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特許7388218プリンタ及びプリンタのためのコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】プリンタ及びプリンタのためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20231121BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20231121BHJP
   G06F 21/31 20130101ALI20231121BHJP
【FI】
B41J29/38 202
B41J29/38 203
G06F3/12 305
G06F3/12 353
G06F3/12 385
G06F3/12 338
G06F21/31
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020018299
(22)【出願日】2020-02-05
(65)【公開番号】P2021123027
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 寛之
【審査官】大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-141134(JP,A)
【文献】国際公開第2019/131387(WO,A1)
【文献】特開2019-175357(JP,A)
【文献】特開2019-119089(JP,A)
【文献】特開2015-201053(JP,A)
【文献】特開2008-009291(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0205579(US,A1)
【文献】特開2010-208027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G06F 3/12
G06F 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタであって、
前記プリンタの管理者とは異なる1以上のユーザを識別する1個以上のユーザ識別情報のそれぞれについて、当該ユーザ識別情報と印刷設定情報とを関連付けて記憶可能であるメモリと、
通信インターフェースと、
第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記1個以上のユーザ識別情報のうちの第1のユーザ識別情報を受信する第1のユーザ識別情報受信部と、
前記第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記メモリ内の1個以上の前記印刷設定情報のうちのいずれかの消去を要求する第1の消去要求であって、前記メモリ内の前記1個以上の印刷設定情報のうちの第1の印刷設定情報を特定するための第1の特定情報を含む前記第1の消去要求を受信する第1の消去要求受信部と、
第2の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記1個以上のユーザ識別情報のうちの第2のユーザ識別情報を受信する第2のユーザ識別情報受信部と、
前記第2の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記メモリ内の前記1個以上の印刷設定情報のうちのいずれかの消去を要求する第2の消去要求であって、前記第1の印刷設定情報を特定するための第2の特定情報を含む前記第2の消去要求を受信する第2の消去要求受信部と、
前記メモリ内において、前記第1の特定情報によって特定される前記第1の印刷設定情報が前記第1のユーザ識別情報のみに関連付けて記憶されている第1の状況において、前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信される場合に、前記第1の印刷設定情報を前記メモリから消去する第1の消去部であって、
前記メモリ内において前記第1の印刷設定情報が前記第1のユーザ識別情報と前記第2のユーザ識別情報とのそれぞれに関連付けて記憶されている第2の状況において、前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信され、かつ、前記第2の外部装置から前記第2のユーザ識別情報と前記第2の消去要求とが受信される場合に、前記第1の特定情報及び前記第2の特定情報によって特定される前記第1の印刷設定情報を前記メモリから消去し、
前記第2の状況において、前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信され、かつ、前記第2の外部装置から前記第2のユーザ識別情報と前記第2の消去要求とが受信されない場合に、前記第1の印刷設定情報は前記メモリから消去されない、
前記第1の消去部と、
を備える、プリンタ。
【請求項2】
前記プリンタは、さらに、
前記第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記プリンタの能力を示す能力情報の送信を要求する第1の能力情報要求であって、前記第1のユーザ識別情報を含む前記第1の能力情報要求を受信する第1の能力情報要求受信部と、
前記第1の外部装置から前記第1の能力情報要求が受信される場合に、前記通信インターフェースを介して、前記能力情報と、前記メモリ内の特定の印刷設定情報とを前記第1の外部装置に送信する第1の能力情報送信部と、を備え、
前記第1のユーザ識別情報受信部及び前記第1の消去要求受信部は、前記能力情報と前記特定の印刷設定情報とが前記第1の外部装置に送信された後に、前記第1の外部装置において第1の所定操作が実行される場合に、前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報を含む前記第1の消去要求を受信する、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記プリンタは、さらに、
前記第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記プリンタ内のウェブサーバへのアクセスを要求するためのアクセス要求を受信するアクセス要求受信部と、
前記第1の外部装置から前記アクセス要求が受信される場合に、前記通信インターフェースを介して、ユーザ識別情報の入力を受け付けるための受付画面を表わす受付画面データを前記第1の外部装置に送信する第1の画面データ送信部と、を備え、
前記第1のユーザ識別情報受信部は、前記受付画面データが前記第1の外部装置に送信された後に、前記受付画面において前記第1のユーザ識別情報が入力される場合に、前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報を受信し、
前記第1の消去要求受信部は、前記第1の外部装置において第2の所定操作が実行される場合に、前記第1の外部装置から前記第1の消去要求を受信する、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記プリンタは、さらに、
前記第2の状況において、前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信され、かつ、前記第2の外部装置から前記第2のユーザ識別情報と前記第2の消去要求とが受信されない場合に、前記第1のユーザ識別情報と前記第1の印刷設定情報とに関連付けて、前記第1の消去要求を受信済みであることを示す受信済み情報を前記メモリに記憶させる記憶制御部と、
前記第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記プリンタの能力を示す能力情報の送信を要求する第2の能力情報要求であって、前記第1のユーザ識別情報を含む前記第2の能力情報要求を受信する第2の能力情報要求受信部と、
前記第1の外部装置から前記第2の能力情報要求が受信され、かつ、前記メモリ内において前記第1のユーザ識別情報と前記第1の印刷設定情報とに関連付けて前記受信済み情報が記憶されていない場合に、前記通信インターフェースを介して、前記能力情報と前記第1の印刷設定情報とを前記第1の外部装置に送信する第2の能力情報送信部と、
前記第1の外部装置から前記第2の能力情報要求が受信され、かつ、前記メモリ内において前記第1のユーザ識別情報と前記第1の印刷設定情報とに関連付けて前記受信済み情報が記憶されている場合に、前記通信インターフェースを介して、前記第1の印刷設定情報を前記第1の外部装置に送信することなく、前記能力情報を前記第1の外部装置に送信する第3の能力情報送信部と、
を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記プリンタは、さらに、
前記第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記第1のユーザ識別情報と、前記受信済み情報の消去を要求する第3の消去要求であって、前記第1の印刷設定情報を特定するための第3の特定情報を含む前記第3の消去要求と、を受信する第3の消去要求受信部と、
前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第3の消去要求とが受信される場合に、前記第1のユーザ識別情報と、前記第3の特定情報によって特定される前記第1の印刷設定情報と、に関連付けて前記メモリに記憶されている前記受信済み情報を前記メモリから消去する第2の消去部と、
を備える、請求項に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記メモリは、デフォルト印刷設定情報を予め記憶しており、
前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信され、かつ、前記第1の印刷設定情報が前記デフォルト印刷設定情報である場合に、前記第1のユーザ識別情報に関連付けて前記メモリに記憶されている前記デフォルト印刷設定情報は前記メモリから消去されない、請求項1からのいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記メモリは、さらに、前記プリンタの管理者を識別する管理者識別情報を記憶可能であり、
前記プリンタは、さらに、
第3の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記管理者識別情報を受信する管理者識別情報受信部と、
前記第3の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記メモリ内の前記1個以上の印刷設定情報のうちのいずれかの消去を要求する第4の消去要求であって、前記メモリ内の前記1個以上の印刷設定情報のうちの第2の印刷設定情報を特定するための第4の特定情報を含む前記第4の消去要求を受信する第4の消去要求受信部と、
