(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】電話制御装置
(51)【国際特許分類】
H04M 3/42 20060101AFI20231121BHJP
H04Q 3/58 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
H04M3/42 Z
H04Q3/58 107
(21)【出願番号】P 2019175172
(22)【出願日】2019-09-26
【審査請求日】2022-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 星也
(72)【発明者】
【氏名】平田 章紘
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-077075(JP,A)
【文献】特開2014-138205(JP,A)
【文献】特表2009-530910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00-11/00
H04Q 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の内線電話端末を含む複数の内線電話端末を電話網に交換接続する電話制御装置であって、
前記第1の内線電話端末からのみ利用可能な相手先の相手先情報が登録されている第1の個別電話帳を記憶する記憶回路と、
前記複数の内線電話端末を電話網に交換接続するための呼制御を行う呼制御部と、
前記第1の内線電話端末で指定された、前記第1の個別電話帳に登録されている指定相手先の相手先情報と前記第2の内線電話端末の内線番号とに基づいて、前記第2の内線電話端末に対して前記指定相手先への代理発信を許可する代理発信処理部と
を備え、
前記代理発信処理部は、
前記第1の内線電話端末から送信され、前記指定相手先の相手先情報を含む代理発信許可指示に基づいて、前記第2の内線電話端末に、前記指定相手先の相手先情報を含む代理発信依頼を送信することにより、前記第2の内線電話端末に対して前記指定相手先への代理発信を許可し、
前記呼制御部は、前記第2の内線電話端末からの要求に応じて、前記指定相手先の相手先情報を前記第2の内線電話端末に送信し、
前記代理発信処理部は、
前記第2の内線電話端末において、少なくとも前記指定相手先の相手先情報に含まれる相手先電話番号を
非表示とすることにより、前記第2の内線電話端末に対して
、前記相手先電話番号を秘匿する
ことを特徴とする電話制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電話制御装置において、
前記記憶回路は、
前記第2の内線電話端末からのみ利用可能な相手先情報が登録されている第2の個別電話帳を記憶し、
前記代理発信処理部は、
前記指定相手先の相手先情報を前記第2の個別電話帳に付与することにより、前記第2の内線電話端末に対する前記指定相手先への代理発信を許可する
ことを特徴とする電話制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電話制御装置において、
前記第2の内線電話端末に設けられている機能キーに、前記代理発信を行う機能が登録されており、
前記呼制御部は、
前記代理発信を行う機能が登録された機能キーの操作により送信される発信要求に基づいて、前記第2の内線電話端末を前記電話網に交換接続する
ことを特徴とする電話制御装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れかに記載の電話制御装置において、
前記第1の内線電話端末に設けられている機能キーに、前記代理発信の許可を行う機能が登録されており、
前記代理発信処理部は、
前記代理発信の許可を行う機能が登録された機能キーの操作により送信される代理発信許可指示に基づいて、前記第2の内線電話端末に対する前記指定相手先への代理発信を許可する
ことを特徴とする電話制御装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れかに記載の電話制御装置において、
前記代理発信処理部は、
予め指定されている許可時間のみ、前記第2の内線電話端末に対する前記指定相手先への代理発信を許可する
ことを特徴とする電話制御装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれかに記載の電話制御装置において、
前記代理発信処理部は、
前記第2の内線電話端末における代理発信により、前記第2の内線電話端末が前記指定相手先に接続された場合、前記代理発信の許可を取り消す
ことを特徴とする電話制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある利用者の個別電話帳に登録されている相手先に対して、本人の代理で他の利用者に電話を掛けてもらう代理発信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ビジネスホンシステムやPBXシステムなどの電話システムでは、携帯電話やスマートホンと同様に、相手先の名前や電話番号などの相手先情報を登録した電話帳を有している。この電話帳には、電話システムを利用する複数の利用者で共用できる共用電話帳のほか、相手先情報を登録した登録利用者だけが利用できる個別電話帳がある。
