(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】データサンプリング回路、データサンプリング装置
(51)【国際特許分類】
H04L 25/03 20060101AFI20231120BHJP
G11C 7/10 20060101ALI20231120BHJP
【FI】
H04L25/03 C
G11C7/10 505
G11C7/10 460
(21)【出願番号】P 2022539752
(86)(22)【出願日】2020-07-21
(86)【国際出願番号】 CN2020103356
(87)【国際公開番号】W WO2021143087
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-06-28
(31)【優先権主張番号】202010037846.8
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020081575.1
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522246670
【氏名又は名称】チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】フー ジャンフェイ
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-102119(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0351769(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0063242(US,A1)
【文献】特表2013-511894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/03
G11C 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データサンプリング回路であって、
データ信号端、基準信号端、第1ノード、第2ノードに接続され、前記データ信号端及び前記基準信号端の信号に応答して、前記第1ノード及び前記第2ノードに作用するように構成される第1サンプリングモジュールと、
前記第1ノード、第2ノード、第3ノード、第4ノードに接続され、前記第1ノード及び前記第2ノードの信号に応答して、第3ノード及び第4ノードに作用するように構成される第2サンプリングモジュールと、
前記第3ノード、前記第4ノード、第1出力端、第2出力端に接続され、前記第3ノード、第4ノードの信号に基づいて、前記第1出力端へハイレベル信号を入力し、前記第2出力端へローレベル信号を入力すること、又は前記第1出力端へローレベル信号を入力し、前記第2出力端へハイレベル信号を入力することを行うように構成されるラッチングモジュールと、
前記第2サンプリングモジュールに並列に接続され、符号間干渉を低減するように構成される判定帰還等化モジュールと、を含
み、
前記判定帰還等化モジュールは、前記第3ノード、前記第4ノード、第1制御信号端、第2制御信号端に接続され、前記第1制御信号端と前記第2制御信号端からの信号に応答して、前記第3ノード及び前記第4ノードに作用するようにさらに構成される、
データサンプリング回路。
【請求項2】
前記データサンプリング回路は、
前記第2サンプリングモジュールに並列に接続され、前記第2サンプリングモジュールのオフセット電圧を補償するように構成されるオフセット補償モジュールを更に含む
請求項1に記載のデータサンプリング回路。
【請求項3】
前記第1サンプリングモジュールは更に第1クロック信号端に接続され、前記第1クロック信号端の信号に応答して、サンプリング動作を起動するように構成され、
前記データサンプリング回路は、
第1クロック信号端、第2クロック信号端、第1ノード、第2ノード、第3ノード、第4ノード、第1出力端及び第2出力端に接続され、前記第1クロック信号端の信号に応答して、前記第1ノードと第2ノードをリセットし、前記第2クロック信号端の信号に応答して、前記第3ノード、第4ノード、第1出力端及び第2出力端をリセットするように構成されるリセットモジュールを更に含む
請求項1に記載のデータサンプリング回路。
【請求項4】
前記第1サンプリングモジュールは、
第1端がハイレベル信号端に接続され、制御端が第1クロック信号端に接続され、第2端が第5ノードに接続される第1P型トランジスタと、
第1端が前記第1P型トランジスタの第2端に接続され、制御端がデータ信号端に接続され、第2端が前記第2ノードに接続される第2P型トランジスタと、
第1端が前記第1P型トランジスタの第2端に接続され、制御端が前記基準信号端に接続され、第2端が前記第1ノードに接続される第3P型トランジスタと、を含む
請求項1に記載のデータサンプリング回路。
【請求項5】
前記第2サンプリングモジュールは、
第1端がローレベル信号端に接続され、制御端が前記第2ノードに接続され、第2端が前記第3ノードに接続される第4N型トランジスタと、
第1端が前記ローレベル信号端に接続され、制御端が前記第1ノードに接続され、第2端が前記第4ノードに接続される第5N型トランジスタと、を含む
請求項2に記載のデータサンプリング回路。
【請求項6】
前記ラッチングモジュールは、
第1端がハイレベル信号端に接続され、制御端が前記第2出力端に接続され、第2端が前記第1出力端に接続される第6P型トランジスタと、
第1端が前記第3ノードに接続され、第2端が前記第1出力端に接続され、制御端が前記第2出力端に接続される第7N型トランジスタと、
第1端が前記ハイレベル信号端に接続され、制御端が前記第1出力端に接続され、第2端が前記第2出力端に接続される第8P型トランジスタと、
第1端が前記第4ノードに接続され、第2端が前記第2出力端に接続され、制御端が前記第1出力端に接続される第9N型トランジスタと、を含む
請求項1に記載のデータサンプリング回路。
【請求項7】
前記判定帰還等化モジュールは、
前記第4N型トランジスタのソース端とドレイン端との間に並列に接続され、前記第4N型トランジスタのパラメータを補償するように構成される第1判定帰還等化モジュールと、
前記第5N型トランジスタのソース端とドレイン端との間に並列に接続され、前記第5N型トランジスタのパラメータを補償するように構成される第2判定帰還等化モジュールと、を含み、
前記第1判定帰還等化モジュールと第2判定帰還等化モジュールが2つの逆方向信号に制御されて択一的に駆動され、
前記第1判定帰還等化モジュールは、複数の第10N型トランジスタと、前記第10N型トランジスタに一対一で対応して設置される複数の第11トランジスタと、前記第11トランジスタに一対一で対応して設置される複数の第12N型トランジスタと、を含み、
前記第10N型トランジスタの第1端が前記第3ノードに接続され、制御端が前記第2ノードに接続され、
前記第11トランジスタは、第1端が前記第10N型トランジスタの第2端に接続され、制御端がそれぞれ異なる制御信号端に接続され、
