(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】乗客コンベアの制御装置
(51)【国際特許分類】
B66B 27/00 20060101AFI20231120BHJP
【FI】
B66B27/00 B
(21)【出願番号】P 2022186388
(22)【出願日】2022-11-22
【審査請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤木 透央
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-133217(JP,A)
【文献】特開2003-341970(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0115913(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00-31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の踏段と、
前記踏段の運転方向を第1方向又は前記第1方向とは反対側の第2方向に運転させるモータと、
前記第1方向又は前記第2方向に前記踏段を移動させるための起動スイッチと、
前記起動スイッチの操作に基づいて、前記モータを制御し、前記踏段を前記第1方向又は前記第2方向に運転させる制御部と、
を有し、
前記制御部は、
k回目(但し、k=>1)の起動時の前記踏段の運転方向を前記踏段の基本運転方向として記憶し、
前記基本運転方向と、
(k+1)回目の起動時の前記運転方向とが異なるときに、前記操作が前記運転方向を反転させる反転操作である旨の警告を行
い、
前記警告の後、記憶したk回目の起動時の前記基本運転方向をリセットし、(k+1)回目の起動時の前記運転方向を前記基本運転方向として記憶する、
ことを特徴とする乗客コンベアの制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、ブザー音や音声案内で前記警告を行う、
請求項1に記載の乗客コンベアの制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記反転操作後の前記踏段の運転速度を通常速度より遅くすることにより前記警告を行う、
請求項1に記載の乗客コンベアの制御装置。
【請求項4】
前記起動スイッチは、回転式のキースイッチであり、
前記キースイッチのシリンダをキーによって一の方向に回転させると、前記制御部は、前記踏段を前記第1方向に運転し、
前記キースイッチの前記シリンダを前記キーによって一の方向とは反対側の他の方向に回転させると、前記制御部は、前記踏段を前記第2方向に運転させる、
請求項1に記載の乗客コンベアの制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアの制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エスカレータにおける上昇又は下降の運転操作は、管理者によって行われている。この運転操作に関してはマニュアルに記載され、そのマニュアルには、上昇運転終了直後に下降運転を行ったり、下降運転終了直後に上昇運転を行ったりする反転操作はしないように記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-224539号公報
【文献】特開2021-008359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、管理者がマニュアルに従わず停止直後に反転操作を行う場合があり、その場合は保護機能が動作し、乗客コンベアが停止してしまう。また、本来は上昇運転であるにもかかわらず、管理者が取り違えて下降運転にすると、乗客の安全を脅かすようなことがある。例えば、複数台並んだエスカレータにおいて、一部のエスカレータについて予め定められた運転方向と反対方向に起動する場合である。
【0005】
そこで本発明の実施形態は上記問題点に鑑み、乗客コンベアの起動時において反転操作をすると警告を与える乗客コンベアの制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、複数の踏段と、前記踏段の運転方向を第1方向又は前記第1方向とは反対側の第2方向に運転させるモータと、前記第1方向又は前記第2方向に前記踏段を移動させるための起動スイッチと、前記起動スイッチの操作に基づいて、前記モータを制御し、前記踏段を前記第1方向又は前記第2方向に運転させる制御部と、を有し、前記制御部は、k回目(但し、k=>1)の起動時の前記踏段の運転方向を前記踏段の基本運転方向として記憶し、前記基本運転方向と、(k+1)回目の起動時の前記運転方向とが異なるときに、前記操作が前記運転方向を反転させる反転操作である旨の警告を行い、前記警告の後、記憶したk回目の起動時の前記基本運転方向をリセットし、(k+1)回目の起動時の前記運転方向を前記基本運転方向として記憶する、ことを特徴とする乗客コンベアの制御装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態を示すエスカレータの側面から見た説明図であり、上階から下階を見た場合に、左側の構造物を省略した図である。
【
