(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】通気式型
(51)【国際特許分類】
B29C 33/10 20060101AFI20231120BHJP
B29C 33/20 20060101ALI20231120BHJP
B29C 44/00 20060101ALN20231120BHJP
【FI】
B29C33/10
B29C33/20
B29C44/00 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021166092
(22)【出願日】2021-10-08
(62)【分割の表示】P 2018529694の分割
【原出願日】2016-08-30
【審査請求日】2021-11-05
(32)【優先日】2015-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511122651
【氏名又は名称】プロプライアテクト・エル.ピー.
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ビーミッシュ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ティー.・マクグラス
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・ジー.・カンガス
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特許第7019573(JP,B2)
【文献】特開2002-307459(JP,A)
【文献】特開2008-055610(JP,A)
【文献】特開2005-324552(JP,A)
【文献】特開2003-181839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/10
B29C 33/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開位置と閉位置との間で解放可能に係合可能な第1の型要素(105)及び第2の型要素(110,310)であって、前記閉位置では型空洞を画定し、前記第1の型要素と前記第2の型要素の周囲に配置された第1の部分線を画定する第1の型要素及び第2の型要素と、ここで、前記第1の型要素は、環状型部(115,315)及び中央型部(120,320)であって、前記中央型部の周囲に第2の部分線(130,330)を画定するために互いに対して可逆的に分離可能に構成されている環状型部及び中央型部を備え、前記第2の部分線は、前記第1の部分線の周囲に対して内側に配置されており、
前記第2の部分線中に配置されている少なくとも1つの通気孔(125)と、を備える型(100,300)であって、前記少なくとも1つの通気孔は、通路の中の型材料の少なくとも部分的な硬化を引き起こすために、前記型空洞中の前記型材料が前記通路には入るが、前記通路からは出ないことを可能にするように構成されている前記通路を備えている型において、
(i)前記第2の部分線は、成形される部分のB-表面に対応し、
(ii)前記通路の中の型材料は、前記成形される部分のB-表面にその全体が取り付けられて
おり、
前記型は、前記中央型部に対して前記環状型部を移動させるように構成されている第1の動力要素をさらに備え、
前記第1の動力要素は、前記型空洞から成形された要素を除去する前に、前記環状型部と前記中央型部を分離するように構成されていることを特徴とする、型。
型。
【請求項2】
前記通路内の少なくとも部分的に硬化した型材料がリボン形状を有するように、前記通路は、実質的に長方形の断面を有する、請求項1に記載の型。
【請求項3】
前記通路は、およそ0.005センチメートルからおよそ0.076センチメートルの範囲の厚さ、及び、およそ15.2センチメートルまでの幅を有する、請求項1又は2に記載の型。
【請求項4】
前記環状型部は、開中央部を画定するように実質的に環状であり、前記中央型部は前記開中央部に可逆的に適合するように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の型。
【請求項5】
開位置と閉位置との間で解放可能に係合可能な第1の型要素(105)及び第2の型要素(110,310)であって、前記閉位置では型空洞を画定し、前記第1の型要素と前記第2の型要素の周囲に配置された第1の部分線を画定する第1の型要素及び第2の型要素と、ここで、前記第1の型要素は、環状型部(115,315)及び中央型部(120,320)であって、前記中央型部の周囲に第2の部分線(130,330)を画定するために互いに対して可逆的に分離可能に構成されている環状型部及び中央型部を備え、前記第2の部分線は、前記第1の部分線の周囲に対して内側に配置されており、