前記第12N型トランジスタは、第1端が前記第11トランジスタの第2端に接続され、制御端が
前記第1制御信号端に接続され、第2端が前記ローレベル信号端に接続される
請求項5に記載のデータサンプリング回路。
【請求項8】
前記第2判定帰還等化モジュールは、複数の第13N型トランジスタと、前記第13N型トランジスタに一対一で対応して設置される複数の第14トランジスタと、前記第14トランジスタに一対一で対応して設置される複数の第15N型トランジスタと、を含み、
前記第13N型トランジスタは、第1端が前記第4ノードに接続され、制御端が前記第1ノードに接続され、
前記第14トランジスタは、第1端が前記第13N型トランジスタの第2端に接続され、制御端がそれぞれ異なる制御信号端に接続され、
前記第15N型トランジスタは、第1端が前記第14トランジスタの第2端に接続され、制御端が
前記第2制御信号端に接続され、第2端が前記ローレベル信号端に接続され、
前記第1制御信号端と前記第2制御信号端における信号が逆方向であり、
前記第13N型トランジスタ、前記第14トランジスタ、前記第15N型トランジスタがそれぞれ2つである
請求項7に記載のデータサンプリング回路。
【請求項9】
前記第10N型トランジスタ、前記第11トランジスタ、前記第12N型トランジスタがそれぞれ2つである
請求項7に記載のデータサンプリング回路。
【請求項10】
前記オフセット補償モジュールは、
前記第4N型トランジスタのソース端とドレイン端との間に並列に接続され、前記第4N型トランジスタのパラメータを補償するように構成される第1オフセット補償モジュールと、
前記第5N型トランジスタのソース端とドレイン端との間に並列に接続され、前記第5N型トランジスタのパラメータを補償するように構成される第2オフセット補償モジュールと、を含む
請求項5に記載のデータサンプリング回路。
【請求項11】
前記第1オフセット補償モジュールは、複数の第16トランジスタと、前記第16トランジスタに一対一で対応して設置される複数の第1コンデンサと、を含み、
前記第16トランジスタは、第1端が前記ローレベル信号端に接続され、制御端がそれぞれ異なる制御信号端に接続され、
前記第1コンデンサは、前記第16トランジスタの第2端と前記第3ノードとの間に接続され、
前記第2オフセット補償モジュールは、複数の第17トランジスタと、前記第17トランジスタに一対一で対応して設置される複数の第2コンデンサと、を含み、
前記第17トランジスタは、第1端が前記ローレベル信号端に接続され、制御端がそれぞれ異なる制御信号端に接続され、
前記第2コンデンサは、前記第17トランジスタの第2端と前記第
4ノードとの間に接続される
請求項10に記載のデータサンプリング回路。
【請求項12】
前記リセットモジュールは、
第1端がローレベル信号端に接続され、第2端が前記第2ノードに接続され、制御端が前記第1クロック信号端に接続される第18N型トランジスタと、
第1端が前記ローレベル信号端に接続され、第2端が前記第1ノードに接続され、制御端が前記第1クロック信号端に接続される第19N型トランジスタと、
第1端がハイレベル信号端に接続され、第2端が前記第3ノードに接続され、制御端が前記第2クロック信号端に接続される第20P型トランジスタと、
第1端が前記ハイレベル信号端に接続され、第2端が前記第1出力端に接続され、制御端が前記第2クロック信号端に接続される第21P型トランジスタと、
第1端が前記ハイレベル信号端に接続され、第2端が前記第2出力端に接続され、制御端が前記第2クロック信号端に接続される第22P型トランジスタと、
第1端が前記ハイレベル信号端に接続され、第2端が前記第4ノードに接続され、制御端が前記第2クロック信号端に接続される第23P型トランジスタと、を含む
請求項3に記載のデータサンプリング回路。
【請求項13】
データサンプリング装置であって、
複数のカスケード接続される請求項1-12のいずれか一項に記載のデータサンプリング回路を含み、上の階層の前記データサンプリング回路の第1出力端が隣接する下の階層のデータサンプリング回路の第1制御端に接続され、上の階層の前記データサンプリング回路の第2出力端が隣接する下の階層のデータサンプリング回路の第2制御端に接続され、
最後の階層の前記データサンプリング回路の第1出力端が1番目の階層のデータサンプリング回路の第1制御端に接続され、最後の階層の前記データサンプリング回路の第2出力端が1番目の階層のデータサンプリング回路の第2制御端に接続される、データサンプリング装置。
【請求項14】
前記データサンプリング装置は、複数のラッチを更に含み、前記ラッチは、前記データサンプリング回路に一対一で対応して設置され、前記データサンプリング回路の第1出力端のデータを第3出力端にロックし、前記データサンプリング回路の第2出力端のデータを第4出力端にロックするように構成され、
前記ラッチは、
第1端がハイレベル信号端に接続され、第2端が前記第3出力端に接続され、制御端が前記データサンプリング回路の第1出力端に接続される第24P型トランジスタと、
第1端がハイレベル信号端に接続され、第2端が前記第3出力端に接続され、制御端が前記第4出力端に接続される第25P型トランジスタと、
第1端がハイレベル信号端に接続され、第2端が第4出力端に接続され、制御端が第3出力端に接続される第26P型トランジスタと、
第1端がハイレベル信号端に接続され、第2端が第4出力端に接続され、制御端が前記データサンプリング回路の第2出力端に接続される第27P型トランジスタと、
第1端がローレベル信号端に接続され、第2端が第3出力端に接続され、制御端が前記データサンプリング回路の第1出力端に接続される第28N型トランジスタと、
第1端がローレベル信号端に接続され、第2端が第3出力端に接続され、制御端が第4出力端に接続される第29N型トランジスタと、
第1端がローレベル信号端に接続され、第2端が第4出力端に接続され、制御端が第3出力端に接続される第30N型トランジスタと、
第1端がローレベル信号端に接続され、第2端が第4出力端に接続され、制御端が前記データサンプリング回路の第2出力端に接続される第31N型トランジスタと、を含む
請求項13に記載のデータサンプリング装置。
【請求項15】
前記データサンプリング装置は4つのデータサンプリング回路を含み、前記データサンプリング装置は、
4つのデータサンプリング回路の第1クロック信号端にクロックサンプリング信号を提供するように構成されるクロック回路を更に含み、隣接するデータサンプリング回路の第1クロック信号端におけるクロックサンプリング信号の位相差が90度であり、第1クロック信号端におけるクロックサンプリング信号の周期がデータ信号端における信号周期の2倍である
