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特許7387929モーター用積層鉄心の製造機器及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-17
(45)【発行日】2023-11-28
(54)【発明の名称】モーター用積層鉄心の製造機器及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/02 20060101AFI20231120BHJP
【FI】
H02K15/02 F
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023029241
(22)【出願日】2023-02-28
【審査請求日】2023-02-28
(31)【優先権主張番号】202211645605.7
(32)【優先日】2022-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523072278
【氏名又は名称】蘇州范斯特机械科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Suzhou Fine-Stamping Machinery Technology Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】No.8 WuTai Shan Road, Huqiu District, Suzhou, Jiangsu, 215153 China
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【弁理士】
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】項源
(72)【発明者】
【氏名】黄秀東
(72)【発明者】
【氏名】楊仁義
(72)【発明者】
【氏名】王洪波
(72)【発明者】
【氏名】楊波
(72)【発明者】
【氏名】石浩棟
(72)【発明者】
【氏名】呉八斤
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/127983(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/071943(WO,A1)
【文献】特開2009-106934(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第114884292(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111632781(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 15/00-15/02
H02K 15/04-15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属帯(10)に所定の形状を打ち抜くことにより形成された鉄心片を複数相互に積層して接着したモーター用積層鉄心の製造機器であって、
協働して、段階的に搬送された金属帯(10)を順に所定の形状の鉄心片に打ち抜き、ブランキングする上型アセンブリ(1)及び下型アセンブリ(2)と、
下型アセンブリ(2)上に設けられた接着剤スプレー塗装装置(3)と、を含み、
接着剤スプレー塗装装置(3)は、接着剤噴射板(30)、第1テンプレート(31)及び第2テンプレート(32)を含み、第1テンプレート(31)は、接着剤噴射板(30)と第2テンプレート(32)との間に設けられ、接着剤噴射板(30)には、第1接着剤噴射領域(36)、及び第1接着剤噴射領域(36)の周辺に位置する第2接着剤噴射領域(37)が形成され、第1接着剤噴射領域(36)には、相互に離間して設けられた複数の第1接着剤噴射口(301)が形成され、第2接着剤噴射領域(37)には、相互に離間して設けられた複数の第2接着剤噴射口(302)が形成され、第1テンプレート(31)の前面には、各第1接着剤噴射口(301)とそれぞれ連通する複数の第1分岐チャネル(312)、各第1分岐チャネル(312)と連通する第1接着剤供給チャネル(313)、及び各第2接着剤噴射口(302)とそれぞれ対応して連通する複数の遷移チャネル(311)が形成され、第2テンプレート(32)の前面には、各遷移チャネル(311)とそれぞれ連通する複数の第2分岐チャネル(321)、及び各第2分岐チャネル(321)と連通する第2接着剤供給チャネル(322)が形成され、第1接着剤供給チャネル(313)は、貫通するように第1テンプレート(31)に設けられ、第2接着剤供給チャネル(322)は、貫通するように第2テンプレート(32)に設けられることを特徴とする、モーター用積層鉄心の製造機器。
【請求項2】
第1テンプレート(31)の前面には、第1分岐キャビティ(314)も形成され、第1分岐キャビティ(314)は、第1接着剤供給チャネル(313)と連通し、各第1分岐チャネル(312)は、第1分岐キャビティ(314)とそれぞれ連通していることを特徴とする、請求項1に記載のモーター用積層鉄心の製造機器。
【請求項3】
第2テンプレート(32)の前面には、第2分岐キャビティ(325)が形成され、第2分岐キャビティ(325)は、第2接着剤供給チャネル(322)と連通し、各第2分岐チャネル(321)は、第2分岐キャビティ(321)とそれぞれ連通していることを特徴とする、請求項1に記載のモーター用積層鉄心の製造機器。
【請求項4】
第1テンプレート(31)の前面と第2テンプレート(32)の前面の両方には、環状アレイで設けられた複数の連通溝(324)が形成され、第1テンプレート(31)上の各連通溝(324)は、複数の第1分岐チャネル(312)が連通溝(324)を介して連通するように、それぞれ複数の第1分岐チャネル(312)の間に位置し、第2テンプレート(32)上の各連通溝(324)は、複数の第2分岐チャネル(321)が連通溝(324)を介して連通するように、それぞれ複数の第2分岐チャネル(321)の間に位置し、
第1接着剤噴射領域(36)と第2接着剤噴射領域(37)の両方は、環状構造を呈し、第1テンプレート(31)上の各連通溝(324)の位置は、それぞれ環状構造の第1接着剤噴射領域(36)の位置に対応して設定され、第2テンプレート(32)上の各連通溝(324)の位置は、それぞれ環状構造の第2接着剤噴射領域(37)の位置に対応して設定され、かつ複数の第1接着剤噴射口(301)は、等間隔で均一に分布し、複数の第2接着剤噴射口(302)は、等間隔で均一に分布し、第1接着剤噴射口(301)は、第1テンプレート(31)上の連通溝(324)を介して第1分岐チャネル(312)と連通し、第2接着剤噴射口(302)は、遷移チャネル(311)及び第2テンプレート(32)上の連通溝(324)を介して第2分岐チャネル(321)と連通し、第2テンプレート(32)には、第1接着剤供給チャネル(313)と連通する第3接着剤供給チャネル(323)が形成され、第3接着剤供給チャネル(323)は、貫通するように第2テンプレート(32)に設けられることを特徴とする、請求項1に記載のモーター用積層鉄心の製造機器。
【請求項5】
段階的に搬送するときに金属帯(10)をガイド及び制限するための位置決め構造をさらに含み、位置決め構造は、下型アセンブリ(2)に設けられ、位置決め構造は、サイドガイド板(7)と磁石(72)とを含み、サイドガイド板(7)には、位置決め溝(71)が形成され、磁石(72)は、位置決め溝(71)の上部内壁に埋め込まれ、金属帯(10)の側縁は、位置決め溝(71)内に位置し、磁石(72)は、その磁力作用によって金属帯(10)を下型アセンブリ(2)の上面から分離させることを特徴とする、請求項4に記載のモーター用積層鉄心の製造機器。
【請求項6】
