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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】印刷装置および印刷装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 5/44 20060101AFI20231121BHJP
   B41J 2/505 20060101ALI20231121BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20231121BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
B41J5/44
B41J2/505 101C
B41J5/30 Z
H04N1/00 Z
H04N1/00 127Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019226273
(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公開番号】P2021094733
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】宇都 裕紀
(72)【発明者】
【氏名】小池 利明
(72)【発明者】
【氏名】若狭 俊一
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-020245(JP,A)
【文献】特開平03-259190(JP,A)
【文献】特開平09-230842(JP,A)
【文献】特開2018-126959(JP,A)
【文献】特開2016-128229(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0069992(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 5/44
B41J 2/505
B41J 5/30
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1バイトで表される第1文字コードに対応する第1フォントデータを記憶するとともに、2バイトで表される第2文字コードに対応する第2フォントデータを1以上記憶する不揮発性の第1記憶部と、
前記第1記憶部に記憶される前記第1フォントデータと、前記第1記憶部に記憶される前記第2フォントデータの1以上を記憶する揮発性の第2記憶部と、
前記第1文字コードまたは前記第2文字コードを外部装置から受信する通信部と、
前記通信部によって受信された前記第1文字コードまたは前記第2文字コードに対応する前記第1フォントデータまたは前記第2フォントデータに基づき画像を印刷媒体に印刷する印刷部と、
前記第2フォントデータのいずれかを指定する指示を受け付ける指示受付部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1記憶部に記憶された前記第1フォントデータを読み出して前記第2記憶部に記憶した後、前記指示受付部により前記指示を受け付けた場合、前記指示により指定される前記第2フォントデータを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶し、
前記指示受付部は、前記第2フォントデータのいずれかを指定する第1状態に設定可能なスイッチが前記第1状態に設定されていることに応じて前記指示を受け付ける、
印刷装置。
【請求項2】
1バイトで表される第1文字コードに対応する第1フォントデータを記憶するとともに、2バイトで表される第2文字コードに対応する第2フォントデータを1以上記憶する不揮発性の第1記憶部と、
前記第1記憶部に記憶される前記第1フォントデータと、前記第1記憶部に記憶される前記第2フォントデータの1以上を記憶する揮発性の第2記憶部と、
前記第1文字コードまたは前記第2文字コードを外部装置から受信する通信部と、
前記通信部によって受信された前記第1文字コードまたは前記第2文字コードに対応する前記第1フォントデータまたは前記第2フォントデータに基づき画像を印刷媒体に印刷する印刷部と、
前記第2フォントデータのいずれかを指定する指示を受け付ける指示受付部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1記憶部に記憶された前記第1フォントデータを読み出して前記第2記憶部に記憶した後、前記指示受付部により前記指示を受け付けた場合、前記指示により指定される前記第2フォントデータを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶し、
前記制御部は、前記指示受付部により前記指示を受け付けて、前記指示により指定される前記第2フォントデータを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶しているときに、前記通信部により前記外部装置から前記第1文字コードが受信された場合、前記第2フォントデータを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶する処理と比べて、前記第2記憶部に記憶された前記第1フォントデータに基づいて前記印刷部により前記第1文字コードに対応する画像を前記印刷媒体に印刷する処理を優先して実行する、
印刷装置。
【請求項3】
1バイトで表される第1文字コードに対応する第1フォントデータを記憶するとともに、2バイトで表される第2文字コードに対応する第2フォントデータを1以上記憶する不揮発性の第1記憶部と、
前記第1記憶部に記憶される前記第1フォントデータと、前記第1記憶部に記憶される前記第2フォントデータの1以上を記憶する揮発性の第2記憶部と、
前記第1文字コードまたは前記第2文字コードを外部装置から受信する通信部と、
前記通信部によって受信された前記第1文字コードまたは前記第2文字コードに対応する前記第1フォントデータまたは前記第2フォントデータに基づき画像を印刷媒体に印刷する印刷部と、
前記第2フォントデータのいずれかを指定する指示を受け付ける指示受付部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1記憶部に記憶された前記第1フォントデータを読み出して前記第2記憶部に記憶した後、前記指示受付部により前記指示を受け付けた場合、前記指示により指定される前記第2フォントデータを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶し、
前記制御部は、前記通信部により前記外部装置から前記第1文字コードおよび前記第2文字コードが受信されていないときに、前記第2フォントデータの所定順に、前記第2フォントデータを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶する、
印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記印刷装置の電源投入またはリセットに応じて、前記第1記憶部に記憶された前記第1フォントデータを読み出して前記第2記憶部に記憶する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記通信部は、前記第2フォントデータのいずれかを指定するコマンドを前記外部装置から受信し、
前記指示受付部は、前記通信部により受信された前記コマンドを前記指示として受け付ける、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記第2フォントデータは、日本語、中国語、または、韓国語のいずれかの言語のフォントデータを含む、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置は、
1バイトで表される第1文字コードに対応する第1フォントデータを記憶するとともに、2バイトで表される第2文字コードに対応する第2フォントデータを1以上記憶する不揮発性の第1記憶部と、
前記第1記憶部に記憶される前記第1フォントデータと、前記第1記憶部に記憶される前記第2フォントデータの1以上を記憶する揮発性の第2記憶部と、
前記第1文字コードまたは前記第2文字コードを外部装置から受信する通信部と、
前記通信部によって受信された前記第1文字コードまたは前記第2文字コードに対応する前記第1フォントデータまたは前記第2フォントデータに基づき画像を印刷媒体に印刷する印刷部と、
前記第2フォントデータのいずれかを指定する指示を受け付ける指示受付部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1記憶部に記憶された前記第1フォントデータを読み出して前記第2記憶部に記憶した後、前記指示受付部により前記指示を受け付けた場合、前記指示により指定される前記第2フォントデータを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶し、
前記指示受付部は、前記第2フォントデータのいずれかを指定する第1状態に設定可能なスイッチが前記第1状態に設定されていることに応じて前記指示を受け付ける、
印刷装置の制御方法。
【請求項8】
印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置は、
1バイトで表される第1文字コードに対応する第1フォントデータを記憶するとともに、2バイトで表される第2文字コードに対応する第2フォントデータを1以上記憶する不揮発性の第1記憶部と、
前記第1記憶部に記憶される前記第1フォントデータと、前記第1記憶部に記憶される前記第2フォントデータの1以上を記憶する揮発性の第2記憶部と、
前記第1文字コードまたは前記第2文字コードを外部装置から受信する通信部と、
前記通信部によって受信された前記第1文字コードまたは前記第2文字コードに対応する前記第1フォントデータまたは前記第2フォントデータに基づき画像を印刷媒体に印刷する印刷部と、
前記第2フォントデータのいずれかを指定する指示を受け付ける指示受付部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1記憶部に記憶された前記第1フォントデータを読み出して前記第2記憶部に記憶した後、前記指示受付部により前記指示を受け付けた場合、前記指示により指定される前記第2フォントデータを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶し、
前記制御部は、前記指示受付部により前記指示を受け付けて、前記指示により指定される前記第2フォントデータを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶しているときに、前記通信部により前記外部装置から前記第1文字コードが受信された場合、前記第2フォントデータを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶する処理と比べて、前記第2記憶部に記憶された前記第1フォントデータに基づいて前記印刷部により前記第1文字コードに対応する画像を前記印刷媒体に印刷する処理を優先して実行する、
印刷装置の制御方法。
【請求項9】
印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置は、
1バイトで表される第1文字コードに対応する第1フォントデータを記憶するとともに、2バイトで表される第2文字コードに対応する第2フォントデータを1以上記憶する不揮発性の第1記憶部と、
