(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 28/02 20090101AFI20231120BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20231120BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20231120BHJP
【FI】
H04W28/02
H04W84/18
H04W76/10 110
(21)【出願番号】P 2020153439
(22)【出願日】2020-09-14
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐古田 健志
(72)【発明者】
【氏名】田中 康之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 俊夫
【審査官】久松 和之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-030210(JP,A)
【文献】特開2015-070573(JP,A)
【文献】特開2003-124963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集する収集部と、
前記転送負荷情報に基づいて、転送判定対象のパケットの転送優先度を決定する決定部と、
前記転送判定対象のパケットを、前記転送優先度が高いほど早く転送するように転送制御する転送制御部と、
前記転送判定対象のパケットの転送を行う場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信する送信制御部と、
を備え、
前記収集部は、自装置のパケット送信回数を所定の期間でカウントして、前記パケット送信回数を前記転送負荷情報として収集し、
前記決定部は、前記パケット送信回数が多いほど、前記転送優先度を低く決定する、
無線通信装置。
【請求項2】
無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集する収集部と、
前記転送負荷情報に基づいて、転送判定対象のパケットの転送優先度を決定する決定部と、
前記転送判定対象のパケットを、前記転送優先度が高いほど早く転送するように転送制御する転送制御部と、
前記転送判定対象のパケットの転送を行う場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信する送信制御部と、を備え、
前記収集部は、他の無線通信装置から受信されたパケットのパケット転送回数を所定の期間でカウントして、前記パケット転送回数を前記転送負荷情報として収集し、
前記決定部は、前記パケット転送回数が多いほど、前記転送優先度を低く決定する、
無線通信装置。
【請求項3】
無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集する収集部と、
前記転送負荷情報に基づいて、転送判定対象のパケットの転送優先度を決定する決定部と、
前記転送判定対象のパケットを、前記転送優先度が高いほど早く転送するように転送制御する転送制御部と、
前記転送判定対象のパケットの転送を行う場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信する送信制御部と、を備え、
前記収集部は、自装置の子ノードの数を前記転送負荷情報として収集し、
前記決定部は、前記子ノードの数に基づいて、前記転送優先度を決定し、前記子ノードの数が多いほど、または前記子ノードの数が増加しているほど、前記転送優先度を低く決定する、
無線通信装置。
【請求項4】
無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集する収集部と、
前記転送負荷情報に基づいて、転送判定対象のパケットの転送優先度を決定する決定部と、
前記転送判定対象のパケットを、前記転送優先度が高いほど早く転送するように転送制御する転送制御部と、
前記転送判定対象のパケットの転送を行う場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信する送信制御部と、を備え、
前記収集部は、自装置の受信タイミングを示す受信スロットの数を前記転送負荷情報として収集し、
前記決定部は、前記受信スロットの数に基づいて、前記転送優先度を決定し、前記受信スロットの数が多いほど、または前記受信スロットの数が増加しているほど、前記転送優先度を低く決定する、
無線通信装置。
【請求項5】
前記転送判定対象のパケットは、所定の通信方向にマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信されるパケットである、
請求項1
乃至4のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記転送制御部は、前記転送優先度が低いほど、前記転送判定対象のパケットの転送を待機し、前記転送判定対象のパケットの転送待機中に受信された、前記転送判定対象のパケットと同一のパケットの数が、閾値より小さいか否かを判定し、