上型アセンブリ(1)と下型アセンブリ(2)との間には、金属帯搬送チャネルが形成され、金属帯搬送チャネルの供給端の前にノズル(8)が設けられ、ノズル(8)は、金属帯(10)の表面に、スタンピングオイルと促進剤を混合した混合液体をスプレー塗装し、混合液体は、第1接着剤噴射口(301)と第2接着剤噴射口(302)から噴出された接着剤とそれぞれ混合して、複数の鉄心片を相互に積層して接着し、モーター用積層鉄心を形成することを特徴とする、請求項5に記載のモーター用積層鉄心の製造機器。
【請求項7】
第1接着剤噴射制御装置(13)と第2接着剤噴射制御装置(14)とをさらに含み、第1接着剤噴射制御装置(13)と第2接着剤噴射制御装置(14)の両方は、コントローラ(131)、接着剤カートリッジ(132)及び接着剤制御機器(133)を含み、コントローラ(131)中のガス減圧弁は、エアパイプを介して接着剤カートリッジ(132)の吸気口に接続され、接着剤制御機器(133)は、コントローラ(131)中の制御モジュールに接続され、かつそれによって制御され、接着剤カートリッジ(133)の吐出口は、パイプを介して接着剤制御機器(133)の接着剤供給口に接続され、接着剤制御機器(133)の接着剤排出口には、圧力センサー(134)が取り付けられ、圧力センサー(134)は、コントローラ(131)中の制御モジュールに接続され、かつそれによって制御され、第1接着剤噴射制御装置(13)の接着剤制御機器(133)の接着剤排出口は、パイプを介して第3接着剤供給チャネル(323)に接続され、第2接着剤噴射制御装置(14)の接着剤制御機器(133)の接着剤排出口は、パイプを介して第2接着剤供給チャネル(322)に接続されていることを特徴とする、請求項6に記載のモーター用積層鉄心の製造機器。
【請求項8】
持ち上げ装置(4)をさらに含み、接着剤スプレー塗装装置(3)は、第2テンプレート(32)に固定されたインサートリング(34)をさらに含み、第1テンプレート(31)と接着剤噴射板(30)は、インサートリング(34)の内部キャビティに配置され、インサートリング(34)の内壁には、突起(341)が形成され、接着剤噴射板(30)には、階段(303)が形成され、 突起(341)は、階段(303)上に制限され、持ち上げ装置(4)は、ポンピングボード(42)、第2テンプレート(32)に固定されたポンピングボードスペーサ(41)、ガイドアセンブリ(5)及びリセットアセンブリ(6)を含み、ポンピングボードスペーサ(41)の底面とポンピングボード(42)の上面は、それぞれ相互に等間隔で設けられた複数の係合溝(412)によって複数の係合歯ブロック(411)を形成し、かつ係合歯ブロック(411)は、係合溝(412)に対応して挿入され、ポンピングボードスペーサ(41)上の係合溝(412)の一方の側壁とポンピングボード(42)上の係合溝(412)の一方の側壁は、相互に貼り合わせられ、かつ相互に貼り合わせる2つの側壁は、すべて傾斜角度が一致する斜面(413)であり、ポンピングボード(42)の延在セグメントは、チャネルを貫通してから下型アセンブリ(2)に位置するシリンダー(43)に接続され、ガイドアセンブリ(5)は、ポンピングボードスペーサ(41)に固定されたガイドポスト(52)と、下型アセンブリ(2)に取り付けられたガイドスリーブ(51)とを含み、ガイドポスト(52)は、ガイドスリーブ(51)に挿入され、リセットアセンブリ(6)は、下型アセンブリ(2)に取り付けられたスリーブ(61)、スリーブ(61)内に配置されたスプリング(62)及びポスト本体(63)を含み、ポスト本体(63)は、ポンピングボードスペーサ(41)に接続され、スプリング(62)の両端は、それぞれスリーブ(61)とポスト本体(63)に接続されていることを特徴とする、請求項7に記載のモーター用積層鉄心の製造機器。
【請求項9】
モーター用積層鉄心の製造方法であって、請求項1-8のいずれか一項に記載のモーター用積層鉄心の製造機器を使用して積層鉄心を製造するステップを含み、その具体的なステップは、
金属帯(10)を、連続的で段階的にブランキング方向に搬送し、かつ製造機器の上型アセンブリ(1)と下型アセンブリ(2)との間に入れ、金属帯(10)の上面に、接着剤を触媒するための混合液体をスプレー塗装し、
金属帯(10)を、製造機器の上型アセンブリ(1)と下型アセンブリ(2)との間に、連続的で段階的にブランキング方向に搬送するプロセスにおいて、鉄心片予備成形領域を製造機器の接着剤スプレー塗装装置(3)に貼り合わせ、第1接着剤噴射制御装置(13)中の接着剤カートリッジ(132)内の接着剤を、接着剤制御機器(133)によって接着剤スプレー塗装装置(3)の第1接着剤噴射口(301)に搬送し、第2接着剤噴射制御装置(14)中の接着剤カートリッジ(132)内の接着剤を、接着剤制御機器(133)によって接着剤スプレー塗装装置(3)の第2接着剤噴射口(302)に搬送し、かつ第1接着剤噴射口(301)と第2接着剤噴射口(302)から噴出された接着剤を鉄心片予備成形領域の下面に接着し、鉄心片予備成形領域の下面に接着剤付け部を均一に分布させ、
金属帯(10)を連続的で段階的に搬送するプロセスにおいて、金属帯(10)上の接着剤が塗布された鉄心片予備成形領域を打ち抜き、鉄心片を成形し、かつブランキングチャネル(21)にブランキングして、その内部の鉄心片積層群の上面と、接着剤と混合液体との接触によって硬化接着して、積層鉄心を形成し、硬化接着するときに、15℃~35℃の温度環境において10s~3minを経て接着を完了し、そして、成形された鉄心片を上型アセンブリ(1)の成形金型でプレスし、鉄心片積層群が油圧シリンダーの背圧とロッキングリングの締付力を受けることにより、成形された鉄心片と鉄心片積層群の上面を密着させることであることを特徴とする、モーター用積層鉄心の製造方法。
【請求項10】
金属帯をブランキング方向に連続的で段階的に搬送する方式は、前押し・後引き方式を採用し、
接着剤が塗布された後、接着剤付け部(117)は、鉄心片の外縁に位置し、又は、
接着剤が塗布された後、接着剤付け部(117)は、鉄心片の軸穴の縁に位置し、又は、
接着剤が塗布された後、接着剤付け部(117)は、鉄心片の磁性鋼溝の周辺に位置し、又は、
接着剤が塗布された後、鉄心片上の複数の歯部のそれぞれに少なくとも1つの接着剤付け部(117)が接着されることを特徴とする、請求項9に記載のモーター用積層鉄心の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モーター用鉄心の製造技術分野に関し、具体的には、モーター用積層鉄心の製造機器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の市場に出回っている接着鉄心、特に新エネルギー自動車の駆動モーター用接着鉄心は、製造機器を使用して複数の鉄心片を成形し、かつ鉄心片の表面に予め塗布された接着剤により複数の鉄心片を相互に接着することにより形成され、一般的には、市場では、製造時に補助電磁誘導加熱により接着剤を硬化させるが、接着剤を塗布する場合、分散型の複数の接着剤付け部での塗布を必要とし、また、複数の接着剤噴射口があるため、各接着剤噴射口は、それぞれパイプを介して接着剤噴射制御装置に接続されることで、金型を組み立てるときのパイプ接続数が多く、手動で1つずつ取り付ける必要があり、各接着剤噴射口と各接着剤噴射制御装置の接続が面倒になり、パイプ接続効率が低いと共に、点検修理に不利であり、かつ後期の洗浄、メンテナンスも困難であり、また、このような接着剤噴射機構が狭い歯部に設けられることで、接着剤を噴射するとき、接着剤の量を制御しにくく、接着剤が溢れやすくなり、また、金型内での補助的な加熱及び硬化には大きな電力消費が必要であり、接着剤の硬化を実現するために時間も必要があるため、製造効率が低く、電気エネルギーの消費量が大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許公開第2017/0297078号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の少なくとも1つの技術的欠陥を解決するために、本発明は、次の技術的解決手段を提供する。
【0005】
