(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】バッテリ固定構造
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20231120BHJP
B62D 21/02 20060101ALI20231120BHJP
H01M 50/20 20210101ALI20231120BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B62D21/02 Z
H01M50/20
(21)【出願番号】P 2020054017
(22)【出願日】2020-03-25
【審査請求日】2022-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133064
【氏名又は名称】大野 新
(72)【発明者】
【氏名】目黒 淳
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-108956(JP,A)
【文献】特開2010-254110(JP,A)
【文献】特開2011-116243(JP,A)
【文献】特開2006-182099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 1/04
B62D 21/02
B60R 16/04
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の下部の骨格を形成する下部フレームと、
バッテリと、
下部フレームに設けられて前記バッテリの下面を支持する支持部と、
前記支持部に前記バッテリを固定する固定部と、
を備え、
前記下部フレームは、前記下部フレームの前後方向に延在する一対のサイドメンバと、前記一対のサイドメンバを前記下部フレームの前方で互いに連結するフロントクロスメンバと、前記一対のサイドメンバを前記下部フレームの後方で互いに連結するリアクロスメンバとを有し、
前記支持部は、前記フロントクロスメンバの中央部と前記リアクロスメンバの中央部との間に配置された第一支持部と、前記一対のサイドメンバの内側に配置された一対の第二支持部と、を有し、
前記下部フレームに衝撃が加わったときに、前記固定部は、前記支持部への前記バッテリの固定を解除し、
前記下部フレームに衝撃が加わり、前記固定部により前記支持部への前記バッテリの固定が解除されたときに、前記支持部は、前記バッテリが前記支持部の上を摺動してから停止するまで前記バッテリの前記下面を支持し、
前記下部フレームに衝撃が加わり、前記固定部により前記支持部への前記バッテリの固定が解除されたときに前記支持部により前記下面を支持された前記バッテリが前記支持部の上を摺動する方向に対して、前記バッテリは前記下部フレームとの間に空間を隔てつつ前記固定部により前記支持部に固定されている、バッテリ固定構造。
【請求項2】
前記下部フレームに衝撃が加わり、前記固定部により前記支持部への前記バッテリの固定が解除され、前記支持部により前記下面を支持されつつ摺動した前記バッテリの摺動を停止させる停止部をさらに備えた、請求項1に記載のバッテリ固定構造。
【請求項3】
前記停止部は、摺動した前記バッテリとの当接の衝撃を緩衝しつつ前記バッテリの摺動を停止させる緩衝部を有する、請求項2に記載のバッテリ固定構造。
【請求項4】
前記下部フレームに衝撃が加わり、前記固定部により前記支持部への前記バッテリの固定が解除され、前記支持部により前記下面を支持された前記バッテリが前記支持部の上を摺動するときに、前記バッテリの前記下面と前記支持部との間に摩擦力を生じさせる摩擦部をさらに備え、
前記摩擦部は、前記支持部の上面に設けられたゴムである、請求項1~3のいずれか1項に記載のバッテリ固定構造。
【請求項5】
