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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】接合体の製造方法及び接合体の製造装置
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/06 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
C03C27/06 101C
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019187065
(22)【出願日】2019-10-10
(65)【公開番号】P2021062983
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】白神 徹
(72)【発明者】
【氏名】永田 達也
【審査官】永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/220909(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/142910(WO,A1)
【文献】特開2000-302489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C27/00-27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス部材と、接合対象部材と、前記ガラス部材と前記接合対象部材とを接合する接合部とを備え、前記接合部によって区画された複数のパッケージを含む接合体の製造方法であって、
収容部を有する治具本体と、前記収容部に配置される押圧用透明部材とを含む治具を準備する治具準備工程と、
前記収容部内に、前記ガラス部材と、前記接合対象部材と、前記ガラス部材と前記接合対象部材との間に位置し前記接合部を形成するための接合材と、を配置して積層体を形成すると共に、前記収容部の底部に配置された複数の付勢部材の上に前記積層体の第一の表面側を載置し、前記積層体の前記第一の表面とは反対側の第二の表面上に前記押圧用透明部材を載置する載置工程と、
前記載置工程の後、前記押圧用透明部材を介して前記積層体の第二の表面を押圧することにより、前記複数の付勢部材の付勢力により前記積層体の第一の表面を押圧する押圧工程と、
前記押圧工程により前記積層体を押圧した状態で、前記接合部を前記接合材から形成して、前記接合体を得る接合部形成工程と、を含み、
前記載置工程では、前記複数の付勢部材と前記積層体の第一の表面との間に、1枚の付勢板を載置し、
前記押圧工程では、前記複数の付勢部材が前記1枚の付勢板を介して前記積層体の第一の表面を押圧する、接合体の製造方法。
【請求項2】
前記接合部形成工程では、前記押圧用透明部材及び前記ガラス部材を透過させたレーザー光を、前記接合材に照射することで前記接合材を加熱して、前記接合部を形成する、請求項1に記載の接合体の製造方法。
【請求項3】
前記複数の付勢部材は、その付勢力が略同じである、請求項1または2に記載の接合体の製造方法。
【請求項4】
前記治具準備工程では、前記押圧用透明部材の第二の表面の少なくとも一部を覆うように配置される押圧用枠体をさらに準備し、
前記押圧工程では、前記押圧用枠体が前記押圧用透明部材を押圧する、請求項1からのいずれか一項に記載の接合体の製造方法。
【請求項5】
前記ガラス部材は、平板状のガラス板であり、
前記接合対象部材は、平板状のガラス板であり、
前記載置工程における前記積層体の前記接合材は、少なくとも低融点ガラスを含有し、
前記押圧用透明部材は、ガラス板である、請求項1からのいずれか一項に記載の接合体の製造方法。
【請求項6】
前記載置工程では、前記収容部内に配置された位置決め部材によって位置決めされた位置に前記積層体を載置する、請求項1からのいずれか一項に記載の接合体の製造方法。
【請求項7】
ガラス部材と、接合対象部材と、前記ガラス部材と前記接合対象部材とを接合する接合部とを備える接合体の製造方法であって、
収容部を有する治具本体と、前記収容部に配置される押圧用透明部材とを含む治具を準備する治具準備工程と、
前記収容部内に、前記ガラス部材と、前記接合対象部材と、前記ガラス部材と前記接合対象部材との間に位置し前記接合部を形成するための接合材と、を配置して積層体を形成すると共に、前記収容部の底部に配置された複数の付勢部材の上に前記積層体の第一の表面側を載置し、前記積層体の前記第一の表面とは反対側の第二の表面上に前記押圧用透明部材を載置する載置工程と、
前記載置工程の後、前記押圧用透明部材を介して前記積層体の第二の表面を押圧することにより、前記複数の付勢部材の付勢力により前記積層体の第一の表面を押圧する押圧工程と、
前記押圧工程により前記積層体を押圧した状態で、前記接合部を前記接合材から形成して、前記接合体を得る接合部形成工程と、を含み、