請求項14に記載のデータサンプリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2020年1月14日に提出された、出願番号が202010037846.8、202020081575.1であり、発明の名称がいずれも「データサンプリング回路、データサンプリング装置」である中国特許出願の優先権を主張し、この中国特許出願の全ての内容は参照によって本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ストレージ技術の分野に関し、特に、データサンプリング回路、データサンプリング装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
LPDDR(Low Power Double Data Rate:低電力ダブルデータレート)においては、信号伝送速度がますます速くなるのに伴い、チャンネル損失が信号品質に与える影響が大きくなってきており、符号間干渉を引き起す場合がある。
【0004】
関連技術において、受信端(RX)で等化回路(Equalizer)を用いてチャンネルを補償することが一般であり、等化回路としてはCTLE(Continuous Time Linear Equalizer:連続時間線形等化回路)又はDFE(Decision Feedback Equalizer:判定帰還型等化回路)を選択することができる。
【0005】
しかしながら、等化回路を単独して設置すれば、LPDDRの電力消費が増加して、LPDDRが低電力消費の要求を満たすことができなくなってしまう。
【0006】
説明すべきこととして、上記背景技術部分で開示された情報が、本開示の背景に対する理解を強化するためのものに過ぎないので、当業者にとって既知である従来技術の情報を含んでもよい。
【発明の概要】
【0007】
本開示の一様態によれば、第1サンプリングモジュール、第2サンプリングモジュール、ラッチングモジュール、判定帰還等化モジュールを含むデータサンプリング回路を提供する。第1サンプリングモジュールは、データ信号端、基準信号端、第1ノード、第2ノードに接続され、前記データ信号端及び前記基準信号端の信号に応答して、前記第1ノード及び前記第2ノードに作用するように構成される。第2サンプリングモジュールは、前記第1ノード、第2ノード、第3ノード、第4ノードに接続され、前記第1ノード及び前記第2ノードの信号に応答して、第3ノード及び第4ノードに作用するように構成される。ラッチングモジュールは、前記第3ノード、前記第4ノード、第1出力端、第2出力端に接続され、前記第3ノード、第4ノードの信号に基づいて、前記第1出力端へハイレベル信号を入力し、前記第2出力端へローレベル信号を入力すること、又は前記第1出力端へローレベル信号を入力し、前記第2出力端へハイレベル信号を入力することを行うように構成される。判定帰還等化モジュールは、前記第2サンプリングモジュールに並列に接続され、符号間干渉を低減するように構成される。
【0008】
本開示の例示的な一実施例では、前記サンプリング回路は、前記第2サンプリングモジュールに並列に接続され、前記第2サンプリングモジュールのオフセット電圧を補償するように構成されるオフセット補償モジュールを更に含む。
【0009】
本開示の例示的な一実施例では、前記第1サンプリングモジュールは、更に、第1クロック信号端に接続され、前記第1クロック信号端の信号に応答して、サンプリング動作を起動するように構成される。前記データサンプリング回路は、第1クロック信号端、第2クロック信号端、第1ノード、第2ノード、第3ノード、第4ノード、第1出力端及び第2出力端に接続され、前記第1クロック信号端の信号に応答して、前記第1ノードと第2ノードをリセットし、前記第2クロック信号端の信号に応答して、前記第3ノード、第4ノード、第1出力端及び第2出力端をリセットするように構成されるリセットモジュールを更に含む。
【0010】
本開示の例示的な一実施例では、前記第1サンプリングモジュールは、第1端がハイレベル信号端に接続され、制御端が前記第1クロック信号端に接続され、第2端が第5ノードに接続される第1P型トランジスタと、第1端が前記第1P型トランジスタの第2端に接続され、制御端がデータ信号端に接続され、第2端が前記第2ノードに接続される第2P型トランジスタと、第1端が前記第1P型トランジスタの第2端に接続され、制御端が前記基準信号端に接続され、第2端が前記第1ノードに接続される第3P型トランジスタと、を含む。
【0011】
本開示の例示的な一実施例では、前記第2サンプリングモジュールは、第1端がローレベル信号端に接続され、制御端が前記第2ノードに接続され、第2端が前記第3ノードに接続される第4N型トランジスタと、第1端が前記ローレベル信号端に接続され、制御端が前記第1ノードに接続され、第2端が前記第4ノードに接続される第5N型トランジスタと、を含む。
【0012】
本開示の例示的な一実施例では、前記ラッチングモジュールは、第1端がハイレベル信号端に接続され、制御端が前記第2出力端に接続され、第2端が前記第1出力端に接続される第6P型トランジスタと、第1端が前記第3ノードに接続され、第2端が前記第1出力端に接続され、制御端が前記第2出力端に接続される第7N型トランジスタと、第1端が前記ハイレベル信号端に接続され、制御端が前記第1出力端に接続され、第2端が前記第2出力端に接続される第8P型トランジスタと、第1端が前記第4ノードに接続され、第2端が前記第2出力端に接続され、制御端が前記第1出力端に接続される第9N型トランジスタと、を含む。
【0013】
本開示の例示的な一実施例では、前記判定帰還等化モジュールは、前記第4N型トランジスタのソース端とドレイン端との間に並列に接続され、前記第4N型トランジスタのパラメータを補償するように構成される第1判定帰還等化モジュールと、前記第5N型トランジスタのソース端とドレイン端との間に並列に接続され、前記第5N型トランジスタのパラメータを補償するように構成される第2判定帰還等化モジュールと、を含み、前記第1判定帰還等化モジュールと第2判定帰還等化モジュールが2つの逆方向信号に制御されて択一的に駆動される。
【0014】
本開示の例示的な一実施例では、前記第1判定帰還等化モジュールは、第1端が前記第3ノードに接続され、制御端が前記第2ノードに接続される複数の第10N型トランジスタと、前記第10N型トランジスタに一対一で対応して設置されており、第1端が前記第10N型トランジスタの第2端に接続され、制御端がそれぞれ異なる制御信号端に接続される複数の第11トランジスタと、前記第11トランジスタに一対一で対応して設置されており、第1端が前記第11トランジスタの第2端に接続され、制御端が第1制御信号端に接続され、第2端が前記ローレベル信号端に接続される複数の第12N型トランジスタと、を含む。
【0015】
本開示の例示的な一実施例では、前記第2判定帰還等化モジュールは、第1端が前記第4ノードに接続され、制御端が前記第1ノードに接続される複数の第13N型トランジスタと、前記第13N型トランジスタに一対一で対応して設置されており、第1端が前記第13N型トランジスタの第2端に接続され、制御端がそれぞれ異なる制御信号端に接続される複数の第14トランジスタと、前記第14トランジスタに一対一で対応して設置されており、第1端が前記第14トランジスタの第2端に接続され、制御端が第2制御信号端に接続され、第2端が前記ローレベル信号端に接続される複数の第15N型トランジスタと、を含み、前記第1制御信号端と前記第2制御信号端における信号が逆方向である。
