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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/00 20060101AFI20231121BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231121BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231121BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
H02M3/00 H
G03G21/00 398
B41J29/38 104
H04N1/00 885
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020066611
(22)【出願日】2020-04-02
(65)【公開番号】P2021164356
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大津 正彦
(72)【発明者】
【氏名】塩安 麻人
(72)【発明者】
【氏名】野村 建太
(72)【発明者】
【氏名】谷畑 友樹
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-175617(JP,A)
【文献】特開2017-121098(JP,A)
【文献】特開2011-254627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00
G03G 21/00
B41J 29/38
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
DCDCコンバータからの電力を受けて予め定められた処理を行う処理部と、
前記DCDCコンバータの出力電流を検出する検出部と、
検出された前記出力電流に基づいて前記DCDCコンバータの動作モードをPFMモード又はPWMモードに切り替える切替部と、
省エネモードから通常モードへの復帰条件を満たした場合、前記検出部の検出結果に依らず前記PFMモードから前記PWMモードに切り替えるよう前記切替部を制御する切替制御部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
DCDCコンバータの出力電流を検出する検出部と、
検出された前記出力電流に基づいて前記DCDCコンバータの動作モードをPFMモード又はPWMモードに切り替える切替部と、プロセッサとを備え、
前記プロセッサは、前記DCDCコンバータからの電力を受けて予め定められた処理を行い、
省エネモードから通常モードへの復帰条件を満たした場合、前記検出部の検出結果に依らず前記PFMモードから前記PWMモードに切り替えるよう前記切替部を制御する、
情報処理装置。
【請求項3】
検出されたDCDCコンバータの出力電流に基づいて前記DCDCコンバータの動作モードをPFMモード又はPWMモードに切り替える切替部を制御するプロセッサを、
前記DCDCコンバータからの電力を受けて予め定められた処理を行わせ、
省エネモードから通常モードへの復帰条件を満たした場合、前記出力電流の検出結果に依らず前記PFMモードから前記PWMモードに切り替えるよう前記切替部を制御させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、急な負荷電流の変化があっても、出力電圧の大きな変動が生じないようにした画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載された画像形成装置は、電源とグランドを交互に出力させるスイッチング部、出力インダクタ、出力コンデンサ、出力インダクタの、スイッチング部を制御するコントローラを含み、通常モードと軽負荷モードと、を有するDCDCコンバータと、画像形成装置の処理を行う制御部と、を含み、制御部は、各給電先デバイスの各動作率に対応する負荷電流の大きさを示す目標電流値が知らされたとき、コントローラは、負荷電流変化までの予測時間が終わる時点に出力インダクタ電流の平均値であるインダクタ平均電流値が目標電流値になるようにスイッチング部を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-99162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、省エネモードから通常モードへの復帰指示があった際に、DCDCコンバータの出力電流の変化に基づいて、DCDCコンバータの動作モードとしてPFMモードからPWMモードに切り替える場合と比較して、省エネモードから通常モードへの復帰時のDCDCコンバータの出力電圧の落ち込みを抑制することができる情報処理装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]DCDCコンバータからの電力を受けて予め定められた処理を行う処理部と、
