(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】ロボットピッキングシステムおよびロボットピッキング装置
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20231120BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B65G1/137 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021158917
(22)【出願日】2021-09-29
(62)【分割の表示】P 2018524311の分割
【原出願日】2016-11-11
【審査請求日】2021-10-27
(32)【優先日】2015-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2015-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2015-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ラース・スバーカー・トゥーレ・リンボ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュウ・ジョン・イングラム-テッド
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ジェームズ・バデノック・ハービー
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/019055(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0098775(US,A1)
【文献】特表2022-514047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管システム内で少なくとも1つのコンテナから少なくとも1つの在庫アイテムをピッキングするためのピッキング装置であって、
前記保管システムは、複数のコンテナの上のグリッドパターン中に配置されている複数のレール又はトラックを備え、前記グリッドパターンは複数のグリッドスペースを備え、前記複数のコンテナは、単一のグリッドスペースのフットプリント内の前記複数のトラック又はレールの下方に位置し、
前記保管システムは、前記複数のコンテナの上を前記複数のレール又はトラック上を横方向に動くように構成された1つ以上のロードハンドリング装置を備え、前記複数のコンテナの一部分が在庫アイテムを備え、
各ロードハンドリング装置が、車両本体とホイールアセンブリを備える車両手段と、少なくとも1つのコンテナを持ち上げ、移動するためのロードハンドリング手段を備え、
前記ホイールアセンブリは、前記ロードハンドリング装置の動きを第1の方向に案内するように、レール又はトラックの第1のセットと係合するためのホイールの第1のセットと、前記ロードハンドリング装置の動きを第2の方向に案内するように、レール又はトラックの第2のセットと係合するためのホイールの第2のセットとを備える、ピッキング装置において、
前記ピッキング装置が、前記保管システムの上に懸吊されており、保管コンテナから少なくとも1つの在庫アイテムをピッキングするように適合されているピッキング手段と、前記保管コンテナから配送コンテナに、前記在庫アイテム又は各在庫アイテムを移動する手段とを備えることを特徴とする、ピッキング装置。
【請求項2】
前記ピッキング装置は、前記保管システムの一部分上に、又は、前記保管システムを囲む建物の構造的部分上に取り付けられている、請求項1に記載のピッキング装置。
【請求項3】
前記ピッキング手段が前記保管システムの上で前記第1の方向、及び前記第2の方向に移動できるように可動ビーム上に取り付けられている、請求項1に記載のピッキング装置。
【請求項4】
前記ピッキング手段が前記保管システム中の任意の個々のグリッドスペースの上方に置かれ得るように、前記ピッキング装置が、前記保管システムの上方で可動であるクレーン手段上に取り付けられている、請求項1に記載のピッキング装置。
【請求項5】
前記ピッキング装置が、コンテナから1つ以上の在庫アイテムを解除可能に係合し、持ち上げるように適合されている複数のロボットピッキング手段を備える、請求項1から4のいずれか1項に記載のピッキング装置。
【請求項6】
前記ピッキング装置が、コンテナから在庫アイテムをピッキングするように適合されているグリッパまたはハンドを備える、請求項5に記載のピッキング装置。
【請求項7】
前記ピッキング装置が、真空手段により作動される吸引カップを備え、または、中心制御ユーティリティにより作動される遠隔制御可能グリッパを備えることができる、請求項5又は6に記載のピッキング装置。
【請求項8】
前記ピッキング装置が、グリッド位置に位置している保管コンテナから少なくとも1つの在庫アイテムをピッキングするように構成されている、請求項1から7のいずれか1項に記載のピッキング装置。
【請求項9】
前記ピッキング装置が、グリッド位置に位置している配送コンテナへ少なくとも1つのピッキングされた在庫アイテムを移動するように構成されている、請求項1から8のいずれか1項に記載のピッキング装置。
【請求項10】
前記保管システムが1つ以上のロードハンドリング装置を備え、該ロードハンドリング装置は、コンテナ収容空間と、グリッドの下から前記コンテナ収容空間に少なくとも1つのコンテナを持ち上げる持ち上げ手段とをさらに備え、前記コンテナ収容空間は、前記ロードハンドリング装置の上方から前記
ピッキング装置によってアクセス可能である、請求項1から9のいずれか1項に記載のピッキング装置。
【請求項11】
前記ピッキング装置は、ロードハンドリング装置の前記コンテナ収容空間内に収容されている保管コンテナから少なくとも1つの在庫アイテムをピッキングするように構成されている、請求項10に記載のピッキング装置。
【請求項12】
前記ピッキング装置は、ロードハンドリング装置の前記コンテナ収容空間内に収容されている配送コンテナへ少なくとも1つの在庫アイテムを移動するように構成されている、請求項10に記載のピッキング装置。
【請求項13】
前記ピッキング装置は、配送コンテナ内に収容されているバッグの中へ少なくとも1つの在庫アイテムを移動するように構成されている、請求項1から12のいずれか1項に記載のピッキング装置。
【請求項14】
保管システムが、前記保管システム中で動作可能な請求項1から13のいずれか1項に記載のピッキング装置を少なくとも1つ備える、保管システム。
【請求項15】
前記コンテナまたは各コンテナは複数の在庫アイテムを備える、請求項14に記載の保管システム。
【請求項16】
前記ピッキング装置は、前記保管システムの一部分上でのみ動作可能である、請求項14又は15に記載の保管システム。
【請求項17】
前記保管システムが請求項1から13のいずれか1項に記載のピッキング装置を複数備え、各ピッキング装置は前記保管システムのエッジの周囲に位置決めされている、請求項14に記載の保管システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットピッキングシステムおよびロボットピッキング装置に関する。より詳細には、しかし非限定的には、本発明は、スタック状態で保管箱を有する保管システムであって、これらのスタックがグリッド構造体内に置かれた保管システムから物体をピッキングするためのロボットピッキングシステムに関する。
【0002】
本願は、2015年11月11日に出願された英国特許出願第1519931.8号、英国特許出願第1519930.0号、および英国特許出願第1519929.2号に基づく優先権を主張するものである。これらの特許出願の全内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
いくつかの商業活動および産業活動は、多数の異なる製品の保管および回収を可能にするシステムを必要とする。複数の製造ラインでアイテムを保管および回収するための1つの既知のタイプのシステムは、相互の上にスタック状態で保管箱または保管コンテナを配置することを伴い、これらのスタックが列状態に配置される。保管箱は、スタックから取り出され、ロードハンドリング装置により上方からアクセスされ、それにより列間における通路の必要性が排除され、より多くの容器が所与空間内に保管されることが可能となる。
【0004】
列状態にスタックされたコンテナをハンドリングする方法は、長年にわたり周知のものである。例えばBertelの米国特許第2,701,065号に記載されるようないくつかのかかるシステムは、かかるコンテナの保管に関連する保管容積を削減するが依然として必要に応じて特定のコンテナへのアクセスを与えるために、列状態に配置された自立型コンテナスタックを備える。所与のコンテナへのアクセスは、所与のコンテナをスタックしスタックから所与のコンテナを回収するために使用され得る比較的複雑な巻上げ機構を用意することによって可能となる。しかし、かかるシステムのコストは、多くの状況において現実的ではなく、大型輸送コンテナの保管およびハンドリング用に主として商業化されている。
【0005】
例えばCimcorpのEP0767113Bに記載されるような、自立型コンテナスタックを使用し特定のコンテナを回収および保管するための機構を用意するコンセプトが、さらに展開されてきた。EP0767113Bは、コンテナスタックの周囲において下げられスタックの任意のレベルにおいてコンテナを把持し得るように構成された矩形チューブの形態のロボットロードハンドラを使用して、複数のスタックされたコンテナを取り出すための機構を開示する。このようにすることで、複数のコンテナは、スタックから一斉に持ち上げられ得る。可動チューブは、あるスタックの頂部から別のスタックの頂部に複数のコンテナを移動するために、またはスタックから外部位置にコンテナを移動するおよびその逆を行うために使用され得る。かかるシステムは、単一スタック中のすべてのコンテナが同一製品を収容する(単一製品スタックとして知られる)場合に特に有用であり得る。
【0006】
EP0767113Bに記載のシステムでは、チューブの高さは、少なくとも最大のコンテナスタックの高さと同じでなければならず、それによって最も高いコンテナスタックは、単一動作で抽出され得る。したがって、倉庫などの閉鎖空間内で使用される場合には、スタックの最大高さは、ロードハンドラのチューブを収容する必要があることによって制約を受ける。
【0007】
参照によりその内容が本明細書に組み込まれるEP1037828B1(Autostore)は、コンテナスタックがフレーム構造体内に配置されるシステムを述べている。このタイプのシステムは、添付の図面の
図1~
図4に概略的に示される。ロボットロードハンドリング装置は、スタックの最上表面上のトラックシステム上においてスタックの周囲で可制御的に移動され得る。
【0008】
ロボットロードハンドリング装置の他の形態が、例えばノルウェー特許第317366号においてさらに記載されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
図3aおよび
図3bは、それぞれ後方および前方からのロードハンドリング装置の概略斜視図であり、
図3cは、箱を持ち上げているロードハンドリング装置の概略前方斜視図である。
【0009】
ロードハンドリング装置のさらなる展開が、Ocado Innovation Limitedの英国特許出願第1314313.6号に記載されている。ここでは、各ロボットロードハンドラが1つのグリッドスペースのみに対応し、したがってロードハンドラのより高い密度が、およびしたがって所与サイズのシステムのより高いスループットが可能となる。しかし、任意の適切な形態のロードハンドリング装置が使用され得る。
【0010】
