(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】生体情報収集システム、生体情報収集方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20231121BHJP
A61B 5/1171 20160101ALI20231121BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
A61B5/00 102B
A61B5/1171 200
A61B5/11 110
(21)【出願番号】P 2020003520
(22)【出願日】2020-01-14
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣中 基記
(72)【発明者】
【氏名】高畑 裕充
(72)【発明者】
【氏名】栗本 和典
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-299625(JP,A)
【文献】特開2016-212803(JP,A)
【文献】特開2009-148338(JP,A)
【文献】特開2019-152914(JP,A)
【文献】特開2003-235813(JP,A)
【文献】特開2003-308303(JP,A)
【文献】特開2006-192057(JP,A)
【文献】特開2016-147011(JP,A)
【文献】特開2017-120366(JP,A)
【文献】国際公開第2018/062535(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/0538
A61B 5/06-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の個人のそれぞれについて
の前記個人を識別するための個人識別情報及び前記個人に関する前記個人識別情報とは異なる所定の情報を
、前記複数の個人について同時に取得する第1の取得手段と、
前記複数の個人のそれぞれについての生体情報及び前記所定の情報を
、前記複数の個人について同時に取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された前記所定の情報と、前記第2の取得手段により取得された前記所定の情報とを照合することで、前記個人識別情報と前記生体情報を結びつける制御手段と、
を備える生体情報収集システム。
【請求項2】
前記所定の情報は、前記個人の位置情報である請求項1に記載の生体情報収集システム。
【請求項3】
前記生体情報の収集対象となる個人が存在する場所に、前記個人識別情報を含むビーコンの発信機が設置され、
前記発信機からのビーコンを受信する受信機を有し、
前記制御手段は、前記個人の位置情報の特定に、さらに、前記受信機で受信したビーコンの情報を用いる請求項2に記載の生体情報収集システム。
【請求項4】
前記生体情報の収集対象となる個人が存在する場所に、前記個人識別情報が記録されたRFIDタグが設けられ、
前記RFIDタグを読み取る読取装置を有し、
前記制御手段は、前記個人の位置情報の特定に、さらに、前記読取装置で読み取った前記RFIDタグの情報を用いる請求項2に記載の生体情報収集システム。
【請求項5】
前記制御手段は、前記複数の個人のうち、前記生体情報の収集対象となる個人を特定し、特定した前記個人の生体情報を収集する請求項1又は2に記載の生体情報収集システム。
【請求項6】
前記制御手段は、前記複数の個人のうち、前記個人識別情報が予め登録されている個人を前記生体情報の収集対象となる個人として特定する請求項5に記載の生体情報収集システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記複数の個人のうち、前記生体情報に含まれる呼吸数、心拍数又は体温が予め定められた範囲の個人を前記生体情報の収集対象となる個人として特定する請求項5又は6に記載の生体情報収集システム。
【請求項8】
天井と前記複数の個人のそれぞれとの距離を測定する測定手段を備え、
前記制御手段は、前記複数の個人のうち、前記天井との距離が予め定められた範囲の個人を前記生体情報の収集対象となる個人として特定する請求項5~7のいずれか一項に記載の生体情報収集システム。
【請求項9】
前記制御手段は、前記複数の個人のうち、画像認識により前記生体情報の収集対象となる個人を特定する請求項5~8のいずれか一項に記載の生体情報収集システム。
【請求項10】
前記制御手段は、前記複数の個人のうち、異常な状態の個人が存在するか否かを判断し、存在すると判断した場合に報知手段に報知させる請求項1~9のいずれか一項に記載の生体情報収集システム。
【請求項11】
前記制御手段は、前記第2の取得手段により取得された生体情報に基づいて、前記個人が異常な状態であるか否かを判断する請求項10に記載の生体情報収集システム。
【請求項12】
前記制御手段は、前記個人の年齢によって前記異常な状態を判断するための判断基準を変更する請求項11に記載の生体情報収集システム。
【請求項13】
前記制御手段は、前記個人が所定の状態であるか否かに基づいて、前記個人が異常な状態であるか否かを判断する請求項10~12のいずれか一項に記載の生体情報収集システム。
【請求項14】
前記制御手段は、前記個人が所定の領域からはずれているか否かに基づいて、前記個人が異常な状態であるか否かを判断する請求項10~13のいずれか一項に記載の生体情報収集システム。
【請求項15】
前記個人の音を収集する集音手段を備え、
