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特許7388024医用画像管理装置、医用画像管理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】医用画像管理装置、医用画像管理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/00 20180101AFI20231121BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G16H30/00
A61B5/00 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019130343
(22)【出願日】2019-07-12
(65)【公開番号】P2021015501
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2021-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南條 高史
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-323378(JP,A)
【文献】特開2016-048530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61B 5/00- 5/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の施設に設けられた複数の医用画像管理端末から受信した医用画像の画像データを記憶する記憶手段の画像データを管理する医用画像管理装置であって、
前記各施設の画像データ削除に関する情報を含む施設情報テーブルに基づいて、画像データを前記記憶手段から自動的に削除する制御手段を備え、
前記施設情報テーブルは、前記各施設の削除を優先する画像データの属性項目の条件を示す削除優先項目情報を含み、
前記制御手段は、前記削除優先項目情報に基づいて、属性項目の条件を満たす画像データを前記記憶手段から削除する医用画像管理装置。
【請求項2】
前記施設情報テーブルは、前記各施設が画像データを前記記憶手段に恒久保存するか否かを示す恒久保存情報を含み、
前記制御手段は、前記恒久保存情報に基づいて、恒久保存しない施設の画像データを前記記憶手段から削除する請求項1に記載の医用画像管理装置。
【請求項3】
前記施設情報テーブルは、前記恒久保存しない各施設の画像データ削除の優先度を示す削除優先度情報を含み、
前記制御手段は、前記削除優先度情報に基づいて、削除優先度の高い施設の画像データを優先して前記記憶手段から削除する請求項2に記載の医用画像管理装置。
【請求項4】
複数の施設に設けられた複数の医用画像管理端末から受信した医用画像の画像データを記憶する記憶手段の画像データを管理する医用画像管理装置であって、
前記各施設の画像データ削除に関する情報を含む施設情報テーブルに基づいて、画像データを前記記憶手段から自動的に削除する制御手段を備え、
前記施設情報テーブルは、前記各施設が画像データを前記記憶手段に恒久保存するか否かを示す恒久保存情報を含み、
前記制御手段は、前記恒久保存情報に基づいて、恒久保存しない施設の画像データを前記記憶手段から削除し、
前記施設情報テーブルは、前記恒久保存しない各施設の画像データ削除の優先度を示す削除優先度情報を含み、
前記制御手段は、前記削除優先度情報に基づいて、削除優先度の高い施設の画像データを優先して前記記憶手段から削除する医用画像管理装置。
【請求項5】
前記施設情報テーブルは、前記各施設の削除する画像データの属性項目の条件を示す削除項目情報を含み、
前記制御手段は、前記削除項目情報に基づいて、属性項目の条件を満たす画像データを前記記憶手段から削除する請求項4に記載の医用画像管理装置。
【請求項6】
前記属性項目は、画像データの検査日、受信日又はモダリティである請求項5に記載の医用画像管理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記記憶手段の記憶容量が、所定容量以上であるか否かを判別し、所定容量以上である場合に、前記画像データを前記記憶手段から削除する請求項1から6のいずれか一項に記載の医用画像管理装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の医用画像管理装置と、
前記複数の医用画像管理端末と、を備える医用画像管理システム。
【請求項9】
複数の施設に設けられた複数の医用画像管理端末から受信した医用画像の画像データを記憶する記憶手段の画像データを管理する医用画像管理装置のコンピューターを、
前記各施設の画像データ削除に関する情報を含む施設情報テーブルに基づいて、画像データを前記記憶手段から自動的に削除する制御手段、
