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特許7387619一体型ラチェット組立体を有する角度調節式椎間ケージ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】一体型ラチェット組立体を有する角度調節式椎間ケージ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20231120BHJP
   A61B 17/70 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
A61F2/44
A61B17/70
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020546385
(86)(22)【出願日】2019-03-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 EP2019055569
(87)【国際公開番号】W WO2019170744
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】62/639,282
(32)【優先日】2018-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/293,374
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518462112
【氏名又は名称】イーアイティー・エマージング・インプラント・テクノロジーズ・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】EIT EMERGING IMPLANT TECHNOLOGIES GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アイゼン・グントマー
(72)【発明者】
【氏名】ガンター・デトレフ
(72)【発明者】
【氏名】ガイガー・ステファン
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/132537(WO,A1)
【文献】特表2005-523732(JP,A)
【文献】特表2008-517723(JP,A)
【文献】特表2016-514567(JP,A)
【文献】特開2004-130077(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0015522(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0343678(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
A61B 17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張可能な脊椎用インプラントであって、
第1の椎体の終板に接して配置されるように構成された上部プレートと、隣接する第2の椎体の終板に接して配置されるように構成された下部プレートと、を備えるハウジングと、
前記ハウジング内にあり、前記脊椎用インプラントの角度調節をもたらすように構成されている一体型ラチェット組立体であって、第1及び第2のシャフトと、前記第1及び第2のシャフトによってそれぞれ支持される第1及び第2の係合部材と、前記第1及び第2のシャフトから外に延在する複数のフランジと、をみ、前記第1及び第2の係合部材が前記脊椎用インプラントの幅を規定する横方向に沿って互いから間隔されている、一体型ラチェット組立体と、を備え、
前記一体型ラチェット組立体は、前記第1及び第2の係合部材が前記上部プレート及び前記下部プレートを圧迫し、また前記上部プレート及び前記下部プレートが互いに対して角度をつける拡張方向への前記第1及び第2のシャフトの移動を許容するように構成され、前記拡張方向と反対の方向への前記第1及び第2のシャフトの移動を防止する、拡張可能な脊椎用インプラント。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記上部プレート及び前記下部プレートに付勢力を加えるように構成された少なくとも1つのばね部材を更に含む、請求項1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
【請求項3】
前記ばね部材は、前記上部プレート及び前記下部プレートの各々に接続された変形可能なストリップとして構成されている、請求項2に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
【請求項4】
前記上部プレート及び前記下部プレートは、円錐ヒンジによって前記ハウジングに接続されており
前記円錐ヒンジは、突出部を画定する第1のプレートと、凹部を画定する第2のプレートとを含み、
前記第1のプレートは前記上部プレート及び前記下部プレートの一方に取り付けられており、前記第2のプレートは前記上部プレート及び前記下部プレートの他方に取り付けられている、請求項1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
【請求項5】
前記ハウジングは器具受容開口部を含む、請求項1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
【請求項6】
前記上部プレート及び前記下部プレートのうちの少なくとも一方は、多孔性支持表面を含む、請求項1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
【請求項7】
前記脊椎用インプラントは、後方経路腰椎椎体間固定(PLIF)用に構成されている、請求項1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
【請求項8】
前記脊椎用インプラントは、前方経路腰椎椎体間固定(ALIF)用に構成されている、請求項1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
【請求項9】
前記第1及び第2のシャフトは、前記脊椎用インプラントの長手方向中心軸線から等距離に離間されている、請求項1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
【請求項10】
前記脊椎用インプラントは、椎間板腔への挿入方向に対して先端部と、前記先端部の反対側の後方端部とを有し、前記第1及び第2の係合部材の各々は、前記後方端部に向かって逆方向に移動して、前記上部プレート及び前下部プレートを互いから離れるように圧迫する、請求項1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
【請求項11】
前記脊椎用インプラントは、椎間板腔への挿入方向に対して先端部と、前記先端部の反対側の後方端部とを有し、前記第1及び第2の係合部材の各々は、前記先端部に向かって順方向に移動して、前記上部プレート及び前記下部プレートを互いから離れるように圧迫する、請求項1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
【請求項12】
前記一体型ラチェット組立体は、前記第1及び第2のシャフトをそれぞれ少なくとも部分的に取り囲む第1及び第2のスリーブをさらに備える、請求項1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
【請求項13】
前記第1及び第2のスリーブの各々は、前方開口部を有し、前記前方開口部は、前記複数のフランジが前記前方開口部を通って移動することを可能にするように、外向きに屈曲するように構成されている、請求項12に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
【請求項14】
前記第1及び第2の係合部材の各々は、前記拡張方向に押圧されるように構成されている、請求項1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2018年3月6日出願の米国特許出願第62/639,282号の利益を主張するものであり、その開示内容は、その全体があたかも本明細書に陳述されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、植込み型整形外科用デバイスに関し、より具体的には、脊椎を安定させるための植込み型デバイスに関する。更により具体的には、本開示は、縮小されたサイズを有する第1の挿入構成から、拡張されたサイズを有する第2の植込み構成へのケージの拡張を可能にする一体型ラチェット組立体を備える角度調節式椎間ケージに関する。椎間ケージは、脊椎の矢状面のバランス及びアライメントを回復させながら、前弯角度、特により大きな弯曲角度を調節及び適応させるように構成されている。
【背景技術】
【0003】
しばしばケージ又はスペーサとも呼ばれる、癒合を促進する椎体間植込み型デバイスの使用は、特定の脊髄障害又は疾患の治療のための標準的なケアとして周知である。例えば、ある種類の脊椎障害では、急性の損傷若しくは外傷、椎間板疾患、又は単なる自然老化の過程が原因で、椎間板が劣化したり、損傷を受けたりする。健康な椎間板は、脊椎を安定化させ、椎骨間の力を分散させるだけでなく、椎体への衝撃を緩和する役割を果たす。したがって、弱化又は損傷した椎間板は、力の不均衡及び脊椎の不安定性をもたらし、結果として不快感及び痛みをもたらす。今日の標準的な治療は、それぞれ部分椎間板切除術又は全椎間板切除術として知られているプロセスにおいて、疾患のある又は損傷を受けた椎間板の一部又は全部を外科的に除去することを伴い得る。椎間板切除術では多くの場合、その弱化した又は損傷を受けた脊椎部を安定化させるために、ケージ又はスペーサが後に挿入される。このケージ又はスペーサは、損傷が更に進行するのを回避するため、及び/又は損傷若しくは外傷によって引き起こされる疼痛を低減若しくは緩和するために、治療領域における可動性を低減又は抑制する役割を果たす。更に、これらのタイプのケージ又はスペーサは、健常な椎間板高さを回復及び維持するために、機械的又は構造的スキャフォールドとしての役割を果たし、また場合によっては、隣接する椎骨の間の骨癒合を促進し得る。