本出願書類で設計されたモーター用積層鉄心の製造機器では、モーター用積層鉄心は、複数の鉄心片を相互に積層して接着することにより形成され、各鉄心片は、金属帯に所定の形状を打ち抜くことにより形成されるものであり、製造機器は、
協働して、段階的に搬送された金属帯を順に所定の形状の鉄心片に打ち抜き、ブランキングする上型アセンブリ及び下型アセンブリと、
下型アセンブリ上に設けられた接着剤スプレー装置と、を含み、
接着剤スプレー塗装装置は、接着剤噴射板、第1テンプレート及び第2テンプレートを含み、第1テンプレートは、接着剤噴射板と第2テンプレートとの間に位置し、接着剤噴射板には、第1接着剤噴射領域、及び第1接着剤噴射領域の周辺に位置する第2接着剤噴射領域が形成され、第1接着剤噴射領域には、相互に離間して設けられた複数の第1接着剤噴射口が形成され、第2接着剤噴射領域には、相互に離間して設けられた複数の第2接着剤噴射口が形成され、第1テンプレートの前面には、各第1接着剤噴射口とそれぞれ連通する複数の第1分岐チャネル、各第1分岐チャネルと連通する第1接着剤供給チャネル、及び各第2接着剤噴射口とそれぞれ対応して連通する複数の遷移チャネルが形成され、第2テンプレートの前面には、各遷移チャネルとそれぞれ連通する複数の第2分岐チャネル、及び各第2分岐チャネルと連通する第2接着剤供給チャネルが形成され、第1接着剤供給チャネルは、貫通するように第1テンプレートに設けられ、第2接着剤供給チャネルは、貫通するように第2テンプレートに設けられる。
【0006】
上記のモーター用積層鉄心の製造機器によれば、第1テンプレートの前面には、第1分岐キャビティが形成され、第1分岐キャビティは、第1接着剤供給チャネルと連通し、各第1分岐チャネルは、第1分岐キャビティとそれぞれ連通している。
【0007】
上記のモーター用積層鉄心の製造機器によれば、第2テンプレートの前面には、第2分岐キャビティが形成され、第2分岐キャビティは、第2接着剤供給チャネルと連通し、各第2分岐チャネルは、第2分岐キャビティとそれぞれ連通している。
【0008】
上記のモーター用積層鉄心の製造機器によれば、第1テンプレートの前面と第2テンプレートの前面の両方には、環状アレイで設けられた複数の連通溝が形成され、第1テンプレート上の各連通溝は、複数の第1分岐チャネルが連通溝を介して連通するように、複数の第1分岐チャネルの間にそれぞれ位置し、第2テンプレート上の各連通溝は、複数の第2分岐チャネルが連通溝を介して連通するように、複数の第2分岐チャネルの間にそれぞれ位置し、第1接着剤噴射領域と第2接着剤噴射領域の両方は、環状構造を呈し、第1テンプレート上の各連通溝の位置は、環状構造の第1接着剤噴射領域の位置にそれぞれ対応して設定され、第2テンプレート上の各連通溝の位置は、環状構造の第2接着剤噴射領域の位置にそれぞれ対応して設定され、かつ複数の第1接着剤噴射口は、等間隔で均一に分布し、複数の第2接着剤噴射口は、等間隔で均一に分布し、第1接着剤噴射口は、第1テンプレート上の連通溝を介して第1分岐チャネルと連通し、第2接着剤噴射口は、遷移チャネルと第2テンプレート上の連通溝を介して第2分岐チャネルと連通し、第2テンプレートには、第1接着剤供給チャネルと連通する第3接着剤供給チャネルが形成され、第3接着剤供給チャネルは、貫通するように第2テンプレートに設けられる。
【0009】
上記のモーター用積層鉄心の製造機器によれば、段階的に搬送するときに金属帯をガイド及び制限するための位置決め構造をさらに含み、位置決め構造は、下型アセンブリに設けられ、位置決め構造は、サイドガイド板と磁石とを含み、サイドガイド板には、位置決め溝が形成され、磁石は、位置決め溝の上部内壁に埋め込まれ、金属帯の側縁は、位置決め溝内に位置し、磁石は、その磁力作用によって金属帯を下型アセンブリの上面から分離させる。
【0010】
上記のモーター用積層鉄心の製造機器によれば、上型アセンブリと下型アセンブリとの間に金属帯搬送チャネルが形成され、金属帯搬送チャネルの供給端の前にノズルが設けられ、ノズルは、金属帯の表面に、スタンピングオイルと促進剤を混合した混合液体をスプレー塗装し、混合液体は、第1接着剤噴射口と第2接着剤噴射口から噴出された接着剤とそれぞれ混合して、複数の鉄心片を相互に積層して接着し、モーター用積層鉄心を形成する。
【0011】
上記のモーター用積層鉄心の製造機器によれば、第1接着剤噴射制御装置と第2接着剤噴射制御装置とをさらに含み、第1接着剤噴射制御装置と第2接着剤噴射制御装置の両方は、コントローラ、接着剤カートリッジ及び接着剤制御機器を含み、コントローラ中のガス減圧弁は、エアパイプを介して接着剤カートリッジの吸気口に接続され、接着剤制御機器は、コントローラ中の制御モジュールに接続され、かつそれによって制御され、接着剤カートリッジの吐出口は、パイプを介して接着剤制御機器の接着剤供給口に接続され、接着剤制御機器の接着剤排出口には、圧力センサーが取り付けられ、圧力センサーは、コントローラ中の制御モジュールに接続され、かつそれによって制御され、第1接着剤噴射制御装置の接着剤制御機器の接着剤排出口は、パイプを介して第3接着剤供給チャネルに接続され、第2接着剤噴射制御装置の接着剤制御機器の接着剤排出口は、パイプを介して第2接着剤供給チャネルに接続されている。
【0012】
上記のモーター用積層鉄心の製造機器によれば、持ち上げ装置をさらに含み、接着剤スプレー塗装装置は、第2テンプレートに固定されたインサートリングをさらに含み、第1テンプレートと接着剤噴射板は、インサートリングの内部キャビティに配置され、インサートリングの内壁に突起が形成され、接着剤噴射板に階段が形成されており、突起は、階段上に制限され、持ち上げ装置は、ポンピングボードと、第2テンプレートに固定されたポンピングボードスペーサとを含み、ポンピングボードスペーサの底面とポンピングボードの上面は、それぞれ相互に等間隔に配置された複数の係合溝によって複数の係合歯ブロックを形成し、係合歯ブロックは、係合溝に対応して挿入され、ポンピングボードスペーサ上の係合溝の一方の側壁とポンピングボード上の係合溝の一方の側壁は、相互に貼り合わせられ、相互に貼り合わせる2つの側壁は、いずれも傾斜角度が一致する斜面であり、ポンピングボードの延在セグメントは、チャネルを貫通してから下型アセンブリにあるシリンダーに接続され、ガイドアセンブリは、ポンピングボードスペーサに固定されたガイドポストと、下型アセンブリに取り付けられたガイドスリーブとを含み、ガイドポストは、ガイドスリーブに挿入され、リセットアセンブリは、下型アセンブリに取り付けられたスリーブ、スリーブ内に配置されたスプリング及びポスト本体を含み、ポスト本体は、ポンピングボードスペーサに接続され、スプリングの両端は、それぞれスリーブとポスト本体に接続されている。
【0013】
他方では、モーター用積層鉄心の製造方法は、上記のモーター用積層鉄心の製造機器を使用して積層鉄心を製造するステップを含み、その具体的なステップは、次のとおりである。
【0014】
金属帯を、連続的で段階的にブランキング方向に搬送し、かつ製造機器の上型アセンブリと下型アセンブリの間に入れて、金属帯の上面に、接着剤を触媒するための混合液体をスプレー塗装する。
【0015】
金属帯を、製造機器の上型アセンブリと下型アセンブリとの間に、連続的で段階的にブランキング方向に搬送し、鉄心片予備成形領域を製造機器中の接着剤スプレー塗装装置に貼り合わせ、第1接着剤噴射制御装置中の接着剤カートリッジ内の接着剤を、接着剤制御機器によって接着剤スプレー塗装装置の第1接着剤噴射口に搬送し、第2接着剤噴射制御装置中の接着剤カートリッジ内の接着剤を、接着剤制御機器によって接着剤スプレー塗装装置の第2接着剤噴射口に搬送し、かつ第1接着剤噴射口と第2接着剤噴射口から噴出された接着剤を鉄心片予備成形領域の下面に接着し、鉄心片予備成形領域の下面に接着剤付け部を均一に分布させる。
【0016】
