IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社カネカの特許一覧 ▶ カネカフォームプラスチックス株式会社の特許一覧

特許7387414保護部材、梱包部材、及び梱包物の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】保護部材、梱包部材、及び梱包物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/113 20060101AFI20231120BHJP
【FI】
B65D81/113 121A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019221250
(22)【出願日】2019-12-06
(65)【公開番号】P2021091415
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(73)【特許権者】
【識別番号】596006536
【氏名又は名称】カネカフォームプラスチックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】蜂須 和則
(72)【発明者】
【氏名】吉田 融
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206243771(CN,U)
【文献】実開昭63-059861(JP,U)
【文献】特開2017-218187(JP,A)
【文献】実開昭54-073164(JP,U)
【文献】実開昭54-058364(JP,U)
【文献】特開2017-178341(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0166526(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/00-81/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置部を有し、前記載置部に物品の底部が載置される保護部材であって、
第1保護片と、第2保護片を有し、
前記第1保護片は、前記載置部と、第1保護壁部と、第2保護壁部を有し、
前記第1保護壁部と前記第2保護壁部は、互いに交差する方向に延びており、
前記載置部は、幅をもち、前記第1保護壁部から第1方向に延びており、
前記載置部は、前記第1方向において、先端部が前記第2保護壁部の先端部よりも張り出しており、
前記物品を前記第1保護壁部と前記第2保護壁部に接触させて前記載置部に載置した状態で平面視したときに、前記物品の重心が、前記第1方向において前記載置部の前記第1方向の先端部と前記第1保護壁部との間に位置するものであり、
前記第2保護片は、第3保護壁部と、第1隣接部を有し、
前記第3保護壁部は、前記物品を前記第1保護壁部と前記第2保護壁部に接触させて前記載置部に載置したときに、前記第3保護壁部が前記物品を挟んで前記第1保護壁部と対向するものであり、
前記第1隣接部は、前記載置部と幅方向に隣接し前記載置部に沿って延びており、
前記載置部は、平面視したときに、前記第1隣接部と重なり部分があり、
前記第1隣接部の一部は、前記重なり部分において、前記載置部の下部に位置する、保護部材。
【請求項2】
水平面に載置し、前記物品を前記第1保護壁部と前記第2保護壁部に接触させて前記載置部に載置したときに、前記物品の前記底部が前記水平面に接触しない、請求項1に記載の保護部材。
【請求項3】
前記載置部は、平面視したときに、前記第1保護壁部から第1方向に張り出して延び、幅が前記第1保護壁部の幅よりも小さい、請求項1又は2に記載の保護部材。
【請求項4】
前記載置部の長さは、前記第1方向における前記物品の長さの1/2以上1以下である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の保護部材。
【請求項5】
第1保護片と、第3保護片を有し、
前記第3保護片は、第3載置部を有し、
前記物品を前記第1保護壁部と前記第2保護壁部に接触させて前記載置部と前記第3載置部に跨って載置した状態で平面視したときに、前記物品の重心が、前記第1方向に対する直交方向において前記載置部と前記第3載置部との間に位置する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の保護部材。
【請求項6】
前記第1隣接部は、前記載置部と近接又は接触しており、
前記物品を前記第1保護壁部と前記第2保護壁部に接触させて前記載置部に載置したときに、前記載置部とともに前記物品の荷重を受ける、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の保護部材。
【請求項7】
前記第1隣接部は前記物品を前記第1保護壁部と前記第2保護壁部に接触させて前記載置部に載置したときに、前記物品の前記底部の一部が載置される第2載置部を備える、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の保護部材。
【請求項8】
前記載置部は、前記幅方向に深さをもち、前記第1方向の先端部から基端側に向かって延びた凹溝又は切り欠き溝を有し、
前記第1隣接部は、前記凹溝又は前記切り欠き溝に挿入可能な突出部を備える、請求項乃至のいずれか1項に記載の保護部材。
【請求項9】
前記第1保護片は、前記第2保護片の前記第1方向に対して直交方向への移動を係止する係止部を有する、請求項乃至のいずれか1項に記載の保護部材。
【請求項10】
3保護片を有し
記第3保護片は、第3載置部と、第4保護壁部と、第5保護壁部を有し、
前記第4保護壁部と前記第5保護壁部は、互いに交差する方向に延びており、
前記第3載置部は、幅をもち、前記第4保護壁部から前記第1方向に延びており、
前記第3載置部は、前記第1方向において、先端部が前記第5保護壁部の先端部よりも張り出しており、
前記物品を前記第1保護壁部と前記第2保護壁部に接触させて前記載置部と前記第3載置部に跨って載置した状態で平面視したときに、前記第5保護壁部は、前記物品を挟んで前記第2保護壁部と対向し、前記物品の重心が前記第2保護壁部と前記第5保護壁部との間に位置する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の保護部材。
【請求項11】
4保護片を含み
記第3保護壁部は、前記物品を前記載置部と前記第3載置部に跨って載置したときに、前記第3保護壁部が前記物品を挟んで前記第1保護壁部と対向するものであり
記第4保護片は、第6保護壁部と、第2隣接部を有し、
前記第6保護壁部は、前記物品を前記第1保護壁部と前記第2保護壁部に接触させて前記載置部と前記第3載置部に跨って載置したときに、前記第6保護壁部が前記物品を挟んで前記第4保護壁部と対向するものであり、
前記第2隣接部は、前記第3載置部と幅方向に隣接し前記第3載置部に沿って延びており、
前記載置部と前記第3載置部は、前記第1隣接部と前記第2隣接部の間に配されている、請求項10に記載の保護部材。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の保護部材と、梱包体を有し、
前記梱包体の内部に前記物品が収納され、前記物品の底部と前記梱包体の底面との間に前記保護部材が介在する、梱包部材。
【請求項13】
請求項1乃至1のいずれか1項に記載の保護部材と、梱包体を有し、
前記梱包体の内部に前記物品が収納され、前記物品の底部と前記梱包体の底面との間に前記保護部材が介在する、梱包物の製造方法であって、
前記保護部材の前記載置部に前記物品を載置する仮置き工程と、
前記物品を前記第1保護壁部及び前記第2保護壁部に接触又は近接させて前記物品の位置合わせを行う位置合わせ工程を含む、梱包物の製造方法。
【請求項14】
請求項乃至11のいずれか1項に記載の保護部材と、梱包体を有し、前記梱包体の内部に前記物品が収納され、前記物品の底部と前記梱包体の底面との間に前記保護部材が介在する、梱包物の製造方法であって、
前記第1保護片の前記載置部に前記物品を載置する仮置き工程と、
前記物品を前記第1保護壁部及び前記第2保護壁部に接触又は近接させて前記物品の位置合わせを行う位置合わせ工程と、