前記積層体は、複数の枠状の接合材を備え、前記ガラス部材と前記接合対象部材との間に配置されたスペーサをさらに備える、接合体の製造方法。
【請求項8】
前記載置工程では、前記複数の付勢部材と前記積層体の第一の表面との間に、付勢板を載置し、
前記押圧工程では、前記複数の付勢部材が前記付勢板を介して前記積層体の第一の表面を押圧する、請求項7に記載の接合体の製造方法
【請求項9】
前記接合部形成工程の後、複数の前記枠状の接合材から形成された複数の枠状の接合部の間の位置で前記接合体を切断する切断工程をさらに備える、請求項またはに記載の接合体の製造方法。
【請求項10】
前記押圧用透明部材は、厚さが1.5mm以上、5.0mm以下の範囲内であり、かつ弾性率が65GPa以上、85GPa以下の範囲内であるガラス板である、請求項1からのいずれか一項に記載の接合体の製造方法。
【請求項11】
ガラス部材と、接合対象部材と、前記ガラス部材と前記接合対象部材とを接合する接合部とを備え、前記接合部によって区画された複数のパッケージを含む接合体の製造方法に用いられる接合体の製造装置であって、
収容部を有する治具本体と、
前記収容部に配置される押圧用透明部材と、を備え、
前記収容部は、
該収容部の底部に複数の付勢部材が配置されると共に、
前記ガラス部材と、前記接合対象部材と、前記ガラス部材と前記接合対象部材との間に位置し前記接合部を形成するための接合材とが配置された積層体を、前記複数の付勢部材の上に前記積層体の第一の表面を載置して収容し、
前記複数の付勢部材と前記積層体の第一の表面との間に、1枚の付勢板を載置し、
前記押圧用透明部材は、
前記積層体の第一の表面とは反対側の第二の表面に載置されると共に、
前記積層体の第二の表面を押圧することにより、前記1枚の付勢板を介して、前記複数の付勢部材の付勢力により前記積層体の第一の表面を押圧する、接合体の製造装置。
【請求項12】
ガラス部材と、接合対象部材と、前記ガラス部材と前記接合対象部材とを接合する接合部とを備える接合体の製造方法に用いられる接合体の製造装置であって、
収容部を有する治具本体と、
前記収容部に配置される押圧用透明部材と、を備え、
前記収容部は、
該収容部の底部に複数の付勢部材が配置されると共に、
前記ガラス部材と、前記接合対象部材と、前記ガラス部材と前記接合対象部材との間に位置し前記接合部を形成するための接合材とが配置された積層体を、前記複数の付勢部材の上に前記積層体の第一の表面を載置して収容し、
前記押圧用透明部材は、
前記積層体の第一の表面とは反対側の第二の表面に載置されると共に、
前記積層体の第二の表面を押圧することにより、前記複数の付勢部材の付勢力により前記積層体の第一の表面を押圧し、
前記積層体は、複数の枠状の接合材を備え、前記ガラス部材と前記接合対象部材との間に配置されたスペーサをさらに備える、接合体の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合体の製造方法及び接合体の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されるように、ガラスリッド等のガラス部材とガラスセラミックス容器等の接合対象部材とを接合材により接合させることで、パッケージ等の接合体を製造する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-236202号公報(2014年12月15日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような接合体において、ガラス部材と接合対象部材との間に接合材を配置した積層体を形成した後、積層体の厚さ方向に積層体を押圧した状態で接合材を加熱してガラス部材と接合対象部材とを接合することが好ましい。このように積層体を押圧した状態で接合することで、ガラス部材と接合対象部材との接合力を高めることができる。しかしながら、例えば、積層体に対して局所的に押圧力を加えた場合、ガラス部材及び接合対象部材に対する接合材の密着性が部分的に低下して、接合強度が低下するおそれがあった。
【0005】
本発明の一態様は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガラス部材及び接合対象部材に対する接合材の全体にわたる密着性を高めることを可能にした接合体の製造方法及び接合体の製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る接合体の製造方法は、ガラス部材と、接合対象部材と、前記ガラス部材と前記接合対象部材とを接合する接合部とを備える接合体の製造方法であって、収容部を有する治具本体と、前記収容部に配置される押圧用透明部材とを含む治具を準備する治具準備工程と、前記収容部内に、前記ガラス部材と、前記接合対象部材と、前記ガラス部材と前記接合対象部材との間に位置し前記接合部を形成するための接合材と、を配置して積層体を形成すると共に、前記収容部の底部に配置された複数の付勢部材の上に前記積層体の第一の表面側を載置し、前記積層体の前記第一の表面とは反対側の第二の表面上に前記押圧用透明部材を載置する載置工程と、前記載置工程の後、前記押圧用透明部材を介して前記積層体の第二の表面を押圧することにより、前記複数の付勢部材の付勢力により前記積層体の第一の表面を押圧する押圧工程と、前記押圧工程により前記積層体を押圧した状態で、前記接合部を前記接合材から形成して、前記接合体を得る接合部形成工程と、を含む。