前記第3の外部装置から前記管理者識別情報と前記第4の消去要求とが受信される場合に、前記第4の特定情報によって特定される前記第2の印刷設定情報を、前記第2の印刷設定情報が前記管理者識別情報に関連付けて前記メモリに記憶されているのか否かに関わらず、前記メモリから消去する第3の消去部と、
を備える、請求項1からのいずれか一項に記載のプリンタ。
【請求項8】
プリンタのためのコンピュータプログラムであって、
前記プリンタは、
前記プリンタの管理者とは異なる1以上のユーザを識別する1個以上のユーザ識別情報のそれぞれについて、当該ユーザ識別情報と印刷設定情報とを関連付けて記憶可能であるメモリと、
通信インターフェースと、
コンピュータと、を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、
第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記1個以上のユーザ識別情報のうちの第1のユーザ識別情報を受信する第1のユーザ識別情報受信部と、
前記第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記メモリ内の1個以上の前記印刷設定情報のうちのいずれかの消去を要求する第1の消去要求であって、前記メモリ内の前記1個以上の印刷設定情報のうちの第1の印刷設定情報を特定するための第1の特定情報を含む前記第1の消去要求を受信する第1の消去要求受信部と、
第2の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記1個以上のユーザ識別情報のうちの第2のユーザ識別情報を受信する第2のユーザ識別情報受信部と、
前記第2の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記メモリ内の前記1個以上の印刷設定情報のうちのいずれかの消去を要求する第2の消去要求であって、前記第1の印刷設定情報を特定するための第2の特定情報を含む前記第2の消去要求を受信する第2の消去要求受信部と、
前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信され、かつ、前記メモリ内において前記第1のユーザ識別情報と前記第1の印刷設定情報とが関連付けて記憶されている場合に、前記第1の特定情報によって特定される前記第1の印刷設定情報を前記メモリから消去する第1の消去部であって、
前記メモリ内において前記第1の印刷設定情報が前記第1のユーザ識別情報のみに関連付けて記憶されている第1の状況において、前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信される場合に、前記第1の印刷設定情報を前記メモリから消去し、
前記メモリ内において前記第1の印刷設定情報が前記第1のユーザ識別情報と前記第2のユーザ識別情報とのそれぞれに関連付けて記憶されている第2の状況において、前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信され、かつ、前記第2の外部装置から前記第2のユーザ識別情報と前記第2の消去要求とが受信される場合に、前記第1の特定情報及び前記第2の特定情報によって特定される前記第1の印刷設定情報を前記メモリから消去し、
前記第2の状況において、前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信され、かつ、前記第2の外部装置から前記第2のユーザ識別情報と前記第2の消去要求とが受信されない場合に、前記第1の印刷設定情報は前記メモリから消去されない、
前記第1の消去部と、
として機能させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、プリンタに記憶されている印刷設定情報を消去するための技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、通信装置とMFP(Multi-Function Peripheralの略)とを備える画像形成システムが開示されている。MFPには、IPP(Internet Printing Protocolの略)に従った印刷プリセットが登録されている。管理者は、印刷プリセットをMFPから消去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-119089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の画像形成システムでは、管理者とは異なるユーザが、MFPに登録されている印刷プリセットを消去することについて何ら考慮されていない。本明細書は、管理者とは異なるユーザからの要求に応じて、印刷設定情報を消去可能なプリンタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示されるプリンタは、前記プリンタの管理者とは異なる1以上のユーザを識別する1個以上のユーザ識別情報のそれぞれについて、当該ユーザ識別情報と印刷設定情報とを関連付けて記憶可能であるメモリと、通信インターフェースと、第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記1個以上のユーザ識別情報のうちの第1のユーザ識別情報を受信する第1のユーザ識別情報受信部と、前記第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記メモリ内の1個以上の前記印刷設定情報のうちのいずれかの消去を要求する第1の消去要求であって、前記メモリ内の前記1個以上の印刷設定情報のうちの第1の印刷設定情報を特定するための第1の特定情報を含む前記第1の消去要求を受信する第1の消去要求受信部と、前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信され、かつ、前記メモリ内において前記第1のユーザ識別情報と前記第1の印刷設定情報とが関連付けて記憶されている場合に、前記第1の特定情報によって特定される前記第1の印刷設定情報を前記メモリから消去する第1の消去部と、を備えてもよい。
【0006】
上記の構成によると、プリンタは、第1の外部装置から第1のユーザ識別情報と第1の消去要求とを受信し、メモリ内において第1のユーザ識別情報と第1の印刷設定情報とが関連付けて記憶されている場合に、第1の印刷設定情報をメモリから消去する。従って、プリンタは、管理者とは異なるユーザからの要求に応じて、第1の印刷設定情報を消去することができる。
【0007】
上記のプリンタを実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。また、上記のプリンタと外第1の部装置とを備える通信システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】各テーブルを示す。
図3】プリンタ処理のフローチャートを示す。
図4】ウェブサーバ処理のフローチャートを示す。
図5】消去処理のフローチャートを示す。
図6】IPP処理のフローチャートを示す。
図7】プリセット情報を利用した印刷が実行されるケースAのシーケンス図を示す。
図8】プリセット情報が消去されるケースBのシーケンス図を示す。
図9】プリセット情報が消去されるケースCのシーケンス図を示す。
図10】プリセット情報の消去が制限されるケースD、及び、プリセット情報を利用した印刷が実行されるケースEのシーケンス図を示す。
図11】プリセット情報が消去されるケースFのシーケンス図を示す。
図12】プリセット情報が再登録されるケースGのシーケンス図を示す。
図13】PCに表示される画面の一例を示す。
図14】PCに表示される画面の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(通信システム2の構成;図1
図1に示すように、通信システム2は、プリンタ10と、複数個のPC100A~100Cと、を備える。プリンタ10と各PC100A~100Cは、同じLAN(Local Area Networkの略)4に所属しており、LAN4を介して相互に通信可能である。
【0010】
(プリンタ10の構成)
プリンタ10は、印刷機能を実行可能な周辺装置(即ちPC100A~100Cの周辺装置)である。プリンタ10は、さらに、ウェブサーバ機能を実行可能である。ウェブサーバ機能は、外部機器がプリンタ10内のウェブサーバにアクセスすることに応じて、ウェブページを表わすウェブページデータを外部機器に送信する機能である。なお、プリンタ10は、これらの機能に加えて、スキャン機能、FAX機能等を実行可能な多機能機であってもよい。プリンタ10は、操作部12と、表示部14と、印刷実行部16と、通信インターフェース(以下ではインターフェースを「I/F」と記載する)20と、制御部30と、を備える。
【0011】
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をプリンタ10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部14は、いわゆるタッチパネル(即ち、操作部)としても機能する。印刷実行部16は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。通信I/F20は、LAN4に接続されている。通信I/F20は、無線I/Fであってもよいし、有線I/Fであってもよい。
【0012】
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ34は、ユーザテーブル38と、プリセットテーブル40と、を記憶している。
【0013】
(PC100A~100Cの構成)
PC100Aは、プリンタ10の管理者によって利用されるPCである。PC100B、100Cは、プリンタ10の管理者とは異なるユーザによって利用されるPCである。PC100A~100Cには、それぞれ、当該PCを利用するユーザを識別するためのユーザ名「U1」、「U2」、「U3」が記憶されている。
【0014】
各PC100A~100Cは、インターネット上のサーバからインストールされたIPP(Internet Printing Protocolの略)プログラム(図示省略)を備える。IPPプログラムは、HTTP(Hyper Text Transfer Protocolの略)に従ったIPPコマンドを生成して、当該コマンドをプリンタ10に送信するためのプログラムである。本実施例では、上記のサーバは、プリンタ10のベンダとは異なる事業者によって提供されるものである。ただし、変形例では、上記のサーバは、プリンタ10のベンダによって提供されるものであってもよい。なお、各PC100A~100Cは、サーバからIPPプログラムをインストールすることなく、IPPを予めサポートしていてもよい。
