(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】接続装置
(51)【国際特許分類】
H01R 31/08 20060101AFI20231120BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
H01R31/08 Z
H01R13/52 302E
(21)【出願番号】P 2020562369
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2019038580
(87)【国際公開番号】W WO2020137064
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】P 2018244577
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】中澤 勝彦
【審査官】鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-117950(JP,A)
【文献】国際公開第2013/042576(WO,A1)
【文献】実開平05-087836(JP,U)
【文献】特開2016-167404(JP,A)
【文献】特開平07-073938(JP,A)
【文献】特開2002-260752(JP,A)
【文献】特開平10-199650(JP,A)
【文献】米国特許第6729903(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40-13/533
H01R 27/00-31/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持部材と、導電部材とを備える接続装置であって、
前記導電部材は、前記保持部材に保持されており、
前記保持部材は、保持部を有しており、
前記導電部材は、複数の被保持部と、複数の接触部と、複数の延長部と、複数の連結部とを有しており、
前記被保持部は、前記保持部に保持されており、且つ、左右方向に並んでおり、
前記接触部は、前記被保持部に夫々対応しており、
前記接触部の夫々は、前記左右方向と直交する前後方向において前記対応する被保持部の前方に位置しており、
前記複数の延長部の夫々は、いずれかの前記被保持部から前記前後方向において後方に延びて、前記前後方向において前記保持部より後方に突出しており、
前記複数の延長部は、前記左右方向において互いに離れて位置しており、
前記複数の連結部は、前記左右方向において互いに離れて位置しており、
前記複数の連結部は、前記前後方向において、前記複数の延長部の後方に位置しており、
前記連結部の夫々は、2つの前記延長部を互いに連結しており、
前記左右方向において隣り合う2つの前記被保持部は、前記2つの
前記延長部と夫々連結されている
接続装置。
【請求項2】
請求項1記載の接続装置であって、
前記複数の被保持部は、最右被保持部と、最左被保持部と、少なくとも1つのノーマル被保持部とを含んでおり、
前記最右被保持部は、前記左右方向において前記複数の被保持部の最も右側に位置しており、
前記最左被保持部は、前記左右方向において前記複数の被保持部の最も左側に位置しており、
前記少なくとも1つのノーマル被保持部は、前記左右方向において前記最右被保持部と前記最左被保持部との間に位置しており、
前記最右被保持部からは、1つの前記延長部が前記前後方向において後方に延びており、
前記最左被保持部からは、1つの前記延長部が前記前後方向において後方に延びており、
前記少なくとも1つのノーマル被保持部からは、2つの前記延長部が前記前後方向において後方に延びている
接続装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の接続装置であって、
前記保持部材は、前記前後方向と直交する面内において前記延長部と前記連結部とを囲う囲い部を有している
接続装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載の接続装置であって、
前記保持部材は、囲い部を有しており、
前記囲い部は、2つの側部と、2つの切り欠き部とを有しており、
前記連結部は、前記切り欠き部を通して視認可能である
接続装置。
【請求項5】
請求項4記載の接続装置であって、
前記保持部材は、仕切部を更に有しており、
前記2つの側部は、前記保持部材の前記左右方向両端に夫々位置しており、
前記2つの側部は、前記仕切部の前記左右方向両端と夫々連結されている
接続装置。
【請求項6】
請求項3から請求項5までのいずれかに記載の接続装置であって、
前記接続装置は、キャップと、シール部材とを更に備えており、
前記キャップは、前記囲い部に取り付けられ、
前記シール部材は、前記キャップと前記囲い部との間に介在する
接続装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれかに記載の接続装置であって、
前記延長部には、強度の弱い弱部が設けられており、
前記弱部は、前記左右方向に延びる溝であり、
前記連結部は、前記2つの
前記延長部の夫々を前記弱部において前記前後方向
に分断することにより、前記導電部材から切離し可能である
接続装置。
【請求項8】
請求項1から請求項
7までのいずれかに記載の接続装置であって、
前記左右方向において、前記連結部のサイズは、隣接する2つの前記接触部間のピッチよりも小さい
接続装置。
【請求項9】
請求項1から請求項
8までのいずれかに記載の接続装置であって、
前記2つの
前記延長部の夫々が前記前後方向において2つに分離されることにより、少なくとも1つの前記連結部と前記2つの
前記延長部の一部とが除去されている
接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の相手側端子のうち所定のもの同士を導通させるために用いられる接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、この種の接続装置900を開示している。
図21及び
図22を参照すると、特許文献1の接続装置900は、保持部材910と導電部材950とを備えている。保持部材910は、保持部912を有している。保持部912には、複数の露出孔9122が設けられている。露出孔9122は、保持部912の一部をZ方向において貫通している。導電部材950は、複数の被保持部952と、複数の接触部954と、複数の連結部956とを有している。被保持部952は、保持部912に保持されている。被保持部952は、Y方向に並んでいる。接触部954は、相手側端子(図示せず)と直接接触する部分である。接触部954は、被保持部952から+X方向に夫々延びている。連結部956の夫々は、Y方向において隣り合う被保持部952同士を連結している。連結部956は、露出孔9122と夫々対応している。連結部956の夫々は、対応する露出孔9122内に部分的に露出している。連結部956のうち特定の一部を導通不能として相手側端子(図示せず)のうち所定のもの同士を導通させるためには、プレスピン970と受け冶具980を用いて、特定の連結部956をそれに対応する露出孔9122を通して部分的に除去する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の接続装置900においては、導電部材950のうちの導通不能にしたい部分を除去するためにプレスピン970と受け冶具980のような特殊な工具が必要である。
【0005】