前記下部フレームに衝撃が加わり、前記固定部により前記支持部への前記バッテリの固定が解除され、前記支持部により前記下面を支持された前記バッテリが前記支持部の上を摺動するときに、前記バッテリの上方への移動を制限する上方移動制限部をさらに備えた、請求項1~4のいずれか1項に記載のバッテリ固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車等の自動車にバッテリを固定するためのバッテリ固定構造が提案されている。例えば、特許文献1には、車両後方からの後続車両の衝突時において、車両のクロスメンバに固定されたバッテリが前方に移動してから、クロスメンバから離脱することにより、衝突時のバッテリの破損の可能性を低減するバッテリ固定構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような技術では、単にバッテリの破損の可能性を低減するだけではなく、衝突時にバッテリの路面への落下の可能性を低減しつつ、バッテリの破損の可能性を低減することが望まれている。
【0005】
そこで本発明は、衝突時において、バッテリの路面への落下の可能性を低減しつつ、バッテリの破損の可能性を低減できるバッテリ固定構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、自動車の下部の骨格を形成する下部フレームと、バッテリと、下部フレームに設けられてバッテリの下面を支持する支持部と、支持部にバッテリを固定する固定部とを備え、下部フレームに衝撃が加わったときに、固定部は、支持部へのバッテリの固定を解除し、下部フレームに衝撃が加わり、固定部により支持部へのバッテリの固定が解除されたときに、支持部は、バッテリが支持部の上を摺動してから停止するまでバッテリの下面を支持するバッテリ固定構造である。
【0007】
この構成によれば、バッテリ固定構造において、自動車の下部の骨格を形成する下部フレームと、バッテリと、下部フレームに設けられてバッテリの下面を支持する支持部と、支持部にバッテリを固定する固定部とを備え、下部フレームに衝撃が加わったときに、固定部は、支持部へのバッテリの固定を解除し、下部フレームに衝撃が加わり、固定部により支持部へのバッテリの固定が解除されたときに、支持部は、バッテリが支持部の上を摺動してから停止するまでバッテリの下面を支持するため、衝突時において、バッテリの路面への落下の可能性を低減しつつ、バッテリの破損の可能性を低減できる。
【0008】
この場合、下部フレームに衝撃が加わり、固定部により支持部へのバッテリの固定が解除されたときに支持部により下面を支持されたバッテリが支持部の上を摺動する方向に対して、バッテリは下部フレームとの間に空間を隔てつつ固定部により支持部に固定されていることが好適である。
【0009】
この構成によれば、下部フレームに衝撃が加わり、固定部により支持部へのバッテリの固定が解除されたときに支持部により下面を支持されたバッテリが支持部の上を摺動する方向に対して、バッテリは下部フレームとの間に空間を隔てつつ固定部により支持部に固定されているため、バッテリは当該空間に向って摺動することができ、バッテリの破損の可能性をより低減できる。
【0010】
また、下部フレームに衝撃が加わり、固定部により支持部へのバッテリの固定が解除され、支持部により下面を支持されつつ摺動したバッテリの摺動を停止させる停止部をさらに備えることが好適である。
【0011】
この構成によれば、下部フレームに衝撃が加わり、固定部により支持部へのバッテリの固定が解除され、支持部により下面を支持されつつ摺動したバッテリの摺動が停止部により停止させられるため、停止部によりバッテリの摺動を制限することによって、バッテリの路面への落下の可能性をより低減しつつ、バッテリの破損の可能性をより低減できる。
【0012】
この場合、停止部は、摺動したバッテリとの当接の衝撃を緩衝しつつバッテリの摺動を停止させる緩衝部を有することが好適である。
【0013】
この構成によれば、停止部の緩衝部により、摺動したバッテリとの当接の衝撃が緩衝されつつバッテリの摺動が停止させられるため、バッテリの破損の可能性をさらに低減できる。
【0014】
また、下部フレームに衝撃が加わり、固定部により支持部へのバッテリの固定が解除され、支持部により下面を支持されたバッテリが支持部の上を摺動するときに、バッテリの下面と支持部との間に摩擦力を生じさせる摩擦部をさらに備えることが好適である。
【0015】