図3】エスカレータの電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】エスカレータの起動時における制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態の乗客コンベアについて説明する。本実施形態では、乗客コンベアとしてエスカレータ10を用いて、
図1~
図4を参照して説明する。
【0009】
(1)エスカレータ10
エスカレータ10の全体の構造について
図1を参照して説明する。
図1は、エスカレータ10を左側面から見た説明図である。但し、エスカレータ10の内部構造をわかりやすくするために、エスカレータ10の片側(左側)の部材の図示を省略している。なお、エスカレータ10の前後方向を説明するときは、上階から下階を見下ろし、上階が後側、下階が前側であるものとし、左右方向を説明するときは、上階から下階を見下ろしたときの方向である。
【0010】
エスカレータ10の枠組みであるトラス12が、建屋1の上階と下階に跨がって、支持アングル2,3を用いて前後方向に支持されている。
【0011】
トラス12の上端部にある上階側の機械室14内部には、踏段30を走行させる駆動装置18、左右一対の踏段スプロケット24,24が設けられている。この駆動装置18は、モータ20と、減速機21と、この減速機21の出力軸に取り付けられた駆動小スプロケット19と、モータ20の回転を停止させ、かつ、停止状態を保持するディスク式の電磁ブレーキ23とを有している。左右一対の踏段スプロケット24,24には、同軸に駆動大スプロケット17が取り付けられ、駆動小スプロケット19との間に無端状の駆動チェーン22が架け渡されている。また、上階側の機械室14内部には、モータ20や電磁ブレーキ23などを制御する駆動回路80(
図3参照)とエスカレータ10の全体の制御を行う制御部50(
図3参照)とが収納された制御ボックス68が設けられている。
【0012】
トラス12の下端部にある下階側の機械室16内部には、左右一対の従動スプロケット26,26が設けられている。上階側の左右一対の踏段スプロケット24,24と下階側の左右一対の従動スプロケット26,26との間には、左右一対の無端状の踏段チェーン28,28が架け渡されている。左右一対の踏段チェーン28,28の間には、複数の踏段30の左右一対の第1輪301,301が一定間隔毎に連結されている。モータ20が回転すると踏段30の第1輪301は、トラス12に固定された不図示の第1輪専用の案内レールを走行し、踏段30の第2輪302は、トラス12に固定された第2輪専用の案内レール25を走行する。
【0013】
トラス12の上部の左右両側には、左右一対の欄干36,36が立設されている。この欄干36の上部には手摺りレール39が設けられ、この手摺りレール39に沿って無端状の手摺りベルト38が移動する。
【0014】
左右一対の欄干36の上階側の正面下部には上階側の正面スカートガード40が設けられ、下階側の正面下部には下階側の正面スカートガード42が設けられている。正面スカートガード40,42から手摺りベルト38の出入口であるインレット部46,48がそれぞれ突出している。左右一対の欄干36の側面下部には、スカートガード(内デッキ)44がそれぞれ設けられ、左右一対のスカートガード44,44の間を踏段30が走行する。上階側の乗降口付近のスカートガード44には、エスカレータ10の操作盤52とスピーカ54、下階側の乗降口付近のスカートガード44には、エスカレータ10の操作盤56とスピーカ58が設けられている。また、
図1では不図示であるが、
図3に示すように正面スカートガード40,42には、踏段30の運転方向を示す表示器70,72が設けられている。
【0015】
手摺りベルト38は、不図示のベルトスプロケットが踏段スプロケット24と共に回転することにより踏段30と同期して移動する。
【0016】
上階側の左右一対のスカートガード44,44の間の乗降口である、機械室14の天井面には、上階側の乗降板32が水平に設けられている。下階側の左右一対のスカートガード44,44の間の乗降口である、機械室16の天井面には、下階側の乗降板34が水平に設けられている。上階側の乗降板32の先端には櫛歯状のコム60が設けられ、踏段30がこのコム60に進入したり、このコム60から引き出されたりする。また、下階側の乗降板34の先端にも櫛歯状のコム62が設けられている。
【0017】
(2)操作盤52,56
次に、操作盤52,56について
図2を参照して説明する。上階に設けられている操作盤52と下階に設けられている操作盤56の構造は同じ構造であるため、上階に設けられている操作盤52について説明する。
【0018】
操作盤52には、
図2に示すように、起動スイッチ74と停止スイッチ76が並んで設けられている。
【0019】
図2に示すように、起動スイッチ74は、回転式のキースイッチであって機械式自動復帰機能を有し、管理者が、起動スイッチ74のシリンダ74aの鍵穴74bにキー84を差し込んで、上昇又は下降の位置にキー84を回転させることによりシリンダ74aが回転する。そして、キー84は中立の位置、すなわち鍵穴74bが真っ直ぐ立つ位置に、スプリングバックによって自動的に復帰し、この位置においてのみ引き抜き可能である。なお、
図2では、起動スイッチ74は、「運転キースイッチ」と表記している。
【0020】
