(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】施設予約システム、予約の制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20231120BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231120BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019197934
(22)【出願日】2019-10-30
【審査請求日】2022-09-26
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(72)【発明者】
【氏名】チアゴ バッハ
(72)【発明者】
【氏名】生駒 英行
(72)【発明者】
【氏名】岩元 淳
【審査官】福田 正悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-174401(JP,A)
【文献】特開2014-123180(JP,A)
【文献】特開2019-101639(JP,A)
【文献】特開2019-021139(JP,A)
【文献】特許第6254741(JP,B1)
【文献】特許第6424286(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者より順番待ち要求を受付ける端末と、
前記端末と通信可能であり、特定のエリア内における前記端末の存在情報を探知可能な探知装置と、
前記端末、及び前記探知装置と通信可能であり、前記端末より受信した前記利用者からの前記順番待ち要求情報、及び前記探知装置より受信した前記存在情報に基づいて、複数の利用者が利用する順番を決定する情報処理装置と、
前記情報処理装置が決定した前記順番に基づいて、利用の制限を解除する利用制限装置を備え、
前記情報処理装置は、
前記順番待ち要求を複数の利用者より受信した場合は、受信した時間順に受付順番とし、
対象となる施設の利用制限が解除されたタイミングにおいて、前記存在情報と照会して、前記受付順番のうち一位の利用者と前記存在情報が一致した場合には、前記受付順番のうち一位の利用者を前記施設の利用可とする処理を実行したうえで、前記利用制限装置へ利用制限の解除を命令し
前記受付順番のうち一位の利用者と前記存在情報が不一致の場合には、前記受付順番のうち一位の利用者の受付順番を繰り下げ、或いはキャンセル処理を実行し、
前記存在情報が証明された利用者のうち、最先の受付順番の者を一位に繰り上げる処理を実行し、
さらに前記施設の利用可とする処理を実行したうえで、前記利用制限装置へ利用制限の解除を命令する
と共に、待機エリア内での利用者の位置と待機エリア外の利用者の位置を示す順番待ち状況を前記端末の表示部に表示することを特徴とする予約システム。
【請求項2】
コンピュータを、
利用者より順番待ち要求を受付ける第1の制御手段と、
前記順番待ち要求を複数の利用予定者より受信した場合は、受信した受付時間順に受付順番を決定し、
対象となる施設の利用制限が解除されたタイミングにおいて、存在情報と照会して、前記受付順番のうち一位の利用者と前記存在情報が一致した場合には、前記受付順番のうち一位の利用者を前記施設の利用可とする処理を実行したうえで、利用制限装置へ利用制限の解除を命令し、
前記受付順番のうち一位の利用者と前記存在情報が不一致の場合には、前記受付順番のうち一位の利用者の受付順番を繰り下げ、或いはキャンセル処理を実行し、
前記存在情報が証明された利用者のうち、最先の受付順番の者を一位に繰り上げる処理を実行し、さらに前記施設の利用可とする処理を実行する第2の制御手段と、
利用制限装置へ利用制限の解除を命令する第3の制御手段と、
待機エリア内での利用者の位置と待機エリア外の利用者の位置を示す順番待ち状況を利用者の端末の表示部に表示する第4の制御手段として機能させるための予約プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトイレなどの施設予約システム、施設予約の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店などの店舗、イベント会場、サービスエリアなど多くの人が集まる場所では、トイレの順番待ちが頻繁に発生する。そのような順番待ちを解決する方法として予約システムが開示されている(例えば、特許文献1)。また、GPS機能を備えた端末を利用したトイレナビゲーションシステムが開示されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-233740号公報
