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特許7387811壁を貫通するプラグ用の組立済みプラグアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】壁を貫通するプラグ用の組立済みプラグアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/74 20060101AFI20231120BHJP
【FI】
H01R13/74 K
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022092028
(22)【出願日】2022-06-07
(65)【公開番号】P2022189763
(43)【公開日】2022-12-22
【審査請求日】2022-07-06
(31)【優先権主張番号】10 2021 115 009.4
(32)【優先日】2021-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】アイケ ティム リュリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ディルク デュンケル
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0006003(US,A1)
【文献】米国特許第05316499(US,A)
【文献】特開2016-139541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/74
H01R 13/512
H01R 13/658-13/6597
H01R 13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁(70)を貫通する電気プラグ(3)用の組立済みプラグアセンブリ(1)であって、
電気コンタクト(6)を受け入れるように構成されている少なくとも1つのコンタクトチャンバ(4)を含む第1のハウジング部(2)と、
前記第1のハウジング部(2)が少なくとも部分的に受け入れられる少なくとも1つのレセプタクル(10)を含む第2のハウジング部(8)と、
前記プラグアセンブリ(1)を前記壁(70)に固定するためのベースプレート(12)とを備え、
前記第1のハウジング部(2)と前記第2のハウジング部(8)とを前記ベースプレート(12)の異なる面に固定することによって予め組み立てられており、
前記プラグアセンブリ(1)は、前記少なくとも1つのコンタクトチャンバ(4)を囲み、かつ前記ベースプレート(12)に少なくとも部分的に当接する少なくとも1つのシールド(32)を備え、
前記少なくとも1つのシールド(32)は、前記ベースプレート(12)と、前記第1のハウジング部(2)および前記第2のハウジング部(8)のうちの一方のハウジング部(2、8)と、の間に少なくとも部分的にクランプされている、組立済みプラグアセンブリ。
【請求項2】
前記ベースプレート(12)は、前記第1のハウジング部(2)および/または前記第2のハウジング部(8)を越えて横方向に突出している、請求項1に記載の組立済みプラグアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記ベースプレート(12)は少なくとも1つの窓(18)を備え、前記少なくとも1つのコンタクトチャンバ(4)は、前記少なくとも1つの窓(18)を通って突出している、請求項1に記載の組立済みプラグアセンブリ(1)。
【請求項4】
複数のコンタクトチャンバ(4)が設けられ、前記ベースプレート(12)は、複数の別個の窓(18)を含み、各窓(18)は、前記窓(18)を通って突出するコンタクトチャンバ(4)を有する、請求項3に記載の組立済みプラグアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記ベースプレート(12)は導電性材料から形成されている、請求項1に記載の組立済みプラグアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記第1のハウジング部(2)は第1のフランジ(26)を含み、前記第2のハウジング部(8)は第2のフランジ(40)を含み、前記ベースプレート(12)は、前記第1のフランジ(26)と前記第2のフランジ(40)との間に配置されている、請求項1に記載の組立済みプラグアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記第1のハウジング部(2)と前記第2のハウジング部(8)とは、前記ベースプレート(12)を通って突出する固定手段(56)によって互いに固定されている、請求項に記載の組立済みプラグアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記第1のハウジング部(2)と前記第2のハウジング部(8)とは、互いにねじ留めされている、請求項に記載の組立済みプラグアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記第1のフランジ(26)および/または前記第2のフランジ(40)は、少なくとも1つのねじ込み開口部(60)を含み、前記少なくとも1つのねじ込み開口部(60)は、前記ベースプレート(12)から離れる方を向く側で閉じられている、請求項に記載の組立済みプラグアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記第1のフランジ(26)および/または前記第2のフランジ(40)は、前記ベースプレート(12)を通って突出する少なくとも1つの位置決めジャーナル(64)を含み、前記位置決めジャーナル(64)は、他方のフランジ(26、40)に少なくとも部分的に受け入れられている、請求項に記載の組立済みプラグアセンブリ(1)。
【請求項11】
壁(70)を貫通する電気プラグ(3)用の組立済みプラグアセンブリ(1)であって、
電気コンタクト(6)を受け入れるように構成されている少なくとも1つのコンタクトチャンバ(4)を含む第1のハウジング部(2)と、
前記第1のハウジング部(2)が少なくとも部分的に受け入れられる少なくとも1つのレセプタクル(10)を含む第2のハウジング部(8)と、
前記プラグアセンブリ(1)を前記壁(70)に固定するためのベースプレート(12)とを備え、
前記第1のハウジング部(2)と前記第2のハウジング部(8)とを前記ベースプレート(12)の異なる面に固定することによって予め組み立てられており、
前記第1のハウジング部(2)は第1のフランジ(26)を含み、前記第2のハウジング部(8)は第2のフランジ(40)を含み、前記ベースプレート(12)は、前記第1のフランジ(26)と前記第2のフランジ(40)との間に配置されており、
前記第1のフランジ(26)および/または前記第2のフランジ(40)は、前記ベースプレート(12)を通って突出する少なくとも1つの位置決めジャーナル(64)を含み、前記位置決めジャーナル(64)は、他方のフランジ(26、40)に少なくとも部分的に受け入れられている、組立済みプラグアセンブリ(1)。
【請求項12】
ハウジング外部(74)からハウジング内部(72)に延びる開口部(76)が壁(70)を貫通しているハウジングと、
請求項1から11のいずれか一項に記載の組立済みプラグアセンブリ(1)と
を備え、
前記第1のハウジング部(2)または前記第2のハウジング部(8)は、前記ハウジング外部(74)に固定され、他方のハウジング部(2、8)は、前記ハウジング内部(72)に固定されている、アセンブリ(68)。
【請求項13】
前記ベースプレート(12)が前記壁(70)に固定され、前記ベースプレート(12)と前記壁(70)との間にシール(79)が配置されている、請求項12に記載のアセンブリ(68)。
【請求項14】
請求項1から11のいずれか一項に記載のプラグアセンブリ(1)のベースプレート(12)が固定される壁(70)を備えるデバイス(69)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁を貫通する電気プラグ用のプラグアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