前記送信制御部は、前記同一のパケットの数が閾値より小さい場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信する、
請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記送信制御部は、一定時間以内に送信するパケットを、送信時間制限に基づいて制限する、
請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項8】
複数の無線通信装置により構成される無線マルチホップネットワークの無線通信システムであって、
前記無線通信装置は、
前記無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集する収集部と、
転送判定対象のパケットであるか否かを判定する転送制御部と、
前記転送負荷情報に基づいて、前記転送判定対象のパケットの転送優先度を決定する決定部と、
前記転送判定対象のパケットの転送を行う場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信する送信制御部と、を備
え、
前記収集部は、前記無線通信装置のパケット送信回数を所定の期間でカウントして、前記パケット送信回数を前記転送負荷情報として収集し、
前記決定部は、前記パケット送信回数が多いほど、前記転送優先度を低く決定する、
無線通信システム。
【請求項9】
複数の無線通信装置により構成される無線マルチホップネットワークの無線通信システムであって、
前記無線通信装置は、
前記無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集する収集部と、
転送判定対象のパケットであるか否かを判定する転送制御部と、
前記転送負荷情報に基づいて、前記転送判定対象のパケットの転送優先度を決定する決定部と、
前記転送判定対象のパケットの転送を行う場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信する送信制御部と、を備え、
前記収集部は、他の無線通信装置から受信されたパケットのパケット転送回数を所定の期間でカウントして、前記パケット転送回数を前記転送負荷情報として収集し、
前記決定部は、前記パケット転送回数が多いほど、前記転送優先度を低く決定する、
無線通信システム。
【請求項10】
複数の無線通信装置により構成される無線マルチホップネットワークの無線通信システムであって、
前記無線通信装置は、
前記無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集する収集部と、
転送判定対象のパケットであるか否かを判定する転送制御部と、
前記転送負荷情報に基づいて、前記転送判定対象のパケットの転送優先度を決定する決定部と、
前記転送判定対象のパケットの転送を行う場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信する送信制御部と、を備え、
前記収集部は、前記無線通信装置の子ノードの数を前記転送負荷情報として収集し、
前記決定部は、前記子ノードの数に基づいて、前記転送優先度を決定し、前記子ノードの数が多いほど、または前記子ノードの数が増加しているほど、前記転送優先度を低く決定する、
無線通信システム。
【請求項11】
複数の無線通信装置により構成される無線マルチホップネットワークの無線通信システムであって、
前記無線通信装置は、
前記無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集する収集部と、
転送判定対象のパケットであるか否かを判定する転送制御部と、
前記転送負荷情報に基づいて、前記転送判定対象のパケットの転送優先度を決定する決定部と、
前記転送判定対象のパケットの転送を行う場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信する送信制御部と、を備え、
前記収集部は、前記無線通信装置の受信タイミングを示す受信スロットの数を前記転送負荷情報として収集し、
前記決定部は、前記受信スロットの数に基づいて、前記転送優先度を決定し、前記受信スロットの数が多いほど、または前記受信スロットの数が増加しているほど、前記転送優先度を低く決定する、
無線通信システム。
【請求項12】
無線通信装置が、無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集するステップと、
前記無線通信装置が、転送判定対象のパケットであるか否かを判定するステップと、
前記無線通信装置が、前記転送負荷情報に基づいて、前記転送判定対象のパケットの転送優先度を決定するステップと、
前記無線通信装置が、前記転送判定対象のパケットの転送を行う場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信するステップと、
を含み、
前記収集するステップは、前記無線通信装置のパケット送信回数を所定の期間でカウントして、前記パケット送信回数を前記転送負荷情報として収集し、
前記決定するステップは、前記パケット送信回数が多いほど、前記転送優先度を低く決定する、
無線通信方法。
【請求項13】
無線通信装置が、無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集するステップと、
