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特許7387896異なる材料で構成された構成要素を結合及び気密シールする方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】異なる材料で構成された構成要素を結合及び気密シールする方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 13/02 20060101AFI20231120BHJP
   F16L 17/02 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
F16L13/02
F16L17/02
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022527703
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-18
(86)【国際出願番号】 US2019061252
(87)【国際公開番号】W WO2021096500
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グリフィン, クリントン アール.
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04896904(US,A)
【文献】特開2016-148457(JP,A)
【文献】特開2014-196831(JP,A)
【文献】特開2008-096082(JP,A)
【文献】特開2007-155031(JP,A)
【文献】特開平07-100563(JP,A)
【文献】国際公開第2001/02813(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 13/02
F16L 17/02
G01F 1/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量計フランジ(104)と流量計の流管(108)との間に圧入気密シールを形成するための方法であって、
第1の構成要素(102)および前記流量計フランジ(104)のうちの1つまたは複数に熱を加えて前記流量計フランジ(104)を前記第1の構成要素(102)に結合するステップと、
前記第1の構成要素(102)および前記流量計フランジ(104)を冷却するステップとを備え、
前記熱を加えるステップおよび前記冷却するステップが、流量計フランジ(104)に対して気密要素(106)の圧縮を引き起こすこと、及び流管(108)に対して前記気密要素(106)の圧縮を引き起こすことによって、前記気密シールを形成する、
方法。
【請求項2】
前記気密要素(106)が第1の端部(506)および第2の端部(508)を有し、前記気密シールが流管(108)と共形の内周面(120)を有する前記流量計フランジ(104)との間に形成され、前記気密シールが前記気密要素(106)を包み込んでおり、
前記熱を加えることは、加熱部位(118)に熱を加えることをさらに含み、前記加熱部位(118)は、前記流量計フランジ(104)の外側部および前記第1の構成要素(102)の外側部のうちの1つまたは複数の上にあり、前記熱は、前記第1の構成要素(102)が前記流量計フランジ(104)、前記気密要素(106)、および流管(108)のすべてと嵌合したときに加えられ、
前記圧縮が、前記熱を加えるステップから生じる膨張および前記冷却するステップから生じる収縮によって引き起こされ、前記膨張および収縮が、前記熱を加えるステップで加熱される前記第1の構成要素(102)および前記流量計フランジ(104)の部分で起る、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記結合するステップの前に、前記気密要素(106)の共形の内側部(504)を流管(108)の外周面の一部に嵌合させつつ、前記気密要素(106)の共形の外側部(502)を前記流量計フランジ(104)の共形の内周面(120)に嵌合させるステップと、
前記結合するステップの前に、前記第1の構成要素(102)の内側部を流管(108)の外周面の別の部分に嵌合させつつ、かつ前記第1の構成要素(102)の第1の結合部分(110)を前記流量計フランジ(104)の第2の結合部分(112)に嵌合させつつ、前記第1の構成要素(102)の当接端(114)を前記気密要素(106)の前記第2の端部(508)に嵌合させるステップと、
をさらに備え
前記熱を加えるステップが、前記加熱部位(118)において、前記第2の結合部分(112)および前記第1の結合部分(110)の少なくとも一部が溶融して溶接部を形成するように加熱する、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記嵌合させるステップの後であって前記結合するステップの前に、前記第2の結合部分(112)および前記第1の結合部分(110)が少なくとも部分的に重なり合うように嵌合され、前記第2の結合部分(112)が前記第1の結合部分(110)の断面周辺外側部分の少なくとも一部の半径方向外側にある、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
中空の前記共形の内側部(504)が、流管(108)の外側部に少なくとも部分的に適合しており、前記共形の外側部(502)が、前記流量計フランジ(104)の前記共形の内周面(120)に少なくとも部分的に適合している、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記第1の構成要素(102)がフランジ(400)および共通アセンブリ(300)の一方であり、前記流管(302)が前記方法が開始される前に前記共通アセンブリ(300)の内側部に結合される、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記気密要素(106)が、前記第1の構成要素(102)、前記流量計フランジ(104)、および流管(108)のうちの1つまたは複数を構成する材料よりも可鍛性が高い材料から構成される、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記熱を加えるステップが、前記気密要素(106)と、前記第1の構成要素(102)、前記流量計フランジ(104)、および流管(108)のうちの2つ以上との間に融着結合が形成されるのに十分な加熱をすることを含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記熱を加えるステップにおいて加えられる熱が、前記気密要素(106)のいかなる部分も溶融しない、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記圧縮は圧縮方向に圧縮され、前記圧縮方向は長手方向の圧縮方向と半径方向内向きの圧縮方向とを含み、前記熱を加えるステップおよび前記冷却するステップは、長手方向圧力(802)が前記長手方向の圧縮方向における前記気密要素(106)の少なくとも一部の圧縮を少なくとも5万分の1インチにし、半径方向内向き圧力(804)が前記半径方向内向きの圧縮方向における前記気密要素(106)の少なくとも一部の圧縮を少なくとも2万分の1インチにするような、長手方向圧力(802)及び半径方向内向き圧力(804)を生じさせるのに十分である、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
流量計アセンブリ(200)であって、
第1の構成要素(102)、
流量計フランジ(104)、
気密要素(106)
及び
流管(108)
を備え、
前記アセンブリ(200)が、
前記第1の構成要素(102)および前記流量計フランジ(104)のうちの1つまたは複数に熱を加えて前記流量計フランジ(104)を前記第1の構成要素(102)に結合するステップと、
前記第1の構成要素(102)および前記流量計フランジ(104)を冷却するステップとを備え、
前記熱を加えるステップおよび前記冷却するステップが、前記流量計フランジ(104)に対して前記気密要素(106)の圧縮を引き起こすこと、及び流管(108)に対して前記気密要素(106)の圧縮を引き起こすことによって、気密シールを形成する、
方法、
によって形成された気密シールを有する、アセンブリ(200)。
【請求項12】
前記気密要素(106)が第1の端部(506)および第2の端部(508)を有し、前記気密シールが流管(108)と共形の内周面(120)を有する前記流量計フランジ(104)との間に形成され、前記気密シールが前記気密要素(106)を包み込んでおり、
前記熱を加えることは、加熱部位(118)に熱を加えることをさらに含み、前記加熱部位(118)は、前記流量計フランジ(104)の外側部および前記第1の構成要素(102)の外側部のうちの1つまたは複数の上にあり、前記熱は、前記第1の構成要素(102)が前記流量計フランジ(104)、前記気密要素(106)、および流管(108)のすべてと嵌合したときに加えられ、
前記圧縮が、前記熱を加えるステップから生じる膨張および前記冷却するステップから生じる収縮によって引き起こされ、前記膨張および収縮が、前記熱を加えるステップで加熱される前記第1の構成要素(102)および前記流量計フランジ(104)の部分で起る、
請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記加熱部位(118)が、前記気密要素(106)の前記第2の端部(508)の後方(510)にある、請求項12に記載のアセンブリ(200)。
【請求項14】
前記方法が、
前記結合するステップの前に、前記気密要素(106)の共形の内側部(504)を流管(108)の外周面の一部に嵌合させつつ、前記気密要素(106)の共形の外側部(502)を前記流量計フランジ(104)の共形の内周面(120)に嵌合させるステップと、
前記結合するステップの前に、前記第1の構成要素(102)の内側部を流管(108)の外周面の別の部分に嵌合させつつ、かつ前記第1の構成要素(102)の第1の結合部分(110)を前記流量計フランジ(104)の第2の結合部分(112)に嵌合させつつ、前記第1の構成要素(102)の当接端(114)を前記気密要素(106)の前記第2の端部(508)に嵌合させるステップと、
をさらに備え
前記熱を加えるステップが、前記加熱部位(118)において、前記第2の結合部分(112)および前記第1の結合部分(110)の少なくとも一部が溶融して溶接部を形成するように加熱する、
請求項11から13のいずれかに記載のアセンブリ(200)。
【請求項15】