個別電話帳は、他の利用者が使用できないようセキュリティ対策が施されたプライベートな電話帳である。したがって、登録利用者が外出や会議などの予定があって、個別電話帳に登録されている相手先に電話を掛けられず、代理発信を他の利用者に依頼しても、他の利用者は、自己の電話端末から登録利用者の個別電話帳にアクセスすることはできない。このため、個別電話帳に登録されている相手先に対して電話を掛けることができないことになる。
【0003】
従来、このような課題を解決するものとして、任意の電話端末から個別電話帳にアクセス可能とする技術が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。この技術は、個別電話帳にアクセスするためのパスワードなどの秘密情報を用いて、個別電話帳へのアクセス可否を判断するようにしたものである。これにより、秘密情報を入力すれば、他の利用者は自己の電話端末から、登録利用者の個別電話帳にアクセスして、登録されている相手先に対して代理で電話を掛けることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来技術では、個別電話帳にアクセスする利用者が、登録利用者のみであることを前提としている。したがって、個別電話帳に登録されている指定相手先に対して、登録利用者以外の他の利用者に代理で電話を掛けてもらう場合には、個別電話帳にアクセスするための秘密情報を他の利用者に教える必要がある。しかしながら、この秘密情報を用いれば、他の利用者が、個別電話帳に登録されているすべての相手先情報を閲覧できることになる。このため、代理発信を許可した場合、代理発信に用いる指定相手先の相手先情報だけでなく、個別電話帳に登録されている他の相手先の相手先情報も漏洩することになり、個別電話帳が有する本来の特徴である秘密性が大幅に失われることになる。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、個別電話帳に登録されている相手先情報のうち、指定相手先以外の相手先に関する相手先情報の漏洩を回避しつつ、指定相手先への代理発信を許可することができる代理発信技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明にかかる電話制御装置は、第1および第2の内線電話端末を含む複数の内線電話端末を電話網に交換接続する電話制御装置であって、前記第1の内線電話端末からのみ利用可能な相手先の相手先情報が登録されている第1の個別電話帳を記憶する記憶回路と、前記複数の内線電話端末を電話網に交換接続するための呼制御を行う呼制御部と、前記第1の内線電話端末で指定された、前記第1の個別電話帳に登録されている前記指定相手先の相手先情報と前記第2の内線電話端末の内線番号とに基づいて、前記第2の内線電話端末に対して前記指定相手先への代理発信を許可する代理発信処理部とを備え、前記代理発信処理部は、前記第1の内線電話端末から送信され、前記指定相手先の相手先情報を含む代理発信許可指示に基づいて、前記第2の内線電話端末に、前記指定相手先の相手先情報を含む代理発信依頼を送信することにより、前記第2の内線電話端末に対して前記指定相手先への代理発信を許可し、前記呼制御部は、前記第2の内線電話端末からの要求に応じて、前記指定相手先の相手先情報を前記第2の内線電話端末に送信し、前記代理発信処理部は、前記第2の内線電話端末において、少なくとも前記指定相手先の相手先情報に含まれる相手先電話番号を非表示とすることにより、前記第2の内線電話端末に対して、前記相手先電話番号を秘匿することを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる上記電話制御装置の一構成例は、前記記憶回路は、前記第2の内線電話端末からのみ利用可能な相手先情報が登録されている第2の個別電話帳を記憶し、前記代理発信処理部は、前記指定相手先の相手先情報を前記第2の個別電話帳に付与することにより、前記第2の内線電話端末に対する前記指定相手先への代理発信を許可する。
【0009】
また、本発明にかかる上記電話制御装置の一構成例は、前記第2の内線電話端末に設けられている機能キーに、前記代理発信を行う機能が登録されており、前記呼制御部は、前記代理発信を行う機能が登録された機能キーの操作により送信される発信要求に基づいて、前記第2の内線電話端末を前記電話網に交換接続する。
【0010】
また、本発明にかかる上記電話制御装置の一構成例は、前記第1の内線電話端末に設けられている機能キーに、前記代理発信許可を行う機能が登録されており、前記代理発信処理部は、前記代理発信許可を行う機能が登録された機能キーの操作により送信される代理発信許可指示に基づいて、前記第2の内線電話端末に対する前記指定相手先への代理発信を許可する。
【0011】
また、本発明にかかる上記電話制御装置の一構成例は、前記代理発信処理部は、予め指定されている許可時間のみ、前記第2の内線電話端末に対する前記指定相手先への代理発信を許可する。
【0012】
また、本発明にかかる上記電話制御装置の一構成例は、前記代理発信処理部は、前記第2の内線電話端末における代理発信により、前記第2の内線電話端末が前記指定相手先に接続された場合、前記代理発信の許可を取り消す。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、個別電話帳に登録されている相手先情報のうち、指定相手先以外の相手先に関する相手先情報の漏洩を回避しつつ、指定相手先への代理発信を許可することができる代理発信技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1の実施の形態にかかる電話制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】個別電話帳の他の登録例を示す説明図である。