前記第1記憶部に記憶される前記第1フォントデータと、前記第1記憶部に記憶される前記第2フォントデータの1以上を記憶する揮発性の第2記憶部と、
前記第1文字コードまたは前記第2文字コードを外部装置から受信する通信部と、
前記通信部によって受信された前記第1文字コードまたは前記第2文字コードに対応する前記第1フォントデータまたは前記第2フォントデータに基づき画像を印刷媒体に印刷する印刷部と、
前記第2フォントデータのいずれかを指定する指示を受け付ける指示受付部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1記憶部に記憶された前記第1フォントデータを読み出して前記第2記憶部に記憶した後、前記指示受付部により前記指示を受け付けた場合、前記指示により指定される前記第2フォントデータを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶し、
前記制御部は、前記通信部により前記外部装置から前記第1文字コードおよび前記第2文字コードが受信されていないときに、前記第2フォントデータの所定順に、前記第2フォントデータを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶する、
印刷装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、印刷装置および印刷装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、文字フォントデータの増加が進んでいる。これは、例えば、地域に沿った専用性のあるフォントの搭載の要望、または、UNICODEのように多くの地域の文字に対応した文字コードの台頭などに起因する。
【0003】
特許文献1に記載された印刷装置では、電源がオンにされると、ROMに記憶されたすべての言語のフォントデータを読み出して、これらすべての言語のフォントデータをRAMに記憶することで、すべての言語のフォントデータについて印字を可能な状態とするように準備することが行われている(特許文献1の段落0034参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-126959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された印刷装置では、電源がオンにされたときに、ROMに記憶されたすべての言語のフォントデータをRAMに記憶する処理が行われるため、電源がオンにされてから初めて印字を実行することが可能な状態となるまでの時間が長くなる。
具体例として、特許文献1に記載された印刷装置では、電源がオンにされて、ROMに記憶されたすべての言語のフォントデータをRAMに記憶する処理が行われているときに、使用される可能性が高いフォントデータに対応する文字コードを受信しても、すぐに印刷することができない。つまり、印刷装置では、これらすべての言語のフォントデータをRAMに記憶する処理が完了するまでは、印刷することができない。
なお、電源がオンにされるときと同様に、印刷装置では、リセットされてから初めて印字を実行することが可能な状態となるまでの時間が長くなる。
【0006】
ここで、一般に、使用される可能性が高いフォントデータとして、1バイトの文字のフォントデータがある。
すなわち、従来の印刷装置では、電源がオンにされた後またはリセットが行われた後の一方または両方において、1バイトの文字のフォントデータについて、初めて印字を実行することが可能な状態となるまでの時間が長くなる場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために一態様は、1バイトで表される第1文字コードに対応する第1フォントデータを記憶するとともに、2バイトで表される第2文字コードに対応する第2フォントデータを1以上記憶する不揮発性の第1記憶部と、前記第1記憶部に記憶される前記第1フォントデータと、前記第1記憶部に記憶される前記第2フォントデータの1以上を記憶する揮発性の第2記憶部と、前記第1文字コードまたは前記第2文字コードを外部装置から受信する通信部と、前記通信部によって受信された前記第1文字コードまたは前記第2文字コードに対応する前記第1フォントデータまたは前記第2フォントデータに基づき画像を印刷媒体に印刷する印刷部と、前記第2フォントデータのいずれかを指定する指示を受け付ける指示受付部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1記憶部に記憶された前記第1フォントデータを読み出して前記第2記憶部に記憶した後、前記指示受付部により前記指示を受け付けた場合、前記指示により指定される前記第2フォントデータを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶する、印刷装置である。
【0008】
上記課題を解決するために一態様は、印刷装置の制御方法であって、前記印刷装置は、1バイトで表される第1文字コードに対応する第1フォントデータを記憶するとともに、2バイトで表される第2文字コードに対応する第2フォントデータを1以上記憶する不揮発性の第1記憶部と、前記第1記憶部に記憶される前記第1フォントデータと、前記第1記憶部に記憶される前記第2フォントデータの1以上を記憶する揮発性の第2記憶部と、
前記第1文字コードまたは前記第2文字コードを外部装置から受信する通信部と、前記通信部によって受信された前記第1文字コードまたは前記第2文字コードに対応する前記第1フォントデータまたは前記第2フォントデータに基づき画像を印刷媒体に印刷する印刷部と、前記第2フォントデータのいずれかを指定する指示を受け付ける指示受付部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1記憶部に記憶された前記第1フォントデータを読み出して前記第2記憶部に記憶した後、前記指示受付部により前記指示を受け付けた場合、前記指示により指定される前記第2フォントデータを前記第1記憶部から読み出して前記第2記憶部に記憶する、印刷装置の制御方法である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る印刷システムの概略的な構成を示す図である。
図2】実施形態に係る印刷装置の機能ブロックの構成を示す図である。
図3】実施形態に係る不揮発性メモリーに記憶されるデータを示す図である。
図4】実施形態に係るRAMに記憶されるデータの一例を示す図である。
図5】実施形態に係るRAMに記憶されるデータの他の例を示す図である。
図6】実施形態に係る印刷装置において行われる処理の手順の一例を示す図である。
図7】実施形態に係る印刷装置において行われる処理の手順の一例を示す図である。
図8】実施形態に係る印刷装置において行われる2バイト文字フォントデータをRAMに記憶する処理の手順の一例を示す図である。
図9】実施形態の変形例に係る印刷装置において行われる処理の手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態では、使用頻度が高いフォントデータとして、アルファニューメリックのフォントデータが用いられる。本実施形態では、アルファニューメリックは、アルファベットと数字を含む。アルファニューメリックは、例えば、さらに、半角カナを含んでもよく、この場合、ANKとも呼ばれる。アルファニューメリックの文字は、1バイトを用いて表される。
また、本実施形態では、アルファニューメリック以外の文字として、2バイトを用いて表される文字を示す。当該文字としては、例えば、日本語の文字、韓国語の文字、または、中国語の文字などがある。
【0011】
図1は、実施形態に係る印刷システム1の概略的な構成を示す図である。
印刷システム1は、印刷装置11と、情報処理装置12と、を備える。
印刷装置11と情報処理装置12とは、有線または無線の回線13を介して、接続される。印刷装置11と情報処理装置12とは、回線13を介して、通信することが可能である。
回線13は、例えば、ネットワークの回線であってもよい。ネットワークは、インターネットであってもよい。
【0012】
ここで、本実施形態では、説明を簡易にするために、1つの印刷装置11と1つの情報処理装置12を示す。
なお、例えば、1つの印刷装置11に、複数の情報処理装置12が接続されてもよい。また、例えば、1つの情報処理装置12に、複数の印刷装置11が接続されてもよい。
このように、印刷システム1は、任意の数の印刷装置11を備えてもよく、任意の数の情報処理装置12を備えてもよい。また、印刷システム1に備えられる装置の配置としては、任意の配置が用いられてもよい。
【0013】
情報処理装置12は、印刷装置11と通信し、印刷装置11に対して印刷の指示を送信する。印刷の指示には、例えば、印刷対象となる文字に対応する文字コードが含まれる。なお、印刷の指示には、他の情報が含まれてもよい。
また、情報処理装置12は、例えば、印刷装置11に対して、印刷対象となる文字に対応するフォントデータを指定する指示を送信する。
なお、情報処理装置12は、任意の装置であってもよく、例えば、パーソナルコンピューター、または、スマートフォンなどであってもよい。
情報処理装置12は、ユーザー(不図示)によって操作され、ユーザーによって行われた操作に応じた処理を実行する。また、情報処理装置12は、あらかじめ定められた処理を自動的に実行してもよい。
【0014】
印刷装置11は、制御部111と、不揮発性メモリー112と、印刷部113と、通信部114と、スイッチ115と、を備える。
制御部111は、CPU(Central Processing Unit)131と、ROM(Read Only Memory)132と、RAM(Random Access Memory)133と、を備える。さらに、制御部111は、他の制御回路等を備えてもよい。
印刷部113は、印刷ヘッド151と、カッター152と、搬送モーター153と、を備える。
【0015】
不揮発性メモリー112には、1バイト文字フォントデータ211と、日本語フォントデータ212と、韓国語フォントデータ213と、中国語フォントデータ214が記憶されている。
ここで、本実施形態では、これらのフォントデータは、印刷装置11の出荷前に、不揮発性メモリー112に記憶される。また、例えば、印刷装置11の出荷後に、新たなフォントデータが不揮発性メモリー112に記憶されてもよい。また、例えば、印刷装置11の出荷後に、不揮発性メモリー112に記憶されたフォントデータが書き換えまたは消去などされてもよい。
【0016】
制御部111は、印刷装置11の各部を制御する。
ROM132は、CPU131が実行する制御プログラムの他、各種のデータを不揮発的に記憶する。
RAM133は、CPU131のワークエリアとして機能し、各種のデータを一時的に記憶する。なお、本実施形態では、RAM133は、揮発性メモリーの一例である。
CPU131は、ROM132に記憶された制御プログラム等を読み出して実行することにより、印刷装置11の各部を制御する。
【0017】
不揮発性メモリー112は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)またはフラッシュメモリー等の半導体記憶素子、あるいは、ハードディスク等の記憶媒体を備え、各種のデータを書き換え可能に不揮発的に記憶する。
【0018】
なお、一般に、不揮発性メモリーは、電源が供給されなくても、記憶されたデータが残るメモリーである。
また、一般に、揮発性メモリーは、電源が供給されないと、記憶されたデータが残らないメモリーである。
【0019】
