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特許7388138信号情報出力装置、残青時間出力方法、および残青時間出力プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】信号情報出力装置、残青時間出力方法、および残青時間出力プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/07 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
G08G1/07 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019203009
(22)【出願日】2019-11-08
(65)【公開番号】P2021077069
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今吉 英司
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-210036(JP,A)
【文献】特開2004-157735(JP,A)
【文献】特開2012-146091(JP,A)
【文献】特開2015-176226(JP,A)
【文献】特開2013-097538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号制御装置によって灯色信号が切り替えられる信号機が青信号であるときに、その青信号が終了するまでの残青時間を出力する信号情報出力装置であって、
時刻を計時する計時部と、
前記青信号の開始、前記青信号が継続された継続時間、および前記信号制御装置が前記信号機を制御する制御周期を検出する検出部と、
前記信号制御装置が信号制御パラメータを切り替えることが予測されている切替時刻と、切り替えられた前記信号制御パラメータで制御された前記信号機で青信号が継続される青信号継続時間と、前記制御周期が得られる補助時間とを含む青信号情報が複数登録された青信号テーブルを記憶する記憶部と、
前記青信号テーブルに登録されている前記青信号情報の中で、前記計時部が前記検出部によって前記青信号の開始が検出されたときに計時していた青開始時刻に対応する前記青信号情報を第1青信号情報として選択する選択部と、
前記選択部が選択した前記第1青信号情報に含まれる前記青信号継続時間を用いて、前記残青時間を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記残青時間を出力する出力部と、
前記検出部によって検出された前記青信号が継続された継続時間、および前記制御周期が、前記選択部によって選択された前記第1青信号情報に適合するかどうかを判定し、適合しないと判定したとき、前記青信号テーブルを更新する更新部と、を備え、
前記選択部は、前記切替時刻が、前記青開始時刻よりも以前の時刻であって、この青開始時刻に時間的に最も近い前記青信号情報を前記第1青信号情報として選択する、信号情報出力装置。
【請求項2】
前記更新部は、前記検出部によって検出された前記青信号が継続された継続時間、および前記制御周期が、前記選択部によって選択された前記第1青信号情報に適合しておらず、前記切替時刻が当該第1青信号情報の前記切替時刻よりも以降の時刻であって、時間的に最も近い別の前記青信号情報に適合していれば、この別の前記青信号情報の切替時刻を前記検出部が取得した前記青開始時刻に更新する、請求項に記載の信号情報出力装置。
【請求項3】
前記更新部は、前記検出部によって検出された前記青信号が継続された継続時間、および前記制御周期が、前記選択部によって選択された前記第1青信号情報に適合しておらず、この適合していないと判定された前記第1青信号情報と、前回の制御周期で選択された前記青信号情報とが同じであれば、前記検出部によって検出された前記青信号が継続された継続時間、および前記制御周期に基づいて前記青信号情報を新たに生成し、ここで生成した前記青信号情報を前記青信号テーブルに追加登録する、請求項、またはに記載の信号情報出力装置。
【請求項4】
前記更新部は、前記検出部によって検出された前記青信号が継続された継続時間、および前記制御周期が、前記選択部によって選択された前記第1青信号情報に適合しておらず、この適合していないと判定された前記第1青信号情報と、前回の制御周期で選択された前記青信号情報とが同じでなく、さらに、前記検出部によって検出された前記青信号が継続された継続時間、および前記制御周期が、この前回の制御周期で選択された前記青信号情報に適合していれば、前記青信号テーブルに登録されている、適合していないと判定された前記第1青信号情報を削除する、請求項に記載の信号情報出力装置。
【請求項5】
前記選択部は、前記切替時刻が、前記検出部が検出した前記青開始時刻よりも以降の時刻であって、この青開始時刻に時間的に最も近い前記青信号情報を第2青信号情報とし、前記青開始時刻と前記第2青信号情報の前記切替時刻との時間差が、前記第2青信号情報から得られた前記信号機の制御周期よりも短ければ、前記第1青信号情報に加えて、前記第2青信号情報を選択し、
前記算出部は、前記選択部によって前記第1青信号情報、および前記第2青信号情報が選択されたとき、前記残青時間として前記第1青信号情報を用いた第1残青時間、および前記第2青信号情報を用いた第2残青時間を算出し、
前記出力部は、前記第1残青時間、および前記第2残青時間を出力する、請求項のいずれかに記載の信号情報出力装置。
【請求項6】
前記補助時間は、前記青信号でない状態の継続時間である、請求項のいずれかに記載の信号情報出力装置。
【請求項7】
前記検出部は、前記信号機の青色の灯色光源に対する電源供給ラインに流れる電流の変化によって、前記青信号の開始を検出する、請求項1~のいずれかに記載の信号情報出力装置。
【請求項8】
信号制御装置によって灯色信号が切り替えられる信号機が青信号であるときに、その青信号が終了するまでの残青時間を出力する信号情報出力装置であって、
時刻を計時する計時部と、
前記青信号の開始、前記青信号が継続された継続時間、および前記信号制御装置が前記信号機を制御する制御周期を検出する検出部と、
前記信号制御装置が信号制御パラメータを切り替えることが予測されている切替時刻と、切り替えられた前記信号制御パラメータで制御された前記信号機で青信号が継続される青信号継続時間と、前記制御周期が得られる補助時間とを含む青信号情報が複数登録された青信号テーブルを記憶する記憶部と、
前記青信号テーブルに登録されている前記青信号情報の中で、前記計時部が前記検出部によって前記青信号の開始が検出されたときに計時していた青開始時刻に対応する前記青信号情報を第1青信号情報として選択する選択部と、
前記選択部が選択した前記第1青信号情報に含まれる前記青信号継続時間を用いて、前記残青時間を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記残青時間を出力する出力部と、を備え、
前記選択部は、前記切替時刻が、前記青開始時刻よりも以前の時刻であって、この青開始時刻に時間的に最も近い前記青信号情報を前記第1青信号情報として選択するとともに、前記切替時刻が、前記青開始時刻よりも以降の時刻であって、この青開始時刻に時間的に最も近い前記青信号情報を第2青信号情報とし、前記青開始時刻と前記第2青信号情報の前記切替時刻との時間差が、前記第2青信号情報から得られた前記信号機の制御周期よりも短ければ、前記第1青信号情報に加えて、前記第2青信号情報を選択し、
前記算出部は、前記選択部によって前記第1青信号情報、および前記第2青信号情報が選択されたとき、前記残青時間として前記第1青信号情報を用いた第1残青時間、および前記第2青信号情報を用いた第2残青時間を算出し、
前記出力部は、前記第1残青時間、および前記第2残青時間を出力する、信号情報出力装置。
【請求項9】
