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特許7388036表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20231121BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20231121BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20231121BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231121BHJP
   B41J 2/175 20060101ALI20231121BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231121BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20231121BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G06F3/12 335
G09G5/00 510P
G09G5/00 550X
G09G5/36 100
G03G21/00 386
G03G21/00 510
B41J2/175 301
B41J2/175 119
G06F3/12 310
H04N1/00 C
B41J29/42 F
B41J29/38 204
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019141247
(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公開番号】P2021026295
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-07-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】杉山 綾子
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-140012(JP,A)
【文献】特開2015-141464(JP,A)
【文献】特開2016-129975(JP,A)
【文献】特開2009-245128(JP,A)
【文献】特開2014-075056(JP,A)
【文献】特開2017-220160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09 - 3/12
B41J 2/01
B41J 2/165- 2/20
B41J 2/21 - 2/215
B41J 5/00 - 5/52
B41J 21/00 -21/18
B41J 29/00 -29/70
G03G 13/01
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/01
G03G 15/36
G03G 21/00 -21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
G09G 5/00 - 5/36
G09G 5/377- 5/42
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
入力部と、
記憶部と、
制御部と、
を備える表示制御装置であって、
前記制御部は、
画像形成装置での印刷状況に関する印刷状況情報を、あらかじめ定められた取得条件が成立するたびに取得して、前記記憶部に記憶させる記憶制御処理と、
前記記憶制御処理によって前記記憶部に記憶させた前記印刷状況情報に基づき、過去の時点から現在の時点までに含まれる複数の期間と当該複数の期間それぞれにおいて変化した着色剤の残量との関係をグラフ化して、そのグラフが含まれるグラフ表示領域を前記表示部に表示する第1表示処理と、
前記入力部での入力操作により、前記表示部に表示されている前記グラフ表示領域において、前記複数の期間のうちの少なくとも1つの期間に対応する箇所を指定する操作が行われた場合に、指定された箇所に対応する少なくとも1つの期間を選択する選択処理と、
前記選択処理によって選択された前記少なくとも1つの期間について、前記印刷状況情報を前記表示部に表示する第2表示処理と、
を実行するように構成されており、
前記着色剤は、カラー印刷及びモノクロ印刷の少なくとも一方で用いられる複数色の着色剤であり、
前記第2表示処理は、前記カラー印刷における前記印刷状況情報と、前記モノクロ印刷における前記印刷状況情報とを、それぞれ前記表示部に表示する処理を含む、
表示制御装置。
【請求項2】
表示部と、
入力部と、
記憶部と、
制御部と、
を備える表示制御装置であって、
前記制御部は、
画像形成装置での印刷状況に関する印刷状況情報を、あらかじめ定められた取得条件が成立するたびに取得して、前記記憶部に記憶させる記憶制御処理と、
前記記憶制御処理によって前記記憶部に記憶させた前記印刷状況情報に基づき、過去の時点から現在の時点までに含まれる複数の期間と当該複数の期間それぞれにおいて変化した着色剤の残量との関係をグラフ化して、そのグラフが含まれるグラフ表示領域を前記表示部に表示する第1表示処理と、
前記入力部での入力操作により、前記表示部に表示されている前記グラフ表示領域において、前記複数の期間のうちの少なくとも1つの期間に対応する箇所を指定する操作が行われた場合に、指定された箇所に対応する少なくとも1つの期間を選択する選択処理と、
前記選択処理によって選択された前記少なくとも1つの期間について、前記印刷状況情報を前記表示部に表示する第2表示処理と、
を実行するように構成されており、
前記画像形成装置は、少なくとも1つの設定項目に対し、複数の設定内容の中から選ばれる1つの設定内容を設定可能に構成され、印刷時には、前記設定項目に設定された前記設定内容に従って印刷を実行するように構成され、
前記第2表示処理は、特定の設定項目に関し、特定の設定内容が設定されて印刷が行われた場合における前記印刷状況情報と、前記特定の設定内容以外の設定内容が設定されて印刷が行われた場合における前記印刷状況情報とを、それぞれ前記表示部に表示する処理を含む、
表示制御装置。
【請求項3】
表示部と、
入力部と、
記憶部と、
制御部と、
を備える表示制御装置であって、
前記制御部は、
画像形成装置での印刷状況に関する印刷状況情報を、あらかじめ定められた取得条件が成立するたびに取得して、前記記憶部に記憶させる記憶制御処理と、
前記記憶制御処理によって前記記憶部に記憶させた前記印刷状況情報に基づき、過去の時点から現在の時点までに含まれる複数の期間と当該複数の期間それぞれにおいて変化した着色剤の残量との関係をグラフ化して、そのグラフが含まれるグラフ表示領域を前記表示部に表示する第1表示処理と、
前記入力部での入力操作により、前記表示部に表示されている前記グラフ表示領域において、前記複数の期間のうちの少なくとも1つの期間に対応する箇所を指定する操作が行われた場合に、指定された箇所に対応する少なくとも1つの期間を選択する選択処理と、
前記選択処理によって選択された前記少なくとも1つの期間について、前記印刷状況情報を前記表示部に表示する第2表示処理と、
を実行するように構成されており、
前記選択処理は、前記入力部での入力操作により、前記表示部に表示されている前記グラフ表示領域において、前記複数の期間のうちの2つ以上の期間に対応する箇所を指定する操作が行われた場合に、指定された箇所に対応する2つ以上の期間を選択する処理を含み、
前記第2表示処理は、前記選択処理によって選択された前記2つ以上の期間について、前記印刷状況情報を前記表示部に表示するように構成され、その際、前記選択処理によって選択された前記2つ以上の期間の中に、表示項目の内容が他の期間とは異なる少なくとも1つの期間が含まれている場合に、当該少なくとも1つの期間における前記表示項目の内容を、前記他の期間における前記表示項目の内容とは異なる態様で表示する処理を含む、
表示制御装置。
【請求項4】
表示部と、
入力部と、
記憶部と、
制御部と、
を備える表示制御装置であって、
前記制御部は、
画像形成装置での印刷状況に関する印刷状況情報を、あらかじめ定められた取得条件が成立するたびに取得して、前記記憶部に記憶させる記憶制御処理と、