前記第2の部分線中に配置されている少なくとも1つの通気孔(125)と、を備える型(100,300)であって、前記少なくとも1つの通気孔は、通路の中の型材料の少なくとも部分的な硬化を引き起こすために、前記型空洞中の前記型材料が前記通路には入るが、前記通路からは出ないことを可能にするように構成されている前記通路を備えている型において、
(i)前記第2の部分線は、成形される部分のB-表面に対応し、
(ii)前記通路の中の型材料は、前記成形される部分のB-表面にその全体が取り付けられており、
前記型は、前記開位置と前記閉位置との間で前記第1の型要素と前記第2の型要素を解放可能に係合するように構成されている第2の動力要素をさらに備え
、
前記第2の動力要素は、前記環状型部と前記中央型部の分離の後に、前記第1の型要素と前記第2の型要素とを前記開位置に配置するように構成されている、型。
【請求項6】
前記型の閉位置において、前記第1の部分線を密封するように構成されている密封要素(135)をさらに備えている、請求項1~
5のいずれか1項に記載の型。
【請求項7】
前記型空洞を画定する前記第1の型要素の表面の少なくとも一部分に配置されている複数の溝要素をさらに備え、前記溝要素のうちの少なくとも1つは、複数の通気孔のうちの少なくとも1つと流体連通する、請求項1~
6のいずれか1項に記載の型。
【請求項8】
前記密封要素は、型材料が前記第1の部分線に入ることを実質的に防ぐように構成されている、請求項
6に記載の型。
【請求項9】
前記第2の部分線に配置されている複数の間隙を介した通気孔を備えている、請求項1~
8のいずれか1項に記載の型。
【請求項10】
請求項1~
9のいずれか1項に記載の型を用いて発泡要素を生成する方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]
本出願は、35USC.§119(e)の下で、2015年8月31日に出願された仮特許出願S.N.62/212,109の利益を主張し、その内容は、参照によりここに組み込まれる。
【発明の分野】
【0002】
[0002]
本発明は、成形品を生成するための改良型に関する。その最も好ましい実施形態では、原材料の通気孔への押し出しが成形品のB-表面上で排他的に達成されるように、本発明における通気は位置付けられており、装飾又は仕上げカバーの適用より前に、にじみ出る原材料を除去するための要件を取り除く。
【先行技術の説明】
【0003】
[0003]
多くの物品は、原材料を型中の空洞に入れることにより生成され、原材料は、物理的変化(例えば、膨張又は発泡)を受け、したがって、生成される物品は、空洞の形状を獲得する。この技術は、一般に、ポリウレタンフォーム、ラテックス(例えば、天然及びスチレン-ブタジエンゴム)フォーム、及びこれに類するもののような、ポリマーフォームから作られた成形品を生成するために用いられる。
【0004】
[0004]
例えば、自動車のシートは、一般に、形状に成形された後、(「装飾カバー」としても知られている)ビニル、布又は革仕上げカバーで覆われているポリウレタンクッションから製造される。ポリウレタンフォームは、発泡とポリメリゼーションプロセスのうちの少なくとも一部分とが同時に生じるという点で幾分ユニークである。したがって、例えば、従来のコールドフォーム技術を使用するポリウレタンフォームの生成の際に、従来の配合は、
1.ポリオール(樹脂)
2.水(間接発泡剤)
3.テトラメチルエチレンジアミン(触媒)
4.ジメチルエタノールアミン、及び
5.ポリイソシアネート
を含んでいる。
【0005】
[0005]
混合物は、適切な混合ヘッドを使用して、型中に供給され、その後、型は閉じられ、成形する型内で素材を膨張させることを可能にする。したがって、最初に型に供給される混合物を「液体発泡性ポリマー組成物」、又は、このケースでは、「液体発泡性ポリウレタン組成物」と呼ぶことが一般的に便利である。型中で組成物が膨張すると、重合が生じ、このように形成されたポリマーは、固まる。
【0006】
[0006]
ポリウレタンフォーム物品のような物品を形成するために、液体発泡性ポリマー組成物を成形するとき、従来は、閉じられたときに型空洞を規定する下型と上型を備える、クラムシェル型を使用する。型が開かれ、液体発泡性ポリウレタン組成物が型空洞に供給され、化学反応が組成物を膨張させるので、型は閉じられる。型を閉じた後、型の内部空洞を満たすように組成物は膨張する。代替的に、組成物は、閉じられた型中に供給されてもよい。いずれのケースにおいても、ポリメリゼーション反応が完了すると、発泡体は硬化し、恒久的に型空洞の形状をとる。
【0007】
[0007]
