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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】筆記具
(51)【国際特許分類】
   B43K 3/00 20060101AFI20231120BHJP
【FI】
B43K3/00 F
B43K3/00 B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020002466
(22)【出願日】2020-01-09
(65)【公開番号】P2021109375
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(72)【発明者】
【氏名】住吉 聡
(72)【発明者】
【氏名】牧 貴之
【審査官】三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-289808(JP,A)
【文献】特開2013-111920(JP,A)
【文献】特開2007-253368(JP,A)
【文献】特開2005-014585(JP,A)
【文献】特開2014-004772(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略均一の肉厚である筒状部材を具備する筆記具であって、前記筒状部材の表面から内面に貫通する開口部が複数箇所形成されると共に、前記開口部の開口面積がより小さい方が前記筒状部材の前側に配置され、前記開口部の開口面積がより大きい方が前記筒状部材の後側に配置されたことを特徴とする筆記具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筆記具の軸筒は、プラスチック材料を射出成形することによって製造される。この場合、強度又は剛性を考慮すると、成形された軸筒等は、或る程度の肉厚が必要であり、その結果、筆記具の重量の増加は避けられなかった。しかしながら、長時間の筆記動作や携行性を考慮すると、筆記具は軽い方が望ましい。軽量化のため、紙製の筆記具が公知である(特許文献1)ものの、紙製では、紙という材料に起因し、剛性及び耐久性が低いという欠点がある。そこで、複数の凹部及び凸部が形成された筒状部を有する軸筒にすることで、薄肉でも剛性及び耐久性のある筆記具が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3089193号公報
【文献】特開2015-193231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献2の筆記具は、軸筒表面に凹部並びに凸部が形成されることで、把持する際に手指にフィットし難い課題かある。そこで本発明は、軸筒表面に凹凸のない筆記具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、略均一の肉厚である筒状部材を具備する筆記具であって、前記筒状部材の表面から内面に貫通する開口部が複数箇所形成されたことを特徴とする筆記具が提供される。
【0006】
また、別の態様によれば、開口部が、一定間隔によって複数形成されることを特徴とする筆記具が提供される。
【0007】
また、別の態様によれば、前記開口部の開口面積がより小さい方が前記筒状部材の前側に配置され、前記開口部の開口面積がより大きい方が前記筒状部材の後側に配置されることを特徴とする筆記具が提供される。
【0008】
また、別の態様によれば、筒状部材が、非樹脂製のシート材から形成されることを特徴とする筆記具が提供される。
【0009】
また、別の態様によれば、筒状部材の肉厚が1mm未満であることを特徴とする筆記具が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の態様によれば、軽量で且つ剛性が高く、軸筒表面の凹凸がなく把持が容易な筆記具を提供するという共通の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態による筆記具の正面図である。
図2図1の筆記具の縦断面図である。
図3図1の筆記具の軸筒の斜視図である。
図4図1の筆記具の先軸筒の斜視図である。
図5図1の筆記具の後軸筒の斜視図である。
図6図1の筆記具の分解組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
【0013】
図1は、本発明の実施形態によるノック式ボールペンである筆記具1の正面図であり、図2は、図1の筆記具1の縦断面図である。
【0014】
筆記具1は、筒状に形成された筒状部材20である軸筒2と、軸筒2の前端部に取り付けられ且つ先細りの筒状に形成された先軸筒3と、軸筒2の後端部に取り付けられ且つ筒状に形成された後軸筒4と、軸筒2内に配置され且つ一端にボールペンチップである筆記部5aを備えた筆記体である筆記リフィル5とを有している。先軸筒3は、筆記リフィル5の筆記部5aを突出させるための貫通孔3aが形成されている。なお、本明細書中では、筆記具1の軸線方向において、筆記部5a側を「前」側と規定し、筆記部5aとは反対側を「後」側と規定する。
【0015】
筆記具1は、後述するノック機構によって、軸筒2内で筆記リフィル5が前後方向に摺動する。このとき、筆記部5aが先軸筒3の貫通孔3aから突出した状態を筆記状態(図示せず)と称し、筆記部5aが先軸筒3内に没入した状態を非筆記状態(図1及び図2)と称す。
【0016】
後軸筒4は、外周面に、軸線方向に延びるクリップ6が一体的に形成され、筆記具1をポケットや手帳等に挟持させることが可能となっている。後軸筒4の内面には、径方向内側に突出し且つ軸線方向に沿って延びる複数のカム部4aが、周方向に沿って等間隔に形成されている。後軸筒4は、例えばポリカーボネート樹脂等といった比較的硬質の樹脂材料から形成される。
【0017】
ノック機構は、後軸筒4内に前後方向に移動可能に配置された回転子8と、後軸筒4内に後端から突出して且つ前後方向に移動可能な操作部9とを有する公知の機構である。ノック機構は、筆記リフィル5と共にスプリング7によって後方へ付勢されている。ノック操作は、操作部9を前方に向かって押圧することによって行われる
【0018】
ノック操作を行うと、操作部9の移動によって回転子8が前方へ押圧され、回転子8と後軸筒4のカム部4aの前端面とが係止し、筆記具1は筆記状態を維持する。再びノック操作を行うと、操作部9の移動によって回転子8が前方へ押圧され、回転子8と後軸筒4のカム部4aの前端面との係止が解除される。このため、スプリング10の付勢力によってノック機構が後方へ移動し、筆記具1は非筆記状態(図1及び図2)となる。言い換えると、筆記具1は、筆記リフィル5が軸筒2内に前後方向に移動可能に配置され、筆記部5aが軸筒2の一端から突出した筆記状態と筆記部5aが軸筒2内に没入した非筆記状態とを、操作部9のノック操作によって切り替えられる。
【0019】
図3は、図1の筆記具1の軸筒2の斜視図である。軸筒2は、略均一の径方向の厚み、即ち肉厚からなる筒状部材20で構成され、その筒状部材20の表面から内面に貫通する開口部21が複数箇所形成されている。開口部21の形成によって、軸筒2の内部に筆記リフィル5以外の遮蔽物を設けていない構造においては、軸筒2の内部を視認することができるため、鉄系金属や非鉄金属などの不透明な材料を用いても筆記リフィル5のインク残量等も確認することが可能である。また、開口部21は、軸線方向及び外周(径)方向に一定間隔かつ一定の開口面積によって複数形成されている。開口部21の1つあたりの面積は、加工性の確保と軸筒2の外部から内部への汚れの侵入を防ぐために0.5mm~3.5mmであることが好ましい。図3では加工が容易な正円形の開口部21が形成されているが、楕円形、角形、長円形、多角形等の形状としてもよい。また、開口部21の筒状部材20の面積に占める割合(開口率)は、軸筒2としての強度と重量の両立から10~60%とすることが好ましい。
【0020】
また、別の様態として、開口部21の開口面積がより小さい方を筒状部材20の前側に配置され、前記開口部21の開口面積がより大きい方を筒状部材20の後側に配置されることとすることで、筒状部材20の重心が前方側となり筆記具1を把持した際に筆記しやすい重量配分とすることができる。
