(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、該バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/507 20210101AFI20231120BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20231120BHJP
H01M 50/516 20210101ALI20231120BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20231120BHJP
【FI】
H01M50/507
H01M50/569
H01M50/516
H01M50/249
(21)【出願番号】P 2022509693
(86)(22)【出願日】2020-09-22
(86)【国際出願番号】 KR2020012796
(87)【国際公開番号】W WO2021080192
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2022-02-15
(31)【優先権主張番号】10-2019-0132947
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】キョン-モ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ホ-ジュン・チ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-オ・ムン
(72)【発明者】
【氏名】ジン-ヨン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジュン-フン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヒ-ジュン・ジン
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/074211(WO,A1)
【文献】特表2020-518968(JP,A)
【文献】特開2004-362996(JP,A)
【文献】国際公開第2019/176584(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/50
H01M 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一側に電極リードが突出する複数のバッテリーセルと、
前記複数のバッテリーセルの電極リード同士を電気的に接続するためのバスバーアセンブリと、を含むバッテリーモジュールであって、
前記バスバーアセンブリは、
前記複数のバッテリーセルの少なくとも一側を覆うバスバーフレームと、
前記バスバーフレームに備えられ、前記電極リードを通過させる複数のリードスロットと、
前記複数のリードスロット同士の間に配置され、前記電極リードと連結される少なくとも一つのセンシングバスバーと、
前記少なくとも一つのセンシングバスバーを弾性的に支持可能な弾性ガイダであって、前記バスバーフレームの前後方向で前記少なくとも一つのセンシングバスバーの後方に配置される少なくとも一つの弾性ガイダと、
前記少なくとも一つの弾性ガイダは、
前記センシングバスバーの一端側の部分を弾性的に支持可能な第1板バネと、
前記センシングバスバーの他端側の部分を弾性的に支持可能な第2板バネと、を含む、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記少なくとも一つのセンシングバスバーは、前記少なくとも一つの弾性ガイダに弾性接触しながら、前記バスバーフレームの前後方向に移動可能に備えられる、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記第1板バネは、前記バスバーフレームに備えられ、前記バスバーフレームの前後方向に弾性変形可能
であり
前記第2板バネは、前記第1板バネから所定の距離だけ離隔して前記バスバーフレームに備えられ、前記バスバーフレームの前後方向に弾性変形可能
である請求項1又は2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記少なくとも一つの弾性ガイダは、
前記バスバーフレームに備えられ、前記第1板バネと前記第2板バネとを連結するバネ連結部を含む、請求項3に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記バネ連結部は、前記少なくとも一つのセンシングバスバーの後面と面接触する、請求項4に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記少なくとも一つの弾性ガイダは、前記バスバーフレームに一体で形成される、請求項1又は2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記バスバーアセンブリは、