前記無線通信装置が、転送判定対象のパケットであるか否かを判定するステップと、
前記無線通信装置が、前記転送負荷情報に基づいて、前記転送判定対象のパケットの転送優先度を決定するステップと、
前記無線通信装置が、前記転送判定対象のパケットの転送を行う場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信するステップと、を含み、
前記収集するステップは、他の無線通信装置から受信されたパケットのパケット転送回数を所定の期間でカウントして、前記パケット転送回数を前記転送負荷情報として収集し、
前記決定するステップは、前記パケット転送回数が多いほど、前記転送優先度を低く決定する、
無線通信方法。
【請求項14】
無線通信装置が、無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集するステップと、
前記無線通信装置が、転送判定対象のパケットであるか否かを判定するステップと、
前記無線通信装置が、前記転送負荷情報に基づいて、前記転送判定対象のパケットの転送優先度を決定するステップと、
前記無線通信装置が、前記転送判定対象のパケットの転送を行う場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信するステップと、を含み、
前記収集するステップは、前記無線通信装置の子ノードの数を前記転送負荷情報として収集し、
前記決定するステップは、前記子ノードの数に基づいて、前記転送優先度を決定し、前記子ノードの数が多いほど、または前記子ノードの数が増加しているほど、前記転送優先度を低く決定する、
無線通信方法。
【請求項15】
無線通信装置が、無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集するステップと、
前記無線通信装置が、転送判定対象のパケットであるか否かを判定するステップと、
前記無線通信装置が、前記転送負荷情報に基づいて、前記転送判定対象のパケットの転送優先度を決定するステップと、
前記無線通信装置が、前記転送判定対象のパケットの転送を行う場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信するステップと、を含み、
前記収集するステップは、前記無線通信装置の受信タイミングを示す受信スロットの数を前記転送負荷情報として収集し、
前記決定するステップは、前記受信スロットの数に基づいて、前記転送優先度を決定し、前記受信スロットの数が多いほど、または前記受信スロットの数が増加しているほど、前記転送優先度を低く決定する、
無線通信方法。
【請求項16】
コンピュータを、
無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集する収集部と、
転送判定対象のパケットであるか否かを判定する転送制御部と、
前記転送負荷情報に基づいて、前記転送判定対象のパケットの転送優先度を決定する決定部と、
前記転送判定対象のパケットの転送を行う場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信する送信制御部、
として機能させ、
前記収集部は、前記コンピュータのパケット送信回数を所定の期間でカウントして、前記パケット送信回数を前記転送負荷情報として収集し、
前記決定部は、前記パケット送信回数が多いほど、前記転送優先度を低く決定する、
プログラム。
【請求項17】
コンピュータを、
無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集する収集部と、
転送判定対象のパケットであるか否かを判定する転送制御部と、
前記転送負荷情報に基づいて、前記転送判定対象のパケットの転送優先度を決定する決定部と、
前記転送判定対象のパケットの転送を行う場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信する送信制御部、として機能させ、
前記収集部は、他の無線通信装置から受信されたパケットのパケット転送回数を所定の期間でカウントして、前記パケット転送回数を前記転送負荷情報として収集し、
前記決定部は、前記パケット転送回数が多いほど、前記転送優先度を低く決定する、
プログラム。
【請求項18】
コンピュータを、
無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集する収集部と、
転送判定対象のパケットであるか否かを判定する転送制御部と、
前記転送負荷情報に基づいて、前記転送判定対象のパケットの転送優先度を決定する決定部と、
前記転送判定対象のパケットの転送を行う場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信する送信制御部、として機能させ、
前記収集部は、前記コンピュータの子ノードの数を前記転送負荷情報として収集し、
前記決定部は、前記子ノードの数に基づいて、前記転送優先度を決定し、前記子ノードの数が多いほど、または前記子ノードの数が増加しているほど、前記転送優先度を低く決定する、
プログラム。
【請求項19】
コンピュータを、
無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集する収集部と、