前記制御手段は、前記集音手段により収集された音が予め定められた基準に基づき異常であるか否かに基づいて、前記個人が異常な状態であるか否かを判断する請求項10~14のいずれか一項に記載の生体情報収集システム。
【請求項16】
前記制御手段は、前記異常な状態の個人の前記個人識別情報を前記報知手段に報知させる請求項10~15のいずれか一項に記載の生体情報収集システム。
【請求項17】
前記制御手段は、前記第1の取得手段により取得された前記所定の情報と前記第2の取得手段により取得された前記所定の情報とが一致しなかった場合、ユーザー操作に応じて前記個人識別情報と前記生体情報を結びつける請求項1~16のいずれか一項に記載の生体情報収集システム。
【請求項18】
前記制御手段は、前記個人識別情報と前記生体情報を結び付けて記録手段に記録させる請求項1~17のいずれか一項に記載の生体情報収集システム。
【請求項19】
複数の個人のそれぞれについて
の前記個人を識別するための個人識別情報及び前記個人に関する前記個人識別情報とは異なる所定の情報を
、前記複数の個人について同時に取得する第1の取得工程と、
前記複数の個人のそれぞれについての生体情報及び前記所定の情報を
、前記複数の個人について同時に取得する第2の取得工程と、
前記第1の取得工程において取得された前記所定の情報と、前記第2の取得工程において取得された前記所定の情報とを照合することで、前記個人識別情報と前記生体情報を結びつける工程と、
を含む生体情報収集方法。
【請求項20】
コンピューターを、
複数の個人のそれぞれについて
の前記個人を識別するための個人識別情報及び前記個人に関する前記個人識別情報とは異なる所定の情報を
、前記複数の個人について同時に取得する第1の取得装置から、前記個人識別情報及び前記所定の情報
を取得する第1の取得手段、
前記複数の個人のそれぞれについての生体情報及び前記所定の情報を
、前記複数の個人について同時に取得する第2の取得装置から、前記生体情報及び前記所定の情報
を取得する第2の取得手段、
前記第1の取得手段により取得された前記所定の情報と、前記第2の取得手段により取得された前記所定の情報とを照合することで、前記個人識別情報と前記生体情報を結びつける制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報収集システム、生体情報収集方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の人体が近接して位置している場合においても、それぞれの位置及び生体信号を検出することのできる生体情報の検知装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、複数の生体情報がそれぞれ誰のものであるのかを特定することができないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、取得された複数人の生体情報がそれぞれ誰のものであるのかを特定できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の生体情報収集システムは、
複数の個人のそれぞれについての前記個人を識別するための個人識別情報及び前記個人に関する前記個人識別情報とは異なる所定の情報を、前記複数の個人について同時に取得する第1の取得手段と、
前記複数の個人のそれぞれについての生体情報及び前記所定の情報を、前記複数の個人について同時に取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された前記所定の情報と、前記第2の取得手段により取得された前記所定の情報とを照合することで、前記個人識別情報と前記生体情報を結びつける制御手段と、
を備える。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記所定の情報は、前記個人の位置情報である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記生体情報の収集対象となる個人が存在する場所に、前記個人識別情報を含むビーコンの発信機が設置され、
前記発信機からのビーコンを受信する受信機を有し、
前記制御手段は、前記個人の位置情報の特定に、さらに、前記受信機で受信したビーコンの情報を用いる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記生体情報の収集対象となる個人が存在する場所に、前記個人識別情報が記録されたRFIDタグが設けられ、
前記RFIDタグを読み取る読取装置を有し、
前記制御手段は、前記個人の位置情報の特定に、さらに、前記読取装置で読み取った前記RFIDタグの情報を用いる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記制御手段は、前記複数の個人のうち、前記生体情報の収集対象となる個人を特定し、特定した前記個人の生体情報を収集する。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、
前記制御手段は、前記複数の個人のうち、前記個人識別情報が予め登録されている個人を前記生体情報の収集対象となる個人として特定する。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の発明において、
前記制御手段は、前記複数の個人のうち、前記生体情報に含まれる呼吸数、心拍数又は体温が予め定められた範囲の個人を前記生体情報の収集対象となる個人として特定する。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項5~7のいずれか一項に記載の発明において、