そこで、本発明は、特殊な工具を用いることなく、導通不能にしたい箇所を使用者が調整可能な導電部材を備える接続装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の側面は、保持部材と、導電部材とを備える接続装置を提供する。前記導電部材は、前記保持部材に保持されている。前記保持部材は、保持部を有している。前記導電部材は、複数の被保持部と、複数の接触部と、複数の延長部と、複数の連結部とを有している。前記被保持部は、前記保持部に保持されており、且つ、左右方向に並んでいる。前記接触部は、前記被保持部に夫々対応している。前記接触部の夫々は、前記左右方向と直交する前後方向において前記対応する被保持部の前方に位置している。前記複数の延長部の夫々は、いずれかの前記被保持部から前記前後方向において後方に延びて、前記前後方向において前記保持部より後方に突出している。前記複数の延長部は、前記左右方向において互いに離れて位置している。前記複数の連結部は、前記左右方向において互いに離れて位置している。前記複数の連結部は、前記前後方向において、前記複数の延長部の後方に位置している。前記連結部の夫々は、2つの前記延長部を互いに連結している。前記左右方向において隣り合う2つの前記被保持部は、前記2つの延長部と夫々連結されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の接続装置においては、各延長部がいずれかの被保持部から後方に延びて保持部材の保持部よりも後方に突出している。また、連結部は互いに左右方向に離れて位置している。連結部の夫々は、2つの延長部を互いに連結している。左右方向において隣り合う2つの被保持部は、2つの延長部と夫々連結されている。使用者が特定の連結部を除去しようとする場合、使用者は、特定の連結部によって連結されている延長部の夫々を前後方向に2つに分離する。これにより、使用者は、特定の連結部を選択的に除去することが可能である。また、その際、使用者は、延長部を直接的に切断したり、連結部に負荷を加えて連結されている延長部を折り取ったりすることができる。この延長部の切断や折り取りは、一般的な工具を用いて、比較的容易に行うことができる。
【0008】
添付の図面を参照しながら下記の最良の実施の形態の説明を検討することにより、本発明の目的が正しく理解され、且つその構成についてより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施の形態による接続装置を示す斜視図である。ここで、保持部材の囲い部にはキャップが取り付けられている。
【
図2】
図1の接続装置を示す別の斜視図である。ここで、保持部材の囲い部からキャップが取り外されている。
【
図3】
図1の接続装置を示す一部切り欠き斜視断面図である。
【
図4】
図3の接続装置を示す別の一部切り欠き斜視断面図である。ここで、被接触部は、接触部と接触していない。
【
図5】
図1の接続装置を示す上面図である。ここで、被接触部及びケーブルは省略されている。
【
図7】
図6の接続装置をA-A
線に沿って示す断面図である。
【
図8】
図6の接続装置をB-B
線に沿って示す断面図である。
【
図9】
図1の接続装置に含まれる導電部材を示す上面図である。
【
図12】
図2の接続装置の変形例を示す斜視図である。ここで、連結部の一部は、導電部材から分離されている。
【
図13】
図12の接続装置を示す一部切り欠き斜視断面図である。ここで、保持部材の囲い部にはキャップが取り付けられている。
【
図14】
図13の接続装置を示す別の一部切り欠き斜視断面図である。ここで、被接触部は、接触部と接触していない。
【
図15】
図12の接続装置に含まれる導電部材を示す斜視図である。
【
図16】本発明の第2の実施の形態による接続装置を示す斜視図である。ここで、第1コネクタと第2コネクタとは接続されていない。
【
図17】
図16の接続装置を示す一部切り欠き斜視断面図である。
【
図18】
図16の接続装置に含まれる第1コネクタを示す斜視図である。ここで、第1保持部材の囲い部にはキャップが取り付けられている。
【
図19】
図18の第1コネクタを示す別の斜視図である。ここで、第1保持部材の囲い部からキャップが取り外されている。
【
図20】
図16の接続装置の変形例を示す斜視図である。ここで、保持部材の囲い部からキャップが取り外されている。
【
図21】特許文献1の接続装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明については多様な変形や様々な形態にて実現することが可能であるが、その一例として、図面に示すような特定の実施の形態について、以下に詳細に説明する。図面及び実施の形態は、本発明をここに開示した特定の形態に限定するものではなく、添付の請求の範囲に明示されている範囲内においてなされる全ての変形例、均等物、代替例をその対象に含むものとする。
【0011】
(第1の実施の形態)
図3に示されるように、本発明の第1の実施の形態による接続装置100は、保持部材200と、導電部材500と、被接触部700と、複数のケーブル800とを備えている。導電部材500は、保持部材200に保持されている。
【0012】
図4を参照して、本実施の形態の保持部材200は、絶縁部材からなる。保持部材200は、複数の収容孔205と、囲い部220とを有している。
【0013】
図7及び
図8に示されるように、本実施の形態の収容孔205の夫々は、前後方向において保持部材200を貫通している。収容孔205は、前後方向において囲い部220の前方に位置している。本実施の形態において、前後方向はX方向である。ここで、前方を+X方向とし、後方を-X方向とする。より詳しくは、収容孔205は、上下方向において2列に分けられている。本実施の形態において、上下方向はZ方向である。ここで、上方を+Z方向とし、下方を-Z方向とする。各列の収容孔205は、左右方向に並べられている。本実施の形態において、左右方向は、Y方向である。ここで、右方を-Y方向とし、左方を+Y方向とする。収容孔205は、前後方向に延びる軸AXを中心として回転対称となるように配置されている。
【0014】
図8に示されるように、本実施の形態の収容孔205の夫々は、保持部210を有している。即ち、本実施の形態の保持部材200は、保持部210を有している。
【0015】
図8に示されるように、本実施の形態の保持部210は、収容孔205の左右方向における両内側面である。保持部210は、前後方向において収容孔205の後端付近に位置している。保持部210は、前後方向において囲い部220の前方に位置している。
【0016】
図2、
図7及び
図8から理解されるように、本実施の形態の囲い部220は、前後方向に延びている。囲い部220は、保持部材200の後端を規定している。囲い部220の後端は、開口している。即ち、囲い部220は、後端に開口部222を有している。囲い部220は、前後方向に延びる軸AXを中心として回転対称な形状を有している。囲い部220は、後方から見た場合、略トラック形状を有している。囲い部220は、前後方向と直交する直交平面において、左右方向に長い略トラック形状を有している。
【0017】
図3及び
図9を参照して、本実施の形態の導電部材500は、金属製である。導電部材500は、複数の被保持部510と、複数の接触部520と、複数の延長部530と、複数の連結部550とを有している。
【0018】
図3及び