【文献】特開2009-69021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、事前に施設の利用を予約することができれば、予約者にとっては待ち時間がなく快適に利用することが可能となる。
【0005】
しかしながら、予約者が複数いる場合、先の予約者がその利用を終えなければ、後の予約者は利用することができない。つまり、何らかの事情で先の予約者が現れなければ、施設が利用できる状況でありながら、後の予約者は利用することができず、ストレスを受けるため、何らかのトラブルに発展することも考えられる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされており、特定の条件を満たさなければ、予約の順番を変動する施設予約システム、施設予約の制御方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、本発明のシステムは、利用者より順番待ち要求を受付ける端末と、
前記端末と通信可能であり、特定のエリア内における前記端末の存在情報を探知可能な探知装置と、
前記端末、及び前記探知装置と通信可能であり、前記端末より受信した前記利用者からの前記順番待ち要求情報、及び前記探知装置より受信した前記存在情報に基づいて、複数の利用者が利用する順番を決定する情報処理装置と、
前記情報処理装置が決定した前記順番に基づいて、利用の制限を解除する利用制限装置を備え、
前記情報処理装置は、
前記順番待ち要求を複数の利用者より受信した場合は、受信した時間順に受付順番とし、
対象となる施設の利用制限が解除されたタイミングにおいて、前記存在情報と照会して、前記受付順番のうち一位の利用者と前記存在情報が一致した場合には、前記受付順番一位の利用者を前記施設の利用可とする処理を実行したうえで、前記利用制限装置へ利用制限の解除を命令し
前記受付順番一位の利用者と前記存在情報が不一致の場合には、前記受付順番一位の利用者の受付順番を繰り下げ、或いはキャンセル処理を実行し、
前記存在情報が証明された利用者のうち、最先の受付順番の者を一位に繰り上げる処理を実行し、
さらに前記施設の利用可とする処理を実行したうえで、前記利用制限装置へ利用制限の解除を命令することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、トイレなどの施設の使用に際し、待ち時間を極力少なくして快適に利用することが可能な予約システム、制御方法、及びプログラムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る予約システムの一例を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る予約システムの一例を示す概念図である。
【
図3】本実施形態に係る利用者端末の順番待ち受付画面の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る順番待ち受付処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】本実施形態に係る探知装置による処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本実施形態に係わる利用制限を解除する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】本実施形態に係る利用制限解除の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係る施設の利用を終了する動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係る施設が利用できる状態となった時点で、待機エリア内に受付順番1位の利用者が存在している場合の順番待ちの変化の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る施設が利用できない時点で、待機エリア内に受付順番1位の利用者が後から登場した場合の順番待ちの変化の一例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係る施設が利用できる状態となった時点で、待機エリア内に受付順番1位の利用者が不在であった場合の順番待ちの変化の一例を示す図である。
【
図12】本実施形態に係る順番待ち状況画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、発明の実施形態について説明する。この説明においては、全図にわたり共通の部分には共通の参照符号を付す。
