8の矢印D2の方向)とする。
搬送用什器1は、前後方向に対称となる形状に形成されている。
【0016】
什器本体2は、外形が略直方体に形成されている。什器本体2の平面視形状は、左右方向よりも前後方向に長い長方形に形成されている。什器本体2は、略直方体の筐体21と、筐体21の開口部を開閉するシャッタ22と、筐体21の内部に設けられ筐体21に出し入れ可能な複数の引き出し式のトレー23と、を有している。
【0017】
筐体21は、内部に物品を収容可能な物品収容スペース24を有している。筐体21は、左側が開口し、左側から物品収容スペース24に物品を出し入れするように構成されている。筐体21は、下端部に設けられる底板25と、上端部に設けられる天板26と、底板25の角部と天板26の角部との間に設けられるコーナー部材6と、前端部に設けられる前板27と、後端部に設けられる後板28と、右側の端部に設けられる側板29と、を有している。
【0018】
底板25は、板面が長尺の長方形となる平板状に形成されている。底板25は、板面が水平面となり、前後方向に延びる向きに配置されている。底板25の4つの角部のうち、後側かつ左側の角部を第1底板角部251とし、後側かつ右側の角部を第2底板角部252とし、前側かつ左側の角部を第3底板角部253とし、前側かつ右側の角部を第4底板角部254(図4参照)とする。
【0019】
天板26は、板面が長尺の長方形となる平板状に形成されている。天板26は、板面が水平面となり、前後方向に延びる向きで底板25の上方に間隔をあけて配置されている。天板26の4つの角部のうち、後側かつ左側の角部を第1天板角部261とし、後側かつ右側の角部を第2天板角部262とし、前側かつ左側の角部を第3天板角部263とし、前側かつ右側の角部を第4天板角部264とする。第1天板角部261は、第1底板角部251の上方に配置されている。第2天板角部262は、第2底板角部252の上方に配置されている。第3天板角部263は、第3底板角部253の上方に配置されている。第4天板角部264は、第4底板角部254の上方に配置されている。
【0020】
コーナー部材6は、第1底板角部251と第1天板角部261との間、第2底板角部252と第2天板角部262との間、第3底板角部253と第3天板角部263との間、第4底板角部254と第4天板角部264との間それぞれに設けられている。コーナー部材6は、上下方向に延びる形材で、下端部が底板25と固定され、上端部が天板26と固定されている。コーナー部材6の水平断面形状は、上下方向全体にわたって略同じ形状となっている。コーナー部材6には、カバー部材4が取り付けられている。コーナー部材6には、オプション部材9を取り付け可能である。
第1底板角部251と第1天板角部261との間に設けられたコーナー部材6を第1コーナー部材61とし、第2底板角部252と第2天板角部262との間に設けられたコーナー部材6を第2コーナー部材62とし、第3底板角部253と第3天板角部263との間に設けられたコーナー部材6を第3コーナー部材63とし、第4底板角部254と第4天板角部264との間に設けられたコーナー部材6を第4コーナー部材64とする。
【0021】
底板25と天板26との間における第1コーナー部材61と第2コーナー部材62との間に後板28が設けられ、第3コーナー部材63と第4コーナー部材64との間に前板27が設けられ、第2コーナー部材62と第4コーナー部材64との間に側板29が設けられ、第1コーナー部材61と第3コーナー部材63との間にシャッタ22が設けられている。
【0022】
第1コーナー部材61と第3コーナー部材63とは、前後方向に対称となる形状に形成されている。第2コーナー部材62と第4コーナー部材64とは、前後方向に対称となる形状に形成されている。以下では、第1コーナー部材61および第2コーナー部材62について形状を説明し、第3コーナー部材63および第4コーナー部材64については形状の説明を省略する。第3コーナー部材63を構成する各部位については、対応する第1コーナー部材61の部位と同じ名称を用いて説明し、第4コーナー部材64を構成する各部位については、対応する第2コーナー部材62の部位と同じ名称を用いて説明する。
【0023】
図5および図6に示すように、第1コーナー部材61は、前側(物品収容スペース24に対向する側)に設けられる内板部71と、後側(物品収容スペース24と離れる側)に設けられる外板部72と、内板部71および外板部72の左側に設けられる側板部73と、内板部71と外板部72との間に設けられる第1中板部74および第2中板部75と、を有している。
内板部71は、平板状に形成され板面が前後方向を向くように配置されている。
【0024】
図6に示すように、外板部72は、平板状に形成され板面が前後方向を向くように配置される第1外板部721と、第1外板部721の左側の端部から前側に延びる第2外板部722と、第2外板部722の前側の端部から左側に延びる第3外板部723と、第3外板部723の左側の端部から後側に延びる第4外板部724と、を有している。第4外板部724の後端部724aは、第1外板部721と第2外板部722との角部725および第1外板部721の後面721aと左右方向に重なる位置に配置されている。
【0025】
外板部72は、第1外板部721と第2外板部722との角部725から左側に突出する第1外板突出片726と、第4外板部724の後端部724aから右側に突出する第2外板突出片727と、を有している。第1外板突出片726の先端部726aと、第2外板突出片727の先端部727aとは、左右方向に離れている。
