(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】配置先端部を有するエンドエフェクタを備える装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/125 20060101AFI20231120BHJP
【FI】
A61B17/125
(21)【出願番号】P 2021502601
(86)(22)【出願日】2019-07-12
(86)【国際出願番号】 IB2019055984
(87)【国際公開番号】W WO2020016724
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-05-16
(32)【優先日】2018-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】バコス・グレゴリー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】バクスター・ザ・サード・チェスター・オー
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-072791(JP,A)
【文献】特開2015-144807(JP,A)
【文献】特開2009-189839(JP,A)
【文献】特開2014-171909(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0172929(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0334280(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068
17/072
17/115
17/125
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、前記本体から延在するシャフトと、前記シャフトと連通するエンドエフェクタと、を備える装置であって、
前記エンドエフェクタが、
(i)一対のジョーと、
(ii)1つ又は2つ以上のステープルを保持するように構成されたカートリッジであって、前記カートリッジが、前記一対のジョーのうちの第1のジョー
と接続する、カートリッジと、
(iii)前記カートリッジの前記1つ又は2つ以上のステープルによって接触されるように構成されたアンビルであって、前記一対のジョーのうちの第2のジョーが、前記アンビルを備える、アンビルと、
(iv)弾性的に変形可能であり、前記第2のジョーから遠位に延在する配置先端部と、を含み、
前記一対のジョーのうちの少なくとも一方
が他方のジョーに向かって移動
することによって、前記エンドエフェクタが
前記一対のジョーの間に組織をクランプする装填状態に配置され
ると、前記第2のジョーの前記配置先端部が、前記第1のジョーから離れ
るように偏向
し、
前記配置先端部は、湾曲した長手方向断面外形を有し、湾曲した下面または複数個所で屈曲した下面を備え、
前記配置先端部は、前記エンドエフェクタが閉鎖されかつ非装填状態にあるとき、前記第1のジョーと点接触する、装置。
【請求項2】
前記装置は、発射ビームを備え、前記発射ビームを近位位置から遠位位置に前進させた際に、前記発射ビームの切断縁部によって前記組織を切断させ、前記カートリッジから前記1つ又は2つ以上のステープルを排出することによって、前記組織をステープル留めさせる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記配置先端部が、前記アンビルから遠位に延在する、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2のジョーが、前記第1のジョーに対して移動可能である、請求項
1に記載の装置。
【請求項5】
前記配置先端部が、非矩形の横断面外形を含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項6】
前記アンビルの長手方向軸に垂直な平面で切って取った前記配置先端部
の断面が、反転したU字形の外形を含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項7】
前記反転したU字形
の外形が、前記配置先端部の幅にわたって下面に沿って延在する湾曲部を含む、請求項
6に記載の装置。
【請求項8】
前記アンビルの長手方向軸に垂直な平面で切って取った前記配置先端部
の断面が、反転したV字形の外形を含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項9】
前記アンビルの長手方向軸に垂直な平面で切って取った前記配置先端部
の断面が、H字形
の外形を含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項10】
前記アンビルの長手方向軸に垂直な平面で切って取った前記配置先端部
の断面が、楕円形
の外形を含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項11】
前記アンビルの長手方向軸に沿った第1の位置における、前記長手方向軸に垂直な平面で切って取った前記配置先端部の第1の断面の外形と、前記アンビルの前記長手方向軸に沿った第2の位置における、前記長手方向軸に垂直な平面で切って取った前記配置先端部の第2の断面の外形とが、一致する形状を有
し、
前記第1の位置は前記第2の位置より近位に位置する、請求項
1に記載の装置。
【請求項12】
前記アンビルの長手方向軸に沿った第1の位置における、前記長手方向軸に垂直な平面で切って取った前記配置先端部の第1の断面の外形と、前記アンビルの前記長手方向軸に沿った第2の位置における、前記長手方向軸に垂直な平面で切って取った前記配置先端部の第2の断面の外形とが、異なる形状を有
し、
前記第1の位置は前記第2の位置より近位に位置する、請求項
1に記載の装置。
【請求項13】
前記
第1の断面の外形が、H字形状を含み、前記
第2の断面の外形が、反転したU字形状を含む、請求項
12に記載の装置。
【請求項14】
前記
第1の断面の外形が、反転したV字形状を含み、前記
第2の断面の外形が、矩形形状を含む、請求項
12に記載の装置。
【請求項15】
前記配置先端部が、ショア40A~ショア40Dの範囲のデュロメータを有する材料を含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項16】
前記配置先端部が、前記エンドエフェクタの他の構成要素に対して高いコントラスト色を含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項17】
前記配置先端部が
、一対の側部を含み、
前記一対の側部間の間隔が、前記配置先端部の遠位側に向かうに従って、段階的に狭くなる、請求項1または2に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本出願は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年2月17日出願の「SURGICAL STAPLER WITH ELASTICALLY DEFORMABLE TIP」と題された米国特許非仮出願第15/435,573号の一部継続出願である。
【背景技術】
【0002】
一部の状況では、切開創をより小さくすることで、術後の回復時間及び合併症を低減させ得ることから、従来の開腹外科用デバイスよりも内視鏡外科用器具が好ましい場合がある。このため、内視鏡外科用器具の中には、トロカールのカニューレを通して所望の手術部位に遠位エンドエフェクタを配置するのに好適であリ得るものがある。これらの遠位エンドエフェクタは、多数の方式で組織と係合して診断又は治療効果を得ることができる(例えば、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラ、クリップアプライヤ、アクセスデバイス、薬物/遺伝子治療送達デバイス、及び、超音波、RF、レーザなどを使用するエネルギー送達デバイスなど)。内視鏡外科用器具は、エンドエフェクタとハンドル部分との間に、臨床医によって操作されるシャフトを含み得る。このようなシャフトは、所望の深さへの挿入及びシャフトの長手方向軸を中心とした回転を可能にし、それにより患者の体内でエンドエフェクタの位置付けを行うことを容易にし得る。エンドエフェクタの位置付けは、エンドエフェクタをシャフトの長手方向軸に対して選択的に関節動作させるか又は別様に偏向させることを可能にする、1つ又は2つ以上の関節ジョイント又は機構を含めることによって更に容易に行うことができる。
【0003】
内視鏡外科用器具の例として、外科用ステープラが挙げられる。このようなステープラのいくつかは、組織層をクランプし、クランプされた組織層を切断し、組織層を通してステープルを打ち込むことによって、組織層の切断された端部の近くで、切断された組織層同士を互いに実質的にシールするように動作可能である。例示的に過ぎない外科用ステープラが、1989年2月21日発行の「Pocket Configuration for Internal Organ Staplers」と題する米国特許第4,805,823号、1995年5月16日発行の「Surgical Stapler and Staple Cartridge」と題する米国特許第5,415,334号、1995年11月14日発行の「Surgical Stapler Instrument」と題する米国特許第5,465,895号、1997年1月28日発行の「Surgical Stapler Instrument」と題する米国特許第5,597,107号、1997年5月27日発行の「Surgical Instrument」と題する米国特許第5,632,432号、1997年10月7日発行の「Surgical Instrument」と題する米国特許第5,673,840号、1998年1月6日発行の「Articulation Assembly for Surgical Instruments」と題する米国特許第5,704,534号、1998年9月29日発行の「Surgical Clamping Mechanism」と題する米国特許第5,814,055号、2005年12月27日発行の「Surgical Stapling Instrument Incorporating an E-Beam Firing Mechanism」と題する米国特許第6,978,921号、2006年2月21日発行の「Surgical Stapling Instrument Having Separate Distinct Closing and Firing Systems」と題する米国特許第7,000,818号、2006年12月5日発行の「Surgical Stapling Instrument Having a Firing Lockout for an Unclosed Anvil」と題する米国特許第7,143,923号、2007年12月4日発行の「Surgical Stapling Instrument Incorporating a Multi-Stroke Firing Mechanism with a Flexible Rack」と題する米国特許第7,303,108号、2008年5月6日発行の「Surgical Stapling Instrument Incorporating a Multistroke Firing Mechanism Having a Rotary Transmission」と題する米国特許第7,367,485号、2008年6月3日発行の「Surgical Stapling Instrument Having a Single Lockout Mechanism for Prevention of Firing」と題する米国特許第7,380,695号、2008年6月3日発行の「Articulating Surgical Stapling Instrument Incorporating a Two-Piece E-Beam Firing Mechanism」と題する米国特許第7,380,696号、2008年7月29日発行の「Surgical Stapling and Cutting Device」と題する米国特許第7,404,508号、2008年10月14日発行の「Surgical Stapling Instrument Having Multistroke Firing with Opening Lockout」と題する米国特許第7,434,715号、2010年5月25日発行の「Disposable Cartridge with Adhesive for Use with a Stapling Device」と題する米国特許第7,721,930号、2013年4月2日発行の「Surgical Stapling Instrument with An Articulatable End Effector」と題する米国特許第8,408,439号、及び2013年6月4日発行の「Motor-Driven Surgical Cutting Instrument with Electric Actuator Directional Control Assembly」と題する米国特許第8,453,914号に開示されている。上に引用された米国特許及び米国特許出願公開の各々の開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
上述された外科用ステープラは、内視鏡処置において使用されるものとして記載されているが、このような外科用ステープラは、開口処置及び/又は他の非内視鏡処置でも使用することができることを理解されたい。単に一例として、トロカールをステープラの導管として使用しない胸部外科手術では、外科用ステープラを開胸術によって患者の肋骨の間に挿入し、1つ又は2つ以上の臓器に到達させることもできる。このような処置では、肺につながる血管を切断及び閉鎖するためにステープラが使用される場合もある。例えば、臓器につながる血管を、胸腔から臓器を切除する前にステープラによって切断して閉鎖することができる。当然のことながら、外科用ステープラは、様々な他の状況及び処置において使用され得る。
【0005】
様々な種類の外科用ステープル留め器具及び関連構成要素が作製され使用されてきたが、本発明者ら以前には、添付の特許請求の範囲に記載されている発明を誰も作製又は使用したことがないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書に組み込まれると共にその一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を示すものであり、上記の本発明の一般的説明、及び以下の実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明する役割を果たすものである。
【
図1】例示的な関節動作する外科用ステープル留め器具の斜視図を示す。
【
図3】
図1の器具の開放されたエンドエフェクタの斜視図を示す。
【
図4A】発射ビームが近位位置にある、
図3の線4-4に沿って取られた、
図3のエンドエフェクタの側面断面図を示す。
【
図4B】発射ビームが遠位位置にある、
図3の線4-4に沿って取られた、
図3のエンドエフェクタの側面断面図を示す。
【
図5】
図3の切断線5-5に沿って取られた、
図3のエンドエフェクタの端断面図を示す。
【
図6】
図3のエンドエフェクタの分解斜視図を示す。
【
図7】組織に位置付けされ、かつ組織内で1回起動された後の、
図3のエンドエフェクタの斜視図を示す。
【
図8】角度付けられたアンビル及び角度付けられたカートリッジを有する、代替の変形例のエンドエフェクタの斜視図を示す。
【
図9】
図8のエンドエフェクタの拡大側面図を示す。
【
図10】
図8のエンドエフェクタの拡大上面図を示す。
【
図11】屈曲又は角度付きの弾性的に変形可能な先端部分を備えるエンドエフェクタを有する例示的な外科用ステープル留め器具の斜視図を示す。
【
図12B】
図11のものと類似する代替的なエンドエフェクタの遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図13】カートリッジが仮想線で示されてアンビルの下側面が明らかにされている、
図11のエンドエフェクタの遠位部分の底面図を示す。
【
図14】
図13の線14-14に沿って取られた、
図11のエンドエフェクタの遠位部分の側面断面図を示す。
【
図15】
図13の線15-15に沿って取られた、
図11のエンドエフェクタのアンビルの端部断面図を示す。
【
図16】開放位置に示され、上部ジョーの長手方向軸と第1の角度を形成する配置先端部を有する上部ジョーを有する、エンドエフェクタの代替の変形の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図17】閉鎖位置に示され、上部ジョーの長手方向軸と第2の角度を形成する配置先端部を有する、
図16のエンドエフェクタの遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図18】閉鎖位置及び非装填位置に示され、下部ジョーのノーズ部分と第1の角度を形成する配置先端部を有する上部ジョーを有する、エンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図19】閉鎖位置及び装填位置に示され、下部ジョーのノーズ部分と第2の角度を形成する配置先端部を有する、
図18のエンドエフェクタの遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図20】上部ジョーの配置先端部の遠位端部がデッキ及び下部ジョーの遠位端部に対して位置する閉鎖位置に示された、エンド遠位端部がエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図21】閉鎖位置に示され、上部ジョーの配置先端部の遠位端部が第1のゾーン内に位置する下部ジョーによって画定されたゾーンを有する、エンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図22A】閉鎖位置に示され、上部ジョーの配置先端部の遠位端部が
図21に示されるような第3のゾーン内に位置する、エンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図22B】閉鎖位置に示され、上部ジョーの湾曲配置先端部の遠位端部が
図21に示されるように第3のゾーン内に位置している、エンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図22C】閉鎖位置に示され、上部ジョーの配置先端部の遠位端部が
図21に示されるように第4のゾーン内に位置する、エンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図22D】閉鎖位置に示され、上部ジョーの湾曲した配置先端部の
図21に示されるような第5のゾーン内に位置する、エンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図22E】閉鎖位置に示され、上部ジョーの配置先端部の遠位端部が
図21に示されるような第6のゾーン内に位置する、エンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図22F】閉鎖位置に示され、上部ジョーの多角度的な配置先端部の遠位端部が
図21に示されるような第6のゾーン内に位置する、エンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図22G】閉鎖位置に示され、上部ジョーの配置先端部の遠位端部が
図21に示されるような第3のゾーン内に位置し、配置先端部が下部ジョーのノーズ部分の先細り外形に対応する下面の外形で構成されている、エンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図23A】配置先端部が丸い外形の遠位端部を有する、エンドエフェクタの代替の変形例の配置先端部の拡大上面図を示す。
【
図23B】配置先端部が角度付き及び尖った外形の遠位端部を有する、エンドエフェクタの代替の変形例の配置先端部の拡大上面図を示す。
【
図23C】配置先端部が歯付き外形の遠位端部を有する、エンドエフェクタの代替の変形例の配置先端部の拡大上面図を示す。
【
図23D】配置先端部がフレア外形の遠位端部を有する、エンドエフェクタの代替の変形例の配置先端部の拡大上面図を示す。
【
図23E】配置先端部が球体外形の遠位端部を有する、エンドエフェクタの代替の変形例の配置先端部の拡大上面図を示す。
【
図23F】配置先端部が非対称外形の遠位端部を有する、エンドエフェクタの代替の変形例の配置先端部の拡大上面図を示す。
【
図24A】配置先端部が角度付き外形の幅を有する、エンドエフェクタの代替の変形例の配置先端部の拡大上面図を示す。
【
図24B】配置先端部が段付き外形の幅を有する、エンドエフェクタの代替の変形例の配置先端部の拡大上面図を示す。
【
図24C】配置先端部が非対称外形の幅を有する、エンドエフェクタの代替の変形例の配置先端部の拡大上面図を示す。
【
図24D】配置先端部がスカラップ状の先端部中心外形の幅を有する、エンドエフェクタの代替の変形例の配置先端部の拡大上面図を示す。
【
図24E】配置先端部が隆起部外形の幅を有する、エンドエフェクタの代替の変形例の配置先端部の拡大上面図を示す。
【
図25】配置先端部が角度付き及び尖った外形の遠位端を有し、配置先端部が角度付き外形の幅を有する、エンドエフェクタの代替の変形例の配置先端部の拡大上面図を示す。
【
図26A】上部ジョーの配置先端部が、下部ジョーのノーズ部分の外形と平行な平坦な外形の下面を有する、エンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図26B】上部ジョーの配置先端部が、湾曲した外形の下面を有する、エンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図26C】上部ジョーの直線配置先端部が、平坦な外形の下面を有する、エンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図26D】上部ジョーの配置先端部が、多角度的な外形の下面を有する、エンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図26E】上部ジョーの配置先端部が、湾曲部材を有する下面を有し、かつ配置先端部が二重位置にある状態で示されている、エンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図27A】上部ジョーの配置先端部と下部ジョーのノーズ部分との間の間隙を示す、エンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図27B】
図27Aの間隙と比較して、上部ジョーの配置先端部の遠位端部と下部ジョーのノーズ部分との間のより小さい間隙を示す、エンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図28】エンドエフェクタの代替の変形例のジョーの遠位部分の拡大斜視図を示す。
【
図30A】線A-Aに沿って取られた、
図29のジョーの正面断面図を示す。
【
図30B】線B-Bに沿って取られた、
図29のジョーの正面断面図を示す。
【
図31A】
図29のジョーに類似し、線A-Aに沿って取られた、ジョーの代替の変形例の正面断面図を示す。
【
図32A】線A-Aに沿って取られた、
図29のジョーに類似するジョーの代替の変形例の正面断面図を示す。
【
図33A】線A-Aに沿って取られた、
図29のジョーに類似するジョーの代替の変形例の正面断面図を示す。
【
図34A】線A-Aに沿って取られた、
図29のジョーに類似するジョーの代替の変形例の正面断面図を示す。
【
図35】高コントラスト配置先端部を示す、エンドエフェクタの代替の変形例のジョーの遠位部分の拡大斜視図を示す。
【
図36】直線状の配置先端部を有するエンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図37】直線状の配置先端部を有するエンドエフェクタの代替の変形例の遠位部分の拡大側面図を示す。
【
図38】
図36及び
図37のエンドエフェクタと共に使用可能なアンビル及び配置先端部の遠位部分の拡大上面図を示す。
【
図39】
図36及び
図37のエンドエフェクタと共に使用可能な別の例示的なアンビル及び配置先端部の遠位部分の拡大上面図を示す。
【0007】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を図示したものであり、本説明文と共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかし、本発明が、示される正確な配置に限定されない点は理解される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定する目的で使用されるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明より、当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0009】
I.例示的な外科用ステープラ
図1~
図7は、外科的処置を行うために、
