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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】フレキシブルコネクタ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/00 20060101AFI20231120BHJP
   H01R 11/01 20060101ALI20231120BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
H01R43/00 H
H01R11/01 501A
H05K1/02 B
H05K1/02 J
H01R11/01 501Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021525198
(86)(22)【出願日】2019-07-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2019095936
(87)【国際公開番号】W WO2020093729
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-05-10
(31)【優先権主張番号】201811329995.0
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519288641
【氏名又は名称】グアンジョウ ファン バン エレクトロニクス カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GUANGZHOU FANG BANG ELECTRONICS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スー,ジー
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-510169(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0162928(US,A1)
【文献】特開平04-234197(JP,A)
【文献】特開昭62-022497(JP,A)
【文献】特開2013-008932(JP,A)
【文献】特表2013-524500(JP,A)
【文献】国際公開第2011/125506(WO,A1)
【文献】特開2001-185263(JP,A)
【文献】特開2008-059895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R11/00-11/32
H01R12/00-12/91
H01R24/00-24/86
H01R43/00-43/02
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルコネクタの製造方法であって、
絶縁体と前記絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含むフレキシブル銅張積層板を作製するステップと、
前記フレキシブル銅張積層板上に接続穴を形成するステップと、
前記接続穴内に導電性媒体を形成して前記接続穴に導電性を持たせると同時に、前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の前記銅箔の表面に突起部を形成するステップと、
前記フレキシブル銅張積層板の両側にそれぞれエッチングして第1の導電体と第2の導電体を形成するステップと、を含む、フレキシブルコネクタの製造方法。
【請求項2】
前記接続穴内に前記導電性媒体を形成し、前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成するステップは、具体的には、
まず化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体を堆積し、次に電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積の方式のうちの1種類又は複数種類により、前記穴壁上の前記導電性媒体の厚さを増加させて、導電性穴を形成すると同時に、前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成するステップ、
又は、まず化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体を堆積し、次に電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積の方式のうちの1種類又は複数種類により、前記接続穴に前記導電性媒体を充填させると同時に、前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成するステップを含む、請求項に記載の製造方法。
【請求項3】
フレキシブルコネクタの製造方法であって、
絶縁体と前記絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含むフレキシブル銅張積層板を作製するステップと、
前記フレキシブル銅張積層板上に接続穴を形成するステップと、
前記接続穴内に導電性媒体を形成して前記接続穴に導電性を持たせるステップと、
前記フレキシブル銅張積層板の両側に銅箔をそれぞれエッチングしていくつかの第1の導電体といくつかの第2の導電体を形成するステップと、
前記第1の導電体及び/又は前記第2の導電体の表面に突起部を形成するステップと、を含む、フレキシブルコネクタの製造方法。
【請求項4】
電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積の方式のうちの1種類又は複数種類により、前記第1の導電体及び/又は前記第2の導電体の表面に前記突起部を形成する、請求項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記第1の導電体及び/又は前記第2の導電体の表面に前記突起部を形成するステップの後、前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に接着フィルム層を形成するステップを含み、具体的には、
前記接着フィルム層を離型フィルムにコーティングし、次に前記接着フィルム層を、前記離型フィルムを介して前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に圧着転写するステップ、
又は前記接着フィルム層を前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に直接コーティングするステップを含む、請求項に記載の製造方法。
【請求項6】
フレキシブルコネクタの製造方法であって、
