(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】除染用のフラッシュランプカートリッジおよび除染ユニット
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20231120BHJP
B65B 55/04 20060101ALI20231120BHJP
B65B 55/08 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
A61L2/10
B65B55/04 A
B65B55/08 A
(21)【出願番号】P 2021539389
(86)(22)【出願日】2020-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2020051219
(87)【国際公開番号】W WO2020152073
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-07-05
(32)【優先日】2019-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】505184827
【氏名又は名称】ヘレーウス ノーブルライト リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Noblelight Ltd.
【住所又は居所原語表記】Cambridge Science Park, Milton Road, Cambridge CB4 0GQ, United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トニー ヴィンヤード
(72)【発明者】
【氏名】ハリー シャーリング-ルック
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー ウォッフェンディン
【審査官】岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-501039(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102014110679(DE,A1)
【文献】特開2015-058379(JP,A)
【文献】特表2009-528664(JP,A)
【文献】米国特許第05768853(US,A)
【文献】特表2003-501148(JP,A)
【文献】特表平06-505360(JP,A)
【文献】特表2003-534100(JP,A)
【文献】特表平11-514277(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0252866(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/10
B65B 55/04
B65B 55/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
除染ユニット(100)用のフラッシュランプカートリッジ(1)であって、紫外光をパルス状に放出するための閃光管(10)と、前記閃光管(10)を包囲するシース(20)と、を備え、
前記シースが、前記閃光管に媒体を供給するために前記シースを貫通して延在している1つまたは複数の媒体コネクタ(41,42,43,44,51,52)を
それぞれ備える
2つのポート(40,50)を備え、ここで、前記媒体は、電気および
気体冷
媒であり、
2つの前記ポート(40,50)は、前記シース(20)の
2つの端部に
それぞれ設けられているフラッシュランプカートリッジ(1)。
【請求項2】
2つの前記ポート(40,50)が、
冷媒コネクタ(44)と、
以下の媒体コネクタ、すなわち、(i)電極コネクタ(41,51)、(ii)トリガコネクタ(43)、(iii)接地コネクタ(42,52
)のうちの少なくとも1つ
と、
を
それぞれ備える、請求項1記載のフラッシュランプカートリッジ(1)。
【請求項3】
2つの前記ポート(40,50)が、前記シース(20)
の軸線方向端部を閉鎖するため
のキャップ(24,25)である、請求項1
または2記載のフラッシュランプカートリッジ(1)。
【請求項4】
前記シース(20)が、前記フラッシュランプカートリッジ(1)を収容部に適正に位置合わせしかつ配向するための少なくとも1つの取付け特徴部(32,33,34,35)を備える、請求項1から
3までのいずれか1項記載のフラッシュランプカートリッジ(1)。
【請求項5】
除染ユニット(100)であって、
殺菌チャンバ(110)を取り囲むハウジング(120)と、
前記殺菌チャンバ(110)に殺菌対象物を挿入するための、前記ハウジング(120)に設けられた開口(121)と、
請求項1から
4までのいずれか1項記載の前記フラッシュランプカートリッジ(1)内に収容された閃光管(10)であって、前記殺菌チャンバ(110)内で前記殺菌対象物に照射するように前記ハウジング(120)に配置されているフラッシュランプと、
前記ハウジング(120)に形成されたスロット(114,115)であって、前記殺菌チャンバ(110)内に延在していて、前記フラッシュランプを収容するスロット(114,115)と、
を備える除染ユニット(100)。
【請求項6】
前記フラッシュランプに接続されるインタフェース(140,150)を有しかつ前記ハウジング(120)に取り付けられる少なくとも1つのソケット(124,125)をさらに備え、
前記インタフェース(140,150)が、前記ハウジング(120)に対する前記フラッシュランプの予め規定された配向および/または位置合わせを規定するための取付け特徴部(134,135)を備えており、かつ/または、前記インタフェース(140,150)が、前記フラッシュランプに媒体を供給するための少なくとも1つの媒体コネクタを含み、前記媒体コネクタが、(i)電極コネクタ(141,151)、(ii)トリガコネクタ(143)、(iii)接地コネクタ(142,152)、(iv)冷媒コネクタ(144,154)のうちの少なくとも1つを備え、
前記ソケットが、前記ハウジングの外側表面(122,123)に取り付けられており、かつ/または、前記ソケット(124,125)が、前記フラッシュランプを前記ハウジング(120)に解離可能に取り付ける、請求項
5記載の除染ユニット(100)。
【請求項7】
前記除染ユニットが、第1のソケット(124)と第2のソケット(125)とを備える、請求項
5または
6記載の除染ユニット(100)。
【請求項8】
前記除染ユニットが、第1のスロット(114)と第2のスロット(115)とを備える、請求項
5から
7までのいずれか1項記載の除染ユニット(100)。
【請求項9】
前記殺菌チャンバ(110)内の紫外照射を検出するためのセンサ(102)をさらに備える、請求項
5から
8までのいずれか1項記載の除染ユニット(100)。
【請求項10】
請求項
5から
9までのいずれか1項記載の複数の除染ユニット(100)と、前記複数の除染ユニットを操作するコントローラと、を備える除染アレイ。
【請求項11】
前記除染ユニット(100)を担持する支持構造体と、前記支持構造体に反復運動を行わせるアクチュエータと、をさらに備える、請求項
10記載の除染アレイ。
【請求項12】
前記コントローラが、1Hzよりも低い周波数で前記除染ユニット(100)の個々の前記フラッシュランプをトリガし、かつ/または、前記コントローラが、個々の前記フラッシュランプを連鎖的にかつ/または次々とトリガする、請求項
10または
11記載の除染アレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外光をパルス状に放出するための閃光管を備える除染用のフラッシュランプカートリッジに関する。また、本発明は、紫外光をパルス状に放出するためのフラッシュランプを備える除染ユニットにも関する。
【0002】
本発明の分野は、対象物、例えば食品業界および医薬品業界における包装用の容器またはその一部の除染である。
【背景技術】
【0003】
紫外(UV)放射による乾式除染は、特に食品業界において、ボトルや缶などの食品用容器を、特に容器の充填前に除染するために使用される。除染により、包装された製品の保存性が向上する。容器および/または食品(飲料もしくは乳製品を含む)は、生産ラインにおいてUV放射にさらされて、それらの表面の微生物を、所望の除染の程度またはレベルまで消滅させる。
【0004】
UV放射の照射による容器の除染は、周知の技法であり、食品および医薬品の業界で広く使用されている。この技法は、光化学効果および光熱効果により細胞および微生物を消滅させるUV放射の機能を利用する。
【0005】
光化学効果は、微生物がUV放射を吸収することによってもたらされる。光化学効果は、DNA分子内で破損および異常結合の形成を引き起こし、これにより、正常なDNA複製が阻害される。微生物のタンパク質産生または細胞代謝が阻止され、死滅する。
【0006】
光熱効果は、パルス状のUV放射によって得られ、ごく短時間に高いエネルギーを微生物に送達することによってもたらされる。微生物によって吸収された放射により、内部温度の急激な上昇が引き起こされ、細胞膜が破れる。
【0007】
パルス状のUV光の除染の有効性は、バクテリア、かび、ウイルスなど多様な微生物に対して実証されている。閃光に含まれるUV放射の一部分(200~300mm)により、処理に供される製品に存在する微生物が消滅することになる。光化学効果は、それぞれ約200nmおよび247nmの吸収極大を有する。除染のために特に有効と考えられる他の範囲は、220nmまたは265nmの範囲の極大を有する。
【0008】
光パルスは、フラッシュランプによって発生させることができる。一般的に使用されているのは、例えばキセノンフラッシュランプである。フラッシュランプは、パルスモードで動作している。電気エネルギーが、電気コンデンサに蓄積される。高電圧(数十kV)の信号が、ランプに含まれたガス内でアーク放電をトリガする。解放された電気エネルギーは、ガスのイオン化により光の放出を生じさせる。キセノンは、電気エネルギーを特にUV波長域の光エネルギーに変換するのに非常に効率のよい不活性ガスである。他の希ガスも使用可能である。使用される(1バールに等しいかそれ以上の)ガス圧により、継続的な閃光スペクトルが提供される。このスペクトルは、UVから近赤外まで(200nm~1100nm)の波長から成る。
【0009】
得られる除染レベルは、照射される閃光の出力数、処理表面の性質に依存し、単なる対数減少(一部の微生物の消滅)から完全な滅菌(微生物のほぼ完全な消滅)までの範囲にわたる。
【0010】