前記第1の構成要素(102)の前記当接端(114)が第1の平坦端部であり、前記気密要素(106)の前記第2の端部(508)が平坦な気密端(116)を有する、請求項14に記載のアセンブリ(200)。
【請求項16】
中空の前記共形の内側部(504)が、流管(108)の外側部に少なくとも部分的に適合しており、前記共形の外側部(502)が、前記流量計フランジ(104)の前記共形の内周面(120)に少なくとも部分的に適合している、請求項14又は15に記載のアセンブリ(200)。
【請求項17】
前記共形の内側部(504)は円筒形であり、前記共形の外側部(502)は錐台の周辺外側部形状を呈する、請求項14から16のいずれかに記載のアセンブリ(200)。
【請求項18】
前記第1の構成要素(102)がフランジ(400)および共通アセンブリ(300)の一方であり、前記流管(302)が前記方法が開始される前に前記共通アセンブリ(300)の内側部に結合される、請求項11から17のいずれかに記載のアセンブリ(200)。
【請求項19】
前記気密要素(106)が、前記第1の構成要素(102)、前記流量計フランジ(104)、および流管(108)のうちの1つまたは複数を構成する材料よりも可鍛性が高い材料から構成される、請求項11から18のいずれかに記載のアセンブリ(200)。
【請求項20】
流管(108)が、タンタル、ジルコニウム、およびチタンのうちの1つ以上から少なくとも部分的に構成され、前記第1の構成要素(102)および前記流量計フランジ(104)のうちの1つ以上が、ステンレス鋼およびC22のうちの1つ以上から少なくとも部分的に構成される、請求項11から19のいずれかに記載のアセンブリ(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に説明する実施形態は、気密シールに関し、より詳細には、異なる材料から構成される構成要素間の気密シールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の材料は、非腐食性材料を含む典型的な流体の封じ込め用途には十分であるが、腐食性材料の封じ込め及び処理には、特殊な材料が要求される。タンタル、チタン、およびジルコニウムは、腐食性材料を効果的に取り扱いうる材料である。流量センサ、例えば、コリオリ流量センサでは、腐食性流動材料を含む用途が企図される場合、ステンレス鋼等の、より伝統的な材料が受ける可能性がある腐食を防止するために、タンタル、チタン、および/またはジルコニウムを使用することがしばしば有益である。タンタル、ジルコニウム、チタンおよびステンレス鋼を単一のデバイスに組み込むのは、難しい場合がある。4つの材料を結合する主な方法は、爆着とろう付けである。4つの材料は、大きく異なる熱膨張係数(以下、「CTE」)を有し、金属を接合する従来の方法では、状況により問題を生じさせる。例えば、流量センサを形成する場合、異なる温度で、かつ異なる材料を使用して、多数の異なる結合を形成しなければならない。熱膨張係数が異なるので、温度変化に応じて金属が膨張および収縮する程度は、各材料間で異なる。流量センサを形成する際に、要素の結合に熱が使用される場合、例えば、ろう付け、溶接、およびはんだの1つまたは複数を使用する場合、異なる材料の膨張および収縮は、流量センサに応力を生じさせる可能性がある。流量センサは、既存の溶接部およびろう付け部が含まれていることがあり、これらは、既存の溶接部およびろう付け部によって結合される要素が異なる材料で構成され、さらなるろう付けまたは溶接から生じるより高い温度に曝されると、影響を受ける可能性がある。特に、材料の溶接温度が高いと、流量センサ内の気密シールされたろう着の接合部を、例えば1450°Fを超える温度でリフローして故障させることがある。
【0003】
タンタルは、特に、5,200°Fのオーダーの高い融点を有する。タンタルは、腐食性材料用途のためのコリオリ流量センサに使用するのに、非常に望ましい材料である。典型的には、溶接にタンタルを使用するには、水冷ヒートシンクの使用を通して材料の加熱を制御できるように、溶接部はろう付け部から最低2.9インチ離れた場所で行わなければならない。多くの流量センサ設計では、ヒートシンクの溶融を起こさずに中間ヒートシンクを適用するための、十分なスペースはない。ヒートシンクの適用なしでは、これらの流量センサ設計は、気密シールを損なうことなくタンタルまたは他の高融点材料を組み込むことができず、水分が流量センサのケースに入り、流量センサの故障を引き起こす可能性がある。
【0004】
したがって、融点及び熱膨張係数が異なる材料で構成される要素を結合し、気密シールを実現する方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
第2の構成要素(104)と内側部材(108)との間に圧入気密シールを形成するための方法が開示される。この方法は、第1の構成要素(102)および前記第2の構成要素(104)のうちの1つまたは複数に熱を加えて前記第2の構成要素(104)を前記第1の構成要素(102)に結合するステップと、前記第1の構成要素(102)および前記第2の構成要素(104)を冷却するステップとを備え、前記熱を加えるステップおよび前記冷却するステップが、第2の構成要素(104)に対して気密要素(106)の圧縮を引き起こすこと、及び前記内側部材(108)に対して前記気密要素(106)の圧縮を引き起こすことによって、気密シールを形成する。
【0006】
アセンブリ(200)が開示される。前記アセンブリは、第1の構成要素(102)、第2の構成要素(104)、気密要素(106)及び内側部材(108)を備える。前記アセンブリ(200)は、第1の構成要素(102)および前記第2の構成要素(104)のうちの1つまたは複数に熱を加えて前記第2の構成要素(104)を前記第1の構成要素(102)に結合するステップと、前記第1の構成要素(102)および前記第2の構成要素(104)を冷却するステップとを備える方法によって形成された、気密シールを有する。前記熱を加えるステップおよび前記冷却するステップは、第2の構成要素(104)に対して気密要素(106)の圧縮を引き起こすこと、及び前記内側部材(108)に対して前記気密要素(106)の圧縮を引き起こすことによって、気密シールを形成する。
【0007】
[態様]
一態様によれば、第2の構成要素(104)と内側部材(108)との間に圧入気密シールを形成するための方法が開示される。この方法は、第1の構成要素(102)および前記第2の構成要素(104)のうちの1つまたは複数に熱を加えて前記第2の構成要素(104)を前記第1の構成要素(102)に結合するステップと、前記第1の構成要素(102)および前記第2の構成要素(104)を冷却するステップとを備え、前記熱を加えるステップおよび前記冷却するステップが、第2の構成要素(104)に対して気密要素(106)の圧縮を引き起こすこと、及び前記内側部材(108)に対して前記気密要素(106)の圧縮を引き起こすことによって、気密シールを形成する。
【0008】
好ましくは、前記気密要素(106)が第1の端部(506)および第2の端部(508)を有し、前記気密シールが前記内側部材(108)と共形(コンフォーマル)の内周面(120)を有する前記第2の構成要素(104)との間に形成され、前記気密シールが前記気密要素(106)を包み込んでいる。前記熱を加えることは、加熱部位(118)に熱を加えることをさらに含み、前記加熱部位(118)は、前記第2の構成要素(104)の外側部および前記第1の構成要素(102)の外側部のうちの1つまたは複数の上にあり、熱は、前記第1の構成要素(102)が前記第2の構成要素(104)、前記気密要素(106)、および前記内側部材(108)のすべてと嵌合したときに加えられる。前記圧縮は、熱を加えるステップから生じる膨張および冷却するステップから生じる収縮によって引き起こされ、前記膨張および収縮が、前記熱を加えるステップで加熱される前記第1の構成要素(102)および第2の構成要素(104)の部分で起る。
【0009】
好ましくは、この方法が、前記結合するステップの前に、前記気密要素(106)の共形(コンフォーマル)の内側部(504)を前記内側部材(108)の外周面の一部に嵌合させつつ、前記気密要素(106)の共形(コンフォーマル)の外側部(502)を前記第2の構成要素(104)の共形の内周面(120)に嵌合させるステップと、前記結合するステップの前に、前記第1の構成要素(102)の内側部を前記内側部材(108)の外周面の別の部分に嵌合させつつ、かつ前記第1の構成要素(102)の第1の結合部分(110)を前記第2の構成要素(104)の第2の結合部分(112)に嵌合させつつ、前記第1の構成要素(102)の当接端(114)を前記気密要素(106)の前記第2の端部(508)に嵌合させるステップと、をさらに備える。前記熱を加えるステップは、前記加熱部位(118)において、前記第2の結合部分(112)および前記第1の結合部分(110)の少なくとも一部が溶融して溶接部を形成するように加熱する。
【0010】
好ましくは、前記嵌合させるステップの後であって前記結合するステップの前に、前記第2の結合部分(112)および前記第1の結合部分(110)が少なくとも部分的に重なり合うように嵌合され、前記第2の結合部分(112)が前記第1の結合部分(110)の断面周辺外側部分の少なくとも一部の半径方向外側にある。
【0011】
好ましくは、中空の前記共形の内側部(504)は、前記内側部材(108)の外側部に少なくとも部分的に適合しており、前記共形の外側部(502)は、前記第2の構成要素(104)の前記共形の内周面(120)に少なくとも部分的に適合している。
【0012】
好ましくは、前記第1の構成要素(102)がフランジ(400)および共通アセンブリ(300)の一方であり、前記第2の構成要素(104)が前記フランジ(400)および前記共通アセンブリ(300)の他方であり、前記内側部材(108)が前記方法が開始される前に前記共通アセンブリ(300)の内側部に結合された流管(302)である。
【0013】
好ましくは、前記気密要素(106)は、前記第1の構成要素(102)、前記第2の構成要素(104)、および前記内側部材(108)のうちの1つまたは複数を構成する材料よりも可鍛性が高い材料から構成される。
【0014】
好ましくは、前記熱を加えるステップは、前記気密要素(106)と、前記第1の構成要素(102)、前記第2の構成要素(104)、および前記内側部材(108)のうちの2つ以上との間に融着結合が形成されるのに十分な加熱をすることを含む。
【0015】
好ましくは、前記熱を加えるステップにおいて加えられる熱は、前記気密要素(106)のいかなる部分も溶融しない。
【0016】
