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特許7387682駆動回路およびそれを用いたディスプレイ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】駆動回路およびそれを用いたディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20231120BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 642A
G09G3/20 624B
G09G3/20 623A
G09G3/20 621K
G09G3/20 650J
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021133197
(22)【出願日】2021-08-18
(65)【公開番号】P2022034553
(43)【公開日】2022-03-03
【審査請求日】2021-08-18
(31)【優先権主張番号】10-2020-0103392
(32)【優先日】2020-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】尚 于 圭
(72)【発明者】
【氏名】鄭 紋 須
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-112795(JP,A)
【文献】特開2017-083813(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0211475(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
H10K 59/10
H10K 50/10
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素電極およびカソード電極を含むエレクトロルミネッセンス素子に接続された画素回路を駆動するためのディスプレイドライバであって、
前記ディスプレイドライバは、第1リフレッシュレートと、前記第1リフレッシュレートよりも低い第2リフレッシュレートとの間で切り替えるように、前記画素回路を駆動するための信号を生成するように構成され、
画素は、リフレッシュフレーム期間およびホールドフレーム期間を通して駆動され、
前記画素回路は、
ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極を有し、前記エレクトロルミネッセンス素子に駆動電流を供給する駆動トランジスタ(DT)と、
前記ディスプレイドライバから供給される第1走査信号に従って、前記駆動トランジスタの前記ドレイン電極と前記ゲート電極を接続するように構成された補償トランジスタ(T1)と、
発光信号生成装置から供給される発光信号に従って、前記駆動トランジスタの前記ドレイン電極と前記エレクトロルミネッセンス素子の前記画素電極を接続するように構成された発光制御トランジスタと、
前記ディスプレイドライバから供給される第2走査信号に従って、前記駆動トランジスタの、前記エレクトロルミネッセンス素子側の電極である前記ドレイン電極に第1バイアス電圧を印加するように構成された第1バイアストランジスタ(T5)と、
前記ディスプレイドライバから供給される第3走査信号に従って、前記エレクトロルミネッセンス素子の前記画素電極に第2バイアス電圧を印加するように構成された第2バイアストランジスタ(T6)と
を含み、
前記第1バイアス電圧は、第1電圧と、前記第1電圧よりも高い第2電圧を有し、
前記リフレッシュフレーム期間は、
前記発光制御トランジスタをオンからオフにし、前記第1および第2バイアストランジスタをオフからオンにし、前記駆動トランジスタの前記ドレイン電極に前記第1バイアス電圧の前記第2電圧を印加し、および前記エレクトロルミネッセンス素子の前記画素電極に前記第2バイアス電圧を印加し、ついで、前記第1および第2バイアストランジスタをオンからオフにする第1バイアス期間と、
前記補償トランジスタ、前記第1バイアストランジスタ、および前記第2バイアストランジスタをオンにし、前記発光制御トランジスタのオフ状態を維持して、前記駆動トランジスタの前記ゲート電極の電圧を前記第1電圧に初期化する初期化期間と、
前記第1および第2バイアストランジスタをオンからオフにし、前記補償トランジスタのオン状態を維持し、前記発光制御トランジスタのオフ状態を維持し、前記駆動トランジスタの前記ソース電極にデータ電圧を一定時間印加して、前記駆動トランジスタの閾値電圧をサンプリングするサンプリング期間と、
前記補償トランジスタをオンからオフにし、前記第1および第2バイアストランジスタをオフからオンにし、前記発光制御トランジスタのオフ状態を維持し、前記駆動トランジスタの前記ドレイン電極に前記第1バイアス電圧の前記第2電圧を印加し、および前記エレクトロルミネッセンス素子の前記画素電極に前記第2バイアス電圧を印加し、ついで、第1および第2バイアストランジスタをオンからオフにする第2バイアス期間と、
前記発光制御トランジスタをオフからオンにして、前記エレクトロルミネッセンス素子に前記駆動電流を供給して前記エレクトロルミネッセンス素子を発光させる発光期間と
を含み、
前記第1リフレッシュレートから前記第2リフレッシュレートに切り替える前後に、前記第1バイアス電圧の前記第2電圧または前記第2バイアス電圧は動的に制御される
ディスプレイドライバ。
【請求項2】
前記第2リフレッシュレートに切り替えた後の第1リフレッシュフレーム期間において前記駆動トランジスタの前記ソース電極にデータ電圧を印加しない、請求項1に記載のディスプレイドライバ。
【請求項3】
前記第1バイアス電圧の前記第2電圧は、前記第2リフレッシュレートに切り替えた後の前記第1リフレッシュフレーム期間において、第1レベルだけ高い電圧に制御される、請求項2に記載のディスプレイドライバ。
【請求項4】
前記第1バイアス電圧の前記第2電圧は、前記第2リフレッシュレートに切り替えた後の前記第1リフレッシュフレーム期間の後のリフレッシュ期間において第2レベルだけ高く、
前記第1レベルは、前記第2電圧の5%であり、前記第2レベルは前記第2電圧の3%である、請求項3に記載のディスプレイドライバ。
【請求項5】
前記第2バイアス電圧は、前記第2リフレッシュレートに切り替えた後の前記第1リフレッシュフレーム期間において第1レベルだけ低い電圧に制御される、請求項2に記載のディスプレイドライバ。
【請求項6】
前記第1バイアス電圧の前記第2電圧は、前記第2リフレッシュレートに切り替えた後の前記ホールドフレーム期間において第1レベルだけ低い電圧に制御される、請求項1に記載のディスプレイドライバ。
【請求項7】
前記第2バイアス電圧は、前記第2リフレッシュレートに切り替えた後の前記ホールドフレーム期間において前記第1レベルだけ高い電圧に制御される、請求項6に記載のディスプレイドライバ。
【請求項8】
前記第2バイアス電圧は、前記第2リフレッシュレートに切り替える替えた後の前記、前記ホールドフレーム期間において前記第1レベルだけ高い電圧に制御される、請求項6に記載のディスプレイドライバ。
【請求項9】
前記第2リフレッシュレートに切り替えた後、前記第1バイアス電圧の前記第2電圧は、前記リフレッシュフレーム期間において第1レベルだけ高い電圧に制御され、前記ホールドフレーム期間において前記第1レベルだけ低い電圧に制御される、請求項1に記載のディスプレイドライバ。
【請求項10】
前記第1バイアス電圧の前記第2電圧は、前記第2リフレッシュレートに切り替える直前の前記ホールドフレーム期間において第1レベルだけ高い電圧に制御される、請求項1に記載のディスプレイドライバ。
【請求項11】
前記第2走査信号は、前記第3走査信号と同じである請求項1に記載のディスプレイドライバ。
【請求項12】
前記画素が前記第1リフレッシュレートで駆動されるとき、前記リフレッシュフレーム期間および前記ホールドフレーム期間が交互に駆動され、
前記画素が前記第2リフレッシュレートで駆動されるとき、1回のリフレッシュフレーム期間と、前記1回のリフレッシュフレームに続く複数回のホールドフレーム期間が交互に駆動される、請求項1に記載のディスプレイドライバ。
【請求項13】
前記第2電圧は、前記ディスプレイドライバから供給されるデータ電圧よりも高い、請求項1に記載のディスプレイドライバ。
【請求項14】
前記画素回路は、前記ディスプレイドライバから供給される発光信号に従って、前記駆動トランジスタの前記ドレイン電極を、前記エレクトロルミネッセンス素子の前記画素電極に接続するように構成された発光制御トランジスタをさらに備える、請求項1に記載のディスプレイドライバ。
【請求項15】
請求項1に記載のディスプレイドライバを備えるディスプレイ装置。
【請求項16】
エレクトロルミネッセンス素子と、
