(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20231121BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20231121BHJP
G06F 16/13 20190101ALI20231121BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G06F3/0481
G06F16/13 200
(21)【出願番号】P 2019230673
(22)【出願日】2019-12-20
【審査請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115129
【氏名又は名称】清水 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【氏名又は名称】在原 元司
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】大石 訓子
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-115568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/048- 3/04895
G06F 3/12
G06F 16/10 -16/188
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリと一又は複数のプロセッサを備え、
前記メモリは、文書が登録されると該文書に関する処理を行うように設定されたフォルダと、該フォルダに登録された文書の履歴を記憶しており、
前記プロセッサは、
文書が選択された場合に、前記履歴を表示装置に表示するように制御する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記表示する履歴として、文書を登録したフォルダに関する情報を含み、
前記プロセッサは、
選択された文書が、表示された履歴内のフォルダに移動及び登録の操作が行われた場合は、該文書を該フォルダに登録する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
メモリと一又は複数のプロセッサを備え、
前記メモリは、文書が登録されると該文書に関する処理を行うように設定されたフォルダと、該フォルダに登録された文書の履歴を記憶しており、
前記プロセッサは、
選択された文書がフォルダの少なくとも一部に重なり合った場合に、該フォルダの前記履歴を表示装置に表示するように制御する、
情報処理装置。
【請求項4】
前記履歴として、登録された文書から抽出した語を含み、
前記プロセッサは、
前記移動の操作又は重なり合わせの操作が行われた場合は、前記選択された文書
における所定の領域全体から抽出された語のうち、前記メモリに記憶された履歴内の語と一致する語がある場合は、移動する先のフォルダに該文書を登録する、
請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記移動の操作又は重なり合わせの操作が行われた場合は、前記選択された文書の型が、該移動する先のフォルダに登録された文書の型と類似している場合は、該フォルダに該文書を登録する、
前記型は、文書を構成する部品の位置をいい、前記類似は、対象となっている文書間の該型の位置の差が予め定められた範囲内にあることをいう、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記移動の操作又は重なり合わせの操作が行われた場合は、前記選択された文書の型が、該移動する先のフォルダに登録された文書の型と類似していない場合は、該フォルダに該文書を登録することの警告を表示するように制御する、
前記型は、文書を構成する部品の位置をいい、前記類似していない場合は、対象となっている文書間の該型の位置の差が予め定められた範囲内にない場合をいう、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
メモリと一又は複数のプロセッサを備えたコンピュータの前記メモリは、文書が登録されると該文書に関する処理を行うように設定されたフォルダと、該フォルダに登録された文書の履歴を記憶しており、
前記プロセッサに、
文書が選択された場合に、前記履歴を表示装置に表示するように制御する、
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【請求項8】
メモリと一又は複数のプロセッサを備えたコンピュータの前記メモリは、文書が登録されると該文書に関する処理を行うように設定されたフォルダと、該フォルダに登録された文書の履歴を記憶しており、
前記プロセッサに、
選択された文書がフォルダの少なくとも一部に重なり合った場合に、該フォルダの前記履歴を表示装置に表示するように制御する、
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【請求項9】
メモリと一又は複数のプロセッサを備え、
前記メモリは、文書が登録されるフォルダと、該フォルダに登録された文書の履歴を記憶しており、
前記プロセッサは、
文書が選択された場合に、前記履歴を表示装置に表示するように制御する、
情報処理装置。
【請求項10】
メモリと一又は複数のプロセッサを備えたコンピュータの前記メモリは、文書が登録されるフォルダと、該フォルダに登録された文書の履歴を記憶しており、
前記プロセッサに、
文書が選択された場合に、前記履歴を表示装置に表示するように制御する、
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スキャン画像データのフォームを認識し、保存先を自動で切り替えることによって、分類の手間を省くことを課題とし、スキャンした画像データを送信するデジタル複合機と、受信した画像データとユーザー情報を対応付けて記憶管理する文書管理サーバーと、文書管理サーバーに記憶された文書を閲覧するクライアントとが接続されたネットワーク文書管理システムにおいて、クライアントはフォーム情報を作成しサーバーへ送信する手段を有し、サーバーはユーザー認証を行う手段と、クライアントから受信したフォーマット情報をフォルダに対応させて記憶する手段と、クライアントから受信したフォーマット情報を検索し、未記憶のフォーマット情報であればフォルダを新規作成し対応情報として記憶する手段を有し、複合機はサーバーへフォルダ情報とフォーマット情報を送信する手段と、サーバーから受信した検索結果により文書データの格納先を決定することが開示されている。
【0003】