上述の既知のロボットピッキングシステムでは、ロボットロードハンドリング装置は、グリッドを形成するトラックシステム上においてスタックの頂部の周囲を可制御的に移動される。所与のロードハンドリング装置が、スタックから箱を持ち上げ、コンテナは、顧客注文を満たすために必要とされる在庫アイテムを収容するリフターである。コンテナは、ピックステーションへ搬送され、そこで必要な在庫アイテムが箱から手作業で取り出され、配送コンテナ内に配置され得る。配送コンテナは、顧客注文の一部を構成しており、適時の発送に向けて手作業で充填される。ピックステーションで、それらのアイテムはまた、例えばOcado Innovation Limitedの英国特許出願第1502123.1号に記載されているような、かかる作業に適した産業ロボットによってもピッキングされ得る。
【0011】
保管箱から配送コンテナ内への在庫アイテムのこのピッキングにより、ピックステーションにて遅延が生じ、それによりピックステーションにおける渋滞および顧客注文の収集における遅延が生じることが理解されよう。さらに、ピックステーション自体が、手動ピッキングまたはロボットピッキングのいずれに向けた設計であるかに関わらず多大な投資費用に上る。
【発明の概要】
【0012】
本発明によれば、保管システム内で少なくとも1つのコンテナから少なくとも1つの在庫アイテムをピッツキングするためのピッキング装置が提供される。この保管システムは、複数のコンテナの上のグリッドパターン中に配置されている複数のレールまたはトラックを備え、前記グリッドパターンは複数のグリッドスペースを備え、前記複数のコンテナは、単一のグリッドスペースのフットプリント内の前記複数のトラックまたはレールの下方に位置し、前記ピッキング装置は、前記複数のコンテナの上方の前記複数のレールまたはトラック上で側方に移動するように構成され、前記複数のコンテナの一部分は在庫アイテムを備え、前記ピッキング装置が、少なくとも1つのコンテナから少なくとも1つの在庫アイテムをピッキングするように適合されているピッキング手段と、前記少なくとも1つのコンテナから異なる予め定められたコンテナに、前記在庫アイテムまたは各在庫アイテムを移動する手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
このようにすることで、顧客注文の一部、またはいくつかもしくはすべての顧客注文が、グリッド上において直接的にロボットによりピッキングされ得る。これは、システム内で必要とされる手作業介入量を削減し、効率を改善しコストを削減する。
【0014】
このようにすることで、本発明は、先行技術の問題を解消し、顧客注文がまとめられる速度を上昇させ、総コストを削減し、大型箱ハンドリング保管およびピッキングシステムの効率を改善するシステムおよび方法を提供する。
【0015】
以下、添付の概略図を参照として本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】保管システム内に複数の箱スタックを収容するためのフレーム構造体の概略斜視図。
【
図3a】
図1および
図2のフレーム構造体と共に使用するための一形態のロボットロードハンドリング装置の概略前方斜視図。
【
図3b-3c】
図3bは、
図1および
図2のフレーム構造体と共に使用するための一形態のロボットロードハンドリング装置の概略後方斜視図、
図3cは、箱を持ち上げている、使用中の既知のロードハンドラ装置の概略斜視図。
【
図4】本発明の一形態によるロボットロードハンドリング装置と共に、
図1および
図2のフレーム構造体上に設置された
図3a、
図3b、および
図3cに示すタイプの複数のロードハンドラ装置を備える既知の保管システムの概略斜視図。
【
図5】本発明の一態様による一形態のロボットピッキングエリアの概略斜視図。ロボットピッキングエリアは発送ドックの上方に位置し、複数の配送コンテナの上方にトラックを形成する一連のグリッドを備える。
【
図6a】本発明の第1の実施形態による一形態のロボットピッキング装置の概略破断斜視図。ロボットピッキング装置は、
図5のロボットピッキングエリア内に位置する箱から在庫アイテム28をピッキングしている。
【
図6b】本発明の第1の実施形態による一形態のロボットピッキング装置の概略破断斜視図。ロボットピッキング装置は、
図6aからピッキングされたアイテムを
図5のロボットピッキングエリア内に位置する配送コンテナ内に下ろし、配送コンテナは、配送バッグで事前装填される。
【
図7】主要保管システム内のスタック内の箱から在庫アイテムをピッキングしている、本発明の第1の実施形態によるロボットピッキング装置の概略斜視図。
【
図8a】さらなる本発明によるロボットピッキング装置の概略破断斜視図。ロボットピッキング装置は、保管システムから在庫アイテムを収容している箱を持ち上げ、箱から在庫アイテムをピッキングし、配送コンテナ内にピッキングされたアイテムを下ろすように構成され、配送コンテナは、グリッドの発送部分に、ロボットピッキングエリアに、または保管システム内に位置する。
【
図8b】
図8aのロボットピッキング装置が、保管システムからロボットによりピッキングされた在庫アイテムを配送箱内に直接下ろすのを示した、
図8の発送部分の概略破断図。
【
図8c】
図8aのロボットピッキング装置が、保管システムからロボットによりピッキングされた在庫アイテムを配送箱内に直接下ろすのを示した、
図8の発送部分の概略破断図。
【
図8d】
図8aのロボットピッキング装置が、保管システムからロボットによりピッキングされた在庫アイテムを配送箱内に直接下ろすのを示した、
図8の発送部分の概略破断図。
【
図8e】
図8aのロボットピッキング装置が、保管システムからロボットによりピッキングされた在庫アイテムを配送箱内に直接下ろすのを示した、
図8の発送部分の概略破断図。
【
図8f】
図8aのロボットピッキング装置が、保管システムからロボットによりピッキングされた在庫アイテムを配送箱内に直接下ろすのを示した、
図8の発送部分の概略破断図。
【
図8g】
図8aのロボットピッキング装置が、グリッド内の箱から在庫アイテムをピッキングし、ロボットピッキング装置の本体内に保持された配送コンテナと共にそれらの在庫アイテムを下ろすのを示した、
図5の保管システムの一部分の概略破断図。
【
図8h】
図8aのロボットピッキング装置が、グリッド内の箱から在庫アイテムをピッキングし、ロボットピッキング装置の本体内に保持された配送コンテナと共にそれらの在庫アイテムを下ろすのを示した、
図5の保管システムの一部分の概略破断図。
【
図8i】
図8aのロボットピッキング装置が、グリッド内の箱から在庫アイテムをピッキングし、ロボットピッキング装置の本体内に保持された配送コンテナと共にそれらの在庫アイテムを下ろすのを示した、
図5の保管システムの一部分の概略破断図。
【
図9a】本発明のさらなる一態様によるロボットピッキング装置の概略破断斜視図。ロボットピッキング装置は、保管システムから在庫アイテムを収容した箱を受け、箱から在庫アイテムをピッキングし、ピッキングされたアイテムを配送コンテナ内に下ろすように構成され、配送コンテナは、グリッドの発送部分に、グリッドのロボットピッキングエリアに、または保管システム内に位置する。
【
図9b】本発明のさらなる一態様によるロボットピッキング装置の概略破断斜視図。ロボットピッキング装置は、保管システムから在庫アイテムを収容した箱を受け、箱から在庫アイテムをピッキングし、ピッキングされたアイテムを配送コンテナ内に下ろすように構成され、配送コンテナは、グリッドの発送部分に、グリッドのロボットピッキングエリアに、または保管システム内に位置する。
【
図9c】本発明のさらなる一態様によるロボットピッキング装置の概略破断斜視図。ロボットピッキング装置は、保管システムから在庫アイテムを収容した箱を受け、箱から在庫アイテムをピッキングし、ピッキングされたアイテムを配送コンテナ内に下ろすように構成され、配送コンテナは、グリッドの発送部分に、グリッドのロボットピッキングエリアに、または保管システム内に位置する。
【
図9d】本発明のさらなる一態様によるロボットピッキング装置の概略破断斜視図。ロボットピッキング装置は、保管システムから在庫アイテムを収容した箱を受け、箱から在庫アイテムをピッキングし、ピッキングされたアイテムを配送コンテナ内に下ろすように構成され、配送コンテナは、グリッドの発送部分に、グリッドのロボットピッキングエリアに、または保管システム内に位置する。
【
図9e】本発明のさらなる一態様によるロボットピッキング装置の概略破断斜視図。ロボットピッキング装置は、保管システムから在庫アイテムを収容した箱を受け、箱から在庫アイテムをピッキングし、ピッキングされたアイテムを配送コンテナ内に下ろすように構成され、配送コンテナは、グリッドの発送部分に、グリッドのロボットピッキングエリアに、または保管システム内に位置する。
【
図9f】本発明のさらなる一態様によるロボットピッキング装置の概略破断斜視図。ロボットピッキング装置は、保管システムから在庫アイテムを収容した箱を受け、箱から在庫アイテムをピッキングし、ピッキングされたアイテムを配送コンテナ内に下ろすように構成され、配送コンテナは、グリッドの発送部分に、グリッドのロボットピッキングエリアに、または保管システム内に位置する。
【
図10a】本発明によるさらなる一形態のロボット装置の概略斜視図。ロボット装置は、車両本体の頂部表面に開口を備え、それによりロボット装置内を通る空洞部を延在させる。この延在空洞部により、箱または配送コンテナの内容物が装置の頂部を通してアクセス可能となる。
【
図10b】延在空洞部内の本来位置にある配送コンテナを示す、
図10aのロボット装置の概略斜視図。
【
図10c】保管システムのグリッド上の
図10aおよび
図10bのロボット装置の概略斜視図。システムは、ロボット装置の空洞部内に位置する配送コンテナまたは箱の内容物にアクセスするように構成されたロボットピッキング手段をさらに備え、このロボットピッキング手段は、保管システムのグリッド上に位置する複数のロボット装置の中の1つから在庫アイテムをピッキングする。
【
図10d】保管システムのグリッド上の
図10aおよび
図10bのロボット装置の概略斜視図。システムは、さらなる形態のロボット装置上で搬送されるように構成されたロボットピッキング手段をさらに備え、このロボットピッキング手段は、保管システムのグリッド上に位置する複数のロボット装置の中の1つから在庫アイテムをピッキングし、配送コンテナを備えるロボット装置内に前記在庫アイテムを配置する。
【
図11a】本発明のさらなる一態様によるロボットピッキング装置の概略斜視図。ロボットピッキング装置は、保管システムのエッジ上に可動的に取り付けられ、ロボットピッキング装置は、
図5の保管システムの一部分内から在庫アイテムをピッキングし、保管システム内に位置する配送コンテナ内にその在庫アイテムを下ろす。
【
図11b】本発明のさらなる一態様によるロボットピッキング装置の概略斜視図。ロボットピッキング装置は、保管システムのエッジ上に可動的に取り付けられ、ロボットピッキング装置は、
図5の保管システムの一部分内から在庫アイテムをピッキングし、保管システム内に位置する配送コンテナ内にその在庫アイテムを下ろす。
【
図12a】本発明のさらなる一態様によるロボットピッキング装置の概略斜視図。ロボットピッキング装置は、保管システムの上方に可動的に取り付けられ、保管システム内で任意の保管箱または配送コンテナの上方の位置に可動であり、少なくとも1つの保管箱から直接的に在庫アイテムをピッキングし、少なくとも1つの配送コンテナ内にそのまたは各アイテムを下ろすように構成される。
【
図12b】本発明のさらなる一態様によるロボットピッキング装置の概略斜視図。ロボットピッキング装置は、保管システムの上方に可動的に取り付けられ、保管システム内で任意の保管箱または配送コンテナの上方の位置に可動であり、少なくとも1つの保管箱から直接的に在庫アイテムをピッキングし、少なくとも1つの配送コンテナ内にそのまたは各アイテムを下ろすように構成される。
【
図13a】さらなる本発明による箱の概略斜視破断図。箱は、箱から配送コンテナ内にアイテムを自動的におよび遠隔制御下において下ろすことが可能である複数のディスペンサ機構を備える。
【