【
図4】第1の実施の形態にかかる代理発信動作を示すシーケンス図である。
【
図5】第1の実施の形態にかかる代理発信許可操作の画面表示例を示す説明図である。
【
図6】第1の実施の形態にかかる代理発信操作の画面表示例を示す説明図である。
【
図7】第2の実施の形態にかかる代理発信動作を示すシーケンス図である。
【
図8】第2の実施の形態にかかる代理発信許可操作の画面表示例を示す説明図である。
【
図9】第2の実施の形態にかかる代理発信操作の画面表示例を示す説明図である。
【
図10】他の実施の形態にかかる代理発信動作を示すシーケンス図である。
【
図11】他の実施の形態にかかる代理発信動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる電話制御装置10について説明する。
図1は、第1の実施の形態にかかる電話制御装置の構成を示すブロック図である。
【0016】
この電話制御装置10は、全体として、ビジネスホンシステムやPBXシステムなどの電話システム1で用いられる、主装置やPBXなどの制御装置からなる。電話制御装置10は、N(Nは2以上の整数)個の内線電話端末(#1,#2,…,#N)20を内線収容して、これら内線電話端末20を電話網NWに交換接続することにより、電話網NWを介した相手電話装置30と内線電話端末20との通話サービスを提供する。
【0017】
内線電話端末20は、電話システム1の内線電話端末として用いられる一般的な電話端末である。内線電話端末20は、LCDなどの画面表示装置を有しており、電話制御装置10からの指示に応じて、電話帳データや各種のメッセージを表示する機能を有している。
【0018】
[電話制御装置]
図1に示すように、電話制御装置10は、主な構成として、網インターフェース回路(以下、網I/F回路という)11、内線インターフェース回路(以下、内線I/F回路という)12、記憶回路13、および制御回路14を備えている。
【0019】
[網I/F回路]
網I/F回路11は、電話回線L1を介してIP電話網からなる電話網NWとの間で、呼制御メッセージや音声データを送受信する機能を有している。以下では、電話網NWがIP電話網からなる場合を例として説明するが、これに限定されるものではなく、PSTN(Public Switched Telephone Network)、ISDN(Integrated Services Digital Network)などの電話網であってもよい。
【0020】
[内線I/F回路]
内線I/F回路12は、内線回線L2を介して複数の内線電話端末20との間で、制御コマンドや音声データを送受信する機能を有している。
これら網I/F回路11および内線I/F回路12は、それぞれの電話回線L1や内線回線L2で用いる通信プロトコルに対応した通信モジュールから構成されている。
【0021】
[記憶回路]
記憶回路13は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、制御回路14での制御処理に用いる各種の処理データおよびプログラム13Pを記憶する機能を有している。
プログラム13Pは、制御回路14のCPU(ハードウェア)と協働することにより、制御回路14での制御処理を実行する各種の処理部を実現するソフトウェアである。プログラム13Pは、電話制御装置10に通信回線を介して接続された外部装置や記録媒体(図示せず)から読み出されて、記憶回路13に格納される。
【0022】
記憶回路13で記憶する主な処理データとして、電話帳データベース(以下、電話帳DBという)13Aがある。電話帳DB13Aには、内線電話端末20ごとに、それぞれの内線電話端末20からのみ利用可能な相手先の相手先情報が登録されている個別電話帳(個別電話帳データ)が記憶されている。以下では、個別電話帳を単に電話帳(電話帳データ)と呼ぶことがある。
図2は、個別電話帳の登録例を示す説明図である。
図2に示すように、内線電話端末#1(第1の内線電話端末)の個別電話帳には、名前が「A社」、「B社」、および「C社」の相手先の相手先情報として、相手先電話番号「03―aaaa-aaaa」、「03―bbbb-bbbb」、および「03-cccc-cccc」がそれぞれ登録されている。
【0023】
図3は、個別電話帳の他の登録例を示す説明図である。
図3に示すように、内線電話端末#2(第2の内線電話端末)の個別電話帳には、名前が「D社」および「E社」の相手先の相手先情報として、相手先電話番号「03―dddd-dddd」および「03―eeee-eeee」がそれぞれ登録されている。
以下では、一例として、内線電話端末#1が代理発信の許可元となり、内線電話端末#2が代理発信の許可先となる場合を例として説明する。また、理解を容易とするため、内線電話端末#1の個別電話帳を許可元電話帳D1と呼び、内線電話端末#2の個別電話帳を許可先電話帳D2と呼ぶ。
【0024】
[制御回路]
制御回路14は、CPUとその周辺回路を有し、記憶回路13のプログラム13Pと協働することにより、制御処理を実行する各種の処理部を実現する機能を有している。
制御回路14で実現される主な処理部として、呼制御部14Aと代理発信処理部14Bとがある。
【0025】
[呼制御部]