電気プラグは、電気部品の電気的結合のために、低電圧範囲から高電圧範囲までの様々な用途で使用されている。多くの用途において、電気プラグの面を壁、例えばユニットのハウジング壁の異なる面に配置する必要がある。したがって、これらの用途では、電気プラグの複部構成(multi-part configuration)が必要であり、個々の部品が顧客によって壁に取り付けられ、組み立てられる。しかしながら、ここでの問題は、プラグが顧客のみによって組み立てられることである。これは、製造業者が最終的な品質チェックを行うことができないことを意味する。欠陥が生じた場合、その欠陥が製造中に生じたのか、顧客による組立ての結果として生じたのかを判定することができなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の基礎となる目的は、製造業者の側で最終的な品質管理を行えるようにするプラグアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、本発明に従い、壁を貫通する電気プラグ用の組立済みプラグアセンブリによって解決される。組立済みプラグアセンブリは、電気コンタクトを受け入れるように構成されている少なくとも1つのコンタクトチャンバを含む第1のハウジング部と、第1のハウジング部が少なくとも部分的に受け入れられる少なくとも1つのレセプタクルを含む第2のハウジング部とを備える。本発明による組立済みプラグアセンブリは、プラグアセンブリを壁に固定するためのベースプレートをさらに備え、プラグアセンブリは、第1のハウジング部と第2のハウジング部とをベースプレートの異なる面に固定することによって予め組み立てられている。
【0005】
本発明は、ベースプレートを使用することにより、製造業者がプラグアセンブリを予め組み立てることができるので好ましい。ベースプレートは、顧客がプラグアセンブリを固定する壁の一部と同様の形をしている(simulate)。したがって、製造業者は、ベースプレートを用いて第1のハウジング部と第2のハウジング部とを組み立てることができる。その結果、本発明により、製造業者の側で最終的な品質チェックが可能になる。さらに、顧客はベースプレートを壁に固定するだけでよく、顧客の組立ての手間が軽減される。ハウジング部を組み立てる必要がなくなるため、間違いを回避することができる。
【0006】
以下で、希望に応じて互いに独立して互いに組み合わせることができ、別々に考慮したときに各々が好ましい、さらなる実施形態について説明する。
【0007】
したがって、ベースプレートは、第1のハウジング部および第2のハウジング部を越えて横方向に突出することができる。特に、ベースプレートは、第1のハウジング部と第2のハウジング部との間にベースプレートが配置される長手方向軸に略垂直な両側で、第1のハウジング部および第2のハウジング部を越えて突出することができる。その結果、ベースプレートは、プラグアセンブリの横方向に突出する周囲カラーを形成することができ、壁へのプラグアセンブリの固定がさらに簡略化される。
【0008】
本出願の意味における「組立済み」とは、特に、プラグアセンブリが壁に固定される前に組み立てられていることを意味する。その結果、プラグアセンブリを、単一のモジュールとして組立済みの状態で提供および販売することができ、顧客がプラグアセンブリを壁に固定することができる。
【0009】
ベースプレートは窓を備えることができ、少なくとも1つのコンタクトチャンバは、少なくとも部分的に窓を通って突出していることが好ましい。その結果、少なくとも1つのコンタクトチャンバは、窓を通って第2のハウジング部のレセプタクル内に突出することができる。窓は、窓を通って突出するコンタクトチャンバが、窓を境界付けるベースプレートのフレームによって支持されるように構成され得ることが好ましい。したがって、フレームは、少なくとも部分的に、コンタクトチャンバの横方向の移動、すなわち、ベースプレートに対して長手方向軸に略垂直な移動を防止することができる。
【0010】
窓のフレームは、少なくとも1つのコンタクトチャンバを完全に囲むことができ、ベースプレートに対する少なくとも1つのコンタクトチャンバの相対移動を、長手方向軸に略垂直なすべての面において防止することができるようになっていることが好ましい。
【0011】
例示的な構成において、複数のコンタクトチャンバを設けることができ、複数のコンタクトチャンバは、ベースプレートを通って突出している。複数のコンタクトチャンバは、共通の窓を通って突出することができる。しかしながら、ベースプレートは、複数の窓、特に別個の窓を有することができ、各窓は、その窓を通って突出する、複数のコンタクトチャンバのうちの1つのコンタクトチャンバを有することが好ましい。したがって、各コンタクトチャンバを、それぞれの窓のフレームによって個々に囲んで安定させることができる。
【0012】