絶縁体と前記絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含むフレキシブル銅張積層板を作製するステップと、
前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部を形成するステップと、
前記フレキシブル銅張積層板上に接続穴を形成するステップと、
前記接続穴内に導電性媒体を形成して前記接続穴に導電性を持たせるステップと、
前記フレキシブル銅張積層板の両側にそれぞれエッチングして第1の導電体と第2の導電体を形成するステップと、を含む、フレキシブルコネクタの製造方法。
【請求項7】
電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積の方式のうちの1種類又は複数種類により、前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成する、請求項に記載の製造方法。
【請求項8】
機械的穴あけ、レーザー穴あけ又はパンチングにより、両側の銅箔を接続するための前記接続穴を前記フレキシブル銅張積層板上に形成する、請求項又はに記載の製造方法。
【請求項9】
前記接続穴内に導電性媒体を形成するステップは、具体的には、
まず化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い前記導電性媒体を堆積し、次に電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積の方式のうちの1種類又は複数種類により、前記穴壁上の前記導電性媒体の厚さを増加させて、導電性穴を形成するステップ、
又は、まず化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体を堆積し、次に電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積の方式のうちの1種類又は複数種類により、前記接続穴に前記導電性媒体を充填させるステップを含む、請求項又はに記載の製造方法。
【請求項10】
前記フレキシブル銅張積層板の両側にそれぞれエッチングして前記第1の導電体と前記第2の導電体を形成するステップの後、前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に接着フィルム層を形成するステップを含み、具体的には、
前記接着フィルム層を離型フィルムにコーティングし、次に前記接着フィルム層を、前記離型フィルムを介して前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に圧着転写するステップ、
又は前記接着フィルム層を前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に直接コーティングするステップを含む、請求項又はに記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタの技術分野に関し、特に、フレキシブルコネクタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス業界では、チップ、回路基板などの電子部品間で広く使用されている接続方式は、溶接(BGA)、導電性接着剤接続などがある。ここで、溶接は、接続が確実であるとうい利点があるが、同時に繰り返し着脱ができないという欠点もあり、溶接プロセスに操作ミスが発生し、又は溶接後の導電性が悪いなどの問題が生じると、溶接された電子部品は、リワークのためによりも多くのリソースを消費するだけであり、又は直接廃棄され、その結果、材料の無駄とコストの増加を引き起こし、導電性接着剤による接続は、溶接よりも実現しやすく、かつリワークや修理も容易であり、しかし、導電性接着剤自体にいくつかの問題があり、また、気候、老化、応力歪み等の外的要因の影響により、導電性接着剤の導電性が十分に安定していないため、導電性接着剤で接続された電子部品間には回路の中断又は信号の歪みが発生しやすい。
【0003】
上記の接続方式の欠点を回避するために、既存の電子部品間で新しい接続方式、即ちコネクタ接続が採用され、コネクタは、主に絶縁体、及び絶縁体の両側に設けられた導電体で構成され、絶縁体上に両側の導電体を接続するための導電性媒体が設けられる。使用するとき、コネクタを2枚の回路基板の間に挟んで締め付け、導電体を回路基板上のパッドに貼り合わせて、回路の導通を実現する。導電体とパッドの間の確実な電気的接続を形成できることを確保するために、導電体には通常、銅めっきされた弾性アームが設けられるが、弾性アームの配置も同時にいくつかの新しい問題をもたらす。
【0004】
一、コネクタの製造の難しさが大きくなり、弾性アームの溶接、銅めっきなどの複数の製造工程が追加され、同時にコネクタの製造コストも増加する。
【0005】
二、コネクタを何度も着脱した後、弾性アームは、疲労損傷が発生しやすく、さらには直接破断し、コネクタの耐用年数が短くなる。
【0006】
三、弾性アームの表面のめっきされた銅層は、弾性アームの変形に伴って脱落しやすく、コネクタの導電性に影響を与える。
【0007】
四、コネクタ上の各弾性アームの跳ね上げ幅が統一できなく、一部の弾性アームが回路基板に接触し、一部の弾性アームが回路基板に接触しないという状況が発生しやすく、コネクタの導電性を保証することが困難になる。
【0008】
したがって、導電性に優れ、耐久性があり、同時に電子部品の着脱に便利なコネクタを設計する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の技術的問題、即ち既存のコネクタの電気的接続性能が確実ではないという技術的問題を解決するために、本発明は、フレキシブルコネクタ及びその製造方法を提供し、このフレキシブルコネクタが回路基板の取り付け及び接続に用いられ、繰り返し着脱が可能であり、導電性に優れるなどの利点があり、かつ、その製造方法が簡単であり、実現しやすい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これに基づき、本発明は、絶縁体を含むフレキシブルコネクタを提供し、前記絶縁体の一側面にいくつかの第1の導電体が設けられ、前記絶縁体の他の側面にいくつかの第2の導電体が設けられ、前記絶縁体上に前記第1の導電体と前記第2の導電体を接続するための導電性媒体が設けられ、前記第1の導電体及び/又は前記第2の導電体の表面に突起部が設けられる。
【0011】
最も好ましい解決策として、前記突起部は、規則的又は不規則な立体幾何学的形状である。
【0012】
最も好ましい解決策として、前記突起部の形状は、カスプ状、逆テーパー状、粒状、樹枝状、柱状又はブロック状である。
【0013】
最も好ましい解決策として、前記突起部自体の高さは1~30μmである。
【0014】