【0016】
本開示の例示的な一実施例では、前記第10N型トランジスタ、前記第11トランジスタ、前記第12N型トランジスタがそれぞれ2つである。
【0017】
本開示の例示的な一実施例では、前記第13N型トランジスタ、前記第14トランジスタ、前記第15N型トランジスタがそれぞれ2つである。
【0018】
本開示の例示的な一実施例では、前記オフセット補償モジュールは、前記第4N型トランジスタのソース端とドレイン端との間に並列に接続され、前記第4N型トランジスタのパラメータを補償するように構成される第1オフセット補償モジュールと、前記第5N型トランジスタのソース端とドレイン端との間に並列に接続され、前記第5N型トランジスタのパラメータを補償するように構成される第2オフセット補償モジュールと、を含む。
【0019】
本開示の例示的な一実施例では、前記第1オフセット補償モジュールは、第1端が前記ローレベル信号端に接続され、制御端がそれぞれ異なる制御信号端に接続される複数の第16トランジスタと、前記第16トランジスタに一対一で対応して設置されており、前記第16トランジスタの第2端と前記第3ノードとの間に接続される複数の第1コンデンサと、を含む。
【0020】
本開示の例示的な一実施例では、前記第2オフセット補償モジュールは、第1端が前記ローレベル信号端に接続され、制御端がそれぞれ異なる制御信号端に接続される複数の第17トランジスタと、前記第17トランジスタに一対一で対応して設置され、前記第17トランジスタの第2端と前記第3ノードとの間に接続される複数の第2コンデンサと、を含む。
【0021】
本開示の例示的な一実施例では、前記リセットモジュールは、第1端がローレベル信号端に接続され、第2端が前記第2ノードに接続され、制御端が前記第1クロック信号端に接続される第18N型トランジスタと、第1端が前記ローレベル信号端に接続され、第2端が前記第1ノードに接続され、制御端が前記第1クロック信号端に接続される第19N型トランジスタと、第1端がハイレベル信号端に接続され、第2端が前記第3ノードに接続され、制御端が前記第2クロック信号端に接続される第20P型トランジスタと、第1端が前記ハイレベル信号端に接続され、第2端が前記第1出力端に接続され、制御端が前記第2クロック信号端に接続される第21P型トランジスタと、第1端が前記ハイレベル信号端に接続され、第2端が前記第2出力端に接続され、制御端が前記第2クロック信号端に接続される第22P型トランジスタと、第1端が前記ハイレベル信号端に接続され、第2端が前記第4ノードに接続され、制御端が前記第2クロック信号端に接続される第23P型トランジスタと、を含む。
【0022】
本開示の一様態によれば、カスケード接続されている上記のデータサンプリング回路を複数含み、上の階層の前記データサンプリング回路の第1出力端が隣接する下の階層のデータサンプリング回路の第1制御端に接続され、上の階層の前記データサンプリング回路の第2出力端が隣接する下の階層のデータサンプリング回路の第2制御端に接続され、最後の階層の前記データサンプリング回路の第1出力端が1番目の階層のデータサンプリング回路の第1制御端に接続され、最後の階層の前記データサンプリング回路の第2出力端が1番目の階層のデータサンプリング回路の第2制御端に接続されるデータサンプリング装置を提供する。
【0023】
本開示の例示的な一実施例では、前記データサンプリング回路に一対一で対応して設置されており、前記データサンプリング回路の第1出力端のデータを第3出力端にロックし、前記データサンプリング回路の第2出力端のデータを第4出力端にロックするように構成される複数のラッチを更に含む。
【0024】
本開示の例示的な一実施例では、前記ラッチは、第1端がハイレベル信号端に接続され、第2端が前記第3出力端に接続され、制御端が前記データサンプリング回路の第1出力端に接続される第24P型トランジスタと、第1端がハイレベル信号端に接続され、第2端が前記第3出力端に接続され、制御端が前記第4出力端に接続される第25P型トランジスタと、第1端がハイレベル信号端に接続され、第2端が第4出力端に接続され、制御端が第3出力端に接続される第26P型トランジスタと、第1端がハイレベル信号端に接続され、第2端が第4出力端に接続され、制御端が前記データサンプリング回路の第2出力端に接続される第27P型トランジスタと、第1端がローレベル信号端に接続され、第2端が第3出力端に接続され、制御端が前記データサンプリング回路の第1出力端に接続される第28N型トランジスタと、第1端がローレベル信号端に接続され、第2端が第3出力端に接続され、制御端が第4出力端に接続される第29N型トランジスタと、第1端がローレベル信号端に接続され、第2端が第4出力端に接続され、制御端が第3出力端に接続される第30N型トランジスタと、第1端がローレベル信号端に接続され、第2端が第4出力端に接続され、制御端が前記データサンプリング回路の第2出力端に接続される第31N型トランジスタと、を含む。
【0025】
本開示の例示的な一実施例では、前記データサンプリング装置は、4つのデータサンプリング回路を含み、4つのデータサンプリング回路の第1クロック信号端にクロックサンプリング信号を提供するように構成されるクロック回路を更に含み、隣接するデータサンプリング回路の第1クロック信号端における信号の位相差が90度であり、第1クロック信号端における信号の周期がデータ信号端における信号周期の2倍である。
【0026】
以上の一般説明と以下の詳細説明は解釈するための例示的なものに過ぎず、本開示を制限しない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本開示のデータサンプリング回路の一例示的実施例の構成模式図である。
【
図2】本開示のデータサンプリング回路の別の例示的実施例の構成模式図である。
【
図3】本開示のデータサンプリング回路の別の例示的実施例の構成模式図である。
【
図4】本開示のデータサンプリング回路の一例示的実施例における第1オフセット補償モジュールの構成模式図である。
【
図5】本開示のデータサンプリング回路の一例示的実施例における第2オフセット補償モジュールの構成模式図である。
【
図6】本開示のデータサンプリング装置の一例示的実施例の構成模式図である。
【
図7】本開示のデータサンプリング装置の一例示的実施例におけるクロックサンプリング信号のシーケンス図である。
【
図8】本開示のデータサンプリング装置の一例示的実施例におけるラッチの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
これらの図面は明細書に組み込まれて明細書の一部を構成し、本開示に合致する実施例を示し、明細書と共に本開示の原理を説明するために用いられる。上記の図面が本開示の一部の実施例であり、当業者であれば、創造的労動を行わずにこれらの図面に基づいて他の図面を得るのができることはいうまでもない。
【0029】