として機能させ、
前記施設情報テーブルは、前記各施設の削除を優先する画像データの属性項目の条件を示す削除優先項目情報を含み、
前記制御手段は、前記削除優先項目情報に基づいて、属性項目の条件を満たす画像データを前記記憶手段から削除するプログラム。
【請求項10】
複数の施設に設けられた複数の医用画像管理端末から受信した医用画像の画像データを記憶する記憶手段の画像データを管理する医用画像管理装置のコンピューターを、
前記各施設の画像データ削除に関する情報を含む施設情報テーブルに基づいて、画像データを前記記憶手段から自動的に削除する制御手段、
として機能させ、
前記施設情報テーブルは、前記各施設が画像データを前記記憶手段に恒久保存するか否かを示す恒久保存情報を含み、
前記制御手段は、前記恒久保存情報に基づいて、恒久保存しない施設の画像データを前記記憶手段から削除し、
前記施設情報テーブルは、前記恒久保存しない各施設の画像データ削除の優先度を示す削除優先度情報を含み、
前記制御手段は、前記削除優先度情報に基づいて、削除優先度の高い施設の画像データを優先して前記記憶手段から削除するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像管理装置、医用画像管理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医用画像として、X線画像、CT(Computed Tomography)スキャン画像、MRI(Magnetic Resonance Imaging)画像などがあり、病院などの医療施設(以下、施設とする)内に設けられた医用画像撮影装置により、患者が撮影され、デジタルの医用画像の画像データとして取得される。撮影された画像データは、施設内に設けられたPACS(Picture Archiving and Communication Systems)と呼ばれる医用画像管理システムによって保存される。画像データは、医師法に基づく保存義務があり、マスターデータであれば記憶部に恒久保存(5年間)され、マスターデータでない画像データも当該記憶部に保存される。
【0003】
画像データの記憶部は、記憶容量の最大値を有するため、記憶部に記憶された画像データを自動的に削除する技術が知られている。例えば、記憶部が所定容量に達した場合に画像データを記憶部から削除する装置が知られている(特許文献1、2参照)。また、記憶部に記憶された画像データを外部記憶部にバックアップさせた場合に、当該画像データを記憶部から削除する装置が知られている(特許文献1、3参照)。
【0004】
また、被検体としての患者の退院などにより、参照可能性(使用頻度)が低い画像データを記憶部から削除する装置が知られている(特許文献2、特許文献4参照)。また、所見の記載がある検査で取得された画像データを記憶部から削除しない医用画像処理システムが知られている(特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-179787号公報
【文献】特開2010-201002号公報
【文献】特開2006-113779号公報
【文献】特開平10-143402号公報
【文献】特開2007-68716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
複数の施設を跨いで画像データを記憶し管理する医用画像管理システムが知られつつある。しかし、特許文献1~5に記載の装置は、1つの施設内での不要な画像データを削除するものである。このため、例えば、複数の施設で画像撮影装置(の画像データ)をシェアし、ある施設の画像データは恒久保存を行いたい、ある施設の画像データは一時データとして扱いたいという状況には対応できない。
【0007】
本発明の課題は、複数の施設のそれぞれに応じて画像データを自動的かつ適切に削除することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
複数の施設に設けられた複数の医用画像管理端末から受信した医用画像の画像データを記憶する記憶手段の画像データを管理する医用画像管理装置であって、
前記各施設の画像データ削除に関する情報を含む施設情報テーブルに基づいて、画像データを前記記憶手段から自動的に削除する制御手段を備え、
前記施設情報テーブルは、前記各施設の削除を優先する画像データの属性項目の条件を示す削除優先項目情報を含み、
前記制御手段は、前記削除優先項目情報に基づいて、属性項目の条件を満たす画像データを前記記憶手段から削除する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像管理装置において、
前記施設情報テーブルは、前記各施設が画像データを前記記憶手段に恒久保存するか否かを示す恒久保存情報を含み、