【0004】
しかしながら、これらのタイプの手技の現状の問題の1つは、治療される椎間領域へとケージを操作又は挿入するために外科医に与えられる作業空間が非常に限られていることである。椎間腔へのアクセスは、大動脈、大静脈、硬膜、及び神経根など、後退される隣接する血管及び組織の周りでナビゲーションすることを必要し、アクセスのために非常に狭い通路だけを残す。椎間板間の空間自体への開口もまた、比較的小さいものである。したがって、周囲の組織又は椎体自体を相当に損なうことなく挿入され得るケージの実際のサイズには物理的な限界が存在する。
【0005】
問題を更に複雑にしているのは、椎体は健常な脊椎において互いに対して平行に配置されていないという事実である。椎体の互いに対する角度関係が原因で、脊椎には自然な湾曲が存在する。理想的なケージは、椎体のこの角度関係に適応することができなければならず、さもなければ、ケージは、椎間腔の内側にあるときに適切に収まらないことになる。不適切に適合されたケージは、定位置から追い出されるか若しくは移動し、時間を経て有効性を失うか、又は更には、既に弱化している領域に更なる損傷を与えることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、椎間板高さ又は治療される脊椎分節への脊椎骨のアライメントを回復する機械的強度又は構造的完全性を有するだけでなく、狭いアクセス通路を通じて椎間腔へと容易に進み、次いで、特により大きな前弯角度に関して、この空間の角度の制約にも対処するように構成された椎間ケージ又はスペーサを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、上述の問題に対処しかつ所望の目的を満たす脊椎用植込み型デバイスを含む。これらの脊椎用植込み型デバイス、より具体的に言えば、椎間ケージ又はスペーサは、拡張可能であるだけでなく角度調節可能となるように構成されている。ケージは、椎体の終板に接して支持するための上部プレート及び下部プレートを含み、少しの労力でケージがサイズ及び角度を必要に応じて変更することを可能にする一体型ラチェット組立体を有してもよい。いくつかの実施形態では、ケージは、幅狭のアクセス通路を通じて椎間腔の中へと挿入することを容易にするための第1の高さを特徴とする第1すなわち挿入構成を有してもよい。ケージは、第1すなわち挿入構成において挿入され、次いで、第1の高さよりも高い第2の高さを特徴とする第2の拡張構成へと拡張され得る。その第2すなわち拡張構成では、ケージは、適切な椎間板高さを維持し、矢状面のバランス及びアライメントを回復させることによって脊椎を安定化させることが可能である。追加的に、椎間ケージは、前弯の角度に対応するように角度調整可能となるように構成されており、また第2の拡張構成において、より大きな前弯角度に適応し得る。更に、これらのケージは、隣接する椎体を不動化することによって脊椎安定性を更に向上させるように、癒合を促進し得る。
【0008】
本開示の一態様によれば、ケージは、付加製造法の一形態である選択的レーザー溶融(SLM)技術を用いて製造されてもよい。ケージはまた、例えば、3D印刷、電子ビーム溶融(EBM)、層堆積、及びラピッドマニュファクチャリングなどの他の類似の技法によって製造されてもよい。これらの生産技法を用いると、構成要素を一体に保つために外部の固定又は取付け要素を更に必要とすることなく、相互接続されかつ移動可能な部品を有し得る一体型の多要素デバイスを創成することが可能である。したがって、本開示の椎間ケージは、互いに一体に保つために付加的な外部固定要素を必要としない複数の相互接続された部品から形成される。
【0009】
更に、この方式で製造されるケージは接続シームを有さないが、従来法で製造されるデバイスは、ある構成要素を別の構成要素に接続するための接合シームを有する。これらの接続シームは多くの場合、これらのシームの接合が反復的な使用によって若しくは応力を受けて時間と共に摩耗又は破損したときは特に、植込み型デバイスの弱化された領域を表し得る。付加製造法を用いて、開示される植込み型デバイスを製造することにより、利点の1つとして、接続シームは完全に回避され、したがってその問題も回避される。
【0010】
本デバイスの別の利点は、付加製造プロセスを用いてこれらのデバイスを製造することにより、デバイスの構成要素のすべて(すなわち、椎間ケージと拡張及びブロッキングのためのピンの両方)が、挿入プロセス並びに拡張プロセスの間に、完全な構造を維持し得るということである。すなわち、複数の構成要素が集合的な単一のユニットとして共に提供され、そのため、この集合的な単一のユニットは、患者の体内に挿入され、拡張が可能となるように作動され、次いで原位置でも依然として集合的な単一のユニットであることが可能になる。拡張のために外部のねじ又は楔の挿入を必要とする他のケージとは対照的に、本実施形態では、拡張及びブロッキング構成要素は、プロセスのいかなる段階においてもケージに挿入される必要がなく、ケージから取り外される必要もない。これは、これらの構成要素が、ケージ内で内部的に捕捉されるように製造されており、またケージ内で自在に移動可能でありながらも、ケージ内に既に収容されており、そのため、付加的な挿入又は取り外しが必要でないからである。
【0011】
いくつかの実施形態では、ケージは、ケージの一部又は全体にわたって、人工細胞構造を有し得る。この細胞構造は、骨接合を促進する孔、微細構造、及びナノ構造のネットワークを含み得る。例えば、人工細胞構造は、孔とメッシュに似た外観を備えた他のマイクロ及びナノサイズ構造との相互接続ネットワークを備え得る。これらの人工細胞構造は、デバイスの表面をナノレベルで変化させるようにエッチング又はブラスチングすることによって設けられ得る。ある種類のエッチングプロセスでは、例えば、HF酸処理が利用され得る。
【0012】
加えて、これらのケージはまた内部の撮像用マーカーを含み得るが、これは、ユーザーがデバイスを適切に位置合わせすることを可能にし、また一般に、ナビゲーション中に視覚化によって挿入を容易にするものである。撮像用マーカーは、例えば、X線、蛍光透視又はCTスキャンの下で、網目の中の中実体として現れる。
【0013】
本開示の植込み型デバイスによってもたらされる別の利点として、植込み型デバイスは、患者のニーズに合わせて特別にカスタマイズされ得る。植込み型デバイスのカスタマイズは、植込みデバイスと、例えば、各々が構造破壊に至る圧縮率の独特のデータを有する皮質骨対海綿質、骨端対中心骨、及び強膜骨対骨減少性骨などの治療される様々な質及び種類の骨と、の間で弾性率を好ましく適合させることに関連する。同様に、例えば、多孔性対中実性、柱状対非柱状など、様々なインプラント設計に関して、類似のデータがまた生成され得る。そのようなデータは、死体から生成されても、コンピュータ有限要素で生成されてもよい。例えば、DEXAデータとの臨床上の相関性はまた、強膜骨、正常骨、又は骨減少性骨に対して使用するために植込み型デバイスを特別に設計することを可能にする。したがって、本明細書で示されるようなカスタマイズされた植込み型デバイスを提供する能力は、複雑体構造の弾性係数(EMOCS)の整合を可能にするが、このことは、不整合を最小限にし、沈下を緩和し、治癒を最適化するように植込み型デバイスを設計して、より良好な臨床成果をもたらすことを可能にする。
【0014】
例示的な一実施形態では、拡張可能な脊椎用インプラントが提供される。拡張可能な脊椎用インプラントは、第1の椎体の終板に接して配置されるように構成された上部プレートと、隣接する第2の椎体の終板に接して配置されるように構成された下部プレートと、を備えるハウジングを備え得る。拡張可能な脊椎用インプラントは、ハウジング内に、脊椎用インプラントの角度調節を達成するように構成された一体型ラチェット組立体を更に含んでもよい。ラチェット組立体は、一連のフランジを有するシャフトに取り付けられた拡大ヘッドと、シャフトを捕捉するためのスロット付き開口部を有するスリーブと、を備え得る。使用中、スリーブからシャフトを解放することにより、拡大ヘッドは上部プレート及び下部プレートを圧迫し、それらのプレートの互いに対する角度調節を引き起こすことが可能となる。
【0015】
本実施形態の一態様によれば、ハウジングは、側壁の拡張を制御するように構成された1つ以上のばねを含んでもよい。ばねは、変形可能なストリップとして構成されてもよく、また上部プレートから下部プレートまで延在してもよい。上部プレート及び下部プレートは、円錐ヒンジによってハウジングに接続されてもよい。ハウジングは、器具係合開口部を含んでもよい。ハウジングは、上部表面及び下部表面のうちの少なくとも一方に多孔質表面を含んでもよい。
【0016】
いくつかの実施例では、ハウジングは、1つを超える拡大ヘッドを含み得る。インプラントは、後方経路腰椎椎体間固定(PLIF)のために、あるいは前方経路腰椎椎体間固定(ALIF)のために構成され得る。
【0017】
別の例示的な実施形態では、拡張可能な脊椎用インプラントは、第1の椎体の終板に当接して配置されるように構成された上部プレートと、隣接する第2の椎体の終板に接して配置されるように構成された下部プレートと、を含むハウジングを含み得る。拡張可能な脊椎用インプラントは、ハウジング内に、脊椎用インプラントの角度調節を達成するように構成された一体型ラチェット組立体を更に含んでもよい。ラチェット組立体は、上部プレートと下部プレートとを接続する弾性変形可能なプレートを含み得る。弾性変形可能なプレートは、ラチェットピンと解放可能に係合するように構成された縁部と、シャフトを捕捉するためのスロット付き開口部を有するスリーブと、を有し得る。使用の際、スリーブからピンを解放することにより、上部プレート及び下部プレートは離れるように移動し、プレートの互いに対する角度調節が引き起こされる。