特許文献2には、ユーザーがスキャン文書を文書管理サーバーに格納する場合、複合機の前で格納先フォルダを選択し、クライアントPCで格納先フォルダをあらかじめ選択する必要があったことを課題とし、ユーザーが複合機等で文書をスキャンした場合、当該ユーザーが過去にスキャンした文書の格納履歴に基づいて特定のフォルダを決定し、今回スキャンした文書のショートカットを当該特定のフォルダに作成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-229305号公報
【文献】特開2010-251973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
文書が登録されるフォルダまたは文書が登録されるとその文書に関する処理を行うように設定されたフォルダに、文書を登録する場合に、フォルダ名だけで処理内容を示す構成では、ユーザーは、文書を登録すべきフォルダの選択を誤ることがある。
そこで、本発明は、文書が登録されるとその文書に関する処理を行うように設定されたフォルダに、文書を登録する場合に、フォルダ名だけで処理内容を示す場合に比べて、ユーザーに対して、文書を登録すべきフォルダの選択誤りを防止することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。なお、以下の「請求項」とあるのは、出願当初の請求項である。
請求項1の発明は、メモリと一又は複数のプロセッサを備え、前記メモリは、文書が登録されると該文書に関する処理を行うように設定されたフォルダと、該フォルダに登録された文書の履歴を記憶しており、前記プロセッサは、文書が選択された場合に、前記履歴を表示装置に表示するように制御する、情報処理装置である。
【0007】
請求項2の発明は、前記表示する履歴として、文書を登録したフォルダに関する情報を含み、前記プロセッサは、選択された文書が、表示された履歴内のフォルダに移動及び登録の操作が行われた場合は、該文書を該フォルダに登録する、請求項1に記載の情報処理装置である。
【0008】
請求項3の発明は、メモリと一又は複数のプロセッサを備え、前記メモリは、文書が登録されると該文書に関する処理を行うように設定されたフォルダと、該フォルダに登録された文書の履歴を記憶しており、前記プロセッサは、選択された文書がフォルダの少なくとも一部に重なり合った場合に、該フォルダの前記履歴を表示装置に表示するように制御する、情報処理装置である。
【0009】
請求項4の発明は、前記履歴として、登録された文書から抽出した語を含み、前記プロセッサは、前記移動の操作又は重なり合わせの操作が行われた場合は、前記選択された文書から抽出した語のうち、前記メモリに記憶された履歴内の語と一致する語がある場合は、移動する先のフォルダに該文書を登録する、請求項2又は3に記載の情報処理装置である。
【0010】
請求項5の発明は、前記プロセッサは、前記移動の操作又は重なり合わせの操作が行われた場合は、前記選択された文書の型が、該移動する先のフォルダに登録された文書の型と類似している場合は、該フォルダに該文書を登録する、請求項2又は3に記載の情報処理装置である。
【0011】
請求項6の発明は、前記プロセッサは、前記移動の操作又は重なり合わせの操作が行われた場合は、前記選択された文書の型が、該移動する先のフォルダに登録された文書の型と類似していない場合は、該フォルダに該文書を登録することの警告を表示するように制御する、請求項2又は3に記載の情報処理装置である。
【0012】
請求項7の発明は、メモリと一又は複数のプロセッサを備えたコンピュータの前記メモリは、文書が登録されると該文書に関する処理を行うように設定されたフォルダと、該フォルダに登録された文書の履歴を記憶しており、前記プロセッサに、文書が選択された場合に、前記履歴を表示装置に表示するように制御する、処理を実行させるための情報処理プログラムである。
【0013】
請求項8の発明は、メモリと一又は複数のプロセッサを備えたコンピュータの前記メモリは、文書が登録されると該文書に関する処理を行うように設定されたフォルダと、該フォルダに登録された文書の履歴を記憶しており、前記プロセッサに、選択された文書がフォルダの少なくとも一部に重なり合った場合に、該フォルダの前記履歴を表示装置に表示するように制御する、処理を実行させるための情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の情報処理装置によれば、文書が登録されるとその文書に関する処理を行うように設定されたフォルダに、文書を登録する場合に、フォルダ名だけで処理内容を示す場合に比べて、ユーザーに対して、文書を登録すべきフォルダの選択誤りを防止することができる。
【0015】
請求項2の情報処理装置によれば、表示された履歴内のフォルダに移動及び登録の操作によって、その文書をそのフォルダに登録することができる。
【0016】
請求項3の情報処理装置によれば、文書が登録されるとその文書に関する処理を行うように設定されたフォルダに、文書がフォルダの少なくとも一部に重なり合った場合に、フォルダ名だけで処理内容を示す場合に比べて、ユーザーに対して、文書を登録すべきフォルダの選択誤りを防止することができる。
【0017】
請求項4の情報処理装置によれば、移動の操作又は重なり合わせの操作が行われた場合は、選択された文書から抽出した語のうち、メモリに記憶された履歴内の語と一致する語がある場合は、移動する先のフォルダにその文書を登録することができる。
【0018】
請求項5の情報処理装置によれば、移動の操作又は重なり合わせの操作が行われた場合は、選択された文書の型が、その移動する先のフォルダに登録された文書の型と類似している場合は、そのフォルダにその文書を登録することができる。
【0019】
請求項6の情報処理装置によれば、移動の操作又は重なり合わせの操作が行われた場合は、選択された文書の型が、その移動する先のフォルダに登録された文書の型と類似していない場合は、そのフォルダにその文書を登録することの警告を表示することができる。
【0020】
請求項7の情報処理プログラムによれば、文書が登録されるとその文書に関する処理を行うように設定されたフォルダに、文書を登録する場合に、フォルダ名だけで処理内容を示す場合に比べて、ユーザーに対して、文書を登録すべきフォルダの選択誤りを防止することができる。
【0021】
請求項8の情報処理プログラムによれば、文書が登録されるとその文書に関する処理を行うように設定されたフォルダに、文書がフォルダの少なくとも一部に重なり合った場合に、フォルダ名だけで処理内容を示す場合に比べて、ユーザーに対して、文書を登録すべきフォルダの選択誤りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図である。
【
図2】本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
【
