(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】球形の滑動パートナーとの滑動対を形成するためのインサート
(51)【国際特許分類】
A61F 2/32 20060101AFI20231120BHJP
【FI】
A61F2/32
(21)【出願番号】P 2020562600
(86)(22)【出願日】2019-05-06
(86)【国際出願番号】 EP2019061525
(87)【国際公開番号】W WO2019215071
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2022-04-21
(32)【優先日】2018-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511004645
【氏名又は名称】セラムテック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】CeramTec GmbH
【住所又は居所原語表記】CeramTec-Platz 1-9, D-73207 Plochingen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マテウシュ マリア ユシュチィク
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0171466(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102016222616(DE,A1)
【文献】特開平10-216162(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0032878(US,A1)
【文献】特表2016-500311(JP,A)
【文献】特表2006-516216(JP,A)
【文献】米国特許第05549693(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
球形の滑動パートナー(5,109)との滑動対を形成するためのインサート(1)であって、当該インサートは、ハーフシェル状またはリング状に形成されておりかつ球形の滑動パートナー(5,109)を受容する滑動領域(2)として形成された内面を有している、インサート(1)において、
前記滑動領域(2)は、
非半球状であり、長手方向延在長さにおいてスピンドルトーラスのスピンドル(105)の半部の部分区域(107)に対応しており、
前記滑動領域(2)の最大直径D1は、挿入しようとする前記球形の滑動パートナー(5,109)の直径よりも大きくなって
おり、
前記滑動領域(2)の最小直径D2は、挿入しようとする前記球形の滑動パートナー(5,109)の直径よりも小さくなっており、
前記スピンドルトーラスを表す円の半径r、間隙Cおよび補綴物の前記球の半径r
P
は、数式Iによれば、
C=(r-r
P
)*2 (数式I)
という関係にある、
ことを特徴とする、インサート(1)。
【請求項2】
当該インサート(1)はリング状に形成されている、請求項1記載のインサート(1)。
【請求項3】
・当該
インサート(1)をシェル(4)内に固定可能にするための緊締面(3)が少なくとも部分的に配置された外側面(6)、および
・前記滑動パートナーを挿入する第1の領域、および
・前記滑動パートナーの受容部を画定する第2の領域
を有している、前記滑動対を形成するための請求項1
または2記載のインサート(1)。
【請求項4】
当該インサート(1)は、回転軸線Rを有しており、当該
インサート(1)の前記緊締面(3)は、前記回転軸線Rに対して10°~20°の鋭角で配置されており、これにより、前記第2の領域における当該インサートの外寸は、前記第1の領域におけるよりも小さくなっている、請求項
3記載のインサート
(1)。
【請求項5】
前記緊締面(3)の角度は、18°~18.5°である、請求項4記載のインサート
(1)。
【請求項6】
前記回転軸線Rは、
前記スピンドル(105)の回転軸線Lに対して平行に配置されており、好適には該回転軸線Lに一致する、請求項4または5記載のインサート
(1)。
【請求項7】
前記緊締面(3)は、切欠きまたは接線方向の研削部の形態の複数の凹部を有している、請求項
3から6までのいずれか1項記載のインサート
(1)。
【請求項8】
10μm<C<500μmが当てはまる、請求項1から
7までのいずれか1項記載のインサート
(1)。
【請求項9】
当該インサートはセラミックである、請求項1から
8までのいずれか1項記載のインサート
(1)。
【請求項10】
当該
インサート(1)、好適には前記滑動領域(2)は、頭蓋状に拡張されている、請求項1から
9までのいずれか1項記載のインサート
(1)。
【請求項11】
少なくとも1つのシェル(4)および請求項1から
10までのいずれか1項記載のインサート(1)を含む、インプラント。
【請求項12】
前記シェル(4)は、金属製でありかつ少なくとも1mm~3mm未満、好適には2mm未満の壁厚さを有している、請求項
11記載のインプラント。
【請求項13】
少なくとも2つのシェルを含み、前記インサート(1)は第2のシェル(14)内に挿入されており、該第2のシェルは第1の前記シェル(4)に挿入されている、請求項
11または
12記載のインプラント。
【請求項14】
前記第2のシェルはプラスチック製、好適にはポリエチレン製である、請求項13記載のインプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプラントであって、内部補綴術における滑動対用のインサートを備えたシェルを有しており、インサートは、外側面および内側面もしくは内面を有しており、内面には、球形の滑動パートナーを受容するために特別に構成された滑動領域が形成されている、インプラントに関する。
【0002】
従来、内部補綴術には、金属シェルとセラミックハーフシェルインサートとから成るインプラントが用いられた。金属シェルも同様にハーフシェルとして形成されており、セラミックインサートを受容する。滑動パートナー、つまり補綴物ヘッドは球状に形成されており、セラミックインサートにより受容される。腰内部補綴術における滑動対用のセラミックインサートは半球状に形成されており、補綴物ヘッドの約50%を覆う。滑動面の中心点は、インサートの端面の平面上またはインサートの端面の平面のやや上または下に位置している。インサートの外側面は、複数の領域に分割されている。外側面の、赤道に接する領域は、緊締面を有しており、緊締面は、円錐状または円筒状に形成されていてよい。この緊締面により、シェル(大抵は金属シェル)との作用結合が生ぜしめられる。インサートは、シェル内に挿入される。このことは、製造後に既に予め組み立てることにより行われるか、または移植中に初めて行われる。
【0003】
赤道から極まで延在するインサートの外側面、つまり背面側の別の領域は、金属シェルと接触はしないが、安定性の理由から、最小壁厚さを有している必要がある。
【0004】
滑動面における、大腿骨頭と、インサートもしくは寛骨臼との間での荷重の伝達は、この対では点状もしくは環状線状に行われる。それというのも、補綴物ヘッドの球直径とインサートの球冠直径との間には、正の間隙が存在しているからである。この場合、荷重は大腿骨頭によりインサートへ軸線平行に伝達される。
【0005】