食品加工および医薬品の業界における除染のためにパルス状の紫外放射を使用する例は、米国特許第4,910,942号明細書に記載されている。パルス状の紫外放射を使用した除染の種々異なるシステムが、欧州特許第2805912号明細書、米国特許第9,809,435号明細書、米国特許出願公開第2016/0193775号明細書、および国際公開第2017/157550号に記載されている。
【0011】
これらのシステムは、特に食品または医薬品の業界において工業規模の用途に使用しようとするとき、幾つかの不利益を被る。一般的なフラッシュランプは、比較的複雑な設計を有しており、それにより、そのメンテナンス、組立ておよび修理が、煩雑で時間のかかるものになる。主な課題は、フラッシュランプの延長寿命全体にわたって除染の有効性を保証することである。これを確保するために、ほとんどの用途において、フラッシュランプは、かなりの安全措置を残したまま所定の間隔で交換される。さらに、寿命を延ばすために、かなりの労力を費やして、冷媒流体(主に脱イオン水)を使用したフラッシュランプの冷却が行われる。しかし、米国特許第9,809,435号明細書などに記載の水冷システムはかなり大型であり、したがって、限られた狭い空間に嵌めることができない。さらに、必要とされる冷媒流体回路は、安全および故障に関する更なるリスクを生み、システム全体をより入り組んだものにして、組立て、設置および修理を一層複雑にする。
【0012】
大量生産に使用される生産工場では、信頼性の高い単純で効率的な除染ツールを使用して、継続的な生産ワークフローを確保することが望まれる。食品加工工場内の1つの除染装置が適切に機能しなければ、故障したツールに影響を受けた製品を、健康安全規定の理由から廃棄しなくてはならないか、生産ライン全体を中断して除染ツールの交換をしなくてはならない。
【0013】
一部の生産設備では、いわゆる「湿式」除染装置が使用される。なぜなら、これらの装置は一般に比較的小型であり、維持が簡単だからである。湿式除染ツールは、流動性のある除染媒体、例えば過酸化水素または過酢酸を食品容器の表面に塗布する。そのような1つのシステムが、米国特許第9,339,573号明細書に記載されている。しかし、流動性のある除染媒体は毒性が高く、したがって、食品の加工時や、一般的な環境、健康および安全に配慮した状況下では問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、概して、先行技術の欠点を少なくとも部分的に克服することである。
【0015】
本発明の更なる目的は、毒性のある除染流体を使用せずに済ます乾式除染のためのツールを提供することである。本発明の更なる目的は、維持、組立て、設置、撤去、分解および/または修理の容易な除染を実現することである。本発明の更なる目的は、大規模な工業生産設備で容易に使用される除染ツールを提供することである。本発明の別の目的は、冷媒流体の必要性をなくす除染ツールを提供することである。本発明の更なる目的は、経験の浅い人でも容易に扱うことができる除染ツールを提供することである。本発明の更なる目的は、除染ツールによって処理された製品の消費者と除染ツールを扱う操作者との両方またはそのうちの少なくとも一方に対する環境、健康および安全に関するリスクを最小限に抑える除染ツールを提供することである。本発明の更なる目的は、長い延長寿命にわたって作用可能な、特に信頼性の高い除染ツールを提供することである。本発明の更なる目的は、限られた制限空間内に嵌めることができるように小さい寸法の除染ツールを提供することである。本発明の更なる目的は、食品加工工場での大量生産を可能にする除染ツールを提供することである。本発明の更なる目的は、ツールの所定の延長寿命にわたって必要な照射量を確実に送達できる除染ツールを提供することである。本発明の更なる目的は、対象物、特に平坦な対象領域を効率的かつ確実に除染することである。本発明の更なる目的は、対象物、特に平坦な対象領域を少なくとも2(log2)または少なくとも3(log3)または少なくとも4(log4)の対数減少レベルで除染することである。
【0016】
本発明の更なる目的は、非無菌環境において稼働するのに好適な除染ツールを提供することである。
【0017】
本発明の更なる目的は、除染ツールとしての除染ユニットを提供することである。本発明の更なる目的は、除染ツール用のフラッシュランプカートリッジを提供することである。本発明の更なる目的は、複数の除染ユニットを使用した大量生産設備用の除染アレイを提供することである。
【0018】
本発明の上記目的の少なくとも1つ、好ましくは複数の、少なくとも部分的な実現に貢献することは、独立請求項の主題によって達成される。従属請求項は、目的のうちの少なくとも1つの少なくとも部分的な実現に貢献する好ましい実施形態を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
発明の概要
本発明による実施形態1では、除染ユニット用のフラッシュランプカートリッジは、紫外光をパルス状に放出するための閃光管と、閃光管を包囲するシースとを備えている。本発明によるフラッシュランプカートリッジを使用することができる除染ユニットは、食品、食品容器および/または食品容器の構成要素、例えば容器本体もしくは容器の閉鎖具を含む任意の対象基材を除染するために使用されてよい。容器本体は、缶本体、ボトル本体、ボトルプリフォーム、カップ、プレートなどを含んでよい。容器の閉鎖具は、缶の蓋を含む蓋、ボトルキャップを含むキャップなどを含んでよい。除染は、単なる対数減少(一部の微生物の消滅)または完全な滅菌(微生物のほぼ完全な消滅)を含んでよい。特に、除染は、少なくとも2(log2)または少なくとも3(log3)または少なくとも4(log4)の対数減少レベルのことを指してよい。本発明の態様によれば、フラッシュランプカートリッジは、シースと、シース内に配置された閃光管とを備えている。フラッシュランプカートリッジは、シースと、その中に配置された閃光管とから構成されていてよい。シースは、閃光管とその環境との間のバリアを実現する。シースは、環境から閃光管を遮断する。シースは、電気およびガスを含む予め規定された環境的な媒体しか閃光管に出入りできないようにする。
【0020】
本発明による実施形態2では、フラッシュランプカートリッジは実施形態1により実現され、シースは、閃光管に供給するためにシースを通って延在している1つまたは複数の媒体コネクタを備える少なくとも1つのポートを備えている。特に、シースは、正確に1つのポートまたは正確に2つのポートを備えている。シースの1つまたは複数のポートは、環境的な媒体が閃光管に出入りするための唯一の出入り口であってよい。
【0021】
本発明による実施形態3では、フラッシュランプカートリッジは実施形態2により実現され、フラッシュランプカートリッジの異なる側に2つのポートを備えている。フラッシュランプの正確に2つの側またはそれ以上の側にポートを設けることにより、ポートの断面、ひいては、フラッシュランプカートリッジの断面が、カートリッジを狭い制限空間に嵌めることができるように限定されてよい。
【0022】
本発明による実施形態4では、フラッシュランプカートリッジは実施形態3により実現され、フラッシュランプカートリッジの互いに反対側の端部に2つのポートが配置される。カートリッジは、第1の端部から反対側の第2の端部までの延在方向に整合させられた軸線方向を規定してよい。ポートは、互いに同軸であってよい。
【0023】
本発明による実施形態5では、フラッシュランプカートリッジは実施形態2から4までのいずれか1つにより実現され、正確に2つのポートを備えている。
【0024】
本発明による実施形態6では、フラッシュランプカートリッジは実施形態2から5までのいずれか1つにより実現され、少なくとも1つのポートが、以下の媒体コネクタ、すなわち、(i)電極コネクタ、(ii)トリガコネクタ、(iii)接地コネクタおよび(iv)冷媒コネクタのうちの少なくとも1つを備えている。少なくとも1つの媒体コネクタは、カートリッジの軸線方向に延在してよい。電極コネクタは、ポートによって規定された領域の中央に配置されてよい。カートリッジの互いに反対側の端部にポートを有するフラッシュランプでは、両端のポートの電極コネクタは、互いに同軸に配置されてよく、特に同心的に位置合わせされてよい。1つまたは複数の媒体コネクタは、同じポート内で電極コネクタに対して半径方向にオフセットされて配置されてよい。1つまたは複数の媒体コネクタは、電極コネクタに対して平行に配置されてよい。複数の媒体コネクタは、電極コネクタを周方向に取り囲むように配置されてよい。複数の媒体コネクタは、電極コネクタに対して同心的に配置されてよい。
【0025】
本発明による実施形態7では、フラッシュランプカートリッジは実施形態6により実現され、正確に1つのポートが、トリガコネクタを備えている。
【0026】
本発明による実施形態8では、フラッシュランプカートリッジは実施形態6または7により実現され、第1のポートが、第1の電極コネクタと、第1の接地コネクタと、第1の電極コネクタと第1の接地コネクタとの間に配置された突出した絶縁体とを備えている。特に、カートリッジにおいて、第2のポートが、第2の電極コネクタと、第2の接地コネクタと、第2の電極コネクタと第2の接地コネクタとの間に配置された第2の突出した絶縁体とを備えていてよい。第1のおよび/または選択的に第2の突出した絶縁体は、それぞれの電極コネクタまたは接地コネクタのうちの短い方と少なくとも同じ長さに軸線方向に延在してよい。
【0027】
本発明による実施形態9では、フラッシュランプカートリッジは実施形態6から8までのいずれか1つにより実現され、第1の冷媒コネクタと第2の冷媒コネクタとを備えており、第1の冷媒コネクタと第2の冷媒コネクタとは、第1の冷媒コネクタが冷媒入口を実現し、第2の冷媒コネクタが冷媒出口を実現するように流体連通している。
【0028】
本発明による実施形態10では、フラッシュランプカートリッジは上述した実施形態のうちのいずれか1つにより実現され、シースは、閃光管を取り囲む少なくとも部分的に筒形の管状体を備えている。管状体は、電気絶縁体から製造されてよい。管状体は、滅菌可能な材料を備えているか、それから構成されていてよい。管状体は、UV抵抗性の材料を備えているか、それから構成されていてよい。管状体は、不透明材料を備えているか、それから構成されていてよい。管状体は、閃光管を同心的に取り囲んでよい。管状体は、閃光管と同軸に位置合わせされてよい。管状体は、少なくとも1つの媒体コネクタ、特に少なくとも1つの電極コネクタ、好ましくは2つの電極コネクタと同軸に位置合わせされてよい。管状体は、金属、特にステンレス鋼またはアルミニウムを備えているか、それから成っていてよく、カートリッジの少なくとも1つの接地コネクタに電気的に接続されてよい。
【0029】
