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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】パスロスを決定する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/24 20090101AFI20231120BHJP
   H04W 4/70 20180101ALI20231120BHJP
   H04W 52/38 20090101ALI20231120BHJP
【FI】
H04W52/24
H04W4/70
H04W52/38
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022068789
(22)【出願日】2022-04-19
(62)【分割の表示】P 2020532008の分割
【原出願日】2017-12-28
(65)【公開番号】P2022095940
(43)【公開日】2022-06-28
【審査請求日】2022-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】趙 群
(72)【発明者】
【氏名】洪 偉
【審査官】石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】ZTE,Clarification on nrs-Power related description[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #86bis R1-1609827,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_86b/Docs/R1-1609827.zip>,2016年10月01日
【文献】Samsung,On UL Power Control[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting NR#3 R1-1716040,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1709/Docs/R1-1716040.zip>,2017年09月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パスロスを決定する方法であって、
ユーザ機器に適用され、前記ユーザ機器は狭帯域モノのインターネット機器に属し、前記方法は、
ダウンリンク狭帯域基準信号(NRS)の送信パワーを決定することと、
狭帯域基準信号受信パワー(NRSRP)の測定値を決定することと、
基地局によって送信されたプリセットの上位層フィルタパラメータが受信されない場合、前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーと前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値との間の差に従って、前記基地局と前記ユーザ機器との間のパスロスを決定することであって、前記パスロスの計算式は、PLc=nrs-Power+nrs-PowerOffsetNonAnchor-NRSRPであり、ここで、PLcはパスロスを示し、nrs-Powerはダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーを示し、nrs-PowerOffsetNonAnchorは狭帯域基準信号非アンカーパワーオフセットを示し、NRSRPは、狭帯域基準信号の受信パワーを示すこととを含むことを特徴とする、
パスロスを決定する方法。
【請求項2】
パスロスを決定する装置であって、
ユーザ機器に配置され、前記ユーザ機器は狭帯域モノのインターネット機器に属し、前記装置は、ダウンリンク狭帯域基準信号(NRS)の送信パワーを決定するように構成される第1の決定モジュールと、
狭帯域基準信号受信パワー(NRSRP)の測定値を決定するように構成される第2の決定モジュールと、
基地局によって送信されたプリセットの上位層フィルタパラメータが受信されない場合、前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーと前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値との間の差に従って、前記基地局と前記ユーザ機器との間のパスロスを決定するように構成されるパスロス推定モジュールであって、前記パスロスの計算式は、PLc=nrs-Power+nrs-PowerOffsetNonAnchor-NRSRPであり、ここで、PLcはパスロスを示し、nrs-Powerはダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーを示し、nrs-PowerOffsetNonAnchorは狭帯域基準信号非アンカーパワーオフセットを示し、NRSRPは、狭帯域基準信号の受信パワーを示すパスロス推定モジュールとを含むことを特徴とする、
パスロスを決定する装置。
【請求項3】
コンピュータ命令が記憶された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記命令がプロセッサによって実行される時に、請求項1に記載のパスロスを決定する方法のステップを実現すること特徴とする、前記非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項4】
パスロスを決定する装置であって、
プロセッサと、
プロセッサ実行可能な命令を記憶するように構成されるメモリとを含み、
前記プロセッサは、
ダウンリンク狭帯域基準信号(NRS)の送信パワーを決定し、
狭帯域基準信号受信パワー(NRSRP)の測定値を決定し、