【0021】
軸筒2は、図3において、左下側が筆記具1の前側に配置され、右上側が筆記具1の後側に配置される。筒状部材20の後端には切り欠き部22が形成され、後軸筒4との嵌合の際の位置決めと回り止めの機能を有する。
【0022】
軸筒2は、筆記具としての使用に耐えうるため鉄系金属や非鉄金属などの非樹脂製のシート材とすることが好ましい。また、非鉄金属である場合は、軽金属であるのが好ましい。特に、非鉄金属が軽金属であれば、軽量かつ高強度な筒状部材20となる。具体的には、純アルミニウムやMg、Cu、Zn、Si、Mn等を含むアルミニウム合金などのアルミニウム系金属や、純マグネシウムやZn、Al、Zr、Mn、Th、希土類元素等を含むマグネシウム合金などのマグネシウム系金属のほか、チタン系金属、リチウム系金属であってもよい。軸筒2の形成は、一定の面積のシート材にプレス加工や切削加工等により開口部21と切り欠き部22を形成した後、筒状部材20となるように両端を溶着又は接着する。その場合、図3に示されるようにシート部の端面同士が接合された接合部23が形成される。または、軸筒2は、開口部21を有するシート材からではなく、筒状に成形した後に穴開け加工により開口部21を形成して筒状部材20としてもよい。
【0023】
形成された軸筒2の肉厚は、全体として略均一の1mm未満である。特に0.1~0.5mmが好ましい。また、筒状部材20の表面に筆記時の把持性に悪影響を与えない程度の微細な凹凸を設けることが好ましい。微細な凹凸とは、平坦な底面を有する複数の凹溝が形成されており、各凹溝の溝幅を0.1~0.3mm、溝深さ0.1~0.3mmの範囲とし、凹溝のピッチは、0.2~0.8mmであり、凹溝を交差することにより格子状に形成することで、人の手指と軸筒2との間の滑りを少なくすることができる。なお、軸筒2と、先軸筒3及び後軸筒4との接続は、圧入、接着又は溶着によって行われる。
【0024】
図4は、図1の筆記具の先軸筒3の斜視図である。
【0025】
先軸筒3は、全体として筒状に形成される。先軸筒3は、軸筒2に取り付けられた状態で、前方側に配置されるより大径の鍔部31と、その後方に配置されるより小径の小径部32と、鍔部31の前方に配置される縮径された口先部33とを有している。軸筒2に取り付けられた状態で、鍔部31は軸筒2の外部に露出するのに対し、小径部32は軸筒2の前端部内に挿入される。鍔部31の先端部側の口先部33は、テーパ状に形成される。取り付けが完了した状態で、軸筒2の筒状部材20の前端は、鍔部31の後端面に当接する。
【0026】
小径部32の外周面は、取り付け位置で、圧入となるように軸筒2の筒状部材20の前端部の内周面より締まりばめの関係になる外径に形成される。また、小径部32は、その後端面から鍔部31の近傍まで軸線方向に延びる複数のスリット34によって分割された複数の突片35を有する。スリット34は、周方向に沿って均等に小径部32を分割する設定とすることが好ましい。また、スリット34は、3つ以上であることが好ましい。それによって画成される突片35も3つ以上となり、全方位からの径方向に加わる力に対する耐性が向上する。本実施形態では、先軸筒30は、3つのスリット34が形成され、それによって3つの突片35を有している。突片35の各々は、径方向に弾性変形可能である。また、後端面から小径部32にかけての外周面は、傾斜面36が形成され、筒状部材20への挿入性を向上させている。
【0027】
図5は、図1の筆記具の後軸筒4の斜視図である。
【0028】
後軸筒4は、軸筒2に取り付けられた状態で、後方に配置されるより大径の大径部41と、その前方に配置されるより小径の小径部42と、大径部41と一体となり外周側に突出したクリップ6と、を有している。軸筒2に取り付けられた状態で、大径部41は軸筒2の外部に露出するのに対し、小径部42は軸筒2の後端部内に挿入される。取り付けが完了した状態で、すなわち取り付け位置で、軸筒2の筒状部材20の後端面は、大径部41の前端面に当接する。
【0029】
小径部42の外周面は、取り付け位置で、圧入となるように軸筒2の筒状部材20の前端部の内周面より締まりばめの関係になる外径に形成される。また、小径部42は、その前端面から、筒状部材20への挿入性を向上させる傾斜面43を経由し、大径部41の近傍まで軸線方向に延びる複数のスリット44によって分割された複数の突片45を有する。スリット44は、周方向に沿って均等に小径部42を分割する設定とすることが好ましい。また、スリット44は、3つ以上であることが好ましい。それによって画成される突片45も3つ以上となり、全方位からの径方向に加わる力に対する耐性が向上する。本実施形態では、後軸筒4は、3つのスリット44が形成され、それによって3つの突片45を有している。突片45の各々は、径方向に弾性変形可能である。
【0030】
後軸筒4の内周面にはカム部4aが形成され、回転子8、操作部9との組み合わせによりノック機構として機能する。また、大径部41の前端部と小径部42の後端部側の外周面には、軸筒2との取り付け位置で筒状部材20の切り欠き部22と合わさる突出部46が形成されている。
【0031】
筆記リフィル5は、ボールペンチップである筆記部5aとインク収容管とインク収容管と接続する継手部材から構成される。インク収容管に収容されるインクは、インクの筆跡を摩擦熱等の熱により変色、消色する熱変色性インクである。熱変色性インクは、加熱により消色状態となる着色剤を二種以上含む組成物であって、JIS P3201筆記用紙に塗布したインクの熱消色時の残色が、筆記用紙との色差ΔE abで7以下であり、着色剤が異なる色相であり、且つ、二種類の消色温度T ,T(T <T)のいずれかからなり、JIS P3201筆記用紙に塗布したインクの色相と、T以上に加熱された直後の色相が異なり、T以上に加熱された直後の残色が、筆記用紙との色差ΔE abで7以下であり、前記着色剤が、消色温度T である低温消色側着色剤群Aと、消色温度T である高温消色側着色剤群Bからなり、低温消色側着色剤群A単独での消色時の紙面に対する残色ΔE ab(A)が、10以下であること、前記高温消色側着色剤群Bが、高温消色側着色剤群B単独での消色時の紙面に対する残色ΔE ab(B)が、10以下であること、前記低温消色側着色剤群Aと高温消色側着色剤群Bの消色温度差が5℃以上であること、前記低温消色側着色剤群Aが、着色剤全量中、70質量%以下であり、前記着色剤がインク組成物全量中10~40質量%の範囲で添加されること、前記着色剤が、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記(イ)、(ロ)の呈色反応をコントロールする反応媒体とからなる可逆熱変色性組成物をマイクロカプセルに内包させた可逆熱変色性顔料を含む組成物である。また、筆跡を摩擦熱で変色する摩擦部材を備え、摩擦部材が先軸筒3と操作部9の二種類の異なる材料からなり、紙面等との摩擦により、一方がTからTの範囲の摩擦熱を発し、他方がT以上の摩擦熱を発するものであることが好ましい。前述の熱変色性インクを用いることで、着色から別の着色、更に消色へ色変化する二段変色インクとなり、使用する着色剤の消色状態の色差に注目することで、複数種の着色剤を併用したインクであっても、筆跡消色時の残色が視認され難く、消色箇所への再筆記時に鮮明な筆跡が視認できる。
【0032】
具体的な成分の説明として、(イ)成分、即ち電子供与性呈色性有機化合物は、色を決める成分であって、顕色剤である(ロ)成分に電子を供与し、発色する化合物である。
前記電子供与性呈色性有機化合物としては、フタリド化合物、フルオラン化合物、スチリノキノリン化合物、ピリジン化合物、キナゾリン化合物、ビスキナゾリン化合物、ジアザローダミンラクトン化合物が挙げられ、そのうち、発色時に蛍光性を有するためには、ピリジン化合物、キナゾリン化合物、ビスキナゾリン化合物、ジアザローダミンラクトン系化合物が用いられ、ピリジン化合物が好適に用いられる。
前記ピリジン系化合物としては、