図13b】さらなる本発明による箱の概略斜視破断図。箱は、箱から配送コンテナ内にアイテムを自動的におよび遠隔制御下において下ろすことが可能である複数のディスペンサ機構を備える。
【
図13c】さらなる本発明による箱の概略斜視破断図。箱は、箱から配送コンテナ内にアイテムを自動的におよび遠隔制御下において下ろすことが可能である複数のディスペンサ機構を備える。
【
図13d】さらなる本発明によるロボットハンドリング装置の概略斜視図。ロボットハンドリング装置は、
図13a、
図13b、および
図13cの箱を持ち上げ搬送するための手段を備え、箱は、中に収容された在庫アイテムを保管システムの一部分に位置する配送コンテナ内に分配する。
【
図14a】箱の底部セクションを引っ込めるための機構を備える箱を示す、本発明のさらなる態様の概略図。底部セクションは、第1の位置と第2の位置との間で移動し、第1の位置では、在庫アイテムは箱内に保持され、第2の位置では、在庫アイテムは箱から放出される。
【
図14b】箱の底部セクションを引っ込めるための機構を備える箱を示す、本発明のさらなる態様の概略図。底部セクションは、第1の位置と第2の位置との間で移動し、第1の位置では、在庫アイテムは箱内に保持され、第2の位置では、在庫アイテムは箱から放出される。
【
図14c】箱の底部セクションを引っ込めるための機構を備える箱を示す、本発明のさらなる態様の概略図。底部セクションは、第1の位置と第2の位置との間で移動し、第1の位置では、在庫アイテムは箱内に保持され、第2の位置では、在庫アイテムは箱から放出される。
【
図14d】第1の位置から第2の位置に
図14a、
図14b、および
図14cの箱の底部セクションを移動させるための一形態の機構の概略図。
【
図14e】箱を搬送しているさらなる形態のロボットハンドリング装置の概略破断図。箱は、第1の閉位置から第2の開位置へ可動である底部を備える。箱の底部が第2の開位置へと移動することにより、在庫アイテムが箱から配送コンテナに落下しているのが示される。
【
図15a】第1の位置から第2の位置に可動である底部セクションを有するさらなる形態の箱の概略図。箱は、前記箱内に位置する在庫アイテムが配送コンテナの特定部分内に可制御的に下ろされるのを可能にするために、第1の位置から第2の位置に独立的に可動である複数の部分を備えた底部を有する。
【
図15b】
図15aの箱を搬送している本発明の一形態によるさらなる形態のロボットロードハンドリング装置の概略破断図。在庫アイテムが下方の配送コンテナの所与のバッグ装着された部分内に下ろされるのが示される。
【
図16a】本発明のさらなる一態様によるさらなる箱の概略図。箱は、箱内に保持された在庫アイテムが下方の配送コンテナ内に落下し得るように、第1の位置から第2の位置に箱の底部セクションを移動するための機構の代替的な実施形態を備える。
【
図16b】
図16aの箱を搬送する本発明の一形態によるさらなる形態のロボットロードハンドリング装置の概略破断図。在庫アイテムが下方の配送コンテナ内に下ろされるのが示される。
【
図17】本発明のさらなる一態様によるさらなる箱の概略図。箱は、箱内に保持された在庫アイテムが下方の配送コンテナ内に落下するように、第1の位置から第2の位置に箱の底部セクションを移動させる機構の代替的な実施形態を備える。
【
図18a】本発明のさらなる一態様による箱の概略図。箱は、保管コンテナ内に位置する在庫アイテムを下方の配送コンテナ内に下ろすための代替的な機構を備える。在庫アイテムは、流動タイプのものである。
【
図18b】
図18aの箱を搬送する、本発明の一形態によるさらなる形態のロボットロードハンドリング装置の概略破断図。在庫アイテムが下方の配送コンテナ内に下ろされるのが示される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1および
図2に示すように、箱10として知られるスタック可能保管コンテナが、スタック12を形成するように相互に頂部上にスタックされる。スタック12は、倉庫環境または製造環境内のフレーム構造体14内に配置される。
図1は、フレーム構造体14の概略斜視図であり、
図2は、フレーム構造体14内に配置された箱10の単一のスタック12を示す上面図である。各箱10は、典型的には複数の製品または在庫アイテム28を保持し、箱10内の在庫アイテムは、同一であってもよく、または用途に応じてそれぞれ異なる製品タイプのものであってもよい。さらに、箱10は、複数の異なる在庫アイテム28を収容するように物理的に小区分されてもよい。
【0018】
以下の説明では、箱10は、在庫アイテム28の保管を目的としたコンテナを表すために使用されるが、配送コンテナDTは、顧客により出された顧客注文を満たすために充填されることを目的としたコンテナを表すために使用される。この術語は、本文献内においては参照および説明を容易にするために使用される点が理解されよう。しかし、箱10およびコンテナDTは、同一の形状および構成のものであってもよい点に留意されたい。さらに、配送コンテナDTは、保管システムまたはその任意部分の中の箱10内に保管されてもよい。
【0019】
フレーム構造体14は、水平部材18、20を支持する複数の直立部材16を備える。第1のセットの平行水平部材18が、直立部材16により支持された複数の水平グリッド構造体を形成するために第2のセットの平行水平部材20に対して垂直に配置される。部材16、18、20は、典型的には金属から製造される。箱10は、フレーム構造体14が箱10のスタック12の水平移動を防止し、箱10の垂直移動を案内するように、フレーム構造体14の部材16、18、20間にスタックされる。
【0020】
フレーム構造体14の頂部レベルは、スタック12の頂部にわたってグリッドパターンで配置されたレール22を含む。さらに
図3および
図4を参照すると、レール22は、複数のロボットロードハンドリング装置30を支持する。複数のレール22の第1のセット22aが、フレーム構造体14の頂部にわたって第1の方向(X)へのロードハンドリング装置30の移動を案内し、第1のセット22aに対して垂直に配置された平行レール22の第2のセット22bは、第1の方向に対して垂直な第2の方向(Y)へのロードハンドリング装置30の移動を案内する。このようにすることで、レール22は、ロードハンドリング装置30がスタック12のいずれかの上方の位置へと移動され得るように、X-Y面内の二次元においてロードハンドリング装置30の移動を可能にする。
【0021】
各ロードハンドリング装置30は、スタック12の上方においてフレーム構造体14のレール22上でX方向およびY方向に移動するように構成された車両32を備える。車両32の前方の一対のホイール34および車両32の後方の一対のホイール34からなる第1のセットのホイール34が、レール22の第1のセット22aの2つの隣接し合うレールに係合するように構成される。同様に、車両32の各側の一対のホイール36からなる第2のセットのホイール36が、レール22の第2のセット22bの2つの隣接し合うレールに係合するように構成される。各セットのホイール34、36は、第1のセットのホイール34または第2のセットのホイール36のいずれかがどの時点においてもレールのそれぞれのセット22a、22bに係合されるように、持ち上げられ下げられ得る。
【0022】
第1のセットのホイール34が第1のセットのレール22aに係合され、第2のセットのホイール36がレール22から離れて持ち上げられると、ホイール34は、車両32内に収容された駆動機構(図示せず)により、X方向にロードハンドリング装置30を移動させるように駆動され得る。Y方向にロードハンドリング装置30を移動させるためには、第1のセットのホイール34は、レール22から離れて持ち上げられ、第2のセットのホイール36は、第2のセットのレール22aと係合状態になるように下げられる。次いで、駆動機構は、Y方向への移動を達成するように第2のセットのホイール36を駆動するために使用され得る。
【0023】
このようにすることで、1つまたは複数のロボットロードハンドリング装置30が、集中制御ユーティリティ(図示せず)の制御下で
図4に示されるようにフレーム構造体14上でスタック12の頂部表面の周囲を移動することが可能となる。各ロボットロードハンドリング装置30は、所要の製品にアクセスするためにスタック12から1つまたは複数の箱10を持ち上げるための持ち上げ手段38を備える。
【0024】
車両32の本体は、空洞部40を備え、空洞部40は、箱10を保持することが可能なサイズのものである。持ち上げ手段38は、ウィンチ手段および箱グリッパアセンブリ39を備える。持ち上げ手段は、スタック12から車両32の本体内の空洞部40内へと箱10を持ち上げる。
【0025】
このようにすることで、複数の製品が、どの時点においてもグリッドおよびスタック内の複数の位置からアクセスされることが可能となる。
【0026】
ロボットロードハンドリング装置30は、中に在庫アイテム28(図示せず)を収容している箱10を取り出し、ピックステーション(図示せず)にそれらの箱10を輸送し、ピックステーションにおいて所要の在庫アイテム28が、箱10から取り出され、配送コンテナDTを備える箱10内に配置される。配送コンテナDTが箱10内に嵌り得る点に留意することが重要である。箱10は、在庫アイテム28を備えてもよく、または配送コンテナDTを備えてもよい。さらに、配送コンテナDTは、少なくとも1つのバッグ52を備えてもよく、在庫アイテム28は、ピックステーション(図示せず)にてバッグ52内へと直接的にピッキングされる。
【0027】
空の箱10もしくは配送コンテナDTを備える箱、または配送コンテナDTおよびバッグ52を備える箱は、いずれもスタック12内に保管され得る。すべての箱10は、実質的に同一の外部形状および構成を有する点が理解されよう。
【0028】
図4は、上述のような典型的な保管システムを示し、このシステムは、スタック12の上方のグリッド上で作動する複数のロードハンドリング装置30を有する。
【0029】
図1および
図4は、保管システム内のスタック12内の箱10を示す。任意の所与の保管システム内に多数の箱10が存在し得る点と、多数のそれぞれ異なるアイテム28がスタック12内の箱10内に保管され、各箱10が単一のスタック12内に種々のカテゴリーの在庫アイテム28を収容し得る点とが理解されよう。
【0030】
上述のおよび参照により本明細書に組み込まれるOcado Innovation Limitedの英国特許出願第1410441.8号にさらに記載のあるシステムでは、保管システムは、顧客注文が中に収容された配送コンテナDTをさらに備え得る、またはピッキング待機中の在庫アイテム28が中に収容された箱10をさらに備え得る一連の箱10を備える。これらの種々の箱10およびそれらの組合せは、保管システム内に収容され、上述のようにロボットロードハンドリング装置30によりアクセスされ得る。
【0031】
本発明の第1の態様では、
図1~
図4を参照とする上述のロボットピッキングおよび保管システムは、上述の保管システム上で在庫アイテム28がピッキングされるのを可能にすることにより、箱10が顧客注文に合わせて在庫アイテム28を手作業またはロボットによりピッキングするためにピックステーションへと移送されるのを回避するためのロボットピッキングシステム、装置、および方法を備える。
【0032】
図5に示すように、保管システム100の一部分が、ロボット式オングリッドピッキングという明確な目的のために除外されてもよい。任意のかかるエリアが、専用グリッド部分の下方に位置する配送コンテナDTを備え、かかる専用グリッド部分は、フレーム枠14およびグリッド22のシステムの主要部分から遠くに位置するが、グリッド22の延在部によりその主要部分にリンクされてもよく、このグリッド22の延在部上においてロボットロードハンドラ30が動作する。グリッド22の部分100は、専用ロボットピッキングエリアとして機能し得る。しかし、主要保管システムは、少なくともいくつかの配送コンテナDTが箱10のスタック12の少なくともいくつかの頂部に位置する限りは、以下に説明される様式で使用され得る点が理解されよう。