【0015】
(各テーブル38、40の内容;図2
続いて、図2を参照して、プリンタ10内のユーザテーブル38及びプリセットテーブル40の内容を説明する。
【0016】
ユーザテーブル38では、プリンタ10を利用する1以上のユーザのそれぞれについて、ユーザ名と、パスワードと、権限情報と、登録プリセット名と、除外プリセット名と、が関連付けて記憶されている。ユーザ名、パスワード、及び、権限情報は、プリンタ10の管理者によって登録される。ユーザ名及びパスワードは、個々のユーザの認証に利用される情報である。権限情報は、「Owner」及び「Guest」のどちらかを示す情報である。「Owner」は、プリンタ10の管理者であることを示す情報であり、「Guest」は、プリンタ10の管理者とは異なるユーザ、即ち、一般ユーザ(換言すると個別ユーザ)であることを示す情報である。登録プリセット名、及び、除外プリセット名は、後述するプリセット情報を識別するための情報である。登録プリセット名は、印刷に利用可能なプリセット情報の名称である。除外プリセット名は、印刷に利用不可能なプリセット情報の名称である。
【0017】
プリセットテーブル40には、1個以上のプリセット情報が記憶されている。プリセット情報は、プリセット名と、印刷設定情報と、を含む。印刷設定情報は、印刷設定項目「印刷種類」に対応する印刷条件(即ち「片面」又は「両面」)と、印刷設定項目「色数」に対応する印刷条件(即ち「モノクロ」又は「カラー」)と、を含む。変形例では、印刷設定情報は、その他の印刷設定項目(例えば、画質、用紙サイズ、用紙種別、印刷部数、後処理工程等)を含んでいてもよい。また、印刷設定情報は、印刷設定項目「印刷種類」、及び、印刷設定項目「色数」のうちの少なくとも一方を含んでいなくてもよい。プリセット名「DPR」を含むプリセット情報PI1は、プリセットテーブル40に予め記憶されているデフォルトのプリセット情報である。デフォルトのプリセット情報は、全てのユーザが利用可能な情報であり、消去不可能な情報である。変形例では、デフォルトのプリセット情報は、消去可能であってもよい。例えば、プリンタ10の管理者が、デフォルトのプリセット情報を消去可能に構成されていてもよい。なお、以下では、ユーザテーブル38において、1個のユーザ名のみに関連付けられているプリセット名(例えば「IPR1」又は「IPR2」)を含むプリセット情報のことを「個別プリセット情報」と記載し、2個以上のユーザ名に関連付けられているプリセット名(例えば「GPR1」)を含むプリセット情報のことを「グループプリセット情報」と記載することがある。
【0018】
(プリンタ処理;図3
続いて、図3を参照して、プリンタ10のCPU32によって実行されるプリンタ処理について説明する。プリンタ10の電源がONされると、図3の処理が開始される。なお、プリンタ10によって実行される以下の全ての通信は、通信I/F20を介して実行される。従って、以下では、「通信I/F20を介して」という説明を省略する。
【0019】
S10において、CPU32は、PCからトップ画面要求を受信することを監視する。トップ画面要求は、トップ画面を表示するためのトップ画面データの送信を要求するためのコマンドであり、HTTPに従ったGETコマンドである。CPU32は、PCからトップ画面要求を受信する場合(S10でYES)に、S12に進む。
【0020】
S12において、CPU32は、ウェブサーバ処理(図4)を実行する。ウェブサーバ処理は、プリンタ10がウェブサーバとして機能するための処理である。CPU32は、S12が終了すると、S10に戻る。
【0021】
また、CPU32は、S10の監視と同時的に、S20において、PCからIPPコマンドを受信することを監視する。CPU32は、PCからIPPコマンドを受信する場合(S20でYES)に、S22に進む。
【0022】
S22において、CPU32は、IPP処理(図6)を実行する。IPP処理は、IPPに従った通信を実行して、プリセットテーブル40へのプリセット情報の登録、消去等を実行するための処理である。CPU32は、S22が終了すると、S10に戻る。
【0023】
(ウェブサーバ処理;図4
続いて、図4を参照して、図3のS12で実行されるウェブサーバ処理について説明する。S40において、CPU32は、トップ画面を表示するためのトップ画面データをPCに送信する。トップ画面は、ユーザ名とパスワードをユーザに入力させるための画面である。
【0024】
S42において、CPU32は、PCから、ユーザ名とパスワードとを含む管理画面要求を受信する。管理画面要求は、HTTPのGETコマンドであり、トップ画面にユーザ名とパスワードが入力されることに応じてPCから送信される。
【0025】
S44において、CPU32は、管理画面要求内のユーザ名及びパスワードを利用して、ユーザ認証を実行する。CPU32は、管理画面要求内のユーザ名及びパスワードの組合せがユーザテーブル38に記憶されている場合、即ち、ユーザ認証が成功する場合に、S44でYESと判断し、S46に進む。以下では、ユーザ認証に成功したユーザ名のことを「認証済みユーザ名」と記載する。一方、CPU32は、管理画面要求内のユーザ名及びパスワードの組合せがユーザテーブル38に記憶されていない場合、即ち、ユーザ認証が失敗する場合に、S44でNOと判断し、図4の処理を終了する。
【0026】
S46において、CPU32は、管理画面D11を表示するための管理画面データをPCに送信する。図14に示すように、画面D11は、プリセット設定ボタンと、キャンセルボタンと、を含む。
【0027】
S50において、CPU32は、PCからプリセット設定画面要求を受信することを監視する。プリセット設定画面要求は、HTTPのGETコマンドであり、管理画面D11に含まれるプリセット設定ボタンが選択されることに応じてPCから送信される。CPU32は、PCからプリセット設定画面要求が受信される場合(S50でYES)に、S52に進む。一方、CPU32は、PCからキャンセル要求が受信される場合(S50でNO)に、図4の処理を終了する。キャンセル要求は、管理画面D11に含まれるキャンセルボタンが選択されることに応じてPCから送信される。
【0028】
S52において、CPU32は、プリセット設定画面D12(又はD22、D32)を表示するためのプリセット設定画面データをPCに送信する。図14に示すように、画面D12(又はD22、D32)は、プリセットテーブル40に記憶されている1個以上のプリセット名と、新規登録ボタンと、キャンセルボタンと、を含む。1個以上のプリセット名のそれぞれについて、消去ボタン又は再登録ボタンが対応付けられている。消去ボタンは、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名に関連付けられている登録プリセット名に対応付けられるボタンであり、当該プリセット名を有するプリセット情報を消去するためのボタンである。再登録ボタンは、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名に関連付けられている除外プリセット名に対応付けられるボタンであり、当該プリセット名を登録プリセット名として再登録するためのボタンである。
【0029】
S60、S70、S80において、CPU32は、PCから指示を受信することを監視する。CPU32は、PCから登録画面要求指示を受信する場合に、S60でYESと判断してS62に進む。登録画面要求は、HTTPのGETコマンドであり、プリセット設定画面に含まれる新規登録ボタンが選択されることに応じてPCから送信される。
【0030】
S62において、CPU32は、登録画面を表示するための登録画面データをPCに送信する。登録画面は、プリセット名、及び、登録対象のユーザ名を入力し、かつ、印刷設定情報を設定するための画面である。登録対象のユーザ名は、認証済みユーザ名と同じユーザ名であってもよいし異なるユーザ名であってもよい。また、登録対象のユーザ名は、2以上のユーザ名であってもよい。
【0031】
S64において、CPU32は、PCから、プリセット情報と登録対象のユーザ名とを含む登録指示を受信する。登録指示は、HTTPのPOSTコマンドである。
【0032】
S66において、CPU32は、S64で受信された登録指示内のプリセット情報(即ちプリセット名及び印刷設定情報)をプリセットテーブル40に登録する。また、CPU32は、当該プリセット情報内のプリセット名を、登録対象のユーザ名に対応する登録プリセット名としてユーザテーブル38に登録する。
【0033】
S68において、CPU32は、プリセット情報の登録が完了したことを示すメッセージを含む完了通知画面を表示するための完了通知画面データをPCに送信する。CPU32は、S68が終了すると、図4の処理を終了する。
【0034】
また、CPU32は、PCから、プリセット名を含む消去指示を受信する場合に、S70でYESと判断してS72に進む。消去指示は、HTTPのPOSTコマンドであり、プリセット設定画面に含まれる消去ボタン(図14の画面D12、D22、D32参照)が選択されることに応じてPCから送信される。
【0035】
S72において、CPU32は、消去処理を実行する。消去処理は、消去指示内のプリセット情報をプリセットテーブル40から消去するための処理である。CPU32は、S72が終了すると、図4の処理を終了する。
【0036】
また、CPU32は、PCから、プリセット名を含む再登録指示を受信する場合に、S80でYESと判断してS82に進む。再登録指示は、HTTPのPOSTコマンドであり、プリセット設定画面に含まれる再登録ボタン(図14の画面D32参照)が選択されることに応じてPCから送信される。
【0037】
S82において、CPU32は、ユーザテーブル38内の認証済みユーザ名に関連付けられている情報において、登録指示内のプリセット名を除外プリセット名に代えて登録プリセット名として登録する。
【0038】
S84において、CPU32は、プリセット情報の再登録が完了したことを示すメッセージを含む完了通知画面を表示するための完了通知画面データをPCに送信する。CPU32は、S84が終了すると、図4の処理を終了する。
【0039】
(消去処理;図5
続いて、図5を参照して、図4のS72で実行される消去処理について説明する。S100において、CPU32は、S70で受信された消去指示内のプリセット名を含むプリセット情報(以下では、「消去対象のプリセット情報」と記載することがある)がデフォルトのプリセット情報であるのか否かを判断する。CPU32は、消去対象のプリセット情報がデフォルトのプリセット情報である場合(S100でYES)に、S120に進む。一方、CPU32は、消去対象のプリセット情報がデフォルトのプリセット情報でない場合(S100でNO)に、S102に進む。
【0040】
