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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】車両の前部構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 35/02 20060101AFI20231121BHJP
   B62D 25/18 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
B62D35/02
B62D25/18 F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020074814
(22)【出願日】2020-04-20
(65)【公開番号】P2021172125
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】楢原 隆志
(72)【発明者】
【氏名】加藤 一夫
(72)【発明者】
【氏名】澁武 信行
(72)【発明者】
【氏名】松村 裕介
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-144635(JP,A)
【文献】特開2002-193146(JP,A)
【文献】特開平11-321718(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108367788(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 35/02
B62D 17/00-25/08
B62D 25/14-19/04
B60R 19/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前部に配設された前輪の周方向に沿って、前記前輪を覆うフェンダーライナーと、
該フェンダーライナーの前部下端に連結されたデフレクタとを備えた車両の前部構造であって、
前記デフレクタは、
前記フェンダーライナーの前面に当接する部位を含むとともに、車両前方視で前記フェンダーライナーに重なり合う部分と、前記フェンダーライナーの前部下端よりも車両下方へ延びる部分とを有する後壁部を備え、
該後壁部は、
前記フェンダーライナーと重なり合う部分に、車幅方向に沿って延びる高剛性部位を備え
前記デフレクタの前記後壁部における前記フェンダーライナーに重なり合う部分は、
前記フェンダーライナーに当接する本体部分と、
該本体部分の上端を折曲して延設した上縁部分とで構成され、
前記高剛性部位は、
前記本体部分と前記上縁部分との境界である折曲部分で構成され、
前記フェンダーライナーは、
前記デフレクタの前記本体部分に当接するライナー下縁部と、
該ライナー下縁部の上端から車両後方側へ向けて延設されたライナー後退部と、
該ライナー後退部から前記前輪の周方向に延びるライナー本体部とを備え、
前記デフレクタの前記上縁部分は、
前記ライナー後退部と略平行になるように、前記本体部分の上端から車両後方側へ向けて折曲延設された
車両の前部構造。
【請求項2】
車両の前部に配設された前輪の周方向に沿って、前記前輪を覆うフェンダーライナーと、
該フェンダーライナーの前部下端に連結されたデフレクタとを備えた車両の前部構造であって、
前記デフレクタは、
前記フェンダーライナーの前面に当接する部位を含むとともに、車両前方視で前記フェンダーライナーに重なり合う部分と、前記フェンダーライナーの前部下端よりも車両下方へ延びる部分とを有する後壁部を備え、
該後壁部は、
前記フェンダーライナーと重なり合う部分に、車幅方向に沿って延びる高剛性部位を備え、
前記デフレクタの前記後壁部における前記フェンダーライナーに重なり合う部分は、
前記フェンダーライナーに当接する本体部分と、
該本体部分の上端を車両後方側へ折曲して延設するとともに、後端が前記本体部分よりも車両後方に位置する上縁部分とで構成され、
前記高剛性部位は、
前記本体部分と前記上縁部分との境界である折曲部分で構成された
車両の前部構造。
【請求項3】
前記デフレクタの前記上縁部分は、
前記フェンダーライナーの前記ライナー後退部に対して、所定間隔を隔てて対面するように形成された
請求項1に記載の車両の前部構造。
【請求項4】
前記高剛性部位は、
前記後壁部における車幅方向略中央近傍に形成された
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の車両の前部構造。
【請求項5】
前記デフレクタの前記後壁部は、
車幅方向に沿った水平断面において、車幅方向の位置によって曲率半径が異なる断面略湾曲形状に形成され、
前記高剛性部位は、
前記デフレクタの前記後壁部における曲率半径の大きい部分に形成された