前記エレクトロルミネッセンス素子に駆動電流を供給するように構成された画素回路と、
前記画素回路を駆動するためのドライバと
を含み
前記画素回路は、
ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極を有し、前記エレクトロルミネッセンス素子に駆動電流を供給する駆動トランジスタ(DT)と、
前記ドライバから供給される第1走査信号に従って、該駆動トランジスタの該ドレイン電極と該ゲート電極を接続するように構成された補償トランジスタ(T1)と、
発光信号生成装置から供給される発光信号に従って、前記駆動トランジスタの前記ドレイン電極と前記エレクトロルミネッセンス素子の画素電極を接続するように構成された発光制御トランジスタと、
前記ドライバから供給される第2走査信号に従って、前記駆動トランジスタの、前記エレクトロルミネッセンス素子側の電極である前記ドレイン電極に第1バイアス電圧を印加するように構成された第1バイアストランジスタ(T5)と、
前記ドライバから供給される第3走査信号に従って、前記エレクトロルミネッセンス素子の前記画素電極に第2バイアス電圧を印加するように構成された第2バイアストランジスタ(T6)と
を含み、
前記第1バイアス電圧は、第1電圧と、前記第1電圧よりも高い第2電圧を有し、
リフレッシュフレーム期間は、
前記発光制御トランジスタをオンからオフにし、前記第1および第2バイアストランジスタをオフからオンにし、前記駆動トランジスタの前記ドレイン電極に前記第1バイアス電圧の前記第2電圧を印加し、および前記エレクトロルミネッセンス素子の前記画素電極に前記第2バイアス電圧を印加し、ついで、前記第1および第2バイアストランジスタをオンからオフにする第1バイアス期間と、
前記補償トランジスタ、前記第1バイアストランジスタ、および前記第2バイアストランジスタをオンにし、前記発光制御トランジスタのオフ状態を維持して、前記駆動トランジスタの前記ゲート電極の電圧を前記第1電圧に初期化する初期化期間と、
前記第1および第2バイアストランジスタをオンからオフにし、前記補償トランジスタのオン状態を維持し、前記発光制御トランジスタのオフ状態を維持し、前記駆動トランジスタの前記ソース電極にデータ電圧を一定時間印加して、前記駆動トランジスタの閾値電圧をサンプリングするサンプリング期間と、
前記補償トランジスタをオンからオフにし、前記第1および第2バイアストランジスタをオフからオンにし、前記発光制御トランジスタのオフ状態を維持し、前記駆動トランジスタの前記ドレイン電極に前記第1バイアス電圧の前記第2電圧を印加し、および前記エレクトロルミネッセンス素子の前記画素電極に前記第2バイアス電圧を印加し、ついで、第1および第2バイアストランジスタをオンからオフにする第2バイアス期間と、
前記発光制御トランジスタをオフからオンにして、前記エレクトロルミネッセンス素子に前記駆動電流を供給して前記エレクトロルミネッセンス素子を発光させる発光期間と
を含み、
第1リフレッシュレートから前記第1リフレッシュレートよりも低い第2リフレッシュレートに切り替える前後に、前記第1バイアス電圧の前記第2電圧または前記第2バイアス電圧は動的に制御されるディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年8月18日に出願された韓国特許出願第10-2020-0103392に対する利益を主張するものであり、上記特許出願の内容全体を、それらが本明細書に完全に記載されているかのように、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、可変リフレッシュレート(VRR)モードを用いるエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置に関し、リフレッシュレート変化時における輝度差の発生を低減するように設計されている。
【0003】
有機発光ダイオードなどのエレクトロルミネッセンス素子を用いるエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置は、様々な駆動周波数により駆動することができる。
【0004】
最近、ディスプレイ装置に必要な様々な機能の1つとして、可変リフレッシュレート(VRR)も必要になっている。VRRは、一定の周波数でディスプレイ装置を駆動し、高速駆動が必要な場合にはリフレッシュレートを上げて画素をアクティブにし、消費電力を削減する必要がある場合、または低速駆動が必要な場合にはリフレッシュレートレートを下げて画素を駆動する技術である。
【0005】
VRRに応じてデータ電圧が更新されるリフレッシュレートが変化すると、視聴者がリフレッシュレートの変化を不自然に感じることがある。したがって、視聴者がリフレッシュレートの変化を感知することを防止する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-118664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示は、可変リフレッシュレート(VRR)モードを用いるエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置に関し、本開示の目的は、リフレッシュレート変化時における輝度差の発生を低減し、それによって視聴者がリフレッシュレートの変化を感知することを防止することにある。
【0008】
本開示は、上述の問題を解決するための手段を提供し、以下の実施形態を有する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態は、画素電極およびカソード電極を含むエレクトロルミネッセンス素子と、前記エレクトロルミネッセンス素子を駆動するように構成された画素回路とを含む画素と、前記画素回路を駆動するための信号を生成するように構成されたドライバと、を含むディスプレイ装置を開示する。前記画素は、リフレッシュフレーム周期およびホールドフレーム周期を通して駆動される。前記画素回路は、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極を有し、前記エレクトロルミネッセンス素子に駆動電流を供給する駆動トランジスタと、前記ドライバから供給される第1走査信号に従って、前記駆動トランジスタの前記ドレイン電極と前記ゲート電極を接続するように構成された補償トランジスタと、前記ドライバから供給される第2走査信号に従って、前記駆動トランジスタの前記ドレイン電極に第1バイアス電圧を印加するように構成された第1バイアストランジスタと、前記ドライバから供給される前記第2走査信号に従って、前記エレクトロルミネッセンス素子の前記画素電極に第2バイアス電圧を印加するように構成された第2バイアストランジスタと、を含む。前記第1バイアス電圧は、第1電圧と、前記第1電圧よりも高い第2電圧を有する。前記補償トランジスタがオフ動作を実行すると、前記駆動トランジスタの前記ドレイン電極に前記第2電圧が印加され、前記第1および前記第2バイアストランジスタがオン動作を実行する。第1リフレッシュレートから前記第1リフレッシュレートよりも低い第2リフレッシュレートに切り替える前後に、前記第1バイアス電圧の前記第2電圧または前記第2バイアス電圧は動的に制御される。
【0010】
他の実施形態は、エレクトロルミネッセンス素子と、前記エレクトロルミネッセンス素子に駆動電流を供給するように構成された駆動トランジスタと、第1リフレッシュレートから第2リフレッシュレートに切り替える前後に、第1バイアス電圧および第2バイアス電圧を動的に制御する駆動ドライバと、を含むディスプレイ装置を開示する。前記第1バイアス電圧は前記駆動トランジスタに印加され、前記第2バイアス電圧は前記エレクトロルミネッセンス素子に印加される。
【0011】
さらに他の実施形態は、画素電極およびカソード電極を含むエレクトロルミネッセンス素子に接続された画素回路を駆動するためのディスプレイ駆動ドライバを開示する。前記ディスプレイ駆動ドライバは、第1リフレッシュレートと、前記第1リフレッシュレートよりも低い第2リフレッシュレートとの間で切り替えることができるように、前記画素回路を駆動するための信号を生成するように構成される。前記画素は、リフレッシュフレーム周期およびホールドフレーム周期を通して駆動される。前記画素回路は、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極を有し、前記エレクトロルミネッセンス素子に駆動電流を供給する駆動トランジスタと、前記ドライバから供給される第1走査信号に従って、前記駆動トランジスタの前記ドレイン電極と前記ゲート電極を接続するように構成された補償トランジスタと、前記ドライバから供給される第2走査信号に従って、前記駆動トランジスタの前記ドレイン電極に第1バイアス電圧を印加するように構成された第1バイアストランジスタと、前記ドライバから供給される前記第2走査信号に従って、前記エレクトロルミネッセンス素子の前記画素電極に第2バイアス電圧を印加するように構成された第2バイアストランジスタと、を含む。前記第1バイアス電圧は、第1電圧と、オンバイアスストレス相において前記第1電圧よりも高い第2電圧を有する。前記オンバイアスストレス相において、前記補償トランジスタはオフ動作を実行し、前記第1および第2バイアストランジスタはオン動作を実行する。前記第1リフレッシュレートから前記第2リフレッシュレートに切り替える前後に、前記第1バイアス電圧の前記第2電圧または前記第2バイアス電圧は動的に制御される。
【0012】
また他の実施形態は、ディスプレイ駆動ドライバを開示する。1つのフレームは、データ電圧が書き込まれるリフレッシュ区間と、前記リフレッシュ区間に書き込まれた前記データ電圧が維持されるホールド区間に分割される。前記フレームは、第1リフレッシュレートから第2リフレッシュレートに切り替える前後に、第1バイアス電圧および第2バイアス電圧を動的に制御する。前記第1バイアス電圧は、駆動トランジスタのドレイン電極に印加される。前記第2バイアス電圧は、エレクトロルミネッセンス素子の画素電極に印加される。
【0013】
前記第1バイアス電圧の前記第2電圧は、前記第2リフレッシュレートに切り替えた後の第1リフレッシュフレーム周期において第1レベルだけ高い電圧に制御される。
【0014】
前記第1バイアス電圧の前記第2電圧は、前記第2リフレッシュレートに切り替えた後の前記第1リフレッシュフレーム周期の後のリフレッシュ周期において、前記第1レベルよりも低い第2レベルだけ高い電圧に制御される。
【0015】
前記第2バイアス電圧は、前記第2リフレッシュレートに切り替えた後の第1リフレッシュフレーム周期において第1レベルだけ低い電圧に制御される。
【0016】
前記第1バイアス電圧の前記第2電圧は、前記第2リフレッシュレートに切り替えた後の前記ホールドフレーム周期において第1レベルだけ低い電圧に制御される。
【0017】
前記第2バイアス電圧は、前記第2リフレッシュレートに切り替えた後の前記ホールドフレーム周期において前記第1レベルだけ高い電圧に制御される。
【0018】
前記第2バイアス電圧は、前記第2リフレッシュレートに切り替える直前の前記ホールドフレーム周期において前記第1レベルだけ高い電圧に制御される。
【0019】
前記第2リフレッシュレートに切り替えた後、前記第1バイアス電圧の前記第2電圧は、前記リフレッシュフレーム周期において第1レベルだけ高い電圧に制御され、前記ホールドフレーム周期において前記第1レベルだけ低い電圧に制御される。
【0020】
前記第1バイアス電圧の前記第2電圧は、前記第2リフレッシュレートに切り替える直前の前記ホールドフレーム周期において第1レベルだけ高い電圧に制御される。
【0021】
本発明のさらなる理解のために提供される図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。添付図面を参照して、本発明の実施形態を示し、本発明の原理を説明する。以下、図面を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係るエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置を概略的に示すブロック図である。
図2A】本発明の一実施形態に係るエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置の画素回路の回路図である。
図2B】本発明の一実施形態に係るエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置の画素回路の回路図である。
図2C】本発明の一実施形態に係るエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置の画素回路の回路図である。
図3A図2A図2Cに示すディスプレイ装置の画素回路におけるエレクトロルミネッセンス素子およびリフレッシュフレームの駆動を説明するための図である。
図3B図2A図2Cに示すディスプレイ装置の画素回路におけるエレクトロルミネッセンス素子およびリフレッシュフレームの駆動を説明するための図である。
図3C図2A図2Cに示すディスプレイ装置の画素回路におけるエレクトロルミネッセンス素子およびリフレッシュフレームの駆動を説明するための図である。
図3D図2A図2Cに示すディスプレイ装置の画素回路におけるエレクトロルミネッセンス素子およびリフレッシュフレームの駆動を説明するための図である。
図3E図2A図2Cに示すディスプレイ装置の画素回路におけるエレクトロルミネッセンス素子およびリフレッシュフレームの駆動を説明するための図である。
図3F図2A図2Cに示すディスプレイ装置の画素回路におけるエレクトロルミネッセンス素子およびリフレッシュフレームの駆動を説明するための図である。
図3G図2A図2Cに示すディスプレイ装置の画素回路におけるエレクトロルミネッセンス素子およびリフレッシュフレームの駆動を説明するための図である。
図3H図2A図2Cに示すディスプレイ装置の画素回路におけるエレクトロルミネッセンス素子およびリフレッシュフレームの駆動を説明するための図である。
図3I図2A図2Cに示すディスプレイ装置の画素回路におけるエレクトロルミネッセンス素子およびリフレッシュフレームの駆動を説明するための図である。
図3J図2A図2Cに示すディスプレイ装置の画素回路におけるエレクトロルミネッセンス素子およびリフレッシュフレームの駆動を説明するための図である。
図3K図2A図2Cに示すディスプレイ装置の画素回路におけるエレクトロルミネッセンス素子およびリフレッシュフレームの駆動を説明するための図である。
図4A図2A図2Cに示すディスプレイ装置の画素回路におけるエレクトロルミネッセンス素子およびホールドフレームの画素回路の駆動を説明するための図である。
図4B図2A図2Cに示すディスプレイ装置の画素回路におけるエレクトロルミネッセンス素子およびホールドフレームの画素回路の駆動を説明するための図である。
図4C図2A図2Cに示すディスプレイ装置の画素回路におけるエレクトロルミネッセンス素子およびホールドフレームの画素回路の駆動を説明するための図である。
図5図5は、VRRモードを用いてリフレッシュレートを60Hzから1Hzに切り替えるときに輝度差が発生する問題を説明する図である。
図6図6は、輝度偏差補償駆動の第1方法を説明する図である。
図7図7は、輝度偏差補償駆動の第2方法を説明する図である。
図8図8は、輝度偏差補償駆動の第3方法を説明する図である。
図9図9は、輝度偏差補償駆動の第4方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、詳細な実施形態および図面を参照しながら説明することによって、本発明を達成するための特徴、利点および方法がより明確になるであろう。ただし、以下に開示する実施形態に本発明が限定されるものではなく、様々な異なる形態で実施される。実施形態により本発明の完全な開示が示され、当業者が本発明の範囲を完全に理解できるようにする目的でのみ提供される。本発明は、特許請求の範囲によってのみ定義される。本開示全般において、同一の要素には同一の符号が付される。
【0024】
一つのコンポーネントが他のコンポーネントに「接続」または「結合」されたとされているものは、一つのコンポーネントが他のコンポーネントに直接接続または結合されている場合と、さらに他のコンポーネントがそれらの間に介在している場合とを両方含む。一方、一つのコンポーネントが他のコンポーネントに「直接接続」または「直接結合」されているとされているものは、さらに他のコンポーネントがそれらの間に介在していないことを示す。「および/または」という用語は、言及された項目のそれぞれ、およびそれらの1つ以上のすべての組み合わせを含む。
【0025】
本明細書で用いられる用語は、本発明の特定の実施形態のみを説明するために提供されるものであり、本発明を限定しようとするものではない。本発明において、単数形の表現は、特に明記しない限り、その複数形の表現を含む。本明細書で用いられる「含む」という用語は、本明細書に記載される特性、数、ステップ、動作、コンポーネント、部品またはそれらの任意の組み合わせを特定することを目的とし、他の特性、数、ステップ、動作、コンポーネント、部品またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つの存在または追加を排除しようとするものではない。
【0026】
第1、第2などの用語は、様々なコンポーネントを説明するために用いられることができるが、上記の用語によってコンポーネントが限定されることはない。これらの用語は、1つのコンポーネントと他のコンポーネントとを区別する目的にのみ用いられる。
【0027】