独国特許出願公開第102016222616号明細書に記載のセラミックリングインサートは、金属シェル内に挿入されかつ内側に、球形の滑動パートナーを受容する半球状の滑動面を有している。金属シェル+リングインサート用の構成深さが減じられているため、骨盤骨における、より浅いフライス切削加工が必要である。さらに、点状の荷重ではなく、生理的な荷重吸収と類似の、比較的小さな最大値を有する帯状の荷重が存在している。
【0006】
このことを起点として、球形の滑動パートナーと、セラミックインサートとの間の摩擦が低下された、外科用途用に改良されたシステムを提供する、という課題が生じた。さらに、内部補綴術用の、可能な限り廉価で安定したインプラントを開発する、という課題も生じた。
【0007】
この課題は本発明に基づき、請求項1の特徴部に記載のインサートおよび請求項12記載のインプラントにより解決される。有利な構成は、各下位請求項に記載されている。各構成は、互いに任意に組み合わせられてよい。
【0008】
本発明では、インプラントは、補綴物ヘッドの球、つまり球形の滑動パートナーを受容するために用いられる。インプラントは、骨盤の骨に位置固定されて保持されている。補綴物ヘッドの球とインサートとは、1つの滑動対を形成する。補綴物ヘッドの球は、インサート内で回転可能であることが望ましい。この場合、補綴物ヘッドの球の飛出しは回避されるべきである。
【0009】
本発明によるインプラントは、インサートが挿入されたシェルまたはソケットから形成される。
【0010】
シェルは、好適にはチタンおよび/またはコバルト含有合金および/またはクロム含有合金から成る金属シェルまたは好適にはポリエチレンから成るプラスチックシェルであってよい。シェルは、インプラントを骨に固定するために用いられる。シェルは、好適には生体適合性の金属から成っている。インサートは、好適には少なくとも部分的にセラミックであり、好適には全体がセラミックから製造されている。
【0011】
インサート、好適にはリング状のインサート(リング)とは、本発明では回転軸線L(
図1b参照)を中心として回転する横断面F(
図1b参照)から形成されたボデーを意味する。このボデーは、凹状の内面と外側面とを有している。外側面の形状は、内側面の形状とは異なって形成されていてよい。
【0012】
インサートは、端面ならびにインサート内への補綴物ヘッドの球、つまり球形の滑動パートナーの挿入を保証する入口ゾーンを含む第1の領域と、球の受容部を画定する第2の領域とを有している。1つの構成では、インサートは第2の領域が閉じられたハーフシェルに相当する。1つの別の構成では、インサートは、底面ならびに出口ゾーンを含む第2の領域が開いたリングに相当する。第1の領域、つまり受入れ領域の円形の開口は、第2の領域の開口の直径よりも大きな直径を有している。この場合、球形の滑動パートナー(以下KGと言う)の脱落を回避するために、リング状のインサートの第2の領域の円形の開口は、挿入されるべき球形の滑動パートナーの直径よりも小さくなっている。
【0013】
内面と外側面との間の結合部は、移行部を形成しており、好適にはアールを用いて形成される。丸み付けられた移行部により鋭利な縁部および角隅部が回避され、これによりインサートの安定性が改良される。これにより追加的に、取扱いが容易になる。前記アールは、好適には0.5~2mmの数値を有している。インサートの第1の領域における、外側面に対する内面の第1の移行部には、端面が含まれる。
【0014】
ハーフシェル構成の場合、外側面は閉じられて形成されている。外側面の表面展開図は、閉じられた円に相当し得る。インサートの、第1の領域とは反対の側に配置された第2の領域は、閉じられて形成されておりかつ閉じられた底面を有している。閉じられて形成されたこの底面の外側は、インサートの外側の部分である。端面が配置された第1の領域と底面との間の最大間隔は、インサートハーフシェルの高さHに相当する。閉じられた底面の内面は、インサートの内面の一部である。インサートの内面は滑動領域を有しており、滑動領域には閉じられた底面の内面が続いている。インサートの1つのハーフシェルの実施形態は、第1の開口、つまり球を挿入するための入口ゾーンを有している。閉じられた底面の内面の幾何学形状は、ドーム、半球または半球に類似した形状に相応し得る。
【0015】
リング状の構成のインサートは、第1の領域とは反対の側に第2の開口を有している。この第2の開口の直径は、第1の領域の第1の開口の直径よりも小さくなっている。これにより、インサート内へのKGの挿入を可能にすると共に制限している。リングインサートの外側面の表面展開図は、1つのリングに相当する。インサートの第1の領域とは反対の側に配置された開口に基づき、インサートは、内面と外側面との間の第2の移行部を有している。第2の移行部は、第2の領域に位置しており、インサートの高さを制限している。内面と外側面との間のこの移行部には底面が含まれる。端面と第2の移行部もしくは底面との間の最大間隔は、リング状のインサートの高さHに相当する。
【0016】
滑動領域の開始部までの、インサートの内面の丸み付けられた第1の移行部は入口ゾーンと呼ばれ、滑動領域の開始部までの、インサートの内面の丸み付けられた第2の移行部は出口ゾーンと呼ばれる。
【0017】
内面は、少なくとも部分的に回転対称に形成されている。インサート、好適にはリング状のインサートの外側面および/または外面は、部分領域において回転対称とは異なっていてよい。インサートの高さH(
図1b参照)とは、回転軸線Lに沿ったインサートの延在長さを意味する。リング状の構成において、高さHはハーフシェル構成に比べ大幅に小さくなっている。インサートの外側面は、インサートを移植しようとする骨に面した側に相当する。外面は、外側面の1つの領域であり、シェル、好適には金属シェル内でのインサートの固定に用いられる。外面の大きさは、外側の大きさと一致していてよい。外面の方が小さく形成されていてもよい。外面は様々な形をとることができ、互いにつながったまたは互いに区切られた複数の領域もしくは個別面に分割されていてもよい。個別面の形状は、同じであるかまたは異なっていてもよい。
【0018】
本発明によるインサートは、ハーフシェルまたはリングとして、従来技術による球およびシェルと協働するように形成されており、この場合、機能性が保証されている。インサートは安定性を保証するために、少なくとも3mmの壁厚さを有している。インサートの最大壁厚さは、使用される材料の焼結特性に左右され、15mmの範囲内にあり、好適には最大15mmである。リング状のインサートの高さHは、好適には5~20mmである。使用時の状況に応じて、適当な幾何学形状の寸法を有するインサートが使用される。
【0019】
インサートの内面は滑動領域を有しており、滑動領域においてKGが回転することが望ましい。インサートの滑動領域は凹状に形成されており、回転体の面の部分区域に対応する。
【0020】
インサートの滑動領域を規定する若しくは確定する回転体は、所定の回転軸線を中心として回転する円108により表されるスピンドルトーラスである。円の中心点M’/M’’と回転軸線との間の距離Aは、トーラスを表す円108の半径rよりも小さくなっている。回転軸線Lに対して平行に、中心点直線L’およびL’’が位置している。トーラスの内側にはスピンドル105が示されており、スピンドル105は、スピンドル105の長手方向最大延在長さを表しかつ回転軸線上に位置する直線の中心に位置する中心点Mを有している。スピンドル105の外面と軸線Lとの交点は、EおよびE’として示されている。つまりこの場合の面とは、前記スピンドル105の外面106である。