当業者に知られているように、発泡性組成物が膨張するので、このプロセスの間に、型を十分に通気し、型中に存在する空気が型を出ることができるようにすることが、必要不可欠である。さらに、ポリメリゼーションの間に発生したガス(ポリウレタンの生成において、典型的にはCO2)の一部分が型を出ることができるようにすることが必要不可欠である。
【0008】
[0008]
型を十分に通気することに失敗すると、結果として、閉じ込められたガス又は気泡により、表面硬化(又は、発泡体高密度化)及び/又はボイド形成のような不適切な発泡の兆候を示す、欠陥のある成形品となる。その一方で、型の過剰通気も、硬化より前に発泡体が崩れることにより、結果として、欠陥のある成形品となるだろう;この現象は、「スフレ」効果と呼ばれることが多い。このように、型の適切な通気は、許容可能な品質の成形品を生成する際の重要な要因である。
【0009】
[0009]
典型的には、第1世代のクラムシェル型は、通気孔を提供するために、上型中に、貫通又は切断通路を有するように設計されている。これらの通気孔の数に関して、位置付け、サイジングし、決定することは、型設計者又は製造技術者の一部の何らかのスキルの問題であり、より多くの通気孔がさまざまな位置に追加される、又は、テスト実行がされた後に他の通気孔が塞がれる、反復手順であることが多い。
【0010】
[0010]
成形動作の間、通気孔に異動するいくつかの液体発泡性ポリマー組成物が無駄になる。2つの理由、すなわち(1)完成品を生成するために必要とされる化学物質の全体的な費用に無駄にされる材料が追加されることと、(2)仕上げカバーが適用されるより前に無駄にされる材料が成形品から取り除かれなければならないことにより、これらに関係する追加の労力及びコストが必要となることから、(「フラッシュ」、「キノコ」、「芽」、「パンケーキ」及びこれらに類するものしても知られている)無駄にされる材料の量を最小化することが、一般的に望ましい。
【0011】
[0011]
以下で展開するように、このような成形動作の間の通気に対する改良は、ある程度技術を進めている。しかしながら、型設計者及び製造技術者は、過剰な通気を避けつつ適切な位置で十分な通気を提供することと、通気の間の材料消耗を最小化することとの間の折衷案を最適化するように継続的に努力している。
【0012】
[0012]
通気のための従来のアプローチは、型の表面に通気孔を配置することを伴っていた。その結果、突出した原材料が後に成形品から除去されることとなり、製造プロセスに労力及び無駄が加わっていた。改良された通気技術では、従来の(「第1の」)部分線に通気(例えば、以下で説明する、いわゆる「リボン通気」)が追加された。発泡体の薄いリボンを生成する通気式型は、過去20年にわたって評判を得てきた。しかしながら、シート設計がより複雑になり、装飾カバー材料がより薄くなるにつれ、発泡部のリボンが装飾カバーを通して見える場合がある。このように、発泡材料の薄いリボンを生成する通気式型の開発の進歩にもかかわらず、部品が完成した後、リボンが装飾カバーを通して見えるケースでは、それらを取り除かなければならないという問題に対処する必要がある。
【発明の概要】
【0013】
[0013]
本発明の目的は、上述の先行技術の不利益のうちの少なくとも1つを除去又は軽減することである。
【0014】
[0014]
本発明の別の目的は、新規の型を提供することである。
【0015】
[0015]
したがって、その態様のうちの1つにおいて、本発明は、開位置と閉位置との間で開放可能に係合可能な第1の型要素及び第2の型要素であって、前記閉位置では型空洞を規定し、前記第1の型要素と前記第2の型要素との間に第1の部分線を規定する第1の型要素及び第2の型要素と、ここで、前記第1の型要素は、第1の型部と第2の型部を備え、それらの間に前記第1の部分線の周辺に対して内部に配置されている第2の部分線を規定するために、それらは互いに対して可逆的に分離可能に構成されており、前記第2の部分線中に配置されている少なくとも1つの通気孔と、を備える型であって、前記少なくとも1つの通気孔は、通路の中の型材料の少なくとも部分的な硬化を引き起こすために、前記型空洞中の前記型材料が前記通路には入るが、前記通路からは出ないことを可能にするように構成されている前記通路を備えている、型を提供する。
【0016】
[0016]
その別の態様において、本発明は、開位置と閉位置との間で開放可能に係合可能な第1の型要素及び第2の型要素であって、前記閉位置では型空洞を規定し、前記第1の型要素と前記第2の型要素の周囲に配置された第1の部分線を規定する第1の型要素及び第2の型要素と、ここで、前記第1の型要素は、環状型部及び中央型部であって、前記中央型部の周囲に第2の部分線を規定するために互いに対して可逆的に分離可能に構成されている環状型部及び中央型部を備え、前記第2の部分線は、前記第1の部分線に対して内側に配置されており、前記第2の部分線中に配置されている少なくとも1つの通気孔と、を備える型であって、前記少なくとも1つの通気孔は、通路の中の型材料の少なくとも部分的な硬化を引き起こすために、前記型空洞中の前記型材料が前記通路には入るが、前記通路からは出ないことを可能にするように構成されている前記通路を備えている、型を提供する。
