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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】サポート部材およびサポーター
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/02 20060101AFI20231120BHJP
   A61F 13/06 20060101ALI20231120BHJP
   A41D 13/00 20060101ALI20231120BHJP
   A41D 13/05 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
A61F5/02 K
A61F13/06 A
A41D13/00 102
A41D13/05 125
A61F5/02 N
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021169480
(22)【出願日】2021-10-15
(65)【公開番号】P2023059454
(43)【公開日】2023-04-27
【審査請求日】2022-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 隆太
(72)【発明者】
【氏名】大森 一寛
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-130260(JP,A)
【文献】特開平10-234757(JP,A)
【文献】実公昭13-6231(JP,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0030576(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0074381(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/00
A41D13/05-13/08
A61F13/06-13/14
A41C1/00-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有し、かつ弾性変形可能に構成されたサポート部材であって、
互いに第1方向に対向する第1面および第2面を有し、かつ前記第1方向に交差する第2方向に延びる帯状部と、
前記帯状部の前記第1面から前記第2面と反対側に隆起し、かつ前記第2方向に延びる隆起部と、
前記帯状部の前記第2面から前記第1面と反対側に突出し、かつ前記第2方向に延びる突起部とを備え、
前記隆起部に複数のスリットが設けられており、
前記複数のスリットは、前記第2方向に並んで配置されており、
前記複数のスリットの各々は、前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に延びるように構成されており、
前記隆起部は、前記複数のスリットによって互いに分離された複数の分離部を含み、
前記複数の分離部のうち隣り合う前記分離部は、前記サポート部材が前記第1方向にたわむように弾性変形していない状態において、前記スリットを挟んで互いに接しており、
前記突起部は、前記帯状部に対して前記隆起部と反対側に配置されている、サポート部材。
【請求項2】
前記突起部は、第1突起および第2突起を含み、
前記第1突起および前記第2突起は、前記第3方向に互いに隙間をあけて配置されている、請求項1に記載のサポート部材。
【請求項3】
前記帯状部を前記第1方向に貫通し、かつ前記帯状部の前記第1面から前記第2面と反対側に凹むように前記隆起部に溝が設けられており、
前記溝は、前記第1突起と前記第2突起との間に配置されており、かつ前記第2方向に延びるように構成されている、請求項2に記載のサポート部材。
【請求項4】
前記隆起部に第1ぬすみ部および第2ぬすみ部が設けられており、
前記第1ぬすみ部および前記第2ぬすみ部の各々は、前記第2方向に延びるように構成されており、
前記第1ぬすみ部は、前記第3方向において前記隆起部の一端に配置されており、
前記第2ぬすみ部は、前記第3方向において前記隆起部の他端に配置されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のサポート部材。
【請求項5】
前記帯状部に第3ぬすみ部および第4ぬすみ部が設けられており、
前記第3ぬすみ部および前記第4ぬすみ部の各々は、前記第2方向に延びるように構成されており、
前記第3ぬすみ部は、前記第1ぬすみ部と連続して設けられており、
前記第4ぬすみ部は、前記第2ぬすみ部に連続して設けられている、請求項4に記載のサポート部材。
【請求項6】