金属帯を連続的で段階的に搬送するプロセスにおいて、金属帯上の接着剤が塗布された鉄心片予備成形領域を打ち抜き、鉄心片を成形し、かつブランキングチャネルにブランキングして、その内部の鉄心片積層群の上面と、接着剤と混合液体との接触によって硬化接着して、積層鉄心を形成し、硬化接着するときに、15℃~35℃の温度環境において10s~3minを経て接着を完了し、そして、成形された鉄心片を上型アセンブリの成形金型でプレスし、鉄心片積層群が油圧シリンダーの背圧とロッキングリングの締付力を受けることにより、成形された鉄心片と鉄心片積層群の上面は、室温で硬化して、迅速に密着する。
【0017】
上記のモーター用積層鉄心の製造方法によれば、金属帯を連続的で段階的にブランキング方向に搬送する方式は、前押し・後引きの方式を採用する。
【0018】
上記のモーター用積層鉄心の製造方法によれば、接着剤が塗布された後、接着剤付け部は、鉄心片の外縁に位置する。
【0019】
上記のモーター用積層鉄心の製造方法によれば、接着剤が塗布された後、接着剤付け部は、鉄心片の軸穴の縁に位置する。
【0020】
上記のモーター用積層鉄心の製造方法によれば、接着剤が塗布された後、接着剤付け部は、鉄心片上の磁性鋼溝の周辺に位置する。
【0021】
上記のモーター用積層鉄心の製造方法によれば、接着剤が塗布された後、鉄心片上の複数の歯部のそれぞれに少なくとも1つの接着剤付け部が接着される。
【0022】
従来技術と比較して、本発明によって設計されたモーター用積層鉄心の製造機器及びその製造方法は、以下の有益な効果を有する。
【0023】
1、複数の第1接着剤噴射口が第1テンプレート上の第1分岐チャネルを介して第1接着剤供給チャネルと連通することと、複数の第2接着剤噴射口が第2テンプレート上の第2分岐チャネルを介して第2接着剤供給チャネルと連通するという構造配置により、2本のパイプは、第1接着剤供給チャネルと第3接着剤供給チャネルとそれぞれ接続するだけで第1接着剤噴射口及び第2接着剤噴射口への接着剤の入力を実現するが可能となり、従来技術における、各接着剤噴射口に接続する必要があるパイプ数が多く、パイプ接続及び取り付けが面倒であり、パイプ取り付け効率が低いと共に、点検修理にも不利であるという技術的問題を解決し、さらにパイプと接着剤噴射口の迅速な取り付けを達成し、パイプ数が少ないため、対応する不良パイプを迅速に見つけることができ、点検修理速度が向上し、クリーニングが便利であり、壊れやすい部品を頻繁に交換する必要がなく、後期のメンテナンスが便利である。
【0024】
2、分岐キャビティが設けられることにより、接着剤は、分岐キャビティ内に合流してから分流し、その結果、接着剤噴射口は、接着剤を噴射するときに一定の圧力を提供し、かつ各接着剤噴射口から接着剤を噴出する圧力を均衡させて、噴出された接着剤の量を制御する。
【0025】
3、連通溝が設けられることにより、1つの分岐チャネル内の接着剤が多すぎると、他の分岐チャネルにオーバーフローし、各分岐チャネル中の接着剤の量を均一にすることができ、よって、各接着剤噴射口から噴出された接着剤の量が均一になり、鉄心片に塗布された接着剤付け部の厚さが一致し、接着して成形された各モーター用鉄心の厚さも一致させ、歩留まりを向上させる。
【0026】
4、金属帯の側縁において、金属帯をガイドするためのサイドガイド板を設けて、段階的に搬送された金属帯を位置決めし、かつ、サイドガイド板に磁石を設けて、金属帯を下型アセンブリから分離可能にし、また、分離した後の金属帯は、磁石に吸着されて、金属帯上の接着剤付け部の揺動を防止し、よって、サイドガイド板に磁石を取り付けることにより、金属帯を良く持ち上げ、搬送をよりスムーズにすることができる。
【0027】
5、接着剤噴射制御装置の制御により、定量的かつ正確な接着剤噴射が実現され、かつ接着剤が硬化した鉄芯を室温で迅速に製造することができる。
【0028】
6、持ち上げ装置が設けられた場合、接着剤スプレー塗装装置の上下昇降移動が実現されると共に、回転子鉄心又は固定子鉄心の製造を実現することができ、積層鉄心は、回転接着する鉄心製造装置で使用されかつ確実に製造される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】製造機器の構造概略図(1)。
図2】製造機器の構造概略図(2)である。
図3】製造機器の型開き状態の構造概略図である。
図4】Aの拡大図である。
図5】Bの拡大図である。
図6】製造機器の型締め状態の構造概略図である。
図7】接着剤スプレー塗装装置の構造概略図である。
図8】Cの拡大図である。
図9】接着剤噴射アセンブリの構造概略図(1)である。
図10】Dの拡大図である。
図11】接着剤噴射アセンブリの構造概略図(2)である。
図12】Eの拡大図である。
図13】接着剤噴射アセンブリの構造概略図(3)である。
図14】接着剤噴射アセンブリの爆発概略図である。
図15】接着剤噴射アセンブリの組み立て構造概略図である。
図16】回転子鉄心における接着剤を塗布するための第1接着剤噴射口と第2接着剤噴射口のポイント位置分布概略図である。
図17】回転子積層鉄心と固定子積層鉄心の製造のための部分的なパターンニング概略図(1)である。
図18】回転子積層鉄心と固定子積層鉄心の製造のための部分的なパターンニング概略図(2)である。
図19】Fの拡大図である。
図20】Gの拡大図である。
図21】Hの拡大図である。
図22】Iの拡大図である。
【0030】
図中において、上型アセンブリ1、下型アセンブリ2、ブランキングチャンネル21、
接着剤スプレー塗装装置3、接着剤噴射板30、第1接着剤噴射口301、第2接着剤噴射口302、階段303、第2ボス331、円錐キャビティ305、ストレートチャンネル306、第1テンプレート31、遷移チャネル311、第1分岐チャネル312、第1接着剤供給チャネル313、第1分岐キャビティ314、第2テンプレート32、第2分岐チャネル321、第2接着剤供給チャネル322、第3接着剤供給チャネル323、連通溝324、第2分岐キャビティ325、マンドレル加圧板33、第1ボス304、インサートリング34、突起341、ゴムシールリング35、第1接着剤噴射領域36、第2接着剤噴射領域37、
持ち上げ装置4、ポンピングボードスペーサ41、係合歯ブロック411、係合溝412、傾斜面413、ポンピングボード42、シリンダー43、
ガイドアセンブリ5、ガイドスリーブ51、ガイドポスト52、
リセットアセンブリ6、スリーブ61、スプリング62、ポスト本体63、
サイドガイド板7、位置決め溝71、磁石72、
ノズル8、
ローラーフィーダー9、
金属帯10、
第1接着剤噴射制御装置13、第2接着剤噴射制御装置14、コントローラ131、接着剤カートリッジ132、接着剤制御機器133、圧力センサー134、
打ち抜き成形領域101、第1の成形ステーション102、第2の成形ステーション103、第3の成形ステーション104、第1の接着剤噴射ステーション105、第1のブランキングステーション106、第4の成形ステーション107、第5の成形ステーション108、第2の接着剤噴射ステーション109、第2のブランキングステーション110、固定子方形溝111、第1のノッチ成形孔112、第2のノッチ成形孔113、通気孔114、回転子磁性鋼溝115、回転子中心孔116、接着剤付け部117、回転子鉄心片118、ブランキング孔119、スロット孔120、長孔122 、固定子スロット形状123、固定子鉄心片124、第3のノッチ成形孔125。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に本発明の実施例の図面を参照して本発明の実施例における技術的解決手段を明確且つ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が取得したすべての他の実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【0032】
図1図16は本発明の第1実施例であり、かつ第1実施例でモーター用積層鉄心の製造機器が説明され、第1実施例において、モーター用積層鉄心の製造機器は、具体的に次のものを含む。
【0033】
モーター用積層鉄心は、複数の鉄心片を相互に積層して接着することにより形成され、各鉄心片は、金属帯10に所定の形状を打ち抜くことにより形成される。製造機器は、上型アセンブリ1と、下型アセンブリ2と、接着剤スプレー塗装装置3とを含む。