第1コーナー部材61には、第2外板部722、第3外板部723、第4外板部724、第1外板突出片726および第2外板突出片727に囲まれた第1溝部76(オプション部材取付溝部)が形成されている。第1溝部76は、上下方向に延び、後側に開口している。第1外板突出片726の後面および第2外板突出片727後面に沿った面が本発明の第1角部形成面に相当している。
【0026】
外板部72には、第4外板部724の後端部724aから左側に突出する第3外板突出片728と、第3外板突出片728の左右方向の中間部から後側に突出する第4外板突出片729と、を有している。
第3外板突出片728は、基端部分728aが第4外板部724の後端部724aから左側に突出し、これよりも先の先端部分728bが第1斜め方向の左側かつ前側に向かう方向に突出している。
外板部72は、内板部71の後側に間隔をあけて配置されている。外板部72の右側の端部(第1外板部721の右側の端部721b)は、内板部71の右側の端部71aよりも右側に配置されている。外板部72の左側の端部(第3外板突出片728の先端部728c)は、内板部71の左側の端部71bと前後方向に重なる位置に配置されている。外板部72の第4外板部724は、内板部71の左側の端部71bよりも右側に配置されている。
【0027】
側板部73は、平板状に形成され板面が左右方向を向くように配置される第1側板部731と、第1側板部731の後端部から第1斜め方向の後側かつ右側に向かう方向に延びる第2側板部732と、第1側板部731の後端部から左側に延びる第3側板部733と、第1側板部731の前端部から左側に延びる第4側板部734と、を有している。第1側板部731は、右側の面における前後方向の中間部に内板部71の左側の端部71bが接続されている。第2側板部732の後端部(右側の端部)は、第3外板部723の左側の端部と接続されている。第3側板部733と、第4側板部734とは、左右方向の寸法が同じ寸法に設定されている。
【0028】
側板部73は、第3側板部733の左側の先端部から前側に延びる第1側板突出片735と、第4側板部734の左側の先端部から後側に延びる第2側板突出片736と、を有している。第1側板突出片735の先端部735aと、第2側板突出片736の先端部736aとは、前後方向に離れている。
第1コーナー部材61には、第1側板部731、第3側板部733、第4側板部734、第1側板突出片735および第2側板突出片736に囲まれた第2溝部77(オプション部材取付溝部)が形成されている。第2溝部77は、上下方向に延び、左側に開口している。第1側板突出片735の左側の面および第2側板突出片736の左側の面に沿った面が本発明の第2角部形成面に相当している。
【0029】
側板部73には、第3側板部733の左側の端部から後側に突出する第3側板突出片737と、第3側板突出片737の前後方向の中間部から左側に突出する第4側板突出片738と、を有している。
第3側板突出片737は、基端部分737aが第3側板部733の左側の端部から後側に突出し、これよりも先の先端部分737bが第1斜め方向の後側かつ右側に向かう方向に突出している。第3側板突出片737の先端部分737bと、第3外板突出片728の先端部分728bとは、第1斜め方向に対向している。第3側板突出片737の先端部737cと、第3外板突出片728の先端部728cとは、第1斜め方向に離れている。
第1コーナー部材61には、第4外板部724、第2側板部732、第3側板部733、第3外板突出片728および第3側板突出片737に囲まれた第3溝部78(カバー部材取付溝部)が形成されている。第3溝部78は、上下方向に延び、第2斜め方向の左側かつ後側に向かう方向に開口している。第3外板突出片728の後側かつ左側の面および第3側板突出片737の後側かつ左側の面に沿った面が本発明の面取り部に相当している。
【0030】
第1中板部74は、第1外板部721の左右方向の中間部から前側に延びる第1板部741と、第1板部741の前端部から左側に延びる第2板部742と、第2板部742の左側の端部から前側に延び内板部71の前後方向の中間部に接続される第3板部743と、第1中板部74の第1板部741と第2板部742との角部から右側に突出する第4板部744と、第4板部744の右側の端部から後側に延びる第5板部745と、を有している。
第5板部745は、第1外板部721の右側の端部721bよりも左側かつ内板部71の右側の端部71aよりも右側に位置している。第5板部745の後端部は、第1外板部721の前側に第1外板部721と離れて配置されている。
第1コーナー部材61には、第1外板部721、第1中板部74の第1板部741、第4板部744、第5板部745に囲まれた第4溝部79が形成されている。第4溝部79は、上下方向に延び、右側に開口している。
【0031】
第2中板部75は、第3外板部723の左右方向の中間部から前側に延びて内板部71の前後方向の中間部と接続されている。第2中板部75は、第1中板部74の左側に間隔をあけて配置されている。
第1コーナー部材61は、第1コーナー部材61を底板25および天板26に固定するためのネジが上方および下方から挿入される第1ネジ挿入部611および第2ネジ挿入部612を有している。
第1ネジ挿入部611は、第3外板部723と第2中板部75との角部に形成されている。第2ネジ挿入部612は、第1中板部74の第1板部741と第2板部742との角部に形成されている。
【0032】
図5および図7に示すように、第2コーナー部材62は、前側(物品収容スペース24に対向する側)に設けられる内板部81と、後側(物品収容スペース24と離れる側)に設けられる外板部82と、内板部81および外板部82の右側に設けられる側板部83と、内板部81と外板部82との間に設けられる第1中板部84および第2中板部85と、を有している。
