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特許7388032情報処理システム及び情報処理システム用制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理システム用制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20231121BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019138871
(22)【出願日】2019-07-29
(65)【公開番号】P2021022214
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下川 徳之
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-259843(JP,A)
【文献】特開2006-229709(JP,A)
【文献】特開2017-167660(JP,A)
【文献】特開2013-008353(JP,A)
【文献】特開2018-139077(JP,A)
【文献】特開2015-084158(JP,A)
【文献】特開2007-300273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G06F 13/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報の送信元を表す属性情報ごとに対応付けられた禁止情報を登録する登録部と、
前記属性情報及び前記禁止情報を参照し、受信した前記画像情報に付与されている属性情報に対応付けられた前記禁止情報が前記画像情報に含まれる場合に、エラー処理を実行する制御部と、
を有する情報処理システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記画像情報が表す複数のページのうちの一部のページに、前記属性情報に対応付けられた前記禁止情報が含まれる場合に、
前記エラー処理において、前記画像情報から、前記禁止情報が含まれるページを表す情報を除いて外部に送信する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記禁止情報が含まれるページをエラーページとして明示する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記エラーページを、前記画像情報における、前記禁止情報が含まれるページがあった箇所に挿入する、請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記エラー処理として、前記画像情報を外部に送信しない、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記画像情報を外部に送信しなかった旨を、ユーザへ通知する、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記ユーザへの通知には、前記エラー処理が行われた理由の説明が含まれる、請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記属性情報は、グループ化されており、前記グループごとに前記禁止情報が対応付けられている、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記制御部は、グループ化された前記属性情報に対応付けられた前記禁止情報に応じて、前記エラー処理の実行要否を決定する、請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
画像情報の送信先である外部のサーバが複数存在し、予め設定された前記外部のサーバ毎にエラー処理の実行の要否が対応付けられており、
前記制御部は、ユーザから指定された外部のサーバに応じてエラー処理の実行要否を決定する、請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記属性情報に対応付けられた前記禁止情報が、前記画像情報に含まれている場合であって、かつ、前記エラー処理の実行が不要な外部のサーバがある場合に、前記エラー処理の実行が不要な外部のサーバをユーザに通知する、請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記制御部は、受信した前記画像情報に文字認識処理を実行し、前記文字認識処理によって認識された文字が、前記属性情報に対応付けられた前記禁止情報として指定される文字を含む場合に、前記エラー処理を実行する請求項1~11のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記外部のサーバは、クラウドサーバである、請求項10又は請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項14】
登録部に登録された、画像情報の送信元を表す属性情報ごとに対応付けられた禁止情報を参照するステップと、