【0007】
前記の方法によれば、押圧工程において、押圧用透明部材を介して積層体の第二の表面を押圧することにより、複数の付勢部材の付勢力により積層体の第一の表面が押圧される。これにより、押圧用透明部材を介して積層体に押圧力をかけたとき、ガラス部材と接合対象部材との間の接合材に加わる力が付勢力によって調整されるため、ガラス部材と接合材との間及び接合対象部材と接合材との間に加わる力を安定させることができる。よって、ガラス部材及び接合対象部材に対する接合材の全体にわたる密着性を高めることができる。
【0008】
本発明の一態様に係る接合体の製造方法は、前記接合部形成工程では、前記押圧用透明部材及び前記ガラス部材を透過させたレーザー光を、前記接合材に照射することで前記接合材を加熱して、前記接合部を形成してもよい。
前記の方法によれば、レーザー光を用いて局所的に加熱することができるため、例えば、接合材以外の箇所の不所望な温度上昇を抑えることができる。
【0009】
発明の一態様に係る接合体の製造方法において、前記複数の付勢部材は、その付勢力が略同じであってもよい。
【0010】
前記の方法によれば、積層体の下面への、複数の付勢部材の付勢力が均一化されるため、接合材の密着性が部分的に低下することを防ぐことができる。
【0011】
発明の一態様に係る接合体の製造方法は、前記載置工程では、前記複数の付勢部材と前記積層体の第一の表面との間に、付勢板を載置し、前記押圧工程では、前記複数の付勢部材が前記付勢板を介して前記積層体の第一の表面を押圧してもよい。
【0012】
前記の方法によれば、複数の付勢部材の付勢力が付勢板により均一化されるため、付勢部材の付勢力を積層体の下面へより均一に伝えることができ、積層体に対する接合材の全体にわたる密着性を高めることができる。
【0013】
本発明の一態様に係る接合体の製造方法は、前記治具準備工程では、前記押圧用透明部材の第二の表面の少なくとも一部を覆うように配置される押圧用枠体をさらに準備し、前記押圧工程では、前記押圧用枠体が前記押圧用透明部材を押圧してもよい。
【0014】
前記の方法によれば、押圧用枠体の押圧力を積層体の上面へより均一に伝えることができ、積層体に対する接合材の全体にわたる密着性を高めることができる。
【0015】
本発明の一態様に係る接合体の製造方法において、前記ガラス部材の形状は、平板状のガラス板であり、前記接合対象部材の形状は、平板状のガラス板であり、前記載置工程における前記積層体の前記接合材は、少なくとも低融点ガラスを含有し、前記押圧用透明部材は、ガラス板であってもよい。なお、低融点ガラスとは、接合部形成工程で軟化変形するガラスを指し、例えば、示差熱分析において、軟化点が500℃以下のガラスを指す。
【0016】
前記の方法によれば、ガラスはレーザー光を透過させるため、レーザー光を用いて局所的に加熱することができる。これにより、接合材以外の箇所の不所望な温度上昇を抑えることができる。また、低融点ガラスを含有した接合材を用いることにより、より低温で接合材を溶融させることができるため、接合材以外の箇所の不所望な温度上昇をより一層抑えることができる。また、これにより、さらに接合強度を高めることができる。
【0017】
本発明の一態様に係る接合体の製造方法は、前記載置工程では、前記収容部内に配置された位置決め部材によって位置決めされた位置に前記積層体を載置してもよい。
【0018】
前記の方法によれば、位置決め部材を用いることにより、積層体を収容部内の最適な位置に正確に載置することができるため、積層体を全体にわたって均一に押圧することができるとともに、レーザー光を接合材に正確に照射することができる。
【0019】
本発明の一態様に係る接合体の製造方法において、前記積層体は、複数の枠状の接合材を備えてもよい。
【0020】
前記の方法によれば、例えば、ガラス部材と接合対象部材との間に配置される電子部品等の部品を、枠状の接合部によって区画することができる。
【0021】
本発明の一態様に係る接合体の製造方法において、前記積層体は、前記ガラス部材と前記接合対象部材との間に配置されたスペーサをさらに備えてもよい。
【0022】
前記の方法によれば、例えば、ガラス部材と接合対象部材との間に配置される電子部品等の部品が、押圧工程や接合部形成工程において不所望な圧縮力を受けることを回避することが可能となる。
【0023】