【0033】
図7に示すように、内板部81は、平板状に形成され板面が前後方向を向くように配置される第1内板部811と、第1内板部811の右側の端部から前側に延びる第2内板部812と、第2内板部812の前側の端部から右側に延びる第3内板部813と、第3内板部813の右側の端部から前側に延びる第4内板部814と、第4内板部814の前側の端部から右側に延びる第5内板部815と、を有している。
【0034】
外板部82は、平板状に形成され板面が前後方向を向くように配置される第1外板部821と、第1外板部821の右側の端部から前側に延びる第2外板部822と、第2外板部822の前側の端部から右側に延びる第3外板部823と、第3外板部823の右側の端部から後側に延びる第4外板部824と、を有している。第4外板部824の後端部824aは、第1外板部821と第2外板部822との角部825および第1外板部821の後面821aと左右方向に重なる位置に配置されている。
【0035】
外板部82は、第1外板部821と第2外板部822との角部825から右側に突出する第1外板突出片826と、第4外板部824の後端部824aから左側に突出する第2外板突出片827と、を有している。第1外板突出片826の先端部826aと、第2外板突出片827の先端部827aとは、左右方向に離れている。
第2コーナー部材62には、第2外板部822、第3外板部823、第4外板部824、第1外板突出片826および第2外板突出片827に囲まれた第1溝部86(オプション部材取付溝部)が形成されている。第1溝部86は、上下方向に延び、後側に開口している。第1外板突出片826の後側の面および第2外板突出片827の後側の面に沿った面が本発明の第1角部形成面に相当している。
【0036】
外板部82には、第4外板部824の後端部824aから右側に突出する第3外板突出片828と、第3外板突出片828の左右方向の中間部から後側に突出する第4外板突出片829と、を有している。
第3外板突出片828は、基端部分828aが第4外板部824の後端部824aから右側に突出し、これよりも先の先端部分828bが第2斜め方向の右側かつ前側に向かう方向に突出している。
外板部82は、内板部81の後側に間隔をあけて配置されている。外板部82の左側の端部(第1外板部821の左側の端部821b)は、内板部81の左側の端部(第1内板部811の左側の端部811a)よりも左側に配置されている。外板部82の右側の端部(第4外板部824)は、内板部81の右側の端部(第5内板部815の右側の端部815a)と前後方向に重なる位置に配置されている。
【0037】
側板部83は、平板状に形成され板面が左右方向を向くように配置される第1側板部831と、第1側板部831の後端部から第2斜め方向の後側かつ左側に向かう方向に延びる第2側板部832と、第1側板部831の後端部から右側に延びる第3側板部833と、第1側板部831の前端部から右側に延びる第4側板部834と、第1側板部831の前端部から左側に延びる第5側板部835と、第5側板部835の左側の端部から前側に延びる第6側板部836と、を有している。
第2側板部832の後端部(右側の端部)は、第3外板部823と第4外板部824との角部と接続されている。第3側板部833と、第4側板部834とは、左右方向の寸法が同じ寸法に設定されている。第6側板部836の前端部836aは、第5内板部815の右側の端部815aと接続されている。
【0038】
側板部83は、第3側板部833の右側の先端部から前側に延びる第1側板突出片837と、第4側板部834の右側の先端部から後側に延びる第2側板突出片838と、を有している。第1側板突出片837の先端部837aと、第2側板突出片838の先端部838aとは、前後方向に離れている。
第2コーナー部材62には、第1側板部831、第3側板部833、第4側板部834、第1側板突出片837および第2側板突出片838に囲まれた第2溝部87(オプション部材取付溝部)が形成されている。第2溝部87は、上下方向に延び、右側に開口している。第1側板突出片837の右側の面および第2側板突出片838の右側の面に沿った面が本発明の第2角部形成面に相当している。
【0039】
側板部83には、第3側板部833の右側の端部から後側に突出する第3側板突出片839と、第3側板突出片839の前後方向の中間部から右側に突出する第4側板突出片840と、を有している。
第3側板突出片839は、基端部分839aが第3側板部833の右側の端部から後側に突出し、これよりも先の先端部分839bが第2斜め方向の後側かつ左側に向かう方向に突出している。第3側板突出片839の先端部分839bと、第3外板突出片828の先端部分828bとは、第2斜め方向に対向している。第3側板突出片839の先端部839cと、第3外板突出片828の先端部828cとは、第2斜め方向に離れている。
第2コーナー部材62には、第4外板部824、第2側板部832、第3側板部833、第3外板突出片828および第3側板突出片839に囲まれた第3溝部88(カバー部材取付溝部)が形成されている。第3溝部88は、上下方向に延び、第1斜め方向の右側かつ後側に向かう方向に開口している。第3外板突出片828の後側かつ右側の面および第3側板突出片839の後側かつ右側の面に沿った面が本発明の面取り部に相当している。
【0040】
第1中板部84は、第1外板部821の左右方向の中間部から前側に延びて第1内板部811の左右方向の中間部に接続される第1板部841と、第1板部841の前後方向の中間部から左側に突出する第2板部842と、第2板部842の左側の端部から後側に延びる第3板部843と、を有している。