したがって、以下に説明する第1コンポーネントは、本発明の趣旨において第2コンポーネントであり得る。異なって定義されない限り、技術および科学用語を含む本明細書で用いられたすべての用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。また、辞書で定義されている一般的に用いられる用語は、本出願で明確かつ具体的に定義されない限り、理想的または角に解釈されるべきではない。
【0028】
本明細書で用いられる「モジュール」または「部品」という用語は、ソフトウェアコンポーネント、または、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)などのハードウェアコンポーネントを意味することがある。「部品」または「モジュール」は、特定の機能を実行する。ただし、「部品」または「モジュール」は、ソフトウェアまたはハードウェアに限定されるものではい。「部品」または「モジュール」は、アドレス可能な記憶媒体に配置されるか、または1つ以上のプロセッサを復元するように構成されてもよい。したがって、「部品」または「モジュール」は、ソフトウェアコンポーネント、オブジェクト指向ソフトウェアコンポーネント、クラスコンポーネント、およびタスクコンポーネントなどのコンポーネントを含んでもよく、かつ、工程、機能、属性、手順、サブルーチン、プログラムコードセグメント、ドライバ、ファームウェア、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、および変数を含んでもよい。「部品」または「モジュール」において提供されるコンポーネントおよび機能は、少数のコンポーネントと、「部品」または「モジュール」と組み合わされてもよく、または、追加のコンポーネントと、「部品」または「モジュール」とに分割されてもよい。
【0029】
本開示のいくつかの実施形態に関して説明される方法またはアルゴリズムステップは、プロセッサによって実行されるハードウェアおよびソフトウェアモジュールによって直接実装されてもよく、またはそれらの組み合わせによって直接実装されてもよい。ソフトウェアモジュールは、RAM、フラッシュメモリ、ROM、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当業者に知られている他のタイプの記録媒体上に常駐してもよい。例示的な記録媒体は、プロセッサに結合され、プロセッサは、記録媒体から情報を読み取ることができ、かつ、記録媒体に情報を記録することができる。または、記録媒体は、プロセッサと一体的に形成されてもよい。プロセッサおよび記録媒体は、特定用途向け集積回路(ASIC)内に常駐してもよい。ASICは、ユーザの端末内に常駐してもよい。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態に係るエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置を概略的に示すブロック図である。図1を参照すると、エレクトロルミネッセンスディスプレイ装置100は、複数の画素を含むディスプレイパネル110と、該複数の画素のそれぞれにゲート信号を供給するゲートドライバ130と、該複数の画素のそれぞれにデータ信号を供給するデータドライバ140と、該複数の画素のそれぞれに発光信号を供給する発光信号生成装置150と、タイミング制御装置120と、を含む。
【0031】
タイミング制御装置120は、ディスプレイパネル110の大きさおよび解像度への外部からの画像データRGB入力を適切に処理し、それをデータドライバ140に提供する。タイミング制御装置120は、外部からの同期信号SYNC入力、例えばドットクロック信号CLK、データイネーブル信号DE、水平同期信号Hsync、および垂直同期信号Vsyncを用いて、複数のゲート制御信号GCS、複数のデータ制御信号DCS、および複数の発光制御信号ECSを生成する。生成された複数の複数のゲート制御信号GCS、複数のデータ制御信号DCS、および複数の発光制御信号ECSを、ゲートドライバ130、データドライバ140および発光信号生成装置150にそれぞれ提供することにより、タイミング制御装置120は、ゲートドライバ130、データドライバ140および発光信号生成装置150を制御する。
【0032】
タイミング制御装置120は、取り付けられた装置に応じて、様々なプロセッサ、例えば、マイクロプロセッサ、モバイルプロセッサ、アプリケーションプロセッサなどに結合されてもよい。タイミング制御装置120は、画素を様々なリフレッシュレートで駆動することができるように信号を生成する。すなわち、タイミング制御装置120は、画素を可変リフレッシュレートVRRモードで駆動するか、または第1リフレッシュレートと第2リフレッシュレートとの間で切り替え可能であるように駆動するように、駆動に関する信号を生成する。例えば、タイミング制御装置120は、単にクロック信号の速度を変更するか、水平ブランクまたは垂直ブランクを生成するために同期信号を生成するか、またはマスク方法でゲートドライバを駆動して、様々なリフレッシュレートで画素を駆動する。
【0033】
また、タイミング制御装置120は、第1リフレッシュレートで画素駆動回路を駆動するための様々な信号を生成する。特に、画素駆動回路が第1リフレッシュレートで駆動されるとき、タイミング制御装置120は、発光信号生成装置150に第1デューティ比を有する発光信号EMを生成させるために、発光制御信号ECSを生成する。次に、タイミング制御装置120は、第2リフレッシュレートで画素駆動回路を駆動するように動作し、このために、第2リフレッシュレートで駆動するための様々な信号を生成する。特に、画素駆動回路が第2リフレッシュレートで駆動されるとき、発光信号生成装置150は、発光信号生成装置150に第1デューティ比とは異なる第2デューティ比を有する発光信号EMを生成させるために、発光制御信号ECSを生成する。
【0034】
ゲートドライバ130は、タイミング制御装置120から提供されるゲート制御信号GCSに従って、ゲートラインGLに走査信号SCを提供する。図1において、ゲートドライバ130は、ディスプレイパネル110の一側から距離をおいて配置されている。ただし、ゲートドライバ130の数およびはいちいちは、これに限定されない。すなわち、ゲートドライバ130は、ディスプレイパネル110の一側または両側に、ゲートインパネル(GIP)式で配置されてもよい。
【0035】
データドライバ140は、タイミング制御装置120から提供されるデータ制御信号DCSに従って画像データRGBをデータ電圧Vdataに変換し、変換されたデータ電圧Vdataを、データラインDLを介して画素に供給する。
【0036】
ディスプレイパネル110において、複数のゲートラインGL、複数の発光ラインEL、および複数のデータラインDLは互いに交差し、複数の画素のそれぞれはゲートラインGL、発光ラインEL、データラインDLに接続している。具体的には、1つの画素は、ゲートドライバ130からゲートラインGLを介してゲート信号を受け、し、データドライバ140からデータラインDLを介してデータ信号を受け、発光ラインELを介して発光信号EMを受け、電源ラインを介して様々な電力を受ける。ここで、ゲートラインGLは走査信号SCを提供し、発光ラインELは発光信号EMを提供し、データラインDLはデータ電圧Vdataを供給する。ただし、様々な実施形態によれば、ゲートラインGLは複数の走査信号ラインを含んでもよく、データラインDLは複数の電源ラインVLをさらに含んでもよい。また、発光ラインELも複数の発光信号ラインを含んでもよい。また、一つの画素は、高電位電圧ELVDDおよび低電位電圧ELVSSを受ける。また、一つの画素は複数の電源ラインVLを介して第1バイアス電圧V1および第2バイアス電圧V2を受けてもしてもよい。
【0037】
さらに、各画素は、エレクトロルミネッセンス素子、および該エレクトロルミネッセンス素子の駆動を制御するための画素駆動回路を含む。ここで、エレクトロルミネッセンス素子は、アノード、カソード、およびアノードとカソードとの間の有機発光層を含む。画素駆動回路は、複数のスイッチング素子、駆動スイッチング素子、およびコンデンサを含む。ここで、スイッチング素子はTFTから構成されてもよい。画素駆動回路において、駆動TFTは、基準電圧とコンデンサに充電されたデータ電圧との差に応じてエレクトロルミネッセンス素子に供給する電流量を制御し、エレクトロルミネッセンス素子の発光量を制御する。また、複数のスイッチングTFTは、ゲートラインGLを介して供給される走査信号SC、および発光ラインELを介して供給される発光信号EMを受け、コンデンサにおけるデータ電圧Vdataを充電する。
【0038】