転送判定対象のパケットであるか否かを判定する転送制御部と、
前記転送負荷情報に基づいて、前記転送判定対象のパケットの転送優先度を決定する決定部と、
前記転送判定対象のパケットの転送を行う場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信する送信制御部、として機能させ、
前記収集部は、前記コンピュータの受信タイミングを示す受信スロットの数を前記転送負荷情報として収集し、
前記決定部は、前記受信スロットの数に基づいて、前記転送優先度を決定し、前記受信スロットの数が多いほど、または前記受信スロットの数が増加しているほど、前記転送優先度を低く決定する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
データセンシングを行ってデータを収集する無線マルチホップネットワークが、従来から知られている。例えば、スマートメータ通信システムに代表される無線メッシュネットワークなどでは、各ノードの動作、及び、各ノードで実行中のFW(firmware)に問題が発生した場合、検針データ等の収集を途切れさせずに、すべてのノードのFWも迅速にアップデートする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【文献】RFC 7731、Multicast Protocol for Low-Power and Lossy Networks (MPL)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来の技術では、無線通信の転送負荷を単一のノードに集中させることなく、自律的に分散させることが難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の無線通信装置は、収集部と決定部と転送制御部と送信制御部とを備える。収集部は、無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集する。決定部は、前記転送負荷情報に基づいて、転送判定対象のパケットの転送優先度を決定する。転送制御部は、前記転送判定対象のパケットを、前記転送優先度が高いほど早く転送するように転送制御する。送信制御部は、前記転送判定対象のパケットの転送を行う場合、前記転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信する。前記収集部は、自装置のパケット送信回数を所定の期間でカウントして、前記パケット送信回数を前記転送負荷情報として収集する。前記決定部は、前記パケット送信回数が多いほど、前記転送優先度を低く決定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態の無線通信システムの装置構成の例を示す図。
【
図2】第1実施形態の無線通信装置の機能構成の例を示す図。
【
図3】第1実施形態の無線通信方法の全体フローの例を示すフローチャート。
【
図4】第1実施形態のステップS3の処理の詳細を示すフローチャート。
【
図5】第2実施形態の無線通信装置の機能構成の例を示す図。
【
図6】第2実施形態のステップS3の処理の詳細を示すフローチャート。
【
図7】第3実施形態の無線通信装置の機能構成の例を示す図。
【
図8】第3実施形態の無線通信方法の全体フローの例を示すフローチャート。
【
図9】第4実施形態の無線通信装置の機能構成の例を示す図。
【
図10】第4実施形態の無線通信方法の全体フローの例を示すフローチャート。
【
図11】第1乃至第4実施形態のハードウェア構成の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、無線通信装置、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。
【0009】
(第1実施形態)
はじめに、第1実施形態の無線通信システム100の装置構成の例について説明する。
【0010】
[装置構成の例]
図1は第1実施形態の無線通信システム100の装置構成の例を示す図である。第1実施形態の無線通信システム100は、ノード10a~10n及びネットワーク200を備える。
【0011】
ノード10a~10nは、無線マルチホップネットワークを構成する無線通信装置である。
図1中の点線は無線リンクを表す。点線の接続関係は、ノード10a~10nが構築するルーティングツリーを示す。なお、無線マルチホップネットワークのトポロジーは、ツリー構造、フルメッシュ及びスター型などの任意の形状でよい。
【0012】
以下、ノード10a~10nを区別しない場合は、単にノード10又は無線通信装置10という。自ノードよりもルーティングツリーの1つ上の階層に接続されたノード10を、当該自ノードの親ノードという。また、自ノードよりもルーティングツリーの1つ下の階層に接続されたノード10を、当該自ノードの子ノードという。例えば、ノード10iの親ノードは、ノード10dであり、ノード10iの子ノードは、ノード10nである。
【0013】
ノード10aは、ノード10aの周辺ノードとの無線リンクの他に、ネットワーク200との接続を持つ。典型的にはネットワーク200は、インターネットである。ノード10aは、ノード10a~10nで構成する無線マルチホップネットワークと、外部のネットワーク200とを接続するルータ(集約装置)として動作する。なお、ノード10aがネットワーク200との接続を持つことは必須ではない。