【0011】
図1は、本実施形態に係る予約システム1の一例を示すブロック図である。
【0012】
図2は、本実施形態に係る予約システム1の一例を示す概念図である。
【0013】
予約システム1は、サーバ装置2と、利用者端末3と、探知装置4と、利用制限装置5を含む。サーバ装置2と、利用者端末3と、探知装置4と、利用制限装置5は、ネットワークNを経由して相互に通信可能に接続されている。
【0014】
サーバ装置2は、サーバ装置2にインストールされたアプリケーションにより、利用者端末3、探知装置4、及び利用制限装置5と通信を行う。サーバ装置2は、利用者端末3に入力された利用者の指令に従い、順番待ち情報を更新・管理する。更に、サーバ装置2は、探知装置4によって探知した利用者の存在情報を基に予約の順番を変更することができる。
また、サーバ装置2は、例えば利用者のメールアドレスなどを含む利用者情報を格納し、必要に応じて利用者端末3に対して通知を行う。順番待ち変更処理の詳細については、
図5で後述する。
【0015】
利用者端末3は、利用者が使用する情報処理装置である。利用者端末3は、利用者端末3にインストールされたアプリケーション又はブラウザなどを用いて、ネットワークNを経由してサーバ装置2より受信した予約状況に関するデータを利用者端末3の備えるディスプレイに表示可能である。利用者は、利用者端末3を操作することにより、遠隔地からの順番待ちの要求、又はキャンセルが可能である。
【0016】
探知装置4は、利用者が特定の場所(以下、待機エリアという)に存在するか否かを探知して、サーバ装置2に存否情報を送信する。
【0017】
利用制限装置5は、サーバ装置2より受信した命令によって、施設の利用の制限或いは解除をする手段を備えた装置である。
【0018】
以下、予約システム1について詳しく説明する。
【0019】
サーバ装置2は、記憶部21と、制御部22と、通信部23と、データベースDBとを含む情報処理装置である。
【0020】
記憶部21は、例えばハードディスク、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどにより記憶領域を構成する。記憶部21は、各種ソフトウェア又はデータを格納する。各種ソフトウェアは、オペレーティングシステム(OS)、データ管理プログラム、及び各種アプリケーションプログラム等を含む。
記憶部21は、例えば、プログラムPと、順番データD1とを格納する。
【0021】
順番データD1は、利用者ごとに受付けた複数の予約の順番待ちデータD11を管理する。予約の順番待ちデータD11には、例えば、受付けた順番待ちを識別する識別番号D101と、順番待ちを受付けた利用者情報D102と、ステータス情報D103が含まれる。
【0022】
利用者情報D102には、例えば、氏名、性別、連絡先などのうち、少なくとも1つ以上のデータが含まれる。
【0023】
ステータス情報D103には、当該順番待ちデータD11の順番待ちの状態がリアルタイムに記録される。ステータス情報D103は、例えば、現在の順番、残りの予想待ち時間、待機状態、キャンセル状態などの情報を含む。
【0024】
予想待ち時間は、例えば受付・順番管理部221が、利用者ごとに、現在の待ち行列の人数などに基づいて算出してもよい。
【0025】
本実施形態において、待機状態は、例えば、利用準備状態、利用可能状態などを含む。
利用準備状態は、例えば、利用者が待機エリアに到達し、間もなく施設の利用が可能であると判断された状態を示す。利用可能状態は、例えば、施設の利用が可能となり、順番待ちが終了した状態を示す
【0026】
なお、特定のタイミングにおいて待機エリアに不在の利用者は、受付順番を繰り下げ、或いはキャンセルとする。
【0027】
また、本実施形態において、キャンセル状態は、利用者キャンセル、不在強制キャンセルなどを含む。利用者キャンセルは、利用者端末3の操作によりキャンセルされた状態を示す。不在強制キャンセルは、待機エリアの不在状態を所定時間経過後に強制的にキャンセルされた状態を示す。
【0028】
制御部22は、各種ソフトウェア(プログラム)を実行し、サーバ装置2全体を制御する。制御部22は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などである。
【0029】
制御部22は、例えば、記憶部21、通信部23、データベースDBと内部バスB1により電気的に接続されており、各部からのコマンドなどに基づいて、各部の諸動作を制御する。制御部22は、サーバ装置2に入力されたデータ、又はそれらのデータの計算結果に基づいて各部を制御し、必要に応じて各部にコマンドなどを出力する。
【0030】