管理者が、起動スイッチ74の鍵穴74bにキー84を差し込んで、シリンダ74aを左側に回転させ自動的に復帰させると、制御部50は、モータ20を上昇方向に回転させる。また、シリンダ74aを右側に回転させ自動的に復帰させると、制御部50は、モータ20を下降方向に回転させる。
【0021】
図2に示すように、停止スイッチ76は、回転式のキースイッチであって機械式自動復帰機能を有し、管理者が、停止スイッチ76のシリンダ76aの鍵穴76bにキー84を差し込んで、「ブザー」の方向に回転させ、その後に「停止」の位置に逆回転させる。そして、キー84は中立の位置にスプリングバックにより復帰し、引き抜き可能となる。制御部50は、停止スイッチ76が操作されると、スピーカ54,58から停止ブザーを鳴らした後、エスカレータ10を停止させる。なお、
図2では、停止スイッチ76は、「停止/ブザーキースイッチ」と表記している。
【0022】
(3)エスカレータ10の電気的構成
次に、エスカレータ10の電気的構成について
図3のブロック図を参照して説明する。
【0023】
制御部50は、制御ボックス68に収納され、エスカレータ10の全体をソフトウェアなどで制御するものであり、また、ソフトウェア、運転情報を記憶する記憶部78を有している。この記憶部78は、メモリー、その他の記憶装置から構成されている。制御部50には、モータ20と電磁ブレーキ23に接続された駆動回路80、照明装置82、上階の操作盤52、下階の操作盤56、上階のスピーカ54、下階のスピーカ58が接続されている。上記照明装置82は、欄干36、コム60,62、スカートガード44に設けられている。また、制御部50には、運転方向を示す表示器70,72が接続されている。
【0024】
(4)エスカレータ10の起動時の制御方法
次に、エスカレータ10の起動時の制御方法について、
図4のフローチャートを参照して説明する。本実施形態の制御部50は、前回(ここで「前回」を「k回目」とし、k=>1である。=>は数式における「以上」を示すものである。すなわちkは1以上の整数である。)の起動時の運転方向を記憶しておき、この前回の運転方向と今回(すなわち、(k+1)回目である。)の起動時の運転方向が異なる反転操作を管理者が行ったときに、警告を行うようにしたものである。この制御は、制御部50の記憶部78に記憶したソフトウェアで行う。なお、
図4のフローチャートにおいて、上昇を「UP」、下降を「DN」と表記し、起動スイッチ74は「起動SW」と表記し、停止スイッチ76は「停止SW」と表記する。
【0025】
ステップS1において、エスカレータ10は運転停止中である。そしてステップS2に進む。
【0026】
ステップS2において、エスカレータ10を運転させるために管理者がキー84を起動スイッチ74の鍵穴74bに差し込み、上昇側に回転させればステップS3に進み(yの場合)、そうでない場合にはステップS5に進む(nの場合)。
【0027】
ステップS3において、制御部50は、エスカレータ10の踏段30を上昇させてk回目(すなわち、「前回」)の運転を開始する。そしてステップS4に進む。
【0028】
ステップS4において、制御部50は、記憶部78にk回目の起動時における運転方向が上昇であるということを基本運転方向として記憶し、ステップS8に進む。
【0029】
ステップS5において、管理者が、起動スイッチ74を上昇側ではなく、下降側に回転させた場合には、ステップS6に進み(yの場合)、上昇側と下降側共に回転させていなければステップS2に戻る(nの場合)。
【0030】
ステップS6において、制御部50は、エスカレータ10の踏段30を下降させてk回目(すなわち、「前回」)の運転を開始する。そしてステップS7に進む。
【0031】
ステップS7において、制御部50は、記憶部78にk回目の起動時の運転方向が下降であることを基本運転方向として記憶し、ステップS8に進む。
【0032】
ステップS8において、k回目の運転が継続した状態で、停止スイッチ76が操作されるとステップS9に進み(yの場合)、操作されていなければk回目の運転を続けるためにステップS8を継続する(nの場合)。
【0033】
ステップS9において、制御部50は、エスカレータ10のk回目の運転を停止し、ステップS10に進む。
【0034】
ステップS10において、管理者が再び起動スイッチ74を操作して、上昇側に回転させた場合には(k+1)回目(すなわち、今回)の運転が開始されるとしてステップS11に進み(yの場合)、そうでなければステップS13に進む(nの場合)。
【0035】
ステップS11において、制御部50は、記憶部78に記憶したk回目の運転方向(基本運転方向)を呼び出し、k回目の運転方向と(k+1)回目の運転方向が同じ方向(すなわち、上昇である)であればステップS12に進む。一方、k回目の運転方向と(k+1)回目の運転方向が異なる方向であれば、ステップS16に進む(nの場合)。
【0036】
ステップS12において、k=(k+1)として、今回の運転を前回の運転として更新してステップS3に戻る。ステップS3において新たなk回目(旧(k+1)回目)の上昇運転を開始し(yの場合)、ステップS4において、制御部50は、新たなk回目(旧(k+1)回目)の運転方向である上昇を基本運転方向として記憶部78に上書きして記憶する。そして、ステップS8に進む。
【0037】
ステップS13において、(k+1)回目の運転として管理者が起動スイッチ74を下降側に操作した場合には、ステップS14に進み(yの場合)、上昇側と下降側の両方共に操作しなかった場合にはステップS10に戻る(nの場合)。