図3】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
【
図4】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図5】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図6】本実施の形態が対象とする文書の例を示す説明図である。
【
図7】文書属性情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図8】本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
【
図9】フォルダ情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図10】フォルダ履歴情報テーブルのデータ構造例を示す説明図である。
【
図11】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
【
図12】本実施の形態による処理例を示す説明図である。
【
図13】本実施の形態による画面の表示例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(「ソフトウェア」の解釈として、コンピュータ・プログラムを含む)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(例えば、コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するという意味である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(例えば、データの授受、指示、データ間の参照関係、ログイン等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態にしたがって、又はそれまでの状況・状態にしたがって定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(「2以上の値」には、もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。また、「A、B、C」等のように事物を列挙した場合は、断りがない限り例示列挙であり、その1つのみを選んでいる場合(例えば、Aのみ)を含む。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(「ネットワーク」には、一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(つまり、社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。
【0024】
本実施の形態である情報処理装置100は、フォルダに文書が登録されると、その文書に対して、そのフォルダに設定された処理を行う機能を有しており、
図1の例に示すように、プロセッサ105、メモリ110、出力装置160、受付装置165、通信装置170を有している。
なお、
図1の例に示すブロック図は、本実施の形態を実現するコンピュータのハードウェア構成例をも示している。本実施の形態としてのプログラムが実行されるコンピュータのハードウェア構成は、
図1に例示するようなコンピュータであり、具体的にはパーソナルコンピュータ、サーバーとなり得るコンピュータ等である。具体例として、処理部としてプロセッサ105を用い、記憶装置としてメモリ110を用いている。
プロセッサ105は、1つであってもよいし、複数あってもよい。プロセッサ105として、例えば、CPU、マイクロプロセッサ等を含む。複数のプロセッサ105を用いる場合は、密結合マルチプロセッサ、疎結合マルチプロセッサのいずれの形態であってもよい。例えば、1つのプロセッサ105内に複数のプロセッサ・コアが搭載されていてもよい。さらに、複数のコンピュータを通信路で結んで仮想的に一台のコンピュータのように振る舞わせるシステムとしてもよい。具体例として、疎結合マルチプロセッサであって、クラスタシステム、コンピュータクラスタとして構成してもよい。プロセッサ105は、プログラムメモリ130内のプログラムを実行する。
メモリ110として、例えば、レジスタやキャッシュメモリ等のプロセッサ105内部の半導体メモリを含めてもよいし、RAM(Random Access Memoryの略)やROM(Read Only Memoryの略)等によって構成される主記憶装置であるメインメモリであってもよいし、HDD(Hard Disk Driveの略)やSSD(Solid State Driveの略)の内部記憶装置、CD、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、USBメモリ、メモリーカード等の外部記憶装置又は補助記憶装置であってもよいし、また、通信回線を介して接続されたサーバー等の記憶装置を含めてもよい。
メモリ110は、主にプログラムを記憶するプログラムメモリ130と主にデータを記憶するデータメモリ115を有している。なお、プログラムメモリ130には、図示しているモジュールのプログラムの他、本コンピュータを起動するためのOS等のプログラム等が格納されていてもよい。
情報処理装置100は、プロセッサ105、メモリ110の他に、出力装置160、受付装置165、通信装置170を有していてもよい。そして、それらをつないでデータのやりとりをするためのバス195により構成されている。
出力装置160は、例えば、表示装置162、印刷装置164等を有している。液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、スピーカー等の表示装置162は、プロセッサ105による処理結果、データメモリ115内のデータを出力する。プリンタ、複合機等の印刷装置164は、プロセッサ105による処理結果、データメモリ115内のデータを印刷する。
受付装置165は、キーボード、マウス、タッチスクリーン、マイク、カメラ(視線検知カメラ等を含む)等に対する利用者の操作(動作、音声、視線等を含む)に基づいたデータ、又は、スキャナ等の読み取り動作によって発生する画像データ等を受け付ける。
通信装置170は、ネットワークインタフェースカード等の通信ネットワークと接続するための通信回線インタフェースである。
【0025】
本実施の形態のうち、コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、本実施の形態が実現される。
なお、
図1に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、