前記帯状部の前記第1面から前記第2面と反対側に突出し、かつ前記第2方向に延びる第1凸部および第2凸部をさらに備え、
前記第1凸部および前記第2凸部は、前記第3方向において前記隆起部を挟むように配置されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のサポート部材。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のサポート部材と、
着用者の腰に着用可能なベルト部材とを備え、
前記サポート部材は前記ベルト部材に取り付けられており、
前記突起部は、前記着用者の腰に向かうように配置されており、
前記隆起部は、前記突起部に対して前記着用者の腰と反対側に配置されている。サポーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サポート部材およびサポーターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、サポーターに用いられるサポート部材が提案されている。特開2007-7136号公報(特許文献1)には、腰用サポーターに用いられるサポート部材が記載されている。この公報に記載されたサポート部材は、2つの屈曲制御部品を有している。2つの屈曲制御部品の各々は、櫛状突起の中央部が上方に膨らむ隆起部を有している。2つの屈曲制御部品は、回転対称の状態で櫛状突起が互い違いに嵌め合わされるように組み付けられている。このサポート部材では、隆起部側には制限なく屈曲することができるが、隆起部と反対側には隣り合う隆起部が接触することにより屈曲が制限される。このようにして、隆起部と反対側へのサポート部材の屈曲が制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-7136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記公報に記載されたサポート部材では、隣り合う櫛状突起の間に隙間が生じている。このため、隆起部と反対側へサポート部材が屈曲する際に隙間が無くなるまで隆起部と反対側へのサポート部材の屈曲が制限されない。したがって、隆起部と反対側への屈曲の制限に改善の余地がある。また、サポート部材では、剛性を確保することが求められる。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、隆起部と反対側への屈曲の制限を改善することができ、かつ剛性を確保することができるサポート部材およびサポーターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のサポート部材は、可撓性を有し、かつ弾性変形可能に構成されている。サポート部材は、帯状部と、隆起部と、突起部とを備えている。帯状部は、互いに第1方向に対向する第1面および第2面を有し、かつ第1方向に交差する第2方向に延びる。隆起部は、帯状部の第1面から第2面と反対側に隆起し、かつ第2方向に延びる。突起部は、帯状部の第2面から第1面と反対側に突出し、かつ第2方向に延びる。隆起部に複数のスリットが設けられている。複数のスリットは、第2方向に並んで配置されている。複数のスリットの各々は、第1方向および第2方向に交差する第3方向に延びるように構成されている。隆起部は、複数のスリットによって互いに分離された複数の分離部を含んでいる。複数の分離部のうち隣り合う分離部は、サポート部材が第1方向にたわむように弾性変形していない状態において、スリットを挟んで互いに接している。突起部は、帯状部に対して隆起部と反対側に配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明のサポート部材によれば、隆起部と反対側への屈曲の制限を改善することができ、かつ剛性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係るサポート部材の構成を正面側から概略的に示す斜視図である。
図2】実施の形態に係るサポート部材の構成を背面側から概略的に示す斜視図である。
図3】実施の形態に係るサポート部材の構成を概略的に示す正面図である。
図4】実施の形態に係るサポート部材の構成を概略的に示す背面図である。
図5図3のV-V線に沿う断面図である。
図6】実施の形態に係るサポート部材の第1方向にたわむように弾性変形していない状態を概略的に示す側面図である。
図7】実施の形態に係るサポート部材の第1方向にたわむように弾性変形している状態を概略的に示す側面図である。
図8】実施の形態に係るサポート部材の第1方向にたわむように弾性変形していない状態および第1方向にたわむように弾性変形している状態でのスリットを概略的に示す側面図である。