第3板部843は、第1外板部821の左側の端部821bと前後方向に重なる位置に配置されている。第3板部843の後端部は、第1外板部821の前側に第1板部841と離れて配置されている。
第2コーナー部材62には、第1外板部821、第1中板部84の第1板部841、第2板部842、第3板部843に囲まれた第4溝部89が形成されている。第4溝部89は、上下方向に延び、左側に開口している。
【0041】
第2中板部85は、第2外板部822と第3外板部823との角部から第1斜め方向の前側かつ左側に向かう方向に延び、第1内板部811と第2内板部812との角部と接続されている。第2中板部85は、第1中板部84の右側に間隔をあけて配置されている。
第2コーナー部材62は、第2コーナー部材62を底板25および天板26に固定するためのネジが上方および下方から挿入される第1ネジ挿入部621および第2ネジ挿入部622を有している。
第1ネジ挿入部621は、第3外板部823の前側に連続して形成されている。第2ネジ挿入部622は、第1中板部84の右側に連続して形成されている。
【0042】
第3内板部813と、第4側板部834および第5側板部835とは、左右方向に重なり、前後方向を向く同一の鉛直面内に配置されている。第2コーナー部材62には、第4内板部814、第5内板部815および第6側板部836で構成され、第3内板部813、第4側板部834および第5側板部835から前側に突出する突出部90が形成されている。
【0043】
第2コーナー部材62は、第1溝部86、第2溝部87および第3溝部88を形成する部分の形状および寸法が第1コーナー部材61の第1溝部86、第2溝部87および第3溝部88を形成する部分の形状および寸法と同じに設定されている。第1コーナー部材61および第2コーナー部材62ともに、第1溝部86、第2溝部87および第3溝部88を形成する部分は、第3溝部88を中心として対称に形成されている。
【0044】
図5に示すように、後板28は、本実施形態では、鋼板を加工して製作されている。後板28は、平板状に形成され板面が前後方向を向くように配置される後板本体部281と、後板本体部281の左側の端部に連続して設けられ第1コーナー部材61に固定される第1後板固定部282と、後板本体部281の右側の端部に連続して設けられ第2コーナー部材62に固定される第2後板固定部283と、を有している。
第1後板固定部282は、鋼板の後板本体部281を形成している部分の左側の部分を後側に折り曲げて形成されている。第2後板固定部283は、鋼板の後板本体部281を形成している部分の右側の部分を後側に折り曲げて形成されている。
【0045】
第1後板固定部282は、第1コーナー部材61の第4溝部79に右側または上下方向から嵌め込み可能に構成されている。第2後板固定部283は、第2コーナー部材62の第4溝部89に左側または上下方向から嵌め込み可能に構成されている。後板28は、第1後板固定部282が第1コーナー部材61の第4溝部79に嵌め込まれ、第2後板固定部283が第2コーナー部材62の第4溝部89に嵌め込まれると第1コーナー部材61および第2コーナー部材62に固定される。後板28が第1コーナー部材61および第2コーナー部材62に固定されると、後板本体部281の後面は、第1コーナー部材61の第1外板部721の後面721aおよび第2コーナー部材62の第1外板部821の後面821aよりもやや前側に配置される。
【0046】
前板27は、後板28と前後方向に対称となる形状に形成されている。前板27は、後板28の後板本体部281、第1後板固定部282および第2後板固定部283に対応する、前板本体部、第1前板固定部および第2前板固定部を有している。前板27は、第1前板固定部が第3コーナー部材63の第4溝部に右側または上下方向から嵌め込まれ、第2前板固定部が第4コーナー部材64の第4溝部に左側または上下方向から嵌め込まれることで、第3コーナー部材63および第4コーナー部材64に固定される。
前板27および後板28は、下端部が底板25と接続され、上端部が天板26と接続されている。
図4に示すように、前板27の前面および後板28の後面28aには、それぞれハンドル5が取り付けられている。ハンドル5は、作業者が把持する左右方向に延びる棒状の把持部51と、把持部51の両端部を前板27または後板28に固定するハンドル取付部52と、を有している。ハンドル5は、例えば、把持部51の高さが床面11から900mmから1000mmとなるように設けられている。
【0047】
側板29は、板面が長方形となる平板状に形成されている。側板29は、板面が左右方向を向く鉛直面となる向きに配置されている。
側板29は、前端部に前側および左側に開口する前切り欠き部(不図示)が形成され、後端部に後側および左側に開口する後切り欠き部291が形成されている。側板29は、後切り欠き部291に第2コーナー部材62の突出部90が挿入され、前切り欠き部に第4コーナー部材64の突出部(不図示)が挿入されて第2コーナー部材62および第4コーナー部材64と固定されている。
側板29は、下端部が底板25と接続され、上端部が天板26と接続されている。
【0048】
図1および図2に示すように、シャッタ22は、上下方向に移動して開口部を開閉するシャッタ本体221と、シャッタ本体221を上下方向に移動可能に支持するシャッタ枠部222と、を有している。
シャッタ枠部222は、底板25の前端部分、天板26の前端部分、第1コーナー部材61および第3コーナー部材63に取り付けられている。
【0049】