基地局によって送信されたプリセットの上位層フィルタパラメータが受信されない場合、前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーと前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値との間の差に従って、前記基地局とユーザ機器との間のパスロスを決定し、前記パスロスの計算式は、PLc=nrs-Power+nrs-PowerOffsetNonAnchor-NRSRPであり、ここで、PLcはパスロスを示し、nrs-Powerはダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーを示し、nrs-PowerOffsetNonAnchorは狭帯域基準信号非アンカーパワーオフセットを示し、NRSRPは、狭帯域基準信号の受信パワーを示すように構成されることを特徴とする、前記パスロスを決定する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信技術分野に関し、特に、パスロスを決定する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術の発展に伴い、移動通信ネットワークは5Gネットワークに向けて徐々に進化する。ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)に基づく狭帯域モノのインターネット(NB-IoT:Narrow Band Internet of Things)は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)の決議を通過し、5Gネットワーク通信システムの低電力ワイドエリアネットワークの標準になっている。狭帯域モノのインターネットは、低データレート、大規模な端末数および広いカバレッジ要件などの通常の適用シナリオに対して、深い屋内カバレッジ、低コスト、低電力消費および広い接続性などの特徴を有し、スマートシティ、ウェアラブル機器、スマートホームおよびスマートメータなどのモノのインターネットアプリケーションに幅広い適用の展望がある。
【0003】
パワー制御は無線通信システムの1つの重要な機能であり、基地局がUEによって送信された情報を受信することができることを確保するために、UEは、基地局によって送信されたパワー制御指示情報に従って、自体の送信パワーを制御する必要がある。
【0004】
LTEシステムにおいて、UEのアップリンク送信パワーは、基地局とUEとの間のパスロス(pathloss、パスロスと略称する)に従ってリアルタイムでスケジューリングされる。関連技術では、UEは、ダウンリンク基準信号の送信パワーと上位層フィルタリング後の基準信号受信パワーの測定値との差を計算することにより、UEと基地局との間のチャネルパスロスを決定する。前記UEのアップリンク送信パワーを決定するプロセスでは、UEが前記上位層フィルタパラメータに従って、前記上位層フィルタリング後の基準信号受信パワーの測定値を計算するように、UEは、基地局によって送信されたシステム情報に従ってダウンリンク基準信号の送信パワーを決定するだけでなく、基地局によって送信された構成情報により上位層フィルタのフィルタパラメータを決定する必要がある。
【0005】
前記狭帯域モノのインターネットの特徴によれば、狭帯域モノのインターネットにおけるユーザ機器(UE:User Equipment)は、データ伝送レートが低く、数が多く、チャネル品質が悪いなどの特徴を有し、通常、静的または低速移動のシナリオに適用され、狭帯域モノのインターネットにおけるUEが関連技術のパワー制御方式を依然として使用すると、必然的にUEの数が多いため、基地局によって送信される構成情報のロードが増加し、さらに、システム制御チャネルのロードも増加し、同時に、狭帯域UEのチャネル品質が悪いため、必然的に、ハイロード構成情報の再送信回数が発生し、システムリソースが浪費されると同時に、UEの電力消費も増加される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
関連技術で存在する問題を克服するために、本開示の実施例は、基地局の構成情報送信負担を低減し、不必要な再送信を回避し、狭帯域モノのインターネットのUEの電力消費を低減する、パスロスを決定する方法および装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施例の第1の態様によれば、ユーザ機器に適用される、パスロスを決定する方法を提供し、前記ユーザ機器は狭帯域モノのインターネット機器に属し、前記方法は、
ダウンリンク狭帯域基準信号(NRS)の送信パワーを決定することと、
狭帯域基準信号受信パワー(NRSRP)の測定値を決定することと、
基地局によって送信されたプリセットの上位層フィルタパラメータが受信されない場合、前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーおよび前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値に従って、前記基地局と前記ユーザ機器との間のパスロスを決定することとを含む。
【0008】
例示的に、前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーおよび前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値に従って、前記基地局と前記ユーザ機器との間のパスロスを決定することは、
プリセットの上位層フィルタ係数および前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値に従って、フィルタリング後の基準信号受信パワーを決定することと、
前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーと前記フィルタリング後の基準信号受信パワーとの間の差に従って、前記パスロスを決定することとを含む。
【0009】
例示的に、前記方法は、
前記ユーザ機器のプリセットのパラメータ情報の変更に従って、前記プリセットの上位層フィルタ係数を動的に決定することであって、前記プリセットのパラメータ情報は、プリセットの機器性能パラメータ、ベアラサービスのサービスタイプのうちの少なくとも1つを含むことをさらに含む。
【0010】
例示的に、前記プリセットの上位層フィルタ係数の範囲は、0~1の値である。
【0011】
例示的に、前記プリセットの上位層フィルタ係数および前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値に従って、フィルタリング後の基準信号受信パワーを決定することは、
値1と前記プリセットの上位層フィルタ係数との差の絶対値と、隣接する前の上位層フィルタリング後の基準信号受信パワーとの積を、第1のパラメータ情報として決定することと、
前記プリセットの上位層フィルタ係数と現在の基準信号受信パワーの測定値との積を、第2のパラメータ情報として決定することと、
前記第1のパラメータ情報と前記第2のパラメータ情報との和を、前記フィルタリング後の基準信号受信パワーとして決定することとを含む。
【0012】