前記制御手段は、前記恒久保存情報に基づいて、恒久保存しない施設の画像データを前記記憶手段から削除する。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の医用画像管理装置において、
前記施設情報テーブルは、前記恒久保存しない各施設の画像データ削除の優先度を示す削除優先度情報を含み、
前記制御手段は、前記削除優先度情報に基づいて、削除優先度の高い施設の画像データを優先して前記記憶手段から削除する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、
複数の施設に設けられた複数の医用画像管理端末から受信した医用画像の画像データを記憶する記憶手段の画像データを管理する医用画像管理装置であって、
前記各施設の画像データ削除に関する情報を含む施設情報テーブルに基づいて、画像データを前記記憶手段から自動的に削除する制御手段を備え、
前記施設情報テーブルは、前記各施設が画像データを前記記憶手段に恒久保存するか否かを示す恒久保存情報を含み、
前記制御手段は、前記恒久保存情報に基づいて、恒久保存しない施設の画像データを前記記憶手段から削除し、
前記施設情報テーブルは、前記恒久保存しない各施設の画像データ削除の優先度を示す削除優先度情報を含み、
前記制御手段は、前記削除優先度情報に基づいて、削除優先度の高い施設の画像データを優先して前記記憶手段から削除する。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の医用画像管理装置において、
前記施設情報テーブルは、前記各施設の削除する画像データの属性項目の条件を示す削除項目情報を含み、
前記制御手段は、前記削除項目情報に基づいて、属性項目の条件を満たす画像データを前記記憶手段から削除する。
【0014】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の医用画像管理装置において、
前記属性項目は、画像データの検査日、受信日又はモダリティである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の医用画像管理装置において、
前記制御手段は、前記記憶手段の記憶容量が、所定容量以上であるか否かを判別し、所定容量以上である場合に、前記画像データを前記記憶手段から削除する。
請求項8に記載の発明の医用画像管理システムは、
請求項1から7のいずれか一項に記載の医用画像管理装置と、
前記複数の医用画像管理端末と、を備える。
【0016】
請求項9に記載の発明のプログラムは、
複数の施設に設けられた複数の医用画像管理端末から受信した医用画像の画像データを記憶する記憶手段の画像データを管理する医用画像管理装置のコンピューターを、
前記各施設の画像データ削除に関する情報を含む施設情報テーブルに基づいて、画像データを前記記憶手段から自動的に削除する制御手段、
として機能させ、
前記施設情報テーブルは、前記各施設の削除を優先する画像データの属性項目の条件を示す削除優先項目情報を含み、
前記制御手段は、前記削除優先項目情報に基づいて、属性項目の条件を満たす画像データを前記記憶手段から削除する。
請求項10に記載の発明のプログラムは、
複数の施設に設けられた複数の医用画像管理端末から受信した医用画像の画像データを記憶する記憶手段の画像データを管理する医用画像管理装置のコンピューターを、
前記各施設の画像データ削除に関する情報を含む施設情報テーブルに基づいて、画像データを前記記憶手段から自動的に削除する制御手段、
として機能させ、
前記施設情報テーブルは、前記各施設が画像データを前記記憶手段に恒久保存するか否かを示す恒久保存情報を含み、
前記制御手段は、前記恒久保存情報に基づいて、恒久保存しない施設の画像データを前記記憶手段から削除し、
前記施設情報テーブルは、前記恒久保存しない各施設の画像データ削除の優先度を示す削除優先度情報を含み、
前記制御手段は、前記削除優先度情報に基づいて、削除優先度の高い施設の画像データを優先して前記記憶手段から削除する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数の施設のそれぞれに応じて画像データを自動的かつ適切に削除できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態の医用画像管理システムの構成を示すブロック図である。
図2】医用画像管理サーバーの機能構成を示すブロック図である。
図3】医用画像生成システムの機能構成を示すブロック図である。
図4】医用画像管理装置の機能構成を示すブロック図である。
図5】(a)は、施設情報テーブルを示す図である。(b)は、画像情報テーブルを示す図である。
図6】画像削除処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面を参照して、本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0020】