前記第2保護片の前記第1隣接部を前記載置部に沿って移動させ、前記第3保護壁部を前記物品に近接又は接触させる第2位置合わせ工程を含む、梱包物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護部材、梱包部材、及び梱包物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、物品を直方体状の段ボール箱で梱包するに当たり、段ボール箱と物品との間に緩衝部材を介在させて梱包している(例えば、特許文献1~6)。
特許文献1,2の梱包装置は、物品の正面と背面を緩衝部材で覆い、段ボール箱に収めて形成されている。
特許文献3~5の梱包装置は、物品の底面の辺や角部を緩衝部材で覆い、段ボール箱に収めて形成されている。
その他、本発明に関連する文献として特許文献6がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平4-53674号公報
【文献】特開2000-335557号公報
【文献】特開平6-298243号公報
【文献】特開2000-302170号公報
【文献】特開2012-153410号公報
【文献】特開平7-315473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1,2の梱包装置では、重量や容量が大きい物品の梱包作業を行う場合、物品を緩衝部材の想定面で正確に取り付けられないと、納まり不良や偏荷重となる。そのため、慎重な作業が必要となり、作業性が悪くなる問題がある。
また、特許文献3~5の梱包装置は、重量や容量が大きい物品の梱包作業を行う場合、緩衝部材が物品の底面の辺や角部に正確に当たらない場合、物品が傾いて、物品の底部が段ボール箱の底面に接し、物品が破損するので、慎重な作業が必要となり、作業性が悪くなる問題がある。
このように、特許文献1~5の梱包装置は、重量や容量が大きい物品の梱包作業を行う場合、作業精度が求められ、作業性が悪い問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、重量や容量が大きい物品を保護する場合であっても、従来に比べて、物品の位置合わせが容易で作業性が良好な保護部材、梱包部材、及び梱包物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一つの様相は、載置部を有し、前記載置部に物品の底部が載置される保護部材であって、第1保護壁部と、第2保護壁部を有し、前記第1保護壁部と前記第2保護壁部は、互いに交差する方向に延びており、前記載置部は、幅をもち、前記第1保護壁部から第1方向に延びており、前記載置部は、前記第1方向において、先端部が前記第2保護壁部の先端部よりも張り出しており、前記物品を前記第1保護壁部と前記第2保護壁部に接触させて前記載置部に載置した状態で平面視したときに、前記物品の重心が前記載置部の前記第1方向の先端部と前記第1保護壁部との間に位置する、保護部材である。
【0007】
本様相によれば、互いに交差する方向に延びる第1保護壁部と第2保護壁部を備えており、平面視したときに第1保護壁部と第2保護壁部とで二方向成分を有している。そのため、第1保護壁部と第2保護壁部に物品を接触させることで物品の位置合わせが容易である。
本様相によれば、物品を第1保護壁部と第2保護壁部に接触させて載置部に載置したときに、物品の重心が載置部の先端部と第1保護壁部との間に位置し、載置部の第1方向の基端部側に第1保護壁部が位置する。そのため、たとえ載置部が物品の底部よりも小さい場合であっても物品を載置部上に留めることができ、位置合わせが容易である。
【0008】
好ましい様相は、水平面に載置し、前記物品を前記第1保護壁部と前記第2保護壁部に接触させて前記載置部に載置したときに、前記物品の前記底部が前記水平面に接触しないことである。
【0009】
本様相によれば、保護部材単独で支持可能であるため、物品が水平面に接触して破損しにくい。
【0010】
好ましい様相は、前記載置部は、平面視したときに、前記第1保護壁部から第1方向に張り出して延び、幅が前記第1保護壁部の幅よりも小さいことである。
【0011】
本様相によれば、載置部の幅が第1保護壁部の幅よりも小さいので、第1保護壁部と同程度の幅をもつ物品を載置部へ載置した場合に、物品の底部において載置部の外側に空間ができる。そのため、持ちやすく物品の載置部への載置が容易である。
【0012】
上記した様相は、前記載置部は、前記第1保護壁部の延び方向において、前記物品の中間部が載置されていてもよい。
【0013】
ここでいう「中間部」とは、所定の方向に対向する端部間の間にあって、端部以外の部分をいう。すなわち、中間部には前記所定の方向における端部を含まない。
【0014】
好ましい様相は、前記載置部の長さは、前記第1方向における前記物品の長さの1/2以上1以下であることである。
【0015】
本様相によれば、物品を安定的に載置部に載置でき、余分に載置部を設けなくてもよいのでコストも低減できる。
【0016】
好ましい様相は、第1保護片と、第2保護片を有し、前記第1保護片は、前記載置部と、前記第1保護壁部と、前記第2保護壁部を有し、前記第2保護片は、第3保護壁部と、第1隣接部を有し、前記第3保護壁部は、前記物品を前記第1保護壁部と前記第2保護壁部に接触させて前記載置部に載置したときに、前記第3保護壁部が前記物品を挟んで前記第1保護壁部と対向するものであり、前記第1隣接部は、前記載置部と幅方向に隣接し前記載置部に沿って延びていることである。
【0017】
本様相によれば、物品を第1保護壁部と第2保護壁部に接触させて載置部に載置したときに、第1保護壁部と第3保護壁部の間に位置するため、より物品を安全に保護することができる。
本様相によれば、第1隣接部が載置部に沿って延びているため、仮に物品が第1隣接部側に傾いた場合でも第1隣接部によって支持できる。そのため、より物品が破損することを防止できる。
【0018】
より好ましい様相は、前記第1隣接部は、前記載置部と近接又は接触しており、前記物品を前記第1保護壁部と前記第2保護壁部に接触させて前記載置部に載置したときに、前記載置部とともに前記物品の荷重を受けることである。
【0019】
本様相によれば、第1隣接部が載置部とともに物品の荷重を受けるため、荷重が分散されて第1保護片が破損しにくい。
【0020】
より好ましい様相は、前記第1隣接部は前記物品を前記第1保護壁部と前記第2保護壁部に接触させて前記載置部に載置したときに、前記物品の前記底部の一部が載置される第2載置部を備えることである。
【0021】
本様相によれば、物品が第1載置部と第2載置部によって支持されるため、物品がより転倒しにくく、より安定的に物品を保護できる。
【0022】
より好ましい様相は、前記載置部は、平面視したときに、前記第1隣接部と重なり部分があり、前記第1隣接部の一部は、前記重なり部分において、前記載置部の下部に位置することである。
【0023】
本様相によれば、載置部が受けた荷重を第1隣接部に逃がすことができるため、より第1保護片が破損しにくい。
【0024】
より好ましい様相は、前記載置部は、前記幅方向に深さをもち、前記第1方向の先端部から基端側に向かって延びた凹溝又は切り欠き溝を有し、前記第1隣接部は、前記凹溝又は前記切り欠き溝に挿入可能な突出部を備えることである。
【0025】
本様相によれば、第1隣接部が突出部を有するため、突出部を凹溝又は切り欠き溝に挿入することで、第2保護片の第1保護片に対する相対的な移動方向が規制される。そのため、安全に組み立てることができる。
【0026】
より好ましい様相は、前記第1保護片は、前記第2保護片の前記第1方向に対して直交方向への移動を係止する係止部を有することである。
【0027】
本様相によれば、第2保護片が係止部によって係止されるため、第1保護片から離れにくく、より安定的に組み立てることができる。
【0028】
好ましい様相は、第1保護片と、第3保護片を有し、前記第1保護片は、前記載置部と、前記第1保護壁部と、前記第2保護壁部を有し、前記第3保護片は、第3載置部と、第4保護壁部と、第5保護壁部を有し、前記第4保護壁部と前記第5保護壁部は、互いに交差する方向に延びており、前記第3載置部は、幅をもち、前記第4保護壁部から前記第1方向に延びており、前記第3載置部は、前記第1方向において、先端部が前記第5保護壁部の先端部よりも張り出しており、前記物品を前記第1保護壁部と前記第2保護壁部に接触させて前記載置部と前記第3載置部に跨って載置した状態で平面視したときに、前記第5保護壁部は、前記物品を挟んで前記第2保護壁部と対向し、前記物品の重心が前記第2保護壁部と前記第5保護壁部との間に位置することである。