図1図4に示すように、オプション部材9は、第1コーナー部材61および第2コーナー部材62それぞれに取り付けられる取付バー91と、取付バー91に取り付けられるオプション収納部92と、を有している。本実施形態では、オプション収納部92は、取付バー91に着脱可能に構成されている。上述しているが、オプション収納部92は、所定の物品を収納できるように構成されている。
【0050】
図5に示すように、取付バー91は、左右方向に延びる向きに配置される長尺の部材で、鋼板などを加工して形成されている。取付バー91は、長尺の取付バー本体93(オプション部材本体)と、取付バー本体93の一方の端部に連続して形成され第1コーナー部材61に固定される第1取付バー取付部94(取付部)と、取付バー本体93の他方の端部に連続して形成され第2コーナー部材62に固定される第2取付バー取付部95(取付部)と、を有している。
【0051】
取付バー本体93は、長尺の平板状に形成され、板面が前後方向を向く鉛直面となり、左右方向に延びる向きに配置される。取付バー本体93の左右方向の寸法は、第1コーナー部材61の第2外板部722から第2コーナー部材62の第2外板部822までの寸法と略同じ値に設定されている。
【0052】
第1取付バー取付部94は、取付バー本体93の左側の縁部から前側に延びる第1接続板部941と、第1接続板部941の前側の縁部から左側に延びる第1固定板部942と、を有している。
第1固定板部942の左右方向の寸法は、第1コーナー部材61の第2外板部722から第4外板部724までの寸法と略同じ値となっている。
【0053】
第2取付バー取付部95は、取付バー本体93の右側の縁部から前側に延びる第2接続板部951と、第2接続板部951の前側の縁部から右側に延びる第2固定板部952と、を有している。第2固定板部952の左右方向の寸法は、第2コーナー部材62の第2外板部822から第4外板部824までの寸法と略同じ値となっている。
第1接続板部941と第2接続板部951とは、略同じ寸法に形成されている。第1固定板部942と第2固定板部952とは、略同じ寸法に形成されている。
取付バー91は、上下方向から見た形状がハット形となっている。
【0054】
取付バー91は、後板28、第1コーナー部材61および第2コーナー部材62の後側に配置される。取付バー91の第1固定板部942が第1コーナー部材61の第1外板突出片726および第2外板突出片727の後面と当接し、第1溝部76の後側に配置される。取付バー本体93の第2固定板部952が第2コーナー部材62の第1外板突出片826および第2外板突出片827の後面と当接し、第1溝部86の後側に配置される。
取付バー本体93は、後板の後側に間隔をあけて配置される。
【0055】
第1固定板部942および第2固定板部952は、第1溝部76,86に配置された固定金具96にネジ97で固定される。固定金具96は、厚さ寸法が第1溝部76,86の深さ寸法と同じ値の平板状に形成されている。
図8および図9に示すように、固定金具96の板面は、長方形の一対の対角を平行に斜めに切り落とした六角形となっている。固定金具96における上記の長方形の長辺に対応する端面を第1長辺端面961、第2長辺端面962とし、長方形の短辺に対応する端面を第1短辺端面963、第2短辺端面964とし、斜めに切り落とされた片に対応する端面を第1斜め端面965、第2斜め端面966とする。
【0056】
第1長辺端面961から第2長辺端面962までの寸法は、第1外板突出片726,826と第2外板突出片727,827との間隔よりもやや小さく設定されている。
第1斜め端面965から第2斜め端面966までの寸法は、第1外板突出片726,826と第2外板突出片727,827との間隔よりも大きく、第1溝部76,86の幅寸法(第2外板部722,822と第4外板部724,824との間隔)と略同じ値に設定されている。このため、図8に示すように、固定金具96は、第1長辺端面961と第2長辺端面962とが上下方向に延びる向きとなると、第1外板突出片726,826と第2外板突出片727,827との間隔から第1溝部76,86に出し入れすることができる。
【0057】
所定の高さにおいて第1溝部76,86に挿入した固定金具96を、図9に示すように、第1斜め端面965および第2斜め端面966が上下方向に延びる向きに回転させると、第1斜め端面965が第2外板部と接触し、第2斜め端面966が第4外板部と接触する。第1斜め端面965が第2外板部722,822を押すように接触させ、第2斜め端面966が第4外板部724,824を押すように接触させることで、第1斜め端面965と第2外板部722,822との間、第2斜め端面966と第4外板部724,824との間に摩擦が生じるため、固定金具96が第1溝部76,86の所定の高さに留まった状態となる。
第1固定板部942および第2固定板部952は、第1溝部76,86の所定の高さに配置された固定金具96にネジ97で固定されている。
固定金具96は、向きを変えることで第2溝部77,87に対しても第1溝部76,86と同様に挿入でき、回転させて第2溝部77,87の所定の高さに配置することができる。
【0058】
図5に示すように、取付バー91は、左右方向に延びる向きで、第1コーナー部材61の第1溝部76および第2コーナー部材62の第2溝部86に取り付けられる。このように取り付けられた取付バー91にオプション収納部92を取り付けると、オプション収納部92は、後板28の後側に、後方を向くように配置される。
【0059】
取付バー91は、第3コーナー部材63の第1溝部および第4コーナー部材64の第1溝部に取り付けることも可能である。このように取り付けられた取付バー91にオプション収納部92を取り付けると、オプション収納部92は、前板27の前側に、前方を向くように配置される。