S102において、CPU32は、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名に関連付けられている権限情報が「Owner」であるのか否かを判断する。CPU32は、認証済みユーザ名に関連付けられている権限情報が「Owner」である場合(S102でYES)に、S104に進む。一方、CPU32は、認証済みユーザ名に関連付けられている権限情報が「Guest」である場合(S102でNO)に、S110に進む。
【0041】
S104において、CPU32は、消去対象のプリセット情報(即ちプリセット名及び印刷設定情報)をプリセットテーブル40から消去する。
【0042】
S106において、CPU32は、ユーザテーブル38において、消去対象のプリセット情報のプリセット名(以下では、「消去対象のプリセット名」と記載することがある)を消去する。
【0043】
S108において、CPU32は、プリセット情報の消去が完了したことを示すメッセージを含む完了通知画面を表示するための完了通知画面データをPCに送信する。CPU32は、S108が終了すると、図5の処理を終了する。
【0044】
また、S110において、CPU32は、認証済みユーザ名を有するユーザが消去可能ユーザであるのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名に関連付けられている登録プリセット名として消去対象のプリセット名が登録されている場合に、認証済みユーザ名を有するユーザが消去可能ユーザであると判断する。一方、CPU32は、認証済みユーザ名とは異なるユーザ名に関連付けられている登録プリセット名として消去対象のプリセット名が登録されている場合に、認証済みユーザ名を有するユーザが消去可能ユーザでないと判断する。CPU32は、消去可能ユーザであると判断する場合(S110でYES)に、S112に進む。一方、CPU32は、消去可能ユーザでないと判断する場合(S110でNO)に、S120に進む。
【0045】
S120において、CPU32は、プリセット情報の消去が失敗したことを示すメッセージを含むエラー通知画面を表示するためのエラー通知画面データをPCに送信する。CPU32は、S120が終了すると、図5の処理を終了する。
【0046】
S112において、CPU32は、消去対象のプリセット情報がグループプリセット情報であるのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、ユーザテーブル38において、消去対象のプリセット名が登録プリセット名として2個以上のユーザ名に関連付けて記憶されている場合に、消去対象のプリセット情報がグループプリセット情報であると判断する。一方、CPU32は、消去対象のプリセット名が1個のユーザ名のみに関連付けて記憶されている場合に、消去対象のプリセット情報がグループプリセット情報でない(即ち個別プリセット情報である)と判断する。CPU32は、消去対象のプリセット情報がグループプリセット情報であると判断する場合(S112でYES)に、S114に進む。一方、CPU32は、消去対象のプリセット情報がグループプリセット情報でないと判断する場合(S112でNO)に、S104に進む。
【0047】
S114において、CPU32は、消去対象のプリセット情報を利用可能な全てのユーザから消去指示を受信済みであるのか否かを判断する。まず、CPU32は、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名以外に、消去対象のプリセット名が登録プリセット名として関連付けられているユーザ名を特定する。次いで、CPU32は、ユーザテーブル38において、特定済みの全てのユーザ名に関連付けられている除外プリセット名として消去対象のプリセット名が記憶されているのか否かを判断する。CPU32は、特定済みの全てのユーザ名に関連付けられている除外プリセット名として消去対象のプリセット名が記憶されている場合(S114でYES)に、S104に進む。一方、CPU32は、特定済みの少なくとも1個のユーザ名に関連付けられている登録プリセット名として消去対象のプリセット名が記憶されている場合(S114でNO)に、S116に進む。なお、CPU32は、S114でYESを経たS104の後のS106において、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名に関連付けられている登録プリセット名に含まれる消去対象のプリセット名を消去するとともに、認証済みユーザ名以外のユーザ名に関連付けられている除外プリセット名に含まれる消去対象のプリセット名も消去する。
【0048】
S116において、CPU32は、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名に関連付けられている登録プリセット名に含まれる消去対象のプリセット名を消去し、認証済みユーザ名に関連付けられている除外プリセット名として消去対象のプリセット名を登録する。
【0049】
S118において、CPU32は、プリセット情報の消去が未完了であることを示すメッセージを含む未完了通知画面を表示するための未完了通知画面データをPCに送信する。CPU32は、S118が終了すると、図5の処理を終了する。
【0050】
(IPP処理;図6
続いて、図6を参照して、図3のS22で実行されるIPP処理について説明する。S140において、CPU32は、図3のS20で受信されたIPPコマンドがGet-Printer-Attributesコマンド(以下では「GPA」と記載する)であるのか否かを判断する。GPAは、能力情報の送信をプリンタ10に要求するコマンドである。CPU32は、当該IPPコマンドがGPAである場合(S140でYES)に、S142に進む。一方、CPU32は、当該IPPコマンドがGPAでない場合(S140でNO)に、S170に進む。
【0051】
S142において、CPU32は、GPAにユーザ名及びパスワードが含まれているのか否かを判断する。CPU32は、GPAにユーザ名及びパスワードが含まれている場合(S142でYES)に、S144に進む。一方、CPU32は、GPAにユーザ名及びパスワードが含まれていない場合(S142でNO)に、S150に進む。S150において、CPU32は、認証画面をPCに表示させるための認証情報要求をPCに送信する。認証画面は、ユーザ名とパスワードをユーザに入力させるための画面である。CPU32は、S150が終了すると、図6の処理を終了する。
【0052】
S144は、GPA内のユーザ名及びパスワードが利用される点を除いて、図4のS44と同様である。CPU32は、S144でYESと判断される場合に、S146に進み、S144でNOと判断される場合に、S160に進む。
【0053】
S146において、CPU32は、能力情報をPCに送信する。まず、プリンタは、ユーザテーブル38において、GPA内のユーザ名に関連付けて除外プリセット名が記憶されているのか否かを判断する。CPU32は、GPA内のユーザ名に関連付けて除外プリセット名が記憶されていない場合には、プリセットテーブル40に記憶されている全てのプリセット情報を送信対象のプリセット情報として特定する。一方、CPU32は、GPA内のユーザ名に関連付けて除外プリセット名が記憶されている場合には、プリセットテーブル40に記憶されている全てのプリセット情報のうち、当該除外プリセット名を含むプリセット情報以外の各プリセット情報を送信対象のプリセット情報として特定する。次いで、CPU32は、プリンタ10が利用可能な全ての印刷条件(即ち「片面」、「両面」、「モノクロ」、及び、「カラー」)と、特定済みの送信対象のプリセット情報と、を含む能力情報をPCに送信する。なお、変形例では、プリンタ10は、プリンタ10が利用可能な全ての印刷条件を含む能力情報を送信し、当該能力情報とは別に、特定済みの送信対象のプリセット情報を送信してもよい。CPU32は、S146が終了すると、図6の処理を終了する。
【0054】
また、S160において、CPU32は、ユーザ認証が失敗したことを示すメッセージを含むエラー通知画面をPCに表示させるための認証エラー情報をPCに送信する。CPU32は、S160が終了すると、図6の処理を終了する。
【0055】
また、S170において、CPU32は、図3のS20で受信されたIPPコマンドがSet-Printer-Attributesコマンド(以下では「SPA」と記載する)であるのか否かを判断する。SPAは、プリセット情報の登録、消去等をプリンタ10に要求するコマンドである。なお、SPAは、ユーザ認証が成功し(S144でYES)、能力情報がPCに送信された(S146)後に、PCから送信されるコマンドである。SPAは、認証が成功したユーザ名を含む。CPU32は、当該IPPコマンドがSPAである場合(S170でYES)に、S172に進む。一方、CPU32は、当該IPPコマンドがSPAでない場合(S170でNO)に、S180に進む。なお、S170でNOと判断されるIPPコマンドは、Validate-Jobコマンド(以下では「VJ」と記載する)等である。
【0056】
S172において、CPU32は、SPA内のプリセット情報、及び、プリセットテーブル40に記憶されているプリセット情報を利用して、消去対象のプリセット情報が指定されているのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、プリセットテーブル40内に存在すると共にSPA内に存在しないプリセット情報がある場合に、当該プリセット情報を消去対象のプリセット情報として特定し、S172でYESと判断し、S174に進む。一方、CPU32は、SPA内に存在すると共にプリセットテーブル40内に存在しないプリセット情報がある場合に、当該プリセット情報を登録対象のプリセット情報として特定し、S172でNOと判断し、S176に進む。
【0057】
S174において、CPU32は、消去処理を実行する。当該消去処理では、SPA内のユーザ名、及び、S172で特定された消去対象のプリセット情報が利用される点を除いて、図5のS100~S106、S110~S116と同様の処理が実行される。そして、当該消去処理において、CPU32は、S106の後に、完了通知画面をPCに表示させるための消去完了情報をPCに送信する。また、CPU32は、S116の後に、未完了通知画面をPCに表示させるための未完了情報をPCに送信する。また、CPU32は、S100でNOと判断した後に、プリセット情報の消去が失敗したことを示すメッセージを含むエラー通知画面をPCに表示させるための消去エラー情報をPCに送信する。
【0058】
S176において、CPU32は、SPA内の登録対象のプリセット情報をプリセットテーブル40に登録する。
【0059】
S178において、CPU32は、ユーザテーブル38において、SPA内のユーザ名に関連付けられている登録プリセット名として、特定済みの登録対象のプリセット情報のプリセット名を登録する。CPU32は、S178が終了すると、図6の処理を終了する。