【0018】
本実施形態の一態様によれば、ハウジングは多孔性表面を含んでもよい。多孔性表面は、上部プレート上にあっても、下部プレート上にあっても、あるいはそれら両方の上にあってもよい。いくつかの実施形態では、インプラントの先端部は先細にされている。加えて、ハウジングは骨グラフト窓を更に含んでもよい。ラチェットピンは、上部プレート及び下部プレートが離れるように圧迫するために、拡大ヘッドの中へと延出してもよい。拡大ヘッドは、上部プレート及び下部プレート上のガイドレールに係合するためのスロットを含んでもよい。加えて、上部プレート及び下部プレートは、拡大ヘッドと係合するための段を更に含んでもよい。インプラントは、後方経路腰椎椎体間固定(PLIF)のために、あるいは前方経路腰椎椎体間固定(ALIF)のために構成され得る。
【0019】
以下の議論は、脊椎用インプラントに焦点を当てたものであるが、それらの原理の多くは、膝、肩、足首又は指関節などの他の関節を含めて、ヒト又は動物の体内における骨修復又は骨癒合を必要とする他の構造的身体部にも等しく適用され得ることが理解されよう。
【0020】
上述の一般的な説明及び以下の詳細な説明はどちらも具体例であって、例示だけを目的としており、本発明の範囲開示を限定するものではないことを理解されたい。本開示の更なる特徴は、この後に続く説明において部分的に記載されており、あるいは本開示の実践を通じて習得され得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本明細書に組み込まれ本明細書の一部となる添付の図面は、本開示のいくつかの実施形態を例示するものであり、また、説明と共に、本開示の原理を説明するのに役立つものである。
図1A】挿入構成で示される、一つの例に従って構成された椎間ケージの斜視正面図である。
図1B図1Aに示された椎間ケージの別の斜視背面図である。
図1C図1Aに示された椎間ケージの側面図である。
図1D】拡張構成で示される、図1Aに示された椎間ケージの側面図である。
図1E】ハウジングへの上部プレート及び下部プレートの接続を示す、図1Aに示された椎間ケージの一部分の分解斜視図である。
図1F】代替的な実施形態に従って構成されたヒンジの分解斜視図である。
図2A】挿入構成で示される、別の例に従って構成された椎間ケージの斜視図である。
図2B図2Aに示された椎間ケージの別の斜視図である。
図2C図2Aに示された椎間ケージの側面図である。
図2D】拡張構成で示される、図2Aに示された椎間ケージの側面図である。
図2E図2Dに示された椎間ケージの斜視図である。
図2F】一部が切り取られた、図2Eに示される椎間ケージの斜視図である。
図3】別の例に従って構成された椎間ケージの斜視背面図である。
図4A】非拡張の挿入構成で示される、別の実施形態に従って構成された椎間ケージの斜視図である。
図4B図4Aに示された椎間ケージの別の斜視図である。
図4C図4Aに示された椎間ケージの断面斜視図である。
図4D図4Aに示された椎間ケージの断面頂面図である。
図5】非拡張の挿入構成で示される、別の例に従って構成された椎間ケージの断面斜視図である。
図6図5に示すケージと同様であるが、より浅い多孔性構造を含む椎間ケージの断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示は、隣接する椎骨の間に挿入するための、椎体間固定スペーサ又はケージなどの様々な脊椎植込みデバイスを提供する。本デバイスは、脊椎の頚部又は腰部のいずれかにおいて使用されるように構成され得る。したがって、以下で前弯症又は前弯角度に対して述べられる内容は、後弯又は後弯角度にも同様に当てはまり得る。いくつかの実施形態において、これらのデバイスは、ALIFケージ、又はLLIFケージとして構成されてもよい。
【0023】
これらのケージは、治療される脊椎分節の椎間高さを回復及び維持し、矢状面のバランス及びアライメントを回復することによって脊椎を安定化させることができる。いくつかの実施形態では、このケージは、少ない労力でケージがサイズ及び角度を必要に応じて変更することを可能にする一体型ラチェット組立体を有してもよい。ケージは、幅狭のアクセス通路を通じて椎間腔の中へと挿入することを容易にするための第1すなわち縮小サイズを特徴とする第1すなわち挿入構成を有してもよい。ケージは、第1すなわち挿入構成において挿入され、次いで、植え込まれると第1すなわち縮小サイズよりも大きい第2のサイズを有する第2すなわち拡張構成に拡張されてもよい。一例では、サイズは高さによって規定され得る。その第2の構成では、ケージは、適切な椎間板高さを維持し、矢状面のバランス及びアライメントを回復させることによって脊椎を安定化させることが可能である。加えて、椎間ケージは、前弯の角度を調節することが可能となるように構成されており、その第2の拡張構成において、より大きな前弯角度に適応し得る。更に、これらのケージは、隣接する椎体を不動化することによって脊椎安定性を更に向上させるように、癒合を促進し得る。
【0024】
加えて、植込み可能なデバイスは、付加製造法の一形態である選択的レーザー溶融(SLM)技法を用いて製造されてもよい。これらのデバイスはまた、例えば、3D印刷、電子ビーム溶融(EBM)、層堆積、及びラピッドマニュファクチャリングなどの他の類似の技法によって製造されてもよい。これらの生産技法を用いると、構成要素を一体に保つために外部の固定又は取付け要素を更に必要とすることなく、相互接続されかつ移動可能な部品を有し得る一体型の多要素デバイスを創成することが可能である。したがって、本開示の椎間ケージは、互いに一体に保つために付加的な外部固定要素を必要としない複数の相互接続された部品から形成される。
【0025】
更に、この方式で製造されるデバイスは、接続シームを伴わずに構成され得るが、従来法で製造されるデバイスは、ある構成要素を別の構成要素に連結するための接合シームを有する。これらの接続シームは多くの場合、これらのシームの接合が反復的な使用によって若しくは応力を受けて時間と共に摩耗又は破損したときは特に、植込み型デバイスの弱化領域を表し得る。付加製造法を用いて、開示される植込み型デバイスを製造することにより、接続シームは完全に回避され得、したがってその問題も回避される。
【0026】
それに加えて、付加製造プロセスを用いてこれらのデバイスを製造することにより、デバイスの内部構成要素のすべてが、挿入プロセス並びに拡張プロセスの両方の間に、完全な構造を維持する。すなわち、複数の構成要素が集合的な単一のユニットとして共に提供され、そのため、この集合的な単一のユニットは、患者の体内に挿入され、拡張が可能となるように作動され、次いで原位置でも依然として集合的な単一のユニットであることが可能になる。拡張のために外部のねじ又は楔の挿入を必要とする他のケージとは対照的に、本実施形態では、拡張及びブロッキング構成要素は、プロセスのいかなる段階においてもケージに挿入される必要がなく、ケージから取り外される必要もない。これは、これらの構成要素が、ケージ内で内部的に捕捉されるように製造されており、またケージ内で自在に移動可能でありながらも、ケージ内に既に収容されており、そのため、付加的な挿入又は取り外しが必要でないからである。
【0027】
いくつかの実施形態では、ケージは、ケージの一部又は全体にわたって、人工細胞構造を有し得る。この細胞構造は、骨接合を促進する孔、微細構造、及びナノ構造のネットワークを含み得る。例えば、人工細胞構造は、孔とメッシュに似た外観を備えた他のマイクロ及びナノサイズ構造との相互接続ネットワークを備え得る。これらの人工細胞構造は、デバイスの表面をナノレベルで変化させるようにエッチング又はブラスチングすることによって設けられ得る。ある種類のエッチングプロセスでは、例えば、HF酸処理が利用され得る。
【0028】
加えて、これらのケージはまた内部の撮像用マーカーを含み得るが、これは、ユーザーがケージを適切に位置合わせすることを可能にし、また一般に、ナビゲーション中に視覚化によって挿入を容易にするものである。撮像用マーカーは、例えば、X線、蛍光透視又はCTスキャンの下で、網目の中の中実体として現れる。
【0029】
本開示の植込み型デバイスによってもたらされる別の利点として、植込み型デバイスは、患者のニーズに合わせて特別にカスタマイズされ得る。植込み型デバイスのカスタマイズは、植込み型デバイスと、例えば、各々が構造破壊に至る圧縮率の独特のデータを有する皮質骨対海綿質、骨端対中心骨、及び強膜骨対骨減少性骨などの治療される様々な質及び種類の骨と、の間で弾性率を好ましく適合させることに関連する。同様に、例えば、多孔性対中実性、柱状対非柱状など、様々なインプラント設計に関して、類似のデータがまた生成され得る。そのようなデータは、死体から生成されても、コンピュータ有限要素で生成されてもよい。例えば、DEXAデータとの臨床上の相関性はまた、強膜骨、正常骨、又は骨減少性骨に対して使用するために植込み型デバイスを特別に設計することを可能にする。したがって、本明細書で示されるようなカスタマイズされた植込み型デバイスを提供する能力は、複雑体構造の弾性係数(EMOCS)の整合を可能にするが、このことは、不整合を最小限にし、沈下を緩和し、治癒を最適化するように植込み型デバイスを設計して、より良好な臨床成果をもたらすことを可能にする。
【0030】
ここで図面を参照すると、図1A~1Eは、本開示の拡張可能かつ角度調節可能な椎間ケージ110の例を示している。図1A及び1Bは、椎間ケージ110がそのより小さい挿入構成にあることを示す。椎間ケージ110は、一対の第1及び第2の隣接する椎体のそれぞれの椎骨終板に接して配置されるように構成された上部プレート130及び下部プレート140を画定するハウジング120を含み得る。具体的には、上部プレート130は、第1の椎体の椎骨終板に当接するように構成された上部支持表面131を画定し得る。同様に、下部プレート140は、第2の椎体の椎骨終板に当接するように構成された下部支持表面141を画定し得る。第1の椎体は上椎体を規定し得るものであり、第2の椎体は下椎体を規定し得るものである。上部プレート130及び下部プレート140は、横断方向Tに沿って互いに反対側にあってもよい。