本発明による実施形態11では、フラッシュランプカートリッジは実施形態10により実現され、閃光管と管状シース本体との間に配置された、電気絶縁体から製造された毛管と、毛管内に配置されたトリガワイヤとをさらに備えている。毛管は、ステンレス鋼またはアルミニウムなどの導電性材料から製造された管状体と併せて使用されて、トリガワイヤと管状体との間のスパークが回避されてよい。特に、管状体は、金属材料、好ましくはステンレス鋼またはアルミニウム、セラミック材料、またはポリマー材料、好ましくはPEEKのうちの少なくとも1つを備えているか、それから構成されていてよい。
【0030】
本発明による実施形態12では、フラッシュランプカートリッジは実施形態10または11により実現され、管状体は、少なくとも1つの軸線方向端部を備えており、シースは、この少なくとも1つの軸線方向端部を閉鎖するための取外し可能な少なくとも1つのカートリッジキャップをさらに備えている。キャップは、電気絶縁体から製造されてよい。キャップは、滅菌可能な材料を備えているか、それから構成されていてよい。キャップは、UV抵抗性材料を備えているか、それから構成されていてよい。管状体は、不透明材料を備えているか、それから構成されていてよい。特に、キャップは、セラミック材料、またはポリマー材料、好ましくはPEEKのうちの少なくとも1つを備えているか、それから構成されていてよい。
【0031】
シースは、管状体と、正確に1つ、正確に2つ、またはそれ以上のキャップとを含んでよい。管状体は、筒形の断面形状を有してよい。特に、管状体は、円筒形の断面形状を有してよい。少なくとも1つのキャップは、筒形の断面形状を有してよい。特に、少なくとも1つのキャップは、円筒形の断面形状を有してよい。管状体とキャップとは、同心的にかつ/または同軸に位置合わせされてよい。少なくとも1つのキャップは、ポートを形成してよい。少なくとも1つのキャップ上にかつ/または少なくとも1つのキャップ内に、少なくとも1つの媒体コネクタが形成されてよい。キャップは、少なくとも1つの媒体コネクタ用の少なくとも1つの凸部および/または少なくとも1つの凹部を備えてよい。キャップは、少なくとも1つの取付け特徴部を実現するための少なくとも1つの凸部および/または少なくとも1つの凹部を備えてよい。キャップの少なくとも1つの凸部および/または少なくとも1つの凹部は、キャップに対して(キャップおよび/またはカートリッジの)軸線方向に、または半径方向に(軸線方向に対して横断方向に、好ましくは直交するように)オフセットされていてよい。キャップは、キャップに対して軸線方向にオフセットされた少なくとも1つの凸部および/または少なくとも1つの凹部と、キャップに対して半径方向にオフセットされた少なくとも1つの凸部および/または少なくとも1つの凹部とを備えてよい。少なくとも1つの媒体コネクタは、キャップに配置され、軸線方向に面して、除染ユニットの軸線方向のインタフェースに対する接続部を提供してよい。少なくとも1つの媒体コネクタは、キャップに配置され、半径方向に面して、除染ユニットの半径方向のインタフェースに対する接続部を提供してよい。
【0032】
本発明による実施形態13では、フラッシュランプカートリッジは上述した実施形態のうちのいずれか1つにより実現され、シースは、透明な窓を備えている。シースは、正確に1つの透明な窓を備えてよい。透明な窓は、ガラス、特に石英ガラスを備えているか、それから構成されていてよい。透明な窓は、軸線方向においてシースの中央に配置されてよい。透明な窓は、管状体の好ましくは半径方向の孔に配置されてよい。透明な窓は、管状体の孔を封止して閉鎖してよい。透明な窓は、管状体に圧入および/または接着されてよい。透明な窓は、管状体の外側表面と位置合わせされた、特にアンダカットおよび/または鋭角のない共通表面を形成するように位置合わせされた外側表面を有してよい。実施形態では、透明な窓は、接着剤によりシースに取り付けられる。接着剤は、ポリマー、特にデュロマーを備えているか、それから構成されていてよい。接着剤は、硬化エポキシ樹脂であってよい。
【0033】
透明な窓は、シースの筒形スリーブ状の軸線方向区分として実現されてよい。透明な窓は、閃光管を周方向に完全に取り囲んでよい。窓の軸線方向の延在長さは、閃光管の電極間の距離、特に陰極と陽極との間の距離に対応してよい。
【0034】
本発明による実施形態14では、フラッシュランプカートリッジは実施形態13により実現され、シースの窓以外の構成要素は不透明である。
【0035】
本発明による実施形態15では、フラッシュランプカートリッジは上述した実施形態のうちのいずれか1つにより実現され、シースは、カートリッジをスロットなどの収容部に適正に位置合わせしかつ配向するための少なくとも1つの取付け特徴部、特に少なくとも1つの半径方向凸部および/または少なくとも1つの軸線方向凸部を備えている。シースは、少なくとも1つの取付け特徴部を実現するための少なくとも1つの凸部および/または少なくとも1つの凹部を備えてよい。突出した取付け特徴部は、シースと一体形成された突出部、またはシースに取り付けられたピン、合わせ部などであってよい。少なくとも1つの取付け特徴部は、フラッシュランプカートリッジを除染ユニットに対して保持する機械的ストレスを、少なくとも1つの媒体コネクタ、好ましくは全ての媒体コネクタにかけないように設計されてよい。
【0036】
本発明による実施形態では、フラッシュランプカートリッジは上述した実施形態のうちのいずれか1つにより実現され、シースは、軸線方向に突出した環状の少なくとも1つの取付け特徴部を備えている。カートリッジの環状凸部は、除染ユニットの第1または第2のソケットの収容部の環状凹部に対して相補的な形状であってよい。カートリッジの環状凸部は、除染ユニットのインタフェースの収容部の環状凹部に対して相補的な形状であってよい。カートリッジは、突出した環状の取付け特徴部と、軸線方向または半径方向に突出した1つまたは複数の取付け特徴部との組合せを備えてよい。カートリッジは、第1のソケットの収容部によって収容されることになる第1の環状凸部を有する第1のポートと、第2のコネクタの第2のソケットの収容部によって収容されることになる第2の環状凸部を有する第2のポートとを有してよい。カートリッジの第1と第2の環状凸部とは、異なる方向、特に直径方向に反対の方向に延在してよい。環状凸部は、特に筒形のカートリッジの外側周囲に沿って、周方向全体に延在してよい。環状凸部は、カートリッジのポートの1つまたは複数の、特に全ての媒体コネクタが、環状凸部内に半径方向に配置されるように、このポートに配置されてよい。ポートの環状凸部は、このポートの1つまたは複数の、特に全ての媒体コネクタよりも、軸線方向において長く延在してよい。軸線方向凸部、特に環状凸部を利用することは、ポートの媒体コネクタを機械的損傷から保護する際に有利であることが示されている。環状凸部は、ポリマー材料、特にPEEKを備えているか、それから構成されていてよい。
【0037】
本発明による実施形態では、フラッシュランプカートリッジは、取付けタブを備えてよい。取付けタブは、カートリッジにヒンジ式に接続されてよい。取付けタブは、カートリッジの管状体に対して半径方向の第1の位置において、かつ/またはカートリッジの管状体に対して軸線方向の第2の位置において、カートリッジから延在してよい。好ましくは、フラッシュランプカートリッジは、カートリッジの第1または第2の軸線方向端部に取り付けられた特に1つのタブのみを備えている。好ましくは、フラッシュランプカートリッジは、カートリッジの第1または第2のポートに取り付けられた特に1つのタブのみを備えている。
【0038】
本発明による実施形態16では、フラッシュランプカートリッジは上述した実施形態のうちのいずれか1つにより実現され、冷媒チャンバが、シース、特に管状体と、閃光管との間に配置される。冷媒チャンバは、閃光管と、シース、特に管状体との間に同心的にかつ/または同軸に配置されてよい。冷媒チャンバは、閃光管を、シース、特に管状体から、半径方向に隔ててよい。
【0039】
本発明による実施形態17では、フラッシュランプカートリッジは実施形態16により実現され、冷媒チャンバは、冷媒入口から冷媒出口まで延在する。冷媒チャンバは、シースの第1のキャップから第2のキャップまで軸線方向に延在してよい。冷媒チャンバは、閃光管全体に沿って軸線方向に延在してよい。
【0040】
本発明による実施形態18では、フラッシュランプカートリッジは実施形態16または17により実現され、冷媒チャンバは、特に閃光管をシースから隔てるように、閃光管を環状に取り囲む。
【0041】
本発明による実施形態19では、フラッシュランプカートリッジは実施形態16から18までのいずれか1つにより実現され、冷媒チャンバは、気体冷媒で満たされる。好ましくは、特に除染のためにフラッシュランプカートリッジが有効に動作している間(すなわち、フラッシュランプカートリッジの電極に電圧が供給されている間)、冷媒チャンバには液体冷媒がない。
【0042】
本発明の一態様による除染ユニットに関する実施形態20では、除染ユニットは、特に乾式殺菌のための殺菌チャンバを取り囲むハウジングと、殺菌対象物を殺菌チャンバに挿入するための、ハウジングに設けられた開口と、紫外光をパルス状に放出するためのフラッシュランプ、特に閃光管、好ましくは実施形態1から19までの少なくとも1つによる閃光管を備えるフラッシュランプカートリッジとを備えている。フラッシュランプは、殺菌チャンバ内で対象物に照射するようにハウジングに配置される。本発明の態様によれば、少なくとも1つのスロットがハウジングの外側表面に形成され、前記少なくとも1つのスロットが、殺菌チャンバ内に延在し、フラッシュランプを収容する。スロットは、そこに挿入されることになるフラッシュランプに対応した形状とすることができる凹部を形成する。特に、スロットの少なくとも一区分は、特に実施形態1から19までのいずれか1つによるフラッシュランプカートリッジの少なくとも一区分、特に前記カートリッジのキャップの一区分に対応するように形成されてよく、それによりフラッシュランプが少なくとも1つのスロットに収容されたときに、カートリッジのフラッシュランプ、好ましくは閃光管が、殺菌チャンバ内の対象物に照射するように配置される。このようなスロットは、フラッシュランプ用の収容部として機能する。少なくとも1つのスロットは、除染ユニットに対するフラッシュランプの位置合わせおよび/または配向が特定されるように、フラッシュランプの、特にフラッシュランプカートリッジの、特に前記カートリッジのキャップの少なくとも1つの取付け特徴部に対応した形状の少なくとも1つの取付け特徴部を含んでよい。
【0043】
一実施形態では、除染ユニットは、非無菌環境で動作するように構成されてよい。殺菌チャンバは、DIN EN ISO14644-1(2015)に従って、クリーンルームのクラスISO6またはそれ以上、ISO5またはそれ以上、ISO4またはそれ以上による清浄環境を実現してよい。殺菌チャンバは、EU-GMPクラスD、Cまたはそれ以上による清浄環境を実現してよい。除染ユニットの周りの環境は、殺菌チャンバの環境ほど清浄ではない環境に相当してよい。