【0060】
また、CPU32は、S180において、IPPに従った各種処理を実行する。CPU32は、S180が終了すると、図6の処理を終了する。
【0061】
(具体的なケースA~ケースG;図7図12
図7図12を参照して、図3図6の処理によって実現される具体的なケースA~ケースGについて説明する。
【0062】
(ケースA;図7
図7を参照して、プリセットテーブル40内のプリセット情報を利用した印刷処理が実行されるケースAについて説明する。ケースAの初期状態では、プリンタ10のプリセットテーブル40に、4個のプリセット情報PI1~PI4が記憶されている。また、プリンタ10のユーザテーブル38には、ユーザ名U1、U2、U3のそれぞれに対応するパスワード、及び、権限情報が記憶されている(図2参照)。また、ユーザテーブル38において、登録プリセット名「DPR」がユーザ名U1に関連付けて記憶されており、登録プリセット名「DPR」、「IPR1」、「GPR1」がユーザ名U2に関連付けて記憶されており、登録プリセット名「DPR」、「IPR2」、「GPR1」がユーザ名U3に関連付けて記憶されている(図2参照)。
【0063】
PC100Bは、T10において、印刷設定画面を表示するための操作を受け付けると、T12において、GPAをプリンタ10に送信する。
【0064】
プリンタ10は、T12において、PC100BからGPAを受信すると(図3のS10でNO、S20でYES、図6のS140でYES)、GPAにユーザ名及びパスワードが含まれていないと判断し(S142でNO)、T14において、PC100Bに認証情報要求を送信する(S150)。
【0065】
PC100Bは、T14において、プリンタ10から認証情報要求を受信すると、T16において、認証画面を表示する。次いで、PC100Bは、T18において、ユーザ名U2及びパスワードP2の入力を受け付けると、T20において、ユーザ名U2とパスワードP2とを含むGPAをプリンタ10に送信する。
【0066】
プリンタ10は、T20において、PC100BからGPAを受信すると(図3のS10でNO、S20でYES、図6のS140でYES)、GPAにユーザ名及びパスワードが含まれていると判断し(S142でYES)、T22において、GPAのユーザ名U2及びパスワードP2の組合せがユーザテーブル38に記憶されているために、ユーザ認証が成功したと判断する(S144でYES)。次いで、プリンタ10は、ユーザテーブル38において、GPA内のユーザ名U2に関連付けて除外プリセット名が記憶されていないと判断し、プリセットテーブル40に記憶されている全てのプリセット情報PI1~PI4を送信対象のプリセット情報として特定する。次いで、プリンタ10は、T24において、プリンタ10が実行可能な全ての印刷条件(即ち「片面」、「両面」、「モノクロ」、「カラー」)と、プリセット情報PI1~PI4と、を含む能力情報をPC100Bに送信する。
【0067】
PC100Bは、T24において、プリンタ10から能力情報を受信すると、T30において、印刷設定画面D1を表示する。図13に示すように、画面D1は、プリセット名を選択するためのプリセット名選択欄と、「片面」、「両面」、「モノクロ」、及び、「カラー」に対応する4個のチェックボックスと、OKボタンと、キャンセルボタンと、プリセット消去ボタンと、を含む。なお、初期の印刷設定画面D1では、プリセット名選択欄には、プリセット名「DPR」が表示されており、「片面」、「モノクロ」のそれぞれに対応するチェックボックスにチェックが付与されている。PC100Bは、T32において、プリセット選択欄のプルダウンの選択を受け付けると、T34において、プリセット名選択画像N1を印刷設定画面D1上に表示する。図13に示すように、画像N1は、選択可能なプリセット名の一覧画像と、新たなプリセット情報の登録を受け付ける新規登録画像と、を含む。PC100Bは、T36において、プリセット名選択画像N1内のプリセット名「IPR1」の選択を受け付けると、T24で受信した能力情報内のプリセット名「IPR1」を含むプリセット情報PI3を特定する。そして、PC100Bは、特定済みのプリセット情報PI3内の印刷条件「両面」、「モノクロ」を特定し、T38において、印刷設定画面D1上の印刷設定を特定済みの印刷条件に適合させる。具体的には、PC100Bは、「片面」に対応するチェックボックスのチェックを消去し、「両面」に対応するチェックボックスにチェックを付与する。このように、プリンタ10は、ユーザによってプリセット名選択画像N1内のプリセット名が選択されることに応じて、印刷設定画面D1上の印刷設定を、選択済みのプリセット名を含むプリセット情報内の印刷設定情報に適合させる。次いで、PC100Bは、T40において、OKボタンの選択を受け付けると、T50において、IPPに従ったVJをプリンタ10に送信する。VJコマンドは、印刷設定(即ち、「両面」、「モノクロ」)を含む。
【0068】
プリンタ10は、T50において、PC100BからVJを受信すると、T52において、200OKをPC100Bに送信する(S180)。200OKは、IPPで定義されているコマンドではなく、HTTPで定義されているコマンドであり、具体的には、処理が正常に完了したことを示すコマンドである。
【0069】
PC100Bは、T52において、プリンタ10から200OKを受信すると、T54において、IPPに従ったCreate-Jobコマンド(以下では「CJ」と記載する)をプリンタ10に送信する。CJは、印刷設定(即ち、「両面」、「モノクロ」)を含む。
【0070】
プリンタ10は、T54において、PC100BからCJを受信すると、T56において、ユニークなジョブID「J1」を生成し、T58において、生成済みのジョブID「J1」を含む200OKをPC100Bに送信する(S180)。
【0071】
PC100Bは、T58において、プリンタ10から200OKを受信すると、T60において、IPPに従ったSend-Documentコマンド(以下では「SD」と記載する)をプリンタ10に送信する。SDは、印刷データと、受信済みの200OKに含まれるジョブID「J1」と、を含む。
【0072】
プリンタ10は、T60において、PC100BからSDを受信すると、SD内のジョブID「J1」に対応する印刷設定(即ち、「片面」、「カラー」)を特定し、T62において、SD内の印刷データと特定済みの印刷設定とに従って印刷を実行する(S180)。そして、プリンタ10は、T64において、200OKをPC100Bに送信する。
【0073】
(ケースB;図8
図8を参照して、IPPに従った通信を利用して、プリンタ10のプリセットテーブル40内の個別プリセット情報PI3が消去されるケースBについて説明する。ケースBの初期状態は、ケースAの初期状態と同様である。
【0074】
T110~T138は、図7のT10~T38と同様である。PC100Bは、T140において、プリセット消去ボタンの選択を受け付けると、T150において、ユーザ名U2とパスワードP2とを含むGPAをプリンタ10に送信する。T152は、T124と同様である。PC100Bは、T152において、プリンタ10から能力情報を受信すると、能力情報内のプリセット情報PI1~PI4を特定する。そして、プリセット消去ボタンの選択を受け付けた際に、印刷設定画面D1に表示されていたプリセット名「IPR1」を特定し、能力情報内のプリセット情報PI1~PI4のうち、プリセット名「IPR1」を含むプリセット情報PI3を消去対象のプリセット情報として特定する。そして、PC100Bは、プリセット情報PI3を送信対象のプリセット情報から除外し、T154において、ユーザ名U2と、パスワードP2と、プリセット情報PI1、PI2、PI4と、を含むSPAをプリンタ10に送信する。
【0075】
プリンタ10は、T154において、PC100BからSPAを受信すると(図3のS10でNO、S20でYES、図6のS140でNO、S170でYES)、プリセット情報PI3が、プリセットテーブル40内に存在すると共にSPA内に存在しないと判断し(S172でYES)、プリセット情報PI3を消去対象のプリセット情報として特定する。次いで、プリンタ10は、プリセット情報PI3がデフォルトのプリセット情報でないと判断し(図5のS100でNO)、ユーザテーブル38において、SPA内のユーザ名U2に関連付けられている権限情報が「Guest」であると判断する(S102でNO)。次いで、プリンタ10は、ユーザテーブル38において、プリセット情報PI3のプリセット名「IPR1」が、SPA内のユーザ名U2に関連付けて記憶されていると判断し(S110でYES)、ユーザテーブル38において、プリセット名「IPR1」が、ユーザ名U2のみに関連付けて記憶されていることを特定し、プリセット情報PI3が個別プリセット情報であると判断する(S112でNO)。この場合、プリンタ10は、T156において、プリセット情報PI3をプリセットテーブル40から消去し(S104)、T158において、ユーザ名U2に関連付けられている登録プリセット名「IPR1」をユーザテーブル38から消去し(S106)、T160において、消去完了情報をPC100Bに送信する。
【0076】
(ケースC;図9
図9を参照して、プリンタ10のウェブサーバ機能を利用して、プリンタ10のプリセットテーブル40内の個別プリセット情報PI4が消去されるケースCについて説明する。ケースCの初期状態は、ケースBの後の状態、即ち、プリセットテーブル40には、3個のプリセット情報PI1、PI2、PI4が記憶されている。
【0077】
PC100Aは、T210において、プリンタ10に割り当てられているIPアドレスの入力を受け付けると、T212において、トップ画面要求をプリンタ10に送信する。
【0078】
プリンタ10は、T212において、PC100Aからトップ画面要求を受信すると(図3のS10でYES)、T214において、トップ画面データをPC100Aに送信する(図4のS40)。
【0079】
PC100Aは、T214において、プリンタ10からトップ画面データを受信すると、T216において、トップ画面を表示する。次いで、PC100Aは、T218において、ユーザ名U1とパスワードP1の入力を受け付けると、T220において、ユーザ名U1とパスワードP1とを含む管理画面要求をプリンタ10に送信する。
【0080】
プリンタ10は、T220において、PC100Aから管理画面要求を受信すると(S42)、T222において、管理画面要求内のユーザ名U1及びパスワードP1の組合せがユーザテーブル38に記憶されているために、ユーザ認証が成功したと判断する(S44でYES)。そして、プリンタ10は、T224において、管理画面データをPC100Aに送信する(S46)。
【0081】
PC100Aは、T224において、プリンタ10から管理画面データを受信すると、T230において、管理画面D11(図14参照)を表示する。次いで、PC100Aは、T232において、プリセット設定ボタンの選択を受け付けると、T234において、プリセット設定画面要求をプリンタ10に送信する。