【0033】
例えば上述のようなおよび参照により本明細書に組み込まれるOcado Innovation Limitedの英国特許出願第1413155.1号に記載されるような複数のロボットハンドリング装置30が、グリッド22のシステム上で、および参照により本明細書に組み込まれるOcado Innovation Limitedの英国特許出願第1509613.4号に記載されるような別個の集中制御ユーティリティの制御下において動作する。
【0034】
ロボットロードハンドリング装置30に加えて、本発明によれば、箱10から在庫アイテム28をピッキングし配送コンテナDT内に直接的にアイテムを下ろすために使用され得る複数の追加の同様の外観のロボットピッキング装置130が存在する。
【0035】
図6aに示すように、本発明の一態様による一形態のロボットピッキング装置130は、ロードハンドリング装置30の本体の空洞部40内にロボットピッキング手段50を備える。装置130の外部形状および構成は、同じ様式でグリッド22上にて動作し得るように、ロードハンドリング装置30の外部形状および構成と実質的に合致する。しかし、この形態のロボットピッキング装置130では、ピッキング手段50はスタック12から持ち上げられている箱10の位置のために以前に使用された空間を占有してしまう点が理解されよう。以下で説明されるように、ロボットピッキング装置130の目的は、ロードハンドリング装置30の目的とは異なる。
【0036】
本発明の一態様では、ロボットロードハンドリング装置30は、主要保管システム内でスタック12から、顧客注文に対して必要とされる在庫アイテム28を収容した箱10を収集するように集中制御ユーティリティ(図示せず)により遠隔的に指示される。ロードハンドリング装置30は、ロボットピッキング部分100内の空き位置内に、または保管システムのグリッド22の下方内の任意の他の適切な位置内に、顧客注文に対して必要とされる在庫アイテム28を収容した箱10を下ろす。ロボットピッキング装置130が、集中ユーティリティにより在庫アイテム28を収容している下ろされた箱10の上方に位置決めされる。場合によっては内蔵センサ、カメラ、および処理手段により支援される集中ユーティリティからの遠隔制御下において、ピッキング装置130の空洞部40内に位置するロボットピッキング手段50は、箱10から少なくとも1つの在庫アイテム28をピッキングするように指示される。ピッキングされたアイテムは、ロボットピッキング装置130の空洞部40内に引き込まれる。次いで、ピッキング装置130は、システムのロボットピッキング部分または配送コンテナDTの上方の保管システムの任意の他の部分の上の位置へと移動される。配送コンテナDTは、在庫アイテム28が中に配置され得る複数のバッグ52を備え得る。代替的には、配送コンテナDTは、空の配送コンテナDTを備え得る。ロボットピッキング装置130は、配送コンテナDT内に、または中に収容された配送コンテナDTを備える箱10内に在庫アイテム28を配置する。
【0037】
配送コンテナDTは、グリッド上もしくはピックステーションにてロボットによりもしくは手作業により以前にピッキングされたか、またはピックステーションにて手作業によりピッキングされたかのいずれかの在庫アイテム28を既に備えてもよい点が理解されよう。所与の顧客注文と関連付けられた配送コンテナDTが、ある時間期間にわたり多数の別個のピッキングステップを介して充填され得る点が理解されよう。さらに、顧客注文が、複数の配送コンテナDTを備えてもよく、したがってシステム100のピッキング部分内の配送コンテナDTが、顧客注文の一部のみを備えてもよい。複数の配送コンテナDTが、注文が配送用の車両に積載される直前に、発送位置にてまとめられてもよい。
【0038】
また、この形態のロボットピッキング装置130は、フレーム枠14の水平グリッド22上の単一のグリッドスペースを実質的に占めることが理解されよう。しかし、他の形態のロボットピッカー装置130が、より多くのグリッドスペースを占めてもよい。例えば、ロボットピッキング装置130は、説明される機能を果たすための必要に応じて、2×1グリッドスペースまたは2×2グリッドスペースまたはそれ以上を占めてもよい。
【0039】
さらに、ロボットピッキング装置130は、
図6および
図7に示すものとは異なる形態のピッキング手段50を備えてもよい。任意の適切な形態の遠隔制御可能なまたは自律制御可能なピッキング手段50が使用されてもよい。ピッキング手段50は、箱10から在庫アイテム28をピッキングするための種々のグリッパまたはハンドを有し得る点が理解されよう。例えば、ハンド(図示せず)が、真空手段により作動される吸引カップを備えてもよく、または中心制御ユーティリティにより作動される遠隔制御可能グリッパを備えてもよい。
【0040】
ピッキング手段50を備えるロボットピッキング装置130を使用することにより、スタック12からピックステーション(図示せず)に箱10を輸送し、必要な在庫アイテム28を取り出し、割り当てられた配送コンテナDT内にその在庫アイテム28を配置する必要性が取り除かれる。
【0041】
図6aおよび
図6bを参照とする本発明のさらなる態様では、ロボットロードハンドリング装置130は、
図6aに示すようなロボットピッカー装置130を備え得る。かかるロボットピッカー装置130は、装置130の本体の空洞部40内にピッキング手段50を備え得る。このピッキング手段は、在庫アイテム28が箱10または配送コンテナDTからピッキングされ、箱10または配送コンテナDT内に下ろされ得るように、遠隔操縦または自律操縦が可能なロボットアームを備え得る。
【0042】
使用時には、ならびに
図6aおよび
図6bに示すように、かかるロボットピッカー装置130は、保管システムのピッキング部分内に輸送されるまたは位置する箱10の上方に位置決めされる。装置130は、箱10から在庫アイテム28を迅速にピッキングし、箱10に隣接して位置する配送コンテナDT内に在庫アイテム28を下ろすために使用される。
図6aおよび
図6bに示すように、在庫アイテム28は、ピッキング装置130の比較的少ない移動により、箱10からピッキングされ配送コンテナ内に下ろされることが可能となる。
【0043】
また、この方法を利用すると、グリッドのピッキング部分内に位置する配送コンテナDT内の顧客注文をまとめることも可能となる。例えば、ロボットピッカー装置130は、第1の配送コンテナDT1の上に位置決めされ、ピッキング手段50は配送コンテナDT1から在庫アイテムをピックアップするように遠隔的に作動され得る。次いで、ロボットピッカー装置130は、第2の配送コンテナDT2の上の位置へと移動され、ピッキング装置は、第2の配送コンテナDT2内にそれを配置するように作動され得る。これは、特に、大きなアイテムが配送コンテナDT内に非効率的に保管されており、所与の注文に対してより効率的なパッキング方式を実現するように動き回らされることが可能な顧客注文に関連性がある。
【0044】
本発明のこの態様では、例えば英国特許出願第1410127.3号に記載の様式でのロボットロードハンドラの使用が想定され得る。また、かかるロードハンドリング装置は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
これは、配送コンテナDTが顧客への配送に進むために配送車内に詰め込まれる場合に有利であり、したがってコンテナDTのパッキングがより効率的であると、配送車への詰め込みもより効率的になり得る。
【0046】
上記の方法においては、1つの箱10から複数の配送コンテナDT内に人気アイテムをピッキングすることが有利である点が理解されよう。ロボットピッカー装置330を使用することにより、手作業によるピックステーションでの渋滞が軽減され、スループットが上昇し、コストが削減される。
【0047】
本発明のさらなる態様では、
図1~
図4を参照として上述されるロボットピッキングおよび保管システムは、種々の形態のロボットピッキング装置130、230、330、430を備える。
【0048】
図1~
図7を参照として説明されるように、上述のロボットロードハンドリング装置30は、保管システムのスタック12から箱10を取り出すために適切な集中制御ユーティリティの制御下において協働的に機能する。各ロボットハンドリング装置30の機能は、必要な在庫アイテム28または複数のアイテムを収容する箱10を収集しピックステーションに輸送することであり、ピックステーションから必要な在庫アイテム28または複数のアイテムが、配送コンテナDT内にローディングされる。ロボットロードハンドリング装置30は、スタック12から箱10を取り出し、箱10のスタック12内の代替位置に前記箱10を移動させ、さらにハウスキーピングタスクの形式においてスタック12内で箱10を定期的に再配置するなどの追加機能を有し得る点が理解されよう。
【0049】
本発明のさらなる一態様では、ロボットロードハンドリング装置230の別の派生物が、装置230の本体内に代替的なピッキング手段150を備えてもよく、この代替的なピッキング手段150は、保管システムの主要部分内のスタック12内に位置する保管箱10から直接的に在庫アイテム28をピッキングしおよび持ち上げ、配送コンテナDTへ直接的に在庫アイテム28を移送するために使用され得る。
【0050】
代替的な形態のロボットピッキング装置230が、
図8aに示される。以下の例におけるピッキング装置230は、2×1グリッド間隔装置である。しかし、代替的なサイズの装置230が想定され得る点が理解されよう。
【0051】
図8aにおいて分かるように、ピッキング装置230は、空洞部40と、持ち上げ手段と、箱グリッパアセンブリ39と、ピッキング手段150とを備える。持ち上げ手段は、箱グリッパアセンブリ39と共に、
図3を参照として説明されるものと同様の様式でロボットピッキング装置230によりスタック12から箱10が持ち上げられ得るように、箱10に解除可能に装着するように機能する。持ち上げ手段は、箱10の協働部分に係合可能な魚雷の形態をとり得る。ロボットピッキング装置230を箱に係合させ、次いでその箱をその位置からスタック12内またはシステムのピッキングエリア内に上げることが可能な任意の適切な形態の持ち上げ手段44が使用され得る点が理解されよう。箱10は、持ち上げ手段および箱グリッパアセンブリ39が空洞部40内に箱10を引き込むのを可能にするための第1の位置から、箱10が装置230の空洞部40内で本来位置に保持される第2の位置へと移動可能である適切な保持手段によって空洞部40内に保持される。
【0052】
ピッキング手段150は、持ち上げられた箱10からピッキング装置230内の空洞部40内に在庫アイテムをピッキングするように機能する。ピッキング装置230は、持ち上げ後に置かれる第1の位置からピッキング手段150の下方に置かれる第2の位置へと箱10を摺動させるための移動手段48をさらに備える。移動手段48は、空洞部40内に箱10を保持するようにさらに機能し得る点が理解されよう。
【0053】
使用時に、ピッキング装置230の持ち上げ手段44は、スタック12内またはピッキングエリア内で箱10の上に配置される。持ち上げ手段44および箱グリッパアセンブリ39は、
図8cおよび
図8dに示すように装置230の空洞部40内に箱10を共に持ち上げる。持ち上げられると、箱10は、
図8eに示すように第1の持ち上げ位置から空洞部40内の隣接する第2の位置へと移動手段48により移送される。第1の位置は、フレーム枠14の水平部分内の第1のグリッドスクエア22に実質的に対応し、第2の位置は、第1のグリッドスクエア22に隣接する第2のグリッドスクエア22’に実質的に対応する点に留意されたい。
【0054】
ピッキング手段150は、装置230の空洞部40内の第2の位置の上方に配設される。ピッキング手段150は、
図9dに示すように箱10から少なくとも1つの在庫アイテム28を位置特定し係合するための適切な端手段を備える。ピッキング手段150は、多数の形状またはサイズの在庫アイテム28を係合するための手段を備える点が理解されよう。実際には、種々の係合手段が、種々の在庫アイテム28をピッキングするために必要とされ得る。さらに、ピッキング手段150は、少なくともx-y-z方向に可動であることが必要とされる。