好ましい構成によれば、ベースプレートを、導電性材料から形成することができる。例えば、ベースプレートは、金属板であってよい。したがって、ベースプレートは、壁への組立てのためだけでなく、シールドコンタクトとしても機能することができる。例えば、壁も導電性であってよく、この構成において、ベースプレートは、相手側プラグのシールドを壁に接触させるための中間部品として機能する。その結果、ベースプレートは、プラグアセンブリおよび/またはプラグシステムのEMC特性の向上に寄与することができる。
【0013】
さらなる好ましい構成によれば、プラグアセンブリは、少なくとも1つのコンタクトチャンバを囲む少なくとも1つのシールドを備えることができる。少なくとも1つのシールドを、例えば、少なくとも1つのコンタクトチャンバを囲む壁にスリーブとして配置することができる。
【0014】
コネクタアセンブリが2つ以上のコンタクトチャンバを含む場合、コンタクトチャンバごとに単一のシールドを設けることができる。
【0015】
少なくとも1つのシールドは、ベースプレートに当接することができると好ましい。ベースプレートが導電性である場合、少なくとも1つのシールドと壁との間のシールドコンタクトを、ベースプレートを介して確立することができる。少なくとも1つのシールドとベースプレートとの接触を向上させるために、少なくとも1つのコンタクトチャンバが単一の窓によって囲まれ、ベースプレートが、対応するシールドに、周囲に沿って接触することができるようになっていると特に好ましい。
【0016】
特に、少なくとも1つのシールドは、長手方向軸に略垂直に突出する接触ラグを含むことができ、これにより、少なくとも1つのシールドは、ベースプレートの平坦面に当接する。少なくとも1つのシールドは、窓を通って突出することができ、接触ラグは、少なくとも1つのシールドが窓を滑り抜けることを防止する止め部として機能する。少なくとも1つのシールドを、ベースプレートと第1のハウジング部または第2のハウジング部との間に少なくとも部分的にクランプすることができると好ましい。例えば、接触ラグを、ハウジング部とベースプレートの平坦面との間にクランプすることができ、少なくとも1つのシールドを固着することができる。ベースプレートが導電性材料から形成されている場合、少なくとも1つのシールドとベースプレートとの安全な一定の電気的接触を実現することができる。
【0017】
組立済みプラグアセンブリの安定性を向上させるために、第1のハウジング部と第2のハウジング部とが平面状にベースプレートに当接していると特に好ましい。例えば、第1のハウジング部は第1のフランジを有することができ、第2のハウジング部は第2のフランジを有することができ、ベースプレートは、特に長手方向軸に平行に、第1のフランジと第2のフランジとの間に配置されている。
【0018】
第1のフランジは、第1のフランジ面によりベースプレートに当接することができ、第2のフランジは、少なくとも部分的に、第2のフランジ面によりベースプレートに当接することができると好ましい。ここでは、第1のフランジ面と第2のフランジ面とを、ベースプレートに関して互いに対向して配置することができる。
【0019】
ベースプレートへのハウジング部の組立てを容易にするために、第1のハウジング部と第2のハウジング部、特に第1のフランジと第2のフランジとは、ベースプレートを通って突出する少なくとも1つの固定手段によって互いに固定されていると特に好ましい。その結果、ベースプレートを、ハウジング部の間、特に第1のフランジと第2のフランジとの間にクランプすることができる。少なくとも1つの固定手段が通るための対応する固定開口部が、ベースプレートを貫通することができる。
【0020】
例示的な構成によれば、第1のフランジと第2のフランジとを、互いにねじ留めすることができる。この文脈で、好ましい構成において、第1のフランジおよび第2のフランジは、一側で閉じたねじ込み開口部を備えることができる。したがって、ねじ込み開口部は、対応するフランジを貫通していない。その結果、粒子または液体がねじ込み開口部に入ることを防ぐことができる。プラグアセンブリが壁に取り付けられたときに外部からアクセスできるハウジング部のフランジが、閉じたねじ込み開口部を有すると特に好ましい。したがって、外部からアクセスできないハウジング部にねじを挿通して、他方のハウジング部の閉じたねじ込み開口部にねじ込むことができる。この構成により、液体が外部からねじ込み開口部を通って入ることを防止し、ねじとねじ込み開口部との間に追加のシールが不要になる。
【0021】