最も好ましい解決策として、前記第1の導電体及び/又は前記第2の導電体の表面に2つ以上の前記突起部が設けられ、各前記突起部の形状が同じ又は異なり、各前記突起部のサイズが同じ又は異なり、かつ2つ以上の前記突起部が前記第1の導電体又は/及び前記第2の導電体の表面に連続的又は不連続的に分布している。
【0015】
最も好ましい解決策として、前記第1の導電体及び/又は前記第2の導電体の表面は、粗面である。
【0016】
最も好ましい解決策として、前記第1の導電体及び/又は前記第2の導電体の表面は、平坦面である。
【0017】
最も好ましい解決策として、前記突起部の材質は、銅、ニッケル、スズ、鉛、クロム、モリブデン、亜鉛、金、銀のうちの1種類又は複数種類の組み合わせである。
【0018】
最も好ましい解決策として、前記絶縁体の少なくとも一側面又は/及び前記突起部上に接着フィルム層が設けられ、前記突起部は、前記接着フィルム層内に隠れ又は前記接着フィルム層を貫通して露出している。
【0019】
最も好ましい解決策として、前記絶縁体には前記第1の導電体と前記第2の導電体を接続するための接続穴が設けられ、前記導電性媒体は、前記接続穴内に設けられる。
【0020】
最も好ましい解決策として、前記導電性媒体は、接続穴を充填し、又は前記導電性媒体は、前記接続穴の穴壁に付着して導電性穴を形成する。
【0021】
最も好ましい解決策として、前記第1の導電体は2つ以上設けられ、かつ各前記第1の導電体は互いに独立しており、前記第2の導電体は2つ以上設けられ、かつ各前記第2の導電体は互いに独立している。
【0022】
最も好ましい解決策として、前記第2の導電体の数は、前記第1の導電体の数に等しく、各前記第1の導電体は、それぞれ異なる前記接続穴内の前記導電性媒体を介して各前記第2の導電体に1対1で対応して接続されている。
【0023】
最も好ましい解決策として、前記第1の導電体の数は、前記第2の導電体の数よりも多く、少なくとも2つの前記第1の導電体は、それぞれ異なる前記接続穴内の前記導電性媒体を介して同じ前記第2の導電体に接続され、残りの各前記第1の導電体は、それぞれ異なる前記接続穴内の前記導電性媒体を介して残りの各前記第2の導電体に1対1で対応して接続されている。
【0024】
最も好ましい解決策として、前記第1の導電体の数は、前記第2の導電体の数よりも少なく、少なくとも2つの前記第2の導電体は、それぞれ異なる前記接続穴内の前記導電媒体を介して同じ前記第1の導電体に接続され、残りの各前記第2の導電体は、それぞれ異なる前記接続穴の前記導電性媒体を介して残りの各前記第1の導電体に1対1で対応して接続されている。
【0025】
最も好ましい解決策として、少なくとも2つ前記第1の導電体は、それぞれ異なる前記接続穴内の前記導電性媒体を介して同じ前記第2の導電体に接続され、少なくと2つの前記第2の導電体は、それぞれ異なる前記接続穴内の前記導電性媒体を介して同じ前記第1の導電体に接続されている。
【0026】
最も好ましい解決策として、一部の前記第1の導電体のうちの少なくとも2つの前記第1の導電体は、それぞれ異なる前記接続穴内の前記導電性媒体を介して一部の前記第2の導電体のうちの同じ前記第2の導電体に接続され、他の部分の前記第2の導電体のうちの少なくとも2つの前記第2の導電体は、それぞれ異なる前記接続穴内の前記導電性媒体を介して他の部分の前記第1の導電体のうちの同じ前記第1の導電体に接続され、残りの各前記第1の導電体は、それぞれ異なる前記接続穴内の前記導電性媒体を介して残りの各前記第2の導電体に1対1で対応して接続されている。
【0027】
最も好ましい解決策として、前記第1の導電体とそれに接続されている前記第2の導電体との間には2つ以上の前記接続穴が設けられている。
【0028】
最も好ましい解決策として、絶縁体の材質は、ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、変性エポキシ樹脂、変性アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリテトラフルオロエチレン、液晶ポリマー、ポリパラバン酸のうちの1種類又は複数種類の組み合わせである。
【0029】
さらに、絶縁体はフレキシブル絶縁体であり、前記第1の導電体と前記第2の導電体は、前記絶縁体の対向する2つの前記側面に設けられ、前記突起部はめっき突起部である。
【0030】
さらに、突起部は、前記接着フィルム層内に隠れ、前記接着フィルム層の厚さは前記突起部自体の高さの平均値よりも小さい。
【0031】
本発明はさらにフレキシブルコネクタの製造方法を提供する。前記方法は、
絶縁体と前記絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含むフレキシブル銅張積層板を作製するステップと、
フレキシブル銅張積層板上に接続穴を形成するステップと、
接続穴内に導電性媒体を形成して接続穴に導電性を持たせると同時に、フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部を形成するステップと、
フレキシブル銅張積層板の両側にそれぞれエッチングして第1の導電体と第2の導電体を形成するステップとを含む。
【0032】
さらに、上記のフレキシブルコネクタの製造方法では、機械的穴あけ、レーザー穴あけ又はパンチングにより、両側の銅箔を接続するための前記接続穴を前記フレキシブル銅張積層板上に形成する。
【0033】
さらに、上記のフレキシブルコネクタの製造方法では、前記接続穴内に導電性媒体を形成し、前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成するステップは、具体的には、
まず化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体を堆積し、次に電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、穴壁上の導電性媒体の厚さを増加させて、導電性穴を形成すると同時に、前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成するステップ、
又は、まず化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体を堆積し、次に電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、前記接続穴に導電性媒体を充填させると同時に、前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成するステップを含む。
【0034】
さらに、上記のフレキシブルコネクタの製造方法では、前記フレキシブル銅張積層板の両側にそれぞれエッチングして前記第1の導電体と前記第2の導電体を形成するステップの後、前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に接着フィルム層を形成するステップを含み、具体的には、