【0044】
本発明による実施形態21では、除染ユニットは実施形態20により実現され、フラッシュランプに接続されるインタフェースを有しかつハウジングに取り付けられる少なくとも1つのソケットをさらに備えている。
【0045】
本発明による実施形態22では、除染ユニットは実施形態21により実現され、ソケットは、ハウジングの外側表面に、特にスロットが形成された外側表面に取り付けられる。
【0046】
本発明による実施形態23では、除染ユニットは実施形態21または22により実現され、ソケットはスロットを覆う。特に、スロットは、ソケットによって完全に覆われる。ソケットは、殺菌チャンバ内から除染ユニットの周囲に向かうUV放射に対するバリアを形成してよい。ソケットは、殺菌チャンバと除染ユニットの周囲との間で、特に過大圧に対して、気密バリアを形成してよい。
【0047】
本発明による実施形態24では、除染ユニットは実施形態21から23までのいずれか1つにより実現され、ソケットは、フラッシュランプをハウジングに解離可能にしっかりと取り付ける。特に、ソケットの少なくとも一区分は、特に実施形態1から19までのいずれか1つによるフラッシュランプカートリッジの少なくとも一区分、特に前記カートリッジのキャップの一区分に対応するように形成されて、フラッシュランプをしっかりと保持してよい。
【0048】
本発明による実施形態25では、除染ユニットは実施形態24により実現され、インタフェースは、ハウジングに対するフラッシュランプの予め規定された配向および/または位置合わせを規定するための取付け特徴部を備えている。インタフェースは、除染ユニットに対するフラッシュランプの位置合わせおよび/または配向が特定されるように、フラッシュランプの、特にフラッシュランプカートリッジの、特に前記カートリッジのキャップの少なくとも1つの取付け特徴部に対応した形状の少なくとも1つの取付け特徴部を含んでよい。
【0049】
本発明による実施形態26では、除染ユニットは実施形態21から25までのいずれか1つにより実現され、インタフェースは、フラッシュランプに供給するための少なくとも1つの媒体コネクタを含み、媒体コネクタは、(i)電極コネクタ、(ii)トリガコネクタ、(iii)接地コネクタ、および(iv)冷媒コネクタのうちの少なくとも1つを備えている。
【0050】
本発明による実施形態27では、除染ユニットは実施形態21から26までのいずれか1つにより実現され、除染ユニットは、第1のソケットおよび第2のソケットを備え、好ましくは、除染ユニットは正確に2つのソケットを備えている。
【0051】
本発明による実施形態28では、除染ユニットは実施形態27により実現され、第1のソケットが第1のインタフェースを規定し、第2のソケットが、第1のインタフェースとは異なる第2のインタフェースを規定する。
【0052】
一実施形態では、第1または第2のソケットのうちの一方が、フラッシュランプカートリッジの取付けタブ用の収容部を備えてよい。一実施形態では、第1または第2のインタフェースのうちの一方が、フラッシュランプカートリッジの取付けタブ用の収容部を備えてよい。取付けタブは、しっかりと、特に不動に、またはヒンジ式に、フラッシュランプカートリッジに取り付けられてよい。取付けタブは、フラッシュランプカートリッジの軸線方向延在に対して半径方向に延在するブラケット、ラグ、耳部、ストラップなどであってよい。タブは、選択的に軸線方向に筒形のカートリッジを手動操作者がしっかりと把持して、除染ユニットにカートリッジを挿入する、かつ/または除染ユニットからカートリッジを取り外すためのハンドルを提供することにより、カートリッジを取り扱いやすくすることができる。
【0053】
本発明による実施形態29では、除染ユニットは実施形態28により実現され、第1のソケットおよび第2のソケットのうちの一方のみが、冷媒供給ラインを備え、他方が、冷媒排出ラインを備えている。
【0054】
本発明による実施形態30では、除染ユニットは実施形態29により実現され、冷媒供給ラインおよび冷媒排出ラインは、気体冷媒で満たされる。好ましくは、特に除染のためにフラッシュランプカートリッジが有効に動作している間(すなわち、フラッシュランプの電極に電圧が供給されている間)、供給ラインおよび冷媒排出ラインには液体冷媒がない。
【0055】
本発明による実施形態31では、除染ユニットは実施形態28から30までのいずれか1つにより実現され、第1のソケットと第2のソケットとは、第1および第2のソケットに対するフラッシュランプの予め規定された配向および/または位置合わせを規定するための異なる取付け特徴部を備えている。
【0056】
本発明による実施形態32では、除染ユニットは実施形態28から31までのいずれか1つにより実現され、第1のソケットおよび第2のソケットのうちの一方のみが、トリガコネクタを備えている。
【0057】
本発明による実施形態33では、除染ユニットは実施形態20から32までのいずれか1つにより実現され、スロットは、フラッシュランプをしっかりと保持する。
【0058】
本発明による実施形態34では、除染ユニットは実施形態20から33までのいずれか1つにより実現され、除染ユニットは、第1のスロットおよび第2のスロットを備え、好ましくは、除染ユニットは正確に2つのスロットを備えている。
【0059】
本発明による実施形態35では、除染ユニットは実施形態34により実現され、第1のスロットと第2のスロットとは、殺菌チャンバの異なる内側表面を貫通している。
【0060】
本発明による実施形態36では、除染ユニットは実施形態35により実現され、第1のスロットと第2のスロットとは、殺菌チャンバの互いに対向する内側表面を貫通している。
【0061】
本発明による実施形態37では、除染ユニットは実施形態35または36により実現され、第1のスロットと第2のスロットとは位置合わせされている。特に、第1と第2のスロットとは同軸に位置合わせされている。
【0062】
本発明による実施形態38では、除染ユニットは実施形態33から37までのいずれか1つにより実現され、第1のスロットと第2のスロットとは、同じフラッシュランプ、特に同じ閃光管、特に実施形態1から19までのいずれか1つによる同じフラッシュランプカートリッジを収容する。
【0063】
本発明による実施形態39では、除染ユニットは実施形態20から38までのいずれか1つにより実現され、シースは、殺菌対象物を収容する殺菌チャンバの一区分からフラッシュランプを隔てる。特に、シースは、実施形態1から19までのいずれか1つによるフラッシュランプカートリッジのシースである。
【0064】
本発明による実施形態40では、除染ユニットは実施形態39により実現され、シースは、不透明な区分と透明な窓とを含む。
【0065】
本発明による実施形態41では、除染ユニットは実施形態20から40までのいずれか1つにより実現され、Oリングなどの封止部材が、フラッシュランプ、特に前記フラッシュランプのシース、好ましくは実施形態1から19までのいずれか1つによるカートリッジのシースと、ハウジングとの間に配置されて、殺菌チャンバを封止する。特に、殺菌チャンバと除染ユニットの周りの環境との間に気密な隔たりが形成されるように各スロットを封止するために、少なくとも1つの封止部材が除染ユニットに設けられる。管状シース本体と少なくとも1つのシースキャップとを含むフラッシュランプカートリッジを備える除染ユニットの実施形態では、殺菌チャンバから遠い方の封止部材の側にキャップが配置されるように、封止部材が配置されてよい。
【0066】
本発明による実施形態42では、除染ユニットは実施形態20から41までのいずれか1つにより実現され、開口が、平坦な対象領域を規定し、フラッシュランプ、特に閃光管および/または透明な窓、特にカートリッジの窓が、対象領域に対してオフセットされている。平坦な対象領域は、キャップ、蓋、プレート、底部、壁など、医薬品容器または食品容器の対象物の一区分または構成要素に対応してよい。平坦な対象領域は、食料品の対象物の表面に対応してよい。平坦な対象領域は、トンネルの断面積に対応してよい。平坦な対象領域は、平面と、前記平面に対する垂線方向とを規定する。平面は、対象物の範囲またはトンネルの範囲によって制限されてよい。フラッシュランプは、対象領域の範囲よりも長い距離にわたって、対象領域の中心軸線に対して半径方向にオフセットされていてよい。フラッシュランプは、垂線方向に対して、ある角度オフセットされていてよい。例えば、フラッシュランプは、対象領域に対して透明な窓の後ろに配置されてよく、窓は、フラッシュランプの中央の放射方向を規定してよい。中央の放射方向は、垂線方向に対して少なくとも10°、少なくとも30°の角度とすることができる。中央の放射方向は、垂線方向に対して多くとも80°、多くとも60°の角度とすることができる。
【0067】
本発明による実施形態43では、除染ユニットは実施形態42により実現され、フラッシュランプは、対象領域に対して半径方向にオフセットされている。
【0068】
本発明による実施形態44では、除染ユニットは実施形態42または43により実現され、対象領域は、垂線方向の、特に垂直な中央軸線を規定し、フラッシュランプは、対象領域に対して少なくとも10°、少なくとも30°および/または多くとも60°または多くとも80°、角度方向にオフセットされている。
【0069】
本発明による実施形態45では、除染ユニットは実施形態20から44までのいずれか1つにより実現され、殺菌チャンバは過大圧に保たれる。過大圧は、少なくとも1バール、少なくとも2バールまたは少なくとも3バールであってよい。特に、過大圧は約4バールであってよい。
【0070】
本発明による実施形態46では、除染ユニットは実施形態20から45までのいずれか1つにより実現され、フラッシュランプは、実施形態1から19までのいずれか1つによるカートリッジ内に収容された閃光管である。
【0071】
本発明による実施形態47では、除染ユニットは実施形態46により実現され、カートリッジを保持するためのポジティブ接続部をさらに備えている。特に、ソケットとカートリッジとは、ポジティブ接続を形成するように互いに対応している。
【0072】
本発明による実施形態48では、除染ユニットは実施形態47により実現され、スロットとカートリッジとは、ポジティブ接続を形成するように互いに対応している。
【0073】
本発明による実施形態49では、除染ユニットは実施形態20から48までのいずれか1つにより実現され、正確に1つのフラッシュランプを備えている。
【0074】
本発明による実施形態50では、除染ユニットは実施形態20から49までのいずれか1つにより実現され、殺菌チャンバは、少なくとも1つの反射性の内側表面を有する。特に、殺菌チャンバの2つ以上の内側表面が反射性である。特に、殺菌チャンバの全ての内側表面が反射性である。