この構成によれば、下部フレームに衝撃が加わり、固定部により支持部へのバッテリの固定が解除され、支持部により下面を支持されたバッテリが支持部の上を摺動するときに、摩擦部によりバッテリの下面と支持部との間に摩擦力が生じるため、当該摩擦力により、バッテリの摺動の速度を減少させ、バッテリに伝わる衝撃を低減することによって、バッテリの路面への落下の可能性をより低減しつつ、バッテリの破損の可能性をより低減できる。
【0016】
また、下部フレームに衝撃が加わり、固定部により支持部へのバッテリの固定が解除され、支持部により下面を支持されたバッテリが支持部の上を摺動するときに、バッテリの上方への移動を制限する上方移動制限部をさらに備えることが好適である。
【0017】
この構成によれば、下部フレームに衝撃が加わり、固定部により支持部へのバッテリの固定が解除され、支持部により下面を支持されたバッテリが支持部の上を摺動するときに、上方移動制限部により、バッテリの上方への移動が制限されるため、バッテリの路面への落下の可能性をより低減できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のバッテリ固定構造によれば、衝突時において、バッテリの路面への落下の可能性を低減しつつ、バッテリの破損の可能性を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係るバッテリ固定構造が適用された自動車を示す側面図である。
【
図2】実施形態に係るバッテリ固定構造を示す斜視図である。
【
図3】(A)は実施形態に係るバッテリ固定構造を示す平面図であり、(B)は実施形態に係るバッテリ固定構造を示す底面図であり、(C)は実施形態に係るバッテリ固定構造を示す側面図である。
【
図4】実施形態に係るバッテリ固定構造の下部フレームに衝撃が加わったときの状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係るバッテリ固定構造について、図面を用いて詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態のバッテリ固定構造1は、例えば、電気自動車である自動車100に適用される。自動車100は、例えば、貨物自動車である。バッテリ固定構造1は、自動車100の下部の骨格を形成する下部フレーム2を備える。下部フレーム2には、前輪101及び後輪102が配置される。バッテリ固定構造1は、後述する上方移動制限部103としてのフロアパネル及び荷台等の上部構造物が下部フレーム2の上に配置されている。
【0021】
図2に示されるように、下部フレーム2は、下部フレーム2の前後方向に延在する一対のサイドメンバ2sと、1対のサイドメンバ2sを下部フレーム2の前方で互いに連結するフロントクロスメンバ2fと、1対のサイドメンバ2sを下部フレーム2の後方で互いに連結するリアクロスメンバ2rとを有する。下部フレーム2のサイドメンバ2s、フロントクロスメンバ2f及びリアクロスメンバ2rを互いに連結する各部のボルト等の締結要素の強度は最適化され、下部フレーム2に衝撃が加わったときに折れ、下部フレーム2の変形が局所的になるようにされている。なお、
図2は、自動車100から上方移動制限部103等の上部構造物を除去した状態を示す。
【0022】
バッテリ固定構造1は、バッテリ3を備える。バッテリ3は、バッテリ3に蓄電された電力により、前輪101に回転軸を連結されたモータジェネレータ104を駆動する。また、バッテリ3は、前輪101に回転軸を連結されたモータジェネレータ104の回生電力によって蓄電される。本実施形態では、一対のバッテリ3が下部フレーム2の幅方向に隣接して配置され、一対のサイドメンバ2s、フロントクロスメンバ2f及びリアクロスメンバ2rに囲繞されている。
【0023】
図3(A)及び
図3(B)に示されるように、バッテリ固定構造1は、下部フレーム2に設けられてバッテリ3の下面3sを支持する支持部4,5を備える。なお、
図3(A)及び
図3(B)においては、前輪101、後輪102、上方移動制限部103及びモータジェネレータ104の図示は省略され、
図3(C)においては、前輪101、後輪102及びモータジェネレータ104の図示は省略される。