【0029】
本様相によれば、第2保護壁部と第5保護壁部の間に物品が位置するため、より物品を安全に保護することができる。
本様相によれば、物品の重心が第2保護壁部と第5保護壁部との間にあり、第1保護片の載置部と第3保護片の第3載置部で物品を支持するため、物品がより転倒しにくい。
【0030】
より好ましい様相は、第2保護片と、第4保護片を含み、前記第2保護片は、第3保護壁部と、第1隣接部を有し、前記第3保護壁部は、前記物品を前記載置部と前記第3載置部に跨って載置したときに、前記第3保護壁部が前記物品を挟んで前記第1保護壁部と対向するものであり、前記第1隣接部は、前記載置部と幅方向に隣接し前記載置部に沿って延びており、前記第4保護片は、第6保護壁部と、第2隣接部を有し、前記第6保護壁部は、前記物品を前記第1保護壁部と前記第2保護壁部に接触させて前記載置部と前記第3載置部に跨って載置したときに、前記第6保護壁部が前記物品を挟んで前記第4保護壁部と対向するものであり、前記第2隣接部は、前記第3載置部と幅方向に隣接し前記第3載置部に沿って延びており、前記載置部と前記第3載置部は、前記第1隣接部と前記第2隣接部の間に配されていることである。
【0031】
本様相によれば、第1保護片の載置部と第3保護片の第3載置部が第2保護片の第1隣接部と第4保護片の第2隣接部の間に配されている。そのため、物品が第1方向に対する直交方向に傾いたとしても第1隣接部又は第2隣接部で物品を支持することができ、より安全に物品を保護できる。
【0032】
本発明の一つの様相は、上記した保護部材と、梱包体を有し、前記梱包体の内部に前記物品が収納され、前記物品の底部と前記梱包体の底面との間に前記保護部材が介在する梱包部材である。
【0033】
本様相によれば、従来に比べて保護部材の位置合わせが容易なので、梱包しやすい。
【0034】
本発明の一つの様相は、上記した保護部材と、梱包体を有し、前記梱包体の内部に前記物品が収納され、前記物品の底部と前記梱包体の底面との間に前記保護部材が介在する、梱包物の製造方法であって、前記保護部材の前記載置部に前記物品を載置する仮置き工程と、前記物品を前記第1保護壁部及び前記第2保護壁部に接触又は近接させて前記物品の位置合わせを行う位置合わせ工程を含む梱包物の製造方法である。
【0035】
本様相によれば、従来に比べて保護部材の位置合わせが容易であり、梱包しやすい。
【0036】
上記した様相は、位置合わせ工程において、前記物品を前記第1保護壁部及び前記第2保護壁部に面接触させてもよい。
【0037】
本発明の一つの様相は、上記した保護部材と、梱包体を有し、前記梱包体の内部に前記物品が収納され、前記物品の底部と前記梱包体の底面との間に前記保護部材が介在する、梱包物の製造方法であって、前記第1保護片の前記載置部に前記物品を載置する仮置き工程と、前記物品を前記第1保護壁部及び前記第2保護壁部に接触又は近接させて前記物品の位置合わせを行う位置合わせ工程と、前記第2保護片の前記第1隣接部を前記載置部に沿って移動させ、前記第3保護壁部を前記物品に近接又は接触させる第2位置合わせ工程を含む梱包物の製造方法である。
【0038】
本様相によれば、物品を第1保護片の載置部上で位置合わせしてから、第2保護片を第1保護片の載置部に沿ってスライドさせて物品を近接又は接触させるため、より保護部材の位置合わせが容易であり、梱包しやすい。
【0039】
上記した様相は、第2位置合わせ工程において、前記第3保護壁部を前記物品に面接触させてもよい。
【0040】
本発明の一つの様相は、物品が載置される載置部と、前記載置部に対して立設された第1保護壁部を有し、前記物品を前記第1保護壁部に接触させて前記載置部に載置したときに、前記載置部と前記第1保護壁部によって前記物品を保護するものであり、前記載置部は、平面視したときに、前記第1保護壁部から第1方向に張り出して延び、幅が前記第1保護壁部の幅よりも小さい保護部材である。
【0041】
本様相によれば、載置部の幅が第1保護壁部の幅よりも小さいので、第1保護壁部と同程度の幅をもつ物品に載置部への載置した場合に、物品の底部において載置部の外側に空間ができる。そのため、持ちやすく物品の載置部への載置が容易である。
本様相によれば、第1保護壁部と物品の接触状況によって位置合わせが可能であり、位置合わせが容易であるため、梱包しやすい。
【0042】
本発明の一つの様相は、梱包体の内部に保護部材を有し、前記梱包体は、底面形成部と、第1壁面形成部と、第2壁面形成部を有し、前記第2壁面形成部は、前記底面形成部から上方に向かって立設され、第1方向に延びており、前記第1壁面形成部は、前記底面形成部から上方に向かって立設され、前記第1方向に対する直交方向に延びており、前記保護部材は、第1保護壁部と、第2保護壁部と、載置部を有し、前記第1保護壁部は、前記第1壁面形成部と接触し、前記第1壁面形成部に沿って延びており、前記第2保護壁部は、前記第2壁面形成部と接触し、前記第2壁面形成部に沿って延びており、前記載置部は、幅をもち、前記第1保護壁部から延びており、前記載置部は、前記第1方向において、先端部が前記第2保護壁部の先端部よりも張り出しており、前記梱包体の内部に物品が収納され、前記物品を前記第1保護壁部と前記第2保護壁部に接触させて前記載置部に載置した状態で平面視したときに、前記物品の重心が前記載置部の前記第1方向の先端部と前記第1保護壁部との間に位置する、梱包部材である。
【0043】
本様相によれば、第1保護壁部と第2保護壁部が互いに直交する第1壁面形成部と第2壁面形成部に沿って延びている。すなわち、平面視したときに第1保護壁部と第2保護壁部は、互いに直交する方向成分を有している。そのため、あらかじめ第1保護壁部と第2保護壁部に物品を接触させることで保護部材に対する物品の位置合わせが容易である。
本様相によれば、物品を載置部に載置したときに、物品の重心が載置部の先端部と第1保護壁部との間に位置し、載置部の第1方向の基端部側に第1保護壁部が位置する。そのため、たとえ載置部が物品の底部よりも小さい場合であっても物品を載置部上に留めることができ、位置合わせが容易である。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、重量や容量が大きい物品を保護する場合であっても、従来に比べて保護部材の位置合わせが容易であり、梱包しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の第1実施形態の梱包物の斜視図である。
図2図1の梱包物の分解斜視図である。
図3図2の梱包物をさらに分解した斜視図であり、梱包体を省略している。
図4図3の底面側保護部材の平面図である。
図5図1の梱包物の製造方法の説明図であり、(a)は位置合わせ工程前の状態を示す斜視図であり、(b)は位置合わせ工程後の状態を示す斜視図である。
図6】本発明の第2実施形態の梱包物の分解斜視図である。
図7図6の梱包物をさらに分解した斜視図であり、梱包体を省略している。
図8図7の底面側保護部材の平面図である。
図9】本発明の第3実施形態の梱包物の分解斜視図である。
図10図9の梱包物をさらに分解した斜視図であり、梱包体を省略している。
図11図10の底面側保護部材の分解斜視図である。
図12図11の第1分割片を図11とは別の方向からみた斜視図である。
図13図11の第2分割片を図11とは別の方向からみた斜視図である。
図14図9の底面側保護部材の平面図である。
図15図9の梱包物の製造方法の説明図であり、(a)は仮置き工程後の状態を示す斜視図であり、(b)は位置合わせ工程後の状態を示す斜視図であり、(c)が第2位置合わせ工程の途中の状態を示す斜視図である。
図16図9の梱包物の製造方法の説明図であり、(a)は仮置き工程後の状態を示す平面図であり、(b)は位置合わせ工程後の状態を示す平面図であり、(c)が第2位置合わせ工程の途中の状態を示す平面図である。
図17】本発明の他の実施形態の底面側保護部材の斜視図であり、梱包体を省略している。
図18】本発明の他の実施形態の底面側保護部材の斜視図であり、梱包体を省略している。
図19】本発明の他の実施形態の底面側保護部材の斜視図であり、梱包体を省略している。
図20】本発明の他の実施形態の梱包物の分解斜視図であり、梱包体を省略している。