まず、図1図4を参照して、本実施の形態の医用画像管理システム1の装置構成を説明する。図1は、本実施の形態の医用画像管理システム1の構成を示すブロック図である。図2は、医用画像管理サーバー10の機能構成を示すブロック図である。図3は、医用画像生成システム20Aの機能構成を示すブロック図である。図4は、医用画像管理端末21の機能構成を示すブロック図である。
【0021】
医用画像管理システム1は、複数の施設(医療施設)を跨いで医用画像の画像データを記憶して管理するシステムである。図1に示すように、医用画像管理システム1は、医用画像管理サーバーとしての医用画像管理サーバー10と、医用画像生成システム20A,20B,20C,20Dと、を備え、各装置(システム)が通信ネットワークN1を介して接続されている。
【0022】
医用画像生成システム20A,20B,20C,20Dは、それぞれ、施設としてのA病院、B病院、Cクリニック、Dクリニックの内部に設置され、各施設で患者を撮影して医用画像の画像データを生成して管理するシステムである。A病院、B病院、Cクリニック、Dクリニックは、1つのグループ系列の施設とする。各施設において、設置されているモダリティ(医用画像撮影装置)と、自施設の画像データを医用画像管理サーバー10で恒久保存するか否かとは、任意に設定されている。例えば、Dクリニックにおいて、撮影した画像データが医用画像生成システム20Dに恒久保存される場合に、医用画像管理サーバー10で恒久保存の必要はない。また、施設の数は、4に限定されるものではない。
【0023】
医用画像管理サーバー10と、医用画像生成システム20A,20B,20C,20Dとは、通信ネットワークN1を介して接続されている。通信ネットワークN1は、インターネットなどを含むWAN(Wide Area Network)である。
【0024】
医用画像管理サーバー10は、クラウド上に設置され、複数の施設を跨いで医用画像の画像データを記憶して管理するサーバー装置である。医用画像管理サーバー10は、記憶している画像データが恒久保存用である場合に、当該画像データを恒久保存期限(検査から5年間)記憶し、記憶している画像データが恒久保存用でない場合にも、当該画像データを複数の施設で共有するように当該画像データを要求元の施設の医用画像生成システムに提供する。
【0025】
画像データの共有により、例えば、B病院において、マンモグラフィーの画像撮影装置がなく、A病院において、マンモグラフィーの画像撮影装置があり、マンモグラフィーの画像データ及び超音波診断装置の画像データの両方を用いて患者の診断を行うケースにも対応できる。医用画像生成システム20Aにおいて、ある患者のマンモグラフィーの画像データが撮影されて医用画像管理サーバー10に送信されて記憶され、医用画像生成システム20Bにおいて、当該患者の超音波画像の画像データが撮影され、当該患者のマンモグラフィーの画像データが医用画像管理サーバー10から取得され、取得されたマンモグラフィーの画像データ及び超音波画像の画像データを表示して、B病院の医師が当該患者の診断を行う。
【0026】
施設としてのクリニックCは、ある種類の画像データ(例えば、PET(Positron Emission Tomography)-CT:陽電子放出断層撮影)の画像データ)を読影できないので、読影サービスを利用するものとする。読影サービスは、読影サービス提供会社が、読影依頼された画像データを読影して、読影レポートを生成して依頼元の施設に送信する。このため、図示しないが、通信ネットワークN1には、読影サービス提供会社のサーバー装置が接続され、当該サーバー装置は、例えば医用画像生成システム20Cから読影サービスの依頼がある場合に、対象の画像データを医用画像管理サーバー10に要求して受信し、受信した画像データを読影して読影レポートを作成して医用画像生成システム20Cに送信する。なお、読影サービス提供会社のサーバー装置は、医用画像の画像データを医用画像管理サーバー10に送信しない。また、読影サービス利用のために医用画像管理サーバー10に記憶された画像データは、その読影の終了後、削除が希望される。
【0027】
施設としては、病院、クリニックに限定されるものではなく、検診車など、他の施設としてもよい。検診車は、車内のPC(Personal Computer)を通信ネットワークN1に接続して、車内で撮影した画像データを当該PCから医用画像管理サーバー10に送信し、また検診に必要な画像データを医用画像管理サーバー10から受信する。
【0028】
図2に示すように、医用画像管理サーバー10は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示部14と、記憶部15と、通信部16と、を備える。医用画像管理サーバー10の各部がバスを介して接続されている。
【0029】
