(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】商品データ処理装置及び制御プログラム、商品販売システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20231120BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
G06Q30/0207 346
G07G1/12 321Z
(21)【出願番号】P 2022193126
(22)【出願日】2022-12-01
(62)【分割の表示】P 2019017134の分割
【原出願日】2019-02-01
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】王 小舟
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-022393(JP,A)
【文献】特開2013-020563(JP,A)
【文献】特開2013-206107(JP,A)
【文献】特開2004-303015(JP,A)
【文献】特開2015-176322(JP,A)
【文献】特開2003-256727(JP,A)
【文献】特開2018-169646(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実店舗において購買者が買上商品に係るデータの入力を自ら行うための情報端末から前記購買者を識別する購買者識別情報を取得する第3取得手段と、
前記第3取得手段により取得した前記購買者識別情報で識別される購買者が
仮想店舗に対して注文した商品に関する注文情報を取得する第1取得手段と、
前記第3取得手段により前記購買者識別情報を取得した前記情報端末に入力された買上商品に係るデータにより、前記購買者識別情報で識別される購買者が
前記実店舗で購入した商品に関する買上情報を取得する第2取得手段と、
前記第1取得手段により取得した前記注文情報
に、前記実店舗での前記買上情報によってサービスが成立する可能性がある場合、前記情報端末に対して買上商品に係るデータが入力される前にサービス成立の可能性があることを通知する通知手段と、
を具備する商品データ処理装置。
【請求項2】
前記第1取得手段により取得した前記注文情
報と、前記第2取得手段により取得した前記買上情報とによりサービスの成立条件が満足される場合、前記サービスを提供する提供手段、
をさらに具備する請求項1記載の商品データ処理装置。
【請求項3】
前記第1取得手段により取得した前記注文情報から前記サービスの成立条件を満足させる商品を検索する検索手段、
をさらに具備し、
前記通知手段は、
前記検索手段により検出された商品の情報を通知する、請求項2記載の商品データ処理装置。
【請求項4】
前記
第3取得手段により取得した前記購買者識別情報で識別される購買者が商品を注文したときの当該商品の価格を基に前記サービスを提供するか否かを決定する決定手段、
をさらに具備し、
前記提供手段は、前記サービスの成立条件を満足し、かつ、前記決定手段により前記サービスを提供することが決定された場合に当該サービスを提供する、請求項
2項記載の商品データ処理装置。
【請求項5】
前記サービスは、第1の商品と第2の商品との組み合わせが成立した場合に値引きするまとめ値引サービスである、請求項1乃至4のうちいずれか1項記載の商品データ処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
実店舗において購買者が買上商品に係るデータの入力を自ら行うための情報端末から前記購買者を識別する購買者識別情報を取得する第3取得手段、
前記第3取得手段により取得した前記購買者識別情報で識別される購買者が
仮想店舗に対して注文した商品に関する注文情報を取得する第1取得手段、
前記第3取得手段により前記購買者識別情報を取得した前記情報端末に入力された買上商品に係るデータにより、前記購買者識別情報で識別される購買者が
前記実店舗で購入した商品に関する買上情報を取得する第2取得手段、
及び、
前記第1取得手段により取得した前記注文情報
に、前記実店舗での前記買上情報によってサービスが成立する可能性がある場合、前記情報端末に対して買上商品に係るデータが入力される前にサービス成立の可能性があることを通知する通知手段、
として機能させるための制御プログラム。
【請求項7】
実店舗において購買者が買上商品に係るデータの入力を自ら行うための情報端末と、前記情報端末から購買者を特定する購買者識別情報を取得する商品データ処理装置と、を有する商品販売システムにおいて、
前記商品データ処理装置は、
前記情報端末から取得した前記購買者識別情報で識別される購買者が仮想店舗に対して注文した商品に関する注文情報を取得する第1取得手段と、
前記購買者識別情報を取得した前記情報端末に入力された買上商品に係るデータにより、前記購買者識別情報で識別される購買者が前記実店舗で購入した商品に関する買上情報を取得する第2取得手段と、
前記第1取得手段により取得した前記注文情報に、前記実店舗での前記買上情報によってサービスが成立する可能性がある場合、前記情報端末に対して買上商品に係るデータが入力される前にサービス成立の可能性があることを通知する通知手段と、
を具備する商品販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品データ処理装置、及びコンピュータを当該商品データ処理装置として機能させるための制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケット等の実店舗がインターネット上に仮想店舗を開設し、実店舗で販売する商品を仮想店舗でも販売する、いわゆるネットスーパーと呼ばれる販売方式が普及している。さらに、実店舗と仮想店舗とで商品の在庫情報、販売情報、購買者情報等を統合的に管理することで、購買者が実店舗又は仮想店舗を意識することなく、商品を注文したり購入したりできる、いわゆるオムニチャネルの仕組みも確立されつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、仮想店舗で注文した商品と実店舗で購入した商品との関連性により購買者にサービスを供与できる商品データ処理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、商品データ処理装置は、第3取得手段と、第1取得手段と、第2取得手段と、通知手段と、を備える。第3取得手段は、実店舗において購買者が買上商品に係るデータの入力を自ら行うための情報端末から購買者を識別する購買者識別情報を取得する。第1取得手段は、第3取得手段により取得した購買者識別情報で識別される購買者が仮想店舗に対して注文した商品に関する注文情報を取得する。第2取得手段は、第3取得手段により購買者識別情報を取得した情報端末に入力された買上商品に係るデータにより、購買者識別情報で識別される購買者が実店舗で購入した商品に関する買上情報を取得する。通知手段は、第1取得手段により取得した注文情報に、実店舗での買上情報によってサービスが成立する可能性がある場合、情報端末に対して買上商品に係るデータが入力される前にサービス成立の可能性があることを通知する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実店舗と仮想店舗とを統合した販売システムの全体構成を示す概略図。
【
図2】注文商品データの主要なデータ構造を示す模式図。
【
図4】実店舗サーバの要部回路構成を示すブロック図。
【
図6】まとめ値引テーブルのデータ構造を示す模式図。
【
図7】情報端末のプロセッサが、端末プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
【
図8】情報端末のプロセッサが、端末プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
【
図9】情報端末のプロセッサが、端末プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
【
図10】実店舗サーバのプロセッサが実行するログインコマンド受信処理の手順を示す流れ図。
【
図11】実店舗サーバのプロセッサが実行するログインコマンド受信処理の手順を示す流れ図。
【
図12】実店舗サーバのプロセッサが実行する商品登録コマンド受信処理の手順を示す流れ図。
【
図13】実店舗サーバのプロセッサが実行する会計コマンド受信処理の手順を示す流れ図。
【
図14】実店舗サーバのプロセッサが実行する会計取消コマンド受信処理の手順を示す流れ図。
【
図15】実店舗サーバのプロセッサが実行するスキャナコマンド受信処理の手順を示す流れ図。
【