本発明の実施形態に係るエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置100は、複数の画素を含むディスプレイパネル110を駆動するためのゲートドライバ130、データドライバ140、および発光信号生成装置150、ならびにそれらを制御するためのタイミング制御装置120を含む。ここで、発光信号生成装置150は、発光信号EMのデューティ比を制御可能に構成される。例えば、発光信号生成装置150は、発光信号EMのデューティ比を制御するためのシフトレジスタ、ラッチなどを含んでもよい。発光信号生成装置150は、タイミング制御装置120によって生成された発光制御信号ECSに従って画素駆動回路が第1リフレッシュレートで駆動されるときに、第1デューティ比を有する発光信号を生成してそれを画素駆動回路に提供するように構成されてもよく、画素駆動回路が第2リフレッシュレートで駆動されるときに、第1デューティ比とは異なる第2デューティ比を有する発光信号を生成してそれを画素駆動回路に提供するように構成されてもよい。
【0039】
図2A図2Cは、本発明の一実施形態に係るエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置の画素回路の回路図である。図2A図2Cは、説明の目的で画素駆動回路を例示的に示しており、画素駆動回路は、発光信号EMを備え、エレクトロルミネッセンス素子ELDの発光を制御することができる構造を有する限り、これに限定されない。例えば、画素駆動回路は、追加的な走査信号、該走査信号に接続されるスイッチングTFT、および追加的な初期化電圧が印加されるスイッチングTFTを含んでもよい。また、スイッチング要素間の接続関係またはコンデンサの接続位置は、多様に配置されてもよい。すなわち、エレクトロルミネッセンス素子ELDの発光が発光信号EMのデューティ比の変化に応じて制御されるので、リフレッシュレートに応じて発光を制御することができる限り、様々な構造を有する画素駆動回路を用いてもよい。例えば、3T1C、4T1C、6T1C、7T1C、および7T2Cなどのような様々な画素駆動回路を用いてもよい。以下、説明の便宜上、図2における7T1Cの画素駆動回路を有するエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置について説明する。
【0040】
図2Aを参照すると、複数の画素Pのそれぞれは、駆動トランジスタDTを有する画素回路PC、および画素回路PCに接続されたエレクトロルミネッセンス素子ELDを含んでもよい。
【0041】
画素回路PCは、エレクトロルミネッセンス素子ELDを通じて流れる駆動電流IDを制御することによってエレクトロルミネッセンス素子ELDを駆動してもよい。画素回路PCは、駆動トランジスタDT、第1トランジスタT1~第6トランジスタT6、およびストレージコンデンサCstを含んでもよい。トランジスタDTとT1~T6のそれぞれは、第1電極、第2電極およびゲート電極を含んでもよい。第1電極と第2電極のうちの一方はソース電極であってもよく、第1電極と第2電極のうちの他方はドレイン電極であってもよい。
【0042】
トランジスタDTとT1~T6は、PMOSトランジスタまたはNMOSトランジスタであってもよい。図2Aおよび2Bの実施形態において、第1トランジスタT1はNMOSトランジスタであり、他のトランジスタDTとT2~T6はPMOSトランジスタである。さらに、図2Cの実施形態において、第1トランジスタT1もPMOSトランジスタから構成される。
【0043】
以下、実施例として、第1トランジスタT1はNMOSトランジスタであり、他のトランジスタDTとT2~T6はPMOSトランジスタである場合を説明する。したがって、第1トランジスタT1は高電圧を印加されることによってオンになり、他のトランジスタDTとT2~T6は低電圧を印加されることによってオンになる。
【0044】
実施例によれば、画素回路PCを構成する第1トランジスタT1は補償トランジスタとして機能してもよく、第2トランジスタT2はデータ供給トランジスタとして機能してもよく、第3トランジスタT3および第4トランジスタT4は発光制御トランジスタとして機能してもよく、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6はバイアストランジスタとして機能してもよい。
【0045】
エレクトロルミネッセンス素子ELDは、画素電極(またはアノード電極)およびカソード電極を含んでもよい。エレクトロルミネッセンス素子ELDの画素電極は第5ノードN5に接続してもよく、カソード電極は第2電源電圧ELVSSに接続してもよい。
【0046】
駆動トランジスタDTは、第2ノードN2に接続する第1電極、第3ノードN3に接続する第2電極、および第1ノードN1に接続するゲート電極を含んでもよい。駆動トランジスタDTは、第1ノードN1の電圧(または、後述するコンデンサCstに格納されたデータ電圧)に基づいて、エレクトロルミネッセンス素子ELDに駆動電流Idを提供してもよい。
【0047】
第1トランジスタT1は、第1ノードN1に接続する第1電極、第3ノードN3に接続する第2電極、および第1走査信号SC1を受けるゲート電極を含んでもよい。第1トランジスタT1は、第1走査信号SC1に応答してオンになってもよく、データ信号Vdataを第1ノードN1に送信してもよい。第1トランジスタT1は、第1ノードN1と第3ノードN3との間にダイオード接続することで、駆動トランジスタDTの閾値電圧Vthをサンプリングする。第1トランジスタT1は、補償トランジスタであってもよい。
【0048】
コンデンサCstは、第1ノードN1と第4ノードN4との間に接続されるか、または形成されてもよい。コンデンサCstは、提供されたデータ信号Vdataを格納するか、または維持してもよい。
【0049】
第2トランジスタT2は、データラインDL(またはデータ信号Vdataを受ける)第1電極、第2ノードN2に接続する第2電極、および第3走査信号SC3を受けるゲート電極を含んでもよい。第2トランジスタT2は、第3走査信号SC3に応答してオンになってもよく、データ信号Vdataを第2ノードN2に送信してもよい。第2トランジスタT2は、データ供給トランジスタであってもよい。
【0050】
第3トランジスタT3および第4トランジスタT4(または、第1および第2発光制御トランジスタ)は、第1電源電圧ELVDDとエレクトロルミネッセンス素子ELDとの間に接続してもよく、エレクトロルミネッセンス素子ELDは、駆動トランジスタDTによって生成された駆動電流Idが移動する電流移動経路を形成してもよい。
【0051】
第3トランジスタT3は、第4ノードN4に接続し、かつ第1電源電圧ELVDDを受ける第1電極、第2ノードN2に接続する第2電極、および発光信号EMを受けるゲート電極を含んでもよい。
【0052】
同様に、第4トランジスタT4は、第3ノードN3に接続する第1電極、第5ノードN5(または、エレクトロルミネッセンス素子ELDの画素電極)に接続する第2電極、および発光信号EMを受けるゲート電極を含んでもよい。
【0053】
第3トランジスタT3および第4トランジスタT4は、発光信号EMに応答してオンになる。この場合、エレクトロルミネッセンス素子ELDに駆動電流Idが供給され、エレクトロルミネッセンス素子ELDは、駆動電流Idに対応する輝度で発光することができる。
【0054】
第5トランジスタT5は、第3ノードN3に接続する第1電極、第1バイアス電圧を受ける第2電極、および第2走査信号SC2を受けるゲート電極を含んでもよい。
【0055】
第6トランジスタT6は、第5ノードN5に接続する第1電極、第2バイアス電圧V2を受ける第2電極、および第2走査信号SC2を受ける受信するゲート電極を含んでもよい。図2Aにおいて、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6のゲート電極は、第2走査信号SC2を共通に受けるように構成される。ただし、本発明はそれに限定される必要はなく、図2Bおよび2Cに示すように、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6のゲート電極は、別々の走査信号を受け、それぞれ独立して制御されるように構成されてもよい。
【0056】
第6トランジスタT6は、第5ノードN5に接続する第1電極、第2バイアス電圧V2に接続する第2電極、および第2走査信号SC2を受ける受信するゲート電極を含んでもよい。エレクトロルミネッセンス素子ELDが発光する前(または、エレクトロルミネッセンス素子ELDが発光した後)に、第6トランジスタT6は、第2走査信号SC2に応答してオンになってもよく、第2バイアス電圧V2を用いてエレクトロルミネッセンス素子ELDの画素電極(または、アノード電極)を初期化してもよい。エレクトロルミネッセンス素子ELDは、画素電極とカソード電極との間に形成された寄生コンデンサを有してもよい。また、エレクトロルミネッセンス素子ELDが発光している間、エレクトロルミネッセンス素子ELDの画素電極が特定電圧を有することができるように、寄生コンデンサが充電される。したがって、第6トランジスタT6を介してエレクトロルミネッセンス素子ELDの画素電極に第2バイアス電圧V2を印加することによって、エレクトロルミネッセンス素子ELDに蓄積された電荷量を初期化することができる。