前記接着フィルム層を離型フィルムにコーティングし、次に前記接着フィルム層を、離型フィルムを介して前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に圧着転写するステップ、
又は前記接着フィルム層を前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に直接コーティングするステップを含む。
【0035】
本発明はさらに第2のフレキシブルコネクタの製造方法を提供する。前記方法は、
絶縁体と前記絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含むフレキシブル銅張積層板を作製するステップと、
フレキシブル銅張積層板上に接続穴を形成するステップと、
接続穴内に導電性媒体を形成して接続穴に導電性を持たせるステップと、
フレキシブル銅張積層板の両側に銅箔をそれぞれエッチングしていくつかの第1の導電体といくつかの第2の導電体を形成するステップと、
第1の導電体及び/又は第2の導電体の表面に突起部を形成するステップと、を含む。
【0036】
さらに、上記のフレキシブルコネクタの製造方法では、機械的穴あけ、レーザー穴あけ又はパンチングにより、両側の銅箔を接続するための前記接続穴を前記フレキシブル銅張積層板上に形成する。
【0037】
さらに、上記のフレキシブルコネクタの製造方法では、前記接続穴内に導電性媒体を形成するステップは、具体的には、
まず化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体を堆積し、次に電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、穴壁上の導電性媒体の厚さを増加させて、導電性穴を形成するステップ、
又は、まず化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体を堆積し、次に電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、前記接続穴に導電性媒体を充填させるステップを含む。
【0038】
さらに、上記のフレキシブルコネクタの製造方法では、電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、前記第1の導電体及び/又は前記第2の導電体の表面に前記突起部を形成する。
【0039】
さらに、上記のフレキシブルコネクタの製造方法では、前記第1の導電体及び/又は前記第2の導電体の表面に前記突起部を形成するステップの後、前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に接着フィルム層を形成するステップを含み、具体的には、
前記接着フィルム層を離型フィルムにコーティングし、次に前記接着フィルム層を、離型フィルムを介して前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に圧着転写するステップ、
又は前記接着フィルム層を前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に直接コーティングするステップを含む。
【0040】
本発明はさらに第3のフレキシブルコネクタの製造方法を提供する。前記方法は、
絶縁体と前記絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含むフレキシブル銅張積層板を作製するステップと、
フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部を形成するステップと、
フレキシブル銅張積層板上に接続穴を形成するステップと、
接続穴内に導電性媒体を形成して接続穴に導電性を持たせるステップと、
フレキシブル銅張積層板の両側にそれぞれエッチングして第1の導電体と第2の導電体を形成するステップとを含む。
【0041】
さらに、上記のフレキシブルコネクタの製造方法では、電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に前記突起部を形成する。
【0042】
さらに、上記のフレキシブルコネクタの製造方法では、機械的穴あけ、レーザー穴あけ又はパンチングにより、両側の銅箔を接続するための前記接続穴を前記フレキシブル銅張積層板上に形成する。
【0043】
さらに、上記のフレキシブルコネクタの製造方法では、前記接続穴内に導電性媒体を形成するステップは、具体的には、
まず化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体を堆積し、次に電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、穴壁上の導電性媒体の厚さを増加させて、導電性穴を形成するステップ、
又は、まず化学反応により、前記接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体を堆積し、次に電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、前記接続穴に導電性媒体を充填させるステップを含む。
【0044】
さらに、上記のフレキシブルコネクタの製造方法では、フレキシブル銅張積層板の両側に前記突起部と前記銅箔をそれぞれエッチングし、表面に突起部があるいくつかの第1の導電体と表面に突起部があるいくつかの第2の導電体とを形成するステップの後、フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に接着フィルム層を形成するステップを含み、具体的には、
前記接着フィルム層を離型フィルムにコーティングし、次に前記接着フィルム層を、離型フィルムを介して前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に圧着転写するステップ、
又は、前記接着フィルム層を前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に直接コーティングするステップを含む。
【発明の効果】
【0045】
本発明の実施例は、以下の有益な効果を有する。
【0046】
本発明の実施例によって提供されるフレキシブルコネクタは、絶縁体を含み、絶縁体の一側面にいくつかの第1の導電体が設けられ、絶縁体の他の側面にいくつかの第2の導電体が設けられ、絶縁体上に第1の導電体と第2の導電体を接続するための導電性媒体が設けられ、第1の導電体及び/又は第2の導電体の表面に突起部が設けられる。
【0047】
上記の構造に基づき、一方で、本発明の実施例によって提供されるフレキシブルコネクタは、2つの回路基板の間に挟まれて第1の導電体と第2の導電体をそれぞれ2枚の回路基板上のパッドに貼り合わせることにより、2枚の回路基板の間の回路の導通を実現し、それによって従来の溶接と接着と比較して、本発明の実施例によって提供されるフレキシブルコネクタは、回路基板の繰り返し着脱を実現し、回路基板の修理を容易にし、電子製品の製造コストを削減することができるだけでなく、2枚の回路基板の正確な位置合わせ接続を実現し、組み立て精度を向上させることができる。