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の車両の前部構造。
【請求項6】
前記フェンダーライナーの前部下端は、
前記デフレクタの前記後壁部に対して弾性接触する構成である
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の車両の前部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば前輪を覆うフェンダーライナーの前部下端に、デフレクタが連結されたような車両の前部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両は、前輪の回転によって巻き上げられた水や砂利などが、エンジンやフロントフェンダーの内面へ向けて飛散することを防止するために、前輪の周方向に沿って前輪を覆うフェンダーライナー(マッドガードともいう)を備えている。
【0003】
さらに、昨今では、ホイールハウス内への走行風の流入を抑制するために、整流板として機能するデフレクタが、フェンダーライナーの前部下端に連結された前部構造が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
ところで、水膜が形成された路面を車両が走行した場合、前輪の回転によって巻き上げられた水飛沫の一部は、前輪とフェンダーライナーとの間をとおって、前輪の車両前方側まで移動する。さらに、前輪の車両前方側へ移動した水飛沫は、前輪の車両前方側において、路面の水膜に衝突することで、勢いよく車両前方上方へ向けて飛散することが知られている。
【0005】
この際、特許文献1のように、フェンダーライナーの前面に連結され、車両下方へ突出した後壁部を有するデフレクタの場合、水飛沫の水圧によって、デフレクタの後壁部が車両前方へ押圧されることで、後壁部には、平面視で車両前方へ突出するような撓み変形が生じる。
【0006】
このため、特許文献1では、後壁部の変形によって、デフレクタとフェンダーライナーとの間に隙間が生じて、水飛沫がフェンダーライナーよりも車両前方側の車両内部へ侵入するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2018-144637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の問題に鑑み、水圧によってデフレクタの後壁部が車両前方側へ押圧された場合であっても、車両内部への水飛沫の侵入を抑えられる車両の前部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、車両の前部に配設された前輪の周方向に沿って、前記前輪を覆うフェンダーライナーと、該フェンダーライナーの前部下端に連結されたデフレクタとを備えた車両の前部構造であって、前記デフレクタは、前記フェンダーライナーの前面に当接する部位を含むとともに、車両前方視で前記フェンダーライナーに重なり合う部分と、前記フェンダーライナーの前部下端よりも車両下方へ延びる部分とを有する後壁部を備え、該後壁部は、前記フェンダーライナーと重なり合う部分に、車幅方向に沿って延びる高剛性部位を備え、前記デフレクタの前記後壁部における前記フェンダーライナーに重なり合う部分は、前記フェンダーライナーに当接する本体部分と、該本体部分の上端を折曲して延設した上縁部分とで構成され、前記高剛性部位は、前記本体部分と前記上縁部分との境界である折曲部分で構成され、前記フェンダーライナーは、前記デフレクタの前記本体部分に当接するライナー下縁部と、該ライナー下縁部の上端から車両後方側へ向けて延設されたライナー後退部と、該ライナー後退部から前記前輪の周方向に延びるライナー本体部とを備え、前記デフレクタの前記上縁部分は、前記ライナー後退部と略平行になるように、前記本体部分の上端から車両後方側へ向けて折曲延設されたことを特徴とする
【0010】
またこの発明は、車両の前部に配設された前輪の周方向に沿って、前記前輪を覆うフェンダーライナーと、該フェンダーライナーの前部下端に連結されたデフレクタとを備えた車両の前部構造であって、前記デフレクタは、前記フェンダーライナーの前面に当接する部位を含むとともに、車両前方視で前記フェンダーライナーに重なり合う部分と、前記フェンダーライナーの前部下端よりも車両下方へ延びる部分とを有する後壁部を備え、該後壁部は、前記フェンダーライナーと重なり合う部分に、車幅方向に沿って延びる高剛性部位を備え、前記デフレクタの前記後壁部における前記フェンダーライナーに重なり合う部分は、前記フェンダーライナーに当接する本体部分と、該本体部分の上端を車両後方側へ折曲して延設するとともに、後端が前記本体部分よりも車両後方に位置する上縁部分とで構成され、前記高剛性部位は、前記本体部分と前記上縁部分との境界である折曲部分で構成されたことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、車両の前部構造は、デフレクタの後壁部に車幅方向に延びる高剛性部位を設けたことにより、車両前方側への押圧荷重に対する後壁部の剛性を向上することができる。