天井と前記複数の個人のそれぞれとの距離を測定する測定手段を備え、
前記制御手段は、前記複数の個人のうち、前記天井との距離が予め定められた範囲の個人を前記生体情報の収集対象となる個人として特定する。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項5~8のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記複数の個人のうち、画像認識により前記生体情報の収集対象となる個人を特定する。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項1~9のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記複数の個人のうち、異常な状態の個人が存在するか否かを判断し、存在すると判断した場合に報知手段に報知させる。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、
前記制御手段は、前記第2の取得手段により取得された生体情報に基づいて、前記個人が異常な状態であるか否かを判断する。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の発明において、
前記制御手段は、前記個人の年齢によって前記異常な状態を判断するための判断基準を変更する。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項10~12のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記個人が所定の状態であるか否かに基づいて、前記個人が異常な状態であるか否かを判断する。
【0019】
請求項14に記載の発明は、請求項10~13のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記個人が所定の領域からはずれているか否かに基づいて、前記個人が異常な状態であるか否かを判断する。
【0020】
請求項15に記載の発明は、請求項10~14のいずれか一項に記載の発明において、
前記個人の音を収集する集音手段を備え、
前記制御手段は、前記集音手段により収集された音が予め定められた基準に基づき異常であるか否かに基づいて、前記個人が異常な状態であるか否かを判断する。
【0021】
請求項16に記載の発明は、請求項10~15のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記異常な状態の個人の前記個人識別情報を前記報知手段に報知させる。
【0022】
請求項17に記載の発明は、請求項1~16のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記第1の取得手段により取得された前記所定の情報と前記第2の取得手段により取得された前記所定の情報とが一致しなかった場合、ユーザー操作に応じて前記個人識別情報と前記生体情報を結びつける。
【0023】
請求項18に記載の発明は、請求項1~17のいずれか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記個人識別情報と前記生体情報を結び付けて記録手段に記録させる。
【0024】
請求項19に記載の発明の生体情報収集方法は、
複数の個人のそれぞれについての前記個人を識別するための個人識別情報及び前記個人に関する前記個人識別情報とは異なる所定の情報を、前記複数の個人について同時に取得する第1の取得工程と、
前記複数の個人のそれぞれについての生体情報及び前記所定の情報を、前記複数の個人について同時に取得する第2の取得工程と、
前記第1の取得工程において取得された前記所定の情報と、前記第2の取得工程において取得された前記所定の情報とを照合することで、前記個人識別情報と前記生体情報を結びつける工程と、
を含む。
【0025】
請求項20に記載の発明のプログラムは、
コンピューターを、
複数の個人のそれぞれについての前記個人を識別するための個人識別情報及び前記個人に関する前記個人識別情報とは異なる所定の情報を、前記複数の個人について同時に取得する第1の取得装置から、前記個人識別情報及び前記所定の情報を取得する第1の取得手段、
前記複数の個人のそれぞれについての生体情報及び前記所定の情報を、前記複数の個人について同時に取得する第2の取得装置から、前記生体情報及び前記所定の情報を取得する第2の取得手段、
前記第1の取得手段により取得された前記所定の情報と、前記第2の取得手段により取得された前記所定の情報とを照合することで、前記個人識別情報と前記生体情報を結びつける制御手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、取得された複数人の生体情報がそれぞれ誰のものであるのかを特定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施形態の生体情報収集システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】
図1の第1の取得装置及び第2の取得装置の配置の一例を示す図である。
【
図3】
図1の第2の取得装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図1のサーバーの機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】