呼制御部14Aは、網I/F回路11を介して電話網NWとの間で呼制御メッセージをやり取りすることにより、発呼、着呼などの各種の呼に関する呼制御を行う機能と、内線I/F回路12を介して各内線電話端末20との間で制御コマンドをやり取りすることにより、各内線電話端末20の動作状態を制御し、さらには、内線電話端末20間の内線通話サービスを提供する機能と、内線電話端末20からの外線発信要求操作や電話網NWからの外線着信通知に応じて、内線電話端末20を電話網NWに交換接続することにより、電話網NWを介した相手電話装置30と内線電話端末20との通話サービスを提供する機能とを有している。
【0026】
また、呼制御部14Aは、各内線電話端末20からの電話帳編集要求に応じて、要求元内線電話端末20の個別電話帳に対する、相手先情報の登録、削除、変更などの編集を行う機能と、各内線電話端末20での電話帳アクセス要求操作に応じて、要求元内線電話端末20の個別電話帳に登録されている相手先情報を記憶回路13の電話帳DB13Aから取得し、得られた相手先情報を要求元内線電話端末20の画面に表示する機能と、画面に表示された相手先情報を用いた要求元内線電話端末20での発信操作に応じて、指定された相手先の電話番号を用いた電話帳発信処理を行う機能とを有している。
【0027】
[代理発信処理部]
代理発信処理部14Bは、代理発信の許可元である内線電話端末(第1の内線電話端末)#1での代理発信許可操作で指定された、内線電話端末#1の個別電話帳である、許可元電話帳(第1の個別電話帳)D1に登録されている指定相手先と、代理発信の許可先である内線電話端末(第2の内線電話端末)#2に関する内線番号とに基づいて、許可元電話帳D1に登録されている指定相手先の相手先情報を用いた、内線電話端末#2での代理発信を許可する機能を有している。
【0028】
また、代理発信処理部14Bは、少なくとも指定相手先の相手先情報に含まれる相手先電話番号に関する、内線電話端末#2での表示を秘匿する機能と、予め指定されている許可時間だけ、内線電話端末#2に対する代理発信を許可する機能を有している。代理発信を許可する場合、許可元である内線電話端末#1での代理発信許可操作に応じて、内線電話端末#2に対する代理発信を許可した時点から一定の許可時間が経過するまで、代理発信を許可し、一定の許可時間が経過した時点で代理発信の許可を取り消せばよい。
【0029】
本実施の形態にかかる具体例として、代理発信処理部14Bは、許可元である内線電話端末#1の許可元電話帳D1から取得した指定相手先の相手先情報を、許可先である内線電話端末#2の許可先電話帳D2に付与することにより、内線電話端末#2での代理発信を許可する機能と、一定の許可時間が経過した時点で許可先電話帳D2から指定相手先の相手先情報を削除することにより、代理発信の許可を取り消す機能とを有している。
【0030】
この際、指定相手先の相手先情報を付与する際、相手先情報のすべてを付与してもよいが、相手先情報には、メールアドレスなどの相手先に関する各種の個人情報が含まれている場合がある。このため、予め設定されている情報、例えば少なくとも相手先名前および相手先電話番号を含む、代理発信に必要となる相手先情報の一部の情報のみを付与するようにしてもよい。
【0031】
[第1の実施の形態の動作]
次に、
図4を参照して、本実施の形態にかかる電話制御装置10の代理発信動作について説明する。
図4は、第1の実施の形態にかかる代理発信動作を示すシーケンス図である。ここでは、許可元である内線電話端末#1から許可先である内線電話端末#2に対して、内線電話端末#1の許可元電話帳D1に登録されている相手先である「相手先B」への代理発信を許可する場合を例として説明する。なお、代理発信の許可に先立って、内線電話端末#1の許可元電話帳D1には、
図2に示したような相手先情報が登録されているものとし、許可先である内線電話端末#2の許可先電話帳D2には、
図3に示したような相手先情報が登録されているものとする。
【0032】
まず、許可元である内線電話端末#1の利用者により、内線電話端末#1で許可元電話帳D1へのアクセス要求操作があった場合(ステップS100)、内線電話端末#1から内線回線L2を介して電話制御装置10へ、電話帳アクセス要求が送信される(ステップS101)。
呼制御部14Aは、内線I/F回路12を介して内線電話端末#1からの電話帳アクセス要求を受信し、要求元の内線電話端末#1の許可元電話帳D1全体の相手先情報を電話帳DB13Aから取得し(ステップS102)、得られた相手先情報を内線I/F回路12から内線回線L2を介して内線電話端末#1へ送信する(ステップS103)。
【0033】
内線電話端末#1は、電話制御装置10から受信した相手先情報を画面表示する(ステップS104)。この後、内線電話端末#1の利用者により代理発信許可操作が行われた場合(ステップS105)、その代理発信許可操作で指定された、代理発信の相手先となる「相手先B」と許可先である内線電話端末#2の内線番号とを含む代理発信許可指示が、内線電話端末#1から内線回線L2を介して電話制御装置10へ送信される(ステップS106)。
【0034】
代理発信処理部14Bは、内線I/F回路12を介して内線電話端末#1からの代理発信許可指示を受信し、代理発信許可指示で相手先として指定された「相手先B」の電話番号を含む相手先情報を、電話帳DB13Aの許可元電話帳D1から取得し、得られた「相手先B」の相手先情報を、代理発信許可指示で許可先として指定された内線電話端末#2の許可先電話帳D2に付与(追加登録)する(ステップS107)。これにより、内線電話端末#2に対して「相手先B」への代理発信が許可されたことになり、許可時間の計時が開始される。
【0035】