このため、車両の前部構造は、勢いよく飛散した水飛沫によって、デフレクタの後壁部が押圧された際、デフレクタの後壁部が、平面視で車両前方へ突出するように撓み変形することを抑えられる。
【0012】
これにより、車両の前部構造は、勢いよく飛散した水飛沫によって、デフレクタの後壁部とフェンダーライナーとの間に隙間が生じることを抑制できる。
よって、車両の前部構造は、水圧によってデフレクタの後壁部が車両前方側へ押圧された場合であっても、車両内部への水飛沫の侵入を抑えることができる。
【0013】
さらにこの発明において、前記デフレクタの前記後壁部における前記フェンダーライナーに重なり合う部分は、前記フェンダーライナーに当接する本体部分と、該本体部分の上端を折曲して延設した上縁部分とで構成され、前記高剛性部位は、前記本体部分と前記上縁部分との境界である折曲部分で構成されたことを特徴とする
この構成によれば、車両の前部構造は、比較的簡素な構成で後壁部の剛性を向上することができる。
【0014】
さらにまたこの発明において、前記フェンダーライナーは、前記デフレクタの前記本体部分に当接するライナー下縁部と、該ライナー下縁部の上端から車両後方側へ向けて延設されたライナー後退部と、該ライナー後退部から前記前輪の周方向に延びるライナー本体部とを備え、前記デフレクタの前記上縁部分は、前記ライナー後退部と略平行になるように、前記本体部分の上端から車両後方側へ向けて折曲延設されたことを特徴とする
【0015】
この構成によれば、車両の前部構造は、仮に、デフレクタの後壁部とフェンダーライナーとの間に生じた隙間から水飛沫が侵入した場合であっても、侵入した水飛沫をデフレクタの上縁部分で受け止めることができる。
【0016】
さらに、例えば、ライナー下縁部から車両後方上方へ延設されたライナー後退部の場合、車両の前部構造は、デフレクタの上縁部分が受け止めた水飛沫を、フェンダーライナーのライナー後退部に沿って車両下方に排出することができる。
よって、車両の前部構造は、デフレクタの後壁部とフェンダーライナーとの間の止水性を向上できるため、車両内部への水飛沫の侵入をより抑えることができる。
【0017】
また、この発明の態様として、前記デフレクタの前記上縁部分は、前記フェンダーライナーの前記ライナー後退部に対して、所定間隔を隔てて対面するように形成されてもよい。
この構成によれば、車両の前部構造は、デフレクタとフェンダーライナーとの組付け性を損なうことなく、車両内部への水飛沫の侵入をより確実に抑えることができる。
【0018】
具体的には、例えば、後壁部の上縁部分とライナー後退部とが接触する構成の場合、デフレクタとフェンダーライナーとを連結する際、デフレクタとフェンダーライナーとの連結箇所に位置ズレが生じるおそれがある。
【0019】
このため、デフレクタとフェンダーライナーとの組付け性が低下するだけでなく、後壁部の本体部分またはライナー下縁部を変形させるような荷重が付与された状態で、デフレクタとフェンダーライナーとが連結されるおそれがあった。
【0020】
これに対して、後壁部の上縁部分とライナー後退部とが所定間隔を隔てて対面するため、車両の前部構造は、後壁部の上縁部分とライナー後退部との接触による連結箇所の位置ズレを防止できる。
これにより、車両の前部構造は、後壁部の本体部分またはライナー下縁部が変形した状態で、デフレクタとフェンダーライナーとが連結されることを阻止できる。
【0021】
このため、車両の前部構造は、デフレクタとフェンダーライナーとが連結された状態において、後壁部の本体部分とライナー下縁部との間に隙間が生じることを防止できる。
よって、車両の前部構造は、デフレクタとフェンダーライナーとの組付け性を損なうことなく、車両内部への水飛沫の侵入を確実に抑えることができる。
【0022】
また、この発明の態様として、前記高剛性部位は、前記後壁部における車幅方向略中央近傍に形成されてもよい。
この構成によれば、車両の前部構造は、車両内部への水飛沫の侵入をより確実に抑えることができる。
【0023】
具体的には、デフレクタの後壁部は、車両前方への押圧荷重が作用した際、車幅方向の両端に比べて、車幅方向略中央近傍が撓み変形し易い。
そこで、車幅方向略中央近傍に高剛性部位を設けたことにより、車両の前部構造は、水圧によってデフレクタが押圧された際、デフレクタの後壁部が、平面視で車両前方側へ突出するように撓み変形することを確実に抑えられる。
【0024】
これにより、車両の前部構造は、勢いよく飛散した水飛沫の水圧によって、デフレクタの後壁部とフェンダーライナーとの間に隙間が生じることをより確実に抑制できる。