【0014】
ノード10a~10nで構成する無線マルチホップネットワークでは、上り方向の無線通信と、下り方向の無線通信とが存在する。上り方向の無線通信は、ノード10aへ向かう無線通信である。上り方向の無線通信で送信されるデータは、例えば各ノード10により収集された検針データ等である。下り方向の無線通信は、ノード10aから離れていく無線通信である。下り方向の無線通信で送信されるデータは、例えば各ノード10にインストールされたFWのアップデートデータ等である。
【0015】
[機能構成の例]
図2は第1実施形態の無線通信装置10の機能構成の例を示す図である。第1実施形態の無線通信装置10は、無線通信部1、受信制御部2、転送制御部3、収集部4、決定部5及び送信制御部6を備える。
【0016】
無線通信部1は、他の無線通信装置10と無線通信する。無線通信部1は、送信制御部6からパケットを受け付けると、当該パケットを送信する。また、無線通信部1は、他の無線通信装置10からパケットを受信すると、当該パケットを受信制御部2に入力する。
【0017】
受信制御部2は、無線通信部1により受信されたパケットを受け付け、当該パケットを転送制御部3に入力する。
【0018】
転送制御部3は、パケットの転送制御を行う。パケットの転送制御の詳細は、
図4を参照して後述する。
【0019】
収集部4は、通信の方向(上り/下り)に依存しない転送負荷情報を収集する。第1実施形態の収集部4は、送信制御部6が送信するパケットのうち、他の無線通信装置10から受信されたパケットの転送回数を、転送負荷情報として保持する。
【0020】
決定部5は、一定時間ごとに起動し、収集部4が保存した転送回数を元に転送優先度を決定し、転送制御部3に設定する。決定部5は、例えばパケットの転送回数が多いほど、自ノードの転送優先度を低く決定する。転送優先度の具体的な決定例は、
図3を参照して後述する。
【0021】
送信制御部6は、パケットの送信制御を行う。送信制御部6は、転送制御部3から入力されたパケット(他ノードにより受信されたパケット)の送信制御を行う。また、送信制御部6は、自ノードにより取得されたデータ(例えば検針データ等)を含むパケットの送信制御を行う。
【0022】
また、送信制御部6は、一定時間以内に送信するパケットを、送信時間制限に基づいて制限する。送信時間制限は、例えば無線通信に関する法令等に基づいて定められる。
【0023】
[無線通信方法の例]
図3は第1実施形態の無線通信方法の全体フローの例を示すフローチャートである。はじめに、収集部4が、転送回数を保存するカウンタ、及び、決定部5を動作(起動)させるタイマーを初期化する(ステップS1)。次に、収集部4が、ステップS1の処理により初期化されたタイマーをリセットし、所定の期間を計るタイマーを開始する(ステップS2)。
【0024】
次に、受信制御部2、転送制御部3及び送信制御部6が、転送優先度Xに基づいてパケット転送処理を行う(ステップS3)。なお、ステップS3の処理の詳細は、
図4を参照して後述する。
【0025】
次に、ステップS2の処理により開始されたタイマーが終了すると(ステップS4)、決定部5が、タイマーで設定された期間中にカウントされた転送回数に基づいて転送優先度Xを決定し、当該転送優先度Xを転送制御部3に設定する(ステップS5)。このとき、転送優先度Xは、例えば転送回数に比例した(1)式のような形で算出される。
【0026】
X=α×転送回数・・・(1)
【0027】
αの値を自由に設定することで、転送優先度の幅を自由に設定することが可能になる。ステップS5の処理の後、処理はステップS1の処理に戻る。
【0028】
次に、
図3における転送処理中の処理(ステップS3)について説明する。
【0029】
図4はステップS3の処理の詳細を示すフローチャートである。はじめに、受信制御部2が、無線通信部1を介してパケットを受信する(ステップS11)。
【0030】
次に、転送制御部3が、ステップS2の処理により受信されたパケットが、転送判定対象のパケット(転送優先度Xに基づいて転送判定をするパケット)であるか否かを判定する(ステップS12)。転送判定対象のパケットは、例えば所定の通信方向(下り方向/上り方向)にマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信されるパケットである。具体的には、転送判定対象のパケットは、例えば下り方向のマルチキャスト通信で送信されるパケットである。下り方向のマルチキャスト通信で送信されるパケットは、例えば無線通信装置10にインストールされているFWのアップデートデータを含むパケットである。
【0031】
転送判定対象のパケットではない場合(ステップS12,No)、転送制御部3が、転送待機をしない通常のパケット転送処理を実行し(ステップS13)、ステップS18の処理に進む。パケット転送処理は、宛先が自身でなければ自身のデフォルトゲートウェイ端末(親ノード)にパケットを転送するための処理である。パケット転送処理では、例えばパケットを転送する無線フレームの宛先MAC(Media Access Control)アドレス及び送信元MACアドレス等の設定などが行われる。