図21】本発明の他の実施形態の底面側保護部材の説明図であり、(a)は2つの保護片を連結した状態を示す斜視図であり、(b)は2つの保護片を分解した状態を示す斜視図である。
図22】本発明の他の実施形態の底面側保護部材の説明図であり、(a)は2つの保護片を連結した状態を示す斜視図であり、(b)は2つの保護片を分解した状態を示す斜視図である。
図23】本発明の他の実施形態の第1分割片の斜視図である。
図24】本発明の他の実施形態の底面側保護部材の説明図であり、第1分割片に第2分割片を取り付ける際の状況を示す斜視図である。
図25】本発明の他の実施形態の底面側保護部材の説明図であり、(a)は底面側保護部材の斜視図であり、(b)は底面側保護部材の平面図である。
図26】本発明の他の実施形態の底面側保護部材の説明図であり、(a)は底面側保護部材の斜視図であり、(b)は底面側保護部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。前後左右上下については、図1の姿勢を基準とする。また、縦横については、平面視した姿勢を基準とし、内外については、物品2を基準とする。
【0047】
本発明の第1実施形態の梱包物1は、図1図2のように、物品2を梱包部材3によって梱包したものである。
【0048】
物品2は、特に限定されるものではないが、重量が大きい物品や大容積の物品であることが好ましい。物品2としては、例えば、家庭用物品や自動車用物品、あらかじめダンボールやドラム缶等で包装された物品などが挙げられる。
この家庭用物品には、例えば、冷蔵庫、エアコンディショナー本体やその室外機、洗濯機、空気清浄器、加湿器、蓄電池用ユニット等がある。
この自動車用物品には、例えば、自動車用のトランスミッション、ルーフ、フード、ドア、電池、エンジン等がある。
【0049】
本実施形態の物品2は、図3のように、外形形状が直方体状又は立方体状であり、天面部10と、底面部11(底部)と、正面部12と、背面部13と、第1側面部14と、第2側面部15を備えている。
底面部11は、図4のように、略矩形状であり、物品2の底部を構成する部位である。底面部11は、4つの角部16~19を有し、各角部16~19が横辺20,21と縦辺22,23が交差して形成されている。
横辺20は、正面部12を構成する辺であり、横辺21は、背面部13を構成する辺である。縦辺22は、第1側面部14を構成する辺であり、縦辺23は、第2側面部15を構成する辺である。
角部16~19は、各辺20~23に挟まれる角部であり、必ずしも角張っている必要はなく、角面状又は丸面状に面取りされていてもよい。
【0050】
梱包部材3は、物品2を保護するものであり、トラック輸送時等の発送箱や通い箱として好適に使用されるものである。
梱包部材3は、図2のように、主要構成部材として、梱包体30と、底面側保護部材31と、天面側保護部材32a,32bを備えている。
【0051】
梱包体30は、図1図2のように、直方体又は立方体状の箱であり、底面形成部40(梱包体の底面)と、天面形成部41と、正面形成部42と、背面形成部43(第1壁面形成部)と、第1側面形成部44(第2壁面形成部)と、第2側面形成部45を備えており、各形成部40~45に囲繞された収納空間46が形成されている。
各形成部42~45は、底面形成部40から上方に向かって立設されており、天面形成部41から下方に向かって立設されている。
正面形成部42と背面形成部43は、平面視したときに、前後方向Y(縦方向)に収納空間46を挟んで対向しており、側面形成部44,45は、幅方向X(横方向)に収納空間46を挟んで対向している。
【0052】
梱包体30の材質は、特に限定されるものではなく、段ボール製であってもよいし、プラスチック製であってもよい。
【0053】
底面側保護部材31は、図2のように、梱包体30の底面形成部40と物品2の底面との間に配され、物品2を外部からの衝撃を緩和させる緩衝部材である。底面側保護部材31は、図3のように、底面部11が構成する角部であって物品2の背面側の一方の角部18を保護する角当てである。
【0054】
底面側保護部材31は、図3のように、載置部50と、背面側保護壁部51(第1保護壁部)と、側面側保護壁部52(第2保護壁部)を有している。
底面側保護部材31は、載置部50と背面側保護壁部51と側面側保護壁部52が一体成形により形成されていてもよいし、別々の成形体を接着剤等の接着手段や融着等によって貼り合わせて形成されていてもよい。
底面側保護部材31の材質は、物品2の荷重が耐えるものであれば、特に限定されない。
底面側保護部材31は、発泡樹脂で形成されていることが好ましく、載置部50、背面側保護壁部51、及び側面側保護壁部52のうち、少なくとも一つが発泡倍率又は樹脂種が異なることがより好ましい。
底面側保護部材31は、例えば、物品2の荷重を受けやすい載置部50の発泡倍率を背面側保護壁部51や側面側保護壁部52の発泡倍率よりも低くすることで、より高重量な物品2を載置することができる。
【0055】
底面側保護部材31を形成する発泡樹脂は、特に制限はないが、熱可塑性樹脂の発泡粒子から型内発泡成形された発泡成形体であることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂の発泡粒子の種類、および当該発泡粒子の製造方法に特に制限は無く、従来公知の発泡粒子および製造方法を挙げることができる。前記製造方法の一例としては、前記熱可塑性樹脂の発泡粒子が、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子である場合には、国際公開特許公報WO2009/075208および特開2006-117842号公報等に開示されている製造方法が挙げられ、ポリスチレン系樹脂発泡粒子である場合には、特開2003-201360号公報および特開2014-118474号公報等に開示されている製造方法が挙げられ(該特許文献中には、前記熱可塑性樹脂の発泡粒子は「予備発泡粒子」として記載されている)、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂発泡粒子である場合には、特開2008-239794号公報等に開示されている製造方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このような発泡粒子は、例えば、(株)カネカ製エペラン-PP、エペラン-XL、カネパール等として市販されており、容易に入手可能である。
上述した熱可塑性樹脂の発泡粒子を使用して発泡成形体を製造する方法としては、型内発泡成形方法を採用することができ、特開2001-79870号公報等に記載された従来公知の成形方法を採用することができる。例えば、(1)先ず、凹型と凸型からなる一対の型を型閉して成形空間を形成し、(2)発泡粒子を原料タンクから充填器を通じて成形空間内に送入して充填し、(3)次に成形空間内の発泡粒子を水蒸気で加熱することにより、発泡粒子どうしを融着させて一体化させた後に、冷却し、(4)一対の型を型開して型内発泡成形体を取り出す方法が挙げられる。
【0056】
載置部50は、図2のように、物品2が載置され、物品2の荷重を受ける部位である。
載置部50は、図4のように、幅方向Xに幅を持ち、背面側保護壁部51から第1方向W1(前後方向Yの後方側から前方側に向かう方向)に帯状に延びている。
載置部50は、第1方向W1において、側面側保護壁部52の先端部よりも前方側に張り出している。
【0057】
載置部50の第1方向W1の長さ(載置部50の延在長さ)は、載置部50に物品2を載置した状態において、物品2の底面部11の第1方向W1の長さの1/2以上1以下であることが好ましい。
載置部50の側面側保護壁部52の先端部からの張出長さは、側面側保護壁部52の第1方向W1の長さの0.5倍以上であることが好ましく、1倍以上であることがより好ましく、2倍以上であることがさらに好ましい。
【0058】
背面側保護壁部51は、図2図3のように、物品2の背面部13の一部又は全部を保護する部位であり、載置部50に対して上方に向かって立ち上がった立壁部である。
背面側保護壁部51は、図4のように、背面部13の一部を構成する横辺21に沿って横方向Xに延びており、横辺21の一部又は全部を保護している。
【0059】
側面側保護壁部52は、図2図3のように、物品2の第1側面部14を保護する部位であり、載置部50に対して上方に向かって立ち上がった壁部である。