【0060】
取付バー91は、長さが上記よりも長い形状であれば、前後方向に延びる向きで、第2コーナー部材62の第2溝部および第4コーナー部材64の第2溝部に取り付けることも可能である。このように取り付けられた取付バー91にオプション収納部92を取り付けると、オプション収納部92は、側板29の右側に、右側を向くように配置される。
【0061】
取付バー91は、長さが上記よりも長い形状であれば、前後方向に延びる向きで、第1コーナー部材61の第2溝部77および第3コーナー部材63の第2溝部に取り付けることも可能である。このように取り付けられた取付バー91にオプション収納部92を取り付けると、オプション収納部92は、シャッタ22の左側に、左側を向くように配置される。
【0062】
カバー部材4は、各コーナー部材6の第3溝部78,88にはめ込まれて固定され、第1-第3溝部76-78、86-88を覆うようにコーナー部材6に取り付けられる。各コーナー部材6それぞれに取り付けられるカバー部材4は、同一の部材となっている。以下では、第1コーナー部材61に取り付けられるカバー部材4について説明する。
カバー部材4は、什器本体2よりも軟質の例えばゴムなどの弾性部材で形成されている。カバー部材4は、上下方向に延びる形材で、水平断面形状は、上下方向全体にわたって略同じ形状となっている。図1図3に示すように、カバー部材4は、第1コーナー部材61よりもやや長く形成されている。カバー部材4は、下端部分が第1コーナー部材61よりも下側に突出し、底板25の第1底板角部251の側面を覆っている。カバー部材4の上端部は、天板26の下面と接触している。
【0063】
図5および図10に示すように、カバー部材4は、第3溝部78に着脱可能な溝固定部41と、溝固定部41と連続し第1溝部76および第1固定板部を覆う第1カバー部42と、第2溝部77を覆う第2カバー部43と、を有している。
溝固定部41は、筒状に形成された第3溝部78の外側に配置される溝固定筒状部44と、溝固定筒状部44の側面から突出し第3溝部78に挿入されて固定される第1溝固定突出部45および第2溝固定突出部46と、を有している。
【0064】
溝固定筒状部44は、第1コーナー部材61の外板部72の第4外板突出片729の左側の面、第3外板突出片728の先端部分728bの左側かつ後側の面(第3溝部78と対向する側と反対側の面)、第3側板突出片737の先端部分737bの左側かつ後側の面(第3溝部78と対向する側と反対側の面)、第4側板突出片738の後側の面に沿って設けられている。
【0065】
溝固定筒状部44は、第3外板突出片728の先端部分728bおよび第3側板突出片737の先端部分737bに沿って連続して設けられる固定内板部441と、固定内板部441と連続し第4外板突出片729に沿って設けられる第1固定側板部442と、固定内板部441と連続し第4側板突出片738に沿って設けられる第2固定側板部443と、第1固定側板部442と第2固定側板部443とを連結する固定外板部444と、を有している。
【0066】
固定内板部441は、平板状に形成され、板面が第2斜め方向を向く向きに配置され、板面が第3外板突出片728の先端部分728bおよび第3側板突出片737の先端部分737bと面接触している。
第1固定側板部442は、固定内板部441の右側の端部から後側に突出している。第1固定板部は、第4外板突出片729と面接触している。第1固定側板部442は、第4外板突出片729よりも後側に突出している。
第2固定側板部443は、固定内板部441の左側の端部から左側に突出している。第1固定板部は、第4側板突出片738と面接触している。第2固定側板部443は、第4側板突出片738よりも左側に突出している。
【0067】
固定外板部444は、水平断面形状が屈曲した板状に形成され、屈曲部分が円弧状に形成されている。固定外板部444は、第1固定側板部442の後側の端部から左側に延び、前側に向かって屈曲し、第2固定側板部443の左側の端部と接続されている。
図10に示すように、溝固定筒状部44には、第1固定側板部442の内側の面(左側の面)から左側に突出する第1突出片445と、第2固定側板部443の内側の面(後側の面)から後側に突出する第2突出片446と、が設けられている。第1突出片445および第2突出片446は、それぞれ固定外板部444と離れている。
【0068】
第1溝固定突出部45および第2溝固定突出部46は、固定内板部441の外側の面(第3溝部78と対向する面)から第2斜め方向の右側かつ前側に向かう方向に突出している。第1溝固定突出部45および第2溝固定突出部46は、第1斜め方向に離れて配置され、第1溝固定突出部45が第2溝固定突出部46よりも後側かつ右側に配置されている。
第1溝固定突出部45には、先端部分に右側かつ後側に突出する第1固定爪部451が形成されている。第2溝固定突出部46には、先端部分に左側かつ前側に突出する第2固定爪部461が形成されている。
【0069】
図5に示すように、第1溝固定突出部45および第2溝固定突出部46は、第3溝部78に挿入されると、第1溝固定突出部45の基端部分452が第3外板突出片728の先端部728c(図6参照)と当接し、第2溝固定突出部46の基端部分462が第3側板突出片737の先端部737c(図6参照)と当接する。第1固定爪部451が第3外板突出片728の第3溝部78側に配置されて第3外板突出片728に引っ掛かり、第2固定爪部461が第3側板突出片737の第3溝部78側に配置されて第3側板突出片737に引っ掛かる。これにより、第1溝固定突出部45および第2溝固定突出部46が第3溝部78に固定される。第1溝固定突出部45および第2溝固定突出部46は、第3溝部78から引き出されることで第3溝部78から外れるように構成されている。