CPU11は、記憶部15に記憶されているシステムプログラムやアプリケーションプログラムのうち指定されたプログラムを読み出してRAM13に展開し、RAM13に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を行う。
【0030】
操作部12は、各種キーを有するキーボードや、マウスなどのポインティングを備え、ユーザーからのキー入力や位置入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。
【0031】
RAM13は、作業用のメモリー空間(ワークエリア)を提供し、一時データを記憶する。
【0032】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(ElectroLuminescence)ディスプレイなどの表示パネルを有し、CPU11の制御に従い、各種表示情報を表示パネルに表示する。
【0033】
記憶部15は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などにより構成され、各種プログラム及び各種データを読み出し及び書き込み可能に記憶する記憶部である。記憶部15には、特に、後述する画像削除処理を実行するための画像削除プログラム、医用画像生成システム20A~20Dから送信された医用画像の画像データ、後述する施設情報テーブル30、画像情報テーブル40が記憶される。
【0034】
通信部16は、通信ネットワークN1に接続されるネットワークカードなどの通信インターフェースであり、通信ネットワーク上の医用画像生成システム20A~20Dの医用画像管理端末21などの機器と情報の送受信を行う。
【0035】
図3図4を参照して、医用画像管理システム1の医用画像生成システム20A,20B,20C,20Dのうち、医用画像生成システム20Aの構成を代表して説明する。医用画像生成システム20B,20C,20Dは、医用画像生成システム20Aと同様の構成とする。
【0036】
図3に示すように、医用画像生成システム20Aは、医用画像管理端末21と、プリンター22と、モダリティ23と、イメージャー24と、クライアントPC25と、を備える。医用画像生成システム20Aの各装置は、通信ネットワークN2を介して、互いに接続されている。通信ネットワークN2は、病院A内に配置されたLAN(Local Area Network)である。
【0037】
医用画像管理端末21は、PACSの情報処理装置であり、病院A内のモダリティ23で生成(撮影)された医用画像の画像データを管理し、また当該画像データを医用画像管理サーバー10に送信する。図4に示すように、医用画像管理端末21は、CPU211と、操作部212と、RAM213と、表示部214と、記憶部215と、通信部216,217と、を備える。
【0038】
CPU211は、記憶部215に記憶されているシステムプログラムやアプリケーションプログラムのうち指定されたプログラムを読み出してRAM213に展開し、RAM213に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を行う。
【0039】
CPU211は、例えば、記憶部215に記憶された画像管理テーブルを用いて、記憶部215に記憶されている画像データを管理するとともに、記憶部215に記憶されている画像データを、閲覧用として、通信部216を介してクライアントPC25に送信する。また、CPU211は、記憶部215に記憶されている画像データを、施設を跨ぐ管理用に、通信部217を介して医用画像管理サーバー10に送信する。
【0040】
操作部212は、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キーなどを備えたキーボードと、マウスなどのポインティングデバイスを有し、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号をCPU211に出力する。
【0041】
RAM213は、作業用のメモリー空間(ワークエリア)を提供し、一時データを記憶する。
【0042】
表示部214は、LCD、ELディスプレイなどにより構成され、CPU211から入力される表示情報に基づいて各種画面を表示する。
【0043】
記憶部215は、HDD、SSDなどの大容量記録媒体によって構成され、プログラムや、プログラムの実行に必要なパラメータやファイルなどを記憶している。また、記憶部215は、病院A内の画像データを管理するための画像管理テーブル(データベース)、モダリティ23により生成された医用画像の画像データ(静止画、動画)を記憶する。
【0044】
通信部216は、通信ネットワークN2に接続されるネットワークカードなどの通信インターフェースであり、通信ネットワークN2上のクライアントPC25などの機器と情報を送受信する。
【0045】
通信部217は、通信ネットワークN1に接続される通信インターフェースであり、通信ネットワークN1上の医用画像管理サーバー10などの機器と情報を送受信する。