【0021】
インサートの滑動領域を表す部分区域107は、スピンドルトーラスの回転軸線に相当する長手方向軸線Lと点S1および点S2において垂直に交わる2つの垂直平面SおよびS’の間の領域に相当する。両交点は、E’とMとの間、つまりスピンドル105の長手方向延在長さの1/2内に位置している。S1は、スピンドル105の中心点Mに相当し得る。S2は、S1とE’との間に位置しているか、またはE’に相当する。
【0022】
つまりインサートは、その最も簡単な構成において、スピンドルトーラスのスピンドルの部分区域に相当する内側幾何学形状を有しており、この場合、端面と底面との間に位置する内面の領域は凹状に形成されておりかつ外側面の幾何学形状は回転対称とは異なっていてよい。つまり、内面の滑動領域は半球状には形成されていない、すなわち、球の形状には合致しない。滑動領域は、スピンドル105の外面106の部分区域107に一致している。部分区域107は、スピンドル105の長手方向軸線に沿ってスピンドル105の半部に位置しており、スピンドル105の長手方向軸線L上のスピンドルの中心点Mを越えて延在していない。インサートの滑動領域は、インサートの端面の方の第1の開口において最大直径D1を有している。滑動領域は、第2の開口において最小直径D2を有している。インサートの直径D1は、直径D2よりも大きくなっている。D1とD2との間のスピンドル105の直径は、D2に向かって小さくなる。
【0023】
本発明による内側幾何学形状は、KG、つまり補綴物ヘッドの球もしくは球部分の可動性を保証する。インサートの第1の開口の直径D1は、インサートに挿入されるKGの外径よりも大きくなっている。直径D2は、KGの外径よりも小さくなっている。入口ゾーンの最小直径は、好適にはD1よりも大きくなっている。
【0024】
1つの構成では、S2は点E’に相当する。S2がE’に相当する場合、インサートはハーフシェルである。ハーフシェルインサートのこの構成では、直径D2=0である、すなわち第2の開口は存在しない。
【0025】
1つの別の構成では、インサートはハーフシェルであり、S2は軸線L上でE’の上側に位置している。この構成では、内面が領域E’において平らに形成されている。これにより、インサートの高さHは小さくなる。ハーフシェルインサートのこの構成では、閉じられた底面の内面の幾何学形状が、スピンドルの幾何学形状と相違している。この場合、好適には、閉じられた底面の平らな内面は、点接触摩擦を発生させないようにするために、接触線の幾何学形状に影響を及ぼさないようにかつKG用のスペースが十分に設けられているように形成されていることに注意する。この場合は、閉じられた底面の半球形の内面または好適にはより一層平らにされた内面である。
【0026】
1つの好適な構成では、S2は軸線L上でE’の上側に位置しており、D2における滑動領域に出口ゾーンが続いている。この場合のインサートはリング形状である。リング状の構成では、脱落を回避するために、D2は、挿入されるべきKGの半径よりも小さくなっている。
【0027】
つまりKGは、内面の非半球状の滑動領域内で回転し、この場合、滑動領域は、スピンドルトーラスのスピンドルの長手方向延在長さの1/2の部分区域107に相当する。
【0028】
滑動領域の高さHGは、挿入しようとするKGの直径の少なくとも20%および最大80%、好適にはインサートの高さHの50~95%に相当する。
【0029】
滑動領域の高さは、長手方向、すなわち回転軸線Lに沿った長さに相当する。高さHGは、挿入しようとするKGの直径の、好適には少なくとも25%、特に好適には少なくとも30%、好適には最大70%、特に好適には最大60%に相当する。リング状に形成されたインサートに関して、高さHGは特に、KGの直径の最大50%である。
【0030】
1つの構成では、挿入しようとするKGは、5~70mm、好適には6~64mmの直径を有している。人間の関節補綴物用のKGは、20~70mm、好適には22~64mmの直径を有しており、動物の関節補綴物用には、5~20mm、好適には6~19mmの直径を有するKGが使用される。よってこの構成では、5mmの直径を有するKGを挿入しようとするインサートは、少なくとも1mmかつ最大4mmの高さを備えた滑動領域を有している。
【0031】
さらに1つの構成では、滑動領域(2)の高さHGは、ハーフシェル状またはリング状に形成されたインサートの高さHの少なくとも20%、好適には少なくとも35%、特に好適には少なくとも50%、かつ最大95%に相当する。リング状のインサートの出口ゾーンおよび入口ゾーンは、滑動領域の部分ではない。ハーフシェルインサートの入口ゾーンならびに平坦部が存在し得る、閉じられた底面の内面は、滑動領域の部分ではない。KGは、取付け状態においてハーフシェルインサートの入口面および閉じられた底面の内面に、好適には接触していない。
【0032】
スピンドルの幾何学形状に関して、好適には以下の条件が当てはまる。すなわち:
・Aは、LとL’’との間の距離もしくは中心点から回転軸線Lまでの水平距離である。
・rは、スピンドルトーラスを表す円の半径である。
・rPは、球形の滑動パートナーの半径、つまり補綴物ヘッドの半径である。
・Cは、間隙でありかつ数式Iによれば
C=(r-rP)*2 (数式I)
である。
間隙は、1つの構成では、(半径rPの)補綴物ヘッドの長さの製造技術的に予め設定された最大誤差と、補綴物ヘッドに適した、半球状の滑動領域を備えたインサートの長さの製造技術的に予め設定された最大誤差の和に相当する。1つの特別な構成では、C>10μm、好適には>25μm、特に好適には≧50μmかつ<500μm、好適には<350μm、特に好適には≦280μmである。
・スピンドルトーラスを表す円108の半径rは、KGの半径rPよりも大きくなっている。
【0033】
KGは、滑動領域に接触して滑動領域上で滑動し、好適にはKGはインサートの滑動領域と線接触する。
【0034】
接触線は、滑動領域内、すなわちスピンドルトーラスのスピンドル105の外面106における部分区域107内の環状線に相当する。この線は、SとS’との間の領域におけるスピンドル105の断面111の断面線に相当する。予め固定的に設定された補綴物ヘッドの半径rPおよび予め固定的に設定された間隙の場合、距離Aの変更により、リング接触部の直径もしくはリング接触線に影響を及ぼすことができる。これにより、スピンドルの長手方向軸線Lと、球形の滑動パートナーの中心点を接触線上の点110と結ぶ直線との間の角度αに影響を及ぼすことができる。角度αが大きくなると、接触線はインサートの入口ゾーンの方に向かう。角度αが小さくなると、接触線は底面または出口ゾーンの方に向かう。α=0の場合には、半球状のインサートにおいて点接触が生じる恐れがある。本発明による、ハーフシェルの形態のインサートは、スピンドル形状を有しているため、球が交点E’に接触する恐れはない。
【0035】
リング状のインサートの1つの構成では、接触線は、インサートの高さHの下半分、すなわちインサートの、第2の領域に面した半部に位置している。つまり底面または出口ゾーンから見て、接触線は高さの0~50%の範囲内に位置している。これにより、インサートからの補綴物ヘッドの脱臼つまり飛出しに抗して作用するようになっている。好適には、接触線は、底面から見たインサートの幅の10~40%、特に好適には20~30%に位置している。底面に対して間隔をあけて配置されたこの接触線は、インサート内での球の滑動を支援する、例えば関節液から成る潤滑膜の形成も可能にする。