【0017】
[0017]
その別の態様において、本発明は、開位置と閉位置との間で開放可能に係合可能な第1の型要素及び第2の型要素であって、前記閉位置では型空洞を規定し、前記第1の型要素と前記第2の型要素との間に第1の部分線を規定する第1の型要素及び第2の型要素と、ここで、前記第1の型要素は、第1の型部と第2の型部を備え、それらの間に前記第1の部分線の周辺に対して内部に配置されている第2の部分線を規定するために、それらは互いに対して可逆的に分離可能に構成されており、前記第2の部分線の中に配置されている少なくとも1つの通気孔と、を備える型であって、前記少なくとも1つの通気孔は、およそ0.002インチ(0.00508センチメートル)からおよそ0.030インチ(0.0762センチメートル)の範囲の厚さの通路を備える、型を提供する。
【0018】
[0018]
したがって、本発明者は、改良された通気技術による新規の型、特に、発泡物品の生成のための型を開発した。本アプローチは、過去に使用されていたアプローチとは全く異なる。
【0019】
[0019]
本発明者によって開発されたアプローチでは、完成した部品の下側又はB-表面に対応する型中の第2の部分線を効果的に生成する。このアプローチは、従来のアプローチが発泡部の側(技術的にA-表面)とB-表面との間の交差部分でリボンを生成するという点で、従来のアプローチとは異なる。従来の部分線の内部に第2の部分線を組み込むことにより、本発明者は、第2の部分線に通気孔を置き、特に好ましい実施形態では、従来の部分線を密閉して、任意の型材料がその部分線に入ることを防いだ。成形部品は、依然として、その部品に取り付けられる型材料の1つ以上のリボンを生成するが、これらのリボンは、現在では完全に、成形部品のB-表面に置かれるため、いったん装飾カバーがそこに適用されると、成形部品に取り付けられる1つ以上のリボンは、装飾カバーを通して見えない。したがって、本型は、その部品をカバーするために薄い装飾カバーが使用されるときでさえ取り除かれる必要がない1つ以上のリボンを有する成形製品を生成するために使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
[0020]
本発明の実施形態が、添付の図面を参照して説明され、同様の参照番号は同様の部分を示している。
【
図1】
図1は、先行技術の型の斜視図を図示している。
【
図2】
図2は、型が閉じられたとき、
図1中に図示した型の断面を図示している。
【
図3】
図3は、
図1及び2中に図示した先行技術で生成された成形品を図示している。
【
図4】
図4は、装飾カバーの適用後、
図3からの成形品の断面図を図示している。
【
図5】
図5は、本発明の好ましい実施形態にしたがう型の斜視図を図示している。
【
図7】
図7は、
図5及び6中に図示した型で生成された成形品を図示している。
【
図8】
図8は、成形品の生成において示される
図5及び6中に図示した型の断面を図示している。
【
図9】
図9は、
図8中に図示した型を使用して生成された成形品を取り出す第1のシーケンスの部分的断面図を図示している(型要素及び部分は、開位置にあり、付加物が成形品に取り付けられている)。
【
図9a】
図9aは、
図8中に図示した型を使用して生成された成形品を取り出す第2のシーケンスの部分的断面図を図示している(型要素及び部分は、開位置にあり、付加物が成形品に取り付けられている)。
【
図10】
図10は、
図8中に図示した型を使用して生成された成形品を取り出す第3のシーケンスの部分的断面図を図示している(付加物が第1の部分と第2の部分の間のままで、型要素は、開位置にある)。
【
図11】
図11は、本発明の好ましい実施形態にたがう、型の部分の断面を図示している。
【
図12】
図12は、
図11中に図示した型によって生成された成形製品の一部分を図示している。
【
図13】
図13は、装飾カバーの適用後、
図8によって図示したプロセスを通して生成された成形品を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0021]
本発明は、段落[0016]、[0017]及び[0018]に記載のように、新規な型に関する。この型の好ましい実施形態は、以下の特徴のいずれかのうちの任意の1つ、又は、任意の2つ以上の組み合わせを含んでよい。
・通路内の少なくとも部分的に硬化した型材料がリボン形状を有するように、前記通路は、実質的に長方形の断面を有する
