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  • 特許-固体撮像装置および内視鏡カメラ 図1
  • 特許-固体撮像装置および内視鏡カメラ 図2
  • 特許-固体撮像装置および内視鏡カメラ 図3
  • 特許-固体撮像装置および内視鏡カメラ 図4
  • 特許-固体撮像装置および内視鏡カメラ 図5A
  • 特許-固体撮像装置および内視鏡カメラ 図5B
  • 特許-固体撮像装置および内視鏡カメラ 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】固体撮像装置および内視鏡カメラ
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/70 20230101AFI20231120BHJP
   H04N 25/79 20230101ALI20231120BHJP
【FI】
H04N25/70
H04N25/79
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020525746
(86)(22)【出願日】2019-06-18
(86)【国際出願番号】 JP2019024089
(87)【国際公開番号】W WO2019244884
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】P 2018117451
(32)【優先日】2018-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】520133916
【氏名又は名称】ヌヴォトンテクノロジージャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】小野澤 和利
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-104000(JP,A)
【文献】特開2017-184198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/00-25/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を受光する受光部を有する第1の半導体基板と、前記受光部からの信号を処理して画像信号を生成する画像処理回路を有する第2の半導体基板と、を備え、
前記第2の半導体基板は、
使用履歴データを格納する領域を有する不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリに使用履歴データが格納されているとき、前記画像信号の出力を制限する制御回路とを有し、
前記制御回路は、
入出力回路と、
電源投入時に前記不揮発性メモリに前記使用履歴データが存在するか否かを判定する判定回路と、
前記不揮発性メモリに前記使用履歴データが存在すると判定された場合に、前記入出力回路における前記画像信号の出力を制限する遮断回路とを有する
固体撮像装置。
【請求項2】
前記不揮発性メモリは、前記使用履歴データとして、少なくとも撮像日時を格納する
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記制御回路は、
前記不揮発性メモリに格納された前記使用履歴データを暗号化する暗号化回路を備える、
請求項1または2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記第2の半導体基板は、前記第1の半導体基板と接合された接合面を有し、
前記不揮発性メモリは、前記第2の半導体基板の接合面側に形成されている
請求項1~のいずれか一項に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記不揮発性メモリは、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)またはReRAM(Resistive Random Access Memory)である
請求項に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
請求項1~のいずれか一項に記載の固体撮像装置を備える
内視鏡カメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体撮像装置および内視鏡カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
以下、図面を参照に、特許文献1で開示された従来技術の固体撮像装置について、説明する。図6は、従来技術の固体撮像装置の構成を示すブロック図である。
【0003】