4-(4′-メチルベンジルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ジフェニル-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ジフェニル-4-(4′-N-フェニル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-メチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-エチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-プロピルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ブチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ペンチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘプチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-オクチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-メチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-エチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-プロピルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ブチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ペンチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘプチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-オクチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-メチルオキシフェニル)-4-(4′-N-フェニル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-エチルオキシフェニル)-4-(4′-N-フェニル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ブチルオキシフェニル)-4-(4′-N-フェニル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-N-フェニル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-オクチルオキシフェニル)-4-(4′-N-フェニル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-メチルオキシフェニル)-4-(4′-N-クロロエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-エチルオキシフェニル)-4-(4′-N-クロロエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ブチルオキシフェニル)-4-(4′-N-クロロエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-N-クロロエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-オクチルオキシフェニル)-4-(4′-N-クロロエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-メチルオキシフェニル)-4-(4′-N-エチルオキシエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-エチルオキシフェニル)-4-(4′-N-エチルオキシエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ブチルオキシフェニル)-4-(4′-N-エチルオキシエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-N-エチルオキシエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-オクチルオキシフェニル)-4-(4′-N-エチルオキシエチル-N-メチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-メチルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-エチルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ブチルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-オクチルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-メチルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-エチルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-プロピルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ブチルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ペンチルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-ヘプチルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′-オクチルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2´-ノニルオキシフェニル)-4-(4′-N-イソブチル-N-エチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(4′-メチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ジメチル-3,5-ビスカルボエトキシ-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2-(2′-オクチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-6-フェニル-ピリジン、
2,6-ジエチルオキシ-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン 4-(4-メチルオキシフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-フェニル-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-メチルフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,4,6-トリス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(2-クロロ-4-ジメチルアミノフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(3-ニトロフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-メチルオキシカルボニルフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-ジメチルアミノフェニル)-2,6-ビス(2-チエニル)-ピリジン、
4-(4-ジメチルアミノフェニル)-2,6-ビス(2-フリル)-ピリジン、
4-(2-クロロ-4-ジメチルアミノフェニル)-2,6-ビス(2-チエニル)-ピリジン、