側面側保護壁部52は、図4のように、後端部が背面側保護壁部51の端部と交差しており、前後方向Y(縦方向)に延びている。すなわち、側面側保護壁部52は、第1側面部14の一部を構成する縦辺22に沿って縦方向Yに延びており、縦辺22の一部又は全部を保護している。
【0060】
天面側保護部材32a,32bは、図2図3のように、梱包体30の天面形成部41と物品2の天面部10との間に配され、物品2を外部からの衝撃を緩和させる緩衝部材である。
天面側保護部材32aは、天面部10が構成する角部であって物品2の正面側の角部を保護する部材であり、天面側保護部材32bは、天面部10が構成する角部であって物品2の背面側の角部を保護する部材である。
【0061】
続いて、第1実施形態の梱包物1の各部材の位置関係について説明する。
【0062】
梱包物1は、図2から読み取れるように、物品2が底面側保護部材31及び天面側保護部材32a,32bとともに梱包体30の収納空間46内に収納されている。
底面側保護部材31は、載置部50が物品2の底面部11と梱包体30の底面形成部40との間に介在している。
背面側保護壁部51は、図2図3から読み取れるように、物品2の背面部13と梱包体30の背面形成部43との間に介在しており、側面側保護壁部52は、物品2の第1側面部14と梱包体30の第1側面形成部44との間に介在している。
物品2の重心Gは、図4のように、平面視したときに、載置部50と重なっている。すなわち、物品2の重心Gは、平面視したときに縦方向Yにおいて載置部50の前方側端部と背面側保護壁部51の間にあり、幅方向Xにおいて載置部50の両端部の内側に位置している。
【0063】
続いて、第1実施形態の梱包物1の製造方法について説明する。
【0064】
まず、底面側保護部材31を水平面に載置し、図5(a)のように重心Gが載置部50と重なるように物品2を載置する(仮置き工程)。
【0065】
このとき、物品2は、底面側保護部材31によって支持されており、地面(床面)の水平面と接触していない。
【0066】
続いて、図5(b)のように、物品2の背面部13と第1側面部14がそれぞれ背面側保護壁部51と側面側保護壁部52に接触するように位置合わせする(位置合わせ工程)。
【0067】
このとき、背面部13と背面側保護壁部51の境界部分を視認し、背面部13と背面側保護壁部51がきっちりと接触しているか確認する。同様に、第1側面部14と側面側保護壁部52の境界部分を視認し、第1側面部14と側面側保護壁部52がきっちりと接触しているか確認する。
またこのとき、物品2は、底面部11、背面部13、及び第1側面部14の一部が底面側保護部材31に覆われている。一方、物品2は、底面部11、背面部13、及び第1側面部14と対向する天面部10、正面部12、及び第2側面部15が底面側保護部材31に覆われておらず、露出している。
【0068】
そして、物品2の背面部13と第1側面部14がそれぞれ背面側保護壁部51と側面側保護壁部52に面接触し、位置合わせ工程が完了すると、天面側保護部材32a,32bを天面部10が構成する角部に取り付け、底面側保護部材31の載置部50に載置された物品2を梱包体30に収納し、梱包物1が完成する。
【0069】
なお、仮置き工程において物品2が所定の位置に位置している場合には、位置合わせ工程を省略してもよい。
【0070】
本実施形態の梱包物1によれば、底面側保護部材31の載置部50に物品2を載置した状態において、物品2の三方向の面が底面側保護部材31に覆われておらず、外部に露出している。そのため、物品2と底面側保護部材31との接触状況を容易に目視によって確認でき、物品2が正確な位置に配されているか確認しやすく、物品2を梱包する際の作業性が良好である。
本実施形態の梱包物1によれば、物品2の三方向の面が底面側保護部材31に覆われていないため、底面側保護部材31の寸法に対する自由度が高く、物品2を梱包する際の作業性が良好である。
【0071】
本実施形態の梱包物1によれば、底面側保護部材31は、物品2の底面部11全面を覆わなくてもよいため、底面側保護部材31の寸法の自由度が高い。
【0072】
本実施形態の梱包物1によれば、物品2の重心Gが載置部50に位置するため、物品2が転倒しにくく、底面側保護部材31が破損しにくい。
【0073】
本実施形態の梱包物1によれば、底面側保護部材31は、物品2の角部18を載置部50及び保護壁部51,52でなす角部に合わせることで位置が決まるため、位置決めしやすい。
【0074】
本実施形態の梱包物1の製造方法によれば、載置部50に物品2を載置してから、位置合わせするため、物品2と底面側保護部材31との接触により破損しにくく、底面側保護部材31の不良在庫を少なくできる。そのため、生産性が高い。
【0075】
上記した梱包物1では、一つの底面側保護部材31によって物品2を保護したが、本発明はこれに限定されるものではない。物品2の大きさによっては複数の保護片から構成される底面側保護部材によって物品2を保護してもよい。以下、本発明の第2実施形態として説明する。なお、第1実施形態の梱包部材3と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。以下、同様とする。
【0076】
本発明の第2実施形態の梱包物100は、図6図7のように、主要構成部材として、物品2と、梱包体30と、底面側保護部材130を備えている。
底面側保護部材130は、図7のように、2つの保護片31,131で構成されている。
2つの保護片31,131のうち一方の保護片31は、第1実施形態の底面側保護部材31と同様のものであり、載置部50と、背面側保護壁部51と、側面側保護壁部52を有している。
2つの保護片31,131のうち他方の保護片131は、図7のように、一方の保護片31を左右対称にしたものであり、保護片31と同様、載置部50と、背面側保護壁部51と、側面側保護壁部52を有している。
以下の説明では、特に断りのない限り、一方の保護片31と他方の保護片131を区別するために、一方の保護片31に属する部材の符号に「a」を付し、他方の保護片131に属する部材の符号に「b」を付す。
【0077】
続いて、第2実施形態の梱包物100の各部材の位置関係について説明する。
【0078】
他方の保護片131の側面側保護壁部52bは、図6図7から読み取れるように、物品2の第2側面部15と梱包体30の側面形成部45との間に介在し、一方の保護片31の側面側保護壁部52aと物品2を挟んで幅方向Xに対向している。
一方の保護片31の載置部50aと他方の保護片131の載置部50bの間には、図8のように、空間132があり、物品2は、一方の保護片31の載置部50aと他方の保護片131の載置部50bとに跨って載置されている。すなわち、物品2の底面部11には、載置部50a,50bによって支持されず、保護片31,131から露出した部分がある。
物品2の重心Gは、図8のように平面視したときに、幅方向Xにおいて載置部50a,50bに挟まれた空間132に位置している。
【0079】
第2実施形態の梱包物100によれば、一方の保護片31は、底面部11、背面部13、及び第1側面部14のそれぞれの一部のみを覆い、他方の保護片131は、底面部11、背面部13、及び第2側面部15のそれぞれの一部のみを覆う。そのため、幅方向Xにおいて物品2の大きさに合わせて保護片31,131間の間隔を調整することができ、保護できる物品2の寸法の自由度が高い。
【0080】
第2実施形態の梱包物100によれば、複数の保護片31,131によって底面側保護部材130が構成され、物品2が保護されているため、保護片31,131の寸法を小さくでき、持ち運びが容易である。
【0081】
続いて、本発明の第3実施形態の梱包物200について説明する。
【0082】
第3実施形態の梱包物200は、図9図10のように、梱包体30と、底面側保護部材220と、天面側保護部材32a,32bを備えている。
【0083】
底面側保護部材220は、複数の保護部230,231で構成されている。
保護部230は、図11のように、第1分割片240と、第2分割片241で構成されている。
【0084】
第1分割片240は、図11図12から読み取れるように、平面視「L」字状の部材であり、第1土台部250と、背面側保護壁部251と、側面側保護壁部252を備えている。
第1土台部250は、第1分割片240の底面を構成する部位であり、物品2の底面部11と梱包体30の底面形成部40との間に設けられ、物品2の荷重を受ける部位である。