【0075】
本発明による実施形態51では、除染ユニットは実施形態50により実現され、反射性の内側表面は、反射性のコーティングによって被覆される。反射性のコーティングは、金コーティング、アルミニウムコーティングなどであってよい。好ましくは、反射性のコーティングは、フラッシュランプによって放出された紫外放射の少なくとも99%を反射する。好ましくは、反射性のコーティングは、フラッシュランプによって放出された全ての放射の少なくとも90%または少なくとも99%を反射する。
【0076】
本発明による実施形態52では、除染ユニットは実施形態50または51により実現され、反射性の内側表面は、研磨された金属、特にアルミニウムまたはステンレス鋼の表面である。
【0077】
本発明による実施形態53では、除染ユニットは実施形態20から52までのいずれか1つにより実現され、フラッシュランプを動作させるための電力供給源が、除染ユニットから遠隔に配置される。
【0078】
本発明による実施形態54では、除染ユニットは実施形態20から53までのいずれか1つにより実現され、殺菌チャンバ内での紫外光照射を検出するためのセンサをさらに備えている。
【0079】
本発明による実施形態55では、除染ユニットは実施形態54により実現され、紫外光照射を測定するための手段をさらに備えている。
【0080】
本発明による実施形態56では、除染ユニットは実施形態54または55により実現され、紫外光照射が所定の照射量閾値を超えたことを特定するための特定手段をさらに備えている。特定手段は、紫外光照射が(上側の、第1の)所定の照射量閾値を超えた場合に、警告信号を発生させてよい。特定手段は、紫外光照射が(下側の、第2の)所定の照射量閾値を超えない場合に、警告信号を発生させてよい。
【0081】
本発明による実施形態57では、除染ユニットは実施形態20から56までのいずれか1つにより実現され、除染ユニットには、殺菌流体排出手段がない。
【0082】
本発明による実施形態58では、除染ユニットは実施形態20から57までのいずれか1つにより実現され、除染ユニットは、殺菌対象物を操作するための1つまたは複数の処理構成要素をさらに備えている。操作は、熱的操作および/または機械的操作を含んでよい。
【0083】
本発明の態様による実施形態59は、実施形態20から58までのいずれか1つの実施形態の複数の除染ユニットと、複数の除染ユニットを操作するコントローラとを備える除染アレイに関する。コントローラは、アナログコントローラ、デジタルコントローラ、またはこれらの組合せであってよい。コントローラは、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを備えてよい。コントローラは、DLCを備えてよい。
【0084】
本発明による実施形態60では、実施形態59の除染アレイは、除染ユニットを担持する支持構造体と、支持構造体に反復運動を行わせるアクチュエータとをさらに備えている。反復運動は、線形往復運動であってよい。反復運動は、水平方向の運動軸線または垂直方向の運動軸線とすることができる第1の運動軸線に沿った第1の往復運動を含んでよい。反復運動は、水平方向の運動軸線または垂直方向の運動軸線とすることができる第2の運動軸線に沿った第2の往復運動を含んでよい。
【0085】
本発明による実施形態61では、実施形態60の除染アレイは、支持構造体が回転ホイールである。
【0086】
本発明による実施形態62では、実施形態59から61までのいずれか1つの実施形態の除染アレイは、複数の除染ユニットを動作させるための単一の電力供給源をさらに備える。
【0087】
本発明による実施形態63では、実施形態59から62までのいずれか1つの実施形態の除染アレイは、コントローラが、1Hzよりも低い、1/2Hzよりも低い、好ましくは約1/3Hzの周波数で、除染ユニットの個々のフラッシュランプをトリガする。
【0088】
本発明による実施形態64では、実施形態59から63までのいずれか1つの実施形態の除染アレイは、コントローラが、個々のフラッシュランプを連鎖的に、かつ/または次々とトリガする。連鎖的にトリガすることは、フラッシュランプが異なる時点で、例えば次々と、例えば支持構造体の反復運動に対して時計回りまたは反時計回りにトリガされることを示してよい。次々とトリガすることは、複数の除染ユニットのフラッシュランプのうちの1つのみが任意の所与の時間にトリガされ、特にそれにより、複数の除染ユニットのうちの1つのみが、任意の所与の時間に閃光を放出することを示してよい。
【0089】
本発明による実施形態65では、実施形態59から64までのいずれか1つの実施形態の除染アレイは、コントローラが、反復運動に沿った個々の除染ユニットの所定のトリガ位置に基づき、個々のフラッシュランプをトリガする。例えば、それぞれの個々の除染ユニットは、支持構造体の反復運動に対して静止した特定のトリガ位置に到達すると、トリガされてよい。特に、それぞれの除染ユニットが、その反復運動経路に沿ったトリガ位置に到達した後、またはそれを通過した後に、コントローラは個々のフラッシュランプをトリガしてよい。ユニットが、回転ホイール状の支持構造体によって保持されている場合には、そのホイール状の支持構造体に対して静止した1つのトリガ位置が規定されて、それぞれの個々の除染ユニットが前記トリガ位置に到達したときまたはその後に、その除染ユニットをコントローラにトリガさせてよい。それぞれの除染ユニットは、少なくとも1つの紫外閃光ライト除染ステップを含む反復的な処理サイクルで動作してよい。それぞれの紫外閃光ライト除染ステップは、少なくとも1回のパルス状放出である放出を含んでよい。それぞれの紫外閃光ライト除染ステップは、多くとも4回または5回のパルス状放出である放出を含んでよい。特に、それぞれの紫外閃光ライト除染ステップは、正確に2回または正確に3回のパルス状放出である放出を含んでよい。
【0090】
本発明による実施形態66では、実施形態59から65までのいずれか1つの実施形態の除染アレイは、少なくとも10個、少なくとも20個および/または多くとも100個、多くとも50個、好ましくは20個~40個の除染ユニットを備えている。
【0091】
本発明による一実施形態67では、除染アレイは実施形態59から66までのいずれか1つにより実現され、それぞれの除染ユニットは、少なくとも1つの紫外閃光ライト除染ステップと、それぞれの除染ユニットの殺菌チャンバ内の対象物を操作するための少なくとも1つの処理機器を利用した更なる処理ステップとを含む反復処理サイクルで動作してよい。1サイクルに、少なくとも1秒かつ多くとも5秒、好ましくは少なくとも2.0秒かつ多くとも3.5秒を要してよい。少なくとも1回の紫外閃光ライト除染ステップに、0.01秒~0.5秒、特に0.05秒~0.3秒、好ましくは0.15秒~0.25秒を要してよい。更なる処理ステップは、対象物をトンネルを通して殺菌チャンバに導入するための対象物挿入ステップ、対象物をトンネルを通して殺菌チャンバから取り出すための対象物取出しステップ、機械的処理ステップ、および熱的処理ステップのうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0092】
フラッシュランプ
本明細書に記載の、本発明に関するフラッシュランプは、全体的に、短い光パルスまたは閃光を放出することができる光源のことを指す。フラッシュランプは、強い非干渉性の光の放出を、短い持続時間にわたって発生させる。閃光またはパルス状の光を放出する持続時間は、少なくとも0.1μs、少なくとも0.3μs、少なくとも0.5μs、または少なくとも0.6μsにわたり継続してよい。閃光またはパルス状の光を放出する持続時間は、10μs未満、5μs未満、2μs未満、または1.5μs未満にわたり継続してよく、選択的に1μs未満しかまたは0.8μs未満しか継続しなくてよい。
【0093】
フラッシュランプは、2つの電極、すなわち、陰極および陽極を備えている。さらに、フラッシュランプはトリガを備えている。陽極および陰極は、ガスで満たされた封止済みガラスエンベロープ(バルブ)内に収容される。ガラスエンベロープは、溶融石英、ホウケイ酸ガラス、または石英ガラスから製造されてよい。石英ガラスは、合成シリカガラスと呼ばれることもある。ガスは、アルゴン、キセノン、またはクリプトンを含む希ガスとすることができる。フラッシュランプはガスで満たされており、このガスは、トリガされるとイオン化し、高電圧パルスを伝えて、光を発生させる。ガスがイオン化されるまでフラッシュランプが陽極から陰極へ電気を通さないように、フラッシュランプ内のガスは、極端に高い電気抵抗を呈してよい。トリガされると、ガスがイオン化され、電極間でスパークまたはアークが形成されて、電圧源、特にコンデンサが放電できるようになる。トリガは、フラッシュランプ内のガスのイオン化を誘発する。トリガは、フラッシュランプのアークを安定化させかつ/またはそれを促進するための、アンテナ状のプローブとすることができる。
【0094】
閃光管
本明細書に記載の本発明による閃光管は、全体的に筒形で縦長の設計を有する特定のタイプのフラッシュランプである。閃光管は、全体的に直線状であってよい。閃光管は、軸線方向の延在長さを規定してよい。閃光管は、両端に電極(コンデンサ)を有する所定の長さのガラス管から製造されてよい。閃光管のガラスエンベロープは、好ましくは中空円筒の形状を有してよい。閃光管の電極、すなわち、陽極および陰極は、閃光管の互いに反対側の端部に配置される。電極は、閃光管の軸線方向の互いに反対側の端部に配置されてよい。電極は、管のそれぞれの端部内に突出している。電極は、閃光管のガラスエンベロープ(バルブ)に封止される。閃光管の軸線方向長さに沿った断続的な空間により、陽極が陰極から軸線方向に離間している。この断続的な空間にアークが形成される。フラッシュランプの電極は、コンデンサなどの電圧源に接続されてよく、この電圧源は、比較的高い電圧(250~5000Vまたはそれ以上)で充電されてよい。好ましくは、電極は、700V~1100V、より好ましくは750V~950V、特に800V~900Vの高い電圧で充電されてよい。
【0095】
紫外(UV)光
本発明によるフラッシュランプ、特に閃光管は、紫外光を放出する。DIN5031-7によれば、紫外(UV)放射は、10nm~380nmの波長のことを指す。UV-A放射は、波長域315~380nmの紫外光のことを指してよい。UV-B放射は、280~315nmの波長域のことを指してよい。UV-C放射は、100~280nmの波長域のことを指してよい。EUV放射は、10nm~121nmの波長域のことを指してよい。本発明によれば、200nm~300nmの波長域が好ましいことがある。
【0096】