【0055】
図8fに示すように、在庫アイテムがピッキング手段150により係合されると、箱10は、移動手段48により第2の位置から第1の位置に移動される。在庫アイテム28は、ピッキング手段150上に保持される。次いで、ロボットピッキング装置230は、装置内の第2の位置がターゲットの配送コンテナDTの上方となるような位置に移動される。次いで、ピッキング手段150は、所要に応じて在庫アイテムのサイズおよび形状に応じて、在庫アイテムがピッキングされる必要があるものとして識別された配送コンテナDTに向かって延在される。
【0056】
ピッキングされると、在庫アイテムは、ピッキング装置230により占められる2つのグリッドスペースの第2のスペース内において空洞部40の下方に位置決めされた、
図8fに示される配送コンテナDT内に配置される。しかし、ロボットピッキング装置230は、ピッキング装置230がロボットピッキングエリア100内または主要保管システム上の代替的な配送コンテナDTの上方に配設されるように移動され得る点が理解されよう。
【0057】
図8g、
図8h、および
図8iは、配送コンテナDTが空洞部40内にロボットピッキング装置230により持ち上げられ、在庫アイテム28がロボットピッキングエリア内または主要システム内の箱10内に配設される、ロボット式オングリッドピッキングの代替的な方法を示す。
【0058】
この代替的な実施形態では、ロボットピッキング装置230は、配送コンテナDTを搬送しつつグリッド22上で移動することができ、ピッキング手段150は、保管システム内の箱10から在庫アイテムをピッキングするために使用される点が理解されよう。このようにすることで、複数の在庫アイテムが、単一のロボットピッキング装置230により搬送されている単一の配送コンテナDT内にピッキングされ得る。
【0059】
かかるロボットピッカー装置230は、必要な在庫アイテム28が位置特定された主要保管システムから箱10を回収するために使用され得る点が理解されよう。代替的には、ロードハンドリング装置30は、主要保管システムから箱10を持ち上げ、システムの専用ロボットピッキングエリア100にそれらの箱10を輸送するために使用されてもよく、専用ピッキングエリア100は、フレーム枠14内に配設された単層の箱10または配送コンテナDTのみを有する。
【0060】
ピッカー装置230は、集中制御ユーティリティからの遠隔制御下において、場合によっては内蔵センサカメラおよび処理手段により支援されつつ、ロボットロードハンドリング装置30により下ろされた箱10の上方に位置決めされ、
図8g、
図8h、および
図8iを参照として上述されたように機能する。ピッキングされた在庫アイテム28は、保管システムの専用部分100内においてターゲットの配送コンテナDT内に下ろされる。遠隔制御される自動位置決め手段を使用して正確な配送コンテナDTと適宜配送コンテナDT内の正確な位置とを識別するための手段が、必要に応じてピッキング装置230上に設けられる点が理解されよう。このようにすることで、在庫アイテム28は、任意の箱10または配送コンテナDTがピックステーションに輸送される必要性を伴わずに、箱10からロボットによりピッキングされ、配送コンテナDT内に下ろされる。
【0061】
ロボットピッカーハンドリング装置230は、ピッキング手段150を収容しつつも箱10を搬送することが可能な任意のサイズのものであってよい点が理解されよう。これは、装置230が保管システム上で動作している他のロボットロードハンドリング装置30に対して限定的な巻上げ能力を有するように構成された場合に、装置230に関して実現可能となり得る。この特定の例では、ピッカーハンドリング装置230は、装置230の本体内の空洞部の2つの側に伸縮式グリッパを備えることのみを必要とすることになり得る。
【0062】
ロボットピッキング装置230内の空間が限定されることを条件とする、代替的なロボットピッキング装置430が
図9a~
図9fに示される。このロボットピッキング装置430では、箱10は、持ち上げ手段44および箱グリッパアセンブリ39により装置430の空洞部40内に持ち上げられず、箱10は、保管システムの底部に位置する上昇手段46により空洞部40内に押し上げられる。上昇手段46は、例えば
図9cに示されるようにグリッドスペースを占める。
【0063】
上昇手段46は、持ち上げ時に箱10を安定させるためにそのまたは各箱10の下面上の適切な協働手段と協働するための位置特定ピン47を有する実質的に平坦なプレートを備える。上昇手段46は、例えばグリッドに向かって上方へと伸縮式に延在する油圧作動ピストンを介するなど任意の適切な手段により上昇され得る。
【0064】
使用時には、
図9b~
図9fに示すように、ロボットロードハンドリング装置30(
図9bには図示せず)が、保管システムから箱10を回収し、上昇手段46上に前記箱10を下ろす。ロボットピッキング装置430が、上昇手段46上の箱10の上の位置に移動される。上昇手段46は、例えば集中制御ユーティリティにより作動され、箱10は、装置430の空洞部40内に上昇される。装置430は、ピッキングプロセス中に空洞部40内に箱10を保持するように機能する解除可能ラッチング手段49を備える。ラッチング手段49は、箱10が本来位置に来ると、箱10の下方に位置する可動アームを備え得る。代替的には、ラッチング手段49は、ソレノイドまたは任意の他の適切な手段により動作可能な電磁キャッチを備えてもよい。空洞部40内に箱10を保持する所要機能を実施する任意の個数の解除可能ラッチング機構が使用されてもよい点が理解されよう。
【0065】
箱10が本来位置に来ると、ピッキング手段150は、前出のロボットピッキング装置230を参照として上述したものと同様の様式で使用され得る。すなわち、x-y-z方向に可動であるピッキング手段150は、中心制御ユーティリティまたは任意の他の適切な制御手段の制御下において箱10内の在庫アイテム28の上方の位置へと操縦される。次いで、ピッキング手段150は、下方に下げられ、在庫アイテム28に係合する。ピッキング手段150は、在庫アイテム28に係合するための適切な把持手段を備える点が理解されよう。係合されると、ピッキング手段150は、上方に持ち上げられ、上昇された箱10に隣接するグリッドスペースの下方に位置する配送コンテナDTの上方の位置に移動される。
【0066】
ピッキング手段150が、適宜センサまたはカメラ手段により支援されて必要な配送コンテナDTの上方の正確な位置に来ると、在庫アイテム28は、配送コンテナDT内に放出されるか、またはピッキング手段150のz軸方向移動により配送コンテナDT内に配置されるかのいずれかとなる。
【0067】
上昇手段46は、ピッキング装置430内の空洞部40内に配送コンテナDTを上昇させるために使用され得、ピッキング手段150は、グリッドの下方に位置する箱10から在庫アイテム28をピッキングし、ピッキング装置430の空洞部40内の配送コンテナDT内に前記在庫アイテムを配置するために使用される点が理解されよう。
【0068】
すべての必要なピッキングステップが完了すると、ロボットピッキング装置430は、上昇手段46の上方のグリッドスクエアに戻り、上昇手段46は、上昇され、箱10または配送コンテナDTは、装置430からラッチ解除され、グリッドスペースの下方に下げられる。次いで、箱10または配送コンテナDTは、ロードハンドリング装置30により所要の位置に位置決めされ、そこで次の動作を待機する。
【0069】
図10a~
図10dは、ロボット装置30のさらなる実施形態を示す。
図10aにおいて分かるように、ロボット装置330は、ロボット装置330の本体を貫通して延在する空洞部40を備える。これを実現するために、持ち上げ手段44、箱把持機構39、ならびにロボット装置330を動作させるために必要とされるすべての他の機構および電子機器が、装置330の側部へと移動されており、それによりオーバーハングセクションを有するロボット装置を形成する。
図10aおよび
図10bに示すオーバーハングセクションは、例示の実施形態に過ぎず、ロボット装置の一方の側部上に配設された1つのみのオーバーハングセクションが存在してもよい点が理解されよう。しかし、装置330の車輪により画定される断面積が単一のグリッド22のスペースのみを占める点に留意されたい。
【0070】
使用時には、箱10または配送コンテナDTは、保管システムから装置330の延在した空洞部40内へと持ち上げられ得る。
図10bに示すように、この例においては、配送コンテナDTは、本来位置にある場合には装置330の頂部表面にて露出される。したがって、在庫アイテムは、配送コンテナDT内に直接ピッキングされることが可能となる。
【0071】
配送コンテナDT内に直接的に在庫アイテムをピッキングする多数の様式が存在し、
図10cおよび
図10dは、アイテムが
図10aおよび
図10bの装置330内に直接的にピッキングされ得る2つの方法を示す点が理解されよう。
【0072】
図10cの実施形態では、ロボットピッキング手段250が、保管システムの上方に懸吊される。顧客注文を満たすために必要とされる在庫アイテム28を備える箱10を収容する複数のロボット装置330が、ピッキング手段250の届く範囲内に位置決めされる。ピッキング手段250は、装置330内に位置する箱10から中心ロボット装置330内に位置する配送コンテナDT内へと直接的に効率的にピッキングを行い得る。
【0073】
ロボットピッキング手段250が十分なリーチを有する場合には、在庫アイテム28は保管システムのグリッド22の下方に位置する箱10から直接的にピッキングされ得る点が理解されよう。さらに、この例では、ピッキング手段250は、保管システムの上方の天井から固定点にて懸吊され得る点が理解されよう。複数のピッキング手段250は、保管システムの上方の天井から懸吊され得る点が理解されよう。
【0074】
代替的には、単一のピッキング手段250が、集中制御ユーティリティの制御下において保管システムの上方の所要点へと移動され得るように、単一のピッキング手段250が、保管システムの上方でX-Y方向に可動である可動ビーム上に置かれてもよい。
【0075】
さらに、ロボットピッキング手段250は、システムの端でのピッキングを考慮して保管システムのエッジの周囲に位置決めされてもよい点が理解されよう。
【0076】
図10dの実施形態では、箱10を備える1つのロボット装置330から配送コンテナDTを備えるロボット装置330内に直接的に商品をピッキングするさらなるロボットピッキング装置550が示される。ロボットピッキング装置550は、一形態のロボットロードハンドリング装置630上に取り付けられる。装置630は、箱10または配送コンテナDTをハンドリングする能力を有さず、むしろピッキングが行われ得る位置へと保管システムの上方のグリッド22の周囲でピッキング手段550を移動させるための手段である点が理解されよう。さらに、ロボットロードハンドリング装置630上に取り付けられたロボットピッキング装置550は、グリッドの周囲で移動され、在庫アイテム28がピッキング手段にアクセス可能である限りはあらゆる位置において箱10から在庫アイテムをピッキングするために使用され得る点が理解されよう。例えば、一例では、箱10が、システム内のスタック12の中の1つから持ち上げられ、グリッドのレベルの上方に配設されるように解除可能にラッチングされ得る。次いで、モバイルロボットピッキング装置が、所要に応じて複数の在庫アイテム28をピッキングし、ターゲットの配送コンテナDT内に個別にまたは組み合わせてそれらの在庫アイテム28を下ろし得る。次いで、箱10は、適切なスタック12に戻され得る。グリッド22上で箱10を支持するラッチング手段は、グリッド22上で箱10を支持することが可能な任意の適切な形態のものであってよく、遠隔的に操作可能であってもよい。
【0077】