この際、許可先電話帳D2に付与する相手先情報は、代理発信用の一時的なものであるため、許可先電話帳D2に登録されている本来の相手先情報とは別個の領域に登録するようにしてもよい。例えば、各相手先情報を管理するための管理番号が001~999である領域を本来の相手先情報に割り当て、管理番号が1000以上である領域を代理発信用として割り当ててもよい。また、代理発信用の相手先情報を識別するための識別情報として、相手先の名前に星印などのマークを付与しておけば、許可先電話帳D2が画面表示された場合に、代理発信用の相手先情報を利用者が容易に見つけることができる。また、許可先電話帳D2を画面にリスト表示する場合、このマークが付与されている代理発信用の相手先情報を、リストの先頭に表示することにより、代理発信用の相手先情報を利用者が容易に見つけることができる。
【0036】
この後、代理発信処理部14Bは、内線電話端末#1から代理発信の依頼があったことを示す代理発信依頼通知を、内線I/F回路12から内線回線L2を介して内線電話端末#2へ送信する(ステップS108)。内線電話端末#2は、内線電話端末#1から代理発信の依頼があったことを示す依頼メッセージを画面表示するとともに(ステップS109)、内線電話端末#2の利用者は、許可先電話帳D2へのアクセス要求操作を行う(ステップS110)。内線電話端末#2で許可先電話帳D2へのアクセス要求操作があった場合、内線電話端末#2から内線回線L2を介して電話制御装置10へ、電話帳アクセス要求が送信される(ステップS111)。
【0037】
呼制御部14Aは、内線I/F回路12を介して内線電話端末#2からの電話帳アクセス要求を受信し、要求元の内線電話端末#2の許可先電話帳D2全体の相手先情報を電話帳DB13Aから取得し(ステップS112)、得られた相手先情報を内線I/F回路12から内線回線L2を介して内線電話端末#2へ送信する(ステップS113)。
【0038】
内線電話端末#2は、電話制御装置10から受信した相手先情報を画面表示する(ステップS114)。この際、「相手先B」の電話番号の表示は秘匿される。この後、内線電話端末#2の利用者により、内線電話端末#2で「相手先B」を発信先として指定した電話帳発信操作があった場合(ステップS115)、内線電話端末#2から内線回線L2を介して電話制御装置10へ、「相手先B」の電話番号を発信先として指定した電話帳発信要求が送信される(ステップS116)。
【0039】
呼制御部14Aは、内線I/F回路12を介して内線電話端末#2からの電話帳発信要求を受信し、発信先として指定された「相手先B」の電話番号を発信先(呼出先)とする発信要求を、網I/F回路11から電話回線L1を介して電話網NWへ送信する(ステップS117)。これに応じて、電話網NWから「相手先B」の相手電話装置30に着信が通知され、相手電話装置30での応答操作により(ステップS118)、電話網NWを介した相手電話装置30と内線電話端末#2との通話が開始される(ステップS119)。この通話開始により、内線電話端末#2の利用者による「相手先B」への代理発信が完了したことになる。
【0040】
また、代理発信処理部14Bは、ステップS107において、内線電話端末#2に対して「相手先B」への代理発信を許可した時点から、予め設定されている許可時間、例えば10分間の計時を開始しており、許可時間が経過した場合(ステップS120)、内線電話端末#2の許可先電話帳D2から、代理発信に関する「相手先B」の電話番号を削除し(ステップS121)、一連の代理発信動作を終了する。なお、内線電話端末#2の利用者による「相手先B」への代理発信の完了に応じて、許可先電話帳D2から、代理発信に関する「相手先B」の電話番号を削除するようにしてもよい。
【0041】
[第1の実施の形態の動作例]
次に、
図5および
図6を参照して、本実施の形態にかかる電話制御装置10の代理発信動作例について説明する。
図5は、第1の実施の形態にかかる代理発信許可操作の画面表示例を示す説明図である。
図6は、第1の実施の形態にかかる代理発信操作の画面表示例を示す説明図である。
【0042】
[代理発信許可操作]
まず、
図5を参照して、内線電話端末#1での代理発信許可操作の動作例について説明する。
図4のステップS105において、内線電話端末#1で代理発信許可操作を行う場合、許可する相手先についてはキー操作により直接入力してもよいが、ここでは許可元電話帳D1を利用して許可する相手先を設定する場合について説明する。
【0043】
図5の画面101は、
図4のステップS104における、内線電話端末#1での相手先情報の表示例を示しており、許可先電話帳D1に登録されている相手先として、
図2の「A社」、「B社」、および「C社」がリスト表示されている。
画面101において、利用者が画面上のカーソルボタンと確定ボタンを操作して「B社」を選択した場合、画面102に示すように、「B社」の電話番号等の詳細な相手先情報が表示される。
画面102において、利用者が画面上のメニューボタンを押下すると、画面103に示すように、「B社」の相手先情報に関する操作メニューが表示される。
【0044】
画面103において、利用者が画面上のカーソルボタンと確定ボタンを操作して「6.代理発信許可設定」を選択した場合、画面104に示すように、代理発信の許可先となる内線番号を入力するための入力画面が表示される。
画面104において、利用者が内線電話端末#1のダイヤルボタンを操作して内線電話端末#2の内線番号「1002」を入力して確定ボタンを押下した場合、画面105に示すように、代理発信の許可時間を入力するため入力画面が表示される。
