(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】バーチャルリアリティ手術カメラシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 90/00 20160101AFI20231120BHJP
A61B 34/20 20160101ALI20231120BHJP
A61B 34/30 20160101ALI20231120BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20231120BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20231120BHJP
G03B 35/08 20210101ALI20231120BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20231120BHJP
A61B 1/045 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
A61B90/00
A61B34/20
A61B34/30
G02B23/24 B
G02B23/24 A
G03B15/00 H
G03B15/00 W
G03B35/08
G03B17/56 A
A61B1/045 622
(21)【出願番号】P 2020515936
(86)(22)【出願日】2018-09-13
(86)【国際出願番号】 US2018050922
(87)【国際公開番号】W WO2019055681
(87)【国際公開日】2019-03-21
【審査請求日】2021-09-06
(32)【優先日】2017-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522440603
【氏名又は名称】ヴィカリアス・サージカル・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クライン,エリック
(72)【発明者】
【氏名】カリファ,サミー
(72)【発明者】
【氏名】ウェントワース,マーシャル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン アルバート,エリック
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-301378(JP,A)
【文献】特開2005-288174(JP,A)
【文献】特表2014-518775(JP,A)
【文献】特表2014-519873(JP,A)
【文献】特表2017-514608(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/00
A61B 34/20
A61B 34/30
G02B 23/24
G03B 15/00
G03B 35/08
G03B 17/56
A61B 1/045
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
前記システムは、
a.コンソールアセンブリと、
b.トロカールアセンブリと、
c.カメラアセンブリと、
d.少なくとも1つの回転位置センサーと、
を含み、
a. 前記コンソールアセンブリは、
i.第1のアクチュエーターおよび
ii.前記第1のアクチュエーターに動作可能に接続された第1のアクチュエータープーリーを含み、
b. 前記トロカールアセンブリは、
前記コンソールアセンブリに動作可能に接続され、
i.内径、外径、近位端、および患者のキャビティに挿入可能である遠位端を有するトロカール、および、
ii.少なくとも1つのシールを含む、トロカールに動作可能に接続されたシールサブアセンブリを含み、
c. 前記カメラアセンブリは、前記コンソールアセンブリに動作可能に接続され、
i.遠位端および近位端を有するカメラ支持管、
ii.前記カメラ支持管の遠位端に動作可能に接続されたステレオカメラアセンブリを備え、
ここで、少なくとも前記遠位端はトロカールの内径を通って患者のキャビティに挿入可能であり、
前記ステレオカメラアセンブリは、
1.キャビティを画定する主カメラ本体、
2.前記主カメラ本体に接続された主カメラ本体マウント、
3.ピッチ駆動アセンブリ、
4.ヨー駆動アセンブリであって、前記ピッチ駆動アセンブリと前記ヨー駆動アセンブリが少なくとも2つの回転自由度を提供する、ヨー駆動アセンブリ、
5.
前記主カメラ本体マウントに回転可能に接続された第1のカメラモジュールであって、第1の光軸を有する第1のカメラモジュール、
6.
前記主カメラ本体マウントに回転可能に接続された第2のカメラモジュールであって、第2の光軸を有する第2のカメラモジュール、を含み、
および、
d.前記少なくとも1つの回転位置センサーは、前記主カメラ本体マウントに接続され、ピッチ軸あるいはヨー軸の少なくとも1つのまわりの
前記主カメラ本体マウントを介した前記第1のカメラモジュールおよび前記第2のカメラモジュールの回転を検出するように構成されており、
前記ヨー軸が、前記カメラ支持管
の前記遠位端がある面に対して垂直であり、および、前記ピッチ軸が前記ヨー軸に対して垂直である、
システム。
【請求項2】
前記第1のアクチュエーターの駆動が
前記主カメラ本体マウントを介して前記第1のカメラモジュールおよび前記第2のカメラモジュールを前記ピッチ軸のまわりに回転させるように、前記ピッチ駆動アセンブリを前記第1のアクチュエータープーリーに動作可能に接続するピッチケーブルをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コンソールアセンブリは、
a.第2のアクチュエーターと、
b.前記第2のアクチュエーターに動作可能に接続された第2のアクチュエータープーリーとをさらに含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2のアクチュエーターの駆動が
前記主カメラ本体マウントを介して前記第1のカメラモジュールおよび前記第2のカメラモジュールを前記ヨー軸のまわりに回転させるように、前記第2のアクチュエーターを前記第2のアクチュエータープーリーに動作可能に接続するヨーケーブルをさらに含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コンソールアセンブリはさらに、前記第1のアクチュエータープーリーと前記ピッチ駆動アセンブリとの間で前記ピッチケーブルの経路に沿って配置された第1の方向転換プーリーを含み、前記第1の方向転換プーリーは、前記ピッチケーブルの経路を、前記第1のアクチュエータープーリーから、前記カメラ支持管によって画定された第1のケーブル内腔へと方向転換するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記コンソールアセンブリは、前記第2のアクチュエータープーリーと前記ヨー駆動アセンブリとの間で前記ヨーケーブルの経路に沿って配置された第2の方向転換プーリーをさらに含み、前記第2の方向転換プーリーは、前記ヨーケーブルの経路を、前記第2のアクチュエータープーリーから、前記カメラ支持管によって画定された第2のケーブル内腔に方向転換するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記コンソールアセンブリは、前記第2のアクチュエータープーリーと前記ヨー駆動アセンブリとの間で前記ヨーケーブルの経路に沿って配置された方向転換プーリーをさらに含み、前記方向転換プーリーは、前記ヨーケーブルの経路を、前記第2のアクチュエータープーリーから、前記カメラ支持管によって画定された前記第2のケーブル内腔へと方向転換するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記シールサブアセンブリは第2のシールをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記トロカールアセンブリはシールプラグをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ステレオカメラアセンブリは周辺カメラをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のカメラモジュールの第1の光軸、および前記第2のカメラモジュールの第2の光軸は、立体視を提供するように構成された軸間距離を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記ステレオカメラアセンブリは、挿入構成と展開構成を有し、ここで、前記挿入構成では、前記第1のカメラモジュールの第1の光軸と前記第2のカメラモジュールの第2の光軸は、カメラ支持管に対して垂直に向けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のカメラモジュールは、第1の外縁を有する第1のカメラモジュール本体を含み、
前記第2のカメラモジュールは、第2の外縁を有する第2のカメラモジュール本体を含み、
および、前記第1のカメラモジュール本体の第1の外縁から前記第2のカメラモジュール本体の第2の外縁までの最大距離は、前記カメラ支持管の軸に垂直に得られた前記ステレオカメラアセンブリの断面の最大幅よりも大きい、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記コンソールアセンブリは複数のアクチュエーターをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記トロカールアセンブリは、通過軸を有する通過路を画定するトロカール嵌合固定具をさらに含み、前記通過軸は前記カメラ支持管の長手軸と平行であり、および、前記通過路は、前記カメラコンソールアセンブリを介する、および、前記トロカールアセンブリを介するアクセスを許可するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、米国特許法第119条の下で、2017年9月14日に出願された「Virtual Reality Surgical Camera System」と題する米国仮特許出願第62/558,583号の優先権を主張し、当該文献は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本出願は一般に、最小侵襲手術、最小侵襲手術カメラ、およびバーチャルリアリティ最小侵襲手術システムに関連する。
【0003】
関連技術の詳細
最小侵襲手術の分野は、1900年代の初めから途方もない発展と成長を遂げており、このような発展と成長が患者にとってより良い結果を生み出している。最小侵襲手術分野での主要な発展の1つは、手術ロボット装置の導入であった。最小侵襲手術分野における手術用ロボット装置の導入と活用により、こうした装置を用いて行うことができる手術の数と種類が増加している。この増加は、回復時間の短縮、転帰の改善、手術時間の短縮など、患者に多くの改善をもたらした。手術ロボット装置の利用の増加により、様々な機能や手術を行うことができ、様々な手技で制御・操作が可能な機器が増えている。
【0004】
最小侵襲手術中、通常、内視鏡カメラは、手術部位と手術腔の画像を外科医に提供するために使用され、それにより、外科医はロボットツールを操作し、他の人が行われている手術を見ることができる。通常、最小侵襲手術では、外科医は組織の操作や臓器の収縮の作業に集中している。こうした作業を達成するために、外科医は、手順を実行するために適切な視野を得るべく、内視鏡カメラを所望の場所と位置に手動で操作する。典型的には、内視鏡カメラは、限定された狭い視野を与えるため、結果として、外科医は、視野外のツールまたは組織を見るために、内視鏡カメラを手動で前後に移動させたり、別の場所に移動させたりしなければならない。外科医が内視鏡カメラを手動で動かす必要があるため、外科医は手術を行うことから意識を切り替え、適切な視野を得ることに集中しなければならず、その結果、手術時間が長くなり、患者の回復時間が長くなる。
【0005】
一般的に、最小侵襲手術全体を通して、手術を行う外科医には手術野の複数の視野と角度が必要である。一般に、内視鏡は、操作中に、より大きな視野または異なる視野を得るために、手動で左、右、後、および/または前に限界まで移動させてもよく、その後、外科医が所望の倍率で組織および/または臓器を見ることができるように、元の位置および向きに戻すように移動させてもよい。内視鏡カメラを物理的に操作すると、手術を行う代わりに外科医の焦点を術野に切り替える必要があり、患者が偶発的なアクシデントに見舞われたり、回復時間が長くなったり、手術時間が長くなったりすることがある。
【0006】
手術部位の複数の視野を得るために内視鏡カメラを手動で移動させる必要性をなくし、さらに広い視野を得るために、複数の内視鏡カメラを利用して、患者の腔内の異なる切開部から各内視鏡カメラを挿入するものもある。これにより、外科医は複数の異なる視野を得ることができるようになったが、患者にとってはコストがかかるようになった。なぜなら、複数の内視鏡カメラを挿入するために複数の切開を行わなければならず、ヘルニアのリスク、感染症のリスク、痛み、および、一般的な罹患率を高めることになるからである。加えて、複数の内視鏡カメラを利用することで、外科医の作業スペースが減り、外科医にとっては手術を行うことがさらに困難になる。
【0007】
従来の最小侵襲手術や既存のロボット手術では、内視鏡カメラを使用して手動で動かして操作することは実行可能な選択肢ではあるが、バーチャルリアリティ手術中にカメラを動かして操作することは現実的ではなく、直感的な方法ではない。バーチャルリアリティ手術では、外科医は、手術部位で患者の体内に凝縮されているような感覚を持つ。バーチャルリアリティゴーグルによって提供される三次元の可視化と組み合わせて、外科医は手術を見て、あたかもロボットアームが自分の腕や手の形をしているかのように、ロボットアームと相互作用する。バーチャルリアリティ手術では、外科医は自然で没入型のバーチャルリアリティのユーザーインターフェースに夢中になる。外科医がバーチャルリアリティのユーザーインターフェースに浸っている間、内視鏡カメラを手動で操作して所望の位置に移動させることは、自然で没入型のバーチャルリアリティのユーザーインターフェースから外科医を切り離して去らせることが必要になるため、外科医にとっては面倒なことである。あるいは、外科医が内視鏡カメラを手動で操作する場合、そのような操作は外科医にとって混乱を招き、その結果、手術時間の増加につながるだけでなく、外科医の作業の流れを乱すことにもなりかねない。外科医が自然で没入型のバーチャルリアリティのユーザーインターフェースに没入したままでいられるようにするためには、カメラを制御して術野の複数の視野を得る別の技術がバーチャルリアリティ手術に必要である。
【0008】
人間のようなロボットシステムでは、成功したシステムを持つことは、自然で直感的な人と機械のインターフェース(HMI)を維持することに起因する。このように、バーチャルリアリティ手術では、外科医にとっては、人間のようなロボットの機能を維持したまま、カメラと相互作用して操作することができることが有利である。
【発明の概要】
【0009】
1つの実施形態では、本発明は、システムを含み、上記システムは、第1のアクチュエーターと、第1のアクチュエーターに動作可能に接続された第1のアクチュエータプーリーとを含む、コンソールアセンブリと;コンソールアセンブリに動作可能に接続されたトロカールアセンブリであって、上記トロカールアセンブリが、内径と外径を有するトロカール、および、少なくとも1つのシールを含むシールサブアセンブリ、トロカールに動作可能に接続されたシールサブアセンブリ、を含む、トロカールアセンブリと;コンソールアセンブリに動作可能に接続されたカメラアセンブリであって、上記カメラアセンブリが、遠位端と近位端を有するカメラ支持管、カメラ支持管の遠位端に動作可能に接続されたステレオカメラアセンブリであって、上記ステレオカメラアセンブリが、キャビティを画定する主カメラ本体、ピッチ駆動アセンブリ、ヨー駆動アセンブリであって、ピッチ駆動アセンブリとヨー駆動アセンブリが少なくとも2つの回転自由度を提供する、ヨー駆動アセンブリ、第1の光軸を有する第1のカメラモジュール、および、第2の光軸を有する第2のカメラモジュール、を含む、ステレオカメラアセンブリを含む、カメラアセンブリと;ピッチ軸あるいはヨー軸の少なくとも1つのまわりのステレオカメラアセンブリの回転を検出するように構成された少なくとも1つの回転位置センサーであって、ヨー軸が、カメラ支持管がある面に対して垂直であり、および、ピッチ軸がヨー軸に対して垂直である、少なくとも1つの回転位置センサーと、を備える。システムのシールサブアセンブリはさらに、第2のシールを含み得る。システムのトロカールアセンブリはさらに、シールプラグを含み得る。システムのステレオカメラアセンブリはさらに、周辺カメラを含み得る。システム、第1のカメラモジュールの第1の光軸、および第2のカメラモジュールの第2の光軸は、立体視を提供するように構成された軸間距離を有する。システムのコンソールアセンブリはさらに、複数のアクチュエーターを含み得る。システムのトロカールアセンブリはさらに、通過軸を有する通過路を画定するトロカール嵌合固定具を含み得、通過軸は、カメラコンソールアセンブリを介する、および、トロカールアセンブリを介するアクセスを許可するように構成される。
【0010】
システムはさらに、第1のアクチュエーターの駆動がステレオカメラアセンブリをピッチ軸のまわりに回転させるように、ピッチ駆動アセンブリを第1のアクチュエータプーリーに動作可能に接続するピッチケーブルを含み得る。ピッチケーブルをシステムにおいて、コンソールアセンブリはさらに、第2のアクチュエーターと、第2のアクチュエーターに動作可能に接続された第2のアクチュエータプーリーとを含み得る。第2のアクチュエーターを有するコンソールアセンブリを含むシステムにおいて、第2のアクチュエーターの駆動がステレオカメラアセンブリをヨー軸のまわりに回転させるように、第2のアクチュエーターを第2のアクチュエータプーリーに動作可能に接続するヨーケーブルがさらに含まれ得る。ヨーケーブルを含むシステムにおいて、コンソールアセンブリはさらに、第1のアクチュエータプーリーとピッチ駆動アセンブリとの間でピッチケーブルの経路に沿って配置された第1の方向転換プーリーを含み得、第1の方向転換プーリーは、ピッチケーブルの経路を、第1のアクチュエータプーリーから、カメラ支持管によって画定された第1のケーブル内腔へと方向転換するように構成される。ヨーケーブルを含むシステムにおいて、コンソールアセンブリはさらに、第2のアクチュエータプーリーとヨー駆動アセンブリとの間でヨーケーブルの経路に沿って配置された方向転換プーリーを含み得、方向転換プーリーは、ヨーケーブルの経路を、第2のアクチュエータプーリーから、カメラ支持管によって画定された第2のケーブル内腔へと方向転換するように構成される。
【0011】
第1の方向転換プーリーを有するコンソールアセンブリを含むシステムにおいて、第2のアクチュエータプーリーとヨー駆動アセンブリとの間で配置された第2の方向転換プーリーがさらに含まれ得、第2の方向転換プーリーは、ヨーケーブルの経路を、第2のアクチュエータプーリーから、カメラ支持管によって画定された第2のケーブル内腔に方向転換するように構成される。
【0012】
他の実施形態では、システムのステレオカメラアセンブリは、挿入構成と展開構成とを有し、ここで、挿入構成では、第1のカメラモジュールの第1の光軸と第2のカメラモジュールの第2の光軸は、カメラ支持管に対して垂直に向けられる。挿入構成と展開構成を有するステレオカメラアセンブリを備えるシステムにおいて、第1のカメラモジュールは、第1の外縁を有する第1のカメラモジュール本体を含み、第2のカメラモジュールは、第2の外縁を有する第2のカメラモジュール本体を含み、および、第1のカメラモジュール本体の第1の外縁から第2のカメラモジュール本体の第2の外縁までの最大距離は、カメラ支持管の軸に垂直に得られたステレオカメラアセンブリの断面の最大幅よりも大きい。
【0013】
他の態様では、本発明はカメラアセンブリを含み、上記カメラアセンブリは、遠位端と近位端を有するカメラ支持管;カメラ支持管の遠位端に動作可能に接続されたステレオカメラアセンブリであって、上記ステレオカメラアセンブリが、カメラ支持管の遠位端に動作可能に接続された主カメラ本体であって、上記主カメラ本体が電気部品のキャビティを画定する、主カメラ本体、第1の光軸を有する第1のカメラモジュール、第2の光軸を有する第2のカメラモジュール、および、ピッチ駆動アセンブリとヨー駆動アセンブリとを含む駆動システムであって、少なくとも2つの回転自由度を提供する、駆動システム、を含む、ステレオカメラアセンブリ;ピッチ軸あるいはヨー軸の少なくとも1つのまわりのステレオカメラアセンブリの回転を検出するように構成された少なくとも1つの回転位置センサーであって、ヨー軸が、カメラ支持管がある面に対して垂直であり、および、ピッチ軸がヨー軸に対して垂直である、少なくとも1つの回転位置センサー、とを備える。1つの実施形態では、カメラアセンブリの駆動システムは、ケーブル駆動である。別の実施形態では、カメラアセンブリの駆動システムは、モーター駆動である。他の実施形態では、カメラアセンブリのヨー駆動アセンブリは、ステレオカメラアセンブリをヨー軸のまわりで駆動させるように構成される。さらに別の実施形態では、カメラアセンブリのピッチ駆動アセンブリは、ステレオカメラをピッチ軸のまわりで駆動させるように構成される。他の実施形態では、カメラアセンブリのピッチ駆動アセンブリは、ヨー駆動アセンブリとは無関係に、ステレオカメラアセンブリをピッチ軸のまわりで駆動させるように構成される。カメラアセンブリのステレオカメラはさらに、電源に動作可能に接続された光源を含み得る。
【0014】
別の実施形態では、カメラアセンブリのステレオカメラアセンブリはさらに、第1の周辺カメラを含み得る。第1の周辺カメラを含むカメラアセンブリでは、ステレオカメラアセンブリはさらに、第2の周辺カメラを含み得る。
【0015】
さらに別の実施形態では、カメラアセンブリのステレオカメラアセンブリはさらに、電気通信部品を含み得、電気通信部品は、第1のカメラモジュール、第2のカメラモジュール、あるいは少なくとも1つの回転位置センサーの少なくとも1つによって捉えられた情報を送信するように構成される。電気通信部品を含むカメラアセンブリでは、電気通信部品はさらに、フレキシブルプリント回路基板(FPCB)を含み得る。別の実施形態では、カメラアセンブリは電気通信部品を含み、電気通信部品はさらに、プリント回路基盤(PCB)を含み得る。
【0016】
電気通信部品を含むカメラアセンブリの別の実施形態において、電気通信部品は、少なくとも2つの回転自由度でステレオカメラアセンブリを駆動させ得るように物理的に構成され、電気通信部品は、少なくとも2つの回転自由度でステレオカメラアセンブリを駆動中に、第1のカメラモジュール、第2のカメラモジュール、あるいは少なくとも1つの回転位置センサーの少なくとも1つによって捉えられた情報を送信するように構成される。少なくとも2つの回転自由度でステレオカメラアセンブリを駆動させ得るように物理的に構成された電気通信部品を含むカメラアセンブリの別の実施形態では、電気通信部品は、損傷を受けたり、使用不能になったりすることなく、許容される最小の曲げ半径まで曲げられ得る。少なくとも2つの回転自由度でステレオカメラアセンブリを駆動させ得るように物理的に構成された電気通信部品を含むカメラアセンブリでは、電気通信部品固定装置がさらに含まれ得、電気通信部品固定装置は、駆動システムが使用中に、電気通信部品が損傷を受けるのを防ぐ。
【0017】
別の実施形態において、少なくとも2つの回転自由度でステレオカメラアセンブリを駆動させ得るように物理的に構成された電気通信部品を含むカメラアセンブリはさらに、電気通信部品の保護ケーシングを提供するフレックスシールドを含み得、フレックスシールドは、カメラアセンブリが使用中に、電気通信部品が他の物体および/または部品と接触するのを防ぐ。フレックスシールドを含むカメラアセンブリでは、フレックスシールドはさらに側壁を含み得る。
【0018】
少なくとも2つの回転自由度でステレオカメラアセンブリを駆動させ得るように物理的に構成された電気通信部品を含むカメラアセンブリのさらに別の実施形態では、電気通信部品は、主カメラ本体によって画定された電気通信キャビティに位置している。電気通信キャビティに位置する電気通信部品を有するカメラアセンブリでは、フレックスラップガイドと定荷重ばねがさらに含まれ得、定荷重ばねは電気通信部品に対して径方向の力を加える。電気通信キャビティに位置する電気通信部品を有するカメラアセンブリの別の実施形態では、主カメラ本体はさらに、機械加工された表面アパーチャを画定し得る。
【0019】