前記バスバーフレームに備えられ、前記少なくとも一つのセンシングバスバーの 前方で前記少なくとも一つのセンシングバスバーの前方への離脱を防止する離脱防止ストッパを含む、請求項1又は2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記離脱防止ストッパは、
前記少なくとも一つのセンシングバスバーの
一端側に備えられ、前記少なくとも一つのセンシングバスバーが前方に移動するとき、所定距離以上で前記少なくとも一つのセンシングバスバーの
一端の移動を制限するストッパフックと、
前記少なくとも一つのセンシングバスバーの
他端側に備えられ、前記少なくとも一つのセンシングバスバーが前方に移動するとき、所定距離以上で前記少なくとも一つのセンシングバスバーの
他端の移動を制限するストッパ溝と、を含む、請求項7に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
請求項1
から8のいずれか一項に記載の少なくとも一つのバッテリーモジュールと、
前記少なくとも一つのバッテリーモジュールをパッケージングするパックケースと、を含む、バッテリーパック。
【請求項10】
請求項9に記載の少なくとも一つのバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュール、該バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び自動車に関する。
【0002】
本出願は、2019年10月24日付け出願の韓国特許出願第10-2019-0132947号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
製品群毎の適用性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV;Electric Vehicle)またはハイブリッド自動車(HEV;Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に適用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しないという点で環境にやさしく、エネルギー効率向上のための新たなエネルギー源として注目されている。
【0004】
現在、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などの二次電池が広く使用されている。このような単位二次電池セル、すなわち、単位バッテリーセルの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりも高い出力電圧が求められる場合、複数のバッテリーセルを直列で接続してバッテリーパックを構成することがある。また、バッテリーパックに求められる充放電容量に合わせて、複数のバッテリーセルを並列で接続してバッテリーパックを構成することもある。したがって、バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの個数は求められる出力電圧または充放電容量によって多様に設定され得る。
【0005】
一方、複数のバッテリーセルを直列/並列で接続してバッテリーパックを構成する場合、少なくとも一つのバッテリーセルを含むバッテリーモジュールをまず構成し、このような少なくとも一つのバッテリーモジュールを用いてその他の構成要素を付け加えることで、バッテリーパックを構成する方法が一般的である。
【0006】
従来のバッテリーモジュールの場合、溶接用ジグを用いてバッテリーセルの電極リードとバスバーアセンブリのセンシングバスバーとを密着加圧してレーザー溶接などで電極リードとセンシングバスバーとを溶接する。このような従来のバッテリーセルの電極リードとバスバーアセンブリのセンシングバスバーとの溶接の際、バスバーアセンブリの組立て公差などによって、電極リードとセンシングバスバーとの間で突出段差が発生することがある。従来のバッテリーモジュールにおいて、このような突出段差が発生した状態で溶接工程が行われると、溶接不良が発生する危険性が高くなる。
【0007】
従来、このような突出段差を補正しようとして加圧ジグなどを用いて電極リードとセンシングバスバーとを加圧する場合、従来のバッテリーモジュールでは、一般に、センシングバスバーがバスバーアセンブリのバスバーフレームに固定された状態で取り付けられるため、相対的に移動可能な電極リード側が集中的に加圧されて電極リードが損傷されるという問題がある。
【0008】