【0031】
椎間ケージ110は、椎間板腔内への挿入方向に対して前方端部すなわち先端部114を有する。椎間ケージ110は、横断方向Tに対して垂直に配向された長手方向Lに沿って先端部114の反対側にある後方端部すなわち後続端部116を更に規定し得る。椎間ケージ110は、長手方向Lに沿った長さ、並びに長手方向L及び横断方向Tのそれぞれに対して垂直な横方向Aに沿った幅を規定し得る。
【0032】
椎間ケージ110は、後続端部116から先端部114に向かって延在する順方向すなわち先行方向を規定し得る。したがって、椎間ケージ110の先行構成要素は、順方向すなわち先行方向において椎間ケージの後続構成要素から離間され得る。椎間ケージ110は、先端部114から後続端部116に向かって延在する逆方向すなわち後続方向を同様に規定し得る。一実施形態では、先端部114は先細にされ得る。例えば、上部プレート130及び下部プレート140の一方又は両方は、それらがそれぞれの前方端部すなわち先端部において順方向に延びるときに、他方に向かって先細にされてもよい。一例では、椎間ケージ110は、後方経路腰椎椎体間固定(PLIF)のために構成され得る。したがって、植え込まれると、先端部114はケージ110の解剖学的前方端部を規定することができ、後続端部116はケージ110の解剖学的後方端部を規定することができる。ケージ110の幅は、解剖学的内側-外側方向にほぼ沿って延在し得る。図示されるように、上部プレート130及び下部プレート140は、細胞の活動及び骨の内部成長を促進するための多孔性構造132を有してもよい。多孔性構造132は、上部支持表面131及び下部支持表面141を画定し得る。
【0033】
椎間ケージ110は、上部プレート130と下部プレート140との間に一体に延在するヒンジプレート122を更に含み得る。例えば、ヒンジプレート122は、ハウジング120の後部において、上部プレート130と下部プレート140との間に一体に延在し得る。図1Eに示されるように、上部プレート130及び下部プレート140は、ヒンジプレート122を備えるヒンジを画定し得る。例えば、ヒンジプレート122及び上部プレート130のうちの一方は凹形表面を画定することができ、ヒンジプレート122及び上部プレートのうちの他方は凸形表面を画定することができる。同様に、ヒンジプレート122及び下部プレート140のうちの一方は凹形表面を画定することができ、ヒンジプレート122及び下部プレート140のうちの他方は凸形表面を画定することができる。一例では、ヒンジプレート122は、上部凸形表面及び下部凸形表面を画定することができ、上部プレート130及び下部プレート140は、椎間ケージが関節運動する際に、それぞれヒンジプレート122の上部凸形表面及び下部凸形表面に沿って進む、それぞれの上部凹形表面及び下部凹形表面を画定することができる。代替的に、ヒンジプレート122は、リビングヒンジを画定するように、上部プレート130及び下部プレート140のうちの1つと一体であってもよい。
【0034】
図1Fを参照すると、別の例において、椎間ケージ110は、上部プレート130及び下部プレート140をハウジング120にヒンジで取り付ける円錐ヒンジ154を含み得る。円錐ヒンジ154は、1つの表面上に円錐又はドームなどの突出部156を画定する第1のプレートと、1つの表面の中へと延在するカップ158などの凹部を画定する第2のプレートと、を備えるプリントヒンジを含み得る。第1及び第2のプレートのうちの一方又は両方は、椎間ケージ110が本明細書に記載される方式で関節運動するように、上部プレート130及び下部プレート140に取り付けられ得る。
【0035】
引き続き概して図1A~1Eを参照すると、椎間ケージは、上部プレート130から下部プレート140へと延在する少なくとも1つのばね150を更に含み得る。ばね150は、上部プレート130及び下部プレート140を第1すなわち挿入構成に向けて付勢するばね力を上部プレート及び下部プレート140に対して加え得る。したがって、このばね力は、上部プレート130及び下部プレート140の互いに対する移動を制御することができる。上部プレート130及び下部プレート140は、ばね力を克服し、本明細書に記載の方式で互いに対して移動するように構成されていることが理解される。一実施例では、ばね150は、対向する自由端部でそれぞれ上部プレート130及び下部プレート140に接続されている1つ以上の弾性変形可能なストリップ150として構成され得る。
【0036】
椎間ケージ110は、ハウジング120内に完全に一体化された一体型ラチェット組立体160を更に含み得る。具体的には、ラチェット組立体160は、横断方向Tに対して上部プレート130と下部プレート140との間に配設され得る。ラチェット組立体160は、ラチェットシャフト164と、横断方向Tに対して上部プレート130と下部プレート140との間の位置にハウジング120内のシャフト164によって支持される係合部材161と、を含み得る。以下で更に詳細に説明されるように、係合部材は、上部プレート130及び下部プレート140を圧迫して横断方向に沿って互いに離すために順方向に移動され得る。具体的には、ラチェット組立体160は、プッシュ動作によって、特に係合部材161を順方向に押すことによって動作する。係合部材161は、シャフト164よりも大きい断面を有する拡大ヘッド162として構成され得る。特に、係合部材161は、ケージ110がその第1すなわち挿入構成にあるとき、横断方向に沿った上部プレート130と下部プレート140との間の距離よりも高い高さを有し得る。
【0037】
シャフト164は、長手方向Lに沿って延長されてもよく、またシャフト164の前方端部において係合部材161を支持する。ラチェット組立体160は、係合部材161の後方の位置においてシャフト164から外に延びる複数のフランジ166を更に含み得る。フランジ166は、長手方向Lに沿って互いから離間され得る。以下の説明から理解されるように、フランジ166はラチェット組立体160のラチェットを画定し得る。ラチェット組立体160は、シャフト164を少なくとも部分的に取り囲むスリーブ170を更に含み得る。ラチェット組立体160が第1すなわち初期位置にあるとき、フランジ166はスリーブ170内に配設され得る。代替的に、フランジ166のうちの1つ以上がスリーブ170の前方に配設されてもよい。スリーブ170は、スリーブ170の長手方向前方端部に軟質前方開口部172を有し得る。
【0038】
具体的には、前方開口部172を画定するスリーブ170の前方端部171は、前方開口部172を通って順方向にスリーブから外に延び得るシャフト164を受容するようにサイズ決めされ得る。スリーブ170の前方端部171は、長手方向Lに対して垂直に配向された平面においてフランジ166の外側断面寸法よりも小さくサイズ決めされ得る。スリーブ170の前方端部171は弾性的に軟質であってよく、また、シャフト164が長手方向Lに沿って前方に移動されるときにフランジ166が前方開口部172を通ってスリーブの外へと移動することを可能にするように、外向きに屈曲するように構成され得る。したがって、フランジ166は、スリーブ170の前方端部171を通ってかみ合って動く(ratchet)。具体的には、スリーブ170の前方端部171は、フランジ166が前方開口部172を通って駆動される際にフランジ166の周りで屈曲し得る。したがって、フランジ166は、スリーブ170の前方端部171において開口部172を通って1つずつ(すなわち、段階的に)順方向に駆動され得る。一例では、前方端部171は、順方向に延在するとき、内向きにスロット付き又は先細にされ得る。シャフト164は、作動器具に係合するように構成された長手方向後方端部を画定し、これは挿入器具を提供することにもなり得る。例えば、スリーブ170の長手方向後方端部は、器具を受容するように構成され得る。
【0039】
図1Bに示されるように、接続プレート122はまた、長手方向器具受容開口部124を含み得る。したがって、ハウジング120内にラチェット組立体160を展開するように、専用器具190が開口部124を通じて挿入され、一体型ラチェット組立体160に連結され得る。特に、器具190は、図1C及び1Dに示されるようにスリーブ170と係合するまで、接続プレート122の器具係合開口部124を通じて挿入され得る。器具190は、シャフト164を順方向に駆動するように構成され得る。例えば、器具190の内側ピンが、スリーブ170の後方端部の開口部を通って前方に延び、シャフト164を順方向に進行させる力をシャフト164に対して加え得る。
【0040】
図1Dを参照すると、シャフト164が順方向に走行する際、フランジ166は、上述の方式で前方開口部172を通ってスリーブ170の外へと移動する。フランジ166のそれぞれは、長手方向Lに沿って、第1すなわち前方表面173と、前方表面173とは反対側の第2すなわち後方表面175と、を画定し得る。前方表面173は、スリーブ170の前方開口部172を通じたフランジ166の挿入を容易にするために面取りされてもよい。具体的には、前方表面173は、シャフト164から外に延在するときに、後ろ向きに張り出し得る。後方表面175は、シャフト164の中心軸線に対して実質的に垂直な方向に沿って、シャフト164から延在し得る。したがって、後方表面175は、シャフト164が逆方向に移動するように圧迫されると、スリーブ170の前方端部171に当接するように構成されている。スリーブ170の前方端部に対して後方表面175が当接することにより、フランジ166がスリーブ170の中へと逆方向に挿入されることが防止される。したがって、フランジ166の後方表面175は、逆方向へのシャフト164の移動を防止する係止表面を提供する。したがって、ラチェット組立体160は、シャフト164の前方移動は可能にするが、シャフト164の後方移動は阻止するように構成され得る。代替的に、所望により、フランジ166は、スリーブの前方端部171において逆方向に開口部172を通って駆動されるように構成され得る。