4-〔4-(1-ピペリジニル)フェニル〕-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-モルホリノフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(9-ジュロリジニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-メチルフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-メチルオキシフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-メチルオキシフェニル)-2,6-ビス(4-モルホリノフェニル)-ピリジン、
4-(4-フルオロフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-N-オクチルオキシフェニル-N-メチルアミノ)-2,6-ジフェニルピリジン、
4-(4-クロロフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-ニトロフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-N-2-シアノエチル-N-メチルアミノフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(2,5-ジメチルオキシフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-ジエチルアミノフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-ビフェニルイル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-ピロリジニルフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-イソインドリニルフェニル)-2,6-ビス(4-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
4-(4-N-2-シアノエチル-N-メチルアミノフェニル)-2,6-ジフェニルピリジン、
4-(4-N-メチル-N-フェニルアミノフェニル)-2,6-ジフェニルピリジン、
4-(4-N-クロロエチル-N-メチルアミノフェニル)-2,6-ジフェニルピリジン、
4-(4-N-エチルオキシエチル-N-メチルアミノフェニル)-2,6-ジフェニルピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジメチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジエチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジプロピルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジブチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジペンチルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-ジメチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジメチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジエチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジプロピルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジブチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジペンチルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-ジエチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジメチルオキシフェニル)-4-(4′-ジプロピルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジエチルオキシフェニル)-4-(4′-ジプロピルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジプロピルオキシフェニル)-4-(4′-ジプロピルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジブチルオキシフェニル)-4-(4′-ジプロピルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジペンチルオキシフェニル)-4-(4′-ジプロピルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-ジプロピルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジメチルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジエチルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジプロピルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジブチルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジペンチルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
2,6-ビス(2′,4′-ジヘキシルオキシフェニル)-4-(4′-ジブチルアミノフェニル)-ピリジン、
等が挙げられる。
【0033】
前記キナゾリン系化合物としては、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-メチルオキシ-キナゾリン、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-フェニルオキシ-キナゾリン、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-(4′′-ニトロフェニルオキシ)-キナゾリン、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-フェニルチオ-キナゾリン、
2-(4′-N-フェニル-N-メチルアミノフェニル)-4-フェニルオキシ-キナゾリン、
2-(4′-ピペリジノフェニル)-4-フェノキシ-キナゾリン、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-(4′′-クロロフェニルオキシ)-キナゾリン、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-(4′′-メチルオキシフェニルオキシ)-キナゾリン、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-(N-フェニル-N-メチルアミノ)-キナゾリン、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-モルホリノ-キナゾリン、
2-(4′-ジエチルアミノフェニル)-4-フェニル-キナゾリン、
2-(4′-ジエチルアミノフェニル)-4-メチル-キナゾリン、
2-(1′-エチル-2′,2′,4′-トリメチル-テトラヒドロキノリン-6′-イル)-4-フェニルオキシ-キナゾリン、
2-(1′-エチル-2′,2′,4′-トリメチル-テトラヒドロキノリン-6′-イル)-4-メチルオキシ-キナゾリン、
2-(1′,2′,2′,4′-テトラメチル-テトラヒドロキノリン-6′-イル)-4-フェニルオキシ-キナゾリン、
2-(1′-エチル-2′-メチル-テトラヒドロキノリン-6′-イル)-4-フェニルオキシ-キナゾリン、
2-(1′,3′-ジメチルインドリン-5′-イル)-4-フェニルオキシ-キナゾリン、
2-(3′,4′-ジメチルベンゾモルホリン-7′-イル)-4-フェニルオキシ-キナゾリン、
2-(4′-ジエチルアミノフェニル)-4-(2′′-フェニルオキシエチルオキシ)-キナゾリン、