図4の制御部により実行される登録処理を示すフローチャートである。
【
図6】
図4の制御部により実行される収集処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0029】
〔生体情報収集システムの構成〕
本実施形態における生体情報収集システム100は、保育園等において複数の乳幼児の生体情報を取得するとともに、取得した生体情報のそれぞれを個人の識別情報と結び付けて記録したり、異常を検知して報知したりするシステムである。
【0030】
図1は、本実施形態における生体情報収集システム100の全体構成例を示す図である。
図1に示すように、生体情報収集システム100は、第1の取得装置1と、第2の取得装置2と、サーバー3と、報知装置4と、記録装置5と、を備えて構成されている。第1の取得装置1、第2の取得装置2、報知装置4、記録装置5は、それぞれサーバー3と有線又は無線により通信接続可能に構成されている。
【0031】
第1の取得装置1は、例えば、
図2に示すように、乳幼児が複数人で寝ている室内の天井に設けられ、室内に寝ている複数人の乳幼児全体を撮影してその撮影画像を解析することにより、室内の複数人の乳幼児の個人識別情報及び位置情報を取得してサーバー3に送信する。
第1の取得装置1は、例えば、室内に寝ている複数人の乳幼児を撮影する撮影装置と、撮影装置により取得された撮影画像を解析する解析装置により構成される。解析装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や通信部を含むコンピューター装置により構成され、撮影装置により撮影された撮影画像を解析して、室内の乳幼児の個人識別情報としての特徴量(顔の特徴点間の距離、骨格情報等)及び位置情報を取得して、両者を対応付けてサーバー3に送信する。
【0032】
第2の取得装置2は、例えば、
図2に示すように、乳幼児が複数人で寝ている室内の天井に設けられ、乳幼児の寝ている下方に向けて電磁波(レーダー波)を照射して、室内の複数人の乳幼児の生体情報及び位置情報を取得してサーバー3に送信する。
第2の取得装置2は、例えば、
図3に示すように、送信アンテナ2a、複数の受信アンテナ2b-1、2b-2、・・・を含むレーダー21と、CPUや通信部を含むコンピューター装置により構成される制御装置22と、を備えて構成されている。
制御装置22は、レーダー21により送信アンテナ2aから電磁波を照射させ、反射してきた電磁波を受信アンテナ2b-1、2b-2、・・・で受信するまでの時間を計測して被検者(乳幼児)Oまでの距離を取得するとともに、複数の2b-1、2b-2、・・・で被検者Oから反射してきた電磁波を受信したときの時間差Δdから被検者Oとの角度(方向)を取得する。そして、取得した時間及び角度(方向)を被検者Oの位置情報として取得する。また、制御装置22は、レーダー21により取得された反射波を周波数解析することにより、被検者Oの呼吸数、心拍数等の生体情報を取得する。ここで、被検者Oからの反射波には、呼吸や心拍による振動による周波数変化(ドップラー効果)が観測できる。制御装置22は、反射波から呼吸、心拍のそれぞれに対応する周期の周波数成分を取得して、呼吸数、心拍数を算出する。そして、被検者Oの生体情報を位置情報に対応付けてサーバー3に送信する。
【0033】
また、第2の取得装置2は、例えば、天井等に設けられ、室内の温度分布画像(室内の各位置の温度)を取得してサーバー3に送信するサーモグラフィー装置としてもよい。あるいは、生体情報収集システム100は、上述のレーダー波に基づいて生体情報及び位置情報を取得する装置と、サーモグラフィー装置の双方を第2の取得装置2として備えることとしてもよい。なお、第2の取得装置2で取得する生体情報としては、呼吸数や心拍数であることが、SIDS(乳幼児突然死症候群)予防の観点から好ましい。
【0034】
サーバー3は、第1の取得装置1により取得された個人識別情報(特徴量)をユーザーが認識可能な個人識別情報(例えば、個人名や個人ID)に変換し、変換した個人識別情報及び第2の取得装置2により取得された生体情報を、位置情報に基づいて結びつけ、各乳幼児の生体情報を個人識別情報に対応付けて記録装置5に記憶させたり、生体情報に異常があった場合には、報知装置4により異常を報知させたりする。
図4は、サーバー3の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、サーバー3は、制御部31、操作部32、表示部33、記憶部34、通信部35を備えて構成され、各部はバス36により接続されて構成されている。
【0035】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory
)等により構成される。制御部31のCPUは、操作部32の操作に応じて、記憶部34に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、サーバー3各部の動作を集中制御する。
【0036】
操作部32は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部31に出力する。
また、操作部32は、表示部33の表示画面にタッチパネルを備えても良く、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部31に出力する。
【0037】
表示部33は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニターにより構成され、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、操作部32からの入力指示やデータ等を表示する。