カメラアセンブリの他の実施形態では、第1のカメラモジュールの第1の光軸と第2のカメラモジュールの第2の光軸は、立体視を提供するように構成された軸間距離を有する。別の実施形態では、カメラアセンブリのステレオカメラアセンブリは、挿入構成と展開構成を有し、挿入構成では、第1のカメラモジュールの第1の光軸と第2のカメラモジュールの第2の光軸は、カメラ支持管に対して垂直に向けられる。挿入構成と展開構成を有するステレオカメラアセンブリを有するカメラアセンブリでは、第1のカメラモジュールは、第1の外縁を有する第1のカメラ本体を含み、第2のカメラモジュールは、第2の外縁を有する第2のカメラモジュール本体を含み、第1のカメラモジュール本体の第1の外縁から第2のカメラモジュール本体の第2の外縁までの最大の距離は、カメラ支持管の軸に垂直に得られたステレオカメラアセンブリの断面の最大幅よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
番号を付けられたアイテムはすべての図で一貫していることに留意する。同じ番号を付けられたアイテムは、同じアイテムであるか、あるいはそのアイテムの同一のコピーである。異なる番号を付けられたアイテムは、異なる設計の部分であるか、あるいは異なる目的に役立つたまに同一の部分である。
【
図1A】ロボットカメラシステムの1つの実施形態の正面等角図である。
【
図1B】ロボットカメラシステムの1つの実施形態の背面等角図である。
【
図2A】1つの実施形態に係るカメラコンソールアセンブリの背面等角図である。
【
図2B】1つの実施形態に係るカメラコンソールアセンブリの正面等角図である。
【
図2C】1つの実施形態に係るカメラコンソールアセンブリの側面等角図である。
【
図3】1つの実施形態に係るカメラコンソールアセンブリの分解側面等角図である。
【
図4A】1つの実施形態に係るカメラコンソールベースの等角図である。
【
図4B】1つの実施形態に係るカメラコンソールベースの正面等角図である。
【
図5A】1つの実施形態に係るトロカール嵌合固定具の正面等角図である。
【
図5B】1つの実施形態に係るトロカール嵌合固定具の斜視等角図である。
【
図5C】1つの実施形態に係るトロカール嵌合固定具の正面輪郭図である。
【
図5D】1つの実施形態に係るトロカール嵌合固定具の背面輪郭図である。
【
図6】1つの実施形態に係るカメラコンソールベースへ接続され得るいくつかの部品の等角分解図である。
【
図7A】1つの実施形態に係るプーリーハウジングブロックの等角図である。
【
図7B】1つの実施形態に係るプーリーハウジングブロックの平面等角図である。
【
図7C】1つの実施形態に係るプーリーハウジングブロックの底面等角図である。
【
図8A】プーリーハウジングブロックと1つの実施形態に従ってプーリーハウジングブロックに接続され得る部品の分解等角図である。
【
図8B】方向転換プーリーと方向転換プーリーカバーが接続された状態のプーリーハウジングブロックの分解等角図である。
【
図9A】1つの実施形態に係るコンソール嵌合サポートの等角図である。
【
図9B】1つの実施形態に係るコンソール嵌合サポートの平面等角図である。
【
図9C】1つの実施形態に係るコンソール嵌合サポートの底面輪郭図である。
【
図10A】1つの実施形態に係るフレックスシールドの等角図である。
【
図10B】1つの実施形態に係るフレックスシールドのさらなる等角図である。
【
図10C】1つの実施形態に係るフレックスシールドの平面輪郭図である。
【
図11A】1つの実施形態に係るフレックスシールドに接続されたカメラリジッド基板の正面等角図である。
【
図11B】1つの実施形態に係るフレックスシールドに接続されたカメラリジッド基板の平面等角図である。
【
図12】1つの実施形態に係る上部コンソール本体の等角図である。
【
図13】1つの実施形態に係るトロカールアセンブリの分解側面輪郭図である。
【
図14A】1つの実施形態に係るトロカールの等角図である。
【
図14B】1つの実施形態に係るトロカールの分解等角図である。
【
図15A】1つの実施形態に係るシールサブアセンブリの等角図である。
【
図15B】1つの実施形態に係るシールサブアセンブリの分解等角図である。
【
図16A】1つの実施形態に係るシールサブアセンブリの断面輪郭図である。
【
図16B】1つの実施形態に係るシールサブアセンブリの等角断面図である。
【
図17A】1つの実施形態に係る膨張可能なシールの正面等角図である。
【
図17B】1つの実施形態に係る膨張可能なシールの背面等角図である。
【
図18A】1つの実施形態に係る翼付リングの正面輪郭図である。
【
図18B】1つの実施形態に係る翼付リングの平面等角図である。
【
図19A】1つの実施形態に係るカメラコンソールアセンブリに接続されたロボットカメラアセンブリの正面等角図である。
【
図19B】1つの実施形態に係るカメラコンソールアセンブリに接続されたロボットカメラアセンブリの正面分解等角図である。
【
図20A】1つの実施形態に係るカメラ支持管の正面等角図である。
【
図20B】1つの実施形態に係るカメラ支持管の背面等角図である。
【
図21A】1つの実施形態に係るステレオカメラの分解等角図である。
【
図21B】1つの実施形態に係るステレオカメラの正面分解等角図である。
【
図22A】1つの実施形態に係るピッチ駆動アセンブリの輪郭図である。
【
図22B】1つの実施形態に係るピッチ駆動アセンブリの分解輪郭図である。
【
図22C】1つの実施形態に係るピッチ駆動アセンブリの分解等角図である。
【
図23A】1つの実施形態に係るピッチプーリーの右側の等角図である。
【
図23B】1つの実施形態に係るピッチプーリーの左側の等角図である。
【
図23C】1つの実施形態に係るピッチプーリーの正面等角図である。
【
図24A】1つの実施形態に係る主カメラ本体の平面等角図である。
【
図24B】1つの実施形態に係る主カメラ本体の底面等角図である。
【
図25A】1つの実施形態に係る主カメラ本体マウントの平面等角図である。
【
図25B】1つの実施形態に係る主カメラ本体マウントの等角図である。
【
図25C】1つの実施形態に係る主カメラ本体マウントのさらなる等角図である。
【
図26A】1つの実施形態に係るヨー駆動アセンブリの分解等角図である。
【
図26B】1つの実施形態に係るヨー駆動アセンブリのさらなる分解等角図である。
【
図27】1つの実施形態に係る、主カメラ本体マウントとヨー駆動アセンブリとの間の接続の分解等角図である。
【
図28A】1つの実施形態に係るヨープーリーの平面輪郭図である。
【
図28B】1つの実施形態に係るヨープーリーの側面等角図である。
【
図28C】1つの実施形態に係るヨープーリーの底面等角図である。
【
図29A】1つの実施形態に係るヨープーリーブロックの平面等角図である。
【
図29B】1つの実施形態に係るヨープーリーブロックの側面等角図である。
【
図29C】1つの実施形態に係るヨープーリーブロックの底面等角図である。
【
図30】1つの実施形態に係るカメラコンソールアセンブリの等角図である。
【
図31A】1つの実施形態に係る逆回転プーリーシステムの分解輪郭図である。
【
図31B】1つの実施形態に係る逆回転プーリーシステムの分解背面輪郭図である。
【
図31C】1つの実施形態に係る逆回転プーリーシステムの輪郭図である。
【
図32A】1つの実施形態に係るカメラコンソールベースに対するトロカール嵌合固定具の接続の分解等角図である。
【
図32B】1つの実施形態に係るカメラコンソールアセンブリと、1つの実施形態に係るトロカールアセンブリとの間の接続の分解図である。
【
図33A】1つの実施形態に係るトロカールアセンブリの等角図である。
【
図33B】1つの実施形態に係るトロカールアセンブリの分解等角図である。
【
図34A】1つの実施形態に係る電気通信部品のキャビティの等角図である。
【
図34B】1つの実施形態に係る電気通信部品のキャビティの等角図である。
【
図34C】1つの実施形態に係る電気通信部品のキャビティの等角図である。
【
図35A】1つの実施形態に係る主カメラ本体マウントの分解等角図である。
【
図35B】1つの実施形態に係る主カメラ本体マウントの等角図である。
【
図36】1つの実施形態に係る、主カメラ本体マウントとヨー駆動アセンブリとの間の接続の分解等角図である。
【
図37】1つの実施形態に係るヨー駆動アセンブリの分解等角図である。
【
図38A】1つの実施形態に係るピッチ駆動アセンブリの輪郭図である。
【
図38B】1つの実施形態に係るピッチ駆動アセンブリの等角図である。
【
図39A】1つの実施形態に係るカメラアセンブリの分解等角図である。
【
図39B】1つの実施形態に係るカメラアセンブリの等角図である。
【
図40】1つの実施形態に係るカメラアセンブリの断面図である。
【
図41】1つの実施形態に係る第1のカメラモジュール本体と第2のカメラモジュール本体の正面図である。
【
図42】1つの実施形態に係る回転のヨー軸とピッチ軸を強調しているステレオカメラアセンブリの正面図である。
【
図43】1つの実施形態に係る挿入構成のステレオカメラアセンブリの等角図である。
【
図44】1つの実施形態に係る展開構成のステレオカメラアセンブリの等角図である。
【
図45】1つの実施形態に係る通過軸を強調しているロボットカメラシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本システムは腹腔内で外科医によって使用されるように設計されているが、システムの多くの代替的な使用が可能である。例えば、ユーザーは、医師の助手、看護師、手術補助者、またはその他の手術要員であってもよい。さらに、上記装置は、患者の身体のいかなる部分内に配置され得、先の実施形態は、患者の身体のより小さい領域内での使用を可能にするように、はるかに小さく設計可能である。小さい装置と大きい装置の両方は、副鼻腔、結腸、胃、または、限定されないが腹部、頭蓋、および頸部を含む人体内の任意の他の領域などの領域で使用されるように製造可能である。MEMSあるいた他の手段を利用する微細加工により、ヒトの血管などの非常に小さな領域内に装置を配置することが可能である。
【0022】
いくつかの実施形態では、装置は、爆弾の拡散、軍事偵察、検査業務、またはカメラの手動操作なしで複数のカメラ視野を得ることを必要とする他のタスクなどの非外科的または非医療的タスクに使用され得る。加えて、いくつかの実施形態は、要員の訓練のためなどの教育目的に使用され得る。明らかに、そのような実施形態では、ユーザーの多くは必ずしも外科医である必要はない。加えて、いくつかの実施形態は人員の訓練のためのなどの教育目的に使用されてもよい。装置のいくつかの実施形態は、人間の大きさに、または、実物の大きさよりも大きくなるようにさえ製造され得、人間が到達することができない、または人間が見ることができない領域から視覚を得ることを可能にする。そのような実施形態では、明らかに、ユーザーは必ずしも外科医である必要はない。
【0023】
概観
特定の実施形態では、本明細書に開示される手術装置システムは、本明細書において参照により全体として本明細書に組み込まれる国際特許出願PCT/US2015/029246(国際特許出願WO2015171614A1として公開)において開示されたバーチャルリアリティ手術装置に組み込まれ、かつ、上記装値とともに使用されるように設計されている。上記の文にもかかわらず、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される手術装置システムは、他の既存の、および、将来のロボット手術システムおよび/または装置によって実行および利用され得る。
【0024】
本システムの目的は、MIS手術を行う外科医が、内視鏡カメラを手動で操作したりおよび/または動かしたりすることなく、手術部位の複数の視野と角度を得ることができるようにすることである。本システムは、外科医が見たい方向に直感的に頭部を動かすことによって所望の視野を得ることができるように、外科医が自分の頭部の動きに基づいてカメラの操作を制御することを可能にする。本システムが使用中に、外科医は、患者の身体内部にいる感覚を持つようなやり方で、手術部位を見ることができ、および、外科医は、周囲を見渡すだけで術野全体を見て所望の視野を得ることができる。これは、好都合なことに、外科医が所望の視野を効率的に得ることを可能にし、外科医が処置中に集中力を維持することを可能にし、その結果、患者のためにより短い手術時間とより迅速な回復時間をもたらす。
【0025】
別段の記載がない限り、本明細書で使用される「遠位」という用語は、基準点から相対的に離れていることを意味し、「近位」は基準点に相対的に近いことを意味する。一般に、基準点は、本システムが使用されている患者の身体上の切開部位となる。
【0026】
図1Aは、ロボットカメラシステム(100)の1つの実施形態の正面等角図を示す。
図1Bはロボットカメラシステム(100)の1つの実施形態の図を与える。
図1A-1Bに示される実施形態で例示されるように、ロボットカメラシステム(100)は、カメラコンソールアセンブリ(101)、トロカールアセンブリ(102)、およびロボットカメラアセンブリ(103)からなる。前述のアセンブリの各々は、サブアセンブリ、および追加の部品から構成され、これらは、ロボットカメラシステム(100)を構成するために結合される。
【0027】
カメラコンソールアセンブリ
図1Aと
図1Bで例示されるように、ロボットカメラシステム(100)の近位部には、カメラコンソールアセンブリ(101)がある。
図2A-
図2Cは、カメラコンソールアセンブリ(101)の例示的な実施形態の複数の等角図である。カメラコンソールアセンブリ(101)は、システムのアクチュエータ(106)のためのハウジングとして機能するため、ロボットカメラシステム(100)全体に対する本質的な部分である。加えて、カメラコンソールアセンブリは、トロカールアセンブリおよびカメラアセンブリ、ならびに、様々な実施形態では、他の装置および部品のための主要な嵌合および取り付け機能を提供する。さらに、カメラコンソールアセンブリは、システムの一部が他の部品から移動したり外れたりするのを防止することにより、システム全体の制約と安定性を提供する。
図2A-
図2Cで示される実施形態において例示されるように、カメラコンソールアセンブリ(101)は、アセンブリを製作するためにまとめて組み合わされる多くの部品を含む。
【0028】
図3は、カメラコンソールアセンブリ(101)の1つの実施形態の分解組立図を示す。1つの実施形態では、カメラコンソールベース(108)は、カメラコンソールアセンブリ(101)の遠位端に位置する。カメラコンソールベース(108)は、システムのアクチュエータ(106)のサポートとして機能する。加えて、カメラコンソールベース(108)は、ロボットカメラアセンブリ(103)とトロカールアセンブリ(102)の取り付け点を提供する。
【0029】
図4Aおよび
図4Bは、カメラコンソールベース(108)の例示的な実施形態の複数の等角図を示す。1つの実施形態では、カメラコンソールベース(108)は、カメラコンソールアセンブリ(101)のサポート、および、トロカールアセンブリ(102)のための取り付け点として機能するプレートとして構成される。いくつかの実施形態において、カメラコンソールベース(108)は、スナップフィット接続を介して互いに固定される2つの半分として製造される。他の実施形態では、スナップフィット接続はピンホール接続の代わりに使用されるが、さらなる実施形態では、接着接続、溶接接続、磁気接続、および/または当該技術分野で知られている他の任意の方法または方法の組み合わせなどの他の接続方式および/または方法が利用される。代替的な実施形態では、カメラコンソールベース(108)は、1つの剛性のピースとして製造される。いくつかの実施形態において、カメラコンソールベース(108)はステンレス鋼から構築されるが、代替的な実施形態では、プレートは、プラスチック、セラミック、および/または、カメラコンソールアセンブリ(101)を支持することができる、当該技術分野で知られている他の種類の材料から構築される。
【0030】
図4Aと
図4Bの例示的な実施形態で示されるように、カメラコンソールベース(108)は、カメラコンソールベース(108)に固定される複数のアクチュエータマウント(116)を含む。代替的な実施例では、たった1つのアクチュエータマウント(116)がカメラコンソールベース(108)に固定されるが、さらなる実施形態は、2~5のアクチュエータマウント(116)をどこかに有し得、あるいは、それ以上のマウントがカメラコンソールベース(108)に固定され得る。さらなる実施形態では、カメラコンソールアセンブリは取り除かれ、アクチュエーターは外部サポートまたは装置に収容される。
【0031】
1つの実施形態では、アクチュエータマウント(116)は、ねじ接続部によってカメラコンソールベース(108)に固定される。他の実施形態では、アクチュエータマウント(116)は、ピン接続によってカメラコンソールベース(108)に固定されるが、さらなる実施形態では、接着接続、スナップフィット接続、および/または溶接接続などの当該技術分野で知られている他の接続方式および/または方法が利用される。代替的に、他の実施形態では、アクチュエータマウント(116)とカメラコンソールベース(108)は、1つの剛性のピースとして製造される。
【0032】
アクチュエータマウント(116)は、アクチュエータ(106)がシステム駆動中に空間内で綴じ込まれたままであるように、システムのアクチュエーター(106)(
図2A-
図2C)を適所に固定するように構成される。アクチュエータマウント(116)は、1つの実施形態において、ねじ接続部によって、アクチュエータ(106)をカメラコンソールベース(108)に固定させる。代替的な実施形態では、スナップフィット接続、接着接続、および/または、アクチュエーターを固定することができる別の方法あるいは方法の組み合わせなどの、当該技術分野で知られている様々なタイプの接続方法が、アクチュエータ(106)をアクチュエータマウント(116)に連結するために利用される。1つの実施形態では、アクチュエータマウント(116)は、アクチュエータ(106)が適所に閉じ込められ、したがって、使用中にアクチュエータ(106)のいかなる動きも防ぐように、アクチュエータ(106)を囲む3つの(3)壁として構築される。他の実施形態では、アクチュエータマウント(116)は2つの壁として構成され、1つの壁は、アクチュエータ(106)が2つの壁の間に挟まれるように、アクチュエータ(106)のいずれかの側に位置している。さらなる実施形態では、アクチュエータマウント(116)は取り除かれ得、アクチュエータ(106)はカメラコンソールベース(108)へ直接連結される。アクチュエータマウント(116)は、ケーブルがロボットカメラアセンブリ(103)の駆動を干渉および/または妨害しないように、ケーブルをロボットカメラアセンブリ(103)からトロカールアセンブリ(102)を介してアクチュエータ(106)へとルーティングできる任意の位置および配置のカメラコンソールベース(108)上に位置し得る。
【0033】
図6は、カメラコンソールベース(108)へ連結される嵌合部品のいくつかを例証する、カメラコンソールベース(108)の1つの実施形態の分解組立図を示す。
図6で示される実施形態において例示されるように、カメラコンソールベース(108)は、トロカール嵌合固定具(114)が置かれるアパーチャを含む。1つの実施形態では、トロカール嵌合固定具(114)は、アパーチャから突出する遠位端と、カメラコンソールベース(108)に固定される近位端とを有する。
【0034】
図5A-
図5Dは、トロカール嵌合固定具(114)の例示的な実施形態の複数の図面を示す。1つの実施形態では、トロカール嵌合固定具(114)の近位部には複数の取り付け環が備え付けられている。取り付け環は、トロカール嵌合固定具(114)を、カメラコンソールベース(108)へ嵌合させて取り付けるために使用される。1つの実施形態では、取り付け環は、ねじ接続部によって、カメラコンソールベース(108)へ固定され、取り付け環はカメラコンソールベース(108)の頂部に位置するように構成され、ねじは、取り付け環の穴を通ってカメラコンソールベース(108)上の穴にねじ込まれる。他の実施形態では、トロカール嵌合固定具(114)は接着接続を介してカメラコンソールベース(108)へ固定されるが、代替的な実施形態では、溶接接続などの当該技術分野で知られている他の接続方法および/または方法の組み合わせが利用される。加えて、さらなる実施形態では、トロカール嵌合固定具(114)とカメラコンソールベース(108)は、1つの剛性のピースとして製造される。
【0035】
いくつかの実施形態において、カメラコンソールベース(108)が2つの半分として構築される場合、トロカール嵌合固定具(114)はカメラコンソールベースの2つの半分を嵌合させるために使用される。この実施形態では、トロカール嵌合固定具(114)の近位端の1つの側は、カメラコンソールベースの半分の一方に固定されるが、トロカール嵌合固定具(114)の近位端のもう一方の側は、カメラコンソールベースのもう半分の方に固定され、こうしてカメラコンソールベース(108)の2つの半分を嵌合させる。
【0036】
上記のように、1つの実施形態では、トロカール嵌合固定具(114)は、カメラコンソールベース(108)の底部から突出する遠位端を含み、トロカール嵌合固定具(114)の近位端はカメラコンソールベース(108)上で静止している。1つの実施形態では、トロカール嵌合固定具(114)には、接続ハウジング(117)が装備されている(
図5A-5D)。1つの実施形態では、接続ハウジング(117)は、トロカール嵌合固定具(114)の近位端から近位および遠位に伸びる。1つの実施形態では、接続ハウジング(117)は、接続部品がハウジングに入って遠位に伸びることを可能にするために、中空の中心を有する角柱として構成される。他の実施例では、接続ハウジング(117)は、当該技術分野で知られている任意の他の形状あるいは構成などの、接続部品が入って遠位に伸びることを可能にする、様々な形状および構成を呈することができる。
【0037】
様々な実施形態において、様々な接続部品はトロカール嵌合固定具(114)とトロカールアセンブリ(102)を嵌合させるために利用される。1つの実施形態では、くの字型スナップボタン接続部は、トロカール嵌合固定具(114)をトロカールアセンブリ(102)に連結するために使用される。この実施形態では、トロカール嵌合固定具(114)には、接続アパーチャ(118)が装備され、これは、トロカール嵌合固定具(114)の前面に位置する。この実施形態では、くの字型スナップボタン(図示されず)は、トロカール嵌合固定具(114)の接続ハウジング(117)内にある。くの字型スナップボタンは、スナップボタンが部分的に押圧されるように、接続ハウジング(117)の壁に対して押し付けられた状態のくの字型スナップボタンの後部タブとの摩擦によって、接続ハウジング(117)内で拘束される。くの字型スナップボタンの前部タブは、突出しているとともにトロカール嵌合固定具(114)の接続アパーチャ(118)に入るボタンを含み、それによって、くの字型スナップボタンを適所で固定し、カメラコンソールアセンブリ(101)をトロカールアセンブリ(102)と連結する。
【0038】
いくつかの実施形態において、トロカール嵌合固定具(114)の遠位端は、
図5A-
図5Dで示される例示的な実施形態において描かれるピンおよびスロット接続部(119)を含む。1つの実施形態では、ピンおよびスロット接続部(119)は、接続ハウジング(117)の反対側になるように、トロカール嵌合固定具(114)の背面に位置している。ピンおよびスロット接続部(119)は、カメラコンソールアセンブリ(101)とトロカールアセンブリ(102)を連結して固定するように構成される。加えて、ピンおよびスロット接続部(119)は、使用中にカメラコンソールベース(108)が上下方向に曲がるのを防ぐように、および、カメラコンソールアセンブリ(101)とトロカールアセンブリ(102)との間の気密接続を維持するために、トロカールアセンブリ(102)の操作中に、カメラコンソールベース(108)の一方の側が上昇するのを防ぐように、構成される。代替的な実施形態では、ピンおよびスロット接続部(119)は、プレスフィット接続部、接着接続部、および/または、当該技術分野で知られている任意の他の接続方法あるいは方式の代わりに使用され、トロカールアセンブリ(102)でカメラコンソールアセンブリ(101)を連結および固定し、ならびに、駆動中にカメラコンソールベース(108)がいかなる屈曲および/または上昇も経験することのないようにすることができる。
【0039】
加えて、いくつかの実施形態では、トロカール嵌合固定具(114)は通信遮断部(communications cut-out)を含む。通信遮断部は、制御情報と他のデータをロボットカメラアセンブリ(103)からカメラリジッド基板(115)まで送ることができるようにするために、トロカールアセンブリ(102)を介してルーティングされるロボットカメラアセンブリ(103)からの電気通信部品を、カメラリジッド基板(115)に嵌合および連結させるように構成される(