図6より、固体撮像装置120は、被写体からの光の信号を電気信号に光電変換するセンサ部121が備えられた画素基板122の裏面側に信号処理基板123が配置されて、二層に積層されている。信号処理基板123には、画像情報処理部104および画像情報出力部124が備えられている。
【0004】
画像情報処理部104は、センサ部121から出力された電気信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換するアナログデジタル変換部(A/D変換部)125と、A/D変換部125により得られた画像情報と固体撮像装置120のイメージセンサ識別情報とが関連付けされた統合情報を形成する統合情報形成部126と、を少なくとも備えている。
【0005】
画像情報出力部124は、A/D変換部125から出力された画像情報および統合情報形成部126から出力された統合情報を外部へ出力する。
【0006】
このような構成よって特許文献1の固体撮像装置は、取得した画像情報と撮像した画像情報との同一性を保証することを図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-184198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、例えば医療現場では、検査や手術のたびに再度使える状態に滅菌された固体撮像装置(または、カメラ、一例として、固体撮像装置が搭載された内視鏡カメラ)を使用する代わりに、使い捨ての固体撮像装置(一例として、パッケージで病院に届けられる使い捨ての固体撮像装置)を使用することが求められる場合がある。
【0009】
しかしながら、従来技術で開示された固体撮像装置は、使い捨て用途には適していないという課題を有する。例えば、従来の固体撮像装置を使い捨て用途にしたとしても、一度使用した後に再使用可能であり、例えば、誤って再使用されることが起こり得る。
【0010】
上記課題に鑑みてなされたものであり、使い捨て用途に適し、再使用されることを困難にする固体撮像装置および内視鏡カメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために本開示に係る固体撮像装置は、入射光を受光する受光部を有する第1の半導体基板と、前記受光部からの信号を処理して画像信号を生成する画像処理回路を有する第2の半導体基板とを備え、前記第2の半導体基板は、使用履歴データを格納する領域を有する不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリに使用履歴データが格納されているとき、前記画像信号の出力を制限する制御回路とを有する。
【0012】
また、本開示に係る内視鏡カメラは、上記の固体撮像装置を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明の固体撮像装置および内視鏡カメラによれば、使い捨て用途に適している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施の形態1に係る固体撮像装置を用いた内視鏡カメラシステムの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態1に係るカメラスコープ部の先端部分の構成例を示す図である。
図3図3は、実施の形態1に係る固体撮像装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施の形態1に係る固体撮像装置の第2の半導体基板の構成例を示す図である。
図5A図5Aは、実施の形態1に係る固体撮像装置を示す積層チップの例を示す断面図である。
図5B図5Bは、実施の形態1に係る固体撮像装置を示す積層チップの他の例を示す断面図である。
図6図6は、従来技術を固体撮像装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示に係る実施の形態について、図面を参照しながら、さらに具体的に説明する。
【0016】
なお、以下で説明する各実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、固体撮像装置を用いた内視鏡カメラシステム100構成例を示すブロック図である。
【0018】
この内視鏡カメラシステム100は、検査および手術時における観察を行うカメラスコープ部10と、観察画像の処理やカメラスコープ部の制御を行うシステム制御部20とを少なくとも備えている。同図の内視鏡カメラシステム100は、カメラスコープ部10とシステム制御部20がケーブル部30を介してシステム制御部20に接続されている。ケーブル部30にはスコープコントローラ40を有する。システム制御部20には検査および手術時における観察を行うモニターや情報入力装置を備えている。
【0019】