【0038】
記憶部34は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成され、制御部31が実行する各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター等を記憶している。
また、記憶部34は、個人DB(Data Base)341を有している。個人DB341は、生体情報の収集対象となる複数の乳幼児のそれぞれについての個人識別情報である個人名(個人ID)及び特徴量を対応付けて記憶する。
【0039】
通信部35は、第1の取得装置1、第2の取得装置2、報知装置4、記録装置5と通信を行うための通信インターフェースを備える。
【0040】
報知装置4は、サーバー3から送信された報知情報に基づいて、保育士等のユーザーに報知を行う装置である。報知装置4は、例えば、報知情報を表示する表示装置、報知情報を音声や音により通知する音声出力装置等が挙げられる。これらはサーバー3の内部に備えられていてもよい(例えば、表示部33としてもよい)。また、例えば、保育士の携帯しているスマートフォン、タブレット、パソコン等の、サーバー3とは別体のものであってもよい。
【0041】
記録装置5は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等を備えて構成され、サーバー3から送信された個人識別情報及び生体情報を対応付けて記録する。記録装置5は、サーバー3の内部に備えられていてもよい(例えば、記憶部34としてもよい)。また、例えば、保育士の携帯しているスマートフォン、タブレット、パソコン等の、サーバー3とは別体の装置であってもよい。
【0042】
〔生体情報収集システムの動作〕
次に、生体情報収集システムにおける動作について説明する。
サーバー3は、生体情報の収集対象となる複数の個人(ここでは乳幼児)の個人識別情報を登録するための登録モードと、生体情報を収集して個人識別情報と結び付ける収集モードの少なくとも2つの動作モードを有する。サーバー3は、例えば、操作部32による指示に応じて、登録モードと収集モードを切り替える。
【0043】
(登録モード)
まず、登録モードでの処理について説明する。
図5は、登録モードにおいてサーバー3の制御部31により実行される登録処理を示すフローチャートである。登録処理は、制御部31と記憶部34に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0044】
まず、制御部31は、表示部33に登録画面を表示して、生体情報の収集対象となる複数の乳幼児のそれぞれについての個人識別情報(個人名(個人ID)等)及び撮影画像(顔画像)の登録を受け付ける(ステップS1)。
【0045】
次いで、制御部31は、登録された撮影画像に画像認識を行い、その個人の個人識別情報(特徴量)を取得する(ステップS2)。
例えば、制御部31は、まず、登録された撮影画像に顔認識を行って顔領域を認識する。例えば、人間の顔は、目のあたりは暗く、その周囲は明るいという特徴がある。また、鼻筋は明るいが、その両側は暗いという特徴がある。そこで、このような人間の顔のパターンの特徴と一致する箇所を撮影画像から抽出し、顔領域として認識する。
次いで、制御部31は、認識した顔領域から複数の特徴点を抽出し、各特徴点の位置や各特徴点間の距離(距離の比率)等を算出して特徴量として取得する。
または、制御部31は、登録された撮影画像から個人の骨格を認識し、その形状を特徴量として取得してもよい。あるいは、特徴点と骨格の両方の情報を特徴量として登録してもよい。
なお、撮影画像は、正面画像と横向き(左右)の双方の撮影画像を取得しておき、双方の特徴量を向きの情報に対応付けて登録しておくことが好ましい。これにより、乳幼児の顔の向きに拘わらず認識を行うことが可能となる。
【0046】
そして、制御部31は、取得した特徴量を個人名等のユーザーが認識可能な個人識別情報に対応付けて記憶部34の個人DB341に記憶させ(ステップS3)、ステップS1に戻る。登録モードの終了が指示されるか、又は電源がOFFとされるまで、制御部31は、ステップS1~S3の処理を繰り返し実行する。
【0047】
(収集モード)
次に、収集モードでの処理について説明する。
図6は、収集モードにおいてサーバー3の制御部31により実行される収集処理を示すフローチャートである。収集処理は、制御部31と記憶部34に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0048】
まず、制御部31は、第1の取得装置1に撮影を行わせ、撮影画像に含まれる各人の個人識別情報(特徴量)及び位置情報を取得する(ステップS11)。
第1の取得装置1は、撮影を行って撮影画像を取得し、取得した撮影画像に画像認識を行って、撮影画像に含まれる各人の特徴量及び位置情報を取得する。各人の特徴量の取得については、
図5のステップS2で説明したものと同様であるので説明を援用する。また、第1の取得装置1は、撮影画像において各人の顔が認識された位置(座標)から各人の位置情報を取得する。そして、取得した各人の特徴量及び位置情報を対応付けてサーバー3に送信する。
【0049】
次いで、制御部31は、第1の取得装置1から取得した各人の特徴量を個人DB341に記憶されている特徴量と照合し(ステップS12)、一致した特徴量に対応付けられている個人識別情報(個人名等)を取得して、取得した個人識別情報を特徴量に対応する位置情報に対応付ける(ステップS13)。