制御部22は、例えば、記憶部21に格納されたプログラムPを実行することにより、例えば、受付・順番管理部221、到達証明受付部222、通知部223、UI生成部224として機能する。
【0031】
受付・順番管理部221は、利用者端末3及を介して行われる順番待ち要求、その他上述のステータス情報D103の更新に関わるあらゆる要求を受信する。そして、受付・順番管理部221は、受信した各種要求に基づき、順番データD1を更新する。
【0032】
存在証明受付部222は、利用者が待機エリアに存在する証明を受付ける。存在証明受付部222は、探知装置4より受信した存在証明に基づき順番データD1を更新し、記憶部21へ格納する。
【0033】
通知部223は、利用者端末3への通知を行う。通知部223は、予約受付完了又はキャンセル完了した旨、順番待ちに所定の変化が生じた旨などを利用者に通知する。通知の方法は、例えば、利用者端末3へのメール送信、利用者端末3に対するプッシュ通知などがあるが、これらに限定されない。
【0034】
UI生成部224は、利用者端末3が表示するユーザインタフェースを含む表示データを生成し、通信部23を経由して利用者端末3にこの表示データを送信する。
【0035】
通信部23は、サーバ装置2を有線又は無線通信によりネットワークNに接続させる。通信部23は、ネットワークNを経由してユーザ端末3、探知装置4、及び利用制限装置5とのコマンド、アドレス、データ、信号などの送受信を制御する。ネットワークNは、具体的には、インターネットなどである。
【0036】
DBは、利用者又は順番待ちに関するデータを格納する。データベースDBは、例えば登録利用者データD3を格納する。ここで、登録利用者とは、施設を利用する利用者のうち、あらかじめ利用者情報を登録した利用者を指す。登録利用者データD3には、例えば、会員番号、名前、年齢、性別、順番待ちの利用履歴、キャンセルの履歴、などの情報が含まれる。
【0037】
なお、順番データD1は、記憶部21に加えてデータベースDBに格納されてもよい。これにより、サーバ装置2は、施設の過去の順番データD1を解析することにより、利用者に様々なサービスが提供可能となる。データベースDBには、上述以外の他のデータが格納されてもよい。
【0038】
利用者端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータなどのモバイル型端末でもよい。
【0039】
利用者端末3は、例えば、記憶部31と、制御部32と、通信部33と、入力部34と、表示部35とを含む。
【0040】
記憶部31は、記憶部21と同様に、利用者端末3の記憶領域を構成する。
【0041】
制御部32は、制御部22と同様、各種ソフトウェア(プログラム)を実行し、利用者端末3全体を制御する。制御部32は、例えば、記憶部31、通信部33、入力部34、表示部35と内部バスB2により電気的に接続されており、各部からのコマンドなどに基づいて、各部の諸動作を制御する。
【0042】
制御部32は、例えば、クライアント機能部322を含む。クライアント機能部322は、利用者端末3をサーバ装置2のクライアントとして機能させるために必要な処理を行う。本実施形態においては、サーバ装置2は、例えばウェブサーバの機能を有し、クライアント機能部322は、例えばブラウザの機能を備える。すなわち、利用者端末3のクライアント機能部322は、サーバ装置2のUI生成部225が生成した表示データを受信し、受信した表示データについてブラウザを用いて表示部35に表示し、又は、ブラウザ上で書き換えられた表示データをサーバ装置2へ送信する。表示データには、例えばユーザインタフェース、順番データD1に含まれるデータ、などが含まれる。利用者端末3の利用者は、サーバ装置より受信した表示データを表示部35にて確認可能である。さらに、利用者は入力部34を経由して表示部35に表示された表示データを書き換え可能である。
【0043】
なお、クライアント機能部322は、通信部33を経由してサーバ装置2へ更新要求を送信することにより、サーバ装置2のUI生成部224より最新の表示データを受信し、受信した表示データに基づいてブラウザの表示を更新する。
【0044】
通信部33は、ユーザ端末4を有線又は無線通信によりネットワークNに接続させる。通信部33は、ネットワークNを経由してサーバ装置2とコマンド、アドレス、データ、信号などの送受信を制御する。
【0045】
入力部34は、ユーザ端末3への入力を入力データとして受付ける。入力部34は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル、マイクなどの入力装置うち少なくとも1つを含む。また、入力部34は、例えばカメラなどの撮像装置又は読み取り装置を含んでいてもよい。
