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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】核医学診断装置、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/161 20060101AFI20231120BHJP
【FI】
G01T1/161 E
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019206423
(22)【出願日】2019-11-14
(65)【公開番号】P2021081206
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加瀬野 修
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 惇起
(72)【発明者】
【氏名】深野 敦史
(72)【発明者】
【氏名】山鼻 将央
(72)【発明者】
【氏名】森野 克人
(72)【発明者】
【氏名】山田 泰誠
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/110336(WO,A1)
【文献】特開2017-037037(JP,A)
【文献】特開2010-210598(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0051617(US,A1)
【文献】国際公開第2014/194412(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/161 - 1/166
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体に投与された放射性薬剤に基づく放射線を検出し、放射線データを収集する収集部と、
少なくとも前記放射線データの収集開始からの経過時間に対応する収集途中までの前記放射線データである部分放射線データを収集した範囲に異常があるか否かの判定を行うように学習された学習済みモデルを用いて前記判定を行い、前記判定の結果に基づいて、前記放射線データを収集する収集時間を決定する決定部と、
を備える核医学診断装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記放射線データの収集時間として予め定められている暫定的な収集時間を、前記経過時間に関する時間情報および前記部分放射線データに基づいて、変更するか否かを決定する、
請求項1に記載の核医学診断装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記時間情報および前記部分放射線データに基づいた前記判定の結果、異常がないと判定した場合、前記暫定的な収集時間より短い時間で前記放射線データの収集を終了すると決定する、
請求項2に記載の核医学診断装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記時間情報および前記部分放射線データに基づいた前記判定の結果、異常があると判定した場合、前記暫定的な収集時間、または前記暫定的な収集時間より長い時間で前記放射線データの収集を終了すると決定する、
請求項2または請求項3に記載の核医学診断装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記時間情報および前記部分放射線データに基づいた前記判定の結果、異常があるか否かの判定ができなかった場合、前記暫定的な収集時間、または前記暫定的な収集時間より長い時間で前記放射線データの収集を終了と決定する、
請求項2から請求項4のうちいずれか1項に記載の核医学診断装置。
【請求項6】
前記学習済みモデルは、少なくとも前記部分放射線データを入力すると前記判定を行うように学習されたモデルであり、
前記決定部は、前記学習済みモデルに対して、少なくとも前記部分放射線データを入力することで、前記判定を行う、
請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の核医学診断装置。
【請求項7】
前記学習済みモデルは、少なくとも前記部分放射線データを入力すると前記収集時間を決定する、または暫定的な収集時間を変更するか否かを決定するモデルであり、
前記決定部は、前記学習済みモデルに対して、少なくとも前記部分放射線データを入力することで、前記収集時間、または前記暫定的な収集時間を変更するか否かを決定する、
請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の核医学診断装置。
【請求項8】
前記学習済みモデルは、前記経過時間ごとに作成されたモデルであり、
前記決定部は、前記部分放射線データを、前記経過時間に関する時間情報に基づいて選択した前記学習済みモデルに入力する、
請求項6または請求項7に記載の核医学診断装置。
【請求項9】
前記学習済みモデルは、前記経過時間によらずに作成されたモデルであり、
前記決定部は、前記部分放射線データと前記経過時間に関する時間情報とを前記学習済みモデルに入力する、
請求項6または請求項7に記載の核医学診断装置。
【請求項10】
前記放射線データおよび前記部分放射線データは、PET(Positron Emission Tomography)検査におけるサイノグラムまたは再構成画像である、
請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載の核医学診断装置。
【請求項11】
前記放射線データおよび前記部分放射線データは、PET(Positron Emission Tomography)検査におけるサイノグラムであり、
前記学習済みモデルは、前記PET検査における再構成画像を逆変換して生成された前記サイノグラムを用いて学習されたモデルである、
請求項6または請求項7に記載の核医学診断装置。
【請求項12】
前記学習済みモデルは、PET(Positron Emission Tomography)検査において前記被検体に投与した前記放射性薬剤の薬剤濃度を加味して学習されたモデルであり、
前記決定部は、前記部分放射線データと、前記収集開始の時に推定する前記薬剤濃度に関する情報とを前記学習済みモデルに入力する、
請求項6または請求項7に記載の核医学診断装置。
【請求項13】
前記放射線データおよび前記部分放射線データは、SPECT(Single Photon Emission computed Tomography)検査における画像である、
請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載の核医学診断装置。
【請求項14】
前記決定部により決定された前記収集時間に前記収集部が収集した前記放射線データに基づいた再構成画像を生成する再構成画像生成部、をさらに備える、
請求項1から請求項13のうちいずれか1項に記載の核医学診断装置。
【請求項15】
核医学診断装置のコンピュータに、
被検体に投与された放射性薬剤に基づく放射線を検出した放射線データを収集させ、
少なくとも前記放射線データの収集開始からの経過時間に対応する収集途中までの前記放射線データである部分放射線データを収集した範囲に異常があるか否かの判定を行うように学習された学習済みモデルを用いて前記判定を行わせ、
前記判定の結果に基づいて、前記放射線データを収集する収集時間を決定させる、
制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、核医学診断装置、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、PET(Positron Emission Tomography:陽電子放出断層撮影)検査を行うシステムや装置に関連する技術が開示されている。PET検査では、放射性薬剤の投与量や、被検体の身長、体重などの情報に基づいて、例えば、PET検査の実施者(医師や技師など)が、放射性薬剤により放射される放射線を収集するための収集時間を決定する。この収集時間は、放射線を収集した量に応じた画像として表す際の画質に影響を及ぼす。このため、PET検査の実施者は、検査する部位に病変が存在した場合でも、画像から十分な診断が行えるような時間を設定する。
【0003】
ところで、収集時間は、PET検査を開始する前の段階で決められている。このため、PET検査において放射線を収集している途中の段階で検査している部位には病変が存在しないことが判明した場合にも、決定した収集時間まで放射線の収集を行っていた。つまり、検査している部位には病変が存在しない場合には、病変が存在した場合に比べて高画質の画像が求められないにもかかわらず、高画質の画像を得るための放射線の収集が行われていた。これは、PET検査における検査ワークフローが非効率になる要因となり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-093137号公報
【文献】特開2018-011958号公報
【文献】特開2012-045387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、被検体の医用画像を取得して行う検査における検査ワークフローの改善を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の核医学診断装置は、被検体に投与された放射性薬剤に基づく放射線を検出し、放射線データを収集する収集部と、少なくとも前記放射線データの収集開始からの経過時間に対応する収集途中までの前記放射線データである部分放射線データを収集した範囲に異常があるか否かの判定を行うように学習された学習済みモデルを用いて前記判定を行い、前記判定の結果に基づいて、前記放射線データを収集する収集時間を決定する決定部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る核医学診断装置の構成図。
図2】実施形態に係る収集制御機能の機能構成の一例を示す図。
図3】実施形態に係る学習機能における学習済みモデルの生成方法の一例を模式的に示す図。
図4】実施形態に係る収集制御機能における収集時間の決定動作の概要を説明する図。