ねじ込み開口部は、例えば、ねじ孔であってよい。あるいは、固定手段は、例えば、セルフタッピングねじであってよい。したがって、ねじ込み開口部は、ねじを固体材料またはパイロット孔にねじ込むことによって形成することができる。
【0022】
さらに好ましい構成によれば、第1のフランジまたは第2のフランジは、ベースプレートを通って突出する少なくとも1つの位置決めジャーナルを備えることができ、位置決めジャーナルは、他方のフランジの位置決め開口部に少なくとも部分的に受け入れられている。この位置決めジャーナルによって、第2のハウジング部に対する第1のハウジング部の位置決めを予め決定することができるため、さらなる、例えばその後の、固定手段による固定が容易になる。
【0023】
液体が、プラグアセンブリを通って、壁により境界付けられた内部に入ることを防止したい場合、ハウジング部とベースプレートの間にシールを配置することができる。例えば、第2のハウジング部に外部からアクセスできるようにする場合には、第2のハウジング部とベースプレートとの間にシールを設けることができる。シールを、例えば、フランジ面に当接し、かつベースプレートに押し付けられるシールリングとして構成することができる。シールを位置決めするために、フランジ面は、シールを受け入れることができる溝を有することができる。特に、溝を周方向に構成することができ、長手方向軸に本質的に垂直なすべての面からの液体の侵入を阻止することができるようになっている。
【0024】
シールを、例えば、別個のシールリングとして構成しても、注入してもよい。
【0025】
組立済みプラグアセンブリを壁に固定するために、組立開口部をベースプレートに設けることができる。これにより、例えば、ベースプレートを壁にねじ留めすることができる。代わりにまたは加えて、ベースプレートを、材料結合により壁に固定されるように構成することができる。例えば、ベースプレートを接着または溶接することができる。
【0026】
本発明はさらに、ハウジング内部からハウジング外部に延びる開口部が壁を貫通しているハウジングと、前述した例のうちの1つに記載の組立済みプラグアセンブリとを備えるアセンブリに関する。ここでは、第1のハウジング部または第2のハウジング部、特にそのフランジを、ハウジング内部に配置することができ、他方のハウジング部、特にそのフランジを、ハウジング外部に配置することができる。
【0027】
ベースプレートは、開口部を越えて横方向に突出することができ、ベースプレートを壁の外側または内側に当接させて固定することができるようになっていると好ましい。この場合、ベースプレートは開口部を覆う。液体が開口部を通ってハウジングの内部に入ることを防止したい場合、ベースプレートと壁との間にシールを設けることができる。
【0028】
本発明はさらに、前述した実施形態のうちの1つに記載のプラグアセンブリのベースプレートが固定される壁を備えるデバイスに関する。
【0029】
以下で、添付図面を参照しながら、本発明について、実施形態を用いてより詳細に説明する。図中、構造および/または機能に関して互いに対応する要素には、同じ参照符号が与えられる。
【0030】
個々の実施形態で図示され説明される特徴の組合せは、説明のみを目的としている。上記の説明に従って、実施形態の特徴の技術的効果が特定の適用にとって重要でない場合、その特徴を省略することができる。逆に、上記の実施形態に従って、追加の特徴の技術的効果が特定の適用にとって好ましいまたは必要である場合、その追加の特徴を実施形態に追加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明による組立済みプラグアセンブリの例示的な構成の概略斜視図である。
図2図1に示すプラグアセンブリの概略分解図である。
図3】プラグアセンブリのベースプレートの例示的な構成の概略斜視図である。
図4】プラグアセンブリのベースプレートのさらなる例示的な構成の一部の概略上面図である。
図5】壁に取り付けられたプラグアセンブリの概略側面図である。
図6】本発明によるプラグアセンブリのさらなる例示的な構成の概略分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
最初に、図1図3を参照しながら、壁(図5参照)を貫通する電気プラグ3用の組立済みプラグアセンブリ1について、実施形態を用いてより詳細に説明する。
【0033】