【0082】
プリンタ10は、T234において、PC100Aからプリセット設定画面要求を受信すると(S50でYES)、T236において、プリセット設定画面データをPC100Aに送信する(S52)。
【0083】
PC100Aは、T236において、プリンタ10からプリセット設定画面データを受信すると、T240において、プリセット設定画面D12(図14参照)を表示する。PC100Aは、T242において、プリセット名「IPR2」に対応する消去ボタンの選択を受け付けると、T250において、プリセット名「IPR2」を含む消去指示をプリンタ10に送信する。
【0084】
プリンタ10は、T250において、PC100Aから消去指示を受信すると(S70でYES)、消去指示内のプリセット名「IPR2」を含むプリセット情報PI4がデフォルトのプリセット情報でないと判断し(図5のS100でNO)、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名U1に関連付けられている権限情報が「Owner」であると判断する(S102でNO)。この場合、プリンタ10は、T252において、プリセット情報PI4をプリセットテーブル40から消去し(S104)、T254において、登録プリセット名「IPR2」をユーザテーブル38から消去し(S106)、T256において、完了通知画面データをPC100Aに送信する(S108)。このように、プリンタ10の管理者は、管理者が有するユーザ名U1に関連付けられていないプリセット情報をプリセットテーブル40から消去することができる。即ち、プリンタ10の管理者は、管理者が有するユーザ名U1にプリセット情報が関連付けられているのか否かに関わらず、当該プリセット情報をプリセットテーブル40から消去することができる。
【0085】
(ケースD;図10
図10を参照して、プリンタ10のプリセットテーブル40内のグループプリセット情報PI2の消去が制限されるケースDについて説明する。ケースDの初期状態は、ケースCの後の状態、即ち、プリンタ10のプリセットテーブル40には、プリセット情報PI1、PI2が記憶されている。
【0086】
T310~T338は、通信対象がPC100Bである点を除いて、図9のT210~T238と同様である。なお、本ケースでは、PC100Bは、T318において、ユーザ名U2とパスワードP2の入力を受け付けると、T320において、ユーザ名U2とパスワードP2とを含む管理画面要求をプリンタ10に送信する。
【0087】
PC100Bは、T340において、プリセット設定画面D22(図14参照)を表示し、T342において、プリセット名「GPR1」に対応する消去ボタンの選択を受け付けると、T350において、プリセット名「GPR1」を含む消去指示をプリンタ10に送信する。
【0088】
プリンタ10は、T350において、PC100Bから消去指示を受信すると(図4のS70でYES)、プリセットテーブル40において、消去指示内のプリセット名「GPR1」を含むプリセット情報PI2を特定する。次いで、プリンタ10は、プリセット情報PI2がデフォルトのプリセット情報でないと判断し(図5のS100でNO)、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名U2に関連付けられている権限情報が「Guest」であると判断する(S102でNO)。次いで、プリンタ10は、ユーザテーブル38において、プリセット情報PI2のプリセット名「GPR1」が、認証済みユーザ名U2に関連付けて記憶されていると判断し(S110でYES)、ユーザテーブル38において、プリセット名「GPR1」が2個のユーザ名U2、U3に関連付けて記憶されていることを特定し、プリセット情報PI2がグループプリセット情報であると判断する(S112でYES)。次いで、プリンタ10は、ユーザテーブル38において、ユーザ名U3に関連付けられている除外プリセット名としてプリセット名「GPR1」が記憶されていないと判断する(S114でNO)。この場合、プリンタ10は、プリセット情報PI2をプリセットテーブル40から消去しない。そして、プリンタ10は、T352において、ユーザテーブル38において、ユーザ名U2に関連付けられている登録プリセット名に含まれるプリセット名「GPR1」を消去し、ユーザ名U2に関連付けられている除外プリセット名としてプリセット名「GPR1」を登録し(S116)、T354において、未完了通知画面データをPC100Bに送信する(S118)。
【0089】
(ケースDの効果)
図8のケースBに示されるように、プリンタ10は、ユーザテーブル38において、プリセット情報PI3のプリセット名「IPR1」がユーザ名U2のみに関連付けて記憶されている状況において、PC100Bから、プリセット情報PI3を含まないSPAが受信されると(T154)、プリセット情報PI3をプリセットテーブル40から消去する。一方、図10のケースDに示されるように、プリンタ10は、ユーザテーブル38において、プリセット情報PI2のプリセット名「GPR1」が、2個のユーザ名U2、U3に関連付けて記憶されている状況において、PC100Bから、プリセット情報PI2のプリセット名「GPR1」を含む消去指示が受信されても(T350)、プリセット情報PI2をプリセットテーブル40から消去しない。プリセット情報PI3は、PC100Bを利用するユーザによってのみ利用される情報であり、プリセット情報PI2は、PC100Bを利用するユーザ及びPC100Cを利用するユーザによって利用される情報である。仮に、PC100Bから、プリセット情報PI2のプリセット名「GPR1」を含む消去指示が受信される場合に、プリセット情報PI2がプリセットテーブル40から消去されると、PC100Cを利用するユーザもプリセット情報PI2を利用した印刷を実行できなくなる。上記の構成によると、プリセット情報PI2を利用することを所望するユーザが存在し得る状況において、プリセット情報PI2がプリセットテーブル40から消去されることを防止することができる。
【0090】
(ケースE;図10
図10を参照して、プリンタ10のユーザテーブル38において、ユーザ名U2に関連付けて除外プリセット名「GPR1」が記憶されている状態におけるIPP処理に従った印刷処理について説明する。ケースEの初期状態は、ケースDの後の状態、即ち、ユーザテーブル38において、ユーザ名U2に関連付けられている除外プリセット名としてプリセット名「GPR1」が記憶されている。
【0091】
まず、PC100Bとプリンタ10との間で、図7のT10~T20と同様の処理が実行される。プリンタ10は、T422において、ユーザ認証が成功すると、ユーザテーブル38において、GPA内のユーザ名U2に関連付けて除外プリセット名「GPR1」が記憶されていると判断し、プリセットテーブル40に記憶されているプリセット情報PI1、PI2のうち、除外プリセット名「GPR1」を含むプリセット情報PI2以外のプリセット情報PI1を送信対象のプリセット情報として特定する。次いで、プリンタ10は、T424において、プリンタ10が実行可能な全ての印刷条件(即ち「片面」、「両面」、「モノクロ」、「カラー」)と、プリセット情報PI1と、を含む能力情報をPC100Bに送信する。T430、T440は、それぞれ、T30、T40と同様である。次いで、PC100Bは、T450において、印刷設定(即ち、「両面」、「モノクロ」)を含むVJをプリンタ10に送信する。その後、PC100Bとプリンタ10との間で、T52~T64と同様の処理が実行される。
【0092】
(ケースEの効果)
図10のケースEに示されるように、プリンタ10は、ユーザテーブル38において、除外プリセット名「GPR1」がユーザ名U2に関連付けて記憶されている場合、当該プリセット名「GPR1」を含むプリセット情報PI2を含まない能力情報をPC100Bに送信する(T424)。除外プリセット名「GPR1」を含むプリセット情報PI2は、ユーザ名U2を有するユーザが消去を要求した情報である。即ち、ユーザ名U2を有するユーザは、プリセット情報PI2を利用することを望んでいない。従って、PC100Bに不必要な情報が送信されることを抑制することができる。
【0093】
(ケースF;図11
図11を参照して、プリンタ10のプリセットテーブル40内のグループプリセット情報PI2が消去されるケースFについて説明する。ケースFの初期状態は、ケースEの初期状態と同様である。T510~T550は、通信対象がPC100Cである点、ユーザ名、パスワードが異なる点を除いて、図10のT310~T350と同様である。
【0094】
プリンタ10は、T550において、PC100Cから消去指示を受信すると(図4のS70でYES)、プリセットテーブル40において、消去指示内のプリセット名「GPR1」を含むプリセット情報PI2を特定する。次いで、プリンタ10は、プリセット情報PI2がデフォルトのプリセット情報でないと判断し(図5のS100でNO)、ユーザテーブル38において、認証済みユーザ名U3に関連付けられている権限情報が「Guest」であると判断する(S102でNO)。次いで、プリンタ10は、ユーザテーブル38において、プリセット情報PI2のプリセット名「GPR1」が、認証済みユーザ名U3に関連付けて記憶されていると判断し(S110でYES)、ユーザテーブル38において、プリセット名「GPR1」が2個のユーザ名U2,U3に関連付けて記憶されていることを特定し、プリセット情報PI2がグループプリセット情報であると判断する(S112でYES)。次いで、プリンタ10は、ユーザテーブル38において、ユーザ名U2に関連付けられている除外プリセット名としてプリセット名「GPR1」が記憶されていると判断する(S114でYES)。この場合、プリンタ10は、T552において、プリセット情報PI2をプリセットテーブル40から消去し(S104)、T554において、ユーザテーブル38において、ユーザ名U3に関連付けられている登録プリセット名に含まれるプリセット名「GPR1」を消去し、ユーザ名U2に関連付けられている除外プリセット名に含まれるプリセット名「GPR1」を消去し(S106)、T560において、完了通知画面データをPC100Bに送信する(S108)。
【0095】
(ケースFの効果)
図10のケースDに示されるように、プリンタ10は、ユーザテーブル38において、プリセット情報PI2のプリセット名「GPR1」が、2個のユーザ名U2、U3に関連付けて記憶されている状況において、PC100Bから、ユーザ名U2と消去指示とが受信されても(図10のT320、T350)、プリセットテーブル40からプリセット情報PI2を消去しない(T356)。一方、図10のケースD及び図11のケースFに示されるように、プリンタ10は、ユーザテーブル38において、プリセット情報PI2のプリセット名「GPR1」が、2個のユーザ名U2、U3に関連付けて記憶されている状況において、PC100Bから、ユーザ名U2と消去指示とが受信され(図10のT320、T350)、かつ、PC100Cから、ユーザ名U3と消去指示とが受信されると(図11のT520、T550)、プリセットテーブル40からプリセット情報PI2を消去する(T552)。上記の構成によると、2人以上のユーザによって利用することが所望されているプリセット情報PI2を適切に消去することができる。