受信した前記画像情報に前記属性情報に対応付けられた前記禁止情報が含まれる場合に、制御部にエラー処理を実行させるステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理システム用制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術は、情報処理システム及び情報処理システム用制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、申請書類をスキャンすることで生成される申請書類データを送信することが可能な画像形成装置と情報処理装置とを有する申請書類電子化システムであって、前記画像形成装置は、1又は複数ページで構成される申請書類を、1又は複数セット分スキャンして申請書類データを取得する申請書類データ取得手段と、前記申請書類データ取得手段で取得した申請書類データを前記情報処理装置に送信する申請書類データ送信手段と、前記情報処理装置から前記申請書類データの分割情報を含む認識結果を受信する認識結果受信手段と、前記認識結果受信手段が受信した前記申請書類データの分割情報を含む認識結果を表示する認識結果表示手段とを備え、前記情報処理装置は、前記画像形成装置から送信される前記申請書類データを受信する申請書類データ受信手段と、前記申請書類データ受信手段により受信された申請書類データに所定の画像認識を行う画像認識手段と、前記画像認識手段の認識結果に従って前記申請書類データを1セット毎の申請書類データに分割するための分割情報を生成する分割情報生成手段と、前記分割情報生成手段により生成された分割情報を含む認識結果を前記画像形成装置に送信する認識結果送信手段とを備えることを特徴とするシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-61551
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、属性情報に対応付けられた禁止情報を含む画像情報を検出し、エラー処理を実行させる情報処理システム及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様に記載の情報処理システムでは、属性情報ごとに対応付けられた禁止情報を登録する登録部と、前記属性情報及び前記禁止情報を参照し、受信した画像情報に付与されている属性情報に対応付けられた前記禁止情報が前記画像情報に含まれる場合に、エラー処理を実行する制御部と、を有する。
【0006】
本開示の第2の態様に記載の情報処理システムでは、前記制御部は、前記画像情報が表す複数のページのうちの一部のページに、前記属性情報に対応付けられた前記禁止情報が含まれる場合に、前記エラー処理において、前記画像情報から、前記禁止情報が含まれるページを表す情報を除いて外部に送信する。
【0007】
本開示の第3の態様に記載の情報処理システムでは、前記制御部は、前記禁止情報が含まれるページをエラーページとして明示する。
【0008】
本開示の第4の態様に記載の情報処理システムでは、前記制御部は、前記エラーページを、前記画像情報における、前記禁止情報が含まれるページがあった箇所に挿入する。
【0009】
本開示の第5の態様に記載の情報処理システムでは、前記制御部は、前記エラー処理として、前記画像情報を外部に送信しない。
【0010】
本開示の第6の態様に記載の情報処理システムでは、前記制御部は、前記画像情報を外部に送信しなかった旨を、ユーザへ通知する。
【0011】
本開示の第7の態様に記載の情報処理システムでは、前記ユーザへの通知には、前記エラー処理が行われた理由の説明が含まれる。
【0012】
本開示の第8の態様に記載の情報処理システムでは、前記属性情報は、グループ化されており、前記グループごとに前記禁止情報が対応付けられている。
【0013】
本開示の第9の態様に記載の情報処理システムでは、前記制御部は、グループ化された前記属性情報に応じて、前記エラー処理の実行要否を決定する
【0014】
本開示の第10の態様に記載の情報処理システムでは、画像情報の送信先である外部のサーバが複数存在し、予め設定された前記外部のサーバ毎にエラー処理の実行の要否が対応付けられており、前記制御部は、ユーザから指定された外部のサーバに応じてエラー処理の実行要否を決定する。
【0015】
本開示の第11の態様に記載の情報処理システムでは、前記制御部は、前記属性情報に対応付けられた前記禁止情報が、前記画像情報に含まれている場合であって、かつ、前記エラー処理の実行が不要な外部のサーバがある場合に、前記エラー処理の実行が不要な外部のサーバをユーザに通知する。
【0016】
本開示の第12の態様に記載の情報処理システムでは、前記制御部は、受信した前記画像情報に文字認識処理を実行し、前記文字認識処理によって認識された文字が、前記属性情報に対応付けられた前記禁止情報として指定される文字を含む場合に、前記エラー処理を実行する。
【0017】
本開示の第13の態様に記載の情報処理システムでは、前記外部のサーバは、クラウドサーバである。
【0018】
本開示の第14の態様に記載の情報処理システム用制御プログラムでは、登録部に登録された、属性情報ごとに対応付けられた禁止情報を参照するステップと、受信した画像情報に前記属性情報に対応付けられた前記禁止情報が含まれる場合に、制御部にエラー処理を実行させるステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0019】
第1の態様に係る情報処理システムによれば、属性情報に対応付けられた禁止情報を含む画像情報を検出し、エラー処理を実行することができる。