信号制御装置によって灯色信号が切り替えられる信号機が青信号であるときに、その青信号が終了するまでの残青時間を出力する残青時間出力方法であって、
時刻を計時する計時部と、
前記信号制御装置が信号制御パラメータを切り替えることが予測されている切替時刻と、切り替えられた前記信号制御パラメータで制御された前記信号機で青信号が継続される青信号継続時間と、前記信号制御装置が前記信号機を制御する制御周期が得られる補助時間と、を含む青信号情報が複数登録された青信号テーブルを記憶する記憶部と、を備える信号情報出力装置のコンピュータが、
前記青信号の開始、前記青信号が継続された継続時間、および前記制御周期を検出する検出ステップと、
前記青信号テーブルに登録されている前記青信号情報の中で、前記検出ステップで前記青信号の開始を検出したときに、前記計時部が計時していた青開始時刻に対応する前記青信号情報を第1青信号情報として選択する選択ステップと、
前記選択ステップで選択した前記第1青信号情報に含まれる前記青信号継続時間を用いて、前記残青時間を算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出した前記残青時間を出力する出力ステップと、
前記検出ステップで検出された前記青信号が継続された継続時間、および前記制御周期が、前記選択ステップで選択された前記第1青信号情報に適合するかどうかを判定し、適合しないと判定したとき、前記青信号テーブルを更新する更新ステップと、を実行し、
前記選択ステップは、前記切替時刻が、前記青開始時刻よりも以前の時刻であって、この青開始時刻に時間的に最も近い前記青信号情報を前記第1青信号情報として選択するステップである、残青時間出力方法。
【請求項10】
信号制御装置によって灯色信号が切り替えられる信号機が青信号であるときに、その青信号が終了するまでの残青時間を出力する残青時間出力方法であって、
時刻を計時する計時部と、
前記信号制御装置が信号制御パラメータを切り替えることが予測されている切替時刻と、切り替えられた前記信号制御パラメータで制御された前記信号機で青信号が継続される青信号継続時間と、前記信号制御装置が前記信号機を制御する制御周期が得られる補助時間と、を含む青信号情報が複数登録された青信号テーブルを記憶する記憶部と、を備える信号情報出力装置のコンピュータが、
前記青信号の開始、前記青信号が継続された継続時間、および前記制御周期を検出する検出ステップと、
前記青信号テーブルに登録されている前記青信号情報の中で、前記検出ステップで前記青信号の開始を検出したときに、前記計時部が計時していた青開始時刻に対応する前記青信号情報を第1青信号情報として選択する選択ステップと、
前記選択ステップで選択した前記第1青信号情報に含まれる前記青信号継続時間を用いて、前記残青時間を算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出した前記残青時間を出力する出力ステップと、を実行し、
前記選択ステップは、前記切替時刻が、前記青開始時刻よりも以前の時刻であって、この青開始時刻に時間的に最も近い前記青信号情報を前記第1青信号情報として選択するとともに、前記切替時刻が、前記青開始時刻よりも以降の時刻であって、この青開始時刻に時間的に最も近い前記青信号情報を第2青信号情報とし、前記青開始時刻と前記第2青信号情報の前記切替時刻との時間差が、前記第2青信号情報から得られた前記信号機の制御周期よりも短ければ、前記第1青信号情報に加えて、前記第2青信号情報を選択するステップであり、
前記算出ステップは、前記選択ステップで前記第1青信号情報、および前記第2青信号情報が選択されたとき、前記残青時間として前記第1青信号情報を用いた第1残青時間、および前記第2青信号情報を用いた第2残青時間を算出するステップであり、
前記出力ステップは、前記第1残青時間、および前記第2残青時間を出力するステップである、残青時間出力方法。
【請求項11】
信号制御装置によって灯色信号が切り替えられる信号機が青信号であるときに、その青信号が終了するまでの残青時間を出力する残青時間出力プログラムであって、
時刻を計時する計時部と、
前記信号制御装置が信号制御パラメータを切り替えることが予測されている切替時刻と、切り替えられた前記信号制御パラメータで制御された前記信号機で青信号が継続される青信号継続時間と、前記信号制御装置が前記信号機を制御する制御周期が得られる補助時間と、を含む青信号情報が複数登録された青信号テーブルを記憶する記憶部と、を備える信号情報出力装置のコンピュータに、
前記青信号の開始、前記青信号が継続された継続時間、および前記制御周期を検出する検出ステップと、
前記青信号テーブルに登録されている前記青信号情報の中で、前記検出ステップで前記青信号の開始を検出したときに、前記計時部が計時していた青開始時刻に対応する前記青信号情報を第1青信号情報として選択する選択ステップと、
前記選択ステップで選択した前記第1青信号情報に含まれる前記青信号継続時間を用いて、前記残青時間を算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出した前記残青時間を出力する出力ステップと、
前記検出ステップで検出された前記青信号が継続された継続時間、および前記制御周期が、前記選択ステップで選択された前記第1青信号情報に適合するかどうかを判定し、適合しないと判定したとき、前記青信号テーブルを更新する更新ステップと、を実行させ、
前記選択ステップは、前記切替時刻が、前記青開始時刻よりも以前の時刻であって、この青開始時刻に時間的に最も近い前記青信号情報を前記第1青信号情報として選択するステップである、残青時間出力プログラム。
【請求項12】
信号制御装置によって灯色信号が切り替えられる信号機が青信号であるときに、その青信号が終了するまでの残青時間を出力する残青時間出力プログラムであって、
時刻を計時する計時部と、
前記信号制御装置が信号制御パラメータを切り替えることが予測されている切替時刻と、切り替えられた前記信号制御パラメータで制御された前記信号機で青信号が継続される青信号継続時間と、前記信号制御装置が前記信号機を制御する制御周期が得られる補助時間と、を含む青信号情報が複数登録された青信号テーブルを記憶する記憶部と、を備える信号情報出力装置のコンピュータに、
前記青信号の開始、前記青信号が継続された継続時間、および前記制御周期を検出する検出ステップと、
前記青信号テーブルに登録されている前記青信号情報の中で、前記検出ステップで前記青信号の開始を検出したときに、前記計時部が計時していた青開始時刻に対応する前記青信号情報を第1青信号情報として選択する選択ステップと、
前記選択ステップで選択した前記第1青信号情報に含まれる前記青信号継続時間を用いて、前記残青時間を算出する算出ステップと、
前記算出ステップで算出した前記残青時間を出力する出力ステップと、を実行させ、
前記選択ステップは、前記切替時刻が、前記青開始時刻よりも以前の時刻であって、この青開始時刻に時間的に最も近い前記青信号情報を前記第1青信号情報として選択するとともに、前記切替時刻が、前記青開始時刻よりも以降の時刻であって、この青開始時刻に時間的に最も近い前記青信号情報を第2青信号情報とし、前記青開始時刻と前記第2青信号情報の前記切替時刻との時間差が、前記第2青信号情報から得られた前記信号機の制御周期よりも短ければ、前記第1青信号情報に加えて、前記第2青信号情報を選択するステップであり、
前記算出ステップは、前記選択ステップで前記第1青信号情報、および前記第2青信号情報が選択されたとき、前記残青時間として前記第1青信号情報を用いた第1残青時間、および前記第2青信号情報を用いた第2残青時間を算出するステップであり、