プラグアセンブリ1は、電気コンタクト6を受け入れるように構成されている少なくとも1つのコンタクトチャンバ4を含む第1のハウジング部2と、第1のハウジング部2が少なくとも部分的に受け入れられる少なくとも1つのレセプタクル10を含む第2のハウジング部8とを備える。さらに、組立済みプラグアセンブリ1は、プラグアセンブリ1を壁に固定するためのベースプレート12を備え、第1のハウジング部2と第2のハウジング部8とは、ベースプレート12の異なる面に固定されている。したがって、ベースプレート12を、長手方向軸Lに沿って第1のハウジング部2と第2のハウジング部8との間に配置、特にクランプすることができる。
【0034】
ベースプレート12を使用することにより、製造業者がプラグアセンブリ1を既に予め組み立てることができ、ベースプレート12は、顧客がハウジング部を固定する壁の一部の代わりとなる。したがって、製造業者がプラグアセンブリ1を既に組み立てることができるため、製造業者による最終的な品質チェックが可能になる。さらに、組立済みプラグアセンブリは、顧客が必要とする組立て作業の量を減らすことができる。壁を貫通する開口部は、ハウジング部を固定するための要件および/またはシールド要件などのプラグアセンブリの特定の要件を満たす必要がなくなっている。これらの問題を、ベースプレート12が解決するからである。
【0035】
ベースプレート12は、第1のハウジング部2および/または第2のハウジング部8を越えて長手方向軸Lに略垂直に突出していると特に好ましい。図1に見られるように、ベースプレート12は、第1のハウジング部2および第2のハウジング部8を越えて突出することができ、長手方向軸Lに略垂直な両側に周囲カラー14を有する。したがって、カラー14は、ベースプレート12を壁に載置することができる支持面16を提供する。ベースプレート12は平面構成を有することができ、壁に均一に載置できるようになっていると好ましい。
【0036】
ベースプレート12は、コンタクトチャンバ4が通って突出する窓18を含むことができる。この例示的な構成において、第1のハウジング部2は、互いに平行に配置され、かつベースプレートの共通の窓18を通って突出する2つのコンタクトチャンバ4を備える。各コンタクトチャンバ4は、それぞれのコンタクトチャンバ4の周りに延びるチャンバ壁20によって境界付けられている。この文脈において、コンタクトチャンバ4は、長手方向軸Lに沿って両側からアクセスできるように、長手方向軸Lに略平行に開口していてよい。電気コンタクト6、例えばブレードコンタクト22を、コンタクトチャンバ4の各々に固着することができる。ブレードコンタクト22は、チャンバ壁20と共にコンタクト保護部を形成する電気絶縁キャップ24を備えることができる。電気コンタクト6の形状は、適用要件に応じて任意の構成であってよい。例えば、コンタクト6を、ユニットのハウジング内部に配置されたバスバーに固定するように構成することができる。ハウジング内部のバスバーの位置および向きは顧客によって指定されるので、電気コンタクト6は、コンタクトチャンバ4から突出し、かつ適用特有の構成を有する接続部27を有することができる。例えば、接続部27は、湾曲し、バスバーにねじ留めするためのねじ開口部を有することができる。
【0037】
図2に最もよく見られるように、第1のハウジング部2は、ベースプレート12に略平行に延びる第1のフランジ26を含むことができ、コンタクトチャンバ4は、第1のフランジ26から長手方向軸Lに略平行に延びている。これにより、第1のフランジ26は、窓18を越えて横方向に、すなわち長手方向軸Lに略垂直に突出することができ、第1のフランジ面28を形成することができ、第1のフランジ面28により第1のフランジ26はベースプレート12の平坦面30に載置される。
【0038】
窓18は、少なくとも長手方向軸Lに略垂直な方向にコンタクトチャンバ4を支持するフレームを含むように構成されていてよい。
【0039】
プラグシステムのEMC特性を向上させるために、相手側プラグのシールドに接触するための少なくとも1つのシールド32を設けることができる。したがって、この例示的な構成において、各コンタクトチャンバ4は、チャンバ壁20の周りに延びるシールド32を備える。したがって、シールド32は、周方向の接触を可能にするスリーブを形成する。
【0040】
シールド32を、第1のフランジ面28に載置することができる。このために、シールド32は、長手方向軸Lに略垂直に横方向に突出する接触ラグ34を備えることができる。図3では、組立済みプラグアセンブリ1が概略斜視図に示され、第1のハウジング部2が透過的に示されている。わかりやすくするために、図3では、電気コンタクト6は取り外されている。接触ラグ34は、プラグアセンブリ1が組み立てられたときに、第1のフランジ面28と平坦面30との間にクランプされるように構成されてよい。その結果、追加の固定手段なしでシールドを固着することができる。