本発明の一態様に係る接合体の製造方法は、前記接合部形成工程の後、複数の前記枠状の接合材から形成された複数の枠状の接合部の間の位置で前記接合体を切断する切断工程をさらに備えてもよい。
【0024】
前記の方法によれば、例えば、複数のパッケージを同時に生産することができ、効率的にパッケージを生産することが可能となる。
【0025】
本発明の一態様に係る接合体の製造方法において、前記押圧用透明部材は、厚さが1.5mm以上、5.0mm以下の範囲内であり、かつ弾性率が65GPa以上、85GPa以下の範囲内であるガラス板であってもよい。
【0026】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る接合体の製造装置は、ガラス部材と、接合対象部材と、前記ガラス部材と前記接合対象部材とを接合する接合部とを備える接合体の製造方法に用いられる接合体の製造装置であって、収容部を有する治具本体と、前記収容部に配置される押圧用透明部材と、を備え、前記収容部は、該収容部の底部に複数の付勢部材が配置されると共に、前記ガラス部材と、前記接合対象部材と、前記ガラス部材と前記接合対象部材との間に位置し前記接合部を形成するための接合材とが配置された積層体を、前記複数の付勢部材の上に前記積層体の第一の表面を載置して収容し、前記押圧用透明部材は、前記積層体の前記第一の表面とは反対側の第二の表面に載置されると共に、前記積層体の前記第二の表面を押圧することにより、前記複数の付勢部材の付勢力により前記積層体の前記第一の表面を押圧する。
【0027】
前記の構成によれば、押圧用透明部材を介して積層体の上面(第二の表面)を押圧することにより、複数の付勢部材の付勢力により積層体の下面(第一の表面)が押圧される。これにより、押圧用透明部材を介して積層体に押圧力をかけたとき、ガラス部材と接合対象部材との間の接合材に加わる力が付勢力によって調整されるため、ガラス部材と接合材との間及び接合対象部材と接合材との間に加わる力を安定させることができる。よって、ガラス部材及び接合対象部材に対する接合材の全体にわたる密着性を高めることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の一態様によれば、ガラス部材及び接合対象部材に対する接合材の全体にわたる密着性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態に係る接合体の断面図である。
図2】本発明の実施形態に係るガラス部材の平面図である。
図3】本発明の実施形態に係る接合対象部材の平面図である。
図4図6に示す本発明の実施形態に係る治具のX-X線で切断した断面図である。
図5図4に示す治具の平面図である。
図6図4に示す治具の底面図である。
図7】本発明の実施形態に係る接合体の製造方法の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態に係る接合体の製造方法の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、ガラス部材12の一表面に複数の枠状の接合材14aが配置され、接合対象部材13の一表面に複数の電子部品等の部品15およびスペーサ16が配置される例について説明する。
【0031】
なお、図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率についても、実際と異なる場合がある。
【0032】
図1は本発明の実施形態に係る接合体10の断面図、図2は本発明の実施形態に係るガラス部材12の平面図、図3は本発明の実施形態に係る接合対象部材13の平面図である。
【0033】
図1に示すように、接合体10は、ガラス部材12と、接合対象部材13と、ガラス部材12と接合対象部材13とに接合した接合部14とを備えている。接合体10は、ガラス部材12と接合対象部材13との間に接合材14aを配置した積層体11(図8の状態B参照)から得ることができる。
【0034】
図2に示すように、ガラス部材12は平板状であり、接合対象部材13と接合される側の表面上に、複数の枠状の接合材14aが配置される。枠状の接合材14aは、ガラス部材12が接合対象部材13と接合される際に、部品15の周囲に位置するように配置される。
【0035】
図3に示すように、接合対象部材13は平板状であり、ガラス部材12と接合される側の表面上に、複数の電子部品等の部品15が搭載され、部品15の間にスペーサ16が配置される。
【0036】
<ガラス部材12>
ガラス部材12としては、例えば、無アルカリガラス(例えば日本電気硝子株式会社製OA-10G,OA-11等)、ホウ珪酸ガラス(例えば同社製BDA等)、ソーダライムガラス等が挙げられる。ガラス部材12の厚さは、例えば、50μm以上、1000μm以下の範囲内であり、好ましくは0.3mm以上、0.7mm以下の範囲内であり、より好ましくは0.5mm程度である。ガラス部材12の寸法は、10cm×10cm以上が好ましく、20cm×30cm以上がより好ましい。