前記出力ステップは、前記第1残青時間、および前記第2残青時間を出力するステップである、残青時間出力プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、交差点に設置された信号機の残青時間を出力する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、信号制御装置が、設定されている信号制御パラメータに基づいて、交差点に設置されている信号機の灯色信号(青信号、黄信号、赤信号等)を切り替えている。信号制御パラメータは、サイクル(1周期の時間)、スプリット(青信号の割合)、オフセット(基準交差点に対して青信号の開始タイミングをずらす時間)等を規定する。交差点の交通量は、時間帯で変化する。信号制御装置には、使用する信号制御パラメータが時間帯別に設定されている。各時間帯の信号制御パラメータは、その時間帯の交通量に応じて決定されたものである。
【0003】
また、車両のドライバは、交差点の流入路を走行しているときに、この交差点の信号機が青信号から黄信号に切り替わると、交差点手前で停止するために、急ブレーキをかけたり、交差点を通過しようとして急加速したりすることがある。このような急ブレーキや、急加速は、事故を起こす可能性を高めることから、交差点に近づく車両に対して、信号機の灯色が赤信号に切り替わるまでの時間を送信(出力)する構成の信号情報送信装置があった(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載されている信号情報送信装置は、管制センタに接続されている信号制御装置であり、管制センタから指示された信号制御パラメータに基づいて、その交差点に設置されている信号機の灯色信号を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-233854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、管制センタに接続されていることを前提にしたものである。一方で、既設の信号制御装置には、管制センタに接続されていないものがある。具体的には、全体のおよそ2/3が、管制センタに接続されていない信号制御装置である。すなわち、管制センタに接続されている信号制御装置よりも、管制センタに接続されていない信号制御装置のほうが多い(管制センタに接続されていない信号制御装置の台数は、管制センタに接続されている信号制御装置の台数の2倍程度である。)。
【0006】
なお、管制センタに接続されていない信号制御装置は、時間帯等で変化する交通需要に応じて、信号機の制御に用いる信号制御パラメータを切り替えるために、複数の信号制御パラメータを時間帯等で区分して記憶している。
【0007】
これらのことから、特許文献1に記載された技術で、交差点において、当該交差点に近づく車両に対して、信号機の灯色信号が黄信号や、赤信号に切り替わるまでの時間を出力する交通インフラを構築するには、
(1)信号制御装置が管制センタに接続されていない交差点に対して、管制センタに接続するための通信インフラの整備、
(2)接続される信号制御装置の増加(およそ、現在の3倍程度になる。)にともなう、管制センタの処理能力の大幅な向上、
等の環境整備が必要になる。
【0008】
特に、実用化に向けた開発が進められている自動運転車両(ここでは、レベル3以上の自動運転車両を意味する。)を普及させるために、上記した、信号機の灯色信号が黄信号や、赤信号に切り替わるまでの時間を車両に通知する交通インフラの整備が求められている。
【0009】
この発明の目的は、信号機の灯色信号を制御する信号制御装置が管制センタに接続されているかどうかにかかわらず、信号機の青信号が終了するまでの残青時間の出力が行える技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の信号情報出力装置は、上記目的を達成するため以下に示すように構成している。
【0011】
信号情報出力装置は、信号制御装置によって灯色信号が切り替えられる信号機が青信号であるときに、その青信号が終了するまでの残青時間を出力する。
【0012】
信号情報出力装置は、信号制御装置が信号制御パラメータを切り替えることが予測されている切替時刻と、切り替えられた信号制御パラメータで制御された信号機で青信号が継続される青信号継続時間とを含む青信号情報が複数登録された青信号テーブルを記憶部に記憶している。
【0013】
選択部は、青信号テーブルに登録されている青信号情報の中で、計時部が検出部によって青信号の開始が検出されたときに計時していた青開始時刻に対応する青信号情報を第1青信号情報として選択する。第1青信号情報は、切替時刻が青開始時刻よりも以前の時刻であって、この青開始時刻に時間的に最も近い青信号情報である。
【0014】
検出部は、例えば、信号機の青色の灯色光源に対する電源供給ラインに流れる電流の変化によって、青信号の開始を検出する構成であってもよいし、信号機を撮像した動画像を処理して、青信号の開始を検出する構成であってもよいし、その他の構成であってもよい。
【0015】
また、算出部は、選択部が選択した第1青信号情報に含まれる青信号継続時間を用いて、残青時間を算出する。残青青時間は、青信号継続時間から、青開始時刻から算出時点までの経過時間を差し引くことによって算出できる。算出部が算出した残青時間は、出力部において出力される。出力部において出力された残青時間は、例えば、無線信号で送信され、走行している車両に搭載されている車載装置等に通知される。
【0016】
なお、ここで言う時刻は、ある1つの時点であり、時間とは異なる2つの時点間の長さである。
【0017】
この構成によれば、信号機の灯色信号を制御する信号制御装置が管制センタに接続されているかどうかにかかわらず、信号機の青信号が終了するまでの残青時間の出力が行える。すなわち、交差点において、当該交差点に近づく車両に対して、信号機の灯色信号が青信号から、黄信号に切り替わるまでの残青時間を出力する交通インフラが、通信インフラを整備したり、管制センタの処理能力を向上させたり、することなく実現できる。
【0018】
また、青信号情報が、信号制御装置が信号機を制御する制御周期が得られる補助時間を含み、検出部が、信号機において青信号が継続された継続時間、および制御周期を検出し、検出部によって検出された青信号が継続された継続時間、および制御周期が、選択部によって選択された第1青信号情報に適合するかどうかを判定し、適合しないと判定したとき、青信号テーブルを更新する更新部を備える構成にしてもよい。
【0019】
補助時間は、例えば、制御周期における、青信号でない時間であってもよいし、制御周期を示す時間であってもよいし、黄信号の継続時間と赤信号の継続時間の2つであってもよい。
【0020】
このように構成すれば、信号制御装置が記憶している信号制御パラメータが変更されたとき、その変更された信号制御パラメータに応じて、青信号テーブルを更新することができる。
【0021】
更新部は、例えば、
(1)検出部によって検出された青信号が継続された継続時間、および制御周期が、選択部によって選択された第1青信号情報に適合しておらず、切替時刻が当該第1青信号情報の切替時刻よりも以降の時刻であって、時間的に最も近い別の青信号情報に適合していれば、この別の青信号情報の切替時刻を検出部が取得した青開始時刻に更新する構成にしてもよいし、
(2)検出部によって検出された青信号が継続された継続時間、および制御周期が、選択部によって選択された第1青信号情報に適合しておらず、この適合していないと判定された第1青信号情報と、前回の制御周期で選択された青信号情報とが同じであれば、検出部によって検出された青信号が継続された継続時間、および制御周期に基づいて青信号情報を新たに生成し、ここで生成した青信号情報を青信号テーブルに追加登録する構成にしてもよいし、
(3)検出部によって検出された青信号が継続された継続時間、および制御周期が、選択部によって選択された第1青信号情報に適合しておらず、この適合していないと判定された第1青信号情報と、前回の制御周期で選択された青信号情報とが同じでなく、さらに、検出部によって検出された青信号が継続された継続時間、および制御周期が、この前回の制御周期で選択された青信号情報に適合していれば、青信号テーブルに登録されている、適合していないと判定された第1青信号情報を削除する構成にしてもよい。