好ましくは、前記圧縮は圧縮方向に圧縮され、前記圧縮方向は長手方向の圧縮方向と半径方向内向きの圧縮方向とを含み、前記熱を加えるステップおよび前記冷却するステップは、長手方向圧力(802)が前記長手方向の圧縮方向における前記気密要素(106)の少なくとも一部の圧縮を少なくとも5万分の1インチにし、半径方向内向き圧力(804)が前記半径方向内向きの圧縮方向における前記気密要素(106)の少なくとも一部の圧縮を少なくとも2万分の1インチにするような、長手方向圧力(802)及び半径方向内向き圧力(804)を生じさせるのに十分である。
【0017】
一態様によれば、アセンブリ(200)が開示される。前記アセンブリは、第1の構成要素(102)、第2の構成要素(104)、気密要素(106)及び内側部材(108)を備える。前記アセンブリ(200)は、第1の構成要素(102)および前記第2の構成要素(104)のうちの1つまたは複数に熱を加えて前記第2の構成要素(104)を前記第1の構成要素(102)に結合するステップと、前記第1の構成要素(102)および前記第2の構成要素(104)を冷却するステップとを備える方法によって形成された、気密シールを有する。前記熱を加えるステップおよび前記冷却するステップは、第2の構成要素(104)に対して気密要素(106)の圧縮を引き起こすこと、及び前記内側部材(108)に対して前記気密要素(106)の圧縮を引き起こすことによって、気密シールを形成する。
【0018】
好ましくは、前記気密要素(106)が第1の端部(506)および第2の端部(508)を有し、前記気密シールが前記内側部材(108)と共形の内周面(120)を有する前記第2の構成要素(104)との間に形成され、前記気密シールが前記気密要素(106)を包み込んでいる。前記熱を加えることは、加熱部位(118)に熱を加えることをさらに含み、前記加熱部位(118)は、前記第2の構成要素(104)の外側部および前記第1の構成要素(102)の外側部のうちの1つまたは複数の上にあり、熱は、前記第1の構成要素(102)が前記第2の構成要素(104)、前記気密要素(106)、および前記内側部材(108)のすべてと嵌合したときに加えられる。前記圧縮は、熱を加えるステップから生じる膨張および冷却するステップから生じる収縮によって引き起こされ、前記膨張および収縮が、前記熱を加えるステップで加熱される前記第1の構成要素(102)および第2の構成要素(104)の部分で起る。
【0019】
好ましくは、前記加熱部位(118)は、前記気密要素(106)の前記第2の端部(508)の後方(510)にある。
【0020】
好ましくは、前記方法は、前記結合するステップの前に、前記気密要素(106)の共形の内側部(504)を前記内側部材(108)の外周面の一部に嵌合させつつ、前記気密要素(106)の共形の外側部(502)を前記第2の構成要素(104)の共形の内周面(120)に嵌合させるステップと、前記結合するステップの前に、前記第1の構成要素(102)の内側部を前記内側部材(108)の外周面の別の部分に嵌合させつつ、かつ前記第1の構成要素(102)の第1の結合部分(110)を前記第2の構成要素(104)の第2の結合部分(112)に嵌合させつつ、前記第1の構成要素(102)の当接端(114)を前記気密要素(106)の前記第2の端部(508)に嵌合させるステップと、をさらに備える。前記熱を加えるステップは、前記加熱部位(118)において、前記第2の結合部分(112)および前記第1の結合部分(110)の少なくとも一部が溶融して溶接部を形成するように加熱する。
【0021】
好ましくは、前記第1の構成要素(102)の前記当接端(114)が第1の平坦端部であり、前記気密要素(106)の前記第2の端部(508)が平坦な気密端(116)を有する。
【0022】
好ましくは、中空の前記共形の内側部(504)が、前記内側部材(108)の外側部に少なくとも部分的に適合しており、前記共形の外側部(502)が、前記第2の構成要素(104)の前記共形の内周面(120)に少なくとも部分的に適合している。
【0023】
好ましくは、前記共形の内側部(504)は円筒形であり、前記共形の外側部(502)は錐台の周辺外側部形状を呈する。
【0024】
好ましくは、前記第1の構成要素(102)がフランジ(400)および共通アセンブリ(300)の一方であり、前記第2の構成要素(104)が前記フランジ(400)および前記共通アセンブリ(300)の他方であり、前記内側部材(108)が前記方法が開始される前に前記共通アセンブリ(300)の内側部に結合された流管(302)である。
【0025】
好ましくは、前記気密要素(106)は、前記第1の構成要素(102)、前記第2の構成要素(104)、および前記内側部材(108)のうちの1つまたは複数を構成する材料よりも可鍛性が高い材料から構成される。
【0026】
好ましくは、前記内側部材(108)は、タンタル、ジルコニウム、およびチタンのうちの1つ以上から少なくとも部分的に構成され、前記第1の構成要素(102)および前記第2の構成要素(104)のうちの1つ以上が、ステンレス鋼およびC22のうちの1つ以上から少なくとも部分的に構成される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
すべての図面において、同じ参照番号は同じ要素を表す。図面は必ずしも縮尺通りではないことを理解されたい。
図1図1は、一実施形態に係る非結合構成要素の集合体100の二分割側面図である。
図2図2は、一実施形態に係る図1から結合された構成要素のアセンブリ200の二分割側面図である。
図3図3は、一実施形態に係る共通アセンブリ300の二分割側面図である。
図4図4は、一実施形態に係るフランジ400の二分割側面図である。
図5図5は、一実施形態に係る気密要素106の二分割側面図である。
図6図6は、一実施形態に係る溶接によって圧入気密シールを形成するための方法600の、フローチャートである。
図7図7は、一実施形態に係る溶接によって圧入気密シールを形成するための方法700の、フローチャートである。
図8A図8Aは、一実施形態に係る嵌合または溶接前の非結合構成要素の、二分割側面図である。
図8B図8Bは、一実施形態に係る構成要素の嵌合後で溶接前の非結合構成要素の、二分割側面図である。
図8C図8Cは、一実施形態に係る第2の構成要素104と第1の構成要素102との間に溶接部を形成するために熱が加えられた場合の構成要素の、二分割側面図である。
図8D図8Dは、一実施形態に係る構成要素が溶接後に冷却される場合の構成要素の、二分割側面図である。
図8E図8Eは、一実施形態に係る構成要素が溶接され冷却された後の構成要素の、二分割側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1-8Eおよび以下の説明は、異なる材料の構成要素間に気密シールを形成するための方法の、実施形態の最良の態様を作成及び使用する方法を当業者に教示するための、具体的な例を示す。本発明の原理を教示する目的において、いくつかの従来からの態様は、単純化され、あるいは省略されている。当業者であれば、本出願の範囲内に含まれるこれらの例からの変形を理解できるであろう。当業者であれば、以下に記載される特徴を様々な方法で組み合わせて、異なる材料の構成要素間に気密シールを形成するための方法の複数の変種が形成できることを、理解できるであろう。結果として、以下で説明される実施形態は、以下で記載される具体的な例に限定されるものではなく、特許請求の範囲およびそれらの均等物によってのみ限定される。
【0029】
熱特性が大きく異なる構成要素間の結合及び/又は気密シールの形成は、既存の方法を用いては非実用的である。これらの用途では、異なる特性を有する材料の構成要素間に気密シールを形成するために、圧入または融着を行うことが最良であり得る。これを達成する1つの方法は、ある構成要素と、他の構成要素の特性とは大きく異なる特性を有する材料で構成された別の構成要素との間に位置する、中間の気密要素の圧縮を引き起こすように、類似した材料からなる2つの構成要素を結合することである。例えば、腐食性材料に使用される流量センサにおいては、タンタルからなる流管が必要とされる場合がある。タンタルは高価であるため、センサ全体をタンタルで構成するのは理にかなっていない。腐食性物質と相互作用する流路全体をタンタルで作ることが最良であり得る。タンタルは、流量センサに使用される従来の安価な材料よりも著しく高い温度で溶融するため、他の構成要素をタンタルの構成要素に溶接することには問題がある。また、膨張係数が大きく異なることも、問題の要因となる。一実施形態では、流管はタンタルで構成することができる。気密要素(おそらく、より可鍛性の材料で作られている)のまわりの溶接収縮を起こすために、それぞれが従来の材料で作られている、フランジとケースとを結合することが好ましい可能性がある。これにより、気密要素は、流管の外側部、並びにケースおよびフランジのうちの1つ以上の内側部に対して圧縮され、ケースおよびフランジのうちの1つ以上の内側部と気密要素の外側部との間の気密シールを形成し、同様に気密要素の内側部と流管の外側部との間の気密シールを形成する。このようにすることで、従来の材料をタンタルと溶接することなく、従来の材料で作られたケースおよびフランジのうちの1つまたは複数と、タンタルで作られた流管との間の圧入気密シールが可能になる。十分な熱および圧力が加えられ、構成要素が十分に共形(コンフォーマル)に配置される場合、圧入結合に加えて、またはその代わりに、要素間にさらに融着結合を形成することが可能であり、おそらく、より強固な結合および/または気密シールを形成することが可能であり得る。ここで示された実施形態は流量センサについて開示されているが、他のデバイスまたは構成物において気密シールを形成するための実施形態も企図されていることを理解されたい。
【0030】
図1は、一実施形態に係る非結合構成要素の集合体100の二分割側面図である。一実施形態では、非結合構成要素の集合体100は、非結合の流量センサ構成要素の集合体でありうる。集合体100は、第1の構成要素102、第2の構成要素104、気密要素106、及び内側部材108を含むことができる。
【0031】
第1の構成要素102は、アセンブリであり、例えば流量センサの構成要素である。第1の構成要素は、第1の結合部分110を有することができる。第1の結合部分110は、第2の構成要素104の一部に結合される、第1の構成要素102の一部である。一実施形態によると、第1の結合部分110は、第1の構成要素の外周部である。第1の構成要素102はまた、当接端114を有することができる。当接端114は、おそらく気密要素の第2の側部508において気密要素106に当接する。一実施形態によると、当接端114は、気密要素106の平坦な気密端116と嵌合する、オプションの第1の平坦端部とすることができる。
【0032】