【0046】
表示部35は、制御部32の指令により生成される画面及びデータを、利用者端末3の利用者が視認可能な形式で出力する。表示部35は、例えばディスプレイを含む。
【0047】
探知装置4は、記憶部41と、制御部42と、通信部43と、探知部44とを含む。
【0048】
記憶部41、制御部42の機能及び構成は、利用者端末3の記憶部31、制御部32と同等である。制御部42は、例えば、記憶部41、通信部43、探知部46と内部バスB3により電気的に接続されており、各部からのコマンドなどに基づいて、各部の諸動作を制御する。
【0049】
探知部46は、例えば、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、その他規格に準拠する近距離無線通信によって、待機エリア内における利用者端末3の存否を探知することができる。また、例えば、顔認証システムを用いてもよい。
【0050】
通信部43は、前記探知部46によって得られた待機エリア内における利用者の存否情報について、サーバ装置2との送受信を制御する。
【0051】
なお、本実施形態において、探知装置4とサーバ装置2とは、ネットワークNを経由して、又は近距離無線通信などにより相互に通信可能であってもよい。例えば、ユーザ端末3と探知装置4とは、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、その他規格に準拠する近距離無線通信により通信可能であってもよい。
【0052】
利用制限装置5は、記憶部51と、制御部52と、通信部53と、利用制限手段57と、利用者認識手段58とを含む。
【0053】
記憶部51、制御部52の機能及び構成は、利用者端末3の記憶部31、制御部32と同等である。制御部52は、例えば、記憶部51、通信部53、利用者認識部57、利用制限手段57と内部バスB4により電気的に接続されており、各部からのコマンドなどに基づいて、各部の諸動作を制御する。
【0054】
通信部53は、ユーザ端末3およびサーバ装置2との送受信を制御する。
【0055】
なお、本実施形態において、利用制限装置5と、ユーザ端末3およびサーバ装置2とは、ネットワークNを経由して、又は近距離無線通信などにより相互に通信可能であってもよい。例えば、ユーザ端末4と店舗用端末6とは、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、その他規格に準拠する近距離無線通信により通信可能であってもよい。
【0056】
利用制限手段57は、例えば、個室トイレ、シャワールーム、更衣室などのドアに取り付けられた鍵を、サーバ装置2から発信される命令に従って開錠、或いは施錠する手段を示す。利用制限手段は鍵のような物理的手段の他、使用状況を表示するような心理的手段であってもよい。
【0057】
利用者認識手段58は、利用者が真の予約者であることを判断するための手段である。利用者が真の予約者であること認識すると、通信部53によりサーバ装置2へ認識情報を送信する。
【0058】
図3は、本実施形態に係る利用者端末3の順番待ち受付画面の一例を示す図である。より具体的には、
図3は、例えば利用者端末3のクライアント機能部322がサーバ装置2のUI生成部224に施設Aの順番待ち受付画面の表示データを問い合わせ、利用者端末3の表示部35がUI生成部224より受信した表示データを視認可能に表示した状態を表す。
【0059】
利用者端末3のユーザは、例えば表示部35に備えられたタッチパネルを用いて、順番待ち受付画面のユーザインタフェースを操作可能である。
【0060】
順番待ち受付画面は、例えば、表示U1と、ボタンBT1と、ボタンBT2とを含む。
【0061】
表示U1は、利用者がこれから利用する予定の施設Aの現在の混雑状況に関する情報を含む。より具体的には、例えば表示U1は、現在時刻U1a、現在の待ち順位U1b、現在の待ち時間U1cなどを含む。また、表示U1は、表示U1を最新の情報に更新するための更新ボタンU1dを含んでいてもよい。更新ボタンが押下されると、利用者端末3のクライアント機能部322は、通信部33を経由してサーバ装置2へ最新の表示データを問い合わせるコマンドを送信する。そして、クライアント機能部322は、サーバ装置2より受信した最新の表示データを表示部35に表示する。
【0062】
ボタンBT1は、順番待ち予約のみを行うボタンである。このボタンを押下し、順番待ち予約に必要なデータ(例えば、利用者情報D102など)を入力することにより、利用者は利用予約することができる。サーバ装置2は、利用者端末3より利用者情報D102を受信し、この利用者情報D102に基づいて順番待ちデータD11を新規に作成し、順番データD1に追加する。