印刷部113は、印刷機構により、印刷媒体に印刷する。印刷媒体は、例えば、紙などである。
本実施形態では、印刷部113は、文字のフォントデータを用いて、文字の印刷を行う。
ここで、本実施形態では、印刷装置11がサーマルヘッドを有するサーマルプリンターであって、レシートを印刷するレシートプリンターである場合を示す。
なお、印刷装置11は、他の種類の装置であってもよい。
【0020】
印刷ヘッド151は、ロール紙の搬送方向と交わる方向に解像度に応じた複数の発熱素子が並べられて設けられたライン型のサーマルヘッドである。印刷ヘッド151は、当該発熱素子を発熱させて、感熱紙であるロール紙にドットを形成する。
カッター152は、固定刃と可動刃とを備え、固定刃に対して可動刃を相対的に移動させて固定刃と可動刃とを交叉させることにより、ロール紙を切断する。
搬送モーター153は、搬送ローラー(不図示)を回転させて、印刷装置11の筐体に収容されたロール紙を搬送する。
【0021】
印刷部113は、制御部111により制御されて、搬送モーター153によりロール紙を搬送しつつ、印刷ヘッド151によりロール紙にレシートに係る文字等を印刷し、カッター152により所定の位置でロール紙を切断して、レシートを発行する。
なお、印刷装置11では、制御部111によって、印刷対象となる文字コードのデータをRAM133に記憶した後に、当該データを所定のプリントバッファ(不図示)に格納し、当該データを印刷ヘッド151に送ることで、印刷の処理を行うが、本実施形態では、これに関して、詳しい説明を省略する。
【0022】
通信部114は、制御部111により制御されて、所定の通信規格にしたがって、例えば、印刷装置11の印刷動作を制御するホストコンピューター等の外部装置と通信する。当該外部装置は、本実施形態では、情報処理装置12である。つまり、本実施形態では、通信部114は、回線13を介して、情報処理装置12と通信する。
【0023】
スイッチ115は、例えば、ディップスイッチである。
スイッチ115は、ユーザー(不図示)によって操作され、2以上の状態に切り替えられる。本実施形態では、スイッチ115は、切り替えられる状態として、所定のフォントデータを指定する状態を有する。
具体例として、ディップスイッチは、ユーザーによって、オンの状態またはオフの状態に設定される。そして、印刷装置11の電源が投入されるとき、または、印刷装置11がリセットされるときに、制御部111によって、ディップスイッチの状態が読み込まれて、当該状態に応じた設定を行う。
ここで、例えば、ディップスイッチがオンの状態は、所定のフォントデータを指定する状態であり、また、ディップスイッチがオフの状態は、所定のフォントデータを指定しない状態である。
【0024】
なお、本実施形態では、説明の便宜上、情報処理装置12のユーザーと印刷装置11のユーザーとは同じであるとして説明するが、これらのユーザーは異なっていてもよい。
【0025】
ここで、フォントデータについて説明する。フォントデータとは、文字を印刷媒体に印刷することが可能な態様で表現する実データのことであり、例えば、ビットマップフォントデータが挙げられる。
【0026】
1バイト文字フォントデータ211は、半角の英数字、および、所定の記号に係る文字について、すなわち、1バイトで規定される文字コードの少なくとも一部に係る文字について、文字ごとにフォントデータを有する。1バイト文字フォントデータ211では、1つの文字ごとに、実データと文字コートとが対応付けられている。1バイト文字フォントデータ211に対応付く文字コードは、1バイトで規定される文字コードであり、例えば、「0x31」等の1バイトで表現される文字コードが挙げられる。
ここで、本実施形態では、「0x」は16進数を示す。すなわち、「0x31」は、16進数で「31」と表されることを示す。
また、1バイトは、8ビットに相当する。
本実施形態では、1バイト文字フォントデータ211は、アルファニューメリックの文字に対応するフォントデータである。1バイト文字フォントデータ211に対応付く文字コードとしては、例えば、ASCIIの文字コードが挙げられる。
なお、1バイト文字フォントデータ211が有する1つのフォントデータを示す場合、バイト1文字フォントデータなどと表現されてもよい。
【0027】
日本語フォントデータ212は、日本語に係る文字について、文字ごとのフォントデータを有する。
日本語フォントデータ212では、1つの文字ごとに、実データと文字コードとが対応付けられている。日本語フォントデータ212に対応付く文字コードとしては、例えば、ISO-2022-JP、Shift_JIS、EUC-JPなどの文字コードが挙げられる。ISO-2022-JPは、JISコードとも呼ばれる。なお、本実施形態の日本語フォントデータ212に対応付く文字コードは、2バイトで規定される文字コードを含む。
なお、2バイトで規定される文字とは、1つの文字に対応する文字コードが、2バイトで表現される文字である。
なお、日本語フォントデータ212が有する1つのフォントデータを示す場合、日本語1文字フォントデータなどと表現されてもよい。
【0028】
また、韓国語フォントデータ213は、韓国語に係る文字について、文字ごとにフォントデータを有する。韓国語フォントデータ213では、1つの文字ごとに、実データと文字コードとが対応付けられている。韓国語フォントデータ213に対応付く文字コードとしては、KSC5601等の文字コードが挙げられる。なお、本実施形態の韓国語フォントデータ213に対応付く文字コードは、2バイトで規定される文字コードを含む。
なお、韓国語フォントデータ213が有する1つのフォントデータを示す場合、韓国語1文字フォントデータなどと表現されてもよい。
【0029】
また、中国語フォントデータ214は、中国語に係る文字について、文字ごとにフォントデータを有する。中国語フォントデータ214では、1つの文字ごとに、実データと文字コードとが対応付けられている。中国語フォントデータ214に対応付く文字コードとしては、GB18030(簡体字)またはBig5(繁体字)等の文字コードが挙げられる。なお、本実施形態に中国語フォントデータ214は、2バイトで規定される文字に係る文字コードを含む。
以下の説明において、中国語フォントデータ214が有する1つのフォントデータを示す場合、中国語1文字フォントデータと表現する。
【0030】
本実施形態では、言語ごとにそれぞれ独立した文字コードと、当該文字コードに対応したフォントデータが、不揮発性メモリー112に記憶されている。
本実施形態では、不揮発性メモリー112には、あらかじめ、少なくとも1つの1バイト文字フォントデータ211と、少なくとも1つの言語の2バイト文字フォントデータが記憶される。本実施形態では、2バイト文字フォントデータとして、日本語フォントデータ212、韓国語フォントデータ213、および中国語フォントデータ214が用いられている。
【0031】
なお、印刷装置11の導入先によっては、1つの印刷装置11が複数の言語の文字を印刷することが望まれる。このような導入先としては、例えば、空港の免税店等の店舗のように様々な国の外国人の顧客が多く、顧客が理解可能な言語が1つの言語に限定される蓋然性の低い導入先が挙げられる。このような導入先では、印刷装置11によって、顧客が理解可能な言語に応じた文字が印刷されたレシートを発行することが望まれる。
【0032】
図2は、実施形態に係る印刷装置11の機能ブロックの構成を示す図である。
印刷装置11は、概略的な機能ブロックとして、制御部111と、第1記憶部311と、第2記憶部312と、印刷部113と、通信部114と、スイッチ115と、を備える。
本実施形態では、第1記憶部311は、不揮発性メモリー112である。
本実施形態では、第2記憶部312は、揮発性メモリーであるRAM133である。
【0033】
通信部114は、第1指示受付部331を有する。
第1指示受付部331は、フォントデータを指定する指示をソフトウェア的に受け付ける。具体的には、第1指示受付部331は、通信部114によって外部装置から受信される信号に含まれる所定のコマンドに応じて、当該コマンドによって特定されるフォントデータを指定する指示を受け付ける。当該コマンドは、ソフトウェア的なコマンドであり、例えば、「ABC」などのように、あらかじめ設定された所定の文字列であってもよい。ここで、「ABC」は本実施形態の説明のための例示であり、必ずしも実際のコマンドを表してはいない。
第1指示受付部331は、受け付けられた指示の内容を制御部111に出力する。制御部111は、第1指示受付部331から出力される指示の内容を取得する。
なお、第1指示受付部331の機能は、例えば、制御部111に備えられてもよい。
【0034】
スイッチ115は、第2指示受付部351を有する。
第2指示受付部351は、フォントデータを指定する指示をハードウェア的に受け付ける。具体的には、第2指示受付部351は、スイッチ115が切り替えられた状態に応じて、当該状態によって特定されるフォントデータを指定する指示を受け付ける。
本実施形態では、スイッチ115は、当該スイッチ115が切り替えられた状態に応じたコマンドを出力する。第2指示受付部351は、当該コマンドに応じて、当該コマンドによって特定されるフォントデータを指定する指示を受け付ける。
第2指示受付部351は、受け付けられた指示の内容を制御部111に出力する。制御部111は、第2指示受付部351から出力される指示の内容を取得する。
なお、第2指示受付部351の機能は、例えば、制御部111に備えられてもよい。
【0035】
ここで、本実施形態では、説明の便宜上、第1指示受付部331と第2指示受付部351との両方が印刷装置11に備えられる場合を示すが、他の構成例として、第1指示受付部331と第2指示受付部351とのいずれか一方のみが印刷装置11に備えられる構成が用いられてもよい。
【0036】
図3は、実施形態に係る不揮発性メモリー112に記憶されるデータを示す図である。
1バイト文字フォントデータ211と、日本語フォントデータ212と、韓国語フォントデータ213と、中国語フォントデータ214は、それぞれ、不揮発性メモリー112の記憶領域FAにおける所定の領域FA1~FA4に記憶されている。当該所定の領域は、不揮発性メモリー112の記憶領域FAにおいて、当該領域の先頭アドレスにより管理される。当該先頭アドレスは、例えば、記憶領域FAにおける位置を表す。
【0037】
図3の例では、1バイト文字フォントデータ211を記憶する領域FA1の先頭アドレスは、「0xF00000」である。
また、図3の例では、日本語フォントデータ212を記憶する領域FA2の先頭アドレスは、「0xF10000」である。
また、図3の例では、韓国語フォントデータ213を記憶する領域FA3の先頭アドレスは、「0xF20000」である。
また、図3の例では、中国語フォントデータ214を記憶する領域FA4の先頭アドレスは、「0xF30000」である。
このように、制御部111は、不揮発性メモリー112の記憶領域FAにおける先頭アドレスを特定することにより、不揮発性メモリー112の記憶領域FAのうち、フォントデータが記憶される領域FA1~FA4のそれぞれを、一意に特定することが可能である。したがって、不揮発性メモリー112の記憶領域FAにおける先頭アドレスは、不揮発性メモリー112の記憶領域FAにおけるフォントデータを記憶する領域FA1~FA4の位置を示す位置情報として用いられる。
【0038】
図4は、実施形態に係るRAM133に記憶されるデータの一例を示す図である。
不揮発性メモリー112からRAM133へのフォントデータのコピーを説明する。なお、データのコピーは、例えば、データの書き込み、データの記憶、または、データの保存などと呼ばれてもよい。