よって、車両の前部構造は、水圧によってデフレクタの後壁部が車両前方側へ押圧された場合であっても、車両内部への水飛沫の侵入をより確実に抑えることができる。
【0025】
また、この発明の態様として、前記デフレクタの前記後壁部は、車幅方向に沿った水平断面において、車幅方向の位置によって曲率半径が異なる断面略湾曲形状に形成され、前記高剛性部位は、前記デフレクタの前記後壁部における曲率半径の大きい部分に形成されてもよい。
【0026】
上記曲率半径が大きい部分とは、車幅方向に沿った水平断面における断面形状が、限りなく略平板状に近い部分を含むものとする。
この構成によれば、車両の前部構造は、車両内部への水飛沫の侵入をより確実に抑えることができる。
【0027】
具体的には、デフレクタの後壁部は、車両前方への押圧荷重が作用した際、曲率半径の小さい部分に比べて、曲率半径の大きい部分の方が撓み変形し易い。
そこで、曲率半径の大きい部分に高剛性部位を設けたことにより、車両の前部構造は、水圧によってデフレクタが押圧された際、デフレクタの後壁部が、平面視で車両前方側へ突出するように撓み変形することを確実に抑えられる。
【0028】
これにより、車両の前部構造は、勢いよく飛散した水飛沫の水圧によって、デフレクタの後壁部とフェンダーライナーとの間に隙間が生じることをより確実に抑制できる。
よって、車両の前部構造は、水圧によってデフレクタの後壁部が車両前方側へ押圧された場合であっても、車両内部への水飛沫の侵入をより確実に抑えることができる。
【0029】
また、この発明の態様として、前記フェンダーライナーの前部下端は、前記デフレクタの前記後壁部に対して弾性接触する構成であってもよい。
この構成によれば、車両の前部構造は、フェンダーライナーの弾性力によって、デフレクタの後壁部とフェンダーライナーの前部下端との間の止水性を向上することができる。
【0030】
さらに、仮に、デフレクタの後壁部が撓み変形した場合であっても、車両の前部構造は、後壁部の撓み変形に追従して、フェンダーライナーの前部下端をデフレクタの後壁部に接触させることができる。
よって、車両の前部構造は、デフレクタの後壁部とフェンダーライナーとの間の止水性をより向上できるため、車両内部への水飛沫の侵入をさらに確実に抑えることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明により、水圧によってデフレクタの後壁部が車両前方側へ押圧された場合であっても、車両内部への水飛沫の侵入を抑えられる車両の前部構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】車両前部における外観を示す外観斜視図。
図2】ホイールハウス内の外観を右側面視で示す右側面図。
図3】スプラッシュシールドの側面を示す右側面図。
図4】車両後方視におけるホイールハウス内の外観を示す外観斜視図。
図5図2中のA-A矢視断面図。
図6図5中のB-B矢視断面図。
図7図2中のC-C矢視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
本実施形態の車両は、前輪を覆うフェンダーライナーの前部下端に、デフレクタが連結されたような車両である。このような車両の前部構造について、図1から図7を用いて説明する。
【0034】
なお、図1は車両前部の外観斜視図を示し、図2はホイールハウスW内の右側面図を示し、図3はスプラッシュシールド20の右側面図を示し、図4は車両後方視におけるホイールハウスW内の外観斜視図を示している。
さらに、図5図2中のA-A矢視断面図を示し、図6図5中のB-B矢視断面図を示し、図7図2中のC-C矢視断面図を示している。
加えて、図示を明確にするため、サブフレーム7の詳細な図示を省略して、図2中において、その一部を二点鎖線で示している。
【0035】
また、図中において、矢印Fr及び矢印Rrは前後方向を示しており、矢印Frは前方を示し、矢印Rrは後方を示している。さらに、矢印Rh及び矢印Lhは車幅方向を示しており、矢印Rhは右方向を示し、矢印Lhは左方向を示している。加えて、図中の上側は車両上方を示し、図中の下側は車両下方を示している。
【0036】
さらにまた、矢印IN及び矢印OUTは車幅方向における内外方向を示しており、矢印INは車幅方向内側を示し、矢印OUTは車幅方向外側を示している。
なお、車両1が左右対称形状のため、本実施形態では、車両右側について図示し、車両左側についての詳細な図示を省略する。
【0037】
車両1の車両前部は、図1に示すように、車幅方向に所定間隔を隔てて配置された左右一対の前輪2と、前輪2の車両上方に配設された外観意匠面をなす左右一対のフロントフェンダー3とを備えている。
【0038】
さらに、車両1の車両前部は、図1に示すように、フロントフェンダー3の前端に連結され、車両前端の外観意匠面をなすフロントバンパ4と、前輪2の車両前方側で、フロントバンパ4の下面を覆う左右一対のデフレクタ5とを備えている。