前記記憶制御処理によって前記記憶部に記憶させた前記印刷状況情報に基づき、過去の時点から現在の時点までに含まれる複数の期間と当該複数の期間それぞれにおいて変化した着色剤の残量との関係をグラフ化して、そのグラフが含まれるグラフ表示領域を前記表示部に表示する第1表示処理と、
前記入力部での入力操作により、前記表示部に表示されている前記グラフ表示領域において、前記複数の期間のうちの少なくとも1つの期間に対応する箇所を指定する操作が行われた場合に、指定された箇所に対応する少なくとも1つの期間を選択する選択処理と、
前記選択処理によって選択された前記少なくとも1つの期間について、前記印刷状況情報を前記表示部に表示する第2表示処理と、
を実行するように構成されており、
前記記憶制御処理は、前記画像形成装置に設けられた印刷機構のクリーニングが実行されることを前記取得条件の1つとして、当該取得条件が成立するたびに、前記クリーニングの実行回数を含む前記印刷状況情報を取得して、前記記憶部に記憶させる処理を含み、
前記選択処理は、前記入力部での入力操作により、前記表示部に表示されている前記グラフ表示領域において、前記複数の期間のうちの2つ以上の期間に対応する箇所を指定する操作が行われた場合に、指定された箇所に対応する2つ以上の期間を選択する処理を含み、
前記第2表示処理は、前記選択処理によって選択された前記2つ以上の期間について、前記クリーニングの実行回数を含む前記印刷状況情報を、前記表示部に表示するように構成され、その際、前記選択処理によって選択された前記2つ以上の期間の中に、前記クリーニングの実行回数があらかじめ定められたしきい値以上となる期間が含まれている場合には、前記クリーニングの実行回数が前記しきい値未満となる期間とは異なる態様で、前記クリーニングの実行回数を表示する処理を含む、
表示制御装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の表示制御装置であって、
前記第1表示処理は、折れ線グラフが前記グラフとして含まれる前記グラフ表示領域を前記表示部に表示する処理を含み、
前記選択処理は、前記折れ線グラフの線上以外の領域において、少なくとも1箇所を指定する操作が行われた場合に、指定された箇所に対応する少なくとも1つの期間を選択する処理を含む、
表示制御装置。
【請求項6】
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の表示制御装置であって、
前記第2表示処理は、前記選択処理によって選択された前記少なくとも1つの期間の中に、前記現在の時点までの期間である最新の期間が含まれている場合に、前記最新の期間に対応する前記印刷状況情報に加えて、前記現在の時点以降の前記印刷状況を予測する印刷状況予測情報を、前記表示部に表示する処理を含む、
表示制御装置。
【請求項7】
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の表示制御装置であって、
前記画像形成装置は、
複数色の前記着色剤がそれぞれ収容されており、収容された前記着色剤の残量が無くなった場合に交換されるカートリッジ、
を備え、
前記記憶制御処理は、前記カートリッジが交換されること、前記画像形成装置が印刷を実行すること、前記画像形成装置に設けられた印刷機構のクリーニングが実行されること、及びあらかじめ定められた情報取得日時であることのうち、少なくとも1つを前記取得条件として、当該取得条件が成立するたびに、前記印刷状況情報を取得して、前記記憶部に記憶させる処理を含む、
表示制御装置。
【請求項8】
請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の表示制御装置であって、
前記記憶制御処理は、前記画像形成装置に設けられた印刷機構に対するクリーニングの実行回数、前記画像形成装置が備える複数の機能それぞれでの印刷枚数、前記画像形成装置の稼働日数、前記画像形成装置で使用された用紙サイズ毎の印刷枚数、及び前記画像形成装置での印刷時に設定される画質毎の印刷枚数のうち、少なくとも1つを含む印刷状況情報を、前記記憶部に記憶させる処理を含む、
表示制御装置。
【請求項9】
表示部と、入力部と、記憶部と、制御部と、を備える表示制御装置において、前記制御部によって実行される表示制御方法であって、
画像形成装置での印刷状況に関する印刷状況情報を、あらかじめ定められた取得条件が成立するたびに取得して、前記記憶部に記憶させることと、
前記記憶部に記憶させた前記印刷状況情報に基づき、過去の時点から現在の時点までに含まれる複数の期間と当該複数の期間それぞれにおいて変化した着色剤の残量との関係をグラフ化して、そのグラフが含まれるグラフ表示領域を前記表示部に表示することと、
前記入力部での入力操作により、前記表示部に表示されている前記グラフ表示領域において、前記複数の期間のうちの少なくとも1つの期間に対応する箇所を指定する操作が行われた場合に、指定された箇所に対応する少なくとも1つの期間を選択することと、
選択された前記少なくとも1つの期間について、前記印刷状況情報を前記表示部に表示することと、
を含み、
前記着色剤は、カラー印刷及びモノクロ印刷の少なくとも一方で用いられる複数色の着色剤であり、
選択された前記少なくとも1つの期間について、前記印刷状況情報を前記表示部に表示する際には、前記カラー印刷における前記印刷状況情報と、前記モノクロ印刷における前記印刷状況情報とを、それぞれ前記表示部に表示する、
表示制御方法。
【請求項10】
表示部と、入力部と、記憶部と、制御部と、を備える表示制御装置において、
前記制御部に、
画像形成装置での印刷状況に関する印刷状況情報を、あらかじめ定められた取得条件が成立するたびに取得して、前記記憶部に記憶させる記憶制御処理と、
前記記憶制御処理によって前記記憶部に記憶させた前記印刷状況情報に基づき、過去の時点から現在の時点までに含まれる複数の期間と当該複数の期間それぞれにおいて変化した着色剤の残量との関係をグラフ化して、そのグラフが含まれるグラフ表示領域を前記表示部に表示する第1表示処理と、
前記入力部での入力操作により、前記表示部に表示されている前記グラフ表示領域において、前記複数の期間のうちの少なくとも1つの期間に対応する箇所を指定する操作が行われた場合に、指定された箇所に対応する少なくとも1つの期間を選択する選択処理と、
前記選択処理によって選択された前記少なくとも1つの期間について、前記印刷状況情報を前記表示部に表示する第2表示処理と、
を実行させるプログラムであり、
前記着色剤は、カラー印刷及びモノクロ印刷の少なくとも一方で用いられる複数色の着色剤であり、
前記第2表示処理は、前記カラー印刷における前記印刷状況情報と、前記モノクロ印刷における前記印刷状況情報とを、それぞれ前記表示部に表示する処理を含む、
表示制御プログラム。
【請求項11】
表示部と、
入力部と、
記憶部と、
制御部と、
を備える表示制御装置であって、
前記制御部は、
画像形成装置での印刷状況に関する印刷状況情報を、あらかじめ定められた取得条件が成立するたびに取得して、前記記憶部に記憶させる記憶制御処理と、
前記記憶制御処理によって前記記憶部に記憶させた前記印刷状況情報に基づき、過去の時点から現在の時点までに含まれる複数の期間と当該複数の期間それぞれにおいて変化した着色剤の残量との関係をグラフ化して、そのグラフが含まれるグラフ表示領域を前記表示部に表示する第1表示処理と、
前記入力部での入力操作により、前記表示部に表示されている前記グラフ表示領域において、前記複数の期間のうちの少なくとも1つの期間に対応する箇所を指定する操作が行われた場合に、指定された箇所に対応する少なくとも1つの期間を選択する選択処理と、
前記選択処理によって選択された前記少なくとも1つの期間について、前記印刷状況情報を前記表示部に表示する第2表示処理と、
を実行するように構成されている表示制御装置。
【請求項12】
表示部と、入力部と、記憶部と、制御部と、を備える表示制御装置において、前記制御部によって実行される表示制御方法であって、
画像形成装置での印刷状況に関する印刷状況情報を、あらかじめ定められた取得条件が成立するたびに取得して、前記記憶部に記憶させることと、
前記記憶部に記憶させた前記印刷状況情報に基づき、過去の時点から現在の時点までに含まれる複数の期間と当該複数の期間それぞれにおいて変化した着色剤の残量との関係をグラフ化して、そのグラフが含まれるグラフ表示領域を前記表示部に表示することと、