【0034】
上型アセンブリ1と下型アセンブリ2は、協働して、段階的に搬送された金属帯10を順に所定の形状の鉄心片に打ち抜き、ブランキングし、段階的に搬送するために、前記製造機器の両端にローラーフィーダー9をそれぞれ設けるとともに、前押し・後引きの方式で金属帯10を搬送し、また、上型アセンブリ1と下型アセンブリ2には、複数のパンチとダイがそれぞれ設けられ、これにより、所定の形状の鉄心片を打ち抜くことができる。
【0035】
接着剤スプレー塗装装置3は、上型アセンブリ1及び下型アセンブリ2のうちの少なくとも一方に設けられており、接着剤スプレー塗装装置3は、金属帯10上の鉄心片成形のための部分の表面に対応して設けられており、前記接着剤スプレー塗装装置3は、接着剤噴射板30、第1テンプレート31及び第2テンプレート32を含み、接着剤噴射板30は、環状体構造であり、一般に円環体を採用し、第1テンプレート31は、接着剤噴射板30と第2テンプレート32との間に設けられ、マンドレル加圧板33は、接着剤噴射板30の内孔に配置され、接着剤噴射板30の内壁に第1ボス304が形成されており、マンドレル加圧板33の外壁に第2ボス331が形成されており、第2ボス331が第1ボス304に押し付けられ、複数のボルトのネジ棒は、それぞれマンドレル加圧板33と第1テンプレート31を貫通してから第2テンプレート32のネジ穴と螺合し、ここでのボルトは9本に設定されてもよく、第2テンプレート32には、インサートリング34が固定されており、複数のボルトのネジ棒がそれぞれインサートリング34を貫通して第2テンプレート32のネジ穴と螺合し、ここでのボルトは、少なくとも10本に設定されてもよく、第1テンプレー31トと接着剤噴射板30は、インサートリング34 の内部キャビティ内に配置され、インサートリング34の内壁には突起341が形成され、接着剤噴射板30には階段303が形成され、突起341は、階段303上に制限され、さらにマンドレル加圧板33とインサート リング34が設けられることにより、接着剤噴射板30、第 1テンプレート31及び第2テンプレート32は、相互に接続され、それによって、構造は、コンパクトで信頼性が高くなり、接着剤噴射板30、第1テンプレート31及び第2テンプレート32は、すべて金属板であり、接着剤噴射板30、第1テンプレート31及び第2テンプレート32の間は、ゴムシールリング35によってシールされ、接着剤の漏れを防止する。前記接着剤スプレー塗装装置3は、下型アセンブリ2の凹状キャビティ内に設けられている。
【0036】
接着剤噴射板30の接着剤噴射面には、第1接着剤噴射領域36、及び第1接着剤噴射領域36の周辺に位置する第2接着剤噴射領域37が形成され、第1接着剤噴射領域36には、相互に離間して設けられた複数の第1接着剤噴射口301が形成され、第2接着剤噴射領域37には、相互に離間して設けられた複数の第2接着剤噴射口302が形成され、第1接着剤噴射口301と第2接着剤噴射口302の上部の接着剤排出端は、下端口の直径が上端口の直径より大きい円錐キャビティ305を呈し、円錐キャビティ305の上端口もストレートチャンネル306と連通し、ストレートチャンネル306の直径が円錐キャビティ305の上端口の直径と一致することで、第1接着剤噴射口301と第2接着剤噴射口302は接着剤を噴射するときの接着剤付け部の直径が制限され、接着剤付け部の直径が大きすぎることを回避する。
【0037】
第1テンプレート31の前面には、各第1接着剤噴射口301とそれぞれ連通する複数の第1分岐チャネル312と、各第1分岐チャネル312と連通する第1接着剤供給チャネル313と、各第2接着剤噴射口302とそれぞれ対応して連通する複数の遷移チャネル311とが形成されており、第2テンプレート32の前面には、各遷移チャネル311とそれぞれ連通する複数の第2分岐チャネル321と、各第2分岐チャネル321と連通する第2接着剤供給チャネル322とが成形されており、第3接着剤供給チャネル323に接着剤が入力された後、接着剤は、第1接着剤供給チャネル313及び第1分岐チャネル312を通って第1接着剤噴射口301に入り、次に第1接着剤噴射口301のストレートチャンネル306を通って噴出され、第2接着剤供給チャネル322に接着剤が入力された後、接着剤は、第2分岐チャネル321及び遷移チャネル311を通って第2接着剤噴射口302に入り、次に第2接着剤噴射口302のストレートチャンネル306を通って噴出され、このため、金属帯10上の鉄心片成形のための部分の表面が接着剤噴射板30の上面と接触すると、第1接着剤噴射口301と第2接着剤噴射口302から噴出された接着剤は、金属帯10上の鉄心片成形のための部分の表面に直接塗布され、第1接着剤供給チャネル313は、貫通するように第1テンプレート31に設けられており、第2接着剤供給チャネル322は、貫通するように第2テンプレート32に設けられている。
【0038】
別の実施形態では、第2テンプレート(32)に回避穴又は回避ノッチを設け、第1接着剤供給チャネル313の下端口を露出させてもよく、これにより、第1接着剤供給チャネル313は接着剤供給チャネルに直接接続することができる。
【0039】
本実施例では、第1テンプレート31の前面には、第1分岐キャビティ314が形成され、第1分岐キャビティ314は、第1接着剤供給チャネル313と連通し、各第1分岐チャネル312は、第1分岐キャビティ314とそれぞれ連通し、第1分岐キャビティ314は、第1接着剤供給チャネル313及び第3接着剤供給チャネル323から入力された接着剤を合流するために使用され、接着剤は、第1分岐キャビティ314に充満した後、各第1分岐チャネル312に入り、これにより、第1接着剤噴射口301は、接着剤を噴出するための大きな圧力を有し、第1分岐キャビティ314は、この単一の領域の接着剤噴射口から噴出された接着剤の量、圧力などを制限し、各部位への接着剤の正確で定量的な噴射を実現する。
【0040】
本実施例では、第2テンプレート32の前面には、第2分岐キャビティ325が形成され、第2分岐キャビティ325は、第2接着剤供給チャネル322と連通し、各第2分岐チャネル321は、第2分流キャビティ325とそれぞれ連通し、第2分岐キャビティ325は、第2接着剤供給チャネル322から入力された接着剤を合流するために使用され、接着剤は、第2分岐キャビティ325に充満した後、各第2分岐チャネル321に入り、これにより、第1接着剤噴射口301は、接着剤を噴出するための大きな圧力を有し、第2分岐キャビティ325は、この単一の領域の接着剤噴射口から噴出された接着剤の量、圧力などを制限し、各部位への接着剤の正確で定量的な噴射を実現する。
【0041】
本実施例では、第1接着剤噴射領域36と第2接着剤噴射領域37の両方は、環状構造を呈し、一般的に円環形を採用し、複数の第1接着剤噴射口301は、等間隔で均一に分布し、複数の第2接着剤噴射口302は、等間隔で均一に分布し、この構造配置により、金属帯10上の鉄心片成形のための部分の表面に塗布された接着剤付け部が均一に分布し、各鉄心片間の安定的且つ確実な固定接続を達成する。
【0042】
本実施例では、第1テンプレート31の前面及び第2テンプレート32の前面の両方には、環状アレイで設けられた複数の連通溝324が形成されており、この配置により、複数の第1分岐チャネル312の間は、第1テンプレート31上の各連通溝324を介して連通し、複数の第2分岐チャネル321の間は、第2テンプレート32上の各連通溝324を介して連通し、これにより、ある分岐チャネル内の接着剤の量が多すぎる場合、連通溝324を介して対応するテンプレート上の他の分岐チャネルに分流することが実現される。
【0043】