【0046】
図3に戻り、プリンター22は、汎用の電子写真方式などのプリンターであり、クライアントPC25から入力される画像データなどの印刷情報の印刷指示に応じて、用紙に画像形成をすることにより、印刷を行う。
【0047】
モダリティ23は、少なくとも1台の医用画像撮影装置であり、例えば、DR(Digital Radiography:デジタルX線撮影)装置であり、FPD(Flat Panel Detector)を用いて医用画像として患者のX線画像データを撮影し、そのX線画像データを医用画像管理端末21へ送信して記憶させるものとする。ただし、モダリティ23は、DRに限定されるものではなく、IP(Imaging Plate)を用いて医用画像としてX線による患者のX線画像データを撮影するCR(Computed Radiography:コンピューターX線撮影)装置、医用画像としてX線による患者の断層画像データを撮影するCT撮影装置、医用画像として磁気による患者の断層画像データを撮影するMRI撮影装置、医用画像として超音波による患者の画像データを撮影する超音波診断装置など、他のモダリティとしてもよい。例えば、病院Aのモダリティ23は、マンモグラフィーのデジタルX線撮影装置(マンモグラフィー撮影装置)を含むものとする。
【0048】
イメージャー24は、フィルムへ印刷するプリンターであり、クライアントPC25から入力される画像データなどの印刷情報の印刷指示に応じて、フィルムに画像形成をすることにより、印刷を行う。
【0049】
クライアントPC25は、医用画像を表示するビューワー機能を有しており、読影医などのユーザーの読影に供するデスクトップPCの端末装置である。クライアントPC25の制御部は、ユーザーの操作入力に応じて、参照用の画像データの取得要求を医用画像管理端末21に送信し、医用画像管理端末21から取得要求に応じた画像データを受信する。そして、クライアントPC25は、取得した画像データに基づいて医用画像を自機の表示部に表示する。
【0050】
つぎに、図5(a)、(b)を参照して、医用画像管理サーバー10の記憶部15に記憶される情報を説明する。図5(a)は、施設情報テーブル30を示す図である。図5(b)は、画像情報テーブル40を示す図である。
【0051】
医用画像管理サーバー10は、複数の施設としての病院A~クリニックDに対応する画像データの削除に関する情報を含む施設情報テーブル30と、病院A~クリニックDから受信した画像データに関する情報を含む画像情報テーブル40と、を記憶部15に記憶する。
【0052】
図5(a)に示すように、施設情報テーブル30は、施設名31、恒久保存32、削除優先度33、削除優先項目34などの項目を有する。施設名31は、医用画像管理システム1に含まれる医用画像生成システム20A~20Bが所属する施設の名称である。
【0053】
恒久保存32は、施設名31の施設について、医用画像管理サーバー10での画像データの恒久保存をするか否かを示す情報である。削除優先度33は、恒久保存32で恒久保存をしない施設名31の施設における医用画像管理サーバー10での画像データを削除する削除優先度を示す情報である。削除優先度33の順番について、例えば、複数の施設で単純に順番(例えば登録順)が付与されることとしてもよく、読影サービスを利用している施設の順番を高くすることとしてもよい。
【0054】
削除優先項目34は、施設名31の施設における削除する画像データの属性項目の条件を示す情報である。削除優先項目34の「古い検査日」は、施設名31の施設における条件としての所定期間(例えば90日、180日)以上前の属性項目としての検査日の画像データを削除する情報とする。同じく「モダリティ」は、例えば、マンモグラフィー、CT、MRIの画像データを削除する情報とする。同じく「古い受信日」は、医用画像管理サーバー10における条件としての所定期間(例えば90日、180日)以上前の属性項目としての受信日の画像データを削除する情報とする。
【0055】
図5(b)に示すように、画像情報テーブル40は、画像ID41、検査日42、受信日43、モダリティ44、画像発生元45などの項目を有する。画像ID41は、医用画像管理サーバー10に記憶された画像データの識別情報である。検査日42は、画像ID41の画像データが撮影された検査日である。受信日43は、医用画像管理サーバー10における画像ID41の画像データの受信日である。
【0056】
モダリティ44は、画像ID41の画像データが撮影されたモダリティ23の種類である。モダリティ44は、マンモグラフィー(マンモグラフィー撮影装置)、超音波(超音波診断装置)、DR(DR装置)、CR(CR装置)、CT(CT撮影装置)、MRI(MRI撮影装置)などがある。画像発生元45は、画像ID41の画像データの発生元(医用画像管理サーバー10における画像データの送信元)である。
【0057】