第2の構成要素104は、おそらく流量センサの構成要素である。一実施形態では、第2の構成要素104は、第1の構成要素102とは異なる。第2の構成要素104は、第2の結合部分112を有することができる。一実施形態では、第2の結合部分112は、第2の構成要素104の内周部分である。第1の結合部分110及び第2の結合部分112は、それぞれ、第1の構成要素102及び第2の構成要素104の外側部及び内側部の周囲(おそらくは円周方向)部分でありうることを理解されたい。第2の構成要素104はまた、気密要素106の外側部にほぼ適合する内周を有することができる。第2の構成要素104はまた、加熱部位118を有することができ、熱は、おそらく本明細書で説明される結合を容易にする溶接部を形成するために、第2の構成要素104の外側部にかけられる。制限がある側面図では、第2の構成要素104の上方及び下方となるように描かれているが、加熱は、第1の構成要素102及び第2の構成要素104が嵌合されたときに、第2の構成要素104の周囲において、おそらく第2の結合部分112が第1の結合部分110と重なる長手方向部分における第2の構成要素104の外側周辺部分において、行われることを理解されたい。本明細書の目的のために、長手方向は内側部材108の長さに沿った方向を意味する。例えば、共通アセンブリが流量センサの内部構成要素である実施形態では、長手方向は、流管302に沿う方向となるであろう。また、長手方向軸は、内側部材108の長手方向に沿って延在し、内側部材108の長手方向の各断面の中心に位置する中心軸として記述することができる。例えば、直管の流量センサでは、流管302は、直線の長手方向軸を有することになる。湾曲管流量センサでは、長手方向軸は、流管302の長手方向に沿った流管302の各位置での各断面において流管302の中心に一致し、長手方向軸は対応して湾曲する。
【0033】
別の実施形態では、加熱部位は、代替的に又は追加的に、第1の構成要素102の外側部分にあってもよい。加熱/溶接が行われるとき、第1の結合部分110および第2の結合部分112のうちの1つ以上の部分は、溶接部に対して犠牲になることができ、第1の結合部分110と第2の結合部分112との間に結合および/または溶接部を形成することを理解されたい。第2の構成要素104は、内部空洞を有することができ、内部空洞は、共形(コンフォーマル)の内周面120を有する。共形の内周面120は、気密要素106を使用して内側部材108の外側部と気密シールされる要素となりうることを理解されたい。
【0034】
内側部材108は、その周囲に気密シールが形成される内側部材である。流管302は、内側部材108の一実施形態でありうる。内側部材108は、第1の構成要素102及び第2の構成要素104のうちの1つ又は複数によって部分的に周方向に囲まれうる。共通アセンブリの一つの側で第1の構成要素102と第2の構成要素104との間に溶接部が形成される場合、内側部材108は、その側において、結果として形成されるアセンブリによって、円周方向に囲まれうることが理解され得る。一実施形態では、内側部材108は、共通アセンブリと一体構成の要素であってもよく、共通アセンブリは、おそらく、第1の構成要素102および第2の構成要素104のうちの1つである。
【0035】
第1の結合部分110と第2の結合部分112との間の結合は、第1及び第2の結合部分110、112の両方に近接する部位の溶接によって達成され得ることを、理解されたい。加熱部位118は、第1の構成要素102が第2の構成要素104に溶接される部位である。加熱部位118は、第1の結合部分110及び第2結合部分112が加熱部位118での溶接によって結合されるように、配置されうる。加熱部位118は、嵌合時および/または結合が終了した後に、システム200内の他の構成要素に対して異なる配置を有しうる。例えば、加熱部位118は、第2の構成要素104の一部の外側部上であって、内側部材108(例えば、流管302の内部)の半径方向軸において第1および第2の結合部分110、112が重なる位置、気密要素の第1の端部506よりも気密要素106の第2の端部508に近い位置、気密要素の第2の端部508の「後方」510の位置(図5で論じるように)、フランジとケースとの間の重なりの位置、溶接収縮中に溶接収縮が圧力を加えて気密要素106を強制的に密閉し、第2の構成要素104と内側部材108との間に気密シールを生成する位置、などのうちの1つまたは複数であってもよい。周方向の溶接部を有する実質的に円筒形の要素を溶接するには、典型的には、溶接が適用されるときには、実質的に円筒形の要素が回転するスポットにおいて溶接が行われることが必要である。一実施形態では、加熱部位118は構成要素が回転するにつれて変化するが、加熱部位118は、要素が回転するにつれて実質的に同じ長手方向位置にあってもよい。加熱は急速であり、その後の冷却がほぼ即座に始まってもよい。
【0036】
気密要素106は、第2の構成要素104の共形の内周面120と、第1の構成要素102及び内側部材108の少なくとも一部のうちの1つ又は複数と、の間に気密シールを形成するために使用される要素である。第2の構成要素104の共形の内周面120が第2の構成要素104の少なくとも1つの要素によって気密シールされている実施形態では、気密要素106は、共通アセンブリ300のケース312と、フランジ400及び共通アセンブリ300の流管302の1つ又は複数との間に、気密シールを形成するために使用されうる。一実施形態に係るケース312および流管302を有する共通アセンブリ300の一実施形態が、図3で提示及び説明される。フランジ400の実施形態は、図4で提示及び説明される。本明細書の目的のために、用語「流管302」および「内側部材108」は、同じ意味で使用さうるが、内側部材が流管ではないまたは流量センサの要素でさえない実施形態も考えられうる。一実施形態によると、気密要素106は、気密要素106の外側部が共形の内周面120に適合し、気密要素106の内側部が第1の構成要素102及び第2の構成要素104のうちの1つの別の要素に適合する形状を有しうる。例えば、第1の構成要素102がフランジ400であり、第2の構成要素104が共通アセンブリ300である実施形態では、気密要素106の形状は、気密要素106の外側部が共通アセンブリ300のケース312の内側部に適合し、共通アセンブリ300の流管302の外周に適合するような形状を有することができ、その結果、気密要素106の形状は、気密要素106がほぼ共形(コンフォーマル)である要素に対して、相補的であると見なすことができる。あるいは、第1の構成要素102が共通アセンブリ300であり、第2の構成要素104がフランジ400である実施形態では、気密要素106は、気密要素106の外側部がフランジ400の内側部にほぼ適合し、気密要素106の外側部が共通アセンブリ300の流管302の外周にほぼ適合するような形状を有することができ、気密要素106の形状は、気密要素106がほぼ共形である要素に対して、相補的であると見なすことができる。
【0037】
一実施形態では、気密要素106は、おそらく共通アセンブリ300の流管302を受け入れるための中空内部を有する。気密要素106は、円錐形又は実質的に円錐形である外部形状を呈しうる。例えば、円錐形状と呼ぶ場合、外側部の円錐形状は、錐台(例えば、先端を切り取った円錐)状である。気密要素106の中心部分が、内側部材108の外側部に適合して(錐台の中心部分(おそらく円筒形)だけでなく、円錐のキャップ部分の除去を必要とする)「円錐」又は「錐台」の外側部を作るので、これは完全な円錐又は錐台とはならないであろう。本明細書の目的のために、「円錐の外側部」および「錐台の外側部」という用語は、先端のない錐台または円錐の外側部を指すことを意味する。気密要素106は、中空内部を有していてもよく、その内部は、おそらく円筒形または実質的に円筒形であり、おそらくは、共通アセンブリ300の流管302を受け入れるためである。気密要素106はまた、気密要素106の第2の端部508上に実質的に平坦な気密端116を有してもよい。第2の端部508は、おそらく平坦な気密端116において、第1の構成要素102の当接端114、例えば、第1の構成要素102のオブションの第1の平坦端部に当接することができる。この形状の組み合わせは、溶接収縮からの力が、流管302および共形の内周面120に対して気密要素106を圧縮して気密シールを形成するときに、くさび作用を促進し得る。これに替わる実施形態では、気密要素106は、異なる形状、例えば、円筒形の内部空洞と円筒形の外側部とを有する形状であってもよい。気密要素106は、良好な気密シールを容易にする金属、例えば、銅および黄銅のうちの1つ以上から構成されうる。気密要素106は、第1の構成要素102を構成する材料よりも可鍛性の材料で構成することができる。気密要素106は、第2の構成要素104を構成する材料よりも可鍛性の材料で構成することができる。気密要素106は、内側部材108を構成する材料よりも可鍛性の材料で構成することができる。
【0038】
組み立てられていない状態では、第1の結合部分110は、第2の結合部分112と実質的に共形(コンフォーマル)であることができ、第1の結合部分110が、組み立てられていない状態の第2の結合部分112と嵌合すると、第1の結合部分110と第2の結合部分112との間には非常に僅かな空間しか存在しない。したがって、この実施形態では、第2の結合部分112は、第1の結合部分110と相補的であると考えることができる。第2結合部分112と共形の内周面120との相対的配置は、それらが分離していても重複していてもよい。組み立てに関して、溶接が流量センサ上で行われる場合、共形の内周面120は、第2の結合部分112に対して(形成されたアセンブリ、例えば流量センサの中心について)少なくとも部分的に(それらが重ならない範囲で)近接してもよい。
【0039】
一実施形態では、第1の結合部分110と第2の結合部分112との間に結合部を形成することができる。図1および図2に描かれているように、第1の構成要素102が流量センサのフランジ400であり、第2の構成要素104がケース312および流管302を含む共通アセンブリ300である実施形態が考えられる。第1の構成要素102が共通アセンブリ300であり、第2の構成要素104がフランジ400である実施形態も同様に考えられる。すなわち、フランジ400の外側部分が共通アセンブリ300のケース312の内側部分に結合される実施形態(図示)、および共通アセンブリ300のケース312の外側部分がフランジ400の内側部分に結合される実施形態(図示せず)が考えられる。
【0040】