例示的に、前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーおよび前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値に従って、前記基地局と前記ユーザ機器との間のパスロスを決定することは、
前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーと前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値との間の差に従って、前記パスロスを決定することを含む。
【0013】
本開示の実施例の第2の態様によれば、ユーザ機器に配置される、パスロスを決定する装置を提供し、前記ユーザ機器は狭帯域モノのインターネット機器に属し、前記装置は、
ダウンリンク狭帯域基準信号(NRS)の送信パワーを決定するように構成される第1の決定モジュールと、
狭帯域基準信号受信パワー(NRSRP)の測定値を決定するように構成される第2の決定モジュールと、
基地局によって送信されたプリセットの上位層フィルタパラメータが受信されない場合、前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーおよび前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値に従って、前記基地局と前記ユーザ機器との間のパスロスを決定するように構成されるパスロス推定モジュールとを含む。
【0014】
例示的に、前記パスロス推定モジュールは、
プリセットの上位層フィルタ係数および前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値に従って、フィルタリング後の基準信号受信パワーを決定するように構成されるフィルタパワー決定サブモジュールと、
前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーと前記フィルタリング後の基準信号受信パワーとの間の差に従って、前記パスロスを決定するように構成されるパスロス推定サブモジュールとを含む。
【0015】
例示的に、前記装置は、
前記ユーザ機器のプリセットのパラメータ情報の変更に従って、前記プリセットの上位層フィルタ係数を動的に決定するように構成されるフィルタ係数決定モジュールであって、前記プリセットのパラメータ情報は、プリセットの機器性能パラメータ、ベアラサービスのサービスタイプのうちの少なくとも1つを含むフィルタ係数決定モジュールをさらに含む。
【0016】
例示的に、前記プリセットの上位層フィルタ係数の範囲は、0~1の値である。
【0017】
例示的に、前記フィルタパワー決定サブモジュールは、
値1と前記プリセットの上位層フィルタ係数との差の絶対値と、隣接する前の上位層フィルタリング後の基準信号受信パワーとの積を、第1のパラメータ情報として決定するように構成される第1のパラメータ決定ユニットと、
前記プリセットの上位層フィルタ係数と現在の基準信号受信パワーの測定値との積を、第2のパラメータ情報として決定するように構成される第2のパラメータ決定ユニットと、
前記第1のパラメータ情報と前記第2のパラメータ情報との和を、前記フィルタリング後の基準信号受信パワーとして決定するように構成されるフィルタパワー決定ユニットとを含む。
【0018】
例示的に、前記パスロス推定モジュールは、前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーと前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値との間の差に従って、前記パスロスを決定するように構成される。
【0019】
本開示の実施例の第3の態様によれば、コンピュータ命令が記憶された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記命令がプロセッサによって実行される時に、上記の第1の態様のいずれかに記載のパスロスを決定する方法のステップを実現する。
【0020】
本開示の実施例の第4の態様によれば、パスロスを決定する装置を提供し、
プロセッサと、
プロセッサ実行可能な命令を記憶するように構成されるメモリとを含み、
ここで、前記プロセッサは、
ダウンリンク狭帯域基準信号(NRS)の送信パワーを決定し、
狭帯域基準信号受信パワー(NRSRP)の測定値を決定し、
基地局によって送信されたプリセットの上位層フィルタパラメータが受信されない場合、前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーおよび前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値に従って、前記基地局と前記ユーザ機器との間のパスロスを決定するように構成される。
【発明の効果】
【0021】
本開示の実施例によって提供される技術的解決策は、以下の有利な効果を含み得る。
【0022】
本開示では、狭帯域モノのインターネットにおけるUEに鑑みて、通常、低データ伝送レート、低速移動または静的状態のシナリオに適用され、基地局による上位層フィルタ係数の構成は、UEの推定精度の改善にほとんど影響を与えず、したがって、基地局が、プリセットの上位層フィルタパラメータを搬送する構成情報をUEにリアルタイムで送信する必要がなく、UEが前記プリセットの上位層フィルタパラメータに従って、上位層フィルタ係数を決定するようにし、システムシグナリングオーバーヘッドが効率的に節約され、さらに、前記プリセットの上位層フィルタパラメータを搬送する構成情報の、悪いチャネルの品質による再送信動作の発生も回避し、さらに、システムのシグナリングオーバーヘッドを節約するだけでなく、基地局の構成情報ロードおよび電力消費も節約することができる。対応的に、UEは、基地局によって送信された、プリセットの上位層フィルタパラメータを搬送する構成情報を継続的に検出する必要がなく、システム構成情報を受信することのために消費されるUEの電力消費を節約し、5GネットワークでのUEのユーザ体験を向上させる。加えて、UEはパスロスを推定するプロセスで少なくとも1つのシステム構成情報の受信時間を節約するため、アップリンク送信パワーの決定効率を向上させることができ、さらに、アップリンクサービスデータの伝送遅延を短縮し、情報の伝送効率を向上させ、機器性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