第1土台部250は、第1受部260と、第2受部261と、第1切り欠き溝262と、切り欠き部263と、嵌合凹部264を備えている。
第1受部260は、幅方向Xに幅を持ち、背面側保護壁部251から第1方向W1(前後方向Yの後方側から前方側に向かう方向)に帯状に延びた部位である。
第1受部260は、第1方向W1の先端部が側面側保護壁部252の先端部よりも張り出ている。
第1受部260は、平面視したときに、第2受部261から第1方向W1に張り出しており、第1方向W1の先端部の一部が切り欠き部263によって切り欠かれ、凸部265が形成されている。すなわち、凸部265は、図12のように、第1方向W1において第1受部260の他の端面に対して突出した突出部である。
【0085】
第2受部261は、第1受部260と連続し、第1受部260の基端部周辺から側面側保護壁部252に向かって第1受部260の幅方向Xに延びた部位である。
第2受部261は、第1方向W1の先端部が側面側保護壁部252の先端部よりも背面側保護壁部251側に位置している。
【0086】
第1切り欠き溝262は、図12のように、第1受部260の幅方向Xの端面の一部を切り欠いた切り欠きである。すなわち、第1切り欠き溝262は、幅方向Xに深さをもち、第1方向W1に延びている。第1切り欠き溝262は、第1方向W1の先端部が開放しており、基端部が第2受部261によって閉塞している。
【0087】
切り欠き部263は、第1受部260の第1方向W1の先端部から基端側(背面側保護壁部251側)に向けて切り欠いた切り欠きである。
【0088】
嵌合凹部264は、第1受部260と側面側保護壁部252の間に設けられ、側面側保護壁部252の第1方向W1の先端部よりも背面側保護壁部251側に窪んだ凹部である。本実施形態では、嵌合凹部264は、側面側保護壁部252の内側面と第2受部261の先端面と第1受部260の外側面によって構成されている。
【0089】
背面側保護壁部251は、図11のように、第1土台部250から上方に向かって立ち上がった立壁部であり、物品2の背面部13の一部を保護する壁部である。背面側保護壁部251は、物品2の背面部13を構成する横辺21に沿って横方向Xに延びており、横辺21の一部又は全部を保護可能となっている。
【0090】
側面側保護壁部252は、第1土台部250から上方に向かって立ち上がった立壁部であり、物品2の第1側面部14の一部を保護する壁部である。側面側保護壁部252は、第1側面部14を構成する縦辺22に沿って縦方向Yに延びており、縦辺22の一部又は全部を保護可能となっている。
背面側保護壁部251と側面側保護壁部252は、図11のように、平面視したときに、「L」字状であり、端部同士が連続して互いに直交している。
【0091】
第2分割片241は、図10のように、第1分割片240と対をなし、合わさって一つの保護部230を構成する部材である。
第2分割片241は、図11のように平面視略「L」字状の部材であり、図13のように、第2土台部270と、正面側保護壁部271(第3保護壁部)と、側面側保護壁部272を備えている。
【0092】
第2土台部270は、第2分割片241の底面を構成する部位であり、物品2の底面部11と梱包体30の底面形成部40との間に設けられ、物品2の荷重を受ける部位である。
第2土台部270は、図13のように、第3受部280(第1隣接部)と、第4受部281と、第1係合凸部282(係止部)を備えている。
【0093】
第3受部280は、保護部230を組み立てたときに、第1分割片240の第1受部260と幅方向Xに隣接する隣接部である。第3受部280は、図13のように、載置本体部290と、第1突出部291を有している。
【0094】
載置本体部290は、図13のように、幅方向Xに幅を持ち、正面側保護壁部271から第2方向W2(第1方向W1とは逆方向、前後方向Yの前方側から後方側に向かう方向)に帯状に延びた部位である。
載置本体部290は、第2方向W2において、先端部が側面側保護壁部272の先端部よりも張り出している。すなわち、載置本体部290は、側面側保護壁部272よりも突出した嵌合凸部292(係止部)を構成している。
嵌合凸部292は、保護部230を組み立てたときに、第1分割片240の嵌合凹部264と嵌合可能な嵌合部である。
【0095】
第1突出部291は、側面側保護壁部272から離反する方向において載置本体部290の幅方向Xの端面から突出した凸部であり、第4受部281から第2方向W2に連続的又は間欠的に延びた突条部である。
第1突出部291は、保護部230を組み立てるときに、第1分割片240の第1切り欠き溝262に沿って第2方向W2に向かって移動可能となっている。
【0096】
第4受部281は、図13のように、第3受部280と連続し、第3受部280の基端部周辺から正面側保護壁部271に沿って側面側保護壁部272とは離反する方向に延びた部位である。
第1係合凸部282は、第4受部281から第2方向W2に突出した突出部であり、第3受部280とは幅方向Xに離間して形成されている。
すなわち、第2土台部270は、第3受部280と第4受部281と第1係合凸部282が「コ」字状に形成されており、第3受部280の内側側面と、第4受部281の先端面と、第1係合凸部282の外側側面によって凹部295が形成されている。
凹部295は、保護部230を組み立てたときに第1分割片240の凸部265と嵌合する嵌合部である。
【0097】
正面側保護壁部271は、図13のように、第2土台部270から上方に向かって立ち上がった立壁部であり、物品2の正面部12を保護する壁部である。
正面側保護壁部271は、図14のように、正面部12を構成する横辺20に沿って横方向Xに延びており、横辺20の一部又は全部を保護可能となっている。
側面側保護壁部272は、図13のように、第2土台部270から上方に向かって立ち上がった立壁部であり、物品2の第1側面部14を保護する壁部である。側面側保護壁部272は、図14のように、第1側面部14を構成する縦辺22に沿って縦方向Yに延びており、縦辺22の一部又は全部を保護可能となっている。
正面側保護壁部271と側面側保護壁部272は、図13のように、平面視したときに、「L」字状であり、互いに直交している。
【0098】
ここで、保護部230の第1分割片240と第2分割片241の位置関係について説明する。
【0099】
第1分割片240と第2分割片241は、図10のように、各壁部251,252,271,272によって囲繞された囲繞空間275が形成されている。
背面側保護壁部251と正面側保護壁部271は、図10図13のように、互いに囲繞空間275を挟んで対向するように配されている。側面側保護壁部252と側面側保護壁部272は、前後方向Yに直線状に並んでおり、外側面が同一平面上に位置している。第1受部260と第3受部280は、互いに逆方向に延びている。
【0100】
第1土台部250の天面と第2土台部270の天面は、同一平面上に位置しており、面一となっている。すなわち、第1土台部250の天面と第2土台部270の天面の間には、実質的に段差がない。
ここでいう「実質的に段差がない」とは、物品2を載置した状態で平行移動したときに、物品2が引っ掛からない程度の段差がない状態をいう。
第1土台部250の天面と第2土台部270の天面の間の段差は、5mm以下であることが好ましい。
【0101】
第1受部260の先端部に設けられた凸部265は、第3受部280と第1係合凸部282の間に設けられた凹部295に挿入されている。第1係合凸部282は、切り欠き部263に挿入されており、嵌合凸部292は、嵌合凹部264に挿入されている。
第2分割片241は、幅方向Xにおいて、嵌合凸部292が側面側保護壁部252の内側面と係合し、凹部295が凸部265の側面と係合し、第1係合凸部282が凸部265の側面と係合する。その結果、第2分割片241は、第1分割片240から離反する方向(第1方向W1に対する直交方向、すなわち、幅方向X)への移動が規制されている。
第2分割片241の第1突出部291は、第1分割片240の第1切り欠き溝262に挿入されており、第1切り欠き溝262に沿って延びている。
【0102】
保護部230は、平面視したときに、第1分割片240と第2分割片241との間で重なり部分があり、重なり部分において、第1突出部291が第1受部260の下部に配されている。そのため、第1分割片240の第1受部260に物品2が載置されたときに、第1突出部291によって第2分割片241でも荷重を受けることができる。