様々な実施形態において、構成要素が共形(コンフォーマル)または相補的であると述べられている場合、嵌合されており結合されていない状態にあるこれらの構成要素間の空間は、小さくなりうることを理解されたい。これらの共形または相補的な嵌合の空間は、数千分の1インチのオーダー、例えば1千、2千、3千、4千、5千、6千、7千、8千、9千、1万、1万1千、1万2千、1万3千、1万4千、1万5千、1万6千、1万7千、1万8千、1万9千、または2万の1インチのオーダーでありうる。効果的な気密シールは、気密要素106が、例えば、1万、2万、3万、4万、5万、6万、または7万分の1インチ長手方向に圧縮され、例えば、1万、2万、3万、4万、5万、6万、または7万分の1インチ流管302の周りに半径方向に圧縮されるように、第1の構成要素102、第2の構成要素104、および気密要素106を結合することによって形成することができる。あるいは、空間は、流管302の外径または内径のパーセンテージ、例えば、流管302の外径の0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8などのパーセンテージによって特徴付けられてもよい。
【0041】
本明細書の目的においては、共通アセンブリ300は、流量センサの部分的に組み立てられた内部構成要素である。流管302は、ケース312およびフランジ400を構成する材料とは異なる材料で構成されてもよい。ケース312およびフランジ400は、流管302を形成するために使用される材料と比較して低いCTEおよび/または低い融点を有する従来の材料、例えば、ステンレス鋼およびC22(C22は、ニッケル、クロム、モリブデン、およびタングステンの合金である)のうちの1つ以上をおそらく含む従来の材料から構成され得る。流管302(または内側部材)は、高いCTEおよび/または高い融点を有する特殊な材料、例えば、タンタル、ジルコニウム、およびチタンのうちの1つ以上から構成され得る。上述したように、従来の材料を従来の方法によって特殊な材料に結合することは困難である。このことは、特に、5400°Fを超える融点を有するタンタルに当てはまる。300シリーズのステンレス鋼によるタンタルとの溶接は、300シリーズのステンレス鋼の融点が著しく低いので、実用的でない場合がある。従来の材料と特殊な材料との結合は、腐食性材料が使用される流量センサのような特定の用途に対して、重要であり得る。腐食性材料を測定するために使用される流量センサは、従来の材料で構成される流量センサの構成要素が腐食性流動流体と相互作用しないように、全体が特殊な材料で構成された流路を有することになる。
【0042】
本開示の結合は、流量センサの一方の側のフランジ400および共通アセンブリ300についてのみ示されているが、これらの装置および方法の特徴は、流量センサの第2の側に適用されてもよいことを理解されたい。典型的な流量センサは、外部の流体流動要素と結合するために、流量センサの末端に2つのフランジ400を有することができ、したがって、耐腐食性流路を形成することに関する同じ問題が、流量センサの両側に起こりうる。これは、特殊な材料で構成される耐食性要素と従来の材料で構成される他の要素とを結合する方法および機能を、その内部に必要とする。
【0043】
いくつかの実施態様において、気密シールは、共形の内周面120、気密要素106及び流管302の間にのみ形成される。さらなる実施形態では、気密シールは、第1の構成要素102、共形の内周面120、気密要素106、及び流管302のすべての間に形成される。例えば、溶接収縮は、融着結合が、第1の構成要素102、共形の内周面120、気密要素106、および流管302のうちの2つ以上の間に形成されるのに、十分なものでありうる。これらの実施形態では、形成される結合は、単なる圧入ではない。しかしながら、特許請求の範囲において、用語「圧入」が使用される場合、圧入は、圧入された構成要素が分離された場合でさえ、融着結合が容易に外れないように、圧力が融着結合を確立するのに十分である実施形態を含み得ることが企図される。
【0044】
図2は、一実施形態に係る図1から結合された構成要素のアセンブリ200の、二分割側面図である。一実施形態によると、結合された構成要素のアセンブリ200は、結合された流量センサ構成要素でありうる。図1の結合されていない構成要素を結合するためには、構成要素が嵌合され、続いて、フローチャートの説明で提示された方法に記載されているように、所定の構成要素の間に溶接部が形成されなければならない。溶接が第1の構成要素102と第2の構成要素104との間で行われ、溶接収縮が第2の構成要素104と共通アセンブリ300の流管302との間に気密シールが形成し、その結果が図2に表されている。図2において参照される要素は、図1において同じ参照番号を有する要素の実施形態である。前述したとおり、図示では、フランジ400が第1の構成要素102であり、共通アセンブリ300が第2の構成要素104であるが、共通アセンブリ300が第1の構成要素102であり、フランジ400が第2の構成要素104である実施形態が考えられる。さらに、第1の構成要素102および第2の構成要素104が他のものであり、アセンブリが流量センサの構成要素ではない実施形態が企図される。
【0045】
図3は、一実施形態に係る共通アセンブリ300の二分割側面図である。共通アセンブリ300は、流管302と、バランスバー304と、流量センサ306a、306bと、ドライバ308と、支持ブラケット310a、310bと、ケース312とを備える。
【0046】
流量センサ製造中は、製造には多数のステップがある。典型的には、このプロセスの一つの中間ステップは、特定の構成要素の共通アセンブリ300を形成することである。共通アセンブリ300は、流量センサの内部構成要素の中間アセンブリである。共通アセンブリ300を組み立てるための従来技術の組立方法は存在しており、本明細書のどの方法も、共通アセンブリ300が既に形成された状態での、流量センサ製造プロセスのステップから開始されてもよい。フランジ400についても同様である。
【0047】
流管302は、それを通して流体が流れる流量センサの構成要素である。種々の用途において、流路全体を耐腐食性または耐熱性の材料で構成される流量センサにすることが望ましい。これらの用途では、流管302の実施形態は、少なくとも部分的に、または全体的に、特殊な材料、例えば、タンタル、ジルコニウム、およびチタンのうちの1つまたは複数から構成されうる。これらの材料は、純粋な形態で使用されてもよいし、合金として導入されてもよい。流管302は、共通アセンブリの内側部に結合されうるが、フランジ400が端子端部に結合されることを可能にするために、共通アセンブリから突出する端部を有してもよい。一実施形態では、共通アセンブリ300の内部から露出する流管302の長さ部分が存在し、その周りに、流管302の周りに気密シールを形成するために使用される気密要素106が配置され、後に圧縮される。
【0048】
バランスバー304は、流管にバランスを与え、流管302のバランスのとれた振動を可能にするために使用される構成要素である。ドライバ308は、流管302の振動を駆動する振動子である。流量センサ306aおよび306bは、流管302の振動を検出するセンサであり、おそらく、ドライバ308によって駆動される振動に対する振動応答を検出する。コリオリ流量センサは、ドライバ308および流量センサ306aおよび306bを使用して、流動流体および/または流体流の特性、例えば、質量流量、密度、粘度などを決定する。これらの測定を行う方法は、当技術分野において十分に確立されており、簡潔性のために省略される。支持ブラケット310a及び310bは、流量センサの指定の要素をケース312に固定する支持体であり、おそらくはブレースバー(図示せず)を介して要素を固定する。
【0049】
ケース312は、流量センサ要素のための容器である。ケース312は、典型的には、環境流体が流量センサに入るのを防止するために気密シールされる。共通アセンブリ300が第2の構成要素104である実施形態では(図1および2に描かれているように)、ケース312は、第2の結合部分112、加熱部位118、および共形の内周面120を有する共通アセンブリの要素でありうる。この実施形態では、気密シールは、気密要素106を使用して、少なくともケース312の共形の内周面120と流管302との間に作成される。共通アセンブリ300が第1の構成要素102である実施形態では、ケース312は、その外側部の一部に第1の結合部分110を有することができる。この実施形態では、ケース312は、気密要素106の第2の端部508(おそらく平坦な気密端116)に当接する当接端114を有することができ、この実施形態では、ケース312は、気密シールの要素であってもなくてもよい。
【0050】
図4は、一実施形態に係るフランジ400の斜視図を示す。フランジ400は、流量センサを流体流源、例えば、導管に結合するために使用される流量センサ内の末端要素である。また、フランジ400は、環境流体を受け入れることを意図していない流量センサ内の場所への、環境材料の漏出を防止する気密シールに寄与しうる。フランジ400は、中空内部402と、穴406を有する結合部材404とを備える。中空内部402は、流管302を配置可能な中空通路である。結合部材404は、フランジ400、したがって流量センサを、外部の流体要素に結合する要素である。結合部材は、フランジ400と外部の流体要素との間の結合を容易にするために、穴406を有しうる。
【0051】
フランジ400が第2の構成要素104である実施形態では、フランジ400は、第2の結合部分112、加熱部位118、および共形の内周面120を有しうる。この実施形態では、気密シールは、気密要素106を使用して、少なくともフランジ400の共形の内周面120と流管302との間に形成されうる。フランジ400が第1の構成要素102である実施形態では(図1および2に描かれているように)、フランジ400は、その外側部の一部に第1の結合部分110を有しうる。この実施形態では、フランジ400は、気密要素106の第2の端部508に(おそらくは、平坦な気密端116において)当接する当接端114(おそらくは、図示されるようなオプションの平坦端部408)を有することができ、この実施形態では、フランジ400は、気密シールの要素となりうる。
【0052】
図5は、一実施形態に係る気密要素106の斜視図である。気密要素106は、図1および図2に関連して説明した気密要素106の一実施形態である。図1および図2に描かれるように、気密要素の一実施形態は、共形(コンフォーマル)の外側部502と、実質的に円筒形である中空の共形(コンフォーマル)の内側部504とを有するものであり、中空の内側部504は、おそらく、内側部材108(例えば、流管302)を受け入れるためのものである。共形の外側部502は、第2の構成要素の内側部の共形の部分に適合する。気密要素106は、第1の端部506及び第2の端部508を有することができる。一実施形態では、第2の端部508は、平坦な気密端116でありうる。一実施形態では、第2の端部508は、第1の端部506よりも広くてもよい(例えば、より大きな幅を有するか、またはより大きな外径を有する)。一実施形態では、本発明の加熱部位118は、第2の端部508の「後方」510にあってもよい。「後方」510は、第2の端部508の中心位置を通って気密要素106の中心を通る長手方向軸(気密要素106が長手方向軸の周りで半径方向に対称であると仮定する)を参照することによって規定することができ、この軸に沿った遠位方向は、気密要素106の中心から第2の端部の中心を通って進み、「後方」510は、長手方向軸における第2の端部508より遠位(軸に沿ってではなく、軸自体に関して)である、あらゆる位置である。一実施形態では、気密要素106の中心から第2の端部508の中心を通って遠位方向に測定される方向は、長手方向軸と見なすことができ、この軸によると、気密要素106の外側で第2の端部508の遠位である任意の位置は、気密要素106の「後方」510である。「後方」510の定義を表現する別の方法は、「後方」が第2の端部508によって画定される平面の遠位にあるすべての3次元空間を表すとすることである。別の重複する可能性がある実施形態では、加熱部位118は、第1の端部506よりも第2の端部508の近くにありうる。