・通路は、およそ0.002インチ(0.00508センチメートル)からおよそ0.030インチ(0.0762センチメートル)の範囲の厚さを有する
・通路は、およそ0.005インチ(0.0127センチメートル)からおよそ0.020インチ(0.0508センチメートル)の範囲の厚さを有する
・通路は、およそ0.002インチ(0.00508センチメートル)からおよそ0.030インチ(0.0762センチメートル)の範囲の厚さを有し、その幅は、分割線の周りに連続的であり-好ましくは、その幅はおよそ6インチ(15.24センチメートル)までである
・通路は、およそ0.005インチ(0.0127センチメートル)からおよそ0.020インチ(0.0508センチメートル)の範囲の厚さを有しており、その幅は、分割線の周りに連続的であり-好ましくは、その幅はおよそ6インチ(15.24センチメートル)までである
・第1の型部は、開中央部を規定するように実質的に環状であり、第2の型部は、開中央部に可逆的に適合するように構成されている
・第1の型部及び第2の型部は、互いに対して直線的に移動可能になるように構成されている
・第1の型部及び第2の型部は、互いに対して非直線的に移動可能になるように構成されている
・第1の型部及び第2の型部は、互いに対して枢動可能に移動可能になるように構成されている
・型は、第2の型部に対して第1の型部を移動させるように構成されている第1の動力要素をさらに備えている
・型は、第2の型部から第1の型部を分離するように構成されている第1の動力要素をさらに備えている
・第1の動力要素は、機械的である
・第1の動力要素は、油圧式である
・第1の動力要素は、空気式である
・第1の動力要素は、型空洞からの成形された要素の除去より前に、第1の型部と第2の型部を分離するように構成されている
・第1の動力要素は、型空洞からの成形された要素の除去の後に、第1の型部と第2の型部を分離するように構成されている
・型は、開位置と閉位置との間で第1の要素と第2の型要素を解放可能に係合するように構成されている第2の動力要素をさらに備えている
・第2の動力要素は、第1の型部と第2の型部の分離より前に、第1の型要素と第2の型要素を開位置に配置するように構成されている
・第2の動力要素は、第1の型部と第2の型部の分離の後に、第1の型要素と第2の型要素を開位置に配置するように構成されている
・型は、型の閉位置において、第1の部分線を密封するように構成されている密封要素をさらに備えている
・密封要素は、第1の型要素上に配置されている
・密封要素は、第2の型要素上に配置されている
・密封要素は、第1の型要素上に配置されている第1の密封要素と、第1の型要素上に配置されている第2の密封要素をさらに備えている
・密封要素は、型材料が第1の部分線に入ることを実質的に防ぐように構成されている
・型は、第2の部分線に配置されている複数の間隙を介した通気孔を備えている
・型は、第1の型要素が型空洞を規定する表面の少なくとも一部分に配置されている少なくとも1つの溝要素をさらに備えている
・型は、第1の型要素が型空洞を規定する表面の少なくとも一部分に配置されている複数の溝要素をさらに備えている
・型は、第1の型要素が型空洞を規定する表面の少なくとも一部分に配置されている複数の相互接続溝要素をさらに備えている
・型は、第1の型要素が型空洞を規定する表面の少なくとも一部分に配置されている複数の溝要素をさらに備え、溝要素のうちの少なくとも1つは、複数の通気孔のうちの少なくとも1つと流体連通する、及び/又は、
・型は、第1の型要素が型空洞を規定する表面の少なくとも一部分に配置されている複数の溝要素をさらに備え、複数の溝要素のうちの少なくともいくつかは、複数の通気孔のうちの少なくともいくつかと流体連通する。
【0022】
[0022]
本発明の好ましい実施形態を説明する前に、以下は、米国特許5,356,580(Re.36,413)、米国特許5,482,271(Re.36,572)、及び、米国特許5587183[すべて、クラーク他名義(クラーク)]にしたがう、先行技術型及びそれから生成される発泡体製品の説明である。
【0023】
[0023]
したがって、
図1-2を参照すると、蓋15及びボウル(bowl)20を備える型10が図示されている。
図1は、いわゆる開位置にある型10を図示し、
図2は、いわゆる閉位置にある型10を図示している。
【0024】
[0024]
図2を参照すると、型10が閉位置にあるとき、蓋15とボウル20との間に部分線25が規定される。
【0025】
[0025]
図1を参照すると、部分線25に対応するボウル20の部分に一連の通路30が配置される。
【0026】
[0026]
図3は、
図1-2中に図示した型10中で生成された発泡部50を図示している。示しているように、発泡部50は、ボウル20中の通路30に入る発泡材料によって生成された、一連のリボン55を備えている。