【0022】
また、更新部は、上記(1)~(3)の2つ以上を組み合わせた構成にしてもよい。
【0023】
さらに、選択部を、切替時刻が、検出部が検出した青開始時刻よりも以降の時刻であって、この青開始時刻に時間的に最も近い青信号情報を第2青信号情報とし、青開始時刻と第2青信号情報の切替時刻との時間差が、第2青信号情報から得られた信号機の制御周期よりも短ければ、第1青信号情報に加えて、第2青信号情報を選択する構成にするとともに、
算出部を、選択部によって第1青信号情報、および第2青信号情報が選択されたとき、第1青信号情報を用いた第1残青時間、および第2青信号情報を用いた第2残青時間を算出する構成にし、且つ、出力部を、第1残青時間、および第2残青時間を出力する構成にしてもよい。
【0024】
このように構成すれば、青開始時刻が切替時刻の直前であり、信号制御装置が切替時刻よりも前に設定されている信号制御パラメータで信号機を制御するのか、切替時刻以降に設定されている信号制御パラメータで信号機を制御するのかを確定できないとき、2つの残青時間(第1残青時間、および第2残青時間)が出力される。これにより、残青時間の誤報によって、交通流が乱れるのを防止できる。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、信信号機の灯色信号を制御する信号制御装置が管制センタに接続されているかどうかにかかわらず、信号機の青信号が終了するまでの残青時間の出力が行える。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】この例にかかる信号情報出力装置が適用される交差点の概略図である。
図2】信号情報出力装置、信号制御装置、および信号機の接続関係を示す概略図である。
図3】交差点に設置されている信号機の現示階梯図である。
図4】信号情報出力装置の主要部の構成を示すブロック図である。
図5】青信号テーブルを示す図である。
図6】信号情報出力装置の動作を示すフローチャートである。
図7】変形例1にかかる信号情報出力装置の主要部の構成を示すブロック図である。
図8】変形例1にかかる信号情報出力装置の動作を示すフローチャートである。
図9】更新処理を示すフローチャートである。
図10】変形例2にかかる信号情報出力装置の動作を示すフローチャートである。
図11】変形例2にかかる信号情報出力装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明の実施形態について説明する。
【0028】
<1.適用例>
図1は、この例にかかる信号情報出力装置が適用される交差点の概略図である。図2は、図1に示す交差点における信号情報出力装置、信号制御装置、および信号機の接続関係を示す概略図である。また、以下の説明において、時刻、およびタイミングは、ある1つの時点を示し、時間は異なる2つの時点間の長さを示す。
【0029】
図1に示す交差点は、主道路と従道路とが交差する十字路である。図1では、車両100(100a、100b)が左右方向に走行する道路が主道路であり、車両100(100c、100d)が上下方向に走行する道路が従道路である。信号機6(6a~6d)は、交差点の流入路ごとに設置されている。具体的には、信号機6aは、図1において、右側から交差点に進入する流入路(主道路)走行している車両100aの現示を表示する。また、信号機6bは、図1において、左側から交差点に進入する流入路(主道路)走行している車両100bに対して現示を表示する。また、信号機6cは、図1において、上側から交差点に進入する流入路(従道路)走行している車両100cに対して現示を表示する。また、信号機6dは、図1において、下側から交差点に進入する流入路(従道路)走行している車両100cに対して現示を表示する。
【0030】
この例では、信号機6の灯色信号は、青信号、黄信号、および赤信号の3つである。青信号とは、青色の灯色光源を点灯させた状態であり、黄信号とは、黄色の灯色光源を点灯させた状態であり、赤信号とは、赤色の灯色光源を点灯させた状態である。
【0031】
信号制御装置5は、この交差点に設置されている信号機6の灯色信号の切り替えを制御する。信号制御装置5、および信号機6は、既設の装置である。この例では、信号制御装置5は、信号機6a、6bの灯色信号を同期させ、信号機6c、6dの灯色信号を同期させる。すなわち、信号機6a、6bは、信号制御装置5によって、同じタイミングで、同じ灯色信号に切り替えられる。また、信号機6c、6dは、信号制御装置5によって、同じタイミングで、同じ灯色信号に切り替えられる。
【0032】
図2に示すように、信号制御装置5と、信号機6とは、青色の灯色光源に対する電源供給ライン5B(5Ba~5Bd)、黄色の灯色光源に対する電源供給ライン5Y(5Ya~5Yd)、および赤色の灯色光源に対する電源供給ライン5R(5Ra~5Rd)によって接続されている。信号制御装置5は、電源供給ライン5B、5Y、5Rを介して灯色光源を点灯させる電力を信号機6に供給する。信号機6の灯色光源は、電源供給ライン5B、5Y、5Rを介して電力が供給されているときに点灯し、電源供給ライン5B、5Y、5Rを介して電力が供給されていないときに消灯する。
【0033】
信号制御装置5は、管制センタに接続されていてもよいが、ここでは、管制センタに接続されていないものとして説明する。信号制御装置5には、時間帯別に、信号制御パラメータが設定されている。信号制御パラメータは、周知のように、サイクル(1周期の時間)、スプリット(青信号の割合)、オフセット(基準交差点に対して青信号の開始タイミングをずらす時間)等を規定する。信号制御装置5は、信号機6の灯色信号を、該当する時間帯の信号制御パラメータに基づいて切り替える。
【0034】
ここで、信号制御装置5による、交差点に設置されている信号機6の灯色信号の切り替えについて簡単に説明しておく。図3は、この例にかかる交差点に設置されている信号機の現示階梯図である。図3に示すフェーズ1(φ1)は、信号機6a、6bが青信号であり、信号機6c、6dが赤信号である階梯である。フェーズ2(φ2)は、信号機6a、6bが黄信号であり、信号機6c、6dが赤信号である階梯である。フェーズ3(φ3)は、全ての信号機6a~6dが赤信号である階梯である。フェーズ4(φ4)は、信号機6a、6bが赤信号であり、信号機6c、6dが青信号である階梯である。フェーズ5(φ5)は、信号機6a、6bが赤信号であり、信号機6c、6dが黄信号である階梯である。フェーズ6(φ6)は、全ての信号機6a~6dが赤信号である階梯である。信号制御装置5は、フェーズ1~フェーズ6を1周期とし、各信号機6a~6dの灯色信号を切り替える。各フェーズ(φ1~φ6)の時間は、信号制御パラメータによって決まる。
【0035】
また、信号情報出力装置1は、信号機6a、6bが青信号であるときに、この青信号が終了するまでの残青時間を算出し、出力する。図2に示すように、信号情報出力装置1には、電流プローブ3が接続されている。この電流プローブ3は、信号機6aの青色の灯色光源に対する電源供給ライン5Baを挟みこむように配置されている。この電流プローブ3は、電源供給ライン5Baに流れる電流の大きさ(電流値)を検出し、信号情報出力装置1に出力する。
【0036】
この例の信号情報出力装置1は、信号制御装置5に接続されていない。また、この例の信号情報出力装置1は、信号機6c、6dが青信号であるときに、この青信号が終了するまでの残青時間の算出、および出力を行わない構成であるとして説明する。
【0037】