図9】実施の形態に係るサポーターの構成を正面側から概略的に示す正面図である。
図10】実施の形態に係るサポーターが着用者の腰に着用された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、特に言及しない限り、以下の図面において同一または対応する部分には同一の参照符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0010】
図1図5を参照して、本発明の実施の形態に係るサポート部材1の構成について説明する。
【0011】
図1および図2に示されるように、本発明の実施の形態に係るサポート部材1は、可撓性を有している。サポート部材1は、弾性変形可能に構成されている。サポート部材1の材料は、例えば、軟質ポリ塩化ビニール(PVC)である。サポート部材1は、全体として同じ材料で形成されていてもよい。アスカーD硬度は、例えば59である。サポート部材1の長さは、例えば180mmである。サポート部材1の幅は、例えば400mmである。サポート部材1の全体の厚みは、例えば9mmである。サポート部材1の重量は、例えば29.2gである。サポート部材1は、帯状部2と、隆起部3と、突起部4と、第1凸部6aと、第2凸部6bとを備えている。
【0012】
帯状部2は、第1方向D1にたわむように弾性変形していない状態で平板状に構成された部分を有している。帯状部2は、第1面2aおよび第2面2bを有している。第1面2aはサポート部材1の正面側に配置されており、第2面2bはサポート部材1の背面側に配置されている。第1面2aおよび第2面2bは、互いに第1方向D1に対向している。第1方向D1は、第2面2bから第1面2aに向かう方向である。帯状部2は、第2方向D2に延びている。第2方向D2は、サポート部材1の長手方向である。帯状部2は、第2方向D2に直線状に延びている。帯状部2は、第2方向D2においてサポート部材1の一端(第1端)から他端(第2端)まで連続して延びている。第2方向D2は、第1方向D1に交差している。第2方向D2は、第1方向D1に直交していてもよい。
【0013】
帯状部2の厚みは、一定であってもよい。帯状部2の厚みは、例えば1mm以上3mm以下である。帯状部2の厚みは、2mmが好ましい。帯状部2の幅は、例えば1mm以上20mm以下である。帯状部2の幅は、10mmが好ましい。
【0014】
図1および図3に示されるように、隆起部3は、サポート部材1の正面側に配置されている。隆起部3は、帯状部2の第1面2aから第2面2bと反対側に隆起している。隆起部3は、第2方向D2に延びている。隆起部3は、第2方向D2に直線状に延びている。隆起部3は、第2方向D2においてサポート部材1の一端から他端まで連続して延びている。
【0015】
隆起部3の高さは一定であってもよい。隆起部3の高さは、例えば3mm以上7mm以下である。隆起部3の高さは、5mmが好ましい。隆起部3の幅は一定であってもよい。
【0016】
隆起部3に複数のスリットSが設けられている。複数のスリットSは、隆起部3の先端から根元まで連続して設けられている。複数のスリットSは、第2方向D2に並んで配置されている。複数のスリットSは、第2方向D2に間隔をあけて配置されている。複数のスリットSは、第2方向D2に等間隔で配置されていてもよい。
【0017】
複数のスリットSの各々は、第3方向D3に延びるように構成されている。第3方向D3は、サポート部材1の短手方向である。第3方向D3は、第1方向D1および第2方向D2に交差している。第3方向D3は、第1方向D1および第2方向D2に直交していてもよい。複数のスリットSの各々は、第3方向D3において隆起部3の一端から他端まで連続して延びている。
【0018】
隆起部3の第3方向D3における幅は一定であってもよい。隆起部3は、第3方向D3においてサポート部材1の中央部に配置されていてもよい。
【0019】
隆起部3は、複数のスリットSによって互いに分離された複数の分離部3aを含んでいる。複数の分離部3aは、第2方向D2に並んで配置されている。2つの分離部3aの間に1つのスリットSが配置されている。1つのスリットSは、2つの分離部3aに挟まれている。
【0020】
複数の分離部3aのうち隣り合う分離部3aは、サポート部材1が第1方向D1にたわむように弾性変形していない状態において、スリットSを挟んで互いに接している。複数の分離部3aのうち隣り合う分離部3aは、サポート部材1が第1方向D1にたわんでいない状態において、スリットSを挟んで隙間無く配置されている。複数の分離部3aのうち隣り合う分離部3aは、サポート部材1が第1方向D1にたわむように弾性変形している状態において、スリットSを挟んで互いに離れることができるように構成されている。
【0021】