【0036】
本発明によるインサートは、そのリング状の構成において、従来のハーフシェルインサートに比べて大幅に小さな高さひいては大幅に小さな組込み深さを有している。したがって、移植用の骨におけるフライス切削加工が、より少なくてよい。このことは、未成年または子供または動物の場合に存在することが多い、極めて小さなもしくは薄い骨、特に腰骨における人工的なインサートの使用を可能にする。高さが減じられた本発明によるインサートは、インプラントの挿入に必要とされる深さを最小限に減らすことができる、ということを可能にする。
【0037】
好適には、凹状の滑動領域は、インサートの内面の80%以上、特に好適には95%以上、特に好適には全体にわたり延在しており、これにより、内面の大部分もしくは全体が、滑動対に供与されている。
【0038】
滑動領域の中心点は、好適には端面の平面上に配置されているか、または端面の平面のやや上または下の、0~2mmの範囲内に配置されている。
【0039】
本発明によるインサートの1つの別の構成では、インサートは、好適にはインサートの部分区域における滑動領域も、長手方向軸線に沿って延長されて形成されている。つまり、インサートの高さHおよび好適には滑動領域の高さHGも、円の周囲にわたって変化する。この場合、インサートは、好適には滑動領域も、補綴物ヘッドに向かってインサートの端面を越えて形成されており、かつ/または、リングインサートの場合にはインサートの底面を越えて突出させられて/延長されて形成されている。
【0040】
インサートの、好適には滑動領域のこの拡大部は、頭蓋状の拡張部と呼ばれ、インサートの周面の一部、つまり一区分のみが含まれる。これにより、脱臼する傾向が減らされる。この場合、回転中心点は、好適には端面上または端面の下側に位置している。
【0041】
入口ゾーンの領域に配置されたインサートの一部または部分区域は、頭蓋状の高さ増大部と呼ばれる。これにより、インサートの高さHが増大されている。1つの構成では、この高さ増大部により、滑動領域も延長される。
【0042】
出口ゾーンの領域に配置されたインサートの一部または部分区域は、頭蓋状の延長部と呼ばれる。1つの構成では、この延長部により、滑動領域も拡大される。
【0043】
1つの構成では、インサートの頭蓋状の拡張部は、バスト状の張出し部または成形された突出部により形成され、その内側は、環状線により表されるインサートの受容空間もしくは内面の続きである。この場合、張出し部は、前記環状線により表される、頭蓋状の高さ増大部および/または延長部が位置する面の、好適には1/4を構成している。
【0044】
本発明によるインサートの1つの別の構成では、端面は、1つの平面内に配置されてはいない。インサートの端面および/または底面(リングインサートの場合)の連続的な勾配により、頭蓋状の拡張部が実現されている。端面(もしくは底面)の所定の位置から出発して、この端面(もしくは底面)は、180度後にその最高箇所に到達するまで連続的に上昇する。次いでこの最高点から、端面(もしくは底面)はその出発点まで、再び連続的に下降する。これにより、端面もしくは底面は、回転軸線Rに対してなだらかな角度で配置されている。このように配置され傾斜した端面のなだらかな角度は、95~105度、好適には97~101度、特に好適には99.5度である。この場合、滑動領域の中心点は、端面上または端面の下側に位置する。端面もしくは底面の連続的な上昇は、180度未満の範囲内で行われてもよい。同じことが、下降にも当てはまる。上昇部および下降部は、好適には同じ長さに形成されているが、異なる長さを有していてもよい。
【0045】
頭蓋状の拡張部に基づき、頭蓋状の拡張部の領域におけるインサートの最大高さH’は、頭蓋状の拡張部無しのインサートの高さHとは相違している。インサートの高さには、H’=H+x+yが当てはまる。1つの構成では、頭蓋状の拡張部は滑動領域の拡大も生ぜしめており、この場合、滑動領域の高さにも同様に、HG’=HG+xG+yGが当てはまる。
【0046】
頭蓋状の延長部の最大延在長さは、xで表されている。これは、断面S’と点Y’との間の距離である。つまり距離xは、点X’とY’との、回転軸線Lに沿った高さの差を表している。
【0047】
頭蓋状の延長部の滑動領域の最大延在長さは、xGで表されている。
【0048】
頭蓋状の高さ増大部の最大延在長さは、yで表されている。これは、断面Sと点Yとの間の距離である。つまり距離yは、点XとYとの、回転軸線Lに沿った高さの差を表している。
【0049】
頭蓋状の高さ増大部の滑動領域の最大延在長さは、yGで表されており、点XGとYGとの高さの差を表している。
【0050】
x=y=0が当てはまる場合には、頭蓋状の拡張部は存在しない。x>0でありかつy=0の場合には、頭蓋状の延長部が存在する。この場合、1つの好適な構成では追加的にxG>0が当てはまる。x=0でありかつy>0の場合には、頭蓋状の高さ増大部が存在する。この場合、1つの好適な構成では追加的にyG>0が当てはまる。1つの別の構成では、x>0およびy>0が当てはまり、この場合、x=/≠yでありかつxG=/≠yG≧0である。
【0051】
xとyとの距離は、使用されるべき補綴物ヘッドの球の直径に関連して正比例しており、x+yの和は、好適には2~20mm、特に好適には3~15mmである。
【0052】
頭蓋状の高さ増大部は、スピンドルの幾何学形状の構成に従う。すなわち、インサートの延長された領域、場合により頭蓋状の高さ増大部の延長された滑動領域を形成するトーラスの部分区域は、スピンドルの幾何学形状に続いている。
【0053】
1つの別の構成では、頭蓋状の拡張部を備えたインサートは、頭蓋状の拡張部の領域では最早、回転軸線Lに沿った回転対称性を有してはいない。1つの構成では、頭蓋状の拡張部のインサートの、場合により滑動領域の半径は、スピンドルの幾何学形状に基づいて定められているわけではない。この場合、滑動領域を規定する半径の値は、高さ増大部を規定する半径の値とは異なっていてよい。好適には、(高さ増大部の)この半径の値は、D1/2以下であってよい。
【0054】
この場合、頭蓋状の高さ増大部は常に、球形の滑動パートナーを挿入することができること、すなわち、開口は、KGの直径よりも大きな直径を有している、という条件を満たしていなければならない。平面Sおよびスピンドルの外面上に位置する点Xと、Xとは反対の側に位置しかつ頭蓋状の高さ増大部の最大部を表す別の点Yとの間のスピンドルの断面は、球形の滑動パートナーの挿入されるべき領域の直径に少なくとも相当する直径を有していなければならない。この場合、XはYとは互いに反対の側に位置している、すなわち、XからYまでの直線Kは、Lと交わっている。インサートの好適な最大の頭蓋状の高さ増大部は、XとYとの間の直線Kがスピンドルの中心点とも交わる場合には、直線Kから得られる。好適には、このことは、滑動領域の頭蓋状の高さ増大部にも同様に当てはまる(
図11に図示)。
【0055】
特に好適には、Yは、スピンドルの外面に位置している。この場合、内面は引き続き、スピンドルの所定の部分区域に対応しており、この場合、滑動パートナーを完全に環状に包囲するインプラントの部分は、回転軸線Lに沿ったスピンドルの半部の部分区域に対応し、この部分は、スピンドルの長手方向軸線の中心点を越えていない。
【0056】