前記入力部での入力操作により、前記表示部に表示されている前記グラフ表示領域において、前記複数の期間のうちの少なくとも1つの期間に対応する箇所を指定する操作が行われた場合に、指定された箇所に対応する少なくとも1つの期間を選択することと、
選択された前記少なくとも1つの期間について、前記印刷状況情報を前記表示部に表示することと、
を含む表示制御方法。
【請求項13】
表示部と、入力部と、記憶部と、制御部と、を備える表示制御装置において、
前記制御部に、
画像形成装置での印刷状況に関する印刷状況情報を、あらかじめ定められた取得条件が成立するたびに取得して、前記記憶部に記憶させる記憶制御処理と、
前記記憶制御処理によって前記記憶部に記憶させた前記印刷状況情報に基づき、過去の時点から現在の時点までに含まれる複数の期間と当該複数の期間それぞれにおいて変化した着色剤の残量との関係をグラフ化して、そのグラフが含まれるグラフ表示領域を前記表示部に表示する第1表示処理と、
前記入力部での入力操作により、前記表示部に表示されている前記グラフ表示領域において、前記複数の期間のうちの少なくとも1つの期間に対応する箇所を指定する操作が行われた場合に、指定された箇所に対応する少なくとも1つの期間を選択する選択処理と、
前記選択処理によって選択された前記少なくとも1つの期間について、前記印刷状況情報を前記表示部に表示する第2表示処理と、
を実行させる表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、着色剤残量の経時的変化を折れ線グラフで示し、折れ線で示された着色剤残量の変化から得られる近似直線を用いてカートリッジの交換時期を予測することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-123311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、着色剤残量の経時的変化のみでは、画像形成装置の利用者は、着色剤がどのように使用されたことにより着色剤残量が減少したのかを把握することができないという問題があった。
【0005】
本開示の一局面においては、着色剤残量が減少した原因を把握するための情報を容易に取得できる技術を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面における表示制御装置は、表示部と、入力部と、記憶部と、制御部と、を備える。制御部は、記憶制御処理と、第1表示処理と、選択処理と、第2表示処理と、を実行するように構成されている。記憶制御処理は、画像形成装置での印刷状況に関する印刷状況情報を、あらかじめ定められた取得条件が成立するたびに取得して、記憶部に記憶させる。第1表示処理は、記憶制御処理によって記憶部に記憶させた印刷状況情報に基づき、過去の時点から現在の時点までに含まれる複数の期間と当該複数の期間それぞれにおいて変化した着色剤の残量との関係をグラフ化して、そのグラフが含まれるグラフ表示領域を表示部に表示する。選択処理は、入力部での入力操作により、表示部に表示されているグラフ表示領域において、複数の期間のうちの少なくとも1つの期間に対応する箇所を指定する操作が行われた場合に、指定された箇所に対応する少なくとも1つの期間を選択する。第2表示処理は、選択処理によって選択された少なくとも1つの期間について、印刷状況情報を表示部に表示する。
【0007】
このように構成された表示制御装置によれば、入力部での入力操作により、複数の期間のうちの少なくとも1つの期間に対応する箇所を指定する操作が行われると、少なくとも1つの期間について、印刷状況情報が表示部に表示される。したがって、利用者は、グラフ表示領域において印刷状況情報を知りたい期間に対応する箇所を指定する、という簡単な操作を行うだけで、所望の期間に対応する使用状況情報を知ることができる。
【0008】
なお、前記表示制御装置において制御部によって実行される表示制御方法、前記表示制御装置において制御部に上述の各処理を実行させる表示制御プログラム、前記制御プログラムを格納するコンピュータ読み取り可能な記録媒体、画像形成装置と通信可能な情報処理装置であって前記表示制御装置を備える情報処理装置、前記情報処理装置と前記表示制御装置を備える画像形成装置とを含む画像形成システム、及び前記表示制御装置を備える画像形成装置等も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は画像処理システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は情報取得処理を示すフローチャートである。
図3図3は情報蓄積処理を示すフローチャートである。
図4図4は第1表示処理を示すフローチャートである。
図5図5は第2表示処理を示すフローチャートである。
図6図6はグラフ表示ウィンドウの一例を示す説明図である。
図7図7(A)はグラフ表示ウィンドウ及びポップアップウィンドウの一例を示す説明図である。図7(B)は図7(A)中のポップアップウィンドウを拡大して示す説明図である。
図8図8(A)はグラフ表示ウィンドウ及びポップアップウィンドウの別の一例を示す説明図である。図8(B)は図8(A)中のポップアップウィンドウを拡大して示す説明図である。
図9図9(A)はグラフ表示ウィンドウ及びポップアップウィンドウの更に別の一例を示す説明図である。図9(B)は図9(A)中のポップアップウィンドウを拡大して示す説明図である。
図10図10(A)は図8(A)に示すポップアップウィンドウがクリックされた場合の表示例を示す説明図である。図10(B)は図10(A)中のポップアップウィンドウを拡大して示す説明図である。
図11図11(A)は図10(A)に示すグラフ表示ウィンドウ及びポップアップウィンドウが表示されている状態において、更にグラフ表示ウィンドウがクリックされた場合の表示例を示す説明図である。図11(B)は図11(A)中のポップアップウィンドウを拡大して示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、上述の表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラムについて、例示的な実施形態を挙げて説明する。
[画像処理システムの構成]
図1に示すように、画像処理システム1は、情報処理装置10(例えばパーソナルコンピュータ。)及び画像形成装置20(例えば複合機。)を備える。情報処理装置10及び画像形成装置20は、それぞれがLAN30に接続され、LAN30経由で相互に通信可能に構成されている。
【0011】
情報処理装置10は、制御部11、記憶部12、表示部13、入力部14及び通信部15を備える。制御部11は、CPUを備える。制御部11は、非遷移的実体的記録媒体である記憶部12に記憶されたプログラムに従って処理及び制御を実行し、情報処理装置10が備える各種機能を実現する。ただし、制御部11により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、1つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0012】
記憶部12は、例えばROM、RAM、NVRAM及びフラッシュメモリ等に代表される半導体メモリを備える。記憶部12は、各種ソフトウェア及びデータを記憶する。本実施形態では、記憶部12に、ソフトウェアとして、表示制御プログラム12Aが記憶されている。表示制御プログラム12Aは、後述する表示制御処理(より詳しくは情報取得処理、情報蓄積処理、第1表示処理及び第2表示処理。)を実行するためのプログラムである。表示部13は、表示装置(例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ。)を備え、各種画像を表示するように構成されている。
【0013】
入力部14は、入力用デバイス(例えば、マウス等のポインティングデバイス及びキーボード。)と、入力用デバイスからの入力を処理する入力コントローラとを備える。利用者は、入力部14での入力操作により、情報処理装置10に対する各種指令を入力することができる。通信部15は、LANの規格に準拠したネットワークインタフェースコントローラを備える。なお、通信部15は、無線LAN及び有線LANのいずれを介して通信可能に構成されていてもよい。また、通信部15は、LAN規格以外の通信規格(例えばUSB規格。)に準拠した通信インタフェースで構成されていてもよい。