上記したように、信号情報出力装置1には、信号機6aの青色の灯色光源に対する電源供給ライン5Baを挟みこむように配置され、この電源供給ライン5Baに流れる電流の大きさ(電流値)を検出して出力する電流プローブ3が接続されている。したがって、信号情報出力装置1は、信号機6aにおいて、青信号が開始された時刻(信号機6aの青色の灯色光源が消灯状態から点灯状態に切り替わった時刻)、および青信号が終了した時刻(信号機6aの青色の灯色光源が点灯状態から消灯状態に切り替わった時刻)を検出できる。また、信号情報出力装置1は、これら2つの時刻を検出できるので、信号機6aが青信号である継続時間(図3に示したφ1にかかる時間)、および信号制御装置5が信号機6の灯色信号を切り替える制御周期(図3に示したφ1~φ6にかかる時間の総和)を検出できる。
【0038】
信号情報出力装置1は、信号制御装置5による信号機6の灯色信号の制御周期毎に、その制御周期における信号機6aが青信号である継続時間、および周期を観測することによって、信号制御装置5が信号制御パラメータを変更したタイミングを検出できる。すなわち、信号情報出力装置1は、信号制御装置5による信号機6aの前回の制御周期における青信号の継続時間と、今回の制御周期における青信号の継続時間とが同じでなければ、今回の制御周期の開始時点を、信号制御装置5が信号制御パラメータを変更したタイミングとして検出できる。また、信号情報出力装置1は、信号制御装置5による信号機6aの前回の制御周期における青信号の継続時間と、今回の制御周期における青信号の継続時間とが同じであっても、制御周期(φ1の開始から、φ6の終了までの時間)が同じでなければ、今回の制御周期の開始時点を、信号制御装置5が信号制御パラメータを変更したタイミングとして検出できる。
【0039】
信号情報出力装置1は、信号制御装置5が信号制御パラメータを切り替える(変更する)ことが予測されている時刻(この発明で言う、切替時刻に相当する。)と、変更された信号制御パラメータに基づいて制御された信号機6aにおける青信号の継続時間と、信号制御装置5が信号機6の灯色信号を切り替える制御周期にかかる補助情報を含む青信号情報を記憶する。補助情報は、図3に示したφ1~φ6にかかる時間の総和(すなわち、制御周期)であってもよいし、信号機6aの灯色信号が青信号でない連続時間(φ2~φ6にかかる時間の総和)であってもよい。
【0040】
信号情報出力装置1は、信号機6aにおいて青信号が開始されたことを検出すると、このタイミングに対応する青信号情報を選択する。例えば、信号情報出力装置1は、信号機6aにおいて青信号が開始された時刻(以下、青開始時刻と言う。)よりも以前の時刻であって、この青開始時刻に時間的に最も近い切替時刻の青信号情報を選択する。信号情報出力装置1は、信号機6a、6bが青信号であるとき、主道路を走行している車両100a、100bに対して、信号機6a、6bの残青時間(信号機6a、6bが青信号から黄信号に切り替えられるまでの時間)を一定時間(例えば、1秒)毎に、繰り返し算出して出力する。残青時間は、選択した青信号情報に含まれている青信号の継続時間から、信号機6aにおける青信号の開始時刻からの経過時間を差し引いくことで算出できる。
【0041】
これにより、信号情報出力装置1は、信号制御装置5が管制センタに接続されているかどうかにかかわらず、信号機6a、6bが青信号であるとき、主道路を走行している車両100a、100bに対して、残青時間を通知することができる。また、信号情報出力装置1は、既設の信号制御装置5、および信号機6をそのまま利用できる。すなわち、信号情報出力装置1を使用するにあたり、既設の信号制御装置5、および信号機6を交換する必要がない。
【0042】
<2.構成例>
図4は、この例にかかる信号情報出力装置の主要部の構成を示すブロック図である。信号情報出力装置1は、制御ユニット11と、入力部12と、計時部13と、記憶部14と、出力部15とを備えている。
【0043】
制御ユニット11は、信号情報出力装置1本体各部の動作を制御する。また、制御ユニット11は、検出部21、選択部22、および算出部23を有している。検出部21、選択部22、および算出部23の詳細については、後述する。
【0044】
入力部12には、電流プローブ3が接続されている。この電流プローブ3は、図2に示したように、信号機6aの青色の灯色光源に対する電源供給ライン5Baを挟みこむように配置され、この電源供給ライン5Baに流れる電流の大きさ(電流値)を検出して出力する。すなわち、入力部12には、電源供給ライン5Baに流れる電流の大きさを示す検出信号が入力される。
【0045】
計時部13は、現在時刻を計時する。また、計時部13は、定期的に標準電波を受信し、時刻を合わせる機能を有しているほうが好ましいが、本機能を有していなくてもよい。
【0046】
なお、計時部13は、時刻を合わせる機能を有している場合、標準電波に限らず、GPS衛星等から出力された時刻情報等を用いて、時刻合わせを行う構成であってもよい。
【0047】
記憶部14は、切替時刻、青継続時間、補助情報を含む青信号情報を登録した、青信号テーブル14aを記憶している。図5は、青信号テーブル14aを示す図である。切替時刻は、信号制御装置5が信号機6の灯色信号を制御する信号制御パラメータを切り替えることが予測されている時刻である。青継続時間は、対応する切替時刻に切り換えられた信号制御パラメータで制御された信号機6a、6bの青信号の継続時間(青信号の開始から終了までの時間長さ)である。補助情報は、対応する切替時刻に切り換えられた信号制御パラメータで制御された信号機6の制御周期にかかる時間である。ここでは、補助情報は、図3に示したφ2~φ6にかかる時間の総和とするが、図3に示したφ1~φ6にかかる時間の総和であってもよい。
【0048】
なお、この例では、信号機6の制御周期は、信号機6a、6bの青信号の開始を起点とし、信号機6a、6bの赤信号の終了を終点とした期間であるとして説明する。
【0049】
出力部15には、ビーコン、無線送信器等の送信装置(不図示)が接続されている。出力部15は、信号機6aが青信号であるときに、信号機6aが黄信号に切り替わるまでの時間(残青時間)を、接続されている送信装置に出力する。この送信装置が、主道路を走行している車両100a、100bに対して信号機6aの残青時間を通知する。
【0050】
次に、制御ユニット11が有する検出部21、選択部22、および算出部23について説明する。
【0051】
検出部21は、入力部12に入力された電源供給ライン5Baに流れる電流の大きさに基づき、信号機6aが赤信号から青信号に切り替わった第1タイミング、および信号機6aが青信号から黄信号に切り替わった第2タイミングを検出する。第1タイミングは、信号機6aにおいて青信号が開始されたタイミングである。この第1タイミングが検出されたときに、計時部13が計時していた時刻がこの発明で言う青開始時刻に相当する。また、第2タイミングは、信号機6aにおいて青信号が終了されたタイミングである。この第1タイミングが検出されたときに、計時部13が計時していた時刻が青終了時刻である。上記の説明から明らかなように、第1タイミングから、第2タイミングまでの時間が、信号機6aにおいて青信号が継続した青信号継続時間である。また、第2タイミングから、次の第1タイミングまでの時間が、上記した補助時間である。また、前回の第1タイミングから、今回の第1タイミングまでの経過時間が、信号制御装置5が信号機6を制御する制御周期である。
【0052】
選択部22は、記憶部14に記憶されている青信号テーブル14aに登録されている青信号情報の中から、検出部21において検出された第1タイミングに応じた青信号情報を選択する。選択部22は、切替時刻が第1タイミングよりも以前であって、この第1タイミングに時間的に最も近い青信号情報を選択する。
【0053】
算出部23は、信号機6aが青信号であるとき、この青信号が終了するまでの残青時間を、設定時間毎に算出する。算出部23は、残青時間を、1秒毎に算出する場合、前回の残青時間から1秒減算した時間を、残青時間として算出してもよい。上記したように、信号機6aが青信号であるとき、信号機6bも青信号である。出力部15は、算出部23において算出された残青時間を出力する。
【0054】