【0103】
保護部231は、保護部230と左右対称の関係にあること以外同様であるため、以下の説明においては、保護部230を構成する部材に「a」を付し、保護部231を構成する部材に「b」を付して説明を省略する。
【0104】
保護部230,231の材質は、物品2の荷重が耐えるものであれば、特に限定されない。
保護部230,231は、第1分割片240及び第2分割片241が発泡樹脂で形成されていることが好ましい。
保護部230,231は、第1分割片240の第1土台部250、背面側保護壁部251、及び側面側保護壁部252、並びに、第2分割片241の第2土台部270、正面側保護壁部271、及び側面側保護壁部272のうち、少なくとも一つが発泡倍率又は樹脂種が異なることがより好ましい。
保護部230,231を形成する発泡樹脂は、第1実施形態の底面側保護部材31と同様のものが採用できる。
【0105】
続いて、梱包物200の各部材の位置関係について説明する。
【0106】
梱包物200は、図9のように、物品2が底面側保護部材220及び天面側保護部材32a,32bとともに梱包体30の収納空間46内に収納されている。
保護部230,231は、図14のように、第1受部260a,260bが同一方向(第1方向W1)に延びており、第3受部280a,280bが同一方向(第2方向W2)に延びている。
保護部230,231は、第3受部280a(第1隣接部)と第3受部280b(第2隣接部)の間に、第1受部260a(第1載置部)と第1受部260b(第3載置部)が配されている。
側面側保護壁部252a(第2保護壁部)と側面側保護壁部252b(第5保護壁部)は、物品2を挟んで幅方向Xに対向している。同様に、側面側保護壁部272aと側面側保護壁部272bは、物品2を挟んで幅方向Xに対向している。
背面側保護壁部251a(第1保護壁部)と,背面側保護壁部251b(第4保護壁部)は、幅方向Xに直線上に並んでいる。
正面側保護壁部271a(第3保護壁部)と,正面側保護壁部271b(第6保護壁部)は、幅方向Xに直線上に並んでいる。
【0107】
保護部230,231の間には、図14のように、空間232があり、物品2は、保護部230の各受部260a,261a,280a,281aと保護部231の各受部260b,261b,280b,281bとに跨って載置されている。
物品2の重心Gは、図14のように平面視したときに、幅方向Xにおいて保護部230,231の間の空間232に位置している。具体的には、物品2の重心Gは、図14のように、平面視したときに、保護部230,231の第1受部260a,260bの間に位置している。
物品2の重心Gは、平面視したときに第1方向W1において第1受部260a,260bの先端部と背面側保護壁部251a,251bの間にあり、幅方向Xにおいて第1受部260a,260bの内側に位置している。
【0108】
続いて、梱包物1の製造方法について説明する。すなわち、梱包部材3による物品2の梱包方法について説明する。
【0109】
まず、図15(a),図16(a)のように、水平面に対して第1分割片240a,240b(第1保護片、第3保護片)を幅方向Xに離間させて配置し、第1分割片240a,240bの少なくとも第1受部260a,260b間に跨るように物品2を載置する(第1仮置き工程)。
【0110】
このとき、物品2の重心Gは、第1受部260a,260bの第1方向W1の先端部と背面側保護壁部251の間に位置している。
【0111】
続いて、図15(b),図16(b)のように、物品2が所定の位置に位置するように、物品2の背面部13と第1側面部14をそれぞれ背面側保護壁部251a,251b、側面側保護壁部252a,252bと接触させて位置合わせする(位置合わせ工程)。
【0112】
物品2の角部18は、図16のように、第1分割片240aの第1土台部250a、背面側保護壁部251a、及び側面側保護壁部252aによって囲まれて保護されており、物品2の角部19は、第1分割片240bの第1土台部250b、背面側保護壁部251b、及び側面側保護壁部252bによって囲まれて保護されている。
第1分割片240a,240bは、物品2の底面部11の幅方向Xの中間部を支持しており、第1受部260a,260bは、縦辺22,23と接触しておらず、縦辺22,23の内側に配されている。
このとき、背面部13と背面側保護壁部251a,251bの境界部分を視認し、背面部13と背面側保護壁部251a,251bがきっちりと接触しているか確認する。同様に、第1側面部14と側面側保護壁部252aの境界部分を視認し、第1側面部14と側面側保護壁部252がきっちりと接触しているか確認する。第2側面部15と側面側保護壁部252bの境界部分を視認し、第2側面部15と側面側保護壁部252bがきっちりと接触しているか確認する。
物品2は、底面部11、背面部13、及び第1側面部14の一部が保護部230に覆われており、底面部11、背面部13、及び第2側面部15の一部が保護部231に覆われている。一方、正面部12は、第1分割片240a,240bに覆われておらず、露出している。
物品2の底面部11は、背面側保護壁部251a,251bの延び方向である横方向Xの中間部が第1受部260a,260bによって支持されており、前方側の角部16,17が水平面に対して浮いた状態となっており、水平面に接触していない。
【0113】
そして、図15(c),図16(c)のように、位置合わせ工程が完了すると、前後方向Yにおいて第2分割片241a,241b(第2保護片,第4保護片)を第1分割片240a,240bに対して相対的に近接又は接触させる(第2位置合わせ工程)。
【0114】
第2分割片241a,241bは、第1受部260a,260bの第1切り欠き溝262a,262b(図12参照)に沿って第2方向W2にスライド移動させる。第2分割片241a,241bは、当該スライド移動に伴って第1係合凸部282が切り欠き部263に挿入され、図14のように嵌合凸部292が嵌合凹部264に挿入され、凹部295a,295bに凸部265a,265bが挿入される。
このとき、物品2の角部17は、第2分割片241aの第2土台部270a、正面側保護壁部271a、及び側面側保護壁部272aによって囲まれて保護されており、物品2の角部16は、第2分割片241bの第2土台部270b、正面側保護壁部271b、及び側面側保護壁部272bによって囲まれて保護されている。
【0115】
第2位置合わせ工程が終了すると、天面側保護部材32a,32bを天面部10が構成する角部に取り付け、保護部230,231に載置された物品2を梱包体30に収納し、梱包物200が完成する。
【0116】
第3実施形態の梱包物200によれば、保護部230の第1分割片240aは、底面部11、背面部13、及び第1側面部14のそれぞれの一部のみを覆い、保護部231の第1分割片240bは、底面部11、背面部13、及び第2側面部15のそれぞれの一部のみを覆う。そのため、幅方向Xにおいて物品2の大きさに合わせて第1分割片240a,240b間の間隔を調整することができ、保護できる物品2の寸法の自由度が高い。
【0117】
第3実施形態の梱包物200によれば、物品2の背面側の角部18,19が保護部230,231の第1分割片240a,240bによって保護され、正面側の残りの角部16,17が保護部230,231の第2分割片241a,241bによって保護される。そのため、従来に比べて、安定的かつ保護力が高い。
【0118】
第3実施形態の保護部230,231によれば、平面視したときの第1分割片240と第2分割片241の重なり部分において、第1突出部291が第1受部260の下部に配されている。そのため、第1分割片240の受部260,261に加わる荷重の一部を、第1突出部291によって第2分割片241で受けることができ、第1分割片240のみに過剰な荷重が加わることを防止できる。
【0119】
第3実施形態の梱包物200の製造方法によれば、物品2が載置された状態の第1分割片240a,240bに対して第2分割片241a,241bをスライドさせて固定するため、より梱包しやすい。
【0120】