図1に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、プロセッサ105として、GPU(Graphics Processing Unitの略、GPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Unitsの略)を含む)を用いてもよいし、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(具体例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略)等がある)や再構成可能な集積回路(具体例として、FPGA(Field-Programmable Gate Arrayの略)等がある)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続している形態でもよく、さらに
図1に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器(携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)等に組み込まれていてもよい。
【0026】
プロセッサ105は、バス195を介してメモリ110、出力装置160、受付装置165、通信装置170と接続されている。プロセッサ105は、プログラムメモリ130内のプログラムである各モジュールにしたがって処理を行う。例えば、受付装置165によってユーザーの操作を受け付け、処理結果をデータメモリ115に記憶させたり、出力装置160に出力したり、通信装置170によって他の装置と通信を行う。
【0027】
メモリ110は、データメモリ115、プログラムメモリ130を有しており、バス195を介してプロセッサ105、出力装置160、受付装置165、通信装置170と接続されている。
データメモリ115は、フォルダ記憶モジュール120、登録文書履歴記憶モジュール125を記憶している。
【0028】
フォルダ記憶モジュール120は、文書が登録されるとその文書に関する処理を行うように設定されたフォルダを記憶している。
ここでの「フォルダ」とは、そのフォルダに文書が登録されるとその文書に関する処理を行うように設定されたフォルダである。
フォルダと文書の関係について、次のような関係になっている場合に、「文書が選択された場合に、フォルダの履歴を表示装置に表示するように制御する」ようにしてもよい。
例えば、文書が登録されるとその文書に関する処理を行うように設定されたフォルダを第1フォルダとする。つまり、第1フォルダは、文書の格納先となり得るフォルダである。この第1フォルダには、その第1フォルダに登録された文書の履歴が対応して記憶されている。第1フォルダが格納されているフォルダを第2フォルダとする。つまり、第2フォルダは、第1フォルダの木構造における親に該当する。同様に、第1フォルダは、第2フォルダの木構造における子に該当する。もちろんのことながら、第2フォルダ内には、複数の第1フォルダがあってもよい。そして、第2フォルダ内にある文書が選択された場合に、その第2フォルダ内にある第1フォルダにおける履歴を表示装置に表示するよう制御するようにしてもよい。この場合、第2フォルダ内には、選択された文書と第1フォルダがあることになり、その文書と第1フォルダは木構造における兄弟に該当する。
【0029】
また「文書に関する処理」とは、その文書がフォルダに登録されたことを契機にして、その文書に対しての何らかの処理を行うものである。処理として、文書自体を変更すること、文書自体は変更しないが登録先を設定すること等が含まれる。例えば、文書内の画像を文字認識してテキストを付加すること、文書の内容を用いて文書の名前を変更すること、文書の内容に応じてその文書の登録先を設定し、その登録先にその文書を登録すること等がある。
また「文書が登録されるとその文書に関する処理を行うように設定」として、フォルダ毎に対応した処理が設定されていればよい。例えば、その情報処理装置100内で処理を行うように、フォルダに処理を対応させていてもよいし、第2フォルダはクラウドシステムに対応させ、第1フォルダはそのクラウドシステムが提供しているサービスに対応させて、そのクラウドシステムが処理を行うようにしてもよい。
【0030】
具体的には、フォルダ記憶モジュール120は、
図9に示すフォルダ情報テーブル900を記憶している。
図9は、フォルダ情報テーブル900のデータ構造例を示す説明図である。フォルダ情報テーブル900は、フォルダID欄905、フォルダ名欄910、登録先欄915を有している。フォルダID欄905は、本実施の形態において、フォルダを一意に識別するための情報(具体的には、フォルダID:IDentificationの略)を記憶している。フォルダ名欄910は、フォルダ名を記憶している。登録先欄915は、登録先を記憶している。
例えば、フォルダ情報テーブル900の1行目は、フォルダID:F0001は、フォルダ名が「契約書の属性追加A」、登録先が「処理装置210のサービス(A)モジュール212A」であることを示しており、2行目は、フォルダID:F0002は、フォルダ名が「見積書の属性追加A」、登録先が「処理装置210のサービス(B)モジュール212B」であることを示している。例えば、1行目は、契約書の属性追加Aフォルダに文書が登録されると、処理装置210のサービス(A)モジュール212Aによって、その文書に対する処理が行われることを示している。
【0031】
登録文書履歴記憶モジュール125は、フォルダに登録された文書の履歴を記憶している。履歴として、例えば、フォルダ、そのフォルダに登録された文書、文書の属性(文書の型を含む)、登録日時等がある。さらに、履歴として、フォルダに登録された文書から抽出した語を含めてもよい。具体的には、登録文書履歴記憶モジュール125は、
図10に示すフォルダ履歴情報テーブル1000を記憶している。
図10は、フォルダ履歴情報テーブル1000のデータ構造例を示す説明図である。フォルダ履歴情報テーブル1000は、フォルダID欄1005、ファイル名欄1010、登録日時欄1015、文書タイトル欄1020、発行先欄1025、担当者名欄1030、品名欄1035、属性情報欄1040、抽出語欄1045を有している。フォルダID欄1005は、フォルダIDを記憶している。ファイル名欄1010は、ファイル名を記憶している。登録日時欄1015は、登録日時を記憶している。文書タイトル欄1020は、文書タイトルを記憶している。発行先欄1025は、発行先を記憶している。担当者名欄1030は、担当者名を記憶している。品名欄1035は、品名を記憶している。属性情報欄1040は、属性情報を記憶している。抽出語欄1045は、抽出語を記憶している。
【0032】
プログラムメモリ130は、ユーザーインタフェースモジュール135、処理制御モジュール150、通信制御モジュール155を記憶している。プログラムメモリ130内の各モジュールは、プロセッサ105によって実行される。以下、各モジュールの説明では、プロセッサ105による処理内容を説明する。