図1に描写されるような非関節動作状態で、トロカールカニューレを通って患者内の手術部位まで挿入するように寸法決めされている、例示の外科用ステープル留め及び切断器具(10)を示しる。単に一例として、患者の腹部内に、患者の2本の肋骨の間に、又は他の部位に、このようなトロカールを挿入してもよい。一部の状況では、器具(10)は、トロカールなしで使用される。例えば、開胸又は他の種類の切開によって、器具(10)を直接挿入してもよい。本実施例の器具(10)は、シャフト(22)に接続されたハンドル部分(20)を含む。シャフト(22)は、関節動作ジョイント(11)内で遠位方向に終端し、関節動作ジョイント(11)は、エンドエフェクタ(12)と更に連結される。本明細書では、「近位」及び「遠位」といった用語は、器具(10)のハンドル部分(20)を握っている臨床医を基準として使用されていることを理解されたい。したがって、エンドエフェクタ(12)は、より近位にあるハンドル部分(20)に対して遠位にある。便宜上、また説明を明確にするため、本明細書では「垂直」、「水平」、「上部」及び「下部」といった空間的用語が、図面に対して使用されている点も更に理解されるであろう。しかしながら、外科器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
【0010】
いくつかの変形例では、シャフト(22)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年10月24日発行の「Surgical Instrument with Multi-Diameter Shaft」と題する、米国特許第9,795,379号の教示のうちの少なくとも一部に従って構成される。シャフト(22)の他の好適な構成は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0011】
関節動作ジョイント(11)及びエンドエフェクタ(12)が、トロカールのカニューレ通路を通って一旦挿入されると、関節動作ジョイント(11)は、エンドエフェクタ(12)を、シャフト(22)の長手方向軸(longitudinal axis、LA)から所望の角度(α)に偏向させることができるように、
図1に仮想線で描写されるように、関節動作制御部(13)によって遠隔的に関節動作させられてもよい。それにより、エンドエフェクタ(12)は、所望の角度から又は他の理由のために、臓器の背後に到達するか又は組織に近付くことができる。いくつかの変形例では、関節動作ジョイント(11)は、単一の平面に沿ってエンドエフェクタ(12)を偏向させることができる。いくつかの他の変形例では、関節動作ジョイント(11)は、2つ以上の平面に沿ってエンドエフェクタを偏向させることができる。関節動作ジョイント(11)及び関節動作制御部(13)は、本明細書で引用される多数の引用文献のうちのいずれかの教示に従って構成されてもよい。あるいは、関節動作ジョイント(11)及び/又は関節動作制御部(13)は、任意の他の好適な構成を有してもよい。単に一例として、関節動作制御部(13)は、代わりに、シャフト(22)の長手方向軸(LA)に直交する軸を中心に回転するノブとして構成されてもよい。
【0012】
いくつかの変形例では、関節動作ジョイント(11)及び/又は関節動作制御部(13)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2015年11月17日発行の「Surgical Instrument End Effector Articulation Drive with Pinion and Opposing Racks」と題する米国特許第9,186,142号の教示のうちの少なくとも一部に従って構築され、かつ動作可能である。関節動作ジョイント(11)はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年10月24日発行の「Surgical Instrument with Multi-Diameter Shaft」と題する、米国特許第9,795,379号の教示のうちの少なくとも一部に従って構成され、かつ動作可能であり得る。関節動作ジョイント(11)及び関節動作制御部(13)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0013】
本実施例のエンドエフェクタ(12)は、下側ジョー(16)及び枢動可能なアンビル(18)を含む。本実施例では、アンビル(18)はまた、上部ジョーと見なすことができる。更に、本実施例のようないくつかの変形例では、上部ジョー又はアンビル(18)は、静止した下部ジョー(16)に対して枢動する。しかしながら、いくつかの他の変形例では、上部ジョー又はアンビル(18)は、下部ジョー(16)が枢動する間に静止している。いくつかの変形例では、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年11月7日発行の「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」と題する、米国特許第9,808,248号の教示の少なくとも一部に従って、下部ジョー(16)が構築される。その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年12月13日発行の「Integrated Tissue Positioning and Jaw Alignment Features for Surgical Stapler」と題する、米国特許第9,517,065号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月12日発行の「Jaw Closure Feature for End Effector of Surgical Instrument」と題する、米国特許第9,839,421号、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年8月28日に公開の「Staple Forming Features for Surgical Stapling Instrument」と題される、米国特許出願公開第2014/0239037号の教示の少なくとも一部に従ってアンビル(18)が構築されてもよい。下側ジョー(16)及びアンビル(18)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0014】
ハンドル部分(20)は、ピストルグリップ(24)及び閉鎖トリガ(26)を含む。閉鎖トリガ(26)は、ピストルグリップ(24)に向かって枢動可能であり、エンドエフェクタ(12)の下側ジョー(16)に向かってアンビル(18)のクランプ又は閉鎖を行うことができる。かかるアンビル(18)の閉鎖は、閉鎖管(32)及び閉鎖用リング(33)を介してもたらされ、その両方とも、ピストルグリップ(24)に対する閉鎖トリガ(26)の枢動に応答して、ハンドル部分(20)に対して長手方向に並進する。閉鎖管(32)はシャフト(22)の長さに沿って延在し、閉鎖用リング(33)は関節動作ジョイント(11)の遠位に位置決めされる。関節動作ジョイント(11)は、閉鎖管(32)から閉鎖用リング(33)まで長手方向の移動を伝達/伝動するように動作可能である。
【0015】
ハンドル部分(20)はまた、発射トリガ(28)を含む。細長部材(図示せず)は、シャフト(22)を通って長手方向に延在し、発射トリガ(28)の作動に応答してハンドル部分(20)から発射ビーム(14)まで長手方向の発射運動を伝達する。以下で更に詳細に説明されるように、発射ビーム(14)のこの遠位並進により、エンドエフェクタ(12)内でクランプされた組織のステープル留め及び切断が行われる。その後、トリガ(26、28)を解放し、エンドエフェクタ(12)から組織を解放することができる。
【0016】
図3~
図6は、数多くの機能を実行するためにEビーム形態の発射ビーム(14)を取り入れているエンドエフェクタ(12)を示す。Eビーム形態は、単なる例示としての一例であることを理解されたい。発射ビーム(14)は、非Eビーム形態が挙げられるがこれに限定されない、任意の他の好適な形態を取ってもよい。
図4A~
図4Bに最も分かりやすく示されるように、発射ビーム(14)は、横断方向に配向された上部ピン(38)と、発射ビームキャップ(44)と、横断方向に配向された中間ピン(46)と、遠位方向に提示された切断縁部(48)と、を含む。上部ピン(38)は、アンビル(18)の長手方向アンビルスロット(42)内に位置決めされ、長手方向アンビルスロット(42)内を並進可能である。発射ビームキャップ(44)は、下側ジョー(16)を通って形成された下側ジョースロット(45)(
図4Bに示す)を通って延在する発射ビーム(14)を有することによって、下側ジョー(16)の下面に摺動可能に係合する。中間ピン(46)は、発射ビームキャップ(44)と協働する下側ジョー(16)の上面に摺動可能に係合する。これにより、発射ビーム(14)は、発射中に、エンドエフェクタ(12)の間隔を確信的に取る。
【0017】
一部の非Eビーム形態の発射ビーム(14)は、上部ピン(38)、中間ピン(46)、及び/又は発射ビームキャップ(44)が欠けてもよい。器具(10)のいくつかのこうした変形例は、閉鎖用リング(33)、又はアンビル(18)を閉鎖位置まで枢動させ、発射ビーム(14)が遠位位置へと前進する間はアンビル(18)を閉鎖位置に保持する、何らかの他の機構に単に依存してもよい。単に一例として、発射ビーム(14)及び/又は関連するロックアウト機構は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年8月1日発行の「Lockout Feature for Movable Cutting Member of Surgical Instrument」と題する、米国特許第9,717,497号の教示の少なくとも一部に従って構成され、かつ動作可能であり得る。発射ビーム(14)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0018】
図3は、近位に位置決めされている本実施例の発射ビーム(14)と、開放位置まで枢動されて、未使用のステープルカートリッジ(37)を下側ジョー(16)のチャネル内に着脱可能に装着することを可能にするアンビル(18)と、を示す。
図5~
図6に最も分かりやすく示されるように、この実施例のステープルカートリッジ(37)は、上部デッキ(72)を提示し、下部カートリッジトレイ(74)と連結されている、カートリッジ本体(70)を含む。
図3に最も分かりやすく示されるように、垂直スロット(49)が、ステープルカートリッジ(37)の一部を貫いて形成される。これも
図3に最も分かりやすく示されるように、3列のステープル開口部(51)が、垂直スロット(49)の一方の側部上の上部デッキ(72)を貫いて形成され、別の3列のステープル開口部(51)の組が、垂直スロット(49)の他方の側部上の上部デッキ(72)を貫いて形成される。勿論、任意の他の好適なステープルの列数(例えば、2列、4列、任意の他の列数)が提供されてもよい。再び
図4A~
図6を参照すると、楔形スレッド(41)及び複数のステープルドライバ(43)がカートリッジ本体(70)とトレイ(74)との間に捕捉され、ステープルドライバ(43)の近位に楔形スレッド(41)が位置している。楔形スレッド(41)は、ステープルカートリッジ(37)内で長手方向に移動可能であり、一方でステープルドライバ(43)は、ステープルカートリッジ(37)内で垂直方向に移動可能である。ステープル(47)も、カートリッジ本体(70)内部で、対応するステープルドライバ(43)の上方に位置決めされる。具体的には、各ステープル(47)は、ステープルドライバ(43)によってカートリッジ本体(70)内部で垂直方向に駆動されて、ステープル(47)を、関連するステープル開口部(51)から外へと駆動する。
図4A~
図4B、及び
図6に最も分かりやすく示されるように、楔形スレッド(41)は、楔形スレッド(41)がステープルカートリッジ(37)を通って遠位方向に駆動されるとステープルドライバ(43)を上方に付勢する、傾斜したカム面を提示する。
【0019】
いくつかの変形例では、ステープルカートリッジ(37)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年12月13日発行の「Integrated Tissue Positioning and Jaw Alignment Features for Surgical Stapler」と題する米国特許第9,517,065号の教示の少なくとも一部に従って構成され、かつ動作可能である。追加的にあるいは代替的に、ステープルカートリッジ(37)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年11月7日発行の「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」と題する米国特許第9,808,248号の教示の少なくとも一部に従って構成され、かつ動作可能であり得る。ステープルカートリッジ(37)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0020】
図4A~
図4Bに示されるように、閉鎖管(32)及び閉鎖用リング(33)を遠位方向に前進させることによってエンドエフェクタ(12)が閉鎖された状態では、続いて発射ビーム(14)は、上部ピン(38)を長手方向アンビルスロット(42)に入れることによって、アンビル(18)と係合して前進する。プッシャブロック(80)(
図5に示す)は、発射ビーム(14)の遠位端に位置し、発射トリガー(28)が作動されたとき、発射ビーム(14)がステープルカートリッジ(37)を通って遠位方向に前進すると、楔形スレッド(41)がプッシャブロック(80)によって遠位方向に押されるように、楔形スレッド(41)と係合するように構成される。かかる発射中に、発射ビーム(14)の切断縁部(48)は、ステープルカートリッジ(37)の垂直スロット(49)に入り、ステープルカートリッジ(37)とアンビル(18)との間にクランプされた組織を切断する。
図4A~
図4Bに示すように、中間ピン(46)及びプッシャブロック(80)は共に、ステープルカートリッジ(37)内の垂直スロット(49)内に入ることによってステープルカートリッジ(37)を作動させ、楔形スレッド(41)を駆動してステープルドライバ(43)と上向きでカム接触させると、ステープル(47)がステープル開口部(51)から外に押し出されて、アンビル(18)内面上のステープル成形ポケット(53)(
図3に示す)と成形接触する。
図4Bは、組織の切断及びステープル留めが完了した後で、遠位方向に完全に並進した発射ビーム(14)を示す。ステープル成形ポケット(53)は、
図4A~
図4Bの図から意図的に省略されているが、ステープル成形ポケット(53)は
図3に示されていることを理解されたい。また、アンビル(18)は、
図5の図から意図的に省略されていることも理解されたい。
【0021】
図7は、組織(90)を通した1回のストロークによって作動されたエンドエフェクタ(12)を示す。図示されるように、切断縁部(48)(
図7では隠されている)は、組織(90)を切断しており、一方、ステープルドライバ(43)は、切断縁部(48)が作り出した切断線の各側部で、ステープル(47)の3つの交互になる列を組織(90)を通して駆動する。この実施例では、全てのステープル(47)が切断線とほぼ平行に配向されているが、ステープル(47)は、任意の好適な配向で位置決めされ得る点を理解されたい。本実施例では、第1のストロークが完了した後にエンドエフェクタ(12)をトロカールから引き抜き、使用済みのステープルカートリッジ(37)を新しいステープルカートリッジと交換してから、エンドエフェクタ(12)を再びトロカールを通して挿入して、ステープル留めする部位に到達させて更なる切断及びステープル留めを行う。所望の量の切断及びステープル(47)が与えられるまで、このプロセスを繰り返すことができる。トロカールを通した挿入及び抜脱を容易にするにはアンビル(18)を閉鎖する必要があり得、ステープルカートリッジ(37)の交換を容易にするためにはアンビル(18)を開放する必要があり得る。
【0022】
各作動ストロークの間に、ステープル(47)が組織を通して駆動されるのとほぼ同時に、切断縁部(48)が組織を切断することができる点を理解されたい。本実施例では、切断縁部(48)は、ステープル(47)の駆動よりもごくわずかに遅れて進むため、ステープル(47)は、切断縁部(48)が組織の同じ領域を通過する直前に組織を通して駆動されるが、この順序を逆にしてもよい点、又は切断縁部(48)が、隣接するステープルと直接的に同期してもよい点を理解されたい。
図7は、2層(92、94)の組織(90)内で作動されるエンドエフェクタ(12)を示しているが、エンドエフェクタ(12)は、単一層の組織(90)、又は2層(92、94)を超える組織を通して作動されてもよい点を理解されたい。また、切断縁部(48)によって形成される切断線に隣接するステープル(47)の成形及び位置決めにより、切断線において組織を実質的にシールすることができ、これにより、切断線における出血及び/又は他の体液の漏出を低減又は防止することができる点も理解されたい。更にまた、
図7は、2つの概ね平坦で並置した組織の平面層(92、94)において作動されているエンドエフェクタ(12)を示すが、エンドエフェクタ(12)は、環状構造、例えば血管、消化管のセクションなどにわたって作動され得ることを理解されたい。
図7は、したがって、エンドエフェクタ(12)についての意図された使用における何らかの制限を示すものとして見られるべきではない。器具(10)を使用することができる様々な好適な状況及び処置は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0023】
一変形例では、器具(10)は、発射ビーム(14)の電動制御を提供する。発射ビーム(14)の電動制御を提供するために使用され得る例示的な構成要素は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年4月18日発行の「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」と題する、米国特許第9,622,746号に示され、説明される。上記に加えて、又はその代わりに、電動制御の少なくとも一部は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2012年7月3日発行の「Motor-Driven Surgical Instrument」と題する米国特許第8,210,411号の教示のうちの少なくとも一部に従って構成されてもよい。上記に加えて又は上記の代わりに、発射ビーム(14)を駆動させるように動作可能な機構は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,453,914号の教示のうちの少なくとも一部に従って、及び/又はその開示もまた参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,453,914号の教示の少なくとも一部に従って、構成され得る。発射ビーム(14)の電動化を提供するための他の好適な構成要素、機構、及び構成は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。いくつかの他の変形例では、モータが省略され得るように発射ビーム(14)の手動駆動が提供されてもよいことも理解されたい。単に一例として、発射ビーム(14)は、本明細書で引用される任意の他の特許/特許公報の引用文献の教示のうちの少なくとも一部に従って作動されてもよい。
【0024】
器具(10)はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年4月18日発行の「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」と題する、米国特許第9,622,746号に示され、記載される、ロックアウトスイッチ及びロックアウトインジケータを含み得る。更に、ロックアウトスイッチ及び/又はロックアウト指示(lockout indication)、並びに付随する構成要素/機能性は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2010年1月12日発行の「Electronic Lockouts and Surgical Instrument Including Same」と題する米国特許第7,644,848号の教示のうちの少なくとも一部に従って構成されてもよい。
【0025】
また、器具(10)は、「緊急救済(bailout)」機構としての機能を果たし、操作者が、発射ストローク中に、発射ビーム(14)の近位方向への後退を即座に開始することを可能にするように構成された、手動戻りスイッチ(116)を含む。つまり、手動戻りスイッチ(116)は、発射ビーム(14)が部分的にのみ遠位方向に前進した場合、手動で作動され得る。手動戻りスイッチ(116)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年4月18日発行の「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,622,746号の教示の少なくとも一部に従って、更なる機能性を提供し得る。
【0026】
器具(10)の動作を説明する際、「枢動する」という用語(及び「枢動する」を基体とした類義語)の使用は、必ずしも固定軸を中心とした枢動移動を必要とするものと解釈されるべきではない。いくつかの変形例では、アンビル(18)は、アンビル(18)が下側ジョー(16)に向かって移動すると、細長スロット又はチャネルに沿って摺動するピン(又は同様の機構)によって画定される軸を中心として枢動する。かかる変形例では、枢軸がスロット又はチャネルによって画定される経路に沿って並進し、一方で、アンビル(18)も同時にその軸を中心に枢動する。追加的にあるいは代替的に、まず枢軸がスロット/チャネルに沿って摺動し、次いで枢軸がスロット/チャネルに沿ってある一定の距離を摺動した後に、アンビル(18)が枢軸を中心に枢動してもよい。そのような摺動/並進枢動移動は、「枢動」、「枢動する」、「枢動の」、「枢動可能な」、「枢動している」などの用語内に包含されることを理解されたい。当然のことながら、いくつかの変形例は、固定された状態を維持して、スロット又はチャネルなどの内部を並進しない軸を中心としたアンビル(18)の枢動移動を提供してもよい。
【0027】
器具(10)は、米国特許第4,805,823号、同第5,415,334号、同第5,465,895号、同第5,597,107号、同第5,632,432号、同第5,673,840号、同第5,704,534号、同第5,814,055号、同第6,978,921号、同第7,000,818号、同第7,143,923号、同第7,303,108号、同第7,367,485号、同第7,380,695号、同第7,380,696号、同第7,404,508号、同第7,434,715号、同第7,721,930号、同第8,408,439号、及び/又は同第8,453,914号のいずれかに従って、構成され、かつ動作可能であり得ることを理解されたい。上述のように、それらの特許及び公報の各々の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。器具(10)に提供され得る更なる例示的な改変を、以下でより詳細に述べる。以下の教示を器具(10)に組み込むことができる様々な好適な方式が、当業者には明らかになるであろう。同様に、以下の教示を本明細書で引用される特許/公報の様々な教示と組み合わせることができる様々な好適な方式は、当業者には明らかであろう。また、以下の教示は、本明細書で引用される特許で教示される器具(10)又はデバイスに限定されない点も理解されたい。以下の教示は、外科用ステープラとして分類されない器具を含む他の様々な種類の器具にも容易に応用可能である。以下の教示を適用することができる他の様々な好適なデバイス及び状況は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0028】
II.可視化、引込、及び収集機構を備える例示的エンドエフェクタ
いくつかの例では、ユーザにエンドエフェクタ(12)のより良好な可視化を提供することが望ましい場合がある。具体的には、エンドエフェクタ(12)が手術部位に挿入される際、ユーザは、処置中に器具(10)のシャフト(22)を回転させる場合がある。その結果、エンドエフェクタ(12)もまた回転する。エンドエフェクタ(12)が回転する際、ユーザが手術部位に対する視覚的アクセスを有することが望ましい場合がある。例えば、ユーザは、組織(90)とエンドエフェクタ(12)との間の境界面又は接触面を見ることを望む場合がある。エンドエフェクタ(12)がハンドル部分(20)に対して長手方向軸(LA)を中心に回転できるため、ユーザは、アンビル(18)ではなくエンドエフェクタの下側ジョー(16)が可視となるように、手術部位を見ることができる。あるいは、ユーザがエンドエフェクタ(12)を見るときに、アンビル(18)がユーザに見えるように、エンドエフェクタ(12)が回転されてもよい。