【0014】
画像形成装置20は、制御部21、記憶部22、表示部23、入力部24、通信部25、印刷部26及びカートリッジ検出部27を備える。制御部21はCPUを備える。制御部21は、非遷移的実体的記録媒体である記憶部22に記憶されたプログラムに従って処理及び制御を実行し、画像形成装置20が備える各種機能を実現する。ただし、制御部21により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、1つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0015】
記憶部22は、例えばROM、RAM、NVRAM及びフラッシュメモリ等に代表される半導体メモリを備える。記憶部22は、画像形成装置20の各部を制御するためのソフトウェア及びデータを記憶する。表示部23は、表示装置(例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ。)を備え、各種画像を表示するように構成されている。入力部24は、各種入力操作を受け付けるための入力用デバイスを備える。本実施形態の入力部24は、入力用デバイスとして透明なタッチパネルを備える。この透明なタッチパネルは、表示部23の表示装置に重ねて配置されている。
【0016】
印刷部26は、シート状の被記録媒体に画像を印刷可能に構成されている。本実施形態の場合、印刷部26は、インクジェット方式の印刷機構を備える。通信部25は、LANの規格に準拠したネットワークインタフェースコントローラを備える。なお、通信部25は、無線LAN及び有線LANのいずれを介して通信可能に構成されていてもよい。また、通信部25は、LAN規格以外の通信規格(例えばUSB規格。)に準拠した通信インタフェースで構成されていてもよい。
【0017】
カートリッジ検出部27は、カートリッジ28の着脱を検出可能に構成されている。カートリッジ28には、印刷時に使用される着色剤(本実施形態ではインク。)が収容されている。本実施形態の場合、画像形成装置20は、カラー印刷機能及びモノクロ印刷機能を有し、4色(ブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー。)の着色剤それぞれを収容する4本のカートリッジ28を装着可能に構成されている。カートリッジ検出部27は、4色の着色剤それぞれに対応するカートリッジ28が装着されると、その旨を示す装着信号を制御部21へ出力するように構成されている。
【0018】
また、画像形成装置20は、4本のカートリッジ28それぞれに対応する4つのサブタンク29を備える。画像形成装置20にカートリッジ28が装着されると、カートリッジ28に収容されている着色剤はサブタンク29へと供給される。印刷部26での印刷の際には、サブタンク29に貯留された着色剤が印刷部26に設けられた記録ヘッド26Aへと供給される。このようなサブタンク29を設けることにより、カートリッジ28に収容された着色剤の残量がなくなった場合でも、サブタンク29に貯留された着色剤の残量がなくなるまでは、印刷を継続することができる。また、サブタンク29内の着色剤を利用して印刷を継続している期間に、カートリッジ28の交換を行うことができるので、カートリッジ28の交換時期に印刷不能な期間が生じるのを防止又は抑制することができる。
【0019】
[情報取得処理]
次に、情報処理装置10の制御部11が実行する情報取得処理について、図2に基づいて説明する。図2に示す情報取得処理は、処理対象となるイベントが発生したことを制御部11が検知した際に、制御部11によって実行される処理である。情報取得処理を開始すると、制御部11は、図2に示すように、カートリッジ28が交換されたというイベントを取得したか否かを判断する(S110)。S110において、カートリッジ28が交換されたというイベントを取得したと判断した場合(S110:YES)、制御部11は、カートリッジ28の交換日時を記憶部12に記憶して(S120)、情報取得処理を終了する。
【0020】
一方、S110において、カートリッジ28が交換されたというイベントを取得していないと判断した場合(S110:NO)、制御部11は、画像形成装置20で印刷が行われたというイベントを取得したか否かを判断する(S130)。具体的には、制御部11は、印刷が完了したことを示す印刷完了通知を画像形成装置20から取得した場合に、画像形成装置20で印刷が行われたと判断する。S130において、画像形成装置20で印刷が行われたというイベントを取得したと判断した場合(S130:YES)、制御部11は、各色の累積印刷ページ数に現印刷ページ数を加算して累積印刷ページ数を更新し、各色の累積印刷時インク使用量に現印刷時インク使用量加算して各色の累積印刷時インク使用量を更新する(S140)。
【0021】
続いて、制御部11は、印刷実行フラグを立てて(S141)、カラー印刷か否かを判断する(S142)。S142においてカラー印刷であると判断した場合(S142:YES)、それまでのカラーの累積印刷枚数に対し、今回のカラーの印刷枚数を加算する(S143)。また、今回のカラー印刷に関し、機能別印刷枚数、サイズ別印刷枚数及び画質別印刷枚数を、それぞれの累積印刷枚数に対して加算する(S144)。S144において、機能別印刷枚数は、FAX機能、コピー機能、プリント機能及びその他の機能の4通りに分けてカウントする。S144を終えたら、情報取得処理を終了する。
【0022】
一方、S142においてカラー印刷ではないと判断した場合(S142:NO)、それまでのモノクロの累積印刷枚数に対し、今回のモノクロの印刷枚数を加算する(S145)。また、今回のモノクロ印刷に関し、機能別印刷枚数、サイズ別印刷枚数及び画質別印刷枚数を、それぞれの累積印刷枚数に対して加算する(S146)。S144において、機能別印刷枚数は、FAX機能、コピー機能、プリント機能及びその他の機能の4通りに分けてカウントする。S146を終えたら、情報取得処理を終了する。サイズ別印刷枚数は、A4サイズを基準にして、A4サイズとA4よりも大きいサイズとA4よりも小さいサイズの3通りに分けてカウントする。画質別印刷枚数は、高画質とそれ以外の2通りに分けてカウントする。
【0023】
S130において、画像形成装置20で印刷が行われたというイベントを取得していないと判断した場合(S130:NO)、制御部11は、印刷機構(より具体的には記録ヘッド26A。)のクリーニングが実行されたというイベントを取得したか否かを判断する(S150)。具体的には、制御部11は、クリーニング完了通知を画像形成装置20から取得した場合に、画像形成装置20でクリーニングが行われたと判断する。S150において、クリーニングが行われたというイベントを取得したと判断した場合、制御部11は、ブラック及びカラーの双方を対象にしたクリーニングであれば、モノクロ及びカラーの累積クリーニング回数に現クリーニング回数を加算し、ブラックを対象にしたクリーニングであれば、モノクロの累積クリーニング回数に現クリーニング回数を加算し、カラーを対象にしたクリーニングであれば、カラーの累積クリーニング回数に現クリーニング回数を加算する(S160)。S160を終えたら、情報取得処理を終了する。
【0024】
なお、S150において、クリーニングが行われたというイベントを取得していないと判断した場合(S150:NO)、制御部11は、他の処理を実行する(S170)。S170で実行される処理は、カーリッジ交換、印刷及びクリーニングとは別のイベントが発生したことに対応する処理である。ただし、この処理は、本開示の要部との関連性が希薄なので、これ以上の説明については省略する。
【0025】
[情報蓄積処理]
次に、情報処理装置10の制御部11が実行する情報蓄積処理について、図3に基づいて説明する。図3に示す情報蓄積処理は、上述の情報取得処理によって取得された情報を1日毎に蓄積するための処理である。情報蓄積処理は、所定の時刻が到来したことを制御部11が検知した際に、制御部11によって実行される処理である。情報蓄積処理を開始すると、制御部11は、図3に示すように、定期取得日時であるか否かを判断する(S210)。定期取得日時は、利用者が任意に設定可能な時刻であるが、例えば毎日0時0分に設定されていればよい。