制御部111は、1バイト文字フォントデータ211を不揮発性メモリー112の記憶領域FAからRAM133の記憶領域RAにコピーする際、先頭アドレスである「0xF00000」に基づいて、1バイト文字フォントデータ211を記憶する不揮発性メモリー112の領域FA1を特定する。そして、制御部111は、特定した領域FA1に記憶される1バイト文字フォントデータ211を読み出してRAM133にコピーする。
なお、、日本語フォントデータ212と、韓国語フォントデータ213と、中国語フォントデータ214についても、不揮発性メモリー112からRAM133へのコピーの手法は、1バイト文字フォントデータ211と同様である。
【0039】
本実施形態では、RAM133の記憶領域RAのうち、1バイト文字フォントデータ211をコピーして記憶する領域RA1は、固定されているとする。すなわち、制御部111は、1バイト文字フォントデータ211を不揮発性メモリー112から読み出してRAM133に記憶する際、あらかじめ定められたRAM133の領域RA1に対して1バイト文字フォントデータ211のコピーを実行する。
このため、1バイト文字フォントデータ211を記憶する領域RA1の先頭アドレスは、コピーされるたびに変化しない。一方、日本語フォントデータ212と韓国語フォントデータ213と中国語フォントデータ214のそれぞれについて、フォントデータを記憶する領域の先頭アドレスは、RAM133へのコピーの順序などによって変化する場合がある。
【0040】
図4には、1バイト文字フォントデータ211がコピーされたRAM133の記憶領域RAを示す。1バイト文字フォントデータ211のコピーが行われたRAM133の記憶領域RAには、1バイト文字フォントデータ211が記憶された領域RA1の先頭アドレスを設定する設定言語領域AGが形成される。
図4の例では、1バイト文字フォントデータ211を記憶する領域RA1の先頭アドレスは、「0xB00000」である。
【0041】
図5は、実施形態に係るRAM133に記憶されるデータの他の例を示す図である。
図5には、1バイト文字フォントデータ211と、日本語フォントデータ212と、韓国語フォントデータ213と、中国語フォントデータ214がコピーされたRAM133の記憶領域RAを示す。これらのフォントデータのコピーが行われたRAM133の記憶領域RAには、それぞれのフォントデータが記憶された領域RA1~RA4の先頭アドレスのうち、指定された言語のフォントデータが記憶された領域RA1~RA4の先頭アドレスを設定する設定言語領域AGが形成される。
なお、本実施形態では、RAM133の記憶領域RAは、少なくとも1バイト文字フォントデータ211と、日本語フォントデータ212と、韓国語フォントデータ213と、中国語フォントデータ214を記憶することができ、かつ、設定言語領域AGを記憶することが可能な記憶領域である。
【0042】
図5の例では、1バイト文字フォントデータ211を記憶する領域RA1の先頭アドレスは、「0xB00000」である。
また、図5の例では、日本語フォントデータ212を記憶する領域RA2の先頭アドレスは、「0xB10000」である。
また、図5の例では、韓国語フォントデータ213を記憶する領域RA3の先頭アドレスは、「0xF20000」である。
また、図5の例では、中国語フォントデータ214を記憶する領域RA4の先頭アドレスは、「0xF30000」である。
このように、制御部111は、RAM133の記憶領域RAにおける先頭アドレスを特定することにより、RAM133の記憶領域RAのうち、フォントデータが記憶される領域RA1~RA4のそれぞれを、一意に特定することが可能である。したがって、RAM133の記憶領域RAにおける先頭アドレスは、RAM133の記憶領域RAにおけるフォントデータを記憶する領域RA1~RA4の位置を示す位置情報として用いられる。
【0043】
ここで、制御部111は、例えば、RAM133に、1バイト文字フォントデータ211、日本語フォントデータ212、韓国語フォントデータ213、または、中国語フォントデータ214のそれぞれを記憶するごとに、これらのフォントデータのそれぞれを記憶するRAM133の領域RA1~RA4の先頭アドレスを不揮発性メモリー112に記憶してもよい。
図3図5の例では、制御部111は、1バイト文字フォントデータ211を記憶するRAM133の領域RA1の先頭アドレスである「0xB00000」を、不揮発性メモリー112に記憶してもよい。
また、制御部111は、日本語フォントデータ212を記憶するRAM133の領域RA2の先頭アドレスである「0xB10000」を、不揮発性メモリー112に記憶してもよい。
また、制御部111は、韓国語フォントデータ213を記憶するRAM133の領域RA3の先頭アドレスである「0xB20000」を、不揮発性メモリー112に記憶してもよい。
また、制御部111は、中国語フォントデータ214を記憶するRAM133の領域RA4の先頭アドレスである「0xB30000」を、不揮発性メモリー112に記憶してもよい。
なお、制御部111は、それぞれの言語のフォントデータを記憶するRAM133の記憶領域RAにおける先頭アドレスを不揮発性メモリー112に記憶する際、それぞれの言語を示す情報と対応付けて記憶してもよい。この場合、例えば、制御部111は、「0xB10000」を示す先頭アドレスを記憶する際、「日本語」を示す情報を対応付けて記憶する。
【0044】
ここで、本実施形態では、制御部111は、1バイト文字フォントデータ211を記憶するRAM133の領域FA1の先頭アドレスを取得する構成としたが、他の構成が用いられてもよい。
当該他の構成の例として、本実施形態では、1バイト文字フォントデータ211を記憶するRAM133の領域FA1の先頭アドレスである「0xB00000」が固定されているため、当該先頭アドレスが、あらかじめ、不揮発性メモリー112に記憶されていてもよい。
なお、本実施形態では、RAM133の記憶領域RAにおいて、1バイト文字フォントデータ211が記憶される領域RA1の先頭アドレスがあらかじめ固定されている構成例を示したが、他の構成例として、当該先頭アドレスが、固定されてなく、変化し得る構成が用いられてもよい。
【0045】
RAM133における設定言語領域AGについて説明する。
制御部111は、印刷対象とする文字の言語の指定があると判定した場合、RAM133の設定言語領域AGに、指定された言語のフォントデータを記憶する領域RA2~RA4の先頭アドレスを設定する。一方、制御部111は、印刷対象とする文字の言語の指定がないと判定した場合、RAM133の設定言語領域AGに、デフォルトのフォントデータを記憶する領域の先頭アドレスを設定する。ここで、本実施形態では、デフォルトのフォントデータは、1バイト文字フォントデータ211であり、この場合、先頭アドレスは領域RA1の先頭アドレスである。
【0046】
以下の説明では、印刷装置11がデフォルトで印刷することが可能な文字のフォントデータをデフォルトフォントデータと呼んで説明する。本実施形態では、デフォルトフォントデータは1バイト文字フォントデータ211である。なお、情報処理装置12では、当該デフォルトフォントデータを特定する情報が、あらかじめ、記憶されてもよい。
また、商品等を販売する店舗におけるレジカウンターに印刷装置11が設けられ、印刷装置11が顧客の購入商品に応じたレシートを発行する場合について説明する。
また、情報処理装置12がレジカウンターに設置されており、レジカウンターのレジ担当者により情報処理装置12が操作される場合を示す。この場合、当該レジ担当者が、情報処理装置12のユーザーとなる。また、本例では、当該レジ担当者は、印刷装置11のユーザーでもある。
【0047】
レジカウンターのレジ担当者は、顧客に対してデフォルトフォントデータ以外のフォントデータを使用したレシートを発行する場合、情報処理装置12を操作する際に、当該操作によって発行するレシートに印刷される文字のフォントデータを指定する。
情報処理装置12は、レジ担当者によって指定されたフォントデータを特定する情報を含むコマンドを印刷装置11に送信する。ここで、当該情報は、例えば、言語の名称などの情報であってもよい。
続いて、情報処理装置12は、レジ担当者によって指定されたフォントデータに対応する文字の文字コードを含む印刷データを生成し、生成された印刷データを印刷装置11に送信する。
印刷装置11では、制御部111は、通信部114により、情報処理装置12から印刷装置11に送信されたコマンドと印刷データを受信すると、印刷対象とする文字のフォントデータの指定があると判定し、また、印刷の動作を実行することを判定する。そして、印刷装置11では、制御部111は、RAM133の設定言語領域AGに、指定されたフォントデータについて、当該フォントデータを記憶するRAM133の領域の先頭アドレスを設定する。この場合、制御部111は、当該先頭アドレスとして、当該フォントデータについて、不揮発性メモリー112に記憶されたRAM133における先頭アドレスを設定する。
そして、印刷装置11では、制御部111は、設定言語領域AGに設定された先頭アドレスに基づいて、処理対象となる印刷データが含む文字コードに対応するフォントデータをRAM133の記憶領域RAから取得し、印刷部113により、外部装置から受信された印刷データに基づく印刷を実行する。
【0048】
一方、レジカウンターのレジ担当者は、顧客に対してデフォルトフォントデータを使用したレシートを発行する場合には、情報処理装置12を操作する際に、発行するレシートに印刷される文字のフォントデータを指定しなくてもよい。
情報処理装置12は、デフォルトフォントデータに対応する文字の文字コードを含む印刷データを生成し、生成された印刷データを印刷装置11に送信する。
印刷装置11では、制御部111は、通信部114により、情報処理装置12からフォントデータの指定がなく印刷データを受信すると、印刷対象とする文字のフォントデータの指定がないと判定し、また、印刷の動作を実行することを判定する。そして、印刷装置11では、制御部111は、RAM133の設定言語領域AGに、デフォルトフォントデータについて、当該デフォルトフォントデータを記憶するRAM133の領域の先頭アドレスを設定する。この場合、制御部111は、当該先頭アドレスとして、当該デフォルトフォントデータについて、不揮発性メモリー112に記憶されたRAM133における先頭アドレスを設定する。
そして、印刷装置11では、制御部111は、設定言語領域AGに設定された先頭アドレスに基づいて、処理対象となる印刷データが含む文字コードに対応するフォントデータをRAM133の記憶領域RAから取得し、印刷部113により、外部装置から受信された印刷データに基づく印刷を実行する。
【0049】
具体例として、設定言語領域AGに、デフォルトフォントデータを記憶する領域の先頭アドレスが設定されている場合、印刷装置11では、制御部111は、印刷データに含まれる文字コードに対応するフォントデータを取得する取得先の領域として、設定言語領域AGに格納された先頭アドレスが示す領域を特定する。そして、印刷装置11では、制御部111は、特定されたRAM133の領域が記憶するデフォルトフォントデータに基づいて、印刷データに含まれる文字コードごとに、当該文字コードに対応するデフォルトフォントデータを取得して、当該文字コードの文字を印刷媒体に印刷する。これにより、印刷装置11では、デフォルトフォントデータに対応するバイト1文字デフォルトデータの文字が印刷されたレシートを発行することができる。
【0050】