【0045】
画面105において、利用者が内線電話端末#1のダイヤルボタンを操作して許可時間「30」分を入力して確定ボタンを押下した場合、画面106に示すように、代理発信許可の設定内容が表示される。
画面106において、利用者が画面上の確定ボタンを押下した場合、代理発信許可の設定が確定して、
図4のステップS106において、内線電話端末#1から電話制御装置10に対して、代理発信の相手先、許可先、および許可時間を含む代理発信許可指示が送信されることになる。なお、許可時間は、予め電話制御装置10に設定されている初期値を用いることにより、内線電話端末#1での設定を省いてもよい。また、カーソルボタン、確定ボタン及びクリアボタン等のボタン類は画面上に表示されるものとして説明したが、これらボタン類は物理的なボタンとして内線電話端末に形成されていても良い。
【0046】
以上では、代理発信を許可する許可先さらには許可時間を、内線電話端末#1で利用者が操作入力する場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、許可する許可先さらには許可時間を、予め内線電話端末#1の機能キーに関連付けて登録しておき、
図5の画面102において、機能キーが押下された場合、機能キーに関連付けて登録されている許可先さらには許可時間を指定した代理発信許可指示を、
図4のステップS106で、内線電話端末#1から電話制御装置10に対して送信するようにしてもよい。これにより、代理発信を許可する許可先さらには許可時間の入力操作を省くことができ、同じ許可先さらには許可時間の代理発信を繰り返し許可する場合、入力操作負担を大幅に削減できる。
【0047】
[代理発信操作]
次に、
図6を参照して、内線電話端末#2での代理発信操作の動作例について説明する。
図6の画面110は、
図4のステップS109における、内線電話端末#1から代理発信の依頼があったことを示す依頼メッセージを画面表示例である。
【0048】
画面111は、
図4のステップS114における、内線電話端末#2での相手先情報の表示例を示しており、許可先電話帳D2に登録されている相手先として、
図2の「D社」および「E社」と代理発信許可で許可元電話帳D1から付与された「B社」がリスト表示されている。ここで、代理発信の相手先である「B社」がリストの先頭に表示されている。「B社」が代理発信の相手先であることを示すマーク等を表示するようにしてもよい。
【0049】
画面111において、内線電話端末#2の利用者が画面上のカーソルボタンと確定ボタンを操作して「B社」を選択した場合、画面112に示すように、「B社」の詳細な相手先情報が表示される。この際、電話番号欄には非表示メッセージ「――(非表示)――」が表示されており、電話番号は秘匿されている。
【0050】
画面112において、利用者が画面上のメニューボタンを押下すると、画面113に示すように、「B社」の相手先情報に関する操作メニューが表示される。
【0051】
画面113において、利用者が画面上のカーソルボタンと確定ボタンを操作して「1.発信」を選択した場合、
図4のステップS116において、内線電話端末#2から電話制御装置10に対して電話帳発信要求が送信されて、許可先電話帳D2を用いた電話帳発信により代理発信が行われる。
この際、画面114に示すような発信処理画面が表示される。通常の発信処理画面には、発信先の名前と電話番号が表示されるが、画面114では、電話番号欄に非表示メッセージ「――(非表示)――」が表示されており、電話番号の表示は秘匿されている。
【0052】
内線電話端末#2における電話番号表示の秘匿手法については、公知または周知の手法を用いればよい。例えば、相手先情報を許可先電話帳D2に付与した際、当該相手先情報が代理発信用として付与されたデータであることをマークやフラグなどの識別情報により許可先電話帳D2で識別しておき、内線電話端末#2で許可先電話帳D2の各相手先情報を表示する際に識別情報を参照して、代理発信用の相手先情報については、相手先電話番号の表示を秘匿するようにしてもよい。
【0053】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、許可元である内線電話端末#1での代理発信許可操作で指定された、許可元電話帳D1に登録されている指定相手先と許可先である内線電話端末#2に関する内線番号とに基づいて、許可元電話帳に登録されている指定相手先の相手先情報を用いて、内線電話端末#2での代理発信を許可するようにしたものである。
【0054】
本実施の形態では、内線電話端末#1の許可元電話帳D1に登録されている相手先のうち、指定相手先の相手先情報を用いた代理発信を、指定した内線電話端末#2に対して許可することができる。このため、内線電話端末#1の利用者が、内線電話端末#2の利用者に対して、指定相手先の電話番号を口頭や電子メールで伝えなくても、指定相手先への代理発信を許可することができる。したがって、登録利用者が外出や会議などの予定があって、時間に余裕がない場合でも、代理発信をすばやく依頼することが可能となる。
【0055】
また、指定相手先の相手先情報に含まれる相手先電話番号に関する、内線電話端末#2での表示を秘匿するようにしているので、内線電話端末#2の利用者に対する、指定相手先の相手先電話番号の公開を制限でき、代理発信とは異なる目的での相手先電話番号の使用を抑止することが可能となる。個別電話帳が有する本来の特徴である秘密性を大幅に失うことなく、許可元電話帳D1に登録されている指定相手先の相手先情報を用いた代理発信を、電話番号等の情報を秘匿しながら許可することが可能となる。