以下において、図面を参照しながら例示的な実施例をより全面的に説明する。しかしながら、例示的な実施例は多種の形式で実施可能であり、ここで説明された例に限定されると理解してはならない。これらの実施例を提供することで、本開示を全面的且つ完全にさせ、そして例示的な実施例の構想を全面的に当業者に伝える。図において同じ図面符号が同じ又は類似的な構造を示しており、それらについての詳細な説明を省略する。
【0030】
本明細書においては、例えば「上」、「下」のような相対的な用語を用いて、図示される1つのコンポーネントの別のコンポーネントに対する相対的関係を説明するが、これらの技術用語、例えば図面に記載の例示的な方向は、説明を容易にするために本明細書に用いられる。図示の装置を反転させてその上下を逆にすれば、「上」にあると記述されたコンポーネントが「下」にあるコンポーネントになることは理解可能である。「高」、「低」、「頂」、「底」、「左」、「右」等のような他の相対的用語も類似的な意味を有するものとする。ある構造が他の構造の「上」にある時に、ある構造が他の構造の上に一体形成されていることを指すか、ある構造が「直接的」に他の構造の上に設置されていることを指すか、ある構造が別の構造によって「間接的」に他の構造の上に設置されていることを指す場合がある。
【0031】
用語の「1つ」、「1」、「前記」は1つ又は複数の要素/構成区別/等が存在することを示すためのものであり、用語の「含む」と「有する」は非包括的に含むことを意味し、且つ挙げられた要素/構成区別/等以外に別の要素/構成区別/等が存在してもよいことを指す。
【0032】
本例示的実施例は、まず、データサンプリング回路を提供し、本開示のデータサンプリング回路の一例示的実施例の構成模式図である
図1に示すように、このデータサンプリング回路は、第1サンプリングモジュール1、第2サンプリングモジュール2、ラッチングモジュール3、判定帰還等化モジュール4を含む。第1サンプリングモジュール1は、データ信号端DQ、基準信号端Vref、第1ノードN1、第2ノードN2に接続され、前記データ信号端DQ及び前記基準信号端Vrefの信号に応答して、前記第1ノードN1及び前記第2ノードN2に作用するように構成される。第2サンプリングモジュール2は、前記第1ノードN1、第2ノードN2、第3ノードN3、第4ノードN4に接続され、前記第1ノードN1及び前記第2ノードN2の信号に応答して、第3ノードN3及び第4ノードN4に作用するように構成される。ラッチングモジュール3は、前記第3ノードN3、前記第4ノードN4、第1出力端OUT1、第2出力端OUT2に接続され、前記第3ノードN3、第4ノードN4の信号に基づいて、前記第1出力端OUT1へハイレベル信号を入力し、前記第2出力端OUT2へローレベル信号を入力し、又は前記第1出力端OUT1へローレベル信号を入力し、前記第2出力端OUT2へハイレベル信号を入力するように構成される。判定帰還等化モジュール4は、前記第2サンプリングモジュールに並列に接続され、前記データ信号端DQの信号を同等に調整することによって符号間干渉を低減するように構成される。
【0033】
一様態において、本開示は、判定帰還等化モジュールをデータサンプリング回路に集成し、判定帰還等化モジュールによって第2サンプリングモジュール内のトランジスタのパラメータを調節することは、データ信号端の信号を調節することに同等であり、それによって、複数のデータサンプリング回路出力端信号間の符号間干渉を低減する。関連技術に比べ、本開示内の判定帰還等化モジュールは簡単な回路構成によって符号間干渉を低減することができ、記憶装置の電力消費を低下させる。別の様態において、本開示のデータサンプリング回路は、2段サンプリングモジュール、即ち第1サンプリングモジュールと第2サンプリングモジュールを採用して、第1出力端、第2出力端によるデータ信号端、基準信号端へのフィードバックノイズを低下させることができる。さらに別の様態において、本開示は判定帰還等化モジュールを並列接続で第2サンプリングモジュールに設置して、判定帰還等化モジュールによるデータサンプリング回路のサンプリング速度への影響をできる限り低減させることができる。
【0034】
本例示的実施例では、
図2には本開示のデータサンプリング回路の別の例示的実施例の構成模式図が示されている。前記データサンプリング回路は、前記第2サンプリングモジュール2に並列に接続され、第2サンプリングモジュール2内のトランジスタのパラメータを補償することによって、前記第2サンプリングモジュール2のオフセット電圧を補償するためのオフセット補償モジュール5を更に含んでもよい。
【0035】
本例示的実施例では、
図2に示すように、前記第1サンプリングモジュールは、更に第1クロック信号端CLK1に接続され、前記第1クロック信号端CLK1の信号に応答して、サンプリング動作を起動するように構成されてもよい。前記データサンプリング回路は、第1クロック信号端CLK1、第2クロック信号端CLK2、第1ノードN1、第2ノードN2、第3ノードN3、第4ノードN4、第1出力端OUT1及び第2出力端OUT2に接続され、前記第1クロック信号端CLK1の信号に応答して、前記第1ノードN1と第2ノードN2をリセットし、前記第2クロック信号端CLK2の信号に応答して、前記第3ノードN3、第4ノードN4、第1出力端OUT1及び第2出力端OUT2をリセットするように構成されるリセットモジュール6を更に含んでもよい。
【0036】
本例示的実施例では、
図3には本開示のデータサンプリング回路の別の例示的実施例の構成模式図が示されている。前記第1サンプリングモジュールは、第1端がハイレベル信号端VDDに接続され、制御端が前記第1クロック信号端CLK1に接続され、第2端が第5ノードN5に接続される第1P型トランジスタT1と、第1端が前記第1P型トランジスタT1の第2端に接続され、制御端がデータ信号端DQに接続され、第2端が前記第2ノードN2に接続される第2P型トランジスタT2と、第1端が前記第1P型トランジスタT1の第2端に接続され、制御端が前記基準信号端Vrefに接続され、第2端が前記第1ノードN1に接続される第3P型トランジスタT3と、を含んでもよい。
【0037】
本例示的実施例では、
図3に示すように、前記第2サンプリングモジュール2は、第1端がローレベル信号端VSSに接続され、制御端が前記第2ノードN2に接続され、第2端が前記第3ノードN3に接続される第4N型トランジスタT4と、第1端が前記ローレベル信号端VSSに接続され、制御端が前記第1ノードN1に接続され、第2端が前記第4ノードN4に接続される第5N型トランジスタT5と、を含んでもよい。
【0038】
本例示的実施例では、
図3に示すように、前記ラッチングモジュール3は、第1端がハイレベル信号端VDDに接続され、制御端が前記第2出力端OUT2に接続され、第2端が前記第1出力端OUT1に接続される第6P型トランジスタT6と、第1端が前記第3ノードN3に接続され、第2端が前記第1出力端OUT1に接続され、制御端が前記第2出力端OUT2に接続される第7N型トランジスタT7と、第1端が前記ハイレベル信号端VDDに接続され、制御端が前記第1出力端OUT1に接続され、第2端が前記第2出力端OUT2に接続される第8P型トランジスタT8と、第1端が前記第4ノードN4に接続され、第2端が前記第2出力端OUT2に接続され、制御端が前記第1出力端OUT1に接続される第9N型トランジスタT9と、を含んでもよい。