図5】実施形態に係る核医学診断装置における収集方式の一例を示す図。
図6】実施形態に係る収集制御機能における収集時間の決定処理の一連の流れの一例を示すフローチャート。
図7】実施形態に係る核医学診断装置における検査結果の表示画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の核医学診断装置、および制御プログラムを、図面を参照して説明する。核医学診断装置は、例えば、PET(Positron Emission Tomography:陽電子放出断層撮影)装置、PET-CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)装置、SPECT(Single Photon Emission computed Tomography:単一光子放出コンピュータ断層撮影)装置など、寝台装置に載置した状態の被検体の医用画像を取得して診断をする医用診断装置である。以下の説明においては、核医学診断装置がPET装置である場合を例に挙げて説明する。
【0009】
図1は、実施形態に係る核医学診断装置(PET装置)の構成図である。PET装置1は、被検体Pに投与した放射性薬剤に含まれる放射性物質により放射される放射線を検出し、検出した放射線量から放射性薬剤が集積している傾向を判定する医用診断装置である。PET装置1では、検出した放射線量に応じた画像を生成して表示する。これにより、PET検査の実施者(医師や技師など)は、被検体に病変があるか否かなどを目視で確認することができる。
【0010】
PET装置1は、例えば、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを備える。なお、図1では、説明の都合上、架台装置10をZ軸方向から見た図とX軸方向から見た図との両方の図を示しているが、実際には、PET装置1が備える架台装置10は一つである。本実施形態では、非チルト状態でのフレーム13の中心軸または寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対して水平である軸をX軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対して垂直である方向をY軸方向とそれぞれ定義する。PET装置1またはコンソール装置40は、特許請求の範囲における「核医学診断装置」の一例である。
【0011】
架台装置10は、例えば、放射線検出器11と、データ収集システム(以下、DAS:Data Acquisition System)12と、フレーム13と、制御装置14とを備える。
【0012】
放射線検出器11は、被検体P(より具体的には、被検体Pに投与された放射性薬剤)から放出された、例えば、ガンマ線などの放射線を検出する。放射線検出器11は、検出した放射線の量(放射線量)に応じた電気信号(光信号などであってもよい)をDAS12に出力する。放射線検出器11は、円筒状に形成されており、架台装置10に形成された撮像口の周囲を囲むように配置されている。放射線検出器11には、例えば、円周方向および中心軸方向に複数のPET検出素子11-1が配置されている。それぞれのPET検出素子11-1は、撮像口の中に位置する被検体Pから周囲に放出された放射線を検出する。放射線検出器11は、それぞれのPET検出素子11-1が検出した放射線量に応じた電気信号をDAS12に出力する。
【0013】
DAS12は、例えば、増幅器と、積分器と、A/D変換器とを有する。増幅器は、放射線検出器11の各PET検出素子11-1により出力される電気信号に対して増幅処理を行う。積分器は、増幅処理が行われた電気信号を収集時間(後述)において、所定の時間間隔で積分する。A/D変換器は、積分器による積分結果を示す電気信号をデジタル信号に変換する。DAS12は、デジタル信号に基づく収集データをコンソール装置40に出力する。収集データは、例えば、PET検出素子11-1が配置された放射線検出器11内の位置ごとに収集した放射線量を表すデジタル値である。収集時間は、後述する収集制御機能55により指示される、放射線を検出して収集する時間である。
【0014】
フレーム13は、放射線検出器11およびDAS12を支持する円環状の部材である。フレーム13は、放射線検出器11およびDAS12を支持することができるものであれば、円環状の部材に限らず、アームのような部材であってもよい。
【0015】
なお、例えば、本実施形態の核医学診断装置がPET-CT装置である場合、フレーム13は、放射線検出器11およびDAS12に加えて、被検体Pに照射するX線を発生させるX線管と、被検体Pを通過して入射したX線の強度を検出するX線検出器とを、対向する位置に固定した回転フレームを、内部に導入された被検体Pを中心として回転自在に支持するものであってもよい。また、例えば、本実施形態の核医学診断装置がSPECT装置である場合、フレーム13は、被検体Pに投与した放射性薬剤により放射される放射線を検出するカメラ(例えば、ガンマ線カメラ)を固定した回転フレームを、内部に導入された被検体Pを中心として回転自在に支持するものであってもよい。
【0016】
制御装置14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを有する処理回路を備える。制御装置14は、コンソール装置40または架台装置10に取り付けられた入力インターフェース43からの入力信号を受け付けて、架台装置10および寝台装置30の動作を制御する。制御装置14は、例えば、架台装置10をチルトさせたり、寝台装置30の天板33を移動させたりする。架台装置10をチルトさせる場合、制御装置14は、入力インターフェース43に入力された傾斜角度(チルト角度)に基づいて、Z軸方向に平行な軸を中心にフレーム13を傾けさせる。制御装置14は、不図示のセンサの出力などによってフレーム13の傾きの角度を把握している。また、制御装置14は、フレーム13の傾きの角度を随時、処理回路50に提供する。制御装置14は、架台装置10に設けられてもよいし、コンソール装置40に設けられてもよい。なお、制御装置14は、例えば、核医学診断装置がPET-CT装置である場合、フレーム13が備える回転フレームを回転動作させる、例えば、モータやアクチュエータなどを含む駆動機構を備えてもよい。
【0017】
寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置して移動させ、架台装置10のフレーム13の内部に導入する装置である。寝台装置30は、例えば、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを備える。基台31は、支持フレーム34を鉛直方向(Y軸方向)に移動可能に支持する筐体を含む。寝台駆動装置32は、モータやアクチュエータを含む。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を、支持フレーム34に沿って、天板33の長手方向(Z軸方向)に移動させる。天板33は、被検体Pが載置される板状の部材である。
【0018】
寝台駆動装置32は、天板33だけでなく、支持フレーム34を天板33の長手方向に移動させてもよい。また、上記とは逆に、架台装置10がZ軸方向に移動可能であり、架台装置10の移動によってフレーム13が被検体Pの周囲に来るように制御されてもよい。また、架台装置10と天板33の双方が移動可能な構成であってもよい。また、PET装置1は、被検体Pが立位または座位でスキャンされる方式の装置であってもよい。この場合、PET装置1は、寝台装置30に代えて被検体支持機構を有し、架台装置10は、フレーム13を、床面に垂直な方向に移動させる。
【0019】
コンソール装置40は、例えば、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、ネットワーク接続回路44と、処理回路50とを備える。本実施形態では、コンソール装置40は架台装置10とは別体であるものとして説明するが、架台装置10にコンソール装置40の各構成要素の一部または全部が含まれてもよい。
【0020】
メモリ41は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)、光ディスクなどにより実現される。メモリ41は、例えば、DAS12により出力された収集データや、収集データに基づいて作成されたサイノグラム、サイノグラムに基づいて生成された再構成画像などのデータを記憶する。
【0021】
サイノグラムは、DAS12により出力されたそれぞれの収集データが表す放射線量を、PET検出素子11-1が配置された放射線検出器11内の位置や角度ごとに示したデータである。例えば、被検体Pの体内に病変がある場合、この病変の位置に放射性薬剤が集まり、より多くの放射線が検出される。このため、サイノグラムに示された放射線量から、被検体Pの体内にある病変の位置を特定することができる。再構成画像は、サイノグラムが示すそれぞれの位置の放射線量を、PET検査の実施者が目視で確認することができるように可視化した画像である。
【0022】
これらのデータは、メモリ41ではなく(或いはメモリ41に加えて)、PET装置1が通信可能な外部メモリに記憶されてもよい。外部メモリは、例えば、外部メモリを管理するクラウドサーバが読み書きの要求を受け付けることで、クラウドサーバによって制御されるものである。外部メモリは、例えば、PACS(Picture Archiving and Communication Systems)と称されるシステムにより実現される。PACSとは、各種画像診断装置によって撮影された画像などを体系的に記憶する医用画像管理システムである。
【0023】
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路50によって生成された画像や、PET装置1の操作者(医師や技師など)による各種操作を受け付けるGUI(Graphical User Interface)画像などを表示する。ディスプレイ42は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどである。ディスプレイ42は、架台装置10に設けられてもよい。ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40の本体部と無線通信可能な表示装置(例えば、タブレット端末)であってもよい。