【0053】
図1-5に示された二分割側面図及び後述する図8A―8Eは、単に代表的な図であることを理解されたい。参照される要素の少なくともいくつかが、二分割図の二分割面に関して対称である実施形態が考えられる。縦軸及び横軸での内側部材108の中心において、内側部材108の長手方向軸に沿った軸を中心とした更なる半径方向の対称性が存在してもよい。例えば、内側部材108は、円筒状であってもよく、中心軸を中心とする半径方向の対称性を有してもよく、図1-5及び後述する図8A-8Eのいくつかの要素が、この中心軸を中心として対称であってもよい。
【0054】
[フローチャート]
図6-7は、一実施形態に係る溶接によって圧着気密シールを形成するための方法の、フローチャートである。フローチャートに開示された方法は、網羅的ではなく、単にステップおよび順序の可能性のある実施形態を示したものである。この方法は、図1-5及び図8A-8Eの説明に開示された要素、集合体100、アセンブリ200、共通アセンブリ300、フランジ400、並びに図1-5及び図8A-8Eに開示された気密要素106、及び/又は第1の構成要素102、第2の構成要素104、内側部材108、第1の結合部分110、第2の結合部分112、当接端114、平坦な気密端116、外部加熱部位118、共形の内周面120、流管302、バランスバー304、流量センサ306aおよび306b、ドライバ308、支持ブラケット310aおよび310b、ケース312、中空内部402、結合部材404、穴406、任意の平坦端部408、共形の外側部502、共形の内側部504、第1の端部506、および第2の端部508、を含む、明細書全体の文脈で解釈されなければならない。
【0055】
図6は、一実施形態に係る溶接によって圧着気密シールを形成するための方法600の、フローチャートである。一実施形態では、方法600は、異なる材料の構成要素間に気密シールを形成するための方法の一実施形態となりうる。本明細書に開示される全ての参照される要素、構成要素、および部材の、全ての方法、機能、相対的配置、および相対的結合は、方法600のステップを達成するために企図されている。
【0056】
ステップ602はオプションであり、第1の構成要素102を形成するステップである。第1の構成要素102は、例えば、(前述のように)フランジ400および共通アセンブリ300のうちの1つとすることができる。第1の構成要素102は、当技術分野で知られている方法を使用して形成することができる。第1の構成要素102は、おそらく第2の構成要素104の第2の結合部分112において、第2の構成要素104の内側部に実質的に適合する第1の結合部分110を有するように形成されうる。理解されるように、嵌合され溶接前の場合、これらの適合する要素は、これらの間に、おそらく、本明細書に開示されるように、千分の1インチ又は管の直径の千分の1のオーダーの非常に小さな空間を有し得る。一実施形態では、第1の構成要素102は、少なくとも部分的にステンレス鋼およびC22のうちの1つまたは複数から構成されうる。
【0057】
ステップ604はオプションであり、第2の構成要素104を形成するステップである。第2の構成要素104は、例えば、(前述のような)フランジ400または共通アセンブリ300のうちの1つの他方であってもよい。他の構成要素が結合されて溶接により気密シールを形成する、他の実施形態が企図される。第2の構成要素104の内側部は、(ステップ602に記載されているように)気密要素106と第1の結合部分110の両方の外側部に実質的に適合するように構成され、嵌合後で溶接前の場合、これらの適合する要素は、これらの間に、本明細書に開示されているように、おそらく千分の1インチ又は管の直径の千分の1のオーダーの非常に小さな空間を有し得る。一実施形態では、第2の構成要素104は、少なくとも部分的にステンレス鋼およびC22のうちの1つまたは複数から構成されうる。
【0058】
ステップ606はオプションであり、気密要素106を形成するステップである。気密要素106は、任意の形状であってもよく、当技術分野で知られている、または本明細書に開示されている任意の材料から構成されうる。例えば、気密要素106は、第2の構成要素104の内側部、例えば、第2の構成要素104の共形の内周面120に適合する外側部502を有することができる。一実施形態では、気密要素106は円錐または錐台の共形の外側部502を有し、その結果、圧力が気密要素106の「後方」510に加えられると、気密要素106の円錐または錐台の外側部502が、第2の構成要素104の適合する内側部にくさび留めされうる。気密要素106は、円筒形の内部空洞を有することができ、その内部空洞を内側部材108、例えば円筒形の外側部を有する円筒形の流管302に適合させることができる。気密要素106は、第1の端部506及び第2の端部508を有することができる。一実施形態では、第2の端部508は、平坦な気密端116でありうる。一実施形態では、第2の端部508は、第1の端部506よりも広くすることができる(例えば、より大きな幅を有するか、またはより大きな外径を有する)。一実施形態では、遠位方向は、気密要素106の中心から第2の端部508を通って遠位に測定される方向であり、第2の端部508の外側かつ遠位である任意の領域が、気密要素106の「後方」510であるような遠位方向と見なすことができる。一実施形態では、本発明の加熱部位118は、第2の端部508の「後方」510にありうる。別の重複する可能性のある実施形態では、加熱部位118は、第1の端部506よりも第2の端部508に近くにありうる。一実施形態では、気密要素は、内側部材108、第1の構成要素102、および第2の構成要素104のうちの1つまたは複数が形成される材料よりも、可鍛性が高い材料から形成されうる。例えば、一実施形態では、気密要素106は、銅または黄銅のうちの1つまたは複数から構成されうる。
【0059】
ステップ608は、内側部材108の周りに気密要素106を嵌合するステップである。嵌合がされ溶接がされる前では、気密要素106の内部空洞と内側部材108(例えば、流管302)の外周との間には、小さな空間が存在する。第1の構成要素102がフランジである実施形態では、ステップ608は、さらに、気密要素106の共形の外側部502を第2の構成要素104の内側部と嵌合させるステップを含むことができ、おそらく、気密要素106の共形の外側部502と、気密要素106に適合する第2の構成要素104の適合部分の内側部との間に、小さな空間が存在する。
【0060】
共通アセンブリが第1の構成要素102である実施形態では、ステップ608は、平坦な気密端116が、おそらく共通アセンブリ300のオプションの第1の平坦端部である当接端114に嵌合するように、気密要素106を内側部材108の外側部でスライドさせるステップを含んでもよい。この実施形態と先に説明した実施形態との違いの理由は、多くの実施形態では、フランジ400および共通アセンブリ300のいずれが第1または第2の構成要素102、104であるかによらず、内側部材108(流管302として)が既に共通アセンブリ300に結合されていることである。この実施形態では、内側部材108は、この方法が開始される前に、共通アセンブリ300と「一体的」であると見なすことができる。一実施形態では、気密要素106は、タンタル、ジルコニウム、およびチタンのうちの1つまたは複数から構成することができる。
【0061】
ステップ610は、第1の構成要素102を第2の構成要素104及び気密要素106と嵌合させるステップである。第1の構成要素102がフランジ400である実施形態では、気密要素106は、ステップ608において、第2の構成要素104の共形の部分(共通アセンブリ300の内側部の一部)と既に嵌合している。この実施形態では、第1の構成要素102は、その当接端114を気密要素106の第2の端部508(おそらく平坦な気密端116)に嵌合させることができる。嵌合ステップ610の後、第2の結合部分112及び第1の結合部分110は、少なくとも部分的に重なり合うように嵌合することができ、第2の結合部分112は、第1の結合部分110の断面周辺外側部分の少なくとも一部の半径方向外側にある。
【0062】
第1の構成要素102が共通アセンブリ300である実施形態では、フランジ400は、気密要素106を受け入れるための共形の内周面120を有することができ、ステップ610は、第2の構成要素104の共形の内周面120を、適合する気密要素106の外側部と嵌合させることを含む。
【0063】
ステップ608及び610が完了すると、第1の構成要素102、第2の構成要素104、気密要素106、及び内側部材108を有するアセンブリは、第1の構成要素102、第2の構成要素104、気密要素106、及び内側部材108の間に小さな空間を有しつつ、所定の位置にあることを理解されたい。例えば、嵌合ステップの後、気密要素106と内側部材108との間の半径方向の任意の空間は、1インチまたは内側部材108の外径の、1千、2千、3千、4千、5千、6千、7千、8千、9千、1万、または1万1千分の1未満でありうる。構成要素は、それらの間に小さな空間しか存在しない程度に共形である一方、溶接が適用される前には、これらは依然として自由に浮いた状態でありうる。
【0064】