【0026】
S210において定期取得日時であると判断した場合(S210:YES)、制御部11は、印刷状況情報として、日時、各色のインク残量、モノクロ印刷における「印刷枚数(Total)、機能別ページ数(Fax、Copy、Print、Other)、サイズ別ページ数(大サイズ、A4、小サイズ)、画質(高画質、その他)及びクリーニング回数」、カラー印刷における「印刷枚数(Total)、機能別ページ数(Fax、Copy、Print、Other)、サイズ別ページ数(大サイズ、A4、小サイズ)、画質(高画質、その他)、及びクリーニング回数」、印刷実行フラグを、記憶部12に記憶する(S220)。続いて、制御部11は、印刷実行フラグを下ろす(S225)。S225を終えたら、情報蓄積処理を終了する。
【0027】
一方、S210において定期取得日時でないと判断した場合(S210:NO)、制御部11は、他の処理を実行する(S230)。S230で実行される処理は、定期取得日時以外の時刻が到来したことに対応する処理である。ただし、この処理は、本開示の要部との関連性が希薄なので、これ以上の説明については省略する。S230を終えたら、情報蓄積処理を終了する。
【0028】
[第1表示処理]
次に、情報処理装置10の制御部11が実行する第1表示処理について、図4に基づいて説明する。第1表示処理は、利用者が入力部14での入力操作によって画像形成装置20に関する情報表示を指令した際に実行される処理である。第1表示処理を開始すると、制御部11は、グラフ表示開始日をM月D日とする(S310)。S310では、例えば、現在時刻に基づき、今月の6か月前の月がM月に設定され、その月の初日である1日がD日に設定される。ただし、M月を「今月の6か月前」とするのは一例であり、「6か月前」以外(例えば9か月前や12か月前。)としてもよいし、何か月前とするのかを利用者が任意に設定可能としてもよい。また、D日を「1日」とするのは一例であり、毎月何日とするのかを利用者が任意に設定可能としてもよい。
【0029】
続いて、制御部11は、M2月D2日をM月D日から一定期間後とする(S310)。S310では、例えば、M月D日に基づき、M2月をM月の翌月、D2日を1日に設定する。すなわち、S310でいう一定期間は、厳密な意味での一定時間でなくてもよく、カレンダー上での1か月という期間(例えば28日から31日までのいずれかになり得る期間。)をも含む概念である。ただし、M2月D2日を上述のように1か月後とするのは一例であり、1か月後以外(例えば月単位で2か月後や日単位で30日後。)としてもよいし、何日後とするのかを利用者が任意に設定可能としてもよい。
【0030】
続いて、制御部11は、M2月D2日は現在より前か否かを判断する(S330)。S330において、M2月D2日は現在より前であると判断した場合(S330:YES)、制御部11は、M月D日からM2月D2日までの期間開始時と終了時の「各色のインク残量」を記録する(S340)。続いて、制御部11は、M月D日からM2月D2日までの期間内の「印刷実行日数」、「印刷ページ数(合計)」、「機能別ページ数」、「サイズ別ページ数」、「画質別ページ数」、「クリーニング回数」を算出する(S350)。
【0031】
続いて、制御部11は、S320で設定したM2月D2日を新たなM月D日に設定して(S370)、S320へ戻る。これにより、S320では、S370で設定された新たなM月D日に基づいて、新たなM2月D2日が設定される。S330では、S320で設定された新たなM2月D2日が現在より前か否かを判断する。したがって、S330でM2月D2日が現在より前であると判断される間は、S320-S370が繰り返し実行される。
【0032】
一方、S330において、M2月D2日が現在以降であると判断した場合は(S330:NO)、制御部11は、M月D日から現在までの期間開始時と終了時の「各色のインク残量」を記録する(S440)。続いて、制御部11は、M月D日から現在までの期間内の「印刷実行日数」、「印刷ページ数(合計)」、「機能別ページ数」、「サイズ別ページ数」、「画質別ページ数」、「クリーニング回数」を算出する(S450)。
【0033】
続いて、制御部11は、M月D日からM2月D2日までの「印刷ページ数(合計)」の予測を算出する(S470)。S470で算出される予測値は、「(M月D日から現在までの印刷ページ数(合計)の累積カウント値)×(M月D日からM2月D2日までの日数)/(M月D日から現在までの日数)」によって算出する。
【0034】
続いて、制御部11は、S480において、S310-S470で整理した印刷状況情報に基づき、過去の時点から現在の時点までに含まれる複数の期間と、その複数の期間それぞれにおいて変化した4色の着色剤それぞれの残量との関係を、4色の着色剤それぞれについて折れ線グラフ化して、その4つの折れ線グラフが含まれるグラフ表示領域を表示部13に表示する(S480)。S480を終えたら第1表示処理を終了する。
【0035】
S480を実行すると、表示部13には、図6に例示するようなグラフ表示領域を含むグラフ表示ウィンドウ51が表示される。図6では、グラフを白黒二値画像で表現する都合上、4つの折れ線グラフを、線の太さと線種(実線及び破線。)が異なる折れ線で描き分けてある。ただし、実際の折れ線グラフはカラー画像で構成されており、4つの折れ線がインクの色と同色の折れ線で表現されている。これにより、各折れ線がどの色のインクに対応しているのかを、グラフを見た利用者が直感的に理解できるようになっている。なお、図6に示す4つの折れ線は、図中での上から順に太い実線、太い破線、細い実線及び細い破線となっているが、それぞれ上から順に黒、マゼンタ、シアン及びイエローの各色に対応している。
【0036】
グラフの縦軸は、カートリッジ28の容量とサブタンク29の容量の合計値を100%とするインク残量を示している。本実施形態の場合、黒色のインクに対応するカートリッジ28及びサブタンク29は、他の色に対応するカートリッジ28及びサブタンク29よりも大容量とされている。そのため、グラフ上でのインク残量が同じであっても、その場合の黒色インクの残量と他の色の残量は、絶対量を比較すると黒色インクの残量が多いことになる。グラフの横軸は、S310で設定されたグラフ表示開始日から現在以降に至る期間を示している。
【0037】
[第2表示処理]
次に、情報処理装置10の制御部11が実行する第2表示処理について、図5に基づいて説明する。第2表示処理は、利用者が入力部14での入力操作を行った際に、上述のグラフ表示領域又は後述するポップアップウィンドウを対象領域として、対象領域に含まれる箇所をポイントする操作が検出された場合に実行される処理である。ポイントする操作の例としては、例えば、マウスカーソルによって対象領域に含まれる箇所をポイントする操作を挙げることができる。例えば、対象領域に含まれる箇所がマウスカーソルの先端で指される状態とされ、その状態でマウスがクリックされたら、マウスカーソルの先端で指された箇所がポイントされたと判定すればよい。また、クリックを契機として判定するか否かは任意であり、例えば、対象領域に含まれる箇所がマウスカーソルの先端で指される状態とされ、その状態で所定の判定時間が経過したら、マウスカーソルの先端で指された箇所がポイントされたと判定してもよい。
【0038】
第2表示処理を開始すると、制御部11は、入力部14での入力操作が、グラフ表示領域に含まれるグラフの背景をポイントする操作であったか否かを判断する(S510)。S510では、図6に例示したようなグラフ表示領域において、折れ線以外の箇所を指定する操作(すなわち、ポイントする操作。)が行われたか否かを判断する。
【0039】
S510において、グラフの背景をポイントする操作であったと判断した場合(S510:YES)、制御部11は、ポイント箇所に基づき、ポイント箇所に対応する期間を選択する(S520)。例えば、ポイント箇所が期間2019/1/1-1/31に対応する範囲に含まれる場合、S520では、期間2019/1/1-1/31が選択される。
【0040】
続いて、制御部11は、S520によって選択された期間が最新の期間か否かを判断する(S530)。最新の期間は、現在の時点を含む期間であり、図6に示す例の場合であれば、3/1以降の期間が最新の期間である。S530において最新の期間ではないと判断した場合(S530:NO)、制御部11は、S520によって選択された1つの期間における印刷状況情報を、表示部13に表示する(S540)。