【0027】
[0027]
図4は、上記で言及した問題を図示している。具体的には、比較的薄い装飾カバー60が発泡部50上に配置され、Aによって指定されるように装飾カバー60を通してリボン55の跡が見える。
【0028】
[0028]
図3中でさらに見えるように、リボン55は、発泡部50の下側(すなわち、B面)と発泡部50の側面部(すなわち、A面)との間の交差部分に生成される。
【0029】
[0029]
図5を参照すると、本発明の好ましい実施形態である型100が、概略的な形態で図示されている。型100は、蓋105とボウル110とを備えている。蓋105は、事実上2部構造であり、環状型部115と中央部120とを備えている。一連の通気通路125は、中央型部120に配置されている。
【0030】
[0030]
図6を参照して示すように、環状型部115と中央型部120は、共にはめ合い、部分線130を形成するように構成されている。部分線130に配置されている通気通路125は、好ましくは、クラーク特許中で開示されている方法と類似した方法で構成される。
【0031】
[0031]
非常に好ましい実施形態では、環状型部115は、その周辺に沿って、シール135を備えている。シール135は、ボウル110の表面に接し、ボウル110と実質的に流体密封シールを形成するように構成されている-
図6参照。このようなシールの提供は、型の閉位置において、すべての通気が部分線130で生じる-すなわち、環状型部115とボウル110との間の部分線では実質的に通気が起こらないことを事実上意味する。
【0032】
[0032]
その結果、発泡部が型100中で生成されるとき、通路125に入る発泡材料によってリボンが形成されるが、これらのリボンは、完全に下側(発泡部のB面)に配置される。これは、
図7-8中に図示されている。
【0033】
[0033]
したがって、発泡部200の下側部分210(B-表面)に接続している、一連の発泡リボン205を有する発泡部200が図示されている。シール135の型100への供給は、発泡部200の下側部分210と側壁220との間の端部分215に沿ったリボンの形成を防ぐ。
【0034】
[0034]
図9、9a及び10は、型100から発泡部200を取り出すためのさまざまなシーケンスを図示している。
【0035】
[0035]
図9において、第1のシーケンスでは、いったん発泡が完了すると、環状型部115と中央型部120が矢印BとCの方向に、それぞれ連続して動かされる。これは、後にボウル110から取り除かれる発泡部200にリボン205が取り付けられたままにすることを可能にする。
【0036】
[0036]
図9aを参照すると、このシーケンスでは、いったん発泡が完了すると、環状型部115と中央型部120は、発泡部200とともに矢印Bの方向に同時に動かされる。環状型部115と中央型部120との間に閉じ込められているリボン205は、ボウル110からの発泡部200の除去において、補助をする。いったん、発泡部200がボウル110から除去されると、中央型部120は、その後、環状型部115からCの方向に分離される。発泡部200は、中央型部120に取り付けられたままである。これは、リボン205が発泡部200に取り付けられたままであることを可能にする。
【0037】
[0037]
図10を参照すると、第3のシーケンスでは、環状型部115と中央型部120は、ともに動かされ、これは、リボン205を挟み、リボン205を発泡部200から取り除く効果を有している。これは、結果として、リボンが完全にない発泡部の生成をすることができる。
【0038】
[0038]
環状型部115と中央型部120が互いに動かされる方法については、明確性のために敢えて示していない。この動きを達成するための、適切な動力要素又は手段は、当業者の選択の範囲内である。例えば、これらの型部分は、機械的に、油圧で又は空気圧で動かされてよい。
【0039】
[0039]
図13を参照すると、装飾カバー250の適用の後の、
図7からの発泡部200が図示されている。
図13から理解できるように、発泡部200がいったん車両に取り付けられると、発泡部200に取り付けられているリボン205は、装飾カバー250下では見えないだろう。
【0040】
[0040]
図11-12を参照すると、型300の部分と型300から生成された発泡部400の対応する部分が図示されている。
図6及び11において、類似する要素が、同一の最後の2つの参照番号により示されている。したがって、
図6中のボウル110は、
図11中のボウル310等に対応する。
図11中で示す型300における修正は、中央型部320が、その部分上に溝350のネットワークを含むように修正されているという点である。溝350の設計及び配置は、米国特許7,481,637と、7,878,785と、7,366,429と8,850,644[キャスカート他(キャスカート)]においてより詳細に説明されている。