信号情報出力装置1の制御ユニット11は、ハードウェアCPU、メモリ、その他の電子回路によって構成されている。ハードウェアCPUが、この発明にかかる残青時間出力プログラムを実行したときに、検出部21、選択部22、および算出部23として動作する。また、メモリは、この発明にかかる残青時間出力プログラムを展開する領域や、この残青時間出力プログラムの実行時に生じたデータ等を一時記憶する領域を有している。制御ユニット11は、ハードウェアCPU、メモリ等を一体化したLSIであってもよい。また、ハードウェアCPUが、この発明にかかる残青時間出力方法を実行するコンピュータである。
【0055】
<3.動作例>
以下、この例の信号情報出力装置1の動作について説明する。図6は、信号情報出力装置の動作を示すフローチャートである。
【0056】
信号機6a、6bは、現時点において、青信号でない。信号情報出力装置1は、信号機6aにおいて青信号が開始されるのを待つ(s1)。s1では、検出部21が、入力部12に入力されている電源供給ライン5Baに流れる電流の大きさが設定レベルを超えたときに、信号機6aにおいて青信号が開始されたことを検出する。
【0057】
検出部21は、信号機6aにおいて青信号が開始された青開始時刻を取得する(s2)。検出部21は、入力部12に入力されている電源供給ライン5Baに流れる電流の大きさが設定レベルを超えたときに、計時部13において計時されていた時刻を青開始時刻として取得する。
【0058】
選択部22は、記憶部14に記憶されている青信号テーブル14aに登録されている青信号情報を検索し、該当する青信号情報を選択する(s3)。選択部22は、記憶部14に記憶されている青信号テーブル14aに登録されている青信号情報の中から、切替時間がs2で取得した青開始時刻よりも以前であって、この青開始時刻に時間的に最も近い青信号情報を選択する。例えば、記憶部14が図5に示した青信号テーブル14aを記憶している場合、s2で取得した青開始時刻が、07時01分58秒であると、切換時刻が、05時30分01秒である青信号情報をs3で選択する。また、s2で取得した青開始時刻が、07時05分09秒であると、切換時刻が、07時02分14秒である青信号情報をs3で選択する。
【0059】
信号情報出力装置1は、設定時間経過するか、信号機6aにおける青信号が終了するのを待つ(s4、s5)。設定時間は、1秒程度の時間である。算出部23は、s4で設定時間経過したと判定されると、残青時間を算出する(s6)。算出部23は、s2で取得した青開始時刻から、その時点において計時部13が計時している現在時刻までの経過時間を取得する。算出部23は、s3で選択した青信号情報に含まれる青継続時間から経過時間を差し引いた時間を、残青時間として算出する。
【0060】
算出部23は、s6算出した残青時間が設定時間未満であるかどうかを判定する(s7)。この例では、上記した通り、設定時間は1秒程度の時間である。算出部23は、s7で設定時間未満でないと判定すると、s6で算出した残青時間を出力部15に出力させ(s8)、s4に戻る。出力部15が出力した残青時間は、主道路を走行している車両100a、100bに通知される。
【0061】
また、算出部23は、s7で設定時間未満であると判定すると、青信号が終了するまで、繰り返し残青時間として設定時間を出力部15に出力させる(s9、s10)。このときも、s9における残青時間の出力は、1秒毎に繰り返される。
【0062】
信号情報出力装置1は、s5、またはs10で、信号機6aの青信号が終了したことが検出されると、s1に戻る。
【0063】
このように、この例にかかる信号情報出力装置1は、信号制御装置5が管制センタに接続されているかどうかにかかわらず、信号機6a、6bが青信号であるとき、主道路を走行している車両100a、100bに対して、信号機6a、6bの残青時間を通知することができる。また、信号情報出力装置1は、既設の信号制御装置5、および信号機6をそのまま利用できる。すなわち、信号情報出力装置1を使用するにあたり、既設の信号制御装置5、および信号機6を交換する必要がない。また、管制センタは、接続される信号制御装置5が増加しないので、処理能力を大幅にアップさせる必要もない。
【0064】
<4.変形例>
次に、信号情報出力装置の変形例について説明する。
【0065】
・変形例1
図7は、この変形例1にかかる信号情報出力装置の主要部の構成を示す図である。図7では、図4に示した構成と同様の構成については、同じ符号を付している。この変形例1の信号情報出力装置1Aも、図1に示した交差点の主道路を走行している車両100a、100bに対して、信号機6a、6bの残青時間を通知する。信号情報出力装置1Aは、上記の例と同様に、信号制御装置5、および信号機6と接続される(図2参照)。
【0066】
この変形例1にかかる信号情報出力装置1Aは、制御ユニット11が更新部24を備えている点で、上記の例と相違している。この更新部24は、記憶部14に記憶されている青信号テーブル14aに対する、青信号情報の追加、削除、変更にかかる更新を行う。
【0067】
図8は、この変形例1にかかる信号情報出力装置の動作を示すフローチャートである。図8では、図6に示した処理と同じ処理については、同じステップ番号を付している。
【0068】
信号情報出力装置1Aは、上記したs1、およびs2にかかる処理を終了すると、図9に示す更新処理を行う(s20)。
【0069】
図9は、s20の更新処理を示すフローチャートである。更新部24は、信号機6aの前回の青継続時間、および信号機6aの前回の制御周期を取得する(s21)。
【0070】
更新部24は、前回選択した青信号情報に含まれている青継続時間と、s21で取得した青継続時間が同じであるかどうかを判定する(s22)。また、更新部24は、s22で青継続時間が同じであると判定したときには、前回選択した青信号情報に含まれている青継続時間と補助情報とによって得られる制御周期と、s21で取得した制御周期が同じであるかどうかを判定する(s23)。このs22、s23にかかる判定は、どちらを先に行ってもよい。更新部24は、青継続時間が同じであり、且つ制御周期も同じであれば本処理を終了する。すなわち、前回の信号機6の制御周期において選択した青信号情報が、信号制御装置5が用いた信号制御パラメータに応じたものであった場合、青信号テーブル14aに登録されている青信号情報を更新することなく、本処理を終了する。
【0071】
更新部24は、青継続時間、または制御周期の少なくとも一方について、同じでないと判定すると、前回選択した青信号情報に対して、切替時刻が1つ後の青信号情報を選択する(s24)。例えば、前回選択した青信号情報が、図5に示す切換時刻が7時02分14秒である青信号情報であった場合、更新部24は、9時48分09秒である青信号情報を選択する。
【0072】
更新部24は、s24で選択した青信号情報(1つ後の青信号情報)に含まれている青継続時間と、s21で取得した青継続時間が同じであるかどうかを判定する(s25)。また、更新部24は、s25で青継続時間が同じであると判定したときには、s24で選択した青信号情報(1つ後の青信号情報)に含まれている青継続時間と補助情報とによって得られる制御周期と、s21で取得した制御周期とが同じであるかどうかを判定する(s26)。このs25、s26にかかる判定は、どちらを先に行ってもよい。更新部24は、s25で青継続時間が同じであり、且つs26で制御周期も同じであると判定すると、信号制御装置5が1つ後の信号制御パラメータに切り替える(変更する)時刻が早まったと判断し、1つ後の青信号情報の切替時刻を、前回s2で取得した青開始時刻に更新し(s27)、本処理を終了する。
【0073】
したがって、更新部24は、信号制御装置5において、信号制御パラメータを切り替える(変更する)時刻を早める変更が行われた場合、その変更に応じて、青信号テーブル14aに登録されている青信号情報を更新できる。
【0074】