頭蓋状の延長部の1つの構成では、頭蓋状の拡張部のインプラントの半径、場合によっては滑動領域の半径は、スピンドルの幾何学形状に基づいて定められているわけではない。この場合、滑動領域を規定する半径の値は、延長部を規定する半径の値とは異なっていてよい。好適には、(高さ増大部の)この半径の値は、D2/2以下であってよい。
【0057】
1つの別の構成では、延長された滑動領域を形成するトーラスの部分区域は、スピンドルの幾何学形状に続いている。
【0058】
この場合、頭蓋状の延長部は常に、球形の滑動パートナーがさらに脱落不能である、すなわち、開口は、KGの直径よりも小さな直径を有している、という条件を満たしていなければならない。平面S’およびスピンドルの外面上に位置する点X’と、X’とは反対の側に位置しかつ頭蓋状の延長部の最大部である別の点Y’との間に示されたスピンドルの断面は、球形の滑動パートナーの直径よりも小さな直径を有していなければならない。この場合、X’はY’とは反対の側に位置している、すなわち、X’からY’までの直線K’は、Lと交わっている(
図12に図示)。この場合、特に好適には、Y’は、スピンドルの外面上にも位置している。好適には、このことは、滑動領域の頭蓋状の延長部にも同様に当てはまる。
【0059】
外側面は、理想的な構成では少なくとも1つの部分領域において、好適には周方向に延在する(回転軸線周りの)部分領域において円錐状である。外側面の形状は、前記理想的な構成とは部分的に~完全に異なっていてもよい。それというのも、インサートの外側面は、シェル、好適には金属シェルと結合している側に相当するからである。
【0060】
インサートの外側面には、少なくとも1つの緊締面が配置されている。この緊締面は、シェル内での固定に用いられる。インサートはシェルと、形状結合式に、好適には力結合式に、特に好適には摩擦結合式に結合される。インサートの外側面は、好適には回転対称に形成されている。外側面は、回転軸線Rを有しておりかつ回転軸線Rに対して所定の角度を形成するように円錐状に形成されている。換言すると、回転軸線と外側面との間には、好適には10°~20°、特に好適には18°~18.5°の鋭角が存在している。これにより、第2の領域における外寸が第1の領域における外寸よりも小さい、円錐状のインサートが形成される。外面には緊締面が配置されており、緊締面には外側面全体が含まれていてよい。緊締面の形状が、外側面の形状とは異なっておりかつ外側面の複数の部分領域もしくは区域を含む実施形態も可能である。この緊締面を介して、インサートはシェルと形状結合式に結合される。
【0061】
1つの別の構成では、インサートの外側面は円筒状に形成されていてよく、この場合、鋭角は0°である。この場合、インサートとシェルとの間の力結合、好適には摩擦結合は、プレス嵌めを介して行われる。
【0062】
1つの好適な円錐状または円筒状の構成では、回転軸線Rは、スピンドルの回転軸線Lに対して平行であり、特に好適には、回転軸線Rは、回転軸線Lに相当する。
【0063】
1つの別の構成では、回転軸線Lは、好適には頭蓋状の延長部を備えたリング状のインサートにおいて円錐状または円筒状に形成されたインサートの外側面の回転軸線Rには相当しない。好適には、この回転軸線Rは回転軸線Lと、特に好適には滑動領域の範囲内で交わっている。好適には、回転軸線Rは、頭蓋状の延長部を備えた・備えないリング状のインサートの底面の最大延在長さを点X’とY’とにおいて互いに結び付ける直線K’に対して垂直に交わるように配置されている。このようなインサートが従来のシェルに挿入された場合、頭蓋状の延長部は頭蓋状の高さ増大部として現れ、内側幾何学形状は、頭蓋状の高さ増大部から傾けられたスピンドルに対応している(
図12に図示)。
【0064】
本発明によるリング状のインプラントを備えた関節は、シェルの内側面と、補綴物ヘッドの球の表面との間に、自由空間を有している。これにより、関節の運動の自由が保証されている。
【0065】
本発明によるリング状のインサートの1つの構成では、周方向に延在する緊締面が、複数の凹部により中断されている。凹部は、インサートの幅に沿って配置されており、端面と底面とを結んでいる。凹部は、回転軸線に対して平行に配置されていてよい。これらの凹部により形成される開口は、シェルの内側面と補綴物ヘッドの球の表面との間の自由空間から液体が流出し得る、ということを可能にする。凹部は、インサートの幅全体にわたり延在する複数の切欠きまたは接線方向の研削部として形成されていてもよい。好適には、少なくとも2つの凹部がインサートの緊締面に対称に配置されている。
【0066】
インサートの壁厚さは、少なくとも3mmである。この3mmの最小壁厚さは、凹部の最大延在長さの領域、つまりインサートの最薄箇所においても存在している。これにより、インサートの安定性が保証され得る。
【0067】
リングインサートの構成では、インサートは、好適には5~20mm、特に好適には10~15mmの高さHを有している。この高さHの場合には、スペースがあまり必要とされないのにもかかわらず、リングインサートとシェルとの間に確実な結合を生ぜしめるためには意外にも、形状結合、好適には力結合、特に好適には摩擦結合により生ぜしめられる緊締力で足りる。本発明によるリングインサートは、減じられた高さHに基づき、ハーフシェルとして形成された従来のインサートの約半分の高さHしか有していない。このリングインサートに基づき、半円弧があまり高くない、またはリングインサートの第2の領域の下側に位置する半円弧の部分がよりなだらかに形成されたシェルが使用され得る。唯一の条件は、補綴物ヘッドの球の自由な運動である。補綴物ヘッドの球は、リングインサート内で滑動し、シェルに接触はしない。リングインサートのより小さい幅に基づき、リングインサートを受容するシェルは、1つの構成では従来のインサートを使用する場合よりも浅く加工成形されている。つまり、本発明によるインプラントの挿入には、あまりスペースが必要とされない。このことは、患者の骨を傷めないようになっている。本発明によるインプラントの1つの構成では、複数の凹部が、例えばシェルにおける穴または孔の形態で設けられている。これにより、固定手段、例えばねじを用いてシェルを骨に固定することができるようになっている。
【0068】
ハーフシェル状に形成されたインサートの場合には、まず金属シェルのねじ締結が行われ、次いでインサートが組み込まれる。
【0069】
リング状のインプラントの構成では、前記穴は好適には、リングインサートの取付け状態において骨に固定するために接近可能であるように、シェルに配置されている。リングインサートはリング状に形成されているため、シェルの内側面の少なくとも1つの部分領域は、インサートが既に取り付けられた状態でも接近可能である。これにより、穴が適当に配置されていると、シェルを、取り付けられたリングインサートと共に、例えばねじ等の固定手段を用いて骨に固定することもできる。
【0070】
従来の金属シェルは、骨に組み込む際の金属シェルの歪みに抗して作用するように、2~8mmの壁厚さを有している。金属シェルは、骨に挿入する際に打ち込まれ、このことは、金属シェルの変形を招く恐れがある。これにより、インサートまたはリングインサートの挿入は大幅に難しくなる。本発明による、好適にはリング状のインサートが移植前に既に金属シェル内に挿入される場合、すなわち事前に取り付けられる場合には、金属シェルは、より薄く形成されていてよい。つまり、3mm未満、好適には2mm未満の、ただし少なくとも1mm、好適には1.5mmの、より小さな厚さを有する金属シェルが可能である。取り付けられた(好適にはセラミックの)リングインサートは、シェルと共に、組込み時の金属シェルの変形もしくは歪みに抗して作用する、1つの安定的な複合体を形成する。リングインサートは、金属シェルの形状を保つ。金属シェルにおける複数の穴の特別な配置形式は、リングインサートが取り付けられた状態でも、固定手段、好適にはねじを用いたインプラントの固定を可能にする。