2-(4′-ジエチルアミノフェニル)-4-(2′′-N-フェニル-N-エチルアミノエチルオキシ)-キナゾリン、
2-(4′-ジメチルアミノフェニル)-4-(2′′-モルホリノエチルオキシ)-キナゾリン、
2-(4′-ジベンジルアミノフェニル)-4-(2′′-フェニルオキシエチルオキシ)-キナゾリン、
2-(4′-ジエチルアミノフェニル)-4-(2′′-フェニルオキシエチルチオ)-キナゾリン、
2-(4′-ジエチルアミノフェニル)-4-〔2′′-(1-ナフチルオキシ)エチルオキシ〕-キナゾリン、
2-(3′,4′-ジメチルベンゾモルホリン-7′-イル)-(2′′-フェニルオキシエチルオキシ)-キナゾリン、
等が挙げられる。
前記ビスキナゾリン系化合物としては、
4,4′-(エチレンジオキシ)-ビス〔2-(4-ジエチルアミノフェニル)-キナゾリン〕、
4,4′-〔プロピレンジオキシ(1,3)〕-ビス〔2-(4-ジエチルアミノフェニル)-キナゾリン〕、
4,4′-〔ブチレンジオキシ(1,3)〕-ビス〔2-(4-ジエチルアミノフェニル)-キナゾリン〕、
4,4′-〔ブチレンジオキシ(1,4)〕-ビス〔2-(4-ジエチルアミノフェニル)-キナゾリン〕、
4,4′-(オキシジエチレン)-ビス〔2-(4-ジエチルアミノフェニル)-キナゾリン〕、
4,4′-エチレン-ビス〔2-(4-ピペリジノフェニル)-キナゾリン〕、
4,4′-エチレン-ビス〔2-(4-ジ-n-プロピルアミノフェニル)-キナゾリン〕、
4,4′-(エチレンジオキシ)-ビス〔2-(4-ジ-n-ブチルアミノフェニル)-キナゾリン〕、
4,4′-シクロヘキシレン-ビス〔2-(4-ジエチルアミノフェニル)-キナゾリン〕、
等が挙げられる。
前記ジアザローダミンラクトン系化合物としては、
2-(ジメチルアミノ)-8-(ジメチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジエチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-プロピルアミノ)-8-(ジ-n-プロピルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジ-n-ブチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジメチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(N-エチル-N-i-ブチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(N-エチル-N-i-アミルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(N-エチル-N-n-ヘキシルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジ-n-アミルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(n-オクチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジメチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジエチルアミノ)-8-(ジメチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(モルホリノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ピペリジノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(N-メチルピペラジノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ピロリジノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジエチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-4′,5′,6′,7′-テトラクロロ-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジエチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジ-n-ブチルアミノ)-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(N-エチル-N-i-アミルアミノ)-8-(N-エチル-N-i-アミルアミノ)-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(N-エチル-N-i-アミルアミノ)-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ピペリジノ)-8-(エチルアミノ)-4-メチル-7-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-7-メチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-メチル-7-エチル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジ-n-ブチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(N-エチル-N-i-アミルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ピペリジノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(N-メチル-N-シクロヘキシルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジメチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(i-アミルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ピロリジノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(N-メチルピペラジノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(モルホリノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(N-メチル-N-ベンジルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-[ジ(2-メトキシエチル)アミノ]-8-(ジエチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-(4-メトキシフェニル)-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-d)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-(4-クロロフェニル)-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジ-n-ブチルアミノ)-8-(ジエチルアミノ)-4-(4-メチルフェニル)-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-[ジ(2-エトキシエチル)アミノ]-8-(ジメチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジエチルアミノ)-8-[(2-メチルフェニル)アミノ]-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(2,6-ジメチルモルホリノ)-8-(ジエチアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジシクロヘキシルアミノ)-8-(ジメチルアミノ)-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