そこで、少なくとも一つのバッテリーセルの電極リードとバスバーアセンブリのセンシングバスバーとの溶接時に電極リードの損傷を防止しながら、組立て公差などによる突出段差が発生しても溶接品質の低下を防止することができるバッテリーモジュール、該バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び自動車が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、少なくとも一つのバッテリーセルの電極リードとバスバーアセンブリのセンシングバスバーとの溶接時に電極リードの損傷を防止することができるバッテリーモジュール、該バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び自動車を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、少なくとも一つのバッテリーセルの電極リードとバスバーアセンブリのセンシングバスバーとの溶接時に、組立て公差などによる突出段差が発生しても溶接品質の低下を防止することができるバッテリーモジュール、該バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び自動車を提供することを他の目的とする。
【0011】
さらに、本発明は、バッテリーセルにセルスウェリングが起きても、電極リードの損傷を防止することができるバッテリーモジュール、該バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び自動車を提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明は、少なくとも一側に電極リードが突出する複数のバッテリーセルと、複数のバッテリーセルの電極リード同士を電気的に接続するためのバスバーアセンブリと、を含み、バスバーアセンブリは、複数のバッテリーセルの少なくとも一側を覆うバスバーフレームと、バスバーフレームに備えられ、電極リードを通過させる複数のリードスロットと、複数のリードスロット同士の間に配置され、電極リードと連結される少なくとも一つのセンシングバスバーと、少なくとも一つのセンシングバスバーを弾性的に支持可能であり、バスバーフレームの前後方向で少なくとも一つのセンシングバスバーの後方に配置される少なくとも一つの弾性ガイダと、を含む、バッテリーモジュールを提供する。
【0013】
少なくとも一つのセンシングバスバーは、少なくとも一つの弾性ガイダに弾性接触しながら、バスバーフレームの前後方向に移動可能に備えられ得る。
【0014】
少なくとも一つの弾性ガイダは、バスバーフレームに備えられ、バスバーフレームの前後方向に弾性変形可能な第1板バネと、第1板バネから所定の距離だけ離隔してバスバーフレームに備えられ、バスバーフレームの前後方向に弾性変形可能な第2板バネと、を含み得る。
【0015】
少なくとも一つの弾性ガイダは、バスバーフレームに備えられ、第1板バネと第2板バネとを連結するバネ連結部を含み得る。
【0016】
バネ連結部は、少なくとも一つのセンシングバスバーの後面と面接触し得る。
【0017】
少なくとも一つの弾性ガイダは、バスバーフレームに一体で形成され得る。
【0018】
バスバーアセンブリは、バスバーフレームに備えられ、少なくとも一つのセンシングバスバーの前方で少なくとも一つのセンシングバスバーの前方への離脱を防止する離脱防止ストッパを含み得る。
【0019】
離脱防止ストッパは、少なくとも一つのセンシングバスバーの上側に備えられ、少なくとも一つのセンシングバスバーが前方に移動するとき、所定距離以上で少なくとも一つのセンシングバスバーの上端の移動を制限するストッパフックと、少なくとも一つのセンシングバスバーの下側に備えられ、少なくとも一つのセンシングバスバーが前方に移動するとき、所定距離以上で少なくとも一つのセンシングバスバーの下端の移動を制限するストッパ溝と、を含み得る。
【0020】
また、本発明は、上述した実施形態による少なくとも一つのバッテリーモジュールと、少なくとも一つのバッテリーモジュールをパッケージングするパックケースと、を含む、バッテリーパックを提供する。
【0021】
さらに、本発明は、上述した実施形態による少なくとも一つのバッテリーパックを含む、自動車を提供する。
【発明の効果】
【0022】
以上のような多様な実施形態によって、少なくとも一つのバッテリーセルの電極リードとバスバーアセンブリのセンシングバスバーとの溶接時に電極リードの損傷を防止することができるバッテリーモジュール、該バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び自動車を提供することができる。
【0023】
また、以上のような多様な実施形態によって、少なくとも一つのバッテリーセルの電極リードとバスバーアセンブリのセンシングバスバーとの溶接時に、組立て公差などによる突出段差が発生しても溶接品質の低下を防止することができるバッテリーモジュール、該バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び自動車を提供することができる。