【0024】
入力インターフェース43は、PET装置1の操作者による各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作の内容を示す電気信号を処理回路50に出力する。例えば、入力インターフェース43は、収集データを収集する際の収集条件、サイノグラムを生成する際の生成条件、再構成画像を再構成する際の再構成条件、再構成画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件などの入力操作を受け付ける。例えば、入力インターフェース43は、マウスやキーボード、タッチパネル、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、カメラ、赤外線センサ、マイクなどにより実現される。入力インターフェース43は、架台装置10に設けられてもよい。また、入力インターフェース43は、コンソール装置40の本体部と無線通信可能な表示装置(例えば、タブレット端末)とともに実現されてもよい。
【0025】
ネットワーク接続回路44は、例えば、プリント回路基板を有するネットワークカード、或いは無線通信モジュールなどを含む。ネットワーク接続回路44は、接続する対象のネットワークの形態に応じた情報通信用プロトコルを実装する。ネットワークは、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、インターネット、セルラー網、専用回線などを含む。
【0026】
処理回路50は、PET装置1の全体の動作を制御する。処理回路50は、例えば、システム制御機能51、サイノグラム生成機能52、再構成画像生成機能53、画像処理機能54、収集制御機能55、学習機能56、表示制御機能57などを実行する。処理回路50は、例えば、ハードウェアプロセッサがメモリ41に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより、これらの機能を実現するものである。
【0027】
ハードウェアプロセッサとは、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)または複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))などの回路(circuitry)を意味する。メモリ41にプログラムを記憶させる代わりに、ハードウェアプロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、ハードウェアプロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。ハードウェアプロセッサは、単一の回路として構成されるものに限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのハードウェアプロセッサとして構成され、各機能を実現するようにしてもよい。また、複数の構成要素を1つのハードウェアプロセッサに統合して各機能を実現するようにしてもよい。また、複数の構成要素を1つの専用のLSIに組み込んで各機能を実現するようにしてもよい。ここで、プログラム(ソフトウェア)は、予めROMやRAM、HDD、フラッシュメモリなどのメモリ41を構成する記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がコンソール装置40に備えるドライブ装置に装着されることで、コンソール装置40に備える記憶装置にインストールされてもよい。また、プログラム(ソフトウェア)は、他のコンピュータ装置からネットワーク接続回路44が接続するネットワークを介して予めダウンロードされて、コンソール装置40に備える記憶装置にインストールされてもよい。
【0028】
コンソール装置40または処理回路50が備える各構成要素は、分散化されて複数のハードウェアにより実現されてもよい。処理回路50は、コンソール装置40が備える構成ではなく、コンソール装置40と通信可能な処理装置によって実現されてもよい。処理装置は、例えば、一つのPET装置と接続されたワークステーション、あるいは複数のPET装置に接続され、以下に説明する処理回路50と同等の処理を一括して実行する装置(例えば、クラウドサーバ)である。すわなち、本実施形態の構成を、PET装置と、他の処理装置とがネットワークを介して接続されたPET検査システム(核医学診断システム)として実現することも可能である。
【0029】
システム制御機能51は、例えば、入力インターフェース43により受け付けられた入力操作に基づいて、処理回路50の各種機能を制御する。
【0030】
サイノグラム生成機能52は、DAS12により出力された収集データに対して所定の処理を行ってサイノグラムを生成し、生成したサイノグラムをメモリ41に記憶させる。
【0031】
再構成画像生成機能53は、サイノグラム生成機能52により生成されたサイノグラムに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法などによる所定の再構成処理を行って再構成画像を生成し、生成した再構成画像をメモリ41に記憶させる。再構成画像生成機能53は、特許請求の範囲における「再構成画像生成部」の一例である。
【0032】
画像処理機能54は、入力インターフェース43により受け付けられた入力操作に基づいて、再構成画像を公知の方法により、三次元画像や任意断面の断面像データに変換する。
【0033】
収集制御機能55は、DAS12、制御装置14、および寝台駆動装置32に指示することで、架台装置10における収集データの収集処理を制御する。このとき、収集制御機能55は、学習機能56によって予め学習された学習済みモデルに対してサイノグラム生成機能52により生成されたサイノグラムを入力することで、DAS12により出力された収集データに基づくサイノグラムに異常があるか否か、つまり、被検体Pに病変が存在しているか否かを判定する。収集制御機能55は、判定結果に基づいて、DAS12が放射線検出器11により出力された放射線量に応じた電気信号を収集する収集時間を変更するか否かを決定する。そして、収集制御機能55は、DAS12に、決定した収集時間までの収集データの収集を行わせる。
【0034】
収集制御機能55には、PET検査における診断を行うために収集データを収集する収集時間が、暫定的な収集時間(以下、「暫定収集時間」という)として、PET装置1の操作者により設定される。また、収集制御機能55には、サイノグラムに異常がないと判定した場合にDAS12における収集データの収集を終了させるための暫定収集時間より短い収集時間が、PET装置1の操作者により設定される。暫定収集時間は、DAS12が放射線検出器11により出力された同じ検査範囲の放射線量に応じた電気信号を収集するために暫定的に設定する最大の収集時間である。暫定収集時間より短い収集時間(以下、「正常時収集時間」という)は、サイノグラムに異常がない、つまり、被検体Pに病変が存在していないことが判明した場合でも、少なくともPET検査における診断が可能なレベルの再構成画像を生成するために必要な収集データを得ることができる収集時間である。正常時収集時間は、直接的な収集時間の値であってもよいし、暫定収集時間に対する収集時間の割合であってもよい。正常時収集時間が暫定収集時間に対する収集時間の割合である場合、収集制御機能55は、暫定収集時間と割合とに基づいて求めた収集時間を、正常時収集時間の値とする。
【0035】
図2は、実施形態に係る収集制御機能55の機能構成の一例を示す図である。図示のように、収集制御機能55は、例えば、収集機能55-1と、決定機能55-2とを備える。
【0036】
収集機能55-1は、DAS12に、放射線検出器11により出力された現在の検査範囲の放射線量に応じた電気信号の収集データを収集させる。収集機能55-1は、収集制御機能55に暫定収集時間および正常時収集時間が設定され、PET検査の実施がPET装置1の操作者により指示されると、DAS12に対して放射線検出器11の各PET検出素子11-1により出力された電気信号の収集を開始させる。その後、収集機能55-1は、DAS12が収集データを収集している経過時間を計時する。そして、収集機能55-1は、所定の経過時間が経過すると、サイノグラム生成機能52に、DAS12が経過時間までに収集した収集データに基づいたサイノグラムを生成させる。つまり、収集機能55-1は、放射線検出器11が放射線を検出している途中の段階までDAS12が収集した収集データに基づいて、サイノグラム生成機能52にサイノグラムを生成させる。この途中の段階まで収集した収集データに基づいて生成させたサイノグラムは、暫定収集時間まで収集した収集データから生成したサイノグラムに比較すると、部分的なサイノグラム(以下、「部分サイノグラム」という)である。
【0037】
なお、収集機能55-1は、最初に所定の経過時間が経過した後も、続けて経過時間を計時し、次に所定の経過時間が経過すると、同様に、サイノグラム生成機能52に、DAS12が次の経過時間までに収集した収集データに基づいた部分サイノグラムを生成させる。つまり、収集機能55-1は、所定の経過時間が経過するごとに、サイノグラム生成機能52に部分サイノグラムを生成させる。
【0038】
なお、収集機能55-1が計時する経過時間は、DAS12が収集データの収集を開始した時点からの時間であってもよいし、収集データの収集開始から所定時間が経過した時点からの時間であってもよい。つまり、収集機能55-1が経過時間を計時する際の基準は、医用診断装置の構成に応じて変更してもよい。
【0039】
決定機能55-2は、学習済みモデルに対してサイノグラム生成機能52により生成された部分サイノグラムを入力することで、入力した部分サイノグラムに対する判定結果を得る。決定機能55-2は、サイノグラム生成機能52によりDAS12が経過時間まで収集した収集データに基づいた部分サイノグラムが生成されると、学習済みモデルをメモリ41から読み出し、読み出した学習済みモデルに対してサイノグラム生成機能52により生成された部分サイノグラムを入力する。これにより、決定機能55-2は、学習済みモデルから、入力した部分サイノグラムに異常があるか否か、或いは現時点では異常があるか否かの判定ができないという三つの状態を表す判定結果を得る。