【0032】
一方、転送判定対象のパケットである場合(ステップS12,Yes)、転送制御部3は、転送優先度に反比例した時間待機する(ステップS14)。すなわち、転送制御部3は、転送優先度が低いほど、転送判定対象のパケットの転送を待機する。
【0033】
次に、転送制御部3は、転送判定対象のパケットの転送待機中に受信した同一のパケット(ペイロードが、転送判定対象のパケットに含まれるペイロードと同一のパケット)の数が閾値より小さいか否かを判定する(ステップS15)。転送待機中に受信した同一のパケットの数が閾値以上である場合(ステップS15,No)、転送制御部3は、転送判定対象のパケットの転送をとりやめる(ステップS16)。
【0034】
転送待機中に受信した同一のパケットの数が閾値より小さい場合(ステップS15,Yes)、パケットの転送処理を実行する(ステップS17)。
【0035】
次に、収集部4が、送信制御部6によりパケットが転送された回数を示す転送回数を保存するカウンタをインクリメントする(ステップ18)。次に、送信制御部6が、無線通信部1を介してパケットを送信する(ステップS19)。送信制御部6は、例えばマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信でパケットを送信する。
【0036】
上述の
図3及び4のフローチャートによる処理によって、転送回数が多い無線通信装置10ほど転送タイミングが遅くなり、結果として転送をとりやめるように転送処理の負荷分散を実現することが可能となる。
【0037】
以上、説明したように、第1実施形態の無線通信装置10では、収集部4が、無線マルチホップネットワークの無線通信の転送負荷情報を収集する。決定部5が、転送負荷情報に基づいて、転送判定対象のパケットの転送優先度を決定する。転送制御部3が、転送判定対象のパケットを、転送優先度が高いほど早く転送するように転送制御する。そして、送信制御部6が、転送判定対象のパケットの転送を行う場合、転送判定対象のパケットをマルチキャスト通信又はブロードキャスト通信で送信する。
【0038】
これにより第1実施形態の無線通信装置(ノード)10によれば、無線通信の転送負荷を単一のノード10に集中させることなく、自律的に分散させることができる。
【0039】
例えば、第1実施形態の無線通信装置(ノード)10は、データ収集用通信とFW配布用通信とが発生するスマートメータ通信システム等に利用できる。ノード10のFWを更新するときに、個々のノード10に有線経由でFWを更新する方法は、例えば数百万台規模で展開しているスマートメータ通信システム等では現実的ではない。そのため従来は、検針データ収集するために構築している大規模な無線マルチホップネットワークの下り通信を用いてFWデータを配信する方法がとられている。しかし、FWデータの配信のために無線帯域を過剰に利用すると検針データの収集ができなくなるため、現状はFWデータ配信用の帯域を絞って数日かけてFWを更新するといった方法がとられている。
【0040】
一方、第1実施形態の無線通信装置(ノード)10により構成された無線通信システム100を利用すれば、各無線通信装置10が転送回数に基づく転送負荷(センシングデータの収集用に通信帯域を利用しているか否か)を自律分散的に判断し、より通信帯域を使っていないノード10が優先的に素早くFW配布を行える。これにより、従来よりもFW配布時間を短縮できる。
【0041】
また、第1実施形態の無線通信システム100では、各無線通信装置10による自律的な転送負荷分散が可能なため、定期的に周囲へ転送回数を報知するトラフィック等が増えることがない。したがって、各無線通信装置10が、無線通信に関する法令等により定められた送信時間制限を超える通信を行わないように、送信時間を制御することもできる。
【0042】
(第2実施形態)
次に第2実施形態について説明する。第2実施形態の説明では、第1実施形態と同様の説明については省略し、第1実施形態と異なる箇所について説明する。第2実施形態では、他の無線通信装置10から受信されたパケット以外のパケットも含む任意のパケットのIPレイヤにおける送信回数を、転送負荷情報として収集する。
【0043】
[機能構成の例]
図5は第2実施形態の無線通信装置10-2の機能構成の例を示す図である。第2実施形態の無線通信装置10-2は、無線通信部1、受信制御部2、転送制御部3、収集部4、決定部5及び送信制御部6を備える。
【0044】
第2実施形態の収集部4は、無線通信装置10のパケット送信回数を所定の期間でカウントして、当該パケット送信回数を転送負荷情報として収集する。また、第2実施形態の決定部5は、例えばパケット送信回数が多いほど、自ノードの転送優先度を低く決定する。
【0045】
[無線通信方法の例]
第2実施形態の無線通信方法の全体フローの説明は、第1実施形態の無線通信方法の全体フロー(
図3参照)と同様である。ただし、第2実施形態では、収集部4が、他の無線通信装置10から受信されたパケットの転送回数を保存していたカウンタに、無線通信装置10から送信された任意のパケットの送信回数を保存する。
【0046】
図6は、第2実施形態のステップS3の処理の詳細を示すフローチャートである。ステップS31~S37の説明は、第1実施形態のステップS11~S17の説明と同様なので省略する。
【0047】