図8に示されるように、本実施の形態の被保持部510は、保持部210に夫々保持されている。被保持部510は、左右方向に並んでいる。より詳しくは、被保持部510は、上下方向において2列に分けられている。各列の被保持部510は、左右方向に並べられている。被保持部510は、前後方向に延びる軸AXを中心として回転対称となるように配置されている。被保持部510は、保持部材200の収容孔205と夫々対応している。被保持部510の夫々は、対応する収容孔205に圧入されて収容されている。
【0019】
図8に示されるように、本実施の形態の被保持部510は、左右方向外側に突出した圧入突起5102を有している。圧入突起5102は、保持部材200の収容孔205の保持部210に圧入されている。
【0020】
図3及び
図8に示されるように、複数の被保持部510は、最右被保持部515と、最左被保持部512と、少なくとも1つのノーマル被保持部518とを含んでいる。最右被保持部515は、左右方向において複数の被保持部510の最も右側に位置している。最左被保持部512は、左右方向において複数の被保持部510の最も左側に位置している。ノーマル被保持部518は、左右方向において最右被保持部515と最左被保持部512との間に位置している。
【0021】
図9に示されるように、本実施の形態の接触部520は、左右方向においてピッチPの間隔で並べられている。接触部520は、被保持部510に夫々対応している。接触部520の夫々は、左右方向と直交する前後方向において対応する被保持部510の前方に位置している。本実施の形態の接触部520は、所謂ピンコンタクト(雄コンタクト)である。しかしながら、本発明はこれに限定されない。接触部520は、ソケットコンタクト(雌コンタクト)であってもよい。
【0022】
図9に示されるように、本実施の形態の延長部530の夫々は、いずれかの被保持部510から前後方向において後方に延びて、前後方向において保持部210より後方に突出している。具体的には、最右被保持部515からは、1つの延長部530が前後方向において後方に延びている。最左被保持部512からは、1つの延長部530が前後方向において後方に延びている。1つのノーマル被保持部518からは、2つの延長部530が前後方向において後方に延びている。複数の延長部530は、左右方向において互いに離れて位置している。
【0023】
図7及び
図8から理解されるように、延長部530の一部は、前後方向と直交する直交面内において囲い部220に囲まれている。本実施の形態において、直交面はYZ平面である。より詳しくは、延長部530の一部は、囲い部220内に位置している。延長部530の一部は、囲い部220内において露出している。
【0024】
図9に示されるように、本実施の形態の延長部530には、強度の弱い弱部532が設けられている。より詳しくは、弱部532は、延長部530の中で強度が最小である。また、弱部532は、被保持部510や連結部550よりも強度が小さい。弱部532は、左右方向に延びる溝である。なお本発明はこれに限定されない。延長部530の一部が前後方向と直交する断面積を減じられて弱部532として機能する限り、延長部530を改変してもよい。
【0025】
図7及び
図8から理解されるように、本実施の形態の弱部532は、直交面内において囲い部220に囲まれている。より詳しくは、弱部532は、囲い部220内に位置している。弱部532は、囲い部220内において露出している。
【0026】
図9に示されるように、本実施の形態の複数の連結部550は、左右方向において互いに離れて位置している。複数の連結部550は、前後方向において、複数の延長部530の後方に位置している。連結部550の夫々は、2つの延長部530を互いに連結している。左右方向において隣り合う2つの被保持部510は、2つの延長部530と夫々連結されている。連結部550の夫々は、左右方向において隣り合って位置する2つの被保持部510のうち、一方の被保持部510から延びる1つの延長部530と、残りの一方の被保持部510から延びる他の1つの前記延長部530とを連結している。連結部550は、導電部材500から折り取って除去可能となっている。より詳しくは、連結部550は、2つの延長部530の夫々を弱部532において前後方向において2つに分断することにより、導電部材500から切離し可能となっている。
【0027】
図9に示されるように、連結部550のサイズSは、隣接する2つの接触部520間のピッチPよりも小さい。これにより、連結部550が互いに接触することが避けられている。
【0028】
図7及び
図8から理解されるように、本実施の形態の連結部550は、直交面内において囲い部220に囲まれている。より詳しくは、連結部550は、囲い部220内に位置している。連結部550は、囲い部220内において露出している。
【0029】
図9に示されるように、本実施の形態の連結部550は、凹み部552を有している。凹み部552は、前後方向において連結部550の後端に位置している。凹み部552は、後方に開口し、前方に凹んだ凹部である。この凹み部552は、連結部550を折り取る際に工具を引っかけるための部位である。使用者が特定の連結部550を導電部材500から除去しようとする場合、使用者は、特定の連結部550によって連結されている2つの延長部530の夫々を前後方向に2つに分離する。連結部550が上記の凹み部552を有することにより、使用者は、特定の連結部550によって連結された2つの延長部530を分断する際に、特定の連結部550の凹み部552に工具を引っかけることができる。このため、特定の連結部550と隣接する連結部550を、使用者が誤って除去することが避けられる。なお、連結部550の形状は上述のものに限定されない。即ち、連結部550は、凹み部552を有さなくてもよく、本実施の形態の連結部550と異なる形状であってもよい。また、連結部550は、ラジオペンチなどの汎用工具で導電部材500から折り取ることが可能となっている。
【0030】
図7及び
図8に示されるように、本実施の形態の囲い部220は、前後方向と直交する面内において延長部530と連結部550とを囲っている。即ち、保持部材200は、前後方向と直交する面内において延長部530と連結部550とを囲う囲い部220を有している。
【0031】
図4を参照して、本実施の形態による被接触部700は、金属製である。被接触部700は、所謂ソケットコンタクト(雌コンタクト)である。しかしながら、本発明はこれに限定されない。接触部520がソケットコンタクトである場合、被接触部700はピンコンタクト(雄コンタクト)であってもよい。
【0032】
図3に示されるように、被接触部700は、保持部材200に保持されている。被接触部700は、導電部材500の接触部520と物理的且つ電気的に接触している。
【0033】
図3に示されるように、本実施の形態の保持部材200は、被接触部700と導電部材500の接触部520とを一緒に保持している。これにより、本実施の形態の接続装置100の保持部材200は、被接触部700を保持する一部と、接触部520を保持する他の一部とを含むシームレスな構成を有している。従って、本実施の形態の接続装置100は、被接触部700を保持部材200の一部に保持させると共に接触部520を上記一部と別体の保持部材200の他の一部に保持させる場合と比較して、防水性の面で優れている。
【0034】
図3に示されるように、本実施の形態のケーブル800の夫々は、前後方向に延びている。ケーブル800の夫々は、金属製の芯線810を有している。芯線810の後端付近は、被接触部700に物理的且つ電気的に接続されている。
【0035】
図7及び