【0020】
第2の態様に係る情報処理システムによれば、禁止情報が含まれる場合に、禁止情報を含む画像情報を外部に送信することを防止できる。
【0021】
第3の態様に係る情報処理システムによれば、禁止情報が含まれるページをエラーページとして明示させない構成と比較して、エラーページの存在を認識し易くすることができる。
【0022】
第4の態様に係る情報処理システムによれば、エラーページを、禁止情報が含まれるページがあった箇所に挿入しない構成と比較して、禁止情報が含まれるページの所在を認識し易くすることができる。
【0023】
第5の態様に係る情報処理システムによれば、禁止情報が含まれた画像情報を外部に送信することを防止できる。
【0024】
第6の態様に係る情報処理システムによれば、ユーザは、情報処理システムが画像情報を外部に送信しなかった旨を認識することができる。
【0025】
第7の態様に係る情報処理システムによれば、ユーザは、情報処理システムが画像情報を外部に送信しなかった理由を認識することができる。
【0026】
第8の態様に係る情報処理システムによれば、グループごとに対応付けられた禁止情報
が含まれる場合に、情報処理システムによる画像情報の外部への送信を防止できる。
【0027】
第9の態様に係る情報処理システムによれば、グループ化された前記属性情報に応じた禁止情報が含まれる場合に、情報処理システムによる画像情報の外部への送信を防止できる。
【0028】
第10の態様に係る情報処理システムによれば、ユーザから指定された外部のサーバに応じて、エラー処理が実行される。
【0029】
第11の態様に係る情報処理システムによれば、属性情報に対応付けられた禁止情報が画像情報に含まれている場合に、ユーザによって指定されておらずエラー処理の実行が不要なサーバの存在を認識することができる。
【0030】
第12の態様に係る情報処理システムによれば、画像情報に禁止情報として指定される文字が含まれる場合に、画像情報を外部に送信することを防止できる。
【0031】
第13の態様に係る情報処理システムによれば、第10の態様に係る情報処理システムによれば、ユーザから指定された外部のクラウドサーバに応じて、エラー処理が実行される。
【0032】
第14の態様に係る情報処理システム用制御プログラムによれば、属性情報に対応付けられた禁止情報を含む画像情報を検出し、エラー処理をコンピュータに実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】第1実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】第1実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る情報処理システムの機能構成の例を示す機能ブロック図である。
図4】第1実施形態に係る情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図5】第2実施形態に係る情報処理システムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】第3実施形態に係る情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
図7】第4実施形態に係る情報処理システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の技術の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0035】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る情報処理システム10について、図1図5を用いて説明する。
【0036】
図1に示されるように、第1実施形態に係る情報処理システムは、ネットワーク50を介して通信可能に接続された情報処理システム10(以下、適宜「システム10」と称する)を含んで構成される。この情報処理システム10は、ネットワーク50を介して、ユーザインターフェースを含むユーザ側端末30、及び画像情報の送信先となるサーバ20と通信可能に接続される。
【0037】
情報処理システム10は、例えば、クラウドサービスとしてデータの格納サービスを提供するサーバ20と、ユーザ側端末30との間に介在する中間システムである。本実施形態において、情報処理システム10は、ユーザ側端末30から送信された画像情報を確認し、場合によって、サーバ20へ画像情報のアップロードを許容し、又は、アップロードのエラー処理を実行する。
【0038】
ユーザ側端末30は、ユーザの操作に従って画像情報を生成し、任意のサーバ20を指示して、画像情報をアップロードすることが可能な端末である。ユーザ側端末30は、例えば、PC、コピー機、スキャナー、及びこれらの機能を複合的に有する複合機等である。ユーザ側端末30がスキャナー機能を有する場合、原稿を読み取ることにより、画像情報が生成されうる。また、ユーザ側端末30がPCである場合、ユーザが所定のアプリケーションを用いて画像を描画したり、文書を作成したりすることにより画像情報が生成されうる。
【0039】
次に、情報処理システム10のハードウェア構成について説明する。
【0040】