【0039】
上述したフロントフェンダー3の下端縁、フロントバンパ4の後端縁、及びデフレクタ5の後端縁で囲われた部分は、図2に示すように、側面視において、車両上方へ突出した略半円状のホイールハウスWを構成している。
【0040】
加えて、車両1の車両前部は、図2に示すように、前輪2の車幅方向内側に配設され、車両前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム6と、フロントサイドフレーム6の車両下方に所定間隔を隔てて配設されたサブフレーム7とを備えている。
【0041】
そして、車両1の車両前部は、図1及び図2に示すように、ホイールハウスWの内部に、前輪2を覆う左右一対のフェンダーライナー10、及び左右一対のスプラッシュシールド20を備えている。このフェンダーライナー10、及びスプラッシュシールド20は、左右のフロントフェンダー3と、フロントバンパ4とで囲われたエンジンルームE内に、前輪2の回転によって巻き上げられた水や砂利などが侵入することを阻止するために設けられている。
【0042】
具体的には、フェンダーライナー10は、図1及び図2に示すように、前輪2の径方向に所定間隔を隔てた位置で、前輪2の周方向に沿って、前輪2の外周面を覆う形状に形成されている。このフェンダーライナー10は、図2に示すように、前輪2の車両前方側に配設された前側フェンダーライナー11と、前輪2の車両後方側に配設された後側フェンダーライナー15とで構成されている。
【0043】
また、スプラッシュシールド20は、図2から図4に示すように、前輪2の前部よりも車幅方向内側において、フロントサイドフレーム6とサブフレーム7との間を覆っている。このスプラッシュシールド20は、図2及び図3に示すように、側面視略矩形の板状であって、先端が前側フェンダーライナー11よりも車両前方に位置する状態で、上部がフロントサイドフレーム6に締結され、下部がサブフレーム7に締結されている。
【0044】
引き続き、このような車両1の前部構造において、上述した前側フェンダーライナー11、及びデフレクタ5について詳述する。
前側フェンダーライナー11は、図2及び図4に示すように、弾性を有する素材で形成されたカバー部材であって、側面視略四半円状に形成されている。
【0045】
この前側フェンダーライナー11は、図2から図5に示すように、フロントフェンダー3に固定された縁端からスプラッシュシールド20の車幅方向外側の面へ向けて、車幅方向内側かつ車両後方へ湾曲した形状に形成されている。
なお、前側フェンダーライナー11は、図3に示すように、車幅方向内側の縁端が、車両前後方向におけるスプラッシュシールド20の略中央よりも車両前方の位置に当接している。
【0046】
具体的には、前側フェンダーライナー11は、図2及び図4に示すように、デフレクタ5の後面(後述する後壁部52の後面)に当接するライナー下縁部12と、ライナー下縁部12の上端から車両後方側へ延設されたライナー後退部13と、ライナー後退部13から車両上方側へ延びるライナー本体部14とで一体形成されている。
【0047】
ライナー下縁部12は、図5に示すように、デフレクタ5の後面(後述する後壁部52の後面)に沿った略湾曲形状に形成されている。なお、ライナー下縁部12は、図4及び図5に示すように、車幅方向外側の端部近傍、車幅方向略中央近傍、及び車幅方向内側の端部近傍が、点ファスナP1を介して、デフレクタ5に固定されている。
【0048】
より詳しくは、ライナー下縁部12は、図5に示すように、車幅方向に沿った水平断面において、車幅方向外側の縁端から車幅方向略中央に至る範囲が、比較的大きな曲率半径で略平板状に形成されている。
【0049】
さらに、ライナー下縁部12は、図5に示すように、車幅方向に沿った水平断面において、車幅方向略中央から車幅方向内側の縁端に至る範囲が、車幅方向外側の縁端から車幅方向略中央に至る範囲よりも小さい曲率半径で湾曲した形状に形成されている。
【0050】
このようなライナー下縁部12の下端縁には、図6に示すように、車両前後方向に沿った縦断面において、車両前方側へ折り返された下端折曲部分12aが形成されている。
ライナー下縁部12の下端折曲部分12aは、図6に示すように、前側フェンダーライナー11をデフレクタ5に装着するのに伴って弾性変形するとともに、デフレクタ5に装着された状態において、デフレクタ5の後面(後述する後壁部52の後面)に弾性接触するように形成されている。
【0051】
前側フェンダーライナー11のライナー後退部13は、図6に示すように、車両前後方向に沿った縦断面において、ライナー下縁部12の上端から車両後方上方へ延設された傾斜面に形成されている。
【0052】
前側フェンダーライナー11のライナー本体部14は、図2図4、及び図6に示すように、前輪2の周方向に沿って、ライナー後退部13の後端から車両上方側へ延びる側面視略円弧状に形成されている。