図1の器具(10)で可能であるものを越えた手術部位の可視性をユーザに提供することが望ましい場合がある。例えば、流体を輸送している血管が切開されてステープル留めされる一部の外科的処置の場合、アンビル(18)及び下側ジョー(16)が切開されるべき血管を完全に覆っており、その結果、1回の作動で血管を完全に切開してステープル留めすることができることを視覚的に確認することが望ましい場合がある。つまり、ユーザは、血管の一部分のみを切断及びステープル留めすることを回避したいと希望し得る。したがって、アンビル(18)及び下側ジョー(16)が血管を完全にクランプするように、エンドエフェクタ(12)が手術部位内に適切に位置付けられたことがユーザに分かるような、何らかの視覚的な監視及び/又はフィードバック手段が望ましい場合がある。手術部位を監視する1つの考えられる方法として、下側ジョー(16)及びアンビル(18)の遠位先端部に隣接する領域の可視化を改善することが挙げられ得る。更に、エンドエフェクタ(12)の遠位端の可視化が望ましいだけでなく、アンビル(18)が下側ジョー(16)に向かって閉鎖すると、アンビル(18)の遠位端がアンビル(18)と下側ジョー(16)との間の空間内へと近位方向に組織(例えば、大血管)を付勢するように構成されるように、エンドエフェクタ(12)を構成することが望ましい場合がある。
【0029】
図8は、アンビル(218)及び下側ジョー(216)を備える例示的エンドエフェクタ(212)を示す。エンドエフェクタ(212)は、器具(10)のエンドエフェクタ(12)の代わりに使用されてもよいことが理解されよう。エンドエフェクタ(212)は、器具(10)と一体的に形成されてもよく、あるいは、器具(10)のエンドエフェクタ(12)と互換的であってもよい。
【0030】
アンビル(218)は、下側ジョー(216)に対して枢動するように動作可能である。アンビル(218)及び下側ジョー(216)は、
図1に示すアンビル(18)及び下側ジョー(16)によって行われるクランプと同様に組織(90)をクランプすることができる。エンドエフェクタ(212)は、
図3に示すカートリッジ(37)と同様に、下側ジョー(216)内に定置されるように動作可能なカートリッジ(237)を更に備える。
【0031】
図8~
図10で見ることができるように、アンビル(218)は細長い形状を有し、アンビル(218)の遠位部分はカートリッジ(237)に向かって角度付けされている。アンビル(218)の遠位部分は、アンビル(218)の最遠位先端部(219)がカートリッジ(237)よりも更に遠位長手方向に延在するように、カートリッジ(237)に向かって角度付けされる。しかし、いくつかの変形例では、遠位先端部(219)は、長手方向にカートリッジ(237)と等しい距離まで延在してもよく、又はカートリッジ(237)上の最遠位点に対して近位に延在してもよいことが理解されるであろう。更に、アンビル(218)は、緩斜面を通ってカートリッジ(237)に向かって角度付けされる。
図10で最もよく分かるように、アンビル(218)は、アンビル(218)の最遠位先端部(219)に近付くにつれて先細になる側部(241)を含む。単に一例として、アンビル(218)は、
図8では、反転したスキー先端部と同様に成形される。アンビル(218)の角度付き形状により、エンドエフェクタ(212)を手術部位へより容易に挿入することができる。例えば、アンビル(218)の緩斜面又は反転スキー先端部形状は、アンビル(218)が組織に接触する際、若しくは組織を通って移動する際に非外傷性の組織偏向面を提供することができる。こうした非外傷性の組織偏向は、アンビル(218)が下側ジョー(216)に向かって閉鎖する際に、アンビル(218)と下側ジョー(216)との間の空間内へと組織(例えば大血管)を近位方向に付勢することを含み得る。一旦手術部位内に配置されると、アンビル(218)の角度付き形状は、エンドエフェクタ(212)のより良好な操縦性、及び手術部位における解剖学的構造と関連したエンドエフェクタ(212)の遠位端のより良好な可視性も提供し得る。アンビル(218)の他の好適な変形は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0032】
カートリッジ(237)は、
図4Aに示すステープル(47)と同様のステープルを、組織内に駆動するために保持するように動作可能である。
図9に示すように、カートリッジ(237)の遠位端は、三角形の外形を有する。具体的には、カートリッジ(237)の遠位端は、先細上面(239)及び先細下面(238)を備える。加えて、カートリッジ(237)の遠位端は、各側上に先細側面(243)を備える。本実施例では、カートリッジ(237)の各先細側面(243)は、アンビル(218)の側部(241)によって提示される先細形状と概ね位置合わせする。したがって、
図10に示すように、カートリッジ(237)の側面(243)は、アンビル(218)の側面(241)を越えてエンドエフェクタ(212)の長手方向軸(LA)から外向きに延在しない。先細上面(239)及び先細下面(238)は、カートリッジ(237)の最遠位端に至る。先細下面(238)は視線(240)を画定し、その結果、エンドエフェクタ(212)が手術部位に一旦挿入されると、ユーザは、視線(240)に沿って見ることができる。視線(240)は、先細下面(238)の縁部に沿って延在する。先細下面(238)の平面形状は、ユーザがアンビル(218)の遠位先端部(219)を可視化する、かつ/又はほぼ可視化するように動作可能であってもよいことが理解されよう。具体的には、視線(240)は、エンドエフェクタ(212)を通って長手方向に延在する長手方向軸(LA)と交差し、視野角(θ)を形成する。
【0033】
視野角(θ)は、ユーザが遠位先端部(219)に対して有する相対的可視性を確立することができる。具体的には、ユーザは、視野角(θ)の範囲内で、視線(240)と長手方向軸(LA)との交点を通過する任意の視線に沿って、遠位先端部(219)を正面から見ることができる。例えば、視野角(θ)が増加すると、ユーザは、近位の観点からの遠位先端部(219)のすぐ前方の領域の可視性が高まり、視野角(θ)が減少すると、ユーザは、近位の観点からの遠位先端部(219)前方の領域の可視性が低下する。いくつかの変形例では、視野角(θ)は、90度を超える角度を画定する。加えて、いくつかの変形例では、視野角(θ)は、135度を超える角度を画定する。視野角(θ)の他の好適な角度は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。図示された変形例では、ユーザは、一般に、視線(240)に沿って又は視野角(θ)内のいくつかの他の視線に沿って見るため、ユーザは、視線、及び視野角(θ)内の任意の領域に沿った可視性を有する。遠位先端部(219)の下側は、長手方向軸(LA)と視線(240)との交点の可視性を補助するために更にわずかに丸みを帯びている。
【0034】
組織(90)が、閉鎖されたカートリッジ(237)とアンビル(218)との間にクランプされると、ユーザは、視線(240)に沿って又は視野角(θ)内の他の位置から見て、例えば、アンビル(218)がどこで組織(90)をクランプしたかを正確に確認することができる。更に、ユーザは、組織がエンドエフェクタ(212)の端部を越えてはみ出さないように、組織がアンビル(218)とカートリッジ(237)との間で完全にクランプされているかどうかを判定することができるようになる。ユーザはまた、組織(90)に対するアンビル(218)とカートリッジ(237)との間のクランプの質も可視化することができる。いくつかの例では、組織(90)をクランプする前、その最中、又はその後に、エンドエフェクタ(212)を回転させてもよいことが理解されよう。その結果、アンビル(218)の先細形状はまた、遠位先端部(219)の、又は実質的に隣接する遠位先端部(219)の、より見やすい視界をもたらすことができる。カートリッジ(237)の先細下面(238)に沿ったアンビル(218)の先細りにより、エンドエフェクタ(212)を組織内へと更に容易に非外傷的に挿入することができる。更に、エンドエフェクタ(212)の先細端部によって、トロカール、又はエンドエフェクタ(212)を手術部位に導入するように動作可能な他のデバイスを通してエンドエフェクタ(212)を嵌合させることがより容易となり得る。例えば、一旦遠位先端部(219)がトロカールに嵌合されると、先細下面(238)及びアンビル(218)の先細形状は、引込部を提供し、エンドエフェクタ(212)の残りの部分をトロカール内に誘導することができる。本明細書の教示を鑑みれば、当業者は、アンビル(218)の両側部(241)及びカートリッジ(237)の各側部(243)の先細設計によって可視性及び操縦性を向上させ得ることを更に理解するであろう。
【0035】
上記に加えて、エンドエフェクタ(212)及びエンドエフェクタ(212)を組み込んだ器具(10)の変形例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2015年11月17日発行の「Surgical Instrument End Effector Articulation Drive with Pinion and Opposing Racks」と題する米国特許第9,186,142号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年8月1日発行の「Lockout Feature for Movable Cutting Member of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,717,497号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2016年12月13日発行の「Integrated Tissue Positioning and Jaw Alignment Features for Surgical Stapler」と題する米国特許第9,517,065号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月12日発行の「Jaw Closure Feature for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,839,421号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年4月18日発行の「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,622,746号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年8月28日発行の「Staple Forming Features for Surgical Stapling Instrument」と題する、米国特許出願公開第2014/0239037号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年10月24日発行の「Surgical Instrument with Multi-Diameter Shaft」と題する、米国特許第9,795,379号、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年11月7日発行の「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」と題する、米国特許第9,808,248号の教示のうちの少なくとも一部に従って構成されかつ動作可能であり得る。エンドエフェクタ(212)に組み込まれ得る更なる修正について、下記でより詳細に説明する。
【0036】
III.屈曲又は角度付きの弾性的に変形可能なアンビル先端部を有する例示的なエンドエフェクタ
いくつかの手順では、組織に沿って、又は組織を通して切断することが必要であり得、その場合、処置を完了するには2つ以上の切断シーケンス、換言すると、連続経路に沿って連続的な切断を行うことが必要である。このような処置では、この連続的な切断技術は、「マーチング」として定義することができる。マーチングを伴う処置の場合、器具(10)が手術部位に配置され、作動されて切断及びステープル留めを行い、続いて新しいカートリッジ(37)を装着するために手術部位から除去され、続いて前回の切断及びステープル留めサイクルが発生した同じ経路に沿った次回の切断及びステープル留めのために再び手術部位に戻されてもよい。このプロセスは、切断及びステープル処置が完了するまで繰り返される。
図4A~
図4B、及び
図7に見られるように、エンドエフェクタ(12)の遠位端構成は、アンビル(18)の遠位端とカートリッジ(37)の遠位端との間に間隙を提供する。この間隙は、各マーチング工程の開始時に組織がエンドエフェクタ(12)の遠位端に侵入するための非外傷性空間を提供することによってマーチングを促進することができる。
【0037】
上述したように、エンドエフェクタ(212)の遠位端構成は、エンドエフェクタ(12)の遠位端構成とは異なり、エンドエフェクタ(212)の異なる構成は、異なる潜在的利点を提供する。具体的には、エンドエフェクタ(212)の遠位端構成は、改善された操縦性、及びエンドエフェクタ(212)の遠位端と、隣接する解剖学的構造との間の関係の改善された可視性を提供することができる。加えて、エンドエフェクタ(212)の遠位端構成は、アンビル(218)が下側ジョー(216)に向かって閉鎖されると、アンビル(218)と下側ジョー(216)との間の空間内に組織を近位方向へ付勢することによって組織収集効果を提供することができる。しかしながら、エンドエフェクタ(212)の全ての構造が剛性である変形例では、アンビル(218)が下側ジョー(216)に向かって閉鎖されているとき、アンビル(218)と下側ジョー(216)との間の空間に収集されない組織に対して遠位先端部(219)が外傷を与える場合があるため、アンビル(218)の遠位先端部(219)の屈曲構成はマーチング動作にあまり適さない場合がある。したがって、エンドエフェクタ(212)の全ての構造が剛性である変形例では、エンドエフェクタ(212)は、切断及びステープル留め動作(例えば、血管横切開)に最も適することができ、ここでは切断及びステープル留めされる組織の全てが遠位先端部(219)の近位に収集される。
【0038】
上記の内容を考慮すると、別の場合ではエンドエフェクタ(212)の完全に剛性の変形例に付随する場合のある外傷のリスクを増大させることなく、エンドエフェクタ(12)のマーチング能力、エンドエフェクタ(212)に関連する改善された可視性、及びエンドエフェクタ(212)の組織収集能力を提供するエンドエフェクタ(12、212)の変形例を提供することが望ましい場合がある。以下では、エンドエフェクタ(12、212)のこうした変形例のいくつかの単なる例示的な実施例を説明する。以下の実施例では、アンビルは、遠位先端部(219)のような屈曲又は角度付けされた構成を取るように弾性的に付勢された遠位先端部を有し、更に、弾性的に付勢された遠位先端部は、遠位先端部上の十分な荷重に応答して下側ジョーから離れて偏向可能である。弾性的に変形可能な角度付き遠位先端部分を有するアンビルを提供することは、組織を通って手術部位までナビゲートすることに関して、更なるレベルの操縦性の利益を提供することができることが、本明細書の教示を鑑みれば理解されるであろう。このようにして、変形可能な遠位先端部分は、特にマーチング動作中に、組織を通るエンドエフェクタの滑らかで非外傷的な移動を促進するために、偏向又は変形してもよい。加えて、装填状態にないとき、又は周辺組織と接触していないときの角度付けされた位置への付勢を有するアンビルは、直線状又は角度付けされていないアンビルを有するエンドエフェクタを使用することと比較して、組織捕捉及び切断中の強化された可視化を達成することができる。更に、角度付けされた位置に付勢された遠位先端部を有するアンビルは、比較的小さい組織構造をアンビルと下側ジョーとの間に単に寄せ集めることに関連するのではなく、マーチングに関連することになる負荷点に達するまで、ある程度の組織収集効果を提供することができる。
【0039】
図11は、外科用ステープラとして構成された別の例示的な器具(310)を示す。器具(310)は、ハンドル部分(320)とシャフト(322)とを備える。器具(310)は、シャフト(322)がハンドル部分(320)から選択的に取り外し可能であり、かつそのハンドル部分に対して取り付け可能であるように、モジュール式構成を有する。器具(310)は器具(10)と同様に構成されており、器具(310)の操作性及び使用法は、モジュール式構成である器具(310)の追加的特徴を除いて器具(10)について上述したものと同じである。そのモジュール式構成により、器具(310)は、エンドエフェクタを変更する方式を提供する。エンドエフェクタにおけるこうした変更は、別の方法で装着されたエンドエフェクタを交換するように、又は処置又はユーザの好みに基づいて異なるエンドエフェクタ構成を提供するように作られてもよい。前述のものに加えて、又はその代わりに、器具(310)のモジュール式構成を提供するように動作可能な特徴部は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年3月30日に公開の「Surgical Stapling Instrument with Shaft Release,Powered Firing,and Powered Articulation」と題する、米国特許出願公開第2017/086823号の教示の少なくとも一部に従って構成されてもよい。モジュール式構成を備える器具(310)を提供するための他の好適な構成要素、機構、及び構成は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。更に、器具(10)が、器具(310)又は参照により本明細書に組み込まれる他の器具に関して示されかつ説明されたモジュール式構成を組み込むように修正されてもよいことが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には理解されるであろう。
【0040】
図11の例示的な実施例では、器具(310)は、角度付き遠位先端部(319)を有するアンビル(318)を有するエンドエフェクタ(312)を備える。更に、アンビル(318)の遠位先端部(319)は弾性的に変形可能である。このようにして、
図12A及び
図12Bに最もよく示されるように、角度付き遠位先端部(319)は、第1の角度を付けられた位置から第2の位置へと弾性的に変形するように動作可能である。角度付き遠位先端部(319)の第2の位置は、いくつかの変形例では実質的に真っ直ぐであってもよいが、他の変形例では、ある程度角度付けされてもよい(例えば、長手方向軸(A1)のわずかに上方又はわずかに下方に)。角度付き遠位先端部(319)の第2の位置は、アンビル(318)と下側ジョー(16)との間に捕捉される組織の特性(例えば、厚さ、密度など)によって画定され得ることを理解されたい。本実施例では、エンドエフェクタ(312)は、ハンドル部分(320)から取り外し可能なシャフト(322)上に提供される。単に一例として、シャフト(322)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月13日発行の「Surgical Instrument Comprising a Sensor System」と題する、米国特許第9,913,642号の教示の少なくとも一部に従ってハンドル部分(320)から取り外し可能であってもよい。いくつかの他の変形例では、シャフト(322)はハンドル部分(320)から取り外し可能ではない。
【0041】
エンドエフェクタ(312)は、
図1に示すエンドエフェクタ(12)の代わりに使用されてもよいことが理解されよう。いくつかの変形例では、エンドエフェクタ(312)は、シャフト(22)と一体的に形成されてもよく、あるいは別々に形成され、その後、組み合わされてもよい。いくつかの変形例では、エンドエフェクタ(312)は、ロボットシステムで使用するために提供されてもよい。このようなロボットシステムでは、エンドエフェクタ(312)を有するモジュール式シャフト(322)は、ハンドル部分(320)がロボットシステムの構成要素によって交換されるような使用のためにロボットシステムの一部に取り付け可能であり得る。更に他の実施例では、エンドエフェクタ(312)は、モジュール式シャフト(322)全体を必ずしも接続することなく、エンドエフェクタ(312)がロボットシステムと接続する様式で、ロボットシステムと共に使用するように適合されてもよい。本明細書の教示を鑑みれば、角度付けされた弾性的に変形可能なアンビル先端部を有するエンドエフェクタを、ユーザ操作又はロボット操作式器具に組み込むための他の方式が当業者には明らかになるであろう。
【0042】
図12Aは、エンドエフェクタ(312)の遠位端の拡大側面図を示す。エンドエフェクタ(312)は、器具(10)に関して上述したように、アンビル(318)、及びカートリッジ(37)を受け入れる下側ジョー(16)を備える。アンビル(318)は、器具(10)に関して上述したアンビル(18)と同様に、下側ジョー(16)に向かって枢動可能に回転する。この構成では、エンドエフェクタ(312)はエンドエフェクタ(12)と同様であるが、アンビル(318)は、弾性的に変形可能な角度付き遠位先端部(319)を備える。
図12Aに示すように、先端部(319)は、
図11に示され、
図12Aに仮想線で示される角度付き位置への付勢が付与される。
図11に示されるように、エンドエフェクタ(312)は組織をクランプしておらず、開放しているとき、先端部(319)はこの角度付きの位置をとるか、又は
図12Aに仮想線で示されるように、組織をクランプすることなく閉じられる。エンドエフェクタ(312)がこの角度付き状態又は位置にある場合、エンドエフェクタ(312)は、装填されていない、又は非装填状態若しくは位置にあると考えることができる。逆に、エンドエフェクタ(312)が組織をクランプしているとき、エンドエフェクタ(312)は、装填されている、又は装填状態若しくは位置にあると考えることができる。
【0043】
閉鎖され、アンビル(318)と下側ジョー(16)との間に組織をクランプしていないとき、先端部(319)はカートリッジ(37)と接触する。この位置では、先端部(319)の下側面(324)は、シャフト(322)によって画定される長手方向軸(A1)と交差して角度(θ1)を形成する平面を画定する。閉鎖されて、組織(90)をアンビル(318)と下側ジョー(16)との間でクランプすると、先端部(319)の下側面(324)は組織(90)と接触する。この位置では、先端部(319)の下側面(324)は、長手方向軸(A1)と交差して角度(θ2)を形成する平面を画定する。
図12Aの例示された実施例では、角度(θ1、θ2)は長手方向軸(A1)と相対的であり、角度(θ1、θ2)の和は、遠位先端部(319)が受ける可動域を表す。あくまで例としてであり、限定するものではないが、いくつかの実施例では、角度(θ1)は、長手方向軸(A1)からカートリッジ(37)に向かって下向きの方向に、約20~約70度、又はより具体的には約30度~約50度である。あくまで例としてであり、限定するものではないが、いくつかの実施例では、角度(θ2)は、カートリッジ(37)から離れて長手方向軸(A1)から上向きの方向に約0~約90度である。あくまで例としてであり、限定するものではないが、いくつかの実施例では、先端部(319)が受ける可動域は約20度~約110度である。角度(θ1、θ2)について記載される角度は、単なる例示であり、限定するものではない。本明細書の教示を鑑みれば、他の好適な角度が、当業者には明らかになるであろう。
【0044】
加えて、場合によっては、長手方向軸(A1)は、ゼロ度基準を表し、それに対する角度は正又は負であり得る。例えば、角度が長手方向軸(A1)からカートリッジ(37)に向かって下向きの方向にある場合、角度は負の角度として特徴付けられてもよい。同様に、角度がカートリッジ(37)から離れて長手方向軸(A1)から上向きの方向にある場合、角度は正の角度として特徴付けられてもよい。これらの慣例を使用するとき、変形による遠位先端部(319)の可動域は、遠位先端部(319)がカートリッジ(37)と接触する位置にあるときの角度と、遠位先端部(319)が組織をクランプするときの変形状態にあるときの角度と、の絶対値の和として理解することができる。
【0045】
図12Bは、
図12Aのエンドエフェクタ(312)と同様の代替的エンドエフェクタ(412)の別の側面図を示す。エンドエフェクタ(312)の場合、アンビル(318)がその角度付きかつ非変形状態にあるとき(
図12Aの図の仮想線で見られるように)、アンビル(318)は、カートリッジ(37)の最遠位端部と同等又は近位の点まで延在する。アンビル(318)が上方に偏向されるように変形されると、遠位先端部(319)の端部は、カートリッジ(37)の最遠位端部のすぐ遠位の点まで延在する。エンドエフェクタ(412)の場合、
図12Bに示されるように、アンビル(318)がその角度付き状態及び非変形状態にあるとき(