図2に示されるように、情報処理システム10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14及び通信インターフェース15の各構成を含んで構成される。各構成は、バス18を介して相互に通信可能に接続されている。
【0041】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12又はストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12又はストレージ14に記録されているプログラムに従って、上記各構成の制御及び各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12又はストレージ14には、情報処理プログラムが格納されている。
【0042】
ROM12には、各種プログラム及び各種データが格納されている。RAM13には、作業領域として一時的にプログラム又はデータが記憶される。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)を含んで構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム又は各種データが格納される。
【0043】
通信インターフェース15は、外部のサーバ20及びユーザ側端末30等の他の機器と通信するためのインターフェースであり、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0044】
次に、システム10の機能構成について説明する。
【0045】
図3に示されるように、情報処理システム10は、機能構成として、登録部101及び制御部102を含んで構成される。各機能構成は、CPU11がROM12又はストレージ14に記憶された情報処理プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより実現される。
【0046】
登録部101には、あらかじめ属性情報に対応付けられた禁止情報が登録される。「属性情報」とは、ユーザ側端末30、ユーザ側端末30が属するテナント(すなわち、店舗又は建物)、ユーザ側端末30を使うユーザP、又はユーザPが所属する団体等に紐づけられた情報のことをいう。また、この属性情報は、ユーザ又は機器にユニークに割り当てられず、それぞれの属性ごとにあらかじめグループ化されたものであってもよい。ここでいう「グループ化」とは、例えば、属性情報は、同じユーザ側端末30を共有する複数のユーザでグループ化されたり、同じ組織(会社、部門、課、グループ等を含む)に所属するユーザでグループ化されたりすることをいう。属性情報は、ユーザが画像情報を生成する際に、ユーザ側端末30において画像情報に付与される。例えば、ユーザPがユーザ側端末30において認証した上でスキャンを実行した場合、スキャンにより生成された画像情報に、ユーザPの属性情報が付与される。
【0047】
「禁止情報」とは、例えば、特定の文字、形状、図形、色を表す情報である。以下の実施形態では、禁止情報が、特定の文字(禁止ワード)である場合について説明する。特定の文字は、例えば、「秘」、「秘匿」、「社外秘」、「禁」又は「複写禁止」等のことをいう。
【0048】
なお、属性情報及び禁止情報は、図示しない入力部を介して、又は、通信インターフェース15を介して、情報処理システム10へと入力され、あらかじめ登録部101へと登録される。
【0049】
制御部102は、ユーザ側端末30から、通信インターフェース15を介して画像情報を受信する。さらに、制御部102は、登録部101に登録された属性情報及び属性情報に対応付けられた禁止情報を参照し、受信した画像情報に付与されている属性情報に対応付けられた禁止情報が画像情報に含まれる場合に、あらかじめ定められたエラー処理を実行する。
【0050】
エラー処理は、例えば、画像情報をサーバ20に送信せずに破棄する処理、画像情報がサーバ20に送信されるのを禁止する処理、又は、画像情報がサーバ20に保存されなかった旨を通知する処理をいう。
【0051】
次に、システム10の作用について説明する。
【0052】
図4は、第1実施形態に係る情報処理システム10における処理の流れを示すフローチャートである。本実施形態では、CPU11がROM12又はストレージ14から情報処理プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、処理が行なわれる。図4に示す処理は、ユーザ側端末30から送信された画像情報が、通信インターフェース15を介して情報処理システム10に受け付けられることにより、実行される。
【0053】
ステップS101において、CPU11は、制御部102として、ユーザ側端末30から受信した画像情報に対して文字認識処理を実行する。そして、ステップS102に処理が移行される。
【0054】
ステップS102において、CPU11は、登録部101を参照し、受信した画像情報に付与されている属性情報に付与されている属性情報に対応付けられた禁止情報(特定の文字)が、文字認識処理により得られた文字に含まれるか否か判断する。禁止情報が画像情報に含まれる場合(ステップS102:YES)、CPU11は、ステップS103に処理を移行する。
【0055】
ステップS103において、CPU11は、あらかじめ定められたエラー処理を実行する。そして、CPU11は、図4に示される処理を終了する。
【0056】