【0041】
S540を実行すると、図7(A)に示すように、表示部13には、S480によって表示されたグラフ表示ウィンドウ51に加えて、ポップアップウィンドウ53が表示される。このポップアップウィンドウ53には、図7(B)に拡大して示すように、表示対象期間、その期間における印刷稼働日数、ブラックのクリーニング回数、カラーのクリーニング回数、モノクロの機能別印刷枚数、サイズ別印刷枚数、画質別印刷枚数、カラーの機能別印刷枚数、サイズ別印刷枚数、画質別印刷枚数等が表示される。
【0042】
表示対象期間、その期間における印刷稼働日数、ブラックのクリーニング回数、カラーのクリーニング回数は、テキストオブジェクトによって表示される。モノクロの機能別印刷枚数、サイズ別印刷枚数、画質別印刷枚数、カラーの機能別印刷枚数、サイズ別印刷枚数、画質別印刷枚数は、帯グラフ状に構成される画像オブジェクトによって表示される。
【0043】
図7(A)に示す例の場合、マウスカーソル55によるポイント箇所が期間1/1-1/31に対応する範囲内にある。そのため、S540では、第1表示処理において整理された印刷状況情報の中から、上記ポップアップウィンドウ53での表示対象となる情報群を抽出して、その抽出された情報に基づいて、上記テキストオブジェクト及び画像オブジェクトを生成する。生成されたオブジェクトは、ポップアップウィンドウ53内に配置されて、グラフ表示ウィンドウ51とは別のウィンドウとして、表示部13に表示される。
【0044】
ポップアップウィンドウ53内に配置されるテキストオブジェクト及び画像オブジェクトのうち、一部のオブジェクトは、当該一部のオブジェクト以外のオブジェクトとは、異なる態様で表示される。図7(B)に例示するポップアップウィンドウ53の場合、カラーのクリーニング回数を示すテキストオブジェクトが、他のテキストオブジェクトとは異なる態様で表示されている。
【0045】
図7(B)では、白黒二値画像で表現する都合上、カラーのクリーニング回数を示すテキストオブジェクトの周囲に、他のテキストオブジェクトよりも太い枠線を付加して、他のテキストとは表示態様が異なることを表現してある。ただし、実際のポップアップウィンドウ53は、カラー画像となるので、カラーのクリーニング回数を示すテキストオブジェクトの周囲には赤色の枠線が付加され、それ以外のテキストオブジェクトは黒色の枠線とされることで、異なる表示態様とされている。
【0046】
すなわち、ここでいう異なる表示態様は、2つ以上の表示態様を利用者が区別して識別できるような表示態様であればよい。そのような異なる表示態様としては、上述のような網掛けの有無、色の違いの他にも、例えば、常時点灯と点滅、背景色の違い、輝度の違い、通常表示と反転表示等を採用でき、これらを2つ以上組み合わせて採用することもできる。
【0047】
また、図7(B)に例示するポップアップウィンドウ53の場合、カラーの画質別印刷枚数における「高画質の印刷枚数」を示す画像オブジェクトについても、他の画像オブジェクトとは異なる態様で表示されている。この画像オブジェクトも、図示の都合上、太い線が付加されているが、実際は赤色の線が付加されることで、黒色の線で描かれた他のオブジェクトとは異なる表示態様とされている。
【0048】
本実施形態の場合、表示対象となっている期間のインクの使用状況が他の期間とは異なっている場合に、その原因と推定される情報(以下、原因情報とも称する。)を示すオブジェクトについて、他のオブジェクトとは異なる態様で表示する。図7(B)に示す例の場合、表示対象となっている期間におけるインク残量が、他の期間よりも急激に減少している。そこで、表示対象期間と他の期間とで同項目のデータ同士を比較して、表示対象期間における数値が他の期間よりも過大となっている項目や過少となっている項目があれば、その項目を対象にテキストオブジェクトの表示態様を変更する。
【0049】
図7(B)に示す例の場合、表示対象期間におけるカラーのクリーニング回数が他の期間よりも多く、また、表示対象期間における高画質印刷の枚数が他の期間よりも多い。そのため、クリーニング回数や高画質印刷に関係するオブジェクトの表示態様を他のオブジェクトとは異なる表示態様とすることで、利用者が着目しやすくなるような表示態様とする。これにより、利用者が、表示対象期間におけるインクの消費量が通常よりも多いと感じた際に、その一因がクリーニング回数や高画質印刷の枚数の多さにあるということに容易に気づくことができる。
【0050】
図8(A)に示す例の場合、マウスカーソル55によるポイント箇所が期間11/1-11/30に対応する範囲内にある。そのため、S540では、第1表示処理において整理された印刷状況情報の中から、図8(B)に示すポップアップウィンドウ63Aでの表示対象となる情報群を抽出して、その抽出された情報に基づいて、上記テキストオブジェクト及び画像オブジェクトを生成する。生成されたオブジェクトは、ポップアップウィンドウ63A内に配置されて、グラフ表示ウィンドウ51とは別のウィンドウとして、表示部13に表示される。
【0051】
図8(B)に示す例の場合、表示対象期間における高画質印刷の枚数が他の期間よりも少ない。そのため、高画質印刷に関係するオブジェクトの表示態様を他のオブジェクトとは異なる表示態様とすることで、利用者が着目しやすくなるような表示態様とする。これにより、利用者が、表示対象期間におけるインクの消費量が通常よりも少ないと感じた際に、その一因が高画質印刷の枚数の少なさにあるということに容易に気づくことができる。
【0052】
なお、図示の都合上、図7(B)と図8(B)では、どちらも高画質印刷を示すオブジェクトに同様な太い枠線を付加してあるが、実際は、図7(B)において付加した太い枠線は赤色であり、図8(B)において付加した太い枠線は青色である。したがって、利用者は、高画質印刷の枚数が過多なのか過小なのかを、枠線の色を見て直感的に理解することができる。
【0053】
表示態様を変えるか否かの判定基準については種々考え得るので、項目毎に所望の判定基準を採用すればよい。具体例を挙げれば、例えば、複数の期間同士を相対的に比較して、その中で最も数値が過大又は過少となる期間について、例えば上位2位までの表示態様を変えれば、例えば直近6か月といった期間の中で最も過大又は過小となった期間がいつなのかを知ることができる。あるいは、目標上限値や目標下限値を設定したいような項目であれば、そのような目標値を超えた期間について表示態様を変えれば、目標が達成できた期間と達成できなかった期間とを容易に把握することができるようになる。
【0054】
一方、S530において、最新の期間であると判断した場合(S530:YES)、制御部11は、S520によって選択された1つの期間における印刷状況情報と、現在以降の印刷状況予測情報を、表示部13に表示する(S550)。S550を実行すると、図9(A)に示すように、表示部13には、S480によって表示されたグラフ表示ウィンドウ51に加えて、ポップアップウィンドウ61が表示される。
【0055】
このポップアップウィンドウ61には、図9(B)に拡大して示すように、図7(B)等に例示したポップアップウィンドウ53と同等な情報に加え、今後到来する期間の末日において、モノクロの機能別印刷枚数、サイズ別印刷枚数、画質別印刷枚数、カラーの機能別印刷枚数、サイズ別印刷枚数、画質別印刷枚数が、それぞれどの程度に達するかの予測値を示す画像オブジェクトが表示される。したがって、これらの予測に関する表示を見た利用者は、今月度の印刷状況について、その目安を知ることができる。
【0056】
S540又はS550を終えたらS551へ進み、制御部11は、ポップアップウィンドウを2つ以上表示しているか否かを判断する(S551)。ポップアップウィンドウを2つ以上表示している状態については後述する。ここでは、S540又はS550で1つのポップアップウィンドウを表示している場合を想定して説明を続ける。S540又はS550で1つのポップアップウィンドウを表示している場合、S551ではNOと判断し、図5に示す第2情報表示処理を終了する。
【0057】
さて、上述のS510において、グラフの背景をポイントする操作ではないと判断した場合(S510:NO)、制御部11は、ポップアップウィンドウ内の領域をポイントする操作であったか否かを判断する(S553)。S553では、既にS540又はS550が実行されてポップアップウィンドウが表示されている場合に、そのポップアップウィンドウ上の箇所をポイントする操作が行われたか否かを判断する。