本発明のこの態様の利点は、箱10および配送コンテナDTが、スタック12から一度持ち上げられ、ロボット装置330内に保持される点であることが理解されよう。箱10および配送コンテナDTは、1つの位置からピックアップされ、ピッキングが行われる間にシステムの適切な点に一時的に配置される必要はない。この実施形態では、集中制御ユーティリティは、システムの比較的渋滞していない部分にある装置330内に箱10および配送コンテナDTを位置決めすることが可能である。このようにすることで、グリッド22はその最大能力まで使用され得る。
【0078】
上述のいずれのロボットピッキング装置の場合においても、ピッキング手段50、150、250、350、450、550、および650は、箱から単一の在庫アイテム28をピッキングし配送コンテナDT内にその在庫アイテム28を配置するものとして説明されている点が理解されよう。しかし、本発明のさらなる一態様では、ピッキング手段50、150、250、350、450、550、および650は、単一の箱10から複数の在庫アイテム28をピッキングするかまたは複数の箱10から単一のアイテム28をピッキングするかのいずれかで、複数の在庫アイテム28をピッキングするように構成されてもよい。ピッキングされた複数の在庫アイテム28は、同一宛先の配送コンテナDT向けのものであってもよく、または複数の配送コンテナDT向けのものであってもよい。
【0079】
ピッキング手段15が単一の箱10から複数のアイテムをピッキングし得るようにするために、上述のロボットピッキング装置は、装置の空洞部40内に保管手段を備え得る点が理解されよう。
【0080】
使用時には、上述のようなロボットピッキング装置は、ピッキングされることとなる在庫アイテム28を収容した箱10の上方の位置に移動される。一人の顧客が複数の一在庫アイテム28を注文したような状況では、ピッキング手段150は、第1のアイテム28をピッキングし、空洞部40内の保管手段内に前記アイテム28を配置する。次いで、ピッキング手段150は、さらなる在庫アイテム28をピッキングし、装置の空洞部40内の保管手段内に前記第2の在庫アイテム28を配置するように操縦される。これは、すべての必要な在庫アイテム28が保管手段内に位置するまで繰り返される。次いで、ロボットピッキング装置は、グリッドの下方の配送コンテナDTの上方の位置に移動し、ピッキング手段は、保管手段から配送コンテナDTにアイテム28を移動させるために使用されて、所要に応じて適切なセンサ手段またはカメラ手段により支援されつつ所要に応じてアイテムを配置する。
【0081】
種々のカテゴリーの複数の在庫アイテム28’、28’’、および28’’’が複数の箱10内に置かれる場合には、ロボットピッキング装置は、第1の箱10’の上方の位置に移動され、第1の在庫アイテム28’は、ピッキング手段によりピッキングされ、装置の空洞部40内の保管手段内に配置される。次いで、ロボットピッキング装置は、第2の在庫アイテム28’’が保管される第2の箱10’’に移動される。次いで、第2のアイテム28’’は、ピッキング手段によりピッキングされ、装置の空洞部40内の保管手段内に配置される。最後に、装置は、第3の箱10’’’の上の位置に移動され、第3のアイテム28’’’がピッキングされる。次いで、ロボットピッキング装置は、ターゲットの配送コンテナの上の位置に移動され、アイテム28’、28’’、および28’’’は、保管手段から配送コンテナDTへピッキング手段150によって移送される。
【0082】
複数の在庫アイテム28は、同一の顧客注文用である必要はなく、アイテム28が複数の箱からピッキングされ得ることにより、複数の配送コンテナDT内に下ろされ得る点が理解されよう。
【0083】
これは、在庫アイテム28’、28’’、および28’’’が保管システム内において共に近くに位置する場合には特に有用であり得る。
【0084】
図11aは、本発明のさらなる態様を示す。
図11aにおいて分かるように、保管システムまたはその一部は、システムの1つのエッジに位置するロボットピッキング手段350を備える。ロボットピッキング手段350は、トラック手段360上に可動に取り付けられる。ピッキング手段350は、中心ユーティリティの制御下においてトラックに沿って移動され得る。ロボット装置350は、適切な固定電源から直接的に給電され得る。有利には、本発明のこの態様では、ロボットピッキング手段350は、バッテリ給電される必要はなく、ロボットピッキング装置の空洞部内に収容されたピッキング手段150よりも堅固なものであり得る。ロボットピッキング手段350は、適切な取付け手段に対して固定的に取り付けられ得る点が理解されよう。取付け手段は、保管システムを収容する建物または施設の構造部材、または横ビームもしくはRSJなどの特定用途向け取付け手段を含み得るがそれらに限定されない。
【0085】
使用時には、ロボットロードハンドリング装置30は、ピッキングされることとなる在庫アイテム28を収容する箱10と、ロボットロードハンドリング装置30により位置決めされる箱10内の在庫アイテム28を必要とする配送コンテナDTとをロボットピッキング装置に隣接するように位置決めする。集中制御ユーティリティの制御下において、ピッキング手段350は、箱10から在庫アイテムをピッキングし、ターゲットの配送コンテナDT内にその在庫アイテムを配置する。ピッキングプロセスは、前記在庫アイテム28を必要とするすべての配送コンテナが対処されるまでこの様式で継続する。この時点において、ロードハンドリング装置30は、さらなる在庫アイテムを必要としない配送コンテナDTを取り出し、発送段階にまたは主要グリッドの保管部分内に移動し得る。
【0086】
このグリッドピッキング方法は、在庫アイテムをピッキングするためにグリッドの周囲におけるロボット装置の実質的により少ない移動を必要とする点が理解されよう。
【0087】
図12は、
図11aおよび
図11bを参照として上述したロボットピッキング装置350の代替的な構成を示す。
図12では、ロボットピッキング手段450は、ガントリークレーン480から懸吊される。ロボットピッキング手段450は、グリッド22の外縁の周囲に位置する適切なビームから懸吊される。
図12aに示すように、ロボットピッキング手段450は、グリッドの下方のスタック12の頂部上に位置する箱10または配送コンテナのいずれからもピッキングし得る。
【0088】
ピッキング手段450は、グリッド22全体がアクセスされ得る利点を伴いつつ、
図11bを参照として説明されるものと同様の様式で動作する。
【0089】
配送コンテナ10からの在庫アイテム28の取り出しにより結果として配送コンテナDTが空になる場合には、その配送コンテナDTは、別の顧客注文用の配送コンテナDTとなり得るか、またはさらなる在庫アイテム28が中に置かれるように保管部または商品到着部へと戻され得る。
【0090】
このようにすることで、手作業によるピックステーションでの渋滞が回避される。さらに、ピックステーションが、手作業によるピッキング用またはロボットピッキング用のいずれであるかに関わらずかなりの投資費用に上る。本発明を利用して効果的にピッキングされ得るアイテムについては、所与のピッキング能力に対する全投資費用が大幅に削減され得る。いくつかの注文は、通常のピックステーションへのアクセスを伴わずにすべてがピッキング可能となり得る点が理解されよう。
【0091】
さらに、例えば
図5に示すように1つの箱10深さのみであるロボットピッキングエリアを使用することにより、他の場合であれば未使用である空間が生産性を与えられ得ることによって所与の倉庫の収容能力全体を増加させることが可能となり得る点が理解されよう。
【0092】
さらに、保管およびピッキングシステムのロボットピッキング部分100は、ピッキングされた注文が配送車両に積み込まれ発送される前にある時間期間にわたり保持されることを可能にするための冷凍セクションまたは雰囲気セクションを備えてもよい。グリッドサイズおよびDT発送エリアの平均滞在時間は、グリッド上のロボットロードハンドリング装置30、130の密度により決定され、そのため特に低頻度アイテムがピックステーションで手作業によりピッキングされることも可能である場合には、より短いリードタイムが受け入れられ得る点が理解されよう。
【0093】
さらに、本発明の上述の態様は、Ocado Innovation Limitedの英国特許出願第1502123.1号において以前に開示されているような高速で移動していることが考慮される特定の在庫アイテム28用の高速定置型ロボットロードハンドリング装置と組み合わされてもよい。
【0094】
さらに、ピッカー装置30、130、230、330、および430は、ピッキングされた在庫アイテム28が正確な配送コンテナDTおよび/または配送コンテナDTの正確な部分に配送されるのを確保するためのセンサ手段をさらに備え得る点が理解されよう。配送コンテナDTは、複数のバッグを備えてもよく、前記センサ手段は、配送コンテナDT内のバッグ内への在庫アイテム28の正確な位置決めを確保するために使用され得る。
【0095】
上記の実施形態は実質的に同一の形状および構成の箱10を参照として説明されるが、システムは、代替的な形状、サイズ、および構成の箱および配送コンテナを使用するように適合化され得る点が理解されよう。この状況では、ロボットロードハンドリング装置およびロボットピッキング装置が、種々の形状およびサイズの箱およびコンテナをハンドリングし得るシステム内に設けられる必要がある。さらに、保管システムの特定のエリアが、代替的なサイズのコンテナおよび箱をハンドリングするように適合化されてもよい。
【0096】
さらに、グリッド22の上方に配設されたピッキング手段は、ロボット装置30である必要はないが、配送コンテナDTに在庫アイテム28を移送するために箱10から直接的に在庫アイテム28をピッキングするためのグリッド22へのアクセスを有するオペレータを備えてもよい点が理解されよう。オペレータは、ロボットサービス装置上で移動し得る。
【0097】
本発明のさらなる態様では、
図1~
図4を参照として上述したロボットピッキングおよび保管システムは、種々の機能を実施する箱10を備える。以下で説明される箱10は、上述のロボットロードハンドリング装置30のいずれとの関連においても使用され得る点が理解されよう。
【0098】
本発明のさらなる実施形態では、箱10の派生物410が、箱410の底部から複数の在庫アイテム28の中の1つまたは複数を分配するための機構を備える。
図13~
図18に示すように、箱410は、これを達成するための多数の機構を備え得る。各機構が以下で詳細に説明される。しかし、いずれの場合においても実現されることとなる目的は、実質的に同一である、すなわち在庫アイテム28を下ろす能力であるか、または箱410の下方に位置する配送コンテナDT内に向かい、それにより在庫アイテム28を収容している箱10が保管システムのフレーム枠14の下方のピックステーションへと移送される必要性を回避させる点で実質的に同一であるかのいずれかであることが理解されよう。
【0099】
図13を参照すると、箱410が、単一の箱410内に配設された8つの分配装置56を有することが示される。分配装置の個数は、箱410内に保管されることとなる在庫アイテム28のサイズおよび形状に応じて変更され得る点が理解されよう。
【0100】
図13a、
図13b、および
図13cの箱410内に配設された分配装置56は、従来的なベンディングマシン機構を備え、それにより単一の在庫アイテム28が、所与の分配装置56から分配され得る。保管される在庫アイテム28は、各箱410内の複数の種々のカテゴリーの複数の種々のアイテムを備え得る点が理解されよう。代替的には、単一の箱410内のすべての分配装置が、同一の在庫アイテム28を備えてもよい。
【0101】
使用時には、分配手段への電気的入力、機械的入力、または電気機械的入力に応答して、単一のまたは複数の在庫アイテム28が、箱410の底部の開口を経由して分配手段の底部から分配され得る。分配手段の底部は、分配されることとなる在庫アイテムが箱410の底部から放出されることを確保するために箱410の底部と協働しなければならない。各箱内に配設される分配手段の個数は、分配されることとなる在庫アイテム28のサイズによって決まる点が理解されよう。さらに、任意の所与の顧客注文が複数の同一の在庫アイテム28を必要とする場合があり、したがって分配装置は、所与の種類の単一または複数の在庫アイテム28を分配することが可能でなければならない点が理解されよう。