【0040】
決定機能55-2は、学習済みモデルにより得られた判定結果に基づいて、DAS12が以降に収集データを収集する収集時間を変更するか否かを決定する。つまり、決定機能55-2は、DAS12における収集データの収集を、暫定収集時間より短い正常時収集時間までで終了させるか、暫定収集時間まで収集させるかを決定する。より具体的には、決定機能55-2は、学習済みモデルにより部分サイノグラムに異常がないという判定結果が得られた場合、DAS12における収集データの収集を正常時収集時間までで終了させると決定する。一方、決定機能55-2は、学習済みモデルにより部分サイノグラムに異常がある、或いは現時点では異常があるか否かの判定ができない(以下、「判定不能」という)という判定結果が得られた場合、DAS12における収集データの収集を暫定収集時間まで行わせてから終了させると決定する。決定機能55-2は、決定した収集時間までの収集データの収集をDAS12に行わせる。
【0041】
なお、上述したように、収集機能55-1は、所定の経過時間ごとにサイノグラム生成機能52に部分サイノグラムを生成させる。このため、決定機能55-2は、最初の部分サイノグラムに対して得た判定結果が部分サイノグラムに異常がある、或いは判定不能という判定結果であった場合でも、次の部分サイノグラムに対して得た判定結果が部分サイノグラムに異常がないという判定結果である場合には、DAS12における収集データの収集を正常時収集時間までで終了させると決定する。ただし、収集機能55-1における収集時間の正常時収集時間への変更は、計時している経過時間が正常時収集時間を経過するまでの間で行う。なお、例えば、部分サイノグラムに異常がないと判定した時点で、正常時収集時間を経過している場合、その時点で収集を終了させてもよい。
【0042】
なお、決定機能55-2は、学習済みモデルにより部分サイノグラムに異常がある、或いは判定不能という判定結果が得られた場合、DAS12における収集データの収集を暫定収集時間より長い収集時間まで行わせてから終了させると決定してもよい。この場合の暫定収集時間より長い収集時間は、直接的な収集時間の値、または暫定収集時間に対する収集時間の割合が、PET装置1の操作者により設定されたものであってもよい。暫定収集時間より長い収集時間が暫定収集時間に対する収集時間の割合である場合、決定機能55-2は、暫定収集時間と割合とに基づいて求めた収集時間を、暫定収集時間より長い収集時間の値とする。
【0043】
上記説明したように、核医学診断装置はPET装置1であり、PET装置1は、被検体Pに投与された放射性薬剤に基づく放射線を検出し、収集データを収集する収集機能55-1(或いは、DAS12を含んだ構成)と、収集データの収集開始からの経過時間に関する時間情報、および経過時間に対応する収集途中までの収集データに基づく部分サイノグラムに基づいて、収集データを収集する収集時間を決定する決定機能55-2と、を備える。
【0044】
また、上記説明したように、PET装置1において、収集機能55-1は、収集データの収集時間として予め定められている暫定収集時間を、時間情報および部分サイノグラムに基づいて、変更するか否かを決定してもよい。
【0045】
また、上記説明したように、PET装置1において、収集機能55-1は、時間情報および部分サイノグラムに基づいて、部分サイノグラムを収集した範囲に異常があるか否かを判定し、異常がないと判定した場合、暫定収集時間より短い時間(例えば、正常時収集時間)で収集データの収集を終了すると決定してもよい。
【0046】
また、上記説明したように、PET装置1において、収集機能55-1は、時間情報および部分サイノグラムに基づいて、部分サイノグラムを収集した範囲に異常があるか否かを判定し、異常があると判定した場合、暫定収集時間、または暫定収集時間より長い時間で収集データの収集を終了すると決定してもよい。
【0047】
また、上記説明したように、PET装置1において、収集機能55-1は、時間情報および部分サイノグラムに基づいて、部分サイノグラムを収集した範囲に異常があるか否かを判定し、異常があるか否かの判定ができなかった場合、暫定収集時間、または暫定収集時間より長い時間で収集データの収集を終了と決定してもよい。
【0048】
また、上記説明したように、PET装置1は、収集機能55-1により決定された収集時間にDAS12が収集した収集データに基づいた再構成画像を生成する再構成画像生成機能53、をさらに備えてもよい。
【0049】
また、上記説明したように、制御プログラム(PET装置1の制御プログラム)は、核医学診断装置であるPET装置1のコンピュータに、被検体Pに投与された放射性薬剤に基づく放射線を検出した収集データを収集させ、収集データの収集開始からの経過時間に関する時間情報、および経過時間に対応する収集途中までの収集データに基づく部分サイノグラムに基づいて、収集データを収集する収集時間を決定させてもよい。
【0050】
収集機能55-1(或いは、DAS12を含んだ構成であってもよい)は、特許請求の範囲における「収集部」の一例であり、決定機能55-2は、特許請求の範囲における「決定部」の一例である。なお、収集制御機能55における収集時間の決定に係る動作の詳細については後述する。
【0051】
図1に戻り、学習機能56は、部分サイノグラムが入力されたときに、入力された部分サイノグラムに異常があるか否か、或いは判定不能という判定結果を出力するように学習された学習済みモデルを生成する。学習機能56は、以前に被検体(被検体Pとは異なる被検体を含む)に対するPET検査を行った際に収集した収集データに基づくサイノグラムと、このサイノグラムが異常のあるサイノグラムであるか異常のないサイノグラムかの判定結果との関係を、例えば、AI(Artificial Intelligence;人工知能)による機能を用いて学習することで、入力された部分サイノグラムに対する判定結果を出力する学習済みモデルを生成する。学習機能56は、以前に被検体(被検体Pとは異なる被検体を含む)に対するPET検査を行った際に収集した収集データに基づくサイノグラムと、入力された部分サイノグラムとの類似度を判定する機能を実現するための機械学習を行ってもよい。以下の説明においては、学習機能56が、学習済みモデルを生成する構成であるものとして説明する。
【0052】
図3は、実施形態に係る学習機能56における学習済みモデルの生成方法の一例を模式的に示す図である。学習済みモデルTMは、例えば、CNN(Convolutional Neural Network)やDNN(Deep Neural Network)などの技術を用いて、サイノグラムが入力されると、入力されたサイノグラムに異常があるか否か、或いは判定不能という判定結果を出力するように学習された学習済みモデルである。CNNは、畳み込み(Convolution)層やプーリング(Pooling)層などのいくつかの層が繋がれたニューラルネットワークである。DNNは、任意の形態の層が多層に連結されたニューラルネットワークである。学習済みモデルTMは、例えば、不図示の演算装置などよる機械学習モデルLMを用いた機械学習によって生成される。不図示の演算装置は、機械学習によって学習済みモデルTMを生成する際、機械学習モデルLMに、異常があるか否かを判定済みのサイノグラムと、このサイノグラムにおける判定結果を入力する。機械学習モデルLMは、例えば、CNNやDNNなどの形態を有し、暫定的にパラメータが設定されたモデルである。
【0053】
図3には、異常がないと判定済みの複数の異常なしサイノグラムSOKと、異常があると判定済みの複数の異常ありサイノグラムSNGとのそれぞれを機械学習モデルLMに入力している状態を模式的に示している。不図示の演算装置は、異常なしサイノグラムSOKと異常ありサイノグラムSNGとのそれぞれを機械学習モデルLMに入力した際の機械学習モデルLMの出力が、入力された異常なしサイノグラムSOKと異常ありサイノグラムSNGとのそれぞれにおける判定結果に近づくように、機械学習モデルLMのパラメータを調整する。パラメータを調整する方法としては、例えば、バックプロパゲーション法(誤差逆伝播法)などの手法がある。不図示の演算装置によってパラメータが調整された機械学習モデルLMが、学習済みモデルTMとなる。
【0054】
なお、学習済みモデルTMは、異常なしサイノグラムSOKおよび異常ありサイノグラムSNGのいずれか一方のサイノグラムを機械学習モデルLMに入力して生成されるものであってもよい。また、学習済みモデルTMは、CNNやDNNなどの技術を用いた学習により生成されるものに限定されない。例えば、学習済みモデルTMは、SGD(Stochastic Gradient Descent)、Momentum SGD、AdaGrad、RMSprop、AdaDelta、Adam(Adaptive moment estimation)などの勾配法、ロジスティック回帰分析、サポートベクターマシンに基づく技術などの任意の機械学習の技術を用いて生成されるものであってもよい。
【0055】
学習済みモデルTMは、部分サイノグラムが入力されると、入力された部分サイノグラムと、学習した異常なしサイノグラムSOKまたは異常ありサイノグラムSNGとの類似度を判定し、入力された部分サイノグラムに異常があるか否か、或いは判定不能という判定結果を出力する。より具体的には、学習済みモデルTMは、入力された部分サイノグラムと学習した異常なしサイノグラムSOKとの類似度が所定の閾値以上である場合、入力された部分サイノグラムに異常がないという判定結果を出力する。また、学習済みモデルTMは、入力された部分サイノグラムと学習した異常ありサイノグラムSNGとの類似度が所定の閾値以上である場合、入力された部分サイノグラムに異常があるという判定結果を出力する。また、学習済みモデルTMは、入力された部分サイノグラムと学習した異常なしサイノグラムSOKとの類似度が所定の閾値よりも低く、入力された部分サイノグラムと学習した異常ありサイノグラムSNGとの類似度が所定の閾値よりも低い場合、入力された部分サイノグラムは判定不能という判定結果を出力する。学習済みモデルTMは、特許請求の範囲における「学習済みモデル」の一例である。