【0024】
本実施形態では、フロントクロスメンバ2fの中央部とリアクロスメンバ2rの中央部との間に、センターレールとしての支持部4が配置されている。支持部4は、下部フレーム2の幅方向において、フロントクロスメンバ2f及びリアクロスメンバ2rの下部フレーム2の幅方向の長さの1/6以上の幅を有する。一対のサイドメンバ2sの内側には、サイドレールとしての支持部5が配置されている。支持部5は、下部フレーム2の幅方向において、フロントクロスメンバ2f及びリアクロスメンバ2rの下部フレーム2の幅方向の長さの1/12以上の幅を有する。
【0025】
バッテリ固定構造1は、支持部4,5にバッテリ3を固定する固定部6を備える。固定部6は、具体的には、ボルト又はピン等により構成されている。後述するように、下部フレーム2に衝撃が加わったときに、固定部6は、ボルト又はピンが破断することによって、支持部4,5へのバッテリ3の固定を解除する。下部フレーム2に衝撃が加わり、固定部6により支持部4,5へのバッテリ3の固定が解除されたときに、支持部4,5は、バッテリ3が支持部4,5の上を摺動してから停止するまでバッテリ3の下面3sを支持する。
【0026】
下部フレーム2に衝撃が加わり、固定部6により支持部4,5へのバッテリ3の固定が解除されたときに支持部4,5により下面3sを支持されたバッテリ3が支持部4,5の上を摺動する方向に対して、バッテリ3は下部フレーム2との間に空間7を隔てつつ固定部6により支持部4,5に固定されている。本実施形態では、自動車100が走行中における下部フレーム2の前方からの衝撃を想定して、バッテリ3は下部フレーム2のフロントクロスメンバ2fとの間に空間7を隔てつつ固定部6により支持部4,5に固定されている。
【0027】
バッテリ固定構造1は、下部フレーム2に衝撃が加わり、固定部6により支持部4,5へのバッテリ3の固定が解除され、支持部4,5により下面3sを支持されつつ摺動したバッテリ3の摺動を停止させる停止部8を備える。本実施形態では、フロントクロスメンバ2fのバッテリ3に対向する面が停止部8として機能する。停止部8は、摺動したバッテリ3との当接の衝撃を緩衝しつつバッテリ3の摺動を停止させる緩衝部9を有する。緩衝部9は、具体的には、例えば、ゴム、スポンジ等の弾性率の低い材質で形成され、停止部8を覆う板状の部材である。
【0028】
バッテリ固定構造1は、下部フレーム2に衝撃が加わり、固定部6により支持部4,5へのバッテリ3の固定が解除され、支持部4,5により下面3sを支持されたバッテリ3が支持部4,5の上を摺動するときに、バッテリ3の下面3sと支持部4,5との間に摩擦力を生じさせる摩擦部10を備える。摩擦部10は、具体的には、例えば、バッテリ3の下面3sと支持部4,5との間の動摩擦係数を高めるために支持部4,5の上面に設けられたゴム等による被覆部又は粗面化部である。
【0029】
摩擦部10は、支持部4,5の上面の全部ではなく、支持部4,5の上面における停止部8に近い側に部分的に設けられ、バッテリ3の摺動の後半にバッテリ3の下面3sと支持部4,5との間に摩擦力を生じさせることにより、バッテリ3の摺動を抑制し、バッテリ3への衝撃を低減してもよい。空間7、停止部8、緩衝部9及び摩擦部10の形状、配置、材質及び数量は、想定される下部フレーム2への衝撃の強度に対して、バッテリ3の破損の可能性を低減するように適宜設定される。
【0030】
図3(C)に示されるように、バッテリ固定構造1は、下部フレーム2に衝撃が加わり、固定部6により支持部4,5へのバッテリ3の固定が解除され、支持部4,5により下面3sを支持されたバッテリ3が支持部4,5の上を摺動するときに、バッテリ3の上方への移動を制限する上方移動制限部103を備える。本実施形態では、下部フレーム2の上に配置されたフロアパネル及び荷台等の上部構造物が上方移動制限部103として機能する。
【0031】