ここでの図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、本発明と一致する実施例を示し、明細書とともに本発明の原理を説明するために使用される。
図1】一例示的な実施例によって示されたパスロスを決定する方法のフローチャートである。
図2】本開示の一例示的な実施例によって示された別のパスロスを決定する方法のフローチャートである。
図3】本開示の一例示的な実施例によって示された別のパスロスを決定する方法のフローチャートである。
図4】本開示の一例示的な実施例によって示されたパスロスを決定する装置のブロック図である。
図5】本開示の一例示的な実施例によって示された別のパスロスを決定する装置のブロック図である。
図6】本開示の一例示的な実施例によって示された別のパスロスを決定する装置のブロック図である。
図7】本開示の一例示的な実施例によって示された別のパスロスを決定する装置のブロック図である。
図8】本開示の一例示的な実施例によって示された別のパスロスを決定する装置の一例示的な構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
例示的な実施例を詳細に説明し、その例は図面に示す。特に明記しない限り、以下の説明が図面に関する場合、異なる図面の同じ数字は同じまたは類似の要素を表す。以下の例示的な実施例で説明された実施形態は、本発明と一致するすべての実施形態を表すものではない。むしろ、添付された特許請求に詳述されたように、本発明の特定の態様と一致する装置および方法の例である。
【0025】
本開示に関する実行主体は、狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)におけるユーザ機器(UE:User Equipment)および基地局を含み、ここで、基地局は、大規模なアンテナアレイが配置された基地局、サブ基地局などであり得る。ユーザ機器(UE)は、基地局に対して低速移動または静止するユーザ機器、ユーザノード、タブレットPC、ウェアラブル機器、スマートメータ、スマートホーム機器、スマートシティ機器などであり得る。具体的な実現プロセスでは、基地局およびユーザ機器はそれぞれ独立した同時に、互いに連絡して、本開示によって提供された技術案を共同で実現する。
【0026】
本開示では、UEは、アップリンクサービスデータを基地局に伝送する前に、基地局の構成情報に従って、各基本情報伝送単位の物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)の送信パワーを決定する必要がある。ここで、前記基本情報伝送単位は、サブフレーム、スロット(slot)、ミニスロット(mini-slot)、シンボル(symbol)などの伝送リソース単位であってもよい。上記のUEの送信パワーを決定するプロセス、即ち、パワーを制御するプロセスでは、まず、基地局とUEとの間のパスロス(path loss、パスロスと略称する)を決定する必要がある。
【0027】
図1の一例示的な実施例によって示されたパスロスを決定する方法のフローチャートを参照すると、5G狭帯域モノのインターネットのUEに適用され、前記UEは大規模マシンタイプ通信(mMTC:massive Machine Type Communication)機器であってもよく、前記方法は、次のステップを含み得る。
【0028】
ステップ11において、ダウンリンク狭帯域基準信号(NRS)の送信パワーを決定する。
【0029】
本開示の実施例では、5G狭帯域モノのインターネットにおけるUEが、自体の送信パワーを決定する場合、まず、基地局によって決定された基準信号パワー(RSP:reference Signal Power)を知る必要があり、前記基準信号パワーとは、狭帯域ダウンリンク基準信号(narrow band reference signal、NRS)の送信パワーを指す。
【0030】
一実施例において、UEは、基地局によって送信されたプリセットの構成情報、例えば、SIB2などのセル基地局によってブロードキャストされたプリセットのシステム情報を介して、前記基準信号パワーを取得することができる。
【0031】
ステップ12において、狭帯域基準信号受信パワー(NRSRP)の測定値を決定する。
【0032】
LTEシステムの基準信号受信パワー(RSRP:reference signal received power)測定値の取得方式と同様に、本開示の実施例では、UEの物理層は、単位時間内で受信したダウンリンク基準信号のエネルギに従って、狭帯域基準信号受信パワー(NRSRP:narrow band reference signal received power)の測定値を決定することができる。ここで、前記ダウンリンク基準信号は、基地局によって送信された、アップリンクチャネルの品質を推定するために使用される基準信号であり、本開示では、UEは前記ダウンリンク基準信号受信パワーに従って、アップリンクチャネル品質を推定し、さらに、基地局と情報を伝送する時に必要とする送信パワーを決定することができる。前記NRSRPの測定値は、UEの物理層によって測定されたダウンリンク基準信号の実際の受信パワーであると理解することができる。
【0033】
ステップ13において、基地局によって送信されたプリセットの上位層フィルタパラメータが受信されない場合、前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーおよび前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値に従って、前記基地局と前記ユーザ機器との間のパスロスを決定する。
【0034】
ここで、前記基地局によって送信されたプリセットの上位層フィルタパラメータとは、UEの上位層フィルタ係数を決定するために使用されるパラメータ値を指す。Mとして示されると仮定する。関連技術では、UEは、基地局によって送信された前記プリセットの上位層フィルタパラメータMを受信して自体の上位層フィルタ係数を決定する必要がある。
【0035】
本開示の実施例では、UEは、パスロスを決定するプロセスで、基地局がプリセットの上位層フィルタパラメータを送信する必要がなく、即ち、UEは、基地局からより多くの構成情報を受信する必要がなく、基地局とUEとの間のパスロスの推定を実現し、基地局の構成情報ロードを低減し、UEが基地局によって送信された前記プリセットの上位層フィルタパラメータを検出する必要がないため、電力消費を節約する。
【0036】
本開示では、前記ステップ13の実施は、少なくとも以下の2つの状況を含み得る。
【0037】