【0057】
本開示は、可変リフレッシュレート(VRR)を用いたエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置に関する。VRRは、一定の周波数でディスプレイ装置を駆動し、高速駆動が必要な場合には、データ電圧Vdataが更新されるリフレッシュレートを上げて画素をアクティブにし、消費電力を削減する必要がある場合、または低速駆動が必要な場合にはリフレッシュレートレートを下げて画素を駆動する技術である。
【0058】
複数の画素Pのそれぞれは、1秒以内にリフレッシュレートおよびホールドフレームの組み合わせを介して駆動されてもよい。本明細書において、1セットは、データ電圧Vdataが更新されるリフレッシュフレームが繰り返されることとして定義される。また、1セット周期は、データ電圧Vdataが更新されるリフレッシュフレームが繰り返されるサイクルである。
【0059】
ディスプレイ装置が120Hzのリフレッシュレートで駆動するとき、ディスプレイ装置はリフレッシュフレームでのみ駆動することができる。すなわち、リフレッシュフレームは、1秒内に120回駆動することができる。1リフレッシュフレーム周期は1/120=8.33ミリ秒であり、1セット周期もまた、8.33ミリ秒である。
【0060】
ディスプレイ装置が60Hzのリフレッシュレートで駆動するとき、リフレッシュフレームおよびホールドフレームは交互に駆動してもよい。すなわち、リフレッシュフレームおよびホールドフレームは、1秒内に60回交互に駆動することができる。1リフレッシュフレーム周期および1ホールドフレーム周期は、それぞれ0.5/60=8.33ミリ秒であり、1セット周期は16.66ミリ秒である。
【0061】
ディスプレイ装置が1Hzのリフレッシュレートで駆動するとき、1秒は1リフレッシュフレームで駆動し、1リフレッシュフレームの後に119ホールドフレームで駆動してもよい。1リフレッシュフレーム周期および1ホールドフレーム周期は、それぞれ1/120=8.33ミリ秒であり、1セット周期は1秒である。
【0062】
図3A図3Kは、図2A図2Cに示すディスプレイ装置の画素回路におけるエレクトロルミネッセンス素子およびリフレッシュフレームの画素回路の駆動を説明するための図である。図4A図4Cは、図2A図2Cに示すディスプレイ装置の画素回路におけるエレクトロルミネッセンス素子およびホールドフレームの画素回路の駆動を説明するための図である。
【0063】
一方、リフレッシュフレームでは、新しいデータ信号Vdataが充電されてかつ駆動トランジスタDTのゲート電極に印加され、ホールドフレームでは、前のフレームのデータ信号Vdataが維持されてかつ用いられる。一方、ホールドフレームは、駆動トランジスタDTのゲート電極に新しいデータ信号Vdataを印加するプロセスが省略されているから、スキップフレームとも呼ばれる。
【0064】
複数の画素Pのぞれぞれは、リフレッシュ周期中に画素回路PCに充電されたかまたは残っている電圧を初期化してもよい。具体的には、複数の画素Pのそれぞれは、リフレッシュフレームにおいて前のフレームに格納されている駆動電圧VDDおよびデータ電圧Vdataの影響を除去することができる。したがって、複数の画素Pのそれぞれは、ホールド周期において新しいデータ電圧Vdataに対応する画像を表示してもよい。
【0065】
複数の画素Pのそれぞれは、ホールドフレーム周期中にエレクトロルミネッセンス素子ELDにデータ電圧Vdataに対応する駆動電流Idを提供することによって画像を表示してもよく、エレクトロルミネッセンス素子ELDのオン状態を維持してもよい。
【0066】
まず、リフレッシュフレームにおけるエレクトロルミネッセンス素子および画素回路の駆動は、図3A~3Kを参照しながら説明する。リフレッシュフレームは、少なくとも1つのバイアス区間、初期化区間、サンプリング区間、および発光区間を含んでもよい。ただし、これは単なる実施形態であり、必ずしもこの順に限定されるものではない。
【0067】
図3A~3Cは、第1バイアス区間を示す。図3Aに、第1バイアス電圧V1が第1電圧から第2電圧に変化する区間が図示される。発光信号EMの状態は高電圧であり、第3トランジスタT3および第4トランジスタT4はオフになっている。第1電圧はV1_Lと表され、第2電圧はV1_Hと表される。V1_HはV1_Lよりも高く、また、V1_Hはデータ電圧Vdataよりも高いことが好ましい。第1走査信号SC1は低電圧であり、第1トランジスタT1はオフになっている。第2走査信号SC2および第3走査信号SC3は高電圧であり、第2トランジスタT2、第5トランジスタT5、および第6トランジスタT6は、オフになっている。第1ノードN1に接続した駆動トランジスタDTのゲート電極の電圧は、Vdata(n-1)-|Vth|であり、すなわち、前のフレームn-1のデータ電圧Vdata(n-1)と駆動トランジスタDTの閾値電圧Vthとの間の差である。
【0068】
図3Bにおいて、第2走査信号SC2の状態は低電圧であり、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6はオンになっている。第5トランジスタT5がオンになると、第2ノードN2に接続した駆動トランジスタDTの第1電極に第1バイアス電圧V1(V1_H)が印加される。第2ノードN2に接続した駆動トランジスタDTの第1電極の電圧は、電圧V1_Hまで上昇する。駆動トランジスタDTはPMOSトランジスタであってもよく、その場合、第1電極はソース電極であってもよい。ここで、駆動トランジスタDTのゲートとソースとの間の電極Vgsは、Vgs=Vdata(n-1)-|Vth|-V1_Hである。
【0069】
ここで、第1バイアス電圧V1=V1(V1_H)は、駆動トランジスタDTのドレイン電極である第3ノードN3に供給され、それにより、エレクトロルミネッセンス素子ELDのアノード電極である第5ノードN5の電圧の充電時間または充電遅延は、発光区間で低減することができる。駆動トランジスタDTは、より強い飽和状態を維持する。例えば、第1バイアス電圧V1=V1(V1_H)が上昇すると、駆動トランジスタDTのドレイン電極である第3ノードN3の電圧は上昇してもよく、駆動トランジスタDTのゲート-ソース電圧またはドレイン-ソース電圧は低下してもよい。したがって、第1バイアス電圧V1_Hは、少なくともデータ電圧Vdataよりも高いことが好ましい。ここで、駆動トランジスタDTを通過するドレイン-ソース電流Idの大きさは減少してもよく、正バイアスストレスの状況における駆動トランジスタDTのストレスは減少し、それにより、第3ノードN3の電圧の充電遅延を除去する。言い換えると、駆動トランジスタDTのVgsは、駆動トランジスタDTの閾値電圧Vthがサンプリングされる前にVdataにバイアスされるので、駆動トランジスタDTのヒステリシスを減少することができる。したがって、オンバイアスストレスは、非発光期間中に駆動トランジスタDTに適切なバイアス電圧(例えば、V1=V1_H)を直接印加する動作と定義することができる。
【0070】
また、第6トランジスタT6が第1バイアス区間でオンになると、第5ノードN5に接続したエレクトロルミネッセンス素子ELDの画素電極(または、アノード電極)は、第2バイアス電圧V2に初期化する。ただし、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6のゲート電極は、別々の走査信号を受け、それぞれ独立して制御されるように構成されてもよい。すなわち、第1バイアス区間において、駆動トランジスタDTのソース電極およびエレクトロルミネッセンス素子ELDの画素電極にバイアス電圧を同時に印加する必要は、必ずしもない。
【0071】
図3Cにおいて、高い第2走査信号SC2が入力され、第1バイアス電圧V1は、V1_HからV1_Lに変化する。高い第2走査信号SC2が入力されると、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6はオフになる。
【0072】