【0063】
ボタンBT2は、受付のキャンセルを行うためのボタンである。このボタンを押下することにより利用者は、キャンセルを行うことができる。サーバ装置2は、順番待ちデータD11に作成し、順番データD1から当該データを削除する。
【0064】
ボタンBT3は、施設を利用しようとする者が真の予約者であることを認識するコードを表示するためのボタンである。利用制限装置5による利用制限を解除するためには、利用者が真の予約者である必要がある。このため、例えば、予約受付け時に、サーバ装置2の受付・順番管理部221により受付順を特定可能な識別番号D101が発行され、この識別番号D101が前記利用者に通知される。なお、識別番号D101は、例えば、利用者端末3へメールなどを用いて送信されてもよい。
【0065】
図4は、本実施形態に係る順番待ち受付処理の一例を示すフローチャートである。より具体的には、
図4は、
図3のボタンBT1が押下された場合の利用者端末3の表示部35に表示されるユーザインタフェース、及びサーバ装置2が行う処理を示す。
【0066】
なお、上述のように、本実施形態においては、利用者端末3はブラウザとして動作するため、利用者端末3が表示するユーザインタフェースを含む表示データはサーバ装置2のUI生成部224が生成する。以下では、UI生成部224の当該表示データの生成に必要な処理は省略する。
【0067】
ステップS101において、利用者端末3のクライアント機能部322は、利用者からのボタンBT1(「順番待ち予約」ボタン)の押下を受付ける。
【0068】
ステップS102において、クライアント機能部322は、順番待ち予約に必要なデータの入力を利用者に促す。利用者は、例えば表示部35の表示に従い、入力部34を用いて利用者情報D102などを入力する。なお、利用者が既にサーバ装置2に登録されている場合は、利用者情報D102の入力は、例えば、会員番号の入力などで代用可能である。
【0069】
ステップS103において、サーバ装置2の受付・順番管理部221は、ステップS102において入力された利用者情報D102に基づき、順番待ちデータD11を生成する。
受付・順番管理部221は、例えば、生成した順番待ちデータD11を、順番データD1の最後尾に追加する。
【0070】
ステップS104において、クライアント機能部322は、順番待ち予約の受付完了表示を行う。また、クライアント機能部322は、サーバ装置2に対して最新の順番待ちデータD11に基づいた順番待ち一覧の表示データを問い合わせ、表示部35に表示してもよい。
【0071】
図5は、本実施形態に係る探知装置による処理の一例を示すフローチャートである。より具体的には、探知装置4によって利用者が特定エリア存在することを探知した後の探知装置4、及びサーバ装置2が行う処理を示す。
【0072】
ステップS201において、探知装置4は、利用者の持つ利用者端末3が、探知装置4と近距離無線通信可能な距離まで接近することにより利用者が施設付近に来たと判断すると、ステップS202として、利用者端末3より近距離無線通信により当該利用者を識別可能なデータを受信し、当該データとともに存在証明データD104を発行し、サーバ装置2へ送信する。
【0073】
ステップS203において、サーバ装置2の受付・順番管理部221は、探知装置4より存在証明データD104を受信し、記憶部21に記録(格納)する。
【0074】
また、例えば、サーバ装置2の受付・順番管理部221は、順番待ち予約受付完了後、一定時間内に到達証明データD104が受信されない場合は、キャンセルとしてもよい。
【0075】
図6は、本実施形態に係わる利用制限を解除する処理の一例を示すフローチャートである。より具体的には、
図6は、施設が利用可能となった場合のサーバ装置2が行う処理を示す。
【0076】
ステップS301において、サーバ装置2の受付・順番管理部221は、ステップS203の到達証明データと順番待ちデータD11を照会し、受付順番1位の利用者と存在証明データが一致した場合には、ステップS302として、この利用者を利用可ステータスとして処理するとともに、ステップS303として制限解除準備の処理を行う。
【0077】
ステップS301において、サーバ装置2の受付・順番管理部221は、ステップS301の照会による結果、受付順番1位の利用者と存在証明データが不一致の場合には、ステップS304として、ステップS301と同様に到達証明データと順番待ち次位の照会を行う。これが一致した場合には、ステップS305として順番待ち1位に繰り上げ、この利用者を利用可ステータスとして処理するとともに、制限解除準備の処理を行う。またステップS306として、存在証明データが不一致であった前記受付順番1位の利用者の受付順番を繰り下げ、或いはキャンセルの処理を行う。不一致の場合はステップS204に戻る処理を行う。