図12Bの図の仮想線で見られるように)、アンビル(318)は、カートリッジ(37)の最遠位端部と同等又は近位の点まで延在する。アンビル(318)が上方に偏向されるように変形されると、アンビル(318)の遠位先端部(319)の端部は、カートリッジ(37)の最遠位端部と同じ又はその最遠位端部の近位の点まで延在する。このように、アンビル(318)がその角度付き状態又は変形状態にあるとき、エンドエフェクタ(412)のアンビル(318)は、カートリッジ(37)の最遠位端と同等又はその最遠位端の近位の位置にあり続け、そのため、アンビル(318)は、アンビル(318)がその角度付けされた非変形状態にあろうと、又はその変形状態にあろうと、カートリッジ(37)の最遠位端部を越えて延在しない。場合によっては、これは、アンビルの遠位先端部(319)の長さが短くなるようにアンビル(318)を変更することによって達成することができる。その他の場合では、器具(10、310)は、クランプ時にアンビル(318)がわずかに近位に後退するように修正されてもよい。本明細書の教示を鑑みれば、アンビル(318)の位置の制御に関連するときのエンドエフェクタ(412)を修正する他の方式が、当業者には明らかになるであろう。
【0046】
A.オーバーモールドされたアンビル先端部
図13~
図15は、例示的な構成を示すためのエンドエフェクタ(312)の拡大遠位図を示す。
図13~
図15に示される構造体は、上述したアンビル(318)の長さの違いを除いて、
図12Bに示されるエンドエフェクタ(412)にも適用される。
図13の上面図に示すように、エンドエフェクタ(312)は、遠位先端部(319)が剛性部分(326)及び偏向可能部分(328)を備えるアンビル(318)を備える。本実施例では、偏向可能部分(328)は剛性部分(326)上にオーバーモールドされて、アンビル(318)の遠位先端部(319)を形成する。
図13に示される例示的な例では、カートリッジ(37)の輪郭は、アンビル(318)の下側面(324)を明らかにするために仮想線で示される。遠位先端部(319)の剛性部分(326)は、アンビル(318)の本体(330)から延在する。本実施例では、本体(330)は金属から構成され、剛性部分(326)は、金属本体(330)の遠位先端部(319)内への延長部である。他の変形例では、本体(330)及び/又は剛性部分(326)は、プラスチック、セラミック、金属とプラスチック又はセラミックとの組み合わせ、及び本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう他の好適な材料又は材料の組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない、金属以外の材料から構成されてもよい。加えて、剛性部分(326)は、いくつかの変形例では、完全に剛性であるが、他の変形例では、剛性部分(326)は偏向可能部分(328)よりも少ない程度で弾性であってもよい。
【0047】
図13及び
図14の図示された変形例では、金属部分(326)は、概ね平坦又は平面である下側面(332)と、同様に概ね平坦又は平面である上面(334)と、を備える。金属部分(326)は、金属部分(326)を通って上面(334)から下側面(332)まで延在する開口部(336)を更に備える。加えて、金属部分(326)は、ネック領域(338)と、ネック領域(338)から遠位方向に延在するヘッド領域(340)と、ネック領域(338)とヘッド領域(340)との間の移行部における肩部(342)と、を備える。本実施例では、ネック領域(338)は、アンビル(318)の本体(330)から延在する。この構成により、金属部分(326)は、開口部(336)及び肩部(342)などの固定機構又はインターフェースを提供し、エラストマー部分(328)は、オーバーモールドプロセスを使用して、金属部分(326)としっかりと接続することができる。
【0048】
図15は、遠位先端部(319)のすぐ近位のアンビル(318)の断面図を示す。図示されるように、アンビル(318)は、6列のステープル成形ポケット(346)を各々2組の3列に分割する長手方向スロット(344)を備える。スロット(344)及びステープル成形ポケット(346)は、アンビル(18)に関して上述したスロット(42)及びステープル成形ポケット(53)と構造的かつ機能的に類似している。スロット(344)は、
図15に示すような「t」字形断面を含む。再び
図13及び
図14を参照すると、金属部分(326)の開口部(336)は、スロット(344)の横方向に延在する部分に隣接して位置付けられる。本明細書の教示を鑑みれば、オーバーモールドプロセスを使用したエラストマー部分(328)との好適な接続のために金属部分(326)を構成する他の方式が、当業者には明らかになるであろう。
【0049】
エラストマー部分(328)は、金属部分(326)上に成形され、また成形プロセスでは、エラストマー部分(328)が、アンビル(318)の本体(330)によって画定される平面と交差し、かつこれと同一平面上にない平面を画定するように、角度付け構成が付与される。このようにして、エラストマー部分(328)は、何らかの他の力がエラストマー部分(328)上に付与されて、それをその初期の角度付け位置から偏向させることがない限り、その角度付き構成を維持するように付勢されて形成される。成形プロセス中、エラストマー材料は、金属部分(326)の開口部(336)を通って流れて、これを充填する。エラストマー材料はまた、肩部(342)の周囲を、それに隣接して流れる。このようにして、エラストマー部分(328)は、オーバーモールドプロセス中に金属部分(326)としっかりと接続される。エラストマー部分(328)は、ゴム、プラスチック、又は、遠位先端部(319)が、力を受けたときに変形するが、力がこれ以上適用されないか又は存在しないときは、その初期の角度付き状態に弾性的に戻ることを可能にする所望のエラストマー特性を有する任意の他の好適な天然若しくは合成材料を含んでもよい。成形プロセスの間、スロット(344)に対して遠位方向に形成されたスロット(349)に停止部材(図示せず)を挿入して、エラストマー材料がスロット(344)に侵入するのを防ぐことができる。本明細書の教示を鑑みれば、オーバーモールドプロセスを使用した金属部分(326)との好適な接続のためにエラストマー部分(328)を構成する他の方式が、当業者には明らかになるであろう。
【0050】
上記で説明され、
図13及び
図14に示される遠位先端部(319)の構成では、金属部分(326)が遠位先端部(319)の領域内に延在することによって、偏向ゾーン(348)が画定される。偏向ゾーン(348)は、遠位先端部(319)の近位端に位置する遠位先端部(319)の剛性部分と同一の空間を占める。剛性が増大したこの領域により、遠位先端部(319)は、例えば、
図12Aに示すように偏向し、偏向ゾーン(348)は枢動点、又は偏向中に遠位先端部(319)の残部がそれを中心に回転する位置としての役割を果たす。本明細書の教示を鑑みれば、当業者は、遠位先端部(319)の所望の偏向が達成されるように、偏向ゾーン(348)を変更、修正、又は制御するために遠位先端部(319)を修正する他の方式を理解するであろう。
【0051】
IV.弾性的に変形可能な配置先端部を有するエンドエフェクタの例示的構成
エンドエフェクタ(312、412)に関して上述したような配置先端部とも称される、屈曲又は角度付きの弾性変形可能な先端部を有するエンドエフェクタでは、変形可能な先端部は、使用中に偏向することができる。上述のように、弾性変形可能な先端部は、アンビル(318)と同様に、アンビル上に位置し得る。他の変形例では、弾性変形可能な先端部は、カートリッジ上に位置し得る。加えて、上記のエンドエフェクタ(12、212、312、412)は、アンビル(18、218、318)と反対側の下部ジョー(16、216)を含むものとして考察されるが、いくつかの変形例では、エンドエフェクタは、上部ジョー及び下部ジョーを備え、アンビルはいずれかのジョー上に位置してもよく、カートリッジは、ジョーと反対側のジョー上にアンビルと反対側のいずれかのジョー上に位置してもよい。更に、いずれかのジョーは、弾性変形可能な先端部を含んでもよく、これはアンビル又はカートリッジの一部であってもよく、又はそれと関連付けられてもよい。以下の段落は、器具(10、310)及び他の器具と共に使用可能な、かつ下部ジョー、上部ジョー、及び弾性変形可能な先端又は配置先端部を含む、いくつかの例示的なエンドエフェクタを説明する。これらの例示的なエンドエフェクタは、互いに相互に排他的であることを意図しない様々な方式で示され、説明される。その代わりに、多くの場合、本明細書の教示を考慮することで当業者に理解されるように、1つの変形例の特徴は別の変形例に等しく適用される。
【0052】
図示及び説明されるいくつかの変形例では、変形可能な先端部の偏向は、エンドエフェクタが開いた状態に対して閉鎖状態にあるときの状態を比較するときに、変形可能な先端部が位置するジョーによって画定される長手方向軸に対して変形可能な先端部の角度を変化させる。図示及び説明されるいくつかの変形例では、変形可能な先端部は、エンドエフェクタが装填されていないか又は組織と係合していないときに対して、エンドエフェクタが装填されるか又は組織と係合するときに、カートリッジのノーズに対して、変形可能な先端部の角度を変化させる。図示及び説明されるいくつかの変形例では、エンドエフェクタジョーのうちの1つの配置先端部は、非偏向状態に対して偏向されたときに、エンドエフェクタジョーの他方に対して特定の位置を採用してもよい。図示及び説明されるいくつかの変形例では、エンドエフェクタ構成要素は、特定の配置先端部及び/又は幅外形を有するように構成される。最後に、図示及び説明されるいくつかの変形例では、エンドエフェクタ構成要素は、特定の下面構成及び/又は間隙を備えて構成される。
【0053】
以下に記載されるエンドエフェクタは、各々、上述の器具(10、310)と共に使用するように構成され得る。例えば、下記のエンドエフェクタの各々は、
図1に示されるエンドエフェクタ(12)の代わりに、又は
図11に示されるエンドエフェクタ(312)の代わりに使用されてもよいことが理解されよう。いくつかの変形例では、下記のエンドエフェクタの各々は、シャフト(22)と一体的に形成されてもよく、あるいは別々に形成され、その後、組み合わされてもよい。いくつかの変形例では、エンドエフェクタは、ロボットシステムで使用するために提供されてもよい。このようなロボットシステムでは、下記のエンドエフェクタのいずれかを有するモジュール式シャフト(322)は、ハンドル部分(320)がロボットシステムの構成要素によって交換されるような使用のためにロボットシステムの一部に取り付け可能であり得る。更に他の実施例では、下記のエンドエフェクタの各々は、モジュール式シャフト(322)全体を必ずしも接続することなく、下記のエンドエフェクタのいずれかがロボットシステムと接続する様式で、ロボットシステムと共に使用するように適合されてもよい。本明細書の教示を鑑みれば、下記のエンドエフェクタを、ユーザ操作又はロボット操作式器具に組み込むための他の方式が当業者には明らかになるであろう。
【0054】
A.開放状態及び閉鎖状態における例示的な角度
ここで、
図16及び
図17を参照すると、エンドエフェクタ(512)の拡大図が示される。エンドエフェクタ(512)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(512)は、上部ジョー(514)と下部ジョー(516)とを備える。本実施例では、上部ジョー(514)は、屈曲又は角度付きの弾性的に変形可能な遠位先端部又は配置先端部(519)を有する本体(517)を備える。本体(517)は、配置先端部(519)を除いて、長手方向軸線(LA1)を画定する。配置先端部(519)は、別の軸(A2)を画定する。本実施例では、長手方向軸(LA1)は、上部ジョー(514)の本体(517)の下面(520)に平行に延在する。同様に、軸(A2)は、配置先端部(519)の下面(522)に平行に延在する。
【0055】
図16に示すように、エンドエフェクタ(512)は、開放位置にあるか又は、組織又は他の物体がエンドエフェクタ(512)に接触していない状態にある。第1の角度(θ3)は、本体(517)の長手方向軸(LA1)と配置先端部(519)の軸(A2)との交点によって画定される。換言すると、第1の角度(θ3)は、本体(517)の下面(520)に沿って延在する平面と、配置先端部(519)の下面(522)に沿って延びる平面との交点によって画定される。
【0056】
図17に示すように、エンドエフェクタ(512)は、閉鎖位置に移動されており、組織がエンドエフェクタ(512)に接触することなく依然として非装填状態にある。しかしながら、閉鎖位置では、上部ジョー(514)の配置先端部(519)は下部ジョー(516)と接触する。この接触及び配置先端部(519)の弾性的に変形可能な性質により、配置先端部(519)は、
図16に示すように、本体(517)に対してその位置から偏向する。この偏向位置又は状態では、第2の角度(θ4)は、本体(517)の長手方向軸(LA1)と配置先端部(519)の軸(A2)との交点によって画定される。換言すると、第2の角度(θ4)は、本体(517)の下面(520)に沿って延在する平面と、配置先端部(519)の下面(522)に沿って延びる平面との交点によって画定される。
【0057】
配置先端部(519)の偏向に伴い、第2の角度(θ4)は第1の角度(θ3)と同じではない。例えば、
図17に図示した偏向により、下部ジョー(516)は、第2の角度(θ4)が第1の角度(θ3)よりも大きいように、配置先端部(519)が下部ジョー(516)から離れる方向に上方に枢動するように配置先端部(519)の下面に接触する。本実施例では、エンドエフェクタ(512)は、配置先端部(519)が本体(517)に対して枢動する枢動点(524)を画定する。より具体的には、枢動点(524)は、本体(517)の下面(520)及び配置先端部(519)の下面(522)が交わる場所で生じる。この構成では、エンドエフェクタ(512)は、上部ジョー(514)の遠位端から延在する配置先端部(519)を備える。配置先端部(519)は、エンドエフェクタ(512)が開放位置にあるとき、上部ジョー(514)の本体(517)の軸、又は長手方向軸(LA1)に対して第1の角度(θ3)を含む。配置先端部(519)は、エンドエフェクタ(512)が閉鎖位置にあるとき、上部ジョー(514)の本体(517)の軸に対して第2の角度(θ4)を更に含み、第2の角度(θ4)は第1の角度(θ3)と異なる。
【0058】
本明細書の教示を考慮すると、エンドエフェクタ(512)が閉鎖位置にあるときに他の角度が第2の角度(θ4)に達成されるように、エンドエフェクタ(512)を修正する、及び配置先端部(519)の偏向を修正する様々な方式が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。単なる一例として、限定するものではないが、そのような修正の1つは、エンドエフェクタ(512)が閉じられているときに、配置先端部(519)が下部ジョー(516)と接触する関係を変更することである。本実施例では、下部ジョー(516)は、下部ジョー(516)の遠位端にノーズ部分(526)を含む。更に、ノーズ部分(526)は、下部ジョー(516)の長手方向軸線(LA2)に対して傾斜を有する平面を画定する上面(528)を備える。この傾斜は、配置先端部(519)の偏向に影響を及ぼし、それによって第2の角度(θ4)の変化を引き起こすことができる。単なる別の例として、限定するものではないが、別のそのような修正は、配置先端部(519)の偏向を誘導及び/又はそれに影響し、それによって第2の角度(θ4)の変化を引き起こす、上面(528)上の特徴部を含むことである。
【0059】
いくつかの変形例では、上部ジョー(514)は、上述のようなアンビル(18、218、318)に類似するアンビル(518)を備える。そのような変形例では、アンビル(518)は、本体(517)及び配置先端部(519)を備える。また、このような変形例では、アンビル(518)の反対側に、下部ジョー(516)は、ノーズ部分(526)を有するステープル(537)を備える。この構成により、エンドエフェクタ(512)は、アンビル(518)の遠位端部から延在する配置先端部(519)を備える。配置先端部(519)は、エンドエフェクタ(512)が開放位置にあるときに、アンビル(518)軸又は長手方向軸線(LA1)に対して第1の角度(θ3)を備える。配置先端部(519)は、エンドエフェクタ(512)が閉鎖位置にあるときに、アンビル(518)軸又は長手方向軸(LA1)に対して第2の角度(θ4)を更に備え、第2の角度(θ4)は、上述のように第1の角度(θ3)と異なる。いくつかの他の変形例では、アンビル(518)及びカートリッジ(537)の位置は、下部ジョー(516)がアンビル(518)を備え、一方、上部ジョー(514)がステープル(537)を備えるように切り換えることができる。
【0060】
B.組織による偏向を伴う例示的な角度
ここで、
図18及び
図19を参照すると、エンドエフェクタ(612)の拡大図が示される。エンドエフェクタ(612)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(612)は、上部ジョー(614)と下部ジョー(616)とを備える。本実施例では、上部ジョー(614)は、屈曲又は角度付きの弾性的に変形可能な配置先端部(619)を有する本体(617)を備える。本体(617)は、配置先端部(619)を除いて、本体(617)の下面(620)に沿って延在する長手方向軸(LA3)を画定する。配置先端部(619)は、配置先端部(619)の下面(622)に沿って延在する別の軸(A3)を画定する。更に、本実施例では、下部ジョー(616)は、下部ジョー(616)の遠位端部に先細りノーズ部分(626)を備える。ノーズ部分(626)は、ノーズ部分(626)の上面(628)に沿って延在する軸(A4)を画定する。
【0061】
図18に示されるように、エンドエフェクタ(612)は、上部ジョー(614)と下部ジョー(616)との間に組織又は他の物体がない非装填状態である。第3の角度(θ5)は、本体(617)の長手方向軸(LA3)と配置先端部(619)の軸(A3)との交点によって画定される。換言すると、第3の角度(θ5)は、エンドエフェクタ(612)が非装填状態にあるときに、本体(617)の下面(620)に沿って延在する平面と、配置先端部(619)の下面(622)に沿って延在する平面との交点によって画定される。同様に、エンドエフェクタ(612)が、
図18に示されるように、組織又は他の物体が上部ジョー(614)と下部ジョー(616)との間にない非装填状態であるとき、第5の角度(α1)は、配置先端部(619)の軸(A3)とノーズ部分(626)の軸(A4)との交点によって画定される。換言すると、第5の角度(α1)は、エンドエフェクタ(612)が非装填状態にあるときに、配置先端部(619)の下面(622)に沿って延在する平面と、ノーズ部分(626)の上面(628)に沿って延びる平面との交点によって画定される。エンドエフェクタ(612)が閉鎖され、非装填状態である
図18の本実施例にも示されるように、配置先端部(619)の端部(630)は、ノーズ部分(626)の端部(632)の近位に位置する。
【0062】
図19に示すように、エンドエフェクタ(612)は、閉鎖位置に移動され、エンドエフェクタ(612)の上部ジョー(614)と下部ジョー(616)との間の組織で装填状態に移動されている。ジョー(614、616)と配置先端部(619)の弾性的に変形可能な性質との間の組織により、配置先端部(619)は、本体(617)に対してその位置から偏向する。この偏向位置又は状態では、第4の角度(θ6)は、本体(617)の長手方向軸(LA3)と配置先端部(619)の軸(A3)との交点によって画定される。換言すると、第4の角度(θ6)は、エンドエフェクタ(612)が装填状態にあるときに、本体(617)の下面(620)に沿って延在する平面と、配置先端部(619)の下面(622)に沿って延在する平面との交点によって画定される。同様に、エンドエフェクタ(612)が、
図19に示されるように、上部ジョー(614)と下部ジョー(616)との間の組織で装填状態にあるとき、第6の角度(α2)は、配置先端部(619)の軸(A3)とノーズ部分(626)の軸(A4)との交点によって画定される。換言すると、第6の角度(α2)は、エンドエフェクタ(612)が装填状態にあるときに、配置先端部(619)の下面(622)に沿って延在する平面と、ノーズ部分(626)の上面(628)に沿って延在する平面との交点によって画定される。エンドエフェクタ(612)が閉じられ、装填状態にある
図19の本実施例にも示されるように、配置先端部(619)の端部(630)は、ノーズ部分(626)の端部(632)の遠位に位置する。
【0063】
図18の非装填状態に対する
図19の装填状態にある配置先端部(619)の偏向により、第4の角度(θ6)は第3の角度(θ5)と同じではない。例えば、
図19に図示した偏向により、組織は配置先端部(619)の下側に接触し、その結果、配置先端部(619)は、第4の角度(θ6)が第3の角度(θ5)よりも大きいように、下部ジョー(616)から離れて上向きに枢動する。本実施例では、エンドエフェクタ(612)は、配置先端部(619)が本体(617)に対して枢動する枢動点(624)を画定する。より具体的には、枢動点(624)は、本体(617)の下面(620)及び配置先端部(619)の下面(622)が交わる場所で生じる。この構成では、エンドエフェクタ(612)は、上部ジョー(614)の遠位端から延在する配置先端部(619)を備える。配置先端部(619)は、エンドエフェクタ(612)が閉鎖状態及び非装填状態にあるとき、上部ジョー(614)の本体(617)の軸、又は長手方向軸(LA3)に対して第3の角度(θ5)を含む。配置先端部(619)は、エンドエフェクタ(612)が閉鎖位置及び装填状態にあるとき、上部ジョー(614)の本体(617)の軸に対して第4の角度(θ6)を更に備え、第4の角度(θ6)は第3の角度(θ5)と異なる。この構成と同様に、エンドエフェクタ(612)は、非偏向状態及び偏向状態を有する配置先端部(619)を備える。非偏向状態では、配置先端部(619)及びノーズ部分(626)は、第5の角度(α1)を画定し、偏向状態では、配置先端部(619)及びノーズ部分(626)は、第5の角度(α1)とは異なる第6の角度(α2)を画定する。
【0064】
本明細書の教示を考慮することで、エンドエフェクタ(612)を修正する様々な方式及び配置先端部(619)の偏向は、エンドエフェクタ(612)が閉鎖状態及び装填状態にあるときに、第4の角度(θ6)及び第6の角度(α2)に対して他の角度が達成されるように、当業者に明らかになるであろう。単なる一例として、限定するものではないが、このような修正の1つは、ノーズ部分(626)の上面(628)に沿って延在する軸(A4)が急勾配であるか又は浅いように、ノーズ部分(626)の先細りを変更することである。単なる別の例として、限定するものではないが、別のそのような修正は、配置先端部(619)に加えられる力を変更するために、ノーズ部分(626)と配置先端部(619)との間に保持された組織を方向付け、それによって、エンドエフェクタ(612)が閉鎖状態及び装填状態にあるときに、配置先端部(619)の偏向が第4の角度(θ6)及び第6の角度(α2)の変化を引き起こす、上面(628)上の特徴を含めることである。
【0065】
いくつかの変形例では、上部ジョー(614)は、上述のようなアンビル(18、218、318)に類似するアンビル(618)を備える。そのような変形例では、アンビル(618)は、本体(617)及び配置先端部(619)を備える。また、このような変形例では、アンビル(618)の反対側に、下部ジョー(616)は、ノーズ部分(626)を有するステープル(637)を備える。この構成により、エンドエフェクタ(612)は、アンビル(618)の遠位端部から延在する配置先端部(619)を備える。配置先端部(619)は、エンドエフェクタ(612)が閉鎖状態及び非装填状態にあるときに、アンビル(618)軸又は長手方向軸(LA3)に対して第3の角度(θ5)を備える。配置先端部(619)は、エンドエフェクタ(612)が閉鎖状態及び装填状態にあるときに、アンビル(618)軸又は長手方向軸(LA3)に対して第4の角度(θ6)を更に備え、第4の角度(θ6)は、上述のように第3の角度(θ5)と異なる。この構成と同様に、エンドエフェクタ(612)は、アンビル(618)の遠位端から延在する配置先端部(619)と、カートリッジ(637)の遠位端にノーズ部分(619)とを備え、エンドエフェクタ(612)は、非偏向状態及び偏向状態を有する。非偏向状態では、アンビル(618)の配置先端部(619)、及びカートリッジ(637)のノーズ部分(626)は、第5の角度(α1)を画定する。偏向状態では、アンビル(618)の配置先端部(619)、及びカートリッジ(637)のノーズ部分(626)は、第5の角度(α1)とは異なる第6の角度(α2)を画定する。いくつかの他の変形例では、アンビル(618)及びカートリッジ(637)の位置は、下部ジョー(616)がアンビル(618)を備え、一方、上部ジョー(614)がステープル(637)を備えるように切り換えることができる。
【0066】
C.偏向状態及び非偏向状態における例示的な先端部の位置
図18及び
図19に関連して上述したように、配置先端部(619)は、エンドエフェクタ(612)が装填されたときに偏向するように構成され、そのような偏向は、配置先端部(619)の端部(630)がカートリッジ(637)のノーズ部分(626)の端部(632)に対してその相対的配置又は位置を変化させるような様式で生じる。
図18及び