カメラスコープ部10は、使い捨て型のカメラ(内視鏡カメラ)に相当する。図2は、カメラスコープ部10の先端部分の構成例を示す図である。カメラスコープ部10の先端には、固体撮像装置1、撮像レンズ2、照明光源3などを備えている。カメラスコープ部10は、一度使用すると再度使用されることなく所定の方法により廃棄処分される。カメラスコープ部10は、無菌化処理された使い捨て型のスコープ(つまり内視鏡カメラ)であり、ケーブル部30に装着され、検査や手術後に廃棄される。
【0020】
ケーブル部30はシステム制御部20に接続されている。
【0021】
ケーブル部30には、カメラスコープ部10の動作を制御するスコープコントローラ40が備えられ、スコープコントローラ40は、固体撮像装置1、照明光源3などの各回路へ制御信号を出力する。
【0022】
図3は、実施の形態1に係る固体撮像装置1の構成例を示す図である。同図の固体撮像装置1は、第1の半導体基板1Aと第2の半導体基板1Bとを有する。第1の半導体基板1Aは、表面に受光部11を備える。第2の半導体基板1Bは、画像処理回路12と制御回路13とを有する。制御回路13は、使用履歴担保回路とも呼ぶ。照明光源3から放射された光は、観察部位に照射される。観察部位において反射した光は、撮像レンズ2を通り、図3に示す固体撮像装置1の第1の半導体基板1Aの入射光を光電変換する光電変換部(画素、一例として、フォトダイオード)を有する単位セル(画素セル)が2次元配列された受光部(画素部)11に到達し、光量に応じた信号が生成される。次に、第2の半導体基板1Bに送られた後、AD変換回路12aでデジタル信号に変換される。デジタル信号となった画像信号は、第2の半導体基板1Bの制御回路13(使用履歴担保回路)に入力される。
【0023】
図4は、実施の形態1に係る固体撮像装置の第2の半導体基板1Bの構成例を示す図である。図4に示すように、第2の半導体基板1Bは、画像処理回路12と制御回路13とを備える。画像処理回路12は、AD変換回路12aを有する。制御回路13は、不揮発性メモリ14、暗号化回路15、入出力回路16、判定回路17、信号重畳回路18および遮断回路19を有する。
【0024】
不揮発性メモリ14には、あらかじめ固体撮像装置1に固有の識別IDが書き込まれている。さらに、不揮発性メモリ14は、使用履歴データを格納する領域を有し、カメラスコープ部10を初めて使用するときに、システム制御部20から送られた撮像機器情報、撮像日時などが使用履歴データとして不揮発性メモリ14に書き込まれる。
【0025】
不揮発性メモリ14に格納された撮像機器情報、撮像日時、識別IDを使用履歴情報群として暗号化回路15により暗号化し、信号重畳回路18により画像信号に重畳する。その時、信号重畳回路18は、画像信号のうち有効画素以外の部分に重畳してもよく、また、画像信号のうち有効画素内の部分に電子透かしとして重畳しても良い。このようにして、識別ID、撮像機器情報、撮像日時などを暗号化されて重畳された画像信号が出力されることにより、被写体を撮像して得られる画像データの取り違えによる誤診などを防止でき、偽造や改竄も防止できる。
【0026】
カメラスコープ部10は、検査や手術後、取り外されて廃棄されるが、もし、間違ってケーブル部30に再接続した場合には、使用履歴担保回路の判定回路17により、不揮発性メモリ14内の使用履歴情報群の判定が行われ、使用履歴が確認された場合には、遮断回路19により画像信号が遮断される。例えば、遮断回路19は、入出力回路16における画像信号の出力を禁止する。このようにして、使い捨て用撮像機器が適切に使用され、かつ再利用されないことが保証できる。
【0027】
なお、遮断回路19は、画像信号を遮断する(つまり画像信号全部の出力を禁止する)代わりに画像信号の出力を制限してもよい。例えば、遮断回路19は、画像信号のうち有効画素の部分の出力を禁止してもよいし、有効画素の部分を特定の画像データに置き換えてもよい。特定の画像データは、例えば、青色画面を示す画像データや「使用済」であることを示すメッセージ画像であってもよい。
【0028】
本実施形態の固体撮像装置1は、撮像光学系からの入射光を受光する受光部11を有する第1の半導体基板1Aと、前記受光部11からの信号を処理する画像処理回路12を有する第2の半導体基板1Bとが積層して接合されている。
【0029】
図5Aおよび図5Bは、実施の形態1に係る固体撮像装置1を示す積層チップの例を示す断面図である。同図のように、固体撮像装置1は、第2の半導体基板1Bと、その上に接合された第1の半導体基板1Aとの積層体である。
【0030】