【0056】
なお、学習済みモデルTMが異常なしサイノグラムSOKおよび異常ありサイノグラムSNGのいずれか一方のサイノグラムを機械学習モデルLMに入力して生成されるものである場合も、入力された部分サイノグラムと、学習したいずれか一方のサイノグラムとの類似度を判定し、入力された部分サイノグラムに異常があるか否か、或いは判定不能という判定結果を出力する。この場合の学習済みモデルTMは、入力された部分サイノグラムと学習したサイノグラムとの類似度が、所定の第1閾値以上である場合と、所定の第1閾値よりも低く所定の第2閾値以上である場合と、所定の第2閾値よりも低い場合とに類似度を判定することによって、三つの状態の判定結果を出力する。
【0057】
なお、収集制御機能55(より具体的には、収集機能55-1)は、所定の経過時間ごとに、サイノグラム生成機能52に部分サイノグラムを生成させる。このため、収集制御機能55(より具体的には、決定機能55-2)が学習済みモデルTMに入力する部分サイノグラムは、DAS12が所定の経過時間までに収集した収集データに基づいたサイノグラムである。例えば、PET装置1の操作者により設定された暫定収集時間が「2分(120秒)」である場合において、所定の経過時間が「30秒」であるものとすると、収集制御機能55は、収集データの収集開始から30秒が経過した時点、60秒が経過した時点、および90秒が経過した時点のそれぞれの時点でサイノグラム生成機能52に部分サイノグラムを生成させ、生成された部分サイノグラムを学習済みモデルTMに入力する。このため、学習機能56は、収集データの収集開始から30秒が経過した時点、60秒が経過した時点、および90秒が経過した時点のそれぞれの時点に対応した複数の学習済みモデルTMを生成する。つまり、学習機能56は、収集データの収集開始からの経過時間ごとに、対応する学習済みモデルTMを生成する。
【0058】
より具体的には、例えば、不図示の演算装置は、30秒が経過した時点で異常がないと判定済みの複数の異常なしサイノグラムSOK(以下、「異常なしサイノグラムSOK30」という)と、30秒が経過した時点で異常があると判定済みの複数の異常ありサイノグラムSNG(以下、「異常ありサイノグラムSNG30」という)とのそれぞれを機械学習モデルLMに入力して、収集データの収集開始から30秒が経過した時点の部分サイノグラムに対応する学習済みモデルTMを生成する。また、不図示の演算装置は、60秒が経過した時点で異常がないと判定済みの複数の異常なしサイノグラムSOK(以下、「異常なしサイノグラムSOK60」という)と、60秒が経過した時点で異常があると判定済みの複数の異常ありサイノグラムSNG(以下、「異常ありサイノグラムSNG60」という)とのそれぞれを機械学習モデルLMに入力して、収集データの収集開始から60秒が経過した時点の部分サイノグラムに対応する学習済みモデルTMを生成する。また、不図示の演算装置は、90秒が経過した時点で異常がないと判定済みの複数の異常なしサイノグラムSOK(以下、「異常なしサイノグラムSOK90」という)と、90秒が経過した時点で異常があると判定済みの複数の異常ありサイノグラムSNG(以下、「異常ありサイノグラムSNG90」という)とのそれぞれを機械学習モデルLMに入力して、収集データの収集開始から90秒が経過した時点の部分サイノグラムに対応する学習済みモデルTMを生成する。
【0059】
上記説明したように、PET装置1において、収集機能55-1は、少なくとも部分サイノグラムを入力すると部分サイノグラムを収集した範囲に異常があるか否かの判定を行うように学習された学習済みモデルTMに対して、少なくとも部分サイノグラムを入力することで、判定を行ってもよい。
【0060】
また、上記説明したように、PET装置1において、学習済みモデルTMは、経過時間ごとに作成されたモデル(学習済みモデル)であり、収集機能55-1は、部分サイノグラムを、時間情報に基づいて選択した学習済みモデルTMに入力してもよい。
【0061】
また、学習機能56は、収集データの収集開始からの経過時間によらずに、入力された部分サイノグラムに異常があるか否か、或いは判定不能という判定結果を出力する一つの学習済みモデルTMを生成してもよい。この場合、例えば、不図示の演算装置は、異常なしサイノグラムSOK30および異常ありサイノグラムSNG30と、異常なしサイノグラムSOK60および異常ありサイノグラムSNG60と、異常なしサイノグラムSOK90および異常ありサイノグラムSNG90とのそれぞれを機械学習モデルLMに入力して、収集データの収集開始からの経過時間によらない学習済みモデルTMを生成する。このとき、不図示の演算装置は、異常なしサイノグラムSOKおよび異常ありサイノグラムSNGのそれぞれが、いずれの経過時間のサイノグラムであるかを識別するための時間情報を対応付けて機械学習モデルLMに入力して機械学習する。これにより、学習機能56は、入力された異常なしサイノグラムSOKおよび異常ありサイノグラムSNGのそれぞれと時間情報とを関連付けて学習した学習済みモデルTMを生成する。なお、学習済みモデルTMが収集データの収集開始からの経過時間によらずに判定結果を出力する学習済みモデルである場合、収集制御機能55(より具体的には、決定機能55-2)は、学習済みモデルTMに部分サイノグラムを入力する際に、入力する部分サイノグラムの経過時間を表す時間情報も入力する。
【0062】
上記説明したように、PET装置1において、学習済みモデルTMは、経過時間によらずに作成されたモデル(学習済みモデル)であり、収集機能55-1は、部分サイノグラムと時間情報とを学習済みモデルTMに入力してもよい。
【0063】
なお、機械学習モデルLMに入力する異常なしサイノグラムSOK60および異常ありサイノグラムSNG60と、異常なしサイノグラムSOK90および異常ありサイノグラムSNG90とのそれぞれは、以下のように生成されたどのようなサイノグラムであってもよい。例えば、60秒が経過した時点のサイノグラムは、最初に所定の経過時間=30秒が経過した時点で生成された部分サイノグラムと、次の経過時間=30秒が経過した時点で経過時間が30秒から60秒の間で収集した収集データに基づいて生成された部分サイノグラムとを合わせる(合成する)ことによって生成されたサイノグラムであってもよい。また、例えば、60秒が経過した時点のサイノグラムは、収集データの収集開始から60秒が経過した時点まで継続して収集された収集データに基づいて生成された部分サイノグラムであってもよい。なお、90秒が経過した時点のサイノグラムも上述した60秒が経過した時点のサイノグラムと同様の方法によって生成されたいずれのサイノグラムであってもよい。
【0064】
また、機械学習モデルLMに入力するそれぞれのサイノグラム(異常なしサイノグラムSOKおよび異常ありサイノグラムSNG)は、以前に被検体(被検体Pとは異なる被検体を含む)に対するPET検査を行った再構成画像に対して所定の逆変換処理を施すことによって生成したサイノグラムであってもよい。この場合、通常のPET検査においては中間的なデータであるため検査が終了した後でも保存されていることが少ないサイノグラムを、学習済みモデルTMを生成するために用いるデータとして容易に利用(活用)することができる。
【0065】
上記説明したように、PET装置1において、収集データおよび部分サイノグラムは、PET検査におけるデータであり、部分サイノグラムは、再構成画像の生成に用いるサイノグラムであり、学習済みモデルTMは、PET検査における再構成画像を逆変換して生成されたサイノグラムを用いて機械学習した学習されたモデルであってもよい。
【0066】
なお、上記の説明では、学習済みモデルTMを生成するために用いるそれぞれのサイノグラムは、経過時間によって分類されている、つまり、サイノグラムを識別するパラメータが経過時間である場合について説明した。しかし、PET検査において被検体Pに投与した放射性薬剤が病変の位置に集積する傾向は、経過時間以外にも様々な要素や条件によって変わってくることが考えられる。例えば、放射性薬剤の種類(放射性薬剤に含まれる放射性物質の種類)によっても、放射性薬剤が病変の位置に集積する傾向が変わってくることが考えられる。また、例えば、被検体Pの体格(体重など)によって変えることが想定される放射性薬剤の投与量や、投与した後の経過時間によって変わってくることが想定される放射性薬剤の濃度(つまり、PET検査を開始する時点での放射性薬剤の薬剤濃度)によっても、放射性薬剤が病変の位置に集積する傾向が変わってくることが考えられる。このため、学習機能56は、上述したような放射性薬剤が病変の位置に集積する傾向が変わってくる要素や条件を加味して、学習済みモデルTMを生成するようにしてもよい。
【0067】
例えば、放射性薬剤の種類を加味する場合、学習機能56は、サイノグラムを識別するパラメータとして、放射性薬剤に含まれる放射性物質の種類の情報を機械学習モデルLMに入力して学習済みモデルTMを生成してもよい。また、例えば、放射性薬剤の投与量や薬剤濃度を加味する場合、学習機能56は、サイノグラムを識別するパラメータとして、被検体の体格(体重など)と投与量との対応関係を表す情報や、投与後の経過時間と薬剤濃度との対応関係を表す情報などを機械学習モデルLMに入力して学習済みモデルTMを生成してもよい。なお、上述したような経過時間以外の要素や条件を加味した学習済みモデルTMも、それぞれの要素や条件ごとに複数作成してもよいし、要素や条件によらずに判定結果を出力する一つを作成してもよい。
【0068】
なお、学習済みモデルTMが上述したような経過時間以外の要素や条件を加味した学習済みモデルである場合、収集制御機能55(より具体的には、決定機能55-2)は、学習済みモデルTMに部分サイノグラムを入力する際に、学習済みモデルTMに加味された経過時間以外の要素や条件に対応するパラメータも入力する。例えば、学習済みモデルTMが放射性薬剤の投与量を加味した学習済みモデルである場合、収集制御機能55(より具体的には、決定機能55-2)は、学習済みモデルTMに部分サイノグラムを入力する際に、放射性薬剤の投与量の情報と被検体Pの体重などの体格の情報も入力する。また、例えば、学習済みモデルTMが放射性薬剤の薬剤濃度を加味した学習済みモデルである場合、収集制御機能55(より具体的には、決定機能55-2)は、学習済みモデルTMに部分サイノグラムを入力する際に、入力する部分サイノグラムを生成するために収集データの収集を開始した時点において推定される放射性薬剤の薬剤濃度に関する情報も入力する。