【0071】
好適には、リングインサートはユーザへの引渡し前に、外面でもってシェルに取り付けられる、すなわちシェルと形状結合式に、好適には力結合式に、特に好適には摩擦結合式に結合される。つまりリングインサートは、好適には摩擦結合またはプレス嵌めによりシェル、好適には金属シェル内で、その位置を保たれる。
【0072】
本発明によるインプラントは、モジュール式に構成されており、同じ内側幾何学形状において異なる大きさの外寸を有することができる。本発明によるインプラントのインサートも同様に、同じ内側幾何学形状において異なる外寸を備えて製造され得る。これにより、異なる大きさのインサートが、好適には1つの緊締面を介して、異なる大きさのシェルと摩擦結合式に結合され得る、ということが可能である。この場合に重要なのは、インサートの緊締面が、シェルの緊締面と作用結合状態にありかつ力結合式の結合が可能である、という点である。モジュールシステムは、異なる寸法を有する複数のシェルと、異なる寸法を有する複数のインサートとから成る。この場合の選択は、挿入しようとする補綴物のヘッドの直径およびインプラントと補綴物のヘッドとにより代替されるべき患者の関節の幾何学形状に応じて行われる。
【0073】
本発明によるインプラントの1つの構成では、インサートは、第1の領域の方向においてシェルと同一平面において合致しており、1つの別の構成では、インサートは第1の領域の方向においてシェルを越えて突出しているが、例えば緊締面を介してシェルと摩擦結合式に結合されている限りは、確固とした嵌合が保証されている。
【0074】
1つの特に好適な構成では、本発明によるインプラントは、追加的に第2のシェル、すなわちバイポーラシェルを有している。このバイポーラシェルは、インサートと第1のシェルとの間に配置されている。これにより、バイポーラシステムが生じることになる。補綴物ヘッドの球は、インサート内に配置されており、インサートと共に動作して作用する。インサートと第1のシェルとの間には、第2のシェルが可動に配置されている。インサートは、バイポーラシェルと形状結合式または力結合式に、好適には摩擦結合式に結合されている。この特別な配置形式に基づき、運動の自由が増大されると共に、脱臼のリスクが大幅に減じられる。補綴物ヘッドの球は、インサート内で可動であり、追加的に第2のシェルが、第1のシェル内に可動に配置されている。この配置形式に基づき、2つの支点が生じることになる。第1の支点を中心として球が動き、第2の支点を中心として第2のシェルが動く。これにより、関節の可動角度が大きくなる。拡張された回転の可能性が生じる。この場合、1つの構成では、第2のシェルは、金属、セラミックまたはプラスチックから成り、好適にはプラスチック、特に好適にはポリエチレンから製造されている。プラスチック製のバイポーラシェルの壁厚さWBは、6~10mmである。インサート、好適にはリングインサートは、バイポーラシェルと形状結合式にかつ/または力結合式に結合されている。これにより、シェルとインサートとから成る、ほぼ一体の部品が形成されることになる。
【0075】
本発明によるインプラントの1つの別の構成では、第2のシェルは、インサート、好適にはリングインサートを受容することができる受容空間を有している。シェルの受容空間と、インサートの外寸とは、取付け時にシェルとインサートとの間に形状結合式かつ/または力結合式の結合が生じ得るように、互いに合わせられている。バイポーラシェルの内面は、インサートの外形に合わせられており、相応して成形されていてよい。受容空間は、インサートの挿入を制限する面を有している。取付け状態において、受容空間の面と底面とは互いに接触し合う。第2のシェルは、それぞれ異なる壁厚さの複数の領域を有していてよい。第2のシェルの外側面は、好適には半球状に形成されており、これにより、第2のシェルと第1のシェルとの間の可動性が保証される。
【0076】
1つの別の構成では、インサートは、プラスチックシェル内に挿入されており、プラスチックシェルを越えて第1の領域の方に突出している。
【0077】
本発明によるインプラントの1つの特別な構成では、2つの支点、すなわち第1および第2の支点が互いに間隔をあけて配置されている。2つの支点は、好適には回転軸線の延長部に位置しているが、回転軸線に対して平行に配置された1つの線上に位置していてもよい。2つの支点の間隔aは、0.1mm~5mm、好適には1.5~2.5mmである。2つの支点がずらされて配置されている場合には、第1の支点から第2のシェルの外側面までを測定した半径が連続的に変化する。この半径変化は、壁厚さが最小半径から出発して増大することにより行われてよい。この場合、第2のシェルの壁厚さおよび/またはインサートの壁厚さが変化し得る。
【0078】
1つの構成では、バイポーラシェルの内面は、半球形状とは異なって形成されている。球は、インサート内で滑動し、バイポーラシェル内では滑動せず、リングインサートの滑動面にのみ接触する。バイポーラシェルの外側面は、好適には半球状に形成されており、第1のシェル内で滑動する。1つの構成では、内部でバイポーラシェルが滑動するシェルの内側面の幾何学形状は半球状であり、1つの別の構成では、内側幾何学形状は、本発明によるインサートの規則に従っている。
【0079】
1つの好適な構成では、リングインサートは移植前に、バイポーラシステムにおいて使用するために外面でもってバイポーラシェル内に取り付けられる。これにより、予め組み立てられたインプラントが生じることになる。
【0080】
1つの好適な構成では、補綴物ヘッドの球も同様にセラミックから成っている。補綴物ヘッドの球は、本発明によるシステムにおいて好適にはセラミックのインサート内で滑動するため、球ヘッド側にセラミック-セラミックの滑動対が生じる。このインタフェースは、補綴物ヘッドの球がプラスチック製のバイポーラシェル内に受容される従来のバイポーラシステムでは、摩耗に関して危機的であると見なされる。それというのも、そこにはセラミック-プラスチックの滑動対が生じるからである。本発明によるシステムでは、主に運動する関節面において使用中の摩耗が大幅に減じられ、システム全体の摩耗が大幅に少なくなっている。
【0081】
利点として以下の点が生じる。すなわち:
・リング状の構成におけるインプラントのより小さな高さ、したがって例えば骨盤骨において極少量のフライス切削加工が必要とされている。このことは、存続する骨が小さいまたは少ない場合でも移植を可能にする。
・点状の荷重ではなく、生理的な荷重吸収と類似の、比較的小さな最大値を有する線状の荷重。
・半球状のインサートに比べ、本発明による幾何学形状では、接点に対してより小さな押圧力が生ぜしめられる。
・本発明による幾何学形状を備えたインサートは、従来のシェルおよび球形の滑動パートナーと無制限に組み合わせることができる。
・変更された幾何学形状は、周知の製造法が適用可能であるため、製造コストに不都合な影響を及ぼすことはない。
・製造および販売における材料の節減ならびにリングインサートの体積の削減(例えば加工装置における使用スペース)に基づき、コスト面での利点が得られる。
【0082】