【0056】
また、本実施の形態において、予め指定されている許可時間だけ、内線電話端末#2に対する代理発信を許可するようにしてもよい。これにより、内線電話端末#2による、代理発信のために許可した相手先情報の使用を許可時間内に制限することができ、代理発信とは異なる目的での相手先情報の使用を抑止することが可能となる。
【0057】
また、本実施の形態において、内線電話端末#2での代理発信により、内線電話端末#2と指定相手先との通話が行われた場合、それ以降の代理発信の許可を取り消すようにしてもよい。これにより、内線電話端末#2による、代理発信のために許可した相手先情報の使用を、指定相手先との最初の通話までに制限することができ、代理発信とは異なる目的での相手先情報の使用を抑止することが可能となる。
【0058】
また、本実施の形態において、代理発信処理部14Bが、内線電話端末#1の許可元電話帳D1から取得した指定相手先の相手先情報を、内線電話端末#2の許可先電話帳D2に付与することにより、内線電話端末#2での代理発信を許可することにより、許可元電話帳D1から許可先電話帳D2に相手先情報をコピーするという、極めて簡素な処理で代理発信を許可することが可能となる。
【0059】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる電話制御装置10について説明する。
第1の実施の形態では、代理発信の許可先である内線電話端末#2の許可先電話帳D2を利用して、指定相手先の相手先情報を用いた代理発信を許可する場合を例として説明した。本実施の形態では、所定の機能を登録可能な機能キーを利用して、代理発信を許可する場合について説明する。
【0060】
一般に、ビジネスホンシステムにおける電話端末には、各電話端末毎に所定の機能を登録することにより、利用者の要望に応じて内線電話の機能をカスタマイズすることができる機能キーを備えている。この機能キーに、予め所定の機能を登録しておくことにより、機能キーを押下するだけで、登録されている所定の機能を自動的に実行することができる。本実施の形態では、この機能キーを用いることにより、代理発信を許可するようにしたものである。
【0061】
すなわち、本実施の形態では、内線電話端末#1、#2に設けられている機能キーに、代理発信許可機能と、代理発信依頼に基づく発信処理機能を関連付けて登録することにより、内線電話端末#1により内線電話端末#2での代理発信を許可するように構成している。
【0062】
[第2の実施の形態の動作]
次に、
図7を参照して、本実施の形態にかかる電話制御装置10の代理発信動作について説明する。
図7は、第2の実施の形態にかかる代理発信動作を示すシーケンス図である。
ここでは、許可元である内線電話端末#1から許可先である内線電話端末#2に対して、内線電話端末#1の許可元電話帳D1に登録されている相手先である「相手先B」への代理発信を許可する場合を例として説明する。なお、代理発信の許可に先立って、内線電話端末#1、#2の所定の機能キーには、代理発信許可機能と、代理発信依頼に基づく発信処理機能がそれぞれ登録される(ステップS200)。
【0063】
まず、許可元である内線電話端末#1の利用者により、内線電話端末#1で許可元電話帳D1へのアクセス要求操作があった場合(ステップS201)、内線電話端末#1から内線回線L2を介して電話制御装置10へ、電話帳アクセス要求が送信される(ステップS202)。
【0064】
呼制御部14Aは、内線I/F回路12を介して内線電話端末#1からの電話帳アクセス要求を受信し、要求元の内線電話端末#1の許可元電話帳D1全体の相手先情報を電話帳DB13Aから取得し(ステップS203)、得られた相手先情報を内線I/F回路12から内線回線L2を介して内線電話端末#1へ送信する(ステップS204)。
【0065】
内線電話端末#1は、電話制御装置10から受信した相手先情報を画面表示する(ステップS205)。ここで、内線電話端末#1の代理発信許可機能が登録された機能キーが点灯し(ステップS206)、内線電話端末#1の利用者は、機能キーの操作により代理発信許可を行うことができる。この後、内線電話端末#1の利用者により代理発信許可操作が行われた場合(ステップS207)、その代理発信許可操作で指定された、代理発信の相手先となる「相手先B」の相手先電話番号と許可先である内線電話端末#2の内線番号とを含む代理発信許可指示が、内線電話端末#1から内線回線L2を介して電話制御装置10へ送信される(ステップS208)。
【0066】
代理発信許可指示を受信した代理発信処理部14Bは、内線電話端末#1から代理発信の依頼があったことを示す代理発信依頼通知を、内線I/F回路12から内線回線L2を介して内線電話端末#2へ送信する(ステップS209)。内線電話端末#2は、電話制御装置10から受信した代理発信依頼通知に応じて、内線電話端末#1から代理発信の依頼があったことを示す依頼メッセージを画面表示するとともに(ステップS210)、代理発信機能を割り当てた内線電話端末#2の機能キーの表示ランプを点滅表示する(ステップS211)。この際、「相手先B」の電話番号の表示は秘匿される。
【0067】
この後、内線電話端末#2の利用者により、内線電話端末#2で機能キー操作があった場合(ステップS212)、内線電話端末#2から内線回線L2を介して電話制御装置10へ、「相手先B」の電話番号を発信先として指定した発信要求が送信される(ステップS213)。
【0068】