【0037】
<接合対象部材13>
接合対象部材13は、例えば、ガラス板、ガラスセラミック板、セラミック板等の板状体を備えている。ガラス板としては、例えば、無アルカリガラス(例えば日本電気硝子株式会社製OA-10G,OA-11等)、ホウ珪酸ガラス(例えば同社製BDA等)、ソーダライムガラス等が挙げられる。接合対象部材13の寸法は、10cm×10cm以上が好ましく、20cm×30cm以上がより好ましい。
【0038】
基板のガラスセラミック板は、ガラスと耐火性フィラーを含有する低温同時焼成セラミック(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)が例示される。
【0039】
セラミック板としては、コーディエライト、ウイレマイト、アルミナ、窒化アルミニウム、リン酸ジルコニウム系化合物、ジルコン、ジルコニア、酸化スズ、β-石英固溶体、β-ユークリプタイト、及びβ-スポジュメンから選ばれる少なくとも一種を含むセラミック板が例示される。
【0040】
接合対象部材13の厚さは、例えば、50μm以上、1000μm以下の範囲内であり、より好ましくは0.7mm程度である。
【0041】
接合対象部材13は、機能膜を有していてもよい。機能膜としては、例えば、透明導電膜、酸化被膜等が挙げられる。透明導電膜としては、例えば、ITO膜、FTO膜、ATO膜等が挙げられる。
【0042】
<接合部14>
接合部14は、接合材14aにより形成される。接合材14aは、少なくとも低融点ガラスを含有し、低融点ガラス粉末、耐火性フィラー、バインダー、溶剤等を混合したペーストを用いて作製することができる。具体的には、ペーストをスクリーン印刷法等の印刷法やディスペンサー等の塗布方法によってガラス部材12上に設け、ペーストをさらに熱処理することで、ガラス部材12上に焼結させて形成する。
【0043】
低融点ガラス粉末としては、例えば、酸化ビスマス(Bi)系ガラス、酸化銀(AgO)系ガラス、酸化テルル(TeO)系ガラスのうち、少なくとも1種類以上が選択される。これらの低融点ガラスを用いると、接合部形成工程で接合強度を高めることができる。また、低融点ガラス粉末は、レーザー光Lの吸収効率を高めるために、ガラス組成中に遷移金属酸化物(例えば、CuO、Feなど)を1モル%以上含むことが好ましい。
【0044】
耐火性フィラーとしては、例えば、コーディエライト、ジルコン、酸化錫、酸化ニオブ、リン酸ジルコニウム系セラミック、ウイレマイト、β-ユークリプタイト、β-石英固溶体のうち、少なくとも1種類以上が選択される。
【0045】
耐火性フィラーのメジアン径(D50)は、2μm未満であることが好ましい。また、耐火性フィラーの99%径(D99)は、15μm未満であることが好ましい。これにより、接合部14の厚みを狭小化し得るため、接合部14周辺のガラス部材12および接合対象部材13に残留する応力を低減することができる。
【0046】
ガラス部材12に設けられた接合材14aの厚さは、0.5μm以上、20μm以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1μm以上、10μm以下の範囲内である。接合材14aの幅は、例えば、1μm以上、10000μm以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは10μm以上、5000μm以下の範囲内であり、さらに好ましくは50μm以上、1000μm以下の範囲内である。
【0047】
なお、接合材14aがガラス部材12上に形成される例について説明したが、これに限らず、接合材14aが接合対象部材13上に形成されてもよい。
【0048】
<部品15>
接合体10及び積層体11は、ガラス部材12と接合対象部材13との間に配置された部品15を備えていてもよい。部品15としては、例えば、レーザーモジュール、LED光源、光センサ、撮像素子、光スイッチ等の光学素子、液晶表示部、有機EL表示部等の表示部、太陽電池セル、振動センサ、加速度センサ等が挙げられる。
【0049】
<スペーサ16>
本実施形態では、接合体10におけるガラス部材12と接合対象部材13との間にスペーサ16を配置している。スペーサ16は、ガラス部材12と接合対象部材13との間隔が所定寸法以下とならないようにするために設けられる。
【0050】
スペーサ16は、平面視で枠状の接合部14の外側、すなわち、隣接する接合部14の間に配置されている。好ましくは、スペーサ16は、平面視で枠状の接合部14の内側及び外側の双方に配置される。この構成によれば、より確実にガラス部材12と接合対象部材13との間隔を一定に保つことができる。なお、この構成に限定されず、スペーサ16は、平面視で枠状の接合部14の内側のみに配置されてもよい。
【0051】
また、スペーサ16は、図3で示した例では、接合対象部材13に配置した例を示したが、これに限らず、ガラス部材12に配置してもよい。また、スペーサ16を備えていなくてもよい。