図16】報知動作が行われた登録画面の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、仮想店舗で注文した商品と実店舗で購入した商品との関連性により購買者にサービスを供与できる商品データ処理装置の実施形態について、図面を用いて説明する。 なお、この実施形態は、購買者がショッピングカートに取り付けられた情報端末を操作して買上商品の登録を行う方式の実店舗が、インターネット上に仮想店舗を開設している場合である。買上商品とは、購買者が実店舗で購入する商品のことである。そして、この実施形態では、仮想店舗で注文した第1の商品と関連する第2の商品を実店舗で購入した場合に値引された金額で販売する、いわゆるまとめ値引のサービスを購買者に供与する場合について説明する。因みに、この種のまとめ値引は、ミックス・アンド・マッチ値引とも称される。
【0008】
図1は、実店舗と仮想店舗とを統合した販売システム1の全体構成を示す概略図である。販売システム1は、実店舗サーバ10、仮想店舗サーバ20、注文サーバ30、データベースサーバ40、会計機50、情報端末60及びアクセスポイント70を含む。また、販売システム1は、ネットワーク80を含む。ネットワーク80は、実店舗サーバ10、仮想店舗サーバ20、注文サーバ30、データベースサーバ40、会計機50及びアクセスポイント70を通信自在に接続する。ネットワーク80は、例えばLAN(Local Area Network)である。
【0009】
実店舗サーバ10、会計機50、情報端末60及びアクセスポイント70は、実店舗に備えられる。仮想店舗サーバ20及び注文サーバ30は、仮想店舗を実現するために必要な機器である。データベースサーバ40は、実店舗と仮想店舗とで兼用される。
【0010】
情報端末60は、実店舗において、客である購買者が買上商品の登録に係るデータの入力を購買者自身が行うことを可能とした機器である。情報端末60は、実店舗のショッピングカートCに設けられている。以下では、ショッピングカートCを単にカートCと称する。カートCは、そのカートCを使用する購買者の買上商品を搬送する搬送体の一例である。
【0011】
情報端末60は、無線ユニットを備えている。情報端末60は、アクセスポイント70と無線通信を行う。アクセスポイント70は、ネットワーク80に繋がる各機器、すなわち実店舗サーバ10、仮想店舗サーバ20、注文サーバ30、データベースサーバ40及び会計機50と、情報端末60との通信を中継する。アクセスポイント70は、
図1では1台のみ示しているが、店舗の規模等により2台以上あってもよい。
【0012】
実店舗サーバ10は、実店舗での商品の販売から決済までの業務を支援するためのサーバ装置である。例えば実店舗サーバ10は、情報端末60と協働することで、その情報端末60がPOS(Point Of Sales)端末として機能しているように見せかけるための支援を行う。実店舗サーバ10は、会計機50と協働することで、購買者との一取引を決済するための支援を行う。
【0013】
仮想店舗サーバ20は、仮想店舗での商品の注文から決済までの業務を支援するサーバ装置である。仮想店舗サーバ20は、インターネット2に接続されており、このインターネット2上に、商品販売のためのWebサイト、いわゆる仮想店舗を公開する。仮想店舗サーバ20は、インターネット2を通じて仮想店舗にアクセスしたユーザ端末3から商品の注文を受け付ける。ユーザ端末3は、仮想店舗を利用するユーザによって操作される電子機器であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等が該当する。仮想店舗サーバ20は、ユーザ端末3を介して仮想店舗で販売される商品の注文を受けると、その注文内容を示すデータを注文サーバ30へと送信する。
【0014】
なお、仮想店舗において注文された商品の代金は、クレジットカード、電子マネー、代金引換、実店舗支払い等、周知の決済方法で支払われる。
【0015】
注文サーバ30は、仮想店舗で受けた注文の管理に特化したサーバ装置である。注文サーバ30は、仮想店舗サーバ20から受信した注文内容を示すデータを基に注文商品データ311(
図2を参照)を生成する。注文サーバ30は、注文ファイル31を備えており、この注文ファイル31に注文商品データ311を登録する。注文ファイル31は、複数の注文商品データ311を記憶することが可能な記憶手段の一例である。注文ファイル31は、注文サーバ30が内蔵する記憶装置に備えられていてもよいし、注文サーバ30の外部に接続された記憶装置に備えられていてもよい。
【0016】
図2は、注文商品データ311の主要なデータ構造を示す模式図である。
図2に示すように注文商品データ311は、ユーザID、注文商品コード、注文個数、注文時価格、注文日時、有効期間、有効フラグ等のデータ項目を含む。ユーザIDは、商品を注文した購買者を個々に識別するために購買者毎に割り当てられる一意のコードである。仮想店舗を利用する購買者は、その仮想店舗のWebサイトに対して事前に会員登録を行う。この会員登録に対し、図示しない会員サーバによって新規のユーザIDが発番され、購買者に通知される。
【0017】
注文商品コードは、仮想店舗で注文を受け付けた商品の識別コードである。仮想店舗又は実店舗で販売される各商品には、それぞれ固有の商品識別コードが設定されている。商品識別コードは、仮想店舗又は実店舗の販売チャネルに関わらず統一されている。すなわち仮想店舗で販売される商品の商品識別コードは、実店舗で販売される同一商品の商品識別コードと一致している。
【0018】
注文個数は、仮想店舗で注文を受け付けた商品の個数である。注文時価格は、仮想店舗で注文を受け付けた時点の商品の価格である。注文日時は、仮想店舗で注文を受け付けた時点の日付及び時刻である。
【0019】
有効期間は、当該注文商品データ311を有効とする期間である。注文日時から有効期間として設定される期間が経過すると、当該注文商品データ311は無効となる。有効期間は、商品毎に異なっていてもよいし、商品を分類する部門毎に異なっていてもよい。有効期間は、全商品に対して共通に設定されていてもよい。
【0020】
有効フラグは、当該注文商品データ311が有効であるか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、当該注文商品データ311が有効であるときの有効フラグを“1”とし、無効であるときの有効フラグを“0”とする。
【0021】
図1の説明に戻る。
注文サーバ30は、実店舗の毎営業日閉店後に、注文ファイル31に登録されている注文商品データ311を精査する。注文サーバ30は、有効フラグが有効を示す値“1”となっている全ての注文商品データ311について、注文日時の日付から現在の日付までの経過日数を算出する。そして注文サーバ30は、経過日数が有効期間に到達した注文商品データ311の有効フラグを、無効を示す値“0”に変更する。また注文サーバ30は、予め設定された期間、例えば一週間が経過する毎に注文ファイル31に登録されている注文商品データ311を精査する。注文サーバ30は、有効フラグが無効を示す値“0”となっている注文商品データ311を注文ファイル31から削除する。
【0022】
データベースサーバ40は、商品データベース41、在庫データベース42、会員データベース43等のデータベースの管理に特化したサーバ装置である。商品データベース41は、商品毎に作成される商品レコードの形態で、実店舗又は仮想店舗で販売される各種商品の販売に関するデータを記憶する。商品レコードには、商品識別コード、価格、商品名等のデータ項目が含まれる。価格は、現時点における商品の販売価格である。価格は、実店舗と仮想店舗との間で共通であってもよいし異なっていてもよい。例えば商品データベース41に記憶される価格は1種類であるが、実店舗サーバ10又は仮想店舗サーバ20がこの価格を割増又は割引することで販売価格を変更してもよい。
【0023】
在庫データベース42には、商品毎に作成される在庫レコードの形態で、実店舗又は仮想店舗で販売される各種商品の在庫に関するデータを記憶する。在庫レコードには、商品識別コード、在庫数等のデータ項目が含まれる。在庫数は、実店舗で販売されている商品の総数である。仮想店舗では、在庫がなくてもその商品の注文を受けることはできる。
【0024】
会員データベース43は、仮想店舗を利用するために会員登録を行った購買者毎に作成される会員レコードを保存する。会員レコードには、購買者を個々に識別するために購買者毎に割り当てられた固有のユーザIDが含まれる。
【0025】
会計機50は、実店舗において、買上商品の会計を店員若しくは購買者が行うことを可能とした機器である。会計機50は、周知のセルフ式POS端末である。会計機50は、周知の対面式POS端末であってもよい。
【0026】
図3は、情報端末60の要部回路構成を示すブロック図である。情報端末60は、プロセッサ61、メインメモリ62、補助記憶デバイス63、無線ユニット64、タッチパネル65、スキャナ66、リーダ67及びシステム伝送路68を備える。システム伝送路68は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。情報端末60は、システム伝送路68に、プロセッサ61、メインメモリ62、補助記憶デバイス63、無線ユニット64、タッチパネル65、スキャナ66及びリーダ67を接続する。情報端末60では、プロセッサ61、メインメモリ62及び補助記憶デバイス63と、これらを接続するシステム伝送路68とによってコンピュータが構成される。
【0027】