【0053】
このライナー本体部14における車幅方向内側は、図2及び図4に示すように、上端近傍がフロントサイドフレーム6に締結され、車両上下方向略中央がスプラッシュシールド20に点ファスナP2を介して固定されている。
【0054】
このような前側フェンダーライナー11における車幅方向内側の縁端には、図5及び図7に示すように、車幅方向に沿った水平断面において、ライナー下縁部12、ライナー後退部13、及びライナー本体部14の縁端を一体的に車両内側側へ折り曲げた内側折曲部分11aが形成されている。
【0055】
この前側フェンダーライナー11の内側折曲部分11aは、図5及び図7に示すように、前側フェンダーライナー11をスプラッシュシールド20に装着するのに伴って弾性変形するとともに、スプラッシュシールド20に装着された状態において、スプラッシュシールド20に弾性接触するように形成されている。
【0056】
また、デフレクタ5は、車両前方からフロントバンパ4の車両下方をとおって、前輪2へ向かう走行風の流れを整流する合成樹脂製の整流板である。このデフレクタ5は、前輪2の車両前方側において、前側フェンダーライナー11の下端とフロントバンパ4の下端縁で囲われた部分を覆う平面視略扇状に形成されている。
【0057】
具体的には、デフレクタ5は、図2及び図6に示すように、前端に対して後端が車両下方に位置するように傾斜した底面部51と、底面部51の後端から車両上方へ延びる後壁部52とで一体形成されている。
【0058】
このデフレクタ5の後壁部52は、図3図5、及び図6に示すように、底面部51の後端から車両上方へ延びて、前側フェンダーライナー11のライナー下縁部12が車両後方から当接する本体部分53と、本体部分53の上端から車両後方側へ延設された上縁部分54とで構成されている。
【0059】
具体的には、本体部分53は、図3に示すように、車幅方向に長い背面視略矩形の略板状に形成されている。この本体部分53の上部には、図3図5、及び図6に示すように、前側フェンダーライナー11を固定するための点ファスナP1が装着される装着孔52aが、車幅方向に所定間隔を隔てて3つ開口形成されている。
【0060】
このような本体部分53は、図5に示すように、車幅方向に沿った水平断面において、車両前後方向で前輪2の外周面に対向するように車幅方向外側に位置する外方部分53aと、外方部分53aからスプラッシュシールド20へ向けて延びる内方部分53bとで構成されている。
【0061】
より詳しくは、外方部分53aは、図6に示すように、車幅方向に沿った水平断面において、比較的大きな曲率半径で略平板状になるように、車幅方向外側の縁端から車幅方向内側へ向けて延設した形状に形成されている。この外方部分53aは、後壁部52における車幅方向外側の縁端から車幅方向略中央に至る車幅方向の長さで形成されている。
【0062】
一方、内方部分53bは、図6に示すように、車幅方向に沿った水平断面において、外方部分53aの曲率半径よりも小さい曲率半径で、外方部分53aから車幅方向内側かつ車両後方へ向けて延設されている。
【0063】
また、上縁部分54は、図3及び図6に示すように、車幅方向の一端から他端に至る本体部分53の上端を車両後方側へ折曲して、車両後方上方へ向けて延設した形状に形成されている。
より詳しくは、上縁部分54は、図6に示すように、車両前後方向に沿った縦断面において、前側フェンダーライナー11のライナー後退部13よりも車両上方の位置から、ライナー後退部13と略平行となるように車両後方上方へ延設されている。
【0064】
つまり、上縁部分54は、図6に示すように、前側フェンダーライナー11が装着された状態において、ライナー後退部13に対して車両上方に所定間隔を隔てて対面するように形成されている。
【0065】
このような構成のため、デフレクタ5の後壁部52には、図3及び図6に示すように、本体部分53と上縁部分54とによって、車幅方向の一端から他端にかけて連続して延びる稜線に沿った部位である折曲部分52bが形成されている。
【0066】
換言すると、デフレクタ5の後壁部52には、図6に示すように、車両前後方向で前側フェンダーライナー11に重なり合う部分に、車幅方向の一端から他端にかけて連続して延びる高剛性部位が形成されている。
【0067】
以上のように、車両1の前部構造は、車両1の前部に配設された前輪2の周方向に沿って、前輪2を覆う前側フェンダーライナー11と、前側フェンダーライナー11の前端に連結されたデフレクタ5とを備えている。
【0068】
さらに、デフレクタ5は、前側フェンダーライナー11の前面に当接する部位を含むとともに、車両前方視で前側フェンダーライナー11に重なり合う部分と、前側フェンダーライナー11の前端よりも車両下方へ延びる部分とを有する後壁部52を備えている。
そして、後壁部52は、前側フェンダーライナー11と重なり合う部分に、車幅方向に沿って延びる高剛性部位(折曲部分52b)を備えたものである。