図6)。様々な実施形態において、限定されないが、フレキシブルプリント回路基板(「FPCB」)および/またはプリント回路基盤(「PCB」))を含む、様々なタイプの電気通信部品が利用され得る。加えて、いくつかの実施形態では、トロカール嵌合固定具は、手術道具および/または装置などの物体が、カメラコンソールアセンブリ(101)を通って、トロカールアセンブリ(102)に入り、トロカールアセンブリ(102)を通過することを可能にするように構成された通過路を含む。
図5Bは、1つの実施形態に係るトロカール嵌合固定具(114)の実施形態を示す。これらの実施形態では、トロカール嵌合固定具(114)は、軸を有する通過路(213)を有している。
図45は、1つの実施形態に係るロボットカメラシステム(300)の断面図を示す。
図45で示されるように、カメラ支持管がトロカールアセンブリを通って挿入されているとき、通過軸(212)は、カメラ支持管の長手軸(217)と平行に延びている。上記のように、通過路は、密封を維持しながら、ツール、装置、機器、あるいは他の部品がトロカールアセンブリの下の手術部位へ入ることができるように、カメラコンソールアセンブリを介して、および、トロカールアセンブリを介してアクセスすることを可能にするように構成される。この構成によって、ロボットカメラアセンブリは、ツール、装置、および機器とともに、同じトロカールを利用して手術部位に挿入され得、したがって手術を行うために必要とされる切開の回数を抑えることができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、上に詳述された、くの字型スナップ接続部が除去される。
図30は、カメラコンソールアセンブリ(301)の例示的な実施形態を示す。これらの実施形態では、コンソールベース(308)のアパーチャの下でコンソールベース(308)に取り付けられるものは、嵌合ばね(199)である。
図32Aに示される実施形態で示されるように、嵌合ばね(199)は、嵌合ばねがコンソールベース(308)に直接取り付けられることを可能にするため、コンソールベース上の開口部より大きな直径を有するように構成される。一実施形態では、嵌合ばねは接着接続によってコンソールベースに取り付けられるが、他の実施形態では、限定されないが、溶接接続、プレスフィット、あるいは当技術分野において既知の他の技術および/または方法を含む様々な接続技術が利用される。これらの実施形態では、トロカール嵌合固定具(314)は、コンソールベース(308)の下部に固定される。一実施形態では、ねじ接続はコンソールベース(308)にトロカール嵌合固定具(314)を固定するために利用されるが、他の実施形態では、限定されないが、接着接続、あるいは溶接接続を含む既知の他の接続方法が使用される。嵌合ばね(199)は、トロカール嵌合固定具(314)の内部に収まるように構成される。加えて、これらの実施形態では、トロカール(333)は、2つのピンおよびスロット接続部(201)を有するように製造され、上記1つの接続部がトロカールのいずれかの側面上にある。トロカール(333)がトロカール嵌合固定具(314)と嵌合すると、嵌合ばね(199)がトロカール(333)およびコンソールベース(308)を押し離し、ピンおよびスロット接続部(201)がトロカール(333)およびコンソールベース(308)を適所に固定するように、トロカール(333)はトロカール嵌合固定具(314)内に収まるように構成される。この接続部は、ロボットカメラシステムに軸剛性を提供する。これらの実施形態では、コンソールベースからトロカールを分離するために、ユーザーまたは外科医は、嵌合ばねが圧縮されるようにトロカールに圧力を加え、その後、トロカールを回転させ、これにより、ピンが接続スロットから取り除かれ、したがって、トロカール嵌合固定具およびコンソールベースからトロカールを開放する。他の実施例では、嵌合ばね(199)は、トロカール嵌合固定具の外側に配置される。加えて、さらなる実施形態では、トロカールはトロカール嵌合固定具の外側に位置するように構成される。
【0041】
いくつかの実施形態において、トロカール嵌合固定具(114)も前記アセンブリにカメラコンソールアセンブリ(101)の他の構成要素を嵌合および固定するように利用される。いくつかの実施形態において、プーリーハウジングブロック(112)は、トロカール嵌合面(114)の近位端に嵌合および結合される。
図3に示されるカメラコンソールアセンブリ(101)の例示的な実施形態に示されるように、プーリーハウジングブロック(112)は、トロカール嵌合固定具(114)の近位端に固定するように構成される。一実施形態では、プーリーハウジングブロック(112)は、ねじ接続によってトロカール嵌合固定具(114)に固定されるが、他の実施形態では、スナップフィット接続、プレスフィット接続、接着接続、溶接接続、および/または他の接続方法あるいは当技術分野において既知の方法の組み合わせが代用される。
【0042】
プーリーハウジングブロック(112)は、カメラ方向転換プーリー(111)を収容および拘束するために利用される。一実施形態では、プーリーハウジングブロック(112)は、4つのカメラ方向転換プーリー(111)を収容するように構成されるが、他の実施形態では、プーリーハウジングブロック(112)は、わずか1つのカメラ方向転換プーリー(111)を収容するように構成される。他の実施例では、プーリーハウジングブロック(112)は、4つ以上の方向転換プーリー(111)を収容するように構成される。
【0043】
ケーブルが複数のアクチュエータープーリー(105)にルーティングされ得、それによって、アクチュエーター(106)が前記ケーブルを駆動させることができるように、方向転換プーリー(111)は、ロボットのカメラアセンブリ(103)のヨーおよびピッチのケーブルを垂直の向きから水平の向きへと方向転換する。
【0044】
図7Aは、プーリーハウジングブロック(112)の例示的な実施形態を示す。一実施形態では、
図7Aに示されるように、プーリーハウジングブロック(112)は、複数の方向転換プーリースロット(120)を含む。一実施形態では、複数の方向転換プーリースロット(120)は、複数の方向転換プーリー(111)を拘束し、複数の方向転換プーリー(111)の各々は、複数の方向転換プーリースロット(120)の1つに配置される(
図8A-8B)。いくつかの実施形態において、プーリーハウジングブロック(112)は、たった1つの方向転換プーリースロット(120)を含む。方向転換プーリースロット(120)は、方向転換プーリー(111)のいずれかが別の方向転換プーリー(111)と接触するのを防ぎながら、方向転換プーリー(111)がそれぞれのスロット内に位置するのを可能にするように構成される。一実施形態では、方向転換プーリースロット(120)は、方向転換プーリー(111)が互いに接触するのを防ぐように角度付けされるが、他の実施形態では、方向転換プーリースロット(120)は間隔が開けられ、それにより、プーリー(111)が互いに接触することを防ぐ。
【0045】
一実施形態では、方向転換プーリースロット(120)は、方向転換プーリースロット(120)の上部に配置されるシャフトチャネル(121)を含む(
図7A-7B)。この実施形態では、2つの端部を含有するシャフトは、方向転換プーリースロット(120)内の方向転換プーリー(111)を保持および拘束するために使用される。一実施形態では、シャフトの一端は、1つの方向転換プーリースロット(120)の1つのスロットチャネル(121)内にあり、ならびに、方向転換プーリー(111)のアパーチャを通過し、上記シャフトの他端は、別の方向転換プーリースロット(120)の隣接したスロットチャネル(121)内にある。いくつかの実施形態では、複数のシャフトが、そのそれぞれのスロット(120)において各方向転換プーリー(111)を拘束するために使用されるが、他の実施例では、わずか1つのシャフトが、それぞれのスロット(120)において各方向転換プーリー(111)のすべてを拘束するために使用される。それぞれのスロット(120)内での方向転換プーリー(111)の拘束に加えて、シャフトは支点としても機能し、それにより、プーリーが前記シャフトの周りを回転することを可能にする。シャフトは、様々な実施形態において様々な形状および構成、例えば、筒状形状、カテノイダル(catenoidal)形状、および/または、プーリーがシャフトの周りを回転することを可能にすることができる他の形状を呈することができる。他の実施例では、シャフトは除去され、各方向転換プーリー(111)は、前記方向転換プーリー(111)の各側面に突出部とともに製造され、方向転換プーリー(111)の中心から伸びる前記突出部はシャフトチャネル(121)の1つ内にある。
【0046】
さらに、いくつかの実施形態では、方向転換プーリー(111)はさらに、方向転換プーリーカバー(110)によって方向転換プーリースロット(120)において拘束される。
図8Aは、方向転換プーリーカバー(110)を強調する、プーリーハウジングブロック(112)の例示的な実施形態の分解図を示す。
図8Aに示される実施形態に示されるように、方向転換プーリーカバー(110)は、方向転換プーリー(111)のまわりに留め金で固定され、および、方向転換プーリースロットの上部に固定されるように構成される。それぞれのスロットにおける方向転換プーリー(111)の拘束に加えて、方向転換プーリーカバー(110)はまた、ケーブルが方向転換プーリー(111)との接触を維持するように、前記ケーブルを拘束するように構成される。
図8Bは、方向転換プーリーカバー(110)によって拘束された方向転換プーリー(111)を有する、プーリーハウジングブロック(112)の例示的な実施形態のさらなる図を示す。
【0047】
いくつかの実施形態では、方向転換プーリーカバー(110)は、ねじ接続によって方向転換プーリースロット(120)の上部に固定されるが、他の実施例では、方向転換プーリーカバー(110)は、スナップフィット接続によって方向転換プーリースロット(120)に固定される。他の実施例では、様々な接続技術が、方向転換プーリーを方向転換プーリーカバー(110)に固定するために利用され、それは、限定されないが、プレスフィット接続、接着接続、および/または当技術分野において既知の接続部技術の他の技術の組み合わせを含む。
【0048】
さらに、いくつかの実施形態では、プーリーハウジングブロック(112)は硬化ロッドアパーチャを含み、硬化ロッド(図示せず)が硬化ロッドアパーチャに入ることを可能にするように構成される。硬化ロッドは、ロボットカメラシステム(100)および挿入されるデバイス、例えば、国際特許出願PCT/US2015/02926(国際特許出願WO2015171614A1として公開)で開示されたバーチャルリアリティ外科用デバイスが、患者への挿入のために適切に位置合わせされるのを確実にするべく、前記デバイスを位置合わせするための位置合わせ機能として作用する。加えて、いくつかの実施形態では、硬化ロッドは、ロボットカメラシステム(100)を患者に挿入されるデバイスと嵌合するためにも使用される。
【0049】
一実施形態では、硬化ロッドは、硬化ロッドアパーチャに押し込まれるねじによって、硬化ロッドがプーリーハウジングブロック(112)に接続することを可能にする2つのネジ山が刻設されたアパーチャを含む。他の実施形態では、限定されないが、スナップフィット接続、プレスフィット接続、および/または他の技術あるいは当技術分野において既知の技術の組み合わせを含む、様々な接続技術が利用される。あるいは、いくつかの実施形態では、硬化ロッドは除去される。様々な実施形態において、硬化ロッドは、炭素繊維、ステンレス鋼、および/または複合材料を含むが、これらに限定されない様々な材料から製造される。
【0050】
いくつかの実施形態において、プーリーハウジングブロック(112)は、前記ハウジングブロック(112)の内部に配置される屈曲キャビティ(122)を含む
図7Cは、屈曲キャビティ(122)を強調する、プーリーハウジングブロック(112)の例示的な実施形態の底面図を示す。屈曲キャビティ(122)は、ロボットのカメラアセンブリ(103)の電気通信部品が、トロカール嵌合固定具(114)の通信遮断部へと方向転換することを可能にするように構成される。さらに、屈曲キャビティ(122)は、電気通信部品が損傷し、および/または曲げられて使用不可能になる前に、電気通信部品の最小許容曲げ半径に適応するように構成される。上述されるように、様々な実施形態において、限定されないが、フレキシブルプリント回路基板(「FPCB」)および/またはプリント回路基盤(「PCB」))を含む様々なタイプの電気通信部品が利用され得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、プーリーハウジングブロック(112)は、プーリーハウジングブロック(112)の内部に位置するカメラ支持管アパーチャ(123)(
図7B)を含む。カメラ支持管アパーチャ(123)は、カメラ支持管(124)(
図20A-20B)がプーリーハウジングブロック(112)と嵌合および結合することを可能にするように構成され、したがって、ロボットのカメラアセンブリおよびカメラコンソールアセンブリを嵌合する。
図20A-20Bは、カメラ支持管(124)の例示的な実施形態の複数の図を示す。カメラ支持管(124)の嵌合点を提供することに加えて、カメラ支持管アパーチャ(123)は、ケーブルが駆動している間に、カメラ支持管(124)に耐屈曲性を提供することにより、カメラ支持管(124)の有効な剛性を増大させるように構成される。様々な実施形態において、カメラ支持管アパーチャ(123)は、下方へ伸びてカメラ支持管(124)を囲む壁とともに構築され、したがって、カメラ支持管に追加的支援を提供しており、それにより、ケーブルが駆動する時にカメラ支持管によって経験される屈曲が最小限になり、カメラ支持管が変形するおよび/または破損するのを防ぐ。
【0052】
様々な実施形態において、様々な接続技術は、カメラ支持管アパーチャ(123)においてカメラ支持管(124)を嵌合および結合するために利用され、それは、限定されないが、ねじ接続、プレスフィット接続、および/またはスナップフィット接続を含む。他の実施例では、リベット接続および/または他の接続技術、および/または技術の組み合わせが、カメラ支持管アパーチャ(123)においてカメラ支持管(124)を嵌合および結合するために利用される。
【0053】
さらに、いくつかの実施形態では、プーリーハウジングブロック(112)は、ロボットのカメラアセンブリのケーブルを外したり、紐を外したり(unstring)する必要なく、カメラコンソールアセンブリの任意の構成要素を取り除き、および/または交換され得るように、ロボットのカメラアセンブリからのケーブルがプーリーハウジングブロック(112)を出入りするための、前記ハウジングブロックの背面にあるアセンブリスロットを含む。
【0054】
さらに、様々な実施形態において、プーリーハウジングブロック(112)は挿入口(125)(
図7A)を含む。挿入口は、手術道具および/またはロボット装置などの物体が、通過してトロカールアセンブリ(102)に進むことを可能にするように構成される。いくつかの実施形態において、挿入口(125)は、物体およびデバイスが、接触したり、鋭い縁に引っかかったりすることなく挿入口を通過することを可能にする傾斜した内壁を含むように製造される。加えて、挿入口(125)は、患者への挿入を容易にするために、トロカールアセンブリ(102)を通じてツール、デバイス、および他の物体をガイドするために利用される。
【0055】
いくつかの実施形態において、プーリーハウジングブロック(112)は、接続ハウジング(117)の上部が空洞内に入って留まることを可能にするように、トロカール嵌合固定具(114)の接続ハウジング(117)(
図5B)の構成および形状と一致するように構成されるキャビティを有する。いくつかの実施形態において、キャビティは、上に詳述される、くの字型スナップボタンなどのコネクターが、プーリーハウジングブロック(112)を分離および取り除く必要なくトロカール嵌合固定具(114)から取り除かれ、ならびに、全システムの組み立てを容易にすることを可能にするためにオリフィスとして製造される。代替的実施例ではキャビティは、接続ハウジング(117)の上部が前記キャビティに入ることを可能にする押し出しスロットとして構成されるが、他の実施形態では、空洞は除去される。
【0056】
いくつかの実施形態において、カメラコンソールアセンブリ(101)は、カメラコンソールベース(108)に固定されるコンソール嵌合支持部(113)を含む。
図9A-9Bは、コンソール嵌合支持部(113)の例示的な実施形態の等角図を示す。コンソール嵌合支持部(113)は、位置合わせ機能および全システム(100)のための硬化要素として作用する。一実施形態では、コンソール嵌合支持部(113)は、硬化ロッドがアパーチャに入ることを可能にするように構築される位置合わせのためのアパーチャを含み、そこで前記硬化ロッドがねじ接続によってコンソール嵌合支持部(113)に結合される。他の実施例では、様々な接続技術が、硬化ロッドをコンソール嵌合支持部(113)に結合するために使用され、それは限定されないが、スナップフィット接続、プレスフィット接続、ネジ接続、および/または他の接続技術あるいは当技術分野の技術の組み合わせを含む。
【0057】
加えて、上述のように、様々な実施形態において、コンソール嵌合支持部(113)は、さらなる安定性をシステム全体に提供するように構成される。いくつかの実施形態において、位置合わせのためにアパーチャの内面に配置されるのは、アパーチャに挿入された硬化ロッドと接触する複数の硬化バンパー(218)(
図9A-9B)である。これらの実施形態では、硬化バンパー(218)は、アパーチャの上部から前記アパーチャの底へと伸びる半円筒として製造される。硬化バンパーは、最小量の接点を硬化ロッドに提供し、したがってシステム(100)が使用されている時に硬化ロッドを安定化および固定することによって、システム(100)上の過剰拘束の量を減らすように構成される。
【0058】
上述のように、コンソール嵌合支持部(113)はカメラコンソールベース(108)に固定される。
図9Cは、コンソール嵌合支持部(113)の例示的な実施形態の底面の輪郭図を示す。
図9Cに示される実施形態に示されるように、コンソール嵌合支持部(113)の下部に配置されるのは、コンソール嵌合支持部(113)をカメラコンソールベース(108)(図示せず)と結合および固定するために使用される複数の接続孔(219)である。様々な実施形態において、様々な接続技術および方法、例えば、ねじ接続、プレスフィット接続、スナップフィット接続、および/またはコンソール嵌合支持部(113)をカメラコンソールベース(108)に固定および結合することができる、当技術分野において既知の他の方法あるいは技術またはそれらの組み合わせが利用される。同様に、
図9Bに示される例示的な実施形態に示されるように、いくつかの実施形態では、コンソール嵌合支持部(113)の上面に配置されるのは、複数の嵌合孔(220)である。これらの実施形態では、嵌合孔は、上部コンソール本体(107)(図示せず)とコンソール嵌合支持部(113)の上部を嵌合するために使用される。様々な実施形態において、限定されないが、スレッド接続、スナップフィット接続、プレスフィット接続、接着接続、および/または、当技術分野において既知の他の方法あるいは技術を含む様々な接続技術および方法が利用される。
【0059】
他の実施例では、カメラコンソールアセンブリは、コンソール嵌合支持部を含まない。
図30に示される例示的な実施形態に示されるように、いくつかの実施形態では、カメラコンソールアセンブリ(301)は、上部コンソール本体(307)をカメラコンソールベース(308)と嵌合および結合するために使用される複数の硬化ロッドアパーチャ(216)を含む。これらの実施形態では、硬化ロッドは硬化ロッドアパーチャ(216)に入って通過し、カメラコンソールベース(308)上に配置されるスロットに入って嵌合し、上部コンソール本体(307)およびカメラコンソールベース(308)を結合する。さらに、いくつかの実施形態では、上部コンソール本体(307)は、トロカールアセンブリを介して挿入され、および患者の身体に入るデバイスを位置合わせするための位置合わせスロット(205)を含む。これらの実施形態では、位置合わせロッドの一端は位置合わせスロット(205)に入って嵌合し、位置合わせロッドの他端はデバイス上の対応するスロットに入り、それにより、トロカールアセンブリを介した挿入のためにデバイスを位置合わせする。さらに、位置合わせロッドはさらに、デバイスをコンソールアセンブリと嵌合する。
【0060】
いくつかの実施形態において、カメラコンソールアセンブリ(101)は、カメラコンソールベース(108)の下部に固定されたフレックスシールド(109)を備えている。
図10A-10Cは、フレックスシールド(109)の例示的実施形態の複数の図を示す。フレックスシールド(109)は、ロボットカメラアセンブリからルーティングされている電気通信部品の保護キャスティングを設けており、これにより、システムの使用中に、前記電気通信部品が他の対象および部品と接触するのを妨げる。加えて、いくつかの実施形態において、フレックスシールド(109)は、カメラリジッド基板(115)(
図11A-11B)が位置するための表面の他、カメラリジッド基板(115)をカメラコンソールベース(108)に繋げることを可能にするための嵌合面を設ける。
【0061】
図10A-10Cに示される実施形態に例示されるように、一実施形態において、フレックスシールド(109)は輪郭をつけた縁部を備えており、該縁部は、フレックスシールド(109)がトロカールアセンブリ(102)の近位部の外部表面に沿って静止するのを可能とするべく、トロカールアセンブリ(102)の近位部と同じ形状を持つように構成される。様々な実施形態において、輪郭をつけた縁部は、フレックスシールド(109)がトロカールアセンブリ(102)の近位部の外部表面に沿って静止するのを可能とする一方で、他の実施形態では輪郭をつけた縁部が排除されている、様々な構成をとることができる。加えて、いくつかの実施形態において、フレックスシールドは側壁(126)を備えている。側壁(126)は、ロボットカメラアセンブリ(103)からカメラリジッド基板(115)へとルーティングされる電気通信部品に対する保護をもたらす。加えて、
図10A-10Bに表わされた実施形態に示されるように、側壁(126)は近位に伸長することで、カメラコンソールベース(108)からの分離をもたらし、電気通信部品がフレックスシールド(109)に進入し、かつカメラリジッド基板(115)に嵌合するのを可能にする。いくつかの実施形態において、側壁(126)はフレックスシールド(109)の縁部全体に沿っている一方、他の実施形態において、フレックスシールド(109)の縁部の一部のみに沿っている。
【0062】
上述のように、いくつかの実施形態において、フレックスシールド(109)は、カメラコンソールベース(108)の下部に嵌合かつ結合する。様々な実施形態において、様々な接続の方法と技術が、カメラコンソールベース(108)の下部にフレックスシールド(109)を繋げるために利用され、限定されないが、ネジ接続、スナップフィット接続部、プレスフィット接続、溶接接続、および/または接着接続が挙げられる。一実施形態において、フレックスシールド(109)は複数のフレックスシールドスタンドオフ(127)を備えている(
図10A-10C)。本実施形態において、フレックスシールドスタンドオフ(127)は、フレックスシールド(109)がカメラリジッド基板(115)に嵌合かつ結合するための表面を設けており、カメラリジッド基板はフレックスシールド(109)とカメラコンソールベース(108)の下部の両方に繋がれている。さらに、本実施形態において、フレックスシールドスタンドオフ(127)はまた、以下に詳述されるように、電気通信部品がカメラリジッド基板(115)の下部と上部の両方に接続するのを可能とするべく、カメラリジッド基板(115)を持ち上げるのに利用される。
【0063】
図11A-11Bは、フレックスシールド(109)とカメラリジッド基板(115)との間の接続の複数の図を示す。一実施形態において、ねじは、フレックスシールド(109)の下部、続いてフレックスシールドスタンドオフ(127)に入り、カメラリジッド基板(115)にあるアパーチャを通過して、カメラリジッド基板(115)とカメラコンソールベース(108)との間に挟持されるスタンドオフに入り、カメラコンソールベース(108)上のネジ接続孔に入る。代替的な実施形態において、ねじ接続は、当該技術分野で基地の他の接続技術と置き換えてもよく、限定されないがプレスフィット接続および/またはスナップフィット接続が挙げられる。
【0064】
上述のように、カメラリジッド基板(115)はフレックスシールドスタンドオフ(127)上にある。カメラリジッド基板(115)は、ロボットカメラアセンブリ(103)からルーティングされる電気通信部品のための媒介物質として作用し、前記リジッド基板は、電気通信部品のためのデータと情報を得て、モーター制御基板や外部コンピューターなどの必要位置に情報をルーティングする。一実施形態において、カメラリジッド基板(115)は、上部と下部の表面を備えており、両表面には、電気通信部品が接続する複数のコネクターがある。