【0048】
他方、従来技術のフレキシブルコネクタが弾性アームでパッドに接続されるという方式に比べて、突起部は、導電体(即ち弾性アーム)とパッドとの間の接触面積を増加させることができるため、フレキシブルコネクタとパッドとの間の接触がより十分になり、これにより、回路の中断又は信号の歪みなどの問題を回避することができ、同時に、突起部は、フレキシブルコネクタと回路基板間の摩擦力を増加させることができるため、フレキシブルコネクタの締め付けプロセスでは、例えばボルトを締めるとき、突起部とパッドの位置がずれにくいため、フレキシブルコネクタとパッドの間の電気的接続の信頼性が確保され、また、突起部のサイズが小さく、かつ非常に密接に配列されるため、突起部が折れにくく、かつ変形幅が比較的統一され、これにより、本発明の実施例によって提供されるフレキシブルコネクタが回路基板に圧着されると一部のコネクタとパッドとの接触不良の問題が発生しなく、したがって、弾性アームが設けられたコネクタと比較して、本発明の実施例によって提供されるフレキシブルコネクタは、接触効果がより高く、導電性がより確実である。
【0049】
本発明はさらに上記フレキシブルコネクタの製造方法を提供する。前記方法は、操作が簡単であり、実現しやすいなどの利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本出願の一部を構成する明細書の図面は本発明のさらなる理解を提供するためのものであり、本発明の例示的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明に対する不適切な限定を構成しない。図面は以下のとおりである:
図1】本発明の実施例1に係るフレキシブルコネクタの断面構造模式図である。
図2図1Aにおける領域Iの拡大図である。
図3】本発明の実施例1に係る第1の導電体の表面が平坦面である場合の部分図である。
図4】本発明の実施例1に係るフレキシブルコネクタの一部を冶金顕微鏡下で400倍拡大した場合のスライス図(一)である。
図5】本発明の実施例1に係るフレキシブルコネクタの一部を冶金顕微鏡下で400倍拡大した場合のスライス図(二)である。
図6】本発明の実施例1に係るフレキシブルコネクタの一部を冶金顕微鏡下で400倍拡大した場合のスライス図(三)である。
図7】本発明の実施例1に係るフレキシブルコネクタの一部を冶金顕微鏡下で400倍拡大した場合のスライス図(四)である。
図8】本発明の実施例1に係るフレキシブルコネクタの一部を冶金顕微鏡下で400倍拡大した場合のスライス図(五)である。
図9】本発明の実施例1に係るフレキシブルコネクタの一部を冶金顕微鏡下で100倍拡大した場合のスライス図(六)である。
図10】本発明の実施例1に係る接続穴が導電性媒体で充填されている場合の断面構造模式図である。
図11】本発明の実施例1に係る第1の導電体と第2の導電体2との間に第2の電気的接続形態が採用される場合の断面構造模式図である。
図12】本発明の実施例1に係る第1の導電体と第2の導電体との間に第3の電気的接続形態が採用される場合の断面構造模式図である。
図13】本発明の実施例1に係る1の導電体と第2の導電体2との間に第4の電気的接続形態が採用される場合の断面構造模式図である。
図14】本発明の実施例1に係る第1の導電体と第2の導電体2との間に第5の電気的接続形態が採用される場合の断面構造模式図である。
図15】本発明の実施例2に係るフレキシブルコネクタの断面構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本出願の実施例及び実施例の特徴は、衝突しない場合、互いに組み合わせられてもよい。
【0052】
以下に本発明の実施例の図面を参照して本発明の実施例における技術的解決策を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づき,当業者が創造的な労力を要せずに取得した全ての他の実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【0053】
実施例1
図1に示すように、本発明の実施例に係るフレキシブルコネクタは、主に絶縁体10を含み、絶縁体10の一側面にいくつかの第1の導電体11が設けられ、絶縁体10の他の側面にいくつかの第2の導電体12が設けられ、絶縁体10上に第1の導電体11と第2の導電体12を接続するための導電性媒体13が設けられ、第1の導電体11と第2の導電体12の表面に突起部14が設けられる。絶縁体10は、フレキシブル絶縁体であり、第1の導電体11と第2の導電体12は、絶縁体10の対向する2つの側面に設けられ、突起部14はめっき突起部である。
【0054】
上記の構造に基づき、一方で、本発明の実施例によって提供されるフレキシブルコネクタは、2つの回路基板の間に挟まれて第1の導電体11と第2の導電体12をそれぞれ2枚の回路基板上のパッドに貼り合わせることにより、2枚の回路基板の間の回路の導通を実現し、それによって従来の溶接と接着と比較して、本発明の実施例によって提供されるフレキシブルコネクタは、回路基板の繰り返し着脱を実現し、回路基板の修理を容易にし、電子製品の製造コストを削減することができるだけでなく、2枚の回路基板の正確な位置合わせ接続を実現し、組み立て精度を向上させることができる。
【0055】
他方では、従来技術のフレキシブルコネクタが弾性アームでパッドに接続される方式に比べて、突起部14は、第1の導電体11及び第2の導電体12とパッドとの間の接触面積を増加させることができるため、第1の導電体11及び第2の導電体12とパッドとの間の接触がより十分になり、これにより、回路の中断又は信号の歪みなどの問題を回避することができ、同時に、突起部14は、第1の導電体11及び第2の導電体12と回路基板との間の摩擦力を増加させることができるため、フレキシブルコネクタの締め付けプロセスでは、例えばボルトを締めるとき、第1の導電体11及び第2の導電体12とパッドの位置がずれにくいため、第1の導電体11及び第2の導電体12とパッドの間の電気的接続の信頼性が確保され、また、突起部14のサイズが小さく、かつ非常に密接に配列されるため、突起部14が折れにくく、かつ変形幅が比較的統一され、これにより、本発明の実施例によって提供されるフレキシブルコネクタが回路基板に圧着されると、一部の導電体とパッドとの接触不良の問題が発生しなく、したがって、弾性アームが設けられたコネクタと比較して、本発明の実施例によって提供されるフレキシブルコネクタは、接触効果がより高く、導電性がより確実である。
【0056】