プロセッサ61は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ61は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、情報端末60としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ61は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0028】
メインメモリ62は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ62は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ62は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。アプリケーションプログラムは、後述する端末プログラムを含む。メインメモリ62は、プロセッサ61が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ62は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ61によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0029】
補助記憶デバイス63は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス63となり得る。補助記憶デバイス63は、プロセッサ61が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ61での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス63は、後述する端末プログラムを含むアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0030】
無線ユニット64は、アクセスポイント70との間で無線通信プロトコルに従いデータの無線通信を行う。
【0031】
タッチパネル65は、情報端末60の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル65は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ61に出力する。
【0032】
スキャナ66は、商品に付されたバーコード、二次元データコード等のコードシンボルを読み取る。商品には、その商品の商品識別コードを表すコードシンボルが付されている。スキャナ66は、読み取ったコードシンボルのデータをプロセッサ61に出力する。スキャナ66は、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0033】
リーダ67は、記録媒体に記録されたデータを読み取り、読み取ったデータをプロセッサ61に出力する。リーダ67は、記録媒体が磁気カードの場合には磁気カードリーダであり、接触式ICカードの場合にはICカードリーダである。非接触式ICカード又はスマートフォン等のようにRFID(Radio Frequency Identification)を使用した記録媒体の場合には、RFIDリーダがリーダ67として使用される。
【0034】
以上のような回路構成要素を備えた情報端末60において、プロセッサ61、メインメモリ62、補助記憶デバイス63、無線ユニット64及びタッチパネル65は、タブレット端末TMによって構成されている。そしてこのタブレット端末TMに、スキャナ66及びリーダ67を電気的に接続することで、情報端末60が構成されている。
【0035】
図4は、実店舗サーバ10の要部回路構成を示すブロック図である。実店舗サーバ10は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、通信インターフェース14及びシステム伝送路15を備える。システム伝送路15は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。実店舗サーバ10は、システム伝送路15に、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13及び通信インターフェース14を接続する。実店舗サーバ10では、プロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶デバイス13と、これらを接続するシステム伝送路15とによってコンピュータが構成される。
【0036】
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、実店舗サーバ10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ11は、例えばCPUである。
【0037】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。アプリケーションプログラムは、後述する制御プログラムを含む。メインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0038】
補助記憶デバイス13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス13となり得る。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ11での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス13は、後述する制御プログラムを含むアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0039】
通信インターフェース14は、ネットワーク80に接続される。通信インターフェース14は、プロセッサ11の制御により、ネットワーク80を介して接続される他の機器との間で通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0040】
かかる構成の実店舗サーバ10は、メインメモリ12の揮発性メモリ領域の一部を、買物カゴメモリ121の作成領域としている。実店舗サーバ10は、この領域に買物カゴメモリ121を複数作成することができる。
【0041】
図5は、買物カゴメモリ121の一例を示す模式図である。
図5に示すように、買物カゴメモリ121は、ユーザID、1乃至複数の注文商品データ、1乃至複数の買上商品データ、値引合計額、合計金額及び会計バーコードを記憶するための領域を有する。注文商品データは、実店舗に来店した購買者が、事前にユーザ端末3を操作して仮想店舗にアクセスし、商品を注文することで、注文ファイル31に登録されたデータである。
【0042】
買上商品データは、当該購買者が実店舗で買い上げる買上商品の商品識別コード、商品名、価格、販売点数、販売金額、税額等からなる。値引合計額は、当該購買者との取引で発生した値引額の合計である。合計金額は、買上商品データに含まれる販売金額と税額との合計から値引合計額を減算した金額である。会計バーコードは、当該購買者との取引を識別するために取引毎に生成される一意の会計コードをバーコード化したものである。
【0043】
また実店舗サーバ10は、補助記憶デバイス13において、まとめ値引テーブル131を記憶している。
図6は、まとめ値引テーブル131のデータ構造を示す模式図である。
図6に示すように、まとめ値引テーブル131は、番号領域131a、成立品目数領域131b、対象商品領域131c、及び、まとめ価格領域131dを含む。番号領域131aには、“1”から昇順で連続するテーブル番号が記述される。成立品目数領域131bには、まとめ値引が成立する商品の品目数が記述される。対象商品領域131cには、まとめ値引の対象となる商品の識別コードが成立品目数の数だけ記述される。まとめ価格領域131dには、まとめ値引が成立したときの価格が記述される。
【0044】
例えば、まとめ値引の成立条件が「商品Aと商品Bの2品目をまとめて購入すると200円となる」というものであった場合、まとめ値引テーブル131には、1つのテーブル番号と関連付けて、成立品目数領域131bに「2」が記述され、対象商品領域131cに商品Aと商品Bの各識別コードが記述され、まとめ価格領域131dに「200」が記述される。
【0045】
図7乃至
図9は、情報端末60のプロセッサ61が、端末プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。
図10乃至
図14は、実店舗サーバ10のプロセッサ11が、情報端末60から発信される主要なコマンドを受信したことに応じて実行する情報処理の手順を示す流れ図である。この手順は、制御プログラムに従ったものである。
図15は、実店舗サーバ10のプロセッサ11が、会計機50から発信されるスキャナコマンドを受信したことに応じて実行する情報処理の手順を示す流れ図である。この手順も、制御プログラムに従ったものである。
【0046】