図8に示されるように、本実施の形態の接続装置100は、キャップ300と、第1シール部材(シール部材)400と、第2シール部材570とを更に備えている。
【0036】
図5及び
図6に示されるように、本実施の形態のキャップ300は、前後方向に延びる軸AXを中心として回転対称な形状を有している。
図7及び
図8に示されるように、キャップ300は、後端が閉口し、且つ前端が開口している。より詳しくは、キャップ300は、後面310と、筒部320とを有している。後面310は、キャップ300の後端を規定している。筒部320は、後面310の前方に位置している。筒部320は、後面310の前端に連結されている。筒部320は、前後方向に沿って見た場合、略トラック形状を有している。筒部320は、前後方向と直交する直交平面において、左右方向に長い略トラック形状を有している。
【0037】
図7及び
図8に示されるように、キャップ300は、囲い部220に取り付けられている。キャップ300は、前後方向において接続装置100の後端に位置している。キャップ300は、囲い部220の開口部222(
図2参照)を封鎖している。
【0038】
図7及び
図8から理解されるように、キャップ300が囲い部220に取り付けられた取付状態において、延長部530の一部は、直交面内において筒部320に囲まれている。より詳しくは、上記取付状態において、延長部530の一部は、筒部320内に位置している。上記取付状態において、延長部530の一部は、筒部320内において露出している。
【0039】
図7及び
図8から理解されるように、キャップ300が囲い部220に取り付けられた取付状態において、連結部550は、直交面内において筒部320に囲まれている。より詳しくは、上記取付状態において、連結部550は、筒部320内に位置している。上記取付状態において、連結部550は、筒部320内において露出している。
【0040】
図3及び
図8を参照して、本実施の形態の第1シール部材400は、ゴム等の弾性を有する絶縁体からなるものである。第1シール部材400は、前後方向に沿って見た場合、略トラック形状を有している。第1シール部材400は、前後方向と直交する直交平面において、左右方向に長い略トラック形状を有している。第1シール部材400は、前後方向においてキャップ300の後面310の前方に位置している。第1シール部材400は、前後方向と直交する直交方向において、キャップ300の筒部320の外側に位置している。第1シール部材400は、直交面内において、キャップ300の筒部320を囲んでいる。第1シール部材400は、直交方向において、筒部320と密着している。キャップ300が囲い部220に取り付けられた取付状態において、第1シール部材400は、前後方向において導電部材500の被保持部510の後方に位置している。上記取付状態において、第1シール部材400は、前後方向において弱部532の後方に位置している。上記取付状態において、第1シール部材400は、直交方向において囲い部220の内側に位置している。上記取付状態において、第1シール部材400は、直交方向において囲い部220と密着している。第1シール部材400は、キャップ300と囲い部220との間に介在している。即ち、第1シール部材400は、キャップ300と囲い部220との間を水封(シール)している。
【0041】
図3を参照して、本実施の形態の第2シール部材570は、ゴム等の弾性を有する絶縁体からなるものである。第2シール部材570は、前後方向において保持部材200の前端付近に位置している。第2シール部材570は、前後方向において被接触部700の前方に位置している。第2シール部材570は、直交方向において保持部材200と密着している。第2シール部材570は、直交方向においてケーブル800と密着している。第2シール部材570は、保持部材200とケーブル800との間及びケーブル800間に介在している。即ち、第2シール部材570は、保持部材200とケーブル800との間及びケーブル800間を水封している。
【0042】
図3、
図7及び
図8から理解されるように、キャップ300が囲い部220に取り付けられた取付状態において、被接触部700及び導電部材500からなる導通部分は、保持部材200及びキャップ300の外部から水封されている。
【0043】
導電部材500の構造は、上述したものには限定されない。例えば、導電部材500は、以下のような変形が可能である。
【0044】
図12及び
図15を参照して、本変形例の接続装置100Aの導電部材500Aは、複数の被保持部510と、複数の接触部520と、複数の延長部530と、複数の延長部残部540と、複数の連結部550とを有している。なお、本発明はこれに限定されない。導電部材500Aが、複数の被保持部510と、複数の接触部520と、複数の延長部530と、2つの延長部残部540と、複数の連結部550とを有している限り、導電部材500Aを改変してもよい。即ち、連結部550によって連結される2つの延長部530の夫々が前後方向において2つに分離されることにより、少なくとも1つの連結部550と2つの延長部530の一部とが除去されている限り、
導電部材500Aを改変してもよい。本変形例の導電部材500Aは、キャップ300を囲い部220から外した
図2の状態において、少なくとも1つの連結部550を導電部材
500から折り取ることにより実施することができる。従って、導電部材500Aは、ケーブル800が被接触部700を介して導電部材500Aに接続される前において、接触部520間を任意の導通の組み合わせとすることができる。同様に、導電部材500Aは、ケーブル800が被接触部700を介して導電部材500Aに接続された後においても、接触部520間を任意の導通の組み合わせとすることができる。
【0045】
図15に示されるように、本変形例の被保持部510は、左右方向において、少なくとも第1グループG1と第2グループG2とを含む複数のグループに分けられている。即ち、本変形例の導電部材500Aは、第1グループG1に含まれる被保持部510と、第2グループG2に含まれる被保持部510とを、少なくとも有している。より詳しくは、被保持部510は、左右方向において、第1グループG1と、第2グループG2と、第3グループG3の、3つのグループに分けられている。
【0046】
図15に示されるように、第1グループG1と、第2グループG2とは、左右方向において互いに隣接している。より具体的には、第1グループG1は、左右方向において第2グループG2の左側に隣接している。また、第2グループG2と、第3グループG3とは、左右方向において互いに隣接している。より具体的には、第2グループG2は、左右方向において第3グループG3の左側に隣接している。
【0047】
図11及び
図15から理解されるように、本変形例の延長部残部540は、導電部材500から、工具により連結部550を折り取ることにより生じたものである。また、本変形例の延長部残部540は、この除去された連結部550と連結されていた延長部530から生じたものである。即ち、延長部残部540の夫々は、1つの延長部530を前後方向において2つに分離したうちの一方である。従って、延長部残部540の夫々は、前後方向において延長部530よりも短くなっている。延長部残部540の後端は、工具により延長部530を弱部532において前後方向に分断した際に生じた分断痕である。
【0048】