ユーザーインタフェースモジュール135は、操作受付モジュール140、表示制御モジュール145を有しており、処理制御モジュール150と接続されている。
操作受付モジュール140は、受付装置165が受け付けたユーザーの操作を検知する。ユーザーの操作として、例えば、文書の選択操作、文書の移動操作、文書の登録操作等が該当する。
【0033】
表示制御モジュール145は、文書が選択された場合に、履歴を表示装置162に表示するように制御する。
ここで「文書が選択された場合」として、対象とする文書がフォルダに登録される前の状態であって、ユーザーの操作によって、文書が登録の対象として選ばれた状態をいう。例えば、(1)文書上にカーソルを移動させること、(2)文書上にカーソルを移動させた上で、マウスの右クリックの操作を行うこと、(3)文書上にカーソルを移動させた上で、ホットキーの操作を行うこと、等が該当し、これら動作を検知した場合は、「文書が選択された場合」に該当すると判断すればよい。
また、表示する履歴として、文書を登録したフォルダに関する情報を含むようにしてもよい。なお、「フォルダに関する情報」は、フォルダを示す情報であり、例えば、フォルダの識別子、フォルダの名前、URL等のフォルダのある場所等がある。
【0034】
また、表示制御モジュール145は、選択された文書がフォルダ上に移動された場合に、そのフォルダの履歴を表示装置162に表示するよう制御するようにしてもよい。
ここで「文書がフォルダ上に移動された場合」とは、文書がフォルダの少なくとも一部に重なり合った場合のことをいう。具体的には、ユーザーの操作に応じて、フォルダのアイコンの上に文書のアイコンが完全に被さる場合、フォルダのアイコンの上に文書のアイコンの一部が被さる場合がある。
また「文書がフォルダ上に移動された場合」とは、対象とする文書がフォルダに登録される前の状態であって、ユーザーの操作によって、文書がフォルダ上にある状態をいう。一般的には、ドラッグアンドドロップの操作におけるドロップ直前の状態である。この状態で、そのフォルダの履歴を表示することによって、ドロップの操作を行うか否かの判断をユーザーが行うことができることになる。つまり、その履歴を確認して、登録すべきフォルダであるとユーザーが判断すればドロップの操作が行われ、登録すべきフォルダではないとユーザーが判断すればドロップの操作ではなく、例えば、他のフォルダへのドラッグの操作が行われることになる。
【0035】
処理制御モジュール150は、ユーザーインタフェースモジュール135、通信制御モジュール155と接続されている。処理制御モジュール150内のモジュールは、選択された文書が、表示装置162に表示された履歴内のフォルダに移動及び登録の操作が行われた場合は、その文書をそのフォルダに登録する。
ここで「表示装置162に表示された履歴内のフォルダに移動及び登録の操作が行われた場合」として、具体的には、ドラッグアンドドロップの操作において、表示されている履歴上に文書がドラッグされ、さらにドロップの操作が行われた場合をいう。つまり、表示装置162に表示されているフォルダのアイコンに文書をドラッグアンドドロップするのではなく、表示されている履歴内のフォルダ(一般的には、フォルダ名)に文書をドラッグアンドドロップする操作が該当する。
【0036】
また、処理制御モジュール150は、選択された文書に対して移動の操作が行われた場合は、選択された文書から抽出した語のうち、登録文書履歴記憶モジュール125に記憶された履歴内の語と一致する語がある場合は、移動する先のフォルダにその文書を登録するようにしてもよい。
ここで「文書から抽出した語」における抽出方法として、テキストを含む文書であれば、そのテキストから語を抽出すればよく、また、文書が画像であれば、文字認識処理を行って、文字認識結果であるテキストから語を抽出すればよい。
「メモリに記憶された履歴内の語」とは、移動先であるフォルダにおける履歴内の語である。
【0037】
また、処理制御モジュール150は、選択された文書に対して移動の操作が行われた場合は、選択された文書の型が、その移動する先のフォルダに登録された文書の型と類似している場合は、そのフォルダにその文書を登録するようにしてもよい。
ここで「型」とは、文書を構成する部品の位置をいう。「型」は、フォーム、書式、ひな型等を含む概念である。「部品」として、例えば、タイトル、発行先、担当者名等の記入欄、表等がある。型によって、これらの位置が固定されているのが一般的である。例えば、文書の型として、その文書に含まれる表の位置としてもよい。その場合、文書の型が類似しているとは、2つの文書の表の左上角と右上角の位置の差が、予め定められた範囲内にあることをいい、多少の誤差を許容している。許容できる誤差は、予め定められた閾値として定められている。もちろんのことながら、類似には、完全一致している場合を含む。
また、処理制御モジュール150は、選択された文書に対して移動の操作が行われた場合は、選択された文書の型が、その移動する先のフォルダに登録された文書の型と類似していない場合は、そのフォルダにその文書を登録することの警告を表示装置162に表示するよう制御するようにしてもよい。
【0038】
通信制御モジュール155は、処理制御モジュール150と接続されている。通信制御モジュール155内のモジュールは、文書が登録されたことを契機として、処理装置210との通信を行う。例えば、処理装置210への処理を依頼する通信、文書の送信、処理結果の受信等を行う。
【0039】
図2は、本実施の形態を利用したシステム構成例を示す説明図である。
情報処理装置100A、情報処理装置100B、処理装置210、画像処理装置220Cは、通信回線290を介してそれぞれ接続されている。通信回線290は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。
処理装置210は、サービス(A)モジュール212A、サービス(B)モジュール212B、サービス(C)モジュール212Cを有している。また、処理装置210による機能は、クラウドサービスとして実現してもよい。
情報処理装置100Aは、通信回線を介して画像処理装置220Aと接続されている。情報処理装置100Aは画像処理装置220Aを用いることができる。また、情報処理装置100Bは、通信回線290を介して画像処理装置220Cを用いることができる。
【0040】
例えば、情報処理装置100のユーザーは、画像処理装置220で紙の文書を読み込ませ、情報処理装置100上で、その画像である電子文書を処理装置210のサービスモジュール212に対応しているフォルダに登録する。すると、そのフォルダに対応する処理装置210のサービスモジュール212に、その電子文書が送信される。そして、サービスモジュール212がその電子文書に対しての処理を行い、その結果を元の情報処理装置100に送信する。