以下、これらの流れ図を用いて、販売システム1の主要な動作について説明する。具体的には、仮想店舗で第1の商品を注文し、その注文した第1の商品と関連する第2の商品を実店舗で購入することとした購買者が、カートCの情報端末60を使用して買上商品の登録を行い、会計機50で会計を行うまでの動作である。なお、以下に説明する動作の内容は一例である。同様な結果が得られるのであれば、その手順は特に限定されるものではない。
【0047】
<ログインに係る動作>
実店舗に来店した購買者は、カート置き場からカートCを取出し、当該カートCに設けられた情報端末60のタッチパネル65にタッチする。情報端末60では、タッチパネル65がタッチされると、アイドル状態であったプロセッサ61が起動する。そしてプロセッサ61は、
図7の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。
【0048】
はじめにプロセッサ61は、Act101としてタッチパネル65にログイン画面を表示させる。ログイン画面は、ログイン操作を受け付けるための画面である。例えば購買者は、ユーザIDが記録された記録媒体を所持している。記録媒体は、スマートフォン等のユーザ端末3である。記録媒体は、ICカード、磁気カード等のカード媒体であってもよい。記録媒体がユーザ端末3の場合、当該ユーザ端末3にインストールされたアプリケーションプログラムの作用により、ユーザ端末3の表示デバイスに、バーコード又は二次元データコードの形態でユーザIDが表示される。ログイン画面を確認した購買者は、ユーザ端末3の表示デバイスに表示されたユーザIDを、スキャナ66で読み取らせる。スキャナ66でユーザIDが読み取られると、情報端末60では、そのユーザIDがプロセッサ61へと与えられる。記録媒体がカード媒体の場合、購買者は、そのカード媒体のデータをリーダ67で読み取らせる。リーダ67でカード媒体のデータが読み取られると、そのデータに含まれるユーザIDがプロセッサ61へと与えられる。
【0049】
ログイン画面を表示させたプロセッサ61は、Act102としてログイン操作を待ち受けている。プロセッサ61は、ログイン操作が行われたことを確認すると、Act102においてYESと判定し、Act103へと進む。プロセッサ61は、Act103としてログインコマンドを実店舗サーバ10宛に出力するように無線ユニット64を制御する。この制御により、無線ユニット64は、ログインコマンドを無線送信する。ログインコマンドは、アクセスポイント70で受信され、ネットワーク80を経由して実店舗サーバ10へと送られる。ログインコマンドには、ログイン操作により入力されたユーザIDが含まれている。
【0050】
実店舗サーバ10のプロセッサ11は、通信インターフェース14を介して情報端末60からコマンドを受信すると、そのコマンドの種類を確認する。受信コマンドがログインコマンドであった場合、プロセッサ11は、
図10の流れ図に示す手順のログインコマンド受信処理を開始する。
【0051】
プロセッサ11は、Act201としてログインコマンドからユーザIDを取得する。そしてプロセッサ11は、Act202としてそのユーザIDで識別されるユーザの認証を行う。具体的にはプロセッサ11は、そのユーザIDを含む会員レコードが会員データベース43に存在するか否かをデータベースサーバ40に問い合わせる。その結果、データベースサーバ40から該当する会員レコードが会員データベース43に存在するとの応答を受けた場合には、プロセッサ11は、ユーザ認証が有効であると認定する。データベースサーバ40から該当する会員レコードが会員データベース43に存在しないとの応答を受けた場合には、プロセッサ11は、ユーザ認証が無効であると認定する。
【0052】
ユーザ認証を行ったプロセッサ11は、Act203としてその認証結果を確認する。ここで、認証結果が無効であった場合、プロセッサ11は、Act203においてNOと判定し、Act204へと進む。プロセッサ11は、Act204としてログインコマンド送信元の情報端末60を宛先として否認応答コマンドを出力するように通信インターフェース14を制御する。この制御により、通信インターフェース14は、否認応答コマンドをネットワーク80へと送信する。否認応答コマンドは、ネットワーク80を介してアクセスポイント70から無線送信され、ログインコマンド送信元の情報端末60で受信される。以上で、プロセッサ11は、ユーザ認証が無効であった場合のログインコマンド受信処理を終了する。
【0053】
認証結果が有効であった場合には、プロセッサ11は、Act203においてYESと判定し、Act205へと進む。プロセッサ11は、Act205としてログインコマンドから取得したユーザIDを含む注文商品データ311Pの有無を注文サーバ30に問い合わせる。以下、ログインコマンドから取得したユーザIDを含む注文商品データ311を注文商品データ311Pと表す。
【0054】
この問合せに対して注文サーバ30では、注文ファイル31が検索されて、問い合わせのあった注文商品データ311Pの有無が判定される。そして、その判定結果が注文サーバ30から実店舗サーバ10へと通知される。
【0055】
注文サーバ30への問合せを行った実店舗サーバ10のプロセッサ11は、Act206として注文サーバ30からの判定結果を待ち受ける。その結果、注文商品データ311Pが存在しない旨の応答を受信した場合には、プロセッサ11は、Act206においてNOと判定し、
図11のAct219へと進む。Act219の処理については、後述する。
【0056】
注文商品データ311Pが存在する旨の応答を受信した場合には、プロセッサ11は、Act206においてYESと判定し、Act207へと進む。プロセッサ11は、Act207として注文サーバ30から注文商品データ311Pの1つを取得する。そしてプロセッサ11は、Act208として当該注文商品データ311Pの有効フラグを調べる。有効フラグが“0”にリセットされている場合、当該注文商品データ311Pは無効である。この場合、プロセッサ11は、Act208においてNOと判定し、Act209へと進む。プロセッサ11は、Act209として当該注文商品データ311Pを破棄する。
【0057】
当該注文商品データ311Pの有効フラグが“1”にセットされている場合には、プロセッサ11は、Act208においてYESと判定し、Act210へと進む。プロセッサ11は、Act210として当該注文商品データ311Pをメインメモリ12の一時記憶バッファに記憶する。またプロセッサ11は、Act211として当該注文商品データ311Pの有効フラグを“0”に変更するように注文サーバ30に通知する。この通知を受けて注文サーバ30においては、注文ファイル31に保存されている当該注文商品データ311Pの有効フラグが“1”から“0”に変更される。
【0058】
Act209またはAct211の処理を終えると、プロセッサ11は、Act212として注文ファイル31に該当する注文商品データ311Pが他に存在するか否かを確認する。存在する場合には、プロセッサ11は、Act212においてYESと判定し、Act207へと戻る。そしてプロセッサ11は、新たな注文商品データ311Pを取得し、前述したAct208乃至Act211の処理を再度実行する。
【0059】
このように、注文ファイル31に注文商品データ311Pが複数存在する場合には、その全ての注文商品データ311Pに対して、Act208乃至Act211を実行する。そして、注文商品データ311Pで未処理のデータが注文ファイル31に存在しないことを確認すると、プロセッサ11は、Act212においてNOと判定し、
図11のAct213へと進む。
【0060】
プロセッサ11は、Act213としてメインメモリ12の一時記憶バッファに注文商品データ311Pが記憶されているか否かを確認する。一時記憶バッファには、前述したAct210の処理において注文商品データ311Pが記憶される。すなわち、情報端末60に対してログインを行った購買者がそれ以前に仮想店舗で注文した商品に係る注文商品データ311Pのうち、有効フラグが“1”に設定されている注文商品データ311Pが一時記憶バッファに記憶される。以下では、一時記憶バッファに記憶された注文商品データ311Pを注文商品データ311Qと表す。注文商品データ311Qの数は、1つとは限らない。複数の注文商品データ311Qが一時記憶バッファに記憶される場合もあり得る。
【0061】
一時記憶バッファに注文商品データ311Pが1つも記憶されていない場合、すなわち注文商品データ311Qが存在しない場合には、プロセッサ11は、Act213においてNOと判定し、後述のAct219へと進む。
【0062】
一時記憶バッファに注文商品データ311Pが1つでも記憶されている場合、すなわち注文商品データ311Qが存在する場合には、プロセッサ11は、Act213においてYESと判定し、Act214へと進む。プロセッサ11は、Act214として注文商品データ311Qのなかに、まとめ値引の対象となる第1の商品の注文商品データが含まれているか否かを確認する。
【0063】