【0039】
本例示的実施例では、
図3に示すように、前記判定帰還等化モジュール4は、第1判定帰還等化モジュール41と第2判定帰還等化モジュール42を含んでもよい。第1判定帰還等化モジュール41は、前記第4N型トランジスタT4のソース端とドレイン端との間に並列に接続され、前記第4N型トランジスタT4のパラメータを補償するように構成される。第2判定帰還等化モジュール42は、前記第5N型トランジスタT5のソース端とドレイン端との間に並列に接続され、前記第5N型トランジスタT5のパラメータを補償するように構成される。前記第1判定帰還等化モジュール41と第2判定帰還等化モジュール42が2つの逆方向信号に制御されて択一的に駆動される。
【0040】
本例示的実施例では、
図3に示すように、前記第1判定帰還等化モジュール41は、2つの第10N型トランジスタT101、T102、2つの第11トランジスタT111、T112、2つの第12N型トランジスタT121、T122を含んでもよい。2つの第10N型トランジスタT101、T102は、第1端が前記第3ノードN3に接続され、制御端が前記第2ノードN2に接続される。第11トランジスタT111は前記第10N型トランジスタT101に対応して設置され、第11トランジスタT112は前記第10N型トランジスタT102に対応して設置され、前記第11トランジスタT111は、第1端が前記第10N型トランジスタT101の第2端に接続され、制御端が制御信号端S1に接続され、第11トランジスタT112は、第1端が前記第10N型トランジスタT102の第2端に接続され、制御端が制御信号端S2に接続される。第12N型トランジスタT121は前記第11トランジスタ111に対応して設置され、第12N型トランジスタT122は前記第11トランジスタ112に対応して設置され、第12N型トランジスタ121は、第1端が前記第11トランジスタ111の第2端に接続され、制御端が第1制御信号端CN1に接続され、第2端が前記ローレベル信号端VSSに接続され、第12N型トランジスタ122は、第1端が前記第11トランジスタ112の第2端に接続され、制御端が第1制御信号端CN1に接続され、第2端が前記ローレベル信号端VSSに接続される。
【0041】
本例示的実施例では、前記第2判定帰還等化モジュール42は、2つの第13N型トランジスタT131、T132、2つの第14トランジスタT141、T142、2つの第15N型トランジスタT151、T152を含んでもよい。前記第13N型トランジスタT131、T132は、第1端が前記第4ノードN4に接続され、制御端が前記第1ノードN1に接続される。第14トランジスタT141は前記第13N型トランジスタT131に対応して設置され、第14トランジスタT142は前記第13N型トランジスタT132に対応して設置され、前記第14トランジスタT141の第1端が前記第13N型トランジスタT131の第2端に接続され、制御端が制御信号端S3に接続され、前記第14トランジスタT142の第1端が前記第13N型トランジスタT132の第2端に接続され、制御端が制御信号端S4に接続される。第15N型トランジスタT151は前記第14トランジスタT141に対応して設置され、第15N型トランジスタT152は前記第14トランジスタT142に対応して設置され、前記第15N型トランジスタT151の第1端が前記第14トランジスタT141の第2端に接続され、制御端が第2制御信号端CN2に接続され、第2端が前記ローレベル信号端VSSに接続され、前記第15N型トランジスタT152の第1端が前記第14トランジスタT142の第2端に接続され、制御端が第2制御信号端CN2に接続され、第2端が前記ローレベル信号端VSSに接続される。前記第1制御信号端と前記第2制御信号端における信号が逆方向であり、即ち、第1制御信号端と前記第2制御信号端における信号は一方がハイレベルであり、他方がローレベルである。
【0042】
本例示的実施例では、制御信号端S1、S2、第1制御信号端CN1の信号によって第10N型トランジスタT101、T102を選択的に第4N型トランジスタT4の両側に並列に接続して、第4N型トランジスタT4の異なるモードのパラメータ調節を実現することができる。同様に、制御信号端S3、S4、第2制御信号端CN2の信号によって第13N型トランジスタT131、T132を選択的に第5N型トランジスタT5の両側に並列に接続して、第5N型トランジスタT5の異なるモードのパラメータ調節を実現することができる。ここで、トランジスタT101とトランジスタT102による第4N型トランジスタT4のパラメータ調節量は同じであっても、異なってもよい。ここで、トランジスタT131とトランジスタT132による第5N型トランジスタT5のパラメータ調節量は同じであっても、異なってもよい。
【0043】
理解すべきこととして、他の例示的実施例では、第10N型トランジスタの個数が他の数量であってもよく、対応的に、第11トランジスタ、第12N型トランジスタが同じ個数である。第13N型トランジスタの個数が他の数量であってもよく、対応的に、第14トランジスタ、第15N型トランジスタが同じ個数である。
【0044】
本例示的実施例では、前記オフセット補償モジュール5は、前記第4N型トランジスタT4のソース端とドレイン端との間に並列に接続され、前記第4N型トランジスタT4のパラメータを補償するように構成される第1オフセット補償モジュール51と、前記第5N型トランジスタT5のソース端とドレイン端との間に並列に接続され、前記第5N型トランジスタT5のパラメータを補償するように構成される第2オフセット補償モジュール52と、を含んでもよい。第1オフセット補償モジュール51と第2オフセット補償モジュール52は第4N型トランジスタT4と第5N型トランジスタT5のパラメータを補償することによって、このデータサンプリング回路のオフセット電圧を調節することができる。
【0045】
本例示的実施例では、
図4には本開示のデータサンプリング回路の一例示的実施例における第1オフセット補償モジュールの構成模式図が示されている。前記第1オフセット補償モジュールは、2つの第16トランジスタT161、T162、2つの第1コンデンサC11、C12を含んでもよい。前記第16トランジスタT161は、第1端が前記ローレベル信号端VSSに接続され、制御端が制御信号端S5に接続される。前記第16トランジスタT162は、第1端が前記ローレベル信号端VSSに接続され、制御端が制御信号端S6に接続される。第1コンデンサC11は前記第16トランジスタT161に対応して設置され、第1コンデンサC12は前記第16トランジスタT162に対応して設置され、前記第1コンデンサC11の前記第16トランジスタT161の第2端と前記第3ノードN3との間に接続され、前記第1コンデンサC12は前記第16トランジスタT162の第2端と前記第3ノードN3との間に接続される。