具体的には、図1から図9に示すように、突起部14は、例えばカスプ状、逆テーパー状、粒状、樹枝状、柱状、ブロック状などの規則的又は不規則な立体幾何学的形状であり、かつ、形状に関わらず、突起部14自体の高さhが1~30μmであり、ここで、2.5~15μmが最適な範囲である。これに基づき、第1の導電体11及び第2の導電体12の表面には2つ以上の突起部14が設けられ、各突起部14の形状は、同じであっても異なっていてもよく、各突起部14のサイズも同じであっても異なっていてもよく、つまり、2つ以上の突起部14の形状はカスプ状、逆テーパー状、粒状、樹枝状、柱状又はブロック状のうちの1種類又は複数種類であってもよく、かつ、同じ形状の2つ以上の突起部14のサイズは異なっていてもよく、上記サイズは、上記のそれ自体の高さ及び上記絶縁体10の側面に平行な方向の突起部14の長さを含む。
【0057】
また、2つ以上の突起部14は、第1の導電体11及び第2の導電体12の表面に連続的又は不連続的に分布し、例えば、2つ以上の突起部14の形状がカスプ状でありかつ連続的に分布している場合、規則的で周期的な歯状の立体パターン、又は不規則で無秩序な歯状の立体パターンを形成することができ、当然、これは例に過ぎず、上記の他の形状の組み合わせも本出願の保護範囲内にあり、ここには一々列挙しない。
【0058】
選択可能に、図2から図3に示すように、第1の導電体11と第2の導電体12の表面は平坦面であってもよいし、粗面であってもよい。ここで説明される平坦面と粗面は、突起部14の所在する第1の導電体11と第2の導電体12の表面であり、即ち突起部14の所在する基準面であってもよく、2つ以上の突起部14で構成された平面ではない。第1の導電体11と第2の導電体12の表面が粗面である場合、それは凹部及び凸部を含み、突起部14は、凹部に分布してもよいし、凸部に分布してもよく、かつ、いずれかの凸部の高さHとこの凸部に位置する突起部14のそれ自体の高さHとの和も1~30μmであってもよい。当然、凸部に設けられた突起部14のそれ自体の高さhも1~30μmであってもよく、このとき、凸部の高さHとこの突起部14のそれ自体の高さhの和が1~30μmよりも大きく、それによってこのフレキシブルコネクタの電気的接続性能をさらに向上させることができる。
【0059】
選択可能に、突起部14の材質は、銅、ニッケル、鉛、クロム、モリブデン、亜鉛、スズ、金、銀のうちの1種類又は複数種類の組み合わせである。具体的には、突起部14は、単一の成分、即ち銅、ニッケル、スズ、鉛、クロム、モリブデン、亜鉛、金、銀のうちの1種類であってもよいし、銅、ニッケル、スズ、鉛、クロム、モリブデン、亜鉛、金、銀のうちの1種類の材質を主体とし、その後、電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、本体以外の金属のうちの1種類又は複数種類を本体の表面に形成し、それによって複合材質の突起部14を形成することもできる。この実施例では、突起部14は、銅を本体とし、ニッケル、スズ、鉛、クロム、モリブデン、亜鉛、金、銀のうちの1種類又は複数種類の金属を銅の表面に形成した複合材料であることが好ましく、これは、銅のみで構成された突起部14が酸化又は摩耗しやすく、銅の表面に形成されたニッケル、スズ、金、銀が突起部14の耐食性及び耐摩耗性を向上させることができ、さらにコネクタの導電性を向上させ、コネクタの耐用年数を長くすることができるからである。
【0060】
図1に示すように、絶縁体10には第1の導電体11と第2の導電体12を接続するための接続穴が設けられ、導電性媒体13は、接続穴の穴壁に付着して導電性穴15を形成し、導電性穴15は、貫通穴であってもよいし、埋め込み穴又は止まり穴であってもよい。
【0061】
当然、図10に示すように、導電性媒体13の形成プロセスでは、操作者は、接続穴全体を導電性媒体13で充填し、即ち導電性穴15を形成しないことを選択することができ、これは、エッチング液が導電性穴15内に入ることを回避し、導電性媒体13をエッチングされないように保護することができるようにする。
【0062】
本発明の実施例では、第1の導電体11は2つ以上設けられ、かつ各第1の導電体11は互いに独立しており、同様に、第2の導電体12も2つ以上設けられ、かつ各第2の導電体11は互いに独立している。かつ第1の導電体11と第2の導電体12との間には、以下の複数の接続形態が存在する。
【0063】
第1の種類として、図1に示すように、第2の導電体12の数は、第1の導電体11の数に等しく、かつ、各第1の導電体11は、それぞれ異なる接続穴内の導電性媒体13を介して各第2の導電体12に1対1で対応して接続されている。
【0064】
第2の種類として、図11に示すように、第1の導電体11の数は、第2の導電体の数よりも多く、少なくとも2つの第1の導電体11は、それぞれ異なる接続穴内の導電性媒体13を介して同じ第2の導電体12に接続され、残りの各第1の導電体11は、それぞれ異なる接続穴内の導電性媒体13を介して残りの各第2の導電体12に1対1で対応して接続されている。
【0065】
第3の種類として、図12に示すように、第1の導電体11の数は、第2の導電体12の数よりも少なく、少なくとも2つの第2の導電体12は、それぞれ異なる接続穴内の導電媒体13を介して同じ第1の導電体11に接続され、残りの各第2の導電体12は、それぞれ異なる接続穴の導電媒体13を介して残りの各第1の導電体11に1対1で対応して接続されている。
【0066】
第4の種類として、図13に示すように、少なくとも2つ第1の導電体11は、それぞれ異なる接続穴内の導電性媒体13を介して同じ第2の導電体に接続され、少なくと2つの第2の導電体12は、それぞれ異なる接続穴内の導電性媒体13を介して同じ第1の導電体11に接続されている。
【0067】
第5の種類として、図14に示すように、一部の前記第1の導電体のうちの少なくとも2つの第1の導電体11は、それぞれ異なる接続穴内の導電性媒体13を介して一部の前記第2の導電体のうちの同じ第2の導電体12に接続され、他の部分の前記第2の導電体のうちの少なくとも2つの第2の導電体12は、それぞれ異なる接続穴内の導電性媒体を介して他の部分の第1の導電体のうちの同じ第1の導電体11に接続され、残りの各第1の導電体11は、それぞれ異なる接続穴内の導電性媒体13を介して残りの各第2の導電体12に1対1で対応して接続されている。
【0068】
選択可能に、第1の導電体11と第2の導電体12との間の電気的接続形態に関わらず、第1の導電体11とそれに接続された第2の導電体12との間に2つ以上の接続穴が設けられてもよく、かつ、各接続穴内に導電性媒体13が設けられて、このフレキシブルコネクタの電気的接続性能をさらに向上させる。
【0069】
選択可能に、絶縁体10の材質は、ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、変性エポキシ樹脂、変性アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリテトラフルオロエチレン、液晶ポリマー、ポリパラバン酸のうちの1種類又は複数種類の組み合わせである。具体的には、絶縁体10は、単一の成分、即ち上記の様々な絶縁材質のうちの1種類であってもよいし、上記のいずれかの複数種類の絶縁材質で複合されたものであってもよい。これに基づき、絶縁体10は、一定量の変形を有し、フレキシブルコネクタが2つの回路基板の間に挟まれると、まずパッドと接触する突起部14が後方に圧縮されるため、低い突起部14もパッドと接触して、第1の導電体11と第2の導電体12との間に確実な電気的接続が形成されることを確保することもできる。