上記した第1実施形態では、底面側保護部材31は、載置部50と背面側保護壁部51と側面側保護壁部52により、三面が保護されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図17のように載置部50から立ち上がり、背面側保護壁部51と対向する正面側保護壁部320を設け、正面部12の一部を保護してもよい。この場合、従来よりも位置合わせは容易であり、偏荷重を防止することができる。
【0121】
上記した第1実施形態では、背面側保護壁部51と側面側保護壁部52は、端部同士が接続され、平面視「L」字状に連続していたが、本発明はこれに限定されるものではない。背面側保護壁部51と側面側保護壁部52は、図18のように、不連続であってもよい。
【0122】
上記した第1実施形態では、載置部50の幅と背面側保護壁部51の幅が等しかったが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図19のように、載置部50の幅w1が背面側保護壁部51の幅w2よりも狭くてもよい。
【0123】
上記した第2実施形態では、2つの保護片31,131のみによって物品2を支持していたが、本発明はこれに限定されるものではない。3つ以上の保護片によって物品2を支持してもよい。例えば、空間132に物品2を保護する一又は複数の保護片331を設けてもよい。図20に示される保護片331は、断面形状が「L」字状であって載置部350と正面側保護壁部353を備えている。そして、物品2を載置部350に載置し、正面側保護壁部353によって正面部12を保護する。
【0124】
上記した第2実施形態では、2つの保護片31,131が幅方向Xに離間して設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。保護片同士が連結されていてもよい。
例えば、図21に示される保護片431a,431bは、少なくとも載置部50と背面側保護壁部51を備えている。そして、一の保護片431aは、背面側保護壁部51の幅方向Xの端部に他の保護片431bと連結可能な連結部432が形成されている。
また例えば、図22に示される保護片531a,531bは、少なくとも載置部50と背面側保護壁部51を備えている。そして、一の保護片531aは、載置部50の幅方向Xの端部に他の保護片531bと連結可能な連結部532が形成されている。
また、上記した第3実施形態のおいても、第1分割片240と第2分割片241同士が連結部432によって連結されていてもよい。こうすることで、第1分割片240と第2分割片241とが幅方向Xに離反する移動がより規制され、梱包物200を誤って落下させた際の物品2の保護力を向上できる。
【0125】
上記した第3実施形態では、第1受部260の幅方向Xの外側端部に第1切り欠き溝262が設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図23のように、第1受部260の幅方向Xの外側端部に、幅方向Xに深さをもち第1方向W1の先端から基端側に向かって延びた凹溝662が設けられていてもよい。
【0126】
上記した第3実施形態では、嵌合凹部264は、第2受部261に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。嵌合凹部264は、図24のように背面側保護壁部251に設けられていてもよい。
【0127】
上記した第3実施形態では、第1分割片240に嵌合凹部264が設けられ、第2分割片241に嵌合凸部292が設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。第1分割片240に嵌合凸部292が設けられ、第2分割片241に嵌合凹部264が設けられていてもよい。
同様に、第1分割片240に凸部265が設けられ、第2分割片241に凹部295が設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。第1分割片240に凹部295が設けられ、第2分割片241に凸部265が設けられていてもよい。
同様に、第1分割片240に切り欠き部263が設けられ、第2分割片241に第1係合凸部282が設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではない。第1分割片240に第1係合凸部282が設けられ、第2分割片241に切り欠き部263が設けられていてもよい。
【0128】
上記した第3実施形態は、第1突出部291は、第2方向W2に連続的又は間欠的に延びた突条であったが、本発明はこれに限定されるものではない。第1突出部291は、凸部であってもよい。
【0129】
上記した第3実施形態では、第2分割片241の第3受部280は、幅方向Xに隣接する第1分割片240の第1受部260と接触していたが、本発明はこれに限定されるものではない。第2分割片241の第3受部280と第1分割片240の第1受部260は、幅方向Xにおいて接触しなくてもよい。
【0130】
上記した実施形態では、外形形状が直方体状又は立方体状の物品2を梱包する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。他の形状の物品2を梱包する場合には、適宜、保護壁部等の形状を変更できる。
例えば、図25の底面側保護部材731は、底面が円形をなす円柱状の物品2を保護するものである。
底面側保護部材731は、載置部750と、曲面状の弧側保護壁部751を備えている。
載置部750は、弧側保護壁部751から物品2の径方向に延びている。
弧側保護壁部751は、内周面が物品2の外周面に沿って延び、物品2の底面部11の弧720を保護する。弧側保護壁部751の少なくとも一方の端部は、載置部750から張り出している。
また、例えば、図26の底面側保護部材761は、底面側保護部材731と同様、円形をなす円柱状の物品2を保護するものである。
底面側保護部材761は、載置部750と、背面側保護壁部771と、側面側保護壁部772を有している。
背面側保護壁部771と側面側保護壁部772は、内周面が連続して一つの曲面を形成しており、物品2の外周面に沿って延びている。
背面側保護壁部771の外面は、梱包体30に収納したときに、背面形成部43と接触して背面形成部43に沿って延びている。
側面側保護壁部772の外面は、梱包体30に収納したときに、第1側面形成部44と接触して第1側面形成部44に沿って延びている。
【0131】
上記した実施形態では、梱包体30を設けていたが、本発明はこれに限定されるものではない。梱包体30を省略してもよい。この場合、各底面側保護部材をそれぞれ仮置き用の台座としても使用できる。
【0132】
上記した実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる限り、各実施形態間で各構成部材を自由に置換や付加できる。
【符号の説明】
【0133】
1,100,200 梱包物
2 物品
3 梱包部材
11 底面部(底部)
20,21 横辺(辺)
30 梱包体
31,130,220,731,761 底面側保護部材
40 底面形成部(梱包体の底面)
43 背面形成部(第1壁面形成部)
44 第1側面形成部(第2壁面形成部)
50,50a,50b,350,750 載置部
51,251 背面側保護壁部(第1保護壁部)
52,52a,52b,252,252a,252b 側面側保護壁部(第2保護壁部)
240a 第1分割片(第1保護片)
240b 第1分割片(第3保護片)
241a 第2分割片(第2保護片)
241b 第2分割片(第4保護片)
250,250a,250b 第1土台部
251a 背面側保護壁部(第1保護壁部)
251b 背面側保護壁部(第4保護壁部)
252a 側面側保護壁部(第2保護壁部)
252b 側面側保護壁部(第5保護壁部)
260a 第1受部(載置部,第1載置部)
260b 第1受部(載置部,第3載置部)
261,261a,261b 第2受部(載置部)
262,262a,262b 第1切り欠き溝(切り欠き溝)
264 嵌合凹部
265,265a,265b 凸部
271a 正面側保護壁部(第3保護壁部)
271b 正面側保護壁部(第6保護壁部)
280a 第3受部(第1隣接部)
280b 第3受部(第2隣接部)
282 第1係合凸部(係止部)
292 嵌合凸部(係止部)
295,295a,295b 凹部
320 正面側保護壁部
662 凹溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26