【0046】
本例示的実施例では、
図5には本開示のデータサンプリング回路の一例示的実施例における第2オフセット補償モジュールの構成模式図が示されている。前記第2オフセット補償モジュールは、2つの第17トランジスタT171、T172、2つの第2コンデンサC21、C22を含んでもよい。前記第17トランジスタT171は、第1端が前記ローレベル信号端VSSに接続され、制御端が制御信号端S7に接続される。前記第17トランジスタT172は、第1端が前記ローレベル信号端VSSに接続され、制御端が制御信号端S8に接続される。第2コンデンサC21は前記第17トランジスタT171に対応して設置され、第2コンデンサC22は前記第17トランジスタT172に対応して設置され、前記第2コンデンサC21は前記第17トランジスタT171の第2端と前記第3ノードN3との間に接続され、前記第2コンデンサC22は前記第17トランジスタT172の第2端と前記第3ノードN3との間に接続される。
【0047】
本例示的実施例では、制御信号端S5、S6の信号によって第1コンデンサC11、C12を選択的に第4N型トランジスタT4の両側に並列に接続して、第4N型トランジスタT4の異なるモードのパラメータ調節を実現することができる。同様に、制御信号端S7、S8の信号によって第2コンデンサC21、C22を選択的に第5N型トランジスタT5の両側に並列に接続して、第5N型トランジスタT5の異なるモードのパラメータ調節を実現することができる。ここで、コンデンサC11、C12による第4N型トランジスタT4のパラメータ調節量は同じであっても、異なってもよい。ここで、コンデンサC21、C22による第5N型トランジスタT5のパラメータ調節量は同じであっても、異なってもよい。
【0048】
他の例示的実施例では、第16トランジスタの個数が他の数量であってもよく、対応的に、第1コンデンサが同じ個数であることは理解すべきである。第17トランジスタの個数が他の数量であってもよく、対応的に、第2コンデンサが同じ個数である。また、オフセット補償モジュールは更に、帰還等化モジュールのように、第4N型トランジスタT4、第5N型トランジスタT5にトランジスタを並列に接続することによって第4N型トランジスタT4、第5N型トランジスタT5のパラメータを調節することができる。
【0049】
本例示的実施例では、
図3に示すように、前記リセットモジュールは、第1端がローレベル信号端VSSに接続され、第2端が前記第2ノードN2に接続され、制御端が前記第1クロック信号端CLK1に接続される第18N型トランジスタT18と、第1端が前記ローレベル信号端VSSに接続され、第2端が前記第1ノードN1に接続され、制御端が前記第1クロック信号端CLK1に接続される第19N型トランジスタT19と、第1端がハイレベル信号端VDDに接続され、第2端が前記第3ノードN3に接続され、制御端が前記第2クロック信号端CLK2に接続される第20P型トランジスタT20と、第1端が前記ハイレベル信号端VDDに接続され、第2端が前記第1出力端OUT1に接続され、制御端が前記第2クロック信号端CLK2に接続される第21P型トランジスタT21と、第1端が前記ハイレベル信号端VDDに接続され、第2端が前記第2出力端OUT2に接続され、制御端が前記第2クロック信号端CLK2に接続される第22P型トランジスタT22と、第1端が前記ハイレベル信号端VDDに接続され、第2端が前記第4ノードN4に接続され、制御端が前記第2クロック信号端CLK2に接続される第23P型トランジスタT23と、を含んでもよい。
【0050】
本例示的実施例におけるデータサンプリング回路の動作過程は、リセット段階、第1サンプリング段階、第2サンプリング段階及びラッチング段階といった4段階に分けられる。
【0051】
リセット段階では、第1クロック信号端CLK1がハイレベルであり、第2クロック信号端CLK2がローレベルであり、第18N型トランジスタT18、第19N型トランジスタT19が導通し、第1ノードN1、第2ノードN2がローレベルであり、第20P型トランジスタT20、第21P型トランジスタT21、第22P型トランジスタT22、第23P型トランジスタT23が導通し、第3ノードN3、第4ノードN4、第1出力端OUT1、第2出力端OUT2がハイレベルである。
【0052】
第1サンプリング段階では、第1クロック信号端CLK1がローレベルであり、第2クロック信号端CLK2がハイレベルであり、第18N型トランジスタT18、第19N型トランジスタT19が遮断し、第20P型トランジスタT20、第21P型トランジスタT21、第22P型トランジスタT22、第23P型トランジスタT23が遮断する。同時に、第1P型トランジスタT1が導通し、第2P型トランジスタT2がデータ信号端DQの信号の作用で第2ノードを充電し、第3P型トランジスタT3が基準信号端Vrefの信号の作用で第1ノードを充電する。第4N型トランジスタT4又は第5N型トランジスタT5が最初に導通するまでこの段階が持続し、例えば、データ信号端DQの電圧が基準信号端Vrefの電圧より小さくなると、第4N型トランジスタT4が最初に導通する。
【0053】
第2サンプリング段階では、データ信号端DQの電圧が基準信号端Vrefの電圧より小さいことを例として説明し、第4N型トランジスタT4が最初に導通した後、第7N型トランジスタT7が最初に導通するまで第3ノードを放電する。ここで、第2サンプリング段階では、判定帰還等化モジュール4は第4N型トランジスタT4、第5N型トランジスタT5のパラメータを補償することは、データ信号端DQの電圧を制御することに同等であり、それによって、異なるデータサンプリング回路出力端信号間の符号間干渉を低減させることができる。
【0054】
ラッチング段階では、第7N型トランジスタT7が導通した後、第1出力端OUT1がローレベルにされ、同時に、第8P型トランジスタT8が第1出力端OUT1の作用で導通し、それによって第2出力端OUT2がハイレベルにされる。
【0055】
同様に、データ信号端DQの電圧が基準信号端Vrefの電圧より大きい時、第1出力端OUT1がハイレベルにされ、第2出力端OUT2がローレベルにされる。
【0056】
本例示的実施例は、更に、複数のカスケード接続される上記のデータサンプリング回路を含み、上の階層の前記データサンプリング回路の第1出力端が隣接する下の階層のデータサンプリング回路の第1制御信号端に接続され、上の階層の前記データサンプリング回路の第2出力端が隣接する下の階層のデータサンプリング回路の第2制御信号端に接続され、最後の階層の前記データサンプリング回路の第1出力端が1番目の階層のデータサンプリング回路の第1制御信号端に接続され、最後の階層の前記データサンプリング回路の第2出力端が1番目の階層のデータサンプリング回路の第2制御信号端に接続されるデータサンプリング装置を提供する。
【0057】
本例示的実施例では、