図2および図4に示されるように、突起部4は、サポート部材1の背面側に配置されている。突起部4は、帯状部2の第2面2bから第1面2aと反対側に突出している。突起部4は、第2方向D2に延びている。突起部4は、帯状部2に対して隆起部3と反対側に配置されている。
【0022】
突起部4は、第1突起4aおよび第2突起4bを含んでいる。第1突起4aおよび第2突起4bは第3方向D3に互い隙間をあけて配置されている。第1突起4aおよび第2突起4bの各々は、第2方向D2に直線状に延びている。第1突起4aおよび第2突起4bの各々は、第2方向D2においてサポート部材1の一端から他端まで連続して延びている。第1突起4aおよび第2突起4bの各々は、第1方向D1において隆起部3と重なるように配置されている。
【0023】
第1突起4aおよび第2突起4bの各々の高さは一定であってもよい。第1突起4aおよび第2突起4bの各々の高さは、例えば1mm以上3mm以下である。第1突起4aおよび第2突起4bの各々の高さは、2mmが好ましい。第1突起4aおよび第2突起4bの各々の高さは同じであることが好ましい。第1突起4aおよび第2突起4bの各々の幅は一定であってもよい。第1突起4aおよび第2突起4bの各々の幅は同じであることが好ましい。
【0024】
上記では、突起部4が2個の突起(第1突起4aおよび第2突起4b)を含んでいる場合を説明したが、突起部4は、4個、6個、8個の突起を含んでいてもよい。また、突起部4は、サポート部材1の第3方向D3の中央部に1個の突起を有していてもよい。
【0025】
上記では、第1突起4aおよび第2突起4bの各々が第1方向D1において隆起部3と重なるように配置されている場合を説明したが、第1突起4aおよび第2突起4bの各々が第1方向D1において隆起部3と重ならないように配置されていてもよい。
【0026】
帯状部2を第1方向D1に貫通し、かつ帯状部2の第1面2aから第2面2bと反対側に凹むように隆起部3に溝Tが設けられている。溝Tは、帯状部2および隆起部3に連続して設けられている。溝Tは、第1突起4aと第2突起4bとの間に配置されている。溝Tは、第1突起4aおよび第2突起4bの各々に連続して設けられていてもよい。溝Tは、第2方向D2に延びるように構成されている。溝Tは、第2方向D2において直線状に延びている。溝Tは、第2方向D2においてサポート部材1の一端から他端まで連続して延びている。
【0027】
溝Tの深さは一定であってもよい。溝Tの幅は一定であってもよい。溝Tは、第3方向D3においてサポート部材1の中央部に配置されていてもよい。
【0028】
図3および図5に示されるように、隆起部3に第1ぬすみ部5aおよび第2ぬすみ部5bが設けられている。第1ぬすみ部5aおよび第2ぬすみ部5bの各々は、隆起部3の内側に向けて凹むように設けられている。
【0029】
第1ぬすみ部5aおよび第2ぬすみ部5bの各々は、第2方向D2に延びるように構成されている。第1ぬすみ部5aおよび第2ぬすみ部5bの各々は、第2方向D2に直線状に延びている。第1ぬすみ部5aおよび第2ぬすみ部5bの各々は、第2方向D2においてサポート部材1の一端から他端まで連続して延びている。第1ぬすみ部5aおよび第2ぬすみ部5bの深さは一定であってもよい。
【0030】
第1ぬすみ部5aは、第3方向D3において隆起部3の一端に配置されている。第2ぬすみ部5bは、第3方向D3において隆起部3の他端に配置されている。第1ぬすみ部5aは、第2ぬすみ部5b側に凹むように設けられている。第2ぬすみ部5bは、第1ぬすみ部5a側に凹むように設けられている。第1ぬすみ部5aおよび第2ぬすみ部5bの各々は、断面視において円弧状に構成されていてもよい。
【0031】
帯状部2に第3ぬすみ部5cおよび第4ぬすみ部5dが設けられている。第3ぬすみ部5cおよび第4ぬすみ部5dの各々は、帯状部2の第1面2aに設けられている。第3ぬすみ部5cおよび第4ぬすみ部5dの各々は、帯状部2の内側に向けて凹むように設けられている。
【0032】
第3ぬすみ部5cおよび第4ぬすみ部5dの各々は、第2方向D2に延びるように構成されている。第3ぬすみ部5cおよび第4ぬすみ部5dの各々は、第2方向D2に直線状に延びている。第3ぬすみ部5cおよび第4ぬすみ部5dの各々は、第2方向D2においてサポート部材1の一端から他端まで連続して延びている。第3ぬすみ部5cおよび第4ぬすみ部5dの深さは一定であってもよい。
【0033】
第3ぬすみ部5cは、第3方向D3において第1ぬすみ部5aの外側に配置されている。第4ぬすみ部5dは、第3方向D3において第2ぬすみ部5bの外側に配置されている。第3ぬすみ部5cおよび第4ぬすみ部5dの各々は、断面視において円弧状に構成されていてもよい。
【0034】