本発明によるフラッシュランプ、特に閃光管は、放射の少なくとも一部、好ましくはほとんどが(ほとんどとは50%以上を意味する)10nm~1110nmの波長を有する放射を放出する。本発明によるフラッシュランプによって放出される放射の少なくとも一部は、10nm~380nmの紫外域の波長を有する。好ましくは、本発明によるフラッシュランプによって放出される光のほとんど(少なくとも50%)は、波長域10nm~380nmの波長を有する。
【0097】
カートリッジ
本発明によるカートリッジは、フラッシュランプを取り囲む容器のことを指す。カートリッジ内に、フラッシュランプがそのガラスエンベロープも含めて完全に収容される。カートリッジは、好ましくは閃光管とすることができるフラッシュランプを包囲するシースを備えている。カートリッジは、好ましくは閃光管とすることができるフラッシュランプを包囲するシースから構成されていてよい。例えば、カートリッジは、フラッシュランプのガラスエンベロープを取り囲むシースとして、キャップ付きの管を備えてよい。カートリッジは、シースが取り外されたときにフラッシュランプが動作不能になるように設計されてよい。カートリッジは、フラッシュランプとシースが互いに対して可逆的に取り付けられるように設計されてよい。カートリッジは、フラッシュランプとシースとが互いに対して不可逆的に取り付けられるように(すなわち、フラッシュランプからのシースの取外しが、破壊的手段によってしか実行できないように)設計可能である。好ましくは、カートリッジは、カートリッジの周りの少なくとも2バール、少なくとも3バール、または少なくとも4バールの過圧雰囲気に耐えるように設計される。
【0098】
シース
シースは、フラッシュランプのガラスエンベロープとは異なる1つまたは複数の材料を含んでよい。カートリッジは、フラッシュランプ、特に閃光管と、フラッシュランプを包囲するシースとから成るユニットを形成する。シースは、好ましくは中実のバリアであってよい。シースは、フラッシュランプ、特に閃光管のガラスエンベロープから隔てられ、かつ/またはそれとは異なることが明らかである。シースは、機械的に硬い1つまたは複数の材料から製造されてよい。シース材料は、滅菌可能な材料であってよい。好適なシース材料は、ステンレス鋼、アルミニウム、PEEK、セラミック、およびガラスなどの材料を含む。シースは、例えば溶融シリカガラス、ホウケイ酸ガラス、または石英ガラスを含むか、それらから成ると考えられる。
【0099】
シースは、電気、機械力、化学的汚染、生物学的汚染、および化学分解のうちの少なくとも1つを含む環境的な影響から、フラッシュランプを遮断してよい。シースは、それに収容されたフラッシュランプ、特に閃光管に、環境が制御されずに直接接触すること、特にほこり、空気、水、電流、および機械力のうちの少なくとも1つとの接触を含む接触を防止してよい。
【0100】
シースは、不透明な材料から製造されてよく、透明な窓を備えてよい。本発明の文脈において、「不透明」および「透明」という用語は、紫外域の光を透過できるかできないかに関する。
【0101】
滅菌可能な材料
滅菌可能な材料は、紫外光除染および除染流体を使用した化学的除染を含む除染手段に、繰り返し、好ましくは許容不能な劣化なしに供することができる材料を含む。滅菌可能な材料は、特に、微生物をそこから効率的に除去可能な材料である。滅菌可能な材料は、ステンレス鋼、アルミニウム、PEEK、セラミック、ガラスなどの材料を含む。滅菌可能な材料は、電気研磨された金属材料、特に電気研磨されたステンレス鋼またはアルミニウムであってよい。
【0102】
ポート
本発明によれば、カートリッジはポートを備えて、シースの形態のカートリッジのバリアを貫通してフラッシュランプへの供給を可能にするための制御された出入り口を提供する。1つまたは複数のポートは、媒体をシースに入れるかつ/またはシースから出すための唯一の手段であってよい。媒体は、これまでに使用されているような、電気設備に供給するための電圧、ガスをイオン化するためのトリガ用の電気またはスパーカを動作させるための電気を含んでよい。媒体は、流体冷媒および/または気体冷媒を含む冷媒を含んでよい。流体冷媒は、水、特に脱イオン水であってよい。気体冷媒は、窒素または周囲空気であってよい。好ましい実施形態では、フラッシュランプカートリッジおよび除染ユニットのうちの少なくとも1つには、流体冷媒が完全にない。
【0103】
媒体コネクタ
媒体コネクタは、凸部または穴を含んでよい。媒体コネクタは、選択的に封止部などによって取り囲まれたピン、プラグ、および穴であってよい。媒体コネクタは、電極、トリガなどに接続されてよい。フラッシュランプ、特にフラッシュランプカートリッジの媒体コネクタは、フラッシュランプ、特に閃光管の構成要素と一体形成されてよい。例えば、フラッシュランプの電極は、フラッシュランプから出てシースを通って延在して媒体コネクタとして作用する部分を備えてよい。媒体コネクタは、接地コネクタなどの電気接続、例えば基準接地接続または安全接地接続であってよい。接地コネクタは、カートリッジの導電部分、例えばシースのステンレス鋼の管状体を、接地線に接続して、前記導電部分を基準接地および/または安全接地にするために設けられてよい。
【0104】
ハウジング
除染ユニットは、フラッシュランプと、殺菌チャンバを取り囲むハウジングとを備えている。ハウジングは、除染ユニットの周りの環境を、フラッシュランプの紫外光放出から遮断してよい。ハウジングは、殺菌チャンバおよびフラッシュランプを取り囲む。フラッシュランプが、フラッシュランプカートリッジの一部分である場合には、ハウジングはフラッシュランプカートリッジを取り囲んでよい。ハウジングは、全体的に立方形状のものであってよい。ハウジングは、異なる形状のものであってよい。ハウジングは、少なくとも1つのチャンバを含み、このチャンバは、ハウジングの1つまたは複数の壁区分によって取り囲まれている。例えば、ハウジングが全体的に立方形状のものである場合には、ハウジング内のチャンバは、ハウジングの6つの壁区分によって範囲が限定されてよい。ハウジングおよびチャンバの全体的な幾何学的構成は、効率的な製造、組立て、およびチャンバ内の殺菌を目的として、幾何学的な特性により広い範囲の異なる選択肢が提供されるように、選択されることが明らかになる。
【0105】
ハウジングは、殺菌対象物を殺菌チャンバに挿入し、かつ/または殺菌対象物を殺菌チャンバから取り出すために、ハウジングの1つの壁区分を通る少なくとも1つの開口を有する。開口はトンネルと呼ばれてよい。トンネルの断面積は、殺菌チャンバの断面と同じか、それより小さくてよい。ハウジングは、正確に1つのトンネルを有してよい。ハウジング、特にその開口には、対象物用の案内管または他の案内部が全くなくてよい。
【0106】
ハウジングは、殺菌チャンバ内の殺菌対象物を環境的な影響から遮断してよい。環境的な影響は、機械的影響、生物学的汚染、化学的汚染などを含んでよく、殺菌対象物は殺菌チャンバ内に配置される。殺菌チャンバが常に過大圧に保たれるように、殺菌ユニットに、加圧された清浄空気が供給されてよい。過大圧は、処理ユニットの環境における周囲空気圧よりも高い。過大圧は2バールを超えてよい。過大圧は3バールを超えてよい。過大圧は4バールを超えてよい。好ましくは、過大圧は、10バールよりも低いか5バールよりも低い。この過大圧により、清浄空気源から、殺菌チャンバおよびそのいずれかの孔(開口またはトンネルを含む)を通って、除染ユニットの周りの環境に至る一定の空気流が生じてよい。殺菌チャンバを清浄空気で満たすことにより、殺菌チャンバ内の殺菌対象物が汚染空気によって汚染されることを防止することができる。
【0107】
ハウジングは、殺菌チャンバ内で対象物を操作するための対象物操作機器を含め、更なる対象物処理機器を保持してよい。対象物操作機器は、熱的操作機器を含んでよい。熱的操作機器は、殺菌対象物を熱的に操作してよく、例えば殺菌対象物を加熱または冷却してよい。対象物操作機器は、機械的操作機器を含んでよい。機械的操作機器は、殺菌対象物に対して機械的に作用するように設計されてよい。機械的操作機器は、線形運動および回転運動を含め、殺菌対象物を運動させてよい。機械的操作機器は、殺菌対象物を機械的に処理してよい。機械的な処理は、殺菌対象物に物質を加えること、または殺菌対象物から物質を取り除くことを含んでよい。本明細書に記載の機械的操作機器または熱的操作機器は、殺菌チャンバ内で殺菌対象物に影響を及ぼすことが明らかである。
【0108】
ハウジングは、ハウジングの外側表面に形成され、ハウジングの壁区分を通って殺菌チャンバ内まで延在する1つまたは複数のスロットを有してよい。
【0109】
「外側表面」という用語は、全体的に、除染ユニットの周りの環境に面するハウジングの表面のことを指す。「内側表面」という用語は、全体的に、除染ユニットの殺菌チャンバに面するハウジングの表面のことを指す。殺菌チャンバは、ハウジングの1つまたは複数の内側表面によって範囲が限定されている。
【0110】
スロット
1つまたは複数のスロットは、フラッシュランプ、特にフラッシュランプカートリッジを収容するように設計される。上述した実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、ハウジングは、殺菌チャンバの中まで延在している正確に1つまたは正確に2つのスロットを備え、この殺菌チャンバ内に、上述したトンネルがつながっている。
【0111】
少なくとも1つのスロットとフラッシュランプカートリッジが互いに対応していることが、好ましいことがある。カートリッジと少なくとも1つのスロットは、カートリッジが所定の配向および/または位置合わせでしかスロットに挿入できないという点で、互いに対応していてよい。カートリッジと少なくとも1つのスロットは、カートリッジが収容部内に収容されたときに、スロットを気密封止するように互いに対応していてよい。カートリッジと少なくとも1つのスロットは、合わさってポジティブ接続を形成するという点で、互いに対応していてよい。カートリッジとスロットは、少なくとも1つのスロットに収容されたカートリッジが、少なくとも1つの方向に、好ましくは半径方向または回転方向に運動できないように、互いに対応していてよい。カートリッジとスロットは、少なくとも1つのスロットに収容されたカートリッジが、特に1方向のみの所定の運動、例えば軸線方向への所定の運動しかできないように、互いに対応していてよい。
【0112】
インタフェース
インタフェースは、フラッシュランプ、特にフラッシュランプカートリッジを取り付けるためのソケットの機械的接続部を含んでよい。フラッシュランプ、特にフラッシュランプカートリッジ、および/またはインタフェースは、少なくとも1つの取付け特徴部、例えば凸部または凹部を備えてよい。フラッシュランプ、特にフラッシュランプカートリッジおよび/またはインタフェースは、協働する取付け特徴部を備えてよい。取付け特徴部は、合わせ部を備えてよい。取付け特徴部は、インタフェースまたはシースと一体形成された突出部を備えてよい。