図15に示されるように、本変形例の導電部材500Aにおいては、第1グループG1は1つの延長部残部540を含んでいる。第1グループG1の延長部残部540は、第1グループG1の被保持部510のうちで最も第2グループG2に近い被保持部510から前後方向において後方に延びている。また、第2グループG2は2つの延長部残部540を含んでいる。第2グループG2の1つの延長部残部540は、第2グループG2の被保持部510のうちで最も第1グループG1に近い被保持部510から前後方向において後方に延びている。第2グループG2の残りの1つの延長部残部540は、第2グループG2の被保持部510のうちで最も第3グループG3に近い被保持部510から前後方向において後方に延びている。更に、第3グループG3は1つの延長部残部540を含んでいる。第3グループG3の延長部残部540は、第3グループG3の被保持部510のうちで最も第2グループG2に近い被保持部510から前後方向において後方に延びている。なお、本発明はこれに限定されない。導電部材500Aが以下のような構成を備えている限り、導電部材500Aを改変してもよい。導電部材500Aが2つの延長部残部540を備えている。被保持部510が、左右方向において、第1グループG1と、第2グループG2との、2つのグループに分けられている。1つの延長部残部540は、第1グループG1の被保持部510のうちで最も第2グループG2に近い被保持部510から前後方向において後方に延びている。残りの1つの延長部残部540は、第2グループG2の被保持部510のうちで最も第1グループG1に近い被保持部510から前後方向において後方に延びている。
【0049】
図7、
図8及び
図15から理解されるように、本変形例の延長部残部540の後端は、直交平面内において囲い部220に囲まれている。より詳しくは、延長部残部540の後端は、囲い部220内に位置している。延長部残部540の後端は、囲い部220内において露出している。
【0050】
図7、
図8及び
図15から理解されるように、キャップ300が囲い部220に取り付けられた取付状態において、本変形例の延長部残部540の後端は、直交面内において筒部320に囲まれている。より詳しくは、上記取付状態において、延長部残部540の後端は、筒部320内に位置している。上記取付状態において、延長部残部540の後端は、筒部320内において露出している。
【0051】
図15に示されるように、本変形例の導電部材500Aの第1グループG1,第2グループG2,第3グループG3の夫々において、連結部550の夫々は2つの延長部530を互いに連結しており、且つ、左右方向において隣り合う2つの被保持部510は、2つの延長部530と夫々連結されている。これにより、第1グループG1に含まれる被保持部510同士は、延長部530及び連結部550により電気的に接続されている。また、第2グループG2に含まれる被保持部510同士は、延長部530及び連結部550により電気的に接続されている。更に、第3グループG3に含まれる被保持部510同士は、延長部530及び連結部550により電気的に接続されている。
【0052】
また、
図15に示されるように、第1グループG1に含まれる被保持部510の夫々は、第2グループG2に含まれる被保持部510のいずれとも電気的に接続されていない。第1グループG1に含まれる被保持部510の夫々は、第3グループG3に含まれる被保持部510のいずれとも電気的に接続されていない。第2グループG2に含まれる被保持部510の夫々は、第3グループG3に含まれる被保持部510のいずれとも電気的に接続されていない。
【0053】
図7、
図8及び
図13から理解されるように、キャップ300が囲い部220に取り付けられた取付状態において、被接触部700及び導電部材500Aからなる導通部分は、保持部材200及びキャップ300の外部から水封されている。特許文献1の接続装置900は、連結部956の除去により生じた導電部材950の痕が露出孔9122内に露出するという問題がある。一方、本変形例の接続装置100Aにおいては、このような問題は生じない。従って、上記導通部分、特に、延長部残部540は、水滴との接触が避けられている。
【0054】
(第2の実施の形態)
図16に示されるように、本発明の第2の実施の形態による接続装置100Bは、第1コネクタ600と、第2コネクタ650とを有している。ここで、本実施の形態における方位及び方向は、第1の実施の形態のものと同じ表現を以下において使用する。
【0055】
図17に示されるように、本実施の形態の第1コネクタ600は、第1保持部材(保持部材)200Bと、導電部材500とを備えている。導電部材500は、第1保持部材200Bに保持されている。即ち、接続装置100Bは、第1保持部材(保持部材)200Bと、第1保持部材200Bに保持された導電部材500とを備えている。
【0056】
図17を参照して、本実施の形態の第1保持部材200Bは、絶縁部材からなる。第1保持部材200Bは、複数の収容孔205Bと、囲い部220Bと、嵌合部240とを有している。
【0057】
図17を参照して、本実施の形態の収容孔205Bの夫々は、前後方向において第1保持部材200Bを貫通している。収容孔205Bは、前後方向において囲い部220Bの前方に位置している。より詳しくは、収容孔205Bは、上下方向において2列に分けられている。各列の収容孔205Bは、左右方向に並べられている。収容孔205Bは、前後方向に延びる軸BX(
図18参照)を中心として回転対称となるように配置されている。
【0058】
図17に示されるように、本実施の形態の収容孔205Bの夫々は、第1保持部(保持部)210Bを有している。即ち、本実施の形態の第1保持部材(保持部材)200Bは、保持部210Bを有している。
【0059】
図17に示されるように、本実施の形態の第1保持部210Bは、収容孔205Bの左右方向における両内側面である。第1保持部210Bは、前後方向において囲い部220Bの前方に位置している。
【0060】
図19から理解されるように、本実施の形態の囲い部220Bは、前後方向に延びている。囲い部220Bは、第1保持部材200Bの後端を規定している。囲い部220Bの後端は、開口している。即ち、囲い部220Bは、後端に開口部222Bを有している。囲い部220Bは、前後方向に延びる軸BXを中心として回転対称な形状を有している。囲い部220Bは、後方から見た場合、略トラック形状を有している。囲い部220Bは、前後方向と直交する直交平面において、左右方向に長い略トラック形状を有している。
【0061】
図17に示されるように、本実施の形態の嵌合部240は、前後方向において収容孔205Bの前方に位置している。嵌合部240の前端は、開口している。導電部材500の接触部520は、直交面内において嵌合部240に囲まれている。嵌合部240の前端は、前後方向において導電部材500の接触部520の前端よりも前方に位置している。嵌合部240は、被接触部収容部242を有している。
【0062】
図17に示されるように、本実施の形態の被接触部収容部242は、前後方向に延びる空間である。被接触部収容部242は、前後方向において収容孔205Bと連通している。導電部材500の接触部520は、被接触部収容部242内に位置している。接触部520は、被接触部収容部242内において露出している。
【0063】
図17に示されるように、本実施の形態の導電部材500は、複数の被保持部510と、複数の接触部520と、複数の延長部530と、複数の連結部550とを有している。本実施の形態の導電部材500の構成は、第1の実施の形態の導電部材500と同様である。従って、詳細は省略する。
【0064】
図17から理解されるように、本実施の形態の延長部530の一部は、直交平面内において囲い部220Bに囲まれている。より詳しくは、延長部530の一部は、囲い部220B内に位置している。延長部530の一部は、囲い部220B内において露出している。