図3Dは、初期化区間を示す。初期化区間において、駆動トランジスタDTのゲート電極の電圧は初期化する。図3Dにおいて、第1走査信号SC1は高電圧を表し、第1トランジスタT1はオフになっている。第2走査信号SC2は低電圧を表し、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6はオンになっている。第1トランジスタT1および第5トランジスタT5がオンになると、第1ノードN1に接続した駆動トランジスタDTのゲート電極の電圧は、電圧V1_Lに初期化する。また、第6トランジスタT6がオンになると、エレクトロルミネッセンス素子ELDの画素電極(または、アノード電極)は、第2バイアス電圧V2に初期化する。ただし、上述のように、本発明はそれに限定される必要はなく、図2Bおよび2Cに示すように、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6のゲート電極は、別々の走査信号を受け、それぞれ独立して制御されるように構成されてもよい。すなわち、初期化区間において、駆動トランジスタDTのゲート電極およびエレクトロルミネッセンス素子ELDの画素電極にバイアス電圧を同時に印加する必要は、必ずしもない。
【0073】
図3E~3Gは、サンプリング区間を示す。サンプリング区間において、駆動トランジスタDTのデータ電圧および閾値電圧は、サンプリングされて第1ノードN1に格納される。図3Eにおいて、高い第2走査信号SC2が入力され、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6はオフになっている。第1トランジスタT1は、オン状態を維持する。
【0074】
図3Fにおいて、低い第3走査信号SC3が入力され、第2トランジスタT2はオフになっている。第2トランジスタT2がオンになると、第2ノードN2に接続した駆動トランジスタDTのソース電極に電流フレームnのVdata(n)の電圧が印加される。また、第1トランジスタT1は、オン状態を維持する。駆動トランジスタDTは、第1電圧T1がオンになった状態でダイオード接続しているので、第1ノードN1に接続した駆動トランジスタDTのゲート電極の電圧は、Vdata(n)-|Vth|である。すなわち、第1トランジスタT1は、第1ノードN1と第3ノードN3との間にダイオード接続することで、駆動トランジスタDTの閾値電圧Vthをサンプリングする。
【0075】
図3Gにおいて、高い第3走査信号SC3が入力され、第2トランジスタT2はオフになっている。
【0076】
図3H~3Jは、第2バイアス区間を示す。第2バイアス区間の駆動波形は、第1バイアス区間の駆動波動と同じであるため、詳細な説明は省略される。
【0077】
図3Hにおいて、第1バイアス電圧V1は、V1_LからV1_Hに変化する。図3Jにおいて、第5トランジスタT5がオンになると、第2ノードN2に接続した駆動トランジスタDTの第1電極の電圧は、電圧V1_Hまで上昇する。ここで、駆動トランジスタのゲートとソースとの間の電極Vgsは、Vgs=Vdata(n)-|Vth|-V1_Hである。すなわち、駆動トランジスタDTは、より強い飽和状態を維持する。また、第6トランジスタT6がオンになると、エレクトロルミネッセンス素子ELDの画素電極(または、アノード電極)は、第2バイアス電圧V2に初期化する。第1ノードN1に接続した駆動トランジスタDTのゲート電極の電圧は、Vdata(n)-|Vth|を維持する。
【0078】
図3Jにおいて、高い第2走査信号SC2が入力され、第1バイアス電圧V1は、V1_HからV1_Lに変化する。高い第2走査信号SC2が入力されると、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6はオフになる。第1ノードN1に接続した駆動トランジスタDTのゲート電極の電圧は、Vdata(n)-|Vth|を維持する。
【0079】
図3Kは、発光区間を示す。発光区間において、サンプリングされた閾値電圧Vthはキャンセルされ、エレクトロルミネッセンス素子ELDは、サンプリングされたデータ電圧に対応する駆動電流によって発光させられる。
【0080】
図3Kにおいて、発光信号EMの状態は低電圧であり、第3トランジスタT3および第4トランジスタT4はオフになっている。
【0081】
第3トランジスタT3がオンになると、第2ノードN2に接続した駆動トランジスタDTのソース電極に、第3トランジスタT3を介して、第4ノードに接続した第1電源電圧ELVDDが印加される。駆動トランジスタDTによって第4トランジスタT4を介してエレクトロルミネッセンス素子ELDに供給される駆動電流Idは、駆動トランジスタDTの閾値電圧Vthとは無関係になるので、駆動トランジスタの閾値電圧Vthは補償される。
【0082】
次に、図4A~4Cを参照しながら、ホールドフレームのエレクトロルミネッセンス素子および画素回路の駆動について説明する。ホールドフレームは、少なくとも1つのバイアス区間、および発光区間を含んでもよい。
【0083】
上記のように、リフレッシュフレームおよびホールドフレームは、リフレッシュフレームでは、新しいデータ信号Vdataが充電されてかつ駆動トランジスタDTのゲート電極に印加され、ホールドフレームでは、前のフレームのデータ信号Vdataが維持されてかつ用いられるという点で異なる。したがって、リフレッシュフレームとは異なり、ホールドフレームは初期化区間およびサンプリング期間を必要としない。
【0084】
図4Aおよび4Bは、第1バイアス区間および第2バイアス区間を示し、図4Cは、発光区間を示す。
【0085】
ホールドフレームの動作では、1つのバイアス区間でも十分であり得る。しかし、この実施形態では、駆動回路の便宜上、第2走査信号SC2は、リフレッシュフレームの第2走査信号SC2と同じ方法で駆動されるため、2つのバイアス区間が存在する。
【0086】
図3A~3Kを参照しながら説明したリフレッシュフレームにおける駆動信号、および図4A~4Cのホールドフレームにおける駆動信号は、第1走査信号SC1および第3走査信号SC3により異なる。ホールドフレームは、初期化区間およびサンプリング区間を必要としない。したがって、リフレッシュフレームとは異なり、第1走査信号SC1は常に低い状態にあり、第3走査信号SC3は常に高い状態にある。すなわち、第1トランジスタT1および第2トランジスタT2は、常にオフになっている。
【0087】
図5は、VRRモードを用いてリフレッシュレートを60Hzから1Hzに切り替えるときに輝度差が発生する問題を説明する図である。
【0088】
リフレッシュレートが60Hzの場合を図5の(a)に示し、リフレッシュレートが1Hzの場合を図5の(b)に示す。各場合のリフレッシュフレーム周期およびホールドフレーム周期は、それぞれ1/120秒(=8.33ミミリ秒)である。ディスプレイ装置が60Hzのリフレッシュレートで駆動するとき、1セット周期は1/60秒(=16.66ミリ秒)であり、ディスプレイ装置が1Hzのリフレッシュレートで駆動するとき、1セット周期は1秒である。
【0089】
図5の(a)に示すように、画素が60Hzのリフレッシュレートで駆動するとき、リフレッシュフレームおよびホールドフレームは交互に駆動してもよい。したがって、ホールドフレームに印加されたバイアス電圧は、リフレッシュフレームの初期化区間によって格納されずにリセットされてもよい。
【0090】
ただし、図5の(b)に示すように、ディスプレイ装置が1Hzのリフレッシュレートで駆動するとき、リフレッシュフレームの後にホールドフレームが続く。したがって、ホールドフレームに印加されたバイアス電圧は、駆動トランジスタDTのストレス電圧として格納される。駆動トランジスタDTにバイアス電圧を印加する回数が増加すると、駆動トランジスタDTの電荷が増加して、駆動トランジスタDTが飽和する。すなわち、画素が60Hzおよび1Hzで駆動するとき、駆動トランジスタDTの特性が変化し、輝度差の原因となる。
【0091】
60Hzでの駆動と1Hzでの駆動との間の駆動トランジスタDTの特性の違いは、1セット内のバイアスストレス量の違いによるものである。すなわち、ディスプレイ装置が60Hzのリフレッシュレートで駆動する場合、1セットに1つのホールドフレームがあるため、バイアスストレスは1回であるが、ディスプレイ装置が1Hzのリフレッシュレートで駆動する場合、1セットに119個のホールドフレームがあるため、バイアスストレスは119回ある。したがって、バイアスストレス量に差が発生する。結果的に、駆動トランジスタDTの特性が変化し、輝度差が発生する。言い換えると、高いリフレッシュレート(例えば、60Hz)から低いリフレッシュレート(例えば、1Hz)に変えたリフレッシュレートでディスプレイ装置を駆動するとき、駆動トランジスタDTのバイアスストレス量に差が発生し、これにより、駆動トランジスタDTの特性が変化して、駆動電流Idの大きさが減少する。結果的に、高いリフレッシュレートから低いリフレッシュレートに変えたリフレッシュレートでディスプレイ装置を駆動するとき、駆動電流Idの減少によりエレクトロルミネッセンス素子ELDの輝度は減少する。これは、リフレッシュが変化した時点で、視聴者にちらつきとして感知される。
【0092】
本開示が提供するディスプレイ装置において、画素回路は第1リフレッシュレートで駆動されてもよい。また、画素回路は、第1リフレッシュレートから、該第1リフレッシュレートより低いリフレッシュレートを有する第2リフレッシュレートに切り替えて駆動してもよい。