最初の状況として、UEの物理層によって取得された基準信号受信パワーの測定値に対して上位層フィルタ処理を実施する必要がある。
【0038】
図2の一例示的な実施例によって示された別のパスロスを決定する方法のフローチャートを参照すると、前記ステップ13は、次のステップを含み得る。
【0039】
ステップ131において、プリセットの上位層フィルタ係数および前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値に従って、フィルタリング後の基準信号受信パワーを決定する。
【0040】
ここで、UEの上位層とは、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)層など、通信プロトコルで合意されたUEの物理層より上位である層を指す。本開示の実施例では、UEの物理層は、狭帯域基準信号受信パワー(NRSRP)の測定値を取得した後、それをRRC層などのUEの上位層に送信し、上位層フィルタを介して前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値に対してフィルタ処理を実施することにより、フィルタリング後の基準信号受信パワーを取得し、higher layer filtered NRSRPと表される。
【0041】
前記higher layer filtered NRSRPを簡略的にFnと表すと、その計算プロセスは、上位層フィルタのフィルタ係数αに関し、本開示では、前記上位層フィルタ係数αはUE自体によって決定され、基地局によって送信されたプリセットの上位層フィルタパラメータに従ってリアルタイムで決定する必要がない。
【0042】
図3の一例示的な実施例によって示された別のパスロスを決定する方法のフローチャートを参照すると、前記ステップ131は、次のステップを含み得る。
【0043】
ステップ1311において、値1と前記プリセットの上位層フィルタ係数との差の絶対値と、隣接する前の上位層フィルタリング後の基準信号受信パワーとの積を、第1のパラメータ情報として決定する。
【0044】
本開示では、UE自体によって決定されたプリセットの上位層フィルタ係数αの範囲は0~1である。ここで、前記隣接する前の上位層フィルタリング後の基準信号受信パワーとは、前の隣接時間でUEによって決定された上位層フィルタリング後の基準信号受信パワーを指す。
【0045】
ステップ1312において、前記プリセットの上位層フィルタ係数と現在の基準信号受信パワーの測定値との積を、第2のパラメータ情報として決定する。
【0046】
ステップ1313において、前記第1のパラメータ情報と前記第2のパラメータ情報との和を、前記フィルタリング後の基準信号受信パワーとして決定する。
【0047】
上記の計算プロセスは、以下の式(1)を使用して表すことができる。
=(1-α)Fn-1+αM 式(1)
【0048】
ここで、αはUEのプリセットの上位層フィルタ係数を示し、Fは現在のフィルタリング後の基準信号受信パワーを示し、Fn-1は隣接する前の上位層フィルタリング後の基準信号受信パワーを示し、MはUEの物理層の現在取得したNRSRP測定値を示す。
【0049】
例示的に、スマートメータなどのUEのプリセットの上位層フィルタ係数αが0.5であると仮定すると、現在のhigher layer filtered NRSRPは、以下の式(2)を使用して表すことができる。
=0.5*(Fn-1+M) 式(2)
【0050】
ステップ132において、前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーと前記フィルタリング後の基準信号受信パワーとの間の差に従って、前記パスロスを決定する。
【0051】
対応的に、UEは、式(3)を使用してパスロスを推定することができる。式(3)は、PLc=nrs-Power + nrs-PowerOffsetNonAnchor - higher layer filtered NRSRPであり、ここで、PLcはパスロスを示し、nrs-Powerは基地局によって送信された狭帯域基準信号の送信パワーを示し、nrs-PowerOffsetNonAnchorは狭帯域基準信号非アンカーパワーオフセットを示し、higher layer filtered NRSRPは上位層フィルタリング後の狭帯域基準信号パワーを示す。
【0052】
ここで、nrs-Powerおよびnrs-PowerOffsetNonAnchorの2つの物理量は、RRC層などのUEの上位層が、基地局によって受信された関連構成情報から取得される。
【0053】
本開示の実施例では、UEがパスロスを決定するプロセスは以下の通りである。物理層が受信したダウンリンク基準信号に従って、現在の狭帯域基準信号受信パワー(NRSRP)の測定値、即ちMを決定した後、前記現在の狭帯域基準信号受信パワーの測定値をRRC層などの上位層に送信してフィルタ処理が行われ、フィルタリング後の基準信号受信パワーの測定値を取得し、その後、UEの物理層が上記の式(3)に従って現在の基地局とUEとの間のパスロスを推定するように、前記上位層フィルタリング後のNRSRPを物理層に返信し、さらに、PUSCHに対するUEの送信パワーを決定する。
【0054】
本開示の別の実施例において、UEは、ユーザ機器のプリセットのパラメータ情報の変更に従って、前記プリセットの上位層フィルタ係数を動的に決定することもできる。ここで、前記プリセットのパラメータ情報は、プリセットの機器性能パラメータ、ベアラサービスのサービスタイプなどの情報のうちの少なくとも1つを含む。ここで、前記プリセットの機器性能パラメータは、UEの移動速度などのパラメータであってもよく、前記ベアラサービスのサービスタイプは前記mMTCなどのサービスタイプであってもよい。
【0055】
本開示の一実施例において、UEは、UEの送信パワーに対する前記プリセットのパラメータ情報の影響に従って、値0~1の間で自体の上位層フィルタ係数の大きさを動的に調整することができる。
【0056】
一例において、上記の決定プロセスは以下の通りであり得る。前記プリセットのパラメータ情報に従って1つの係数影響値を決定し、前記係数影響値は前記ユーザ機器の上位層フィルタ係数を決定するために使用され、前記係数影響値をプリセットの閾値と比較して、前記係数影響値が前記プリセットの閾値より小さい場合、プリセットの第1の値に従って前記上位層フィルタ係数を決定し、前記係数影響値が前記プリセットの閾値より大きいか等しい場合、プリセットの第2の値に従って前記上位層フィルタ係数を決定することができる。ここで、前記プリセットの第1の値およびプリセットの第2の値は、値0と1との間のプリセットの値に属し、例えば、それぞれ0.3、0.6である。