一方で、ステップS102において、禁止情報が画像情報に含まれない場合(ステップS102:NO)、CPU11は、ステップS104に処理を移行する。
【0057】
ステップS104において、CPU11は、受け付けた画像情報を、通信インターフェース15を介して外部に送信する。ここで、CPU11は、直接サーバ20に画像情報を送信せずに、一旦別の装置等に送信してもよい。そして、CPU11は、図4に示される処理を終了する。
【0058】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る情報処理システム10について、図5を用いて説明する。第1実施形態では、エラー処理として、画像情報がサーバ20に送信されることを回避する態様を説明した。第2実施形態では、エラー処理として、禁止情報が含まれるページを差し替える態様について説明する。なお、第2実施形態では、画像情報にはページの概念があり、画像情報は一枚以上のページに画像を表す情報である。第2実施形態に係る情報処理システムは第1実施形態に係る情報処理システムの変形例であるため、重複する内容については、適宜、同一の番号を付して説明を省略する。
【0059】
本実施形態における情報処理システム10のハード構成及び機能構成は、第1実施形態と基本的に同様であるため、説明を省略する。
【0060】
以下、第2実施形態に係るシステム10の作用について説明する。
【0061】
本実施形態では、CPU11がROM12又はストレージ14から情報処理プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、処理が行なわれる。
【0062】
図5に示される処理は、ユーザ側端末30から送信された画像情報が、通信インターフェース15を介してシステム10に受信されることにより、実行される。
【0063】
ステップS202において、禁止情報が画像情報におけるページのうちの少なくとも一ページに含まれる場合(ステップS202:YES)、CPU11は、ステップS203に処理を移行する。
【0064】
ステップS203において、CPU11は、禁止情報が含まれるページを、エラーページとして明示する。そして、CPU11は、ステップS203に処理を移行する。
【0065】
ここで、「エラーページ」の明示方法の一例としては、禁止情報が含まれるページをグレー等の特定の色で表示する方法、ページ全体を無地(又は白紙)のページとして表示する方法、又はページ内に「秘密を含む」旨を表示する方法等が挙げられる。
【0066】
ステップS204において、CPU11は、エラーページを、画像情報における、禁止情報が含まれるページがあった箇所に挿入する。これにより、エラーページのあった箇所が明確に特定される。そして、CPU11は、ステップS205に処理を移行する。
【0067】
ステップS205において、CPU11は、ステップS204においてエラーページが挿入された画像情報を外部に送信する。そして、CPU11は、図4に示される処理を終了する。
【0068】
一方で、ステップS202において、禁止情報が画像情報のいずれのページにも含まれない場合(ステップS202:NO)、CPU11は、ステップS206に処理を移行する。
【0069】
ステップS206において、CPU11は、受け付けた画像情報を、通信インターフェース15を介して外部に送信する。そして、CPU11は、図5に示される処理を終了する。
【0070】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る情報処理システム10について、図6を用いて説明する。なお、第3実施形態に係る情報処理システムは第1実施形態及び第2実施形態に係る情報処理システムの変形例であるため、重複する内容については、適宜、同一の番号を付して説明を省略する。
【0071】
本実施形態における情報処理システム10のハード構成及び機能構成は、第1実施形態及び第2実施形態と基本的に同様であるため、説明を省略する。
【0072】
以下、第3実施形態に係るシステム10の作用について説明する。
【0073】
本実施形態では、CPU11がROM12又はストレージ14から情報処理プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、処理が行なわれる。
【0074】
図6に示される処理は、ユーザ側端末30から送信された画像情報が、通信インターフェース15を介してシステム10に受け付けられることにより、実行される。
【0075】
ステップS302において、禁止情報が画像情報におけるページのうちの少なくとも一ページに含まれる場合(ステップS302:YES)、CPU11は、ステップS303に処理を移行する。
【0076】
ステップS303において、CPU11は、禁止情報を一ページにでも含む画像情報の外部への送信を行わない。そして、CPU11は、ステップS304に処理を移行する。
【0077】
ステップS304において、CPU11は、画像情報の外部への送信を行わなかった旨とその理由とを、ユーザPに通知する。そして、CPU11は、図6に示される処理を終了する。
【0078】
なお、ここでいう「ユーザへの通知」は、通信インターフェース15を介して行われる。この通知は、ネットワーク50を介して行われてもよいし、別途設けられたイーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格を介して行われてもよい。