【0041】
図3は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
処理装置210は、契約書の属性追加Aサービスモジュール342、契約書の属性追加Bサービスモジュール344、契約書の振り分け保管サービスモジュール346を有している。契約書の属性追加Aサービスモジュール342等は、
図2の例に示したサービスモジュール212の具体例である。
画像処理装置220は、紙の文書を読み込んで、文書310を生成する。そして、情報処理装置100に文書310を送信する。なお、
図2の例に示したように、画像処理装置220は、画像処理装置220Aのように情報処理装置100に接続されていて、文書310を直接的に情報処理装置100に格納するだけでなく、ネットワークスキャン機能を用いて、通信回線290に接続されている画像処理装置220Cのように、文書310を、通信回線290を介して情報処理装置100に格納するようにしてもよい。
【0042】
情報処理装置100では、処理フォルダ320の下層に契約書の属性追加Aフォルダ332、契約書の属性追加Bフォルダ334、契約書の振り分け保管フォルダ336がある。一般的に、デスクトップ上に処理フォルダ320が表示され、処理フォルダ320を開くと、契約書の属性追加Aフォルダ332、契約書の属性追加Bフォルダ334、契約書の振り分け保管フォルダ336が表示される。例えば、契約書の属性追加Aフォルダ332には文書322が格納され、契約書の属性追加Bフォルダ334には文書324が格納され、契約書の振り分け保管フォルダ336には文書326が格納される。すると、契約書の属性追加Aフォルダ332に割り付けられている処理装置210の契約書の属性追加Aサービスモジュール342に文書322が転送され、契約書の属性追加Aサービスモジュール342によって、文書322に対して、属性追加Aという処理が行われる。例えば、画像処理装置220で読み込まれた文書322のファイル名は日付である場合があるが、契約書の属性追加Aサービスモジュール342によって、文書322内のタイトル領域を文字認識し、その文字認識結果を文書322のファイル名とする処理が行われる。また、契約書の属性追加Bフォルダ334に割り付けられている処理装置210の契約書の属性追加Bサービスモジュール344に文書324が転送され、契約書の属性追加Bサービスモジュール344によって、文書324に対して、属性追加Bという処理が行われる。例えば、画像処理装置220で読み込まれた文書324のファイル名は日付である場合があるが、契約書の属性追加Bサービスモジュール344によって、文書324内のタイトル領域を文字認識し、その文字認識結果を文書324のファイル名とし、さらに、その文字認識結果に応じて、文書324を格納する場所を振り分ける処理が行われる。また、契約書の振り分け保管フォルダ336に割り付けられている処理装置210の契約書の振り分け保管サービスモジュール346に文書326が転送され、契約書の振り分け保管サービスモジュール346によって、文書326に対して、振り分け保管という処理が行われる。例えば、契約書の振り分け保管サービスモジュール346によって、文書326内のタイトル領域を文字認識し、その文字認識結果に応じて、文書326を格納する場所を振り分ける処理が行われる。
なお、処理フォルダ320は、処理装置210に割り付けられていてもよい。したがって、複数の処理装置210がある場合は、処理フォルダ320も複数あることになる。
【0043】
図4は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS402では、対象となっている文書のファイル名・属性を抽出する。ここで「対象となっている文書」とは、フォルダに登録するために、ユーザーの操作によって選択された文書である。ステップS402の詳細な処理については、
図5の例に示すフローチャートを用いて後述する。
ステップS404では、対象となっているフォルダの履歴情報を抽出する。ここで「対象となっているフォルダ」とは、対象となっている文書が登録されるフォルダである。ステップS404の詳細な処理については、
図8の例に示すフローチャートを用いて後述する。
【0044】
ステップS406では、対象となっているフォルダに履歴情報があるか否かを判断し、ある場合はステップS408へ進み、それ以外の場合はステップS418へ進む。
ステップS408では、フォルダの履歴情報を表示装置162に表示するように制御する。
ステップS410では、対象となっている文書の属性情報と比べて、履歴情報に同じ属性情報があるか否かを判断し、ある場合はステップS418へ進み、それ以外の場合はステップS412へ進む。
【0045】
ステップS412では、履歴文書とのフォームの相関があるか否かを判断し、ある場合はステップS418へ進み、それ以外の場合はステップS414へ進む。ここでの「相関がある」とは、前述したように、対象となっている文書の型とフォルダに登録されている文書の型とが類似していることである。
ステップS414では、ユーザーに確認メッセージを表示する。具体例として、
図13の例を用いて後述する。
ステップS416では、そのまま登録するか否かを判断し、そのまま登録する場合はステップS418へ進み、それ以外の場合はステップS420に進む。
【0046】
ステップS418では、対象となっているフォルダに対象となっている文書の登録を行う。
ステップS420では、履歴に属性情報を登録する。具体的には、登録した文書に関する情報を、フォルダ履歴情報テーブル1000に登録する。
【0047】
図5は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS502では、選択された文書を特定する。
ステップS504では、文書のファイル名を抽出する。
【0048】
ステップS506では、文書は画像であるか否かを判断し、画像の場合はステップS508へ進み、それ以外の場合はステップS510へ進む。
ステップS508では、文字認識処理を行う。
【0049】
ステップS510では、文書内に含まれている語を抽出する。「文書内に含まれている語」は、文書が画像である場合は、ステップS508での文字認識処理結果が該当し、文書が文書作成プログラム等で作成されたテキストを含む文書である場合は、そのテキスト部分が該当する。また、語は、言語処理による形態素解析等を用いて抽出すればよい。また、TF・IDF(Term Frequency、Inverted Document Frequency)を用いて重要語句を抽出するようにしてもよい。
ステップS512では、文書を解析し、文書の型を抽出する。抽出する文書の型として、例えば、文書に含まれている表の位置等がある。