【0065】
上述のように、様々な電気通信部品は、PCBやFPCBを含むがこれらに限定されない、様々な実施形態において使用される。一実施形態において、カメラリジッド基板(115)からのFPCBは、モーター制御基板へとルーティングされ、前記FPCBは、ロボットカメラアセンブリからの位置および配向のセンサーデータを提供する。同様に、一実施形態において、2つのFPCBが、カメラリジッド基板(115)から、ロボットカメラアセンブリ上に位置するセンサーから得られたカメラフィードとデータを提供するコンピューター基板へとルーティングされる。加えて、一実施形態において、カメラリジッド基板(115)には複数のトレース(traces)が備わっており、該トレースは、前記基板にわたりルーティングされるとともに、ロボットカメラアセンブリの電気通信部品からのトレースが同じ長さを持つのを確保するように構成されており、それにより、データおよびカメラフィードは同じ時間にそれぞれの位置に到達し、ゆえにシステムのデータフロー中のあらゆる混乱も減少する。
【0066】
上述のように、いくつかの実施形態において、カメラリジッド基板(115)はモーター制御基板に動作可能に接続される。モーター制御基板は、以下に詳述されるように、ロボットカメラアセンブリのセンサーのほか、外科医が着用するヘッドマウントディスプレイの位置と配向を追跡するセンサーシステムから得られる、位置および配向のデータを処理するように構成される。モーター制御基板は、前記センサーおよびセンサーシステムから得たデータを処理し、かつ、複数のアクチュエーター(106)に駆動コマンドを送信し、どのぐらいの駆動力がロボットカメラアセンブリのケーブルにかけられるべきかを知らせることで、ステレオカメラ(143)が外科医の頭の動きに追従かつ位置を合わせるように駆動させる。これらの実施形態において、モーター制御基板は、カメラコンソールアセンブリに堅く固定される。
【0067】
上述のように、いくつかの実施形態において、カメラコンソールベース(108)は複数のアクチュエーターマウント(116)に備え付けられており、これは複数のアクチュエーター(106)を固定するために使用されるものである(
図2A)。アクチュエーター(106)は、ロボットカメラアセンブリ(103)からルーティングされるケーブルを駆動させるべく利用される。いくつかの実施形態において、アクチュエータープーリー(105)は、アクチュエーター(106)に動作可能に繋がれる。これら実施形態において、アクチュエータープーリー(105)は、アクチュエーター(106)からロボットカメラアセンブリのケーブルへとトルク力を伝達するように構成される。いくつかの実施形態において、アクチュエータープーリー(105)は、アクチュエータープーリーカバー(104)に囲まれており、これはアクチュエーター(106)の上部に固定されている。アクチュエータープーリーカバー(104)は、駆動中にアクチュエータープーリー(105)の溝内にケーブルを閉じ込め、かつ保持するように構成される。
【0068】
異なる実施形態において、異なるタイプのアクチュエーターが利用され、サーボモーター、ロータリーアクチュエーター、リニアアクチュエーター、および/またはステッピングモーターが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、システム(100)は4つ(4)のアクチュエーターを備えており、2つのアクチュエーターがヨーケーブルを駆動させるべく指定され、かつ残り2つのアクチュエーターはロボットカメラアセンブリ(103)からルーティングされるピッチケーブルを駆動させるべく指定される。代替的に、他の実施形態において、システムはわずか2つ(2)のアクチュエーターしか備えておらず、1つのアクチュエーターがヨーケーブルを駆動させるべく指定され、残り1つはロボットカメラアセンブリからルーティングされるピッチケーブルを駆動させるべく指定される。
【0069】
アクチュエーターマウント(116)を介してカメラコンソールベース(108)に固定されているアクチュエーター(106)に加えて、いくつかの実施形態において、上部コンソール本体(107)は、システム(100)全体に付加的な安定性をもたらすとともに、アクチュエーター(106)を適所に固定するべく利用される。上部コンソール本体(107)は、カメラコンソールアセンブリ(101)を閉じ込め、かつ、ケーブルの駆動中のアクチュエーター(106)からの張力により、アセンブリが内側へ曲がるとともに折り畳まるのを妨げるべく構成される。
【0070】
図2Cに示されるカメラコンソールアセンブリ(101)の例示的実施形態に表わされるように、上部コンソール本体(107)はアクチュエーター(106)の近くに位置しており、前記上部コンソール本体(107)はアクチュエーター(106)の上面に固定されるように構成される。
図12は、上部コンソール本体(107)の例示的実施形態の等角図を示す。
図12に示されるように、一実施形態において、上部コンソール本体(107)は、複数の取り付け孔を備えており、これは、アクチュエーター(106)(
図12に示されず)に上部コンソール本体(107)を固定するとともに、上部コンソール本体(107)の上部に、およびアクチュエータープーリー(105)のまわりに複数のアクチュエータープーリーカバー(104)を取り付け且つ固定するために使用される。加えて、いくつかの実施形態において、取り付け孔は、上部コンソール本体をプーリーハウジングブロック(112)の上面に結合かつ嵌合させるほか、上部コンソール本体(107)をコンソール嵌合支持部の上面に結合させるために使用される。様々な実施形態において、当該技術分野で既知の様々な取り付けの方法と技術が利用され、ねじ接続、プレスフィット接続、スナップフィット接続、および/または、当該技術分野で既知の他の方法または技術、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
図12に示されるように、一実施形態において、上部コンソール本体(107)は複数のアクチュエーターアパーチャ(128)を備えている。アクチュエーターアパーチャ(128)の数は、システム(100)のアクチュエーター(106)の数に直接関連付けられており、したがって、いくつかの実施形態において、上部コンソール本体(107)はわずか1つのアクチュエーターアパーチャ(128)しか備えていない一方、他の実施形態において、上部コンソール本体(107)に見られるアクチュエーターアパーチャ(128)の数は、2(2)から4(4)、またはそれ以上に及ぶ場合がある。アクチュエーターアパーチャ(128)は、アクチュエーター(106)のほか、該アクチュエーターに固定されるアクチュエータープーリー(105)の形状を呈するように製造され、その結果、アクチュエーター(106)の上面は、上部コンソール本体(107)と同一面上にあることで、アクチュエータープーリー(105)が上部コンソール本体(107)の上にあるのを可能とする(
図2C)。
【0072】
同様に、いくつかの実施形態において、上部コンソール本体(107)は、前記プレートの中心に位置するデバイス開口部(129)を備えている。一実施形態において、デバイス開口部(129)は、プーリーハウジングブロック(112)の上に直接位置しており、前記開口部は、方向転換プーリー(111)へのアクセスを可能とするほか、デバイスおよび/または対象がデバイス開口部(129)を通過するとともにプーリーハウジングブロック(112)の挿入開口部(125)に入るのを可能とするのに十分な大きさの断面積を持つように構成される。加えて、いくつかの実施形態において、デバイス開口部(129)は、硬化ロッドが、コンソール嵌合支持部(113)に位置するアパーチャを通過し、かつそれに入るための空間を設けるように構成される。
【0073】
いくつかの実施形態において、上部コンソール本体(107)は近位硬化ロッドアパーチャ(130)を備えている。これら実施形態において、近位硬化ロッドアパーチャ(130)は、プーリーハウジングブロック(112)の硬化ロッドアパーチャ上に直接位置付けられる。加えて、これら実施形態において、近位硬化ロッドアパーチャ(130)は、硬化ロッドが近位硬化ロッドアパーチャ(130)を通過するとともに硬化ロッドアパーチャに入るのを可能にするべく、硬化ロッドアパーチャと同じ断面積を持つように構成される。
【0074】
一実施形態において、上部コンソール本体(107)は、スナップフィット接続を介して互いに固定される2つの部分として製造される。他の実施形態において、スナップフィット接続はピンホール接続部と置き換えられる一方、さらなる実施形態において、他の接続のタイプおよび/または方法が利用され、例えば、接着接続、溶接接続、磁気接続、および/または当該技術分野で既知の他の方法、またはそれらの組み合わせが挙げられる。代替的な実施形態において、上部コンソール本体(107)は1つの剛性片として製造される。いくつかの実施形態において、上部コンソール本体(107)はステンレス鋼から構成される一方、代替的な実施形態において、プレートは、プラスチック、セラミック、および/または、カメラコンソールアセンブリ(101)を支持可能な、当該技術分野で既知の他のタイプの材料から構成される。
【0075】
上述のように、いくつかの実施形態において、カメラコンソールアセンブリは、2つのアクチュエーターを備えるように構成される。
図30は、2つのアクチュエーターを備えたカメラコンソールアセンブリ(301)の例示的実施形態を示す。これら実施形態において、1つの自由度において駆動をもたらす、各アクチュエーター(306)に対して2つ(2)の逆回転プーリー(200a)と(200b)のセットが存在する。これら実施形態において、一本のケーブルが、1つのアクチュエーター、1セットの逆回転プーリー、およびトーションばね(202)と共に使用されることで、ヨーまたはピッチのいずれにおいても、カメラアセンブリの1つの自由度をもたらす。
図31A-31Cは、逆回転プーリーセットの例示的実施形態を示す。
図31A-31Cに見られるように、これら実施形態において、逆回転プーリー(200a)と(200b)は互いに積み重ねられ、下部逆回転プーリー(200b)はアクチュエーター(306)に直接固定されている。逆回転プーリー(200a)と(200b)のセット間に、トーションばね(202)が存在し、これは逆回転プーリーのセット間にあるハウジング中にある。トーションバネは逆回転プーリー(200a)と(200b)の両方に繋がれる。プーリーが前記プーリーの軸のまわりでしか回転できないように、上部逆回転プーリー(200a)は並進運動的に制限される。下部と上部両方の逆回転プーリーはそれぞれ、終止部位を備えており、そこでは、駆動に使用されるケーブルの一端が終端となる。ケーブルは、ヨー駆動アセンブリまたはピッチ駆動アセンブリの何れかを介してルーティングされ、前記ケーブルの一端は、下部逆回転プーリー(200b)のまわりでルーティングされ、およびその上で終端となり、ケーブルの他端は、上部逆回転プーリー(200a)のまわりでルーティングされ、およびその上で終端となる。ケーブルは、その長さが固定されるように終端化され、その結果、アクチュエーターの駆動時に、両方のプーリーが同じ方向に回転し、ステレオカメラを所望の自由度で正または負に回転させる。
【0076】
これら実施形態において、アクチュエーターが下部逆回転プーリー(200b)を駆動させると、前記プーリーは、プーリー上で終端となるケーブルの端部上で引っ込む。下部逆回転プーリー(200b)は回転している一方、上部逆回転プーリー(200a)も、前記プーリー間の結合により回転する。ケーブル上での引っ込みは、どのようにしてケーブルがカメラアセンブリを介してルーティングされるかに依存して、ステレオカメラをパン撮りする、または傾ける。ステレオカメラを反対方向にパン撮りする、または傾けるために、アクチュエーターは反対方向に回転する。アクチュエーターが反対方向に回転すると、トーションばね(202)は、その自由状態に向けて後方に動くと、上部逆回転プーリー(200a)に力を加える。トーションバネによりかけられた力は、ケーブルの他端の緩んだ状態を引っ込めさせて、ステレオカメラを反対方向にパン撮りまたは傾けさせる。
【0077】
トロカールアセンブリ
上記に詳述されるように、トロカールアセンブリ(102)がトロカール嵌合固定具(114)の遠位端に付けられている。
図13は、トロカールアセンブリ(102)の一実施形態の展開図を示す。
図13に示される実施形態に見られるように、トロカールアセンブリ(102)は、前記アセンブリを作成するべく一体的に結合される複数の部品を備えている。トロカールアセンブリ(102)は、患者の体へと挿入される外科手術用の装置、ツール、および/または他の対象の入口(portal)として機能する。
【0078】
一実施形態において、トロカールアセンブリ(102)はトロカール(133)を備えている。
図14Aは、一実施形態に係るトロカール(133)の例示的実施形態を示す。トロカール(133)は、患者の身体の外部にあるロボットカメラアセンブリ(103)および他の外科手術用装置が患者の身体に進入するのを可能としつつ密封を維持し、その結果、患者の腹部が処置全体にわたり吹き込まれ続けるように、構成される。
【0079】
図14Bは、一実施形態に係るトロカール(133)の展開図を示す。
図14Bに示されるように、一実施形態において、トロカール(133)は、2つの部分、すなわち主トロカール本体(135)とトロカールネック(136)として製造される。主トロカール本体(135)は、トロカールネック(136)の内部に位置するように構成される遠位部を備えている。一実施形態において、主トロカール本体(135)は、気密シールを作り出すなどのために、接着接続を介してトロカールネック(136)に繋がれ、これにより、空気または二酸化炭素が吹込み中にトロカール(133)を通って漏れ出るのを妨げる。他の実施形態において、当該技術分野で既知の様々な接続の方法および技術が、トロカールネック(136)に主トロカール本体(135)を固定するために利用される。代替的に、他の実施形態において、主トロカール本体(135)およびトロカールネック(136)は1つの部分として製造される。
【0080】
利用中、主トロカール本体(135)は患者の外腹部壁に位置しており、トロカールネック(136)は患者の腹部壁に挿入されることで、ロボットカメラアセンブリ(103)だけでなく様々な外科手術用装置や機器の挿入を可能にする。一実施形態において、翼付リング(134)がトロカールネック(136)に固定されている。翼付リング(134)は、手術中だけでなく、ロボットカメラアセンブリおよび外科手術用装置・ツールが患者の身体に挿入されるときに、トロカールアセンブリ(102)のあらゆる動作を妨げるべく、患者の外腹部壁にトロカールアセンブリ(102)を固定するように構成される。
図18A-18Bは、一実施形態に係る翼付リング(134)の複数の図を示す。
図18Bに示されるように、一実施形態において、翼付リング(134)は、中空中心を伴う本体を有するように構成され、中心はトロカールネック(136)のまわりに適合するように構成される。本実施形態において、ねじ(142)が翼付リング(134)の本体の両側に位置付けられる。ねじ(142)は、患者の身体にトロカールアセンブリ(102)を固定するために利用される。処置中に、いったん外科医が患者の腹壁へとトロカールネック(136)を挿入すると、外科医は、ねじ(142)の各々のまわりに一本の縫合糸を巻き付け、患者の腹壁に縫合糸を縫い、患者の身体にトロカールアセンブリ(102)を固定する。一実施形態において、翼付リング(134)は、摩擦により保持される2つのねじを介してトロカールネック(136)に繋がれる。他の実施形態において、当該技術分野で既知の様々な結合の方法および技術が、トロカールネック(136)に翼付リング(134)を結合させるために利用され、限定されないが、スナップフィット接続、接着接続、溶接接続、および/またはネジ接続が挙げられる。加えて、代替的な実施形態において、翼付リング(134)およびトロカールネック(136)は1つの部分として製造される。
【0081】
一実施形態において、主トロカール本体(135)は、前記主トロカール本体(135)の側壁に位置するシールポート(137)を備えている。本実施形態において、ルアーロック接続は、以下に詳述されるように、シールポート(137)を通過して、膨張可能なシール(132)に位置する空気ポート(140)に接続する。シールポート(137)は、主トロカール本体(135)の側壁に位置することで、膨張可能なシール(132)の内壁に位置する複数のシース(139)への空気の送り込みを可能にする。本実施形態において、空気ホースがルアーロック接続部に繋がれ、空気ホースはポンプに繋がれる。空気が空気ポート(140)を介して複数のシース(139)へと送り込まれると、シース(139)は膨張かつ拡大し、気腹の損失を妨げるトロカールアセンブリ(102)のトロカール(133)を介して患者に挿入された装置のまわりに合うシールを作り出す。
【0082】
いくつかの実施形態において、2つのシール、すなわち膨張可能なシール(132)とユニバーサルシール(131)で構成されるシールサブアセンブリ(138)が、主トロカール本体(135)の内部に位置する。
図15A-15Bは、シールサブアセンブリ(138)の例示的実施形態を示す。一実施形態において、膨張可能なシール(132)は、近位端と遠位端、および中空中心を有する、円柱状形態となるように製造される。
図19A-19Bは、一実施形態に係る膨張可能なシール(132)を示す。いくつかの実施形態において、複数のシース(139)が、前記シールの双方上にある膨張可能なシール(132)の内部に位置する。
図16A-16Bは、シース(139)を強調した状態の、シールサブアセンブリ(138)の例示的実施形態の断面を示す。複数のシース(139)は、シールの外壁に固定され、シールの近位端から遠位端へと伸長する。当該技術分野で既知の標準の取り付け方法および技術が、膨張可能なシール(132)の内壁に複数のシース(139)を固定するために使用され、限定されないが接着接続が挙げられる。一実施形態において、複数のシース(139)は2つの端部を有するように構成され、両端には、機械的ガスケットとして作用するo-リングがある。
【0083】
加えて、これら実施形態において、膨張可能なシール(132)の1つの壁には、前記壁から突出する空気ポート(140)が位置付けられる。空気ポート(140)は、主トロカール本体(135)のシールポート(137)を通過するルアーロック適合部と対合するのを可能にするべく螺合されるように作成され、これにより、膨張可能なシール(132)を回転可能にかつ軸移動方向に閉じ込める。さらに、これら実施形態において、空気ポート(140)も、複数の弾性シース(139)に動作可能に接続される。これら実施形態において、空気ポート(140)は、前記複数のシース(132)への二酸化炭素(CO2)または空気の送り込みを可能にするように、ルアーロックを備えている。上記に詳述されるように、空気が複数のシース(139)へと送り込まれると、シースは膨張かつ拡大し、主トロカール本体(135)を通過する装置に合う形態適合シールを作り出し、これにより気体が患者の腹部から漏れ出るのを妨げつつ、前記装置が同時に操作されるのを可能にする。シース(139)の弾性により、複数の装置は、気密シールを維持しつつトロカールアセンブリ(102)を通過する、またはそれを介してルーティングされる場合がある。様々な実施形態において、複数のシース(139)は、膨張時にあらゆる形状に適合可能な、ラテックス、ネオプレン、ゴム、および/または当該技術分野で既知の他の材料を含むがこれらに限定されない、様々な材料から製造され得る。加えて、さらなる実施形態において、複数のシース(139)は、膨張可能なシール(132)の内周全体を覆う、1つの弾性シースと置き換えられる。代替的な実施形態において、膨張可能シールに位置する空気ポートは排除される。これら実施形態において、膨張可能シールは、トロカールのシールポートと位置合わせされたアパーチャを備えている。空気ホースは、トロカール上のシールポートを通過するとともに膨張可能シール上のアパーチャに直接嵌合する、ルアーロック接続部に直接ルーティングされる。
【0084】
他の実施形態において、膨張可能シールはAirSeal(登録商標)など、当該技術分野で既知の他のシールと置き換えられる。本実施形態において、CO2は、トロカール中のチャネルを介して断続的に送り出され、ツールの挿入および操作の間に気腹の損失を妨げる圧力差を作り出す。代替的な実施形態において、膨張可能シールは、トロカールの空間を同様に満たすとともに、トロカールを通過するツール、装置、または他のアイテムの形状に合う、準拠的な材料と交換される。いくつかの実施形態において、アヒルのくちばし状のシールが利用され、さらなる実施形態において、当該技術分野で既知のシールの組み合わせを利用することで、ツールの挿入中、および操作全体にわたって気腹の損失が妨げられる。
【0085】
一実施形態において、膨張可能なシール(132)の近位端と遠位端は、ネジ山が刻設された端部を備えることで、遠位端が主トロカール本体(135)に嵌合および結合し、近位端がユニバーサルシール(131)に嵌合および結合するのを可能にするように、構成される。代替的な実施形態において、当該技術分野で既知の様々な接続方法および取り付け方法が、主トロカール本体(135)に膨張可能なシール(132)を結合するだめでなく、ユニバーサルシール(131)を膨張可能なシール(132)に繋げるために使用され、限定されないが。接着接続、スナップフィット接続、および/またはねじ接続が挙げられる。
【0086】
図16A-16BDに示される実施形態に例示されるように、膨張可能なシール(132)の近位端には、ユニバーサルシール(131)が繋げられる。ユニバーサルシール(131)は、主要なシールとして使用されている膨張可能なシールとともに第2のシールとして利用される。ユニバーサルシール(131)は、トロカールアセンブリ(102)に密封の付加的な層を設けることで、手術用装置および/またはツールの患者の身体への挿入時、および身体からの抽出時に吹き込み圧力が確実に失われないようにするだけでなく、システムの利用および駆動中に吹き込み圧力が確実に失われないようにするべく、構成される。ユニバーサルシールは、中空中心を備えることで、ロボットカメラアセンブリだけでなく手術用装置および/またはツールが患者の身体を通過し、かつ、身体に挿入され、または身体から除去されるのを可能にするべく、構成される。一実施形態において、ユニバーサルシール(131)は、円柱状形態となるように構成され、ユニバーサルシール(131)は遠位端と近位端を備えており、遠位端の直径は近位端よりも長い。一実施形態において、ユニバーサルシール(131)は、2つの部品として製造され、これは互いに、当該技術分野で既知の標準の取り付け方法および技術を介して固定されており、方法および技術には、限定されないが、ねじ接続、プレスフィット接続、スナップフィット接続、接着接続、および/またはネジ接続が挙げられる。
【0087】
一実施形態において、ユニバーサルシール(131)の近位端は、シールの外周から前記シールの中空中心へと内部へ伸長する、複数のシールフラップ(141)を備え付けられる(
図16A-16B)。一実施形態において、複数のシールフラップ(141)は接着接続を介して周囲に固定され、一方で他の実施形態において、外側リングは、ねじ接続を介して複数のフラップ(141)の各々の外縁のまわりに締め付けられる。代替的に、他の実施形態において、当該技術分野で既知の標準の取り付け方法および/または技術が、ユニバーサルシール(131)の外周にシールフラップ(141)を固定するために使用され、限定されないが、プレスフィット接続、および/またはスナップフィット接続が挙げられる。
【0088】
いくつかの実施形態において、複数のシールフラップ(141)は、対象がユニバーサルシール(132)の中空中心を通過するのを可能にしつつ、通過する対象の周囲に合うような方法で、互いを重ねるように構成され、その結果、シールが作り出されて、患者の身体から空気が漏れ出るのを妨げる。一実施形態において、複数のシールフラップ(141)は半円状として製造され、複数のフラップの各々は別のフラップの一部に重なっている。代替的な実施形態において、複数のシールフラップ(141)は、様々な形状の何れかを呈するように構成され、限定されないが、三角形、平行四辺形、楕円形、および/または三日月形が挙げられる。加えて、様々な実施形態において、シールフラップ(141)は、可撓性かつ弾性である、ゴム、ラテックス、ネオプレン、シリコーン、および/または当該技術分野で既知の他の材料を含むがこれらに限定されない、様々な材料から構成される。
【0089】