2-(ジブチルアミノ)-8-[(4-クロロフェニル)アミノ]-4-フェニル-スピロ[5H-[1]ベンゾピラノ(2,3-g)ピリミジン-5,1′(3′H)-イソベンゾフラン]-3′-オン、
等が挙げられる。
【0034】
前記(ロ)成分の電子受容性化合物としては、活性プロトンを有する化合物群、偽酸性化合物群(酸ではないが、組成物中で酸として作用して成分(イ)を発色させる化合物群)、電子空孔を有する化合物群等がある。活性プロトンを有する化合物を例示すると、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノフェノール類からポリフェノール類があり、さらにその置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型、トリス型フェノール等、フェノール-アルデヒド縮合樹脂等を挙げることができる。又、前記フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩であってもよい。以下に具体例を挙げる。フェノール、o-クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n-オクチルフェノール、n-ドデシルフェノール、n-ステアリルフェノール、p-クロロフェノール、p-ブロモフェノール、o-フェニルフェノール、p-ヒドロキシ安息香酸n-ブチル、p-ヒドロキシ安息香酸n-オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)スルホン、4-ヒドロキシフェニル-4-イソプロポキシフェニルスルホン、4-ベンジルオキシフェニル-4-ヒドロキシフェニルスルホン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ヘプタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-オクタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ノナン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-デカン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ドデカン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルプロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-メチルブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-メチルペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2,3-ジメチルペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-エチルブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-エチルヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,7-ジメチルオクタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1-フェニル-1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ペンタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-へプタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-オクタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ノナン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-デカン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ドデカン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、1,3-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、ビス(2-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)ブタン、4-t-ブチル-2´,4´-ジヒドロキシベンゾフェノン等がある。前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有効な熱変色特性を発現させることができるが、芳香族カルボン酸及び炭素数2~5の脂肪族カルボン酸、カルボン酸金属塩、酸性リン酸エステル及びそれらの金属塩、1、2、3-トリアゾール及びその誘導体から選ばれる化合物等であってもよい。
【0035】
前記(イ)、(ロ)成分による電子授受反応を特定温度域において可逆的に生起させる反応媒体の(ハ)成分について説明する。前記(ハ)成分としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド類が挙げられる。前記化合物を用いてマイクロカプセル化及び二次加工に応用する場合は、低分子量のものは高熱処理を施すとカプセル外に蒸散するので、安定的にカプセル内に保持させるために炭素数10以上の化合物が好適に用いられる。
アルコール類としては、炭素数10以上の脂肪族一価の飽和アルコールが有効であり、具体的にはデシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、エイコシルアルコール、ドコシルアルコール等が挙げられる。
エステル類としては、炭素数10以上のエステル類が有効であり、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する一価カルボン酸と、脂肪族及び脂環或いは芳香環を有する多価アルコールの任意の組み合わせから得られるエステル類が挙げられ、具体的にはカプリル酸エチル、カプリル酸オクチル、カプリル酸ステアリル、カプリン酸ミリスチル、カプリン酸ドコシル、ラウリン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸n-デシル、ミリスチン酸3-メチルブチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸ネオペンチル、パルミチン酸ノニル、パルミチン酸シクロヘキシル、ステアリン酸n-ブチル、ステアリン酸2-メチルブチル、ステアリン酸3,5,5-トリメチルヘキシル、ステアリン酸n-ウンデシル、ステアリン酸ペンタデシル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸シクロヘキシルメチル、ベヘン酸イソプロピル、ベヘン酸ヘキシル、ベヘン酸ラウリル、ベヘン酸ベヘニル、安息香酸セチル、p-tert-ブチル安息香酸ステアリル、フタル酸ジミリスチル、フタル酸ジステアリル、シュウ酸ジミリスチル、シュウ酸ジセチル、マロン酸ジセチル、コハク酸ジラウリル、グルタル酸ジラウリル、アジピン酸ジウンデシル、アゼライン酸ジラウリル、セバシン酸ジ-(n-ノニル)、1,18-オクタデシルメチレンジカルボン酸ジネオペンチル、エチレングリコールジミリステート、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールジステアレート、ヘキシレングリコールジパルミテート、1,5-ペンタンジオールジステアレート、1,2,6-ヘキサントリオールトリミリステート、1,4-シクロヘキサンジオールジデシル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジミリステート、キシレングリコールジカプリネート、キシレングリコールジステアレート等が挙げられる。