【0069】
上記説明したように、PET装置1において、学習済みモデルTMは、PET検査において被検体Pに投与した放射性薬剤の投与量を加味して学習されたモデル(学習済みモデル)であり、収集機能55-1は、部分サイノグラムと、放射性薬剤の投与量の情報と被検体Pの体重などの体格の情報とを学習済みモデルTMに入力してもよい。
【0070】
また、上記説明したように、PET装置1において、学習済みモデルTMは、PET検査において被検体Pに投与した放射性薬剤の薬剤濃度を加味して学習されたモデル(学習済みモデル)であり、収集機能55-1は、部分サイノグラムと、収集開始の時に推定する薬剤濃度に関する情報とを学習済みモデルTMに入力してもよい。
【0071】
表示制御機能57は、ディスプレイ42の表示態様を制御する。例えば、表示制御機能57は、ディスプレイ42を制御して、処理回路50によって生成された再構成画像や、PET装置1の操作者による各種操作を受け付けるGUI画像などを表示させる。また、表示制御機能57は、収集制御機能55において収集時間の変更がなされたか否かの情報を示す情報画面を表示させる。つまり、表示制御機能57は、DAS12による収集データの収集が、正常時収集時間までで終了したか、暫定収集時間まで行われて終了したかを示す情報画面を表示させる。
【0072】
このような構成によってPET装置1では、収集制御機能55が、収集データの収集開始からの経過時間を計時し、放射線検出器11によって検出した放射線量を収集する暫定収集時間になる前の途中の段階まで収集した状態で生成させた部分サイノグラムに基づいて、DAS12による収集データの収集を終了させる収集時間を変更するか否かを決定する。
【0073】
[収集時間の決定動作]
次に、収集制御機能55における収集時間の決定に係る動作の詳細について説明する。図4は、実施形態に係る収集制御機能55における収集時間の決定動作の概要を説明する図である。図4には、例えば、PET装置1の操作者により設定された暫定収集時間が「2分(120秒)」である場合において、所定の経過時間が「30秒」である場合における収集時間の決定動作の概要を模式的に示している。なお、以下の説明においては、説明を容易にするため、収集制御機能55が備える収集機能55-1および決定機能55-2のそれぞれの動作を、収集制御機能55が行うものとして説明する。
【0074】
収集制御機能55は、まず、DAS12に対して放射線検出器11の各PET検出素子11-1により出力された電気信号の収集を開始させた後、サイノグラム生成機能52に、経過時間=30秒が経過した時点までに収集した収集データに基づいた部分サイノグラム(30sec)を生成させる。そして、収集制御機能55は、部分サイノグラム(30sec)を学習済みモデルTMに入力し、学習済みモデルTMにより得られた部分サイノグラム(30sec)に対する判定結果に基づいて、DAS12における収集データの収集時間を変更するか否かを決定する。図4には、学習済みモデルTMにより部分サイノグラム(30sec)に異常なしという判定結果が得られた場合に、収集時間を短縮させ(正常時収集時間までで終了させ)、異常あり、或いは判定不能という判定結果が得られた場合に、引き続き次の経過時間=60秒が経過した時点で判定を再度行うようにしている様子を示している。
【0075】
続いて、収集制御機能55は、サイノグラム生成機能52に、経過時間=60秒が経過した時点までにDAS12が収集した収集データに基づいた部分サイノグラム(60sec)を生成させる。そして、収集制御機能55は、部分サイノグラム(60sec)を学習済みモデルTMに入力し、学習済みモデルTMにより得られた部分サイノグラム(60sec)に対する判定結果に基づいて、DAS12における収集データの収集時間を変更するか否かを決定する。図4には、学習済みモデルTMにより部分サイノグラム(60sec)に異常なしという判定結果が得られた場合に、収集時間を短縮させ(正常時収集時間までで終了させ)、異常あり、或いは判定不能という判定結果が得られた場合に、引き続き次の経過時間=90秒が経過した時点で判定を再度行うようにしている様子を示している。
【0076】
続いて、収集制御機能55は、サイノグラム生成機能52に、経過時間=90秒が経過した時点までにDAS12が収集した収集データに基づいた部分サイノグラム(90sec)を生成させる。そして、収集制御機能55は、部分サイノグラム(90sec)を学習済みモデルTMに入力し、学習済みモデルTMにより得られた部分サイノグラム(90sec)に対する判定結果に基づいて、DAS12における収集データの収集時間を変更するか否かを決定する。図4には、学習済みモデルTMにより部分サイノグラム(90sec)に異常なしという判定結果が得られた場合に、収集時間を短縮させ(正常時収集時間までで終了させ)、異常あり、或いは判定不能という判定結果が得られた場合に、暫定収集時間=120秒まで収集データを収集させるようにしている様子を示している。
【0077】
このように、収集制御機能55は、所定の経過時間が経過するごとにサイノグラム生成機能52に部分サイノグラムを生成させ、部分サイノグラムを学習済みモデルTMに入力して判定結果を得る。そして、収集制御機能55は、得られた判定結果に基づいて、DAS12が以降に収集データを収集する収集時間を変更するか否かを決定する。
【0078】
なお、図4では、学習済みモデルTMにより得られた判定結果が、異常あり、或いは判定不能という判定結果である場合、収集制御機能55は、引き続き次の経過時間が経過した時点で判定を再度行うようする場合を示した。しかし、学習済みモデルTMにより得られた判定結果が異常ありという判定結果である場合、収集制御機能55は、DAS12に暫定収集時間(図4では120秒)まで収集データを収集させるように決定し、次の経過時間が経過した時点で判定を行わないようにしてもよい。言い換えれば、収集制御機能55は、学習済みモデルTMにより得られた判定結果が判定不能という判定結果である場合に、引き続き次の経過時間が経過した時点で判定を再度行うようにしてもよい。
【0079】
次に、収集制御機能55における収集時間の決定に係る動作をより詳細に説明する。なお、以下の説明においては、PET装置1においてPET検査をする際に収集データを収集する方式が、ステップアンドシュート方式である場合について説明する。ステップアンドシュート方式とは、天板33を静止させた状態での放射線検出器11による放射線の検出を、天板33の位置を一定間隔で移動させて複数回行う方式である。この天板33を移動させる一定間隔が、暫定収集時間である。
【0080】
図5は、実施形態に係る核医学診断装置(PET装置1)における収集データの収集方式(ステップアンドシュート方式)の一例を示す図である。図5には、被検体Pの胴体を三つの範囲に分割して、それぞれの検査範囲ごとに収集データを収集する場合の一例を示している。この場合、収集制御機能55は、一ステップ目の収集ステップS1において被検体Pの肩から胸部までの検査範囲において収集した収集データに基づいて収集時間を変更するか否かを決定する。その後、収集制御機能55は、二ステップ目の収集ステップS2において被検体Pの胸部から腹部までの検査範囲において収集した収集データに基づいて収集時間を変更するか否かを決定する。そして最後に、収集制御機能55は、三ステップ目の収集ステップS3において被検体Pの腹部から腰の部分までの検査範囲において収集した収集データに基づいて収集時間を変更するか否かを決定する。
【0081】
図6は、実施形態に係る収集制御機能55における収集時間の決定処理の一連の流れの一例を示すフローチャートである。以下の説明においては、図5に示したステップアンドシュート方式で収集データを収集する場合における収集時間の決定処理について説明する。なお、収集制御機能55が収集時間を変更するか否かを決定する決定処理は、それぞれの収集ステップ(図5では、三つの収集ステップ)においても同様の処理である。従って、図6においては、収集制御機能55が一つの収集ステップにおいて収集した収集データに基づいて収集時間を変更するか否かを決定する場合の決定処理について説明する。また、図6においては、暫定収集時間が「2分(120秒)」であり、所定の経過時間が「30秒」であるものとする。
【0082】
PET装置1の操作者が入力インターフェース43を操作して暫定収集時間および正常時収集時間を設定し、PET検査の実施を指示する(ステップS100)。これにより、収集制御機能55は、DAS12が放射線検出器11により出力された放射線量に応じた電気信号の収集データを収集する検査範囲、つまり、収集ステップを管理する変数nを初期化(n=0)する(ステップS101)。
【0083】
次に、収集制御機能55は、変数nを現在の検査範囲に変更(n=n+1)する(ステップS102)。これにより、DAS12が収集データを収集する検査範囲が、n(n=n+1)ステップ目の収集ステップ、つまり、一ステップ目の収集ステップS1に変更される。
【0084】
次に、収集制御機能55は、制御装置14および寝台駆動装置32に対して指示を出力し、現在の検査範囲の位置に、被検体Pが載置された天板33の位置を、これから収集データを収集する検査範囲の位置に移動させる。これにより、放射線検出器11は、被検体P(より具体的には、被検体Pに投与された放射性薬剤)から放出された放射線の検出を開始する。そして、収集制御機能55は、DAS12に、放射線検出器11により出力された現在の検査範囲の放射線量に応じた電気信号の収集データを収集させる。これにより、現在のn(n=1)ステップ目の収集ステップS1における収集データの収集が開始される(ステップS103)。また、収集制御機能55は、経過時間の計時を開始する。
【0085】
次に、収集制御機能55は、所定の経過時間(ここでは、30秒)が経過したか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104において、所定の経過時間が経過していない場合、収集制御機能55は、ステップS104の処理を繰り返す。