【0079】
また、ユーザPが通知を受け取る方法としては、ユーザ側端末30を介して受け取るものであってもよいし、ユーザ側端末30とは別に、ユーザPが所有する端末40(例えば、PCまたはスマートフォン等の電子端末)を介して受け取るものであってもよい。さらに、ユーザPがこれらの端末を介して通知を受け取る方法としては、Eメールによって、又は、その他メッセージを受け取ることができるアプリケーション等によって受け取るものであってもよい。
【0080】
また、ユーザPへと通知される「画像情報の外部への送信を行わなかった理由」とは、一例として、「ユーザPに対応付けられた禁止情報が含まれる画像情報である旨」を通知するメッセージ等とすることができる。
【0081】
一方で、ステップS302において、禁止情報が画像情報の一ページにも含まれない場合(ステップS302:NO)、CPU11は、ステップS305に処理を移行する。
【0082】
ステップS305において、CPU11は、受け付けた画像情報を、通信インターフェース15を介して外部に送信する。そして、CPU11は、図6に示される処理を終了する。
【0083】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態に係る情報処理システム10について、図7を用いて説明する。なお、第4実施形態に係る情報処理システムは第1実施形態~第3実施形態に係る情報処理システムの変形例であるため、重複する内容については、適宜、同一の番号を付して説明を省略する。
【0084】
本実施形態における情報処理システム10のハード構成及び機能構成は、第1実施形態~第3実施形態と基本的に同様であるため、説明を省略する。
【0085】
以下、第4実施形態に係るシステム10の作用について説明する。
【0086】
本実施形態では、CPU11がROM12又はストレージ14から情報処理プログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、処理が行なわれる。
【0087】
図7に示される処理は、ユーザ側端末30から送信された画像情報が、通信インターフェース15を介してシステム10に受け付けられることにより、実行される。
【0088】
本実施形態において、画像情報の送信先となる外部のサーバ20は、ネットワーク50を介して接続された複数のサーバ20のうちの、ユーザPに選択された一つのサーバ20である。また、登録部102に登録される属性情報ごとに対応付けられた禁止情報は、さらに、サーバ20ごとに対応付けられて登録される。
【0089】
ステップS402において、CPU11は、禁止情報が画像情報に含まれ、かつ、当該禁止情報に対応付けられたサーバ20がユーザPによって送信先として指定されているか否か判断する。禁止情報が画像情報に含まれ、かつ、当該禁止情報に対応付けられたサーバ20がユーザPによって送信先として指定されていた場合(ステップS402:YES)、CPU11は、ステップS403に処理を移行する。
【0090】
ステップS403において、ユーザPによって指定された送信先以外に、当該禁止情報に対応付けられていないサーバ20が存在する場合(ステップS403:YES)、CPU11は、ステップS404に処理を移行する。
【0091】
ステップS404において、CPU11は、禁止情報に対応付けられていない他のサーバ20の情報を、ユーザPに通知する。なお、ここでいう「通知」の方法としては、ユーザ側端末30を介して受け取るものであってもよいし、ユーザ側端末30とは別に設けられた端末40(例えば、PCまたはスマートフォン等の電子端末)を介して受け取るものであってもよい。さらに、ユーザPがこれらの端末を介して通知を受け取る方法としては、Eメールによって、又は、その他メッセージを受け取ることができるアプリケーション等によって受け取るものであってもよい。そして、CPU11は、図7に示される処理を終了する。
【0092】
一方で、ステップS403において、ユーザPによって指定された送信先以外に、当該禁止情報に対応付けられていないサーバ20が存在しない場合(ステップS403:NO)、CPU11は、ステップS405に処理を移行する。
【0093】
ステップS405において、CPU11は、あらかじめ定められたエラー処理を実行する。そして、CPU11は、図7に示される処理を終了する。
【0094】
一方で、ステップS402において、禁止情報が画像情報に含まれない場合、又は、含まれるがユーザPによって指定された送信先が当該禁止情報に対応付けられたサーバ20でない場合(ステップS402:NO)、CPU11は、ステップS406に処理を移行する。
【0095】
ステップS406において、CPU11は、受け付けた画像情報を、通信インターフェース15を介して外部に送信する。そして、CPU11は、図7に示される処理を終了する。
【0096】
なお、ステップS402については、CPU11は、ユーザPに送信先として指定されたクラウドサーバ20の種別に応じて、登録部101から、属性情報に対応付けられた禁止情報を参照するステップとしてもよい。このようにクラウドサーバ20の種別に応じて禁止情報の参照を行うことで、ユーザ側端末30から送信された画像情報について、禁止情報が含まれるかどうかの処理自体の実行の要否を判断させるステップを加えることができる。このようなステップを加えることで、例えば、CPU11は、属性情報と指定されたクラウドサーバの対応関係に応じて、画像情報に禁止情報が含まれるかどうかの処理自体を省略できる場合がある。そのため、CPU11の処理量を削減することができる。