【0070】
本発明の実施例では、実際の応用状況に応じて、第1の導電体11又は第2の導電体12の表面のみに突起部14が設けられてもよいことが説明すべきであり、この解決策によって生じる技術的効果は、上記のものと一致しており、ここで説明を省略する。また、本発明の実施例における導電性媒体13は、好ましくは銅であり、当然、例えばスズ、銀、金、グラファイト、銅ペースト、銀ペースト、カーボンナノチューブなどの良好な導電性を有する他の材料も選択することができる。
【0071】
実施例2
図15に示すように、本発明の実施例に係るフレキシブルコネクタは、実施例1に係るフレキシブルコネクタと比較して、その相違点が、突起部14に接着フィルム層16が設けられ、各突起部14に対して、それが接着フィルム層16内に隠れ又は接着フィルム層16を貫通して露出し、突起部14が接着フィルム層16内に隠れ、接着フィルム層16の厚さが突起部14自体の高さの平均値よりも小さいことである。
【0072】
これに基づき、このフレキシブルコネクタが回路基板に圧着して接続される場合、接着フィルム層16の接着能力により、フレキシブルコネクタと回路基板との間の接続がより安定し、緩み及び外れにくく、圧着接続プロセスでは、接着フィルム層16が流動性を有するため、この前に接着フィルム層16を貫通していない突起部14は、このときに全部又は一部で接着フィルム層16を貫通し、かつこの前に接着フィルム層16を貫通した突起部14と共に回路基板上のパッドに接触し、これにより、第1の導電体11及び/又は第2の導電体12とパッドとの間に確実な電気的接続が形成され、このフレキシブルコネクタが接着されるときに依然として良好な導電性を有することが確保される。
【0073】
当然、プロセスを簡略化するために、本発明の実施例における接着フィルム層16は、フレキシブルコネクタの表面全体に直接形成され、したがって、突起部14に加えて、突起部14が設けられた第1の導電体11及び/又は第2の導電体12の所在する絶縁体10の表面にも接着フィルム層16が形成される。
【0074】
好ましくは、本発明の実施例では、接着フィルム層16は、好ましくは感圧接着剤又は熱可塑性接着剤であり、実際の応用状況に応じて、接着フィルム層16は、熱硬化性接着剤等を使用することもできる。上記の違いを除いて、本発明の実施例の他の具体的な構造は、実施例1のものと一致し、対応する原理及び技術的効果も一致し、ここでは説明を省略する。
【0075】
実施例3
本発明の実施例に係るフレキシブルコネクタの製造方法は、
絶縁体と絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含むフレキシブル銅張積層板を作製するステップ1と、
機械的穴あけ、レーザー穴あけ又はパンチングにより、両側の銅箔を接続するための接続穴をフレキシブル銅張積層板上に形成するステップ2と、
接続穴内に導電性媒体13を形成して接続穴に導電性を持たせると同時に、フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部14を形成するステップ3と、
フレキシブル銅張積層板の両側面にそれぞれエッチングして第1の導電体11と第2の導電体12を形成するステップ4と、
接着フィルム層16をフレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に形成するステップ5を含む。
【0076】
本発明の実施例によって提供されるステップ3において、接続穴に導電性媒体13を形成し、フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部14を形成し、具体的には、
まず化学反応により、接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体13を堆積し、次に電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、穴壁上の導電性媒体13の厚さを増加させて、導電性穴15を形成すると同時に、フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部14を形成するステップ、
又は、まず化学反応により、接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体13を堆積し13、次に電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、接続穴に導電性媒体13を充填させると同時に、フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部14を形成するステップを含む。
【0077】
上記の「薄い導電性媒体」は、後で引き続き設けられる導電性媒体に対するものであり、導電性媒体13を形成する上記のプロセスは、従来技術における穴金属化プロセスであり、まず形成される薄い導電性媒体13の厚さは、従来技術を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0078】
また、ステップ3において、電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部14を形成する場合、電気めっきを採用すると、電流密度を制御することより、形成された突起部14のそれ自体の高さを制御することができ、一般的には、他の条件が同じであるとき、電流密度が大きいほど粗さが大きくなり、即ち突起部自体の高さが高くなるほど、電流密度が小さくなり、粗さが小さくなり、即ち突起部自体の高さが低くなる。同様に、接続穴内に導電性媒体を設ける場合、その電流密度を比較的小さくすることにより、より高密度の導電性媒体13を形成し、導電の信頼性を向上させることができると推定できる。他の方式を採用すると、操作条件の制御により突起部自体の高さを調整することもできる。
【0079】
本発明の実施例によって提供されるステップ5において、接着フィルム層16をフレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に形成し、具体的には、
接着フィルム層16を離型フィルムにコーティングし、次に接着フィルム層16を、離型フィルムを介してフレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に圧着転写するステップ、