具体的にはプロセッサ11は、注文商品データ311Q毎に、その注文商品データ311Qに含まれる注文商品コードでまとめ値引テーブル131を検索する。そしてプロセッサ11は、対象商品領域131cに当該注文商品コードが記述されている注文商品データ311Qの有無を確認する。以下では、対象商品領域131cに当該注文商品コードが記述されている注文商品データ311Qを注文商品データ311Rと表す。注文商品データ311Rは、まとめ値引の対象となる第1の商品の注文商品データ311Qである。注文商品データ311Rが存在しない場合、プロセッサ11は、Act214においてNOと判定し、後述のAct219へと進む。
【0064】
注文商品データ311Rが1つでも存在する場合、プロセッサ11は、Act214においてYESと判定し、Act215へと進む。プロセッサ11は、Act215として注文商品データ311R毎に、その注文商品データ311Rに含まれる注文商品コードが記述されている対象商品領域131cに対応したまとめ価格領域131dからまとめ価格Mを取得する。またプロセッサ11は、Act216として当該注文商品コードとともに対象商品領域131cに記述されている他の商品識別コードで識別される商品、すなわち第1の商品との関連性によりまとめ値引の対象となる第2の商品の価格をデータベースサーバ40に問い合わせる。
【0065】
この問合せを受けてデータベースサーバ40では商品データベース41が検索され、問い合わせのあった商品識別コードを含む商品レコードに記述されている価格が読み出される。そしてこの価格のデータが、データベースサーバ40から実店舗サーバ10へと送られる。
【0066】
データベースサーバ40から価格のデータを取得すると、実店舗サーバ10のプロセッサ11は、Act217としてまとめ値引対象である第1の商品と第2の商品との合計額Nを算出する。合計額Nは、データベースサーバ40から取得した価格のデータから求まる第2の商品の実店舗での販売価格に、当該注文商品データ311Rに含まれる第1の商品の注文時価格を加算した金額である。
【0067】
合計額Nを算出し終えると、プロセッサ11は、Act218としてまとめ価格Mよりも大きい合計額Nが算出されたか否かを確認する。仮想店舗で第1の商品を注文したときに当該第1の商品が値引されていた場合、第1の商品の注文時価格と第2の商品の販売価格との合計額Aがまとめ価格M以下となる場合があり得る。合計額Nがまとめ価格M以下の場合、購買者は、まとめ値引対象の商品を購入してもまとめ値引のサービスを受けられない。この場合、プロセッサ11は、Act218においてNOと判定し、Act219へと進む。
【0068】
このように、
図10のAct206においてNOと判定されるか、
図11のAct213、Act214またはAct218においてNOと判定された場合、プロセッサ11は、Act219へと進む。プロセッサ11は、Act219としてログインコマンド送信元の情報端末60を宛先として、Aタイプの承認応答コマンドを出力するように通信インターフェース14を制御する。この制御により、通信インターフェース14は、Aタイプの承認応答コマンドをネットワーク80へと送信する。Aタイプの承認応答コマンドには、ログインコマンドから取得したユーザIDが含まれる。Aタイプの承認応答コマンドは、ネットワーク80を介してアクセスポイント70から無線送信され、ログインコマンド送信元の情報端末60で受信される。
【0069】
Act217において、合計額Nがまとめ価格Mよりも大きい場合には、購買者は、まとめ値引対象の第2の商品を購入することでまとめ値引のサービスを受けることができる。この場合、プロセッサ11は、Act218においてYESと判定し、Act220へと進む。プロセッサ11は、Act220としてまとめ値引額Dを算出する。まとめ値引額Dは、合計額Nからまとめ価格Mを減額した金額である。
【0070】
まとめ値引額Dを算出し終えると、プロセッサ11は、Act221としてログインコマンド送信元の情報端末60を宛先として、Bタイプの承認応答コマンドを出力するように通信インターフェース14を制御する。この制御により、通信インターフェース14は、Bタイプの承認応答コマンドをネットワーク80へと送信する。Bタイプの承認応答コマンドには、ログインコマンドから取得したユーザIDと、合計額Nがまとめ価格Mよりも大きくなる注文商品データ311Rと、まとめ値引対象の第2の商品に関するデータと、まとめ値引額Rのデータとが含まれる。Bタイプの承認応答コマンドは、ネットワーク80を介してアクセスポイント70から無線送信され、ログインコマンド送信元の情報端末60で受信される。
【0071】
プロセッサ11は、Aタイプ又はBタイプの承認応答コマンドの出力を制御したならば、Act222としてメインメモリ12の所定領域に買物カゴメモリ121を作成する。そしてプロセッサ11は、ログインコマンドから取得したユーザIDを買物カゴメモリ121に記述する。また、一時記憶バッファに記憶していた注文商品データ311Qのなかに注文商品データ311Rが含まれる場合には、プロセッサ11は、その注文商品データ311Rを買物カゴメモリ121に記述する。その後プロセッサ11は、一時記憶バッファから注文商品データ311Qを削除する。
【0072】
以上で、プロセッサ11は、ユーザ認証が有効であった場合のログインコマンドの受信処理を終了する。
【0073】
図7の説明に戻る。
Act103においてログインコマンドの出力を制御した情報端末60のプロセッサ61は、Act104として実店舗サーバ10からの応答コマンドを待ち受ける。実店舗サーバ10から否認応答コマンドを受信した場合、プロセッサ61は、Act104においてNOと判定し、ログインをエラーとする。
【0074】
ログインがエラーとなった場合、情報端末60のオペレータである購買者は、タッチパネル65からエラーの解除操作を行う。プロセッサ61は、解除操作が行われると、Act1から処理を再開する。したがって購買者は、再びログインを行うこととなる。
【0075】
Act104においてプロセッサ61は、実店舗サーバ10からAタイプ又はBタイプの承認応答コマンドを受信した場合にはYESと判定し、Act105へと進む。プロセッサ61は、Act105としてその承認応答コマンドに含まれているユーザIDをメインメモリ62にて記憶する。またプロセッサ61は、Act106としてタッチパネル65に登録画面を表示させる。登録画面は、購買者が購入する商品の商品名、点数、価格等の買上商品リストと合計金額とを表示するための画面である。
【0076】
プロセッサ61は、Act107として承認応答コマンドがAタイプであるかBタイプであるかを識別する。Bタイプの承認応答コマンドである場合、プロセッサ61は、Act107においてYESと判定し、Act108へと進む。プロセッサ61は、Act108として当該承認応答コマンドに含まれる注文商品データ311Rとまとめ値引額Rのデータとに基づき、購買者に対してまとめ値引のサービスが受けられることを報知するための報知動作を行う。報知動作は、登録画面を利用して行う。
【0077】
図16は、報知動作が行われた登録画面SC1の一例である。図示するように、登録画面SC1には、買上商品リストの表示領域AR1と、合計の表示領域AR2とが形成されている。また、登録画面SC1の一部に会計ボタンBT1の画像が表示されている。会計ボタンBT1は、購買者が会計を指示する場合に入力操作される。
【0078】
また、登録画面SC1の一部には、Act108の報知動作によってメッセージMS1と確認ボタンBT2の画像が表示されている。メッセージMS1は、購買者に対してまとめ値引のサービスが受けられることを報知する内容である。確認ボタンBT2は、購買者がサービス内容の確認を指示する場合に入力操作される。
【0079】
メッセージMS1の内容は、特に限定されるものではない。本実施形態では、まとめ値引の対象となる商品が店舗で販売されていることを通知する内容となっている。したがって、メッセージMS1を確認した購買者は、まとめ値引の対象となる商品の品目を知りたい場合、確認ボタンBT2を入力操作することとなる。
【0080】
Act108の処理を終えると、プロセッサ61は、Act109へと進む。プロセッサ61は、Act109として確認ボタンBT2が入力されたか否かを確認する。確認ボタンBT2が入力されていない場合、プロセッサ61は、Act109においてNOと判定し、Act110へと進む。プロセッサ61は、Act110として商品登録が行われたか否かを確認する。商品登録が行われていない場合、プロセッサ61は、Act110においてNOと判定し、Act111へと進む。プロセッサ61は、Act111として会計ボタンBT1が入力されたか否かを確認する。会計ボタンBT1が入力されていない場合、プロセッサ61は、Act111においてNOと判定し、Act107へと戻る。ここにプロセッサ61は、Bタイプの承認応答コマンドを受信した場合、Act109乃至Act111の処理において、確認ボタンBT2が入力されるか、商品登録が行われるか、会計ボタンBT1が入力されるのを待ち受ける。
【0081】
この待ち受け状態において、確認ボタンBT2が入力された場合、プロセッサ61は、Act109においてYESと判定し、Act112へと進む。プロセッサ61は、Act112としてタッチパネル65にまとめ値引サービスの詳細画面を表示させる。詳細画面は、仮想店舗で注文した商品との組み合わせにより、まとめ値引が成立する商品の情報を購買者に知らせるための画面である。