【0096】
(ケースG;図12
図12を参照して、ユーザテーブル38において、ユーザテーブル38内の認証済みユーザ名U2に関連付けられている情報において、登録指示内のプリセット名「GPR1」を除外プリセット名に代えて登録プリセット名として登録するケースGについて説明する。ケースGの初期状態は、ケースEの初期状態と同様である。T610~T634は、図10のT310~T334と同様である。プリンタ10は、T634において、PC100Bからプリセット設定画面要求を受信すると、ユーザテーブル38において、除外プリセット名「GPR1」が認証済みユーザ名U2に関連付けて記憶されていると判断する。この場合、プリンタ10は、T636において、プリセット名「GPR1」に再登録ボタンが対応付けられているプリセット設定画面D32を表示するためのプリセット設定画面データをPC100Bに送信する。
【0097】
PC100Bは、T636において、プリンタ10からプリセット設定画面データを受信すると、T640において、プリセット設定画面D32(図14参照)を表示する。PC100Bは、T642において、プリセット名「GPR1」に対応する再登録ボタンの選択を受け付けると、T650において、プリセット名「GPR1」を含む再登録指示をプリンタ10に送信する。
【0098】
プリンタ10は、T650において、PC100Bから再登録指示を受信すると(S80でYES)、T654において、ユーザテーブル38内の認証済みユーザ名U2に関連付けられている情報において、登録指示内のプリセット名「GPR1」を除外プリセット名に代えて登録プリセット名として登録し(S82)、T656において、完了通知画面データをPC100Bに送信する(S84)。
【0099】
(ケースGの効果)
図12のケースGに示されるように、プリンタ10は、PC100Bから再登録指示を受信すると(T650)、ユーザテーブル38内の認証済みユーザ名U2に関連付けられている情報において、登録指示内のプリセット名「GPR1」を除外プリセット名に代えて登録プリセット名として登録する(T654)。このような構成によると、PC100Bを利用するユーザは、プリセット情報PI2を利用することを所望する場合に、プリセット情報PI2を新規登録するための操作を実行しなくてもよい。従って、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0100】
(本実施例の効果)
プリンタ10は、PC100から、ユーザ名と消去指示(又はSPA)とを受信する(図4のS42、S70、図6のS170)。プリンタ10は、メモリ34内において、ユーザ名とプリセット情報とが関連付けて記憶されている場合に、プリセット情報をメモリ34から消去し(図5のS104)、メモリ34内において、ユーザ名とプリセット情報とが関連付けて記憶されていない場合に、プリセット情報を消去しない。従って、プリンタ10は、管理者とは異なるユーザからの要求に応じて、プリセット情報を適切に消去することができる。
【0101】
(対応関係)
PC100Bが、「第1の外部装置」の一例である。ユーザ名U2、U3が、「ユーザ識別情報」の一例である。プリセット情報PI1~PI4が、「印刷設定情報」の一例である。SPA及び消去指示が、「消去要求」の一例である。SPA内のプリセット及び消去指示内のプリセット名が、「特定情報」の一例である。PC100Bが、「第1の外部装置」の一例である。ユーザ名U2が、「第1のユーザ識別情報」の一例である。プリセット情報PI2、PI3が、「第1の印刷設定情報」の一例である。図8のT154のSPA、図10のT350の消去指示が、「第1の消去要求」の一例である。図8のT154のSPA内の情報、及び、図10のT350の消去指示内の情報が、「第1の特定情報」の一例である。GPAが、「能力情報要求」の一例である。図8のT140が、「第1の所定操作」の一例である。トップ画面データ要求が、「アクセス要求」の一例である。トップ画面、トップ画面データが、それぞれ、「受付画面」、「受付画面データ」の一例である。図10のT342が、「第2の所定操作」の一例である。
【0102】
ユーザ名U3が、「第2のユーザ識別情報」の一例である。PC100Cが、「第2の外部装置」の一例である。図11のT554の消去指示が、「第2の消去要求」の一例である。図11のT554の消去指示内の情報が、「第2の特定情報」の一例である。プリンタ10のメモリ34のユーザテーブル38内の登録プリセット名が、「受信済み情報」の一例である。再登録指示が、「第3の消去要求」の一例である。プリセット情報PI1が、「デフォルト印刷設定情報」の一例である。ユーザ名U1が、「管理者識別情報」の一例である。PC100Aが、「第3の外部装置」の一例である。図9のT250の消去指示が、「第4の消去要求」の一例である。プリセット情報PI4が、「第2の印刷設定情報」の一例である。
【0103】
図4のS42及び図6のS170が、「第1のユーザ識別情報受信部」によって実行される処理の一例である。図4のS70及び図6のS170が、「第1の消去要求受信部」によって実行される処理の一例である。図5のS104が、「第1の消去部」によって実行される処理の一例である。
【0104】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0105】
(第1変形例)プリンタ10は、SPAに代えて、消去対象のプリセット情報のみを含むコマンド(即ち消去コマンド)が受信される場合に、当該コマンド内のプリセット情報をプリセットテーブル40から消去するように構成されていてもよい。また、SPAに消去対象のプリセット情報のみが含まれていてもよい。
【0106】
(第2変形例)PC100Bは、図8のT140の後に、T124で受信された能力情報内のプリセット情報PI1~PI4を抽出し、T154において、ユーザ名U2と、パスワードP2と、プリセット情報PI1、PI2、PI4と、を含むSPAをプリンタ10に送信してもよい。本変形例では、T150、T152を省略可能である。
【0107】
(第3変形例)図6のS174を省略してもよい。本変形例では、「第1の能力情報要求受信部」、「第1の能力情報送信部」を省略可能である。
【0108】
(第4変形例)図4のS70、S72を省略してもよい。本変形例では、「アクセス要求受信部」、「第1の画面データ送信部」を省略可能である。
【0109】
(第5変形例)図5のS112~S118を省略可能である。本変形例では、CPU32は、図5のS110でYESと判断される場合に、S104に進む。本変形例では、「第2のユーザ識別情報受信部」、「第2の消去要求受信部」、「記憶制御部」、「第2の能力情報要求受信部」、「第2の能力情報送信部」、「第2の消去要求受信部」、「第2の消去部」を省略可能である。
【0110】
(第6変形例)CPU32は、図4のS66において、認証済みユーザ名を、登録指示内のプリセット情報に対応する登録ユーザ名としてメモリ34に記憶させてもよい。また、CPU32は、S176において、SPA内のユーザ名を、SPA内の登録対象のプリセット情報に対応する登録ユーザ名としてメモリ34に記憶させてもよい。本変形例では、CPU32は、図5のS110において、消去対象のプリセット情報に関連付けられている登録ユーザ名として認証済みユーザ名が記憶されているのか否かを判断する。この場合、CPU32は、消去対象のプリセット情報に関連付けられている登録ユーザ名として認証済みユーザ名が記憶されている場合に、認証済みユーザ名を有するユーザが消去可能ユーザであると判断し、消去対象のプリセット情報に関連付けられている登録ユーザ名として認証済みユーザ名が記憶されていない場合に、認証済みユーザ名を有するユーザが消去可能ユーザでないと判断する。本変形例では、図5のS112~S118を省略可能である。本変形例では、消去対象のプリセット情報を登録したユーザは、消去対象のプリセット情報がグループプリセット情報であるか否かに関わらず、当該プリセット情報を消去することができる。従って、プリセット情報を適切に消去することができる。
【0111】
(第7変形例)プリンタ10は、ユーザテーブル38の除外プリセット名からプリセット名を消去し、当該プリセット名を登録プリセット名に登録できなくてもよい。本変形例では、「第3の消去要求受信部」、「第2の消去部」を省略可能である。
【0112】
(第8変形例)プリンタ10は、ユーザテーブル38の除外プリセット名にプリセット名が記憶されている場合でも、プリセットテーブル40に記憶されている全てのプリセット情報を送信するように構成されていてもよい。
【0113】
(第9変形例)PC100A~PC100Cは、プリンタ10に割り当てられているIPアドレスの入力を受け付けた場合に、管理画面要求が送信されるように構成されていてもよい。本変形例では、プリンタ10は、プリセット設定画面要求が受信される場合に、認証画面データをPCに送信する。また、別の変形例では、管理画面、又は、プリセット設定画面が、ユーザ名、及び、パスワードを入力するための画像を含んでいてもよい。また、別の変形例では、プリセット名に対応する消去ボタンが選択される場合に、ユーザ名及びパスワードを入力するための画面が表示されてもよい。
【0114】
(第10変形例)上記の実施例では、制御部30によって実行される各処理がソフトウェア(即ちプログラム36)によって実現されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0115】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
以下は、出願時の特許請求の範囲に対応する記載である。
(項目1)
プリンタであって、
前記プリンタの管理者とは異なる1以上のユーザを識別する1個以上のユーザ識別情報のそれぞれについて、当該ユーザ識別情報と印刷設定情報とを関連付けて記憶可能であるメモリと、
通信インターフェースと、
第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記1個以上のユーザ識別情報のうちの第1のユーザ識別情報を受信する第1のユーザ識別情報受信部と、
前記第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記メモリ内の1個以上の前記印刷設定情報のうちのいずれかの消去を要求する第1の消去要求であって、前記メモリ内の前記1個以上の印刷設定情報のうちの第1の印刷設定情報を特定するための第1の特定情報を含む前記第1の消去要求を受信する第1の消去要求受信部と、