【0102】
箱410の底部の開口は、フラップ、2つの協働フラップ、ロールシャッター、または遠隔操作もしくは自律操作が可能である任意の他の適切な開閉手段であってもよい。かかる分配箱410を搬送するロードハンドリング装置30は、ロボットピッキングエリア内の配送コンテナDTの上方の所与の位置にディスペンサタイプの箱を輸送するために中心ユーティリティから命令を受領し得る点が理解されよう。次いで、ロボットロードハンドリング装置30は、ディスペンサ箱410の下方に下ろされる配送コンテナDT内に在庫アイテム28が下ろされるように箱410内の分配装置を作動させるための手段を備え得る。ロボットロードハンドリング装置を介して受領され送信される命令は、箱410または上述のロボットロードハンドリング装置30の中に配設されている適切なセンサと共に機械的手段、電気的手段、電気機械的手段、またはワイヤレス手段を介して制御され得る。これらのセンサは、上述の箱グリッパアセンブリ39内に位置し得るが、他の適切な手段が使用されてもよい。
【0103】
さらに、命令は多数の様式で与えられ得る点が理解されよう。例えば、命令は、「位置xに向かい到達時に分配せよ」であってもよく、または命令は2つの項目で、すなわち初めに「位置xに向かえ」、および次いで「分配せよ」で発せられてもよい。
【0104】
さらに、
図13a、
図13b、および
図13cに示すように、箱410は、底部58に永久開口58を備えてもよく、分配手段56は、永久開口58からターゲットの在庫アイテム28を移動させ放出させるように機能する。
【0105】
ディスペンサ箱410内のカセット内にパッキングされた在庫アイテム28は、同一のものであってもまたはそれぞれ異なるものであってもよい点が理解されよう。さらに、上述のロボットピッキング装置はいずれも、箱10からカセット56をピッキングし、単一の箱内にそれらのカセット56をまとめ、それによりカスタマイズされた箱10を作ることができ、次いでこの箱は、複数の配送コンテナDTへと適切なピッキング装置により輸送され、必要な個数のアイテム28が、分配され得る点が理解されよう。このようにすることで、ロボットピッキング装置は、箱が配送コンテナ内に在庫アイテム28を下ろすために上述の様式でシステムの周囲で輸送され得るように、カスタマイズされた箱10を作る。
【0106】
使用時に、上述の保管、ピッキング、および発送システムにおいて、かかる分配箱410は複数の状況で使用され得る。第1に、到着在庫アイテム28が、パッキング解除され分配箱410内に装填され得る。必要な在庫アイテム28で装填されると、上述のタイプのいずれかのロボットロードハンドリング装置が、保管システムのロボットピッキング部分に分配箱を輸送するために使用され得る。しかし、ロードハンドリング装置30は、箱410の底部の開口58を通してそのまたは各在庫アイテムを下ろすように分配手段56を作動させるための手段を必要とする点が理解されよう。
【0107】
図14に示すように、前記分配箱410から在庫アイテムを必要とする配送コンテナDTの上方の位置に来ると、分配機構は、ロボットロードハンドリング装置30と分配箱との間の適切な通信手段により作動され、必要な在庫アイテム28が、保管システムのロボットピッキング部分内のグリッドの下方に位置する配送コンテナDT内に下ろされる。
【0108】
在庫アイテム28が、必要な配送コンテナDT内に下ろされると、分配箱410は、再充填されることとなるシステムの商品到着部分へとロボットロードハンドリング装置30により戻され得るか、または在庫アイテム28が再び必要になるまでスタック12内への保管のために主要保管システムに戻され得る。
【0109】
この状況において、配送コンテナDT内の注文が完成し得る。その場合に、コンテナDTは、配送に進むためにバンまたは発送ステーションへとロボットロードハンドリング装置30により輸送され得る。しかし、注文が満たされていない場合には、配送コンテナDTは、保管システムのロボットピッキング部分内に保持されて、さらなる在庫アイテム28が中に下ろされるのを待機し得る。さらに、配送コンテナDTは、手作業またはロボットによりさらなる在庫アイテム28が追加されるように従来的なピックステーションへの輸送を必要とし得る。さらに、注文が完成したが発送が行われ得るまでに遅延が生じる場合には、配送コンテナDTは、主要保管システムに輸送され配送時間が知らされるまで主要保管システムに保管され得る。
【0110】
本発明の第3の態様のさらなる実施形態では、
図15aに示すように、箱510が、箱510内に収容されたアイテムが箱510の下方に位置する配送コンテナDTへと箱510から落とされ得るように、底部に1つまたは複数の開口またはハッチ60を有する。このようにすることで、箱510は、上述のようにディスペンサ箱510とみなされ得る。しかし、この形態の箱10では、箱510が必要とされる配送コンテナDTの上の本来位置にある場合に、箱510の内容物全体が配送コンテナDT内に下ろされる。
【0111】
図15a、
図15b、および
図15cを参照すると、好ましくは、底部75の全体が1つまたは複数の可動パネル65からなる。1つまたは複数の可動パネルまたはパネルが、
図15a、
図15b、および
図13cに示す第2の完全開口位置にある場合には、ハッチ60は、箱10の底部75の全体にわたる。ハッチが、箱510の底部と同一サイズであることにより、非常に大型のアイテムであっても、箱510の下方の配送コンテナDTに確実に分配され得る。
【0112】
図15a、
図15b、および
図15cに示すように、1つまたは複数の摺動可能パネルが、
図15aに示す第1の閉位置から
図15bに示す第2の開位置へと移動する。第1の位置では、パネル65は、連続底部を形成するように
図15aに示すように箱10の側部に当接する。
【0113】
この実施形態は、アイテムが箱510のパネルと側部70との間に引っ掛かった状態になるリスクが殆どないという利点を有する。この実施形態は、摺動可能パネルが箱510の内容物または箱510の下方の配送コンテナDTの内容物によって妨げられるリスクが殆どまたは全くないというさらなる利点を有する。
【0114】
閉位置から開位置へとパネル65を移動させるための一形態の機構が、
図15dに示される。この機構は、
図15cに示されるように開位置から閉位置へとパネル65を巻き上げるためのローラータイプ機構を備える。
【0115】
図15eに示すように、使用時に、ロボットロードハンドリング装置30は、本発明の一形態にしたがいディスペンサ箱510を搬送し、ターゲットの配送コンテナDTの上方の位置に移動される。ディスペンサ箱510は、中心制御ユーティリティを介しておよび/またはロボットロードハンドリング装置を介して作動され、箱510内に保管されたアイテムは、下方に位置する配送コンテナ内へと箱510の底部の開口を通り落下する。
【0116】
図16aおよび
図16bに示すような別の好ましい実施形態では、図示される1つまたは複数の摺動可能パネルが設けられる。第1の位置では、パネルは、連続底部を形成しハッチ60を閉じるように、
図16a~
図16cに示すように相互にまたは箱510の側部70に対して当接または重畳する。第2の位置では、1つまたは複数の摺動可能パネルは、独立的に開かれ、それにより作動されたパネルの直上の箱510の内容物が、箱510を搬送するロボットロードハンドリング装置30の下方の配送コンテナDT内に下ろされることが可能となり得る。
【0117】
図16の箱410は、図示するように可動パネルごとに在庫アイテム28を備え得る。代替的には、パネルごとに複数のアイテムが存在し、パネルは、単一のアイテムが分配されるのに十分なだけしか開かれなくてもよい。
【0118】
さらなる実施形態のディスペンサ箱510では、例えば
図17および
図16に示すように、箱510は、1つまたは複数の可動パネルまたはフラップ65により解除可能に開閉されるハッチ60を備える。これらのパネルは、可撓性、弾性、変形可能な、連続的な、もしくは不連続の、または開位置から閉位置に移動するのに適した任意の形態のものであってもよい。
【0119】
パネルは、図示される第1の位置すなわち閉位置と、ハッチ60がコントローラユーティリティまたはロードハンドリング装置30の制御下において完全にまたは部分的に開口する第2の位置すなわち開位置との間で移動され得る。
【0120】
図15に示す好ましい実施形態では、箱510は、側部70aおよび70bと、一対の枢動可能パネルまたはフラップ65aおよび65bにより形成される底部75とを有する。
【0121】
第1の閉位置では、フラップ同士は、
図17に示すように箱510の内容物を保持する連続底部65を形成するように相互に当接または重畳する。
【0122】
第2の開位置では、フラップ65aおよび65bは、枢動し、箱510の内容物が箱510の下方の配送コンテナDT内に落下し得るように箱510の下方の配送コンテナDTに向かって外方に開く。
【0123】
2つ以上の枢動可能パネル65aおよび65bは、箱510の下方の配送コンテナDT内に箱510の内容物を分配するように第1の位置から第2の開位置へと、箱510と直接的な通信状態にあるコントローラユーティリティによりまたは箱510を搬送するロボットロードハンドリング装置30との通信を介して、共にまたは独立的に移動され得る。次いで、パネル65aおよび65bは、箱510が他の在庫アイテム28を受けることが可能な状態になるように第1の閉位置へと戻され得る。
【0124】
内方に開く枢動可能パネル65aおよび65bが設けられてもよい点が理解されよう。
【0125】
さらに、内方および外方に開くことが可能である枢動可能パネル65aおよび65bが設けられてもよい点が理解されよう。
【0126】
代替的な一実施形態では、箱510は、それぞれが箱510Aの下方の箱にコンパートメントの一方の内容物を分配するように第1の閉位置から第2の開位置へと独立的に移動され得る1つまたは複数の枢動可能パネル65を備える2つ以上のコンパートメントAおよびBへと区分されてもよい。
【0127】
代替的な一実施形態では、複数の当接しているまたは重畳しているパネルが、第1の閉位置において箱510の底部を形成する。パネルは、箱510の下方の配送コンテナDTに箱510からアイテムを分配し得るハッチ60を形成するために、当接しているパネルの場合には重畳するように、または重畳しているパネルの場合にはさらに重畳するように第2の位置へとコントローラにより回転され得る。ハッチのサイズは、第2の開位置においてパネルの重畳量を変更することによって変更され得る。
【0128】
代替的な一実施形態では、ハッチ60は、底部75の一部を横断して延在するに過ぎない。第1の位置すなわち閉位置においてハッチ60を覆い箱510の内容物を保持する1つまたは複数の可動パネル65が設けられる。1つまたは複数のパネル65は、箱510A内のアイテムが箱510Aの下方の箱へとハッチを通り落下するようにハッチが部分的にまたは完全に開かれる第2の位置へと、ハッチから離れるように独立的に移動され得る。
【0129】
さらなる実施形態では、1つまたは複数のパネル60は、第1の位置から第2の位置へと側方に移動する。代替的には両側に移動する単一のパネル60が設けられてもよい点が理解されよう。
【0130】
2つ以上のパネル60が設けられる場合には、それらのパネル60は、ハッチを閉じるために第1の位置において相互に当接または重畳することが可能である点が理解されよう。
【0131】
2つ以上のパネル65が設けられる場合には、各パネルは、他のパネルから独立的に移動され得る点が理解されよう。
【0132】
1つまたは複数の可動パネルにより底部においてそれぞれが閉じられる複数のハッチが設けられ得る点が理解されよう。
【0133】