【0082】
図17は、詳細画面SC2の一例である。図示するように詳細画面SC2には、メッセージMS2と、まとめ値引対象の第2の商品の商品名及びまとめ値引額のリストLS1と、戻るボタンBT3の画像とが表示されている。メッセージMS2は、仮想店舗で注文した第1の商品(商品A)との関連性によりまとめ値引が成立する第2の商品が存在することを通知する内容となっている。リストLS1は、実店舗において第1の商品と関連する第2の商品として商品Bを購入することでまとめ値引が成立し、20円の値引が行われることを示している。戻るボタンBT3は、購買者が詳細画面SC2の確認を終えた場合に入力操作される。
【0083】
詳細画面SC2を表示させた後、プロセッサ61は、Act113として戻るボタンBT3が入力操作されるのを待ち受ける。そして戻るボタンBT3が入力操作されると、プロセッサ61は、Act107へと戻る。すなわちプロセッサ61は、前述したAct109乃至Act111の待ち受け状態に戻る。
【0084】
一方、Aタイプの承認応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ61は、Act107においてNOと判定し、Act108及びAct109の処理をスキップしてAct110へと進む。すなわちプロセッサ61は、Act110として商品登録が行われるか、Act111として会計ボタンBT1が入力されるのを待ち受ける。
【0085】
<買上商品の登録に係る動作>
情報端末60のタッチパネル65に登録画面SC1が表示されたことを確認した購買者は、売場を回り、購入しようとする商品、いわゆる買上商品をカートCに収容する。このとき購買者は、買上商品をカートCに入れる前に、買上商品に付されているコードシンボルをスキャナ66で読み取らせる。スキャナ66でコードシンボルが読み取られると、そのコードシンボルで表わされた商品識別コードが情報端末60に入力される。すなわち商品識別コードで識別される商品が登録される。
【0086】
なお、生鮮食品などの一部の商品にはコードシンボルが付されていないことがある。買上商品にコードシンボルが付されていない場合、購買者は、タッチパネル65に表示される商品ボタンから買上商品に対応した商品ボタンにタッチする。商品ボタンがタッチされたことで、その商品ボタンに対応した商品の商品識別コードが情報端末60に入力される。すなわち商品識別コードで識別される商品が登録される。
【0087】
Act109乃至Act111の待ち受け状態、あるいはAct110及びAct111の待ち受け状態にある情報端末60のプロセッサ61は、商品登録が行われたことを確認すると、Act110においてYESと判定し、
図8のAct121へと進む。プロセッサ61は、Act121として商品登録コマンドを実店舗サーバ10宛に出力するように無線ユニット64を制御する。この制御により、無線ユニット64は、商品登録コマンドを無線送信する。商品登録コマンドには、Act105の処理で記憶したユーザIDと、登録商品の商品識別コードとが含まれる。商品登録コマンドは、アクセスポイント70で受信され、ネットワーク80を介して実店舗サーバ10へと送られる。
【0088】
実店舗サーバ10のプロセッサ11は、通信インターフェース14を介して受信したコマンドが商品登録コマンドであることを確認すると、
図12の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0089】
プロセッサ11は、Act231として商品登録コマンドから商品識別コードを取得する。そしてプロセッサ11は、Act232として当該商品識別コードで識別される商品の商品データをデータベースサーバ40に問い合わせる。この問合せを受けてデータベースサーバ40では商品データベース41が検索され、当該商品識別コードを含む商品レコードに記述されている価格、商品名等の商品データが読み出される。そしてこの商品データが、データベースサーバ40から実店舗サーバ10へと送られる。実店舗サーバ10のプロセッサ11は、データベースサーバ40から送られてきた商品データを一時記憶メモリに記憶する。
【0090】
プロセッサ11は、Act233として一時記憶メモリに記憶した商品データを基に買上商品データを生成する。そしてプロセッサ11は、Act234として商品登録コマンドから取得したユーザIDを含む買物カゴメモリ121に、買上商品データを記述する。またプロセッサ11は、Act235として当該買物カゴメモリ121の合計金額を、買上商品データの価格を加算した金額となるように更新する。買上商品データには、買上商品の商品識別コード、実店舗での販売価格、商品名等が含まれる。
【0091】
プロセッサ11は、Act236としてまとめ値引が成立するか否かの判定を行う。具体的にはプロセッサ11は、買物カゴメモリ121に記憶されている注文商品データの注文商品コードと、Act234の処理で買物カゴメモリ121に記述した買上商品データの商品識別コードとを組み合わせたデータで、まとめ値引テーブル131を検索する。そしてプロセッサ11は、組み合わせデータと一致するデータが対象商品領域131cに存在するか否かを確認する。存在しない場合、まとめ値引は成立しない。存在する場合、まとめ値引は成立する。
【0092】
プロセッサ11は、Act237としてまとめ値引が成立するか否かを判定する。まとめ値引が成立しない場合、プロセッサ11は、Act237においてNOと判定し、Act242へと進む。Act242の処理については後述する。
【0093】
まとめ値引が成立する場合、プロセッサ11は、Act237においてYESと判定し、Act238へと進む。プロセッサ11は、Act238としてまとめ値引対象商品の合計額Nを算出する。すなわちプロセッサ11は、対象商品領域131cに注文商品コードが存在する注文商品データの注文時価格と、同対象商品領域131cに商品識別コードが存在する買上商品データの販売価格とを合算することで合計額Nを算出する。
【0094】
合計額Nを算出したならば、プロセッサ11は、Act239としてその合計額Nが、当該対象商品領域131cに対応したまとめ価格領域131dのまとめ値引額Mよりも大きいか否かを確認する。合計額Nがまとめ値引額M以下の場合、プロセッサ11は、Act239においてNOと判定し、Act242へと進む。Act242の処理については後述する。
【0095】
合計額Nがまとめ値引額Mよりも大きい場合には、プロセッサ11は、Act239においてYESと判定し、Act240へと進む。プロセッサ11は、Act240として合計額Nからまとめ値引額Mを減算して値引額Dを算出する。そしてプロセッサ11は、Act241として値引額Dを当該買物カゴメモリ121の値引合計額に加算する。またプロセッサ11は、当該買物カゴメモリ121の合計金額から値引額Dを減額する。その後、プロセッサ11は、Act242へと進む。
【0096】
このように、Act237またはAct239においてNOと判定されるか、Act241の処理を終えると、プロセッサ11は、Act242へと進む。プロセッサ11は、Act242として商品登録コマンド送信元の情報端末60を宛先として、登録済コマンドを出力するように通信インターフェース14を制御する。この制御により、通信インターフェース14は、登録済コマンドをネットワーク80へと送信する。登録済コマンドには、買上商品リストと、値引合計額と、合計金額と、が含まれる。買上商品リストは、商品登録コマンドから取得したユーザIDを含む買物カゴメモリ121に記憶されている買上商品データから生成される。登録済コマンドは、ネットワーク80を介してアクセスポイント70から無線送信され、商品登録コマンド送信元の情報端末60で受信される。以上で、プロセッサ11は、商品登録コマンドの受信処理を終了する。
【0097】
図8の説明に戻る。
Act121において商品登録コマンドの出力を制御した情報端末60のプロセッサ61は、Act122として登録済コマンドを待ち受ける。そして実店舗サーバ10から登録済コマンドを受信すると、プロセッサ61は、Act122においてYESと判定し、Act123へと進む。プロセッサ61は、Act123としてタッチパネル65に表示されている登録画面SC1を更新する。すなわちプロセッサ61は、登録済コマンドに含まれる買上商品リストが登録画面SC1の領域A1に表示されるように更新する。またプロセッサ61は、登録済コマンドに含まれる合計金額及び値引合計額が登録画面SC1の領域A2に表示されるように更新する。
【0098】
その後、プロセッサ61は、
図7のAct107へと戻る。そしてプロセッサ61は、Act109乃至Act111の待ち受け状態、あるいはAct110及びAct111の待ち受け状態となる。
【0099】
<買上商品の登録終了に係る動作>
さて、買物を終えた購買者は、会計を行うために、情報端末60のタッチパネル65に表示されている登録画面SC1から会計ボタンBT1を入力する。
Act109乃至Act111の待ち受け状態、あるいはAct110及びAct111の待ち受け状態にある情報端末60のプロセッサ61は、会計ボタンBT1が入力されたことを検知すると、Act111においてYESと判定し、