ステップS514では、ステップS510、ステップS512の処理結果を、文書の属性情報として登録する。
【0050】
図6は、本実施の形態が対象とする文書600の例を示す説明図である。
文書600は、文書タイトル領域610、発行先領域620、担当者領域630、文章領域640、表領域650、文章領域660を有している。
ステップS510の処理で、語を抽出する対象の領域として、文書600全体としてもよいし、文書600内の文書タイトル領域610、発行先領域620、担当者領域630のように予め定められた位置にある領域としてもよいし、文書600内の文章領域640、文章領域660のように予め定められた閾値以上の文字数がある領域としてもよい。
また、表領域650については、表を構成する行の数、列の数、各セル内に記載されている語等を抽出するようにしてもよい。
文書600の型に関する情報として、文書タイトル領域610、発行先領域620、担当者領域630、表領域650の位置が該当する。表領域650内には表があるが、その表の位置として、例えば、表左上位置652、表右上位置654、表左下位置656、表右下位置658としてもよいし、予め定められた表左上位置652、表右上位置654としてもよい。表左下位置656、表右下位置658は、表内の行数によって異なる位置になる場合があるが、表左上位置652、表右上位置654の位置は、同じ型の文書である限り、類似した位置になる場合が多いからである。
【0051】
図6の例に示した文書600の文書の属性、抽出した語を用いて、文書属性情報テーブル700を生成する。
図7は、文書属性情報テーブル700のデータ構造例を示す説明図である。文書属性情報テーブル700は、ファイル名欄705、文書タイトル欄710、発行先欄715、担当者名欄720、品名欄725、属性情報欄730、抽出語欄740を有しており、属性情報欄730は、タイトル位置欄732、発行先位置欄734、担当者名位置欄736、表位置欄738を有している。ファイル名欄705は、文書のファイル名を記憶している。文書タイトル欄710は、文書内に記載されているタイトルを記憶している。発行先欄715は、文書内に記載されている発行先を記憶している。担当者名欄720は、文書内に記載されている担当者名を記憶している。品名欄725は、文書内に記載されている品名を記憶している。属性情報欄730は、属性情報を記憶している。タイトル位置欄732は、タイトルが記載されている位置を記憶している。発行先位置欄734は、発行先が記載されている位置を記憶している。担当者名位置欄736は、担当者名が記載されている位置を記憶している。表位置欄738は、表が記載されている位置を記憶している。抽出語欄740は、抽出語を記憶している。
【0052】
図8は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS802では、移動先として指示されたフォルダがあるか否かを判断し、ある場合はステップS804へ進み、それ以外の場合はステップS806へ進む。「移動先として指示されたフォルダがある」として、例えば、ユーザーによって、選択された文書がフォルダ上に移動された操作が行われたこと、又は、ユーザーによって、選択された文書がフォルダ上に登録された操作が行われたことが該当する。前者は、文書がフォルダ上にドラッグされた状態を検知した場合であり、後者は、文書がフォルダ上にドロップされた状態を検知した場合である。
【0053】
ステップS804では、指示されたフォルダの履歴情報を抽出する。
ステップS806では、現在、表示装置162に表示されている全てのフォルダの履歴情報を抽出する。なお、現在、対象の文書が移動先として指示可能であるフォルダの履歴情報を抽出するようにしてもよい。
【0054】
図11は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図11は、文書が選択された場合に、対象となる得るフォルダの履歴を表示装置162に表示する例を示したものである。つまり、
図8の例に示したフローチャートのステップS806の処理例を示すものである。そして、選択された文書が、表示された履歴内のフォルダに移動及び登録の操作が行われた場合の例も示している。
【0055】
処理フォルダ表示画面1100には、3つのフォルダ(ジョブ1フォルダ1112、ジョブ2フォルダ1114、ジョブ3フォルダ1116)と1つの文書(A社参考情報.xxx1122)が表示されている。そして、ユーザーの操作によって、A社参考情報.xxx1122aが選択された場合に、履歴情報表示領域1150を表示する。なお、選択は、ユーザーによるマウスの右クリックやホットキー操作であってもよい。これらの操作を検知した場合に、履歴情報表示領域1150を表示する。
そして、履歴情報表示領域1150には、履歴情報表示領域1160を表示している。これは、処理フォルダ表示画面1100下にあるフォルダであるジョブ1フォルダ1112、ジョブ2フォルダ1114、ジョブ3フォルダ1116の履歴情報を、履歴情報表示領域1160に表示している。これらのフォルダは、A社参考情報.xxx1122aが登録される可能性のあるフォルダである。
履歴情報表示領域1160は、ファイル名欄1162、日時欄1164、登録先フォルダ欄1166を有している。ファイル名欄1162には、文書のファイル名を表示する。日時欄1164には、その文書がフォルダに登録された日時を表示する。登録先フォルダ欄1166には、その文書が登録されたフォルダを表示する。
履歴情報表示領域1160の1行目は、ファイル名:A社契約書.xxx、日時:2019/8/1、登録先フォルダ:ジョブ1を表示し、2行目は、ファイル名:見積書.xxx、日時:2019/8/2、登録先フォルダ:ジョブ2を表示し、3行目は、ファイル名:B社契約書.xxx、日時:2019/8/10、登録先フォルダ:ジョブ3を表示し、4行目は、ファイル名:A社契約書2.xxx、日時:2019/8/15、登録先フォルダ:ジョブ1を表示している。
ユーザーは、A社参考情報.xxx1122という文書を選択した状態で、履歴情報表示領域1160が表示されるので、フォルダの属性情報によるフォルダの絞り込みができる。具体的には、A社参考情報.xxx1122の文書に類似した文書が登録されているフォルダを選択すればよい。
また、履歴情報表示領域1160に表示する履歴情報は、A社参考情報.xxx1122に類似した文書における履歴情報を抽出したものであってもよい。「類似した文書」として、具体的には、文書内で使われている語で同じ語が予め定められた閾値よりも多い文書、型が類似している文書等がある。
また、履歴情報表示領域1160に表示する履歴情報は、予め定められた閾値よりも多い文書数が登録されたフォルダを対象としてもよい。文書の登録が少ないフォルダでは、登録すべきフォルダを判断するのに参照にならない場合があるためである。
【0056】