【0058】
ポップアップウィンドウ内の領域をポイントする操作であると判断した場合(S553:YES)、制御部11は、ポップアップウィンドウ内の「×」ボタンをクリックする操作であったか否かを判断する(S554)。「×」ボタンの詳細については後述する。ここでは、「×」ボタンをクリックする操作ではなかった場合を想定して説明を続ける。「×」ボタンをクリックする操作ではないと判断した場合(S554:NO)、制御部11は、ポップアップウィンドウを固定し、ポップアップウィンドウの右上に「×」ボタンを表示する(S555)。
【0059】
具体例を交えて説明すると、例えば図8(A)及び図8(B)に例示したポップアップウィンドウ63Aであれば、S555が実行されることにより、図10(A)及び図10(B)に例示するポップアップウィンドウ63Bへと遷移する。ポップアップウィンドウ63Bの右上には、「×」ボタン71が表示される。S555が実行されると、ポップアップウィンドウ63Bは固定されて、表示状態のまま保持されるようになる。換言すれば、S555が実行されていない場合、図8(A)及び図8(B)に例示したポップアップウィンドウ63Aは固定されておらず、表示状態のまま保持されることはない。例えば、ポップアップウィンドウ63Aを表示する契機となったクリック操作とは別のクリック操作が行われたタイミングで、ポップアップウィンドウ63Aは消去される。
【0060】
ポップアップウィンドウ63Bの右上に「×」ボタン71が表示されている状態においては、「×」ボタン71をクリックすることができる。この場合、S554では「×」ボタンをクリックする操作であると判断し(S554:YES)、制御部11は、ポップアップウィンドウの固定を解除する(S556)。つまり、ポップアップウィンドウは、表示状態のまま保持されることはない状態に戻る。
【0061】
ここで、S555が実行されてポップアップウィンドウ63Bが固定された後に、更に図5に示す第2表示処理が実行されることもある。この場合は、S540又はS550が実行されることにより、S555によって固定されたポップアップウィンドウ63Bとは別に、2つ目以降のポップアップウィンドウが表示される。2つ目以降のポップアップウィンドウが表示された場合に、S551を実行すると、ポップアップウィンドウを2つ以上表示していると判断し(S551:YES)、制御部11は、ポップアップウィンドウの表示内容について、目盛を合わせて再表示を実行する(S558)。
【0062】
具体例を交えて説明すると、例えば、図10(A)及び図10(B)に示すようなポップアップウィンドウ63Bが表示されて固定されている状態において、グラフ表示ウィンドウ51上で1/1-1/31に対応する領域をクリックする。この場合、図11(A)及び図11(B)に示すように、固定されているポップアップウィンドウ63Cに加えて、2つ目のポップアップウィンドウ53が表示される。ポップアップウィンドウ53は、図7(A)及び図7(B)に示すポップアップウィンドウ53と全く同様の内容が含まれる。
【0063】
一方、固定されているポップアップウィンドウ63Cは、S558が実行されることにより、目盛を合わせて再表示された内容を含んでいる。具体的には、再表示前のポップアップウィンドウ63B(図10(B)参照。)においては、印刷枚数が少なめであったため、帯グラフの縦軸上限が400枚になっている。一方、図7(B)に示すポップアップウィンドウ53では、帯グラフの縦軸上限が800枚になっている。そこで、これら2つの比較を容易にするため、帯グラフの縦軸上限を2つ以上のポップアップウィンドウ間で最大となる値に統一し、その統一に伴って表示内容が変更されるポップアップウィンドウについては、S558で再表示を実行する。これにより、図11(A)及び図11(B)に示すポップアップウィンドウ63Cでは、帯グラフの縦軸上限が800枚に変更される。したがって、2つ以上のポップアップウィンドウで帯グラフの縦軸上限が異なっている場合に比べ、帯グラフ間の比較が容易になり、それぞれの印刷枚数の多さ・少なさを利用者は直感的に理解できるようになる。
【0064】
なお、S553において、ポップアップウィンドウ内の領域をポイントする操作ではないと判断した場合(S553:NO)、制御部11は、他の処理を実行して(S560)、図5に示す第2情報表示処理を終了する。S560で実行される処理は、本開示の要部との関連性が希薄なので、これ以上の説明については省略する。
【0065】
[効果]
このように構成された情報処理装置10によれば、入力部14での入力操作により、複数のグラフのうちのいずれか1つのグラフに対し、当該グラフ上の少なくとも1箇所を指定する操作が行われると、図7(B),図8(B),図9(B),図10(B)及び図11(B)に例示したような印刷状況情報を含むポップアップウィンドウ53,61,63A,63B,63Cが表示部13に表示される。したがって、利用者は、印刷状況情報を知りたい期間に対応する箇所を指定する、という簡単な操作を行うだけで、所望の期間に対応する印刷状況情報を知ることができる。
【0066】
また、上記情報処理装置10の場合、カラー印刷及びモノクロ印刷のそれぞれについて、印刷状況情報が表示される。したがって、利用者は、カラー印刷及びモノクロ印刷のそれぞれで、着色剤の使用状況がどのような状況であったのかを把握することができる。
【0067】
また、上記情報処理装置10の場合、特定の設定項目(例えば、機能種別、用紙サイズ、印刷画質等。)に関し、特定の設定内容が設定されて印刷が行われた場合、特定の設定内容以外の設定内容が設定されて印刷が行われた場合それぞれについて、印刷状況情報が表示される。したがって、利用者は、特定の設定内容が設定された場合、特定の設定内容以外の設定内容が設定された場合のそれぞれで、着色剤の使用状況がどのような状況であったのかを把握することができる。
【0068】
また、上記情報処理装置10の場合、表示項目の内容が他の期間とは異なる期間が含まれている場合には、該当する表示項目の内容が他の期間とは異なる態様で表示される。したがって、利用者は、他の期間とは表示項目の内容に差異がある期間が存在することに気づきやすくなる。
【0069】
また、上記情報処理装置10の場合、クリーニングの実行回数が他の期間とは異なる期間が含まれている場合には、クリーニングの実行回数が他の期間とは異なる態様で表示される。したがって、利用者は、クリーニングの実行回数が多い期間があることに気づきやすくなり、その期間において着色剤の使用状況が異なっている原因を容易に把握することができる。
【0070】
また、上記情報処理装置10の場合、図9(A)及び図9(B)に例示したように、印刷状況情報に加えて、印刷状況予測情報が表示される。したがって、利用者は、印刷状況予測情報を見て、消耗品の補充時期などを検討することができる。
【0071】
なお、以上説明した実施形態において、情報処理装置10は、本開示でいう表示制御装置の一例に相当する。制御部11が実行する情報取得処理及び情報蓄積処理は、本開示でいう記憶制御処理の一例に相当する。制御部11が実行するS520は、本開示でいう選択処理の一例に相当する。
【0072】
[他の実施形態]
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
【0073】
本開示でいう表示制御装置の一例として、情報処理装置10を例示したが、本開示の技術は、情報処理装置10とは異なる装置に対しても適用可能である。例えば、上述の画像形成装置20に、本開示でいう表示制御装置に相当する構成が組み込まれていてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、インクジェット方式の印刷機構を備える印刷部26を例示したが、印刷方式はインクジェット方式に限定されず、例えば、電子写真方式の印刷機構を備える印刷部であってもよい。印刷部が電子写真方式の印刷機構を備える場合、着色剤としては、上述の実施形態で例示したインクに代えて、トナーを用いればよい。
【0075】