本発明は、内部補綴術における滑動対用のインプラントであって、少なくとも1つのシェルを有しており、シェルに、好適にはセラミックのインサートが挿入されたインプラントを説明する。インサートは、外側面および内側面を有しており、球形の滑動パートナーを受容する内側面に滑動領域を備えておりかつシェル(4,14)内に固定する外側面に面を備えている。
【0083】
球形の滑動パートナーとインサートとの間の摩擦を最小限にするために、インプラントの適合された内側幾何学形状を提案する。
【0084】
まとめると、球形の滑動パートナー(5)との滑動対を形成するための(好適にはセラミックの)インサート(1)が、ハーフシェル状またはリング状に形成されておりかつ球形の滑動パートナー(5)を受容する滑動領域(2)として形成された内面を有している。滑動領域(2)は、スピンドルトーラスのスピンドルの長手方向延在長さにおいて半部の部分区域に対応する。滑動領域(2)の高さHGは、挿入しようとする球の直径の20~80%に相当し、好適にはインプラントの高さの50~95%に相当する。
【0085】
インプラント(1)は、好適には滑動パートナーを挿入する第1の領域と、滑動パートナーの受容部を画定する第2の領域とを有している。さらにインプラントは、球形の滑動パートナー(5)を受容する滑動領域(2)として形成された内面、リングインサート(1)をシェル(4)内に固定するための緊締面(3)が少なくとも部分的に配置された外側面(6)、第1の領域において内側面の、外側面への移行部を成す端面(10)、および端面(10)とは反対の側で第2の領域に位置する底面(9)を有している。インプラントの滑動領域(2)は、スピンドルトーラスのスピンドルの長手方向延在長さにおいて半部の部分区域に対応する。
【0086】
本発明によるリングインサートの有利な実施例を図面において説明する。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【
図1b】
図1aに示したリングインサートの横断面図である。
【
図2】本発明によるインプラントの1つの実施例を示す図である。
【
図3】
図2に示したインプラントの横断面図である。
【
図4a】リングインサートの1つの実施例を示す図である。
【
図4b】リングインサートの別の実施例を示す図である。
【
図5】本発明によるインプラントの一例を示す横断面図である。
【
図6】インプラントの別の実施例を示す横断面図である。
【
図7】本発明によるインプラントのさらに別の実施形態を示す横断面図である。
【
図8】従来のインサート(
図8a)、従来のリングインサート(
図8b)およびリング状に形成された本発明によるインプラント(
図8c)における、球形の滑動パートナーの接点を示す図である。
【
図9】
図9a~
図9cは、スピンドルの幾何学形状を示す図である。
【
図10】本発明によるインプラントの1つの好適な構成を示す図である。
【
図11】1つの好適な構成における頭蓋状の高さ増大部の幾何学形状を示す図である。
【
図12】1つの好適な構成における頭蓋状の延長部の幾何学形状を示す図である。
【0088】
図1aおよび
図1bに示す、本発明によるインサート1は、本発明によるインプラントの一部である。
図1aは、このインサート1の外見を示す図であり、
図1bは、
図1aに示した回転軸線Lに沿った断面を示す図である。インサート1は、スピンドルの(非半球状の、共有の)滑動領域2または内面とも言う、内側部分を有している。股関節補綴物の場合はこの内面に補綴物ヘッド5が連接する(
図2参照)。インサート1の外側面6には外面、好適には緊締面3が配置されており、緊締面3を介してインサート1をシェル4,14内で固定することができる。インサートの高さHは破線で図示されており、端面10、つまり第1の領域から、底面9、つまり第2の領域まで延在している。高さは、5~20mmである。Lは、回転軸線を表す。
【0089】
図2には、リングインサート1として形成されシェル4に挿入された本発明によるインサートが、横断面図で示されている。リングインサート1内には補綴物ヘッド5が挿入されている。球5もしくは球形の滑動パートナーとシェル4との間には、凹部13の形態の自由空間19が看取される。
【0090】
図3には、金属シェル4内に挿入された本発明によるリングインサート1が断面図で示されている。リングインサート1は、内側のリング部分、球面もしくは半球状の滑動領域2を有している。符号3は緊締面を表す。緊締面3は、周方向に延在するように形成されていてよく、ひいては外側面6の寸法はリングインサート1の寸法に相当していてよい。これとは異なり、緊締面3は外側面6の部分領域のみを含むと共に、様々な形状を有していてもよい。緊締面3には、複数の凹部もしくは中断部(図示せず)が存在していてもよい。
【0091】
図4a)には、リングインサート1の第1の領域、つまり端面10の連続的な勾配により実現された、高さxを有する頭蓋状の高さ増大部を備えたリングインサート1が示されている。この場合、滑動面(滑動領域)2の中心点は、端面10により形成される平面上に位置する。
【0092】
図4b)に示すリングインサート1の頭蓋状の高さ増大部は、高さxのバスト状の張出し部または成形された突出部により達成され、この場合、頭蓋状の高さ増大部の内側は、リングインサート1の滑動領域2、つまり半球状の受容空間もしくは内側面2の続きである。
【0093】
図5に示すリングインサート1は、第2のシェル14の受容空間15内、つまりポケット内に挿入されている。受容空間15の内部形状は、リングインサート1の外形に対応している。両形状は、リングインサート1が第2のシェル14の受容空間15内に摩擦結合式にかつ/または相対回動不能に受容され得るように、互いに適合させられている。この場合、受容空間15は、リングインサートの挿入を制限する面18を有している。取付け状態において、受容空間15の面18と底面9とは互いに接触し合う。
【0094】
図6に示すリングインサート1は、第2のシェル14内に摩擦結合式に挿入されており、この場合、第2のシェル14は、リングインサート1の挿入深さを制限する手段を一切有していない。
【0095】
図7に示す本発明によるインプラントは、リングインサート1、第2のシェル14およびシェル4を有している。リングインサート1の滑動領域の内側面2の中心点16、つまり第1の支点16は、シェル14の第2の支点17に対して間隔をあけて配置されている。
【0096】
図8a)には従来のインサートの摩擦が生じる可能性の最も高い位置、
図8b)には従来のリングインサートの摩擦が生じる可能性の最も高い位置、および
図8c)にはリング状のインサートを備えた本発明によるインプラントの摩擦が生じる可能性の最も高い位置がそれぞれ略示されている。公知の半円形のインサートの場合、インサートとKGとの間の接点100は、インサートの底部に位置している。公知のリング状のインサートの場合(
図8b)、インサートとKGとの間の接触部101は線101上に位置している。この場合は線接触、つまり線上の摩擦である。前記線101は、底面9付近の領域に配置されている。本発明によるインプラントでは、相応に形成された幾何学形状に基づき、接触線は、底面9から端面10の方に離間された平面111上に配置されている(
図8c)。
【0097】
図9には、本発明によるインサートの内側幾何学形状の算出法が示されている。