【0113】
代替的または追加的に、インタフェースは、フラッシュランプ、特にフラッシュランプカートリッジに供給するためのソケットの1つまたは複数の媒体コネクタを備えてよい。ソケットは、フラッシュランプカートリッジのポートの1つまたは複数の媒体コネクタに対応した1つまたは複数の媒体コネクタを有してよい。
【0114】
ソケットのインタフェースは、フラッシュランプカートリッジのポートに対応するように設計されてよい。除染ユニットは、フラッシュランプカートリッジの第1のポートだけに対応した第1のインタフェースを備えてよい。さらに、除染ユニットは、前記フラッシュランプカートリッジの第2のポートだけに対応した第2のインタフェースを備えてよい。インタフェースとポートは、ピンとプラグのように互いに対応してよい。フラッシュランプカートリッジは、少なくとも1つのポートを対応する少なくとも1つのインタフェースに取り付けることにより、動作可能にされてよい。
【0115】
以下の概略図は、幾つかの例示的な図に関連して本発明の理解を深めるために、本発明の態様を示す。更なる実施形態、特徴、および技術的態様は、特許請求の範囲に記載される。本発明の好ましい実施形態の更なる詳細事項は、添付図面に示される。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【
図1】本発明によるフラッシュランプカートリッジの図である。
【
図2】2つのソケット間に配置された
図1に示すフラッシュランプカートリッジの斜視図である。
【
図3】2つのソケット間の本発明によるフラッシュランプカートリッジの別の実施形態の分解図である。
【
図4A】本発明による殺菌ユニットの正面図である。
【
図5A】
図4AのA-A線に沿った除染ユニットの第1の断面図である。
【
図5B】C-C線に沿った
図4Bの除染ユニットのハウジングを通る第2の概略断面図である。
【
図6】2つのソケット間の本発明によるフラッシュランプカートリッジの更なる実施形態の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0117】
本発明による好ましい実施形態の以下の説明では、同様または同一の構成要素は、同様または同一の参照符号で示される。
【0118】
本発明によるフラッシュランプカートリッジは、全体的に参照符号1で示される。本発明による除染ユニットは、全体的に参照符号100で示される。本発明によるフラッシュランプカートリッジ1の主な構成要素は、紫外光をパルス状に放出するための閃光管10および前記閃光管10を包囲するシース20である。
【0119】
シース20は、軸線方向Aと、前記軸線方向Aに対して半径方向の半径方向Rとを規定する全体的に筒形の断面積の管状体23を備えてよい。軸線方向Aにおいて、シース20の管状体23の互いに反対側の端部が、それぞれのキャップ24,25によって閉鎖されてよい。したがって、閃光管10は、その軸線方向長さ全体に沿って管状体23により半径方向Rに全体的に取り囲まれ、互いに反対側の両端では、その断面積に沿ってそれぞれキャップ24,25により軸線方向に取り囲まれることが可能である。シース20は、その中に収容された閃光管10と、液体、気体および電気を含む環境媒体との間の制御されない接触を防止する。
【0120】
閃光管にその動作に必要な電気を供給するために、本発明によるフラッシュランプカートリッジ1には、媒体用の1つまたは複数の出入り口を有する1つまたは複数のポート40,50が提供されてよい。図に示してある例示的な実施形態によれば、カートリッジ1は、キャップ24および25によって実現される正確に2つのポート40および50を備えている。それぞれのキャップ24,25には、複数の媒体コネクタ41,42,43,44,51,52,54が設けられる。媒体コネクタは、閃光管10内の電極、すなわち、陰極aおよび陽極5に数百ボルトの動作電圧を供給するための41,51用の電極コネクタを備えている。
【0121】
この例では、右側のキャップ24は、トリガワイヤ3をつなげるトリガコネクタ43をさらに備えている。トリガワイヤ3は、約0.25mmの半径を有してよい。この例では、管状シース本体23はステンレス鋼から構成されていてよい。管状体23が導電可能であるこのような実施形態では、石英ガラスなどの絶縁体から成る毛管13内にトリガワイヤ3を収容することが好ましい場合がある。このような毛管13は、内径0.35mmを有してよい。
【0122】
管状体23とキャップ24,25との両方を含むシース20は、少なくとも5mm、特に少なくとも10mm、好ましくは少なくとも15mmおよび/または多くとも100mm、特に多くとも50mm、好ましくは多くとも20mmの直径を有してよい。この例では、直径は約17mmであってよい。シース20の軸線方向の長さは、少なくとも50mm、特に少なくとも75mmおよび/または多くとも150mm、特に多くとも100mmであってよい。例えば、長さは、約86mmであってよい。電極コネクタ41,50の直径は、2mmより大きくてよく、特に3mmより大きくてよく、かつ/または12mmより小さくてよく、特に8mmより小さくてよい。
【0123】
閃光管10は、ガラス材料、特に石英ガラス材料のエンベロープ7を備えている。石英ガラスは、特に波長域200nm~300nmの紫外放射に対して、特に透過性がある。ガラスエンベロープ17は、閃光管10の陽極4および陰極5を取り囲むように封止接続される。閃光管10の内部16は、希ガス、好ましくはキセノンで満たされる。
【0124】
閃光管10、好ましくはそのガラスエンベロープ17は、閃光管を取り囲む冷媒チャンバ26によってシースの管状体23から分離されてよい。冷媒チャンバ26は、ガラスエンベロープ17と管状ハウジング23との間で半径方向に延在する。軸線方向8において、冷媒チャンバ26は、右側のキャップ24から左側のキャップ25まで延在する。各キャップ24,25は、それぞれの媒体コネクタのうちの1つとして、冷媒コネクタ44,54を備え、そのうちの一方は冷媒の入口として機能し、他方は出口として機能する。冷媒は、冷媒ガス、特に窒素または周囲空気であることが好ましい場合がある。
【0125】
管状体23は、それぞれのキャップ24,25の係合部分を収容するための環状溝を軸線方向の両端に有してよい。キャップ24,25は、PEEKから構成されていてよい。キャップ24,25は、管状体23の環状溝などの凹部に係合してキャップ24,25を管状体23に取り付けるための1つまたは複数のクリップ部分を備えてよい。
【0126】
管状体23と、右側、すなわち、第1のキャップ24および左側、すなわち、第2のキャップ25とは、紫外放射に対して不透明である。カートリッジ1は、カートリッジ1に包囲された閃光管10によって放出された光が進出することができるように、紫外放射に対して透明な窓27を備えている。窓27は、閃光管10の陰極4から陽極5まで軸線方向Aに延在してよい。窓27は、シース20内の閃光管10を、例えば殺菌チャンバ110を含むカートリッジの周囲から分離するシース10の一部分を形成する。シース20の軸線方向端部と窓27との間に、Oリング28などの封止部材が配置されてよく、それにより、カートリッジ1が、収容部、例えば除染ユニットのハウジング120のスロット114,115に嵌め込まれたときに、この封止部材が、除染ユニット100の周りの環境と、その中の殺菌チャンバ110とを分離する。
図3に示してある実施態様とは対照的に、
図1のカートリッジは封止部材を備えていない。カートリッジに封止部材を提供する代わりに、封止部材をなしで済ますか、ハウジング120に取り付けることが可能である。
【0127】
図5Bで最もはっきり判るように、電極4,5、それらのコネクタ41,51、閃光管10、シース20は、全て共通の軸線Aを中心として同軸に位置合わせされてよい。カートリッジ1は、1つまたは複数の取付け特徴部を備えてよい。例えば、カートリッジ1は、
図3に示してあるように、半径方向に突出した取付け特徴部31,32を備えてよい。取付け特徴部31は、シース20の第1のキャップ24と一体形成される。この例の第2のキャップ25には、第1のキャップ24の取付け特徴部31などの、半径方向に延在する取付け特徴部がない。これにより、カートリッジ1が誤った形式で収容部に挿入されることが防止される。取付け特徴部32などの、半径方向に延在する取付け特徴部が、管状体23の外側にも設けられてよい。
図1のカートリッジ1には、管状体23の外側に取付け特徴部がないという点で、
図1および
図3に示してあるカートリッジは異なっている。
【0128】
カートリッジのポート40,50は、接地コネクタ42,52として機能する媒体コネクタを備えてよい。電極コネクタ41と接地ピン42との間のスパークを回避するために、第1の接地コネクタ42と第1の電極コネクタ41との間に、軸線方向aに突出した絶縁体が配置されてよい。第2の絶縁体57は、第2の電極コネクタ51と第2の接地ピン52との間のスパークを回避するための、第2のポート50の一部分であってよい。第1の接地ピン42および/または第2の接地ピン52は、カートリッジのための、特に、例えば金属製管状部材23を含むそのいずれかの導電部材のための接地接続を確立するために提供されてよい。キャップ24,25は、好ましくは絶縁体から製造されてよい。
【0129】
例えば
図1および
図2に示してあるように、第1のポート40は、第2のポート50と異なっている。第1のポート40の媒体コネクタは、第2のポート50の媒体コネクタに対して鏡像対称に配置される。さらに、第1のポート40はトリガコネクタ44を備え、第2のポートはそれを備えていないという点で、第1のポート40は第2のポート50と異なっていてよい。追加的または代替的に、キャップ24,25には、1つまたは複数の異なる取付け特徴部が設けられてよい。ここでは、第1のキャップ24が、半径方向に延在する突出部を備え、半径方向の取付け特徴部31を形成する。第2のキャップ25は、半径方向に延在する取付け特徴部を備えていない。第1および第2のキャップ24および25は両方とも、軸線方向に延在する取付け特徴部34または35をそれぞれ備えてよく、これらの取付け特徴部34または35は、ポートの媒体コネクタと同様に鏡像対称に配置される。キャップ24,25において媒体コネクタおよび/または取付け特徴部の配置が異なることにより、カートリッジ1を収容部に適正にしか取り付けられないことが保証される。
【0130】
図4Aおよび
図4Bは、本発明による除染ユニットを外側から示し、
図5Aおよび
図5Bは、その断面図を示す。除染ユニット100は、閃光管10を備えるフラッシュランプカートリッジ1として実現されたフラッシュランプを備えてよい。本発明による除染ユニット100は、異なる閃光管を備えてよい。
【0131】