更新部24は、s25およびs26にかかる判定で、青継続時間、または制御周期の少なくとも一方について同じでないと判定すると、前回の制御周期で選択した青信号情報と、前々回の制御周期選択した青信号情報とが同じであるかどうかを判定する(s28)。更新部24は、前回選択した青信号情報と、前々回選択した青信号情報とが同じでないと判定すると、前回選択した青信号情報に対して、切替時刻が1つ前の青信号情報を選択する(s29)。例えば、前々回選択した青信号情報が、図5に示す切換時刻が7時02分14秒である青信号情報であり、前回選択した青信号情報が、図5に示す切換時刻が9時48分09秒である青信号情報であった場合、更新部24は、7時02分14秒である青信号情報を選択する。
【0075】
更新部24は、s29で選択した青信号情報(1つ前の青信号情報)に含まれている青継続時間と、s21で取得した青継続時間が同じであるかどうかを判定する(s30)。また、更新部24は、s30で青継続時間が同じであると判定したときには、s29で選択した青信号情報(1つ前の青信号情報)に含まれている青継続時間と補助情報とによって得られる制御周期と、s21で取得した制御周期が同じであるかどうかを判定する(s31)。このs30、s31にかかる判定は、どちらを先に行ってもよい。更新部24は、s30で青継続時間が同じであり、且つs31で制御周期も同じであると判定すると、信号制御装置5が前回選択した信号制御パラメータへの切り替えを中止した(または、遅らせた)と判断し、前回選択した青信号情報を青信号テーブル14aから削除し(s32)、本処理を終了する。
【0076】
したがって、更新部24は、信号制御装置5において、信号制御パラメータの切り替えの中止にかかる変更が行われた場合、その変更に応じて、青信号テーブル14aに登録されている青信号情報を削除できる。
【0077】
また、更新部24は、s28で前回選択した青信号情報と、前々回選択した青信号情報とが同じであると判定した場合、または、s30およびs31にかかる判定で、青継続時間、または制御周期の少なくとも一方について同じでないと判定すると、前回s2で取得した青開始時刻、s21で取得した青継続時間、および制御周期に基づく青信号情報を生成し、ここで生成した青信号情報を青信号テーブル14aに追加し(s33)、本処理を終了する。s33で生成される青信号情報は、切替時刻が前回s2で取得した青開始時刻であり、青継続時間がs21で取得した青継続時間であり、補助情報がs21で取得した制御周期からs21で取得した青継続時間を差し引いた時間である。
【0078】
したがって、更新部24は、信号制御装置5において、信号制御パラメータの切り替えを追加する変更が行われた場合、その変更に応じて、青信号テーブル14aに登録されている青信号情報を追加できる。また、信号制御装置5において、信号制御パラメータへの切り替えを遅らせる変更が行われた場合、この切り替えを遅らせた信号制御パラメータに対応する青信号情報については、s32で一旦削除されるが、s33で切替時刻を変更した青信号として追加されるので、特に問題は生じない。
【0079】
このように、変形例1にかかる信号情報出力装置1Aは、図9に示した更新処理を行うことにより、信号制御装置5において、信号機6の制御に用いる信号制御パラメータが変更されたとき、記憶部14に記憶している青信号テーブル14aに登録されている青信号情報を変更された信号制御パラメータに自動的に合わせることができる。
【0080】
信号情報出力装置1Aは、上記した更新処理を完了すると、s3~s10にかかる処理を行い、s1に戻る。s3では、s20にかかる更新処理が行われた後の青信号テーブル14aに登録されている青信号情報を選択する。
【0081】
・変形例2
この変形例2にかかる信号情報出力装置1Aは、図7に示した構成である。この変形例2にかかる信号情報出力装置1Aは、図8に示した処理ではなく、図10、および図11に示す処理を実行する点で、変形例1にかかる信号情報出力装置と異なる。
【0082】
図10、および図11は、この変形例2にかかる信号情報出力装置の動作を示すフローチャートである。
【0083】
信号情報出力装置1は、信号機6aにおいて青信号が開始されるのを待つ(s51)。s51は、上記したs1と同じ処理である。検出部21は、信号機6aにおいて青信号が開始された青開始時刻を取得する(s52)。s52は、上記したs2と同じ処理である。選択部22は、記憶部14に記憶されている青信号テーブル14aに登録されている青信号情報を検索し、該当する第1青信号情報を選択する(s53)。s53は、上記したs3と実施的に同じ処理である。すなわち、選択部22は、記憶部14に記憶されている青信号テーブル14aに登録されている青信号情報の中から、切替時間がs52で取得した青開始時刻よりも以前であって、この青開始時刻に時間的に最も近い青信号情報を、第1青信号情報として選択する。
【0084】
また、選択部22は、記憶部14に記憶されている青信号テーブル14aに登録されている青信号情報を検索し、該当する第2青信号情報を仮選択する(s54)。この第2青信号情報は、記憶部14に記憶されている青信号テーブル14aに登録されている青信号情報の中で、切替時間がs52で取得した青開始時刻よりも以降であって、この青開始時刻に時間的に最も近い青信号情報である。すなわち、第2青信号情報は、青信号情報を切替時刻順に並べたときに、切替時刻が第1青信号情報の次である青信号情報である。
【0085】
選択部22は、s52で取得した青開始時刻と、s54で仮選択した第2青信号情報の切替時刻との時間差(以下、判定時間と言う。)と、s54で仮選択した第2青信号情報による信号機6aの制御周期と、を比較する(s55)。選択部22は、判定時間が、s54で仮選択した第2青信号情報による信号機6aの制御周期以上であると判定すると、s54で仮選択した第2青信号情報を選択することなく、s56~s62にかかる処理を実行する。このs56~s62にかかる処理は、上記したs4~s10にかかる処理と同様である。ここでは、s56~s62にかかる処理について、その説明を省略する。
【0086】
また、選択部22は、判定時間が、s54で仮選択した第2青信号情報による信号機6aの制御周期未満であると判定すると、s54で仮選択した第2青信号情報を選択する(s63)。このように、選択部22は、s52で取得した青開始時刻が切替時刻以前の時間であっても、当該青開始時刻で開始された信号機6の制御周期が終了するときに、切替時刻を過ぎる場合、2つの青信号情報(第1青信号情報、および第2青信号情報)を選択する。
【0087】
信号情報出力装置1は、設定時間経過するか、信号機6aにおける青信号が終了するのを待つ(s64、s65)。このs64、s65は、上記したs4、s5と同じ処理である。
【0088】
算出部23は、s64で設定時間経過したと判定されると、残青時間を算出する(s66)。s66では、s52で取得した青開始時刻から、その時点において計時部13が計時している現在時刻までの、経過時間を、s53で選択した第1青信号情報に含まれる青継続時間から差し引いた時間を、第1残青時間として算出する。また、s66では、s52で取得した青開始時刻から、その時点において計時部13が計時している現在時刻までの、経過時間を、s62で選択した第2青信号情報に含まれる青継続時間から差し引いた時間を、第2残青時間として算出する。すなわち、s66では、2つの残青時間(第1残青時間、および第2残青時間)を算出する。
【0089】
但し、第1青信号情報に含まれている青継続時間と、第1青信号情報に含まれている青継続時間とが同じであれば、算出される第1残青時間、および第2残青時間は同じになる。一方、第1青信号情報に含まれている青継続時間と、第1青信号情報に含まれている青継続時間とが同じでなければ、算出される第1残青時間、および第2残青時間は同じにならない。
【0090】