【0069】
この発明によれば、車両1の前部構造は、デフレクタ5の後壁部52に車幅方向に延びる高剛性部位(折曲部分52b)を設けたことにより、車両前方側への押圧荷重に対する後壁部52の剛性を向上することができる。
このため、車両1の前部構造は、勢いよく飛散した水飛沫によって、デフレクタ5の後壁部52が押圧された際、デフレクタ5の後壁部52が、平面視で車両前方へ突出するように撓み変形することを抑えられる。
【0070】
これにより、車両1の前部構造は、勢いよく飛散した水飛沫によって、デフレクタ5の後壁部52と前側フェンダーライナー11との間に隙間が生じることを抑制できる。
よって、車両1の前部構造は、水圧によってデフレクタ5の後壁部52が車両前方側へ押圧された場合であっても、車両内部への水飛沫の侵入を抑えることができる。
【0071】
また、デフレクタ5の後壁部52における前側フェンダーライナー11に重なり合う部分は、前側フェンダーライナー11に当接する本体部分53と、本体部分53の上端を折曲して延設した上縁部分54とで構成されている。そして、高剛性部位は、本体部分53と上縁部分54との境界である折曲部分52bで構成されたものである。
この構成によれば、車両1の前部構造は、比較的簡素な構成で後壁部52の剛性を向上することができる。
【0072】
また、前側フェンダーライナー11は、デフレクタ5の本体部分53に当接するライナー下縁部12と、ライナー下縁部12の上端から車両後方側へ向けて延設されたライナー後退部13と、ライナー後退部13から前輪2の周方向に延びるライナー本体部14とを備えている。
そして、デフレクタ5の上縁部分54は、ライナー後退部13と略平行になるように、本体部分53の上端から車両後方側へ向けて折曲延設されている。
【0073】
この構成によれば、車両1の前部構造は、仮に、デフレクタ5の後壁部52と前側フェンダーライナー11との間に生じた隙間から水飛沫が侵入した場合であっても、侵入した水飛沫をデフレクタ5の上縁部分54で受け止めることができる。
【0074】
さらに、例えば、ライナー下縁部12から車両後方上方へ延設されたライナー後退部13の場合、車両1の前部構造は、デフレクタ5の上縁部分54が受け止めた水飛沫を、前側フェンダーライナー11のライナー後退部13に沿って車両下方に排出することができる。
よって、車両1の前部構造は、デフレクタ5の後壁部52と前側フェンダーライナー11との間の止水性を向上できるため、車両内部への水飛沫の侵入をより抑えることができる。
【0075】
また、デフレクタ5の上縁部分54は、前側フェンダーライナー11のライナー後退部13に対して、所定間隔を隔てて対面するように形成されている。
この構成によれば、車両1の前部構造は、デフレクタ5と前側フェンダーライナー11との組付け性を損なうことなく、車両内部への水飛沫の侵入をより確実に抑えることができる。
【0076】
具体的には、例えば、後壁部52の上縁部分54とライナー後退部13とが接触する構成の場合、デフレクタ5と前側フェンダーライナー11とを連結する際、デフレクタ5と前側フェンダーライナー11との連結箇所に位置ズレが生じるおそれがある。
【0077】
このため、デフレクタ5と前側フェンダーライナー11との組付け性が低下するだけでなく、後壁部52の本体部分53またはライナー下縁部12を変形させるような荷重が付与された状態で、デフレクタ5と前側フェンダーライナー11とが連結されるおそれがあった。
【0078】
これに対して、後壁部52の上縁部分54とライナー後退部13とが所定間隔を隔てて対面するため、車両1の前部構造は、後壁部52の上縁部分54とライナー後退部13との接触による連結箇所の位置ズレを防止できる。
これにより、車両1の前部構造は、後壁部52の本体部分53またはライナー下縁部12が変形した状態で、デフレクタ5と前側フェンダーライナー11とが連結されることを阻止できる。
【0079】
このため、車両1の前部構造は、デフレクタ5と前側フェンダーライナー11とが連結された状態において、後壁部52の本体部分53とライナー下縁部12との間に隙間が生じることを防止できる。
よって、車両1の前部構造は、デフレクタ5と前側フェンダーライナー11との組付け性を損なうことなく、車両内部への水飛沫の侵入を確実に抑えることができる。
【0080】
また、高剛性部位(折曲部分52b)は、後壁部52における車幅方向略中央近傍に形成されている。
この構成によれば、車両1の前部構造は、車両内部への水飛沫の侵入をより確実に抑えることができる。
【0081】
具体的には、デフレクタ5の後壁部52は、車両前方への押圧荷重が作用した際、車幅方向の両端に比べて、車幅方向略中央近傍が撓み変形し易い。
そこで、車幅方向略中央近傍に高剛性部位(折曲部分52b)を設けたことにより、車両1の前部構造は、水圧によってデフレクタ5が押圧された際、デフレクタ5の後壁部52が、平面視で車両前方側へ突出するように撓み変形することを確実に抑えられる。