【0024】
さらに、以上のような多様な実施形態によって、バッテリーセルにセルスウェリングが起きても、電極リードの損傷を防止することができるバッテリーモジュール、該バッテリーモジュールを含むバッテリーパック及び自動車を提供することができる。
【0025】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを説明するための図である。
【
図2】
図1のバッテリーモジュールの主要部を説明するための図である。
【
図3】
図2のバスバーアセンブリのセンシングバスバーを除いたバスバーフレームを説明するための図である。
【
図4】
図1のバッテリーモジュールの他の実施形態による離脱防止ストッパを説明するための図である。
【
図5】
図1のバッテリーモジュールのバッテリーセルの電極リードとセンシングバスバーとを溶接するとき、弾性ガイダによる電極リードとセンシングバスバーとの段差補正を説明するための図である。
【
図6】
図1のバッテリーモジュールのバッテリーセルの電極リードとセンシングバスバーとを溶接するとき、弾性ガイダによる電極リードとセンシングバスバーとの段差補正を説明するための図である。
【
図7】
図1のバッテリーモジュールのバッテリーセルにセルスウェリングが起きたとき、弾性ガイダによる電極リードの損傷防止を説明するための図である。
【
図8】
図1のバッテリーモジュールのバッテリーセルにセルスウェリングが起きたとき、弾性ガイダによる電極リードの損傷防止を説明するための図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるバッテリーパックを説明するための図である。
【
図10】本発明の一実施形態による自動車を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明することで本発明をより明確にする。後述する実施形態は発明の理解を助けるため例示的に示されるものであり、本発明が後述する実施形態から多様に変形されて実施できることを理解せねばならない。また、発明の理解を助けるため、添付された図面は、実際の縮尺ではなく、一部構成要素の寸法が誇張して示され得る。
【0028】
図1は本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールを説明するための図であり、
図2は
図1のバッテリーモジュールの主要部を説明するための図であり、
図3は
図2のバスバーアセンブリのセンシングバスバーを除いたバスバーフレームを説明するための図である。
【0029】
図1~
図3を参照すると、バッテリーモジュール10は、バッテリーセル100及びバスバーアセンブリ200を含み得る。
【0030】
バッテリーセル100は、二次電池であって、パウチ型二次電池、角形二次電池または円筒型二次電池として設けられ得る。以下、本実施形態では、バッテリーセル100がパウチ型二次電池として設けられることに限定して説明する。
【0031】
バッテリーセル100は、複数で備えられ得る。複数のバッテリーセル100は、相互電気的に接続可能に積層され、それぞれ、少なくとも一側に電極リード150が突出し得る。
【0032】
バスバーアセンブリ200は、複数のバッテリーセル100の電極リード150を電気的に接続するためのものであって、複数のバッテリーセル100の一側に配置され得る。
【0033】
このようなバスバーアセンブリ200は、バスバーフレーム210、リードスロット220、センシングバスバー230、弾性ガイダ240及び離脱防止ストッパ250を含み得る。
【0034】
バスバーフレーム210は、複数のバッテリーセル100の少なくとも一側を覆い得る。そのため、バスバーフレーム210は、複数のバッテリーセル100の少なくとも一側を覆うことのできる大きさ及び形状を有し得る。
【0035】
リードスロット220は、バスバーフレーム210に備えられ、複数のバッテリーセル100の電極リード150を通過させ得る。このようなリードスロット220は、複数で備えられ得る。
【0036】
センシングバスバー230は、複数のリードスロット220同士の間に配置され、バッテリーセル100の電極リード150と接続され得る。このようなセンシングバスバー230は、少なくとも一つまたはそれ以上の複数で備えられ得る。以下、本実施形態では、センシングバスバー230が複数で備えられることに限定して説明する。
【0037】
複数のセンシングバスバー230は、リードスロット220を通過した複数のバッテリーセル100の電極リード150とレーザー溶接などによる溶接結合で連結され得る。ここで、電極リード150は、折り曲げられないノン-ベンディング方式でセンシングバスバー230と溶接結合され得る。
【0038】