【0041】
シャフト164が、拡張方向とも呼ばれ得る順方向に移動するとき、係合部材161は、シャフト164と共に順方向に移動する。したがって、係合部材161は、椎間ケージ110の前方端部114に向かって移動する。係合部材161が椎間ケージ110の前方端部114において順方向に移動するとき、係合部材161は、上部プレート130及び下部プレート140の各々のそれぞれの横断方向内側表面に接触する。上部プレート130及び下部プレート140のうちの少なくとも一方又は両方の横断方向内側表面は、上述の方式で横断方向Tに沿って他方に向かって先細になるため、係合部材161と上部プレート130及び下部プレート140との間の接触は、上部プレート130及び下部プレート140の前方端部を圧迫して、横断方向Tに沿って互いから離れるように移動させることになる。係合部材161は、傾斜した輪郭を有してもよく、また、順方向に移動するときに上部プレート130と下部プレート140を押しやって横断方向Tに沿って引き離すことから、楔として構成され得る。
【0042】
上述のように、上部プレート130及び下部プレート140は、それぞれの後方端部において互いにヒンジで固定され得る。したがって、上部プレート130及び下部プレート140の前方端部が互いから離れて移動するとき、椎間ケージ110は、第1すなわち挿入構成におけるケージ110の高さよりも高い前方端部における高さを有する第2すなわち拡張構成を取り得る。高さは、横断方向Tに沿って測定される。更に、ケージ110は、第1すなわち挿入構成から第2すなわち拡張構成へと拡張するときに角度をつけ得る。すなわち、上部プレート130及び下部プレート140は、ケージ110が第1すなわち初期構成にあるとき、第1の相対角度配向を規定し得る。上部プレート130及び下部プレート140は、ケージ110が第2すなわち拡張構成にあるとき、第2の相対角度配向を規定し得る。第2の相対角度配向は、第1の相対角度配向とは異なり得る。第1及び第2の相対角度配向は、長手方向L及び横断方向Tに沿って配向された平面内で測定され得る。一例では、上部プレート130及び下部プレート140は、ヒンジ154を中心として角度をつけ得る。
【0043】
ケージ110は、フランジ166がスリーブ170の前方端部171から外に駆動されるときに、横断方向Tに沿って拡張され、徐々に角度がつけられ得る。フランジ166が前方端部171から個別に駆動されるとき、フランジ166が長手方向Lに沿ってより近接して離間されるほど、拡張及び角度付けの間に増分が小さくなる。逆に、フランジ166が前方端部171から個別に駆動されるとき、フランジ166が長手方向Lに沿ってより遠くに離間されるほど、拡張及び角度付けの間に増分が大きくなる。したがって、ケージ110は、1回の実行で印刷され得、ケージ110の高さ及び角度付けの小さな増分調整を提供し得る。フランジ166は、シャフト164に沿って等間隔に離間されてもよく、あるいはシャフト164に沿って可変的に離間されてもよい。シャフト164は、使用中に横断方向Tに沿ってケージ110に加えられる圧縮解剖学的負荷に応答して後方に並進することを防止され得る。
【0044】
上述したように、椎間ケージ110は、後方経路腰椎椎体間固定(PLIF)のために構成され得、シャフト164は、椎間ケージ110を第1すなわち挿入構成から第2すなわち拡張構成へと作動させるように、器具190によって順方向に押圧され得る。しかしながら、椎間ケージ110は、前方経路腰椎椎体間固定(ALIF)のために構成され得ることが理解される。以下により詳細に記載されるように、椎間ケージ110がALIFケージとして構成されているとき、ラチェット組立体160は、シャフト164を順方向に引くことによって作動され得る。
【0045】
椎間ケージ110は、所望に応じて任意の好適な寸法を有し得る。ケージ110がPLIFケージとして構成されている一例では、寸法は、mm単位の表記寸法で、22×9、26×9、30×9、34×9、22×11、26×11、及び30×11(長さ×幅)のいずれか1つであり得る。したがって、長手方向Lに沿ったケージ110の長さは、約22mm、約26mm、約30mm、及び約34mmのいずれかなど、約22mm~約34mmの範囲であり得る。「約」という用語は、製造公差及び他の潜在的な変動を認めるものであり、記載された数のプラス又はマイナス10%を含む。横方向Aに沿ったケージ110の幅は、約9mm~約11mmの範囲であり得る。横断方向に沿った上部支持表面131から下部支持表面141までのケージ110の高さは、ケージ110が第1すなわち挿入構成にあるとき、1mmの増分で約7mm~約16mmの範囲であり得る。更に、ケージが第1の構成から第2の構成へと拡張するとき、ケージ110は、約4度、約6度、及び約12度など、約0度~約18度の範囲で角度がつけられ得る。上述したように、先端部114は、ケージ110が拡張し角度をつけるとき、後続端部116に対して横断方向に沿って拡張され得る。上記の値は単なる例として提示されたものであり、ケージ210は、代替的に所望に応じて構成され得ることを理解されたい。
【0046】
図2A~2Fは、椎間ケージ210の別の例を示している。ケージ210は、ケージ110に関して上述した特徴と同様の特徴を共有しているが、前方経路腰椎椎体間固定(ALIF)のために構成されたものである。図2A及び2Bは、椎間ケージ210がそのより小さい挿入構成にあることを示す。ケージ110に関して上述されたように、椎間ケージ210は、それぞれの椎骨終板に接して配置されるように構成された上部プレート230及び下部プレート240を画定するハウジング220を含み得る。具体的には、上部プレート230は、第1の椎体の椎骨終板に当接するように構成された上部支持表面231を画定し得る。同様に、下部プレート140は、第2の椎体の椎骨終板に当接するように構成された下部支持表面241を画定し得る。上部プレート230及び下部プレート240は、横断方向Tに沿って互いに反対側にあってもよい。
【0047】
椎間ケージ210は、椎間板腔内への挿入方向に対して前方端部すなわち先端部214を有する。椎間ケージ210は、横断方向Tに対して垂直に配向された長手方向Lに沿って先端部214の反対側にある後方端部すなわち後続端部216を更に規定し得る。椎間ケージ210は、長手方向Lに沿った長さ、並びに長手方向L及び横断方向Tのそれぞれに対して垂直な横方向Aに沿った幅を規定し得る。
【0048】
椎間ケージ210は、後続端部216から先端部214に向かって延びる順方向すなわち先行方向を規定し得る。したがって、椎間ケージ210の先行構成要素は、順方向すなわち先行方向において椎間ケージの後続構成要素から離間され得る。椎間ケージ210は、先端部214から後続端部216に向かって延びる逆方向すなわち後続方向を同様に規定し得る。一実施形態では、先端部214は先細にされ得る。一例では、椎間ケージ210は、後方経路腰椎椎体間固定(ALIF)のために構成され得る。したがって、植え込まれると、先端部214はケージ210の解剖学的後方端部を規定することができ、後続端部216はケージ210の解剖学的前方端部を規定することができる。ケージ210の幅は、解剖学的内側-外側方向にほぼ沿って延在し得る。図示されるように、上部プレート230及び下部プレート240は、細胞の活動及び骨の内部成長を促進するための多孔性構造232を有してもよい。多孔性構造232は、上部支持表面231及び下部支持表面241を画定し得る。
【0049】
椎間ケージ210は、上部プレート230及び下部プレート240のうちの一方から延在する後方プレート222を更に含み得る。一例では、後方プレート222は、ケージ210の後続端部216において下部プレート240から上方に延在し得る。更に、ケージ210の先端部は、ケージ210の先端部214において上部プレート230と下部プレート240との間に延在するヒンジプレートを含み得る。ヒンジプレートは、ヒンジプレート122に関して上述されたように構成され得る。代替的に、ヒンジプレートは、1つ以上のリビングヒンジを画定するように、上部プレート230及び下部プレート240のうちの一方又は両方と一体であってもよい。例えば、接続プレート222は、ハウジング220の前方において、上部プレート230と下部プレート240とを互いに接続し得る。加えて、図2Cを更に参照すると、椎間ケージ210は、上部プレート230から下部プレート240へと延在する少なくとも1つのばね250を更に含み得る。ばね250は、上部プレート230及び下部プレート240を第1すなわち挿入構成に向けて付勢するばね力を上部プレート230及び下部プレート240に対して加え得る。したがって、このばね力は、上部プレート230及び下部プレート240の互いに対する移動を制御することができる。上部プレート230及び下部プレート240は、ばね力を克服し、本明細書に記載の方式で互いに対して移動するように構成されていることが理解される。一実施例では、ばね250は、対向する自由端部でそれぞれ上部プレート230及び下部プレート240に接続されている1つ以上の弾性変形可能なストリップ250として構成され得る。一例では、ケージ210の各側部は、互いに隣接して配置されかつ互いに鏡像である一対の変形可能なストリップを含み得る。
【0050】
ここで更に図2Fを参照すると、椎間ケージ110は、ハウジング220内に完全に一体化された一体型ラチェット組立体260を更に含み得る。具体的には、ラチェット組立体260は、横断方向Tに対して上部プレート230と下部プレート240との間に配置され得る。ラチェット組立体160は、少なくとも1つのラチェットシャフト264と、横断方向Tに対して上部プレート230と下部プレート240との間の位置にハウジング220内のシャフト264によって支持される少なくとも1つの係合部材261と、を含み得る。例えば、ラチェット組立体260は、第1及び第2の係合シャフト264と、シャフト264のうちの対応するものによって支持される第1及び第2の部材261と、を含み得る。係合部材261は、横方向Aに沿って互いに離間され得る。第1及び第2の係合部材261は、ケージ210の長手方向中心軸線から等距離に離間されてもよく、あるいは、所望に応じて別様に配置されてもよい。上述のラチェット組立体160は、ラチェット組立体260に関して本明細書に記載されたように、第1及び第2の係合部材161を同様に含み得ることを理解されたい。代替的に、ラチェット組立体260は、ラチェット組立体160に関して上述されたように、単一の係合部材261を含んでもよい。