1つまたは複数のパネルの第2の位置を変更することにより、ハッチは、下方の配送コンテナDT内に箱510の内容物の一部またはすべてを分配するように部分的にまたは完全に開かれ得る点が理解されよう。これは、小型のアイテムを分配しより大きなアイテムを保持する必要がある場合には特に好ましいものとなり得る。代替的には、これは、もっぱら例としてであるが穀物、洗剤、砂糖、もしくは同様の粉末、パッケージング材料もしくはビーズ、菓子、グリッター、もしくは小型玩具などのノベルティーアイテム、または液体などの、流体または流動自在アイテムを分配する場合には特に好ましいものとなり得る。
【0134】
可撓性層または弾性層が、ハッチに向かってアイテムを送るための漏斗またはチャネルとして機能するようにハッチから延在してもよい点が理解されよう。
【0135】
代替的な一実施形態では、箱の底部は、より重いアイテムが分配され得る開口または弁を有した弾性層を備える点が理解されよう。この開口は、分配されるべきアイテムの重量が開口60を通してアイテムを送るのに十分なものとなるようにサイズ設定され得る。代替的には、1つまたは複数の開口は、箱510内の他のアイテムが分配されるべき1つまたは複数のアイテムを圧迫した場合にのみ、箱510の下方の配送コンテナDTに箱510からアイテムを分配するようにサイズ設定および形状設定され得る。
【0136】
代替的な一実施形態では、箱の底部は、小型のアイテムが箱510の下方の配送コンテナに箱510を通り落下するようにネットを備える点が理解されよう。
【0137】
この実施形態で説明されるディスペンサ箱は、単一のアイテムのみを搬送し得る点が理解されよう。しかし、ディスペンサ箱510は、
図14aに示すように、箱の底部の個別に開口可能および閉鎖可能な部分上にそれぞれが位置する複数のアイテムを搬送し得る。
【0138】
使用時には、上述の実施形態のいずれかにおいて説明されるようなロボットロードハンドリング装置またはロボットロードピッキング装置30が、ディスペンサ箱内の在庫アイテム28を必要としている配送コンテナの上方のロボットピッキンググリッド上のグリッド位置へと分配箱510を輸送する。信号が、分配箱510内の解除可能開口機構に、または箱510を搬送しているロボットロードハンドリング装置に印加され、この信号は、分配箱内の開口機構を解除するように機能し、在庫アイテム28は、配送コンテナDT内に下ろされる。
【0139】
ディスペンサ箱510は、分配されるアイテムが正確な配送コンテナDT内にまたは正確な配送コンテナDTの正確な部分に下ろされることを確認するための確認手段を備えてもよい。
【0140】
図18aおよび
図18bに示されるような本発明のさらなる態様では、箱10は、菓子、液体、小麦粉、ナッツ、およびボルト、または他のかかる在庫アイテム28などの「流動自在な」在庫アイテムを収容するためのホッパーの形態を備える。箱810は、種々のカテゴリーの在庫アイテム28を収容する個別のホッパータイプセクションを備えてもよく、または単一カテゴリーの在庫アイテム28を収容する単一のホッパータイプユニットを有する箱910を備えてもよい。
【0141】
使用時には、前記ホッパータイプディスペンサ箱を備える箱10は、上述の実施形態のいずれかにおいて説明されるようなロボットロードハンドリング装置またはロボットロードピッキング装置30により輸送される。装置は、ディスペンサ箱810、910内の在庫アイテム28を必要としている配送コンテナDTの上方のロボットピッキンググリッド上のグリッド位置へと分配箱810、910を輸送する。信号が、分配箱810、910内の解除可能開口機構61に、または箱810、910を搬送しているロボットロードハンドリング装置に印加され、この信号は、分配箱内のそのまたは各開口機構61を解除するように機能し、在庫アイテム28は、配送コンテナDT内に下ろされる。
【0142】
ディスペンサ箱810の場合には、各セクションが、在庫アイテム28が適宜センサ手段およびカメラ手段を使用して配送コンテナDTの正確なセクション内に分配され得るように、解除可能開口機構61を必要とする点が理解されよう。
【0143】
配送コンテナDTは、顧客への移送を進めるための実際の配送コンテナであってもよく、または例えば代替的な注文処理センターなどの他の場所への配送用に定められた「後でピッキングする」アイテムを有する箱10であってもよい点に留意されたい。配送コンテナDTという用語は、配送コンテナDTから箱10を識別するために使用される。しかし、箱およびDTは、同様のまたは実質的に同一の形状および構成のものであってもよく、箱の機能が、箱の実際の形状またはサイズにおける何らかの相違ではなくかかる定義を規定する点が理解されよう。
【0144】
また、配送コンテナDTは、ロボットロードハンドリング装置が主要保管システムのスタック12内または名目上のロボットピッキングエリア内のいずれかに関わらずすべての箱の移動をハンドリングし得ることを確保するために箱10内に収容されてもよい点が理解されよう。
【0145】
さらに、上述の実施形態の多くが、遠隔のまたは別個のロボットピッキングエリアを参照として説明されるが、主要保管システムは、従来的なピッキングおよび保管システムとして同時に機能するようなロボットピッキングエリアとして使用されることが可能である点が理解されよう。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 保管システム内で少なくとも1つのコンテナから少なくとも1つの在庫アイテムをピッキングするためのピッキング装置であって、前記保管システムは、
複数のコンテナの上のグリッドパターン中に配置されている複数のレールまたはトラックを備え、
前記グリッドパターンは複数のグリッドスペースを備え、
前記複数のコンテナは、単一のグリッドスペースのフットプリント内の前記複数のトラックまたはレールの下方に位置し、
前記ピッキング装置は、前記複数のコンテナの上方の前記複数のレールまたはトラック上で側方に移動するように構成され、前記複数のコンテナの一部分は在庫アイテムを備え、
前記ピッキング装置が、少なくとも1つのコンテナから少なくとも1つの在庫アイテムをピッキングするように適合されているピッキング手段と、前記少なくとも1つのコンテナから異なる予め定められたコンテナに、前記在庫アイテムまたは各在庫アイテムを移動する手段とを備えることを特徴とする、ピッキング装置。
[2] 少なくとも1つの車両手段をさらに備え、
各車両手段は、車両本体とホイールアセンブリを備え、
前記ホイールアセンブリは、前記装置の動きを第1の方向に案内するように、レールまたはトラックの第1のセットと係合するためのホイールの第1のセットと、前記装置の動きを第2の方向に案内するように、レールまたはトラックの第2のセットと係合するためのホイールの第2のセットとを備える、[1]に記載のピッキング装置。
[3] 前記ピッキング装置は、少なくとも1つのコンテナを持ち上げ、移動するためロードハンドリング手段をさらに備え、
前記ピッキング装置は、コンテナ収容空間と、グリッドの下から前記コンテナ収容空間に少なくとも1つのコンテナを持ち上げる持ち上げ手段とをさらに備える、[1]または[2]に記載のピッキング装置。
[4] 前記ピッキング手段と、前記ロードハンドリング手段と、前記持ち上げ手段とは、1つの車両本体内の同じ場所に配置されている、[3]に記載のピッキング装置。
[5] 前記ピッキング手段と前記ロードハンドリング手段は、別々の車両本体上に、または別々の車両本体内に置かれ、各車両は、前記トラックまたはレール上で別々に移動可能である、[3]に記載のピッキング装置。
[6] 前記コンテナ収容空間は、前記ピッキング装置の上方から前記ピッキング手段によってアクセス可能である、[5]に記載のピッキング装置。
[7] 前記持ち上げ手段は、前記保管システム内に置かれている上昇手段を備え、前記上昇手段は、その上に置かれているコンテナを前記コンテナ収容空間中に上昇させるように適合されている、[3]から[6]のうちのいずれか1項に記載のピッキング装置。
[8] 車両本体内にアイテム保管手段をさらに備え、前記アイテム保管手段は、複数のアイテムが、少なくとも1つのコンテナからピッキングされ、車両または各車両内に保持できるようにする、[1]から[7]のうちのいずれか1項に記載のピッキング装置。
[9] 前記ピッキング手段は、前記保管システムの一部分上に、または、前記保管システムを囲む建物の構造的部分上に取り付けられる、[1]に記載のピッキング装置。
[10] 前記ピッキング手段は、前記保管システムの上方で可動であるクレーン手段上に取り付けられ、前記ピッキング手段は、前記保管システム中の任意の個々のグリッドスペースの上方に置かれてよい、[1]に記載のピッキング装置。
[11] 前記ピッキング手段は、コンテナから1つ以上の在庫アイテムを解除可能に係合し、持ち上げるように適合されている複数のロボットピッキング手段を備える、[1]から[10]のうちのいずれか1項に記載のピッキング装置。
[12] 前記ピッキング手段は、コンテナから在庫アイテムをピッキングするように適合されているグリッパまたはハンドを備える、[11]に記載のピッキング装置。
[13] 前記ピッキング手段は、真空手段により作動される吸引カップを備え、または、中心制御ユーティリティにより作動される遠隔制御可能グリッパを備えることができる、[11]または[12]に記載のピッキング装置。
[14] 保管システムが、前記保管システム中で動作可能な[1]から[13]のうちのいずれか1項に記載の少なくとも1つのピッキング装置を備える、[1]から[13]のうちのいずれか1項に記載の保管システム。
[15] 前記保管システムが、少なくとも1つのロードハンドリング装置をさらに備え、前記ロードハンドリング装置は、車両本体内に置かれたコンテナ収容空間を備え、前記ロードハンドリング装置は、コンテナを前記コンテナ収容空間内に持ち上げるように配置されている、[14]に記載の保管システム。
[16] 前記ピッキング装置または各ピッキング装置と、前記ロードハンドリング装置または各ロードハンドリング装置とは、中心制御ユーティリティの制御下の前記システムの、前記レールまたはトラック上で動作可能である、[1]から[15]のうちのいずれか1項に記載の保管システムまたはピッキング装置。
[17] 前記コンテナまたは各コンテナは、複数の在庫アイテムを備える、[1]から[16]のうちのいずれか1項に記載の保管システムまたはピッキング装置。
[18] 前記コンテナまたは各コンテナは、配送のための顧客注文を備える、[1]から[17]のうちのいずれか1項に記載の保管システムまたはピッキング装置。
[19] 前記ピッキング装置は、前記保管システムの一部分上でのみ動作可能である、[1]から[18]のうちのいずれか1項に記載の保管システムまたはピッキング装置。
[20] 前記保管システムの一部分は、前記レールまたはトラックの下方に配設されている単層のコンテナを備える、[1]から[19]のうちのいずれか1項に記載の保管システムまたはピッキング装置。
[21] 前記ピッキング手段は、在庫アイテムを備える第1のコンテナから少なくとも1つのアイテムをピッキングし、第2のコンテナ中に少なくとも1つの在庫アイテムを下ろし、前記第2のコンテナは、顧客注文を備える、[1]から[20]のうちのいずれか1項に記載の保管システムまたはピッキング装置。
[22] 前記第2のコンテナは、前記ピッキングされた在庫アイテムが下ろされてもよいバッグ手段を備える、[21]に記載の保管システムまたはピッキング装置。
[23] 前記ピッキングされた在庫アイテムが前記コンテナ内に下ろされている前記位置を感知および制御するセンサ手段がさらに提供されている、[21]または[22]に記載の保管システムまたはピッキング装置。
[24] 前記センサ手段は、カメラを備えている、[23]に記載の保管システムまたはピッキング装置。
[25] 前記コンテナはまたは各コンテナは、前記保管システム中に保管されている、[1]から[24]のうちのいずれか1項に記載の保管システムまたはピッキング装置。
[26] 顧客注文への在庫アイテムの一部またはすべてのピッキングが、グリッド上で取りかかられる、[1]から[25]のうちのいずれか1項に記載の保管システム。