【0078】
図7は、本実施形態に係る利用制限解除の動作の一例を示すフローチャートである。
図7では、施設を利用可能となった利用者が、その施設の利用を開始するまでの処理について説明する。
【0079】
ステップS401において、受付・順番管理部は、前記の制限解除準備を受けて、利用制限装置5に対して、利用制限解除準備指令を実行する。
【0080】
ステップS402において、受付・順番管理部は、利用者端末3に表示された識別データD101を利用者認識部57により読み取りを行い、一致が確認されたら、ステップS403において利用制限手段58を解除する。
【0081】
ステップS404において受付・順番管理部は、利用制限装置5の通信部より受信された、前記利用制限解除の情報に基づいて、該当する利用者を利用ステータスとして取り扱う処理を行う。
【0082】
図8は、本実施形態に係る、施設の利用を終了する動作の一例を示すフローチャートである。
図8では、施設の利用者が、その施設の利用を終了する際の処理について説明する。
【0083】
ステップS501において、利用制限装置5は、利用者端末3に表示された識別データD101を利用者認識部57により読み取りを行い、一致が確認されたら、ステップS502において利用制限を設定する。
【0084】
ステップS503において、受付・順番管理部221は、利用制限装置5の通信部より受信された、前記利用制限解除の情報に基づいて、該当する利用者を終了ステータスとして取り扱う処理を行う。
【0085】
次いでステップS404において、受付・順番管理部221は、該当する利用者を順番待ちデータから削除する処理を行う。
【0086】
図9から
図11は、
図6に係る処理を模式図として表した図である。これらについて順に説明する。
【0087】
図9は、施設が利用できる状態となった時点で、待機エリア内に受付順番1位の利用者が存在している場合である。この場合は、前記受付順番1位の利用者が施設を利用することができる。
【0088】
図10は、施設が利用中の状態の時に、待機エリア内に受付順番1位の利用者が不在であったが、後に前記受付順番1位の利用者が現れたパターンを示す。この場合、前記受付順番1位の利用者が現れた時点で、施設が依然として利用中であったならば、
図9と同様の処理を行う。
【0089】
図11は、施設が利用可能になった時点で、受付順番1位の利用者が待機エリア内に不在であり、かつ、受付順番下位の利用者が存在する場合である。この場合、待機エリア内に存在する受付順番がそれぞれ繰り上げられる。
なお、この際に前記受付順番1位の利用者については、任意の受付順番に繰り下げてもよいし、キャンセル扱いとしてもよい。
【0090】
図12は、本実施形態に係る順番待ち状況画面の一例を示す図である。より具体的には、
図12は、例えば利用者端末3のクライアント機能部322がサーバ装置2のUI生成部224に順番待ち進捗状況を確認可能な画面の表示データを問い合わせ、UI生成部224より受信した表示データが表示部35に視認可能に表示された状態を表す。
【0091】
順番待ち進捗状況画面は、例えば、表示U2と、表示U3とを含む。
【0092】
表示U2は、待機エリア内での利用者の位置を図示する。例えば、表示U2は、
図9に示すように、利用者の位置を含む所定の組数のアイコンの列で表してもよい。また、表示U2は、利用者の位置を視認しやすいように、強調する文字列を追加して表示してもよい(U3a)。
【0093】
以上説明した本実施形態においては、順番待ちシステム1は、サーバ装置2の受付・順番管理部221により順番待ちの受付を行う。これにより、行列に並ぶことを敬遠する利用者が、行列に並ぶ時間を短縮して利用可能となる。
【0094】
本実施形態において、サーバ装置2はウェブサーバとして機能し、利用者端末3の備えるブラウザを経由してサーバ装置2と通信を行うとして説明した。しかしながら、利用者端末3は、サーバ装置2が管理するデータのうち必要なデータの一部を受信して端末内に格納し、端末内で当該データを更新してもよい。サーバ装置は、利用者端末3内で更新されたデータとサーバ装置の管理するデータと同期する方法により、データ管理を行うとしてもよい。
【0095】
以上、本実施形態を用いて本発明の説明を行ったが、この発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば各実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。