【0051】
以下でより詳細に説明されるように、係合部材261は、横断方向Tに沿って上部プレート230及び下部プレート240を圧迫して互いから離すように、逆方向に移動され得る。具体的には、ラチェット組立体260は引張作用によって、特に、係合部材261を逆方向に後続端部216に向かって引っ張ることによって動作し得る。係合部材161は、シャフト264よりも大きい断面を有する拡大ヘッド162として構成され得る。特に、係合部材261は、ケージ210がその第1すなわち挿入構成にあるとき、横断方向Tに沿った上部プレート230と下部プレート240との間の距離よりも高い高さを有し得る。
【0052】
シャフト264は、長手方向Lに沿って細長くてもよく、またシャフト264のそれぞれの後方端部において係合部材261を支持してもよい。ラチェット組立体260は、係合部材261の前方の位置においてシャフト264の各々から外に延びる複数のフランジ266を更に含み得る。フランジ266は、長手方向Lに沿って互いから離間され得る。以下の説明から理解されるように、フランジ266はラチェット組立体260のラチェットを画定し得る。ラチェット組立体260は、シャフト264のうちの対応するものを少なくとも部分的に取り囲む第1及び第2のスリーブ170を更に含み得る。ラチェット組立体260が第1すなわち初期位置にあるとき、フランジ266はスリーブ270内に配設され得る。代替的に、フランジ266のうちの1つ以上がスリーブ270の後方に配設されてもよい。スリーブ270は、スリーブ270の長手方向後方端部271に軟質前方開口部272を有し得る。スリーブ270の後方端部271は、スリーブ170の前方端部171に関して上述されたように構成され得る。
【0053】
図2B~2Cに示されるように、後方プレート222はまた、長手方向器具受容開口部224を含み得る。したがって、ハウジング220内にラチェット組立体260を展開するように、専用器具290が開口部224を通じて挿入され、一体型ラチェット組立体260に連結され得る。特に、器具290はスリーブ270と係合するまで、後方プレート222の器具係合開口部224を通じて挿入され得る。ラチェット組立体260は、第1のシャフト264又は支持作動部材261から第2のシャフト164又は支持作動部材261へと横方向Aに概ね沿って延在するプルバー280を更に含み得る。器具290は、引張運動でシャフト264及び支持係合部材261の各々を逆方向に駆動するために、プルバー280と係合するように構成され得る。
【0054】
図1Dを参照すると、シャフト264が逆方向に進行するとき、フランジ266は、上述の方式で、それぞれのスリーブ270の前方開口部272を通ってそれぞれのスリーブ270の外へと移動する。フランジ266のそれぞれは、長手方向Lに沿って、第1すなわち後方表面273と、後方表面273とは反対側の第2すなわち前方表面275とを画定し得る。後方表面273は、スリーブ270の前方開口部272を通じたフランジ266の挿入を容易にするために面取りされてもよい。具体的には、後方表面273は、シャフト264から外に延在するときに、前向きに張り出し得る。前方表面275は、シャフト264の中心軸線に対して実質的に垂直な方向に沿って、シャフト264から延在し得る。したがって、前方表面275は、シャフト264が逆方向に移動するように圧迫されると、それぞれのスリーブ270の後方端部271に当接するように構成されている。スリーブ270の前方端部に対して前方表面275が当接することにより、フランジ266がスリーブ270の中へと順方向に挿入されることが防止される。したがって、フランジ266の前方表面275は、拡張されるとケージ210を圧壊させることになる順方向へのシャフト164の移動を防止する係止表面を提供する。したがって、ラチェット組立体260は、シャフト264の後方移動は可能にするが、シャフト264の前方移動は阻止するように構成され得る。代替的に、所望により、フランジ266は、それぞれのスリーブ270の前方端部271において順方向に開口部272を通って駆動されるように構成され得る。
【0055】
シャフト264が、拡張方向とも呼ばれ得る逆方向に移動するとき、係合部材261は、シャフト264と共に逆方向に移動する。したがって、係合部材261は、椎間ケージ210の後方端部214に向かって移動する。係合部材261が椎間ケージ110の後方端部141において逆方向に移動するとき、係合部材161は、上部プレート230及び下部プレート240の各々のそれぞれの横断方向内側表面235及び245にそれぞれ接触する。横断方向内側表面235及び245のうちの一方又は両方は、逆方向に延びるとき、横断方向Tに沿って横断方向内側表面235及び245の他方に向かって先細にされてもよい。一例では、上部横断方向表面235は、下部横断方向表面245よりも先細にされてもよい。当然のことながら、横断方向内側表面235及び245は、代替的に均等に先細にされてもよく、あるいは一方が先細にされ、他方が先細にされなくてもよいことを理解されたい。
【0056】
したがって、横断方向Tに沿った横断方向内側表面235と245との間の距離は、横断方向内側表面235及び245が逆方向に延びるにつれて減少することを理解されたい。したがって、係合部材161と横断方向内側表面235及び245との間の接触は、上側プレート230及び下側プレート240のうちの少なくとも一方又は両方の後方端部を圧迫して、横断方向Tに沿って上部プレート230及び下部プレート240の他方から離れるように移動させ、それによってケージ210を拡張させることになる。係合部材261はそれぞれ、傾斜した輪郭を有してもよく、また、逆方向に移動するときに上部プレート230及び下部プレート240の一方又は両方を押しやって横断方向Tに沿って引き離すことから、楔として構成され得る。
【0057】
上述のように、上部プレート230及び下部プレート240は、それぞれの後方端部において互いにヒンジで固定され得る。したがって、上部プレート230及び下部プレート240の後方端部が互いから離れて移動するとき、椎間ケージ210は、第1すなわち挿入構成におけるケージ210の高さよりも高い高さを有する第2すなわち拡張構成を取り得る。高さは、横断方向Tに沿って測定される。更に、ケージ210は、第1すなわち挿入構成から第2すなわち拡張構成へと拡張するときに角度をつけ得る。すなわち、上部プレート230及び下部プレート240は、ケージ210が第1すなわち初期構成にあるとき、第1の相対角度配向を規定し得る。上部プレート230及び下部プレート240は、ケージ210が第2すなわち拡張構成にあるとき、第2の相対角度配向を規定し得る。第2の相対角度配向は、第1の相対角度配向とは異なり得る。第1及び第2の相対角度配向は、長手方向L及び横断方向Tに沿って配向された平面内で測定され得る。一例では、上部プレート230及び下部プレート240は、ヒンジ254を中心として角度をつけ得る。
【0058】
ケージ210は、フランジ266がスリーブ270の後方端部271において開口部272から外に駆動されるときに、横断方向Tに沿って拡張され、徐々に角度がつけられ得る。フランジ266が前方端部271から個別に駆動されるとき、フランジ266が長手方向Lに沿ってより近接して離間されるほど、拡張及び角度付けの間に増分が小さくなる。逆に、フランジ266が前方端部271から個別に駆動されるとき、フランジ266が長手方向Lに沿ってより遠くに離間されるほど、拡張及び角度付けの間に増分が大きくなる。したがって、ケージ210は、1回の実行で印刷され得、ケージ210の高さ及び角度付けの小さな増分調整を提供し得る。フランジ166は、それぞれのシャフト164に沿って等間隔に離間されてもよく、あるいはそれぞれのシャフト164に沿って可変的に離間されてもよい。シャフト264は、使用中に横断方向Tに沿ってケージ210に加えられる圧縮解剖学的負荷に応答して、収縮方向とも呼ばれる順方向に沿って並進することを防止され得る。
【0059】
上述したように、椎間ケージ110は、前方経路腰椎椎体間固定(ALIF)のために構成され得、シャフト264は、椎間ケージ210を第1すなわち挿入構成から第2すなわち拡張構成へと作動させるように、器具290によって逆方向に駆動され得る。しかしながら、椎間ケージ210は、後方経路腰椎椎体間固定(PLIF)のために構成されてもよく、この場合、ラチェット組立体160は、ケージ110に関連して上述されたようにシャフト264を順方向に駆動することによって作動され得ることが理解される。
【0060】
椎間ケージ210は、所望に応じて任意の好適な寸法を有し得る。ケージ210がALIFケージとして構成されている一例では、寸法は、mm単位の表記寸法で、34×25、37×27、40×29、40×29、45×32(長さ×幅)のいずれか1つであり得る。したがって、長手方向Lに沿ったケージ210の長さは、約34mm、約37mm、約40mm、及び約45mmのいずれかなど、約34mm~約45mmの範囲であり得る。「約」という用語は、製造公差及び他の潜在的な変動を認めるものであり、記載された数のプラス又はマイナス10%を含む。横方向Aに沿ったケージ210の幅は、約25mm~約32mmの範囲であり得る。横断方向に沿った上部支持表面231から下部支持表面241までのケージ210の高さは、ケージ210が第1すなわち挿入構成にあるとき、1mmの増分で約8mm~約20mmの範囲であり得る。更に、ケージが第1の構成から第2の構成へと拡張するとき、ケージ210は、約5度、約10度、約15度、及び約20度など、約0度~約20度の範囲で角度をつけ得る。上述したように、後続端部216は、ケージ210が拡張し角度をつけるとき、先端部214に対して横断方向に沿って拡張され得る。上記の値は単なる例として提示されたものであり、ケージ210は、代替的に所望に応じて構成され得ることを理解されたい。