送信制御部6は、転送ではないパケット送信処理を実行する(ステップS38)。転送ではないパケット送信処理は、例えば自ノードにより収集されたデータ(例えば検針データ等)を含むパケットを送信するための処理である。
【0048】
次に、送信制御部6は、無線通信部1を介してパケットを送信する(ステップS39)。次に、収集部4が、送信制御部6によりパケットが送信された回数を示す送信回数を保存するカウンタをインクリメントする(ステップS40)。第2実施形態の送信回数は、第1実施形態の転送回数だけでなく、転送ではないパケット送信処理の実行(ステップS38)によるパケット送信回数も含む。
【0049】
以上、説明したように、第1実施形態では、転送されるパケットの転送回数がカウントされていたが、第2実施形態では、無線通信装置10から送信される任意のパケットの送信回数がカウントされる。これにより、無線通信装置10による実際の送信時間に即した転送優先度を計算することができるので、負荷分散の分散効率が向上する。
【0050】
(第3実施形態)
次に第3実施形態について説明する。第3実施形態の説明では、第1実施形態と同様の説明については省略し、第1実施形態と異なる箇所について説明する。第3実施形態では、収集部4が、転送回数だけでなく、経路情報も用いて、転送負荷情報を収集する。
【0051】
[機能構成の例]
図7は第3実施形態の無線通信装置10-3の機能構成の例を示す図である。第3実施形態の無線通信装置10-3は、無線通信部1、受信制御部2、転送制御部3、収集部4、決定部5、送信制御部6及び経路情報記憶部11を備える。第3実施形態の無線通信装置10-3では、経路情報を記憶する経路情報記憶部11が追加されている。
【0052】
第3実施形態では、無線マルチホップネットワークのトポロジーをRPL(IPv6 Routing Protocol for Low Power and Lossy Networks)で経路制御する。特に、各無線通信装置(ノード)10が自身の親ノードの経路情報と、子ノードの経路情報とを保持して経路制御を行うstoring-modeと呼ばれる方法を利用する場合を例にして説明する。
【0053】
第3実施形態の収集部4は、経路情報から、例えば自ノードと通信する親ノードの情報、及び、自ノードと通信する子ノードの情報等を特定する。そして、収集部4は、自ノードと通信する子ノードの数を転送負荷情報として更に収集する。
【0054】
また、第3実施形態の決定部5は、例えば自ノードと通信する子ノードの数と、上述の転送回数とに基づいて、転送優先度を決定する。具体的には、決定部5は、自ノードと通信する子ノードの数が多いほど、通常の転送処理(例えば子ノードで収集されたデータの転送等)が多く発生する可能性が高いので、転送優先度を低くする。また例えば、決定部5は、経路情報が更新される度に、自ノードと通信する子ノードの数の増減を記録し、当該増減から将来的に転送回数が増加傾向にあるか否かを推測してもよい。そして、決定部5は、転送回数が増加傾向にある場合には、転送優先度を低くする制御をしてもよい。
【0055】
[無線通信方法の例]
図8は第3実施形態の無線通信方法の全体フローの例を示すフローチャートである。ステップS51~S53の説明は、第1実施形態のステップS1~S3の説明(
図3参照)と同様なので省略する。
【0056】
ステップS52の処理により開始されたタイマーが終了すると(ステップS54)、決定部5が、上述の経路情報を取得し(ステップS55)、当該経路情報から自ノードと通信する子ノードの情報を特定する。次に、決定部5が、タイマーで設定された期間中にカウントされた転送回数と、子ノードの情報とに基づいて転送優先度Xを決定し、当該転送優先度Xを転送制御部3に設定する(ステップS56)。
【0057】
以上、説明したように、第3実施形態では、経路情報から特定された子ノードの情報を更に用いることで、転送回数のみを用いて転送優先度を決定するよりも転送優先度を更に確度高く決定することができる。
【0058】
(第4実施形態)
次に第4実施形態について説明する。第4実施形態の説明では、第1実施形態と同様の説明については省略し、第1実施形態と異なる箇所について説明する。第4実施形態では、収集部4が、転送回数だけでなく、スケジュール情報も用いて、転送負荷情報を収集する。
【0059】
[機能構成の例]
図9は第4実施形態の無線通信装置10-4の機能構成の例を示す図である。第4実施形態の無線通信装置10-4は、無線通信部1、受信制御部2、転送制御部3、収集部4、決定部5、送信制御部6及びスケジュール情報記憶部12を備える。第4実施形態の無線通信装置10-4では、通信制御のスケジュール情報を記憶するスケジュール情報記憶部12が追加されている。
【0060】
第4実施形態では、隣接する無線通信装置(ノード)10同士が、MAC(Media Access Control)レイヤの通信制御を、TSCH(Time Synchronized Channel Hopping:時間同期チャンネルホッピング)と呼ばれる通信制御方式で行う。
【0061】
第4実施形態の収集部4は、TSCHのスケジュール情報から、例えば自ノードの受信タイミングを示す受信スロット等の隣接する無線通信装置(ノード)10との通信状況を特定する。そして、収集部4は、受信スロットの数を転送負荷情報として更に収集する。
【0062】