図19に示されるように、エンドエフェクタ(612)が装填されていないとき、上部ジョー(614)と下部ジョー(616)との間に組織が存在しないように、端部(630)は端部(632)の近位にある。エンドエフェクタ(612)が上部ジョー(614)と下部ジョー(616)との間に組織で装填されると、端部(630)が端部(632)の遠位にあるように端部(630)は遠位方向に移動する。
【0067】
ここで
図20を参照すると、エンドエフェクタ(712)の拡大図が示される。エンドエフェクタ(712)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(712)は、上部ジョー(714)と下部ジョー(716)とを備える。下部ジョー(716)は、ノーズ部分(726)及び端部(732)を備える。下部ジョー(716)は、デッキ(772)を更に備える。上部ジョー(714)は、本体(717)及び配置先端部(719)を備える。配置先端部(719)は、屈曲又は角度付きの構成を有し、上述のように弾性的に変形可能である。配置先端部(719)は、最遠位部分に端部(730)を備える。
【0068】
図20に示されるように、第1の基準平面(P1)は、デッキ(772)によって画定され、下部ジョー(716)の長手方向軸と概ね平行に延在する。第2の基準平面(P2)は、第2の基準平面(P2)が第1の基準平面(P1)に直交するように、ノーズ部分(726)の端部(732)を通過する。
図20に示すように、配置先端部(719)の端部(732)の位置又は配置は、第1の基準平面(P1)及び第2の基準平面(P2)に対して示され、説明され得る。換言すれば、配置先端部(719)の端部(730)の位置又は配置は、第2の基準平面(P2)によって図示されるように、下部ジョー(716)のノーズ部分(726)の端部(732)の近位にあるか、それと同等か、又はその遠位にあるものとして説明することができる。同時に、配置先端部(719)の端部(730)の位置又は配置は、第1の基準平面(P1)によって図示されるように、下部ジョー(716)のデッキ(772)の上方にあるか、それと同等か、又はその下方にあるものとして説明することができる。
【0069】
ここで
図21を参照すると、別のエンドエフェクタ(812)の拡大図が、例示的なエンドエフェクタの配置先端部の端部の位置又は配置を説明するために使用され得る複数のゾーンを画定する、参照マーキングと共に示される。エンドエフェクタ(812)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(712)及び
図20と同様に、
図21のエンドエフェクタ(812)はまた、第1の基準平面(P1)及び第2の基準平面(P2)も備える。加えて、第3の基準平面(P3)は、下部ジョー(816)の底面(834)によって画定され、これに沿って延在する。本実施例における第3の基準平面(P3)は、第1の基準平面(P1)と平行であり、また第2の基準平面(P2)に直交する。この構成では、
図21に示すように、6つのゾーンが、第1及び第3の基準平面(P1、P3)と第2の基準平面(P2)との交点によって画定される。
【0070】
第1のゾーン(Z1)は、(第1の基準平面(P1)に対応する)下部ジョー(816)のデッキ(872)の上の領域及び(第2の基準平面(P2)に対応する)ノーズ部分(826)の端部(832)の近位の領域として示される。第2のゾーン(Z2)は、(第1の基準平面(P1)に対応する)下部ジョー(816)のデッキ(872)の上の領域、及び(第2の基準平面(P2)に対応する)ノーズ部分(826)の端部(832)の遠位の領域として示される。第3のゾーン(Z3)は、(第1の基準平面(P1)に対応する)下部ジョー(816)のデッキ(872)の下の領域、(第3の基準平面(P3)に対応する)下部ジョー(816)の底面(834)、及び(第2の基準平面(P2)に対応する)ノーズ部分(826)の端部(832)の近位の領域として示される。第4のゾーン(Z4)は、(第1の基準平面(P1)に対応する)下部ジョー(816)のデッキ(872)の下の領域、(第3の基準平面(P3)に対応する)下部ジョー(816)の底面(834)の上の領域、及び(第2の基準平面(P2)に対応する)ノーズ部分(826)の端部(832)の遠位の領域として示される。第5のゾーン(Z5)は、(第3の基準平面(P3)に対応する)下部ジョー(816)の底面(834)の下の領域、及び(第2の基準平面(P2)に対応する)ノーズ部分(826)の端部(832)の近位の領域として示される。第6のゾーン(Z6)は、(第3の基準平面(P3)に対応する)下部ジョー(816)の底面(834)の下の領域、及び(第2の基準平面(P2)に対応する)ノーズ部分(826)の端部(832)の遠位の領域として示される。
【0071】
この基準システムを使用して、エンドエフェクタが閉鎖状態及び非装填状態にあるときの配置先端部の端部の様々な位置又は配置を示す、いくつかの例示的なエンドエフェクタがここで説明される。
図22Aを参照すると、別のエンドエフェクタ(912)の拡大図が、閉鎖状態及び非装填状態で示される。エンドエフェクタ(912)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(912)は、上部ジョー(914)と下部ジョー(916)とを備える。上部ジョー(914)は、本体(917)及び配置先端部(919)を備える。最遠位部分において、配置先端部(919)は端部(930)を備える。図示のように、配置先端部(919)は、屈曲又は角度付きの構成を有する。図示された構成では、配置先端部(919)は第1のゾーン(Z1)を通って延在し、配置先端部(919)の端部(930)の位置は、第3のゾーン(Z3)内にある。本明細書の教示を考慮すると、エンドエフェクタ(912)が閉鎖及び装填状態にあるとき、配置先端部(919)の端部(930)の位置が、まだ第3のゾーン(Z3)内に留まって偏向し得ることが、当業者には明らかであろう。しかしながら、配置先端部(919)の端部(930)が閉鎖及び装填状態のその位置をゾーンの別の1つに変更するように、配置先端部(919)が偏向し得ることも、本明細書の教示を考慮すると、当業者には明らかであろう。
【0072】
ここで
図22Bを参照すると、別のエンドエフェクタ(1012)の拡大図が、閉鎖及び非装填状態で示される。エンドエフェクタ(1012)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(1012)は、上部ジョー(1014)と下部ジョー(1016)とを備える。上部ジョー(1014)は、本体(1017)及び配置先端部(1019)を備える。最遠位部分において、配置先端部(1019)は端部(1030)を備える。図示のように、配置先端部(1019)は、湾曲構成を有する。図示された構成では、配置先端部(1019)は第1のゾーン(Z1)を通って延在し、配置先端部(1019)の端部(1030)の位置は、第3のゾーン(Z3)内にある。本明細書の教示を考慮すると、エンドエフェクタ(1012)が閉鎖及び装填状態にあるとき、配置先端部(1019)の端部(1030)の位置が、まだ第3のゾーン(Z3)内に留まることができることが、当業者には明らかであろう。しかしながら、配置先端部(1019)の端部(1030)が閉鎖及び装填状態のその位置をゾーンの別の1つに変更するように、配置先端部(1019)が偏向し得ることも、本明細書の教示を考慮すると、当業者には明らかであろう。
【0073】
ここで
図22Cを参照すると、別のエンドエフェクタ(1112)の拡大図が、閉鎖及び非装填状態で示される。エンドエフェクタ(1112)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(1112)は、上部ジョー(1114)と下部ジョー(1116)とを備える。上部ジョー(1114)は、本体(1117)及び配置先端部(1119)を備える。最遠位部分において、配置先端部(1119)は端部(1130)を備える。図示のように、配置先端部(1119)は、屈曲又は角度付きの構成を有する。図示された構成では、配置先端部(1119)は、第1のゾーン(Z1)及び第3のゾーン(Z3)を通って延在し、配置先端部(1119)の端部(1130)の位置は、第4のゾーン(Z4)内にある。本明細書の教示を考慮すると、エンドエフェクタ(1112)が閉鎖及び装填状態にあるとき、配置先端部(1119)の端部(1130)の位置が、まだ第4のゾーン(Z4)内に留まって偏向し得ることが、当業者には明らかであろう。しかしながら、配置先端部(1119)の端部(1130)が閉鎖及び装填状態のその位置をゾーンの別の1つに変更するように、配置先端部(1119)が偏向し得ることも、本明細書の教示を考慮すると、当業者には明らかであろう。
【0074】
ここで
図22Dを参照すると、別のエンドエフェクタ(1212)の拡大図が、閉鎖及び非装填状態で示される。エンドエフェクタ(1212)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(1212)は、上部ジョー(1214)と下部ジョー(1216)とを備える。上部ジョー(1214)は、本体(1217)及び配置先端部(1219)を備える。最遠位部分において、配置先端部(1219)は端部(1230)を備える。図示のように、配置先端部(1219)は、湾曲構成を有する。図示された構成では、配置先端部(1219)は、第1、第2、第3、第4、及び第6のゾーン(Z1、Z2、Z3、Z4、Z6)を通って延在し、配置先端部(1219)の端部(1230)の位置は、第5のゾーン(Z5)内にある。6つの全ゾーンの中から外に、配置先端部(1230)はそれらの全てを通過し、第3のゾーン(Z3)は、配置先端部(1230)の実質的に空隙である。本明細書の教示を考慮すると、エンドエフェクタ(1212)が閉鎖及び装填状態にあるとき、配置先端部(1219)の端部(1230)の位置が、まだ第5のゾーン(Z5)内に留まって偏向し得ることが、当業者には明らかであろう。しかしながら、配置先端部(1219)の端部(1230)が閉鎖及び装填状態のその位置をゾーンの別の1つに変更するように、配置先端部(1219)が偏向し得ることも、本明細書の教示を考慮すると、当業者には明らかであろう。
【0075】
ここで
図22Eを参照すると、別のエンドエフェクタ(1312)の拡大図が、閉鎖及び非装填状態で示される。エンドエフェクタ(1312)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(1312)は、上部ジョー(1314)と下部ジョー(1316)とを備える。上部ジョー(1314)は、本体(1317)及び配置先端部(1319)を備える。最遠位部分において、配置先端部(1319)は端部(1330)を備える。図示のように、配置先端部(1319)は、屈曲又は角度付きの構成を有する。図示された構成では、配置先端部(1319)は、第1、第3、及び第4のゾーン(Z1、Z3、Z4)を通って延在し、配置先端部(1319)の端部(1330)の位置は、第6のゾーン(Z6)内にある。本明細書の教示を考慮すると、エンドエフェクタ(1312)が閉鎖及び装填状態にあるとき、配置先端部(1319)の端部(1330)の位置が、まだ第6のゾーン(Z6)に留まって偏向し得ることが、当業者には明らかであろう。しかしながら、配置先端部(1319)の端部(1330)が閉鎖及び装填状態のその位置をゾーンの別の1つに変更するように、配置先端部(1319)が偏向し得ることも、本明細書の教示を考慮すると、当業者には明らかであろう。
【0076】
ここで
図22Fを参照すると、別のエンドエフェクタ(1412)の拡大図が、閉鎖及び非装填状態で示される。エンドエフェクタ(1412)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(1412)は、上部ジョー(1414)と下部ジョー(1416)とを備える。上部ジョー(1414)は、本体(1417)及び配置先端部(1419)を備える。最遠位部分において、配置先端部(1419)は端部(1430)を備える。図示のように、配置先端部(1419)は、多角度的な構成を有する。図示された構成では、配置先端部(1419)は、第1、第3、及び第4のゾーン(Z1、Z3、Z4)を通って延在し、配置先端部(1419)の端部(1430)の位置は、第6のゾーン(Z6)内にある。本明細書の教示を考慮すると、エンドエフェクタ(1412)が閉鎖及び装填状態にあるとき、配置先端部(1419)の端部(1430)の位置が、まだ第6のゾーン(Z6)に留まって偏向し得ることが、当業者には明らかであろう。しかしながら、配置先端部(1419)の端部(1430)が閉鎖及び装填状態のその位置をゾーンの別の1つに変更するように、配置先端部(1419)が偏向し得ることも、本明細書の教示を考慮すると、当業者には明らかであろう。
【0077】
ここで
図22Gを参照すると、別のエンドエフェクタ(1512)の拡大図が、閉鎖及び非装填状態で示される。エンドエフェクタ(1512)は、上述したように、器具(10、310)と共に使用するように、及び/又はロボット使用のために構成される。エンドエフェクタ(1512)は、上部ジョー(1514)と下部ジョー(1516)とを備える。上部ジョー(1514)は、本体(1517)及び配置先端部(1519)を備える。最遠位部分において、配置先端部(1519)は端部(1530)を備える。図示のように、配置先端部(1519)は、屈曲又は角度付きの構成を有する。その近位端において、配置先端部(1519)は、本体(1517)が配置先端部(1519)の段部(1591)からオフセットされるように、段部(1591)を備える。図示された構成では、配置先端部(1519)は、第1のゾーン(Z1)を通って延在し、配置先端部(1519)の端部(1530)の位置は、第3のゾーン(Z3)内にある。本明細書の教示を考慮すると、エンドエフェクタ(1512)が閉鎖及び装填状態にあるとき、配置先端部(1519)の端部(1530)の位置が、まだ第3のゾーン(Z3)内に留まって偏向し得ることが、当業者には明らかであろう。しかしながら、配置先端部(1519)の端部(1530)が閉鎖及び装填状態のその位置をゾーンの別の1つに変更するように、配置先端部(1519)が偏向し得ることも、本明細書の教示を考慮すると、当業者には明らかであろう。
【0078】
図22Gに示すように、エンドエフェクタ(1512)は、配置先端部(1519)の段部(1591)からの本体(1517)のオフセットに基づいて、第4の基準平面(P4)を画定する。また、配置先端部(1519)は、下部ジョー(1516)の上面(1528)及びデッキ(1572)の外形と一致する下面(1522)を備える。配置先端部(1519)は枢動点(1524)を画定し、下面(1522)は、下部ジョー(1516)の上面(1528)の外形の一致から下部ジョー(1516)のデッキ(1572)の一致へと移行する。図示された変形例に示されるように、エンドエフェクタ(1512)は、枢動点(1524)から段部(1591)の最近位端まで近位に延在する第1の距離(D1)を画定する。第1の距離(D1)は、下部ジョー(1516)のデッキ(1572)と重なり合う配置先端部(1519)の長さを表すと考えることができる。本明細書の教示を考慮すると、エンドエフェクタ(1512)及び第1の距離(D1)を修正又は変更して、配置先端部(1519)とデッキ(1572)とのより大きい又はより小さい重なり合いを達成するための様々な方式が、当業者に明らかになるであろう。
【0079】
上記の段落は、様々な基準平面がエンドエフェクタに対してゾーンを画定するために使用される基準システムを説明する。具体的には、様々な基準平面は、エンドエフェクタの下部ジョーのデッキ、最遠位端、及び底面に対して相対的である。この基準システムは、
図22A~
図22Gで上述したもの以外の、本明細書に示され、説明されるエンドエフェクタの他の変形例に適用可能である。例えば、エンドエフェクタ(512)が、第3のゾーン(Z3)内にその最遠位端を提示する配置先端部(519)を備えることは、
図17から明らかである。同様に、
図18は、エンドエフェクタ(612)が、その最遠位端も第3のゾーン(Z3)内に提示する配置先端部(619)を備えることを示す。エンドエフェクタ(512、612)及び
図17及び
図18に関して、エンドエフェクタ(512、612)の両方は、閉鎖及び非装填状態で示される。
図19を参照すると、エンドエフェクタ(612)は、閉鎖及び装填状態で示される。図示されるように、エンドエフェクタ(612)が閉鎖及び装填状態にある状態で、配置先端部(619)は、配置先端部(619)の最遠位端部が、第4のゾーン(Z4)内に位置するより小さい部分を有する第2のゾーン(Z2)内に主に位置するように偏向する。本明細書の教示を考慮すると、様々な条件の下、すなわち開放/閉鎖及び装填/非装填の下で、配置先端部の端部を所望の位置に位置付けるようにエンドエフェクタを構成する様々な方式が、当業者には明らかとなるであろう。
【0080】
D.弾性的に変形可能な配置先端部の例示的な形状
上述したように、エンドエフェクタの配置先端部は、屈曲又は角度付きの構成、並びに湾曲構成を有することができる。これは、例えば、
図22A~
図22Gのいくつかの側面図に示される。エンドエフェクタの配置先端部のためのこれらの様々な選択肢と組み合わせて、配置先端部の形状の更なる選択肢が存在する。以下で説明するように、配置先端部は、様々な遠位端外形、幅外形、及び下面形状で構成することができる。遠位端外形、幅外形、及び下面形状に関連する下記の様々な形状は、単一の配置先端部において組み合わされ得ることを理解されたい。例えば、図示及び説明された遠位端外形のいずれかを、図示及び説明された幅外形のいずれかを有する配置先端部に使用することができ、更にこのような配置先端部は、図示及び説明された下面形状のいずれかを有することができる。
【0081】
1.遠位端部の外形
図23A~
図23Fは、配置先端部の様々な遠位端外形を示す例示的な拡大した配置先端部分を示す。
図23Aを参照すると、エンドエフェクタは、配置先端部(1619)を備える。
図23Aの上面図に示すように、配置先端部(1619)は、丸い外形を有する遠位端部(1630)を備える。配置先端部(1619)は、エンドエフェクタの上部ジョー又は下部ジョーのいずれかに配置され得るように構成可能である。更に、配置先端部(1619)は、アンビルの一部又はカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を考慮すると、配置先端部(1619)のこの丸い遠位端外形は、本明細書に説明されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかであろう。
【0082】
図23Bは、配置先端部(1719)を備えるエンドエフェクタを示す。
図23Bの上面図に示すように、配置先端部(1719)は、角度付き及び尖った外形を有する遠位端部(1730)を備える。この実施例では、配置先端部(1719)はエラストマー材料及び偏向可能な材料を含むため、配置先端部(1719)は、その尖った外形にもかかわらず非外傷性先端部として構成される。配置先端部(119)は、エンドエフェクタの上部ジョー又は下部ジョーのいずれかに配置され得るように構成可能である。更に、配置先端部(119)は、アンビルの一部又はカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を考慮すると、配置先端部(119)のこの角度付き及び尖った遠位端外形を、本明細書に説明されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用することができることが、当業者には明らかであろう。
【0083】
図23Cは、配置先端部(1819)を備えるエンドエフェクタを示す。
図23Cの上面図に示すように、配置先端部(1819)は、歯付き外形を有する遠位端部(1830)を備える。配置先端部(1819)は、エンドエフェクタの上部ジョー又は下部ジョーのいずれかに配置され得るように構成可能である。更に、配置先端部(1819)は、アンビルの一部又はカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を考慮すると、配置先端部(1819)のこの歯付き遠位端外形は、本明細書に説明されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかであろう。
【0084】
図23Dは、配置先端部(1919)を備えるエンドエフェクタを示す。
図23Dの上面図に示すように、配置先端部(1919)は、フレア状外形を有する遠位端部(1930)を備える。配置先端部(1919)は、エンドエフェクタの上部ジョー又は下部ジョーのいずれかに配置され得るように構成可能である。更に、配置先端部(1919)は、アンビルの一部又はカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を考慮すると、配置先端部(1919)のこのフレア状の遠位端外形を、本明細書に説明されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用することができることが、当業者には明らかであろう。
【0085】
図23Eは、配置先端部(2019)を備えるエンドエフェクタを示す。
図23Eの上面図に示すように、配置先端部(2019)は、球体外形を有する遠位端部(2030)を備える。配置先端部(2019)は、エンドエフェクタの上部ジョー又は下部ジョーのいずれかに配置され得るように構成可能である。更に、配置先端部(2019)は、アンビルの一部又はカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を考慮すると、配置先端部(2019)のこの球体の遠位端外形は、本明細書に説明されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかであろう。
【0086】
図23Fは、配置先端部(2119)を備えるエンドエフェクタを示す。
図23Fの上面図に示すように、配置先端部(2119)は、非対称外形を有する遠位端部(2130)を備える。このようにして、端部(2130)は、端部(2130)が角度付きであるように他方よりも一方の側により長く遠位に延在する。配置先端部(2119)は、エンドエフェクタの上部ジョー又は下部ジョーのいずれかに配置され得るように構成可能である。更に、配置先端部(2119)は、アンビルの一部又はカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を考慮すると、配置先端部(2119)のこの非対称の遠位端外形は、本明細書に説明されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかであろう。エンドエフェクタの先端部を配置するためのいくつかの遠位端外形が上述されてきたが、エンドエフェクタの配置先端部のための他の遠位端外形が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう。
【0087】
2.幅外形
図24A~
図24Eは、配置先端部の様々な幅外形を示す例示的な拡大した配置先端部を示す。
図24Aを参照すると、エンドエフェクタは、配置先端部(2219)を備える。
図24Aの上面図に示すように、配置先端部(2219)は、遠位端部(2230)につながる遠位側(2229)を備え、遠位側(2229)は角度付きの幅外形を画定する。配置先端部(2219)は、エンドエフェクタの上部ジョー又は下部ジョーのいずれかに配置され得るように構成可能である。更に、配置先端部(2219)は、アンビルの一部又はカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を考慮すると、配置先端部(2219)のこの角度付き幅外形は、本明細書に説明されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかであろう。
【0088】
図24Bは、配置先端部(2319)を備えるエンドエフェクタを示す。
図24Bの上面図に示すように、配置先端部(2319)は遠位端部(2330)につながる遠位側(2329)を備え、遠位側(2329)は段付きの幅外形を画定する。配置先端部(2319)は、エンドエフェクタの上部ジョー又は下部ジョーのいずれかに配置され得るように構成可能である。更に、配置先端部(2319)は、アンビルの一部又はカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を考慮すると、配置先端部(2319)のこの段付き幅外形は、本明細書に説明されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかであろう。
【0089】
図24Cは、配置先端部(2419)を備えるエンドエフェクタを示す。
図24Cの上面図に示すように、配置先端部(2419)は、遠位端部(2430)につながる遠位側(2429)を備え、遠位側(2429)は、遠位側(2429)が対称的に配向されていないように、この場合では、様々な角度に角度付けられているように、非対称である幅外形を画定する。配置先端部(2419)は、エンドエフェクタの上部ジョー又は下部ジョーのいずれかに配置され得るように構成可能である。更に、配置先端部(2419)は、アンビルの一部又はカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を考慮すると、配置先端部(2419)のこの非対称の幅外形は、本明細書に説明されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれと共に使用され得ることが、当業者には明らかであろう。