【0070】
図10に示すように、第1カバー部42は、板状に形成され、第1固定側板部442と、固定外板部444との角部から右側に突出している。第1カバー部42は、溝固定部41と接続されている基端部分421は、左右方向の右側に延び、先端部分422が右側に向かって漸次前側に向かう斜め方向に延びている。図5に示すように、カバー部材4が第1コーナー部材61に固定されている状態では、第1カバー部42は、第1溝部76の後側に配置され、先端部423が第1外板突出片726の後側に位置し、第1固定板部の後側の面と接触している。
【0071】
図10に示すように、第2カバー部43は、第1カバー部42と溝固定部41を挟んで対称となる形状に形成されている。第2カバー部43は、板状に形成され、第2固定側板部443と、固定外板部444との角部から前側に突出している。第2カバー部43は、溝固定部41と接続されている基端部分431は、前後方向の前側に延び、先端部分432が前側に向かって漸次右側に向かう斜め方向に延びている。図5に示すように、カバー部材4が第1コーナー部材61に固定されている状態では、第2カバー部43は、第2溝部77の左側に配置され、先端部433が第2側板突出片736の左側の面と接触している。
【0072】
カバー部材4は、第1コーナー部材61に取り付けられると、第1カバー部42および固定外板部444が、第1コーナー部材61の第1外板部721の後面721a(什器本体2の側面)および後板28の後面28a(什器本体2の側面)よりも後側に突出している。第2カバー部43および固定外板部444が第1コーナー部材61の第2側板突出片736の左側の面(什器本体2の側面)およびシャッタ22の左側の面(什器本体2の側面)よりも左側に突出している。
カバー部材4の下端部分は、第1カバー部42および固定外板部444が、底板25の後端面よりも後側に突出し、第2カバー部43および固定外板部444が底板25の左側の端面よりも左側に突出している。
【0073】
上述しているが、第2コーナー部材62、第3コーナー部材63および第4コーナー部材64に取り付けられるカバー部材4は、第1コーナー部材61に取り付けられるカバー部材4と同様の部材である。
第2コーナー部材62に取り付けられるカバー部材4は、カバー部材4の向きを第1コーナー部材61に取り付けられる向きから鉛直軸回りに90°反時計回りに回転させた向きにして、溝固定部41から左側に突出するカバー部を第1カバー部42とし、溝固定部41から前側に突出するカバー部を第2カバー部43として第2コーナー部材62に取り付けられる。
【0074】
カバー部材4は、第2コーナー部材62に取り付けられると、第1カバー部42および固定外板部444が、第2コーナー部材62の第1外板部721の後面(什器本体2の側面)および後板28の後面28a(什器本体2の側面)よりも後側に突出している。第2カバー部43および固定外板部444が第2コーナー部材62の第2側板突出片838の右側の面(什器本体2の側面)および側板29の右側の面(什器本体2の側面)よりも右側に突出している。
カバー部材4の下端部分は、第1カバー部42および固定外板部444が、底板25の後端面よりも後側に突出し、第2カバー部43および固定外板部444が底板25の右側の端面よりも右側に突出している。
【0075】
第3コーナー部材63に取り付けられるカバー部材4は、カバー部材4の向きを第1コーナー部材61に取り付けられる向きから鉛直軸回りに90°時計回りに回転させた向きにして、溝固定部41から左側に突出するカバー部を第1カバー部42とし、溝固定部41から後側に突出するカバー部を第2カバー部43として第3コーナー部材63に取り付けられる。
【0076】
カバー部材4は、第3コーナー部材63に取り付けられると、第1カバー部42および固定外板部444が、第3コーナー部材63の第1外板部721の前面(什器本体2の側面)および前板27の前面(什器本体2の側面)よりも前側に突出している。第2カバー部43および固定外板部444が第3コーナー部材63の第2側板突出片736の左側の面(什器本体2の側面)およびシャッタ22よりも左側に突出している。
カバー部材4の下端部分は、第1カバー部42および固定外板部444が、底板25の前端面よりも前側に突出し、第2カバー部43および固定外板部444が底板25の左側の端面よりも左側に突出している。
【0077】
第4コーナー部材64に取り付けられるカバー部材4は、カバー部材4の向きを第1コーナー部材61に取り付けられる向きから鉛直軸回りに180°に回転させた向きにして、溝固定部41から右側に突出するカバー部を第1カバー部42とし、溝固定部41から後側に突出するカバー部を第2カバー部43として第4コーナー部材64に取り付けられる。
【0078】
カバー部材4は、第4コーナー部材64に取り付けられると、第1カバー部42および固定外板部444が、第1コーナー部材61の第1外板部721の前面(什器本体2の側面)および前板27の前面(什器本体2の側面)よりも前側に突出している。第2カバー部43および固定外板部444が第4コーナー部材64の第2側板突出片838の右側の面(什器本体2の側面)および側板29の右側の面(什器本体2の側面)よりも右側に突出している。
カバー部材4の下端部分は、第1カバー部42および固定外板部444が、底板25の前端面よりも前側に突出し、第2カバー部43および固定外板部444が底板25の右側の端面よりも右側に突出している。
【0079】
次に、上記の実施形態による搬送用什器の作用・効果について説明する。