次に、ユーザーの操作によって、A社参考情報.xxx1122aが選択され、それを履歴情報表示領域1160の1行目の登録先フォルダ欄1166まで移動させて(
図11ではA社参考情報.xxx1122bがある位置)、ジョブ1というフォルダに登録する。この操作は、一般的にドラッグアンドドロップといわれる。このジョブ1というフォルダは、ジョブ1フォルダ1112に該当する。つまり、A社参考情報.xxx1122をジョブ1フォルダ1112に登録させることを、A社参考情報.xxx1122を選択した際に表示した履歴情報表示領域1160上でできるようにしている。この後、A社参考情報.xxx1122に対して、ジョブ1フォルダ1112に割り付けられた処理が行われることになる。もちろんのことながら、A社参考情報.xxx1122に関する情報が、ジョブ1フォルダ1112の履歴情報として登録されることになる。
なお、A社参考情報.xxx1122aは処理フォルダ表示画面1100に入っているが、デスクトップ上にあってもよい。ただし、履歴情報表示領域1160に表示するフォルダは、処理フォルダ表示画面1100内にあるフォルダを対象とするようにしてもよい。
【0057】
図12は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図12は、ユーザーの操作によって、選択された文書がフォルダ上に移動された場合に、そのフォルダの履歴を表示装置162に表示する例を示したものである。
処理フォルダ表示画面1200には、3つのフォルダ(ジョブ1フォルダ1212、ジョブ2フォルダ1214、ジョブ3フォルダ1216)と1つの文書(A社参考情報.xxx1222)が表示されている。そして、ユーザーの操作によって、A社参考情報.xxx1222aが選択され、さらに、ジョブ1フォルダ1212上に移動された場合(
図12ではA社参考情報.xxx1222bがある位置に、いわゆるドラッグ操作を検知した場合)に、履歴情報表示領域1250を表示する。
履歴情報表示領域1250には、履歴情報表示領域1260を表示している。履歴情報表示領域1260の内容は、ジョブ1フォルダ1212の履歴情報である。
履歴情報表示領域1260は、ファイル名欄1262、日時欄1264、登録先フォルダ欄1266を有している。ファイル名欄1262には、文書のファイル名を表示する。日時欄1264には、その文書がジョブ1フォルダ1212に登録された日時を表示する。登録先フォルダ欄1266には、その文書が登録されたフォルダを表示する。
図12の例では、ジョブ1フォルダ1212だけである。
履歴情報表示領域1260の1行目は、ファイル名:A社契約書.xxx、日時:2019/8/1、登録先フォルダ:ジョブ1を表示し、2行目は、ファイル名:A社契約書2.xxx、日時:2019/8/15、登録先フォルダ:ジョブ1を表示している。
ユーザーは、A社参考情報.xxx1222をジョブ1フォルダ1212上に移動した状態で、履歴情報表示領域1260が表示されるので、A社参考情報.xxx1222の属性情報によって、A社参考情報.xxx1222に登録すべきか否かの判断ができる。具体的には、A社参考情報.xxx1222の文書に類似した文書が登録されていれば、ジョブ1フォルダ1212を選択し、類似した文書が登録されていなければ、ジョブ1フォルダ1212以外のフォルダ上に移動させて、そのフォルダの履歴を表示させればよい。
【0058】
図13は、本実施の形態による画面1300の表示例を示す説明図である。
図4の例で示したフローチャートのステップS414における表示例を示すものである。つまり、選択された文書の型が、移動する先のフォルダに登録された文書の型と類似していない場合は、そのフォルダにその文書を登録することの警告を表示する例を示すものである。
画面1300には、確認メッセージ領域1310、はいボタン1320、いいえボタン1330を表示する。
確認メッセージ領域1310には、例えば、「文書の属性とフォームが、既に登録されている文書と関連がありません。処理を続けますか?」と表示する。
【0059】
また、
図11に示した処理例と
図12に示した処理例を組み合わせてもよい。その場合、以下のように、発明を把握してもよい。
(1) メモリと一又は複数のプロセッサを備え、
前記メモリは、文書が登録されると該文書に関する処理を行うように設定されたフォルダと、該フォルダに登録された文書の履歴を記憶しており、
前記プロセッサは、
文書が選択された場合に、前記履歴を表示装置に表示するように制御し、
前記文書がフォルダの少なくとも一部に重なり合った場合に、該フォルダの前記履歴を前記表示装置に表示するように制御する、
情報処理装置。
(2) メモリと一又は複数のプロセッサを備え、
前記メモリは、文書が登録されると該文書に関する処理を行うように設定されたフォルダと、該フォルダに登録された文書の履歴を記憶しており、
前記プロセッサは、
文書が選択された場合に、前記履歴を表示装置に表示するように制御し、表示する履歴として、文書を登録したフォルダに関する情報を含み、
前記文書が、表示された履歴内のフォルダの少なくとも一部に重なり合った場合に、該フォルダの前記履歴を前記表示装置に表示するように制御する、
情報処理装置。
つまり、履歴の表示を2段階にしている。1段目は登録対象となるフォルダ全ての履歴を表示し、2段目は対象となったフォルダだけの履歴を表示してもよい。
【0060】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD-ROM)、CDレコーダブル(CD-R)、CDリライタブル(CD-RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu-ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digitalの略)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラムの全体又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分若しくは全部であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0061】
100…情報処理装置
105…プロセッサ
110…メモリ
115…データメモリ
120…フォルダ記憶モジュール
125…登録文書履歴記憶モジュール
130…プログラムメモリ
135…ユーザーインタフェースモジュール
140…操作受付モジュール
145…表示制御モジュール
150…処理制御モジュール
155…通信制御モジュール
160…出力装置
162…表示装置
164…印刷装置
165…受付装置
170…通信装置
195…バス
210…処理装置
212…サービスモジュール
220…画像処理装置
290…通信回線