【0093】
以下、リフレッシュレートを変更する前後において、第1バイアス電圧の第2電圧V1_H、または第2バイアス電圧V2を制御することによって輝度差を防止する方法を開示する。
【0094】
<第1実施形態>
図6は、輝度偏差補償駆動の第1方法を説明する図である。例えば、第1リフレッシュレートRR1は60Hzであってもよく、第2リフレッシュレートRR2は、1Hzであってもよい。第1リフレッシュレートRR1区間において、第1リフレッシュレートRR1のフラグ値は値1を有してもよく、第2リフレッシュレートのフラグ値は値0を有してもよい。また、第2リフレッシュレートRR2区間において、第1リフレッシュレートRR1のフラグ値は値0を有してもよく、第2リフレッシュレートのフラグ値は値1を有してもよい。
【0095】
第1バイアス電圧V1の第2電圧V1_Hは、第2リフレッシュレートRR2に切り替えた後の第1リフレッシュフレーム周期(1セットのフレームR0)において基準電圧Refより第1レベルだけ高い電圧に調整されてもよい。例えば、第1レベルは、基準電圧Refの5%の値を有してもよいが、これに限定されない。
【0096】
第2リフレッシュレートRR2に切り替えた後の第1リフレッシュフレーム周期(1セットのフレームR0)における第1バイアス電圧V1の第2電圧V1_Hの調整は、この区間における輝度変動の補償のためである。第1バイアス電圧V1の第2電圧V1_Hが上昇すると、駆動トランジスタDTのチャネルの電圧がゲートの電圧よりも高くなり、駆動電流Idが増加する。結果的に、エレクトロルミネッセンス素子ELDの輝度が増加して補償されるため、リフレッシュレートを高いリフレッシュレートをから低いリフレッシュレートに変えて画素を駆動すると、リフレッシュレートが変化したときのちらつきの発生の問題を解決することができる。
【0097】
第1バイアス電圧V1の第2電圧V1_Hは、第2リフレッシュレートRR2に切り替えた後の第1リフレッシュフレーム周期の後のリフレッシュフレーム周期(2セットのフレームR0)において基準電圧Refより第2レベルだけ高い電圧に調整されてもよい。例えば、第2レベルは、基準電圧Refの3%の値を有してもよいが、これに限定されない。駆動トランジスタDTの特性は、第2リフレッシュレートRR2に切り替えた直後に最も変化し、駆動電流Idの低減量も最大である。したがって、第1リフレッシュフレーム周期の後のリフレッシュフレーム周期において、エレクトロルミネッセンス素子ELDの輝度補償を小さくする必要がある。したがって、第2レベルが第1レベルより低いことが好ましい。
【0098】
第2バイアス電圧V2は、第2リフレッシュレートRR2に切り替えた後の第1リフレッシュフレーム周期において第1レベルだけ低い電圧に調整されてもよい。例えば、第1レベルは、基準電圧Refの5%の値を有してもよいが、これに限定されない。第2バイアス電圧V2は、エレクトロルミネッセンス素子ELDの画素電極を初期化する。初期化電圧を低下させることによりエレクトロルミネッセンス素子ELDの最終輝度が低下するので、リフレッシュフレームとホールドフレームとの間の輝度偏差を防止することができる。
【0099】
<第2実施形態>
図7は、輝度偏差補償駆動の第2方法を説明する図である。上記に、駆動トランジスタDTの特性の違いは、第1リフレッシュレートでの駆動と第2リフレッシュレートでの駆動との間で発生することを説明した。駆動トランジスタDTの特性の違いは、1セット内のバイアスストレス量の違いによるものである。第2実施形態は、駆動トランジスタDTの特性の違いの理由となるバイアスストレス量の偏差を除去する方法を提供する。
【0100】
第2リフレッシュレートでの駆動におけるバイアスストレス量を低減するために、ホールドフレーム周期における第1バイアス電圧V1の第2電圧V1_Hを低下させる必要がある。具体的には、第1バイアス電圧V1の第2電圧V1_Hが、第2リフレッシュレートRR2に切り替えた後のホールドフレーム周期全体において第1レベルだけ低い電圧に調整されることで、バイアスストレス量の偏差を除去することができる。例えば、第1レベルは、基準電圧Refの5%の値を有してもよいが、これに限定されない。
【0101】
一方、ホールドフレーム周期に第1バイアス電圧V1の第2電圧V1_Hが低下されるため、リフレッシュフレームとホールドフレームとの間に輝度偏差が発生する可能性がある。したがって、リフレッシュフレームとホールドフレームとの間の輝度偏差を除去するために、ホールドフレーム周期に第2バイアス電圧V2を上昇させることによって輝度を補正する必要がある。具体的には、第2バイアス電圧V2は、第2リフレッシュレートRR2に切り替えた後のホールドフレーム周期全体において第1レベルだけ高い電圧に調整される。また、第2バイアス電圧V2は、第2リフレッシュレートRR2に切り替える直前のホールドフレーム周期H1において第1レベルだけ高い電圧に調整される。例えば、第1レベルは、基準電圧Refの5%の値を有してもよいが、これに限定されない。
【0102】
<第3実施形態>
図8は、輝度偏差補償駆動の第3方法を説明する図である。第1および第2実施形態とは異なり、第3実施形態は、第2バイアス電圧V2は調整されず、第1バイアス電圧V1の第2電圧V1_Hのみが調整されて駆動されることを特徴とする。
【0103】
まず、第2リフレッシュレートでの駆動におけるバイアスストレス量を低減するために、ホールドフレーム周期における第1バイアス電圧V1の第2電圧V1_Hが低下される。具体的には、第1バイアス電圧V1の第2電圧V1_Hは、第2リフレッシュレートRR2に切り替えた後のリフレッシュフレーム周期において第1レベルだけ高い電圧に調整される。
【0104】
また、リフレッシュフレームとホールドフレームとの間の輝度偏差を除去するために、ホールドフレーム周期に第1バイアス電圧V1の第2電圧V1_Hを低下させることによって輝度を補正する。具体的には、電圧は、ホールドフレーム周期において第1レベルだけ低い電圧に調整される。例えば、第1レベルは、基準電圧Refの5%の値を有してもよいが、これに限定されない。
【0105】
第3実施形態は、第1バイアス電圧V1の第2電圧V1_Hが3つの電圧レベル、すなわち、基準電圧Ref、第1レベルだけ上昇する第1変化電圧、および第1レベルだけ低下した第2変化電圧を有するという特性を有する。
【0106】
<第4実施形態>
図9は、輝度偏差補償駆動の第4方法を説明する図である。第3実施形態とは異なり、第4実施形態は、第1バイアス電圧V1の第2電圧V1_Hが2つの電圧レベル、すなわち、基準電圧Ref、および第1レベルだけ上昇した変化電圧を有することを特徴とする。
【0107】
上記に、駆動トランジスタDTの特性の違いは、第1リフレッシュレートでの駆動と第2リフレッシュレートでの駆動との間で発生することを説明した。駆動トランジスタDTの特性の違いは、1セット内のバイアスストレス量の違いによるものである。第4実施形態は、駆動トランジスタDTの特性の違いの理由となるバイアスストレス量の偏差を除去する方法を提供する。バイアスストレス量の偏差は、第2リフレッシュレートRR2に切り替える直前のホールドフレーム周期において第1バイアス電圧V1の第2電圧V1_Hを上昇させることで除去される。
【0108】
具体的には、第1バイアス電圧V1の第2電圧V1_Hは、第2リフレッシュレートRR2に切り替える直前のホールドフレーム周期において第1レベルだけ高い電圧に調整される。例えば、第1レベルは、基準電圧Refの5%の値を有してもよいが、これに限定されない。
【0109】
輝度偏差補償駆動に対する第1から第4方法によると、高いリフレッシュレート(例えば、60Hz)から低いリフレッシュレート(例えば、1Hz)に変えたリフレッシュレートで画素を駆動するときに発生する輝度偏差を除去することができる。
【0110】
上記のように、本開示は、可変リフレッシュレート(VRR)を用いたエレクトロルミネッセンスディスプレイ装置に関する。輝度偏差補償駆動に対する第1から第4方法によると、高いリフレッシュレート(例えば、60Hz)から低いリフレッシュレート(例えば、1Hz)に変えたリフレッシュレートで画素を駆動するときに発生する駆動トランジスタDTのバイアスストレス量の偏差を除去することができる。結果的に、リフレッシュレートが変化するときの輝度差の発生は減少され、視聴者はリフレッシュレートが変化することを感知できない。
【0111】
本開示は図示した実施形態を参照しながら説明されたが、これは単なる例示であり、当業者には、様々な修正およびそれに同等のことがなされ得ることが理解できるであろう。したがって、本開示の真の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の精神よって判断されるべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9