図4に示されるように、本実施形態によれば、バッテリ固定構造1において、自動車100の下部の骨格を形成する下部フレーム2と、バッテリ3と、下部フレーム2に設けられてバッテリ3の下面3sを支持する支持部4,5と、支持部4,5にバッテリ3を固定する固定部6とを備え、下部フレーム2に衝撃Fが加わったときに、固定部6は、支持部4,5へのバッテリ3の固定を解除し、下部フレーム2に衝撃Fが加わり、固定部6により支持部4,5へのバッテリ3の固定が解除されたときに、支持部4,5は、バッテリ3が支持部4,5の上を摺動してから停止するまでバッテリ3の下面3sを支持するため、衝突時において、バッテリ3の路面への落下の可能性を低減しつつ、バッテリ3の破損の可能性を低減できる。
【0032】
つまり、ボルト等の固定部6の強度が過大であると、衝撃Fで変形する際に、下部フレーム2とバッテリ3とが干渉し、バッテリ3を破損させる可能性がある。一方、本実施形態では、ボルト等の固定部6の強度の最適化により、固定部6は支持部4,5へのバッテリ3の固定を解除し、バッテリ3は支持部4,5の上を摺動するため、バッテリ3に伝わる衝撃が緩和され、衝撃によるバッテリ3の破損の可能性が低減される。また、本実施形態では、下部フレーム2とバッテリ3とが干渉することによるバッテリ3の破損の可能性が低減される。さらに、本実施形態では、下部フレーム2の各部のボルト等の締結要素の強度の最適化により、下部フレーム2の各部のボルト等の締結要素が衝撃Fにより折れるため、下部フレーム2の変形が局所的になり、下部フレーム2とバッテリ3との干渉を回避できる。
【0033】
また、本実施形態によれば、下部フレーム2に衝撃Fが加わり、固定部6により支持部4,5へのバッテリ3の固定が解除されたときに支持部4,5により下面3sを支持されたバッテリ3が支持部4,5の上を摺動する方向に対して、バッテリ3は下部フレーム2との間に空間7を隔てつつ固定部6により支持部4,5に固定されているため、バッテリ3は空間7に向って摺動することができ、バッテリ3の破損の可能性をより低減できる。
【0034】
また、本実施形態によれば、下部フレーム2に衝撃Fが加わり、固定部6により支持部4,5へのバッテリ3の固定が解除され、支持部4,5により下面3sを支持されつつ摺動したバッテリ3の摺動が停止部8により停止させられるため、停止部8によりバッテリ3の摺動を制限することによって、バッテリ3の路面への落下の可能性をより低減しつつ、バッテリ3の破損の可能性をより低減できる。
【0035】
また、本実施形態によれば、停止部8の緩衝部9により、摺動したバッテリ3との当接の衝撃が緩衝されつつバッテリ3の摺動が停止させられるため、バッテリ3の破損の可能性をさらに低減できる。
【0036】
また、本実施形態によれば、下部フレーム2に衝撃Fが加わり、固定部6により支持部4,5へのバッテリ3の固定が解除され、支持部4,5により下面3sを支持されたバッテリ3が支持部4,5の上を摺動するときに、摩擦部10によりバッテリ3の下面3sと支持部4,5との間に摩擦力が生じるため、当該摩擦力により、バッテリ3の摺動の速度を減少させ、バッテリ3に伝わる衝撃を低減することによって、バッテリ3の路面への落下の可能性をより低減しつつ、バッテリ3の破損の可能性をより低減できる。
【0037】
また、本実施形態によれば、下部フレーム2に衝撃Fが加わり、固定部6により支持部4,5へのバッテリ3の固定が解除され、支持部4,5により下面3sを支持されたバッテリ3が支持部4,5の上を摺動するときに、上方移動制限部103により、バッテリ3の上方への移動が制限されるため、バッテリ3の路面への落下の可能性をより低減できる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく様々な形態で実施される。例えば、支持部4,5、固定部6、空間7、停止部8、緩衝部9、摩擦部10及び上方移動制限部103の形状、配置、材質及び数量は、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0039】
1…バッテリ固定構造、2…下部フレーム、2f…フロントクロスメンバ、2r…リアクロスメンバ、2s…サイドメンバ、3…バッテリ、3s…下面、4,5…支持部、6…固定部、7…空間、8…停止部、9…緩衝部、10…摩擦部、100…自動車、101…前輪、102…後輪、103…上方移動制限部、104…モータジェネレータ、F…衝撃。