図6には本開示のデータサンプリング装置の一例示的実施例の構成模式図が示されている。本例示的実施例は前記データサンプリング装置が4つのデータサンプリング回路SAを含むことを例として説明する。1番目の階層のデータサンプリング回路SAの第1出力端SaErが2番目の階層のデータサンプリング回路SAの第1制御信号端CN1に接続され、1番目の階層のデータサンプリング回路SAの第2出力端SaErNが2番目の階層のデータサンプリング回路SAの第2制御信号端CN2に接続され、2番目の階層のデータサンプリング回路SAの第1出力端SaOrが3番目の階層のデータサンプリング回路SAの第1制御信号端CN1に接続され、2番目の階層のデータサンプリング回路SAの第2出力端SaOrNが3番目の階層のデータサンプリング回路SAの第2制御信号端CN2に接続され、3番目の階層のデータサンプリング回路SAの第1出力端SaEfが4番目の階層のデータサンプリング回路SAの第1制御信号端CN1に接続され、3番目の階層のデータサンプリング回路SAの第2出力端SaEfNが4番目の階層のデータサンプリング回路SAの第2制御信号端CN2に接続され、4番目の階層のデータサンプリング回路SAの第1出力端SaOfが1番目の階層のデータサンプリング回路SAの第1制御信号端CN1に接続され、4番目の階層のデータサンプリング回路SAの第2出力端SaOfNが1番目の階層のデータサンプリング回路SAの第2制御信号端CN2に接続される。本例示的実施例では、上の階層の前記データサンプリング回路の第1出力端が直接隣接する下の階層のデータサンプリング回路の第1制御信号端に接続され、上の階層の前記データサンプリング回路の第2出力端が隣接する下の階層のデータサンプリング回路の第2制御信号端に接続され、ラッチを経由しないため、データの伝送遅延を低下させる。
【0058】
本例示的実施例では、
図6に示すように、前記データサンプリング装置は、クロック回路7を更に含んでもよく、クロック回路7は、4つのデータサンプリング回路の第1クロック信号端CLK1のそれぞれにクロックサンプリング信号SampEr、SampOr、SampEf、SampOfを提供するように構成される。
図7には本開示のデータサンプリング装置の一例示的実施例におけるクロックサンプリング信号のシーケンス図が示されている。ここで、隣接するデータサンプリング回路の第1クロック信号端CLK1におけるクロックサンプリング信号の位相差が90度であり、第1クロック信号端CLK1におけるクロックサンプリング信号の周期がデータ信号端DQにおける信号周期の2倍である。サンプリングクロックを2Tクロックに設置し、それによってクロック配線を容易にし、消費電力を省くことができる。ここで、クロック回路はWCK受信回路と直交分割器で構成可能である。
【0059】
本例示的実施例では、このデータサンプリング装置は、複数のラッチを更に含んでもよく、前記ラッチは、前記データサンプリング回路に一対一で対応して設置され、前記データサンプリング回路の第1出力端のデータを第3出力端にロックし、前記データサンプリング回路の第2出力端のデータを第4出力端にロックするように構成される。
図6に示すように、ラッチRS latchは4つであってもよく、前記ラッチRS latchが前記データサンプリング回路SAに一対一で対応して設置される。1番目の階層のデータサンプリング回路SAに接続されたラッチは、第1出力端SaErの信号をこのラッチの第3出力端Data-Erにロックすることができ、同時に、第2出力端SaErNの信号をこのラッチの第4出力端Data-ErNにロックすることができる。2番目の階層のデータサンプリング回路SAに接続されたラッチは第1出力端SaOrの信号をこのラッチの第3出力端Data-Orにロックすることができ、同時に、第2出力端SaOrNの信号をこのラッチの第4出力端Data-OrNにロックすることができる。3番目の階層のデータサンプリング回路SAに接続されたラッチは第1出力端SaEfの信号をこのラッチの第3出力端Data-Efにロックすることができ、同時に、第2出力端SaEfNの信号をこのラッチの第4出力端Data-EfNにロックすることができる。4番目の階層のデータサンプリング回路SAに接続されたラッチは第1出力端SaOfの信号をこのラッチの第3出力端Data-Ofにロックすることができ、同時に、第2出力端SaOfNの信号をこのラッチの第4出力端Data-OfNにロックすることができる。
【0060】
本例示的実施例では、
図8には本開示のデータサンプリング回路の一例示的実施例におけるラッチの構成模式図が示されている。前記ラッチは、第24P型トランジスタT24、第25P型トランジスタT25、第26P型トランジスタT26、第27P型トランジスタT27、第28N型トランジスタT28、第29N型トランジスタT29、第30N型トランジスタT30、第31N型トランジスタT31を含んでもよい。第24P型トランジスタT24は、第1端がハイレベル信号端VDDに接続され、第2端が出力端Qに接続され、制御端が入力端Rに接続される。第25P型トランジスタは、第1端がハイレベル信号端VDDに接続され、第2端が出力端Qに接続され、制御端が出力端QNに接続される。第26P型トランジスタは、第1端がハイレベル信号端VDDに接続され、第2端が出力端QNに接続され、制御端が出力端Qに接続される。第27P型トランジスタは、第1端がハイレベル信号端VDDに接続され、第2端が出力端QNに接続され、制御端が入力端Sに接続される。第28N型トランジスタは、第1端がローレベル信号端VSSに接続され、第2端が出力端Qに接続され、制御端が入力端SNに接続される。第29N型トランジスタは、第1端がローレベル信号端VSSに接続され、第2端が出力端Qに接続され、制御端が出力端QNに接続される。第30N型トランジスタは、第1端がローレベル信号端VSSに接続され、第2端が出力端QNに接続され、制御端が出力端Qに接続される。第31N型トランジスタは、第1端がローレベル信号端VSSに接続され、第2端が出力端QNに接続され、制御端が入力端RNに接続される。ここで、入力端RNと入力端Rの信号が逆方向信号であり、入力端SNと入力端Sの信号が逆方向信号である。このラッチの入力端R、SNが上記データサンプリング回路の第1出力端に接続可能であり、このラッチの入力端S、RNが上記データサンプリング回路の第2出力端に接続可能である。このラッチは完全に対称構造を採用することで、プルアップとプルダウンの出力を完全に対称にさせて、データ伝送速度を向上させることができる。
【0061】
本開示の他の実施例は、本明細書の考察とここで開示された開示の実施により、当業者には自明であろう。本願は本開示のあらゆる変形、用途又は適応的な変化を包含することを意図し、これらの変形、用途又は適応的な変化は、本開示の一般原理に従い本開示に記載されていない当技術分野での技術常識又は慣用されている技術手段を含む。明細書及び実施例は単に例示的なものとみなされ、本開示の真の範囲及び趣旨は請求項によって示される。
【0062】
本開示は以上で説明され且つ図面に示された精確な構造に限定されるものでなく、その範囲を逸脱しない限り様々な修正や変更を加えることができるのを理解すべきである。本開示の範囲は添付される請求項のみに規定される。