前記DCDCコンバータの出力電流を検出する検出部と、
検出された前記出力電流に基づいて前記DCDCコンバータの動作モードをPFMモード又はPWMモードに切り替える切替部と、
省エネモードから通常モードへの復帰条件を満たした場合、前記検出部の検出結果に依らず前記PFMモードから前記PWMモードに切り替えるよう前記切替部を制御する切替制御部と、を備えた情報処理装置。
[2]DCDCコンバータの出力電流を検出する検出部と、
検出された前記出力電流に基づいて前記DCDCコンバータの動作モードをPFMモード又はPWMモードに切り替える切替部と、プロセッサとを備え、
前記プロセッサは、前記DCDCコンバータからの電力を受けて予め定められた処理を行い、
省エネモードから通常モードへの復帰条件を満たした場合、前記検出部の検出結果に依らず前記PFMモードから前記PWMモードに切り替えるよう前記切替部を制御する、情報処理装置。
[3]検出されたDCDCコンバータの出力電流に基づいて前記DCDCコンバータの動作モードをPFMモード又はPWMモードに切り替える切替部を制御するプロセッサを、
前記DCDCコンバータからの電力を受けて予め定められた処理を行わせ、
省エネモードから通常モードへの復帰条件を満たした場合、前記出力電流の検出結果に依らず前記PFMモードから前記PWMモードに切り替えるよう前記切替部を制御させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0007】
請求項1-3に係る発明によれば、省エネモードから通常モードへの復帰指示があった際に、DCDCコンバータの出力電流の変化に基づいて、DCDCコンバータの動作モードとしてPFMモードからPWMモードに切り替える場合と比較して、省エネモードから通常モードへの復帰時のDCDCコンバータの出力電圧の落ち込みを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の制御系の一例を示すブロック図である。
図2図2は、DCDCコンバータの概略の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、省エネ制御部、メインASIC及びDCDCコンバータの動作の一例を示すシーケンス図である。
図4図4は、メインCPU及びサブCPUの動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。以下、情報処理装置の一例として画像形成装置について説明する。
【0010】
[実施の形態の要約]
本実施の形態に係る情報処理装置は、DCDCコンバータからの電力を受けて予め定められた処理を行う処理部と、DCDCコンバータの出力電流を検出する検出部と、検出された出力電流に基づいてDCDCコンバータの動作モードをPFMモード又はPWMモードに切り替える切替部と、省エネモードから通常モードへの復帰条件を満たした場合、検出部の検出結果に依らずPFMモードからPWMモードに切り替えるよう切替部を制御する切替制御部とを備える。
【0011】
通常モードとは、例えば、画像の形成を実行することができるモードをいう。省エネモードとは、例えば、通常モードよりも消費電力が抑制されており、画像の形成を実行することはできないモードをいう。
【0012】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の制御系の一例を示すブロック図である。この画像形成装置1は、例えば、スキャン機能、プリント機能、コピー機能、電子メール機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有する複合機である。
【0013】
画像形成装置1は、本装置1の各部を制御する制御部2を有し、この制御部2に、記憶部3、操作表示部4、画像読取部5、画像形成部6、通信部7、DCDCコンバータ8、電力供給用スイッチ9等が接続されている。画像形成装置1は、動作モードとして、通常モード及び省エネモード(スリープモードと称せられる場合もある。)を有する。
【0014】
制御部2は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ2a、インターフェース等から構成されている。プロセッサ2aは、記憶部3に記憶されたプログラム30を実行することにより、メインASIC(Application Specific Integrated Circuit)20、省エネ制御部21等として機能する。メインASIC20及び省エネ制御部21の詳細については後述する。メインASIC20は、メインCPU20aと、サブCPU20bとを備えて構成されている。メインASIC20は、処理部の一例である。省エネ制御部21は、切替制御部の一例である。
【0015】
記憶部3は、ROM(Read Only Memory)、RAM、(Random Access Memory)、ハードディスク等から構成され、プログラム30、省エネ移行条件31、省エネ復帰条件32等の各種の情報を記憶する。省エネ復帰条件32は、復帰条件の一例である。