又は接着フィルム層16を前記フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に直接コーティングするステップを含む。
【0080】
実施例4
本発明の実施例に係るフレキシブルコネクタの製造方法は、
絶縁体と絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含むフレキシブル銅張積層板を作製するステップ1と、
機械的穴あけ、レーザー穴あけ又はパンチングにより、両側の銅箔を接続するための接続穴をフレキシブル銅張積層板上に形成するステップ2と、
接続穴内に導電性媒体13を形成して接続穴に導電性を持たせるステップ3と、
フレキシブル銅張積層板の両側に銅箔をそれぞれエッチングしていくつかの第1の導電体11といくつかの第2の導電体12を形成し、具体的な方法が実施例3のステップ4の説明と一致するため、ここでは説明を省略するステップ4と、
電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、第1の導電体11及び/又は第2の導電体12の表面に突起部14を形成するステップ5と、
接着フィルム層16をフレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に形成し、具体的な方法が実施例3のステップ5の説明と一致するため、ここでは説明を省略するステップ6とを含む。
【0081】
本発明の実施例によって提供されるステップ3において、接続穴に導電性媒体13を形成し、具体的には、
まず化学反応により、接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体13を堆積し、次に電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、穴壁上の導電性媒体13の厚さを増加させて、導電性穴15を形成するステップ、
又は、まず化学反応により、接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体13を堆積し、次に電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、接続穴に導電性媒体13を充填させるステップを含む。
【0082】
上記の「薄い導電性媒体」は、後で引き続き設けられる導電性媒体に対するものであり、導電性媒体13を形成する上記のプロセスは、従来技術における穴金属化プロセスであり、まず形成される薄い導電性媒体13の厚さは、従来技術を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0083】
実施例5
本発明の実施例に係るフレキシブルコネクタの製造方法は、
絶縁体と絶縁体の対向する2つの表面に設けられた銅箔とを含むフレキシブル銅張積層板を作製するステップ1と、
電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、フレキシブル銅張積層板の少なくとも一側の銅箔の表面に突起部14を形成するステップ2と、
機械的穴あけ、レーザー穴あけ又はパンチングにより、両側の銅箔を接続するための接続穴をフレキシブル銅張積層板上に形成するステップ3と、
接続穴内に導電性媒体13を形成して接続穴に導電性を持たせるステップ4と、
フレキシブル銅張積層板の両側面にそれぞれエッチングして第1の導電体11と第2の導電体12を形成し、具体的な方法が実施例3のステップ4の説明と一致するため、ここでは説明を省略するステップ5と、
接着フィルム層16をフレキシブル銅張積層板の少なくとも一側面に形成し、具体的な方法が実施例3のステップ5の説明と一致するため、ここでは説明を省略するステップ6とを含む。
【0084】
本発明の実施例によって提供されるステップ4において、接続穴に導電性媒体13を形成し、具体的には、
まず化学反応により、接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体13を堆積し、次に電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、穴壁上の導電性媒体13の厚さを増加させて、導電性穴15を形成するステップ、
又は、まず化学反応により、接続穴の穴壁に一層の薄い導電性媒体13を堆積し、次に電気めっき、無電解めっき、物理的気相堆積、化学的気相堆積などの方式のうちの1種類又は複数種類により、接続穴に導電性媒体13を充填させるステップを含む。
【0085】
上記の「薄い導電性媒体」は、後で引き続き設けられる導電性媒体に対するものであり、導電性媒体13を形成する上記のプロセスは、従来技術における穴金属化プロセスであり、まず形成される薄い導電性媒体13の厚さは、従来技術を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0086】
上述したように、本発明の実施例に係るフレキシブルコネクタは、絶縁体10を含み、絶縁体10の一側面にいくつかの第1の導電体11が設けられ、絶縁体10の他の側面にいくつかの第2の導電体12が設けられ、絶縁体10上に第1の導電体11と第2の導電体12を接続するための導電性媒体13が設けられ、第1の導電体11と第2の導電体12の表面に突起部14が設けられる。従来技術と比較して、このフレキシブルコネクタは、導電性に優れ、耐用年数が長く、信頼性が高く、製造コストが低く、かつ繰り返し着脱が可能である。
【0087】
また、本発明はさらに上記フレキシブルコネクタの製造方法を提供する。前記方法は、操作が簡単であり、実現しやすいなどの利点がある。
【0088】
上記の「薄い導電性媒体」は、後で引き続き設けられる導電性媒体に対するものであり、導電性媒体13を形成する上記のプロセスは、従来技術における穴金属化プロセスであり、まず形成される薄い導電性媒体13の厚さは、従来技術を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0089】
本発明で用語「第1」、「第2」などの用語を用いて様々な情報を説明するが、これらの情報は、これらの用語に限定されるべきではなく、これらの用語は、同じタイプの情報を区別するためのものだけであることが理解できる。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、「第1」情報は、「第2」情報とも呼ばれてもよく、同様に、「第2」情報も「第1」情報と呼ばれてもよい。
【0090】
上記のものは、本発明の好ましい実施形態であり、当業者であれば、本発明の原理から逸脱することなく、いくつかの改良及び変形を行うことができ、これらの改良及び変更も本発明の保護範囲と見なされると指摘すべきである。
【符号の説明】
【0091】
10 絶縁体
11 第1の導電体
12 第2の導電体
13 導電性媒体
14 突起部
15 導電性穴
16 接着フィルム層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15