具体的には、複数の第1分岐チャネル312が連通溝324を介して連通するように、第1テンプレート31上の各連通溝324は、複数の第1分岐チャネル312の間にそれぞれ位置し、第1テンプレート31上の各連通溝324の位置は、環状構造の第1接着剤噴射領域36の位置に対応して設定され、第1接着剤噴射口301は、第1テンプレート31上の連通溝324を介して第1分流チャネル312と連通し、第2テンプレート32には、第1接着剤供給チャネル313と連通する第3接着剤供給チャネル323が形成され、第2接着剤供給チャネル322及び第3接着剤供給チャネルは、貫通するように第2テンプレート32に設けられ、第3接着剤供給チャネル323に接着剤が入力された場合、接着剤は、第1接着剤供給チャネル313、第1分岐チャネル312、第1分岐キャビティ314及び連通溝324を通って第1接着剤噴射口301に入り、最後に、第1接着剤噴射口301のストレートチャンネル306を通って噴出され、かつ金属帯10上の鉄心片成形のための部分の表面に直接塗布される。
【0044】
具体的には、複数の第2分岐チャネル321が連通溝324を介して連通するように、第2テンプレート32上の各連通溝324は、複数の第2分岐チャネル312の間にそれぞれ位置し、第2テンプレート32上の各連通溝324の位置は、環状構造の第2接着剤噴射領域37の位置に対応して設定され、第2接着剤噴射口302は、遷移チャネル311と第2テンプレート32上の連通溝324を介して第2分岐チャネル321と連通し、第2接着剤供給チャネル322に接着剤が入力された場合、接着剤は、第2分岐チャネル321、第2分岐キャビティ325、連通溝324及び遷移チャネル311を通って第2接着剤噴射口302に入り、最後に、第2接着剤噴射口302のストレートチャンネル306を通って噴出され、かつ金属帯10上の鉄心片成形のための部分の表面に直接塗布される。
【0045】
上記において、第1テンプレート31の前面は、接着剤噴射板30に対向する側面であり、第2テンプレート32の前面は、第1テンプレート31に対向する側面である。
【0046】
本実施例では、段階的に搬送するときに金属帯10をガイド及び制限するための位置決め構造も含み、位置決め構造は、2つ設けられてもよく、2つの位置決め構造は、下型アセンブリ2上の左右両側にそれぞれ設けられ、ここで、位置決め構造は、サイドガイド板7及び磁石72を含み、サイドガイド板7には、位置決め溝71が形成され、磁石72は、位置決め溝71の上部内壁に埋め込まれ、金属帯10の側縁は、位置決め溝71内に位置し、前記磁石72は、その磁力作用によって前記金属帯10を前記下型アセンブリ2の上面から分離させ、これにより、分離した後の金属帯10が磁石72に吸着されることを保証し、金属帯10での揺動を防止し、さらに金属帯10上の接着剤付け部が揺れることを防止し、金属帯10に接着した接着剤付け部の形状が変化することを回避し、したがって、サイドガイド板7及び磁石72の配置により、持ち上げ及び搬送は、よりスムーズになり、段階的に搬送するために、前記製造機器の両端にローラーフィーダー9をそれぞれ設けるとともに、前押し・後引きの方式で金属帯10を搬送するため、金属帯10は、磁石72に吸着され、持ち上げる役割を果たし、金属帯10は、吸着の状況において階段的に搬送されてもよく、金属帯10については、ケイ素鋼板を使用するため、磁石72に吸着することができる。
【0047】
本実施例では、上型アセンブリ1と下型アセンブリ2の間に金属帯搬送チャネルが形成され、金属帯搬送チャネルの材料供給端の前にノズル8が設けられ、ノズル8は、金属帯10の表面に、スタンピングオイルと促進剤を混合した混合液体をスプレー塗装し、混合液体は、第1接着剤噴射口301と第2接着剤噴射口302から噴出された接着剤とそれぞれ混合して、複数の鉄心片を相互に積層して接着し、モーター用積層鉄心を形成し、当該混合液体は、接着剤を触媒する機能があり、接着剤は、アクリル酸エステル系の嫌気性接着剤であるため、相互に複合すると、常温環境で硬化して複数の鉄心片間の接着を実現することができる。
【0048】
本実施例では、第1接着剤噴射制御装置13と第2接着剤噴射制御装置14とをさらに含み、第1接着剤噴射制御装置13と第2接着剤噴射制御装置14の両方は、コントローラ131、接着剤カートリッジ132及び接着剤制御機器133を含み、コントローラ131中のガス減圧弁は、エアパイプを介して接着剤カートリッジ132の吸気口に接続され、接着剤制御機器133は、コントローラ131中の制御モジュールに接続され、かつそれによって制御され、接着剤カートリッジ132の吐出口は、パイプを介して接着剤制御機器133の接着剤供給口に接続され、接着剤制御機器133の接着剤排出口には、圧力センサー134が取り付けられ、圧力センサー134は、コントローラ131中の制御モジュールに接続され、かつそれによって制御され、パイプが詰まり、圧力が高すぎることが圧力センサー134によって検出されると、圧力センサー134は、アラームを出し、パイプジョイントのシールが無効になり、圧力が低すぎると、圧力センサー134は、アラームを出し、ここで、第1接着剤噴射制御装置13の接着剤制御機器133の接着剤排出口は、パイプを介して第3接着剤供給チャネル323に接続され、第2接着剤噴射制御装置14の接着剤制御機器133の接着剤排出口は、パイプを介して第2接着剤供給チャネル322に接続され、ここで、制御モジュールについては、PLCコントローラが使用され、ガス減圧弁については、電気比例減圧弁が使用され、PLCコントローラは、パンチプレスの打ち抜き速度、接着剤排出量の設定値に応じて電気比例減圧弁の吸入圧力を制御し、第1接着剤噴射制御装置13の接着剤制御機器133の動作を制御して接着剤を第1接着剤噴射口301に出力し、第2接着剤噴射制装置14の接着剤制御機器133の動作を制御して接着剤を第2接着剤噴射口302に出力し、これにより、毎回の噴出される接着剤の量が正確に制御され、接着剤制御機器133の動作により出力された接着剤は、接着剤カートリッジ132が接着剤を出力することで提供され、接着剤制御機器133については、スクリューポンプが使用される。
【0049】
本実施例では、持ち上げ装置4をさらに含み、持ち上げ装置4は、ポンピングボード42と、第2テンプレート32に固定されたポンピングボードスペーサ41とを含み、ポンピングボードスペーサ41の底面及びポンピングボードスペーサ41の上面は、それぞれ相互に等間隔に配置された複数の係合溝412によって複数の係合歯ブロック411を形成し、係合歯ブロック411は、係合溝412に対応して挿入され、ポンピングボードスペーサ41上の係合溝412の一方の側壁とポンピングボード42上の係合溝412の一方の側壁とが相互に貼り合わせられ、相互に貼り合わせる2つの側壁は、すべて傾斜角度が一致する傾斜面413であり、ポンピングボード42の延在セグメントは、チャネルを貫通してから下型アセンブリ2上にあるシリンダー43に接続され、1つのモーター用積層鉄心又は鉄心片を打ち抜いた後、2番目のモーター用積層鉄心又は鉄心片を打ち抜き始める場合、シリンダー43は、ポンピングボード42をポンピングして、係合歯ブロック411を係合溝412内に配置し、接着剤噴射板30を下型アセンブリ2の上面よりも1mmから2mm低くし、このように、以前に接着剤噴射板30に接着剤が残っても、金属帯に付着することができず、搬送中の金属帯がきれいに維持され、金属帯に他の接着剤が接着されると、接着して形成された鉄心の垂直度、平面度、真円度などの形状及び位置公差が容易に要件を満たすことができず、その結果、鉄心の廃棄状況が発生し、複数のボルトは、それぞれインサートリング34と第2テンプレート32を順次貫通してからポンピングボードスペーサ41のネジ穴と螺合し、当該ボルトは、少なくとも5つ設けられてもよい。
【0050】
ポンピングボードスペーサ41には、第2接着剤供給チャネル322と第3接着剤供給チャネル323に接続するためのジョイントを収容するための空洞が設けられている。
【0051】
本実施例では、ガイドアセンブリ5は、ポンピングボードスペーサ41に固定されたガイドポスト52と、下型アセンブリ2に取り付けられたガイドスリーブ51とを含み、ガイドポスト52は、ガイドスリーブ51に挿入され、ポンピングボードスペーサ41が上下の昇降作動をする場合、ガイドポスト52がガイドスリーブ51内で伸縮作動することで、接着剤スプレー塗装装置3は、安定的かつ確実に昇降作動し、かつ常に上下方向の作動を維持し、ガイドスリーブについては、ボールガイドスリーブ51を使用できるため、ガイドポスト52のガイドスリーブ51内の作動がよりスムーズになる。