【0052】
スペーサ16の材料としては、例えば、上記のガラス粉末等から作製される焼結体、セラミックの焼結体、樹脂成形体等が挙げられる。
【0053】
<接合体10>
接合体10の用途の具体例としては、有機ELディスプレイ、有機EL照明装置等の有機ELデバイス、色素増感型太陽電池、全固体型色素増感太陽電池、ペロブスカイト型太陽電池、有機薄膜太陽電池、CIGS系薄膜化合物太陽電池等の太陽電池、MEMS(圧電素子等)パッケージ等のセンサパッケージ、深紫外線等の光を照射するLEDパッケージ等が挙げられる。
【0054】
接合体10は、例えば図1に記載のとおり、切断線CLで示す位置、つまり複数の枠状の接合部14の間の位置で切断して用いてもよい。切断方法としては、例えば、チップホイールやレーザー光を用いて形成したスクライブ線に沿って折り割る方法が挙げられる。
【0055】
また、図1では複数の枠状の接合部14の間のスペーサ16の位置で切断する例を示したが、これに限らず、スペーサ16を避けた位置で切断してもよい。また、スペーサ16が枠状の接合部14の外側にある場合、切断後にスペーサ16が接合体10に残存していなくてもよい。
【0056】
ここで、本実施形態の治具1の要部構成の一例について、詳細に説明する。
【0057】
<治具1>
図4は、図6に示す本発明の実施形態に係る治具1のX-X線で切断した断面図である。図5は、図4に示す治具1の平面図である。図6は、図4に示す治具1の底面図である。
【0058】
図4図5および図6に示すように、治具1は、治具本体20と、押圧用枠体21と、押圧用透明部材28とを備えている。
【0059】
治具本体20は、基台となるベース枠体23、ベース枠体23に載置され、ネジ34によってベース枠体23に固定される付勢部30、ネジ29によってベース枠体23に固定される中間枠体22とを備えている。治具本体20の内部には、付勢部30を底部とし、ベース枠体23および中間枠体22を周壁とする収容部24が形成されている。収容部24には、積層体11の接合対象部材13、ガラス部材12が、順次収容され、さらに、押圧用透明部材28が収容される。
【0060】
付勢部30は、収容部24に収容された積層体11の下面(第一の表面)11aを付勢する。付勢部30は、圧縮力に抗する複数のプランジャ(付勢部材)32と、プランジャ32が装着される基台31と、プランジャ32と積層体11の接合対象部材13との間に配置される付勢板33とを備えている。
【0061】
プランジャ32は、図5および図6に示すように、基台31の全面にわたって、均等に配置されている。プランジャ32の中心軸同士の間隔は、3mm以上10mm以下の範囲であり、好ましくは5mm程度である。
【0062】
また、プランジャ32は、図5に示すように、積層体11の下方のみならず、位置決め部材26の下方に至るまで、積層体11よりも広い領域に配置されているため、より均一に積層体11の下面11aを付勢することができる。
【0063】
プランジャ32は、内部に設けられた圧縮コイルばね(図示を省略)と、当該圧縮コイルばねにより付勢されるピン32aとを備えている。各プランジャ32は、接合対象部材13に対する付勢力が略同一となるように調整される。具体的には、各プランジャ32は、軸周に螺子が形成されており、収容部24の底面側から回転させることにより、収容部24に突出する高さが略同一となるように調整される。
【0064】
付勢板33は、プランジャ32による付勢力を接合対象部材13に対してより均一に伝達させるために配置されている。付勢板33は、接合対象部材13の下面と面接触するように平坦状の上面を有している。付勢板33は、例えば、ステンレス鋼板等の金属板、ガラス板、セラミック板、樹脂板等により形成される。
【0065】
なお、付勢部30の付勢部材は、プランジャ32を備える構成に限定されず、付勢部材は、例えば、圧縮コイルばね、板バネ、ゴム等の弾性を有する高分子材料等であってもよい。付勢部材は、上記のうち一種を用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
【0066】
押圧用透明部材28は、光透過性を有するガラス板であることが好ましい。押圧用透明部材28の厚さは、機械的強度等の観点から、1.5mm以上、特に2.0mm以上の範囲内であることが好ましく、レーザー光の透過性の観点から、5.0mm以下、特に3.0mm以下の範囲内であることが好ましい。また、押圧用透明部材28は、ガラス部材12より厚いことが好ましく、特にガラス部材12よりも1mm以上厚いことが好ましい。押圧用透明部材28の弾性率は、形状安定性の観点から、65GPa以上、85GPa以下の範囲内であることが好ましい。
【0067】
押圧用枠体21は、弾性部材27を介して押圧用透明部材28の上面の少なくとも一部を覆うように配置され、押圧ネジ25によって、中間枠体22に固定される。これにより、押圧ネジ25を中間枠体22に向かってねじ込むことにより、押圧用透明部材28を介して、積層体11の上面(第二の表面)11bを押圧することができる。