【0016】
省エネ移行条件31は、通常モードから省エネモードに移行するための条件である。省エネ移行条件31には、例えば、操作表示部4が操作されていない無操作状態が予め定められた時間(例えば、1分)を超えて継続した場合、節電キーが操作された場合等がある。操作表示部4が操作されていない無操作状態が予め定められた時間を超えて継続した場合は、後述する操作状態検出部40から通常モードから省エネモードへの移行を指示する省エネ割り込み信号40aが省エネ制御部21に送信される。
【0017】
省エネ復帰条件32は、省エネモードから通常モードに復帰するための条件である。省エネ復帰条件32には、例えば、操作表示部4が操作(接触含む。)された場合、人感センサによる画像形成装置1への人の接近を検出した場合等がある。操作表示部4が操作された場合は、後述する操作状態検出部40から省エネモードから通常モードへの復帰を指示する復帰割り込み信号40bが省エネ制御部21に送信される。
【0018】
操作表示部4は、情報の入力及び表示を行うものである。操作表示部4は、例えば、タッチパネルディスプレイであり、液晶ディスプレイ等のディスプレイにタッチパネルを重合配置した構成を有する。
【0019】
また、操作表示部4は、操作表示部4への操作状態を検出する操作状態検出部40を備える。操作状態検出部40は、通常モードを実行中に、操作表示部4が操作されていない無操作状態が予め定められた時間(例えば、1分)を超えて継続した場合、通常モードから省エネモードへの移行を指示する省エネ割り込み信号40aを省エネ制御部21に送信する。また、操作状態検出部40は、省エネモードを実行中に、操作表示部4への操作(接触を含む。)を検出した場合、省エネモードから通常モードへの復帰を指示する復帰割り込み信号40bを省エネ制御部21に送信する。
【0020】
画像読取部5は、原稿台上に設けられた自動給紙装置と、原稿台に配置された原稿、又は自動給紙装置により送られた原稿から原稿画像を光学的に読み取るスキャナとを備える。
【0021】
画像形成部6は、給紙カセットから給紙された用紙に、例えば、電子写真方式、インクジェット方式等により画像を形成することで印刷物を作成する。
【0022】
通信部7は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、インターネット等のネットワーク(有線、無線を問わない。)を介してユーザ端末、サーバ等の外部装置と通信する。
【0023】
DCDCコンバータ8は、交流電源から供給された交流電力から高電圧(例えば、24V)及び低電圧(例えば、5V、3.3V)の直流電圧を生成し、本装置1の各部2~7に供給する。高電圧が供給される負荷は、例えば、操作表示部4(操作状態検出部40を除く)、画像読取部5及び画像形成部6である。低電圧が供給される負荷は、例えば、制御部2、記憶部3及び操作状態検出部40である。なお、DCDCコンバータ8は、高電圧と低電圧の中間の電圧も生成してもよい。
【0024】
また、DCDCコンバータ8は、スイッチング制御方式(動作モードともいう。)として、PWM(パルス幅変調)モード及びPFM(パルス周波数変調)モードを有する。DCDCコンバータ8は、通常モードでは、比較的電流が大きい領域で効率が高いPWMモードで動作し、省エネモードでは、比較的電流が小さい領域で効率が高いPFMモードで動作する。
【0025】
電力供給用スイッチ9は、省エネモードでは、省エネ制御部21の制御により、DCDCコンバータ8から高電圧が必要な負荷、例えば、操作表示部4、画像読取部5及び画像形成部6への電力供給を停止する。
【0026】
(DCDCコンバータの構成)
図2は、DCDCコンバータ8の概略の構成例を示すブロック図である。DCDCコンバータ8は、PFM用設定電圧を出力するPFM用設定電圧出力部80aと、PWM用設定電圧を出力するPWM設定電圧出力部80bと、PFM用設定電圧出力部80aからPFM用設定電圧が出力されるPFM用コンパレータ81aと、PWM設定電圧出力部80bからPWM用設定電圧が出力されるPWM用コンパレータ81bと、動作モードをPFMモード又はPWMモードに切り替えるPFM/PWM切替部82と、MOSFET等のスイッチング素子を有して構成されたスイッチング出力部83と、コイル電流を出力電流として検出する出力電流検出部84と、出力電流検出部84の出力側に印加された電圧を出力電圧として検出する出力電圧検出部85とを備える。PFM/PWM切替部82は、切替部の一例である。出力電圧検出部85は、検出部の一例である。
【0027】
PFM用コンパレータ81aは、出力電流検出部84からのフィードバック電圧とPFM用設定電圧との差に応じてパルス幅を変化させずにパルス周波数を制御したPFM信号を出力する。すなわち、フィードバック電圧が下がると、スイッチング出力部83のスイッチング素子のスイッチング周波数を高くし、フィードバック電圧が上がると、スイッチング出力部83のスイッチング素子のスイッチング周波数を低くする制御が行われる。