【0097】
また、ステップS402については、画像情報が禁止情報を含むか否かの判断と、当該禁止情報が、ユーザPによって指定されたサーバ20と対応付けられているかどうかの判断と、の2つのステップに分割することもできる。このようにステップを分割することで、CPU11が登録部101から参照する情報量を削減することができる。
【0098】
また、ステップS404において、CPU11がユーザPに、禁止情報に対応付けられていない他のサーバ20の情報を通知したのち、ユーザPに他のサーバ20の選択を求める通知を行ってもよい。この場合、さらに、ユーザPが、複数のサーバ20の候補から、好ましいサーバ20を選択し、CPU11へと通知することが可能なシステムとしてもよい。これにより、ユーザPは、新たに他のサーバ20を選択し、画像情報を送信する操作を省略することができる。ここで、ユーザPからCPU11への通信方法は、CPU11からユーザPへの通信と同様の方法によって行うものとしてもよいし、ユーザ側端末30を介して行うものであってもよい。
【0099】
なお、上記第4実施形態では、画像情報の送信先としてサーバ20を指定するにあたって、画像情報に禁止情報が含まれる場合であって、かつ、指定したサーバ20が禁止情報に対応付けられている(サーバにエラー処理要が対応付けられている)場合に、エラー処理を実行する例を説明した。ここで、送信先として指定されるのはサーバ20に限定されない。サーバ20以外、例えば、特定のユーザ又はグループを送信先(開示先)として指定してもよい。この場合、登録部102に登録される属性情報ごとに対応付けられた禁止情報は、さらに、ユーザ又はグループごとに対応付けられて登録される。そして、禁止情報が対応付けられたユーザ又はグループが送信先として指定されると、画像情報に禁止情報が含まれていれば、エラー処理が実行され、送信先への画像情報の送信が制限される。具体的には、例えば、開発部に属するユーザPの属性情報に対応する禁止情報に、開発部以外の部署が全て対応付けられている場合、開発部への画像情報の送信は制限されず、開発部以外の部署のユーザへの送信は制限される。これにより、開発部のみに開示可、換言すると、開発部以外秘匿というような制限が可能となる。
【0100】
<その他の態様>
以上、各実施形態に係る情報処理装置について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0101】
各実施形態では、画像情報に禁止情報が含まれる場合にエラー処理を実行している。しかし、禁止情報が含まれる条件を制限して、エラー処理を実行してもよい。例えば、禁止情報により表される文字、図形等が、所定の大きさ以上である場合にエラー処理を実行してもよい。「社外秘」、「禁複写」、又は「斜線」等の禁止情報を示す文字又は記号は、本文の文書の文字よりも大きく表されることが慣例の場合があり、文字の大きさで制限することにより、本文の文字を禁止情報として認識することを防止できる。また、画像情報が画像を表すページにおいて、所定の場所、例えば、外枠の余白部分に禁止情報が含まれる場合に限り、エラー処理を実行してもよい。禁止情報は本文部分を避けて表させることが慣例の場合があり、余白部分に禁止情報が含まれることを制限することにより、本文の文字を禁止情報として認識することを防止できる。
【0102】
また、各実施形態では、情報の陳腐化を考慮していない。これを考慮してもよい。例えば、画像情報に含まれる日付情報を参照し、現時点と比べて、所定時間以上経過している場合には、上述のエラー処理を行わない例外としてもよい。この場合、例えば、画像情報を文字認識して、画像に含まれる日付情報を取得する。あるいは、画像情報にあらかじめ付与されている日時情報を取得してもよい。
【0103】
また、各実施形態において、サーバ20は、それぞれ1つのものとして説明したが、各機能又は担当する処理ステップごとに分けられた、複数のサーバによって構成されていてもよい。また、各実施形態において説明した処理は、専用のハードウェア回路によっても実現することもできる。この場合は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0104】
また、システム10を動作させるプログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリ、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、メモリ又はストレージ等に転送され記憶される。また、このプログラムは、例えば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、システム10の一機能としてその各装置のソフトウェアに組み込まれていてもよい。なお、各実施形態は、それぞれ一部又は全部を組み合わせて実施されてもよい。
【符号の説明】
【0105】
10 情報処理システム(=情報処理システムの一例に相当)
20 サーバ(=外部のサーバの一例に相当)
101 登録部(=登録部の一例に相当)
102 制御部(=制御部の一例に相当)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7