図9a)においてスピンドルトーラス105は、中心点M’/M’’を有しかつスピンドルの長手方向軸線Lに相当する回転軸線を中心として回転する、半径rを有する円108によって形成される。軸線L’およびL’’は、Lに対して平行でありかつ円108の中心点M’,M’’を通って延びている。L’/L’’とLとの間の距離は、半径rよりも小さい。スピンドルは、点EおよびE’において長手方向軸線Lと交わる。
【0098】
図9b)に、部分区域107の確定法を明示する。スピンドルの部分区域107は、半部105に位置しておりかつ長手方向軸線Lに対して垂直な平面(SおよびS’)により形成される。これらの平面は、点S1およびS2においてLと交差しており、この場合、S1=Mであるか、またはS1はMとE’との間に位置しており、かつS2=E’であるか、またはS2はS1とE’との間に位置している、と言える。つまり両交点S1,S2は、スピンドルの半部に位置しており、スピンドルの中心を越えてはいない。第1の領域における直径D1は、第2の領域における直径D2よりも大きく、この場合、D1は、挿入されるべきKGの直径よりも大きくなっている。D2は、挿入されるべきKGの直径よりも小さくなっており、これにより、(リング状のインサートの場合には)KGの脱落が防止される。
【0099】
図9c)には、KG109と、スピンドルの外面106に対応しているインプラント1の滑動面2との間の接触線112の断面111が示されている。接触線112は、球形の滑動パートナー109における断面111に相当する。スピンドル形状に基づき、端面10の領域は、球形の滑動パートナーに向かってもしくは長手方向軸線Lに向かって傾斜している。その結果、直径D1は、同一の半球状の滑動領域の同じ箇所で測定した直径に比べ、より小さな値を有することになる。これにより、その上で球形の滑動パートナー109が移動する接触線112は、底面9から離反してインプラントの端面10の方に移動している。
【0100】
図10は、中心点M
Pおよび半径r
Pを有するKGが挿入された、リング状に形成されたインサート1において図示された非半球状の滑動領域2の高さH
Gを示している。滑動領域2は、長手方向延在長さにおいてスピンドルトーラスのスピンドルの半部の部分区域107に対応する。環状線212,212’は、位置確認のためだけに用いられるに過ぎない。部分区域107は、端面10の領域では入口ゾーン214により画定されておりかつ底面9の領域では出口ゾーン216により画定されている。入口ゾーン214および出口ゾーン216は、滑動領域2には属さず、したがって必ずしもスピンドル幾何学形状に一致するわけではない。間隙Cは、数式C=(r-r
P)*2から求められる。KGは、滑動面2において、平面111により表された環状線上で滑動する。
【0101】
図11には、滑動領域の頭蓋状の拡張部の領域201が示されている。頭蓋状の拡張部の高さy
Gは、基準平面Sと滑動領域2の入口ゾーン214の方の端部との交点と、点Y
Gとの間に存在している。この場合、点Y
Gは、Lと交わる直線K
G上に位置している。直線K
Gは、基準平面Sとスピンドルの外面106における滑動領域2の端部との交点X
Gと、点Y
Gとの間に延びている。この場合、点X
GとY
Gとは、滑動領域2の各終端点を通って延在する1つの平面上に配置されている。2つの点X
GとY
Gとは、互いに間隔をあけて配置されている。頭蓋状の高さ増大部が対称に形成されている場合、すなわち上り勾配と下り勾配とが等長でありかつそれぞれ180°にわたり延在している場合には、点X
Gは点Y
Gに対向して配置されている。この場合、点X
Gは点Y
Gから180°離れて位置している。このような実施例では、頭蓋状の高さ増大部のなだらかな上り勾配が実現され得る。頭蓋状の高さ増大部の上り勾配もしくは下り勾配がより急峻に形成されている場合には、2つの点X
Gが設けられていてよい。これらの点において、頭蓋状の高さ増大部の傾斜が始まるもしくは終わる。頭蓋状の高さ増大部が形成されていない、これら2つの点X
Gの間では、インサートは高さ増大部もしくは凹部無しで扁平、平らに形成されていてよい。図示の好適な構成では、直線K
Gはスピンドルの中心点とも交わっており、Y
Gは、スピンドルの外面に位置している。頭蓋状の高さ増大部を備えたインサートの滑動領域の高さH
Gに関しては、H
G’=H
G+yが当てはまる。インサートの高さを起点として、インサートの頭蓋状の拡張部についても同じ関係式を立てることができる。
【0102】
図12には、インサートの頭蓋状の延長部の領域202が示されている。この領域は、直線K’上の点Y’と断面S’との間に生じている。直線K’は、平面S’上およびスピンドルの外面106上に位置する点X’から、X’とは反対の側に位置しておりかつ頭蓋状の高さ増大部の最大部を表す別の点Y’に向かって延びている。この場合、X’はY’とは反対の側に位置している、すなわち、X’からY’までの直線は、Lと交わっている。インプラントの高さには、H’=H+xが当てはまる。領域205は、インサートの緊締面に相当する。この領域は、好適には図示のように、底面の領域におけるインプラントの最大範囲を示す直線K’に対して平行である。つまりこの緊締面の回転軸線Rは、直線K’に対して垂直である。この場合、このようなインサートは、頭蓋状の高さ増大部を備えたインサートと見なされ、その内側幾何学形状は、スピンドルの部分区域の形態で頭蓋状の高さ増大部から傾けられている。
【符号の説明】
【0103】
1 インサート
2 滑動領域
3 外面、面、緊締面
4 シェル
5,109 補綴物のヘッド、球
6 外側面
7 緊締面
8 インプラント
9 底面
10 端面
13 凹部
14 第2のシェル、バイポーラシェル
15 受容空間、ポケット
16 第1の支点
17 第2の支点
18 面
19 自由空間
20 高さ増大部
100 接点
101,112 環状接触部、接触線
105 スピンドル
106 スピンドルの外面
107 スピンドルの部分区域
108 スピンドルトーラスを表す円
110 正接点
111 接触線の断面
112 接触線
201 滑動領域の頭蓋状の高さ増大部の領域
202 インプラントの頭蓋状の延長部の領域
205 緊締面の領域(点で図示)
212,212’ 環状線(方向付け補助)
214 入口ゾーン
216 出口ゾーン
A スピンドルトーラスを表す円の中心点Mからの回転軸線の距離
C 間隙
D1 第1の領域に配置された、滑動領域の最大直径
D2 第2の領域に配置された、滑動領域の最小直径
E,E’ スピンドル外面とLとの交点
F 横断面
H インプラントの高さ
HG 滑動領域の高さ
K 頭蓋状の高さ増大部を表す直線
KG 滑動領域の頭蓋状の高さ増大部を表す直線
K’ 頭蓋状の延長部を表す直線
KG 球形の滑動パートナー
L スピンドルの長手方向軸線、回転軸線
L’,L’’ スピンドルトーラスを表す円の中心点を通る、Lに対して平行な軸線
M スピンドルの中心点
M’,M’’ スピンドルトーラスを表す円の中心点
MP 球形の滑動パートナーの中心点
r スピンドルトーラスを表す円の半径
rP 球形の滑動パートナー(KG、補綴物ヘッド)の半径
R 緊締面の回転軸線
S,S’ Lに対する垂直面
S1,S2 垂直面S,S’の、長手方向軸線L上の交点
X 頭蓋状の高さ増大部無しのインプラントの、端面の方の最大部
XG 頭蓋状の高さ増大部無しの滑動領域の、端面の方の最大部
X’ 頭蓋状の延長部無しのインプラントの、底面の方の最大部
x 頭蓋状の高さ増大部の高さの差
Y 頭蓋状の高さ増大部のインプラントの最大部
YG 頭蓋状の高さ増大部の滑動領域の最大部
Y’ 頭蓋状の延長部のインプラントの最大部
y 頭蓋状の延長部の高さの差