又、飽和脂肪酸と分枝脂肪族アルコールのエステル、不飽和脂肪酸又は分枝もしくは置換基を有する飽和脂肪酸と分岐状であるか又は炭素数16以上の脂肪族アルコールのエステル、酪酸セチル、酪酸ステアリル及び酪酸ベヘニルから選ばれるエステル化合物も有効である。具体的には、酪酸2-エチルヘキシル、ベヘン酸2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-エチルヘキシル、カプリン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸3,5,5-トリメチルヘキシル、パルミチン酸3,5,5-トリメチルヘキシル、ステアリン酸3,5,5-トリメチルヘキシル、カプロン酸2-メチルブチル、カプリル酸2-メチルブチル、カプリン酸2-メチルブチル、パルミチン酸1-エチルプロピル、ステアリン酸1-エチルプロピル、ベヘン酸1-エチルプロピル、ラウリン酸1-エチルヘキシル、ミリスチン酸1-エチルヘキシル、パルミチン酸1-エチルヘキシル、カプロン酸2-メチルペンチル、カプリル酸2-メチルペンチル、カプリン酸2-メチルペンチル、ラウリン酸2-メチルペンチル、ステアリン酸2-メチルブチル、ステアリン酸2-メチルブチル、ステアリン酸3-メチルブチル、ステアリン酸1-メチルヘプチル、ベヘン酸2-メチルブチル、ベヘン酸3-メチルブチル、ステアリン酸1-メチルヘプチル、ベヘン酸1-メチルヘプチル、カプロン酸1-エチルペンチル、パルミチン酸1-エチルペンチル、ステアリン酸1-メチルプロピル、ステアリン酸1-メチルオクチル、ステアリン酸1-メチルヘキシル、ラウリン酸1,1-ジメチルプロピル、カプリン酸1-メチルペンチル、パルミチン酸2-メチルヘキシル、ステアリン酸2-メチルヘキシル、ベヘン酸2-メチルヘキシル、ラウリン酸3,7-ジメチルオクチル、ミリスチン酸3,7-ジメチルオクチル、パルミチン酸3,7-ジメチルオクチル、ステアリン酸3,7-ジメチルオクチル、ベヘン酸3,7-ジメチルオクチル、オレイン酸ステアリル、オレイン酸ベヘニル、リノール酸ステアリル、リノール酸ベヘニル、エルカ酸3,7-ジメチルオクチル、エルカ酸ステアリル、エルカ酸イソステアリル、イソステアリン酸セチル、イソステアリン酸ステアリル、12-ヒドロキシステアリン酸2-メチルペンチル、18-ブロモステアリン酸2-エチルヘキシル、2-ケトミリスチン酸イソステアリル、2-フルオロミリスチン酸2-エチルヘキシル、酪酸セチル、酪酸ステアリル、酪酸ベヘニル等が挙げられる。
【0036】
熱変色性インク組成物は、前述の(イ)、(ロ)、(ハ)成分を必須成分とする相溶体であり、各成分の割合は、濃度、変色温度、変色形態や各成分の種類に左右されるが、一般的に所望の特性が得られる成分比(質量部)は、(イ)成分1に対して、(ロ)成分0.1~100、好ましくは0.1~50、より好ましくは0.5~20、(ハ)成分5~200、好ましくは5~100、より好ましくは10~100の範囲である。
【0037】
更に、各種光安定剤を必要により添加することができる。
光安定剤は、(イ)、(ロ)、(ハ)成分からなる可逆熱変色性組成物の光劣化を防止するために含有され、(イ)成分1質量%に対して0.3~24質量%、好ましくは0.3~16質量%の割合で含有される。又、前記光安定剤のうち、紫外線吸収剤は、太陽光等に含まれる紫外線を効果的にカットして、(イ)成分の光反応による励起状態によって生ずる光劣化を防止する。又、酸化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消光剤等は光による酸化反応を抑制する。光安定剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
【0038】
前記可逆熱変色性組成物は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂中に分散したり、或いは、マイクロカプセルに内包することによって可逆熱変色性顔料として用いられる。
尚、マイクロカプセル化は、界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
マイクロカプセル顔料は、内包物/壁膜=7/1~1/1(質量比)の範囲であることが好ましく、壁膜の比率が前記範囲内にあることにより、発色時の色濃度及び鮮明性の低下を防止することができ、より好適には、内包物/壁膜=6/1~1/1(質量比)である。マイクロカプセルに内包させることにより、化学的、物理的に安定な顔料を構成でき、粒子径0.01~50μm、好ましくは0.1~30μm、より好ましくは0.5~20μmの範囲が実用性を満たす。尚、平均粒子径の測定は、マウンテック社製の画像解析式粒度分布測定ソフトウェア「マックビュー」を用いて粒子の領域を判定し、粒子の領域の面積から投影面積円相当径(Heywood径)を算出し、その値による等体積球相当の粒子の平均粒子径として測定した値である。また、全ての粒子或いは大部分の粒子の粒子径が0.2μmを超える場合には、粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製、製品名:Multisizer 4e)を用いてコールター法により等体積球相当の粒子の平均粒子径として測定することも可能である。
【0039】
一例として色相の異なる着色剤群A、Bにおける変化を説明する。便宜上、低温消色側着色剤群Aを可逆熱変色性顔料A、高温消色側着色剤群Bを可逆熱変色性顔料Bと呼ぶ。一方の可逆熱変色性顔料A(低温消色側着色剤群A)の完全消色温度(t)より高温側に他方の可逆熱変色性 30顔料B(高温消色側着色剤群B)の完全消色温度(t’ )を満たすため〔以下、可逆熱変色性顔料Aと区別するため可逆熱変色性顔料Bは(t’)と記載する〕、可逆熱変色性顔料A、Bが共に発色した着色の状態から昇温していき、完全消色温度(t)に達すると、可逆熱変色性顔料Aが消色して別の着色になり、完全消色温度(t’ )に達すると、可逆熱変色性顔料Bが消色するため、別の着色から消色への色変化が視認される。降温により完全発色温度(t =t’ )に達すると、可逆熱変色性顔料A及び可逆熱変色性顔料Bが発色して着色(1)に戻る。尚、非変色性の着色剤を添加することにより、着色(1)、着色(2)、着色(3)の色変化が視認され、三通りの筆跡が視認できるものとなる。可逆熱変色性顔料A(着色剤群A)の完全消色温度(t)(T)よりも5℃以上高温側に可逆熱変色性顔料B(着色剤群B)の完全消色温度(t’ )(T )を有することにより、色変化を明瞭に視認できる。更に、前記可逆熱変色性顔料Aの完全消色温度(t)よりも5~70℃高温側に可逆熱変色性顔料Bの完全消色温度(t’)を有することにより、色変化を発現させ易い。尚、後述する摩擦体によって生じる摩擦熱により変色させる場合は、前記可逆熱変色性顔料Aの完全消色温度(t)よりも15~40℃高温側に可逆熱変色性顔料Bの完全消色温度(t’)を有することにより、摩擦熱で色変化を発現させ易い。また、前記可逆熱変色性顔料Aの完全消色温度(t )が50℃以上、完全発色温度(t)が0℃以下であり、可逆熱変色性顔料Bの完全発色温度(t’)が0℃以下であることにより、変色した状態を常温下で保持させ易くなる。
【0040】
次に、前述の加熱により消色状態となる着色剤を含む熱変色性インク組成物について説明する。前記着色剤は、水及び/又は有機溶剤と必要により各種添加剤を含む筆記具用ビヒクル中に分散して筆記具用インクとして利用できる。前記各種添加剤としては、樹脂、粘度調整剤、分散剤、沈降防止剤、消泡剤、浸透剤、pH調整剤、保湿剤、防かび剤、防腐剤、防錆剤等が挙げられる。そのうち、筆記具用インクに用いられる筆記具用ビヒクルとしては、有機溶剤を含む油性ビヒクル、或いは、水と、必要により有機溶剤を含む水性ビヒクルが挙げられる。前記有機溶剤としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン等を挙げることができる。
【0041】
尚、熱変色性インクには、染料や顔料を併用することもできる。染料は、水性媒体に溶解可能な酸性染料、塩基性染料、直接染料が全て使用可能である。顔料は、カーボンブラック、群青、二酸化チタン顔料等の無機顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、スレン顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、スロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリノン系顔料等の有機顔料や蛍光顔料を例示できる。更に、アルミニウム粉やアルミニウム粉表面を着色樹脂で処理した金属顔料、透明又は着色透明フィルムに金属蒸着膜を形成した金属光沢顔料、蓄光性顔料、芯物質として天然雲母、合成雲母、ガラス片、アルミナ、透明性フィルム片の表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆したパール顔料等を用いることもできる。