【0065】
図17から理解されるように、本実施の形態の弱部532は、直交面内において囲い部220Bに囲まれている。より詳しくは、弱部532は、囲い部220B内に位置している。弱部532は、囲い部220B内において露出している。
【0066】
図17から理解されるように、本実施の形態の連結部550は、直交面内において囲い部220Bに囲まれている。より詳しくは、連結部550は、囲い部220B内に位置している。連結部550は、囲い部220B内において露出している。
【0067】
図17に示されるように、本実施の形態の第1コネクタ600は、キャップ300Bと、第1シール部材(シール部材)400Bとを更に備えている。
【0068】
図19から理解されるように、本実施の形態のキャップ300Bは、前後方向に延びる軸BXを中心として回転対称な形状を有している。
図17に示されるように、キャップ300Bは、後端が閉口し、且つ前端が開口している。より詳しくは、キャップ300Bは、後面310Bと、筒部320Bとを有している。後面310Bは、キャップ300Bの後端を規定している。筒部320Bは、後面310Bの前方に位置している。筒部320Bは、後面310Bの前端に連結されている。筒部320Bは、前後方向に沿って見た場合、略トラック形状を有している。筒部320Bは、前後方向と直交する直交平面において、左右方向に長い略トラック形状を有している。
【0069】
図17に示されるように、キャップ300Bは、前後方向において第1コネクタ600の後端に位置している。キャップ300Bは、囲い部220Bに取り付けられる。キャップ300Bは、囲い部220Bの開口部222B(
図19参照)を封鎖している。
【0070】
図17から理解されるように、キャップ300Bが囲い部220Bに取り付けられた取付状態において、延長部530の一部は、直交面内において筒部320Bに囲まれている。より詳しくは、上記取付状態において、延長部530の一部は、筒部320B内に位置している。上記取付状態において、延長部530の一部は、筒部320B内において露出している。
【0071】
図17から理解されるように、キャップ300Bが囲い部220Bに取り付けられた取付状態において、弱部532は、直交面内において筒部320Bに囲まれている。より詳しくは、上記取付状態において、弱部532は、筒部320B内に位置している。上記取付状態において、弱部532は、筒部320B内において露出している。
【0072】
図17から理解されるように、キャップ300Bが囲い部220Bに取り付けられた取付状態において、連結部550は、直交面内において筒部320Bに囲まれている。より詳しくは、上記取付状態において、連結部550は、筒部320B内に位置している。上記取付状態において、連結部550は、筒部320B内において露出している。
【0073】
図17を参照して、本実施の形態の第1シール部材400Bは、ゴム等の弾性を有する絶縁体からなるものである。第1シール部材400Bは、前後方向に沿って見た場合、略トラック形状を有している。第1シール部材400Bは、前後方向と直交する直交平面において、左右方向に長い略トラック形状を有している。第1シール部材400Bは、前後方向においてキャップ300Bの後面310Bの前方に位置している。第1シール部材400Bは、直交方向において、キャップ300Bの筒部320Bの外側に位置している。第1シール部材400Bは、直交面内において、キャップ300Bの筒部320Bを囲んでいる。第1シール部材400Bは、直交方向において、筒部320Bと密着している。キャップ300Bが囲い部220Bに取り付けられた取付状態において、第1シール部材400Bは、前後方向において導電部材500の被保持部510の後方に位置している。上記取付状態において、第1シール部材400Bは、前後方向において弱部532の後方に位置している。上記取付状態において、第1シール部材400Bは、直交方向において囲い部220Bの内側に位置している。上記取付状態において、第1シール部材400Bは、直交方向において囲い部220Bと密着している。即ち、第1シール部材(シール部材)400Bは、キャップ300Bと囲い部220Bとの間に介在している。第1シール部材400Bは、キャップ300Bと囲い部220Bとの間を水封している。
【0074】
即ち、本実施の形態の接続装置100Bは、囲い部220Bに取り付けられるキャップ300Bと、キャップ300Bと囲い部220Bとの間に介在する第1シール部材(シール部材)400Bとを更に備えている。
【0075】
図17に示されるように、本実施の形態の第2コネクタ650は、第2保持部材660と、第2シール部材570と、第3シール部材580と、被接触部700と、ケーブル800とを備えている。このうち、第2シール部材570、被接触部700及びケーブル800については第1の実施の形態と同様である。従って、詳細は省略する。
【0076】
図17に示されるように、本実施の形態の第2保持部材660は、第1コネクタ600の第1保持部材200Bと別体となっている。第2保持部材660は、被接触部700及びケーブル800を保持している。第2保持部材660は、被嵌合部662を有している。
【0077】
図17に示されるように、本実施の形態の被嵌合部662は、前後方向において第2保持部材660の後端に位置している。被嵌合部662は、前後方向に沿って見た場合、略トラック形状を有している。被嵌合部662は、前後方向と直交する直交平面において、左右方向に長い略トラック形状を有している。被嵌合部662は、直交面内において被接触部700を囲んでいる。被嵌合部662の後端は、前後方向において被接触部700の後端よりも後方に位置している。
【0078】
図17を参照して、本実施の形態の第3シール部材580は、ゴム等の弾性を有する絶縁体からなるものである。第3シール部材580は、前後方向に沿って見た場合、略トラック形状を有している。第3シール部材580は、前後方向と直交する直交平面において、左右方向に長い略トラック形状を有している。第3シール部材580は、前後方向においてケーブル800の後方に位置している。第3シール部材580は、前後方向において被嵌合部662の後端の前方に位置している。第3シール部材580は、直交方向において、被嵌合部662の外側に位置している。第3シール部材580は、直交面内において、被嵌合部662を囲んでいる。第3シール部材580は、直交方向において、被嵌合部662と密着している。
【0079】
図16及び
図17から理解されるように、第1コネクタ600と第2コネクタ650とが互いに嵌合した嵌合状態において、第3シール部材580は、直交方向において嵌合部240の内側に位置している。上記嵌合状態において、第3シール部材580は、直交方向において嵌合部240と密着している。上記嵌合状態において、第3シール部材580は、嵌合部240と被嵌合部662との間に介在している。即ち、上記嵌合状態において、第3シール部材580は、嵌合部240と被嵌合部662との間を水封している。
【0080】
図16及び
図17から理解されるように、第2コネクタ650を、キャップ300Bが囲い部220Bに取り付けられた第1コネクタ600に嵌合した場合、被接触部700と導電部材500とからなる導通部分は、第1コネクタ600、第2コネクタ650及びキャップ300Bの外部から水封されている。
【0081】
導電部材500の構造は、上述したものには限定されない。例えば、導電部材500は、以下のような変形が可能である。
【0082】