【0041】
[0041]
型300中で生成された対応する発泡部400を
図12中に示している。さらに、
図7及び12を参照すると、類似した要素が、同一の最後の2つの参照番号により示されている。図に示すように、発泡部400は、
図11に示す型300の溝350に対応する一連の445に示す部分を含む。
【0042】
[0042]
実例となる実施形態と例を参照して本発明を説明してきたが、説明は、限定する意味で解釈されるべきではないということが意図されている。したがって、実例となる実施形態のさまざまな修正と、本発明の他の実施形態とが、本説明を参照すると、当業者には明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、任意のそのような修正又は実施形態をカバーすることとなるということが企図される。
【0043】
[0043]
ここで参照されるすべての刊行物、特許、及び、特許出願は、あたかもそれぞれの個々の刊行物、特許、又は、特許出願が、具体的に及び個別的に、その全体が参照により組み込まれるように示されていたのと同程度に、その全体が参照により組み込まれる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 開位置と閉位置との間で開放可能に係合可能な第1の型要素及び第2の型要素であって、前記閉位置では型空洞を規定し、前記第1の型要素と前記第2の型要素との間に第1の部分線を規定する第1の型要素及び第2の型要素と、ここで、前記第1の型要素は、第1の型部と第2の型部を備え、それらの間に前記第1の部分線の周辺に対して内部に配置されている第2の部分線を規定するために、それらは互いに対して可逆的に分離可能に構成されており、
前記第2の部分線中に配置されている少なくとも1つの通気孔と、を備える型であって、前記少なくとも1つの通気孔は、通路の中の型材料の少なくとも部分的な硬化を引き起こすために、前記型空洞中の前記型材料が前記通路には入るが、前記通路からは出ないことを可能にするように構成されている前記通路を備えている、型。
[2] 前記通路内の少なくとも部分的に硬化した型材料がリボン形状を有するように、前記通路は、実質的に長方形の断面を有する、[1]に記載の型。
[3] 前記通路は、およそ0.002インチ(0.00508センチメートル)からおよそ0.030インチ(0.0762センチメートル)の範囲の厚さを有する、[1]又は[2]に記載の型。
[4] 前記通路は、およそ0.005インチ(0.0127センチメートル)からおよそ0.020インチ(0.0508センチメートル)の範囲の厚さを有する、[1]又は[2]に記載の型。
[5] 前記通路は、およそ0.002インチ(0.00508センチメートル)からおよそ0.030インチ(0.0762センチメートル)の範囲の厚さ、及び、およそ6インチ(15.24センチメートル)までの幅を有する、[1]又は[2]に記載の型。
[6] 前記通路は、およそ0.005インチ(0.0127センチメートル)からおよそ0.020インチ(0.0508センチメートル)の範囲の厚さ、及び、およそ6インチ(15.24センチメートル)までの幅を有する、[1]又は[2]に記載の型。
[7] 前記第1の型部は、開中央部を規定するように実質的に環状であり、前記第2の型部は、前記開中央部に可逆的に適合するように構成されている、[1]~[6]のうちのいずれか1項に記載の型。
[8] 前記第1の型部と前記第2の型部は、互いに対して直線的に移動可能になるように構成されている、[1]~[7]のうちのいずれか1項に記載の型。
[9] 前記第1の型部と前記第2の型部は、互いに対して非直線的に移動可能になるように構成されている、[1]~[7]のうちのいずれか1項に記載の型。
[10] 前記第1の型部と前記第2の型部は、互いに対して枢動可能に移動可能になるように構成されている、[1]~[7]のうちのいずれか1項に記載の型。
[11] 前記第2の型部に対して前記第1の型部を移動させるように構成されている第1の動力要素をさらに備える、[1]~[10]のうちのいずれか1項に記載の型。
[12] 前記第2の型部から前記第1の型部を分離するように構成されている第1の動力要素をさらに備える、[1]~[10]のうちのいずれか1項に記載の型。
[13] 第1の動力要素は、機械的である、[11]又は[12]に記載の型。
[14] 第1の動力要素は、油圧式である、[11]又は[12]に記載の型。
[15] 第1の動力要素は、空気式である、[11]又は[12]に記載の型。
[16] 第1の動力要素は、前記型空洞から成形された要素を除去する前に、前記第1の型部と前記第2の型部を分離するように構成されている、[11]~[15]のうちのいずれか1項に記載の型。