上記の実施形態による搬送用什器1では、什器本体2の4つの角部にそれぞれコーナー部材6が設けられ、コーナー部材6には、それぞれオプション部材9またはカバー部材4(オプション部材)を取り付け可能な複数のオプション部材取付溝部(第1溝部76,86、第2溝部77,87、第3溝部78,88)が設けられている。これにより、オプション部材9を取り付けるオプション部材取付溝部を選択することで、オプション部材9の取付向きを選択することができる。その結果、搬送用什器1の使い勝手を良好にすることができる。
複数のオプション部材取付溝部それぞれにオプション部材9を取り付けることにより、什器本体2に多数のオプション部材9を取り付けることできる。
【0080】
上記の実施形態による搬送用什器1では、オプション部材9は、什器本体2に形成された溝状のオプション部材取付溝部に取り付けられることにより、什器本体2にオプション部材取付部を容易に設けることができる。
【0081】
上記の実施形態による搬送用什器1では、第1溝部76,86は、コーナー部材の角部を形成する交差する2つの面の一方側の面(第1角部形成面)に形成され、第2溝部77,87は、他方側の面(第2角部形成面)に形成されている。第1溝部76,86と第2溝部77,87とは、それぞれ異なる方向の開口している。
このような構成とすることにより、什器本体2に対して、異なる2つの向きにオプション部材9を取り付けることができる。
【0082】
上記の実施形態による搬送用什器1では、第1溝部76,86と第2溝部77,87との間に斜め方向を向く第3溝部78,88が形成されている。
このような構成とすることにより、什器本体2に対して、異なる3つの向きにオプション部材9を取り付けることができる。
【0083】
上記の実施形態による搬送用什器1では、第3溝部78,88に取り付けられて第1溝部76,86、第2溝部77,87および第3溝部78,88を覆うカバー部材4が取り付けられている。
このような構成とすることにより、第1溝部76,86、第2溝部77,87および第3溝部がカバー部材4で覆われるため、第1-第3溝部にゴミや埃が溜まることを防止できる。
【0084】
以上、本発明による搬送用什器の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態による搬送用什器1では、カバー部材4は、第3溝部78,88に第1溝固定突出部45および第2溝固定突出部46を挿入して嵌め込むことで什器本体2に取り付けられている。これに対し、カバー部材44を什器本体2の角部に取り付ける構造は上記以外であってもよい。例えば、カバー部材44に溝部が形成されていて、この溝部に什器本体2の角部に形成された突出部(オプション部材取付部)が嵌め込まれるように構成されていてもよい。
上記の実施形態では、オプション部材9の取付バー91は、第1取付バー取付部94が第1コーナー部材61の第1溝部76に固定され、第2取付バー取付部95が第2コーナー部材62の第1溝部76に固定されることで什器本体2に取り付けられている。これに対し、取付バー91を什器本体2に取り付ける構造は上記以外であってもよい。例えば、取付バー91に溝部が形成されていて、この溝部に什器本体2の角部に形成された突出部(オプション部材取付部)が嵌め込まれるように構成されていてもよい。
【0085】
上記の実施形態による搬送用什器1では、コーナー部材6の第1溝部76,86が外周角部を形成する交差する2つの面の一方の面(第1角部形成面)に形成され、第2溝部77,87がと第2溝部77,87が他方の面(第2角部形成面)に形成されている。第3溝部78,88は、第1角部形成面と第2角部形成面とを接続する面取り部に形成されている。これに対し、オプション部材9が異なるように取り付け可能であれば、第1溝部76,86、第2溝部77,87および第3溝部78,88が形成される面は上記以外であってもよい。
【0086】
上記の実施形態による搬送用什器1では、カバー部材4が設けられて、カバー部材4がコーナー部材6の第1溝部76,86、第2溝部77,87、オプション部材9の第1取付バー取付部94および第2取付バー取付部95を覆っているが、カバー部材4が設けられていなくてもよい。
オプション部材9の形状は、上記以外であってもよい。
上記の実施形態による搬送用什器1では、オプション部材9は、第1コーナー部材61の第1溝部76および第2コーナー部材62の第1溝部86の2つのコーナー部材それぞれの溝部に取り付けられている。これに対し、オプション部材は、1つのコーナー部材6の溝部のみに取り付けられる構成であってもよい。
【0087】
上記の実施形態による搬送用什器1では、什器本体2の後側のみにオプション部材9を取り付けているが、図11に示す搬送用什器1Bのように、什器本体2の2方向(例えば、後側と右側)それぞれにオプション部材9Bを取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1,1B 搬送用什器
2 什器本体
3 走行部
4 カバー部材
9,9B オプション部材
76,86 第1溝部(オプション部材取付部、オプション部材取付溝、第1オプション部材取付溝部)
77,87 第2溝部(オプション部材取付部、オプション部材取付溝、第2オプション部材取付溝部)
78,88 第3溝部(オプション部材取付部、オプション部材取付溝、第3オプション部材取付溝部)
図1
図2
図3
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図5
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図11