【0090】
図24Dは、配置先端部(2519)を備えるエンドエフェクタを示す。
図24Dの上面図に示されるように、配置先端部(2519)は、遠位端部(2530)につながる遠位側(2529)を備え、遠位側(2529)は、配置先端部(2519)の長手方向軸に沿って中心に置かれた遠位端部(2530)とスカラップ状の幅外形を画定する。このようにして、遠位側(2529)のうちの1つは凹状の湾曲を有し、他方は凸状の湾曲を有する。配置先端部(2519)は、エンドエフェクタの上部ジョー又は下部ジョーのいずれかに配置され得るように構成可能である。更に、配置先端部(2519)は、アンビルの一部又はカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を考慮すると、配置先端部(2519)のこのスカラップ状の幅外形は、本明細書に説明されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかであろう。
【0091】
図24Eは、配置先端部(2619)を備えるエンドエフェクタを示す。
図24Eの上面図に示すように、配置先端部(2619)は、遠位端部(2630)につながる遠位側(2629)を備え、遠位側(2629)は、各側上に隆起部又は外側突起(2631)を有する幅外形を画定する。図示された変形例では、配置先端部(2619)の反対側のエンドエフェクタのジョー(2616)は、仮想線で示される。本実施例に示すように、隆起部(2631)は、ジョー(2616)から外向きに延在し、一方、配置先端部(2619)の残りの幅は、ジョー(2616)の幅よりも狭い。しかしながら、隆起部(2631)は、全ての変形例において、ジョー(2616)の幅から外に延在する必要はない。隆起部(2631)がジョー(2616)から外向きに延在する場合、配置先端部(2619)は、器具をエンドエフェクタ及び配置先端部(2619)を部位の内外に移動させる際に抵抗を提供するように構成される。加えて、隆起部(2631)は、配置先端部(2619)が開口を通過するときに開口をより大きく拡張するように構成される。配置先端部(2619)は、エンドエフェクタの上部ジョー又は下部ジョーのいずれかに配置され得るように構成可能である。更に、配置先端部(2619)は、アンビルの一部又はカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。本明細書の教示を考慮すると、各側に隆起部(2631)を有する配置先端部(2619)のこの幅外形は、本明細書に説明されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかであろう。
【0092】
図25は、エンドエフェクタの配置先端部(2719)の拡大上面図を示し、配置先端部(2719)は、角度付き及び尖った外形を有する遠位端部(2730)を有し、配置先端部(2719)は、角度付きの幅外形を画定する遠位側(2729)を有する。上述したように、配置先端部(2719)は、
図23Bの配置先端部(1719)の角度付きの尖った遠位端外形と、
図24Aの配置先端部(2219)の角度付きの幅外形との組み合わせを示す。本明細書の教示を考慮すると、本実施例によって更に例示されるように、遠位端外形及び幅外形の様々な組み合わせが当業者に明らかになるであろう。
【0093】
配置先端部(2719)は、遠位側(2729)によって画定される幅外形と比較して、遠位端部(2730)における外形間の関係を更に示す。他の実施例に関して上述したように、配置先端部は、エンドエフェクタの上部ジョー又は下部ジョーのうちの1つの本体から延在する。本実施例では、配置先端部(2719)は、それが延在するジョーの本体よりも短い長手方向寸法又は長さを有すると理解される。図示された変形例に示されるように、配置先端部(2719)は、第1の長さ(L1)と第2の長さ(L2)との合計によって特徴付けられる長さを有すると理解され得る。示されていないが、配置先端部(2719)が示されているよりも近位方向に延在することを示す波状破断線に基づいて縮尺どおりではないが、第1の長さ(L1)は第2の長さ(L2)よりも実質的に大きいことを理解されたい。
図23A~
図23F及び
図24A~
図24Eの上の様々な遠位端外形及び配置先端部の幅外形を示して説明する場合、遠位端外形、並びに遠位側によって画定される幅外形は全て、第2の長さ(L2)と一致する配置先端部の長さに含まれることを理解されたい。
【0094】
配置先端部(2719)は、対称的な遠位側(2729)のうちの1つによって画定される平面が、近位側(2733)の1つによって画定される別の平面と組み合わせて、角度(β1)を形成する実施例を更に示す。この実施例では、遠位側(2729)によって画定される幅外形がより多くの角度又は急勾配になるにつれて、角度(β1)が増加する。遠位側(2729)によって画定される幅外形の角度が小さくなり、したがって近位側(2733)と平行に近くなると、角度(β1)は減少する。
【0095】
配置先端部(2719)はまた、遠位端部(2730)の側面(2735)のうちの1つによって画定される平面と組み合わせて遠位端部(2730)の最遠位部分に接して画定される平面が角度(β2)を形成する実施例も示す。この実施例では、遠位端部(2730)の側面(2735)がより多くの角度又は急勾配になるにつれて、角度(β2)が増加する。遠位端部(2730)の側面(2735)の角度が小さくなり、したがって遠位端部(2730)がより鈍くなると、角度(β2)が減少する。
【0096】
3.下面
ここで、
図26A~
図26Eの側面図を参照すると、配置先端部の下面の様々な形状が示され、説明される。場合によっては、配置先端部の下面は、内側表面と称されてもよく、これらの用語は交換可能であると理解されるべきである。
図26Aは、上部ジョー(2814)及び下部ジョー(2816)を備えるエンドエフェクタ(2812)を示す。上部ジョー(2814)は、本体(2817)と、本体(2817)から遠位に延在する配置先端部(2819)とを備える。配置先端部(2819)は、屈曲又は角度付き構成を有し、平坦である下面(2822)を備える。この実施例では、下面(2822)はまた、下部ジョー(2816)のノーズ部分(2826)上の上面(2828)と平行である。このようにして、エンドエフェクタ(2812)が閉鎖され、装填されていないとき、下面(2822)は上面(2828)と接触することができる。
【0097】
図26Bは、上部ジョー(2914)及び下部ジョー(2916)を備えるエンドエフェクタ(2912)を示す。上部ジョー(2914)は、本体(2917)と、本体(2917)から遠位に延在する配置先端部(2919)とを備える。配置先端部(2919)は湾曲構成を有し、湾曲している下面(2922)を備える。更に、下部ジョー(2916)は、先細り上面(2928)を有するノーズ部分(2926)を備える。ノーズ部分(2926)の先細り上面(2928)と組み合わせた下面(2922)の湾曲は、上記で示され説明したエンドエフェクタ(2812)と同様に、より大きな接触領域とは対照的に、エンドエフェクタ(2912)が閉鎖され、装填されないとき、点接触を有する配置先端部(2919)を提供する。
【0098】
図26Cは、上部ジョー(3014)及び下部ジョー(3016)を含むエンドエフェクタ(3012)を示す。上部ジョー(3014)は、本体(3017)と、本体(3017)から遠位に延在する配置先端部(3019)とを備える。配置先端部(3019)は真っ直ぐな構成を有し、真っ直ぐな下面(3022)を備える。配置先端部(3019)は、上述のように弾性的に変形可能であるように構成される。このようにして、配置先端部(3019)の下面(3022)は、上部ジョー(3014)の本体(3017)の下面(3020)と同じ平面に沿って延在する。更に、下部ジョー(3016)は、先細り上面(3028)を有するノーズ部分(3026)を備える。下面(3022)の真っ直ぐな構成は、ノーズ部分(3026)の先細り上面(3028)と組み合わせて、エンドエフェクタ(3012)が閉鎖され、装填されていないときに、配置先端部(3019)が先細り上面(3028)と接触することを排除する。
【0099】
図26Dは、上部ジョー(3114)及び下部ジョー(3116)を含むエンドエフェクタ(3112)を示す。上部ジョー(3114)は、本体(3117)と、本体(3117)から遠位に延在する配置先端部(3119)とを備える。配置先端部(3119)は、湾曲構成を有し、多角度的な下面(3122)を備える。配置先端部(3119)は、上述のように弾性的に変形可能であるように構成される。更に、下部ジョー(3116)は、先細り上面(3128)を有するノーズ部分(3126)を備える。ノーズ部分(3126)の先細り上面(3128)と組み合わせた下面(3122)の多角度的な性質は、示され上述したエンドエフェクタ(3112)と同様に、より大きな接触領域とは対照的に、エンドエフェクタ(3112)が閉鎖され、装填されないときに、点接触を有する配置先端部(3119)を提供する。
【0100】
図26Eは、二重位置を有する上部ジョー(3214)と下部ジョー(3216)とを備えるエンドエフェクタ(3212)を示す。上部ジョー(3214)は、本体(3217)と、本体(3217)から遠位に延在する配置先端部(3219)とを備える。配置先端部(3219)は、
図26Eに仮想線で示されるように、エンドエフェクタ(3212)が開放され、装填されないときに、屈曲又は角度付きの構成を有する。配置先端部(3219)は、湾曲した突出部(3231)を含む下面(3222)を備える。配置先端部(3219)は、上述のように弾性的に変形可能であるように構成される。更に、下部ジョー(3216)は、先細り上面(3228)並びにデッキ(3272)を有するノーズ部分(3226)を備える。配置先端部(3219)の下面(3222)の湾曲した突出部(3231)は、配置先端部(3219)が、真っ直ぐに仮想線で示されるその屈曲又は角度付きの配向から枢動するように、あるいはエンドエフェクタ(3212)が閉じられているときにジョー(3214、3216)の間に組織がなく、デッキ(3272)などの構造体に接触するか、又はエンドエフェクタ(3212)が閉鎖され、ジョー(3214、3216)の間に組織が充填されたときの組織と接触する、湾曲した突出部(3231)に応答して、少なくともより少ない屈曲又は角度付きの配向から枢動するように、枢動構造として機能するように構成される。
【0101】
E.例示的な間隙
本明細書に説明される様々なエンドエフェクタは、上記のような可視化及び誘導特徴を提供する。加えて、配置先端部が偏向するか又は弾性的に変形する能力は、マーチングが必要とされるか又は有益であり得る処置中の使用における利益を提供することができる。配置先端部が弾性的に変形する能力に加えて、配置先端部と反対側のジョーの表面との間の間隙の存在又は欠如は、可視化及びマーチングに影響を及ぼし得る。例えば、間隙をほとんど又は全く有さないいくつかの変形例では、配置先端部が弾性的に変形する能力は、マーチング処置におけるエンドエフェクタの使用を可能にする。
【0102】
図27A及び
図27Bは、例示的な間隙及びそれらの構成を示すエンドエフェクタの部分を示す。
図27Aは、上部ジョー(3314)の配置先端部(3319)と下部ジョー(3316)のノーズ部分(3326)との間の間隙(3340)を示す、エンドエフェクタ(3312)の遠位部分の拡大側面図を示す。本実施例では、エンドエフェクタ(3312)は、閉鎖及び非装填状態で示される。配置先端部(3319)は、下部ジョー(3316)のノーズ部分(3326)の上面(3320)と概ね平行である下面(3322)を備える。このようにして、間隙(3340)は、配置先端部(3319)の下面(3322)及びノーズ部分(3326)の上面(3320)に沿って概ね均一なサイズである。間隙(3340)のこの構成では、配置先端部(3319)の弾性的に変形可能な性質を用いて、エンドエフェクタ(3312)は、マーチングが所望される処置で使用するために構成される。
【0103】
図27Bは、上部ジョー(3414)の配置先端部(3419)の遠位端部(3430)と下部ジョー(3416)のノーズ部分(3426)との間の間隙(3440)を示す、エンドエフェクタ(3412)の遠位部分の拡大側面図を示す。配置先端部(3419)は、屈曲しているか又は角度付きであり、図示のようにエンドエフェクタ(3412)が閉鎖及び非装填された状態で、端部(3430)は、下部ジョー(3416)のノーズ部分(3426)の上面(3420)に接触するか又はほぼ接触する。したがって、本実施例では、間隙(3440)は非常に小さいか、又はジョー(3414、3416)がタッチする場合、間隙(3440)は全く存在しない。間隙(3440)が存在する変形例では、図示のように、間隙(3440)が近位に延在するにつれて、間隙(3440)のサイズが増大する。この構成では、配置先端部(3419)の弾性的に変形可能な性質を用いて、エンドエフェクタ(3412)は、マーチングが所望される処置で使用するために構成される。本明細書の教示を考慮すれば、可視化、誘導、及びマーチングを支援する様々な間隙を有するエンドエフェクタを構成するための他の方式が、当業者には明らかになるであろう。
【0104】
F.例示的な弓状の側面断面
図26B及び
図26Dに関連して上述したように、いくつかの例示的なエンドエフェクタは、弓状の側面断面を有する配置先端部を備えて構成される。弾性的に変形可能又は偏向可能な配置先端部では、配置先端部に加えられるクランプ力に基づいて、配置先端部の湾曲又は曲率の程度が変化する。上述したように、湾曲した配置先端部を備えるエンドエフェクタを有することは、使用中のエンドエフェクタの可視化及び誘導における利益を提供することができる。更に、弾性的に変形可能な配置先端部を備えるエンドエフェクタを有することは、マーチングが使用されるか又は所望される処置において利益を提供することができる。配置先端部において変形性と湾曲を組み合わせることにより、エンドエフェクタのジョー間の間隙を必要又は要求することなく、マーチング用途で使用することができる構成で、所望の可視化及び誘導属性をエンドエフェクタに提供する。
【0105】
ここで
図26Bを再び参照すると、
図26Bは、上部ジョー(2914)及び下部ジョー(2916)を備えるエンドエフェクタ(2912)を示す。上部ジョー(2914)は、本体(2917)と、本体(2917)から遠位に延在する配置先端部(2919)とを備える。配置先端部(2919)は湾曲構成を有し、湾曲している下面(2922)を備える。更に、下部ジョー(2916)は、先細り上面(2928)を有するノーズ部分(2926)を備える。ノーズ部分(2926)の先細り上面(2928)と組み合わせた下面(2922)の湾曲は、エンドエフェクタ(2912)が閉鎖され、非装填であるときに、点接触を配置先端部(2919)に提供する。このようにして、エンドエフェクタ(2912)が閉鎖され、非装填であるときに、上部ジョー(2914)と下部ジョー(2916)との間に間隙は存在しない。
【0106】
場合によっては、湾曲した配置先端部は、多角度的な下面を使用することによって達成することができる。
図26Dは、上部ジョー(3114)及び下部ジョー(3116)を備えるエンドエフェクタ(3112)を具備する、このようなエンドエフェクタを示す。上部ジョー(3114)は、本体(3117)と、本体(3117)から遠位に延在する配置先端部(3119)とを備える。配置先端部(3119)は、湾曲構成を有し、多角度的な下面(3122)を備える。配置先端部(3119)は、上述のように弾性的に変形可能であるように構成される。更に、下部ジョー(3116)は、先細り上面(3128)を有するノーズ部分(3126)を備える。ノーズ部分(3126)の先細りの上面(3128)と組み合わせた下面(3122)の多角度的な性質は、エンドエフェクタ(3112)が閉鎖され、非装填であるときに、点接触を配置先端部(3119)に提供する。このようにして、エンドエフェクタ(3112)が閉鎖され、非装填であるときに、上部ジョー(3114)と下部ジョー(3116)との間に間隙は存在しない。本明細書の教示を考慮すると、断面で見たときに弓状の側面を有する配置先端部を有するジョーを備えるエンドエフェクタを提供する他の方式が、当業者には明らかとなるであろう。
【0107】
G.例示的な階段部又は歯付き先端部形状
上述したように、エンドエフェクタの配置先端部は、様々な幅外形を含む様々な形状で構成され得る。このような配置先端部の1つは、配置先端部(2319)を備えて
図24Bに示されており、この配置先端部は、階段部又は歯付き形状を有する。
図24Bの上面図に示すように、配置先端部(2319)は遠位端部(2330)につながる遠位側(2329)を備え、遠位側(2329)は段付きの幅外形を画定する。本実施例では、配置先端部(2319)は、エンドエフェクタのアンビルから遠位に延在する。しかしながら、配置先端部(2319)は、アンビルの一部又はカートリッジの一部であってもよいように構成可能である。更に、配置先端部(2319)は、エンドエフェクタの上部ジョー又は下部ジョーのいずれかに配置され得るように構成可能である。本明細書の教示を考慮すると、配置先端部(2319)のこの段付き幅外形は、本明細書に説明されるエンドエフェクタの配置先端部のいずれかと共に使用され得ることが、当業者には明らかであろう。
【0108】
図示された変形例に示されるように、配置先端部(2319)の側面(2329)は、配置先端部(2319)の複数の領域(2331、2333、2335)を画定し、領域(2331、2333、2335)の各々は、示されるように異なる幅(W1、W2、W3)を備える。更に、段付き構成では、各幅(W1、W2、W3)は、一般に、その関連領域(2331、2333、2335)内で同じままである。更に、配置先端部(2319)の近位端から配置先端部(2319)の遠位端(2330)に移動するとき、各領域(2331、2333、2335)の幅(W1、W2、W3)は、すぐ近位に位置する領域の幅未満であるか又はそれより小さい。
【0109】
図24Bに示される本実施例では、配置先端部(2319)は、3つの別個の領域(2331、2333、2335)を含む。他の変形例では、配置先端部(2319)は、より多い又はより少ない領域を有するように構成することができ、これは、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであろう。
図24Bに示すように、側面(2329)は、1つの領域が隣接する領域に移行する角度付き部分(2337)を更に備える。いくつかの他の変形例では、角度付き部分(2337)は、角度付きの代わりに、側面(2329)の隣接する部分に対して直交し得る。本明細書の教示を考慮すれば、異なる幅を有する複数の領域を画定するために配置先端部(2319)及び側面(2329)を構成するための他の方式が、当業者には明らかとなるであろう。
【0110】
H.例示的な非矩形の断面
エンドエフェクタのための様々な配置先端部の他の様々な方法のうちの1つは、配置先端部の横断面外形に関連して構成することができる。上で考察されたように、本明細書に説明される外科用器具(10、310)は、細長いシャフト(22、322)の遠位端にエンドエフェクタを含む。エンドエフェクタは、ジョーのうちの1つがアンビルを含む上部ジョー及び下部ジョーを含む。少なくともいくつかの変形例において、配置先端部は、アンビルの遠位端から延在する。
【0111】
図28は、本明細書に説明されるエンドエフェクタのうちの1つ又は2つ以上と共に使用可能な例示的なジョー(3514)を示す。図示の実施例では、ジョー(3514)は、アンビル(3518)と、アンビル(3518)の遠位端から延在する配置先端部(3519)とを備える。配置先端部(3519)は、配置先端部(3519)がアンビル(3518)に取り付けられる位置の遠位であって、配置先端部(3519)の遠位端部(3530)の近位に屈曲部(3520)を備えて構成される。
【0112】
図29を参照すると、図示された変形例では、配置先端部(3519)が遠位方向に延在するにつれて先細りになる。配置先端部(3519)の遠位端部(3530)の様々な構成を上記のように使用することができる。アンビル(3518)は、長手方向軸を画定し、配置先端部(3519)は、様々な位置においてその長さに沿って取られ得る横断面を画定する。
図29の例示された実施例では、第1の横断面は、屈曲部(3520)のすぐ近位の位置と一致し、線A-Aによって
図29に示される。第2の横断面は、屈曲部(3520)の遠位にある及び遠位端(3530)の近位にある位置と一致し、線B-Bによって
図29に示される。本明細書の教示を考慮することで、配置先端部(3519)の横断面の他の位置が当業者には明らかとなるであろう。
【0113】
図30A~
図34Bは、配置先端部(3519)又は同様の配置先端部の様々な断面外形を例示する。更に、例示される断面外形の多くは、非矩形の断面外形を表す。例えば、
図30A及び
図30Bは、例示的な反転したU字形断面外形を例示する。
図30Aは、
図29に示す線A-Aに沿った配置先端部(3519)上の位置と一致し、一方、
図30Bは、線B-Bに沿った配置先端部(3519)上の位置と一致する。この点に関して、断面外形の形状は一致しており、共に反転したU字形である。しかしながら、配置先端部(3519)の先細りは、配置先端部(3519)のより近位の位置と比較して、配置先端部(3519)のより遠位の位置に沿ってより小さい幅又は横寸法を提供する。加えて、この変形例の反転したU字形断面外形は、5つの接続された直交配向表面を有する下面(3522)によって画定される。このようにして、U字形の断面外形は、矩形形状を有する空隙又は空間を画定する。
【0114】
図31A及び
図31Bは、
図28及び
図29に示される配置先端部(3519)と同じである別の配置先端部(3619)の様々な断面外形を例示する。したがって、
図28及び
図29に関する配置先端部(3519)の説明は、配置先端部(3619)に等しく適用される。
図31A及び
図31Bは、例示的な反転したU字形の断面外形を例示し、U字形は、湾曲した下面(3622)によって画定される。
図31Aは、
図29に示す線A-Aに沿った配置先端部(3619)上の位置と一致し、一方、
図31Bは、線B-Bに沿った配置先端部(3619)上の位置と一致する。この点に関して、断面外形の形状は一致しており、共に反転したU字形である。しかしながら、配置先端部(3619)の先細りは、配置先端部(3619)のより近位の位置と比較して、配置先端部(3619)のより遠位の位置に沿ってより小さい幅又は横寸法を提供する。加えて、この変形例の反転したU字形の断面外形は、上述したような湾曲表面を有する下面(3622)によって画定される。このようにして、U字形の断面外形は、半円形状を有する空隙又は空間を画定する。
【0115】
図32A及び
図32Bは、屈曲部(3520)の近位の領域を除いて、
図28及び
図29に示される配置先端部(3519)と同じである別の配置先端部(3719)の様々な断面外形を例示する。配置先端部(3719)では、断面によって示されるように、屈曲部の近位の領域は、
図32Aに関連して図示及び説明されるように、断面外形が上面にわたって平坦又は直線ではないように、隆起側面(3702)を含む。配置先端部(3519)と配置先端部(3719)との間のこの違いに加えて、
図28及び
図29の配置先端部(3519)の説明は、配置先端部(3719)に等しく適用される。
図32Aは、例示的なH字形状の断面外形を例示し、
図32Bは、例示的なU字形状の断面外形を例示する。
図32Aは、
図29に示す線A-Aに沿った配置先端部(3719)上の位置と一致し、一方、
図32Bは、線B-Bに沿った配置先端部(3719)上の位置と一致する。この点に関して、断面外形の形状は、上で考察された実施例とは異なる。また、配置先端部(3719)の先細りは、配置先端部(3719)のより近位の位置と比較して、配置先端部(3719)のより遠位の位置に沿って、より小さい幅又は横寸法を提供する。加えて、この変形例におけるH字形状の断面外形の底部の反転したU字形状は、5つの接続された直交配向表面を有する下面(3722)によって画定される。このようにして、断面外形のこれらの部分は、矩形形状を有する空隙又は空間を画定する。
【0116】
図33A及び
図33Bは、
図28及び
図29に示される配置先端部(3519)と同じである別の配置先端部(3819)の様々な断面外形を例示する。したがって、
図28及び
図29に関する配置先端部(3519)の説明は、配置先端部(3819)に等しく適用される。
図33Aは、例示的な反転したV字形の断面外形を例示し、
図33Bは、例示的な矩形形状の外形を例示する。
図33Aは、
図29に示すように、線A-Aに沿った配置先端部(3819)上の位置と一致し、一方、
図33Bは、線B-Bに沿った配置先端部(3819)上の位置と一致する。この点に関して、断面外形の形状は異なる。また、配置先端部(3819)の先細りは、配置先端部(3819)のより近位の位置と比較して、配置先端部(3819)のより遠位の位置に沿って、より小さい幅又は横寸法を提供する。加えて、配置先端部(3819)のより近位の領域において、反転したV字形の断面外形は、2つの接続された角度付き表面を有する下面(3822)によって画定される。配置先端部(3819)のより遠位の領域において、矩形形状の断面外形は、平坦又は直線である下面(3822)によって画定される。このように、V字形の断面外形は、三角形の形状を有する空隙又は空間を画定するのに対して、矩形形状の断面外形は、そのような空隙又は空間を画定しない。