【0041】
特に好ましい構成によれば、ベースプレート12を導電性材料から形成することができる。例えば、ベースプレート12は金属板36であってよく、金属板36は、壁に固定されることに加えて、EMC特性を向上させるためのシールドコンタクト37として機能することができる。壁も導電性である場合、ベースプレートは、シールド32と壁との間の導電性中間部品として機能する。
【0042】
図3に見られるように、シールド32は、シールド32の周囲に沿って分散された複数の接触ラグ34を有することができる。ベースプレートが2つのコンタクトチャンバ4用の共通の窓18を有する場合、対向するシールド32の方を向く接触ラグ34は、ベースプレートに直接接触しない。したがって、これらの接触ラグ34は、第1のフランジ26とベースプレート12との間にクランプされない。互いに対向するシールド32の接触ラグ34は、互いに重なることができる。コンタクトチャンバ4用の共通の窓18を含むこのようなベースプレートの構成により、プラグアセンブリの組立てが容易になる。
【0043】
シールドコンタクトを改良したい場合、各接触ラグ34がベースプレート12に接触すると特に好ましい。このために、ベースプレート12は、オプションで、コンタクトチャンバ4の各々が挿通できる複数の別個の窓18を有することができる。ベースプレート12のこのような例示的な構成の一部が図4に示されている。図からわかるように、窓18は各々、コンタクトチャンバ4を受け入れるように構成され、ウエブ38によって互いに分離されている。したがって、互いに対向するシールド32の接触ラグ34は、ウエブ38の平坦面30に接触することができ、ウエブ38と第1のフランジ26との間にクランプすることができる。
【0044】
第2のハウジング部8は、図1および図2に最もよく見られる。第2のハウジング部8は、ベースプレート12に略平行に配置された第2のフランジ40を有する。第2のフランジ40は第2のフランジ面42を有し、第2のフランジ40は、第2のフランジ面42により、第2のフランジ面42に対向する第2の平坦面44に少なくとも部分的に載置される。ベースプレート12から離れる方を向く第2のフランジ40の面46において、ハウジング壁48が、ベースプレート12から離れる方向に、長手方向軸Lに略平行に突出することができる。ハウジング壁48は、レセプタクル10の周りに延びることができる。
【0045】
小型のプラグシステムの場合、プラグシステムに角度を付けると有用である。このために、ハウジング壁は、少なくとも一面に、長手方向軸Lに略垂直な凹部50を備えることができる。特に、壁は、窓18の周りに、または図4によるベースプレート12の場合には複数の窓18の周りに延びることができる。
【0046】
第2のフランジ40は、少なくとも第2のフランジ面42に開口している少なくとも1つの固定開口部52を含むことができる。この構成において、4つの固定開口部52が第2のフランジ40のそれぞれの角部に配置され、第2のフランジ40を貫通している。固定開口部54がベースプレート12を貫通してもよい。これにより、ねじ58などの固定手段56を固定開口部52に挿通して第1のフランジに固定することができる。したがって、第1のフランジは、ねじ58をねじ込むことのできるねじ込み開口部60を備えることができる。ねじ込み開口部60を、特にベースプレート12から離れる方を向く側で閉じることができ、液体がねじ込み開口部60を通ってハウジングの内部に流入することができないようにする。
【0047】
図示しない別の実施形態において、プラグアセンブリ1が壁に固定されたときに外部からアクセスできるハウジング部が、ベースプレート12から離れる方を向く側で閉じられたねじ込み開口部60を有することができる。このようにして、液体が外部からねじ込み開口部60に入ることを防止することができ、ねじ込み開口部および固定開口部をシールするための追加のシールを不要にすることができる。
【0048】
第1のハウジング部2と第2のハウジング部8とを、固定手段56およびねじ込み開口部60を介して互いに固定することができ、ベースプレート12はフランジ26、40間にクランプされる。
【0049】