具体例として、設定言語領域AGに、デフォルト以外のフォントデータを記憶する領域の先頭アドレスが設定されている場合、印刷装置11では、制御部111は、印刷データに含まれる文字コードに対応するフォントデータを取得する取得先の領域として、設定言語領域AGに格納された先頭アドレスが示す領域を特定する。そして、印刷装置11では、制御部111は、特定されたRAM133の領域が記憶するフォントデータに基づいて、印刷データに含まれる文字コードごとに、当該文字コードに対応するフォントデータを取得して、当該文字コードの文字を印刷媒体に印刷する。これにより、印刷装置11では、指定されたフォントデータに対応する所定言語の1文字デフォルトデータの文字が印刷されたレシートを発行することができる。
ここで、本実施形態では、当該1文字デフォルトデータは、例えば、日本語1文字デフォルトデータ、韓国語1文字デフォルトデータ、または、中国語1文字デフォルトデータである。
【0051】
なお、説明の便宜上、1文字のフォントデータのデータ量を、192バイトとして説明する。また、1つのフォントデータにおいて、複数の文字コードのデータが順番に並んでいるとする。
この場合、1つのフォントデータにおいて、印刷対象となる文字コードの順番の値と先頭アドレスに対応する文字コードの順番の値との差分に192バイトを掛けた結果の値が、当該先頭アドレスを基準とした、当該印刷対象となる文字コードに対応するフォントデータが記憶されているアドレスとなる。そして、記録領域における実際のアドレスは、当該記憶領域における当該先頭アドレスを基準としたアドレスに、当該記憶領域における当該先頭アドレスを加算した結果に相当する。
印刷装置11では、制御部111は、当該記憶領域における当該実際のアドレスから192バイトのフォントデータを読み出して印刷を行うことで、印刷対象となる文字コードに対応する文字の印刷を行う。すなわち、当該文字は、当該192バイトのフォントデータによって表される。
【0052】
このように、印刷装置11では、制御部111は、発行するレシートごとに、当該レシートに印刷する文字の言語が指定されることで、当該言語に対応して参照するフォントデータの先頭アドレスを設定し、設定された先頭アドレスに基づいて指定された言語のフォントデータを使用するように切り替えることができる。これにより、印刷装置11では、制御部111は、発行するレシートごとに、当該レシートに印刷される文字の言語を切り替えることができ、1つの印刷装置11によって複数の言語の文字を印刷することができる。このため、印刷装置11では、例えば、顧客ごとに、当該顧客にとって理解することが可能な言語に応じた文字が印刷されたレシートを発行することが可能である。
【0053】
本実施形態では、印刷装置11において、制御部111は、1バイトの文字の印刷データに基づく印刷を実行する場合には、不揮発性メモリー112から1バイト文字フォントデータ211を読み出してRAM133に記憶した後に、RAM133に記憶された1バイト文字フォントデータ211に基づいて、1バイトの文字の印刷を行う。また、本実施形態では、印刷装置11において、制御部111は、2バイトの文字の印刷データに基づく印刷を実行する場合には、不揮発性メモリー112から当該2バイトの文字のフォントデータを読み出してRAM133に記憶した後に、RAM133に記憶されたフォントデータに基づいて、当該2バイトの文字の印刷を行う。
【0054】
ここで、一般に、データを読み出す速度に関し、RAM133のような揮発性メモリーからデータを読み出す速度は、不揮発性メモリー112からデータを読み出す速度より速い場合が多い。また、RAM133は、CPU131のワークエリアとして機能するため、印刷装置11の内部の構成上、不揮発性メモリー112と比べて、CPU131とより近い位置に配置される場合が多い。このため、通常、制御部111は、不揮発性メモリー112に記憶されたデータを読み出す場合よりも速く、RAM133に記憶されたデータを読み出すことが可能である。したがって、本実施形態では、印刷装置11において、制御部111は、不揮発性メモリー112に記憶されたフォントデータをいったんRAM133にコピーして、RAM133に記憶されたフォントデータを使用することで、当該フォントデータを読み出す速度を向上させることができる。これにより、印刷装置11では、印刷データに基づく印刷の処理速度を向上させることができる。
【0055】
なお、印刷装置11において、印刷の処理時に参照するフォントデータの切り替えは、例えば、印刷媒体に印刷される文字列の単位で行われてもよい。例えば、印刷装置11において、単一のレシートに、「合計 123」の文字列について、日本語の文字と中国語の文字とで併記する場合、制御部111は、日本語の文字列を印刷した後、中国語を指定するコマンドに応じて、設定言語領域AGに設定される先頭アドレスを中国語フォントデータ214に対応する先頭アドレスに切り替え、これにより中国語の文字列を印刷する。
このように、印刷装置11において、制御部111は、印刷媒体に印刷される文字列の単位で、参照するフォントデータを切り替えて印刷する文字の言語を切り替えてもよい。この場合、印刷データに含まれる文字列について、当該文字列の単位で言語が指定される。
他の例として、印刷装置11において、印刷の処理時に参照するフォントデータの切り替えは、例えば、印刷媒体に印刷される文字の単位で行われてもよい。この場合、印刷データに含まれる文字について、当該文字の単位で言語が指定される。
【0056】
ここで、本実施形態では、印刷装置11において、図3図5を用いて説明した構成により、各種のフォントデータのコピーおよび管理を行うが、このような構成に限定されない。印刷装置11において、各種のフォントデータのコピーおよび管理は、任意の手法で行われてもよい。
【0057】
図6図9を参照して、印刷装置11において行われる処理の手順の例を示す。
図6および図7は、実施形態に係る印刷装置11において行われる処理の手順の一例を示す図である。
図6に示される(ステップS1)~(ステップS5)の処理と、図7に示される(ステップS11)~(ステップS15)の処理とは、図示の便宜上、別の図に示してあるが、一連の処理である。
【0058】
(ステップS1)
印刷装置11では、電源がオフからオンに切り替えられること、または、リセットが実行されることが、行われたとする。これらの場合、ステップS2の処理へ移行する。
【0059】
ここで、印刷装置11では、例えば、ユーザーによって所定のボタンの押下などのように所定の操作が行われた場合に、電源のオンとオフとが切り替えられる。他の例として、印刷装置11では、外部装置から印刷装置11に送信された所定のコマンドが受信された場合に、当該コマンドに応じて電源のオンとオフとが切り替えられてもよい。当該外部装置は、例えば、情報処理装置12であってもよい。
また、印刷装置11では、例えば、ユーザーによって所定の操作が行われた場合に、リセットが行われる。他の例として、印刷装置11では、外部装置から印刷装置11に送信された所定のコマンドが受信された場合に、当該コマンドに応じてリセットが行われてもよい。当該外部装置は、例えば、情報処理装置12であってもよい。
本実施形態では、印刷装置11において、電源がオフになった場合、および、リセットが行われた場合に、RAM133に記憶されたデータが消去される。
【0060】
(ステップS2)
印刷装置11では、制御部111によって、不揮発性メモリー112に記憶された1バイト文字フォントデータ211を、不揮発性メモリー112から読み出してRAM133に記憶する。そして、ステップS3の処理へ移行する。
【0061】
(ステップS3)
印刷装置11では、制御部111によって、1バイトの文字の印刷指示を受け付けたか否かを判定する。本実施形態では、当該印刷指示は、情報処理装置12から印刷装置11に送られる。
この結果、印刷装置11では、制御部111によって、1バイトの文字の印刷指示を受け付けたと判定した場合(ステップS3:YES)、ステップS4の処理へ移行する。
一方、印刷装置11では、制御部111によって、1バイトの文字の印刷指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS3:NO)、ステップS5の処理へ移行する。
【0062】
(ステップS4)
印刷装置11では、制御部111によって、受け付けられた1バイトの文字の印刷指示に基づいて、当該1バイトの文字の印刷を印刷部113により行う。この場合、制御部111は、RAM133に記憶された1バイト文字フォントデータ211を使用して、当該1バイトの文字の印刷を行う。そして、ステップS3の処理へ移行する。
【0063】
ここで、2バイトの文字のフォントデータの指示は、当該2バイトの文字のフォントデータを指定する情報を含む。
本実施形態では、2バイトの文字のフォントデータの指示は、日本語フォントデータ212を指定する情報、韓国語フォントデータ213を指定する情報、または、中国語フォントデータ214を指定する情報のうちの1つの情報を含む。
なお、2バイトの文字のフォントデータの指示が、2種類以上のフォントデータをまとめて指定する情報を含んでもよい。
【0064】
(ステップS5)
印刷装置11では、制御部111によって、指示された2バイトの文字のフォントデータを、不揮発性メモリー112から読み出してRAM133に記憶する。そして、ステップS11の処理へ移行する。
【0065】
(ステップS11)
印刷装置11では、制御部111によって、1バイトの文字の印刷指示を受け付けたか否かを判定する。本実施形態では、当該印刷指示は、情報処理装置12から印刷装置11に送られる。
この結果、印刷装置11では、制御部111によって、1バイトの文字の印刷指示を受け付けたと判定した場合(ステップS11:YES)、ステップS12の処理へ移行する。
一方、印刷装置11では、制御部111によって、1バイトの文字の印刷指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS11:NO)、ステップS13の処理へ移行する。
【0066】
(ステップS12)
印刷装置11では、制御部111によって、受け付けられた1バイトの文字の印刷指示に基づいて、当該1バイトの文字の印刷を印刷部113により行う。この場合、制御部111は、RAM133に記憶された1バイト文字フォントデータ211を使用して、当該1バイトの文字の印刷を行う。そして、ステップS11の処理へ移行する。
【0067】
(ステップS13)
印刷装置11では、制御部111によって、2バイトの文字の印刷指示であって当該2バイトの文字に対応するフォントデータがRAM133に記憶されている当該印刷指示を受け付けたか否かを判定する。つまり、当該印刷指示は、印刷装置11において、フォントデータが既にRAM133に記憶されている2バイトの文字の印刷指示である。本実施形態では、当該印刷指示は、情報処理装置12から印刷装置11に送られる。
この結果、印刷装置11では、制御部111によって、このようにフォントデータが既にRAM133に記憶された2バイトの文字の印刷指示を受け付けたと判定した場合(ステップS13:YES)、ステップS14の処理へ移行する。
一方、印刷装置11では、制御部111によって、フォントデータが既にRAM133に記憶された2バイト文字の印刷指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS13:NO)、ステップS15の処理へ移行する。
【0068】
(ステップS14)
印刷装置11では、制御部111によって、受け付けられた2バイトの文字の印刷指示に基づいて、当該2バイトの文字の印刷を印刷部113により行う。この場合、制御部111は、RAM133に記憶された当該2バイトの文字に対応するフォントデータを使用して、当該2バイトの文字の印刷を行う。そして、ステップS11の処理へ移行する。
【0069】
(ステップS15)