弾性ガイダ240は、センシングバスバー230を弾性的に支持可能であり、バスバーフレーム210の前後方向でセンシングバスバー230の後方に配置され得る。
【0039】
このような弾性ガイダ240は、センシングバスバー230の個数に対応するように複数で備えられ得る。このような弾性ガイダ240は、バスバーフレーム210に一体で形成され得る。
【0040】
このような弾性ガイダ240によって、複数のセンシングバスバー230は、それぞれ、弾性ガイダ240に弾性接触しながら、バスバーフレーム210の前後方向に移動可能に備えられ得る。
【0041】
弾性ガイダ240は、第1板バネ242、第2板バネ244及びバネ連結部246を含み得る。
【0042】
第1板バネ242は、バスバーフレーム210に備えられ得る。このような第1板バネ242は、バスバーフレーム210の前後方向に弾性変形可能に設けられ得る。
【0043】
第2板バネ244は、第1板バネ242から所定の距離だけ離隔してバスバーフレーム210に備えられ得る。このような第2板バネ244は、第1板バネ242と同様に、バスバーフレーム210の前後方向に弾性変形可能に設けられ得る。
【0044】
バネ連結部246は、バスバーフレーム210に備えられ、第1板バネ242と第2板バネ244とを連結し得る。このようなバネ連結部246は、センシングバスバー230の後面と面接触し得る。
【0045】
離脱防止ストッパ250は、バスバーフレーム210に備えられ、センシングバスバー230の前方でセンシングバスバー230が前後に移動するとき、センシングバスバー230の前方への離脱を防止することができる。
【0046】
このような離脱防止ストッパ250は、ストッパフック252及びストッパ溝254を含み得る。
【0047】
ストッパフック252は、センシングバスバー230の上側に備えられ、センシングバスバー230が前方に移動するとき、所定距離以上でセンシングバスバー230の上端の移動を制限することができる。
【0048】
ストッパ溝254は、センシングバスバー230の下側に備えられ、センシングバスバー230が前方に移動するとき、所定距離以上でセンシングバスバー230の下端の移動を制限することができる。
【0049】
図4は、
図1のバッテリーモジュールの他の実施形態による離脱防止ストッパを説明するための図である。
【0050】
図4を参照すると、バスバーアセンブリ205は、ストッパフック252を一対で備え得る。一対のストッパフック252は、センシングバスバー230の上下側にそれぞれ設けられ、センシングバスバー230が前方に移動するとき、センシングバスバー230の離脱をより効果的に防止することができる。
【0051】
以下、このような本実施形態によるバッテリーモジュール10のバスバーアセンブリ200の弾性ガイダ240の動作についてより具体的に説明する。
【0052】
図5及び
図6は、
図1のバッテリーモジュールのバッテリーセルの電極リードとセンシングバスバーとを溶接するとき、弾性ガイダによる電極リードとセンシングバスバーとの段差補正を説明するための図である。
【0053】
【0054】
図5及び
図6を参照すると、バッテリーモジュール10において、バッテリーセル100とバスバーアセンブリ200とを組み立てるとき、組立て公差などによってバッテリーセル100の電極リード150とバスバーアセンブリ200のセンシングバスバー230との間に所定の段差が発生することがある。
【0055】
例えば、バスバーアセンブリ200のセンシングバスバー230がバッテリーセル100の電極リード150よりも前方に突出し得る。このような突出段差を補正するため、作業者などは、加圧ジグJを用いて突出したセンシングバスバー230を下方に加圧し得る。
【0056】
本実施形態の場合、センシングバスバー230が弾性ガイダ240によって、バスバーフレーム210の前後方向に弾性的に移動可能であるため、加圧ジグJによる下方への加圧時にバスバーフレーム210の後方に移動することができる。
【0057】
その後、作業者などは、センシングバスバー230と電極リード150との間の段差が補正されれば、電極リード150とセンシングバスバー230とをレーザー溶接などで溶接して連結できる。
【0058】
本実施形態の場合、このような加圧ジグJによる下方加圧の際、弾性ガイダ240によってセンシングバスバー230が弾性的に前後方向に移動可能であるため、段差補正のため加圧ジグJによって加圧するとき、バッテリーセル100の電極リード150側への負荷及びストレスを最小化することができる。
【0059】
これにより、本実施形態では、加圧ジグJの段差補正時に生じ得るバッテリーセル100の電極リード150の損傷を効果的に防止することができる。
【0060】
このように、本実施形態によるバッテリーモジュール10は、バッテリーセル100の電極リード150とバスバーアセンブリ200のセンシングバスバー230との溶接連結時に電極リード150の損傷を防止しながら、組立て公差などによる突出段差が発生しても溶接品質の低下を効果的に防止することができる。