図9のAct131へと進む。プロセッサ61は、Act131として会計コマンドを実店舗サーバ10宛に出力するように無線ユニット64を制御する。この制御により、無線ユニット64は、会計コマンドを無線送信する。会計コマンドは、アクセスポイント70で受信され、ネットワーク80を介して実店舗サーバ10へと送られる。会計コマンドには、Act105の処理で記憶したユーザIDが含まれる。
【0100】
実店舗サーバ10のプロセッサ11は、通信インターフェース14を介して受信したコマンドが会計コマンドであることを確認すると、
図13の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0101】
プロセッサ11は、Act251としてその会計コマンドからユーザIDを取得する。またプロセッサ11は、Act252として会計バーコードを生成する。そしてプロセッサ11は、Act253として、Act251の処理で取得したユーザIDがセットされた買物カゴメモリ121に会計バーコードを記述する。
【0102】
プロセッサ11は、Act254として会計コマンド送信元の情報端末60を宛先として、会計通知コマンドを出力するように通信インターフェース14を制御する。この制御により、通信インターフェース14は、会計通知コマンドをネットワーク80へと送信する。会計通知コマンドには、会計コマンドから取得したユーザIDが記述されている買物カゴメモリ121の合計金額と会計バーコードとが含まれる。会計通知コマンドは、ネットワーク80を介してアクセスポイント70から無線送信され、会計コマンド送信元の情報端末60で受信される。以上で、プロセッサ11は、会計コマンドの受信処理を終了する。
【0103】
図9の説明に戻る。
会計コマンドの送信を制御したプロセッサ61は、Act132として会計通知コマンドを待ち受ける。会計通知コマンドを受信すると、プロセッサ61は、Act132においてYESと判定し、Act133へと進む。プロセッサ61は、Act133としてタッチパネル65の画面を会計案内画面とする。
【0104】
会計案内画面SC3の一例を
図18に示す。
図18に示すように、会計案内画面SC3には、会計通知コマンドに含まれている会計バーコードBC1と合計金額TAとが表示されている。また、[戻る]ボタンBT4の画像も表示されている。[戻る]ボタンBT4は、購買者が会計中止を指示する場合に入力操作される。
【0105】
会計案内画面SC3を表示させたプロセッサ61は、Act134として[戻る]ボタンBT4が入力されたか否かを確認する。[戻る]ボタンBT4が入力されていない場合、プロセッサ61はAct134においてNOと判定し、Act135へと進む。プロセッサ61は、Act135として会計済コマンドを受信したか否かを確認する。会計済コマンドについては後述する。会計済コマンドを受信していない場合、プロセッサ61は、Act135においてNOと判定し、Act134へと戻る。ここにプロセッサ61は、Act134及びAct135において、[戻る]ボタンBT4が入力されるか、会計済コマンドを受信するのを待ち受ける。
【0106】
この待ち受け状態において、[戻る]ボタンBT4が入力されたことを検知すると、プロセッサ61は、Act134においてYESと判定し、Act136へと進む。プロセッサ61は、Act136として会計取消コマンドを実店舗サーバ10宛に出力するように無線ユニット64を制御する。この制御により、無線ユニット64は、会計取消コマンドを無線送信する。会計取消コマンドは、アクセスポイント70で受信され、ネットワーク80を介して実店舗サーバ10へと送られる。会計取消コマンドには、Act105の処理で取得したユーザIDが含まれる。
【0107】
会計取消コマンドの送信を制御したプロセッサ61は、Act137としてタッチパネル65の画面を会計案内画面SC3に切り替わる直前の登録画面SC1に戻す。その後、プロセッサ61は、
図7のAct107へと戻る。そしてプロセッサ61は、Act109乃至Act111の待ち受け状態、あるいはAct110及びAct111の待ち受け状態となる。
【0108】
実店舗サーバ10のプロセッサ11は、通信インターフェース14を介して受信したコマンドが会計取消コマンドであることを確認すると、
図14の流れ図に示す手順のコマンド受信処理を開始する。
【0109】
プロセッサ11は、Act261として会計取消コマンドからユーザIDを取得する。そしてプロセッサ11は、Act262として当該ユーザIDを含む買物カゴメモリ121から会計バーコードを削除する。以上で、プロセッサ11は、会計取消コマンドの受信処理を終了する。
【0110】
<買上商品の会計に係る動作>
さて、買物を終えた購買者は、カートCとともに会計機50が設置されている場所まで行く。そして購買者は、情報端末60のタッチパネル65に表示されている会計案内画面SC3の会計バーコードBC1を、会計機50のスキャナで読み取らせる。そうすると、会計機50から実店舗サーバ10にスキャナコマンドが送信される。スキャナコマンドには、会計バーコードのデータが含まれる。
【0111】
スキャナコマンドを受信した実店舗サーバ10のプロセッサ11は、
図15の流れ図に示す手順の処理を開始する。すなわちプロセッサ11は、Act271としてスキャナコマンドから会計バーコードのデータを取得する。そしてプロセッサ11は、Act272としてその会計バーコードのデータでメインメモリ12の買物カゴメモリ121が作成されている領域を検索する。
【0112】
プロセッサ11は、Act273として当該会計バーコードのデータが記述されている買物カゴメモリ121Pの有無を判定する。以下、スキャナコマンドから取得した会計バーコードのデータが記述されている買物カゴメモリ121を買物カゴメモリ121Pと表す。
【0113】
買物カゴメモリ121Pが存在しない場合、プロセッサ11は、Act273においてNOと判定し、スキャナコマンドの入力をエラーとする。スキャナコマンドの入力がエラーとなった場合、会計機50においてエラーが報知される。エラーを確認した購買者は、会計バーコードのスキャニングを再度行うこととなる。
【0114】
買物カゴメモリ121Pが存在する場合には、プロセッサ11は、Act273においてYESと判定し、Act274へと進む。プロセッサ11は、Act274として買物カゴメモリ121Pに記述されている買上商品データ、値引合計額及び合計金額の各データを、決済処理に必要な会計データとして、スキャナコマンド送信元の会計機50へと出力するように通信インターフェース14を制御する。この制御により通信インターフェース14は、会計データをネットワーク80へと送信する。会計データは、スキャナコマンド送信元の会計機50へと送られ、決済処理が実行される。決済処理は、会計機50における周知の処理であるので、ここでの説明は省略する。
【0115】
会計データの送信を制御したプロセッサ11は、Act275として買物カゴメモリ121Pに記述されているユーザIDを取得する。プロセッサ11は、Act276として会計コマンド送信元の情報端末60を宛先として、会計済コマンドを出力するように通信インターフェース14を制御する。この制御により、通信インターフェース14は、会計済コマンドをネットワーク80へと送信する。会計済コマンドには、買物カゴメモリ121Pから取得したユーザIDが含まれる。会計済コマンドは、ネットワーク80を介してアクセスポイント70から無線送信され、会計コマンド送信元の情報端末60で受信される。プロセッサ11は、Act277として買物カゴメモリ121Pを削除する。以上で、プロセッサ11は、スキャナコマンドの受信処理を終了する。
【0116】
図9の説明に戻る。
Act134及びAct135の待ち受け状態にあるプロセッサ61は、会計済コマンドを受信すると、Act135においてYESと判定し、Act138へと進む。プロセッサ61は、Act138としてログアウトを行う。ログアウトを終えると、プロセッサ61は、端末プログラムに従った情報処理を終了する。
以上で、販売システム1の主要な動作に係る説明を終了する。
【0117】
以上の説明から明らかなように、実店舗サーバ10は、実店舗に来店した購買者を特定する特定手段と、当該購買者が仮想店舗を通じて注文した商品に関する注文情報として注文商品データを取得する第1取得手段と、当該購買者が実店舗で購入した商品に関する買上情報として買上商品データを取得する第2取得手段と、第1取得手段により取得した注文商品データと第2取得手段により取得した買上商品データとからまとめ値引サービスの成立条件が満足される場合、サービスを提供する提供手段と、を備えている。
【0118】
すなわち実店舗サーバ10のプロセッサ11を主体とするコンピュータは、制御プログラムに従って
図10のAct201乃至Act203の処理を実行することにより、特定手段を実現している。同コンピュータは、制御プログラムに従って
図10のAct205乃至Act212の処理を実行することにより、第1取得手段を実現している。同コンピュータは、制御プログラムに従って
図12のAct231乃至Act234の処理を実行することにより、第2取得手段を実現している。同コンピュータは、制御プログラムに従って