図15を参照して、本変形例の接続装置(図示せず)の導電部材(図示せず)は、複数の被保持部510と、複数の接触部520と、複数の延長部530と、複数の延長部残部540と、複数の連結部550とを有している。即ち、本変形例の導電部材においては、2つの延長部530の夫々が前後方向において2つに分離されることにより、少なくとも1つの連結部550と2つの延長部530の一部とが除去されている。なお、本発明はこれに限定されない。導電部材が、複数の被保持部510と、複数の接触部520と、複数の延長部530と、2つの延長部残部540と、複数の連結部550とを有している限り、導電部材を改変してもよい。ここで、本変形例の導電部材は、第1の実施の形態の変形例の導電部材500Aと同様である。従って、詳細は省略する。
【0083】
図15及び
図17を参照して、本変形例の延長部残部540の後端は、直交面内において囲い部220Bに囲まれている。より詳しくは、延長部残部540の後端は、囲い部220B内に位置している。延長部残部540の後端は、囲い部220B内において露出している。
【0084】
図15及び
図17を参照して、キャップ300Bが囲い部220Bに取り付けられた取付状態において、本変形例の延長部残部540の後端は、直交面内において筒部320Bに囲まれている。より詳しくは、上記取付状態において、延長部残部540の後端は、筒部320B内に位置している。上記取付状態において、延長部残部540の後端は、筒部320B内において露出している。
【0085】
図15、
図16及び
図17を参照して、本変形例の接続装置では、第2コネクタ650を、キャップ300Bが囲い部220Bに取り付けられた第1コネクタ600に嵌合した場合、被接触部700と導電部材とからなる導通部分は、第1コネクタ600、第2コネクタ650及びキャップ300Bの外部から水封されている。特許文献1の接続装置900は、連結部956の除去により生じた導電部材950の痕が露出孔9122内に露出するという問題がある。一方、本変形例の接続装置においても、このような問題は生じない。従って、上記導通部分、特に、延長部残部540は、水滴との接触が避けられている。
【0086】
接続装置100Bの構造は、上述したものには限定されない。接続装置100Bは、以下のように変形してもよい。
【0087】
図20を参照して、本変形例の接続装置100Cは、保持部材200Cと、キャップ300Cと、第1シール部材(シール部材)400Cと、第2シール部材570と、導電部材500と、被接触部700と、複数のケーブル800とを備えている。ここで、本変形例の第2シール部材570、導電部材500、被接触部700及びケーブル800は、上述の実施の形態と同様である。従って、詳細は省略する。
【0088】
図20を参照して、本変形例の保持部材200Cは、絶縁部材からなる。保持部材200Cは、複数の収容孔205Cと、囲い部220Cと、仕切部250とを有している。ここで、本変形例の収容孔205Cは、第1の実施の形態の収容孔205と同様である。従って、詳細は省略する。
【0089】
図20に示されるように、本変形例の囲い部220Cは、前後方向に延びている。囲い部220Cは、保持部材200Cの後端を規定している。囲い部220Cの後端は、開口している。即ち、囲い部220Cは、後端に開口部222Cを有している。囲い部220Cは、前後方向に延びる軸CXを中心として回転対称な形状を有している。
【0090】
図20に示されるように、本変形例の囲い部220Cは、2つの側部224と、2つの切り欠き部225とを有している。
【0091】
図20に示されるように、本変形例の側部224の上端は、左右方向内側に湾曲している。側部224の下端は、左右方向内側に湾曲している。2つの側部224は、保持部材200Cの左右方向両端に夫々位置している。側部224は、前後方向における保持部材200Cの後端を規定している。側部224の夫々の後端は、前後方向において連結部550の後端よりも後方に位置している。キャップ300Cが囲い部220Cに取り付けられていない状態において、導電部材500の連結部550は、左右方向外側からは側部224に遮られて視認できない。キャップ300Cが囲い部220Cに取り付けられていない状態において、導電部材500の連結部550は、右方からは側部224に遮られて視認できない。また、キャップ300Cが囲い部220Cに取り付けられていない状態において、導電部材500の連結部550は、左方からは側部224に遮られて視認できない。これにより、キャップ300Cが囲い部220Cに取り付けられていない状態において、導電部材500の連結部550は、左右方向から工具が不用意に当たることが防がれている。
【0092】
図20に示されるように、本変形例の切り欠き部225の夫々は、前後方向において前方に凹んでいる。2つの切り欠き部225は、囲い部220Cの上下方向両端に夫々位置している。切り欠き部225の夫々は、左右方向において2つの側部224の間に位置している。導電部材500の連結部550は、切り欠き部225を通して視認可能である。即ち、キャップ300Cが囲い部220Cに取り付けられていない状態において、導電部材500の連結部550は、切り欠き部225を通して上下方向に沿って視認可能となっている。キャップ300Cが囲い部220Cに取り付けられていない状態において、導電部材500の連結部550は、切り欠き部225を通して上方から視認可能となっている。キャップ300Cが囲い部220Cに取り付けられていない状態において、導電部材500の連結部550は、切り欠き部225を通して下方から視認可能となっている。これにより、使用者は、連結部550を折り取る際に、工具を上下方向外側から凹み部552に引っ掛けることができる。
【0093】
図20に示されるように、本変形例の仕切部250は、上下方向と直交する平板形状を有している。仕切部250は、前後方向における保持部材200Cの後端を規定している。仕切部250の後端は、前後方向において連結部550の後端よりも後方に位置している。仕切部250は、左右方向において2つの側部224の間に位置している。2つの側部224は、仕切部250の左右方向両端に夫々位置している。2つの側部224は、仕切部250の左右方向両端と夫々連結されている。即ち、仕切部250は、2つの側部224により補強されており、上下方向への湾曲が防がれている。
【0094】
図20から理解されるように、仕切部250は、上下方向において収容孔205Cの2列の間に位置している。仕切部250は、上下方向において被保持部510の2列の間に位置している。仕切部250は、上下方向において、2列の上側の列の被保持部510と延長部530を介して連結された連結部550と、2列の下側の列の被保持部510と延長部530を介して連結された連結部550との間に位置している。これにより、上側の列の被保持部510と延長部530を介して連結された連結部550を使用者が工具を使って折り取る際に、下側の列の被保持部510と延長部530を介して連結された連結部550に使用者が誤って工具を接触させることが避けられている。同様に、下側の列の被保持部510と延長部530を介して連結された連結部550を使用者が工具を使って折り取る際に、上側の列の被保持部510と延長部530を介して連結された連結部550に使用者が誤って工具を接触させることが避けられている。
【0095】