【0052】
本実施例では、リセットアセンブリ6は、下型アセンブリ2に取り付けられたスリーブ61、スリーブ61内に配置されたスプリング62とポスト本体63を含み、ポスト本体63は、ポンピングボードスペーサ41に接続され、スプリング62の両端は、スリーブ61とポスト本体63にそれぞれ接続され、シリンダー43は、ポンピングボード42をポンピングして、接着剤スプレー塗装装置を上昇させた後、ポンピングボード42を再度ポンピングして係合歯ブロック411を係合溝411に対応させ、このとき、スプリング62の作用により、接着剤スプレー塗装装置3は、下へ移動するように駆動され、係合歯ブロック411は、係合溝411に対応して没入され、この構造配置により、接着剤スプレー塗装装置3のリセット及び下向き移動の機能が実現される。
【0053】
上記のモーター用積層鉄心の製造機器に基づいて鉄心を製造し、具体的な方法のステップは次のとおりである。
【0054】
金属帯10を、連続的で段階的にブランキング方向に搬送し、かつ製造機器の上型アセンブリ1と下型アセンブリ2の間に入れる前に、金属帯10の上面に、接着剤を触媒するための混合液体をスプレー塗装し、触媒とは、混合液体と接着剤が化学反応を起こすことができることを指す。
【0055】
金属帯10を、製造機器の上型アセンブリ1と下型アセンブリ2との間に、連続的で段階的にブランキング方向に搬送し、鉄心片予備成形領域を製造機器中のブランキングステーションの前にある接着剤スプレー塗装装置3に貼り合わせ、第1接着剤噴射制御装置13中の接着剤カートリッジ132内の接着剤を、接着剤制御機器133によって接着剤スプレー塗装装置3の第1接着剤噴射口301に搬送し、第2接着剤噴射制御装置14中の接着剤カートリッジ132内の接着剤を、接着剤制御機器133によって接着剤スプレー塗装装置3の第2接着剤噴射口302に搬送し、第1接着剤噴射口301と第2接着剤噴射口302から噴出された接着剤を鉄心片予備成形領域の下面に接着し、鉄心片予備成形領域の下面に接着剤付け部117を均一に分布させる。
【0056】
金属帯10を段階的に搬送するプロセスにおいて、金属帯10上の接着剤が塗布された鉄心片予備成形領域を打ち抜き、鉄心片を成形し、かつブランキングチャネルにブランキングして、その内部の鉄心片積層群の上面と、接着剤と混合液体との接触によって硬化接着して、積層鉄心を形成し、硬化接着するときに、15℃~35℃の温度環境において10s~3minを経て接着を完了し、そして、成形された鉄心片を上型アセンブリ1の成形金型でプレスし、鉄心片積層群が油圧シリンダーの背圧とロッキングリングの締付力を受けることにより、成形された鉄心片と鉄心片積層群の上面を密着させる。ここで、15℃~35℃の温度範囲は一般に常温の温度範囲であるが、本実施例において、好ましくは20℃~25℃であり、高速接着を完了する時間範囲は10s~3minであるが、約10s又は10s以上の硬化状態が初期硬化となり、初期硬化は、手動で分離できない効果を達成し、3minで完全な硬化状態に達することができる。
【0057】
上記のモーター用積層鉄心の製造方法によれば、接着剤が塗布された後、接着剤付け部は、鉄心片の外縁に位置し、又は
接着剤が塗布された後、接着剤付け部は、鉄心片の軸穴の縁に位置し、又は
接着剤が塗布された後、接着剤付け部は、鉄心片の磁性鋼溝の周辺に位置し、又は
接着剤が塗布された後、鉄心片上の複数の歯部のそれぞれに少なくとも1つの接着剤付け部がそれぞれ接着され、歯部が長い場合、各歯部に2つ又は3つの接着剤付け部が接着されてもよく、歯部は、回転子又は固定子に複数の溝形状を成形することで形成され、上記接着剤付け部位置の設定により、モーター用鉄心の振動及びノイズは、大幅に低減される。
【0058】
図17図21は本発明の第2実施例であり、第2実施例でモーター用積層鉄心の製造方法が説明され、第2実施例において、本発明のモーター用積層鉄心の製造方法は、次の方式を含む。
【0059】
第1実施例に記載のモーター用積層鉄心の製造機器及びその製造方法に基づいて回転子鉄心及び固定子鉄心を製造し、前記製造機器上の金属帯進入端には、混合液体スプレー塗装ステーションが設けられ、前記製造機器は、第1のノッチ成形孔112、第2のノッチ成形孔113及び固定子方形溝111を成形するための第1の成形ステーション102と、通気孔114及び第3のノッチ成形孔125を成形するための第2の成形ステーション103と、回転子磁性鋼溝115、回転子中心孔116の成形及び固定子方形溝111の再成形のための第3の成形ステーション104と、接着剤スプレー塗装装置3がある第1の接着剤噴射ステーション105と、回転子鉄心片118を成形するための第1のブランキングステーション106と、スロット孔120及び長孔122を成形するための第4の成形ステーション107と、固定子スロット形状及び固定子軸孔を成形するための第5の成形ステーション108と、接着剤スプレー塗装装置3がある第2の接着剤噴射ステーション109と、固定子鉄心片124を成形するための第2のブランキングステーション110とを順次含み、上記装置を使用して回転子鉄心片と固定子鉄心片を成形し、かつ鉄心片をブランキングする前に接着剤を塗布し、その具体的な製造ステップは、ステップS1~ステップS8を含む。
【0060】
ステップS1において、金属帯10を、連続的で段階的にブランキング方向に搬送し、かつ製造機器の上型アセンブリ1と下型アセンブリ2の間に入れる前に、金属帯10の上面に、接着剤を触媒するための混合液体をスプレー塗装し、これは、混合液体とアクリル酸エステル系の嫌気性接着剤が接触すると、化学反応を迅速に起こし、複数の鉄心片が成形された後に製造機器内に積層し、上記の時間及び温度条件下での硬化接着のために、前準備を行うことができるからである。
【0061】
ステップS2において、金属ベルト10を、製造機器の上型アセンブリ1と下型アセンブリ2の間に、連続的で段階的にブランキング方向に搬送し、かつ金属帯10の複数列の打ち抜き成形領域101を同期して打ち抜き、各成形領域にノッチ付き回転子中心孔116、回転子中心孔116を取り囲む複数の通気孔114及び複数の回転子磁性鋼溝115、並びに複数の回転子磁性鋼溝115の周辺に位置しかつ環状アレイで設けられた複数の固定子方形溝111を成形し、回転子磁性鋼溝115は、貫通孔の周辺に位置し、さらに回転子鉄心予備成形領域は、回転子磁性鋼溝115の周辺によって画定され、このステップは、回転子鉄心片118の打ち抜き及び成形のために対応する構造及び条件を提供し、後の回転子鉄心片118の成形のために前準備を行う。
【0062】
ステップS3において、金属帯10を連続的で段階的に搬送するプロセスにおいて、回転子鉄心片予備成形領域を、製造機器中の回転子ブランキングステーションの前にある接着剤スプレー塗装装置3に貼り合わせ、第1接着剤噴射制御装置13中の接着剤カートリッジ132内の接着剤を、接着剤制御機器133によって接着剤スプレー塗装装置3の第1接着剤噴射口301に搬送し、第2接着剤噴射制御装置14中の接着剤カートリッジ132内の接着剤を、接着剤制御機器133によって接着剤スプレー塗装装置3の第2接着剤噴射口302に搬送し、第1接着剤噴射口301と第2接着剤噴射口302から噴出された接着剤を回転子鉄心片予備成形領域の下面に接着し、また、各通気孔114の間及び各回転子磁性鋼溝115の間に接着剤付け部117が均一に分布し、ここで、各第1接着剤噴射口301のポイント位置は、それぞれ各通気孔114の間の接着剤付け部の位置に対応して設定され、各第2接着剤噴射口302のポイント位置は、それぞれ各回転子磁性鋼溝115の間の接着剤付け部の位置に対応して設定され、これにより、接着剤の効果的な塗布が達成され、接着剤が促進剤とも効果的に接触することができる。
【0063】