印刷装置11では、制御部111によって、受け付けられた1バイトの文字の印刷指示に基づいて、当該1バイトの文字の印刷を印刷部113により行う。この場合、制御部111は、RAM133に記憶された1バイト文字フォントデータ211を使用して、当該1バイトの文字の印刷を行う。そして、ステップS11の処理へ移行する。
【0070】
このように、印刷装置11では、電源がオンになった後、または、リセットされた後に、一部の文字フォントデータのみを印字することができるように準備する。ここで、本実施形態では、印字の準備は、印字の対象となる文字のフォントデータを不揮発性メモリー112から読み出してRAM133に記憶する処理を表す。また、当該一部の文字フォントデータは、初期では、1バイト文字フォントデータ211である。
その後、印刷装置11では、印字の準備が完了している文字の印刷指示が受け付けられた場合には当該文字の印刷を行う。また、印刷装置11では、印字の準備が完了していない2バイトの文字のフォントデータの指示が受け付けられた場合には、当該フォントデータの印字の準備が完了するまでは、当該フォントデータに対応する文字の印刷指示が受け付けられても印刷を待機させ、当該フォントデータの印字の準備が完了したら当該文字の印刷を行う。
【0071】
本実施形態では、印刷装置11では、最初に、一般的に使用頻度が高い1バイト文字フォントデータ211を優先して、印字の準備を行う。これにより、印刷装置11では、最初は、1バイト文字フォントデータ211に対応する1バイトの文字のみについて、印刷が許容される。
また、印刷装置11では、2バイトの文字のフォントデータの指定が受け付けられた場合には、指定されたフォントデータについて、印字の準備を行う。
【0072】
また、印刷装置11では、印字の準備が完了していないフォントデータについて印刷指示が受け付けられた場合には、当該印刷指示に応じた印刷が可能になるまで、当該印刷指示を保持しておく。そして、印刷装置11では、当該印刷指示に応じた印刷が可能になった後に、当該印刷指示に応じた印刷を行う。
なお、印刷装置11では、複数の異なる印刷指示が受け付けられた場合には、これら複数の印刷指示の受け付けの順番にしたがって、これら複数の印刷指示に応じた印刷を順次行う構成とされてもよいが、他の構成が用いられてもよい。つまり、印刷装置11では、複数の異なる印刷指示が受け付けられた場合に、これら複数の異なる印刷指示を、受け付けの順番とは異なる順番で、処理してもよい。
【0073】
ここで、本実施形態では、共通のプロセッサーによって、印刷部113を制御して印刷を行う処理と、フォントデータを不揮発性メモリー112から読み出してRAM133に記憶する処理との両方を実行する場合を示してある。本実施形態では、当該プロセッサーは、CPU131である。
他の例として、印刷部113を制御して印刷を行う処理と、フォントデータを不揮発性メモリー112から読み出してRAM133に記憶する処理とを、2以上のプロセッサーによって、任意に分担する構成が用いられてもよい。
【0074】
なお、一般に、1バイトの文字のフォントデータと比べて、2バイトの文字のフォントデータのデータ量は多い。このため、一般に、1バイトの文字のフォントデータを不揮発性メモリー112からRAM133に記憶する処理と比べて、2バイトの文字のフォントデータを不揮発性メモリー112からRAM133に記憶する処理には多くの時間を要する。
特に、アルファニューメリックのような1バイトの文字のフォントデータは、日本語、韓国語または中国語のような2バイトの文字のフォントデータと比べて、文字数が少なく、データ量が少ない。これに対して、日本語、韓国語または中国語のような2バイトの文字のフォントデータは、アルファニューメリックのような1バイトの文字のフォントデータと比べて、専用性があることが多い。
【0075】
図6および図7の例では、印刷装置11において、最初に、1バイトの文字のフォントデータを不揮発性メモリー112からRAM133に記憶する処理を行って、1バイトの文字の印字を可能にし、その後、必要なときに、2バイトの文字のフォントデータを不揮発性メモリー112からRAM133に記憶する処理を行う。これにより、印刷装置11において、電源がオンにされた後、または、リセットが行われた後に、1バイトの文字が印刷可能となるまでの時間を短くすることができる。
【0076】
図8は、実施形態に係る印刷装置11において行われる2バイト文字フォントデータをRAM133に記憶する処理の手順の一例を示す図である。
図8の説明において、説明の便宜上、2バイト文字フォントデータをRAM133に記憶する処理を本処理と呼んで説明する。
【0077】
(ステップS31)
印刷装置11では、制御部111によって、本処理を開始する。そして、ステップS32の処理へ移行する。
なお、ステップS32以降の処理へ移行した後に再びステップS31の処理に戻った場合には、印刷装置11では、制御部111によって、いったん中断していた本処理を再開する。
【0078】
(ステップS32)
印刷装置11では、制御部111によって、本処理が終了したか否かを判定する。
この結果、印刷装置11では、制御部111によって、本処理が終了したと判定した場合(ステップS32:YES)、本フローの処理を終了する。具体例として、図6および図7の例に図8の処理フローが適用された場合には、印刷装置11では、図6および図7に示される一連の処理において、本処理に継続する処理へ移行する。
一方、印刷装置11では、制御部111によって、本処理が終了していないと判定した場合(ステップS32:NO)、ステップS33の処理へ移行する。
【0079】
(ステップS33)
印刷装置11では、制御部111によって、1バイトの文字の印刷指示を受け付けたか否かを判定する。本実施形態では、当該印刷指示は、情報処理装置12から印刷装置11に送られる。
この結果、印刷装置11では、制御部111によって、1バイトの文字の印刷指示を受け付けたと判定した場合(ステップS33:YES)、ステップS34の処理へ移行する。
一方、印刷装置11では、制御部111によって、1バイトの文字の印刷指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS33:NO)、ステップS31の処理へ移行する。
【0080】
(ステップS34)
印刷装置11では、制御部111によって、本処理を中断し、受け付けられた1バイトの文字の印刷指示に基づいて、1バイトの文字の印刷を印刷部113により行う。この場合、制御部111は、RAM133に記憶された1バイト文字フォントデータ211を使用して、当該1バイトの文字の印刷を行う。そして、ステップS31の処理へ移行する。
このように、印刷装置11では、制御部111によって、本処理を中断しておく。つまり、図8の例では、印刷装置11において、本処理を実行しているときに、1バイトの文字の印刷指示が受け付けられた場合には、2バイトの文字のフォントデータの準備よりも、1バイトの文字の印刷の処理を優先させて実行し、1バイトの文字の印刷の処理が完了するまでは、本処理を停止させておく。
【0081】
ここで、図8の例では、印刷装置11において、本処理の実行中に、所定の期間ごとに、制御部111によってステップS33の処理が実行されるように設定される。当該所定の期間は、例えば、定期的な期間であってもよく、または、他の期間であってもよい。
一例として、印刷装置11において、制御部111によって、本処理の実行中に、ステップS32の処理およびステップS33の処理を所定の期間ごとに実行するように構成されてもよい。
【0082】
他の例として、図8に示される処理フローにおけるステップS32の処理が設けられず、印刷装置11において、本処理が終了したときには、そのときのタイミングで、制御部111によって、図8に示されるフローの処理を終了する構成が用いられてもよい。この構成では、例えば、印刷装置11では、制御部111によって、本処理の実行中に、ステップS33の処理を所定の期間ごとに実行するように構成されてもよい。
【0083】
このように、印刷装置11では、1バイト文字フォントデータ211の印字の準備が完了した後に、2バイトの文字のフォントデータの印字の準備を行っている途中で、1バイトの文字の印刷指示が受け付けられた場合には、2バイトの文字のフォントデータの印字の準備をいったん停止させて、1バイトの文字の印刷指示に応じた印刷を優先的に行う。そして、印刷装置11では、1バイトの文字の印刷が完了した後に、2バイトの文字のフォントデータの印字の準備を再開する。
なお、図8の例では、印刷装置11では、2バイトの文字の印刷指示が受け付けられた後に、1バイトの文字の印刷指示が受け付けられたときに、当該2バイトの文字の印字の準備が完了していない場合には、これら複数の印刷指示の受け付けの順番にしたがわずに、先に、1バイトの文字の印刷指示に応じた印刷が優先的に行われる場合がある。
【0084】
ここで、図8の例では、共通のプロセッサーによって、印刷部113を制御して印刷を行う処理と、フォントデータを不揮発性メモリー112から読み出してRAM133に記憶する処理との両方を実行する場合を示してある。本実施形態では、当該プロセッサーは、CPU131である。
なお、他の例として、印刷部113を制御して印刷を行う処理と、フォントデータを不揮発性メモリー112から読み出してRAM133に記憶する処理とを、2以上のプロセッサーによって、任意に分担する構成が用いられる場合に、図8に示される処理フローが適用されてもよい。
【0085】
なお、一般に、1バイトの文字のフォントデータを不揮発性メモリー112からRAM133に記憶する処理と比べて、2バイトの文字のフォントデータを不揮発性メモリー112からRAM133に記憶する処理には多くの時間を要する。このため、図8の例では、2バイトの文字のフォントデータを不揮発性メモリー112からRAM133に記憶する処理と比べて、1バイトの文字の印刷を優先させており、1バイトの文字の印刷が印刷指示に応じて素早く行われることを実現している。
【0086】
図9は、実施形態の変形例に係る印刷装置11において行われる処理の手順の一例を示す図である。
図9に示される処理フローは、図6および図7に示される処理フローに対して、変形例である。
なお、図9に示されるステップS116の処理に、図8に示される処理が適用されてもよい。
【0087】
(ステップS111)
印刷装置11では、電源がオフからオンに切り替えられること、または、リセットが実行されることが、行われたとする。これらの場合、ステップS112の処理へ移行する。
【0088】
(ステップS112)
印刷装置11では、制御部111によって、不揮発性メモリー112に記憶された1バイト文字フォントデータ211を、不揮発性メモリー112から読み出してRAM133に記憶する。そして、ステップS113の処理へ移行する。
【0089】
(ステップS113)
印刷装置11では、制御部111によって、印刷指示または2バイトの文字のフォントデータの指示を受け付けたか否かを判定する。図9の例では、当該印刷指示は、1バイトの文字の印刷指示、または、2バイトにお文字の印刷指示である。また、当該印刷指示は、情報処理装置12から印刷装置11に送られる。また、2バイトの文字のフォントデータの指示は、情報処理装置12から印刷装置11に送られるコマンドによる指示、または、スイッチ115の状態により発生するコマンドによる指示である。
この結果、印刷装置11では、制御部111によって、印刷指示または2バイトの文字のフォントデータの指示のいずれかを受け付けたと判定した場合(ステップS113:YES)、ステップS114の処理へ移行する。