前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信され、かつ、前記メモリ内において前記第1のユーザ識別情報と前記第1の印刷設定情報とが関連付けて記憶されている場合に、前記第1の特定情報によって特定される前記第1の印刷設定情報を前記メモリから消去する第1の消去部と、
を備える、プリンタ。
(項目2)
前記プリンタは、さらに、
前記第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記プリンタの能力を示す能力情報の送信を要求する第1の能力情報要求であって、前記第1のユーザ識別情報を含む前記第1の能力情報要求を受信する第1の能力情報要求受信部と、
前記第1の外部装置から前記第1の能力情報要求が受信される場合に、前記通信インターフェースを介して、前記能力情報と前記第1の印刷設定情報とを前記第1の外部装置に送信する第1の能力情報送信部と、を備え、
前記第1のユーザ識別情報受信部及び前記第1の消去要求受信部は、前記能力情報と前記第1の印刷設定情報とが前記第1の外部装置に送信された後に、前記第1の外部装置において第1の所定操作が実行される場合に、前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報を含む前記第1の消去要求を受信する、項目1に記載のプリンタ。
(項目3)
前記プリンタは、さらに、
前記第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記プリンタ内のウェブサーバへのアクセスを要求するためのアクセス要求を受信するアクセス要求受信部と、
前記第1の外部装置から前記アクセス要求が受信される場合に、前記通信インターフェースを介して、ユーザ識別情報の入力を受け付けるための受付画面を表わす受付画面データを前記第1の外部装置に送信する第1の画面データ送信部と、を備え、
前記第1のユーザ識別情報受信部は、前記受付画面データが前記第1の外部装置に送信された後に、前記受付画面において前記第1のユーザ識別情報が入力される場合に、前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報を受信し、
前記第1の消去要求受信部は、前記第1の外部装置において第2の所定操作が実行される場合に、前記第1の外部装置から前記第1の消去要求を受信する、項目1に記載のプリンタ。
(項目4)
前記第1の消去部は、前記メモリ内において前記第1の印刷設定情報が前記第1のユーザ識別情報のみに関連付けて記憶されている第1の状況において、前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信される場合に、前記第1の印刷設定情報を前記メモリから消去し、
前記メモリ内において前記第1の印刷設定情報が前記第1のユーザ識別情報と第2のユーザ識別情報とのそれぞれに関連付けて記憶されている第2の状況において、前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信される場合に、前記第1の印刷設定情報は前記メモリから消去されない、項目1から3のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目5)
前記プリンタは、さらに、
第2の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記第2のユーザ識別情報を受信する第2のユーザ識別情報受信部と、
前記第2の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記メモリ内の前記1個以上の印刷設定情報のうちのいずれかの消去を要求する第2の消去要求であって、前記第1の印刷設定情報を特定するための第2の特定情報を含む前記第2の消去要求を受信する第2の消去要求受信部と、を備え、
前記第1の消去部は、前記第2の状況において、前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信され、かつ、前記第2の外部装置から前記第2のユーザ識別情報と前記第2の消去要求とが受信される場合に、前記第1の特定情報及び前記第2の特定情報によって特定される前記第1の印刷設定情報を前記メモリから消去し、
前記第2の状況において、前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信され、かつ、前記第2の外部装置から前記第2のユーザ識別情報と前記第2の消去要求とが受信されない場合に、前記第1の印刷設定情報は前記メモリから消去されない、項目4に記載のプリンタ。
(項目6)
前記プリンタは、さらに、
前記第2の状況において、前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信され、かつ、前記第2の外部装置から前記第2のユーザ識別情報と前記第2の消去要求とが受信されない場合に、前記第1のユーザ識別情報と前記第1の印刷設定情報とに関連付けて、前記第1の消去要求を受信済みであることを示す受信済み情報を前記メモリに記憶させる記憶制御部と、
前記第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記プリンタの能力を示す能力情報の送信を要求する第2の能力情報要求であって、前記第1のユーザ識別情報を含む前記第2の能力情報要求を受信する第2の能力情報要求受信部と、
前記第1の外部装置から前記第2の能力情報要求が受信され、かつ、前記メモリ内において前記第1のユーザ識別情報と前記第1の印刷設定情報とに関連付けて前記受信済み情報が記憶されていない場合に、前記通信インターフェースを介して、前記能力情報と前記第1の印刷設定情報とを前記第1の外部装置に送信する第2の能力情報送信部と、
前記第1の外部装置から前記第2の能力情報要求が受信され、かつ、前記メモリ内において前記第1のユーザ識別情報と前記第1の印刷設定情報とに関連付けて前記受信済み情報が記憶されている場合に、前記通信インターフェースを介して、前記第1の印刷設定情報を前記第1の外部装置に送信することなく、前記能力情報を前記第1の外部装置に送信する第3の能力情報送信部と、
を備える、項目5に記載のプリンタ。
(項目7)
前記プリンタは、さらに、
前記第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記第1のユーザ識別情報と、前記受信済み情報の消去を要求する第3の消去要求であって、前記第1の印刷設定情報を特定するための第3の特定情報を含む前記第3の消去要求と、を受信する第3の消去要求受信部と、
前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第3の消去要求とが受信される場合に、前記第1のユーザ識別情報と、前記第3の特定情報によって特定される前記第1の印刷設定情報と、に関連付けて前記メモリに記憶されている前記受信済み情報を前記メモリから消去する第2の消去部と、
を備える、項目6に記載のプリンタ。
(項目8)
前記メモリは、デフォルト印刷設定情報を予め記憶しており、
前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信され、かつ、前記第1の印刷設定情報が前記デフォルト印刷設定情報である場合に、前記第1のユーザ識別情報に関連付けて前記メモリに記憶されている前記デフォルト印刷設定情報は前記メモリから消去されない、項目1から7のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目9)
前記メモリは、さらに、前記プリンタの管理者を識別する管理者識別情報を記憶可能であり、
前記プリンタは、さらに、
第3の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記管理者識別情報を受信する管理者識別情報受信部と、
前記第3の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記メモリ内の前記11個以上の印刷設定情報のうちのいずれかの消去を要求する第4の消去要求であって、前記メモリ内の前記1個以上の印刷設定情報のうちの第2の印刷設定情報を特定するための第4の特定情報を含む前記第4の消去要求を受信する第4の消去要求受信部と、
前記第3の外部装置から前記管理者識別情報と前記第4の消去要求とが受信される場合に、前記第4の特定情報によって特定される前記第2の印刷設定情報を、前記第2の印刷設定情報が前記管理者識別情報に関連付けて前記メモリに記憶されているのか否かに関わらず、前記メモリから消去する第3の消去部と、
を備える、項目1から8のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目10)
プリンタのためのコンピュータプログラムであって、
前記プリンタは、
前記プリンタの管理者とは異なる1以上のユーザを識別する1個以上のユーザ識別情報のそれぞれについて、当該ユーザ識別情報と印刷設定情報とを関連付けて記憶可能であるメモリと、
通信インターフェースと、
コンピュータと、を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、
第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記1個以上のユーザ識別情報のうちの第1のユーザ識別情報を受信する第1のユーザ識別情報受信部と、
前記第1の外部装置から、前記通信インターフェースを介して、前記メモリ内の1個以上の前記印刷設定情報のうちのいずれかの消去を要求する第1の消去要求であって、前記メモリ内の前記1個以上の印印刷設定情報のうちの第1の印刷設定情報を特定するための第1の特定情報を含む前記第1の消去要求を受信する第1の消去要求受信部と、
前記第1の外部装置から前記第1のユーザ識別情報と前記第1の消去要求とが受信され、かつ、前記メモリ内において前記第1のユーザ識別情報と前記第1の印刷設定情報とが関連付けて記憶されている場合に、前記第1の特定情報によって特定される前記第1の印刷設定情報を前記メモリから消去する第1の消去部と、
として機能させるコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0116】
2:通信システム、4:LAN、10:プリンタ、12:操作部、14:表示部、16:印刷実行部、20:通信I/F、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:プログラム、38:ユーザテーブル、40:プリセットテーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14