上述のように、一実施形態において、ユニバーサルシール(131)は、遠位端の直径が近位端よりも長くなるように構成される。本実施形態において、遠位端は、遠位に伸長する側壁を持つ中空中心を備えることで、膨張可能なシール(132)の近位端がユニバーサルシール(132)の遠位端内に位置するのを可能にするべく構成され、その結果、ユニバーサルシール(131)の側壁は膨張可能なシール(131)の近位端を取り囲む。一実施形態において、ユニバーサルシール(132)の遠位端側壁の内周には、膨張可能なシール(132)の弾性シース(139)からのo-リングが中に位置するのを可能とするように構成された溝部が位置付けられる。本実施形態において、ユニバーサルシール(131)の遠位端は、膨張可能なシール(132)の近位端の周囲に適合し、シース(139)からのo-リングは、ユニバーサルシール(131)の遠位端の内壁上の溝部に進入し、これにより、締まりばめを作り出し、ユニバーサルシール(131)と膨張可能なシール(132)を結合させる。代替的な実施形態において、当該技術分野で既知の標準の取り付けは、ユニバーサルシール(131)と膨張可能なシール(132)を結合させるために利用され、限定されないが、接着接続、ネジ接続、プレスフィット接続、および/またはスナップフィット接続が挙げられる。
【0090】
代替的な実施形態において、ユニバーサルシールは様々な構成を呈することができる。
図33Bに示される例示的実施形態に表わされるように、一実施形態において、ユニバーサルシール(331)は3つの部品を備えており、ユニバーサルシールは膨張可能なシール(332)に嵌合する。本実施形態において、ユニバーサルシール(331)は、上部シールカバー(203)、シールフラップ(341)、および下部シールカバー(204)を備えている。シールフラップ(341)は、上部シールカバー(203)と下部シールカバー(204)との間に繋げられる。上部シールカバー(203)は、中空中心および内部唇部を備えるように構成され、これらに関して、シールフラップ(341)および下部シールカバー(204)が中に適合するように製造さえる。加えて、本実施形態において、膨張可能なシール(332)も上部シールカバー(203)の内部唇部に適合するように構成される。いくつかの実施形態において、ユニバーサルシール(331)の上部シールカバー(203)は、トロカール(333)の近位部と同じ直径である外部直径を持つように構成され、これにより、上部シールカバーがトロカール(333)に結合かつ嵌合する。加えて、これら実施形態の
図33Aに示されるように、上部シールカバー(203)は、上記に詳述されるように、トロカール(333)の嵌合スロット接続部を備えることで、ピンが進入し、カメラコンソールアセンブリ(301)のトロカール嵌合固定具(314)にトロカールアセンブリ(302)を嵌合させるのを可能にするように、製造される。一実施形態において、上部シールカバー(203)は、ねじ接続を介してトロカール(333)に繋げられ、一方で他の実施形態において、当該技術分野で既知の様々な接続が使用され、限定されないが、接着接続、またはプレスフィット接続が挙げられる。
【0091】
ロボットカメラアセンブリ
図19Aに見られるように、システムの一実施形態において、カメラコンソールアセンブリ(101)の遠位には、ロボットカメラアセンブリ(103)が位置付けられる。
図19Bは、一実施形態に係る、ロボットカメラアセンブリ(103)とカメラコンソールアセンブリ(101)との間の結合の展開図である。ロボットカメラアセンブリ(103)は、手術部位のライブカメラフィードを外科医にもたらすだけでなく、外科医がステレオカメラ(143)を駆動かつ制御するのを可能にするように構成され、これにより、外科医は手術部位の複数の画像を入手できる。さらに以下に詳述されるように、一実施形態において、外科医は、自身の頭部の動きに基づいてステレオカメラ(143)の動きを制御し、これにより外科医は、直観的かつ自然な様式で手術部位の望ましい図の入手が可能となる。
【0092】
上述のように、一実施形態において、ロボットカメラアセンブリ(103)は、カメラ支持管(124)を介してカメラコンソールアセンブリ(101)に繋がれる(
図19B)。カメラ支持管(124)は遠位端と近位端を有するように構成され、近位端がカメラコンソールアセンブリ(101)に繋がれ、かつ遠位端がステレオカメラ(143)に繋がれる。ステレオカメラを支持し、かつカメラコンソールアセンブリ(101)にロボットカメラアセンブリ(103)を繋げるのに加えて、カメラ支持管(124)はまた、ロボットカメラアセンブリ(103)からカメラコンソールアセンブリ(101)までケーブルおよび電気通信部品をルーティングし且つ保護するように構成され、これにより、ケーブルおよび電気通信部品は、システムの挿入および駆動中だけでなく、他のデバイスがトロカールアセンブリ(102)を介して患者の身体に挿入されるときに、損傷を受けない。
【0093】
一実施形態において、複数のチャネルおよび/または溝部を搭載したカメラ支持管(124)は、ケーブルが中に位置するのを可能にすることで、前記ケーブルがカメラコンソールアセンブリ(101)へとルーティングさせるためのトラックを設けるほか、システムの駆動中に前記ケーブルを保護するように、構成される。代替的な実施形態において、カメラ支持管は、ケーブルが中を通りルーティングされる内腔に備え付けられる。加えて、一実施形態において、カメラ支持管(124)は、ステレオカメラからカメラコンソールアセンブリまで電気通信部品をルーティングするように構成された、溝部および/または起伏(corrugation)を備えている。代替的な実施形態において、溝部および/又は起伏は、カメラ支持管(124)の側部に位置することで、電気通信部品を支持管と同一面にするのを可能とし、電気通信部品が屈曲し、かつ損傷を受けるのを妨げる。
【0094】
一実施形態において、カメラ支持管(124)は、ねじ接続を介してカメラコンソールアセンブリ(101)のプーリーハウジングブロック(112)に繋がれ、一方で他の実施形態において、当該技術分野で既知の標準の結合方法および技術が利用され、限定されないが、スナップフィット接続、プレスフィット接続、接着接続、および/または溶接接続が挙げられる。カメラ支持管(124)は、トロカールアセンブリ(102)に適合し、かつそれを通過することで、患者の身体へのロボットカメラアセンブリ(103)の挿入を可能とするように、構成される。
【0095】
いくつかの実施形態において、カメラ支持管(124)は、垂直のオフセットを持つことで、ステレオカメラが、トロカールアセンブリ(102)を介して挿入されている他の器機またはデバイスに干渉しないのを可能とするように、構成される。これら実施形態において、トロカールアセンブリにとどまるカメラ支持管の近位部には、他の器機および/または装置がトロカールを通過して手術場所に向かうのを可能にする小さな断面積がある。カメラ支持管の遠位端には、手術場所の内部にあるときにカメラ支持管の遠位端が上方に湾曲する(jogged)ような垂直のオフセットがあり、これにより、ステレオカメラは、他の器機および/または装置がトロカールアセンブリに進入かつ通過し、手術場所に向かうのを可能にする空間の上を上昇され続ける。他の実施形態において、カメラ支持管の遠位端は、水平または角度をつけたオフセットを備えるように製造され、一方でさらなる実施形態において、カメラ支持管は水平および垂直のオフセットを有するように構成される。
【0096】
上述のように、一実施形態において、カメラ支持管(124)の遠位端には、ステレオカメラ(143)が動作可能に接続される(
図21B)。
図21Aは、ステレオカメラ(143)の例示的実施形態の展開図を示す。ステレオカメラ(143)は、手術中に手術部位のライブステレオカメラフィードを外科医に提供するために利用される。ステレオカメラ(143)は、トロカールアセンブリに進入し、かつ通過して、患者の身体に進入するように構成される。いくつかの実施形態において、ステレオカメラは、ピッチ駆動アセンブリとヨー駆動アセンブリを有する駆動システムを備えており、2つのカメラアセンブリには、以下の詳述されるような部品の中でも、カメラモジュールまたはカメラモジュールアセンブリが備わっている。
【0097】
一実施形態において、ステレオカメラ(143)は主カメラ本体(144)を備えており、これを使用することで、カメラ支持管(124)にステレオカメラ(143)を嵌合および結合させる。
図24A-24Bは、主カメラ本体(144)の例示的実施形態の複数の図を示す。一実施形態において、主カメラ本体(144)は、ステレオカメラ(143)およびその部品のための支持部としても利用される。加えて、いくつかの実施形態において、主カメラ本体(144)は、電気通信部品、およびケーブルを、ステレオカメラ(143)からカメラ支持管(124)まで保持かつ方向転換するように構成される。一実施形態において、主カメラ本体(144)の上面には溝部および/またはチャネルが位置付けられ、これは、ステレオカメラ(143)からカメラ支持管(124)までケーブルをルーティングさせるために使用される。加えて、一実施形態において、主カメラ本体(144)は、電気通信部品キャビティ(145)を備え、そこでは、電気通信部品が中に位置している。一実施形態において、電気通信部品キャビティ(145)は、電気通信部品がポケット内を移動可能となるように構成され、その結果、ステレオカメラ(143)の駆動中に、電気通信部品は、損傷を受けるように湾曲せず、および/またはしわにならないように、移動かつ伸長するための空間を有する。
【0098】
図34A-34Bに見られるように、一実施形態において、電気通信部品キャビティ(345)は、電気通信部品をルーティングさせるためのフレックスラップガイド(198)および定荷重ばね(197)を備え付けられる。これら実施形態において、電気通信部品は、以下に詳述されるのと同じ様式で、ヨープーリーブロック(166)を介して、および前記ヨープーリーブロック(166)の突出部(171)のまわりにルーティングされる。
図34Bに例示されるように、一実施形態において、ヨープーリーブロックのまわりを巻きつけられた後、電気通信部品は、フレックスラップガイド(198)のまわりにルーティングされ、電気通信部品の一部がヨー駆動中に自由に動かすことで、電気通信部品が電気通信部品キャビティ(345)へと伸長するのを可能とし、かつ、ヨー軸のまわりでのステレオカメラの駆動の方向に応じてヨープーリーブロックの周囲で後方に動かされるのを可能にする。これら実施形態において、定荷重ばね(197)の一端は、ヨープーリーブロック(166)の突出部に繋がれ、定荷重ばね(197)の他端はばねスプール(196)の周囲に巻きつけられる(
図34A)。ばねスプール(196)は、電気通信部品キャビティ上に位置するピンの上に位置し、これに対してばねスプールが回転する。定荷重ばね(197)は、ヨープーリーブロックの周囲に巻きつけられると電気通信部品に追従し、その結果、電気通信部品は定荷重ばねに取り囲まれる。定荷重ばね(197)は、ヨー軸のまわりでのステレオカメラの駆動中、電気通信部品がつつかれるヨープーリーブロックの周囲の空間内で前記部品がもつれ、または引っかかるのを防ぐために、電気通信部品に内向きの半径方向力をかけるように構成される。
【0099】
一実施形態において、主カメラ本体(144)の上面には、主本体フレックスカバー(146)が固定される(
図19A)。主本体フレックスカバー(146)は、電気通信部品キャビティ(145)に位置する電気通信部品に対する保護の追加の層を設けるだけでなく、主カメラ本体マウント(147)が結合かつ嵌合するベアリング表面を設けるように構成される。一実施形態において、主本体フレックスカバー(147)は、ねじ接続を介して主カメラ本体に繋がれ、一方で他の実施形態において、当該技術分野で既知の標準の結合および取り付けの方法が使用され、限定されないが、スナップフィット接続、接着接続、および/またはプレスフィット接続が挙げられる。
【0100】
上述のように、一実施形態において、主カメラフレックスカバー(146)は、主カメラ本体マウント(147)が回転することができるベアリング表面を設ける。
図25A-25Dは、主カメラ本体の例示的実施形態の複数の図を示す。主カメラ本体マウント(147)は、ステレオカメラ(143)のピッチ駆動アセンブリ(148)(
図22A-22C)に対するハウジングとして機能し、そのために、左カメラアセンブリ(149)と右カメラアセンブリ(150)が繋げられる。加えて、主カメラ本体マウント(147)は、主カメラ本体(144)をステレオカメラ(143)に接続するためにも利用される。さらに、一実施形態において、主カメラ本体マウント(147)はまた、ロボットカメラアセンブリ(103)のヨー駆動アセンブリ(151)(
図27)のための接続点を設ける。一実施形態において、主カメラ本体マウント(147)の上面には、ボールベアリングがそれに沿って位置し、かつ乗せるためのベアリングレースを形成する、ヨーベアリング突出部(152)が位置付けられる。加えて、一実施形態において、主カメラ本体マウント(147)の上面は機械的停止部を備えており、これにより、ステレオカメラ(143)がその許容可能な駆動範囲を超えて回転し、かつ駆動されるのを妨げるだけでなく、主カメラ本体マウント(147)を介してルーティングされる電気通信部品が駆動中に損傷を受けるのを妨げる。
【0101】
一実施形態において、主カメラ本体マウント(147)は、中空中心を持つことで、左カメラアセンブリ(149)と右カメラアセンブリ(150)のピッチ回転を可能にするように構成される。加えて、一実施形態において、主カメラ本体マウント(147)は複数のアパーチャを備えており、1つのアパーチャは主マウント挿入部(153)を接続するために利用され、もう1つのアパーチャはピッチ駆動アセンブリ(148)からケーブルをルーティングさせるために利用され、さらに1つのアパーチャは左カメラアセンブリ(149)と右カメラアセンブリ(150)を位置合わせするための位置合わせピンホールとして利用され、またもう1つのアパーチャは主カメラ本体マウント(144)を介して電気通信部品をルーティングさせるために使用される。一実施形態において、主カメラ本体マウント(147)は、回転位置センサー(209)とコンデンサーが中に位置している、機械加工面を持つアパーチャを備えており、これにより、前記回転位置センサー(209)とコンデンサーに動作可能に接続される電気通信部品が、主カメラ本体マウント(147)の外面に対して平らに位置し(
図21Bおよび
図25B)、したがって、ステレオカメラ(143)の駆動中に電気通信部品へのあらゆる損傷を防ぐのを可能にする。一実施形態において、回転位置センサーは互いに直交して位置決めされ、前記センサーは、ピッチ回転の軸へと中心を向けられる。一実施形態において、2つの回転位置センサーが主カメラ本体マウント(147)に繋がれ、一方で他の実施形態において、3つ以上の回転位置センサーが主カメラ本体マウントに繋がれる。回転位置センサーは、ステレオカメラの位置および配向のデータを入手するために使用され、前記データは電気通信部品により外部コンピューターに送信される。様々な実施形態において、様々なタイプの位置および配向のセンサーが利用され、限定されないが、ホールエフェクトセンサーおよびコンデンサー、ジャイロスコープ、アクセラレーター、および/または光学エンコーダーが挙げられる。
【0102】
加えて、一実施形態において、主カメラ本体マウント(147)は、主マウント挿入部(153)が進入し、かつ結合されるポケットを備えている。一実施形態において、主マウント挿入部(153)が主カメラ本体マウント(144)に結合し、かつ主カメラ本体マウント(144)が、駆動中にロボットカメラアセンブリの残部から移動し、およびそこから外れるのを防ぐように、ポケットは組み立てられる。主マウント挿入部(153)は以下に詳細に説明される。加えて、一実施形態において、主カメラ本体マウント(147)の内壁に、ピッチベアリングレース(154)の回転を制限するように構築される有鍵の溝部(keyed grooves)が位置付けられる。
【0103】
異なる実施形態において、主カメラ本体マウントは、ピッチ駆動アセンブリ(148)の組み立てと修復の容易さをもたらすために、互いに結合する複数の部品として製造される。
図35A-35Bに示される例示的実施形態に表わされるように、一実施形態において、主カメラ本体マウント(347)は、主マウント(181)、主マウントカバー(182)、および主マウントストラップ(183)を備えている。ピッチ駆動アセンブリ(148)のためのハウジングの提供に加えて、本実施形態において、主カメラ本体マウント(347)は、主カメラ本体(144)をステレオカメラ(143)のカメラアセンブリに接続するためにも利用される。
図35Bに表わされるように、主マウント(181)の上面にヨーベアリング突出部(352)が位置付けられ、これにより、ヨーボールベアリングをそれに沿って位置付けかつ乗せるためのベアリングレースが形成される。
【0104】
加えて、いくつかの実施形態において、主マウント(181)は、カメラアセンブリがその許容可能な駆動範囲を超えて駆動かつ回転される防ぐための機械的停止部を備えている。一実施形態において、機械的停止部は、2つの同心リングとして構成され、一方は主本体フレックスカバーに固定される内側リングであり、他方は、同心的に回転するとともに、主マウントに位置付けられる、外側リングである。本実施形態において、両同心リングは放射状突出部を備えており、該突出部は、外向きに放射状に伸長する内側リング上に、および内向きに放射状に伸長する外側リング上に位置しており、その結果、それら突出部は互いに直接干渉することはない。内側および外側の同心リングは、ベアリングボールが自由に動くトラックを形成するように間隔を空けられている。形成されたトラックは、ベアリングボールよりもわずかに大きくなるように構成されるが、円形の経路に沿ってベアリングボールを閉じ込める。ヨー軸のまわりでのカメラアセンブリの駆動中、外側リング上の突出部は、ボールベアリングに接触し、ボールベアリングが内側リング上の突出部に接触しかつそれに引っかかるまで自由に回転する。異なる実施形態において、突出部の位置は、回転の開始と停止を構成するように調整可能であり、一方で他の実施形態において、突出部の幅は、望ましい量の回転を構成するように構成可能である。達成可能な回転の量は、同心リング上の突出部の構成および位置に応じて、0度の回転から700度の回転まで幅広く及んでいる。他の実施形態において、機械的停止部は、3つの同心リングおよび2つのベアリングボールを備えるように構成され、これにより、より大きな範囲の回転の達成が可能となる。
【0105】
加えて、いくつかの実施形態において、主マウントは、ピッチ駆動アセンブリからケー物を、およびカメラアセンブリから電気通信部品をルーティングさせるための複数のアパーチャを備えている。加えて、主マウント(181)の内表面上に、回転位置センサーおよびコンデンサーが中に位置する機械加工表面がある。いくつかの実施形態において、使用される回転位置センサーは、2つのホールエフェクトセンサーおよびコンデンサーであり、これは、主マウントの内面の中に位置し、一方でさらなる実施形態において、2つより多くのホールエフェクトセンサーおよびコンデンサーは、主マウントの内面の中にある。加えて、主マウント(181)の内部に、中に位置付けるべきピッチ駆動アセンブリのピッチベアリングレースのための機械加工表面がある。
【0106】
主マウント(181)と同様に、いくつかの実施形態において、主マウントカバー(182)の内面に、中に位置付けるべき回転位置センサーのための機械加工表面のほか、中に位置付けるべきピッチ駆動アセンブリからのピッチベアリングレースのための対応する機械加工表面がある(
図35Aと
図35B)。これら実施形態において、主マウント(181)および主マウントカバー(182)は、主マウントストラップ(183)を介して互いに結合される。主マウントストラップ(183)は、主マウント(181)および主マウントカバー(182)を結合するように製造され、その結果、主マウントおよび主マウントカバーは互いに対して固定された状態でとどまり、異物と流体が進入するのを防ぐ。
【0107】
上述のように、一実施形態において、主カメラ本体マウントは、ピッチ駆動アセンブリを収容するように構成される。
図22A-22Cは、一実施形態に係るピッチ駆動アセンブリ(148)の複数の図を示す。ピッチ駆動アセンブリ(148)は、回転のピッチ軸におけるステレオカメラ(143)を駆動かつ回転させることで、外科医が手術部位の追加の画像を入手するのを可能にするように、構成される。一実施形態において、ピッチ駆動アセンブリ(148)は、ピッチプーリー(155)、ピッチスラストベアリング(156)、ピッチベアリングレース(154)、複数のピッチボールベアリング(157a)、および複数のピッチボールベアリング(157b)を備えている。
【0108】
図23A-23Cは、一実施形態に係るピッチプーリー(155)の複数の図を示す。一実施形態において、ピッチプーリー(155)は、ステレオカメラ(143)がピッチ方向で駆動されるとき、電気通信部品がまわりを動くための表面を設けるように構成される。加えて、ピッチプーリー(155)は、ピッチ駆動アセンブリ(148)からカメラコンソールアセンブリ(101)のアクチュエーター(106)までルーティングされるケーブルを介して、ステレオカメラ(143)をピッチ方向に駆動させるように構成される。さらに、ピッチプーリー(155)は、左カメラアセンブリ(149)と右カメラアセンブリ(150)の両方が、軸に沿った両カメラアセンブリの回転を制限することにより、一貫した様式でピッチ軸に沿って回転するように、ステレオカメラ(143)のピッチ駆動中にスタビライザーとして作用するように構成される。
【0109】
一実施形態において、ピッチプーリー(155)は、電気通信部品がステレオカメラの駆動中に周囲に巻きつけられるのを可能にするように構成される、ピッチプーリーマンドレル(158)を備えている(
図23C)。一実施形態において、ピッチプーリーマンドレル(158)は、電気通信部品がピッチプーリー(155)の前面に置かれたフレックススロット(159)を出ると、電気通信部品を平らにするのを可能にする。加えて、本実施形態において、ピッチプーリーマンドレル(158)は、電気通信部品がマンドレルのまわりに巻きつけられるのを可能とするように、および、前記電気通信部品が駆動中に損傷を受けるのを妨げるべく周囲に巻きつけられたときに積み重なるのを可能とするように、製造される。一実施形態において、ピッチプーリーマンドレル(158)は、長方形形状となるように製造され、前記マンドレルでは、上部の直径の方が幅広く、下部の直径の方が小さい。代替的な実施形態において、ピッチプーリーマンドレル(158)は、様々な形状および構成を呈することができ、これにより、電気通信部品が、それ自体への損傷を妨げるべく簡潔な様式で周囲に巻きつけられることが可能となる。これら実施形態において、ピッチプーリーマンドレル(158)は、丸い縁部を持つ三角形状、半円形状、および/または、丸い縁部を持つ他の多角形状となるように構成され得る。
【0110】
一実施形態において、ピッチプーリーマンドレル(158)の外部には、2つのアパーチャが位置付けられ、そこには位置合わせピンが備わっている。本実施形態において、位置合わせピンは、ピッチプーリー(155)をピッチスラストベアリング(156)と位置合わせさせるために使用される。一実施形態において、ピッチプーリー(155)は、ねじ接続を介してピッチスラストベアリング(156)に結合かつ嵌合し、ねじはピッチプーリーマンドレル(158)に位置するアパーチャにある。他の実施形態において、当該技術分野で既知の様々な結合方法が、ピッチプーリー(155)をピッチスラストベアリング(156)に結合かつ嵌合させるために使用され、限定されないが、プレスフィット接続、スナップフィット接続、および/または接着接続が挙げられる。
【0111】
加えて、一実施形態において、ピッチプーリー(155)は、ケーブルが周囲にルーティングされるピッチケーブルチャネル(160)を備えている。一実施形態において、ピッチケーブルチャネル(160)の内部にはアパーチャが位置付けられ、前記アパーチャはピッチプーリー(155)の中心面を横断している。本実施形態において、ケーブルは、アパーチャに進入する場合にピッチプーリー(155)の周囲でルーティングされ、ピッチプーリー(155)の反対側面を通過し、主カメラ本体(144)を介してルーティングされる。本実施形態において、ケーブルは、ピッチケーブルチャネル(160)のアパーチャを介してルーティングされるまでピッチケーブルチャネル(160)にあり、いったんケーブルがプーリーの反対側のアパーチャを通過すると、ねじのセットはケーブルをアパーチャ内で適所に保持し、これによりケーブルが駆動中に動くのを防ぐ。一実施形態において、ケーブルの一端は、カメラコンソールアセンブリ(101)のアクチュエーター(106)の一方にルーティングされ、他端は異なるアクチュエーター(106)にルーティングされる。本実施形態において、アクチュエーター(106)の一方は、ピッチ軸周囲の上向きの方向においてピッチプーリー(155)を駆動させるように構成され、アクチュエーター(106)の他方は、ピッチ軸周囲の下向きの方向においてピッチプーリー(155)を駆動させるように構成される。他の実施形態において、ケーブルの両端は、わずか1つのアクチュエーター(106)にしかルーティングされない場合もあり、アクチュエーターは、ピッチ軸周囲の上向きおよび下向き両方の方向においてピッチプーリー(155)を駆動させるように構成される。加えて、代替的な実施形態において、2本以上のケーブルが、ピッチプーリー(155)を駆動させるために使用されてもよい。加えて、いくつかの実施形態において、ピッチプーリー(155)はベアリング表面(161)も備えており、前記ベアリング表面は、ピッチボールベアリング(157a)が位置付けられるのを可能にするために製造される。