【0038】
ステップS14において、制御部50は、記憶部78に記憶したk回目の運転方向(基本運転方向)を呼び出し、k回目の運転方向と(k+1)回目の運転方向が同じ方向(すなわち、下降である)であればステップS15に進む。一方、k回目の運転方向と(k+1)回目の運転方向が異なる方向であれば、ステップS16に進む(nの場合)。
【0039】
ステップS15において、k=(k+1)として、今回の運転を前回の運転として更新してステップS6に戻る。ステップS6において新たなk回目(旧(k+1)回目)の下降運転を開始し(yの場合)、ステップS7において、制御部50は、新たなk回目(旧(k+1)回目)の運転方向である下降を基本運転方向として記憶部78に上書きして記憶する。そして、ステップS8に進む。
【0040】
ステップS16において、k回目の運転が上昇であり、(k+1)回目の運転方向が下降であったこと、又は、k回目の運転方向が下降であり、(k+1)回目の運転方向が上昇であったことに基づき、反転操作が行われたと制御部50が判断して、スピーカ54,58からブザーを鳴らし、続いて「今の操作は反転操作です」などの音声案内によるアナウンスを行い、管理者に警告を行ってステップS17に進む。
【0041】
ステップS17において、制御部50は、警告後に記憶部78のk回目(前回)の運転方向をリセットし、ステップS2に戻る。そして、管理者は警告を受けた後に、反転操作が正しいか否かを判断し、反転操作が正しければ反転になるように起動スイッチ74を再び操作し、反転操作が正しくなければ反転にならないように起動スイッチ74を操作し直す。
【0042】
(5)効果
本実施形態によれば、k回目の起動時の運転方向を記憶しておき、(k+1)回目の起動時においてk回目の運転方向と異なる反転操作を行った場合に、スピーカ54,58からの案内で反転操作が行われたことを示す警告を行うことで、停止操作後の反転操作による不要な動作の停止を防止し、運転方向の取り違えによる危険に対する乗客の安全を確保できる。
【0043】
また、エスカレータ10が複数台設置されている場合でも、管理者が各エスカレータ10の運転方向を覚えておくことが不要になる。
【0044】
(6)変更例
上記実施形態では、k回目の運転方向を記憶し、(k+1)回目の運転方向と比較して反転操作を行ったか否かを判断したが、これに代えて、予め基本運転方向をエスカレータ10の設置時点で記憶させ、その基本運転方向と起動時の運転方向とを比較して、反転操作か否かを判断してもよい。なお、この基本運転方向は、上記実施形態のように起動毎に更新を行わない。
【0045】
また、上記実施形態では、反転操作を行うときの制御は、制御部50に記憶したソフトウェアで行ったが、これに代えて起動スイッチ74を構成する電気回路に反転動作を判定する電気回路を接続して実現してもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、反転操作を行った場合にはスピーカ54,58からのブザー音やアナウンスを行ったが、これに加えて、欄干36、コム60,62、スカートガード44に設けられている照明装置82、表示器70,72のいずれか1以上を点滅させて、目視による警告を行ってもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、反転操作を行った場合にはスピーカ54,58からのブザー音やアナウンスを行ったが、スピーカ54,58を有さないエスカレータ10については、音による警告に代えて、反転操作直後に踏段30を移動させる速度を、通常速度(例えば、30m/分)より遅い速度(例えば、10m/分)で移動させ、管理者に反転操作であることを警告してもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、反転操作を行うスイッチは、起動スイッチ74であったが、これに代えて押しボタンやタッチパネルのスイッチでもよい。また、管理者がエスカレータ10を制御するためのリモコンのスイッチであってもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、エスカレータ10に適用して説明したが、これに代えて動く歩道に適用してもよい。
【0050】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
10・・・エスカレータ、20・・・モータ、30・・・踏段、50・・・制御部、52・・・操作盤、54・・・スピーカ、56・・・操作盤、58・・・スピーカ、74・・・起動スイッチ、76・・・停止スイッチ、78・・・記憶部
【要約】
【課題】乗客コンベアの起動時において反転操作をすると警告を与える乗客コンベアの制御装置を提供する。
【解決手段】複数の踏段30と、踏段30の運転方向を第1方向又は第2方向に運転させるモータ20と、第1方向又は第2方向に踏段30を移動させるための起動スイッチ74と、起動スイッチ74の操作に基づいて、モータ20を制御し、踏段30を第1方向又は第2方向に運転させる制御部50とを有し、制御部50は、予め定められた踏段30の基本運転方向を記憶し、基本運転方向と、起動スイッチ74の操作に基づく起動時の運転方向とが異なるときに、前記操作が運転方向を反転させる反転操作である旨の警告を行う。
【選択図】
図4