つぎに、図6を参照して、医用画像管理システム1の動作を説明する。図6は、画像削除処理を示すフローチャートである。
【0058】
予め、医用画像生成システム20A~20Dの医用画像管理端末21のCPU211は、モダリティ23により撮影された画像データをモダリティ23から受信して記憶部215に記憶するとともに、通信部217を介して医用画像管理サーバー10に送信して記憶させているものとする。医用画像管理端末21から医用画像管理サーバー10への画像データの送信は、例えば、操作部12を介してユーザーから画像データの選択及び送信が指示されたタイミングで、選択された画像データが送信されるマニュアルの送信や、予め設定された所定のタイミング(例えば、検査日の次の日の所定日時)で画像データが送信される自動的な送信とする。
【0059】
医用画像管理サーバー10のCPU11は、医用画像生成システム20A~20Dから1つの画像データを受信した場合に、当該画像データにユニークな画像IDを付与し、当該画像データのタグ情報から検査日、モダリティを取得し、現在日にちを当該画像データの受信日として取得し、当該画像データの送信元の医用画像生成システムに対応する施設名を取得する。そして、CPU11は、付与又は取得した画像ID、検査日、受信日、モダリティ、施設名を、新たな1レコードとして、それぞれ、画像情報テーブル40の画像ID41、検査日42、受信日43、モダリティ44、画像発生元45に格納する。
【0060】
医用画像管理サーバー10において、例えば、所定日時(例えば、医用画像管理サーバー10に負荷がかかる昼間の時間帯を避けた夜中の3:00)になったことをトリガーとして、CPU11は、記憶部15から読み出して適宜RAM13に展開した画像削除プログラムとの協働で、画像削除処理を実行する。画像削除処理は、例えば、医用画像管理サーバー10のタスクスケジュラーにより実行される。
【0061】
図6に示すように、まず、CPU11は、記憶部15の記憶容量が、画像データを削除する閾値としての所定容量以上であるか否かを判別する(ステップS11)。所定容量は、例えば、医用画像管理サーバー10の処理効率が低下するなどの不具合が起こるおそれがある容量である。記憶容量が所定容量未満である場合(ステップS11;NO)、画像削除処理が終了する。
【0062】
記憶容量が所定容量以上である場合(ステップS11;YES)、CPU11は、記憶部15に記憶された施設情報テーブル30を参照し、恒久保存32が恒久保存しない施設名31の施設があるか否かを判別する(ステップS12)。恒久保存しない施設がない場合(ステップS12;NO)、画像削除処理が終了する。恒久保存する施設の画像データは、当該画像削除処理とは別の処理で、診療(検査日)から5年以上経過した場合に適宜記憶部15から削除される。
【0063】
恒久保存しない施設がある場合(ステップS12;YES)、CPU11は、施設情報テーブル30を参照し、ステップS12で取得された恒久保存しない施設の施設名31に対応する削除優先度33及び削除優先項目34を取得する(ステップS13)。そして、CPU11は、ステップS12,S13で取得された削除優先度33が最も高い(最も数字が小さい)施設(の施設名31)を選択する(ステップS14)。
【0064】
そして、CPU11は、記憶部15に記憶された画像情報テーブル40を参照し、ステップS14又はS16で選択中の施設の施設名31の画像発生元45に対応する検査日42、受信日43又はモダリティ44が、当該施設の削除優先項目34の条件を満たす画像ID41の画像データが有るか否かを判別する(ステップS15)。削除優先項目34の条件を満たす画像データがない場合(ステップS15;NO)、CPU11は、ステップS12,S13で取得された削除優先度33が選択済の施設の次に高い(数字が小さい)施設(の施設名31)を選択する(ステップS16)。
【0065】
そして、CPU11は、ステップS16で選択された施設(の施設名31)があるか否かを判別する(ステップS17)。選択された施設(の施設名31)がある場合(ステップS17;YES)、ステップS15に移行される。選択された施設(の施設名31)がない場合(ステップS17;NO)、画像削除処理が終了する。
【0066】
削除優先項目34の条件を満たす画像データがある場合(ステップS15;YES)、CPU11は、ステップS15で取得された選択中の施設の削除優先項目34の条件を満たす画像ID41の画像データの1つを記憶部15から削除し、当該削除した画像データの画像ID41のレコードを画像情報テーブル40から削除する(ステップS18)。ステップS18では、条件を満たす画像データが複数ある場合に、当該複数の画像データのうち、例えば、画像ID41の順、検査日42の順、又は受信日43の順に、1つの画像データが削除される。
【0067】