【0086】
一方、ステップS104において、所定の経過時間が経過している場合、収集制御機能55は、サイノグラム生成機能52に、DAS12が現在の経過時間までに収集した収集データに基づいた部分サイノグラムを生成させる(ステップS105)。これにより、サイノグラム生成機能52は、生成した部分サイノグラムをメモリ41に記憶させる。このとき、サイノグラム生成機能52は、部分サイノグラムの生成が完了したことを表す通知を収集制御機能55に出力してもよい。
【0087】
次に、収集制御機能55は、サイノグラム生成機能52により生成された部分サイノグラムを判定する(ステップS106)。より具体的には、収集制御機能55は、部分サイノグラムおよび学習済みモデルTMをメモリ41から読み出す。そして、収集制御機能55は、読み出した学習済みモデルTMに対して読み出した部分サイノグラムを入力する。なお、学習済みモデルTMが、所定の経過時間ごとに入力された部分サイノグラムに異常があるか否か、或いは判定不能という判定結果を出力する学習済みモデルである場合、収集制御機能55は、現在の経過時間に対応する学習済みモデルTMを読み出す。また、学習済みモデルTMが、経過時間によらずに入力された部分サイノグラムに異常があるか否か、或いは判定不能という判定結果を出力する学習済みモデルである場合、収集制御機能55は、読み出した部分サイノグラムとともに、部分サイノグラムを生成した経過時間を表す時間情報も入力する。これにより、収集制御機能55は、部分サイノグラムに対する学習済みモデルTMの判定結果を得る。
【0088】
次に、収集制御機能55は、学習済みモデルTMにより得られた判定結果が、「異常なし」という判定結果であるか否かを確認する(ステップS110)。ステップS110において、「異常なし」という判定結果である場合、収集制御機能55は、収集時間を短縮させ、収集データの収集を正常時収集時間までで終了させると決定する。そして、収集制御機能55は、DAS12に、残りの収集時間(正常時収集時間から現在の経過時間を減算した時間)までの収集データの収集をさせる(ステップS111)。
【0089】
一方、ステップS110において、「異常なし」という判定結果ではない場合、収集制御機能55は、学習済みモデルTMにより得られた判定結果が、「異常あり」という判定結果であるか否かを確認する(ステップS120)。ステップS120において、「異常あり」という判定結果である場合、収集制御機能55は、設定された暫定収集時間まで収集データの収集を行わせてから終了させると決定する。そして、収集制御機能55は、DAS12に、暫定収集時間(より具体的には、暫定収集時間から現在の経過時間を減算した残りの収集)までの収集データの収集をさせる(ステップS121)。
【0090】
一方、ステップS120において、「異常あり」という判定結果ではない場合、つまり、判定結果が「判定不能」である場合、収集制御機能55は、現在の変数nにおける収集データの収集(ここでは、一ステップ目の収集ステップS1における収集データの収集)が完了したか否かを確認する(ステップS130)。ステップS130において、現在の変数nにおける収集データの収集が完了していない場合、収集制御機能55は、処理をステップS104に戻して、次の経過時間が経過したか否かの判定を行い、次の経過時間が経過した後に、ステップS105~ステップS130までの処理を再び実行する。
【0091】
なお、ステップS130において現在の変数nにおける収集データの収集が完了していない場合にDAS12が次の経過時間の間(ここでは、30秒~60秒までの間)で収集した収集データは、放射線検出器11の各PET検出素子11-1が引き続き検出して出力した放射線量に応じた電気信号の収集データである。
【0092】
また、収集制御機能55は、サイノグラム生成機能52に、前回のステップS105においてメモリ41にさせた以前の収集データに基づいた部分サイノグラムと、次の経過時間において新たに収集した収集データに基づいて生成した部分サイノグラムとを合わせた(合成した)部分サイノグラムを生成させるようにしてもよい。なお、さらに次の経過時間の間(ここでは、60秒~90秒までの間)の収集データの収集や、部分サイノグラムの生成も、同様の考え方に基づいて行う。
【0093】
一方、ステップS130において、現在の変数nにおける収集データの収集が完了した場合、収集制御機能55は、現在の変数nが、今回のPET検査において収集データを収集する検査範囲の数、つまり、総収集ステップ数であるか否か(ここでは、n=3であるか否か)を確認する(ステップS140)。ステップS140において、現在の変数nが総収集ステップ数(n=3)ではない場合、収集制御機能55は、処理をステップS102に戻して、変数nを次の検査範囲(n=2)に変更し、次の収集ステップ(つまり、二ステップ目の収集ステップS2)に対するステップS103~ステップS140までの処理を再び実行する。
【0094】
一方、ステップS140において、現在の変数nが総収集ステップ数(n=3)である場合、収集制御機能55は、今回のPET検査における本フローチャートの処理を終了する。
【0095】
このような処理によって、収集制御機能55は、所定の経過時間(ここでは、30秒)が経過するごとに、DAS12が現在の経過時間までに収集した収集データに基づいた部分サイノグラムをサイノグラム生成機能52に生成させる。そして、収集制御機能55は、生成させた部分サイノグラムを学習済みモデルTMに入力して得た判定結果に基づいて、現在の検査範囲においてDAS12が収集データを収集する収集時間を決定し、決定した収集時間までの収集データを収集させる。これにより、PET装置1では、異常がないという判定結果が得られた検査範囲における収集データの収集を必要以上に行わず、PET検査における全体の収集時間の短縮を図ることができる。
【0096】
しかも、異常がない、つまり、被検体Pの体内に病変が存在しないという判定結果が得られた検査範囲における収集データの収集時間も、少なくともPET検査における診断が可能なレベルの再構成画像を生成するために必要な収集データを得ることができる収集時間である。このため、PET装置1では、PET検査における全体の収集時間(総収集時間)の短縮を図ったにもかかわらず、再構成画像に必要な画質を維持することができる。言い換えれば、PET装置1では、従来のPET装置において総収集時間を短縮した場合と比較して、再構成画像の画質の向上を図ることができる。
【0097】
また、PET装置1では、PET検査をした結果として、表示制御機能57により、例えば、再構成画像をディスプレイ42に表示させる。このとき、表示制御機能57は、収集制御機能55において収集データの収集時間の変更がなされたか否かを示す情報(情報画面)も表示させる。図7は、実施形態に係る核医学診断装置(PET装置1)における検査結果の表示画面の一例を示す図である。図7には、PET検査において得られた再構成画像と、収集制御機能55において収集データの収集時間の変更がなされたか否かを示す情報とを示した情報画面IMの一例を示している。
【0098】
より具体的には、図7に示した情報画面IMでは、情報画面IMの左側の画像表示領域Iaに、再構成画像生成機能53により生成された被検体Pの再構成画像RIを示している。この再構成画像RIは、収集制御機能55により決定された収集時間までDAS12が収集した最終的な収集データに基づいてサイノグラム生成機能52により生成された最終的なサイノグラムに対して、再構成画像生成機能53が所定の再構成処理を行って生成した再構成画像である。また、情報画面IMでは、画像表示領域Iaに、PET装置1においてPET検査をするために収集データを収集する収集ステップS1、収集ステップS2、および収集ステップS3におけるそれぞれの検査範囲を示している。
【0099】
また、図7に示した情報画面IMでは、情報画面IMの右側の結果表示領域Raに、収集制御機能55が決定した収集時間、つまり、DAS12が収集データを収集した収集時間の情報を示している。結果表示領域Raに示した収集時間の情報は、それぞれの収集ステップにおける収集時間を、グラフの形式で表した一例である。これにより、PET検査の実施者は、画像表示領域Iaに示された再構成画像RIが、どのような収集時間で収集された収集データに基づいて生成されたものであるのかを、目視で確認することができる。結果表示領域Raに示した収集時間の情報の一例では、PET検査の実施者がより収集時間の違いを確認しやすくするために、各収集ステップにおける収集時間を表すグラフの頂点位置の頂点マークM1~頂点マークM3のそれぞれの色を収集時間ごとに異ならせて目立たせている。なお、結果表示領域Raに示す収集時間の情報の表示方法は、図7に示した表示方法に限定されない。
【0100】
なお、図7に示した情報画面IMは、PET装置1における全てのPET検査が終了したときにディスプレイ42に表示させてもよいし、PET検査の進捗に応じて表示させてもよい。例えば、一つの収集ステップにおけるPET検査が終了するごとに、画像表示領域Iaに示す再構成画像RIや、結果表示領域Raに示す収集時間の情報を追加する(更新する)ようにして表示してもよい。
【0101】
なお、上記の説明においてPET装置1は、収集制御機能55が、サイノグラムを用いてDAS12における収集データの収集時間を決定する構成について説明した。このため、上記の説明では、学習機能56が、機械学習によって、部分サイノグラムが入力されると、入力された部分サイノグラムに異常があるか否か、或いは判定不能という判定結果を出力する学習済みモデルTMを生成する構成について説明した。しかし、PET装置1において収集時間を決定する際に用いるデータは、サイノグラムに限定されない。
【0102】
例えば、PET装置1は、再構成画像に基づいて収集時間を決定する構成であってもよい。この構成の場合、収集制御機能55(より具体的には、収集機能55-1)は、放射線検出器11が放射線を検出している途中の段階までDAS12が収集した収集データに基づいて、サイノグラム生成機能52に部分サイノグラムを生成させ、さらに、再構成画像生成機能53に部分サイノグラムに基づいた再構成画像(以下、「部分再構成画像」という)を生成させる。そして、収集制御機能55(より具体的には、決定機能55-2)は、部分再構成画像を学習済みモデルに入力して判定結果を得て、得られた判定結果に基づいて、DAS12が以降に収集データを収集する収集時間を変更するか否かを決定する。このため、学習機能56は、機械学習によって、部分再構成画像が入力されると、入力された部分再構成画像に異常があるか否か、或いは判定不能という判定結果を出力する学習済みモデルを生成する構成となる。