第3ぬすみ部5cは、第1ぬすみ部5aと連続して設けられている。第3ぬすみ部5cは、第1ぬすみ部5aに隣接している。第3ぬすみ部5cは、断面視において第1ぬすみ部5aと同一の曲率半径の円弧状に構成されていてもよい。第4ぬすみ部5dは、第2ぬすみ部5bに連続して設けられている。第4ぬすみ部5dは、第2ぬすみ部5bに隣接している。第4ぬすみ部5dは、断面視において第2ぬすみ部5dと同一の曲率半径の円弧状に構成されていてもよい。
【0035】
第1ぬすみ部5aは、断面視においてサポート部材1の第3方向D3における中心に対して、第2ぬすみ部5bと線対称に構成されていてもよい。第3ぬすみ部5cは、断面視においてサポート部材1の第3方向D3における中心に対して、第4ぬすみ部5dと線対称に構成されていてもよい。
【0036】
第1凸部6aおよび第2凸部6bは、サポート部材1の正面側に配置されている。第1凸部6aおよび第2凸部6bは、帯状部2の第1面2aから第2面2bと反対側に突出している。第1凸部6aおよび第2凸部6bは、第2方向D2に延びている。第1凸部6aおよび第2凸部6bの各々は、第2方向D2に直線状に延びている。第1凸部6aおよび第2凸部6bの各々は、第2方向D2においてサポート部材1の一端から他端まで連続して延びている。
【0037】
第1凸部6aおよび第2凸部6bの各々の高さは一定であってもよい。第1凸部6aおよび第2凸部6bの各々の高さは同じであることが好ましい。第1凸部6aおよび第2凸部6bの各々の高さは、隆起部3の高さよりも低い。第1凸部6aおよび第2凸部6bの各々の幅は一定であってもよい。第1凸部6aおよび第2凸部6bの各々の幅はおなじであることが好ましい。
【0038】
第1凸部6aおよび第2凸部6bは、第3方向D3において隆起部3を挟むように配置されている。第1凸部6aおよび第2凸部6bの各々は、第3方向D3において隆起部3から同じ距離に配置されていてもよい。第1凸部6aは、第3方向D3において隆起部3と帯状部2の一端との間に配置されている。第2凸部6bは、第3方向D3において隆起部3と帯状部2の他端との間に配置されている。
【0039】
隆起部3の先端は、断面視において円弧状に構成されていてもよい。第1凸部6aおよび第2凸部6bの各々の第3方向D3における外側面は、断面視において隆起部3の先端と同一の曲率半径の円弧状に構成されていてもよい。第1凸部6aの第3方向D3における内側面は、断面視において隆起部3の第1ぬすみ部5aおよび第3ぬすみ部5cと同一の曲率半径の円弧状に構成されていてもよい。第2凸部6bの第3方向D3における内側面は、断面視において隆起部3の第2ぬすみ部5bおよび第4ぬすみ部5dと同一の曲率半径の円弧状に構成されていてもよい。
【0040】
第1突起4aおよび第2突起4bの各々の先端は、断面視において円弧状に構成されていてもよい。第1突起4aおよび第2突起4bの各々の先端は、断面視において同一の曲率半径の円弧状に構成されていることが好ましい。第1突起4aおよび第2突起4bの各々は、断面視において半円状に構成されていてもよい。第1突起4aおよび第2突起4bの各々は、断面視において同一の曲率半径の半円状に構成されていることが好ましい。第1突起4aは、断面視においてサポート部材1の第3方向D3における中心に対して第2突起4bと線対称に構成されていてもよい。第1突起4aおよび第2突起4bの各々の帯状部2の第2面2bからの高さは、隆起部3の帯状部2の第1面2aからの高さよりも低い。
【0041】
帯状部2の厚みは、第1突起4aおよび第2突起4bの各々の厚みと同じであってもよい。帯状部2の第2面2bにおいて、溝Tの幅は、第1突起4aおよび第2突起4bの各々の幅と同じであってもよい。溝Tの底は、第1方向D1において隆起部3の根元から先端までの中央よりも根元側に配置されていてもよい。
【0042】
図6図8を参照して、本発明の実施の形態におけるサポート部材1の動作について説明する。
【0043】
図6に示されるように、サポート部材1が第1方向D1にたわむように弾性変形していない状態では、サポート部材1は第2方向D2に直線状に延びている。サポート部材1が第1方向D1にたわむように弾性変形していない状態では、複数の分離部3aのうち隣り合う分離部3aは、スリットSを挟んで互いに接している。
【0044】
図6中白抜き矢印で示されるように、サポート部材1に対して第1面2aから第2面2bに向けて突出するように力が作用すると、隆起部3と反対側へサポート部材1が屈曲するように力が作用する。この場合、隆起部3の隣り合う分離部3aがスリットSを挟んで互いに接しているため、隆起部3によってサポート部材1のたわみを抑制することが可能となる。そして、隆起部3の隣り合う分離部3aがスリットSを挟んで互いに接しているため、サポート部材1が隆起部3と反対側に屈曲する際にスリットSの隙間が無くなるための時間が必要ない。これにより、サポート部材1が隆起部3と反対側に屈曲する際の初期の剛性を向上させることができる。