図20に示されるように、本変形例のキャップ300Cは、前後方向に延びる軸CXを中心として回転対称な形状を有している。キャップ300Cは、後端が閉口し、且つ前端が開口している。より詳しくは、キャップ300Cは、後面310Cと、筒部320Cとを有している。後面310Cは、キャップ300Cの後端を規定している。筒部320Cは、後面310Cの前方に位置している。筒部320Cは、後面310Cの前端に連結されている。筒部320Cは、前後方向に沿って見た場合、略トラック形状を有している。筒部320Cは、前後方向と直交する直交平面において、左右方向に長い略トラック形状を有している。
【0096】
本変形例のキャップ300Cは、囲い部220Cに取り付けられるものである。キャップ300Cが囲い部220Cに取り付けられた取付状態においては、キャップ300Cは、前後方向において接続装置100Cの後端に位置している。上記取付状態においては、キャップ300Cは、囲い部220Cの開口部222Cを封鎖している。
【0097】
上述のように、側部224及び仕切部250の夫々の後端は、前後方向において連結部550の後端よりも後方に位置している。これにより、キャップ300Cを囲い部220Cに取り付ける際、連結部550の後端がキャップ300Cの後面310Cに突き当たる前に側部224及び仕切部250の後端がキャップ300Cの後面310Cに突き当たる。即ち、側部224及び仕切部250は、キャップ300Cを囲い部220Cに取り付ける際に、連結部550の後端がキャップ300Cの後面310Cに突き当たることを防いでいる。
【0098】
図20から理解されるように、上記取付状態においては、延長部530の一部は、上下方向において切り欠き部225を通して筒部320Cの一部と対向している。
【0099】
図20から理解されるように、上記取付状態においては、連結部550は、上下方向において切り欠き部225を通して筒部320Cの一部と対向している。
【0100】
図20に示されるように、本変形例の第1シール部材(シール部材)400Cは、ゴム等の弾性を有する絶縁体からなるものである。第1シール部材400Cは、前後方向に沿って見た場合、略トラック形状を有している。第1シール部材400Cは、前後方向と直交する直交平面において、左右方向に長い略トラック形状を有している。第1シール部材400Cは、前後方向において連結部550の前方に位置している。第1シール部材400Cは、直交方向において囲い部220Cと密着している。上記取付状態においては、第1シール部材400Cは、前後方向においてキャップ300Cの後面310Cの前方に位置している。上記取付状態においては、第1シール部材400Cは、前後方向と直交する直交方向において、キャップ300Cの筒部320Cの内側に位置している。上記取付状態においては、第1シール部材400Cは、直交面内において、キャップ300Cの筒部320Cに囲まれている。上記取付状態においては、第1シール部材400Cは、直交方向において、筒部320Cと密着している。上記取付状態においては、第1シール部材400Cは、キャップ300Cと囲い部220Cとの間に介在している。
【0101】
図20から理解されるように、上記取付状態においては、第1シール部材400Cは、キャップ300Cと囲い部220Cとの間を水封(シール)している。上記取付状態においては、被接触部700及び導電部材500からなる導通部分は、保持部材200C及びキャップ300Cの外部から水封されている。
【0102】
導電部材500の構造は、上述したものには限定されない。例えば、導電部材500は、以下のような変形が可能である。
【0103】
図15を参照して、本変形例の接続装置(図示せず)の導電部材(図示せず)は、複数の被保持部510と、複数の接触部520と、複数の延長部530と、複数の延長部残部540と、複数の連結部550とを有している。即ち、本変形例の導電部材においては、2つの延長部530の夫々が前後方向において2つに分離されることにより、少なくとも1つの連結部550と2つの延長部530の一部とが除去されている。なお、本発明はこれに限定されない。導電部材が、複数の被保持部510と、複数の接触部520と、複数の延長部530と、2つの延長部残部540と、複数の連結部550とを有している限り、導電部材を改変してもよい。ここで、本変形例の導電部材は、第1の実施の形態の変形例の導電部材500Aと同様である。従って、詳細は省略する。
【0104】
図15及び
図20を参照して、本変形例の接続装置では、キャップ300Cが囲い部220Cに取り付けられた取付状態においては、被接触部700と導電部材とからなる導通部分は、保持部材200C及びキャップ300Cの外部から水封されている。特許文献1の接続装置900は、連結部956の除去により生じた導電部材950の痕が露出孔9122内に露出するという問題がある。一方、本変形例の接続装置においても、このような問題は生じない。従って、上記導通部分、特に、延長部残部540は、水滴との接触が避けられている。
【0105】
以上、本発明について、実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、種々の変形が可能である。
【0106】
本実施の形態の接続装置100,100A,100Bにおいては、第1シール部材400,400Bは、キャップ300,300Bの筒部320,320Bの直交方向における外側に設けられていたが、本発明はこれに限定されない。即ち、第1シール部材400,400Bは、キャップ300,300Bの筒部320,320Bの直交方向における内側に設けられていてもよい。なお、このように第1シール部材400,400Bをキャップ300,300Bの筒部320,320Bに設けた場合においても、キャップ300,300Bを囲い部220,220Bに取り付けた際に、第1シール部材400,400Bがキャップ300,300Bと囲い部220,220Bとの間に介在するように構成する限り、第1シール部材400,400Bは、キャップ300,300Bと囲い部220,220Bとの間を確実に水封することができる。
【0107】
本発明は2018年12月27日に日本国特許庁に提出された日本特許出願第2018-244577号に基づいており、その内容は参照することにより本明細書の一部をなす。
【0108】
本発明の最良の実施の形態について説明したが、当業者には明らかなように、本発明の精神を逸脱しない範囲で実施の形態を変形することが可能であり、そのような実施の形態は本発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0109】
100,100A,100B,100C 接続装置
200,200C 保持部材
200B 第1保持部材(保持部材)
205,205B,205C 収容孔
210 保持部
210B 第1保持部(保持部)
220,220B,220C 囲い部
222,222B,222C 開口部
224 側部
225 切り欠き部
240 嵌合部
242 被接触部収容部
250 仕切部
300,300B,300C キャップ
310,310B,310C 後面
320,320B,320C 筒部
400,400B,400C 第1シール部材(シール部材)
500,500A 導電部材
510 被保持部
5102 圧入突起
512 最左被保持部
515 最右被保持部
518 ノーマル被保持部
520 接触部
530 延長部
532 弱部(溝)
540 延長部残部
550 連結部
552 凹み部
570 第2シール部材
580 第3シール部材
600 第1コネクタ
650 第2コネクタ
660 第2保持部材
662 被嵌合部
700 被接触部
800 ケーブル
810 芯線
AX 軸
BX 軸
CX 軸
G1 第1グループ
G2 第2グループ
G3 第3グループ
P ピッチ
S サイズ