本発明によれば、除染ユニット100およびフラッシュランプは、除染ユニット100を分解することなく、このユニットのハウジング120の中にフラッシュランプを挿入して動作させることができるように設計される。この目的のために、ハウジング120の外側表面122または123に、少なくとも1つのスロット114,115が設けられる。フラッシュランプは、スロット114,115を介して外側からハウジング内に挿入される。フラッシュランプを収容するスロット114,115を閉鎖するために、ソケット124,125または異なるカバーが提供されてよい。フラッシュランプを1つまたは複数の媒体コネクタに動作可能に接続するための1つまたは複数のインタフェース140,150が、除染ユニット100に設けられてよい。インタフェースは、ハウジングに対して取外し可能に取付け可能なソケット124または125の一部として実現されてよい。代替的に、少なくとも1つのインタフェースは、ハウジングの一部として、特にハウジングに対して不動に取り付けられた一部分またはハウジングの構成要素、例えば壁区分と一体形成された一部分として実現されてよい(詳細には図示していない)。
【0132】
閃光管または他のフラッシュランプは、ソケットに直接取り付けられてよい。例えば、本発明による除染ユニットは、カートリッジのないフラッシュライトを含んでよい。本発明による除染ユニットは、シースの有無を問わずフラッシュランプを備えてよい。本発明による除染ユニットは、その一方の端部だけに全ての媒体コネクタを有してよい。軸線方向で互いに反対側の端部に媒体コネクタを有するフラッシュランプを使用することが好ましい場合がある。なぜなら、このフラッシュランプは、狭い空間的制約に特に好適であることが証明されているからである。
【0133】
除染ユニット100は、ハウジング120を備えている。
図4A~
図4Cおよび
図5A~
図5Cに示してある好ましい例のハウジング120は、互いに反対側の外側表面122,123を有するハウジング120を有しており、それぞれの外側表面122,123にそれぞれのソケット124,125が取り付けられている。図に示してあるように、ソケット124,125は、例えばねじを使用して、解離可能にハウジング120に取り付けられてよい。
【0134】
ハウジング120は、その中に殺菌チャンバ110を取り囲んでいる。殺菌対象物は、トンネルまたは他の開口121を通って殺菌チャンバ110に出入り可能である。この例では、トンネル121は円形断面を有する。トンネル121は異なる形状を有してよい。開口121は、少なくとも5mm、特に少なくとも10mmおよび/または多くとも100mm、特に多くとも40mmの幅、特に直径yを有してよい。
【0135】
フラッシュランプ、特に閃光管10の軸線Aは、開口121によって規定された対象領域の中心に対して垂直方向にかつ/または半径方向に離間していてよい。対象領域によって規定された垂線Nに対して垂直方向のかつ/または半径方向の、開口121の中心との間の距離xは、少なくとも5mm、特に少なくとも10mmおよび/または多くとも50mm、特に多くとも30mmとすることができる。代替的に、フラッシュランプ、特に閃光管の軸線Aと、対象領域の中心を通る垂線Nとの間に、少なくとも0°、少なくとも10°、少なくとも30°および/または多くとも90°、特に多くとも80°の角度オフセットがあってよい。
【0136】
除染ユニット100は、殺菌チャンバ110内で紫外放射を検出するための放射センサ102を含んでよい。センサ102は、紫外放射を測定するための手段および/または放射の大きさを所定の上側閾値および/または下側閾値と比較するための手段を含め、殺菌チャンバ内での放射の大きさを特定するための手段を含んでよい。
【0137】
除染ユニットのハウジング120とフラッシュランプ、特にフラッシュランプカートリッジ1は、除染ユニットが1つまたは複数のフラッシュランプのための1つまたは複数の収容部を含むことができるように、互いに対応して形成されてよい。収容部は、例えば外側表面122または123から内側表面112および/または113まで延在して殺菌チャンバ110の収容部を締め付ける1つまたは複数のスロット114,115として実現されてよい。特に、収容部の少なくとも一部分に沿って、特に収容部の全体に沿って、ハウジング120とフラッシュランプ、特にフラッシュランプカートリッジとの間でポジティブ接続部が形成されるように、1つまたは複数のスロット114,115は、閃光管、特にフラッシュランプカートリッジに対応するように設計されてよい。
【0138】
第1のスロット114は、フラッシュランプ、特にフラッシュランプカートリッジ1の対応する取付け特徴部、特にカートリッジ1の半径方向の突出部31などに係合させるための1つまたは複数の取付け特徴部を備えてよい。スロット114,115または他の収容部は、フラッシュランプ、特にフラッシュランプカートリッジ1の寸法に対応した断面幅、例えば所定の直径の円形断面を有してよい。フラッシュランプ、特にフラッシュランプカートリッジ1の取付け特徴部は、フラッシュランプが対象領域に照射できるように、ハウジング120および対象領域に対するフラッシュランプの配向を決定してよい。この目的のために、1つまたは複数の取付け特徴部は、フラッシュランプによって放出された紫外放射が殺菌対象領域に向かうように、カートリッジ1の窓27の配向を規定してよい。殺菌チャンバ110の軸線方向Aの範囲は、窓27の軸線方向範囲より長いか、それに等しくてよい。除染ユニット120は、殺菌チャンバ110内の対象物を操作するための、機械的および/または熱的な操作ツール105を備えてよい。
【0139】
カートリッジ1内に閃光管10として一体化されていてよいフラッシュランプを、除染ユニット100のハウジング120にしっかりと取り付けるために、1つまたは複数のソケット124,125に、それぞれのインタフェース140,150が設けられてよい。インタフェース140,150は、カートリッジ1の正確に1つの、または少なくとも1つのポート40もしくは50に対応してよい。ソケット124,125は、フラッシュランプカートリッジ1の1つまたは複数の対応する取付け特徴部34,35と協働するための、1つまたは複数の取付け特徴部134,135を含んでよい。ソケット124,125のインタフェース140,150は、フラッシュランプカートリッジ1の媒体コネクタに、形状および機能において対応している媒体コネクタ141,142,143,144,151,152,154を含んでよい。
【0140】
図6は、部分的に示してある除染ユニット100内の更なるフラッシュランプカートリッジ1の概略図を示す。
図3と同様に、この概略図は、ハウジング120を明示的に示しておらず、ハウジングの特徴は、
図4A~
図5Bから推測することができる。
図6のフラッシュランプカートリッジ1と、
図6に示す実施形態のソケット124,125とは、前に記載したものと実質的に同一である。
【0141】
図6のフラッシュランプカートリッジ1は、実質的に、軸線方向に突出した環状の取付け特徴部631,632、取付けタブ627のみにおいて、上述したフラッシュランプカートリッジと異なる。
図6の実施形態のソケット124,125は、取付け特徴部631,632および取付けタブ627に応じて適合される。さらに、ソケット125のうちの1つは、フラッシュランプカートリッジ1が除染ユニット100に挿入されたときに、その取付けタブ627を収容するための収容部729を含む。
【0142】
さらに、前記ソケット124は、ツール不要の手動操作のための大きい星形のねじ頭を有する取付けねじ727を備えている。フラッシュランプカートリッジ1、およびカートリッジ1を収容するためのハウジング120のスロット115に素早く到達できるように、ソケット125は、いかなるツールも使うことなく、組立てねじ727を使用して、ハウジング(さらに詳細には図示せず)から容易に分離可能である。図示の組立てねじ727の代わりに、別のツール不要の手動操作可能な固定装置、例えば特にばね付勢されたバヨネットラッチ、または急速スキュアなどを代替的に使用することができる。
【0143】
フラッシュランプカートリッジ1は、それぞれのソケット124,125のうちの一方の相補的な形状の凹部に係合させるための、軸線方向に突出した環状の取付け特徴部631,632を、そのそれぞれの各キャップ24,25に有する。環状に突出した取付け特徴部632は、カートリッジの媒体コネクタ、例えば電極コネクタ51よりも長く軸線方向Aに延在する。電極コネクタ51を含む媒体コネクタは、環状に突出したスリーブ状の取付け特徴部632(または631)によって保護される。環状に突出した取付け特徴部631,632は、カートリッジ1のそれぞれのキャップ24または25にある全ての媒体コネクタを半径方向に取り囲む。
【0144】
第1のキャップ24は、ソケット124のそれぞれの相補的な形状の半径方向の凹部と接続するための、半径方向内向きに突出した取付け特徴部(さらに詳細には図示せず)を含む。キャップ25には、第2のソケット125(図示せず)の相補的な形状の凹部に挿入するための、半径方向外向きに突出した取付け特徴部32が設けられる。
【0145】
除染アセンブリ100内でカートリッジ1の組立ておよび分解を容易にするために、カートリッジ1には取付けタブ627が設けてあり、この取付けタブ627は、カートリッジ1から突出して外向きに延在するブラケットを形成し、このブラケットを、手動操作者は容易に把持して、フラッシュランプカートリッジ1を取り付けるかまたは取り外すための軸線方向Aの押込み力または引抜き力を加えることができる。取付けブラケット627は、フラッシュランプカートリッジ1に不動に取付け可能であるか、またはヒンジ接続629を介して取付け可能である。カートリッジ1が除染ユニット100に取り付けられるとき、ヒンジ接続629は、取付けタブ627を半径方向に延在する位置に向けて、ソケット125の収容部729内に配置できるようにする。取付けタブ627は、ヒンジ接続629を介して、キャップ25から軸線方向Aに延在するように動かされることが可能であり、それにより、手動操作者はカートリッジ1を収容部115に容易に押し込むことができ、かつ/またはカートリッジ1を収容部115から軸線方向Aに引き抜くことができる。
【0146】
特許請求の範囲、明細書および図面に開示した特徴は、個別でも、互いに任意に組み合わせても、請求する本発明の種々異なる実施形態にとって不可欠である。
【0147】
附属書
別段の記載のない限り、試験は周囲温度23℃、周囲空気圧100kPa(0.986atm)、および相対湿度50%で実施されたと考えられてよい。
【0148】
以下の試験は、本発明による閃光ライトを使用した除染処理の有効性を確立するために実施された。全ての試験は、クロコウジカビ(aspergillus brasiliensis)および枯草菌(bacillus atrophaeus)について、対数減少3を超えた。
【0149】
【0150】