【0045】
図7に示されるように、サポート部材1が第1方向D1にたわむように弾性変形している状態では、サポート部材1は第1方向D1に円弧状にたわんでいる。サポート部材1が第1方向D1にたわむように弾性変形している状態では、複数の分離部3aのうち隣り合う分離部3aは、スリットSを挟んで互いに接していない。
【0046】
図7中白抜き矢印で示されるように、サポート部材1に対して第2面2bから第1面2aに向けて突出するように力が作用すると、隆起部3側へサポート部材1が屈曲するように力が作用する。この場合、隆起部3の隣り合う分離部3aがスリットSを挟んで互いに離れるため、隆起部3によってサポート部材1のたわみは抑制されない。これにより、サポート部材1は、隆起部3によって制限されずに隆起部3側に屈曲することができる。
【0047】
図8は、図6および図7において一点鎖線で囲まれた領域を示している。図8では、サポート部材1が第1方向D1にたわむように弾性変形していない状態が実線で示されており、サポート部材1が第1方向D1にたわむように弾性変形している状態が破線で示されている。図8に示されるように、サポート部材1が第1方向D1にたわむように弾性変形していない状態ではスリットSは閉じており、サポート部材1が第1方向D1にたわむように弾性変形している状態ではスリットSは開いている。サポート部材1が第1方向D1にたわむように弾性変形していない状態ではスリットSが閉じることでサポート部材1の屈曲が制限される。サポート部材1が第1方向D1にたわむように弾性変形している状態では、スリットSが開くことでサポート部材1の屈曲が容易となる。
【0048】
図9および図10を参照して、本発明の実施の形態に係るサポーター10について説明する。図9では、サポート部材1の外縁のみが示されている。図10では、サポート部材1の周辺のみが示されている。本発明の実施の形態では、サポーター10として、着用者の腰に着用される腰用サポーターが例示されている。
【0049】
図9に示されるように、本発明の実施の形態に係るサポーター10は、サポート部材1と、ベルト部材11と、収容部12と、補助ベルト13とを備えている。本実施の形態では、サポーター10は、2つのサポート部材1を備えている。サポート部材1は、ベルト部材11に取り付けられている。ベルト部材11は、着用者の腰に着用可能に構成されている。収容部12は、ベルト部材11に接続されている。収容部12は、ベルト部材11の外側に配置されている。収容部12は、サポート部材1を収容可能に構成されている。補助ベルト13は、ベルト部材11を補助するように構成されている。補助ベルト13は、ベルト部材11に接続されている。
【0050】
図10に示されるように、サポート部材1は、収容部12に収容されている。この状態で、隆起部3は外側に配置されており、突起部4は内側に配置されている。突起部4は、腰100に向かうように配置されている。隆起部3は、突起部4に対して着用者の腰100と反対側に配置されている。このため、サポート部材1は、着用者の腰100の前屈方向に曲がり、着用者の腰100の後屈方向に曲がり難い。
【0051】
次に、本発明の実施の形態の作用効果について説明する。
【0052】
本発明の実施の形態に係るサポート部材1によれば、隆起部3は、帯状部2の第1面2aから第2面2bと反対側に突出し、複数の分離部3aを含んでいる。複数の分離部3aのうち隣り合う分離部3aは、サポート部材1が第1方向D1にたわむように弾性変形していない状態において、スリットSを挟んで互いに接している。このため、サポート部材1に対して第1面2aから第2面2bに向けて突出するように力が作用した場合、隣り合う分離部3aが互いに接しているため、隆起部3によってサポート部材1のたわみを抑制することが可能となる。したがって、サポート部材1の屈曲の初期の剛性を向上させることができる。
【0053】
また、突起部4は、帯状部2に対して隆起部3と反対側に配置されている。このため、突起部4が無い場合よりも、突起部4によってサポート部材1の断面二次モーメントを向上させることができる。したがって、サポート部材1の剛性を向上させることができる。
【0054】
さらに、隆起部3だけで突起部4がある場合と同じ剛性を確保しようとすると、隆起部3の厚みが大きくなる。これにより、着用者の衣服のサイズを大きくするように変更が求められることがある。本発明の実施の形態に係るサポート部材1では、突起部4は、帯状部2に対して隆起部3と反対側に配置されている。このため、突起部4によって剛性を確保しつつ隆起部3の厚みを小さくすることができる。突起部4が着用者側に配置されると、突起部4は着用者の軟部組織に吸収されるため、着用者の衣服への影響を抑えることができる。したがって、着用者の衣服のサイズを大きくするように変更しなくてもよい。