なお、図5Aは、Cu配線(金属配線)62が形成された側から光が光電変換部61に到達する構造、所謂、表面照射型構造(FSI(Front Side Illumination)構造)であるが、本実施の形態1に係る固体撮像装置1は、図5Bに示すように、Cu配線(金属配線)62が形成された反対側から光が光電変換部61に到達する構造、所謂、裏面照射型構造(BSI(Back Side Illumination)構造)を用いることも出来る。
【0031】
図5Aおよび図5Bにおいて、第1の半導体基板1Aは、第1のシリコン基板60、光電変換部61、Cu配線(金属配線)62、カラーフィルタ63、集光素子64、貫通電極65、電極パッド66を含む。第1のシリコン基板60には光電変換部61が形成される。第1のシリコン基板60上には、SiO膜(酸化膜)が形成される。このSiO膜内部には、Cu配線62等が形成されている。
【0032】
第2の半導体基板1Bは、第2のシリコン基板50、トランジスタ51、Cu配線52、不揮発性メモリのメモリ素子53を含む。第2のシリコン基板50上には、SiO膜が形成される。このSiO膜内部には、トランジスタ51、Cu配線52、不揮発性メモリ14のメモリ素子53等が形成されている。
【0033】
第1の半導体基板1Aと第2の半導体基板1Bとの貼り合わせには、接着剤による接合や、基板の表面をプラズマで活性化して接合するプラズマ活性化接合などを用いることができる。本実施形態では、第1の半導体基板1Aの表面に形成されたSiO膜と、第2の半導体基板1Bの表面形成されたSiO膜とプラズマ活性化で接合した。プラズマ活性化接合の工程としては、第1の半導体基板1Aと第2の半導体基板1Bの表面をCMPなどにより平坦化する工程、各基板の表面をプラズマ処理して活性化する工程、接合面を重ね合わせて200~400℃のアニール処理をして接合する工程を有する。アニール処理温度としては、配線などに影響を与えない400℃以下の低温でプロセスを行うことが好ましいが、200℃以下では接合強度が弱くなる。
【0034】
このようにして受光部11と信号を処理する画像処理回路12とを別の半導体基板に分けて接合することにより、固体撮像装置1を小型化できる。そして、固体撮像装置1の小型化により、内視鏡カメラのスコープ径を細径化できる。
【0035】
さらに、第2の半導体基板1Bの不揮発性メモリ14は、第1の半導体基板1Aとの接合面側に形成されるため、不揮発性メモリ14内に格納された使用履歴データを物理的に解析することが困難である。さらに、不揮発性メモリ14をFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)またはReRAM(Resistive Random Access Memory)とすることにより、FeRAMの誘電率変化やReRAMの抵抗値変化を物理的に解析することはさらに困難となり、不揮発性メモリ14内のすり替え防止や使用履歴データの正当性を担保できる。
【0036】
通常、固体撮像装置1の形成プロセスと、FeRAMやReRAMの形成プロセスは大きく異なるため、混載して形成することが困難であるが、第1の半導体基板1Aと第2の半導体基板1Bと分けて形成し、貼り合わせることにより、FeRAMやReRAMを搭載した固体撮像装置を実現できる。
【0037】
つまり、例えば医療現場等において、固体撮像装置1が搭載された内視鏡カメラ(カメラスコープ部10)による検査や手術では、検査および手術に用いる機器は、厳密な滅菌や高い無菌性を必要とし、検査あるいは手術の際に使用された後、内視鏡ならびにその構成部品などの患者に接触するものを蒸気による高温や薬剤で滅菌する必要し、内視鏡カメラには蒸気による高温や薬剤への耐性が求められる高額な内視鏡カメラを使用する代わりに、何度も行われる蒸気による高温や薬剤への耐性が求められないために低価格化が可能となる無菌性製品としてパッケージされた使い捨て(ディスポーサブル)の内視鏡カメラが求められる場合がある。そのような場合でも、カメラスコープ部10は、その使い捨て用の内視鏡カメラとして適切に使用され、かつ再利用されないことを保証することができる。
【0038】
言い換えると、本開示の実施の形態に係る固体撮像装置1は、撮像光学系からの入射光を受光する受光部11を有する第1の半導体基板1Aと、前記受光部11からの信号を処理する画像処理回路12を有する第2の半導体基板1Bとが積層して接合されている。第2の半導体基板1Bは、不揮発性メモリ14と信号重畳回路18と暗号化回路15と入出力回路16と判定回路17と遮断回路19とから構成される使用履歴担保回路を有する。この構成により、小型かつ使用履歴を担保でき、使い捨て用撮像機器が適切に使用され、かつ再利用されないことを保証できる固体撮像装置1を実現することができる。
【0039】
さらに、不揮発性メモリ14は、撮像機器情報、撮像日時、固体撮像装置の識別IDなど格納する。この構成により、使用履歴と固体撮像装置の識別を保証することができる。
【0040】