ステップ612は、加熱部位118において、第2の構成要素104及び第1の構成要素102に熱を加えるステップである。この熱は、第1の構成要素102および第2の構成要素104の部分が加熱部位118で共に溶融され得るものであり得る。これは、第1の構成要素102と第2の構成要素104との間に、堅牢な溶接部を形成しうる。加熱は、本明細書に記載されるように、加熱部位118において行われうる。例えば、熱は、第1の結合部分110の一部および第2の結合部分112の一部を溶融するために加えられうる。本実施の形態では、第1の結合部分110及び第2の結合部分112の一部は、溶接部に対して犠牲となりうる。第1の結合部分110及び第2の結合部分112が加熱部位118における溶接によって結合されるように、加熱部位118の位置が決められうる。加熱部位118は、組み立てられたときに、システム200内の他の構成要素に対して異なる配置を有うる。例えば、加熱部位118は、第2の構成要素104の部分の外側部の1つまたは複数であって、内側部材108(例えば、流管302の内部)の半径方向軸において第1および第2の結合部分110、112が重なる位置、気密要素の第1の端部506よりも気密要素106の第2の端部508に近い位置、気密要素の第2の端部508の「後方」510の位置(図5で論じるように)、フランジとケースとが重なる位置、溶接収縮中に溶接収縮が圧力を加えることで、気密要素106に、第2の構成要素104と内側部材108との間に気密シールを形成させる位置、などであってもよい。
【0065】
溶接部を形成する加熱は、熱が加えられる側の材料を膨張させうる。この膨張によって、第1の構成要素102の当接端114が、第2の端部508(おそらく、平坦な気密端116において)に対して長手方向に圧力を加え、おそらく、気密要素106の「後方」510に加えられる長手方向の力を生じさせ得る。これにより、気密要素106の共形の外側部502が、第2の構成要素104の共形の内周面120に対して圧縮され得る。気密要素106がくさびのように作用する実施形態、例えば、気密要素106が錐台状の共形の外側部502を有する実施形態では、長手方向の圧力は半径方向内向きの圧力に変換される。第2の構成要素104の膨張もまた、半径方向内向きの圧力を生じさせうる。半径方向内向き圧力は、共形の内周面120を気密要素106の共形の外側部502に対して圧縮し、気密要素106の共形の内側部504が内側部材108の外側部に対して圧縮されるように、気密要素106を圧縮することができる。これは、気密要素106と第2の構成要素104と内側部材108との間の圧入の形成の開始を表しうるものであり、気密要素106の圧入を介して、第2の構成要素104の共形な内周面120と内側部材108の外側部とを少なくとも気密にシールする、気密シールの形成を開始するものである。この圧力が印加されると、共形な内周面120及び気密要素106のうちの1つ又は複数が部分的に変形して、気密シールに至る圧入が形成できることを理解されたい。気密要素106が他の構成要素よりも可鍛性である実施形態では、気密要素106は、圧縮される要素となりうる。一実施形態では、加熱ステップ612および冷却ステップ614が終了した後に、第1の構成要素102、第2の構成要素104、気密要素106、および内側部材108のうちの2つ以上の間に融着が形成されるのに、十分な熱が加えられる。一実施形態では、気密要素106を溶融するには、ステップ612で加えられる熱が十分ではないように、及び/または加熱部位118が気密要素106から離れすぎているようにされうる。
【0066】
ステップ614は、組み立てられた構成要素を冷却させるステップである。このステップは、全ての構成要素を冷却させること、例えば、第1の構成要素102、第2の構成要素104、気密要素106、および内側部材108のうちの1つ以上を冷却させることを含む。加熱は、長手方向の圧力を生じさせて、共形な内周面120に対して気密要素106を強制的に押しつけることができるが、気密要素106と内側部材108との間に気密シールを形成するのに十分ではない場合がある。冷却は、システム全体を収縮させる。これは、共形の内周面120が半径方向及び長手方向の両方に圧縮し、変換された長手方向圧縮によって強化される直接の半径方向内向き圧縮を生じさせ、共形の内周面120を気密要素106の共形な外側部502に、気密要素106の共形な内側部504を内側部材108の外側部分に、半径方向内向きに適合させ、気密要素106を介して共形な内周面120と内側部材108との間の気密シールを生じさせることを意味する。これは、冷却中に第1の構成要素102および第2の構成要素104のうちの1つまたは複数の長手方向の収縮によって生じる長手方向の力によって、さらに強化され得る。気密要素106に当接し得る第1の構成要素102の収縮は、気密要素106に対して長手方向の圧縮を生じさせることができ、それは、さらに、気密要素106の共形な外側部502を、第2の構成要素104の共形な内周面120に向けて圧縮しうる。また、気密要素106の共形な外側部502がくさびとして作用する実施形態では(例えば、共形な外側部502が錐台状である場合)、第1の構成要素102の収縮によって引き起こされる長手方向の圧縮の一部は、気密要素106の共形な外側部502の形状、及び第2の構成要素104の共形な内周面120の形状を介して再び変換され、気密要素106を圧縮して気密シールを形成するような、さらなる圧縮が半径方向内き及び内部で生成される。同様に、共形の内周面120に対する気密要素の共形の外側部502の更なる半径方向内向きの圧縮によって、気密要素106は、内側部材108の円周の周りで半径方向内向きに圧縮し、気密要素106の共形の内側部504と内側部材108の外側部との間に気密シールを形成する。
【0067】
円周方向の溶接は、軸を中心とする要素の回転を必要とする場合があることを理解されたい。開示される実施形態では、周方向の溶接部を形成するために、アセンブリが回転されつつ加熱部位118が加熱される。ステップ612および614を実施する場合、アセンブリの外周のいくつかの部分は、他の部分より先に加熱および冷却されることを理解されたい。この実施形態では、回転中に、加熱および冷却を各位置で迅速に行うことが可能である。また、溶接部位の全周に同時に熱を加えてもよく、そうでなくてもよい。熱は、典型的には、単一の位置で加えられ、アセンブリは、アセンブリの円周のほぼ同じ長手方向位置で、全周を溶接するために回転される。このように、ステップ612は1つの位置で実施され、その位置でのステップ614は、アセンブリが回転されるときに、溶接機などの発熱体が接近する新しい位置でのステップ612と、同時に実施されうる。これは、アセンブリの異なる部分が異なる時間に溶接されることができ、おそらく、アセンブリを回転させることで円周溶接が容易となる特定の位置に対してのみ、ステップ612および614を連続的に実施できることを意味する。
【0068】
一実施形態によると、熱を加えるステップ612および冷却するステップ614は、長手方向の圧力802によって、長手方向である圧縮方向での、気密要素106の少なくとも一部の圧縮が少なくとも5万分の1インチになり、半径方向内向きの圧力804によって、半径方向内向きある圧縮方向での、気密要素106の少なくとも一部の圧縮が少なくとも2万分の1インチになるように、長手方向の圧力802および半径方向内向きの圧力804を生じさせるのに十分なものである。
【0069】
一実施形態では、ステップ602から614による最終製品は、アセンブリ200でありうる。もちろん、アセンブリ200は、共通アセンブリ300の片側だけに形成される必要はない。共通アセンブリ300のもう一方側に圧入気密シールを形成することは、有益となりうる。開示された実施形態は流量センサを反映したものであるが、これらの方法のステップは、1つまたは複数の気密シールを形成する必要がある任意の状況に適用できることを理解されたい。
【0070】
ステップ616は、オプションの、アセンブリの別の側に対してステップ602から614を繰り返すステップである。一実施形態では、結果として得られる装置全体が、流量センサでありうる。流量センサは、典型的には、流量計を形成するために、共通アセンブリ300の互いに対向した端部に結合される、少なくとも2つのフランジ400を有する。ステップ616は、流量センサの両方の側の気密シールを完成するために、流量センサのもう一方の側に対してステップ602から612を繰り返す。これは、フランジ400の各々における気密シール、または共通アセンブリ300の端部の各々における気密シールを必然的に要求する。フランジ400、共通アセンブリ300の端部、流管302、および気密要素106のすべての間で、気密シールが作られるさらなる実施形態が考えられる。
【0071】
一実施形態では、図6に示す方法の各ステップは、別々のステップである。図6では別々のステップとして示されているが、他の実施形態では、ステップ602-616は別々のステップでなくてもよい。他の実施形態では、図6に示す方法は、上記のステップの全てを有していなくてもよく、および/または上記に列挙したステップに加えて、またはその代わりに、他のステップを有していてもよい。図6に示される方法600のステップは、別の順序で実行されてもよい。図6に示される方法600の一部として上に列挙されたステップのサブセットは、それら自体の方法を形成するために使用されてもよい。方法600のステップは、任意の組み合わせおよび順序で任意の回数繰り返すことができ、例えば、おそらく1つまたは複数の流量センサのための複数の気密シールを形成するために連続的にループすることができる。
【0072】
図7は、一実施形態に係る、溶接によって圧着気密シールを形成するための方法700のフローチャートである。一実施形態では、方法700は、異なる材料の構成要素間に気密シールを形成するための方法の一実施形態となりうる。本明細書に開示される全ての参照される要素、構成要素、および部材の、全ての方法、機能、相対的配置、および相対的結合は、方法700のステップを達成するために企図されている。
【0073】
ステップ702は、第2の構成要素104と内側部材108との間に気密シールを形成するステップであり、これは、加熱をすること、並びに第2の構成要素104に対して気密要素106を圧縮することおよび内側部材108に対して気密要素106を圧縮することにより気密シールを形成することにより、第2の構成要素104を第1の構成要素102に結合することにより行われ、上記の圧縮は加熱の結果生じるものである。一実施形態では、ステップ702は、ステップ602-614のうちの2以上の実施形態を含んでいてもよい。一実施形態では、ステップ702は、第2の構成要素104と内側部材108との間に圧入気密シールを形成するステップであり、第1の構成要素102および第2の構成要素104のうちの1つまたは複数に熱を加え、第1の構成要素102および第2の構成要素104を冷却することによって第2の構成要素104を第1の構成要素102に結合することを含み、熱を加えるステップおよび冷却するステップは、第2の構成要素104に対して気密要素106の圧縮を引き起こし、内側部材108に対して気密要素106の圧縮を引き起こすことによって気密シールを形成する。一実施形態では、ステップ702は、第2の構成要素104、気密要素106、及び内側部材108の全てに第1の構成要素102が嵌合されたときに、第2の構成要素104の外側部上の加熱部位118に熱を加え、第1の構成要素102及び第2の構成要素104を冷却することで、第2の構成要素104を第1の構成要素102に結合させることを含み、ここで、加熱及び冷却のステップは、第2の構成要素104に対する気密要素106の圧縮、及び内側部材108に対する気密要素106の圧縮により気密シールを形成し、この圧縮は、第1の構成要素102と第2の構成要素104の加熱部分の膨張と収縮から生じる。