【0103】
上記説明したように、PET装置1において、収集データおよび部分サイノグラムは、PET検査におけるデータであり、部分サイノグラムに代わって部分再構成画像を用いてもよい。
【0104】
なお、学習機能56は、サイノグラムに対応する学習済みモデルTMと、再構成画像に対応する学習済みモデルとの両方の学習済みモデルを生成する構成であってもよい。なお、PET装置1が再構成画像に基づいて収集時間を決定する構成である場合の動作は、上述したPET装置1がサイノグラムに基づいて収集時間を決定する構成である場合の動作から容易に考えることができるため、詳細な説明は省略する。
【0105】
また、上記の説明においてPET装置1では、PET検査をする際に収集データを収集する方式が、ステップアンドシュート方式である場合について説明した。しかし、PET装置1における収集データの収集方式は、ステップアンドシュート方式に限定されない。例えば、PET装置1は、ワンショット方式でPET検査をする際の収集データを収集してもよい。ワンショット方式とは、検査範囲を分割せずに、天板33を静止させた状態で、固定の検査範囲内の放射線の検出を一度に行う方式である。固定の検査範囲は、例えば、図5に示したステップアンドシュート方式における収集ステップS1~収集ステップS3の全ての範囲を包含する検査範囲である。
【0106】
また、例えば、PET装置1は、検査範囲を分割するのではなく、天板33の位置を所定の速度で逐次移動させながら放射線検出器11による放射線の検出を行う方式で、PET検査をする際の収集データを収集してもよい。この収集方式の場合、天板33の移動速度を変更することによって、収集データの収集時間を変更することができる。より具体的には、収集制御機能55は、放射線検出器11が移動する方向(進行方向)の前側に配置されたそれぞれのPET検出素子11-1が検出した放射線量を表す収集データに基づくサイノグラム(再構成画像であってもよい)を学習済みモデルに入力して、判定結果を得る。そして、収集制御機能55は、サイノグラム(または再構成画像)に異常がないという判定結果が得られた場合には、異常がある、或いは判定不能という判定結果が得られた場合に比べて移動速度を速くし、サイノグラム(または再構成画像)に異常がある、或いは判定不能という判定結果が得られた場合には、異常がないという判定結果が得られた場合に比べて移動速度を遅くするように、収集時間を変更するための移動速度を決定する。
【0107】
なお、これらの収集方式である場合のPET装置1の動作も、上述した収集方式はステップアンドシュート方式である場合のPET装置1の動作から容易に考えることができるため、詳細な説明は省略する。
【0108】
また、上記の説明において学習済みモデルは、サイノグラム(再構成画像であってもよい)に異常がある、或いは判定不能という三つの状態の判定結果を出力する学習済みモデルである場合について説明した。しかし、学習済みモデルが出力する判定結果は、サイノグラム(再構成画像であってもよい)に異常がある、或いは判定不能という判定結果に限定されない。例えば、学習済みモデルは、暫定収集時間や正常時収集時間に対応する収集時間や、収集時間を変更するか否かを表す情報を判定結果として出力する学習済みモデルであってもよい。この場合、収集制御機能55は、学習済みモデルにより得られた判定結果を、上述した説明において決定した結果として、DAS12における収集データの収集を制御(指示)する。なお、この場合の収集制御機能55の動作は、上述した収集制御機能55の動作から容易に考えることができるため、詳細な説明は省略する。
【0109】
上記説明したように、PET装置1において、収集機能55-1は、少なくとも部分サイノグラムを入力すると収集時間を決定する、または暫定収集時間を変更するか否かを決定する学習済みモデルTMに対して、少なくとも部分サイノグラムを入力することで、収集時間、または暫定収集時間を変更するか否かを決定してもよい。
【0110】
また、上記において説明したように、本実施形態の核医学診断装置は、例えば、PET-CT装置、SPECT装置など、寝台装置に載置した状態の被検体の医用画像を取得して診断をする医用診断装置であってもよい。しかし、本実施形態の核医学診断装置がPET-CT装置である場合、PET-CT装置におけるCT検査の機能の構成や動作は、既存のCT装置やPET-CT装置と同様であり、PET-CT装置におけるPET検査の機能の構成や動作は、上述した本実施形態の核医学診断装置がPET装置1である場合の構成や動作から容易に考えることができる。このため、本実施形態の核医学診断装置がPET-CT装置である場合の構成の例示および動作の詳細な説明は省略する。
【0111】
上記説明したように、核医学診断装置はPET-CT装置であり、被検体Pに対するPET検査に用いるデータは、PET-CT装置において扱うサイノグラムや再構成画像であってもよい。
【0112】
また、本実施形態の核医学診断装置がSPECT装置である場合、上述した本実施形態の核医学診断装置がPET装置1である場合に用いた収集データや、サイノグラム、再構成画像などが、SPECT装置において扱うデータや画像に変わるのみで、SPECT装置の構成や動作は上述したPET装置1の構成や動作から容易に考えることができる。このため、本実施形態の核医学診断装置がSPECT装置である場合の構成の例示および動作の詳細な説明は省略する。
【0113】
上記説明したように、核医学診断装置はSPECT装置であり、被検体Pに対するSPECT検査に用いるデータは、SPECT装置において扱うデータや画像であってもよい。
【0114】
上記に述べたとおり、実施形態の核医学診断装置であるPET装置1では、収集制御機能55が、収集データの収集開始からの経過時間を計時し、暫定収集時間になる前の途中の段階で所定の経過時間(実施形態では、30秒)が経過するごとに、DAS12が収集した、現在の経過時間までに放射線検出器11が検出した放射線量を表す収集データに基づいた部分サイノグラムをサイノグラム生成機能52に生成させる。そして、実施形態のPET装置1では、収集制御機能55が、生成させた部分サイノグラムを学習済みモデルTMに入力して得た判定結果に基づいて、現在の検査範囲においてDAS12が収集データを収集する収集時間(DAS12による収集データの収集を終了させる収集時間)を決定し、決定した収集時間までの収集データを収集させる。これにより、実施形態のPET装置1では、学習済みモデルTMにより異常がないという判定結果が得られた検査範囲における収集データの収集を必要以上に行わず、PET検査における全体の収集時間の短縮を図ることができる。言い換えれば、実施形態のPET装置1では、PET検査における検査ワークフローの改善を図ることができる。
【0115】
しかも、実施形態のPET装置1では、PET検査における全体の収集時間(総収集時間)の短縮を図ったにもかかわらず、再構成画像に必要な画質を維持することができる。言い換えれば、実施形態のPET装置1では、従来のPET装置において総収集時間を短縮した場合と比較して、再構成画像の画質の向上を図ることができる。
【0116】
また、実施形態のPET装置1では、PET検査をした結果として、収集制御機能55により決定された収集時間までDAS12が収集した最終的な収集データに基づいて生成した再構成画像とともに、収集制御機能55が決定した収集時間の情報をディスプレイ42に表示させる。これにより、PET検査の実施者は、表示された再構成画像がどのような収集時間で収集された収集データに基づいて生成されたものであるのかを、目視で確認することができる。
【0117】
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
プログラムを格納するメモリと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記プログラムを実行することにより、
被検体に投与された放射性薬剤に基づく放射線を検出した放射線データを収集し、
前記放射線データの収集開始からの経過時間に関する時間情報を参照し、前記経過時間に対応する収集途中までの前記放射線データである部分放射線データに基づいて、前記放射線データを収集する収集時間を決定する、
核医学診断装置。
【0118】
以上説明した実施形態によれば、被検体(P)に投与された放射性薬剤に基づく放射線を検出し、放射線データ(収集データ)を収集する収集部(55-1、或いは、12を含んだ構成であってもよい)と、放射線データ(収集データ)の収集開始からの経過時間に関する時間情報を参照し、経過時間に対応する収集途中までの放射線データ(収集データ)に基づく部分放射線データ(部分サイノグラム)に基づいて、放射線データ(収集データ)を収集する収集時間を決定する決定部(55-2)と、を持つことにより、被検体(P)の医用画像を取得して行う核医学診断装置による検査における検査ワークフローの改善を図ることができる。
【0119】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0120】
1・・・PET装置、10・・・架台装置、11・・・放射線検出器、11-1・・・PET検出素子、12・・・データ収集システム(DAS)、13・・・フレーム、14・・・制御装置、30・・・寝台装置、31・・・基台、32・・・寝台駆動装置、33・・・天板、34・・・支持フレーム、40・・・コンソール装置、41・・・メモリ、42・・・ディスプレイ、43・・・入力インターフェース、44・・・ネットワーク接続回路、50・・・処理回路、51・・・システム制御機能、52・・・サイノグラム生成機能、53・・・再構成画像生成機能、54・・・画像処理機能、55・・・収集制御機能、55-1・・・収集機能、55-2・・・決定機能、56・・・学習機能、57・・・表示制御機能
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7