【0068】
また、この際、押圧用透明部材28を介しての積層体11の上面11bへの押圧により、付勢部30の付勢力によって積層体11の下面11aが押圧される。
【0069】
<接合体10の製造方法>
本実施形態に係る接合体10の製造方法の一例を、図7及び図8に基づいて説明する。
【0070】
図7は本発明の実施形態に係る接合体10の製造方法の流れの一例を示すフローチャートであり、図8は本発明の実施形態に係る接合体10の製造方法の一例を説明する図である。
【0071】
図7に示すように、接合体10の製造方法は、ステップS1の治具準備工程と、ステップS2の載置工程と、ステップS3の押圧工程と、ステップS4の接合部形成工程と、ステップS5の切断工程とを含んでいる。
【0072】
ステップS1の治具準備工程では、積層体11を収容して押圧する治具1を準備する。
【0073】
ステップS2の載置工程では、図8の状態Aに示すように、まず、接合対象部材13が、部品15が搭載された面が上側になるように、治具1に配置された付勢板33の上に載置される。その次に、ガラス部材12が、接合材14aが形成された面が下側になるように、接合対象部材13の上に載置される。これにより、収容部24の内部において、接合対象部材13と、ガラス部材12と、ガラス部材12と接合対象部材13との間に配置した接合材14aとを備える積層体11が形成される。
【0074】
付勢板33の上に、位置決め部材26を配置してもよい。そして、位置決め部材26の厚みは、付勢力を確実に付与するために、積層体11の厚みより小さいことが好ましい。位置決め部材26は、枠状に形成され、積層体11の外形と略同一の形状の収容空間26aが内部に形成されている。収容空間26aに積層体11を収容することにより、積層体11を正確な位置に配置することができる。また、大きさの異なる積層体11ごとに、対応する位置決め部材26を用いることにより、積層体11の大きさが相違しても、積層体11を正しい位置に配置することができる。
【0075】
次に、図8の状態Bに示すように、積層体11の上面11bに、押圧用透明部材28が載置され、押圧用透明部材28の上面の周縁部を覆うように、押圧用枠体21が、押圧ネジ25によって中間枠体22に固定される。
【0076】
ステップS3の押圧工程では、押圧ネジ25を中間枠体22に向かってねじ込むことにより、押圧用透明部材28を介して、積層体11の上面11bを押圧する。この際、押圧用透明部材28を介しての積層体11の上面11bへの押圧により、付勢部30の付勢力によって積層体11の下面11aが押圧される。
【0077】
ステップS4の接合部形成工程では、ステップS3の押圧工程により積層体11を押圧した状態で、ガラス部材12と接合対象部材13とに接合した接合部14を接合材14aから形成する。これにより、積層体11から接合体10が得られる。
【0078】
本実施形態におけるステップS4の接合部形成工程では、レーザー光Lを用いて接合材14aを加熱する。詳述すると、ステップS4の接合部形成工程では、図8の状態Cに示すように、レーザー光Lを押圧用透明部材28及びガラス部材12を順に透過させて接合材14aに照射する。
【0079】
レーザー光Lの波長は、接合材14aを加熱することができる波長であれば特に限定されない。レーザー光Lの波長は、例えば、600~1600nmの範囲内であることが好ましい。レーザー光Lを出射する光源としては、例えば、半導体レーザーを用いることが好ましい。
【0080】
ステップS5の切断工程では、ステップS4の接合部形成工程後、複数の枠状の接合部14の間の位置(図1に示すCL)で、接合体10を切断する切断工程を行うことで、複数の接合体を得ることができる。
【0081】
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。
【0082】
(1)接合体10の製造方法において、ステップ1の治具準備工程では、収容部24を有する治具本体20と、収容部24に配置される押圧用透明部材28とを含む治具1を準備する。
【0083】
ステップ2の載置工程では、収容部24内に、ガラス部材12と、接合対象部材13と、ガラス部材12と接合対象部材13との間に位置し接合部14を形成するための接合材14aとを配置して積層体11を形成すると共に、収容部24の底部に配置された複数の付勢部材32の上に積層体11の下面11a側を載置し、積層体11の上面11b上に押圧用透明部材28を載置する。
【0084】
ステップ3の押圧工程では、押圧用透明部材28を介して積層体11の上面11bを押圧することにより、複数の付勢部材32の付勢力により積層体11の下面11aを押圧する。
【0085】
ステップ4の接合部形成工程では、積層体11を押圧した状態で、接合部14を接合材14aから形成して、接合体10を得る。