例えば、ねじ込み開口部60は、ねじ孔であってよい。あるいは、固定手段56は、セルフタッピングねじとして構成されてよく、セルフタッピングねじが固体材料またはパイロット孔にねじ込まれると、ねじ込み開口部が形成される。
【0050】
液体が窓18を通ってハウジング内部に入ることを防止するために、フランジとベースプレート12との間にシール62を設けることができる。本実施形態において、第2のハウジング部8に外部からアクセスできるようになっている。したがって、第2のフランジ42とベースプレート12との間にシール62が設けられている。
【0051】
プラグアセンブリ1の組立てを容易にするために、一方のハウジング部8は位置決めジャーナル64を含むことができ、位置決めジャーナル64は、ベースプレート12を通って突出し、他方のハウジング部2の対応する位置決め開口部66(図3参照)に受け入れられる。位置決めジャーナル64は、例えば、対応するハウジング部8のフランジ面42から長手方向軸Lに略平行に突出することができる。位置決めジャーナル64を使用して、ハウジング部2、8が互いに固定される前に、互いに対して正しく位置決めされていることを保証することができる。例えば、ねじ込み開口部と固定開口部とが互いに位置合わせされていることを保証することができる。
【0052】
図6では、プラグアセンブリ1と壁70とを備えるアセンブリ68が概略側面図に示されている。壁70は、例えば、ユニットのハウジング壁であってよく、ハウジング内部72をハウジング外部74から分離する。第1のハウジング部2よりも大きく、ベースプレート12よりも小さい開口部76が、壁70を貫通している。これにより、第1のハウジング部2、特に第1のフランジ26がハウジング内部72に配置され、第2のハウジング部8がハウジング外部74に配置されている状態で、ベースプレート12を壁70に載置することができる。さらに、ベースプレート12が壁70に固定されているデバイス69が示されている。
【0053】
ベースプレート12を、材料結合により壁に固定することができる。例えば、ベースプレート12を溶接または接着することができる。材料結合はシールであり、ベースプレートが開口部を封止して覆うようになっていることが好ましい。あるいは、シール、例えばシールリングを、ベースプレートと壁との間で開口部の周りに設けることができる。
【0054】
図6では、プラグアセンブリ1の別の例示的な実施形態が分解図に示されている。プラグアセンブリ1は、2つの相手側プラグ78に結合するように構成されている。このために、第2のハウジング部8は、ハウジング壁48を有する2つのレセプタクル10を備え、ハウジング壁48は、互いに離れる方を向く面に凹部50を備える。各レセプタクル10に、第1のハウジング部2の2つのコンタクトチャンバ4がそれぞれ受け入れられるようになっている。その結果、第1のハウジング部は4つのコンタクトチャンバ4を備え、コンタクトチャンバ4の各々に電気コンタクト6を挿入することができる。
【0055】
開口部76を封止するために、ベースプレート12の第1の平坦面30と壁70の外面との間に配置されるシール79が設けられている。
【0056】
この例示的な実施形態によれば、ベースプレート12を、ねじまたはボルトなどの固定手段によって壁70に固定することができる。このために、組立開口部80がベースプレート12に設けられている。
【符号の説明】
【0057】
1 プラグアセンブリ
2 第1のハウジング部
3 電気プラグ
4 コンタクトチャンバ
6 電気コンタクト
8 第2のハウジング部
10 レセプタクル
12 ベースプレート
14 カラー
16 支持面
18 窓
20 チャンバ壁
22 ブレードコンタクト
24 キャップ
26 第1のフランジ
27 接続部
28 第1のフランジ面
30 第1の平坦面
32 シールド
34 接触ラグ
36 金属板
37 シールドコンタクト
38 ウエブ
40 第2のフランジ
42 第2のフランジ面
44 第2の平坦面
46 離れる方を向く面
48 ハウジング壁
50 凹部
52 固定開口部
54 固定開口部
56 固定手段
58 ねじ
60 ねじ込み開口部
62 シール
64 位置決めジャーナル
66 位置決め開口部
68 アセンブリ
69 デバイス
70 壁
72 ハウジング内部
74 ハウジング外部
76 開口部
78 相手側プラグ
79 シール
80 組立開口部
L 長手方向軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6