【0028】
PWM用コンパレータ81bは、出力電流検出部84からのフィードバック電圧とPWM用設定電圧との差に応じてパルス周波数を変化させずにパルス幅を制御したPWM信号を出力する。すなわち、フィードバック電圧が下がると、スイッチング出力部83のスイッチング素子のオン時間を長くし、フィードバック電圧が上がると、スイッチング出力部83のスイッチング素子のオン時間を短くする制御が行われる。
【0029】
PFM/PWM切替部82は、出力電流検出部84からの出力電流に応じて、PFM用コンパレータ81aから出力されるPFM信号、又はPWM用コンパレータ81bから出力されるPWM信号のいずれかに切り替えてスイッチング出力部83に出力する。すなわち、出力電流検出部84からの出力電流が予め定められた閾値よりも大きい場合、PWM信号に切り替え、当該閾値以下の場合、PFM信号に切り替える。
【0030】
スイッチング出力部83は、スイッチング素子のスイッチングにより、高電圧と低電圧の2系統の直流電圧を生成する。
【0031】
次に、制御部2のメインASIC20及び省エネ制御部21について説明する。
【0032】
メインASIC20のメインCPU20aは、電力供給用スイッチ9に対する制御を行う。すなわち、メインCPU20aは、省エネ制御部21からの後述する指示C10により電力供給用スイッチ9に高電圧側への電力供給停止指示C11を出力する。また、メインCPU20aは、省エネ制御部21からの後述する指示C20により電力供給用スイッチ9に高電圧側への電力供給開始指示C12を出力する。サブCPU20bは、省エネ制御部21から後述する指示C10、C20を受け付ける。
【0033】
省エネ制御部21は、画像形成装置1を通常モードから省エネモードに移行させるための制御、又は省エネモードから通常モードに復帰させるための制御を行う。
【0034】
具体的には、省エネ制御部21は、画像形成装置1が通常モードの実行中に、省エネ移行条件31を満たした場合、メインASIC20に通常モードから省エネモードに移行する指示(以下「省エネ移行指示」ともいう。)C10を出力する。
【0035】
また、省エネ制御部21は、省エネ復帰条件を満たした場合、出力電流検出部84の検出結果に依らずPFMモードからPWMモードに切り替えるようPFM/PWM切替部82を制御する。すなわち、省エネ制御部21は、画像形成装置1が省エネモードの実行中に、省エネ復帰条件32を満たした場合、メインASIC20に通常モードから省エネモードに移行する指示(以下「省エネ移行指示」ともいう。)C20を出力するとともに、PFM/PWM切替部82にPFMモードからPWMモードに強制的に切り替える指示(以下「PWM強制指示」ともいう。)C21を出力する。
【0036】
(画像形成装置の動作)
次に、画像形成装置1の動作の一例を、図3及び図4を参照して説明する。図3は、省エネ制御部21、メインASIC20及びDCDCコンバータ8の動作の一例を示すシーケンス図である。図4は、メインCPU20a及びサブCPU20bの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0037】
(1)通常モードから省エネモードに移行する際の動作
図3に示すように、DCDCコンバータ8がPWMモードで動作中に、省エネ制御部21が操作状態検出部40から省エネモードに移行するための省エネ割り込み信号40aを送信されると、省エネ制御部21は、省エネ移行指示C10をメインASIC20に出力する(S11)。
【0038】
メインASIC20は、省エネ移行指示C10により省エネ準備動作を行う(S12)。
【0039】
上記メインASIC20の省エネ準備動作(S12)では、図4に示すように、メインCPU20aは、スリープ指示をサブCPU20bに出力し(S120)、電源OFFの指示を待つ無限ループに入る(S121)。サブCPU20bは、スリープ指示(S121)により、メインCPU20aをリセットする(S123)。
【0040】
次に、図3に示すように、メインASIC20は、電源OFF動作を行う(S13)。
【0041】
上記メインASIC20の電源OFF動作(S13)では、図4に示すように、サブCPU20bは、メインCPU20aに対して電源OFFを指示し、電力供給用スイッチ9に高電圧側への電力供給停止指示C11を出力する。
【0042】
これにより大電圧を必要とする負荷、例えば、操作表示部4(操作状態検出部40を除く)、画像読取部5及び画像形成部6への電力供給が停止する。DCDCコンバータ8の出力電流検出部84から出力される電流が低下し、PFM/PWM切替部82は、動作モードをPWMモードからPFMモードに切り替える。メインCPU20aは、電源OFF状態になり(S123)、省エネモードに移行し、停止中となる(S124)。
【0043】
電源OFF動作(S13)の後、サブCPU20bは、割り込み待ち状態(WFI)となる(S131)。
【0044】
(2)省エネモードから通常モードに移行する際の動作