呼制御部14Aは、内線I/F回路12を介して内線電話端末#2からの発信要求を受信し、発信先として指定された「相手先B」の電話番号を発信先(呼出先)とする発信要求を、網I/F回路11から電話回線L1を介して電話網NWへ送信する(ステップS214)。これに応じて、電話網NWから「相手先B」の相手電話装置30に着信が通知され、相手電話装置30での応答操作により(ステップS215)、電話網NWを介した相手電話装置30と内線電話端末#2との通話が開始される(ステップS216)。この通話開始により、内線電話端末#2の利用者による「相手先B」への代理発信が完了したことになる。
【0069】
[第2の実施の形態の動作例]
次に、
図8および
図9を参照して、本実施の形態にかかる電話制御装置10の代理発信動作例について説明する。
図8は、第2の実施の形態にかかる代理発信許可操作の画面表示例を示す説明図である。
図9は、第2の実施の形態にかかる代理発信操作の画面表示例を示す説明図である。
【0070】
[代理発信許可操作]
まず、
図8を参照して、内線電話端末#1での代理発信許可操作の動作例について説明する。
図7のステップS207において、内線電話端末#1で代理発信許可操作を行う場合、内線電話端末#1の利用者が画面上のカーソルボタンと確定ボタンを操作することにより、予め登録された許可する相手先をリスト表示し、リスト表示された相手先の中から許可する相手先を選択する。
【0071】
図8の画面201は、
図7のステップS205における、内線電話端末#1での相手先情報の表示例を示しており、許可先電話帳D1に登録されている相手先として、
図2の「A社」、「B社」、および「C社」がリスト表示されている。
【0072】
画面201において、内線電話端末#1の利用者が画面上のカーソルボタンと確定ボタンを操作して「B社」を選択した場合、画面202に示すように、「B社」の電話番号等の詳細な相手先情報が表示される。この時点で、代理発信許可機能が登録された内線電話端末#1の機能キーが点灯した状態となる。
【0073】
画面202において、利用者が内線電話端末#1の点灯した機能キーを押下すると、画面203に示すように、予め設定されている代理発信の内線電話番号を示す許可先リストが表示される。 利用者が画面上のカーソルボタンと確定ボタンを操作して、内線電話端末#2に対応する「許可先:1002」を選択した場合、代理発信許可の設定が確定し、
図7のステップS207において、内線電話端末#1から電話制御装置10に対して、代理発信許可指示が送信されることになる。なお、許可先リストは内線電話番号で説明しているが、名前等の内線名であってもいい。さらに許可先リストから複数を選択して、選択した誰かしらに代理発信してもらうことも可能である。
【0074】
[代理発信操作]
次に、
図9を参照して、内線電話端末#2での代理発信操作の動作例について説明する。
図9の画面211は、
図7のステップS210における、内線電話端末#2での依頼メッセージの表示例を示しており、代理発信の許可元(依頼元)である内線電話端末#1の利用者から、代理発信の依頼があったことと、代理発信の相手先の名前とが画面表示されている。この時点で、内線電話端末#2の代理発信機能が登録された機能キーが点滅する。
【0075】
画面211において、内線電話端末#2の利用者が、ランプが点滅している内線電話端末#2の機能キーを押下すると、
図7のステップS213において、内線電話端末#2から電話制御装置10に対して発信要求が送信されて、許可先電話帳D2を用いた発信により代理発信が行われる。
この際、画面212に示すような発信処理画面が表示される。通常の発信処理画面には、発信先の名前と電話番号が表示されるが、画面212では、電話番号欄に非表示メッセージ「――(非表示)――」が表示されており、電話番号の表示は秘匿されている。なお、カーソルボタン、確定ボタン及びクリアボタン等のボタン類は画面上に表示されるものとして説明したが、これらボタン類は第1の実施例と同様に物理的なボタンとして内線電話端末に形成されていても良い。
【0076】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、内線電話端末#1、#2の機能キーに代理発信許可機能と代理発信機能を登録することにより、内線電話端末#1での代理発信許可と内線電話端末#2での代理発信を行うようにしたものである。これにより、第1の実施の形態に比べてより簡単な操作で代理発信機能を実現することが可能となる。
【0077】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【0078】
例えば、
図10に記載したように、内線電話端末#1における代理発信許可機能を予め登録した機能キーの操作によって実現し、内線電話端末#2における代理発信機能を電話帳D2を用いた発信操作によって行うようにしてもよい。
【0079】
また、
図11に記載したように、
図10とは逆に、内線電話端末#1における代理発信許可機能を電話帳D1の操作によって実現し、内線電話端末#2における代理発信機能を予め登録した機能キーの操作によって行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1…電話システム、10…電話制御装置、11…網I/F回路、12…内線I/F回路、13…記憶回路、13A…電話帳DB、13P…プログラム、14…制御回路、14A…呼制御部、14B…代理発信処理部、20,#1,#2,…,#N…内線電話端末、30…相手電話装置、L1…電話回線、L2…内線回線、NW…電話網。