なお、個人DB341に正面、横向きのそれぞれの特徴量が記憶されている場合、特徴量に基づいて、乳幼児の顔の向きを判定し、顔の向きを併せて対応付けておくことが好ましい。
【0050】
次いで、制御部31は、第2の取得装置2により室内の各人の生体情報及び位置情報を取得する(ステップS14)。
第2の取得装置2は、例えば、上述のように、各人の呼吸数、心拍数、体温等を生体情報として取得し、各人の位置情報に対応付けてサーバー3に送信する。
【0051】
制御部31は、生体情報及び位置情報を取得すると、生体情報の収集対象となる乳幼児を特定し、それ以外の生体情報を除外する処理を行う(ステップS15)。
ここで、本実施形態では、室内で寝ている乳幼児が生体情報の収集対象であり、保育士等は生体情報の収集対象ではないものとする。
【0052】
例えば、制御部31は、個人識別情報が予め登録されている個人を生体情報の収集対象となる乳幼児として特定し、それ以外の保育士等の生体情報を除外する。例えば、取得された生体情報のうち、ステップS12において、個人DB341に登録されている特徴量に一致しなかった特徴量に対応する位置情報と同じ位置を示す位置情報に対応する生体情報を除外する。ここで、第1の取得装置1から取得される位置情報は座標であり、第2の取得装置2から取得される位置情報は距離及び方向であるため、制御部31は、一方の位置情報から他方の位置情報を推測して、同じ位置を示す位置情報を特定する。
【0053】
また、天井からの距離が予め定められた範囲の個人を生体情報の収集対象となる乳幼児として特定し、それ以外の保育士等の生体情報を除外してもよい。例えば、寝ている乳幼児と寝ていない(上体を起こしている)保育士では、天井からの距離が異なる。そこで、例えば、天井から床までが2mの場合、天井からの距離が1.5m~2mの範囲にある個人を生体情報の収集対象となる乳幼児として特定してその生体情報を取得し、その他の生体情報は除外する。天井と個人のそれぞれとの距離は、例えば、天井に測距センサーを設け、制御部31は、測距センサーからの出力結果に基づいて天井と個人との距離を取得する。また、本実施形態において、第2の取得装置2は、天井に設けられおり、また、第2の取得装置2と個人との距離を取得可能であるため、本実施形態では、第2の取得装置2により取得される第2の取得装置と個人との距離に基づいて天井と個人との距離を測定してもよい。
【0054】
また、生体情報に含まれる呼吸数、心拍数、又は体温が予め定められた範囲の個人を生体情報の収集対象となる乳幼児として特定し、それ以外の保育士等の生体情報を除外してもよい。
一般的に大人の呼吸数が1分間当たり15回程度なのに対して、乳幼児の場合は1分間当たり30回程度である(成人が1分間の呼吸数が25回以上である場合、頻呼吸と言われる呼吸異常である)。そこで、例えば、1分間当たりの呼吸数が25回以上の個人を生体情報の収集対象となる乳幼児として特定してその生体情報を取得し、その他の生体情報は除外する。
また、一般的な大人の心拍数が1分間に60~100回であるのに対して、乳幼児の場合は1分間に120回程度である。そこで、例えば1分間当たりの心拍数が110回以上の個人を生体情報の収集対象となる乳幼児として特定してその生体情報を取得し、その他の生体情報は除外する。
また、一般的に、乳幼児は大人より体温が高い。そこで、体温が所定の閾値以上の個人を生体情報の収集対象となる乳幼児として特定してその生体情報を取得し、その他の生体情報は除外する。
【0055】
また、画像認識により生体情報の収集対象となる乳幼児を特定し、それ以外の保育士等の生体情報を除外してもよい。例えば、第1の取得装置1から撮影画像を取得し、画像認識によって所定の特徴量(例えば、目から顎までの距離(乳幼児は顎が発達しきっておらず、短くなる)や目から鼻までの距離)を算出し、特徴量が予め定められた範囲の個人を生体情報の収集対象となる乳幼児として特定してその生体情報を取得し、その他の生体情報は除外する。
【0056】
また、上記のうち複数の情報の組み合わせから、収集対象となる乳幼児の生体情報に該当しない生体情報を除外してもよい。
なお、上述した生体情報の除外を行うための閾値は一例であり、上述したものに限定されるものではない。これらの閾値は、操作部32等によりユーザーが設定可能としてもよい。また、生体情報を除外した場合は、これに対応する位置情報も除外する。
【0057】
次いで、制御部31は、第1の取得装置1から取得された位置情報と、第2の取得装置2により取得された位置情報とを照合し、位置情報が一致する個人識別情報と生体情報を結びつける(ステップS16)。
【0058】
次いで、制御部31は、位置情報が一致しない個人識別情報と生体情報が存在するか否かを判断する(ステップ17)。
位置情報が一致しない個人識別情報と生体情報が存在しない場合(ステップS17;NO)、制御部31は、ステップS19に移行する。
【0059】
位置情報が一致しない個人識別情報と生体情報が存在する場合(ステップS17;YES)、制御部31は、エラー表示を行い、ユーザーの手動による個人識別情報と生体情報との結びつけを受け付け(ステップS18)、ステップS19に移行する。
例えば、制御部31は、一致する位置情報のない個人識別情報及び位置情報の組み合わせと、一致する位置情報のない生体情報及び位置情報の組み合わせを表示部33に表示する。ユーザーは、表示された情報から、同一の乳幼児の個人識別情報と生体情報が存在した場合には、操作部32の操作により、両者を結びつける。または、位置情報が一致するように補正して両者を結びつけることとしてもよい。制御部31は、操作部32の操作に基づいて、個人識別情報と生体情報とを対応付ける(結びつける)。