一方、印刷装置11では、制御部111によって、印刷指示または2バイトの文字のフォントデータの指示のいずれも受け付けていないと判定した場合(ステップS113:NO)、ステップS115の処理へ移行する。
【0090】
ここで、2バイトの文字のフォントデータの指示は、当該2バイト文字のフォントデータを指定する情報を含む。
本実施形態では、2バイトの文字のフォントデータの指示は、日本語フォントデータ212を指定する情報、韓国語フォントデータ213を指定する情報、または、中国語フォントデータ214を指定する情報のうちの1つの情報を含む。
なお、2バイトの文字のフォントデータの指示が、2種類以上のフォントデータをまとめて指定する情報を含んでもよい。
【0091】
(ステップS114)
印刷装置11では、制御部111によって、受け付けられた指示に基づいて、当該指示に応じた処理を行う。そして、ステップS113の処理へ移行する。
【0092】
(ステップS115)
印刷装置11では、制御部111によって、不揮発性メモリー112に記憶されている2バイトの文字のフォントデータのうちで、RAM133に記憶されてなく、かつ、RAM133に記憶すべきフォントデータがあるか否かを判定する。
この結果、印刷装置11では、制御部111によって、このようなフォントデータがあると判定した場合(ステップS115:YES)、このようなフォントデータを処理の対象として、ステップS116の処理へ移行する。
一方、印刷装置11では、制御部111によって、このようなフォントデータがないと判定した場合(ステップS115:NO)、ステップS113の処理へ移行する。
【0093】
(ステップS116)
印刷装置11では、制御部111によって、処理の対象となる2バイトの文字のフォントデータを、不揮発性メモリー112から読み出してRAM133に記憶する。そして、ステップS113の処理へ移行する。
【0094】
このように、印刷装置11では、電源がオンになった後、または、リセットされた後に、一部の文字フォントデータのみを印字することができるように準備する。ここで、当該一部の文字フォントデータは、初期では、1バイト文字フォントデータ211である。
その後、印刷装置11では、所定の場合に、不揮発性メモリー112に記憶されている2バイトの文字のフォントデータであってRAM133に記憶すべきフォントデータをRAM133に記憶する処理を行う。
【0095】
ここで、本実施形態では、当該所定の場合は、印字の準備が完了しているフォントデータの印刷指示が受け付けられていない場合である。
なお、当該所定の場合としては、例えば、制御部111のCPU131によって、不揮発性メモリー112に記憶されている2バイトの文字のフォントデータをRAM133に記憶する処理を行う処理能力が空いている場合が用いられてもよく、当該処理を行うか否かを判定する基準があらかじめ設定されてもよい。図9の例では、印刷装置11において、印字の準備が完了しているフォントデータの印刷指示が受け付けられていない場合には、制御部111のCPU131によって当該処理を行う処理能力が空いているとみなしている。
【0096】
ここで、図9の例では、共通のプロセッサーによって、印刷部113を制御して印刷を行う処理と、フォントデータを不揮発性メモリー112から読み出してRAM133に記憶する処理との両方を実行する場合を示してある。本実施形態では、当該プロセッサーは、CPU131である。
なお、他の例として、印刷部113を制御して印刷を行う処理と、フォントデータを不揮発性メモリー112から読み出してRAM133に記憶する処理とを、2以上のプロセッサーによって、任意に分担する構成が用いられる場合に、図9に示される処理フローが適用されてもよい。
【0097】
ここで、不揮発性メモリー112に記憶されている2バイトの文字のフォントデータのうちで、RAM133に記憶すべきフォントデータとしては、例えば、不揮発性メモリー112に記憶されている2バイトの文字のフォントデータのすべてのフォントデータが対象となってもよく、または、不揮発性メモリー112に記憶されている2バイトの文字のフォントデータのうちの一部のフォントデータが対象となってもよい。このようなRAM133に記憶すべきフォントデータに該当するか否かは、例えば、あらかじめ印刷装置11に設定されてもよい。
【0098】
このようなRAM133に記憶すべきフォントデータとしては、例えば、印刷指示が発生する確率が高いと予想されるフォントデータが用いられてもよい。このような予想は、例えば、それぞれのフォントデータに設定された優先度、それぞれのフォントデータの使用回数、または、それぞれのフォントデータの使用頻度などの1以上に基づいて、行われてもよい。ここで、使用回数および使用頻度は、例えば、過去の状況に基づいて決められてもよい。
例えば、フォントデータの優先度が高い方が、RAM133に記憶する必要度が高いと予想されてもよい。また、フォントデータの使用回数が高い方が、RAM133に記憶する必要度が高いと予想されてもよい。また、フォントデータの使用頻度が高い方が、RAM133に記憶する必要度が高いと予想されてもよい。
【0099】
また、不揮発性メモリー112に記憶されている2バイトの文字のフォントデータのうちで、RAM133に記憶されてなく、かつ、RAM133に記憶すべきフォントデータが2以上存在する場合には、これら2以上のフォントデータをRAM133に記憶する順序は、任意に定められてもよい。このような順序は、例えば、あらかじめ印刷装置11に設定されてもよい。
このような順序は、優先順序などと呼ばれてもよい。
一例として、優先順序が高い方から低い方への順に、1バイト文字フォントデータ211、日本語フォントデータ212、中国語フォントデータ214、韓国語フォントデータ213などといった順序が用いられてもよい。なお、この順序は一例であり、他の順序が用いられてもよい。
なお、本実施形態では、1バイト文字フォントデータ211を最も高い優先順序とする。
【0100】
ここで、このような順序は、例えば、不揮発性メモリー112に記憶されてもよい。この場合、制御部111は、不揮発性メモリー112に記憶された当該順序を読み出して、読み出した当該順序にしたがって処理を行う。
なお、このような順序は、例えば、ROM132またはRAM133に記憶されて、制御部111により管理されてもよい。
【0101】
不揮発性メモリー112などに記憶される優先順序の情報は、ユーザーまたは外部装置からの指示に応じて、書き換えられることが可能であってもよい。
優先順序の情報は、印刷装置11の販売などの前に書き換えられてもよい。具体例として、印刷装置11が販売される先の国または人の国籍が複数あり得る場合に、印刷装置11が販売される先の国または人の国籍に応じて、その国またはその国籍の言語のフォントデータを最も高い優先順序とするように、優先順序の情報が書き換えられてもよい。
【0102】
優先順序の情報は、印刷装置11の販売後に、印刷装置11の使用状況に基づいて、印刷装置11において自動的に書き換えられてもよい。
具体例として、印刷装置11では、制御部111によって、複数の2バイト文字フォントデータのそれぞれの使用頻度を検出し、これら複数の2バイト文字フォントデータのそれぞれの優先順序を、当該使用頻度が高い方から低い方への順序とするように、制御してもよい。
具体例として、印刷装置11では、制御部111によって、複数の2バイト文字フォントデータのそれぞれの言語に切り替えた回数を検出し、これら複数の2バイト文字フォントデータのそれぞれの優先順序を、当該回数が多い方から少ない方への順序とするように、制御してもよい。
具体例として、印刷装置11では、制御部111によって、複数の2バイト文字フォントデータのそれぞれの言語で印字した文字の数を検出し、これら複数の2バイト文字フォントデータのそれぞれの優先順序を、当該数が多い方から少ない方への順序とするように、制御してもよい。
【0103】
また、不揮発性メモリー112に記憶されている2バイトの文字のフォントデータのうちで、RAM133に記憶されてなく、かつ、RAM133に記憶すべきフォントデータが2以上存在する場合には、印刷装置11では、一例として、これら2以上のフォントデータについての処理を、1回のステップS116の処理において実行してもよい。
他の例として、印刷装置11では、1回のステップS116の処理においては、1つのフォントデータについての処理を行い、次の回のステップS116の処理においては、別の1つのフォントデータについての処理を行い、以降も同様としてもよい。つまり、印刷装置11において、1回のステップS116の処理ごとに、1つずつフォントデータが処理対象とされてもよい。
【0104】
以上のように、本実施形態に係る印刷システム1では、印刷装置11において、次のような構成とした。
すなわち、印刷装置11は、第1記憶部311と、第2記憶部312と、通信部114と、印刷部113と、第1指示受付部331と第2指示受付部351との一方または両方の機能を有する指示受付部と、制御部111と、を備える。
第1記憶部311は、1バイトで表される第1文字コードに対応する第1フォントデータを記憶するとともに、2バイトで表される第2文字コードに対応する第2フォントデータを1以上記憶する不揮発性の記憶部である。
第2記憶部312は、第1記憶部311に記憶される第1フォントデータと、第1記憶部311に記憶される第2フォントデータの1以上を記憶する揮発性の記憶部である。
通信部114は、第1文字コードまたは第2文字コードを外部装置から受信する。
印刷部113は、通信部114によって受信された第1文字コードまたは第2文字コードに対応する第1フォントデータまたは第2フォントデータに基づき画像を印刷媒体に印刷する。ここで、当該第1フォントデータは当該第1文字コードに対応し、当該第2フォントデータは当該第2文字コードに対応する。
指示受付部は、第2フォントデータのいずれかを指定する指示を受け付ける。
制御部111は、第1記憶部311に記憶された第1フォントデータを読み出して第2記憶部312に記憶した後、指示受付部により当該指示を受け付けた場合、当該指示により指定される第2フォントデータを第1記憶部311から読み出して第2記憶部312に記憶する。
【0105】
したがって、本実施形態に係る印刷装置11では、第1フォントデータを第1記憶部311から読み出して第2記憶部312に記憶することで、1バイトの文字のフォントデータについて、初めて印字を実行することが可能な状態となるまでの時間を短くすることができる。
その後、本実施形態に係る印刷装置11では、2バイトの文字のフォントデータについて、所定の指示が受け付けられた場合に、当該指示により指定される第2フォントデータを第1記憶部311から読み出して第2記憶部312に記憶することで、当該2バイトの文字の印刷を可能とすることができる。
【0106】
このように、本実施形態に係る印刷装置11では、第1記憶部311から第2記憶部312にすべての言語のフォントデータをコピーすることを待たずに、使用頻度が高い1バイトの文字のフォントデータの文字を印字することを可能とすることができる。
これにより、本実施形態に係る印刷装置11では、例えば、印刷装置11の電源投入後またはリセット後に、できるだけ早く1バイトの文字を印刷することができるように、1バイトの文字を印刷することができるようにする起動時間を短くすることができる。そして、1バイトの文字について、印刷装置11における初回の印字が可能となるまでの高速化を図ることができる。
なお、一般に、印刷の分野では、今後もフォントデータの増加が見込まれるが、フォントデータが増加した場合においても、本実施形態に係る印刷装置11では、電源の投入時またはリセット時から初めて印字を実行することが可能になるまでの時間が増加しない。
【0107】
ここで、本実施形態では、第1文字コードは、1バイトの文字のコードである。