そして、CPU11は、記憶部15の記憶容量が、ステップS11と同様の所定容量以上であるか否かを判別する(ステップS19)。記憶容量が所定容量以上である場合(ステップS19;YES)、ステップS12に移行される。記憶容量が所定容量未満である場合(ステップS19;NO)、画像削除処理が終了する。
【0068】
以上、本実施の形態によれば、医用画像管理サーバー10は、複数の施設に設けられた複数の医用画像管理端末21から受信した医用画像の画像データを記憶する記憶部15の画像データを管理する。医用画像管理サーバー10は、各施設の画像データ削除に関する施設情報テーブル30に基づいて、画像データを記憶部15から自動的に削除するCPU11を備える。
【0069】
このため、複数の施設に応じて医用画像の画像データを自動的かつ適切に削除できる。
【0070】
また、CPU11は、記憶部15の記憶容量が、所定容量以上であるか否かを判別し、所定容量以上である場合に、画像データを記憶部15から削除する。このため、画像データの削除が好ましい容量の場合に、画像データを削除でき、削除が必要でない場合の画像データの削除を防ぎ、医用画像管理サーバー10の処理負担を低減できる。
【0071】
また、施設情報テーブル30は、各施設が画像データを記憶部15に恒久保存するか否かを示す恒久保存32を含む。CPU11は、恒久保存32に基づいて、恒久保存しない施設の画像データを記憶部15から削除する。このため、記憶部15に恒久保存する施設の画像データを確実に恒久保存でき、かつ記憶部15に恒久保存しない施設の不要な可能性の高い画像データを優先して記憶部15から削除できる。
【0072】
また、施設情報テーブル30は、恒久保存しない各施設の画像データ削除の優先度を示す削除優先度33を含む。CPU11は、削除優先度33に基づいて、削除優先度の高い施設の画像データを優先して記憶部15から削除する。このため、記憶部15に恒久保存しない施設のうち削除優先度が高い施設の画像データを優先して記憶部15から削除できる。
【0073】
また、施設情報テーブル30は、各施設の削除する画像データの属性項目の条件を示す削除優先項目34を含む。CPU11は、削除優先項目34に基づいて、属性項目の条件を満たす画像データを記憶部15から削除する。このため、属性項目の条件を満たし不要な可能性が高い画像データを記憶部15から削除できる。
【0074】
また、属性項目は、画像データの検査日、受信日又はモダリティである。このため、適切な属性項目の条件により適切な画像データを記憶部15から削除できる。
【0075】
また、医用画像管理システム1は、医用画像管理サーバー10と、複数の医用画像生成システム20A~20Dの医用画像管理端末21と、を備える。このため、複数の施設に応じて医用画像の画像データを自動的かつ適切に削除できる医用画像管理システム1を構成できる。
【0076】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る好適な医用画像管理装置、医用画像管理システム及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0077】
例えば、上記実施の形態では、画像データの削除の単位が、画像データ単位であるものとしたが、これに限定されるものではない。例えば、画像データの削除の単位が、シリーズ単位であるものしてもよい。シリーズとは、検査の下位に位置づけられる属性であり、1つの検査内での、撮影部位(胸部など)、撮影方法(通常のCR、造影剤を用いたCRなど)などである。
【0078】
また、上記実施の形態では、医用画像管理端末21が、通信ネットワークN1を介して、医用画像の画像データを医用画像管理サーバー10に送信し記憶させる構成であったが、これに限定されるものではない。医用画像管理端末21(PACS)が、インターネットなどの通信ネットワークN1に接続されないように、通信部217を備えず、医用画像生成システム20A~20D内に設けられたクライアントPC25又はアップロード専用のPC(図示略)が、通信ネットワークN2を介して、管理対象の画像データを医用画像管理端末21から取得し、通信ネットワークN1を介して、取得した画像データを医用画像管理サーバー10に送信する構成としてもよい。
【0079】
また、以上の実施の形態における医用画像管理システム1を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0080】
1 医用画像管理システム
10 医用画像管理サーバー
11 CPU
12 操作部
13 RAM
14 表示部
15 記憶部
16 通信部
20A,20B,20C,20D 医用画像生成システム
21 医用画像管理端末
211 CPU
212 操作部
213 RAM
214 表示部
215 記憶部
216,217 通信部
22 プリンター
23 モダリティ
24 イメージャー
25 クライアントPC
N1,N2 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6