【0055】
本発明の実施の形態に係るサポート部材1によれば、第1突起4aおよび第2突起4bは第3方向D3に互い隙間をあけて配置されている。このため、第1突起4aおよび第2突起4bが第3方向D3に互い隙間をあけて配置されていない場合よりも、第1突起4aおよび第2突起4bの体積を減らすことができる。したがって、サポート部材1を軽量化することができる。
【0056】
本発明の実施の形態に係るサポート部材1によれば、帯状部2を第1方向D1に貫通し、かつ帯状部2の第1面2aから第2面2bと反対側に凹むように隆起部3に溝Tが設けられている。このため、溝Tが設けられていない場合よりも帯状部2および隆起部3の体積を減らすことができる。したがって、サポート部材1を軽量化することができる。
【0057】
本発明の実施の形態に係るサポート部材1によれば、隆起部3に第1ぬすみ部5aおよび第2ぬすみ部5bが設けられている。このため、第1ぬすみ部5aおよび第2ぬすみ部5bによって、隆起部3の強度を確保しつつ隆起部3を軽量化することができる。これにより、サポート部材1の強度を確保しつつサポート部材1を軽量化することができる。
【0058】
本発明の実施の形態に係るサポート部材1によれば、帯状部2に第3ぬすみ部5cおよび第4ぬすみ部5dが設けられている。このため、第3ぬすみ部5cおよび第4ぬすみ部5dによって、帯状部2の強度を確保しつつ帯状部2を軽量化することができる。これにより、サポート部材1の強度を確保しつつサポート部材1を軽量化することができる。
【0059】
さらに、第3ぬすみ部5cは、第1ぬすみ部5aと連続して設けられており、第4ぬすみ部5dは、第2ぬすみ部5bに連続して設けられている。このため、第3ぬすみ部5cおよび第1ぬすみ部5aは一体としてサポート部材1の強度を確保することができ、第4ぬすみ部5dおよび第2ぬすみ部5bは一体としてサポート部材1の強度を確保することができる。
【0060】
本発明の実施の形態に係るサポート部材1によれば、第1凸部6aおよび第2凸部6bは、第3方向D3において隆起部3を挟むように配置されている。このため、第1凸部6aおよび第2凸部6bによって、サポート部材1の剛性を向上させることができる。さらに、第3方向D3において隆起部3に対してバランス良くサポート部材1の剛性を向上させることができる。
【0061】
本発明の実施の形態に係るサポート部材1では、第1突起4aおよび第2突起4bの各々の先端は、断面視において円弧状に構成されている。このため、着用者にサポート部材1が着用される際に着用性を向上させることができる。
【0062】
本発明の実施の形態に係るサポート部材1では、隆起部3の先端は、断面視において円弧状に構成されている。このため、隆起部3がベルト部材11に接する際に、隆起部3の先端がベルト部材11に引っかかることを抑制することができる。これにより、隆起部3をベルト部材11に取り付けることが容易となる。
【0063】
本発明の実施の形態に係るサポーター10によれば、サポート部材1はベルト部材11に取り付けられている。突起部4は、腰100に向かうように配置されている。隆起部3は、突起部4に対して着用者の腰100と反対側に配置されている。したがって、サポート部材1を着用者の腰100の前屈方向に曲がりやすく、着用者の腰100の後屈方向に曲がり難くすることができる。このため、サポーター10は、着用者の腰100の後屈を制限しながら、着用者の腰100の前屈時には違和感なく体に追従することができる。
【0064】
なお、上記では腰用サポーターについて説明したが、本発明のサポーター10は、サポート部材1を小型化すれば、筒状の膝サポーターに利用可能である。さらに、本発明のサポーター10は、手首、肘、足首等のサポーターにも利用可能である。また、本発明のサポーター10は、サポート部材1が指に沿って配置されることによりサポーターとして機能するキーパーグローブにも利用可能である。
【0065】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【符号の説明】
【0066】
1 サポート部材、2 帯状部、2a 第1面、2b 第2面、3 隆起部、3a 分離部、4 突起部、4a 第1突起、4b 第2突起、5a 第1ぬすみ部、5b 第2ぬすみ部、5c 第3ぬすみ部、5d 第4ぬすみ部、6a 第1凸部、6b 第2凸部、10 サポーター、11 ベルト部材、100 着用者の腰、D1 第1方向、D2 第2方向、D3 第3方向、S スリット、T 溝。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10