【0112】
上述のように、いくつかの実施形態において、ピッチ駆動アセンブリ(148)には、ピッチベアリングレース(154)が備わっている(
図22C)。ピッチベアリングレース(154)は、駆動中にピッチボールベアリング(157a)がともに乗せられるための平滑面を備えるとともに、ピッチボールベアリング(157a)を閉じ込めるように構成され、その結果、それらがピッチプーリーのベアリング表面およびピッチベアリングレース(154)との接触を維持する。一実施形態において、ピッチベアリングレース(154)は、駆動中にピッチベアリングレース(154)の回転を制限するために、主カメラ本体マウント(147)の内部に位置する溝部に嵌合かつ結合する2つの突出部を持つように製造される。突出部は、主カメラ本体マウント(147)の内部に位置する溝部に嵌合するように製造され、したがって、異なる実施形態において、突出部は、主カメラ本体マウント(147)の内部に閉じ込められる溝部に位置し、かつそれと嵌合するのを可能にする任意の形状を呈することができる。一実施形態において、ピッチベアリングレース(154)は突出部を1つしか持たないように製造され、一方で他の実施形態において、ピッチベアリングレース(154)は2つ以上の突出部を持つように構成される。代替的な実施形態において、突出部は排除され、ピッチベアリングレース(154)は摩擦により閉じ込められる。
【0113】
上述のように、いくつかの実施形態において、ピッチ駆動アセンブリ(148)にはピッチスラストベアリング(156)が備わっている。ピッチスラストベアリング(156)は、左カメラアセンブリ(149)および右カメラアセンブリ(150)のピッチのための回転ベアリング、および駆動中にロボットカメラアセンブリ(103)に作用する軸力を補うためのスラストベアリングとして作用するように構成される。ピッチスラストベアリング(156)は、主カメラ本体マウント(147)の内部で回転し、ピッチプーリー(155)に嵌合する。一実施形態において、ピッチスラストベアリング(156)は、ピッチボールベアリング(157b)が位置するベアリング表面を備えている。本実施形態において、ピッチボールベアリング(157b)は、ピッチスラストベアリング(156)のベアリング表面、および主カメラ本体マウント(147)の内部に位置する機械加工ベアリングレースの上にある。
【0114】
一実施形態において、ピッチスラストベアリング(156)は複数のアパーチャを備えており、そのうち2つは、ピッチスラストベアリング(156)を左前カメラ支持部(162)に嵌合かつ結合させるために使用され、1つはピッチスラストベアリング(156)をピッチプーリー(155)と位置合わせするために使用され、1つはピッチ駆動アセンブリ(148)を介して電気通信部品をルーティングさせるために使用され、2つは左カメラアセンブリ(149)と右カメラアセンブリ(150)を望ましい位置と配向に位置合わせするためのアパーチャであり、残り1つは左カメラアセンブリ(149)と右カメラアセンブリ(150)を接続するアパーチャである。一実施形態において、ピッチスラストベアリング(156)は、右カメラアセンブリ(150)の右後カメラ支持部(163)を位置合わせするための刻み目を備えている。
【0115】
他の実施形態において、ピッチ駆動アセンブリは様々な構成を呈することができる。
図38A-38Bは、ピッチ駆動アッセンブリ(348)の例示的実施形態を示す。
図38A-38Bに表わされるように、一実施形態において、ピッチプーリーおよびピッチスラストベアリングは、ピッチ駆動本体(185)を作り出す1つの片として製造される。本実施形態において、ピッチ駆動本体(185)は、ピッチプーリーおよびピッチスラストベアリングについて上記に詳述されたものと同じ機能を提供し、一方で組み立ての容易さ、および位置合わせの改善を可能とする。本実施形態において、ピッチボールベアリング(357b)は、主カメラ本体マウントのベアリング表面の代わりに、ピッチベアリングレース(354b)およびピッチ駆動本体(185)の表面に沿って乗せられる。加えて、本実施形態において、ピッチ駆動アセンブリ(348)はピッチアセンブリリング(186)を備えており、これは、ピッチボールベアリング(357b)とピッチベアリングレース(354b)を保持する筐体として作用する。さらに、本実施形態において、ボールベアリング(357a)は、ピッチベアリングレース(354a)およびピッチ駆動本体(185)の表面に沿って乗せられる。加えて、この実施形態は、筐体として作用する追加のピッチアセンブリリング(186)を備えており、ピッチボールベアリング(357a)およびピッチベアリングレース(354a)を保持する。加えて、本実施形態において、
図38Aに表わされるように、ピッチ磁石(380)はピッチ駆動アセンブリ(348)内に位置する。
【0116】
代替的な実施形態において、ピッチ駆動アセンブリは、アクチュエーターにより直接駆動されるように製造される。これら実施形態において、アクチュエーターは、上記に詳述されるケーブルプーリーシステムと置き換えられる。異なるタイプのアクチュエーターが異なる実施形態において利用されてもよく、限定されないが、超音波モーター、リニアアクチュエーター、サーボモーターまたはステッピングモーターなどの回転式モーター、または当該技術分野で既知の他のアクチュエーターが挙げられる。これら実施形態において、アクチュエーターは、ピッチ軸まわりのステレオカメラの回転運動をもたらす。
【0117】
代替的な実施形態において、ステレオカメラのピッチ駆動は、カメラ支持管の近位端に位置するピッチ軸まわりでカメラ支持管を回転させることにより行われる。これら実施形態において、アクチュエーターは、ピッチ軸まわりで前記支持管を回転させるためにカメラ支持管の近位端に固定され得る。異なる実施形態において、異なるタイプのアクチュエーターが利用されてもよく、限定されないが、回転運動を提供可能な、超音波モーター、リニアアクチュエーター、サーボモーターまたはステッピングモーターなどの回転式モーター、または当該技術分野で既知の他のアクチュエーターが挙げられる。代替的に、いくつかの実施形態において、カメラ支持管は、ピッチ軸まわりで、手動で回転される。
【0118】
さらなる実施形態において、カメラ支持管は、支持管の遠位端に位置するアクチュエーターを備え付けられ、これにより、ピッチ軸まわりで主カメラ本体が回転される。これら実施形態において、ステレオカメラのピッチ駆動アセンブリは排除され、または、上記の駆動方法と組み合わせて使用され得る。異なる実施形態において、異なるタイプのアクチュエーターが利用されてもよく、限定されないが、回転運動を提供可能な、超音波モーター、リニアアクチュエーター、サーボモーターまたはステッピングモーターなどの回転式モーター、または当該技術分野で既知の他のアクチュエーターが挙げられる。
【0119】
前述のように、一実施形態において、主カメラ本体マウント(147)は、主マウント挿入部(153)を介して主カメラ本体(144)に繋がれる。一実施形態において、主マウント挿入部(153)は、主カメラ本体マウント(147)およびヨー駆動アセンブリ(151)を接続するように構成される。一実施形態において、主マウント挿入部(153)は、ケーブルが損傷を受けることなく前記ケーブルが表面を横断するのを可能にする、平らにされた表面(filleted sides)を持つ底面上にアパーチャを備えている。加えて、いくつかの実施形態において、主マウント挿入部(153)の底面は、主カメラ本体マウント(147)のボアに一致する形状において湾曲されるように構成され、その結果、主マウント挿入部(153)は主カメラ本体マウント(147)と同じ高さに位置付けられる。加えて、いくつかの実施形態において、主マウント挿入部(153)は、ヨー駆動アセンブリ(151)のスロットに嵌合し、かつその内部に位置する、ステムを備えている。これら実施形態において、主マウント挿入部(153)のステムは、主カメラ本体マウント(147)を通過し、ヨー駆動アセンブリ(151)に嵌合する。
【0120】
図26A-26Bは、一実施形態に係るヨー駆動アセンブリ(151)の複数の図を示す。ヨー駆動アセンブリは、ヨー軸のまわりで、ステレオカメラまたはステレオカメラアセンブリ(143)のヨー回転運動をもたらすように構成される。ヨー駆動アセンブリは、ステレオカメラ(143)に追加の自由度をもたらし、これにより外科医は手術部位のより幅広い画像域を入手可能となる。一実施形態において、ヨー駆動アセンブリ(151)は、ヨー磁石(164)、ヨープーリー(165)、ヨープーリーブロック(166)、および2つのセットのヨーボールベアリング(174a)および(174b)を備えるように製造され、これらの部品全てが一体的に結合かつ嵌合することで、ヨー駆動アセンブリ(151)が作り出される。
【0121】
図28A-28Cは、一実施形態に係るヨープーリーの複数の図を示す。一実施形態において、ヨープーリー(165)は、平らな側部を持つアパーチャを含有する、フランジ付きシリンダーの形状となるように構成され、前記アパーチャは、ケーブルに損傷を及ぼすことなくケーブルの通過を可能にするようにシリンダーの中心を通る。加えて、一実施形態において、ヨープーリー(165)は、ケーブルがそれに沿ってルーティングされるヨーケーブル表面(167)を備えている。
【0122】
一実施形態において、ヨーケーブル表面(167)に対し、ケーブルがルーティングされる開口部が垂直に存在する(
図28B)。本実施形態において、ケーブルの一端は、いったん第1の方向に存在するとヨーケーブル表面(167)の周囲にルーティングされ、前記ケーブルの他端は、第1の方向とは反対の第2の方向に位置するとヨーケーブル表面(167)の周囲にルーティングされる。本実施形態において、いったんケーブルの両端がそれぞれの方向においてヨーケーブル表面(167)の周囲にルーティングされると、ケーブルの各端は、カメラコンソールアセンブリ(101)のアクチュエーター(106)の1つにルーティングされ、各端は、別個のアクチュエーター(106)にルーティングされている。本実施形態において、1つのアクチュエーター(106)は、第1のヨー方向においてステレオカメラ(143)を回転させるために使用され、1つのアクチュエーター(106)は、第2のヨー方向においてステレオカメラ(143)を回転させるために使用される。代替的な実施形態において、ケーブルの両端は、わずか1つのアクチュエーター(106)にしかルーティングされない場合があり、前記アクチュエーター(106)は、第1および第2のヨー方向両方においてステレオカメラ(143)を回転させるように構成される。
【0123】
一実施形態において、ヨープーリー(165)のヨーケーブル表面(167)の下に、蹄鉄形状に機械加工される接続ボス(168)が位置する。本実施形態において、接続ボス(168)は、1つの配向においてヨープーリーブロック(166)に嵌合することしかできないように構成される。異なる実施形態において、接続ボス(168)は、わずか1つの配向においてヨープーリーブロック(166)と嵌合可能となる様々な形状を呈するように製造され、限定されないが、六角形状および/またはあらゆる多角形が挙げられる。代替的な実施形態において、2つの接続ボス(168)は、ヨープーリー(165)をヨープーリーブロック(166)に接続するために使用される。加えて、他の実施形態において、当該技術分野で既知の様々な接続が、ヨープーリー(165)をヨープーリーブロック(166)に接続するために使用され、限定されないが、ピンおよびスロット接続、ねじ接続、および/またはスナップフィット接続が挙げられる。加えて、いくつかの実施形態において、接続ボス(168)はヨープーリーの代わりにヨープーリーブロック上に位置付けられる。
【0124】
上述のように、幾つかの実施形態において、ヨープーリー(165)の接続ボス(168)には、ヨープーリーブロック(166)が繋がれる。
図29A-29Cは、一実施形態に係るヨープーリーブロック(166)の複数の図を示す。一実施形態において、ヨープーリーブロック(166)は、接続ポケット(169)を備えた上面を持つように構成され、前記接続ポケット(169)は、ヨープーリー(165)の接続ボス(168)がそれに進入し、かつ結合するのを可能にするように構成され、これにより、ヨープーリー(165)をヨープーリーブロック(166)に接続する。
【0125】
加えて、いくつかの実施形態において、接続ポケット(169)は、ヨー磁石(164)が位置する空間を備えている。これらの実施形態において、ヨー磁石(164)は、ヨープーリー(165)およびヨープーリーブロック(166)の間に挟まれる。一実施形態において、ヨー磁石(164)はリング磁石として構成される。本実施形態において、ヨー磁石(164)は正反対に磁化され、その結果、ヨー磁石(164)がその円筒状軸のまわりを回転すると、磁場が変化する。本実施形態において、磁場の変化は、回転位置センサーにより測定され、前記センサーは、磁場の変化を回転位置データに変換するプロセッサーへとデータを送信する。この変換は、磁石およびセンサーの物理的構成の把握により行われる。本実施形態において、いくつかの回転位置センサーが、互いに直交して正反対に磁化された磁石のまわりに配置される。正反対に磁化された磁石が回転すると、これによりもたらされる磁場は回転位置センサーに対しても変化する。単純な三角法を使用すると、2つの直交に配置されたセンサーの組み合わせは、センサー間の相対的な磁場の強さの比較により、磁場の方向を判定することができる。この計算は、正反対に磁化された磁石の配向、および、さらに言えば、ステレオカメラの配向をもたらす。追加の回転位置センサーは、冗長性のために本実施形態において配置されるが、絶対配向計算に必要なセンサーの合計数は、磁石およびセンサーの選択構成に依存する。
【0126】
センサーから得た回転データにより、システムは、ステレオカメラ(143)がヨー軸まわりでどのくらい回転したかを正確に示し、これにより駆動中にステレオカメラ(143)の回転位置を入手できる。他の実施形態において、ヨー磁石(164)は、馬蹄形磁石、円盤磁石、球体磁石、円筒状磁石、および/または当該技術分野で既知の他の形状の磁石として構成される。加えて、異なる実施形態において、磁場感知が可能な、当該技術分野で既知の様々な回転位置センサーが使用されてもよく、限定されないが、ホールエフェクトセンサー、および/または磁気抵抗器が挙げられる。
【0127】
いくつかの実施形態において、主カメラ本体(144)の電気通信部品キャビティ(145)は、内部にセンサーおよびコンデンサーを含む機械加工表面アパーチャを備えており、前記センサーおよびコンデンサーは、ヨー軸まわりのステレオカメラ(143)の回転位置データを入手する。同様に、電気通信部品キャビティ(345)は、ステレオカメラアセンブリの回転位置データを得るために回転位置センサー(209)およびコンデンサーを備え付けられる(
図34C)。他の実施形態において、電気通信部品キャビティは、回転位置センサーおよびコンデンサーが保持される別個の容器(encasing)を備えている。上述のように、センサーおよびコンデンサーは、ステレオカメラの回転位置データ、より具体的には、ヨー軸まわりのカメラアセンブリの回転位置データを入手するために利用される。他の実施形態において、カメラアセンブリの回転位置を判定するためのセンサーは電気通信部品キャビティの外部に位置付けられ、一方でさらなる実施形態において、センサーは主本体フレックスカバーまたは主カメラ本体に位置付けられる。
【0128】
いくつかの実施形態において、ヨープーリーブロック(166)は、前記ヨープーリーブロック(166)の底面上に突出部(171)を備えている。いくつかの実施形態において、突出部(171)はスロットを備えており、このスロットにより、電気通信部品が、駆動中に前記スロットを介して、および突出部(171)のまわりでルーティングされる。いくつかの実施形態において、突出部(171)は円形状に構成され、これにより、電気通信部品を駆動中に前記突出部のまわりに巻きつけられることが可能となる。他の実施形態において、突出部(171)は、電気通信部品が駆動中にそのまわりを巻きつけられるのを可能とする様々な形状を呈することができ、限定されないが、楕円形状、球状、および/または円柱状が挙げられる。
【0129】
いくつかの実施形態において、突出部(171)は、ピッチ駆動アセンブリ(148)のケーブルが、前記ヨー駆動アセンブリ(151)を通って、カメラコンソールアセンブリ(101)のアクチュエーター(106)にルーティングされることを可能にするように構成されるピッチケーブルアパーチャ(170)を含む。さらに、いくつかの実施形態では、突出部(171)は、位置合わせポケットおよび主マウント挿入ポケット(172)を含む。これらの実施形態では、位置合わせポケットは、主カメラ本体マウント(147)の位置合わせピンが位置合わせポケットに入り、ヨープーリーブロック(166)および主カメラ本体マウント(147)を位置合わせすることを可能にするように構成される。主マウント挿入ポケット(172)は、主マウント挿入部のステム(153)が、ヨープーリーブロック(166)に入り、かつ主カメラ本体マウント(147)と結合させることを可能にするように構成される。一実施形態では、止めねじ孔は突出部(171)の側に配置される。この実施形態では、止めねじは止めねじ孔に入り、主マウント挿入部(153)を主マウント挿入ポケット(172)に結合し、したがって、主カメラ本体マウント(147)をヨー駆動アセンブリ(151)に固定する。他の実施形態では、主マウント挿入部(153)を主マウント挿入ポケット(172)に固定するために、当技術分野において既知の様々な取り付けおよび結合方法および/または技術が利用され、それらは、限定されないが、プレスフィット接続、スナップフィット接続、および/または接着接続を含む。
【0130】
さらに、いくつかの実施形態では、ヨープーリーブロック(166)の上面の周りに配置されているのは、ヨーベアリング表面(173)である。これらの実施形態では、ヨーベアリング表面(173)は、1セットのヨーボールベアリング(174a)が前記ベアリングレース内に位置することを可能にするように構成される。これらの実施形態では、ヨー駆動アセンブリ(151)は、主カメラ本体(144)および主本体フレックスカバー(146)内で回転する。これらの実施形態では、主本体フレックスカバー(146)はベアリング表面を含み、この表面に沿ってヨーボールベアリングの一方のセット(174a)が乗って位置しており、ならびに、主カメラ本体(144)はベアリング表面を含み、この表面に沿ってヨーボールベアリングの他方のセット(174b)が乗って位置する。これらの実施形態では、ヨーベアリング表面(173)のヨープーリーブロック(166)は、ヨーボールベアリングの一方のセット(174a)と嵌合し、かつ主カメラ本体(144)のベアリング表面に乗り、および、ヨーボールベアリングの他方のセット(174b)は、主カメラ本体マウント(147)のベアリング表面ならびに主本体フレックスカバー(146)のベアリング表面に乗る。この構成により、ステレオカメラ(143)がヨー軸の周りで回転することができる。
【0131】
図37に示されるように、一実施形態では、ヨー駆動アセンブリ(351)は、ヨーボールベアリング(374a)が乗るヨーベアリングレース(184)を含む。この実施形態では、ヨーボールベアリング(374a)は、ヨーベアリングレース(184)に沿って、およびヨープーリーブロック(366)上のベアリング表面に乗る。さらに、この実施形態では、ヨーボールベアリング(374b)(
図36)は、主本体フレックスカバー上、および主カメラ本体マウント(347)の主マウント(181)上のベアリングレースに乗る。
図37に示されるように、例示的な実施形態では、ヨー駆動アセンブリ(351)は、ヨープーリー(365)、ヨー磁石(364)、ヨープーリーブロック(366)、ヨーボールベアリング(374a)、およびヨーベアリングレース(184)を含む。この実施形態では、ヨープーリー(365)、ヨー磁石(364)、およびヨープーリーブロック(366)は、上に詳述された実施形態と同じ機能を提供する。
【0132】
他の実施例では、ヨー駆動アセンブリは、アクチュエーターによって直接駆動されるように製造される。これらの実施形態では、アクチュエーターは、上に詳述されたケーブルプーリーシステムに取って代わる。様々なタイプのアクチュエーターを様々な実施形態で利用することができ、限定されないが、圧電モーター、リニアアクチュエーター、回転モーター、例えば、サーボモーターまたはステッピングモーター、あるいは当該分野で既知の他のアクチュエーターを含む。これらの実施形態では、アクチュエーターは、ヨー軸の周りのステレオカメラに回転運動をもたらす。
【0133】
上述されるように、いくつかの実施形態において、ステレオカメラアセンブリは、2つのカメラアセンブリ(各々が光軸を有する)を有するように構築される。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリは同じ構成要素を有するように製造されるが、他の実施形態では、カメラアセンブリは異なる構成要素を含有するように製造される。他の実施例では、カメラアセンブリは、同じ構成要素の様々な変形を含むように製造される。
図21A-21Bに示されるように、いくつかの実施形態では、ステレオカメラアセンブリ(143)は、左のカメラアセンブリ(149)および右のカメラアセンブリ(150)を含むように製造される。
【0134】
一実施形態では、左のカメラアセンブリ(149)は、左前カメラ支持部(162)、左後カメラ支持部(175)、カメラケース(176)、カメラコネクター(図示せず)、およびカメラモジュール(177a)で構成される(
図21A-21B)。左前カメラ支持部(162)は、左のカメラアセンブリ(149)のカメラモジュール(177a)を収容および拘束するように構成される。いくつかの実施形態では、左前カメラ支持部(162)は、ピッチ磁石(180)を保持するように構成される。この実施形態では、ピッチ磁石(180)は正反対に磁化されており、それにより、ピッチ磁石(180)がその円筒軸の周りを回転すると、磁場が変わる。この実施形態では、磁場の変化は回転位置センサーによって測定され、回転位置センサーは、磁場の変化を回転位置データに変換するプロセッサーにデータを送信する。センサーから得られた回転位置データを用いて、システムは、ステレオカメラ(143)がピッチ軸の周りをどれくらい回転したかを正確に示し、したがって、駆動中にピッチ軸周りのステレオカメラ(143)の回転位置を得ることができる。
【0135】
一実施形態では、左前カメラ支持部(162)は、ピッチ駆動アセンブリ(148)上のアパーチャに嵌合および結合する位置合わせ突出部を含み、それにより、左前カメラ支持部(162)をピッチ駆動アセンブリ(148)に固定する。さらに、一実施形態では、左前カメラ支持部(162)は、左前カメラ支持部(162)を左後カメラ支持部(175)と位置合わせおよび結合するための位置合わせピンホールを含む。加えて、一実施形態では、左前カメラ支持部(162)は、ピッチプーリー(155)との接続のためのねじ孔、ならびに、エンドキャップ(178)との接続のための別のねじ孔を含む。この実施形態では、エンドキャップは、ステレオカメラ(143)の挿入を容易にするのを支援するように構成される。一実施形態では、エンドキャップ(178)は、トロカールアセンブリ(102)のシールに穴をあけることなく、トロカールアセンブリを通ってステレオカメラを挿入することができるように、丸みを帯びた縁を有する。
【0136】
一実施形態では、左前カメラ支持部(162)は、左のカメラアセンブリ(149)のカメラコネクター(図示せず)がある溝部を含む。一実施形態では、左のカメラアセンブリ(149)のカメラコネクターは、30のピン接続部として構成され、左のカメラアセンブリ(149)のカメラモジュール(177a)を、カメラのリジッド基板へと走る電気通信部品に接続する。カメラコネクターは、左のカメラアセンブリ(149)のカメラモジュール(177a)によって得られたビデオフィードが、カメラのリジッド基板に送信されることを可能にし、ここで、前記リジッド基板は、ビデオフィードを処理して外部プロセッサーにそれを送信し、外部プロセッサーは、外部モニターあるいは外科医によって着用されたヘッドマウントディスプレイにビデオフィードを出力することにより、外科医が手術部位を見ることを可能にする。
【0137】