【0057】
例示的に、UEがプリセットの機能性能パラメータに従って、前記プリセットの上位層フィルタ係数を動的に調整する場合、前記プリセットの機器性能パラメータがUEの移動速度であると仮定すると、その調整プロセスは以下の通りである。UEの現在の移動速度を決定し、前記現在の移動速度がプリセットの速度閾値より小さい場合、以下の任意の方式を使用してプリセットの上位層フィルタ係数を決定することができる。
【0058】
方式1として、UEのプリセットのフィルタ係数の値を0.3などのプリセットの第1の値として決定する。
【0059】
方式2として、前記第1の値は、0~0.3などの終点値の1つのプリセットの値の範囲であり、プリセットルールに応じて、現在の移動速度に従って、0.2などの1つの上位層フィルタ係数を動的に決定する。
【0060】
同様に、前記現在の移動速度が前記プリセットの速度閾値より大きいか等しい場合、上記の方式に従って、0.6などのプリセットの第2の値として決定することができ、または前記第2の値が0.3~0.6などの終点値の別のプリセットの値範囲であり、プリセットルールに従って、0.45などの1つの上位層フィルタ係数を決定する。
【0061】
上記のように、UEは、現在のベアラサービスのサービスタイプに従って、値0と1との間で前記プリセットの上位層フィルタ係数を動的に調整し、または、UEの機器性能パラメータおよびサービスタイプに従って、プリセットの重みに応じて1つの係数影響値を計算し、前記係数影響値に従って、プリセットルールに応じて、値0と1との間でUEの上位層フィルタ係数を動的に決定することができる。
【0062】
例えば、UEの主なサービスタイプが、低速または静的状態であるサービス、例えば、メータの読み取りや監視などのサービスである場合、UEは、0.2などの低い値を使用して前記プリセットの上位層フィルタ係数の値を決定することができ、UEの主なサービスタイプが、中高速でのサービス、例えば、車両インターネットや軌道監視などのサービスである場合、0.6などの高い値を使用して前記プリセットの上位層フィルタ係数の値を決定することができる。
【0063】
2番目の状況として、UEは、物理層によって測定された狭帯域ダウンリンク基準信号測定値に従って、パスロスを直接に推定する。
【0064】
本開示の実施例では、UEは前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーと前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値との間の差に従って、前記パスロスを決定することができる。
【0065】
本開示の実施例では、上記の式(1)のα値は1に等しいこととして理解することができる。対応するパスロス推定は以下の式(4)を使用して表される。
PLc=nrs-Power + nrs-PowerOffsetNonAnchor - NRSRP 式(4)
【0066】
本開示の実施例では、UEがパスロスを決定するプロセスは、物理層が、受信したダウンリンク基準信号に従って、現在の狭帯域基準信号受信パワー(NRSRP)の測定値、即ちMを決定し、RRC層などの上位層から基地局によって送信されたnrs-Power、nrs-PowerOffsetNonAnchor情報を取得し、その後、UEの物理層は、上記の式(4)に従って、現在の基地局とUEとの間のパスロスを推定し、さらに、PUSCHに対するUEの送信パワーを決定する。
【0067】
本開示では、狭帯域モノのインターネットにおけるUEの特徴に鑑みて、即ち、低データ伝送レート、低速移動または静的状態のシナリオに適用され、基地局による上位層フィルタ係数の構成は、UEの推定精度の改善にほとんど影響を与えず、基地局が、プリセットの上位層フィルタパラメータを搬送する構成情報をUEにリアルタイムで送信する必要がなく、UEが前記プリセットの上位層フィルタパラメータに従って、上位層フィルタ係数を決定するようにし、システムシグナリングオーバーヘッドが効率的に節約され、さらに、前記プリセットの上位層フィルタパラメータを搬送する構成情報の、悪いチャネルの品質による再送信動作の発生も回避し、さらに、システムのシグナリングオーバーへッドを節約するだけでなく、基地局の構成情報ロードおよび電力消費も節約することができる。対応的に、UEは、基地局によって送信された、プリセットの上位層フィルタパラメータを搬送する構成情報を継続的に検出する必要がなく、システム構成情報を受信することのために消費されるUEの電力消費を節約し、特に、バッテリによって電力が供給される、スマートメータ、ウェアラブル機器などのユーザ機器(UE)は、UEの電源の寿命を延長することができ、UEの5Gネットワークでのユーザ体験を向上させる。加えて、UEはパスロスを推定するプロセスで少なくとも1つのシステム構成情報の受信時間を節約するため、アップリンク送信パワーの決定効率を向上させることができ、さらに、アップリンクサービスデータの伝送遅延を短縮し、情報の伝送効率を向上させ、機器性能を向上させることができる。
【0068】
前述した各方法の実施例において、簡単な説明のために、それらを一連の動作の組み合わせとして表現するが、当業者は、本開示に応じると、いくつかのステップは他の順序で、または同時に実行することができるため、本開示が説明された動作の順序に限定されないことを知っているはずである。
【0069】
さらに、当業者は、明細書で説明された実施例のすべては代替実施例に属し、関する動作およびモジュールは本開示によって必ずしも必要とされないことも知っているはずである。
【0070】
前記アプリケーション機能実現方法の実施例に対応し、本開示はプリケーション機能実現装置および対応する端末の実施例をさらに提供する。
【0071】
図4の一例示的な実施例によって示されたパスロスを決定する装置のブロック図を参照すると、ユーザ機器に配置され、前記ユーザ機器は狭帯域モノのインターネット機器に属し、前記装置は、
ダウンリンク狭帯域基準信号(NRS)の送信パワーを決定するように構成される第1の決定モジュール21と、
狭帯域基準信号受信パワー(NRSRP)の測定値を決定するように構成される第2の決定モジュール22と、
基地局によって送信されたプリセットの上位層フィルタパラメータが受信されない場合、前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーおよび前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値に従って、前記基地局と前記ユーザ機器との間のパスロスを決定するように構成されるパスロス推定モジュール23とを含み得る。