算出部23は、s66で算出した2つの残青時間がともに設定時間未満であるかどうかを判定する(s67)。算出部23は、s67において算出した2つの残青時間がともに設定時間未満でないと判定すると、s66で算出した2つの残青時間の一方が0以下であるかどうかを判定する(s68)。すなわち、s68では、第1青信号情報の青継続時間、または第2青信号情報の青継続時間の一方が、s52で取得した青開始時刻から、その時点において計時部13が計時している現在時刻までの経過時間以下であるかどうかを判定している。ただし、s67にかかる判定を実行しているので、第1青信号情報の青継続時間、および第2青信号情報の青継続時間の両方が、s52で取得した青開始時刻から、その時点において計時部13が計時している現在時刻までの経過時間以下であることはない。
【0091】
算出部23は、s68において、s66で算出した2つの残青時間の一方が0以下であると判定すると、他方の残青時間(0以下でない残青時間)を出力部15に出力させ(s69)、s64に戻る。出力部15が出力した残青時間は、主道路を走行している車両100a、100bに通知される。
【0092】
また、算出部23は、s68において、s66で算出した2つの残青時間の両方が0以下でないと判定すると、これら2つの残青時間を出力部15に出力させ(s70)、s64に戻る。s70では、2つの残青時間を出力する。すなわち、s70では、信号機6aの青信号が終了するタイミングとして、2つのタイミングが出力される。
【0093】
ドライバ(または、自動運転車両の車載装置)は、これら2つの残青時間が通知されているとき、早い方のタイミングで青信号が終了しても、交差点手前で安全に停止できるように車両100を走行させればよい。また、信号情報出力装置1Aは、早い方のタイミングで青信号が終了しなければ、速やかに遅い方のタイミングになる残青時間のみを出力するので、流入路において車両100の交通流が低下するのを抑えられる。
【0094】
また、
s65、またはs72で信号機6aの青信号が終了したと判定すると、更新部24は、今回の青継続時間が第2青信号情報に含まれている青継続時間であったかどうかを判定する(s73)。更新部24は、今回の青継続時間が第2青信号情報に含まれている青継続時間であったと判定すると、この第2青信号情報に含まれている切替時刻を、s52で取得した青開始時刻に更新し(s74)、s51に戻る。
【0095】
また、更新部24は、今回の青継続時間が第2青信号情報に含まれている青継続時間であったと判定しなければ、s74にかかる処理を行うことなく、s51に戻る。
【0096】
このように、この変形例2では、信号情報出力装置1Aの計時部13、または信号制御装置5の計時部の少なくとも一方が、何らかの要因で、遅れたり、進んだりして、両装置間において計時している時刻差が数秒~数10秒程度変化しても、その変化に対応することができる。
【0097】
なお、上記の説明から明らかなように、青信号情報に含まれている切替時刻は、信号制御装置5に設定されている時刻ではなく、信号制御装置5において信号制御パラメータの切り替えが行われると予測した時刻である。
【0098】
また、この変形例2にかかる信号情報出力装置1Aも、図9に示した更新処理を、s52と、s53との間に挿入し、実行させる構成にしてもよい。
【0099】
また、上記した各例では、電流プローブ3は、信号機6aの青色の灯色光源に対する電源供給ライン5Baを挟みこむように配置されるとしたが、信号機6bの青色の灯色光源に対する電源供給ライン5Bbを挟みこむように配置されてもよい。
【0100】
また、従道路を走行している車両100a、100bに対して、残青時間を通知するために、信号機6c、または信号機6dの一方の青色の灯色光源に対する電源供給ライン5Bc(または5Bd)を挟みこむように電流プローブ3を配置してもよい。この場合、青信号情報の青計継続時間は、信号機6aの青継続時間ではなく、信号機6cの青継続時間である。
【0101】
また、信号情報出力装置1、1Aは、信号機6a、6bが青信号であるとき、信号機6a、6bの残青時間を出力し、信号機6c、6dが青信号であるとき、信号機6c、6dの残青時間を出力する構成にしてもよい。この場合、信号情報出力装置1に対して、信号機6aの青色の灯色光源に対する電源供給ライン5Baを挟みこむように配置された電流プローブ3、および信号機6cの青色の灯色光源に対する電源供給ライン5Bcを挟みこむように配置された電流プローブ3を接続すればよい。また、青信号情報については、切替時刻、信号機6aの青信号継続時間、信号機6cの青信号継続時間、および補助情報を含む情報にすればよい。
【0102】
この信号情報出力装置1は、例えば、主道路側の信号機6a、6bに対して、図6に示したs2~s10の処理を行った後、従道路側の信号機6c、6dに対して、再度s2~s10の処理を繰り返し、s1に戻る構成にすればよい。
【0103】
また、青信号テーブル14aは、日種別(例えば、平日、土日、祝祭日別)に設け、信号情報出力装置1が、上記処理で使用する青信号テーブル14aを、その日の日種に応じて選択するようにしてもよい。
【0104】
また、青信号テーブル14aに登録されている青信号情報は、補助情報を周期としてもよいし、信号機6aの青信号継続時間、信号機6aの黄信号継続時間、および信号機6aの赤信号継続時間の3つを含ませてもよい。また、電流プローブ3は、信号機6aの青色の灯色光源に対する電源供給ライン5Baではなく、信号機6aの黄色の灯色光源に対する電源供給ライン5Ya、および信号機6aの赤色の灯色光源に対する電源供給ライン5Raの2つ以上に設けてもよい。
【0105】
検出部21は、電流プローブ3に限らず、信号機6を撮像した動画像を処理して、信号機6の青信号の開始等を検出する構成であってもよい。
【0106】
また、上記した各例において説明した、図6図8図9図10、および図11記載のフローチャートの処理については、図示した順番に限られるものではなく、適宜その順番を入れ替える変更を行ってもよい。
【0107】
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【0108】
さらに、この発明に係る構成と上述した実施形態に係る構成との対応関係は、以下の付記のように記載できる。
<付記>
信号制御装置(5)によって灯色信号が切り替えられる信号機(6)が青信号であるときに、その青信号が終了するまでの残青時間を出力する信号情報出力装置(1)であって、
時刻を計時する計時部(13)と、
前記青信号の開始を検出する検出部(21)と、
前記信号制御装置(5)が信号制御パラメータを切り替えることが予測されている切替時刻と、切り替えられた前記信号制御パラメータで制御された前記信号機(6)で青信号が継続される青信号継続時間とを含む青信号情報が複数登録された青信号テーブル(14a)を記憶する記憶部(14)と、
前記青信号テーブル(14a)に登録されている前記青信号情報の中で、前記計時部(13)が前記検出部(21)によって前記青信号の開始が検出されたときに計時していた青開始時刻に対応する前記青信号情報を第1青信号情報として選択する選択部(22)と、
前記選択部(22)が選択した前記第1青信号情報に含まれる前記青信号継続時間を用いて、前記残青時間を算出する算出部(23)と、
前記算出部(23)が算出した前記残青時間を出力する出力部(15)と、を備え、
前記選択部(22)は、前記切替時刻が、前記青開始時刻よりも以前の時刻であって、この青開始時刻に時間的に最も近い前記青信号情報を前記第1青信号情報として選択する、信号情報出力装置(1)。
【符号の説明】
【0109】
1、1A…信号情報出力装置
3…電流プローブ
5…信号制御装置
5B(5Ba~5Bc)…電源供給ライン
6(6a~6d)…信号機
11…制御ユニット
12…入力部
13…計時部
14…記憶部
14a…青信号テーブル
15…出力部
21…検出部
21…入力部
22…選択部
23…算出部
24…更新部
100…車両
図1
図2
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図11