【0061】
図7及び
図8は、
図1のバッテリーモジュールのバッテリーセルにセルスウェリングが起きたとき、弾性ガイダによる電極リードの損傷防止を説明するための図である。
【0062】
図7及び
図8においても、上述した
図5及び
図6と同様に、上側を前方と示し、下側を後方と示して説明する。
【0063】
図7及び
図8を参照すると、バッテリーモジュール10において、バッテリーセル100の過熱などによる異常状況などによって、バッテリーセル100が厚さ方向に膨張することがある。すなわち、バッテリーセル100がセルスウェリングによって左右方向に膨張し得る。
【0064】
本実施形態の場合、このようにバッテリーセル100にセルスウェリングが起きたとき、弾性ガイダ240によって、センシングバスバー230及びセンシングバスバー230と溶接結合された電極リード150の端部が後方(
図8の下側)に弾性的に移動することができる。
【0065】
このようなセンシングバスバー230及びセンシングバスバー230と溶接結合された電極リード150の端部の後方への移動によって、バッテリーセル100のセルスウェリングによって延びようとする電極リード150の長さに対処できる。
【0066】
したがって、本実施形態によるバッテリーモジュール10は、バッテリーセル100にセルスウェリングが起きても、電極リード150側に加えられる引張ストレスを最小化して、引張ストレスによる電極リード150の損傷を効果的に防止することができる。
【0067】
図9は本発明の一実施形態によるバッテリーパックを説明するための図であり、
図10は本発明の一実施形態による自動車を説明するための図である。
【0068】
図9及び
図10を参照すると、バッテリーパック1は、上述した実施形態による少なくとも一つのバッテリーモジュール10、及び少なくとも一つのバッテリーモジュール10をパッケージングするパックケース50を含み得る。
【0069】
このようなバッテリーパック1は自動車の燃料源として、自動車Vに備えられ得る。例えば、バッテリーパック1は、電気自動車、ハイブリッド自動車及びその他バッテリーパック1を燃料源として使用可能なその他の方式で自動車Vに備えられ得る。
【0070】
また、バッテリーパック1は、自動車Vの外にも、二次電池を用いる電力貯蔵装置(Energy Storage System)などのその他の装置や器具及び設備などにも備えられることは言うまでもない。
【0071】
このように、本実施形態によるバッテリーパック1、及び自動車のようなバッテリーパック1を備える装置や器具及び設備は、上述したバッテリーモジュール10を含むため、上述したバッテリーモジュール10による長所をすべて有するバッテリーパック1及びこのようなバッテリーパック1を備える自動車などの装置や器具及び設備などを具現することができる。
【0072】
以上のような多様な実施形態によって、少なくとも一つのバッテリーセル100の電極リード150とバスバーアセンブリ200、205のセンシングバスバー230との溶接時に電極リード150の損傷を防止できるバッテリーモジュール10、このようなバッテリーモジュール10を含むバッテリーパック1及び自動車Vを提供することができる。
【0073】
また、以上のような多様な実施形態によって、少なくとも一つのバッテリーセル100の電極リード150とバスバーアセンブリ200、205のセンシングバスバー230との溶接時に、組立て公差などによる突出段差が発生しても溶接品質の低下を防止できるバッテリーモジュール10、このようなバッテリーモジュール10を含むバッテリーパック1及び自動車Vを提供することができる。
【0074】
さらに、以上のような多様な実施形態によって、バッテリーセル100にセルスウェリングが起きても、電極リード150の損傷を防止できるバッテリーモジュール10、このようなバッテリーモジュール10を含むバッテリーパック1及び自動車Vを提供することができる。
【0075】
以上、本発明の望ましい実施形態を図示し説明したが、本発明が上述した特定の実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能であり、このような変形実施は本発明の技術的思想や見込みから個別的に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0076】
1 バッテリーパック
10 バッテリーモジュール
50 パックケース
100 バッテリーセル
150 電極リード
200 バスバーアセンブリ
205 バスバーアセンブリ
210 バスバーフレーム
220 リードスロット
230 センシングバスバー
240 弾性ガイダ
242 第1板バネ
244 第2板バネ
246 バネ連結部
250 離脱防止ストッパ
252 ストッパフック
254 ストッパ溝
J 加圧ジグ
V 自動車