【0072】
図5の一例示的な実施例によって示されたパスロスを決定する装置のブロック図を参照すると、図4に示された装置の実施例の基で、前記パスロス推定モジュール23は、
プリセットの上位層フィルタ係数および前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値に従って、フィルタリング後の基準信号受信パワーを決定するように構成されるフィルタパワー決定サブモジュール231と、
前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーと前記フィルタリング後の基準信号受信パワーとの間の差に従って、前記パスロスを決定するように構成されるパスロス推定サブモジュール232とを含み得る。
【0073】
図6の一例示的な実施例によって示されたパスロスを決定する装置のブロック図を参照すると、図4に示された装置の実施例の基で、前記装置は、
前記ユーザ機器のプリセットのパラメータ情報の変更に従って、前記プリセットの上位層フィルタ係数を動的に決定するように構成されるフィルタ係数決定モジュール20であって、前記プリセットのパラメータ情報は、プリセットの機器性能パラメータ、ベアラサービスのサービスタイプのうちの少なくとも1つを含むフィルタ係数決定モジュール20をさらに含み得る。
【0074】
本開示の実施例において、前記プリセットの上位層フィルタ係数の範囲は、0~1の値である。
【0075】
図7の一例示的な実施例によって示されたパスロスを決定する装置のブロック図を参照すると、図5に示された装置の実施例の基で、前記フィルタパワー決定サブモジュール231は、
値1と前記プリセットの上位層フィルタ係数との差の絶対値と、隣接する前の上位層フィルタリング後の基準信号受信パワーとの積を、第1のパラメータ情報として決定するように構成される第1のパラメータ決定ユニット2311と、
前記プリセットの上位層フィルタ係数と現在の基準信号受信パワーの測定値との積を、第2のパラメータ情報として決定するように構成される第2のパラメータ決定ユニット2312と、
前記第1のパラメータ情報と前記第2のパラメータ情報との和を、前記フィルタリング後の基準信号受信パワーとして決定するように構成されるフィルタパワー決定ユニット2313とを含み得る。
【0076】
本開示の別の装置の実施例において、前記パスロス推定モジュール23は、前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーと前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値との間の差に従って、前記パスロスを決定するように構成される。
【0077】
装置の実施例において、それらは基本的に方法の実施例に対応するので、関連する部分は方法の実施例の説明の部分を参照することができる。上記で説明された装置の実施例は例示的なものに過ぎず、ここで、前記分離部材として説明されたユニットは、物理的に分離されている場合とされていない場合があり、ユニットとして表示された部材は、物理ユニットである場合もそうでない場合もあり、1箇所に配置される場合もあれば、複数のネットワークユニットに分散される場合もある。実際の必要に応じて、その中の一部または全部モジュールを選択して本開示の技術案の目的を実現することができる。当業者は、創造的な努力なしに、理解して実施することができる。
【0078】
対応的に、一態様はパスロスを決定する装置を提供し、プロセッサと、プロセッサ実行可能な命令を記憶するように構成されるメモリとを含み、
ここで、前記プロセッサは、
ダウンリンク狭帯域基準信号(NRS)の送信パワーを決定し、
狭帯域基準信号受信パワー(NRSRP)の測定値を決定し、
基地局によって送信されたプリセットの上位層フィルタパラメータが受信されない場合、前記ダウンリンク狭帯域基準信号の送信パワーおよび前記狭帯域基準信号受信パワーの測定値に従って、前記基地局と前記ユーザ機器との間のパスロスを決定するように構成される。
【0079】
図8は、一例示的な実施例によって示されたパスロスを決定する装置800の例示的な構造図である。例えば、装置800は、5Gネットワークのユーザ機器であってもよく、具体的には、携帯電話、コンピュータ、デジタル放送端末、メッセージング機器、ゲームコンソール、タブレット機器、医療機器、フィットネス機器、携帯情報端末、ウェアラブル機器など、例えば、スマートウォッチ、スマートグラス、スマートブレスレット、スマートランニングシューズ、スマートメーター、スマートホーム機器などのなどであってもよく、それぞれは、5Gネットワークにおける強化されたモバイルブロードバンド(eMBB:enhanced Mobile Broad Band)、大規模マシンタイプ通信(mMTC:massive Machine Type Communication)、超高信頼・低遅延通信(URLLC:Ultra Reliable Low Latency Communication)などのタイプの機器に属することができる。
【0080】
図8を参照すると、装置800は、処理コンポーネント802、メモリ804、電力コンポーネント806、マルチメディアコンポーネント808、オーディオコンポーネント810、入力/出力(I/O)インターフェース812、センサコンポーネント814、及び通信コンポーネント816のうちの1つまたは複数のコンポーネットを含むことができる。
【0081】
処理コンポーネント802は、一般的に、ディスプレイ、電話、データ通信、カメラ操作及び記録操作に関する操作のような装置800の全般的な操作を制御する。処理コンポーネント802は、前記方法のステップの全てまたは一部を完了するために、1つまたは複数のプロセッサ820を含んで命令を実行することができる。加えて、処理コンポーネント802は、処理コンポーネント802と他のコンポーネントの間の相互作用を容易にするために、1つまたは複数のモジュールを含むことができる。例えば、処理コンポーネント802は、マルチメディアコンポーネント808と処理コンポーネント802の間の相互作用を容易にするために、マルチメディアモジュールを含むことができる。
【0082】