【0060】
例えば、第1の取得装置1による情報の取得と、第2の取得装置2による情報の取得タイミングがずれている場合、その間に寝返りを打った等により乳幼児が移動することがある。また、カーテンの揺れ等により第2の取得装置2が位置情報を誤検知する場合がある。ステップS18は、これらによる位置のずれによる位置情報の不一致を修正するものである。
【0061】
ステップS19において、制御部31は、異常な状態の乳幼児がいるか否かを判断する(ステップS19)。
【0062】
例えば、制御部31は、取得した生体情報に基づいて、異常な状態の乳幼児を判断する。例えば、取得した生体情報と予め設定された閾値とを比較して、具体的にいうと、1分間の呼吸数が40回以上、20秒以上の呼吸停止、心拍数100以下、又は体温38度以上の乳幼児が存在した場合、その乳幼児は異常な状態であると判断する。なお、これらの閾値は、一例であり、これらに限定されるものではない。また、年齢によって異常な状態と判断する閾値を変えても良い(この場合、年齢に関する情報を個人識別情報として個人DB341に記憶させておくとよい。)。これにより、個人ごとに正確に異常な状態であるか否かを判断することが可能となる。
【0063】
また、所定の状態の乳幼児を異常な状態であると判断してもよい。例えば、寝返りを打ってうつ伏せになった状態、又は布団をかぶった状態である場合に、異常な状態であると判断してもよい。寝返りを打ってうつ伏せになるとSIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクが高くなるためである。また、布団をかぶった状態では、呼吸ができなくなるリスクがあるためである。例えば、前回の個人識別情報が取得されていたにもかかわらず、今回取得されなかった個人識別情報があった場合、うつ伏せ又は布団をかぶったことにより顔認識ができなかったと考えられる。そこで、例えば、前回の個人識別情報が取得されていたにもかかわらず、今回取得されなかった個人識別情報があった場合、その乳幼児が異常な状態であると判断することができる。
【0064】
また、乳幼児ごとに寝る領域が決まっている場合には、その領域情報を個人DB341等に記憶しておき、取得された位置情報がその領域からはずれている乳幼児を異常な状態であると判断してもよい。
【0065】
また、室内(天井等)に集音装置(例えば、複数の単一指向性(カーディオイド特性)のマイクロフォンが配置されてなるマイクロフォンアレイ等)を配置しておき、集音装置に入力された音声を解析して、予め定められた基準に基づき異常な音(寝苦しそうな声や寝息等)が検出された方向の乳幼児を異常な状態であると判断してもよい。
【0066】
ステップS19においては、上記のいずれか一以上の手法を用いて異常な状態の乳幼児が存在するか否かを判断する。
【0067】
異常な状態の乳幼児がいると判断した場合(ステップS19;YES)、制御部31は、異常な状態の乳幼児の個人識別情報とその状態を示す報知情報を報知装置4に送信し、報知装置4に報知させ(ステップS20)、ステップS21に移行する。
報知装置4は、サーバー3から受信した報知情報に基づいて、異常な状態の乳幼児の個人識別情報及びその状態を音声及び/又は表示等により出力することで、保育士に報知する。
なお、乳幼児の個人識別情報とその状態を示す情報を報知することが好ましいが、簡易的な方法として、警告音やランプ等の点滅等により異常状態を報知することとしてもよい。
異常な状態の乳幼児がいないと判断した場合(ステップS19;NO)、制御部31は、ステップS21に移行する。
【0068】
ステップS21において、制御部31は、ステップS16やS18で結び付けた個人識別情報及び生体情報を記録装置5に送信し、個人識別情報と生体情報を結び付けて(対応付けて)記録装置5に記録させる(ステップS21)。
なお、ステップS21における記録は、所定時間間隔で行うこととしてもよい。その場合、それまでに取得した生体情報の値を平均して平均値を記録してもよいし、最大値、最小値等を記録することとしてもよい。複数のタイミングで取得した生体情報をどのようにして記録装置5に記録させるかは、ユーザーが操作部32により設定可能である。
また、顔の向きが対応付けられている場合には、この情報も記録装置5に送信し、個人識別情報に対応づけて記録させることが好ましい。
【0069】
ステップS21が終了すると、制御部31は、ステップS11に戻る。検出モードの終了が指示されるか、又は電源がOFFとされるまで、制御部31は、ステップS11~S21の処理を繰り返し実行する。
【0070】
以上説明したように生体情報収集システム100によれば、複数の個人のそれぞれについて、個人を識別するための個人識別情報及び位置情報を対応付けて取得する第1の取得装置1と、複数の個人のそれぞれについての生体情報及び位置情報を対応付けて取得する第2の取得装置2と、第1の取得装置1により取得された位置情報と、第2の取得装置2により取得された位置情報とを照合することで、個人識別情報と生体情報を結びつけるサーバー3を備える。
したがって、取得された複数人の生体情報がそれぞれ誰のものであるのかを特定することが可能となる。
【0071】
また、サーバー3は、複数の個人のうち、生体情報の収集対象となる個人を特定し、特定した個人の生体情報を収集するので、生体情報の収集対象ではない個人の生体情報を除外して、収集対象の個人の生体情報のみを収集することが可能となる。
【0072】