【0117】
図34A及び
図34Bは、配置先端部(3919)の側面が丸みを帯びていることを除いて、
図28及び
図29に示される配置先端部(3519)と同じである別の配置先端部(3919)の様々な断面外形を例示する。これは、図示及び説明されるように、断面外形に影響を及ぼす。配置先端部(3519)と配置先端部(3919)との間のこの違いに加えて、
図28及び
図29の配置先端部(3519)の説明は、配置先端部(3919)に等しく適用される。
図34A及び
図34Bは、例示的な楕円形の断面外形を示す。
図34Aは、
図29に示されるように、線A-Aに沿った配置先端部(3919)上の位置と一致し、一方、
図34Bは、線B-Bに沿った配置先端部(3919)上の位置と一致する。この点に関して、断面外形の形状は、同じ広いカテゴリ、すなわち楕円形であるが、形状は、各外形における楕円形状の外観が同じではない点で異なる。配置先端部(3919)の先細りは、配置先端部(3919)のより近位の位置と比較して、配置先端部(3919)のより遠位の位置に沿って、より小さい幅、直径、又は横寸法を提供する。加えて、この変形例の楕円形の断面外形は、上述のように湾曲した表面を有する下面(3922)によって画定される。このようにして、
図31A~
図31Bに示される下面(3622)の曲率とは異なり、下面(3922)の曲率が凸状であるため、楕円形の断面形状は空隙又は空間を画定しない。
図34Bに関して、いくつかの他の変形例では、
図29の線Bに沿った断面外形の形状は、楕円形の代わりに円形である。本明細書の教示を考慮すると、配置先端部(3919)の断面外形の楕円形状及び円形構成に対する様々な修正が、当業者には明らかとなるであろう。
【0118】
本実施例では、配置先端部(3519、3619、3719、3819、3919)は、弾性的に変形可能又は偏向可能であるように構成される。上で考察されたように、これにより、配置先端部(3519、3619、3719、3819、3919)は、クランプ力などの力を受けたときに偏向することを可能にする。上記に示し、説明した様々な横断面外形を使用して、配置先端部(3519、3619、3719、3819、3919)が、クランプ力を受けたときに受けることができる、性質及びたわみの程度を操作又は制御することができる。更に他の変形例では、配置先端部(3519、3619、3719、3819、3919)は、弾性的に変形可能又は偏向可能であるように構成される必要はない。本明細書の教示を考慮すると、構造及び横断面外形を修正する方式を含む、本明細書に説明されるエンドエフェクタの配置先端を構成及び修正する様々な式が、当業者には明らかとなるであろう。
【0119】
I.例示的なデュロメータ角度及び視覚的コントラスト
図35は、本明細書に説明されるエンドエフェクタのうちの1つ又は2つ以上と共に使用可能な別の例示的なジョー(4014)を示す。図示の実施例では、ジョー(4014)は、アンビル(4018)と、アンビル(4018)の遠位端から延在する配置先端部(4019)とを備える。配置先端部(4019)は、図示された変形例において湾曲構成又は屈曲構成で構成される。しかしながら、この湾曲構成又は屈曲構成は全ての場合に必須ではなく、他の変形例では、配置先端部(4019)は真っ直ぐな構成を有することができる。図示された変形例に戻ると、配置先端部(4019)は、弾性的に変形可能又は偏向可能であるように更に構成される。これにより、配置先端部(4019)は、クランプ力などの力を受けたときに偏向することを可能にする。
【0120】
配置先端部(4019)は、特定のデュロメータ範囲を有する材料から構成される。例えば、本実施例では、配置先端部(4019)は、約ショア40A~約ショア40Dのデュロメータを有する材料から構築される。しかしながら、この範囲は、限定的なものであると見なされるべきではなく、本明細書の教示を考慮することで、他の好適なデュロメータ範囲が当業者には明らかとなるであろう。
【0121】
加えて、配置先端部(4019)は、高コントラスト色を有する材料から構成される。外科用器具の他の材料と比較して高いコントラスト色を有することにより、外科用器具が使用されている環境と比較して、配置先端部(4019)は、使用中の配置のための強化された可視化を提供することができる。本実施例では、配置先端部(4019)は、ネオングリーン色を有する材料で構成される。場合によっては、この色は、真珠光沢緑色又は蛍光緑色又はハイライト緑色として記載されてもよい。本実施例では、配置先端部(4019)は、配置先端部(4019)の材料に対して更なる色コントラストを提供することができるスロット(4021)で更に構成される。しかしながら、スロット(4021)は、全ての変形例では必須ではない。更に、いくつかの変形例では、スロット(4021)は完全に省略されるか、又は別の対照的な色を有する領域又は領域として配置先端部(4019)の残りの部分に置き換えられる。本明細書の教示を考慮すれば、隆起した機構(4019)の他の形状及び構成は、当業者には明らかになるであろう。
【0122】
J.カートリッジを越えて延在する例示的な変形可能な直線状の先端部
上述した弾性的に変形可能な配置先端部の多くは湾曲しているか又は屈曲しているが、他の変形例では、エンドエフェクタは、ジョーのうちの1つから真っ直ぐに延在する配置先端部を組み込んでもよい。
図36~
図39は、弾性的に変形可能又は偏向可能な直線配置先端部(4119、4219)を各々備える例示的なエンドエフェクタ(4112、4212)の図を示す。
図36で始まり、エンドエフェクタ(4112)は、上部ジョー(4114)と下部ジョー(4116)とを備える。ジョー(4114、4116)の一方又は両方は、エンドエフェクタ(4112)を開閉するように、他方に対して移動するように動作可能である。エンドエフェクタ(4112)は、上記のカートリッジ(37)と同じ又は類似のアンビル(4118)及びカートリッジ(4137)を更に備える。カートリッジ(4137)は、器具(10、310)に関して上述し、示したように、使用中にアンビル(4118)に当たる又は接触するように構成されたステープルを含む。本実施例では、上部ジョー(4114)は、アンビル(4118)を備え、下部ジョー(4116)はカートリッジ(4137)を備える。更に、本実施例では、配置先端部(4119)は、アンビル(4118)から遠位に延在し、下部ジョー(4116)に向かってカートリッジ(4137)と角度をなしているが、平坦なままである。加えて、配置先端部(4119)は、下部ジョー(4116)のカートリッジ(4137)を越えて遠位に延在する。
【0123】
図37は、上部ジョー(4214)と下部ジョー(4216)とを有するエンドエフェクタ(4212)を示す。ジョー(4214、4216)の一方又は両方は、エンドエフェクタ(4212)を開閉するように、他方に対して移動するように動作可能である。エンドエフェクタ(4212)は、上記のカートリッジ(37)と同じ又は類似のアンビル(4218)及びカートリッジ(4237)を更に備える。カートリッジ(4237)は、器具(10、310)に関して上述し、示したように、使用中にアンビル(4218)に衝突又は接触するように構成されたステープルを含む。本実施例では、上部ジョー(4214)は、アンビル(4218)を備え、下部ジョー(4216)はカートリッジ(4237)を備える。更に、本実施例では、配置先端部(4219)は、アンビル(4218)から遠位方向に延在し、下部ジョー(4216)に向かってカートリッジ(4237)と角度をなすが、下部ジョー(4216)からカートリッジ(4237)と角度が離れている。このようにして、配置先端部(4219)は、その遠位端の近くに上向きの角度付けされた表面(4222)を備える。加えて、配置先端部(4219)は、下部ジョー(4216)のカートリッジ(4237)を越えて遠位に延在する。
【0124】
図38及び
図39は、エンドエフェクタ(4112、4212)の上部ジョー(4114、4214)の上面図を示す。
図38の上面図は、わずかに異なる変形例のエンドエフェクタ(4112、4212)の上部ジョー(4114、4214)の両方に適用されることを理解されたい。同様に、
図39の上面図は、わずかに異なる変形例のエンドエフェクタ(4112、4212)の上部ジョー(4114、4214)の両方に適用される。
【0125】
図36のエンドエフェクタ(4112)がアンビル(4118)及び配置先端部(4119)を有する1つの変形例の上部ジョー(4114)にある
図36のエンドエフェクタ(4112)は、
図38に示されるように、その遠位端で平坦かつ丸みを帯びている配置先端部(4119)を有する。加えて、
図38に示すように、配置先端部(4119)は、アンビル(4118)と同じ幅を備える。エンドエフェクタ(4112)の別の変形例では、アンビル(4118)及び配置先端部(4119)を有する上部ジョー(4114)は、
図39に示されるように、尖っているがわずかに丸みを帯びた遠位端部を有する先細になっている配置先端部(4119)を有する。加えて、
図39に示されるように、配置先端部(4119)は、アンビル(4118)がアンビル(4118)と同じ幅を有するように、その近位取り付け点において、アンビル(4118)と同じ幅を有する。
【0126】
図37のエンドエフェクタ(4212)がアンビル(4218)及び配置先端部(4219)を有する、1つの変形例の上部ジョー(4214)は、
図38に示されるように、平坦であり、その遠位端を丸くする配置先端部(4219)を有する。加えて、
図38に示すように、配置先端部(4219)は、アンビル(4218)と同じ幅を備える。エンドエフェクタ(4212)の別の変形例では、アンビル(4218)及び配置先端部(4219)を有する上部ジョー(4214)は、
図39に示されるように、尖っているがわずかに丸みを帯びた遠位端部を有する先細になっている配置先端部(4219)を有する。加えて、
図39に示されるように、配置先端部(4219)は、アンビル(4218)との近位取り付け位置において、アンビル(4218)と同じ幅を有するので、配置先端部(4219)は遠位に延在する。
【0127】
エンドエフェクタ(4112、4212)に関して、アンビル(4118、4218)及び配置先端部(4119、4219)を有する上部ジョー(4114、4214)は、それぞれのアンビル(4118、4218)の長手方向軸に対して真っ直ぐであると上述したが、クランプ力などの力を受けたときに偏向可能である。更に、配置先端部(4119、4219)は、平坦で丸みを帯び、角度を付けられ、丸められ、平坦で先細りであり、傾斜して先細りである、様々な構成を有するものとして説明される。本明細書の教示を考慮すると、カートリッジを越えて延在するエンドエフェクタの偏向可能かつ真っ直ぐな配置先端に対する様々な修正が、当業者には明らかとなるであろう。ほんの一例として、限定するものではないが、いくつかのそのような修正は、横方向及び長手方向の両方の断面外形を含む、配置先端部の遠位端又は他の領域の形状に向けられてもよい。
【0128】
V.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方式に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの特許請求の範囲の適用範囲をも限定することを目的としたものではないと理解されよう。一切の棄権を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の様々な教示は、多くの他の方式で構成及び適用することができると考えられる。また、いくつかの変形では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してもよいことも考えられる。したがって、本発明者ら又は本発明者らの利益の継承者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含むいかなる特許請求の範囲が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0129】
外科用ステープル留めの方法は、本体と、本体から延在するシャフトと、シャフトと連通するエンドエフェクタと、を備える装置を使用する。この方法は、(a)外科用ステープル留めのために所望の部位にエンドエフェクタを位置付けることを含む。エンドエフェクタは、(i)一対のジョーと、(ii)1つ又は2つ以上のステープルを保持するように構成されたカートリッジと、を含み、カートリッジは、一対のジョーのうちの第1のジョーと選択的に接続し、(iii)カートリッジの1つ又は2つ以上のステープルと接触されるように構成されたアンビルであって、一対のジョーのうちの第2のジョーがアンビルを備え、(iv)弾性的に変形可能な配置先端部を含む。配置先端部は、第2のジョーから遠位に延在し、配置先端部は、アンビルの長手方向軸に対して弓状の屈曲部を備える。本方法は、(b)エンドエフェクタのジョーのうちの1つ又は2つ以上を制御して、エンドエフェクタを開放位置に配置することであって、開放位置において、ジョーの間に間隙が存在する、制御することと、(c)組織がジョーの間に位置するように、エンドエフェクタが開放位置にある状態でエンドエフェクタを位置付けることと、(d)ジョーのうちの少なくとも一方を他方のジョーに向かって移動させることによってジョーの間に組織をクランプすることであって、組織をクランプすることが、装填状態において、第2のジョーの配置先端部が第1のジョーから離れる方向に偏向する、ことと、近位位置から遠位位置に装置の発射ビームを前進させることであって、発射ビームを前進させることにより、発射ビームを前進させることにより、組織が発射ビームの切断縁部によって切断され、発射ビームを前進させることは、1つ又は2つ以上のステープルをカートリッジから排出することによって組織をステープル留めさせる、ことを更に含む。
【実施例2】
【0130】
配置先端部がアンビルから遠位方向に延在する、実施例1に記載の方法。
【実施例3】
【0131】
第2のジョーが、第1のジョーに対して移動可能である、実施例1~2のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【実施例4】
【0132】
配置先端部は、湾曲した長手方向断面外形を有する、実施例1~3のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【実施例5】
【0133】
配置先端部は、多角度的な長手方向断面外形を有する、実施例1~3のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【実施例6】
【0134】
配置先端部は、非矩形の断面外形を有する、実施例1~3のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【実施例7】
【0135】
配置先端部は、U字形の断面外形を有する、実施例1~3のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【実施例8】
【0136】
反転されたU字形の断面外形が、配置先端部の幅にわたって下面に沿って延在する湾曲部を含む、実施例7に記載の方法。
【実施例9】
【0137】
配置先端部は、反転されたV字形の断面外形を有する、実施例1~3のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【実施例10】
【0138】
配置先端部は、H字形の断面外形を有する、実施例1~3のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【実施例11】
【0139】
配置先端部は、楕円形の断面外形を有する、実施例1~3のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【実施例12】
【0140】
配置先端部が、近位側横断面外形及び遠位側横断面外形を含み、近位側横断面外形及び遠位側横断面外形が一致する形状を有する、実施例1~11のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【実施例13】
【0141】
配置先端部が、近位側横断面外形及び遠位側横断面外形を含み、近位側横断面外形及び遠位側横断面外形が異なる形状を有する、実施例1~11のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【実施例14】
【0142】
近位側横断面外形がH字形状を含み、遠位側横断面外形が反転したU字形状を含む、実施例13に記載の方法。
【実施例15】
【0143】
近位側横断面外形が反転したV字形状を含み、遠位側横断面外形が矩形形状を含む、実施例13に記載の方法。
【実施例16】
【0144】
配置先端部が、約ショア40A~約ショア40Dの範囲のデュロメータを有する材料を含む、実施例1~15のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【実施例17】
【0145】
配置先端部が、エンドエフェクタの他の構成要素に対して高いコントラスト色を有する、実施例1~16のいずれか1つ又は2つ以上に記載の方法。
【実施例18】
【0146】
外科用ステープル留めの方法は、本体と、本体から延在するシャフトと、シャフトと連通するエンドエフェクタと、を備える装置を使用する。この方法は、(a)外科用ステープル留めのために所望の部位にエンドエフェクタを位置付けることを含む。エンドエフェクタは、(i)一対のジョーと、(ii)1つ又は2つ以上のステープルを保持するように構成されたカートリッジと、を含み、カートリッジは、一対のジョーのうちの第1のジョーと選択的に接続し、(iii)カートリッジの1つ又は2つ以上のステープルによって接触されるように構成されたアンビルであって、一対のジョーのうちの第2のジョーは、アンビルを含み、(iv)弾性的に変形可能であり、第2のジョーから遠位に延在する配置先端部と、を備える。配置先端部は、幅を各々含む複数の別個の領域を画定する一対の側部を含み、一対の側部が遠位に延在するにつれて、別個の領域の各幅は、近位に位置する近位側に位置する別個の領域の幅よりも小さくなる。本方法は、(b)エンドエフェクタを開放位置に配置するようにエンドエフェクタのジョーのうちの1つ又は2つ以上を制御することであって、開放位置において、ジョーの間に間隙が存在する、ことと、(c)組織がジョーの間に位置するように、エンドエフェクタが開放位置にある状態でエンドエフェクタを位置付けることと、(d)ジョーのうちの少なくとも一方を他方のジョーに向かって移動させることによってジョーの間に組織をクランプすることであって、組織をクランプすることが、装填状態において、第2のジョーの配置先端部が第1のジョーから離れる方向に偏向する、ことと、近位位置から遠位位置に装置の発射ビームを前進させることであって、発射ビームを前進させることにより、発射ビームを前進させることにより、組織が発射ビームの切断縁部によって切断され、発射ビームを前進させることは、1つ又は2つ以上のステープルをカートリッジから排出することによって組織をステープル留めさせる、ことと、を更に含む。
【実施例19】
【0147】
配置先端部が、アンビルの長手方向軸に対して弓状の屈曲部を含む、実施例18に記載の方法。
【実施例20】
【0148】
外科用ステープル留めの方法は、本体と、本体から延在するシャフトと、シャフトと連通するエンドエフェクタと、を備える装置を使用する。本方法は、(a)外科用ステープル留めのための所望の部位にエンドエフェクタを位置付けることであって、エンドエフェクタは、(i)一対のジョーと、(ii)1つ又は2つ以上のステープルを保持するように構成されたカートリッジと、を含み、カートリッジは、一対のジョーのうちの第1のジョーと選択的に接続する、ことと、(iii)カートリッジの1つ又は2つ以上のステープルによって接触されるように構成されたアンビルであって、一対のジョーのうちの第2のジョーは、アンビルを含み、(iv)弾性的に変形可能であり、第2のジョーから遠位方向に、かつカートリッジを越えて遠位に延在する配置先端部と、を備える。配置先端部は、アンビルによって画定された長手方向軸に沿って直線的に延在する。本方法は、(b)エンドエフェクタを開放位置に配置するようにエンドエフェクタのジョーのうちの1つ又は2つ以上を制御することであって、開放位置において、ジョーの間に間隙が存在する、ことと、(c)組織がジョーの間に位置するように、エンドエフェクタが開放位置にある状態でエンドエフェクタを位置付けることと、(d)ジョーのうちの少なくとも一方を他方のジョーに向かって移動させることによってジョーの間に組織をクランプすることであって、組織をクランプすることが、装填状態において、第2のジョーの配置先端部が第1のジョーから離れる方向に偏向する、ことと、近位位置から遠位位置に装置の発射ビームを前進させることであって、発射ビームを前進させることにより、発射ビームを前進させることは、発射ビームの切断縁部によって組織を切断させ、発射ビームを前進させることは、1つ又は2つ以上のステープルをカートリッジ端部から排出することによって、組織をステープル留めさせる、ことと、を更に含む。
【0149】
VI.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方式が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正及び変形は、特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとする。
【0150】
本明細書の教示はまた、その開示は参照により本明細書に組み込まれる、2017年2月17日出願の「Surgical Stapler End Effector with Varying Deck Height and Tissue Gripping Features」と題する米国特許出願第29/594,332号の様々な教示と容易に組み合わせられ得ることを理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第29/594,332号の教示と組み合わされ得る様々な好適な方式が、当業者には明らかとなろう。
【0151】
本明細書の教示はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年2月17日に出願の「Circular Surgical Stapler End Effector with Varying Deck Height and Tissue Gripping Features」と題する米国特許出願第29/594,335号の様々な教示と容易に組み合わせられ得ることを理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第29/594,335号の教示と組み合わされ得る様々な好適な方式が、当業者には明らかとなろう。
【0152】
本明細書の教示はまた、その開示は参照により本明細書に組み込まれる、2017年2月17日出願の「Surgical Stapler with Insertable Distal Anvil Tip」と題する米国特許出願第15/435,607号の様々な教示と容易に組み合わせられ得ることを理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第15/435,607号の教示と組み合わされ得る様々な好適な方式が、当業者には明らかとなろう。
【0153】
本明細書の教示はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年2月17日出願の「Surgical Stapler with Cooperating Distal Tip Features on Anvil and Staple Cartridge」と題する、米国特許出願第15/435,618号の様々な教示と容易に組み合わせられ得ることを理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第15/435,618号の教示と組み合わされ得る様々な好適な方式が、当業者には明らかとなろう。
【0154】
本明細書の教示はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年2月17日出願の「Surgical Stapler with Bent Anvil Tip and Angled Staple Cartridge Tip」と題する米国特許出願第29/594,340号の様々な教示と容易に組み合わせられ得ることを理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第29/594,340号の教示と組み合わされ得る様々な好適な方式が、当業者には明らかとなろう。
【0155】
本明細書の教示はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2017年2月17日出願の「Surgical Stapler with Bent Anvil Tip,Angled Staple Cartridge Tip,and Tissue Gripping Features」と題する米国特許出願第15/435,631号の様々な教示と容易に組み合わせられ得ることを理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第15/435,631号の教示と組み合わされ得る様々な好適な方式が、当業者には明らかとなろう。