さらに、不揮発性メモリ14に格納された情報を使用履歴データとして暗号化回路により暗号化し、信号重畳回路18により画像信号に重畳する。さらに、使用履歴データは、画像信号のうちの有効画素以外の部分に重畳されている。さらに、使用履歴データは、画像信号のうちの有効画素内の部分に電子透かしとして重畳されている構成としても良い。この構成により、識別ID、撮像機器情報、撮像日時などを暗号化されて重畳された画像信号が出力されることにより、被写体を撮像して得られる画像データの偽造や改竄を防止できる。
【0041】
さらに、第2の半導体基板1Bの不揮発性メモリ14は、第1の半導体基板1Aとの接合面側に形成されている。この構成により、不揮発性メモリ14の上に第1の半導体基板1Aが存在するため、不揮発性メモリ14内に格納された使用履歴データを物理的に解析することが困難である。
【0042】
さらに、不揮発性メモリ14は、FeRAMまたはReRAMとしても良い。この構成により、FeRAMの誘電率変化やReRAMの抵抗値変化を物理的に解析することはさらに困難であり、メモリ内のすり替えや使用履歴を担保できる。
【0043】
以上説明してきたように実施の形態1に係る固体撮像装置は、入射光を受光する受光部11を有する第1の半導体基板1Aと、受光部11からの信号を処理して画像信号を生成する画像処理回路12を有する第2の半導体基板と、を備え、第2の半導体基板1Bは、使用履歴データを格納する領域を有する不揮発性メモリ14と、不揮発性メモリ14に使用履歴データが格納されているとき、画像信号の出力を制限する制御回路13(使用履歴担保回路)とを有する。
【0044】
これによれば、使い捨て用途に適している。例えば、一度使用した後に、再使用することが困難である。すなわち、再使用されないことを保証することができる。
【0045】
ここで、不揮発性メモリ14は、使用履歴データとして、固体撮像装置を備える機器を示す撮像機器情報、撮像日時、および、固体撮像装置の識別IDの少なくとも1つを格納してもよい。
【0046】
これによれば、被写体を撮像して得られる画像データの取り違えによる誤診などを防止でき、また、画像データの偽造や改竄も防止できる。
【0047】
ここで、制御回路13は、不揮発性メモリ14に格納された使用履歴データを暗号化する暗号化回路15と、暗号化された使用履歴データを画像信号に重畳する信号重畳回路18とを備えしてもよい。
【0048】
ここで、信号重畳回路18は、使用履歴データを、画像信号のうち有効画素以外の部分に重畳してもよい。
【0049】
ここで、信号重畳回路18は、使用履歴データを、画像信号のうち有効画素の部分に電子透かしとして重畳してもよい。
【0050】
ここで、第2の半導体基板1Bは、第1の半導体基板1Aと接合された接合面を有し、不揮発性メモリ14は、第2の半導体基板1Bの接合面側に形成されてもよい。
【0051】
これによれば、不揮発性メモリ14に格納された使用履歴データを物理的に解析することが困難になり、使用履歴データの正当性を担保することができる。
【0052】
ここで、不揮発性メモリ14は、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)またはReRAM(Resistive Random Access Memory)であってもよい。
【0053】
これによれば、FeRAMの誘電率変化やReRAMの抵抗値変化を物理的に解析することはさらに困難となり、使用履歴データのすり替えを防止して正当性を担保することができる。
【0054】
ここで、制御回路13は、電源投入時に不揮発性メモリ14に使用履歴データが存在するか否かを判定する判定回路17と、不揮発性メモリ14に使用履歴データが存在すると判定された場合に、画像信号の出力を遮断する遮断回路19とを有していてもよい。
【0055】
これによれば、使用履歴データが存在する場合に、画像信号の出力を遮断することによって再使用されないことを保証することができる。
【0056】
また、実施の形態1に係る内視鏡カメラは、上記の固体撮像装置を備える。
【0057】
これによれば、使い捨て用途に適している。例えば、一度使用した後に、再使用することが困難である。すなわち、再使用されないことを保証することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本開示は、固体撮像装置およびカメラ(内視鏡カメラ)に適しており産業上有用である。
【符号の説明】
【0059】
1 固体撮像装置
1A 第1の半導体基板
1B 第2の半導体基板
11 受光部
12 画像処理回路
13 制御回路(使用履歴担保回路)
14 不揮発性メモリ
15 暗号化回路
17 判定回路
18 信号重畳回路
19 遮断回路
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6