上述のように、左前カメラ支持部(162)は、左のカメラアセンブリのカメラモジュール(177a)を拘束および収容するように構成される。カメラモジュールは、外科医に手術部位のライブビデオフィードを提供するために利用される。いくつかの実施形態において、カメラモジュール(177a)は、レンズスタック、赤外線フィルター、モジュール本体、およびデジタルセンサーを備えるデジタルセンサー基板を有するように製造される。いくつかの実施形態において、Raspberry Piカメラモジュール、e-con System(登録商標)カメラモジュール、および/または同様のカメラモジュールなどの、現在市場に出ているカメラモジュールが利用されるが、他の実施形態では、オーダーメイドのカメラモジュールがライブビデオフィードを提供するために使用されてもよい。
【0138】
一実施形態では、カメラモジュールのモジュール本体は、外縁および内縁を有するように製造され、外縁は、カメラアセンブリのエンドキャップに接近している。さらに、一実施形態では、カメラモジュールのモジュール本体は、カメラモジュールのレンズスタックの中心からの水平変位があるように、カメラモジュールのデジタルセンサーがシフトすることを可能にするように製造される。レンズスタックの中心からのデジタルセンサーの水平変位は、左のカメラアセンブリ(149)のカメラモジュール(177a)から得られた画像、および右のカメラアセンブリ(150)のカメラモジュール(177b)から得られた画像がより大きな重複領域を有することを可能にし、したがって、外科医により広い立体視野を提供する。より広い立体視野により、左のカメラアセンブリ(149)のカメラモジュール(177a)から得られた画像と、右のカメラアセンブリ(150)のカメラモジュール(177b)から得られた画像との間の視差量が制限され、したがって、外科医によって経験される眼精疲労の量を減少する。
【0139】
上述のように、いくつかの実施形態では、左のカメラアセンブリ(149)のカメラモジュール(177a)は、左前カメラ支持部(162)および左後カメラ支持部(175)によって拘束される。これらの実施形態では、左後カメラ支持部(175)は、左のカメラアセンブリ(149)のカメラモジュール(177a)の後部を支持するように構成され、前記カメラモジュールの後部が静止するために表面を提供し、および、左前カメラ支持部(162)に結合される表面も提供する。一実施形態では、左後カメラ支持部(175)の後部部分は、左後カメラ支持部がカメラケース(176a)内に収まることを可能にするために、丸みを帯びた表面であるように構成される。一実施形態では、左後カメラ支持部(175)は、電気通信部品がルーティングされるスロットを含み、前記電気通信部品は、主カメラ本体マウント(147)を通って、カメラコンソールアセンブリ(101)のリジッド基板(115)へとルーティングされる。一実施形態では、左後カメラ支持部(175)は、複数の貫通孔を含み、前記貫通孔は、止めねじが通過し、カメラモジュール(177a)の位置合わせを調節することを可能にするように構成される。さらに、いくつかの実施形態では、左後カメラ支持部(175)は、左後カメラ支持部(175)を左前カメラ支持部(162)と結合および嵌合するため、ならびに、エンドキャップ(178a)を取り付けるための、複数の接続孔を含有している。
【0140】
上述のように、いくつかの実施形態では、左後カメラ支持部(175)は、左のカメラアセンブリ(149)のカメラケース(176a)内に収まるように構成される。左のカメラアセンブリ(149)のカメラケース(176a)は、左のカメラアセンブリ(149)のカメラモジュール(177a)、左前カメラ支持部(162))、左後カメラ支持部(175)、左のカメラアセンブリ(149)のカメラコネクター、ならびに、左のカメラアセンブリ(149)のカメラモジュール(177a)からルーティングされる電気通信部品を収容するように構成される。左のカメラアセンブリ(149)のカメラケース(176a)は、液体および他の物質が左のカメラアセンブリ(149)に入るのを防ぐように製造される。左のカメラアセンブリ(149)のカメラケース(176a)は、上記の参照部分上を摺動するように構成され、かつ、左のカメラアセンブリ(149)のエンドキャップ(178a)によって一端上で、および主カメラ本体マウント(147)によって他端上で拘束されるように構成される。一実施形態では、左のカメラアセンブリ(149)のエンドキャップ(178a)は、互いに嵌合する2つの部品として構成される。様々な実施形態において、当技術分野において既知の様々な接続方法および技術が、左のカメラアセンブリ(149)のエンドキャップ(178a)を、左のカメラアセンブリ(149)のカメラケース(176a)に結合し、ならびに、前記カメラケースを主カメラ本体マウント(147)に結合するために利用される。そのような方法は、限定されないが、ねじ接続、接着接続、および/またはプレスフィット接続を含む。さらに、左のカメラアセンブリ(149)のカメラケース(176a)は、左のカメラアセンブリ(149)のカメラモジュール(177)が手術部位を明確に見ることを可能にするためのアパーチャを含む。
【0141】
上述のように、ステレオカメラまたはステレオカメラアセンブリ(143)は、右のカメラアセンブリ(150)も含む(
図19B)。一実施形態では、右のカメラアセンブリ(150)は、右前カメラ支持部(179)、右後カメラ支持部(163)、カメラモジュール(177b)、カメラコネクター(図示せず)、およびカメラケース(176b)から構成される。
【0142】
一実施形態では、左前カメラ(162)が左のカメラアセンブリ(149)のカメラモジュール(177a)を収容および支持する方法と同様に、右前カメラ支持部(179)は、右のカメラアセンブリ(150)のカメラモジュール(177b)を支持および収容するように構成される。一実施形態では、右前カメラ支持部(179)は、主カメラ本体マウント(147)の内部に配置されるピッチスラストベアリング(156)と直接結合する。さらに、一実施形態では、右前カメラ支持部(179)は、左前カメラ支持部(162)および左後カメラ支持部(175)の嵌合および結合のための、上に詳述されるのと同じ様式で、右後カメラ支持部(163)と嵌合および結合する。一実施形態では、右後カメラ支持部(163)は、ピッチスラストベアリング(156)上でスロット内に収まるように構成される突出部を含み、それにより、右のカメラアセンブリ(150)をピッチ駆動アセンブリ(148)と嵌合させる。
【0143】
さらに、左のカメラアセンブリ(149)のカメラモジュール(177a)と同様に、右のカメラアセンブリ(150)のカメラモジュール(177b)は、手術部位のライブビデオフィードを外科医に提供するように構成される。左のカメラアセンブリ(149)のカメラモジュール(177a)について上に詳述されるように、右のカメラアセンブリ(150)のカメラモジュール(177b)は、レンズスタック、赤外線フィルター、モジュール本体、およびデジタルセンサーから構成される。同様に、いくつかの実施形態では、Raspberry Piカメラモジュール、e-con System(登録商標)カメラモジュール、および/または同様のカメラモジュールなどの、現在市場に出ているカメラモジュールが利用されるが、他の実施形態では、オーダーメイドのカメラモジュールがライブビデオフィードを提供するために使用されていてもよい。
【0144】
加えて、いくつかの実施形態では、右のカメラアセンブリ(150)のカメラモジュール(177b)のモジュール本体は、内縁および外縁を有するように製造され、外縁はカメラアセンブリのエンドキャップに接近している。さらに、いくつかの実施形態では、右のカメラアセンブリ(150)のモジュール本体(177b)は、カメラモジュール(177b)のレンズスタックの中心からの水平変位があるように、前記カメラモジュールのデジタルセンサーがシフトすることを可能にするように製造される。前記カメラモジュールのレンズスタックの中心からのカメラモジュール(177b)のカメラデジタルセンサーの水平変位は、右のカメラアセンブリ(150)のカメラモジュール(177b)から得られた画像、および左のカメラアセンブリ(150)のカメラモジュール(177a)によって得られた画像がより大きな重複領域を有することを可能にし、したがって、外科医により広い立体視野を提供する。これらの実施形態では、左のカメラアセンブリ(149)のカメラモジュール(177a)のデジタルセンサーは、左へシフトされ、右のカメラアセンブリ(150)に含まれるカメラモジュール(177b)のデジタルセンサーは、右へシフトされる。
【0145】
上述のように、右のカメラアセンブリ(150)はカメラコネクター(図示せず)を含む。右のカメラアセンブリ(150)のカメラコネクターが右前カメラ支持部(179)の溝部内に位置するという点で、右のカメラアセンブリ(150)のカメラコネクターは左のカメラアセンブリ(149)のカメラコネクターと類似している。同様に、一実施形態では、右のカメラアセンブリ(150)のカメラコネクターは、30のピン接続部として構成され、右のカメラアセンブリ(150)のカメラモジュール(177b)を、カメラのリジッド基板(115)へと走る電気通信部品に接続する。右のカメラアセンブリ(150)のカメラコネクターは、右のカメラアセンブリ(150)のカメラモジュール(177b)によって得られたビデオフィードが、カメラのリジッド基板(115)に送信されることを可能にし、ここで、前記リジッド基板は、ビデオフィードを処理して外部プロセッサーにそれを送信し、外部プロセッサーは、外部モニターあるいは外科医によって着用されたヘッドマウントディスプレイにビデオフィードを出力することにより、外科医が手術部位を見ることを可能にする。
【0146】
さらに、カメラケース(176b)が、右のカメラアセンブリ(150)のカメラモジュール(177b)、右前カメラ支持部(179)、左後カメラ支持部(163)、右カメラアセンブリ(150)のカメラコネクター、ならびに右のカメラアセンブリ(150)のカメラモジュール(177b)からルーティングされる電気通信部品を収容するという点で、右のカメラアセンブリ(150)のカメラケース(176b)は、左のカメラアセンブリ(149)のカメラケース(176a)と類似している。カメラケース(176b)は、液体および他の物質が右のカメラアセンブリ(150)に入ることを防ぐように製造される。加えて、カメラケース(176b)は、上記の参照部分上を摺動するように構成され、かつ、右のカメラ(150)のエンドキャップ(178b)によって一端上で、および主本体マウント(147)によって他端上で拘束されるように構成される。一実施形態では、エンドキャップ(178b)は互いに嵌合する2つの部品であるように構成される。様々な実施形態において、当技術分野において既知の様々な接続方法および技術が、エンドキャップ(178b)をカメラケース(176b)に結合し、ならびに、前記ケースを主カメラ本体マウント(147)に結合するために利用される。そのような方法は、限定されないが、ねじ接続、接着接続、および/またはプレスフィット接続を含む。さらに、カメラケース(176b)は、右のカメラ(150)のカメラモジュール(177b)が手術部位を明確に見ることを可能にするためのアパーチャを含む。
【0147】
上述のように、いくつかの実施形態では、左右のカメラアセンブリは同じ構成要素を含み、したがって同一である。
図39A-39Bは、カメラアセンブリ(187)の例示的な実施形態を示す。
図39Aで見られるように、一実施形態では、カメラアセンブリ(187)は、カメラモジュールアセンブリ(190)、電気通信部品固定装置(189)、フレックスマンドレル(188)、カメラケース(376)、およびエンドキャップ(378)を含む。この実施形態では、カメラモジュールアセンブリ(190)は、カメラモジュール本体(195)、レンズスタック(192)、赤外線フィルター(193)、デジタルセンサー基板(191)、およびカメラウィンドウ(194)を含む(
図39A)。この実施形態では、カメラモジュールアセンブリ(190)の構成要素は、ともに結合されて1つの部品を形成する。いくつかの実施形態では、生体適合性の接着剤はカメラモジュールアセンブリ(190)の構成要素のすべてを結合するために使用され、他の実施形態では、当技術分野において既知の様々な結合方法が利用される。
図39Aに示されるように、いくつかの実施形態では、カメラモジュールアセンブリ(190)はカメラウィンドウ(194)を含む。これらの実施形態では、カメラウィンドウ(194)は、カメラアセンブリ(187)のレンズスタック(192)を保護する。いくつかの実施形態において、カメラウィンドウ(194)は、サファイアガラスから構築され、他の実施形態では、当該分野において既知の他のタイプのガラス、および/またはプラスチックウィンドウが使用される。さらなる実施形態では、レンズスタック(192)を保護することができる、当技術分野において既知の他の透明な生体適合性材料が使用される。さらに、この実施形態では、カメラモジュールアセンブリ(190)をピッチ駆動アセンブリと位置合わせおよび嵌合させ、かつ、カメラモジュールアセンブリ(190)を電気通信部品固定装置(189)と位置合わせおよび嵌合させるために、ならびに、左右のカメラアセンブリの位置合わせを確実にするために、カメラモジュール本体(195)の両側は位置合わせ突出部を含む。
【0148】
述べられるように、一実施形態では、カメラアセンブリ(187)は電気通信部品固定装置(189)を含む。電気通信部品固定装置(189)は、カメラアセンブリ(187)の駆動中に電気通信部品が破損するのを防ぐために、デジタルセンサー基板(191)に結合された前記電気通信部品が位置するように使用される。この実施形態では、カメラモジュールアセンブリ(190)はピッチ駆動アセンブリに結合され、カメラモジュール本体(195)は、カメラケース(376)内の適所に電気通信部品固定装置(189)を保持する。いくつかの実施形態において、カメラアセンブリ(187)はフレックスマンドレル(188)を含む。これらの実施形態では、フレックスマンドレル(188)は、カメラモジュールアセンブリ(190)に結合された電気通信部品を包み、ルーティングするために使用される。フレックスマンドレル(188)は、電気通信部品固定装置(189)の間隔内に位置するように構成され、前記電気通信部品固定装置は、カメラケース(376)内に適合および位置し、かつエンドキャップ(378)と嵌合してカメラアセンブリ(187)を密封するように構成される。
【0149】
様々な実施形態において、ステレオカメラおよびカメラアセンブリの構成要素は、特定のユーザーに合わせられるユーザー体験を提供するように構成することができ、それは、ユーザーが、ヘッドマウントディスプレイ内のステレオ画像を自然で快適に感じる様式で見ることを可能にする。いくつかの実施形態において、カメラアセンブリ間の軸間距離は、ユーザーによって知覚される手術部位の奥行きを調節するために変更される。いくつかの実施形態において、カメラモジュールのデジタルセンサーまたはデジタルセンサー基板は、より広い立体視野を提供するために、レンズスタックに対してシフトされる。さらに、いくつかの実施形態では、カメラモジュールの焦点距離は、カメラアセンブリの焦点距離を調節するために調節される。
【0150】
上述にように、カメラアセンブリ間の軸間距離は、ユーザーによって知覚される手術部位の奥行きを調節するために変更され得る。より大きな軸間距離は知覚される奥行きを増大させ、より小さな軸間距離は、手術部位の知覚される奥行きを減少させる。軸間距離が増大すると、カメラアセンブリによって得られる画像において重複の量が減少する。カメラアセンブリに近い距離では、画像における重複は、存在しないか、あるいは立体視には不十分な場合がある。
【0151】
図43は、一実施形態による挿入構成のステレオカメラアセンブリを示す。
図43で見られるように、いくつかの実施形態では、ステレオカメラアセンブリの挿入中に、カメラアセンブリは、カメラモジュールの光軸(215aおよび215b)がカメラの支持管に対して垂直に配向されるように配置される。これらの実施形態では、ステレオカメラアセンブリは2つのカメラアセンブリを含み、第1のカメラアセンブリは第1のカメラモジュールを有し、および第2のカメラアセンブリは第2のカメラモジュールを有する。これらの実施形態では、第1のカメラモジュールは、外縁および内縁を備えるカメラモジュール本体、ならびに、光学部品、例えば、赤外線フィルター、デジタルセンサー基板、レンズスタック、およびカメラウィンドウを有する。同様に、第2のカメラモジュールは、外縁および内縁を備えるカメラモジュール本体、ならびに、光学部品、例えば、赤外線フィルター、デジタルセンサー基板、レンズスタック、およびカメラウィンドウを有する。これらの実施形態では、第1のカメラモジュール本体の外縁から第2のカメラモジュール本体の外縁までの最大距離は、挿入の軸に垂直なステレオカメラアセンブリの断面の最大幅より大きくなるように構成される。
図40は、ステレオカメラアセンブリ(343)の断面(207)の最大幅を強調するステレオカメラアセンブリ(343)の実施形態の断面を示し、第1のカメラアセンブリ(187b)および第2のカメラアセンブリ(187a)は、カメラの支持管の軸(206)に対して垂直に配向される。
図41は、一実施形態による、第1のカメラモジュール本体(195b)の外縁から第2のカメラモジュール本体(195a)の外縁までの最大距離(208)を示す。この構成により、第1および第2のカメラモジュールの間の増加した軸間距離を得ることができる。カメラモジュール間の軸間距離が増加すると、ステレオカメラアセンブリは、視差を視覚化する能力が向上し、したがって、ユーザーが手術部位のより大きな奥行知覚を得ることを可能にする。いくつかの実施形態において、軸間距離は、自然でヒトのようなシステムを維持するように選択され、それにより、ヒトの瞳孔間距離で割られたヒトの腕の長さが、カメラモジュールの間の軸間距離で割られたロボットアーム(あるいはツール、機器またはデバイス)の長さと等しくなる。他の実施例では、カメラモジュールの間の軸間距離は、挿入されるロボット装置、ツールまたは機器の最大の断面の測定値より小さくなるように構成される。
【0152】
加えて、上に詳述されるように、カメラモジュールまたはカメラモジュールアセンブリのデジタルセンサーあるいはデジタルセンサー基板は、立体視野を増大させるためにシフトされ得る。一実施形態では、左のカメラアセンブリ(149)および右のカメラアセンブリ(150)について上に詳述された方法と同様に、レンズスタック(192)の中心からの水平変位があるように、カメラモジュールアセンブリ(190)のデジタルセンサー基板(191)をシフトすることができる。この実施形態では、デジタルセンサー基板(191)の水平変位は、1つのカメラアセンブリ(187)から得られた画像および別のカメラアセンブリから得られた画像が、より大きな重複領域を有することを可能にし、したがって、外科医またはユーザーにより広い立体視野を提供する。これらの実施形態では、左側に配置されるカメラアセンブリのデジタルセンサー基板は、左へとシフトされ、右側に配置されるカメラアセンブリのデジタルセンサー基板は、右へシフトされる。カメラアセンブリの各々におけるデジタルセンサー基板のシフト距離が十分な場合、ゼロ視差平面(zero-disparity plane)(ZDP)が達成され、カメラアセンブリからの両方の画像が完全に重複する。したがって、カメラアセンブリの間の軸間距離を調節し、前記カメラアセンブリのデジタルセンサー基板をシフトすることによって、得られた立体視野を最大化することができる。
【0153】
さらに、上述のように、カメラアセンブリの焦点距離は、カメラモジュールまたはモジュールアセンブリの焦点を合わせるために調節することができる。焦点距離は、カメラアセンブリのレンズスタックをデジタルセンサーまたはデジタルセンサー基板に向かって、あるいはそれから離れて移動させることにより調節される。いくつかの実施形態において、レンズスタックは、実施形態に応じて、カメラモジュール本体(195)あるいはカメラモジュール(177)のハウジングのねじ孔に螺挿するねじ付き外面を有する。これらの実施形態では、焦点距離は、それがカメラアセンブリのデジタルセンサーまたはデジタルセンサー基板に近づくか、あるいは遠ざかるように、レンズスタックを螺入することによって調節される。外科医またはユーザーによって見られる領域に焦点が合うように焦点距離が調節され、それにより、手術部位の明瞭な画像を提供する。いくつかの実施形態では、レンズスタックは手動で調節されるが、他の実施形態では、焦点距離は、小さなアクチュエーター、例えば、リニアアクチュエーター、またはロータリーアクチュエーター、および/または、当該分野で既知の任意の他の小さなアクチュエーターを利用して電気機械的に調節される。
【0154】
いくつかの実施形態において、カメラアセンブリは、手術部位を照らして、外科医またはユーザーの視認性を増大させるのを支援するための明かりが装備されている。一実施形態では、カメラアセンブリのエンドキャップは、発光ダイオード(LED)のアレイが装備されている。ワイヤーが電源につながれる場合に、患者の体外からカメラアセンブリを通ってルーティングされた前記ワイヤーによって動力がLEDに供給される。LEDの熱は主カメラ本体内で放散される。いくつかの実施形態では、小量の無菌の生理食塩水あるいは他の生体適合性の液体は、主カメラ本体を冷却するために主カメラ本体を通って流れるが、他の実施形態では、生体適合性の液体あるいはガスは、冷却目的のために主カメラ本体を通される。これらの実施形態では、生体適合性の液体あるいはガスは、患者の体外からカメラアセンブリを通ってルーティングされる冷却ラインを介して、主カメラ本体を通ってルーティングされる。冷却ラインは、液体またはガス源(実施形態に応じて)、および冷却ラインを介して液体またはガスを送り込むポンプに結合される。いくつかの実施形態において、液体またはガスは連続的にポンプで送り込まれ、冷却ラインを通って循環するが、他の実施形態では、液体またはガスが冷却ラインに一度に、あるいはある時間間隔で送り込まれてもよい。他の実施形態では、カメラアセンブリが安全な温度範囲内に維持されることを確実にするために、主カメラ本体は温度センサーが装備されている。他の実施例では、LEDは、カメラの支持管および/または主カメラ本体マウント上に配置される。さらなる実施形態では、手術部位を照らすために、LEDの代わりにファイバーオプティクスが使用される。
【0155】
いくつかの実施形態において、カメラアセンブリは、カメラアセンブリのレンズにあるあらゆる物質あるいは異物を、拭き取り、ブラシをかけ、および/または取り除くためのワイパーが装備されている。一実施形態では、2つのレンズワイパーが主カメラ本体に取り付けられており、各カメラアセンブリにつき1つのワイパーがある。レンズワイパーは、使用中に、カメラアセンブリに向かって主カメラ本体の遠位へと伸びるように製造される。この実施形態では、レンズワイパーが使用中に、カメラアセンブリのレンズを横切って左右に揺れることができるように、レンズワイパーは当技術分野において既知のヒンジ接続によって主カメラ本体に取り付けられる。他の実施形態では、レンズワイパーは主カメラ本体にしっかりと固定され、ステレオカメラは、カメラアセンブリのレンズがレンズワイパーを横切って移動し、あらゆる異物あるいは物質を取り除いて拭き取るように駆動する。他の実施例では、レンズワイパーは、カメラアセンブリに直接取り付けられる。
【0156】
他の実施例では、レンズワイパーは、主カメラ本体からカメラアセンブリへと向かって上下に移動するように製造される。これらの実施形態では、レンズワイパーは折り畳み可能に構成される。レンズワイパーが上下に移動し、カメラアセンブリのレンズと接触し、ならびに、カメラアセンブリ上にある異物または物質を拭き取るか、あるいは取り除く際に、レンズワイパーは、主カメラ本体からカメラアセンブリのレンズへと向かって拡大および伸長する。いくつかの実施形態では、レンズワイパーは当技術分野において既知の柔らかい生体適合性のゴムから製造されるが、他の実施形態では、レンズワイパーは、柔らかい生体適合性のセラミックスなどの当技術分野において既知の他の生体適合性材料で製造される。
【0157】
さらなる実施形態では、カメラアセンブリは、カメラアセンブリから異物または物質を取り除くことを支援し、ならびに、異物または物質が拭き取られる時にカメラアセンブリのレンズが汚れるのを防ぐために、水あるいは他の溶液または液体を噴霧するための潅漑システムが装備される。これらの実施形態では、カメラアセンブリは、患者の体外からカメラアセンブリを通ってルーティングされる液体ラインを装備している。流体ラインは、液体源、および液体ラインを介して主カメラ本体へと配置される噴霧器に液体を送り込むポンプに結合される。この実施形態では、噴霧器は、液体がカメラアセンブリのレンズ上へと噴霧されるように配置される。いくつかの実施形態では、液体が噴霧される圧力は外科医またはユーザーによって制御され、他の実施形態では、液体は設定された速度で噴霧するように設定される。いくつかの実施形態において、カメラアセンブリは、潅漑システムおよびレンズワイパーの両方を含む。これらの実施形態では、カメラアセンブリ上のあらゆる異物あるいは物質を取り除くために、潅漑システムおよびレンズワイパーは連携して機能する。