図12のAct236乃至Act241の処理を実行することにより、提供手段を実現している。
【0119】
かかる構成の実店舗サーバ10を備えた販売システム1であれば、仮想店舗で注文した第1の商品と関連する第2の商品を実店舗で購入した場合に値引された金額で販売する、いわゆるまとめ値引のサービスを購買者に供与することができる。
【0120】
また実店舗サーバ10は、第1取得手段により取得した注文情報からサービスの成立条件を満足させる商品を検索する検索手段と、この検索手段により検出された商品に関する情報を通知する通知手段と、をさらに備えている。
【0121】
すなわち実店舗サーバ10のプロセッサ11を主体とするコンピュータは、制御プログラムに従って
図10のAct205乃至Act214の処理を実行することにより、検索手段を実現している。同コンピュータは、制御プログラムに従って
図10のAct215乃至Act221の処理を実行することにより、通知手段を実現している。
【0122】
かかる構成の実店舗サーバ10を備えた販売システム1であれば、仮想店舗で注文した第1の商品と関連する第2の商品を実店舗で購入した場合に値引サービスを受けられることを購買者に通知することができる。また、第2の商品が何であるか、値引額はいくらなのかという情報も購買者に通知することができる。したがって、実店舗に来店した購買者は、どの商品を購入するとまとめ値引のサービスを受けられるかという情報を事前に知ることができる。
【0123】
しかも、通知手段は、購買者が実店舗での買物の際に使用する情報端末60に通知するようにしている。したがって、購買者がカートCに取り付けられた情報端末60を操作して買上商品の登録を行う方式の実店舗では、通知を受けるための端末を情報端末60とは別に用意する必要はなく、既存のシステムを有効に活用することができる。
【0124】
また実店舗サーバ10は、購買者が仮想店舗を通じて商品を注文したときの当該商品の価格を基にサービスを提供するか否かを決定する決定手段を備えており、提供手段は、サービスの成立条件を満足し、かつ、決定手段によりサービスを提供することが決定された場合に当該サービスを提供するようにしている。
【0125】
すなわち実店舗サーバ10のプロセッサ11を主体とするコンピュータは、制御プログラムに従って
図11のAct215乃至Act218の処理を実行することにより、決定手段を実現している。
【0126】
かかる構成の実店舗サーバ10を備えた販売システムであれば、仮想店舗で第1の商品を注文した時の注文時価格と実店舗で第2の商品を購入したときの販売価格とを合計した金額が、第1の商品と第2の商品とのまとめ価格よりも大きい場合に限り、まとめ値引サービスが実施されることとなる。換言すれば、第1の商品を注文した時の注文時価格と実店舗で第2の商品を購入したときの販売価格との合計金額が、第1の商品と第2の商品とのまとめ価格以下の場合には、まとめ値引サービスが実施されない。したがって、購買者にとって不利益なまとめ引きサービスが実施されるおそれはない。
【0127】
以上、仮想店舗で注文した商品と実店舗で購入した商品との関連性により購買者にサービスを供与できる商品データ処理装置の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0128】
前記実施形態では、まとめ値引サービスを購買者に供与する場合について説明したが、サービスの種類はまとめ値引サービスに限定されるものではない。例えば、仮想店舗で注文した第1の商品と関連する第2の商品を実店舗で購入した場合に、クーポン券を発券したり、特典ポイントの倍率を大きくしたりするなどのサービスを購買者に供与してもよい。
【0129】
また、前記実施形態では、仮想店舗で注文した商品と実店舗で購入した商品との関連性により購買者にサービスを供与できる場合を例示した。この点に関しては、実店舗で購入した商品と関連する商品を仮想店舗で注文した場合に、購買者にサービスを供与するようにしてもよい。
前記実施形態では、購買者がWebサイトに公開された仮想店舗を通じて商品の注文を行う場合を示したが、商品を注文する方法はこれに限定されるものではない。例えば購買者が、入力フォーマットが定められたデータファイルに注文情報を入力し、このデータファイルを添付した電子メールを所定のメールアドレスに送信することで、商品の注文を行うようにしてもよい。あるいは購買者が、ライン[LINE](登録商標)、ワッツアップ[WhatsApp](登録商標)などのメッセージアプリケーションを使用して商品の注文を行ってもよい。
【0130】
まとめ値引テーブル131の記憶場所は、実店舗サーバ10でなくてもよい。例えば、注文サーバ30であってもよいし、データベースサーバ40であってもよい。
【0131】
まとめ値引が成立する条件は、商品単位でなくてもよい。例えば、第1の商品分類に属する商品と第2の商品分類に属する商品とを購入した場合にまとめ値引が成立するようにしてもよい。この場合、まとめ値引テーブル131の対象商品領域131cには、第1の商品分類を識別するコードと第2の商品分類を識別するコードとが記述されることとなる。第1の商品分類と第2の商品分類とは共通であってもよい。つまり、同一の商品分類に属する商品を成立品目数だけ購入するとまとめ値引が成立するようにしてもよい。
【0132】
前記実施形態では、実店舗で購買者が購入する買上商品の登録を、購買者自身がカートCに備えられた情報端末60を操作して行う場合を例示した。この点に関しては、実店舗に備えられた周知のPOS端末を店員又は購買者が操作して買上商品の登録を行ってもよい。すなわち実店舗サーバ10は、第2取得手段として、POS端末を介して登録された買上商品の情報を取得し、その情報と第1取得手段により取得した注文情報とからサービスの成立条件が満足される場合にサービスを提供してもよい。
【0133】
前記実施形態では、実店舗サーバ10に対し、制御プログラムがメインメモリ12又は補助記憶デバイス13に予め記憶されている場合を例示した。この点に関しては、制御プログラムがメインメモリ12又は補助記憶デバイス13に記憶されていない状態で、商品データ処理装置を構成してもよい。その場合には、商品データ処理装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、この商品データ処理装置とは個別に譲渡された制御プログラムがユーザなどの操作に応じて書き込まれればよい。制御プログラムの譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカート等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0134】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]来店した購買者を特定する特定手段と、前記購買者が注文した商品に関する注文情報を取得する第1取得手段と、前記購買者が店舗で購入した商品に関する買上情報を取得する第2取得手段と、前記第1取得手段により取得した前記注文情報と前記第2取得手段により取得した前記買上情報とからサービスの成立条件が満足される場合、前記サービスを提供する提供手段と、を具備する商品データ処理装置。
[2]前記第1取得手段により取得した前記注文情報から前記サービスの成立条件を満足させる商品を検索する検索手段と、前記検索手段により検出された商品に関する情報を通知する通知手段と、をさらに具備する付記[1]記載の商品データ処理装置。
[3]前記通知手段は、前記購買者が前記店舗で使用する情報端末に通知する、付記[2]記載の商品データ処理装置。
[4]前記購買者が商品を注文したときの当該商品の価格を基に前記サービスを提供するか否かを決定する決定手段、をさらに具備し、前記提供手段は、前記サービスの成立条件を満足し、かつ、前記決定手段により前記サービスを提供することが決定された場合に当該サービスを提供する、付記[1]乃至[3]のうちいずれか1項記載の商品データ処理装置。
[5]前記サービスは、第1の商品と第2の商品との組み合わせが成立した場合に値引きするまとめ値引サービスである、付記[1]乃至[4]のうちいずれか1項記載の商品データ処理装置。
[6]コンピュータを、来店した購買者を特定する特定手段、前記購買者が注文した商品に関する注文情報を取得する第1取得手段、前記購買者が店舗で購入した商品に関する買上情報を取得する第2取得手段、前記第1取得手段により取得した前記注文情報と前記第2取得手段により取得した前記買上情報とからサービスの成立条件が満足される場合、前記サービスを提供する提供手段、として機能させるための制御プログラム。
【符号の説明】
【0135】
1…販売システム、10…実店舗サーバ、11…プロセッサ、12…メインメモリ、13…補助記憶デバイス、14…通信インターフェース、20…仮想店舗サーバ、30…注文サーバ、31…注文ファイル、40…データベースサーバ、41…商品データベース、42…在庫データベース、43…会員データベース、50…会計機、60…情報端末、70…アクセスポイント、80…ネットワーク、121…買物カゴメモリ、131…まとめ値引テーブル。