【0082】
これにより、車両1の前部構造は、勢いよく飛散した水飛沫の水圧によって、デフレクタ5の後壁部52と前側フェンダーライナー11との間に隙間が生じることをより確実に抑制できる。
よって、車両1の前部構造は、水圧によってデフレクタ5の後壁部52が車両前方側へ押圧された場合であっても、車両内部への水飛沫の侵入をより確実に抑えることができる。
【0083】
また、デフレクタ5の後壁部52は、車幅方向に沿った水平断面において、車幅方向の位置によって曲率半径が異なる断面略湾曲形状に形成されている。さらに、高剛性部位(折曲部分52b)は、デフレクタ5の後壁部52における曲率半径の大きい部分に形成されている。
【0084】
この構成によれば、車両1の前部構造は、車両内部への水飛沫の侵入をより確実に抑えることができる。
【0085】
具体的には、デフレクタ5の後壁部52は、車両前方への押圧荷重が作用した際、曲率半径の小さい部分に比べて、曲率半径の大きい部分の方が撓み変形し易い。
そこで、曲率半径の大きい部分に高剛性部位(折曲部分52b)を設けたことにより、車両1の前部構造は、水圧によってデフレクタ5が押圧された際、デフレクタ5の後壁部52が、平面視で車両前方側へ突出するように撓み変形することを確実に抑えられる。
【0086】
これにより、車両1の前部構造は、勢いよく飛散した水飛沫の水圧によって、デフレクタ5の後壁部52と前側フェンダーライナー11との間に隙間が生じることをより確実に抑制できる。
よって、車両1の前部構造は、水圧によってデフレクタ5の後壁部52が車両前方側へ押圧された場合であっても、車両内部への水飛沫の侵入をより確実に抑えることができる。
【0087】
また、前側フェンダーライナー11の前端は、デフレクタ5の後壁部52に対して弾性接触する構成である。
この構成によれば、車両1の前部構造は、前側フェンダーライナー11の弾性力によって、デフレクタ5の後壁部52と前側フェンダーライナー11の前端との間の止水性を向上することができる。
【0088】
さらに、仮に、デフレクタ5の後壁部52が撓み変形した場合であっても、車両1の前部構造は、後壁部52の撓み変形に追従して、前側フェンダーライナー11の前端をデフレクタ5の後壁部52に接触させることができる。
よって、車両1の前部構造は、デフレクタ5の後壁部52と前側フェンダーライナー11との間の止水性をより向上できるため、車両内部への水飛沫の侵入をさらに確実に抑えることができる。
【0089】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明のフェンダーライナーは、実施形態の前側フェンダーライナー11に対応し、
以下同様に、
フェンダーライナーの前部下端は、ライナー下縁部12に対応し、
高剛性部位は、折曲部分52bに対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0090】
例えば、上述した実施形態において、前側フェンダーライナー11と後側フェンダーライナー15とで構成されたフェンダーライナー10としたが、これに限定せず、前側フェンダーライナーと後側フェンダーライナーとが一体形成された形状のフェンダーライナーであってもよい。
また、前側フェンダーライナー11の下端よりも車両下方へ突出する後壁部52を有するデフレクタ5であれば、上述した形状に限定せず、適宜の形状であってもよい。
【0091】
また、後壁部52における本体部分53と上縁部分54とがなす折曲部分52bを、デフレクタ5の高剛性部位としたが、これに限定せず、前側フェンダーライナー11のライナー下縁部12と重なり合う部分に形成された高剛性部位であれば、適宜の形状であってもよい。たとえば、後壁部52に形成された車幅方向に延びるビード、あるいはリブなどを高剛性部位としてもよい。
【0092】
また、デフレクタ5の後壁部52における高剛性部位(折曲部分52b)を、車幅方向の一端から他端に至る範囲に形成したが、これに限定せず、少なくとも後壁部52における車幅方向略中央近傍の範囲に高剛性部位(折曲部分52b)が構成されるように、上縁部を設けてもよい。
あるいは、少なくともデフレクタ5の後壁部52における曲率半径の大きい部分、すなわち後壁部52の外方部分53aに高剛性部位(折曲部分52b)が構成されるように、上縁部を設けてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1…車両
2…前輪
5…デフレクタ
11…前側フェンダーライナー
12…ライナー下縁部
13…ライナー後退部
14…ライナー本体部
52…後壁部
52b…折曲部分
53…本体部分
54…上縁部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7