また、サーバー3は、複数の個人のうち、異常な状態の個人が存在するか否かを判断し、存在すると判断した場合に報知装置4に報知させるので、ユーザーは、異常な状態の人がいることを認識することができる。また、異常な状態の個人の個人識別情報を報知装置4により報知させることで、誰が異常な状態であるのかをユーザーが容易に認識することが可能となる。
【0073】
また、サーバー3は、第1の取得装置1により取得された位置情報と第2の取得装置2により取得された位置情報とが一致しなかった場合、ユーザー操作に応じて個人識別情報と生体情報を結びつける。したがって、システムにおける誤検知をユーザーが修正することが可能となる。
【0074】
また、サーバー3は、個人識別情報と生体情報を結び付けて自動的に記録装置5に記録させるので、ユーザーが個人ごとの生体情報を記録する必要がなくなる。例えば、保育園等において、各乳幼児の生体情報を自動的に取得して記録しておくことができるため、生体情報の計測・記録作業をなくすことができ、利便性が向上する。
【0075】
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る生体情報収集システムの好適な例であり、これに限定されるものではない。
【0076】
例えば、上記実施形態においては、サーバー3に、生体情報の収集対象の乳幼児の個人識別情報(例えば、個人名や個人ID並びに特徴量)を登録しておき、第1の取得装置1で取得した個人識別情報(特徴量)に基づいてサーバー3にて個人識別情報(個人名や個人ID)を取得することとして説明したが、第1の取得装置1に生体情報の収集対象の乳幼児の個人識別情報(例えば、個人名や個人ID、並びに特徴量)を登録しておき、第1の取得装置1で個人識別情報(例えば、個人名や個人ID、並びに特徴量)を取得してサーバー3に送信することとしてもよい。
【0077】
また、上記実施形態においては、第1の取得装置1に画像認識機能をもたせた例について説明したが、サーバー3に持たせることとしてもよい。すなわち、撮影装置で取得した撮影画像をサーバー3で画像認識して生体情報の収集対象の乳幼児の個人識別情報を取得することとしてもよい。同様に、第2の取得装置2の呼吸数や心拍数を算出する機能をサーバー3に持たせてもよい。すなわち、レーダー21により取得した反射波の生データあるいはそれを加工したデータをサーバー3に送り、サーバー3で呼吸数、心拍数を算出することとしてもよい。
【0078】
また、生体情報の収集対象となる乳幼児が存在する場所(例えば、ベッドや布団、園服)に、その乳幼児の個人識別情報を含むビーコンの発信機を設け、室内に発信機からのビーコンを受信する受信機を設けておくこととしてもよい。そして、サーバー3は、受信機から受信したビーコンに関する情報(ビーコンに含まれる情報や受信強度等)を取得して、生体情報の収集対象となる乳幼児の位置情報の特定にビーコンからの情報を用いることとしてもよい。これにより、生体情報の収集対象となる乳幼児の位置情報の精度を向上させることができる。または、これらを個人識別情報及び位置情報を取得する第1の取得装置1として用いることとしてもよい。
【0079】
また、生体情報の収集対象となる乳幼児が存在する場所(例えば、ベッドや布団、園服)に、その乳幼児の個人識別情報が記録されたRFID(Radio Frequency Identification)タグを設け、室内にRFIDタグを読み取る読取装置を設けておくこととしてもよい。そして、サーバー3は、読取装置から読み取ったRFIDタグに関する情報を取得して、生体情報の収集対象となる乳幼児の位置情報の特定に用いることとしてもよい。これにより、生体情報の収集対象となる乳幼児の位置情報の精度を向上させることができる。または、これらを個人識別情報及び位置情報を取得する第1の取得装置1として用いることとしてもよい。
【0080】
また、上記実施形態においては、個人の位置情報を用いて個人識別情報と生体情報とを結びつけることとして説明したが、個人に関する他の所定の情報を用いて個人識別情報と生体情報とを結びつけることとしてもよい。例えば、個人の撮影画像から取得可能な個人の形態情報(シルエット)とサーモグラフィー装置から取得した個人の形態情報を用いて、個人識別情報と生体情報とを結びつけることとしてもよい。
【0081】
また、上記実施形態においては、撮影画像から個人識別情報として個人の顔の特徴量を取得することとして説明したが、これに限定されない。例えば、乳幼児が名札をつけていれば、撮影画像から乳幼児の名札を読み取って個人識別情報として取得することとしてもよい。また、個人ごとに形態(シルエット)や体温が異なるので、第1の取得装置1は温度分布画像を取得するものとし、温度分布画像から取得した形態や体温を個人識別情報として用いることとしてもよい。
【0082】
また、上記実施形態で説明した第1の取得装置1で取得する個人識別情報や位置情報、第2の取得装置2で取得する生体情報や位置情報や、その取得手法は、例示であり、上述したものに限定されない。
【0083】
また、上記の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピューター読み取り可能な媒体として不揮発性の半導体メモリーやハードディスクを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【0084】
その他、生体情報収集システムや生体情報収集システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0085】
100 生体情報収集システム
1 第1の取得装置
2 第2の取得装置
3 サーバー
31 制御部
32 操作部
33 表示部
34 記憶部
341 個人DB
35 通信部
36 バス
4 報知装置
5 記録装置