【0158】
いくつかの実施形態において、カメラアセンブリは、カメラアセンブリの挿入および除去の間に、外科医またはユーザー手術部位のリアルタイム画像を提供するための周辺カメラが装備される。一実施形態では、カメラアセンブリのエンドキャップは、挿入と除去のリアルタイム画像をキャプチャするために、周辺カメラを含む。カメラアセンブリが挿入されると、周辺カメラは、外科医に手術部位の画像を提供する。これらの実施形態では、周辺カメラは挿入に対して前方に面するように配向され、それにより、周辺カメラは、ステレオカメラが挿入されると、手術部位の画像を提供するように挿入の方向を見ている。周辺カメラからの画像を用いて、外科医は、手術部位に何らかの予期しない状態があるか否かを決定し、ならびに、挿入の角度あるいは挿入のポイントを変更する必要があるか否かを決定することができる。
【0159】
上述のように、いくつかの実施形態では、両方のカメラアセンブリのエンドキャップは周辺カメラを含む。これらの実施形態では、周辺カメラの1つは、ステレオカメラの挿入中に手術部位の画像をキャプチャするために使用され、第2の周辺カメラは、挿入されているロボット装置、ツール、および/または機器の画像をキャプチャするために使用される。第2の周辺カメラは、外科医またはユーザーが、トロカールアセンブリを通って挿入されているツール、ロボット装置、あるいは機器の挿入をモニタリングすることを可能にする。第2の周辺カメラの画像を用いて、外科医またはユーザーは、挿入されているデバイスまたは機器の挿入角度または位置を変更することができる。加えて、手術中に、周辺カメラは、手術部位のさらなる画像をキャプチャするために利用される。手術中の周辺カメラの画像は、ステレオカメラの配向および/または位置を調節しないとステレオカメラがキャプチャすることができない画像を外科医またはユーザーに提供する。
【0160】
他の実施例では、カメラアセンブリの1つのエンドキャップのみが周辺カメラを含んでいるが、さらなる実施形態では、エンドキャップは複数の周辺カメラを含むことができる。いくつかの実施形態において、周辺カメラは、Raspberry Piカメラモジュール、e-con System(登録商標)カメラモジュール、および/または、当該分野で既知の他の同様のカメラモジュールなどの市場に出ている既知のカメラモジュールに含む。他の実施形態では、周辺カメラはカスタムカメラモジュールを含んでもよい。
【0161】
<挿入>
前述のように、ロボットカメラシステムは、外科手術中に手術部位の複数の視野を得るように構成され、カメラアセンブリは患者の体内に挿入される。一実施形態では、カメラアセンブリを挿入するために、トロカールアセンブリは、患者の体内に初めに挿入される。この実施形態では、トロカールアセンブリは、当技術分野において既知の標準オブチュレータを使用して、患者の身体に挿入される。この実施形態では、オブチュレータは患者の腹壁を穿刺し、トロカールが患者の腹部に挿入されるのを可能にするのに十分な幅のアパーチャを作る。トロカールは、翼付きリングが患者の腹部の外壁と同じ高さに位置するように挿入され、トロカールアセンブリの近位部は患者の身体外に配置される。その後、翼付きリングは、外科用糸によって患者の身体に固定される。一実施形態では、患者の身体に翼付きリングを固定するために2つの外科用糸が使用される。この実施形態では、外科用糸の各部分の一端は翼付きリングのねじに固定され、外科用糸の各部分の他端は患者の身体に縫い付けられ、それにより、患者の身体にトロカールアセンブリを固定する。患者の身体にトロカールアセンブリが固定されると、患者の腹腔は送気され、それにより、患者の腹腔を拡張してカメラアセンブリを挿入する余地を作る。他の実施形態では、現在市場に出ているおよび当技術分野において既知の標準トロカールが、患者の腹腔に送気するために患者の身体に挿入され、その後、トロカールアセンブリが患者の身体に挿入される。
【0162】
患者の腹腔に送気されると、膨張可能なシールのシースは、空気口に結合されたポンプおよび/または圧縮機を介して膨張する。シースが膨張すると、カメラアセンブリは、トロカールアセンブリを通って、患者の腹腔へと挿入される。一実施形態では、カメラアセンブリの挿入前に、ステレオカメラは、左のカメラアセンブリのエンドキャップが初めにトロカールアセンブリを通過し、患者の腹腔へと入るように配向される。他の実施例では、ステレオカメラは、右のカメラアセンブリのエンドキャップが初めにトロカールアセンブリを通過し、患者の腹腔へと入るように配向される。あるいは、ステレオカメラが周辺カメラを含む実施形態では、ステレオカメラのその端が初めに挿入されることがある。
【0163】
一旦、カメラアセンブリが患者の腹腔に挿入されると、カメラコンソールアセンブリのトロカール嵌合固定具がトロカールに結合され、それにより、カメラコンソールアセンブリおよびトロカールアセンブリを固定する。この接続はシステムを安定化させるために使用され、それにより、カメラアセンブリが駆動中にトロカールアセンブリと位置合わせされたままとなり、他のデバイスがトロカールアセンブリを通過して患者の腹腔に入ることができる。他の実施例では、カメラコンソールアセンブリおよびトロカールアセンブリは互いに結合されず、それにより、カメラコンソールアセンブリおよびカメラアセンブリが、患者の身体に挿入される間に回転することを可能にし、ならびに、カメラアセンブリが患者の腹腔へとさらに押し込まれ、および/またはトロカールの方へと引き戻されることを可能にする。
図43は、挿入構成におけるステレオカメラ(343)の例示的な実施形態を示す。
図43に示されるように、いくつかの実施形態では、挿入中、カメラモジュールの第1の光軸(215b)および第2の光軸(215a)はカメラ支持管(124)に対して垂直に配向される。カメラアセンブリが患者の腹腔に挿入されると、ステレオカメラは駆動する準備ができている。
図44は、一実施形態による、展開した構成におけるステレオカメラ(343)を示す。
図44に示される実施形態で例示されるように、ステレオカメラ(343)が展開した構成にあるとき、第1の光軸(215b)および第2の光軸(215a)はステレオカメラの回転に基づいて動く。
【0164】
一旦、ステレオカメラが患者の腹腔に挿入されると、ツール、装置、および/または機器は、トロカールアセンブリを介して患者の腹腔へと挿入され得る。一実施形態では、トロカールアセンブリを介したツール、機器あるいはロボット装置の挿入前に、前記ロボット装置、ツール、機器はシールプラグに入る。シールプラグは、密封を維持し、および二酸化炭素が漏れるのを防ぎながら、ツール、ロボット装置あるいは機器がシールサブアセンブリを通過することを可能にするように、ツール、ロボット装置あるいは機器を患者の腹腔に導入する通路管として機能する。一実施形態では、シールプラグは、デバイス、ツールあるいは他の物体がその中に収まるための中空の中心を有するように構成される。トロカールアセンブリに挿入される前に、デバイス、ツール、あるいは他の物体はシールプラグに挿入される。駆動中に、シールプラグは、機器の遠位部がプラグの外にあり、機器の近位部がプラグに包含されるように配置される。シールプラグがトロカールアセンブリへ導入されると、シールプラグはシールサブアセンブリを通過し、シールプラグの近位部はシールサブアセンブリの外に残る。シールプラグは、シールサブアセンブリのシールがシールサブアセンブリ内に含まれるシールプラグの一部を囲み、したがって、密封を作り出すように、トロカールにおけるオープンスペースのすべてを満たすべく製造される。機器が手術領域から取り除かれる準備ができるまで、シールプラグはトロカールアセンブリ内に残る。
【0165】
<駆動>
ステレオカメラは、所望の位置および方向へとステレオカメラを駆動させることにより、手術部位の複数の視野を得るように構成される。
図42は、一実施形態による、カメラアセンブリのヨー軸(210)およびピッチ軸(211)を強調する、ステレオカメラアセンブリ(343)の例示的な実施形態を示す。
図42に例示されるように、一実施形態では、ヨー軸(210)はカメラ支持管(124)がある平面に垂直であり、ピッチ軸(211)はヨー軸(210)に垂直である。上に詳述されるように、一実施形態では、ステレオカメラは、ピッチ軸(211)の周りを上下に回転し、ヨー軸(210)の周りを左右に回転するように構成される(
図42)。この実施形態では、ピッチ駆動アセンブリのケーブルおよびヨー駆動アセンブリのケーブルは、カメラアセンブリからカメラコンソールアセンブリのアクチュエーターへとルーティングされる。アクチュエーターは、ピッチ駆動アセンブリおよびヨー駆動アセンブリからルーティングされるケーブルに駆動力を提供することにより、ピッチ軸(211)およびヨー軸(210)の周りでステレオカメラを回転させるように構成される。
【0166】
一実施形態では、ステレオカメラは外科医の頭を動かすことによって駆動する。例えば、手術中に、外科医が現在の視野の上にある物体を見たい場合、外科医は見上げ、ステレオカメラはピッチ軸の周りを上に回転することになる。この実施形態では、国際特許出願第PCT/US2015/029246号に開示されるように、外科医は、ステレオカメラによって得られるライブカメラフィードを見るために、バーチャルリアリティーヘッドマウントディスプレイを着用する。Oculus Riftなどの適切なヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、手術部位のヘッドマウント視野、ディスプレイ内の焦点を当てた視野を可能にするレンズ、およびディスプレイの位置および方向のトラッキングを提供するセンサーシステムをユーザーに提供する。Oculus RiftおよびHTC ViveなどのHMDは、HMDのヨー、ピッチ、およびロールの生の配向データ、ならびにHMDのデカルト空間(x、y、z)の位置データを得る、内蔵されたトラッキングおよびセンサーシステムを有する。しかし、HMDの内蔵されたトラッキングシステムの代わりに、あるいはそのトラッキングシステムに加えて、ディスプレイの補足的な位置および方向のトラッキングデータを提供するために、代替的トラッキングシステムが使用されてもよい。位置および方向のセンサーシステムは、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、赤外線トラッキング、コンピュータービジョン、金属マーカートラッキング(fiducial tracking)、磁気トラッキング、レーザートラッキング、超音波トラッキング、エンコーダーを用いた機械的なトラッキング、あるいは、位置および方向の少なくとも1つを追跡する他の方法、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。前述のセンサートラッキングシステムは、ユーザーによって着用されるヘッドマウントディスプレイを追跡するために、ならびに、駆動中にステレオカメラの回転位置を追跡するために使用することができる。
【0167】
この実施形態では、センサーシステムは、外科医のヘッドマウントディスプレイの位置および方向を追跡する。センサーシステムは、方向データをコンピューターにリアルタイムで中継する。カメラシステムのこの実施形態では空間内で独立して変換することができないので、カメラシステムのこの実施形態において位置データは必要ではない。しかし、カメラシステムの他の実施形態は、追加の動作のために、あるいは補足的データを提供するために位置データに依存し得る。方向の測定はHMDの内蔵された座標系に対して提示される。コンピューターは、データの座標系を、HMDの内蔵された座標系から、カメラシステムによって定義された座標系と一致する座標系へと変換することによって、生の方向データを解釈する。この実施形態では、HMDの内蔵された座標系およびカメラシステムの定義された座標系の両方が固定されており、既知であるため、単純な一定の回転がこの変換に適用されなければならない。
【0168】
コンピューターはさらに、カメラアクチュエーターの物理的構成によって決定される回転順序を実施する場合に、特異点が達成されないことを確実にする。第2の回転角が90度(pi/2ラジアン)に近づくと生じる自然な特異点を回避するために、アルゴリズムは、第2の回転角が、定義された特異点の閾値と超えると、第3の回転角より第1の回転角の方を重く重み付けし始める。その後、コンピューターは、カメラコンソールアセンブリのアクチュエーターに動作可能に接続されるモーター制御ボードに解釈されたデータを送信する。
【0169】
モーター制御ボードは、コンピューターから送られる方向データを受け取り、アクチュエーターを駆動してカメラシステムを所望の方向に向けるために必要な制御力を決定する。カメラシステムの物理的特性、例えば、プーリーの直径、ケーブルの直径、摩擦プロファイル、およびアクチュエーター制約は、アクチュエーターコマンドを計算する際に考慮される。カメラシステムのこの実施形態では、アクチュエーターコマンドは、位置制御を使用して設計され、ステレオカメラの所望の出力方向を結果としてもたらす特定位置にアクチュエーターを駆動する。トルク制御あるいはより高度な技術を使用するカメラシステムの他の実施形態では、代わりに、制御トルクが計算されて、所望の方向にステレオカメラを駆動するようにアクチュエーターに命じることができる。
【0170】
モーター制御基板は、アクチュエーターがステレオカメラを駆動させて、外科医の頭の動きをリアルタイムで追うように、カメラコンソールアセンブリのアクチュエーターにこれらの駆動コマンドを送信する。この実施形態では、ピッチ駆動アセンブリおよびヨー駆動アセンブリに動作可能に接続された回転位置センサーから得られる位置および/または方向のデータは、モーター制御基板に同時に送り戻され、それにより、モーター制御基板が、ステレオカメラのパンおよびティルトを調節して外科医の頭の動きと一致させることを可能にするために、ステレオカメラの位置および方向をモーター制御基板が常に把握する。他の実施形態では、ステレオカメラの駆動が十分に厳密である場合、ピッチおよび/またはヨーの駆動の位置および/または方向の感知を省略することができ、それにより、アクチュエーター(モーター)位置は、ステレオカメラのピッチおよび/またはヨー位置に直接相関すると仮定され得る。他の実施例では、位置および/または方向の感知は完全に省略され、ステレオカメラは、前の位置および/または方向に対してピッチならびにヨー軸の周りで駆動される。
【0171】
カメラのリジッド基板は、ステレオカメラから得られるビデオフィードを処理する。ステレオカメラのカメラモジュールから得られる画像および/またはビデオフィードは、ヘッドマウントディスプレイ上に表示される。ステレオカメラの左側のカメラアセンブリから得られる画像および/またはビデオフィードは、外科医の左眼に表示され、ステレオカメラの右側のカメラアセンブリから得られる画像および/またはビデオフィードは、外科医の右眼に表示される。ステレオカメラのカメラアセンブリから得られる左眼視野および右眼視野の組み合わせは、手術部位の立体視野を外科医に提供する。いくつかの実施形態において、ソフトウェアは、ステレオカメラの位置と外科医の頭の位置との間のいかなる差も補償するべく、ステレオカメラのビューをわずかに調節するために利用される。
【0172】
上述のように、カメラモジュールおよびカメラモジュールアセンブリは、手術部位の画像のおよび/またはビデオフィードをキャプチャするデジタルセンサー基板を含む。カメラモジュールおよびモジュールアセンブルのデジタルセンサー基板は、ビデオプロセッサー基板と通信する。様々な実施形態では、限定されないが、Raspberry Pi、eInfochipのDVPB、NVIDIA jetson board、あるいは当技術分野において既知の他の既知のビデオプロセッサー基板の様々なタイプを含む、様々なビデオプロセッサー基板が利用される。デジタルセンサー基板は、MIPI通信プロトコルによってビデオプロセッサー基板と通信する。いくつかの実施形態では、各カメラモジュールからの画像および/またはビデオフィードは、それ自体のビデオプロセッサー基板に送られるが、他の実施形態では、両方のカメラモジュールからの画像および/またはビデオフィードの両方は、同じビデオプロセッサー基板に送られる。ビデオプロセッサー基板は、ビデオレンダリングソフトウェアを使用して、画像/ビデオフィードをコード化するコンピューターと通信する。いくつかの実施形態では、使用されるビデオレンダリングソフトウェアはFFmpegであるが、他の実施例では、当該分野で既知の他のビデオレンダリングソフトウェアが利用される。その後、コンピューターは、カメラモジュールまたはモジュールアセンブリから得られる画像および/またはビデオフィードを、ネットワークストリーミングによってバーチャルリアリティーコンピューターアプリケーションに送る。バーチャルリアリティーコンピューターアプリケーションは、ネットワークストリームからの画像および/またはビデオフィードを取得し、ビデオレンダリングソフトウェアを使用してそれをデコードする。画像および/またはビデオフィードは、HMDのソフトウェアによって、ビデオレンダリングソフトウェアからHMDに送られる。
【0173】
<コンピューターシステム>
本明細書に記載される主題は、デジタル電子回路において、あるいはコンピューターソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェア(この明細書で開示される構造的手段およびその構造的同等物を含む)において、あるいはそれらの組み合わせにおいて実装することができる。本明細書に記載される主題は、データ処理装置(例えば、プログラム可能なプロセッサー、1つのコンピューター、または複数のコンピューター)による実行、あるいはデータ処理装置の動作の制御のために、1つ以上のコンピュータプログラム製品、例えば、情報担体(例えば、機械可読な記憶装置における)で明確に具体化されるか、あるいは伝搬信号で具体化された1つ以上のコンピュータプログラムとして実装することができる。コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、あるいはコードとしても知られている)は、コンパイラ型言語あるいはインタープリタ型言語を含むプログラミング言語の任意の形態で書かれてもよく、スタンドアロンプログラムとして、あるいはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、あるいは計算環境で使用するのに適した他のユニットとしての形態を含む、任意の形態で展開可能である。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに相当するわけではない。プログラムは、他のプログラムあるいはデータを保持するファイルの一部に、問題となっているプログラム専用の単一のファイルに、あるいは複数の統合されたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、あるいはコードの一部を格納するファイル)に格納可能である。コンピュータプログラムは、1つのコンピューター又は1つの場所における複数のコンピューター上で実行されるように、あるいは、複数の場所に分布されて通信ネットワークにより相互接続されるように展開することができる。
【0174】
本明細書に記載される主題の方法の工程を含むこの明細書に記載されるプロセスおよび論理の流れは、入力データで操作し、ならびに出力を生成することによって、本明細書に記載される主題の機能を実行するための、1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能なプロセッサーによって実施することができる。プロセスおよび論理の流れはさらに、特殊用途ロジック回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)あるいはASIC(特定用途向け集積回路)によって実施することができ、ならびに、本明細書に記載される主題の装置は、上記特殊目的ロジック回路として実装することができる。
【0175】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサーとしては、一例として、汎用マイクロプロセッサと特殊用途マイクロプロセッサの両方、および任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサーが挙げられる。一般に、プロセッサーは読み出し専用メモリまたはランダムアクセスメモリあるいはその両方からの命令とデータを受け取る。コンピューターの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサーと、命令およびデータを格納するための1つ以上のメモリ装置である。一般に、コンピューターはさらに、データを格納するための1つ以上の大容量記憶装置(例えば、光磁気ディスクあるいは光ディスク)を含むか、あるいは、上記大容量記憶装置からのデータを受け取るか、あるいは上記大容量記憶装置にデータを転送するか、またはその両方のために動作可能に連結される。コンピュータプログラム命令およびデータを具体化するのに適した情報担体は、一例として、半導体記憶装置(例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリ装置);磁気ディスク(例えば、内部ハードディスクあるいはリムーバブルディスク);光磁気ディスク;ならびに、光ディスク(例えば、CDおよびDVDディスク)を含む、不揮発性メモリのすべての形態を含む。プロセッサーおよびメモリは、特殊用途ロジック回路によって補足されるか、あるいは特殊用途ロジック回路に組み込まれ得る。
【0176】
ユーザーとの対話を提供するために、本明細書に記載される主題は、ユーザーに情報を表示するための、表示装置、例えば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニター、キーボードならびにポインティングデバイス(例えば、マウスあるいはトラックボール)を備えるコンピューター上で実装され、それによって、ユーザーは、コンピューターに入力を提供することができる。他の種類のデバイスも同様に、ユーザーとの対話を提供するために使用することができる。例えば、ユーザーに提供されたフィードバックは、感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、あるいは触覚フィードバック)の任意の形態であり得、ユーザーからの入力は、音響、音声、あるいは触覚の入力を含む任意の形態で受け取ることができる。
【0177】
本明細書に記載される主題は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバ)、ミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバ)、あるいはフロントエンドコンポーネント(例えば、ユーザーが本明細書に記載される主題の実施と相互作用することができる、グラフィカルユーザインターフェースあるいはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)を含むコンピューティングシステム、あるいはそのようなバックエンド、ミドルウェア、およびフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせにおいて実装することができる。上記システムのコンポーネントは、任意の形態あるいはデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)の媒体によって相互接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)およびワイドエリアネットワーク(「WAN」)、例えば、インターネットを含む。
【0178】
開示される主題が、構造の詳細、および以下の説明において記載されるか、あるいは図面において例証される構成要素の配置に限定されないことが理解されるべきである。開示される主題は、他の実施形態が可能であり、および、様々な方法で実施ならびに実行可能である。さらに、本明細書で使用される表現や用語は説明目的のためであり、限定的であるとみなされてはならないことが理解されよう。
【0179】
したがって、当業者は、この開示の基礎となる概念が、開示される主題のいくつかの目的を実行するための他の構造、方法、およびシステムの設計の基礎として容易に利用され得ることを認識する。したがって、開示される主題の精神および範囲から逸脱しない限り、請求項はそのような同等の構成を含むと見なされることが重要である。
【0180】
開示される主題が前述の例示的実施形態で説明および例示されてきたが、本開示は、ほんの一例であり、開示される主題の精神および範囲(以下の請求項によってのみ限定される)から逸脱することなく、開示される主題の実施の詳細における多数の変更がなされることが理解される。