【0061】
図3は、本開示の椎間ケージ310の更に別の例示的な実施形態を示す。椎間ケージ310は、椎間ケージ110及び210のそれぞれに関して上述されたように構成され得る。図3では、上述されたものと同様の要素に対応する参照符号は、明確さ及び便宜のために、100又は200ずつ増分されている。ケージ310はハウジング320を有してもよく、ハウジングは、プレート322によってハウジング320に接続されている上部プレート330及び下部プレート340を含み、ケージ310を拡張させるように構成された一体型ラチェット組立体を有している。一体型ラチェット組立体は、ラチェット組立体160又はラチェット組立体260のいずれかに関して上述したように構成され得る。更に、ケージ310は、ALIFケージ、PLIFケージ、又は任意の好適な代替的に構成されたケージであり得る。図示されるようないくつかの例では、上部プレート330及び下部プレート340の一方又は両方は、本明細書に記載される多孔性構造を含まない。したがって、上部プレート330及び下部プレート340の上部支持表面331及び下部支持表面341の対応する一方又は両方はそれぞれ、いくつかの実施例では多孔性構造によって規定されない。その代わりに、上部支持表面331及び下部支持表面341のうちの対応する一方又は両方は、長手方向Lに沿ってケージの先端部から後続端部にわたって、また横方向Aに沿ってケージ310の第1の側部から第2の側部にわたって、実質的に平滑でかつ連続的であり得る。
【0062】
図4A~4Dは、本開示の椎間ケージ410の更に別の例を示す。図4A及び4Bは、そのより小さい挿入構成にある椎間ケージ410を示す。図4A~4Dでは、上述されたものと同様の要素に対応する参照符号は、明確さ及び便宜のために、100、200、又は300ずつ増分されている。椎間ケージ410は、一対の隣接する椎体の終板に接して配置されるように構成された一対のプレート430及び440によって画定されるハウジング420を備えてもよい。図示されるように、プレート430及び440は、上述の方式で細胞の活動及び骨の内部成長を促進するための多孔性構造432を有してもよい。
【0063】
プレート430及び440は、弾性相互接続部450によってハウジング420の後方端部416において互いに接続されている。弾性相互接続部450は、プレート430とプレート440との間に配設された弾性相互接続プレート452によって画定され得る。具体的には、弾性相互接続プレート452は、ケージ410が拡張するときに弾性的に屈曲するように構成され得る1つ以上の長手方向延在アームを画定し得る。したがって、アームは、ケージ410をその第1の構成に向かって圧迫する付勢力を規定し得る。相互接続されたプレート452のアームは、ラチェットシャフト464を受容する開口部を画定し得る。上部プレート430及び下部プレート440、並びに相互接続されたプレート452は、単一のモノリシック構造を画定し得る。ラチェットシャフト464は拡張方向に駆動され得るが、これにより、ラチェットシャフト464は上部プレート430及び下部プレート440の内側ランプに沿って進み、それによってケージ410を拡張させることになる。一例では、ラチェットシャフト464は、内側ランプ上を進むときに、上部プレート430及び下部プレート440のそれぞれの前方端部を互いから離れるように押圧し、それによってケージ410に角度をつけさせ得る。具体的には、ケージ410の先端部414は、後続端部416に対して横断方向Tに沿って拡張する。したがって、上部プレート430及び下部プレート440の各々とラチェットシャフト464との間の係合は、相互接続されたプレート452の可撓性アームがケージ410を第1の構成へと駆動することを防止することになる。ケージ410は、PLIFケージであってよく、したがって、拡張方向は、順方向によって規定され得る。当然のことながら、ケージ410は代替的に、ALIFケージとして構成されてもよく、その場合、拡張方向は逆方向によって規定されることが理解されるべきである。シャフト464から外に延在するフランジ466は、上述の方式でスリーブ470の先細開放端部472と協働し得る。スリーブ270の対向する後方端部は、ハウジング420内に固定され得る。
【0064】
弾性の相互接続されたプレート452は、ラチェット組立体のフランジ466と係合する上部歯及び下部歯465などの、少なくとも1つの内向きに突出する歯465を画定し得る。したがって、シャフト464がスリーブ470の開放端部472から拡張方向に漸増的に駆動されると、弾性の相互接続されたプレート452は同様に、図示されるように順方向である膨張方向に漸増式に駆動され、これにより、相互接続されたプレート430及び440は、上述のように横断方向Tに沿って徐々に拡張することが可能になる。ケージ410が第1の構成から第2の構成へと拡張するとき、ケージ410は、一例として、約4度、約8度、約12度、及び約16度など、約0度~約18度の範囲で角度をつけ得る。
【0065】
図5は、本開示の椎間ケージの更に別の例を示す。図5では、上述されたものと同様の要素に対応する参照符号は、明確さ及び便宜のために、100、200、300、又は400ずつ増分されている。図示されるように、椎間ケージ510は、椎間ケージ410と同様の特徴を共有しているが、ここでは、ケージ510の多孔性を最大限にするために、より工学的な多孔性構造522も有する。いくつかの例では、多孔性構造体522は、約0.5mm~約1mmの範囲の厚さを有し得るが、多孔性構造体は所望に応じて任意の好適な厚さを有し得ることを理解されたい。更に、いくつかの例では、多孔性構造体522の厚さは、横断方向Tに沿ったプレート厚さの約1/10~約2/3の範囲に及び得る。他のケージに関連して本明細書に記載されているように、ケージ510は、上部プレート530及び下部プレート540を有するハウジング520と、ハウジング520の後方端部516において上部プレート530と下部プレート540とを互いに接続する弾性相互接続部と、を含む。ケージ510は、上部プレート530と下部プレート450の一方又は両方を通って延在する骨グラフト窓528を更に含み得る。上部プレート530の窓528は、横断方向Tに沿って下部プレート540の窓528と整列され得る。
【0066】
他のケージに関連して上述されたように、ケージ510は、ラチェットシャフト564から外に延在する複数のフランジ566を含み得る。拡大ヘッド562として構成され得る係合部材561は、拡張方向にフランジ566から離間した位置でシャフト564から外に延在する。上部プレート530及び下部プレート540の一方又は両方は、長手方向Lに沿って延在するガイドレール529を含み得る。ガイドレール529は、上部プレート530及び下部プレート540の一方又は両方の横断方向内側表面535及び545から延在し得る。係合部材561は、係合部材561を通って長手方向Lに沿って延在するガイドスロット567を含んでよく、またガイドレール529を受容するように寸法決めされており、そのため、シャフト564が拡張方向に駆動されると、係合部材561はガイドレール529に沿って進行するようになっている。本明細書に記載されているラチェット組立体のいずれもが、それぞれの係合部材のガイドスロット内に受容されるガイドレールを含み得ることを理解されたい。
【0067】
更に、上部プレート530及び下部プレート540の一方又は両方の内側横断表面535及び545は、それぞれ、複数の段557を規定し得る。段557は、拡張方向に沿って延在するとき、横断方向の内向きに延在するように配置され得る。これらの段は更に、係合部材561が拡張方向に進行する際に、係合部材561を受容するようにサイズ決めされ得る。したがって、各段557は、係合部材561が第1すなわち挿入構成を越えてケージ510を拡張するときに、係合部材561が静置し得る座部を画定し得る。係合部材561が拡張方向に更に進行すると、係合部材561は、拡張方向において、連続的に離間された段557上に静置し、それによってケージ510を漸増的に拡張し角度をつけ得る。段557及びフランジ566は、この方向に沿って適切な距離だけ離間され得るが、そのため、係合部材561は、段557に静置し得る一方で、スリーブ570の開放端部572は隣接するフランジ566の間に配設される。
【0068】
図6は、本開示の椎間ケージの更に別の例を示す。図示されるように、椎間ケージ610は、椎間ケージ510の特徴を含む。したがって、図6では、図5のケージ510と同様の要素に対応する参照符号は、明確さ及び便宜のために、100ずつ増分されている。図6に示されるように、多孔性構造体622は、図5に示される多孔性構造体522に対して低減された厚さを有し得る。代替的に、上部支持表面631及び下部支持表面641は、図3に関連して上述されているように多孔性構造を欠いていてもよい。
【0069】
上述のように、本開示の椎間ケージは、狭いアクセス通路を通じて挿入されることが可能となり得るように構成されているが、拡張及び角度調節されることが可能であり、そのため、ケージは、脊椎分節の前弯の角度を調節することが可能となっている。角度調節及び拡張(又は伸延)が可能であることにより、ケージは、挿入のために前方を非常に狭くし、またより大きな前弯角度に対応及び適応するために植込み後に前方をより大きくすることが可能となる。加えて、ケージは、矢状面のバランス及び脊椎のアライメントを効果的に回復させることができ、また脊椎分節を不動化及び安定化させるために癒合を促進し得る。
【0070】