[17] 第1の動力要素は、前記型空洞から成形された要素を除去した後に、前記第1の型部と前記第2の型部を分離するように構成されている、[11]~[15]のうちのいずれか1項に記載の型。
[18] 前記開位置と前記閉位置との間で前記第1の型要素と前記第2の型要素を解放可能に係合するように構成されている第2の動力要素をさらに備える、[1]~[17]のうちのいずれか1項に記載の型。
[19] 前記第2の動力要素は、前記第1の型部と前記第2の型部の分離より前に、前記第1の型要素と前記第2の型要素とを前記開位置に配置するように構成されている、[18]に記載の型。
[20] 前記第2の動力要素は、前記第1の型部と前記第2の型部の分離の後に、前記第1の型要素と前記第2の型要素とを前記開位置に配置するように構成されている、[18]に記載の型。
[21] 前記型の閉位置において、前記第1の部分線を密封するように構成されている密封要素をさらに備えている、[1]~[20]のうちのいずれか1項に記載の型。
[22] 前記密封要素は、前記第1の型要素上に配置されている、[21]に記載の型。
[23] 前記密封要素は、前記第2の型要素上に配置されている、[21]に記載の型。
[24] 前記密封要素は、前記第1の型要素上に配置されている第1の密封要素と、前記第2の型要素上に配置されている第2の密封要素とを備えている、[21]に記載の型。
[25] 前記密封要素は、型材料が前記第1の部分線に入ることを実質的に防ぐように構成されている、[21]~[24]のうちのいずれか1項に記載の型。
[26] 前記第2の部分線に配置されている複数の間隙を介した通気孔を備えている、[1]~[25]のうちのいずれか1項に記載の型。
[27] 前記型空洞を規定する前記第1の型要素の表面の少なくとも一部分に配置されている少なくとも1つの溝要素をさらに備えている、[1]~[26]のうちのいずれか1項に記載の型。
[28] 前記型空洞を規定する前記第1の型要素の表面の少なくとも一部分に配置されている複数の溝要素をさらに備えている、[1]~[26]のうちのいずれか1項に記載の型。
[29] 前記型空洞を規定する前記第1の型要素の表面の少なくとも一部分に配置されている複数の相互接続溝要素をさらに備えている、[1]~[26]のうちのいずれか1項に記載の型。
[30] 前記型空洞を規定する前記第1の型要素の表面の少なくとも一部分に配置されている複数の溝要素をさらに備え、前記溝要素のうちの少なくとも1つは、複数の通気孔のうちの少なくとも1つと流体連通する、[1]~[26]のうちのいずれか1項に記載の型。
[31] 前記型空洞を規定する前記第1の型要素の表面の少なくとも一部分に配置されている複数の溝要素をさらに備え、前記複数の溝要素のうちの少なくともいくつかは、複数の通気孔のうちの少なくともいくつかと流体連通する、[1]~[26]のうちのいずれか1項に記載の型。
[32] 開位置と閉位置との間で開放可能に係合可能な第1の型要素及び第2の型要素であって、前記閉位置では型空洞を規定し、前記第1の型要素と前記第2の型要素の周囲に配置された第1の部分線を規定する第1の型要素及び第2の型要素と、ここで、前記第1の型要素は、環状型部及び中央型部であって、前記中央型部の周囲に第2の部分線を規定するために互いに対して可逆的に分離可能に構成されている環状型部及び中央型部を備え、前記第2の部分線は、前記第1の部分線に対して内側に配置されており、
前記第2の部分線中に配置されている少なくとも1つの通気孔と、を備える型であって、前記少なくとも1つの通気孔は、通路の中の型材料の少なくとも部分的な硬化を引き起こすために、前記型空洞中の前記型材料が前記通路には入るが、前記通路からは出ないことを可能にするように構成されている前記通路を備えている、型。
[33] 開位置と閉位置との間で開放可能に係合可能な第1の型要素及び第2の型要素であって、前記閉位置では型空洞を規定し、前記第1の型要素と前記第2の型要素との間に第1の部分線を規定する第1の型要素及び第2の型要素と、ここで、前記第1の型要素は、第1の型部と第2の型部を備え、それらの間に前記第1の部分線の周辺に対して内部に配置されている第2の部分線を規定するために、それらは互いに対して可逆的に分離可能に構成されており、
前記第2の部分線の中に配置されている少なくとも1つの通気孔と、を備える型であって、前記少なくとも1つの通気孔は、およそ0.002インチ(0.00508センチメートル)からおよそ0.030インチ(0.0762センチメートル)の範囲の厚さの通路を備える、型。
[34] [1]~[33]のいずれか1項に記載の型で生成された成形された要素。
[35] [1]~[33]のいずれか1項に記載の型で生成された型発泡要素。
[36] [1]~[33]のいずれか1項に記載の型で生成された型ポリウレタン発泡要素。