本実施形態では、第1フォントデータは、1バイト文字フォントデータ211である。
本実施形態では、第2文字コードは、2バイトの文字のコードである。
本実施形態では、第2フォントデータは、2バイト文字フォントデータであり、具体的には、日本語フォントデータ212、韓国語フォントデータ213、または、中国語フォントデータ214のうちの1以上である。
本実施形態では、外部装置は、情報処理装置12である。
【0108】
本実施形態に係る印刷システム1では、印刷装置11において、次のような構成とした。
すなわち、印刷装置11では、制御部111は、印刷装置11の電源投入またはリセットに応じて、第1記憶部311に記憶された第1フォントデータを読み出して第2記憶部312に記憶する。
【0109】
したがって、本実施形態に係る印刷装置11では、電源の投入後またはリセット後に、第1フォントデータを第1記憶部311から読み出して第2記憶部312に記憶することで、1バイトの文字のフォントデータについて、初めて印字を実行することが可能な状態となるまでの時間を短くすることができる。
【0110】
本実施形態に係る印刷システム1では、印刷装置11において、次のような構成とした。
すなわち、印刷装置11では、通信部114は、第2フォントデータのいずれかを指定するコマンドを外部装置から受信する。
指示受付部は、通信部に114より受信されたコマンドを指示として受け付ける。
【0111】
したがって、本実施形態に係る印刷装置11では、ソフトウェア的なコマンドに応じて、指定された第2フォントデータを第1記憶部311から読み出して第2記憶部312に記憶することができる。
【0112】
本実施形態に係る印刷システム1では、印刷装置11において、次のような構成とした。
すなわち、印刷装置11では、指示受付部は、第2フォントデータのいずれかを指定する第1状態に設定可能なスイッチ115が第1状態に設定されていることに応じて指示を受け付ける。
【0113】
したがって、本実施形態に係る印刷装置11では、ハードウェア的なスイッチ115の設定に応じて、指定された第2フォントデータを第1記憶部311から読み出して第2記憶部312に記憶することができる。
ここで、第1状態は、スイッチ115が取り得る状態である。スイッチ115の第1状態としては、あらかじめ任意の状態が設定されてもよい。
また、スイッチ115の数は、例えば、1つであってもよく、または、2つ以上であってもよい。
【0114】
本実施形態に係る印刷システム1では、印刷装置11において、次のような構成とした。
すなわち、印刷装置11では、制御部111は、指示受付部により指示を受け付けて、当該指示により指定される第2フォントデータを第1記憶部311から読み出して第2記憶部312に記憶しているときに、通信部114により外部装置から第1文字コードが受信された場合、第2フォントデータを第1記憶部311から読み出して第2記憶部312に記憶する処理と比べて、第2記憶部312に記憶された第1フォントデータに基づいて印刷部113により第1文字コードに対応する画像を印刷媒体に印刷する処理を優先して実行する。
【0115】
したがって、本実施形態に係る印刷装置11では、例えば、第1フォントデータが第2記憶部312に記憶された後に、第2フォントデータを第1記憶部311から読み出して第2記憶部312に記憶しているときにおいても、外部装置から第1文字コードが受信された場合には、第1文字コードに対応する画像の印刷を優先させて、当該印刷を素早く行うことができる。
【0116】
本実施形態に係る印刷システム1では、印刷装置11において、次のような構成とした。
すなわち、印刷装置11では、制御部111は、通信部114により外部装置から第1文字コードおよび第2文字コードが受信されていないときに、第2フォントデータの所定順に、第2フォントデータを第1記憶部311から読み出して第2記憶部312に記憶する。
【0117】
したがって、本実施形態に係る印刷装置11では、第1文字コードおよび第2文字コードに対応する画像の印刷が行われていないときに、空いているリソースを利用して、第2フォントデータを第1記憶部311から読み出して第2記憶部312に記憶する処理を進めることができる。
ここで、本実施形態では、当該リソースは、例えば、CPU131の処理能力であり、また、RAM133の空き容量などを含んでもよい。
【0118】
本実施形態に係る印刷システム1では、印刷装置11において、次のような構成とした。
すなわち、印刷装置11では、第2フォントデータは、日本語、中国語、または、韓国語のいずれかの言語のフォントデータを含む。
【0119】
したがって、本実施形態に係る印刷装置11では、1バイトの文字のほかに、日本語、中国語、または、韓国語のうちの1以上の言語について、当該言語の2バイトの文字を印刷することが可能である。
【0120】
また、本実施形態では、印刷装置11の制御方法として提供することができる。
印刷装置の制御方法では、次のような構成とした。
すなわち、印刷装置11は、1バイトで表される第1文字コードに対応する第1フォントデータを記憶するとともに、2バイトで表される第2文字コードに対応する第2フォントデータを1以上記憶する不揮発性の第1記憶部311と、第1記憶部311に記憶される第1フォントデータと、第1記憶部311に記憶される第2フォントデータの1以上を記憶する揮発性の第2記憶部312と、第1文字コードまたは第2文字コードを外部装置から受信する通信部114と、通信部114によって受信された第1文字コードまたは第2文字コードに対応する第1フォントデータまたは第2フォントデータに基づき画像を印刷媒体に印刷する印刷部113と、第2フォントデータのいずれかを指定する指示を受け付ける指示受付部と、制御部111と、を備える。
そして、制御部111は、第1記憶部311に記憶された第1フォントデータを読み出して第2記憶部312に記憶した後、指示受付部により指示を受け付けた場合、当該指示により指定される第2フォントデータを第1記憶部311から読み出して第2記憶部312に記憶する。
【0121】
したがって、本実施形態に係る印刷装置11の制御方法では、印刷装置11において、第1フォントデータを第1記憶部311から読み出して第2記憶部312に記憶することで、1バイトの文字のフォントデータについて、初めて印字を実行することが可能な状態となるまでの時間を短くすることができる。
その後、本実施形態に係る印刷装置11の制御方法では、印刷装置11において、2バイトの文字のフォントデータについて、所定の指示が受け付けられた場合に、当該指示により指定される第2フォントデータを第1記憶部311から読み出して第2記憶部312に記憶することで、当該2バイトの文字の印刷を可能とすることができる。
【0122】
ここで、本実施形態では、説明の便宜上、印刷装置11において、文字の画像を印刷媒体に印刷する場合を示したが、例えば、さらに、文字以外の任意の画像を印刷媒体に印刷することが行われてもよい。
なお、印刷装置11では、文字以外の画像の印刷指示が受け付けられた場合には、例えば、第1文字コードの印刷指示が受け付けられた場合と同様な手順で印刷までの処理が行われてもよく、または、第2文字コードの印刷指示が受け付けられた場合と同様な手順で印刷までの処理が行われてもよく、あるいは、これらとは異なる手順で印刷までの処理が行われてもよい。
【0123】
また、本実施形態では、印刷装置11の一例として、サーマルヘッドを有するサーマルプリンターを例示したが、これに限定されない。例えば、印刷装置11は、インクジェットプリンター、または、ドットインパクトプリンター等の他のプリンターであってもよい。
【0124】
なお、以上に説明した印刷装置11あるいは情報処理装置12などの任意の装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、オペレーティングシステムあるいは周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disc)-ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーあるいはクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。当該揮発性メモリーは、例えば、RAMであってもよい。記録媒体は、例えば、非一時的記録媒体であってもよい。
【0125】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイルであってもよい。差分ファイルは、差分プログラムと呼ばれてもよい。
【0126】
また、以上に説明した印刷装置11あるいは情報処理装置12などの任意の装置における任意の構成部の機能は、プロセッサーにより実現されてもよい。例えば、実施形態における各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するコンピューター読み取り可能な記録媒体により実現されてもよい。ここで、プロセッサーは、例えば、各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよく、あるいは、各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、当該ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路およびアナログ信号を処理する回路のうちの少なくとも一方を含んでもよい。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1または複数の回路装置、あるいは、1または複数の回路素子のうちの一方または両方を用いて、構成されてもよい。回路装置としてはIC(Integrated Circuit)などが用いられてもよく、回路素子としては抵抗あるいはキャパシターなどが用いられてもよい。
【0127】
ここで、プロセッサーは、例えば、CPUであってもよい。ただし、プロセッサーは、CPUに限定されるものではなく、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)等のような、各種のプロセッサーが用いられてもよい。また、プロセッサーは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によるハードウェア回路であってもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUにより構成されていてもよく、あるいは、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、アナログ信号を処理するアンプ回路あるいはフィルター回路等のうちの1以上を含んでもよい。
【0128】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0129】
1…印刷システム、11…印刷装置、12…情報処理装置、13…回線、111…制御部、112…不揮発性メモリー、113…印刷部、114…通信部、115…スイッチ、131…CPU、132…ROM、133…RAM、151…印刷ヘッド、152…カッター、153…搬送モーター、211…1バイト文字フォントデータ、212…日本語フォントデータ、213…韓国語フォントデータ、214…中国語フォントデータ、311…第1記憶部、312…第2記憶部、331…第1指示受付部、351…第2指示受付部、FA、RA…記憶領域、FA1~FA4、RA1~RA4…領域、AG…設定言語領域
図1
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図9