ステップS4において、金属帯10を連続的で段階的に搬送するプロセスにおいて、接着剤付け部117がスプレー塗装された回転子鉄心片予備成形領域を打ち抜き、回転子鉄心片118を形成し、かつブランキングチャネル21内にブランキングして、その内部の回転子鉄心片積層群の上面と、接着剤と混合液体との接触によって室温で硬化接着して固定し、回転子鉄心片を形成し、ブランキングチャネル21の回転子鉄心積層群の下端面に支持油圧シリンダーが支持され、次回に打ち抜かれて成形される鉄心片が積層して接着できるように、回転子鉄心片118を打ち抜く度に、支持油圧シリンダーを回転子鉄心片118の1枚の厚さの距離下降させるように制御し、常温とは、15℃~35℃を指し、本実施例で好ましくは20℃~25℃である。
【0064】
ステップS5において、金属帯10を連続的で段階的に搬送するプロセスにおいて、ブランキング孔119の周辺を打ち抜き、環状アレイで設けられた複数のスロット孔120を形成し、スロット孔120上のブランキング孔119に近い端部に長孔122が形成され、このステップの成形は、固定子スロット形状123の成形のために前準備を行い、直接成形による変形を避ける。
【0065】
ステップS6において、金属帯10を連続的で段階的に搬送するプロセスにおいて、ブランキング孔119の縁を打ち抜いて固定子中心孔を形成し、かつ長孔122の一部を除去し、スロット孔120をブランキング孔119と連通させて固定子スロット形状123を形成し、さらに固定子方形溝111の周辺によって画定して固定子鉄心片予備成形領域を形成し、それは、ステップS5とステップS6の組み合わせにより、打ち抜いて成形された固定子スロット形状123の変形を回避し、固定子鉄心片124の品質を効果的に保証し、製造効率及び品質を向上させる。
【0066】
ステップS7において、金属帯10を連続的で段階的に搬送するプロセスにおいて、固定子鉄心片予備成形領域を、製造機器中の固定子ブランキングステーションの前にある接着剤スプレー塗装装置3に貼り合わせ、第1接着剤噴射制御装置13中の接着剤カートリッジ132内の接着剤を、接着剤制御機器133によって接着剤スプレー塗装装置3の第1接着剤噴射口301に搬送し、第2接着剤噴射制御装置14中の接着剤カートリッジ132内の接着剤を、接着剤制御機器133によって接着剤スプレー塗装装置3の第2接着剤噴射口301に搬送し、第1接着剤噴射口301と第2接着剤噴射口302から噴出された接着剤を回転子鉄心片予備成形領域の下面に接着し、接着剤付け部117を形成し、前記接着剤付け部117は、それぞれ各固定子スロット形状123の間、及び固定子スロット形状123と固定子方形溝111との間に均一に分布し、ここで、各第1接着剤噴射口301のポイント位置は、それぞれ各固定子スロット形状123の間の接着剤付け部の位置に対応して設定され、各第2接着剤噴射口302のポイント位置は、それぞれ固定子スロット形状123と固定子方形溝111との間の接着剤付け部の位置に対応して設定され、これにより、接着剤の効果的な塗布が達成され、接着剤が促進剤とも効果的に接触することができる。
【0067】
ステップS8において、固定子鉄心片124をブランキングする前に、ブランキングチャネル21に存在している固定子鉄心片積層群は既に360°/N回転し、ここで、N係数は18であり、このため、回転角度は、20°となり、N係数は、これに限定されず、鉄心片の形状に応じて適応調整が可能であり、次に金属帯10を連続的で段階的に搬送するプロセスにおいて、接着剤付け部117がスプレー塗装された固定子鉄心片予備成形領域を打ち抜き、外形にノッチが付く固定子鉄心片124を形成し、かつブランキングチャネル21内にブランキングして、固定子鉄心片積層群の上面と、接着剤と混合液体との接触によって室温で硬化接着して固定し、固定子鉄心片を形成し、ブランキングチャネル21の固定子鉄心積層群の下端面に支持油圧シリンダーが支持され、次回に打ち抜かれて成形される鉄心片が積層して接着できるように、固定子鉄心片を打ち抜く度に、支持油圧シリンダーを、固定子鉄心片124の1枚の厚さの距離下降させるように制御する。
【0068】
本実施例では、ステップS2において、具体的には、以下のステップS21~ステップS24を含む。
【0069】
ステップS21において、金属帯10を連続的で段階的に搬送するプロセスにおいて、成形領域の中央位置での長手中心線の片側において、対称に設けられた2つの第1のノッチ成形孔112、第1のノッチ成形孔を取り囲んで環状アレイで設けられた複数の第2のノッチ成形孔113、及び複数の第2のノッチ成形孔113を取り囲んで環状アレイで設けられた複数の固定子方形溝111を打ち抜いて成形する。
【0070】
ステップS22において、金属帯10を連続的で段階的に搬送するプロセスにおいて、成形領域の中央位置での長手方向中心線の他側に、第3のノッチ成形孔125を打ち抜いて成形し、第1のノッチ成形孔112及び第3のノッチ成形孔125の周辺領域に、環状アレイで設けられた複数の通気孔114を成形し、2つの第1のノッチ成形孔112及び第3のノッチ成形孔は、環状アレイで分布する。
【0071】
ステップS23において、金属帯10を連続的で段階的に搬送するプロセスにおいて、各第2のノッチ成形孔113の位置に従って複数のノッチ付き回転子磁性鋼溝115を成形し、各固定子方形溝111の間に固定子方形溝111を再打抜いて成形し、隣接する2つの回転子磁性鋼溝115は、斜めに設けられており、かつ相互に対称である。
【0072】
ステップS24において、金属帯10を連続的で段階的に搬送するプロセスにおいて、第1のノッチ成形孔112及び第3のノッチ成形孔が分布している中央位置において、ノッチ付き回転子中心孔116を打ち抜いて成形する。
【0073】
上記のステップにより、固定子方形溝111、ノッチ付き回転子磁性鋼溝115、ノッチ付き回転子中心孔116、通気孔114を効果的に成形することができ、成形中の変形を回避し、ノッチを意図的に設計及び形成するステップも省略され、製造効率が向上する。
【0074】
本実施例では、ステップS5とステップS6との間に、回転子の外形にノッチを形成するための孔成形ステップがあり、方形溝成形領域は、環状アレイで設けられた複数の固定子方形溝111によって画定されて形成され、方形溝成形領域には、環状アレイで設けられた3つのノッチ成形領域が形成され、各ノッチ成形領域内に、並列する2つの固定子方形溝111があり、それによって、3つのノッチ成形領域を打ち抜いて第4のノッチ成形孔を形成し、次に固定子鉄心片124に従って外形にノッチが付く固定子鉄心片124を予め打ち抜いて成形し、予備成形モードが採用されるため、外形にノッチが付く固定子鉄心片124が効果的に成形され、変形が回避され、外形のノッチを意図的に成形するステップが省略され、製造効率が向上する。
【0075】
上記第2実施例では複数列の回転子鉄心と固定子鉄心の同時製造が実現され、固定子鉄心の大回転の積層要求を達成することができる。
【0076】
上記は、本発明の好ましい実施形態だけであるが、本発明の保護範囲は、上記実施例のみに限定されず、本発明の思想に基づくすべての技術的解決策は、本発明の保護範囲に属する。当業者にとって、本発明の原理から逸脱することなく行われたいくつかの改良及び変更は、本発明の保護範囲とみなされるべきであることが指摘されるべきである。
【要約】      (修正有)
【課題】モータ用鉄心の製造技術に関し、製造効率改善と電気エネルギー消費量の低減の両立を図る。
【解決手段】上型アセンブリ1と、下型アセンブリ2と、接着剤スプレー塗装装置3とを含み、前記接着剤スプレー塗装装置は、接着剤噴射板、第1テンプレート及び第2テンプレートを上から下に順次含み、各プレートの間にチャネルが設けられ、各チャネルは、第1接着剤噴射口及び第2接着剤噴射口と連通し、これにより、金属帯上の鉄心片成形のための部分への接着剤の塗布が実現され、鉄心が成形された後、複数の鉄心片は、製造機器内で油圧シリンダーの補助作用によって室温で硬化接着されて、モーター用積層鉄心を形成し、接着剤噴射制御装置のパラメータの設定により、接着剤の定量的な噴射を実現する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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