【0156】
本明細書の教示はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日出願の「Surgical Stapling End Effector Jaw with Tip Deflecting Toward Other Jaw」と題する米国特許出願第[代理人整理番号END8115USCIP2.0659204]号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることを理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第[代理人整理番号END8115USCIP2.0659204]号の教示を組み合わせることができる様々な好適な方式が当業者に明らかになるであろう。
【0157】
本明細書の教示はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日出願の「Method of Surgical Stapling with End Effector Component Having a Curved Tip」と題する、米国特許出願第[代理人整理番号END8115USCIP3.0659198]号、の様々な教示と容易に組み合わせられ得ることを理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第[代理人整理番号END8115USCIP3.0659198]号の教示を組み合わせることができる様々な好適な方式が当業者に明らかになるであろう。
【0158】
本明細書の教示はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日出願の「Permanent Attachment Means for Curved Tip of Component of Surgical Stapling Instrument」と題する米国特許出願第[代理人整理番号END8578USNP.0658213]号の様々な教示と容易に組み合わせられ得ることを理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第[代理人整理番号END8578USNP.0658213]号の教示を組み合わせることができる様々な好適な方式が当業者に明らかになるであろう。
【0159】
本明細書の教示はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日出願の「Surgical Stapling End Effector Component with Deformable Tip Having Void」と題する、米国特許出願第[代理人整理番号END8593USNP.0659208]号()の様々な教示と容易に組み合わせられ得ることを理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第[代理人整理番号END8593USNP.0659208]号の教示を組み合わせることができる様々な好適な方式が当業者に明らかになるであろう。
【0160】
本明細書の教示はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日出願の「Surgical Stapling End Effector Component with Deformable Tip Skewing in Multiple Planes」と題する、米国特許出願第[代理人整理番号END8594USNP.0659212]号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることを理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第[代理人整理番号END8594USNP.0659212]号の教示を組み合わせることができる様々な好適な方式が当業者に明らかになるであろう。
【0161】
本明細書の教示はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日出願の「Surgical Stapling End Effector Component with Articulation and Asymmetric Deformable Tip」と題する米国特許出願第[代理人整理番号END8595USNP.0659215]号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることを理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第[代理人整理番号END8595USNP.0659215]号の教示を組み合わせることができる様々な好適な方式が当業者に明らかになるであろう。
【0162】
本明細書の教示はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日出願の「Surgical Stapling End Effector Component with Deformable Tip Having Thick Distal End」と題する、米国特許出願[代理人整理番号END8596USNP.0659218]号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることを理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第[代理人整理番号END8596USNP.0659218]号の教示を組み合わせることができる様々な好適な方式が当業者に明らかになるであろう。
【0163】
本明細書の教示はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、本明細書と同日出願の「Buttress Applier Cartridge for Surgical Stapler Having End Effector with Deformable Curved Tip」と題する、米国特許出願第[代理人整理番号END8597USNP.0659221]号の様々な教示と容易に組み合わされ得ることを理解されたい。本明細書の教示が米国特許出願第[代理人整理番号END8597USNP.0659221]号の教示を組み合わせることができる様々な好適な方式が当業者に明らかになるであろう。
【0164】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるいかなる特許、公報、又はその他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれると理解されるべきである。したがって、また必要な範囲まで、本明細書に明瞭に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記述、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾するいかなる文献、又はそれらの部分も、組み込まれる文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲でしか組み込まれないものとする。
【0165】
上記のデバイスの変形例は、医療専門家により行われる従来の医療処置及び手術における用途のみではなく、ロボット支援された医療処置及び手術における用途をも有することができる。単に一例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどに容易に組み込まれ得る。同様に、当業者であれば、本明細書における様々な教示が、以下のうちのいずれかの様々な教示と容易に組み合わされ得ることを認識するであろう:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1998年8月11日発行の「Articulated Surgical Instrument For Performing Minimally Invasive Surgery With Enhanced Dexterity and Sensitivity」と題する米国特許第5,792,135号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1998年10月6日発行の「Remote Center Positioning Device with Flexible Drive」と題する米国特許第5,817,084号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年3月2日発行の「Automated Endoscope System for Optimal Positioning」と題する米国特許第5,878,193号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2001年5月15日発行の「Robotic Arm DLUS for Performing Surgical Tasks」と題する米国特許第6,231,565号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2004年8月31日発行の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題する米国特許第6,783,524号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年4月2日発行の「Alignment of Master and Slave in a Minimally Invasive Surgical Apparatus」と題する米国特許第6,364,888号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年4月28日発行の「Mechanical Actuator Interface System for Robotic Surgical Tools」と題する米国特許第7,524,320号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年4月6日発行の「Platform Link Wrist Mechanism」と題する米国特許第7,691,098号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年10月5日発行の「Repositioning and Reorientation of Master/Slave Relationship in Minimally Invasive Telesurgery」と題する米国特許第7,806,891号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年9月30日発行の「Automated End Effector Component Reloading System for Use with a Robotic System」と題する、米国特許第8,844,789号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年9月2日発行の「Robotically-Controlled Surgical Instrument with Force-Feedback Capabilities」と題する、米国特許第8,820,605号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年12月31日発行の「Shiftable Drive Interface for Robotically-Controlled Surgical Tool」と題する、米国特許第8,616,431号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月5日発行の「Surgical Stapling Instruments with Cam-Driven Staple Deployment Arrangements」と題する、米国特許第8,573,461号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年12月10日発行の「Robotically-Controlled Motorized Surgical End Effector System with Rotary Actuated Closure Systems Having Variable Actuation Speeds」と題する、米国特許第8,602,288号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2016年4月5日発行の、「Robotically-Controlled Surgical Instrument with Selectively Articulatable End Effector」と題する、米国特許第9,301,759号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年7月22日発行の「Robotically-Controlled Surgical End Effector System」と題する、米国特許第8,783,541号、その開示は参照により本明細書に組み込まれる、2013年7月9日発行の「Drive Interface for Operably Coupling a Manipulatable Surgical Tool to a Robot」と題する、米国特許第8,479,969号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年8月12日発行の「Robotically Controlled Cable-Based Surgical End Effectors」と題する、米国特許第8,800,838号、及び/又は、その開示は参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月5日発行の「Robotically-Controlled Surgical End Effector System with Rotary Actuated Closure Systems」と題する、米国特許第8,573,465号。
【0166】
上述のデバイスの変形例は、1回の使用後に処分するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。変形例は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含み得る。特に、デバイスのいくつかの変形例は分解することができ、また、デバイスの任意の数の特定の部分若しくは部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換後、デバイスのいくつかの変形例を、再調整用の施設において、又は処置の直前にユーザによってのいずれかで、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本発明の範囲内にある。
【0167】
単に一例として、本明細書に記載される変形例は、処置の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックなど、閉鎖及び封止された容器に入れる。次いで、容器及びデバイスを、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスを、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知のその他の任意の技術を使用して、デバイスを滅菌してもよい。
【0168】
以上、本発明の様々な実施形態を示し、記載したが、当業者による適切な改変により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べてきたが、他の改変も当業者には明らかになるであろう。例えば、上で考察された実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0169】
〔実施の態様〕
(1) 本体と、前記本体から延在するシャフトと、前記シャフトと連通するエンドエフェクタと、を備える装置を使用する外科用ステープル留めの方法であって、
(a)外科用ステープル留めのための所望の部位に前記エンドエフェクタを位置付けることであって、前記エンドエフェクタが、
(i)一対のジョーと、
(ii)1つ又は2つ以上のステープルを保持するように構成されたカートリッジであって、前記カートリッジが、前記一対のジョーのうちの第1のジョーと選択的に接続する、カートリッジと、
(iii)前記カートリッジの前記1つ又は2つ以上のステープルによって接触されるように構成されたアンビルであって、前記一対のジョーのうちの第2のジョーが、前記アンビルを備える、アンビルと、
(iv)弾性的に変形可能である配置先端部であって、前記配置先端部が、前記第2のジョーから遠位に延在し、前記配置先端部が、前記アンビルの長手方向軸に対して弓状の屈曲部を備える、配置先端部と、を含む、位置付けることと、
(b)前記エンドエフェクタの前記ジョーのうちの1つ又は2つ以上を制御して、前記エンドエフェクタを開放位置に配置することであって、前記開放位置において、前記ジョーの間に間隙が存在する、配置することと、
(c)組織が前記ジョーの間に位置するように、前記エンドエフェクタが前記開放位置にある状態で前記エンドエフェクタを位置付けることと、
(d)前記ジョーのうちの少なくとも一方を他方のジョーに向かって移動させることによって、前記ジョーの間に前記組織をクランプすることであって、前記組織をクランプすることが、前記エンドエフェクタを装填状態に配置し、前記装填状態において、前記第2のジョーの前記配置先端部が、前記第1のジョーから離れて偏向する、クランプすることと、
(e)前記装置の発射ビームを近位位置から遠位位置に前進させることであって、前記発射ビームを前進させることが、前記発射ビームの切断縁部によって前記組織を切断させ、前記発射ビームを前進させることが更に、前記カートリッジから前記1つ又は2つ以上のステープルを排出することによって、前記組織をステープル留めさせる、前進させることと、を含む、方法。
(2) 前記配置先端部が、前記アンビルから遠位に延在する、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記第2のジョーが、前記第1のジョーに対して移動可能である、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記配置先端部が、湾曲した長手方向断面外形を含む、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記配置先端部が、多角度的な長手方向断面外形を含む、実施態様1に記載の方法。
【0170】
(6) 前記配置先端部が、非矩形の横断面外形を含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記配置先端部が、反転したU字形の横断面外形を含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記反転したU字形の横断面外形が、前記配置先端部の幅にわたって下面に沿って延在する湾曲部を含む、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記配置先端部が、反転したV字形の横断面外形を含む、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記配置先端部が、H字形の横断面外形を含む、実施態様1に記載の方法。
【0171】
(11) 前記配置先端部が、楕円形の横断面外形を含む、実施態様1に記載の方法。
(12) 前記配置先端部が、近位側横断面外形及び遠位側横断面外形を含み、前記近位側横断面外形及び前記遠位側横断面外形が、一致する形状を有する、実施態様1に記載の方法。
(13) 前記配置先端部が、近位側横断面外形及び遠位側横断面外形を含み、前記近位側横断面外形及び前記遠位側横断面外形が、異なる形状を有する、実施態様1に記載の方法。
(14) 前記近位側横断面外形が、H字形状を含み、前記遠位側横断面外形が、反転したU字形状を含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記近位側横断面外形が、反転したV字形状を含み、前記遠位側横断面外形が、矩形形状を含む、実施態様13に記載の方法。
【0172】
(16) 前記配置先端部が、約ショア40A~約ショア40Dの範囲のデュロメータを有する材料を含む、実施態様1に記載の方法。
(17) 前記配置先端部が、前記エンドエフェクタの他の構成要素に対して高いコントラスト色を含む、実施態様1に記載の方法。
(18) 本体と、前記本体から延在するシャフトと、前記シャフトと連通するエンドエフェクタと、を備える装置を使用する外科用ステープル留めの方法であって、
(a)外科用ステープル留めのための所望の部位に前記エンドエフェクタを位置付けることであって、前記エンドエフェクタが、
(i)一対のジョーと、
(ii)1つ又は2つ以上のステープルを保持するように構成されたカートリッジであって、前記カートリッジが、前記一対のジョーのうちの第1のジョーと選択的に接続する、カートリッジと、
(iii)前記カートリッジの前記1つ又は2つ以上のステープルによって接触されるように構成されたアンビルであって、前記一対のジョーのうちの第2のジョーが、前記アンビルを備える、アンビルと、
(iv)弾性的に変形可能であり、前記第2のジョーから遠位に延在する、配置先端部であって、前記配置先端部が、幅を各々含む複数の別個の領域を画定する一対の側部を含み、前記一対の側部が遠位に延在するにつれて、前記別個の領域の各幅が、すぐ近位に位置する前記別個の領域の前記幅よりも小さくなる、配置先端部と、を含む、位置付けることと、
(b)前記エンドエフェクタの前記ジョーのうちの1つ又は2つ以上を制御して、前記エンドエフェクタを開放位置に配置することであって、前記開放位置において、前記ジョーの間に間隙が存在する、配置することと、
(c)組織が前記ジョーの間に位置するように、前記エンドエフェクタが前記開放位置にある状態で前記エンドエフェクタを位置付けることと、
(d)前記ジョーのうちの少なくとも一方を他方のジョーに向かって移動させることによって、前記ジョーの間に前記組織をクランプすることであって、前記組織をクランプすることが、前記エンドエフェクタを装填状態に配置し、前記装填状態において、前記第2のジョーの前記配置先端部が、前記第1のジョーから離れて偏向する、クランプすることと、
(e)前記装置の発射ビームを近位位置から遠位位置に前進させることであって、前記発射ビームを前進させることが、前記発射ビームの切断縁部によって前記組織を切断させ、前記発射ビームを前進させることが更に、前記カートリッジから前記1つ又は2つ以上のステープルを排出することによって、前記組織をステープル留めさせる、前進させることと、を含む、方法。
(19) 前記配置先端部が、前記アンビルの長手方向軸に対して弓状の屈曲部を含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 本体と、前記本体から延在するシャフトと、前記シャフトと連通するエンドエフェクタと、を備える装置を使用する外科用ステープル留めの方法であって、
(a)外科用ステープル留めのための所望の部位に前記エンドエフェクタを位置付けることであって、前記エンドエフェクタが、
(i)一対のジョーと、
(ii)1つ又は2つ以上のステープルを保持するように構成されたカートリッジであって、前記カートリッジが、前記一対のジョーのうちの第1のジョーと選択的に接続する、カートリッジと、
(iii)前記カートリッジの前記1つ又は2つ以上のステープルによって接触されるように構成されたアンビルであって、前記一対のジョーのうちの第2のジョーが、前記アンビルを備える、アンビルと、
(iv)弾性的に変形可能であり、前記第2のジョーから遠位に、かつ前記カートリッジを越えて遠位に延在する、配置先端部であって、前記配置先端部が、前記アンビルによって画定される長手方向軸に沿って直線的に延在する、配置先端部と、を含む、位置付けることと、
(b)前記エンドエフェクタの前記ジョーのうちの1つ又は2つ以上を制御して、前記エンドエフェクタを開放位置に配置することであって、前記開放位置において、前記ジョーの間に間隙が存在する、配置することと、
(c)組織が前記ジョーの間に位置するように、前記エンドエフェクタが前記開放位置にある状態で前記エンドエフェクタを位置付けることと、
(d)前記ジョーのうちの少なくとも一方を他方のジョーに向かって移動させることによって、前記ジョーの間に前記組織をクランプすることであって、前記組織をクランプすることが、前記エンドエフェクタを装填状態に配置し、前記装填状態において、前記第2のジョーの前記配置先端部が、前記第1のジョーから離れて偏向する、クランプすることと、
(e)前記装置の発射ビームを近位位置から遠位位置へと前進させることであって、前記発射ビームを前進させることが、前記発射ビームの切断縁部によって前記組織を切断させ、前記発射ビームを前進させることが更に、前記1つ又は2つ以上のステープルを前記カートリッジ端部から排出することによって、前記組織をステープル留めさせる、前進させることと、を含む、方法。