拡張可能なケージが固定を促進する能力に関して言えば、骨の治癒及び癒合に関する多数の生体外及び生体内研究は、多孔性が血管新生を可能にするために必要であり、また、新たな骨成長を促進するための所望の下部構造は、細胞付着、細胞移動、細胞増殖及び細胞分化に関して最適化された表面特性を備えた、多孔性の相互接続した孔ネットワークを有するべきであることを示している。同時に、新たな細胞活動のために適当な構造的支持又は機械的完全性をもたらすインプラントの能力は臨床的成功を達成するための主要因であると考える人が多数いる一方で、重要な特徴としての多孔性の役割を協調する者もいる。他の態様と比較した一態様の相対的な重要性に関わらず、明らかなことは、安定化させるための構造的完全性、並びに細胞成長を支援するための多孔性構造の両方が、適切でかつ持続可能な骨の再成長のための重要な要素であることである。
【0071】
したがって、これらのケージは、中実性と多孔性の特徴を同時に有し得る一体的な本体を形成することによってデバイスをより良好にカスタマイズすることを可能にする現在の付加製造技法を利用し得る。図示されるようないくつかの実施形態では、ケージは多孔性の構造を有し、骨接合を促進するために孔、微細構造、及びナノ構造のネットワークを含む人工細胞構造を伴って作製され得る。例えば、人工細胞構造は、孔とメッシュに似た外観を備えた他のマイクロ及びナノサイズ構造との相互接続ネットワークを備え得る。これらの人工細胞構造は、デバイスの表面をナノレベルで変化させるようにエッチング又はブラスチングすることによって設けられ得る。ある種類のエッチングプロセスでは、例えば、HF酸処理が利用され得る。これらの同じ製造技法が、これらのケージに内部の撮像用マーカーを設けるために用いられ得る。例えば、これらのケージはまた内部の撮像用マーカーを含み得るが、これは、ユーザーがケージを適切に位置合わせすることを可能にし、また一般に、ナビゲーション中に視覚化によって挿入を容易にするものである。撮像用マーカーは、例えば、X線、蛍光透視又はCTスキャンの下で、網目の中の中実体として現れる。ケージは、単一のマーカーを備えてもよいし、複数のマーカーを備えてもよい。ナビゲーション及び植え込み中の視覚化を改善するために1つ以上のマーカーが内部に埋め込まれたケージを製造することが可能であるため、これらの内部の撮像用マーカーは、ケージを植え込む容易性及び精度を大いに促進する。
【0072】
本開示の植込み型デバイスによってもたらされる別の利点は、本植込み型デバイスは、患者のニーズに合わせて具体的にカスタマイズされ得ることである。植込み型デバイスのカスタマイズは、植込み型デバイスと、例えば、各々が構造破壊に至る圧縮率の独特のデータを有する皮質骨対海綿質、骨端対中心骨、及び強膜骨対骨減少性骨などの治療される様々な質及び種類の骨と、の間で弾性率を好ましく適合させることに関連する。同様に、例えば、多孔性対中実性、柱状対非柱状など、様々なインプラント設計に関して、類似のデータがまた生成され得る。そのようなデータは、死体から生成されても、コンピュータ有限要素で生成されてもよい。例えば、DEXAデータとの臨床上の相関性はまた、強膜骨、正常骨、又は骨減少性骨に対して使用するために植込み型デバイスを特別に設計することを可能にする。したがって、本明細書で示されるようなカスタマイズされた植込み型デバイスを提供する能力は、複雑体構造の弾性係数(EMOCS)の整合を可能にするが、このことは、不整合を最小限にし、沈下を緩和し、治癒を最適化するように植込み型デバイスを設計して、より良好な臨床成果をもたらすことを可能にする。
【0073】
脊椎の頚部又は腰部のいずれかにおいて使用するための椎体間固定ケージを含めて、様々な脊椎用インプラントが本開示によって提供され得る。後方経路腰椎椎体間固定(PLIF)デバイスのみが示されているが、頚部椎間固定(CIF)デバイス、経大後頭孔腰部椎間固定(TLIF)デバイス、前方経路腰椎椎体間固定(ALIF)ケージ、腰部外側椎間固定(LLIF)ケージ、及び腰部斜方椎間固定(OLIF)ケージにおいても同じ原理が利用され得ると考えられる。
【0074】
本開示の他の実施形態は、本明細書に開示される本開示の明細又は実施を考慮すれば当業者には自明であろう。明細及び実施例は例示としてのみ考慮されることが意図されている。
【0075】
〔実施の態様〕
(1) 拡張可能な脊椎用インプラントであって、
第1の椎体の終板に接して配置されるように構成された上部プレートと、隣接する第2の椎体の終板に接して配置されるように構成された下部プレートと、を備えるハウジングと、
前記ハウジング内にあり、前記脊椎用インプラントの角度調節をもたらすように構成されている一体型ラチェット組立体であって、シャフトと、前記シャフトによって支持される作動部材と、前記シャフトから外に延在する複数のフランジと、前記シャフトを受容するように構成された拡張可能な開口部を有するスリーブと、を含む一体型ラチェット組立体と、を備え、
前記シャフトが前記スリーブから移動することにより、前記作動部材が前記上部プレート及び前記下部プレートを圧迫し、また前記上部プレート及び前記下部プレートが互いに対して角度をつける、拡張可能な脊椎用インプラント。
(2) 前記ハウジングは、前記上部プレート及び前記下部プレートに付勢力を加えるように構成された少なくとも1つのばね部材を更に含む、実施態様1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
(3) 前記ばね部材は、前記上部プレート及び前記下部プレートの各々に接続された変形可能なストリップとして構成されている、実施態様2に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
(4) 前記上部プレート及び前記下部プレートは、円錐ヒンジにおいて前記ハウジングに接続されている、実施態様1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
(5) 前記ハウジングは器具受容開口部を含む、実施態様1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
【0076】
(6) 前記上部プレート及び前記下部プレートのうちの少なくとも一方は、多孔性支持表面を含む、実施態様1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
(7) 前記ハウジングは1つを超える作動部材を更に含む、実施態様1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
(8) 前記インプラントは、後方経路腰椎椎体間固定(posterior lumbar interbody fusion)(PLIF)用に構成されている、実施態様1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
(9) 前記インプラントは、前方経路腰椎椎体間固定(anterior lumbar interbody fusion)(ALIF)用に構成されている、実施態様1に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
(10) 拡張可能な脊椎用インプラントであって、
第1の椎体の終板に接して配置されるように構成された上部プレートと、隣接する第2の椎体の終板に接して配置されるように構成された下部プレートと、を備えるハウジングと、
前記ハウジング内にあり、前記脊椎用インプラントの角度調節をもたらすように構成されている一体型ラチェット組立体であって、前記上部プレートと前記下部プレートとを接続する弾性変形可能なプレートを備え、前記弾性変形可能なプレートは、ラチェットシャフトと解放可能に係合するように構成された縁部と、前記ラチェットシャフトを捕捉するようにサイズ決めされた軟質開口部を有するスリーブと、を有する、一体型ラチェット組立体と、を備え、
前記スリーブから前記ラチェットシャフトを解放することにより、前記上部プレート及び前記下部プレートは離れるように移動し、また前記プレートの互いに対する角度調節が引き起こされる、拡張可能な脊椎用インプラント。
【0077】
(11) 前記ハウジングは多孔性表面を含む、実施態様10に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
(12) 前記多孔性表面は、前記上部プレート及び前記下部プレートのうちの少なくとも一方の上にある、実施態様11に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
(13) 前記インプラントの先端部は先細になっている、実施態様10に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
(14) 前記ハウジングは骨グラフト窓を更に含む、実施態様10に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
(15) 前記ラチェットシャフトは、前記上部プレート及び前記下部プレートのうちの少なくとも一方を圧迫して前記上部プレート及び前記下部プレートのうちの他方から離すように構成された係合部材を支持する、実施態様10に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
【0078】
(16) 前記係合部材は、前記上部プレート及び前記下部プレートのうちの少なくとも一方の上のガイドレールに沿って進むように構成されたガイドスロットを含む、実施態様15に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
(17) 前記上部プレート及び前記下部プレートは、前記係合部材と係合するように構成された段を更に含む、実施態様15に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
(18) 前記インプラントは、後方経路腰椎椎体間固定(PLIF)用に構成されている、実施態様12に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
(19) 前記インプラントは、前方経路腰椎椎体間固定(ALIF)用に構成されている、実施態様12に記載の拡張可能な脊椎用インプラント。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6