【0074】
円周方向の溶接部は、軸を中心とする要素の回転を必要とすることを理解されたい。開示される実施形態では、周方向の溶接部を形成するために、アセンブリが回転されつつ加熱部位118が加熱される。加熱及び冷却のステップを実施する場合、アセンブリの外周のいくつかの部分は、他の部分より先に加熱および冷却されることを理解されたい。この実施形態では、回転中に、加熱および冷却が各位置で迅速に行われる。また、溶接部位の全周に、同時に熱が加わらなくてもよい。熱は単一の位置で加えられ、アセンブリは、アセンブリの円周のほぼ同じ長手方向位置で、全周を溶接するために回転される。このように、加熱は1つの位置で実施され、その位置での冷却は、アセンブリが回転されるときに、溶接機などの発熱体が接近する新しい位置での加熱と、同時に実施されうる。これは、アセンブリの異なる部分が異なる時間に溶接されることができ、おそらく、アセンブリを回転させることで円周溶接が容易となる特定の位置に対してのみ、加熱および冷却のステップを連続的に実施できることを意味する。
【0075】
他の実施形態では、図7に示す方法は、上に列挙したステップに加えて、またはその代わりに、他のステップを有することができる。図7に示される方法700の一部として上に列挙されたステップのサブセットは、それら自体の方法を形成するために使用されてもよい。方法700のステップは、おそらく、1つまたは複数の流量センサに対して、複数の気密シールを形成するために、任意の回数、例えば、連続的にループすることができる。
【0076】
[図面]
図8A図8Eは、一実施形態に係る、明細書に記載される溶接によって形成される圧着気密シールの進行を説明する図である。これらの図は、部材の相対位置および加えられる圧力の方向の実施形態を示す。図8A-8Eの目的のため、「構成要素」は、第1の構成要素102(フランジ400として図示されている)、第2の構成要素(共通アセンブリ300として図示されている)、気密要素106、および内側部材108(共通アセンブリ300に既に一体化されている流管302として図示されている)を指す。
【0077】
図8Aは、一実施形態に係る、嵌合または溶接がされる前の非結合構成要素800Aの二分割側面図の説明図である。図1に示すように、これらの構成要素は分離している。
【0078】
図8Bは、一実施形態に係る、構成要素が嵌合された後で溶接される前の、非結合構成要素800Bの二分割側面図である。構成要素は、これらの間に小さな空間を有しうるが、構成要素は、大部分が相補的かつ共形であることができ、これらの空間を制限する。第1の結合部分110は、第2の結合部分112(参照番号は示されていないが、前図に示されている)と共形でありうる。第2の構成要素104の共形の内周面120は、気密要素106の共形の外側部502に適合する。気密要素106の共形な内側部504は、内側部材108(例えば、流管302)の外側部に適合する。当接端114は、第2の端部508(おそらく平坦な気密端116)に、少なくとも部分的に適合しうる。
【0079】
図8Cは、加熱部位118に熱が加えられて、第2の構成要素104と第1の構成要素102との間に溶接部を形成する際の、一実施形態に係る構成要素800Cの二分割側面図である。図示されていないが、第1の結合部分110及び第2の結合部分112のそれぞれの部分は、溶接部に対して犠牲となりうる。加熱により構成要素が膨張する。膨張は、長手方向膨張808および半径方向膨張806として記述できる。図示された実施形態では、熱は、気密要素106の第2の端部508の「後方」510に加えられる。第1の構成要素102及び第2の構成要素104の加熱部分の長手方向の膨張808は、気密要素106に対して長手方向の圧力802を生じさせ、第2の構成要素104の共形の内周面120に対して気密要素106を圧縮する。気密要素106がくさびとして作用できる実施形態(例えば、気密要素の外側形状が錐台状である場合)では、長手方向圧力802の一部が半径方向内向きに変換されて、いくらかの半径方向内向き圧力804を発生させることができ、これは、共形の内周面120に対する気密要素106のいくらかの半径方向の圧縮と、内側部材108を中心とする気密要素106のいくらかの半径方向の圧縮とを生じさせうる。
【0080】
半径方向膨張806は、直接の半径方向内向き圧力804を引き起こす。これにより、第2の構成要素104の共形の内周面120が共形の外側部502において気密要素106を圧縮し、気密要素106を介した、気密要素106の共形の内側部504を内側部材108の外側部に対して圧縮するための、変換された圧縮を生じさせうる。これらの圧縮は、圧入による気密シールを形成させ始める。気密要素106がくさびとして機能しうる実施形態では(例えば、共形の外側部502が錐台状である場合)、半径方向内向き圧力804の一部は、長手方向圧力802に変換されうる。
【0081】
図8Dは、構成要素が溶接後に冷却される場合の、一実施形態に係る構成要素800Dの二分割側面図である。加熱後、溶接部の部位は(おそらく、次の加熱部位118まで回転することにより)冷却される。第1の構成要素102と第2の構成要素104との間に形成された、結果として生じる結合は、第1の構成要素102と第2の構成要素104との相対位置を固定する。加熱された第1の構成要素102および第2の構成要素104の部分は、冷却されると収縮する。収縮は、長手方向収縮812および半径方向収縮810として記述することができる。長手方向の収縮812は、長手方向の圧力802を直接に引き起こす。半径方向の収縮810は、半径方向内向きの圧力804を直接に引き起こす。収縮はまた、変換された圧力を引き起こすことができ、その結果、長手方向収縮812は、いくらかの変換された半径方向内向き圧力804を引き起こし、半径方向収縮810は、いくらかの変換された長手方向圧力802を引き起こし得ることを理解されたい(例えば、気密要素106の共形の外側部502が錐台状に成形され、かつ/またはくさびとして作用する実施形態において)。構成要素102および104の加熱された部分は、冷却されると、1つまたは複数の共形の内周面120が気密要素106の共形の外側部502において気密要素106を半径方向に圧縮するように収縮し、その結果、気密要素106の共形の内側部504および内側部材108(例えば、流管302)の外側部で気密要素106のさらなる変換された半径方向内向き圧縮を引き起こす。収縮によりさらに、第1の構成要素102および第2の構成要素104のうちの1つまたは複数が、気密要素106を共形な内周面120に対して長手方向に圧縮する。加熱および冷却ステップが完了した後、第2の構成要素104の共形な内周面120、気密要素106、および内側部材108の間に気密シールが形成される。
【0082】
上述したように、周方向の加熱は一度に1つの位置でのみ実施され、実質的に同じ長手方向位置で実質的に周方向の経路に沿って加熱要素が移動するように、アセンブリが回転される。図8Cおよび8Dに示される実施形態は、1つの位置での加熱のみを示している。アセンブリは、アセンブリに対する特定の長手方向位置において、アセンブリの円周の回りに、周方向または周辺方向の溶接部が形成されるように、熱が加えられつつ回転させられうる。円周に沿ったより多くの位置が加熱され、続いて冷却されるにつれて、構成要素は、より密接に結合することができ、構成要素間のより多くの空間をなくし、気密シールを促進することが理解され得る。上述したように、一実施形態では、気密シールは、圧入のみによって実現されてもよい。しかしながら、構成要素の正確な相対的な共形の位置において十分な熱が加えられる場合、2つ以上の構成要素の間に融着結合がさらに形成されうる。これらの実施形態で形成されるこの融着結合は、圧入に追加するもの、またはその代わりをするものとなりうる。
【0083】
図8Eは、構成要素が溶接され、冷却された後に形成される、一実施形態に係るアセンブリ800Eの二分割側面図である。アセンブリ800Eは、アセンブリ200の一実施形態でありうる。気密シールが形成されているので、存在していた小さな空間の少なくともいくつかは、なくなっている。気密シールは、共形な内周面120及び内側部材108と気密要素106との間など、特定の要素の間(気密シールを妨げるような空間を排除したもの)として存在しうる。これは、共形の内周面120の少なくとも一部と、気密要素106の共形の外側部502の少なくとも一部との間の外部気密シール820、および気密要素106の共形の内側部504の少なくとも一部と内側部材108の少なくとも一部との間の内部気密シール822の存在を表しうる。別の実施形態では、気密シールは、共形の内周面120、気密要素106、内側部材108、及び第1の構成要素102の間として存在してもよい。これは、気密要素106の共形の内周面120と共形の外側部502との間の外部気密シール820、気密要素106の共形の内側部504と内側部材108との間の内部気密シール822、及び気密要素106の当接端114と第2の端部508(おそらく、平坦な気密端116において)との間のもう一つの気密シール(図示せず)の存在を表しうる。加えられる圧力は、さらに、構成要素のいずれかの間に融着を引き起こし、おそらく、気密シールをさらに確実なものにすることも、企図される。溶接が完了した後、加熱によって、アセンブリの周囲に形成された溶接ビードの全てからなる溶接部830が形成されることが分かる。
【0084】
上記の実施形態の詳細な説明は、本発明者が本説明の範囲内にあると考えるすべての実施形態の網羅的な説明ではない。実際に、当業者は、上述の実施形態の特定の要素は、さらなる実施形態を生成するために様々に組み合わされ、または除去されてもよく、そのようなさらなる実施形態は、本説明の範囲および教示内に入ることを認識するであろう。また、当業者には、上述の実施形態を全体的または部分的に組み合わせて、本説明の範囲および教示内で追加の実施形態を作成することができることも明らかであろう。パラメータ値を表す特定の数値が特定される場合、これらの数値の全ての間の範囲、ならびにこれらの数値より上の範囲および下の範囲が企図され、開示される。
【0085】
したがって、特定の実施形態が例示の目的で本明細書に記載されているが、当業者が認識するように、本説明の範囲内で様々な同等の修正が可能である。本明細書で提供される教示は、溶接によって圧入気密シールを形成するための他の方法および装置に適用することができ、上述し、添付の図面に示す実施形態だけに適用できるものではない。したがって、上述の実施形態の範囲は、以下の特許請求の範囲から決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E