なお、上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現してもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現してもよい。複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現してもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。
【0076】
[補足]
本開示の一局面における表示制御装置は、更に以下のような構成を備えていてもよい。
(A)第1表示処理は、折れ線グラフが複数のグラフとして含まれるグラフ表示領域を表示部に表示する処理を含んでもよい。選択処理は、折れ線グラフの線上以外の領域において、少なくとも1箇所を指定する操作が行われた場合に、指定された箇所に対応する少なくとも1つの期間を選択する処理を含んでもよい。
【0077】
このように構成された表示制御装置によれば、折れ線グラフの線上以外の領域で、少なくとも1箇所を指定する、という簡単な操作を行うだけで、印刷状況情報の表示対象となる期間を選択することができる。
【0078】
(B)着色剤は、カラー印刷及びモノクロ印刷の少なくとも一方で用いられる複数色の着色剤であってもよい。第2表示処理は、カラー印刷における印刷状況情報と、モノクロ印刷における印刷状況情報とを、それぞれ表示部に表示する処理を含んでもよい。
【0079】
このように構成された表示制御装置によれば、カラー印刷及びモノクロ印刷のそれぞれについて、印刷状況情報が表示される。したがって、利用者は、カラー印刷及びモノクロ印刷のそれぞれで、着色剤の使用状況がどのような状況であったのかを把握することができる。
【0080】
(C)画像形成装置は、少なくとも1つの設定項目に対し、複数の設定内容の中から選ばれる1つの設定内容を設定可能に構成され、印刷時には、設定項目に設定された設定内容に従って印刷を実行するように構成されてもよい。第2表示処理は、特定の設定項目に関し、特定の設定内容が設定されて印刷が行われた場合における印刷状況情報と、特定の設定内容以外の設定内容が設定されて印刷が行われた場合における印刷状況情報とを、それぞれ表示部に表示する処理を含んでもよい。
【0081】
このように構成された表示制御装置によれば、特定の設定項目に関し、特定の設定内容が設定されて印刷が行われた場合、特定の設定内容以外の設定内容が設定されて印刷が行われた場合それぞれについて、印刷状況情報が表示される。したがって、利用者は、特定の設定内容が設定された場合、特定の設定内容以外の設定内容が設定された場合のそれぞれで、着色剤の使用状況がどのような状況であったのかを把握することができる。
【0082】
設定項目の例としては、例えば、用紙サイズ、用紙種別、印刷画質等を挙げることができる。用紙サイズの場合、設定内容としては、例えばA4サイズが最も多用される場合であれば、A4よりも大きいサイズが設定された場合は通常よりも着色剤の使用量が多くなりやすい。また、A4よりも小さいサイズが設定された場合は通常よりも着色剤の使用量が少なくなり得る。そこで、A4が設定された場合、A4より大きいサイズが設定された場合、A4よりも小さいサイズが設定された場合のそれぞれについて、区別して印刷状況情報を表示すれば、例えばA3サイズの印刷が多かったため、着色剤の使用量が増大した、といった事項を把握しやすくなる。印刷画質の場合、設定内容としては、例えば高画質が設定された場合は高画質以外の印刷画質が設定された場合よりも着色剤の使用量が多くなりやすい。そこで、高画質が設定されて印刷が行われた場合と、高画質以外が設定されて印刷が行われた場合それぞれについて、印刷状況情報を表示すれば、高画質印刷が多用されているか否かを把握しやすくすることができる。なお、設定項目の例は、上述の例のみに限定されない。
【0083】
(D)選択処理は、入力部での入力操作により、表示部に表示されているグラフ表示領域において、複数の期間のうちの2つ以上の期間に対応する箇所を指定する操作が行われた場合に、指定された箇所に対応する2つ以上の期間を選択する処理を含んでもよい。第2表示処理は、選択処理によって選択された2つ以上の期間について、印刷状況情報を表示部に表示するように構成され、その際、選択処理によって選択された2つ以上の期間の中に、表示項目の内容が他の期間とは異なる少なくとも1つの期間が含まれている場合に、当該少なくとも1つの期間における表示項目の内容を、他の期間における表示項目の内容とは異なる態様で表示する処理を含んでもよい。
【0084】
このように構成された表示制御装置によれば、選択された2つ以上の期間の中に、表示項目の内容が他の期間とは異なる少なくとも1つの期間が含まれている場合には、その少なくとも1つの期間について、該当する表示項目の内容が他の期間とは異なる態様で表示される。したがって、利用者は、他の期間とは表示項目の内容に差異がある期間が存在することに気づきやすくなる。
【0085】
(E)記憶制御処理は、画像形成装置に設けられた印刷機構のクリーニングが実行されることを取得条件の1つとして、当該取得条件が成立するたびに、クリーニングの実行回数を含む印刷状況情報を取得して、記憶部に記憶させる処理を含んでもよい。選択処理は、入力部での入力操作により、表示部に表示されているグラフ表示領域において、複数の期間のうちの2つ以上の期間に対応する箇所を指定する操作が行われた場合に、指定された箇所に対応する2つ以上の期間を選択する処理を含んでもよい。第2表示処理は、選択処理によって選択された2つ以上の期間について、クリーニングの実行回数を含む印刷状況情報を、表示部に表示するように構成され、その際、選択処理によって選択された2つ以上の期間の中に、クリーニングの実行回数があらかじめ定められたしきい値以上となる期間が含まれている場合には、クリーニングの実行回数がしきい値未満となる期間とは異なる態様で、クリーニングの実行回数を表示する処理を含んでもよい。
【0086】
このように構成された表示制御装置によれば、選択された2つの期間の中に、クリーニングの実行回数が他の期間とは異なる少なくとも1つの期間が含まれている場合には、クリーニングの実行回数が他の期間とは異なる態様で表示される。したがって、利用者は、クリーニングの実行回数が多い期間があることに気づきやすくなり、その期間において着色剤の使用状況が異なっている原因を容易に把握することができる。
【0087】
(F)第2表示処理は、選択処理によって選択された少なくとも1つの期間の中に、現在の時点までの期間である最新の期間が含まれている場合に、最新の期間に対応する印刷状況情報に加えて、現在の時点以降の印刷状況を予測する印刷状況予測情報を、表示部に表示する処理を含んでもよい。
【0088】
このように構成された表示制御装置によれば、表示部には、上述のような印刷状況情報に加えて、上述のような印刷状況予測情報が表示される。したがって、利用者は、印刷状況予測情報を見て、消耗品の補充時期などを検討することができる。
【0089】
(G)画像形成装置は、複数色の着色剤がそれぞれ収容されており、収容された着色剤の残量が無くなった場合に交換されるカートリッジ、を備えてもよい。記憶制御処理は、カートリッジが交換されること、画像形成装置が印刷を実行すること、画像形成装置に設けられた印刷機構のクリーニングが実行されること、及びあらかじめ定められた情報取得日時であることのうち、少なくとも1つを取得条件として、当該取得条件が成立するたびに、印刷状況情報を取得して、記憶部に記憶させる処理を含んでもよい。
【0090】
(H)記憶制御処理は、画像形成装置に設けられた印刷機構に対するクリーニングの実行回数、画像形成装置が備える複数の機能それぞれでの印刷枚数、画像形成装置の稼働日数、画像形成装置で使用された用紙サイズ毎の印刷枚数、及び画像形成装置での印刷時に設定される画質毎の印刷枚数のうち、少なくとも1つを含む印刷状況情報を、記憶部に記憶させる処理を含んでもよい。
【符号の説明】
【0091】
1…画像処理システム、10…情報処理装置、20…画像形成装置、11,21…制御部、12,22…記憶部、12A…表示制御プログラム、13,23…表示部、14,24…入力部、15,25…通信部、26…印刷部、26A…記録ヘッド、27…カートリッジ検出部、28…カートリッジ、29…サブタンク、30…LAN、51…グラフ表示ウィンドウ、53,61,63A,63B,63C…ポップアップウィンドウ、55…マウスカーソル。
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