図3に示すように、DCDCコンバータ8がPFMモードで動作中に、省エネ制御部21が操作状態検出部40から通常モードに復帰するための復帰割り込み信号40bを送信されると、省エネ制御部21は、省エネ復帰指示C20をメインASIC20に出力する(S15)。メインASIC20は、電源ON動作を行う(S16)。
【0045】
上記省エネ復帰指示C20(S15)では、図4に示すように、サブCPU20bは、復帰割り込みを受け付け(S132)、上記メインASIC20の電源ON動作(S16)では、サブCPU20bは、メインCPU20aに対して電源ONを指示し、メインCPU20aは、電源ON状態になり(S125)、通常モードに移行する。
【0046】
図3に示すように、省エネ制御部21は、DCDCコンバータ8のPFM/PWM切替部82にPWM強制指示C21(図2参照)を出力する(S17)。PFM/PWM切替部82は、PWM強制指示C21が出力されると、出力電流検出部84からの出力電流に依らず、PFM用コンパレータ81aから出力されるPFM信号を、PWM用コンパレータ81bから出力されるPWM信号に切り替えてスイッチング出力部83に出力し、DCDCコンバータ8は、PWMモードで動作する。その後、メインASIC20は、リセット解除状態になる(S18)。
【0047】
上記メインASIC20のリセット解除状態(S18)では、図4に示すように、サブCPU20bは、メインCPU20aに対してリセットを解除し(S18)、メインCPU20aは、復帰処理を開始する(S126)。メインCPU20aは、電力供給用スイッチ9に高電圧側への電力供給開始指示C12を出力する。これにより大電圧を必要とする負荷、例えば、操作表示部4、画像読取部5及び画像形成部6への電力供給が開始する。また、メインCPU20aは通常動作(サブCPU20bとの同期待ち)し(S127)、サブCPU20bも通常動作(メインCPU20aとの同期待ち)する(S181)。
【0048】
省エネモードから通常モードへの復帰指示があった際に、メインCPU20aのリセット解除の前にDCDCコンバータ8はPFMモードからPWMモードに切り替わるため、DCDCコンバータの出力電流の変化に基づいて、DCDCコンバータの動作モードとしてPFMモードからPWMモードに切り替える場合と比較して、DCDCコンバータ8の出力電圧の落ち込みが抑制される。
【0049】
(変形例1)
上記実施の形態では、情報処理装置として画像形成装置について説明したが、本発明をパーソナルコンピュータ等の汎用の情報処理装置に適用してもよく、画像処理等の専用の情報処理装置に適用してもよい。
【0050】
(変形例2)
省エネ移行条件31及び省エネ復帰条件32として、操作状態検出部40からの割り込み信号を例示したが、人感センサの検出や他の条件でもよい。
【0051】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施の形態は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形、実施が可能である。
【0052】
プロセッサの各手段は、それぞれ一部又は全部を再構成可能回路(FPGA:Field Programmable Gate Array)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)等のハードウエア回路によって構成してもよい。
【0053】
上記実施の形態において、プロセッサは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC、FPGA、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0054】
また、上記実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0055】
また、上記実施の形態の構成要素の一部を省くことや変更してもよい。また、上記実施の形態のフローにおいて、ステップの追加、削除、変更、入替え等を行ってもよい。また、上記実施の形態で用いたプログラムをCD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができ、クラウドサーバ等の外部サーバに格納しておき、ネットワークを介して利用することもできる。
【符号の説明】
【0056】
1…画像形成装置、2…制御部、2a…プロセッサ、3…記憶部、4…操作表示部、
5…画像読取部、6…画像形成部、7…通信部、8…DCDCコンバータ、
9…電力供給用スイッチ、20…メインASIC、20a…メインCPU、
20b…サブCPU、21…省エネ制御部、30…プログラム、
31…省エネ移行条件、32…省エネ復帰条件、40…操作状態検出部、
40a…省エネ割り込み信号、40b…復帰割り込み信号、
80a…PFM用設定電圧出力部、80b…PWM設定電圧出力部、
81a…PFM用コンパレータ、81b…PWM用コンパレータ、
82…PFM/PWM切替部、83…スイッチング出力部、
84…出力電流検出部、85…出力電圧検出部
図1
図2
図3
図4