また、第4実施形態の決定部5は、例えば受信スロットの数と、上述の転送回数とに基づいて、転送優先度を決定する。具体的には、決定部5は、受信スロットの数が多いほど、通常の転送処理(例えば子ノードで収集されたデータの転送等のデータ収集用通信)が多く発生するので、転送優先度を低くする。また例えば、決定部5は、スケジュール情報が更新される度に、受信スロットの数の増減を記録し、当該増減から将来的に転送回数が増加傾向にあるか否かを推測してもよい。そして、決定部5は、転送回数が増加傾向にある場合には、転送優先度を低くする制御をしてもよい。
【0063】
[無線通信方法の例]
図10は第4実施形態の無線通信方法の全体フローの例を示すフローチャートである。ステップS61~S63の説明は、第1実施形態のステップS1~S3の説明(
図3参照)と同様なので省略する。
【0064】
ステップS62の処理により開始されたタイマーが終了すると(ステップS64)、決定部5が、上述のスケジュール情報を取得し(ステップS65)、当該スケジュール情報から自ノードの受信スロットの情報を特定する。次に、決定部5が、タイマーで設定された期間中にカウントされた転送回数と、受信スロットの情報とに基づいて転送優先度Xを決定し、当該転送優先度Xを転送制御部3に設定する(ステップS66)。
【0065】
以上、説明したように、第4実施形態では、隣接する無線通信装置10との通信状況を保持するスケジュール情報を更に用いることで、転送回数のみを用いて転送優先度を決定するよりも転送優先度を更に確度高く決定することができる。
【0066】
最後に、第1乃至第5実施形態のノード10のハードウェア構成の例について説明する。
【0067】
[ハードウェア構成の例]
図11は第1乃至第4実施形態の無線通信装置10(10-2、10-3、10-4)のハードウェア構成の例を示す図である。無線通信装置10は、制御装置301、主記憶装置302、補助記憶装置303、表示装置304、入力装置305及び通信IF306を備える。制御装置301、主記憶装置302、補助記憶装置303、表示装置304、入力装置305及び通信IF306は、バス310を介して接続されている。
【0068】
制御装置301は、補助記憶装置303から主記憶装置302に読み出されたプログラムを実行する。主記憶装置202は、ROM及びRAM等のメモリである。補助記憶装置303は、HDD(Hard Disk Drive)及びメモリカード等である。
【0069】
表示装置304は、無線通信装置10の状態等を表示する。表示装置304は、例えば液晶ディスプレイ等である。入力装置305は、無線通信装置10を操作するためのインタフェースである。入力装置305は、例えば無線通信装置10の筐体に備えられたボタン等である。なお、表示装置304及び入力装置305は、表示機能と入力機能とを有するタッチパネル等により実現されていてもよい。また、無線通信装置10は、表示装置304及び入力装置305を備えていなくてもよい。
【0070】
通信IF306は、他の無線通信装置10、及び、外部装置等と通信するためのインタフェースである。
【0071】
無線通信装置10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、メモリカード、CD-R及びDVD等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されてコンピュータ・プログラム・プロダクトとして提供される。
【0072】
また無線通信装置10実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また無線通信装置10で実行されるプログラムをダウンロードさせずにインターネット等のネットワーク経由で提供するように構成してもよい。
【0073】
また無線通信装置10のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0074】
無線通信装置10で実行されるプログラムは、上述の
図2、
図5、
図7及び
図9の機能ブロックのうち、プログラムによっても実現可能な機能ブロックを含むモジュール構成となっている。当該各機能ブロックは、実際のハードウェアとしては、制御装置301が記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、上記各機能ブロックが主記憶装置302上にロードされる。すなわち上記各機能ブロックは主記憶装置302上に生成される。
【0075】
なお上述した各機能ブロックの一部又は全部をソフトウェアにより実現せずに、IC等のハードウェアにより実現してもよい。
【0076】
また複数のプロセッサを用いて各機能を実現する場合、各プロセッサは、各機能のうち1つを実現してもよいし、各機能のうち2以上を実現してもよい。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
1 無線通信部
2 受信制御部
3 転送制御部
4 収集部
5 決定部
6 送信制御部
10 無線通信装置
11 経路情報記憶部
12 スケジュール情報記憶部
100 無線通信システム
200 ネットワーク
301 制御装置
302 主記憶装置
303 補助記憶装置
304 表示装置
305 入力装置
306 通信IF
310 バス