メモリ804は、機器800での操作をサポートするために、様々なタイプのデータを格納するように構成される。これらのデータの例には、装置800で動作する任意のアプリケーションまたは方法の指示、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、写真、ビデオ等が含まれる。メモリ804は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、プログラム可能な読み取り専用メモリ(PROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスクまたは光ディスクなど、あらゆるタイプの揮発性または不揮発性ストレージデバイスまたはそれらの組み合わせによって実現されることができる。
【0083】
電力コンポーネント806は、装置800の様々なコンポーネントに電力を提供する。電力コンポーネント806は、電力管理システム、1つまたは複数の電源、及び装置800の電力の生成、管理および分配に関する他のコンポーネントを含むことができる。
【0084】
マルチメディアコンポーネント808は、前記装置800とユーザとの間の、出力インターフェースを提供するスクリーンを含む。いくつかの実施例において、スクリーンは、液晶ディスプレイ(LCD)及びタッチパネル(TP)を含み得る。スクリーンがタッチパネルを含む場合、スクリーンは、ユーザからの入力信号を受信するためのタッチスクリーンとして具現されることができる。タッチパネルは、タッチ、スワイプ及びタッチパネルでのジェスチャーを感知するための1つまたは複数のタッチセンサを含む。前記タッチセンサは、タッチまたはスワイプ操作の境界を感知するだけでなく、前記タッチまたはスワイプ操作に関連する持続時間及び圧力も検出することができる。いくつかの実施例において、マルチメディアコンポーネント808は、一つのフロントカメラ及び/またはリアカメラを含む。機器800が、撮影モードまたはビデオモードなどの動作モードにあるとき、フロントカメラおよび/またはリアカメラは、外部のマルチメディアデータを受信することができる。各フロントカメラおよびリアカメラは、固定光学レンズシステムであり、または焦点距離と光学ズーム機能を持つことができる。
【0085】
オーディオコンポーネント810は、オーディオ信号を出力および/または入力するように構成される。例えば、オーディオコンポーネント810は、1つのマイクロフォン(MIC)を含み、装置800が通話モード、録音モードおよび音声認識モードなどの動作モードにあるとき、マイクロフォンは、外部オーディオ信号を受信するように構成される。受信されたオーディオ信号は、さらに、メモリ804に記憶されてもよく、または通信コンポーネント816によって送信されてもよい。いくつかの実施例において、オーディオコンポーネント810は、オーディオ信号を出力するためのスピーカをさらに含む。
【0086】
I/Oインターフェース812は、処理コンポーネント802と周辺インターフェースモジュールとの間にインターフェースを提供し、前記周辺インターフェースモジュールは、キーボード、クリックホイール、ボタンなどであってもよい。これらのボタンは、ホームボタン、ボリュームボタン、スタートボタン、ロックボタンを含み得るが、これらに限定されない。
【0087】
センサコンポーネント814は、装置800に各態様の状態の評価を提供するための1つまたは複数のセンサを含む。例えば、センサコンポーネント814は、機器800のオン/オフ状態と、装置800のディスプレイやキーパッドなどのコンポーネントの相対的な位置づけを検出することができ、センサコンポーネント414は、装置800または装置800のコンポーネントの位置の変化、ユーザとの装置800の接触の有無、装置800の向きまたは加速/減速、及び装置800の温度の変化も検出することができる。センサコンポ―ネット814は、物理的接触なしに近くの物体の存在を検出するように構成された近接センサを含むことができる。センサコンポーネント814は、撮像用途で使用するためのCMOSまたはCCD画像センサなどの光センサも含むことができる。いくつかの実施例において、前記センサコンポーネント814は、加速度センサ、ジャイロスコープセンサ、磁気センサ、圧力センサまたは温度センサをさらに含むことができる。
【0088】
通信コンポーネント816は、装置800と他の装置の間の有線または無線通信を容易にするように構成される。装置800は、WiFi、2Gまたは3G、またはそれらの組み合わせなどの通信規格に基づく無線ネットワークにアクセスすることができる。一例示的な実施例において、通信コンポーネント816は、放送チャンネルによって外部放送管理システムからの放送信号または放送関連情報を受信する。一例示的な実施例において、前記通信コンポーネント816は、短距離通信を促進するための近距離通信(NFC)モジュールをさらに含む。例えば、NFCモジュールは、無線周波数識別(RFID)技術、赤外線データ協会(IrDA)技術、超広帯域(UWB)技術、ブルートゥース(登録商標)(BT)技術及び他の技術に基づいて具現されることができる。
【0089】
例示的な実施例において、装置800は、前記方法を実行するために、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサまたは他の電子素子によって具現されることができる。
【0090】
例示的な実施例において、命令を含むメモリ804などの、命令を含む非一時的な読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、前記命令は、前記方法を完了するために、装置800のプロセッサ820によって実行されることができる。例えば、前記非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、磁気テープ、フロッピディスクおよび光学データ記憶装置などであり得る。
【0091】
当業者は、明細書を考慮して、本明細書に開示される発明を実施した後、本開示の他の実施形態を容易に想到し得るであろう。本出願は、本開示のあらゆる変形、応用または適応性変化を網羅することを意図し、これらの変形、応用または適応性変化は、本開示の普通の原理に準拠し、本開示によって開示されない本技術分野における公知知識または従来の技術的手段を含む。明細書と実施例は、例示としてのみ考慮され、本開示の実施例の真の範囲及び思想は添付の特許請求の範囲によって示される。
【0092】
本開示は、前述した既に説明し且つ図面に示した正確な構造に限定されるものではなく、その範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更を行うことができることを理解されたい。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8