【0042】
前記筆記具用インクとしては、ビヒクル中に剪断減粘性付与剤を含む剪断減粘性インク、ビヒクル中に水溶性高分子凝集剤を含み、顔料を緩やかな凝集状態に懸濁させた凝集性インクを挙げることができる。前記剪断減粘性付与剤を添加することにより、顔料の凝集、沈降を抑制することができると共に、筆跡の滲みを抑制することができるため、良好な筆跡を形成できる。更に、前記インクを充填する筆記具がボールペン形態の場合、不使用時のボールとチップの間隙からのインク漏れを防止したり、筆記先端部を上向き(正立状態)で放置した場合のインクの逆流を防止することができる。
【0043】
剪断減粘性付与剤としては、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100万乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万~15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8~12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類。N-アルキル-2-ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を例示できる。
【0044】
水溶性高分子凝集剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、水溶性多糖類等が挙げられる。前記水溶性多糖類としてはトラガントガム、グアーガム、プルラン、サイクロデキストリン、水溶性セルロース誘導体等が挙げられ、水溶性セルロース誘導体の具体例としてはメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。高分子凝集剤と共に、側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤を用いることにより、前記高分子凝集剤による着色剤(可逆熱変色性顔料)のゆるい凝集体の分散性を向上させることができる。
前記側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤としては、側鎖に複数のカルボキシル基を有する櫛型高分子化合物であれば特に限定されるものではないが、側鎖に複数のカルボキシル基を有するアクリル高分子化合物が好適である。
更に、有機窒素硫黄化合物を含有させることにより、インク組成物を筆記具に充填して実用に供する際、振動による着色剤の沈降をいっそう抑制させることができるため、マイクロカプセル形態である可逆熱変色性顔料の使用時に有利である。
これは、可逆熱変色性顔料のゆるい凝集体を側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤によって分散させる分散性をより向上させるものである。前記有機窒素硫黄化合物としては、チアゾール系化合物、イソチアゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾイソチアゾール系化合物から選ばれる化合物が用いられる。尚、前記側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤と、有機窒素硫黄化合物の質量比率は1:1~1:10、好ましくは1:1~1:5であり、前記範囲を満たすことにより、可逆熱変色性顔料のゆるい凝集体の分散性、及び、振動によるマイクロカプセル顔料の沈降抑制を十分に発現させることができる。更に、筆跡の紙面への固着性や粘性を付与するために適用される水溶性樹脂を添加すると、前述の側鎖にカルボキシル基を有する櫛型高分子分散剤と有機窒素硫黄化合物を含むインク中で前記着色剤の安定性を高める機能がいっそう向上する。前記水溶性樹脂としては、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。特にポリビニルアルコールは、けん化度が70~89モル%の部分けん化度型ポリビニルアルコールはインクが酸性域でも可溶性に富むため、より好適に用いられる。前記水溶性樹脂の添加量としては、インク中に0.3~3.0質量%の範囲で添加される。
【0045】
また、前記インクは、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等の潤滑剤を添加してボール受け座の摩耗を防止することが好ましい。その他、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等の樹脂を添加して紙面への固着性や粘性を付与したり、炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2-ベンズチアゾリン3-オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等のオリゴ糖類、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、消泡剤、分散剤、インクの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系の界面活性剤を添加してもよい。
【0046】
前記インクの全質量に対し、10~40質量%の可逆熱変色性顔料を含有することができる。顔料の含有量が上記の範囲であることにより、望ましい発色濃度が達成でき、インク流出性の低下も防止することができる。
【0047】
筆記リフィル5の熱変色性インクは、水と水溶性有機溶剤を含む水性媒体中、又は油性媒体中に、二種以上の消色性着色剤とともに、必要により各種添加剤を投入、攪拌して調製される。また、剪断減粘性を有するインクについては、水性媒体中に、二種以上の消色性着色剤、各種添加剤を投入して攪拌、溶解し、更に、これとは別に調製した溶媒中に剪断減粘性付与剤を分散した分散液、或いは、剪断減粘性付与剤を直接投入し、攪拌することにより調製される。
【0048】
図6は、図1の筆記具の分解組立図である。筆記具1において、先軸筒3は、軸筒2の前端部に取り付けられ、後軸筒4は、軸筒2の後端部に取り付けられている。筆記具1の組み立てについて説明する。筆記具1を組み立てるために、まず、先軸筒3を軸筒2の前端部に挿入する。
【0049】
先軸筒3の挿入は、突片35が径方向内側に弾性変形することによって容易に行うことが可能である。次に、軸筒2に先軸筒3が取り付けられた状態で、軸筒2の後方から筆記リフィル5とスプリング7を軸筒2内に挿入する。
【0050】
次に、軸筒2の後方から、回転子8と操作部9と後軸筒4とを順に軸筒2内に挿入する。後軸筒4は、先軸筒3を軸筒2の前端部に挿入する場合と同様に、突片45が径方向内側に弾性変形することによって容易に行うことが可能である。後軸筒4のクリップ下部に形成された突出部46によって軸筒2に形成された切り欠き部22と合わさり位置決めと圧入により取り付けが完了し、全体の組み立ても完了する。なお、軸筒2と先軸筒3と後軸筒4との取り付けは、圧入の代わりに接着剤を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
上述した実施形態では、ノック式ボールペンの軸筒を用いて本発明の一態様を説明してきたが、本発明を、キャップやグリップの筒状部材に適用してもよい。また、上述した実施形態では、ノック式ボールペンを用いて本発明の一態様を説明してきたが、本発明を、マーキングペン、万年筆等に適用してもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 筆記具
2 軸筒(筒状部材)
3 先軸筒
4 後軸筒
5 筆記リフィル
6 クリップ
7 スプリング
8 回転子
9 操作部

図1
図2
図3
図4
図5
図6