【0086】
上記の方法によれば、ステップ3の押圧工程において、押圧用透明部材28を介して積層体11の上面11bを押圧することにより、複数の付勢部材32の付勢力により積層体11の下面11aを押圧している。これにより、ガラス部材12と接合対象部材13との間の接合材14aに加わる力が付勢力によって調整されるため、ガラス部材12と接合材14aとの間及び接合対象部材13と接合材14aとの間に加わる力を安定させることができる。
【0087】
これにより、ガラス部材12及び接合対象部材13に対する接合材14aの全体にわたる密着性を容易に高めることができる。このため、例えば、ステップS4の接合部形成工程で得られる接合体10において、ガラス部材12と接合対象部材13との接合不良を削減したり、接合部14の信頼性を高めたりすることができる。
【0088】
(2)ステップ4の接合部形成工程では、押圧用透明部材28及びガラス部材12を透過させたレーザー光Lを、接合材14aに照射することで接合材14aを加熱して、接合部14を形成する。
【0089】
これにより、レーザー光Lを用いて局所的に加熱することができるため、例えば、接合材14a以外の箇所の不所望な温度上昇を抑えることができる。
【0090】
(3)ステップ3の押圧工程では、押圧用枠体21が、押圧用透明部材28を介して積層体11の上面11bを均一に押圧し、複数の付勢部材32は、その付勢力が略同じであり、付勢板33を介して積層体11の下面11aを均一に付勢する。
【0091】
これにより、ガラス部材12及び接合対象部材13に対する接合材14aの全体にわたる密着性をより高めた状態で、ステップS4の接合部形成工程を行うことができる。したがって、得られる接合体10において、ガラス部材12と接合対象部材13との接合不良をより削減したり、接合部14の信頼性をより高めたりすることができる。
【0092】
(4)ステップ2の載置工程では、積層体11は、ガラス部材12と接合対象部材13との間に配置されたスペーサ16をさらに備える。これにより、ガラス部材12と接合対象部材13との間のギャップが一定に保たれ、ガラス部材12と接合対象部材13の間に配置される電子部品等の部品15が、ステップ3の押圧工程やステップ4の接合部形成工程において不所望な圧縮力を受けることを回避することが可能となる。特に積層体11のサイズ(ガラス部材12と接合対象部材13の面積)が大きくなるほど、中央付近のギャップが狭小化しやすいが、本実施態様であれば、このような不具合を効果的に回避することができる。
【0093】
(変更例)
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0094】
ステップS4の接合部形成工程は、レーザー光Lを用いて加熱する工程に限定されず、例えば、レーザー光L以外の光線(例えば、赤外線ランプ)を用いて加熱する工程や、紫外線硬化性樹脂を含有する接合材を、紫外線を用いて硬化させる工程であってもよい。
【0095】
押圧用透明部材28は、ガラス以外の材料から構成してもよい。また、押圧用透明部材28は、異種材料の層を含む積層構造を有していてもよい。例えば、押圧用透明部材28は、ガラス板と弾性部材27とが一体となった構造を有していてもよい。
【0096】
また、弾性部材27は、押圧用透明部材28ではなく、押圧用枠体21と一体となった構造を有していてもよい。
【0097】
ステップS2載置工程では、押圧用透明部材28側に積層体11の接合対象部材13が位置するように、積層体11の表裏を反対にして治具本体20の収容部24内に配置してもよい。
【0098】
ステップS3の押圧工程は、接合対象部材13をガラス部材12に向けて押圧し、ガラス部材12を押圧用透明部材28に向けて付勢してもよい。
【0099】
積層体11の枠状の接合材14aの数は、特に限定されず、単数であってもよいし、2つ以上であってもよい。
【0100】
接合材14aの形状は、連続した枠状であってもよいし、不連続の枠状であってもよい。
【0101】
接合材14a及び接合部14は、ガラス部材12と接合対象部材13との間に気密となる区画を形成する形状に限定されず、ガラス部材12と接合対象部材13とを接合できる形状であればよい。
【0102】
積層体11のスペーサ16を省略することもできる。スペーサ16の数、形状、寸法等は、適宜変更することができる。
【0103】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0104】
1 治具
10 接合体
11 積層体
11a 下面(第一の表面)
11b 上面(第二の表面)
12 ガラス部材
13 接合対象部材
14 接合部
14a 接合材
16 スペーサ
20 治具本体
21 押圧用枠体
24 収容部
26 位置決め部材
28 押圧用透明部材
32 付勢部材
33 付勢板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8